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特開2024-170369発電所のアクティブ通風制御のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170369
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】発電所のアクティブ通風制御のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 9/00 20060101AFI20241203BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20241203BHJP
   F01K 23/10 20060101ALI20241203BHJP
   F02C 7/18 20060101ALI20241203BHJP
   F22B 1/18 20060101ALI20241203BHJP
   F22B 35/00 20060101ALI20241203BHJP
   F23N 3/00 20060101ALI20241203BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
F02C9/00 A
F02C7/00 B
F01K23/10 U
F02C7/18 B
F22B1/18 E
F22B35/00 H
F23N3/00
F23N5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024068184
(22)【出願日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】2304670
(32)【優先日】2023-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボフレール、ピエール
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、 ガース カーティス
(57)【要約】
【課題】コンバインドサイクル発電プラント(CCPP)を通してのアクティブ通風制御のためのプロセス及びシステムを提供する。
【解決手段】CCPPは、1基のターボ機械/排熱回収ボイラ(HRSG)が停止中(又はオフライン)で、2基目のターボ機械/HRSGがオンラインである。HRSGに供給されるダクトダンパは、オンラインのターボ機械/HRSGからCCPPの停止中のターボ機械/HRSGへの逆流がないように、シール空気を供給することができる。ただし、冷却流が望まれる場合、停止中のターボ機械に冷却流を流すことができるように制御された流れを実施してもよい。本ソリューションは、ターボ機械の構成に関係なく、各HRSG専用の個別の煙道なしで、複数の(例えば2基の)HRSGを共通の排気スタックに排出するCCPP構成を冷却するのに有用である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン(20’)及び排熱回収ボイラ(HRSG)(14’)を含む運転中のターボ機械(12’)と、タービン(20)及びHRSG(14)を含む停止中のターボ機械(12)と、前記運転中のターボ機械のHRSG及び前記停止中のターボ機械のHRSGによって共有される共通の排気スタック(36)とを含むシステムを通してのアクティブ通風制御の方法であって、当該方法が、
前記停止中のターボ機械のタービンの回転速度を測定すること、
前記停止中のターボ機械の排気圧力を測定すること、
前記停止中のターボ機械の停止時間を測定すること、並びに
測定された回転数、測定された排気圧力及び測定された停止時間の少なくとも1つに基づいて、前記停止中のターボ機械のタービンでの圧力降下と等しくなるように前記運転中のターボ機械のHRSGからの通風流量を増加させるために前記運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させること
を含む方法。
【請求項2】
測定された回転数、測定された排気圧力及び測定された停止時間の少なくとも1つに基づいて、前記停止中のターボ機械のタービンに大気圧未満の圧力を加えるために前記運転中のターボ機械の通風流温度を調整することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させること及び前記運転中のターボ機械の通風流温度を調整することが、
前記停止中のターボ機械のタービンの測定された回転速度を第1の閾値と比較すること、
前記停止中のターボ機械の測定された排気圧力を第2の閾値と比較すること、及び
前記停止中のターボ機械の測定された停止時間を第3の閾値と比較すること
によって決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させること及び前記運転中のターボ機械の通風流温度を調整することが、
前記停止中のターボ機械のタービンの回転速度が第1の閾値未満である場合、
前記停止中のターボ機械の排気圧力が第2の閾値を超える場合、及び
前記停止中のターボ機械の停止時間が第3の閾値を超える場合
に実施される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記停止中のターボ機械のクールダウンプロセスの状態を監視すること、及び
前記停止中のターボ機械のクールダウンプロセスが完了したら、前記運転中のターボ機械を公称運転状態に戻すこと
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
タービン(20)及び排熱回収ボイラ(HRSG)(14)を含む停止中のターボ機械(12)と、
タービン(20’)及びHRSG(14’)を含む運転中のターボ機械(12’)と、
前記停止中のターボ機械のHRSG及び前記運転中のターボ機械のHRSGによって共有される共通の排気スタック(36)と、
前記停止中のターボ機械のタービンの回転速度、前記停止中のターボ機械の排気圧力及び前記停止中のターボ機械の停止時間の少なくとも1つに基づいて、前記停止中のターボ機械のタービンでの圧力降下と等しくなるように前記運転中のターボ機械のHRSGからの通風流量を増加させるために前記運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させるように構成された制御システムと
を備える、システム。
【請求項7】
前記制御システムが、測定された回転速度、測定された排気圧力及び測定された停止時間の少なくとも1つに基づいて、前記停止中のターボ機械のタービンに大気圧未満の圧力を加えるために前記運転中のターボ機械の通風流温度を調整するようにさらに構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記停止中のターボ機械のタービンの回転速度を測定するためのセンサと、
前記停止中のターボ機械の排気圧力を測定するためのセンサと、
前記ターボ機械の停止時間を測定するためのタイマと
をさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御システムが、
前記停止中のターボ機械のタービンの測定された回転速度を第1の閾値と比較し、
前記停止中のターボ機械の測定された排気圧力を第2の閾値と比較し、かつ
前記停止中のターボ機械の測定された停止時間を第3の閾値と比較する
ことによって、前記運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させ、かつ前記運転中のターボ機械の通風流温度を調節するようにさらに構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御システムが、
前記停止中のターボ機械のタービンの回転速度が第1の閾値未満であり、
前記停止中のターボ機械の排気圧力が第2の閾値を超え、かつ
前記停止中のターボ機械の停止時間が第3の閾値を超える
ときに、前記運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させ、かつ前記運転中のターボ機械の通風流温度を調節するようにさらに構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
第1の閾値が約50rpm~約300rpmであり、
第2の閾値が約-0.03~約-0.1bargであり、かつ
第3の閾値が約30分~約90分である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記運転中のターボ機械のHRSGを前記共通の排気スタックに接続するための第1の排気ダクトと、
前記停止中のターボ機械のHRSGを前記共通の排気スタックに接続するための第2の排気ダクトと
をさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
第1の排気ダクト又は第2の排気ダクトの少なくとも一方が、共通の排気ダクトに直接接続されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
第1の排気ダクト又は第2の排気ダクトの少なくとも一方がダンパを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
コンピュータで実行可能な命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータで実行可能な命令命令が、実行されると、タービン(20’)及び排熱回収ボイラ(HRSG)(14’)を含む運転中のターボ機械(12’)と、タービン(20)及びHRSG(14)を含む停止中のターボ機械(12)と、前記運転中のターボ機械のHRSG及び前記停止中のターボ機械のHRSGによって共有される共通の排気スタック(36)とを含むシステムを通してのアクティブ通風制御の方法であって、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法が実施される、コンピュータ可読媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広義には、アクティブ通風(ドラフト)制御を提供するためのプロセス及びシステムに関する。特に、本開示は、停止中のコンバインドサイクル発電プラント(CCPP)機器を通る自然誘引気流を制御するためのプロセス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械及び排熱回収ボイラ(HRSG)を備えるコンバインドサイクル発電プラントは、変動する電力需要を満たすために柔軟な運転が必要とされる電力網に接続されることが多い。電力網によっては、電力需要の少ない時期にターボ機械の運転を停止し、その後電力網の電力需要を満たすために再起動する指示を繰り返すことがある。運転中、ターボ機械及びHRSGの様々な部品が膨張及び収縮する。例えば、タービンの運転に伴う比較的高い温度による熱膨張が起こることもあるし、内部部品の回転に伴う求心力による機械的膨張が起こることもある。
【0003】
ターボ機械の部品は、種々異なる速度で膨張及び収縮する。速度のばらつきは、部品毎の材料、形状、場所及び目的の差異に起因する可能性がある。これらの差異は、通常、ターボ機械部品のクールダウンプロファイルの設計に組み込まれ、それらの部品の再起動基準に織り込まれる。膨張速度と収縮速度の不一致にさらに適合させるために、ターボ機械にブレードの先端(チップ)と対応するケーシングシュラウドの間にクリアランスを設計することがあるが、これは一般に「先端クリアランス」と呼ばれる。先端クリアランスは、ブレードがシュラウドに接触せずに膨張できるようにして、タービンが損傷するリスクを軽減する。
【0004】
しかし、先端クリアランスは、加熱ガスの一部が有用な仕事をなさずにブレードを通り抜けできるようにして、本来利用できるはずのエネルギーを無駄にしてしまうので、運転中のタービンの効率を大幅に下げる。同様のクリアランスは、圧縮機ブレードと圧縮機ケースの間の圧縮機に設計することができるが、そのため空気が圧縮機ブレードを通り抜けてしまいかねない。
【0005】
停止中、周囲空気の浸透がターボ機械の圧縮機及び高温ガス経路を通して自然に誘引されることがある。周囲空気の浸透は、例えば、ターボ機械、HRSG及び/又は排ガススタックに収容された高温ガスの自然対流並びにターボ機械入口での風速及び風向に起因する圧力差の少なくとも一方によって誘起されることがある。かかる周囲空気の浸透は、ターボ機械及びHRSGを冷却するおそれがあるが、これはターボ機械及びHRSGに課せられる温度作動制約のため迅速な再起動に有害となりかねない。HRSG及び/又は排気が再起動のためのクールダウンプロファイルに織り込まれていないと、不都合な摩擦を起こさずにターボ機械を再起動できるか懸念を生じかねない。
【0006】
ターボ機械の部品が依然として「膨張」状態にあるが、ステータケースが冷却されて、クリアランスがターボ機械部品の回転には適さないまでに収縮していると、膨張及び再起動の試みのために不都合な摩擦が起こるおそれがある。摩擦及び収縮/膨張のような懸念は、例えばHRSG及び/又は排気をターボ機械に後付けしたときに、後付けしたHRSGの設計及び運転態様がターボ機械の冷却スキームに織り込まれていない場合の帰結であることもある。
【0007】
そこで、ターボ機械及びHRSGをできるだけ迅速に再起動できるようにするため、ターボ機械及びHRSGを通る誘引通風を能動的に制御することができる。従前、誘引通風を打ち消すために、ターボ機械圧縮機の可変入口案内翼(すなわち、ターボ機械を通る空気の流れを制御するために圧縮機の入口に設けられたベーン)が閉じられ、及び/又は吸気ダンパ及びルーバ(例えば圧縮機の上流の入口セクションに設けられる)及び/又はスタックダンパ(例えば排気スタックに設けられる)が閉じられてきた。従来のアプローチは、ターボ機械及び場合によってはHRSGを通しての自然通風を減少させるが、漏れのため、かなりの量の誘引自然通風が依然として存在する可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
以下に挙げるすべての態様、具体例及び特徴は、技術的に可能な方法で組合せることができる。
【0009】
本開示の一態様は、タービン及び排熱回収ボイラ(HRSG)を含む運転中のターボ機械と、タービン及びHRSGを含む停止中のターボ機械とを含むシステムでのアクティブ通風制御のための方法を提供するが、本方法は、停止中のターボ機械のタービンの回転速度を測定すること、停止中のターボ機械の排気圧力を測定すること、停止中のターボ機械の停止時間を測定すること、並びに測定された回転数、測定された排気圧力及び測定された停止時間の少なくとも1つに基づいて、停止中のターボ機械のタービンでの圧力降下と等しくなるように運転中のターボ機械のHRSGからの通風流量を増加させるために運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させることを含む。
【0010】
本開示の別の態様は、上述の態様を包含し、測定された回転速度、測定された排気圧力及び測定された停止時間の少なくとも1つに基づいて、停止中のターボ機械のタービンに大気圧未満の圧力を加えるために運転中のターボ機械の通風流温度を調整する。
【0011】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させること及び運転中のターボ機械の通風流温度を調整することは、停止中のターボ機械のタービンの測定された回転速度を第1の閾値と比較すること、停止中のターボ機械の測定された排気圧力を第2の閾値と比較すること、及び停止中のターボ機械の測定された停止時間を第3の閾値と比較することによって決定される。
【0012】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、第1の閾値は約150rpmであり、第2の閾値は約-0.1bargであり、第3の閾値は約60分である。
【0013】
本開示の別の態様は、タービン及び排熱回収ボイラ(HRSG)を含む停止中のターボ機械と、タービン及びHRSGを含む運転中のターボ機械と、停止中のターボ機械のHRSG及び運転中のターボ機械のHRSGによって共有される共通の排気スタックと、停止中のターボ機械のタービンの回転速度、停止中のターボ機械の排気圧力及び停止中のターボ機械の停止時間の少なくとも1つに基づいて、停止中のターボ機械のタービンでの圧力降下と等しくなるように運転中のターボ機械のHRSGからの通風流量を増加させるために運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させるように構成された制御システムとを備える、システムを提供する。
【0014】
本開示の別の態様は、上述の態様を包含し、制御システムは、測定された回転速度、測定された排気圧力及び測定された停止時間の少なくとも1つに基づいて、停止中のターボ機械のタービンに大気圧未満の圧力を加えるために運転中のターボ機械の通風流量温度を調整するようにさらに構成されている。
【0015】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、本システムは、停止中のターボ機械のタービンの回転速度を測定するためのセンサと、停止中のターボ機械の排気圧力を測定するためのセンサと、ターボ機械の停止時間を計測するタイマとをさらに備える。
【0016】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、制御システムは、停止中のターボ機械のタービンの測定された回転速度を第1の閾値と比較し、停止中のターボ機械の測定された排気圧力を第2の閾値と比較し、かつ停止中のターボ機械の測定された停止時間を第3の閾値と比較することによって、運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させ、かつ作動中のターボ機械の通風流温度を調整するようにさらに構成されている。
【0017】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、制御システムは、停止中のターボ機械のタービンの回転速度が第1の閾値未満であり、停止中のターボ機械の排気圧力が第2の閾値を超え、かつ停止中のターボ機械の停止時間が第3の閾値を超えるときに、運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させ、かつ運転中のターボ機械の通風流温度を調節するようにさらに構成されている。
【0018】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、第1の閾値は約150rpmであり、第2の閾値は約-0.1bargであり、第3の閾値は約60分である。
【0019】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、本システムは、運転中のターボ機械のHRSGを共通の排気スタックに接続するための第1の排気ダクトと、停止中のターボ機械のHRSGを共通の排気スタックに接続するための第2の排気ダクトとをさらに備える。
【0020】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、第1の排気ダクト及び第2の排気ダクトの少なくとも一方は共通の排気ダクトに直接接続される。
【0021】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、第1の排気ダクト及び第2の排気ダクトの少なくとも一方はダンパを含む。
【0022】
本開示のさらに別の態様は、コンピュータで実行可能な命令を含むコンピュータ可読媒体を含んでいるが、コンピュータ実行可能な命令は、実行されると、タービン及び排熱回収ボイラ(HRSG)を含む運転中のターボ機械とタービン及びHRSGを含む停止中のターボ機械とを含むシステムを通してのアクティブ通風制御の方法であって、停止中のターボ機械のタービンの回転速度を測定すること、停止中のターボ機械の排気圧力を測定すること、停止中のターボ機械の停止時間を測定すること、並びに測定された回転数、測定された排気圧力及び測定された停止時間の少なくとも1つに基づいて、停止中のターボ機械のタービンでの圧力降下と等しくなるように運転中のターボ機械のHRSGからの通風流量を増加させるために運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させることを含む方法が実施される。
【0023】
本開示の別の態様は、上述の態様を包含し、測定された回転速度、測定された排気圧力及び測定された停止時間の少なくとも1つに基づいて、停止中のターボ機械のタービンに大気圧未満の圧力を加えるために運転中のターボ機械の通風流温度を調整する。
【0024】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させること及び運転中のターボ機械の通風流温度を調整することは、停止中のターボ機械のタービンの測定された回転速度を第1の閾値と比較すること、停止中のターボ機械の測定された排気圧力を第2の閾値と比較すること、及び停止中のターボ機械の測定された停止時間を第3の閾値と比較することによって決定される。
【0025】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させること及び運転中のターボ機械の通風流温度を調整することは、停止中のターボ機械のタービンの回転速度が第1の閾値未満であり、停止中のターボ機械の排気圧力が第2の閾値を超え、かつ停止中のターボ機械の停止時間が第3の閾値を超えるときに、行われる。
【0026】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、第1の閾値は約150rpmであり、第2の閾値は約-0.1bargである。第3の閾値は約60分である。
【0027】
この発明の概要の欄に記載した態様も含めて、本開示に記載した2以上の態様を組合せて、本明細書に具体的に記載されていない実施態様としてもよい。
【0028】
1以上の実施態様の詳細を、添付の図面及び以下の説明に記載する。その他の特徴、目的及び利点は、発明の詳細な説明、図面並びに特許請求の範囲から明らかになろう。
【0029】
本開示の上記その他の特徴については、本開示の様々な実施形態について記載する添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができよう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】共通の排気スタックを共有する排熱回収ボイラ(HRSG)を各々備える2基のガスターボ機械と、本開示技術の実施形態に係るアクティブ通風制御のためのシステムとを含むコンバインドサイクル発電プラント(CCPP)の概略図。
図2】共通の排気スタックを共有するHRSGを各々備える2基のガスターボ機械と、本開示技術の別の実施形態に係るアクティブ通風制御のためのシステムとを含むCCPPの概略図。
図3】本開示技術の実施形態に従ってCCPPを通してのアクティブ通風制御のためのプロセスのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ファン/ブロワ(以下「ファン」)の使用及びその後の自然冷却を含む、コンバインドサイクル発電プラント(CCPP)の冷却スキームは、一般に、周期的な排気スタックダンパの開放に依拠する。CCPPの冷却スキームは、一般に、排熱回収ボイラ(HRSG)の排気スタックの入口での、例えば大気圧未満のレベルでの、熱通風に依拠することもある。
【0032】
本開示技術の実施態様として、CCPP冷却スキームでは、通例、停止後に数時間(例えば4時間)ファンの流れを継続することができる。ファンの流れが遮断されると、ファンの流れは自然な冷却の流れを惹起することができる。ガスターボ機械/HRSGのベース負荷運転中、HRSG排気スタックの入口の圧力は、例えば排気スタックでの摩擦損失が浮力ゲインよりも大きいため、大気圧をわずかに上回ることがある。本開示の特定の実施形態では、圧力は約0.34mbar又は約0.14インチH2Oとすることができる。
【0033】
本開示技術の実施態様として、1基のターボ機械/HRSGが停止中(又はオフライン)で、2基目のターボ機械/HRSGがオンラインであるCCPPでは、HRSGに供給されるダクトダンパは、オンラインのターボ機械/HRSGからCCPPの停止中のターボ機械/HRSGへの逆流がないように、シール空気を供給することができる。ただし、冷却流が望まれる場合、停止中のターボ機械に冷却流を流すことができるように制御された流れを実施してもよい。このソリューションは、ターボ機械の構成に関係なく、各HRSG専用の個別の煙道なしで、複数の(例えば2基の)HRSGを共通の排気スタックに排出するCCPP構成を冷却するのに有用である。
【0034】
本願では、停止中に発電所設備(例えばターボ機械)を通して自然に誘引される気流の通風を制御するシステム及び方法について開示する。好適には、自然に誘引された気流を制御することによって、停止サイクル中のターボ機械のステータケーシング及びHRSGの外側ケーシングからの熱損失が低減される。通風(ドラフティング)は、運転及び環境条件に応じて、ターボ機械を通して下流方向(通常流方向)又は上流方向(逆流又は反対流方向)のいずれかに誘引される。本願で開示するシステム及び方法は、停止時の熱損失を低減することによって、ホットリスタートサイクル時のブレード先端とステータケースとの間のクリアランスを増大させて、ホットリスタート時の先端の摩擦を回避することができる。換言すると、停止サイクル中のステータケーシングの熱損失を低減することによって、ホットリスタートサイクル時に大きなクリアランスを達成することができ、それによって、定常状態サイクル時のクリアランスを狭めて効率を高めることができる。
【0035】
ここで図面を参照すると、同様の部品には同様の符号を付してある。図1は、第1及び第2のガスターボ機械12,12’を含むコンバインドサイクル発電プラント(CCPP)10を示す。第1のガスターボ機械12は、ガスタービン20、排熱回収ボイラ(HRSG)14及び排気システム28を含む。第2のガスターボ機械12’も、ガスタービン20’、HRSG14’及び排気システム28’を含む。2基のガスターボ機械12,12’の各々は実質的に同様である。本開示技術の実施態様として、2基のガスターボ機械12,12’は、以下で説明する通り、共通のHRSG排気スタック36を共有する。
【0036】
第1のガスターボ機械12は、圧縮機16及び燃焼室18をさらに含む。同様に、第2のガスターボ機械12’は、圧縮機16’及び燃焼室18’をさらに含む。ガスタービン20及び/又はガスタービン20’は、1以上の発電機22,22’に接続され、発電機22,22’は、電力網(図示せず)に電気的に接続される。他の用途では、ガスタービン20及び/又はガスタービン20’は、必要性及び設計に応じて他の機械に接続してもよい。
【0037】
圧縮機16の上流側で、第1のターボ機械12は、圧縮機16に供給される周囲空気40用の入口セクション24を含む。さらに、圧縮機16には、通例、圧縮機16に供給される周囲空気40の量を制御するための可変入口案内翼26が設けられていてもよい。同様に、圧縮機16’の上流側で、第2のターボ機械12’は、圧縮機16’に供給される周囲空気40’用の入口セクション24’を含む。圧縮機16’にも、圧縮機16’に供給される周囲空気40’の量を制御するための可変入口案内翼26’が設けられていてもよい。
【0038】
ガスタービン20の下流側には排気システム28が設けられている。排気システム28は、バイパススタック30及び/又はHRSG14に接続してもよい。排気システム28をバイパススタック30に選択的に接続するためにダンパ32を設けてもよい。排気システム28をHRSG14に選択的に接続するために排気ダンパ34を設けてもよい。排気システム28’を、ガスタービン20’の下流側に設けてもよく、バイパススタック30’及び/又はHRSG14’に接続してもよい。また、排気システム28’をバイパススタック30’及びHRSG14’にそれぞれ選択的に接続するためにダンパ32’及び排気ダンパ34’を設けてもよい。
【0039】
本開示技術の実施態様として、各HRSG14,14’から排気を大気中に導くために、各HRSG14,14’の下流に共通のHRSG排気スタック36を設けてもよい。排気ダクト38はHRSG14を共通のHRSG排気スタック36に直接接続する。同様に、排気ダクト38’はHRSG14’を共通のHRSG排気スタック36に直接接続する。
【0040】
図2は、CCPP10の別の構成を示す。図2において、HRSG14は、共通の排気スタック36に直接つながる排気ダクト42を含む。HRSG14’は、排気ダクト42に接続した排気ダクト44を含んでおり、排気ダクト44からの流れは排気ダクト42を通って共通のHRSG排気スタック36へと進むことができる。したがって、本開示技術の実施態様として、HRSG14,14’からの排気は、排気ダクト38,38’(図1)及び排気ダクト42(図2)を介して直接的に、或いは排気ダクト42及び44を介してHRSG14’の一方から間接的に(図2)に、共通のHRSG排気スタック36へと流すことができる。図2では、HRSG14が排気ダクト42によって共通のHRSG排気スタック36に直接接続していることを示しているが、本開示技術の態様は、HRSG14又はHRSG14’のいずれかをその排気ダクト42又は44を介して共通のHRSG排気スタック36に直接接続し、他方は他方の排気ダクト44又は42を介して接続することを包含する
【0041】
図1を参照すると、本開示技術の特定の態様では、HRSG14,14’から共通のHRSG排気スタック36への排気ガスの流れを閉じ、制御するためにHRSGスタックダンパ46、46’を設けてもよい。HRSGスタックダンパ46、46’は、図1に示すように、HRSG14,14’と排気ダクト38,38’との接続部に設けてもよい。本開示技術の別の態様は、HRSGスタックダンパ46、46’を排気ダクト38,38’に沿った任意の点に配置することを包含する。
【0042】
図2に示すように、HRSG14は、排気ダクト42によって共通のHRSG排気スタック36に直接接続されている。また、HRSG14’は排気ダクト44に接続され、排気ダクト44は排気ダクト42に接続され、排気ダクト42は次いで共通のHRSG排気スタック36に接続されている。この範囲で、HRSG14,14’から共通のHRSG排気スタック36への排気ガスの流れを制御するために、それぞれ排気ダクト42、44に沿った任意の点にHRSGスタックダンパ48、48’を配置してもよい。さらに、本開示技術の態様は、排気ダクト42と排気ダクト44との接続部に別のHRSGスタックダンパ50を配置して、それらの間の排気の流れを制御することを含む。
【0043】
本開示技術の実施態様として、2基のHRSG(例えばHRSG14,14’)に結合した共通のHRSG排気スタック(例えば共通のHRSG排気スタック36)の使用によって、他方のガスタービン及びHRSG(例えばガスタービン20’及びHRSG14’)が運転中のままであるときに、ガスタービン(例えばガスタービン20’)を停止した後の通常のクールダウンを防ぐことができる。本実施形態の特定の態様では、運転中のガスタービン(例えばガスタービン20’)を高負荷で運転する際、共通のHRSG排気スタック36での圧力降下は、共通のHRSG排気スタック36の利用可能な通風よりも依然として高くてもよい。この圧力差は、停止中のガスタービン(例えばガスタービン20)に背圧を生じ得る。本開示技術の実施態様として、最小限のハードウェアの変更及び限定的な発電損失で、停止中のガスタービン(例えばガスタービン20)にアクティブ通風制御によって大気圧未満の圧力をもたらすために制御システム60を使用し得る。
【0044】
図3は、本開示技術の実施形態に係る共通のHRSG排気スタックに結合した複数のHRSGを含むCCPP(図1及び図2に示すCCPP10など)を通してのアクティブ通風制御のための方法のフローチャートである。以下の説明において、CCPPは少なくとも第1のガスターボ機械と第2のガスターボ機械を含む。第1のガスターボ機械は、ガスタービン、HRSG及び排気システムを含んでおり、第2のガスターボ機械は、ガスタービン、HRSG及び排気システムを含む。本方法は、例えば、図1及び図2に示す制御システム60のような制御システムによって/を用いて実行し得る。制御システム60は、CCPP10の全制御システムの一部であってもよいし、全制御システムへの追加であってもよい。単一の制御システム60を設けてもよいし、或いは各ガスターボ機械12,12’は、本明細書に記載の制御システム60の機能をもたらすために協働する独自の制御システムを含んでいてもよい。
【0045】
プロセスP1で、第1のガスターボ機械のガスタービン又は第2のガスターボ機械のガスタービンの一基が停止し、第1のガスタービン又は第2のガスタービンの他方が運転中であるとの判定がなされる。停止に関する判定は、例えば、制御システム60によって自動的に或いは制御システム60へのオペレータ入力を介して提供することができる。プロセスP2では、停止中のガスターボ機械のタービンの回転数を測定する。例えば、図1及び図2に示すように、速度センサ62,62’をターボ機械12,12’のタービン20,20’に結合して、タービン20,20’の速度を決定するためのに用いてもよい。プロセスP3では、停止中のガスターボ機械の排気圧力を測定する。排気圧力は、例えば、図1及び図2に示すように、ターボ機械12,12’の排気システム28,28’に結合した圧力センサ64,64’で測定し得る。プロセスP4では、停止中のガスタービンが停止するまでの時間(例えば停止タイマ66,66’で提供される)を、制御システム60によって測定する。停止中のガスターボ機械のタービンの速度及び停止中のガスターボ機械の排気圧力は、制御システム60に提供される。
【0046】
プロセスP5で、制御システム60は、停止中のガスターボ機械のタービンの速度をX回転毎分(rpm)の閾値と比較する。例えば、Xrpmの閾値は、約50RPM~約300RPMとすることができる。プロセスP6で、制御システム60は、停止中のガスターボ機械の排気圧力をYの閾値(例えば大気圧を超えるbar単位(barg))と比較する。例えば、Ybargの閾値は、約-0.3barg~約-0.1bargとすることができる。プロセスP7で、制御システム60は、停止中のターボ機械アセンブリの停止時間をZの閾値と比較する。例えば、Zの閾値は約30分~約90分とすることができる。
【0047】
プロセスP8で、制御システム60は、停止中のガスターボ機械のクールダウン状態に関して、停止中のガスターボ機械から通風要求信号70(図1及び図2)を受信する。停止中のガスターボ機械がクールダウンプロセスを完了したら(プロセスP8でNO)、運転中のガスターボ機械はプロセスP9で公称運転条件に戻る。停止中のガスターボ機械がクールダウンプロセスを完了していない場合(プロセスP8でYES)、フローはプロセスP10へと進む。
【0048】
制御システム60が、タービン停止中のガスターボ機械の回転数がXrpmの閾値未満と判定し(プロセスP5でYES)、停止中のガスターボ機械の排気圧力がYの閾値よりも大きいと判定し(プロセスP6でYES)、停止中のガスターボ機械の停止時間がZの閾値よりも大きいと判定し(プロセスP7でYES)、停止中のガスターボ機械がクールダウンプロセスを完了していないと判定した場合(プロセスP8でYES)には、プロセスP10で、制御システム60は、運転中のガスターボ機械に適切な制御信号(例えば制御信号68,68’(図1及び図2))を送る。幾つかの実施形態では、制御信号は、停止中のターボ機械のタービンでの圧力降下と等しくなるように運転中のターボ機械のHRSGからの通風流量を増加させるために運転中のターボ機械の排気ガス温度を上昇させるように指示し、かつ停止中のターボ機械のタービンに大気圧未満の圧力を調整するために運転中のターボ機械のHRSGからの通風流温度を調整するように指示する。運転中のガスターボ機械のHRSGからの通風流は、例えば、スタック温度の上昇又は総質量流量の減少によって調整することができる。総質量流量は、例えば、運転中のガスターボ機械を除荷することによって減少させることができる。スタック温度は、例えば、運転中のガスターボ機械の排気温度の上昇或いはHRSG水をエコノマイザ(チューブ熱交換器など)の周りでバイパスしてHRSG-ランキンサイクル効率を低下させることによって上昇させることができる。
【0049】
追加の実施形態では、制御システム60は、プロセスP10で実行される調整に応答して、停止中のガスターボ機械から、通風流量の増減を要求する調整通風信号72(図1及び図2)をさらに受信し得る。これに応答して、制御システム60は、運転中のガスターボ機械に通風流量を増減させる適切な指示を与える。
【0050】
当業者には自明であろうが、本開示は、コンピュータプログラム製品を利用し得るシステム、方法又は制御として実装し得る。したがって、本開示は、ハードウェアの実施形態、ソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、或いはソフトウェアとハードウェアの態様を組合せた実施形態を含んでいてもよいが、これらはすべて、本明細書では「回路」、「モジュール」又は「システム」と総称される。さらに、本開示は、媒体に実装されたコンピュータ可使プログラムコードを有する有形媒体に実装されたコンピュータプログラム対応制御の形態を取り得る。
【0051】
1以上のコンピュータ可使又はコンピュータ可読媒体(1以上)の任意の組合せを利用し得る。コンピュータ可使又はコンピュータ可読媒体は、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線又は半導体システム、装置、装置又は伝搬媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体のさらに具体的な例としては、限定されるものではないが、1以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、インターネット又はイントラネットをサポートするような伝送媒体、又は磁気記憶装置が挙げられる。コンピュータ可使又はコンピュータ可読媒体は、例えば、紙又は他の媒体の光学的スキャンを介して電子的にキャプチャした後、必要に応じて適切な方法でコンパイル、解釈又はその他の方法で処理し、次いでコンピュータメモリに格納できるように、プログラムが印刷された紙又は別の適切な媒体であってもよい。本願において、コンピュータ可使又はコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによって、或いはそれらに関連して使用するために、プログラムを格納、記憶、通信、伝送又は伝搬できる任意の媒体であってもよい。コンピュータ可使媒体は、ベースバンド内又は搬送波の一部として、コンピュータ可使プログラムコードとともに伝搬されたデータ信号を含んでいてもよい。コンピュータ可使プログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなどを含むがこれらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して送信してもよい。
【0052】
本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を始めとする、1以上のプログラミング言語の任意の組合せで記述し得る。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で実行してもよいし、一部がユーザのコンピュータ上で実行され、一部がユーザのコンピュータ上で、一部がリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続してもよいし、接続は、外部コンピュータに対して(例えばインターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われてもよい。
【0053】
本開示は、本開示の実施形態に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図示及び/又はブロック図を参照して本明細書に記載される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、及びフローチャート図及び/又はブロック図におけるブロックの組合せは、コンピュータプログラムの命令によって実装し得る。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを製造し、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図ブロック又はブロックに指定された機能/行為を実装する手段を作成するようにする。
【0054】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法で機能するように指示できるコンピュータ可読媒体に格納してもよく、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、フローチャート及び/又はブロック図ブロック又はブロックに指定された機能/行為を実装する命令手段を含む製造品を生成する。
【0055】
図中のフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表してもよく、コードの一部は、所定の論理機能を実装するための1以上の実行可能な命令を含む。また、幾つかの代替実装では、ブロックに記された関数が、図に記された順序から外れて出現し得ることにも留意されたい。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行してもよいし、関係する機能に応じて、ブロックが逆の順序で実行されることもある。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組合せは、所定の機能又は動作を実行する特別な目的のハードウェアベースのシステム、又は特別な目的のハードウェアとコンピュータ命令の組合せによって実装し得ることにも留意されたい。
【0056】
本明細書に記載の通り、様々なシステム及び部品は、データを「判定」又は「取得」すると説明される。対応するデータは、任意のソルーションを用いて得ることができることが理解される。例えば、対応するシステム/部品は、データを生成し、及び/又はデータを生成するために使用され、1以上のデータストア(例えばデータベース)からデータを取得し、別のシステム/部品からデータを受信する、及び/又は同様のものを使用することができる。データが特定のシステム/部品によって生成されない場合、データを生成してシステム/部品に提供し、及び/又はシステム/部品がアクセスできるようにデータを格納する、示されているシステム/部品とは別に別のシステム/部品を実装できることが理解される。
【0057】
本明細書及び特許請求の範囲で用いる近似表現は、数量の修飾語であって、その数量が関係する基本的機能に変化をもたらさない許容範囲内で変動し得る数量を表すために適用される。したがって、「約」、「略」及び「実質的に」のような用語で修飾された値はその厳密な数値に限定されない。少なくとも幾つかの例では、近似言語は、値を測定するための計測器の精度に対応し得る。し得本明細書及び特許請求の範囲において、数値限定の範囲は互いに結合及び/又は交換可能である。かかる範囲は、前後関係等から別途明らかでない限り、その範囲に含まれるあらゆる部分範囲を特定しかつ包含する。範囲の特定の値に用いられる「約」は、上下限に適用され、その値を測定する機器の精度に依存する場合を除いて、記載された数値の±10%を示すことがある。
【符号の説明】
【0058】
10 コンバインドサイクル発電プラント(CCPP)
12,12’ ガスターボ機械
14,14’ 排熱回収ボイラ(HRSG)
16,16’ 圧縮機
18,18’ 燃焼室
20,20’ ガスタービン
22,22’ 発電機
28,28’ 排気システム
30,30’ バイパススタック
32,32’ ダンパ
34,34’ 排気ダンパ
36 排気スタック
38,38’ 排気ダクト
40,40’ 周囲空気
42,44 排気ダクト
図1
図2
図3
【外国語明細書】