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  • 特開-リベット継ぎ手の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170375
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】リベット継ぎ手の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B21J 15/28 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
B21J15/28 G
B21J15/28 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024075287
(22)【出願日】2024-05-07
(31)【優先権主張番号】23171215.9
(32)【優先日】2023-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504075577
【氏名又は名称】ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100219003
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 敢行
(72)【発明者】
【氏名】ポール バーティグ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ブレッヒャー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リベットのセッティングを改善する。
【解決手段】セルフピアシングリベットでの接合方法は、パンチは駆動ユニットによってクランプデバイス内で案内されるセッティングツールを提供する段階と、リベットセッティング最大速度を画定する段階と、予め定められるセルフピアシングリベット最大長よりも劣る長さを有するセルフピアシングリベットを提供する段階と、リベットをセッティングする段階であって、第1段階において、パンチが第1速度で移動し、第2段階において、パンチ速度が第2パンチ速度に到達するまで減少し、第2パンチ速度は遅くともリベットがワークピースに最初に接触するときまでに到達し、第2パンチ速度は第1パンチ速度よりも遅く、第3段階において、リベット速度は、予め定められるリベットセッティング最大速度を超過しないことを保証するために監視される、ように、リベットをセッティングする段階と、を備える接合方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リベットで少なくとも二つのワークピースを結合するための接合方法であって、
フレーム(20)と、接合軸(X)に沿って前記フレーム上で変位可能なパンチ(22)と、前記フレーム上に取り付けられるダイ(28)と、一つ以上の部材を接合方向に圧縮することができるクランプデバイス(30)と、を有し、前記パンチが駆動ユニット(24)によって前記クランプデバイス内で案内されるセッティングツール(12)を提供する段階と、
予め定められるリベットセッティング最大速度を画定する段階と、
リベット(18)を提供する段階と、
前記リベットを前記セッティングツール(12)内へ送り込む段階と、
前記リベット(18)をセッティングする段階であって、
第1段階において、前記パンチ(22)は、第1パンチ速度(S1)で移動し、
第2段階において、パンチ速度は、第2パンチ速度(S2)に到達するまで減少し、前記第2パンチ速度は、遅くとも前記リベットが前記ワークピースに最初に接触するときまでに到達し、前記第2パンチ速度は前記第1パンチ速度よりも遅く、
第3段階において、前記パンチは移動し続け、リベット速度は、前記予め定められるリベットセッティング最大速度を超過しないことを保証するために監視される、
ように、前記リベット(18)をセッティングする段階と、
を備える接合方法。
【請求項2】
予め定められるリベット最大長を画定する段階を備え、
前記リベットは、前記予め定められるリベット最大長よりも劣る長さを有し、
前記第2パンチ速度は、前記予め定められるリベット最大長に対応する位置に前記パンチが達するときに到達される、
請求項1に記載の接合方法。
【請求項3】
前記第1パンチ速度(S1)は、150から1000mm/sの範囲以内である、
請求項1または2に記載の接合方法。
【請求項4】
前記第2パンチ速度(S2)および/または前記予め定められるリベットセッティング最大速度は、10から300mm/sの範囲以内である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項5】
前記予め定められるリベットセッティング最大速度は、100mm/s以下である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項6】
前記駆動ユニット(24)は、前記予め定められるリベットセッティング最大速度が、前記リベットが前記ワークピースに最初に接触するときに到達されるように、前記パンチ速度を減少する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項7】
前記第2パンチ速度(S2)は、前記予め定められるリベットセッティング最大速度が、前記予め定められるリベット最大長に対応する位置に達した前記パンチが到達されるときに到達されるように、予め定められるリベットセッティング最大速度と互いに関係がある、
請求項1から6のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項8】
前記セッティングする段階中の前記フレーム(20)の変形は、監視ユニットによって検出され、前記セッティングする段階中の移動の過程は、前記変形の関数として修正される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項9】
前記フレーム(20)とクランプデバイス(30)の間の相対的な移動は、第1センサ(38)によって測定され、前記フレームと前記パンチの間の相対的な移動は、第2センサ(40)によって測定される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項10】
前記第1センサ(38)および/または前記第2センサ(40)は、リニアパスレコーダ、好ましくはデジタルカウンタである、
請求項9に記載の接合方法。
【請求項11】
第1および/または第2ワークピース(32,34)は、高強度鋼ワークピースである、
請求項1から10のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項12】
3個のワークピースは、接合され、上部2層は、高強度鋼ワークピースである、
請求項1から11のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項13】
前記予め定められるリベットセッティング最大速度は、調整可能である、
請求項1から12のいずれか一項に記載の接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リベットのセッティングに関する。
より具体的には、本発明は、リベットにひび割れが入るリスクを減らすために適合されるリベットを有する少なくとも二つのワークピースを結合するための接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルフピアシングリベット(SPR)は、ダイで支えられるワークピースの層の中へ、パンチによって、セルフピアシングリベットが打ち込まれるスポット接合技術である。
ダイは、リベットがワークピース内をダイへ向かって打ち込まれるにつれて、ワークピースの材料が塑性変形するように形成される。
このワークピース材料のこのフローにより、リベットの環状先端が外側にフレアになり、ワークピース材料のアップセット環状部(upset annulus)によって包まれたままとなる。
ワークピースのアップセット環状部(upset annulus)とかみ合うリベットのフレア状先端は、リベットの取り外しまたはワークピースの層の分離を防止する。
【0003】
ワークピース中へのリベットの挿入は、フォースリアクションフレーム(force reaction frame)の別のサポートアーム上に取り付けられるダイ(または鉄床)に対向するフォースリアクションフレームのサポートアーム上に取り付けられるアクチュエータ(例えば、油圧シリンダまたは電動リニアアクチュエータなどリニアアクチュエータ)を有する駆動ユニットを使用することで実施される。
リニアアクチュエータは、パンチを駆動し、リベットは、静止するワークピースおよびダイへ向かう。
リベットがセットされるときまたはパンチングの間で発生するワークピース上の大きな力は、反発力により補償されなければならない。
これは通常、望ましくは実質的にCの形状を有し、したがって通常はC-フレームとも呼ばれる対向力構造上のワークピースを支えることで達成される。
【0004】
リベットの正確なセッティングまたは正確なパンチングのために、リベットまたはダイがワークピース中にどの程度深く入り込んでいるかを知ることは、重要である。
欧州公開公報第1228824A2号は、この問題に対処するリベットまたはパンチング用の方法に誘導される。
より具体的には、リベットまたはパンチング処理中の対向力構造の変形は、監視ユニットによって検出され、リベットまたはパンチング処理中の移動の過程は、曲げの関数として訂正される。
【0005】
経験は、いくつかのリベットがセッティング段階の間でひび割れが入る傾向があることを示す。
より具体的には、リベット(またはさらに具体的にはセルフピアシングリベット)は、とりわけ、セルフピアシングリベットの穴が充填されるときに、結合する方向にひび割れの入ることができる。
これらのひび割れは、その後リベットが最終位置に至るまで広げられる。
ひび割れの形成の傾向は、数ある中で、後述する要因である、リベット長さ、リベット被覆、リベットされるシートの硬さ、に依存する。
いくつかの開発は、この問題を克服するためになされている。
例えば、欧州公開公報第2631022A1号と欧州公開公報第3424611号は、改善されるダイに誘導される。
米国公開公報2020261966A1号は、改善されるセルフピアシングリベットに誘導される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、とりわけ、サイクルタイムに重大な影響がなく、リベットのセッティングを改善する必要性、とりわけ、例えば、セルフピアシングリベットにおけるひび割れのリスクのような、ファスナーへのダメージのリスクを減らす接合方法の提供は、まだ存在する。
そして、リベットのセッティングを改善する必要性、とりわけ機械的に被覆されているファスナー用にも動く接合方法の提供は、まだ存在する。
本開示の例は、上記の問題に取り組むことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面によると、リベットで少なくとも二つのワークピースを結合するための接合方法は、
フレームと、接合軸に沿ってフレーム上で変位可能なパンチと、フレーム上に取り付けられるダイと、一つ以上の部材を接合方向に圧縮することができるクランプデバイスと、を有し、パンチが駆動ユニットによってクランプデバイス内で案内されるセッティングツールを提供する段階と、
予め定められるリベットセッティング最大速度を画定する段階と、
予め定められるリベット最大長よりも劣る長さを有するリベットを提供する段階と、
リベットをセッティングツール内へ送り込む段階と、
リベットをセッティングする段階であって、
第1段階において、パンチは、第1パンチ速度で移動し、
第2段階において、パンチ速度は、第2パンチ速度に到達するまで減少し、第2パンチ速度は、遅くともリベットがワークピースに最初に接触するときまでに到達し、第2パンチ速度は、第1パンチ速度よりも遅く、
第3段階において、パンチは移動し続け、リベット速度は、予め定められるリベットセッティング最大速度を超過しないことを保証するために監視される、
ように、リベットをセッティングする段階と、
を備える。
【0008】
このような制御される速度の低下およびリベットのセッティングの間に到達しない予め定められるリベットセッティング最大速度の画定を有する方法は、リベットのひび割れのリスクを減らすことを可能にする。
より具体的には、リベット接触点からセッティング処理の終わりに至るまでのセッティング速度は、画定されたセッティング速度よりも低いか同じであることが、保証されなければならない。
画定されるリベット最大長は、パンチの速度が最大に至るまで保つことを可能にする。
より速いパンチ速度は、実際に、接合処理の効果的なサイクルタイムのために、有利である。
速度の低下は、ひび割れを避けるまたは著しく減らすことを可能にする。
リベット速度は、処理の正確な制御を保証するために監視される。
【0009】
実施形態において、方法は、予め定められるリベット最大長を画定する段階をさらに含み、第2パンチ速度は、予め定められるリベット最大長に対応する位置にパンチが達するときに到達される。
リベット最大長は、リベット接触点の前に常に到達され、操作者によって容易に指示または画定されることができる点である。
リベット最大長は、操作者によって調整されることができる。
【0010】
実施形態において、第1パンチ速度は、150から1000mm/sの範囲以内である。
これは、接合処理の効果的なサイクルタイムを可能にする。
【0011】
実施形態において、第2パンチ速度および/または予め定められるリベットセッティング最大速度は、10から300mm/sの範囲以内である。
実施形態において、予め定められるリベットセッティング最大速度は、100mm/s以下、またはさらに50mm/s以下である。
これは、とりわけ、機械的な被覆を有するセルフピアシングリベットのために、ひび割れのリスクを減らすことが可能ある。
【0012】
実施形態において、駆動ユニットは、予め定められるリベット最大長が到達されるときに、予め定められるリベットセッティング最大速度が到達されるように、パンチ速度を低下する。
例えば、速度の低下は、滑らかな移行が実現できるように一定であり、より低速は、リベット最大長でのみ、またはリベットが最初にワークピースに接触し、効率的なサイクルタイムが影響されないときに到達される。
実際に、低速は、常にサイクルタイムを上昇する。
本方法は、サイクルタイムの最小効果を有することを目的とする。
方法は、このように、予め定められるリベット最大長に劣る長さを有する幅広いリベットのために使用されることができる。
【0013】
実施形態において、第2パンチ速度は、予め定められるリベット最大長が到達されるとき、またはリベットがワークピースに最初に接触するとき、予め定められるリベットセッティング最大速度が到達されるように、予め定められるリベットセッティング最大速度と互いに関係がある。
【0014】
実施形態において、セッティング段階の間におけるフレームの変形は、監視ユニットによって検出され、セッティング段階の間における移動の過程は、変形の関数として訂正される。
このようにして、ワークピースに関してリベットの正確な位置は、決定されることができ、それによりリベット速度は監視および制御されることができる。
実施形態において、リベット速度は、ワークピースの位置の情報なく監視されることもできるが、このような監視は、正確さに欠ける。
【0015】
実施形態において、フレームとクランプデバイスの間の相対的な移動は、第1センサによって測定され、フレームとパンチの間の相対的な移動は、第2センサによって測定される。
二つのセンサは、容易に実装されることができ、リベット速度を正確に決定することを可能にする。
【0016】
実施形態において、第1センサおよび/または第2センサは、リニアパスレコーダ(linear path recorder)、望ましくはデジタルカウンタである。
例えば、デジタルカウンタは、定規の一種上のストローク形状(stroke-shaped)マーキングを数える。
これは、監視ユニット内における早く正確な信号の処理を可能にする。
別の実施形態において、例えばレーザのような他のシステムは、使用されることができる。
【0017】
実施形態において、第1および/または第2ワークピースは、高強度鋼(high strength steel)ワークピースである。
高強度鋼の部材は、お互いに接合したり他の金属と接合したりすることが困難であると知られている。
このような高強度鋼は、いくつかの場合、少なくとも400MPaの張力を有することができる。
別の実施形態において、ワークピースまたは少なくとも一つのワークピースは、厚い(少なくとも3mm)の軟鋼または硬アルミニウム合金で作られる。
【0018】
別の実施形態において、3個のワークピースは、接合され、上部2層は、高強度鋼ワークピースである。
【0019】
実施形態において、予め定められるリベットセッティング最大速度は、調整できる。
これにより、リベットに応じて、ワークピースと接合の性質、リベットセッティング最大速度は、ひび割れを避ける一方でサイクルタイムを最適にするため操作者によって調整されることができる。
【0020】
様々な他の側面およびさらなる例は、添付図面を参照して、後述する詳細な説明および添付される特許請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、フレーム、接合軸に沿ってフレームから変位可能なパンチ、フレーム上に取り付けられるダイ、および一つ以上の部材が接合方向に共に圧縮されることのできるクランプデバイスを備えるセッティングツールの概略を示し、パンチは、駆動ユニットによってクランプデバイス内で案内される。
図2A図2Aは、接合方法の間のコマンドされた、および実際のパンチ速度の輪郭の概略図を示す。
図2B図2Bは、図2Aと、コマンドされたパンチ速度の輪郭と、測定され、および正確なセッティングコマンドに使用されるツール整流力の輪郭と、の概略図を示す。
図3A図3Aは、相対的なパンチ位置の関数におけるパンチ速度の概略図を示す。
図3B図3Bは、図3Aと、と相対的なパンチ位置の関数におけるパンチ速度および測定され、正確なセッティングコマンドに使用されるツール整流力の輪郭の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
開示の実施形態は、図面を参照することにより最もよく理解され、同じ参照符号は、同一のまたは似ている要素を示す。
本明細書の図面で一般的に説明され、描かれているように、開示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置および設計されることができることは、たやすく理解されるだろう。
方法の段階は、特に限定されない限り、特定の順番のいずれかで実行されることが必須でなく、または順番通りでさえもよく、または段階は一度だけ実行される必要がない。
【0023】
いくつかの実施形態において、よく知られる特徴、構造、または操作は、詳細に示され、説明されない。
さらに、説明される特徴、構造、または操作は、一つ以上の実施形態の適切な方法のいずれかで組み合わせられることができる。
実施形態の構成要素は、明細書の図面で一般的に説明され、描かれているように、多種多様な異なる構成で配置および設計されることも、たやすく理解さるだろう。
【0024】
図1は、接合方法を実行するための接合装置10の概略図を示す。
接合装置10は、セッティングツール12を含む。
セッティングツール12は、固定式に取り付けられることができるか、またはロボット14の手段により移動されることができる接合ヘッドを含む。
フィーダホース16を有するフィーダ装置は、提供されることができる。
フィーダホース16は、例えば、エアブラストの手段で、個別化される(singulated)リベット18を接合ヘッドへ供給する。
代替的に、フィーダ装置は、接合ヘッド上に、個別化されるリベットを自動的にホルダ内に移送するのに使用される弾倉を有することもできる。
【0025】
接合ヘッドは、対向力構造またはフレーム20をさらに含む。
典型的に、そのようなフレーム20は、固体材料で構成されるC型フレームである。
接合軸Xに沿うフレーム20上で変位可能なパンチ22も、提供される。
パンチ22は、駆動ユニット24および制御デバイス26によって制御されることができる。
駆動ユニット24は、パンチ22を動作させるためのアクチュエータを含むことができる。
【0026】
接合ヘッドは、フレーム20上に取り付けられるダイ28と、クランプデバイス30をさらに含む。
ダイ28は、フレーム20の一端に取り付けられ、クランプデバイス30は、フレーム20の他端に取り付けられる。
パンチ22は、駆動ユニット24によってクランプデバイス30内で案内される。
クランプデバイス30は、接合方向またはダイ28の方向に偏って適合される。
【0027】
接合装置10は、例えば、金属シートとして設計されることができる、第1ワークピース32と第2ワークピース34を、リベット18によって結合するために提供する。
セッティングツール12は、2個以上のワークピース32,34を接合するのに使用されることもできる。
例えば、3個のワークピースは、接合され、上部2層は、高強度鋼ワークピースである。
リベット18は、例えばセルフピアシングリベット18または、中空または半中空リベットであることができるパンチリベットであることができる。
ワークピース32,34は、例えば高強度鋼でできている。
制御デバイス26は、予め定められるリベット最大長が入力されることができるように、プログラムされることができる。
この予め定められるリベット最大長は、操作者によって調整されることができ、接合方法のために使用されるリベット最大長に対応する。
リベット長は、リベットの頭から足までの間に対応する軸長である。
予め定められるリベット最大長は、操作者によって与えられ、実行される接合操作に依存することができる。
例えば、自動車工場内の接合操作のために、8mmの予め定められるリベット最大長は、使用されることができる。
セルフピアシングリベット18は、例えば、金属的に被覆または例えばガルバニックコーティングされることができる。
リベット18は、欧州公開公報第3080463A1号または欧州公開公報第2470799A1号で説明されているように、セルフピアシングリベット18であることができる。
【0028】
ワークピース32,34内にリベット18をセットするために、ワークピース32,34は、ダイ28の上に配置される。
パンチ22は、その後、ダイ28に向かう方向に駆動ユニット24の手段で移動される。
この場合、クランプデバイス30は最初に最上のワークピース32の表面接触し、接合方向にワークピース32,34を共に押圧する。
【0029】
パンチ22は、第1段階R1内において第1パンチ速度S1で駆動される。
第1パンチ速度S1は、例えば150から1000mm/sの間である。
第1パンチ速度S1は、一定またはそうでないことができる。
より具体的には、第1パンチ速度S1は特定の最大値、例えば300mm/s、まで上げられることができる。
第1パンチ速度S1は、制御デバイス26によってコマンドされる。
パンチ22は、駆動ユニット24によって第1パンチ速度S1で駆動され、その後パンチ速度は、与えられるリベット最大長に対応する位置にパンチが到達するまで減少する。
パンチ速度は、パンチが予め定められるリベット最大長に対応する位置に達するとすぐに第2パンチ速度S2に到達するように、第1パンチ速度S1から第2パンチ速度S2までゆっくりと減少する。
パンチの速度の低下は第2段階R2に対応する。
第2パンチ速度S2は、例えば一定の速度または感覚的に一定の速度である。
第2パンチ速度S2は、第1パンチ速度S1よりも低い。
【0030】
ダイ28へ向かうパンチ22の動きの間、パンチ22は、リベットの頭に接触し、それによってリベットをワークピース配置内に結合を実現するために駆動する。
この段階は第3段階R3に対応し、パンチ22がリベット18を第2パンチ速度でワークピース内に駆動する間、リベット速度が予め定められるリベットセッティング最大速度を超過しないことを保証するために監視される。
予め定められるリベットセッティング最大速度は、制御デバイス内の接合方法前に操作者によって画定されるデータである。
予め定められるリベットセッティング最大速度と、第2パンチ速度は、互いに関係がある。
予め定められるリベットセッティング最大速度は、接合操作、ワークピース材料、リベット材料、例えば、機械的に被覆されるリベット、リベットの幾何学的形状、ダイの機械的形状・・・に依存して操作者によって調節されることができ、例えば、機械的に被覆されるリベットでは、予め定められるリベットセッティング最大速度は、10から300mm/sの範囲以内である。
特定の実施形態において、予め定められるリベットセッティング最大速度は、100mm/s以下、またはさらに50mm/s以下であることもできる。
【0031】
予め定められるリベット最大長は、速度が、リベットが最初にワークピースに接触するとき、または接触前に減少することを保証することと、それにより、リベットのひび割れを避けるためのより遅いパンチ速度が、サイクルタイムに最小の影響を有するように、パンチ速度が減らされる必要なときを画定することと、を可能にする。
【0032】
セッティング段階の間のリベット速度を正確に監視するために、セッティングツールは、セッティング処理中のフレーム20の変形を検出するように適合される監視ユニット36を含み、セッティング段階の間における移動の過程は、変形の関数として制御デバイスによって訂正されることができる。
したがって、パンチ22および/またはリベット18の実際の変位は、画定され、実際のリベット速度は、正確に監視されることができる。
第1センサ38は、クランプデバイス30とフレーム20の間の相対的な動きを測定する。
このセンサは、好ましくは、クランプデバイスとして同様の動きをする定規の一種と、フレームに固定され、定規上を通過する定規のマーキングを数えるカウンタを含むリニアパスレコーダ(linear path recorder)である。
第2センサ40は、フレームとパンチの間の相対的な動きを測定する。
【0033】
第1センサ38と第2センサ40は、監視ユニット36に接続され、それによりワークピース32,34上のパンチ22およびクランプデバイス30による力の動作中におけるフレームの曲げを検出することができる。
この方法で検出されるフレーム20の曲げの情報で、パンチの移動は、リベットの一定の侵入深さが常に保証されるような方法で、調整されることができる。
より具体的には、ワークピースに関してリベットの位置は、常に測定されることができる。
これは、正確なパンチ位置だけでなく正確なリベット速度を決定することを可能にし、リベット速度が予め定められるリベットセッティング最大速度に超えないことを正確に監視することを可能にする。
移動の過程は、したがって、リベットまたはセッティングまたは接合処理の間、曲げの関数として制御デバイスによって訂正されることができる。
【0034】
図2Aはセッティングステップの間におけるパンチ22の速度輪郭のより詳細を示す。
図2A内のX軸は時間を、Y軸はパンチ速度を表す。
図2Aは、二つの曲線を示す。
明瞭な線の曲線は、コマンド速度に対応する。
これは、予めプログラムされるパンチ速度である。
点線は、実際のパンチ速度に対応する。
図2Aに見えるように、とりわけ上記で説明されたセンサおよび監視ユニットにより、二つの曲線の輪郭は、よく似ている。
最初の段階において(上記では詳細に説明されていないが)、パンチ速度は台地に到達するまで一定に増加される。
台地はリベットに近づくために使用されるパンチ最大速度に対応する。
パンチ最大速度は例えば第1パンチ速度S1である。
パンチ速度は、その後第2パンチ速度S2に至るまで減少される。
第2パンチ速度S2は、第2台地に対応する。
第2台地S1と速度の減少に対応する曲線部の間の変曲点は、予め定められるリベット最大長に対応する。
実際に、下記で言及されるように、予め定められるリベット最大長は、第2パンチ速度S2が到達する瞬間を決定する。
いったんリベットがワークピース内にセットされると、パンチ22はその後、ワークピースから離れる動作をされ、図2Aに見える曲線の最後の部分(右側の部分)のように、できるだけ速やかに開始位置に戻る。
新しいリベットは、供給されることができ、新しいセッティング段階は、同じワークピースの異なる領域または異なるワークピースでその後進められることができる。
【0035】
図2Bは、図2Aに見えるように、予め定められるパンチ速度を明瞭な線で示し、点線は、セッティング段階の間の整流ツール力(rectification tool force)を示す。
整流ツール力は、第1および第2センサの測定を介して監視ユニットおよび制御デバイスによって算出される。
整流ツール力は、図2Aに見えるように、実際および対象曲線が感覚的に同じであるように、パンチとリベットの位置およびそれらの速度をリアルタイムで訂正することを可能にする。
【0036】
図3Aおよび図3Bは、相対的なパンチ位置の関数のパンチ速度を示す。
図3A内のX軸はパンチ位置を、Y軸は速度を表す。
図2Aおよび図2Bと異なり、図3Aおよび図3Bの曲線は、セッティング段階の最初の段階R1、第2段階R2,第3段階R3のみ示す。
曲線は、リベットのセッティング後にパンチの最初の位置への戻りを表していない。
【0037】
図3Aにおいて、明瞭な線の曲線は、コマンドされた相対的なパンチの位置を表し、点線の曲線は、実際の相対的なパンチの位置を表す。
見えるように、センサ38,40および監視ユニット36により、コマンドされた、および実際の曲線は、感覚的に似ている。
第1段階R1において、図3Aの右手側に表され、第1台地は、その後第1パンチ速度よりも遅い、第2パンチ速度に至るための第2段階においてゆっくり減少する、第1パンチ速度S1を示す。
第2パンチ速度S2は第2台地を形成し、第3段階に対応する。
図3Aに見られるように、第1パンチ速度S1から第2パンチ速度S2までのパンチ速度の減少は、感覚的に一定であることができる。
図3Bは、図3Aに見えるように、コマンドされた相対的なパンチ位置を明瞭な線で、点線はパンチの異なる位置における整流ツール力を示す。
整流ツール力は、図3Aに見られるように、実際および対象曲線が感覚的に同じであるように、パンチとリベットの位置およびそれらの速度をリアルタイムで訂正することを可能にする。
【符号の説明】
【0038】
接合装置・・・・・・・・10
セッティングツール・・・12
ロボット・・・・・・・・14
フィーダホース・・・・・16
リベット・・・・・・・・18
フレーム・・・・・・・・20
パンチ・・・・・・・・・22
接合軸・・・・・・・・・・X
駆動ユニット・・・・・・24
制御デバイス・・・・・・26
ダイ・・・・・・・・・・28
クランプデバイス・・・・30
第1ワークピース・・・・32
第2ワークピース・・・・34
第1パンチ速度・・・・・S1
第2パンチ速度・・・・・S2
第1段階・・・・・・・・R1
第2段階・・・・・・・・R2
第3段階・・・・・・・・R3
監視ユニット・・・・・・36
第1センサ・・・・・・・38
第2センサ・・・・・・・40
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【外国語明細書】