(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170384
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】単一基板洗浄チャンバを有するモジュール式研磨システムにおける基板ハンドリング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241203BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241203BHJP
B24B 55/06 20060101ALI20241203BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20241203BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/304 621D
H01L21/304 622G
H01L21/304 651B
H01L21/304 648A
B24B55/06
B24B41/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024107139
(22)【出願日】2024-07-03
(62)【分割の表示】P 2022544712の分割
【原出願日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】63/112,289
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/202,245
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, ブライアン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ミハイリチェンコ, エカテリーナ
(72)【発明者】
【氏名】チー, チン
(72)【発明者】
【氏名】ランガラジャン, ジェーガン
(72)【発明者】
【氏名】スニガ, スティーヴン エム.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板が研磨システムから取り出される前に、洗浄され乾燥された基板の表面への望ましくない汚染物質の再導入のない研磨システム及び洗浄システムを提供する。
【解決手段】半導体デバイスの製造に使用されるモジュール式研磨(CMP)システム200aは、その中に配置された複数の研磨ステーションを有する第1の部分205と、第1の部分に結合され、基板洗浄システム232を含む第2の部分220と、を含む。基板洗浄システムは、チャンバ領域を画定するチャンバハウジングを含む基板洗浄モジュール230、234~236を含む。CMPシステムは、第2の部分に位置する基板ハンドラ224、226aを更に含み、基板ハンドラ226aは、チャンバハウジングの1又は複数の側壁に形成された1又は複数の開口部を通してウェットイン/ドライアウト基板洗浄モジュールの内外へ基板180を移送するように位置決めされる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨システムであって、
中に配置された複数の研磨ステーションを有する第1の部分と、
前記第1の部分に結合され、基板洗浄システムを含む第2の部分であって、前記基板洗浄システムは、ウェットイン/ドライアウト基板洗浄モジュールを含み、前記ウェットイン/ドライアウト基板洗浄モジュールは、
チャンバ領域を画定するチャンバハウジングであって、前記チャンバハウジングの第1の側壁が前記第1の側壁を貫通して形成された第1の開口部を有する、チャンバハウジングと、
前記チャンバ領域に配置された基板支持体と、
前記第1の開口部を覆う又は密閉するように動作可能な第1のドア又は第1のバルブと
を含む、第2の部分と、
前記第2の部分に位置する基板ハンドラであって、前記第1の開口部を通して前記チャンバ領域内へ基板を移送するように位置決めされた基板ハンドラと
を備える研磨システム。
【請求項2】
前記チャンバハウジングの前記第1の側壁又は第2の側壁は、前記第1の側壁又は第2の側壁を貫通して形成された第2の開口部を有し、第2のドア又は第2のバルブは、前記第2の開口部を覆う又は密閉するように動作可能である、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項3】
前記基板洗浄モジュールに隣接するロードロックチャンバを更に備え、前記ロードロックチャンバの開口部は、前記第2の開口部にアライメントされる、請求項2に記載の研磨システム。
【請求項4】
前記第2の開口部は前記第2の側壁を貫通して配置され、前記第2の側壁は前記第1の側壁に隣接する、請求項2に記載の研磨システム。
【請求項5】
前記第2の開口部は、前記第1の開口部の上方に前記第1の側壁を貫通して配置される、請求項2に記載の研磨システム。
【請求項6】
前記基板ハンドラは、
第1のアームに結合された第1のエンドエフェクタと、
第2のアームに結合された第2のエンドエフェクタと
を含み、
前記第1のエンドエフェクタは、ウェット基板を前記第1の開口部を通して前記チャンバ領域内へ移送するために使用され、前記第2のエンドエフェクタは、ドライ基板を前記第2の開口部を通して前記チャンバ領域から外へ移送するために使用される、
請求項5に記載の研磨システム。
【請求項7】
前記チャンバハウジングから外向きに延在するトンネルを更に備え、前記トンネルは、前記第1の開口部又は前記第2の開口部にアライメントされて配置され、前記トンネルを通して基板の移送を可能にする、請求項5に記載の研磨システム。
【請求項8】
前記トンネルは、前記チャンバ領域の内外への基板移送中に、前記トンネルを前記第1又は第2の開口部から離して移動させるように動作可能なアクチュエータに結合される、請求項7に記載の研磨システム。
【請求項9】
基板洗浄システムであって、
チャンバ領域を画定するチャンバハウジングであって、前記チャンバハウジングの第1の側壁が、基板を前記チャンバ領域内に受け入れるために前記第1の側壁を貫通して形成された第1の開口部を有する、チャンバハウジングと、
前記チャンバ領域に配置された基板支持体と、
基板を基板ハンドラから受け入れ、前記基板を前記基板支持体に位置決めするための複数の第1のピンを含む第1のリフトピンアセンブリと、
前記基板ハンドラによる前記基板へのアクセスを可能にするために前記基板を前記基板支持体から持ち上げるように位置決めされた複数の第2のピンを含む第2のリフトピンアセンブリであって、前記複数の第2のピンは前記複数の第1のピンとは異なる、第2のリフトピンアセンブリと
を備えるシステム。
【請求項10】
前記チャンバハウジングから外向きに延在するトンネルであって、前記第1の開口部にアライメントされて配置され、前記トンネルを通して基板の移送が可能になる、トンネルと、
前記トンネルを通して基板を前記チャンバ領域内へ移送するように位置決めされた基板ハンドラと、
前記チャンバハウジングに隣接するロードロックチャンバであって、前記ロードロックチャンバの開口部は、前記チャンバハウジングの第2の側壁を貫通して配置された第2の開口部にアライメントされ、前記第2の側壁は前記第1の側壁に隣接する、ロードロックチャンバと
を更に備える、請求項9に記載の基板洗浄システム。
【請求項11】
乾燥流体を前記複数の第1のリフトピンに方向付けするように位置決めされた1又は複数の第1のノズルを更に備える、請求項9に記載の基板洗浄システム。
【請求項12】
前記第1の開口部にアライメントされて配置され、前記第1の開口部と共に基板移送経路を画定するトンネルを更に備える、請求項9に記載の基板洗浄システム。
【請求項13】
前記チャンバハウジングの第2の側壁は、前記第2の側壁を貫通して形成された第2の開口部を有し、ドア又はバルブは、前記第2の開口部を覆う又は密閉するように動作可能である、請求項9に記載の基板洗浄システム。
【請求項14】
前記基板洗浄システムに隣接するロードロックチャンバを更に備え、前記ロードロックチャンバの開口部は、前記第2の開口部にアライメントされる、請求項13に記載の基板洗浄システム。
【請求項15】
前記第2の側壁は、前記第1の側壁に隣接する、請求項14に記載の基板洗浄システム。
【請求項16】
第2の開口部は、前記第1の開口部の上方に前記第1の側壁を貫通して配置される、請求項12に記載の基板洗浄システム。
【請求項17】
前記トンネルは、前記チャンバ領域内に延在する、請求項12に記載の基板洗浄システム。
【請求項18】
前記チャンバハウジングから外向きに延在するトンネルを更に備え、前記トンネルは、前記第1の開口部又は前記第2の開口部にアライメントされて配置され、前記トンネルを通して基板の移送を可能にする、請求項16に記載の基板洗浄システム。
【請求項19】
前記トンネルは、前記チャンバ領域の内外への基板移送中に、前記トンネルを前記第1又は第2の開口部から離して移動させるように動作可能なアクチュエータに結合される、請求項16に記載の基板洗浄システム。
【請求項20】
前記基板支持体に近接して配置され、前記基板支持体上に配置された基板の周縁部の方へ流体を方向付けするように位置決めされた1又は複数の第2のノズルを更に備える、請求項11に記載の基板洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書に記載の実施形態は、概して、電子デバイスの製造に用いられる機器に関し、より具体的には、半導体デバイス製造プロセスにおける基板の化学機械研磨(CMP)に続いて基板表面を洗浄及び乾燥するために用いられるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]化学機械研磨(CMP)は一般に、高密度集積回路の製造において、基板に堆積された材料の層を平坦化又は研磨するために使用される。典型的なCMPプロセスでは、基板は、研磨液の存在下で回転する研磨パッドに向かって基板の裏側を押圧するキャリアヘッドに保持される。研磨液と、基板と研磨パッドの相対運動とによってもたらされる化学的及び機械的作用の組み合わせによって、研磨パッドと接触する基板の材料層表面全体の材料が除去される。通常、1又は複数のCMPプロセスが完了した後に、研磨された基板は、洗浄、検査、及び測定工程のうちの1つ又は組み合わせ等の、1又は複数のCMP後基板処理工程で更に処理される。CMP後工程が完了すると、基板は次にCMP処理エリアから、リソグラフィ、エッチング、又は堆積プロセス等の、次のデバイス製造プロセスに送られ得る。
【0003】
[0003]貴重な製造フロアスペースを節約し、人件費を削減するために、CMPシステムは、一般に、複数の研磨ステーションを含む第1の部分(例えば、裏面部分)と、第1の部分と統合された第2の部分(例えば、前面部分)とを含む単一の研磨システムを形成する。第1の部分は、CMP後基板洗浄システム、基板表面検査ステーション、及び/又はCMP前又はCMP後計測ステーションのうちの1つ又は組み合わせを含み得る。CMP後洗浄システムは、研磨プロセスに続いて、基板の表面を洗浄し、乾燥させるために使用される。通常、基板は、1又は複数の基板ハンドラ(例えば、ロボット)を用いて、CMP後システムのモジュール間で移動される。
【0004】
[0004]残念ながら、残留水、研磨液、研磨副生成物、及び洗浄液等の望ましくない汚染物質が、基板ハンドラの基板ハンドリング面にしばしば残る、及び/又はそこにしばしば再導入される。基板ハンドリング面への汚染物質の相互汚染及び/又は再導入により、基板が研磨システムから取り出される前に、洗浄され乾燥された基板の表面への望ましくない汚染物質の再導入がもたらされる。基板の作用面のこのような汚染は、デバイス性能に悪影響を及ぼす、及び/又はデバイスの故障を引き起こして、基板に形成される使用可能なデバイスの歩留まりを抑制する。
【0005】
[0005]従って、当技術分野で必要とされているのは、上記の問題を解決する洗浄システム及び方法である。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の実施形態は、概して、化学機械研磨(CMP)システムに関し、基板の研磨後の基板表面の洗浄及び乾燥に使用される統合洗浄システム、及びその関連方法に関する。一実施形態では、研磨システムは、その中に配置された複数の研磨ステーションを有する第1の部分と、第1の部分に結合され、基板洗浄システムを含む第2の部分とを含む。基板洗浄システムは、チャンバ領域を画定するチャンバハウジングを含むウェットイン/ドライアウト基板洗浄モジュールを含む。研磨システムは、第2の部分に位置する基板ハンドラを更に含み、基板ハンドラは、チャンバハウジングの1又は複数の側壁に形成された1又は複数の開口部を通してウェットイン/ドライアウト基板洗浄モジュールの内外へ基板を移送するように位置決めされる。
【0007】
[0007]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、その範囲を限定するものと見なすべきではなく、他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る研磨ステーションの概略側面図であり、本明細書に記載のモジュール式研磨システムの複数の研磨モジュールのうちの1又は複数の研磨ステーションとして使用され得るものである。
【
図2A】一実施形態に係るモジュール式研磨システムの概略全体断面図である。
【
図2B】
図2Aのモジュール式研磨システムの概略斜視図である。
【
図2C】別の実施形態に係るモジュール式研磨システムの概略上面図である。
【
図2D】
図2A~
図2Cのモジュール式研磨システムと共に使用され得る、一実施形態に係る水平前洗浄(HPC)モジュールの概略側面図である。
【
図3】A~Bは、
図2A~
図2Bのモジュール式システム研磨システムと共に使用され得る単一基板洗浄(SSC)モジュールの実施形態の概略斜視図である。
【
図4】Aは、
図2A~
図2Bに示す基板ハンドラのうちの1つの概略上面図であり、Bは、
図2A~
図2Bのモジュール式システム研磨システムと共に使用され得る、別の実施形態に係る基板ハンドラの上面図である。
【
図5】A~Bは、
図3Aに示すウェット洗浄チャンバの代替実施形態の概略斜視図である。
【
図6A】
図2A~
図2Bのモジュール式研磨システムと共に使用され得る単一基板洗浄(SSC)モジュールの代替実施形態の概略全体断面図である。
【
図6B】
図2A~
図2Bのモジュール式研磨システムと共に使用され得る単一基板洗浄(SSC)モジュールの代替実施形態の概略全体断面図である。
【
図6C】一実施形態に係る
図6Aのチャンバの外側部分の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0019]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素及び特徴は、更なる詳述なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ると考えられる。
【0010】
[0020]本開示の実施形態は、概して、半導体デバイス製造産業で使用される化学機械研磨(CMP)システムに関する。より具体的には、本明細書の実施形態は、CMPシステム用の改良された洗浄モジュールに関する。
【0011】
[0021]一般に、研磨された基板の表面を洗浄し乾燥させるために、洗浄システムの個々の洗浄モジュールが使用される。典型的な洗浄システムは、1又は複数のバフ仕上げステーション、1又は複数のスプレーステーション、及び1又は複数のブラシボックス等の複数のウェット洗浄ステーションと、ドライステーションとを含む。研磨された基板は、基板ハンドラを用いて、研磨システムの第1の部分に位置する研磨ステーションから、研磨システムの第2の部分に位置する洗浄システムに移送される。通常、研磨された基板は、その表面に残留する研磨液、水、及び他の研磨汚染物質を有しており、したがって、「湿った」状態で第1の部分から第2の部分へ移送される。基板の移送に使用される基板ハンドラは、基板を湿った状態でハンドリングするように構成されており、一般に「ウェット」基板ハンドラ又はロボットとして知られる。前面部分に来ると、基板は、ドライステーションに移送される前に、1又は複数のウェット基板ハンドラを用いて、複数の洗浄モジュールの個々の洗浄モジュール間を移送される。基板は、ウェット基板ハンドラを用いてドライステーションに移送され、ドライ基板をハンドリングするように構成された別の基板ハンドラ、すなわち「ドライ」基板ハンドラを用いてドライステーションから取り出される。
【0012】
[0022]
図1は、本明細書に記載のモジュール式研磨システムの研磨モジュールの1又は複数のための研磨ステーションとして使用され得る例示的な研磨ステーション100の概略側面図である。本明細書において、研磨ステーション100は、それに固定された研磨パッド102を有するプラテン104と、基板キャリア106とを特徴とする。基板キャリア106は、プラテン104と、その上に取り付けられた研磨パッド102とに面する。基板キャリア106は、その中に配置された基板180の材料面を、研磨パッド102の研磨面に押し付けると同時に、キャリア軸110を中心に回転するように使用される。典型的には、プラテン104は、回転する基板キャリア106がプラテン104の内径から外径へ往復掃引する間、プラテン軸112を中心に回転し、部分的に研磨パッド102の偏摩耗を減少させる。
【0013】
[0023]研磨ステーション100は、流体送達アーム114及びパッドコンディショナアセンブリ116を更に含む。流体送達アーム114は、研磨パッド102上に位置決めされ、その中に懸濁された研磨材を有する研磨スラリ等の研磨液を、研磨パッド102の表面に送達するために使用される。通常、研磨液は、基板180の材料表面の化学機械研磨を可能にするために、pH調整剤と、酸化剤等の他の化学的に活性な成分とを含む。パッドコンディショナアセンブリ116は、基板180の研磨前、研磨後、又は研磨中に、固定研磨コンディショニングディスク118を研磨パッド102の表面に押し付けることによって、研磨パッド102を調整するように使用される。コンディショニングディスク118を研磨パッド102に押し付けることは、コンディショニングディスク118を軸120を中心に回転させ、コンディショニングディスク118をプラテン104の内径からプラテン104の外径へ掃引することを含む。コンディショニングディスク118は、研磨パッド102の研磨面を研磨し、再生し、研磨副生成物又は他の屑を研磨面から除去するように使用される。
【0014】
[0024]
図2Aは、本明細書に記載の実施形態に従って形成された統合洗浄システム232を有するモジュール式研磨システム200の概略全体断面図である。
図2Bは、
図2Aのモジュール式研磨システムの概略斜視図である。本明細書において、モジュール式研磨システム200は、第1の部分205と、第1の部分205に結合された第2の部分220とを特徴とする。第1の部分205は、
図1で説明した研磨ステーション100等の複数の研磨ステーション100a、bを含み、ここでは視覚的混乱を減らすために図示していない。
【0015】
[0025]第2の部分220は、複数のシステムローディングステーション222、1又は複数の基板ハンドラ224、226、1又は複数の計測ステーション228、1又は複数の位置特定研磨(LSP)モジュール229(
図2B)、及び基板洗浄システム232を含む。1又は複数の基板ハンドラ224、226は、単独で又は組み合わせて、基板180を第1の部分205と第2の部分220との間で移送する、基板をその様々なモジュール、ステーション、及びシステム間を含む第2の部分220内で移動させる、並びに基板をシステムローディングステーション222との間で移送するように使用される。LSPモジュール229は、通常、研磨すべき基板の表面積よりも小さい表面積を有する研磨部材(図示せず)を用いて、基板表面の一部のみを研磨するように構成される。LSPモジュール229は、基板が研磨モジュール内で研磨された後にタッチアップする、例えば、基板の比較的小さい部分から追加の材料を除去するために使用されることが多い。
【0016】
[0026]基板洗浄システム232は、その研磨後に基板180の表面から残留研磨液及び研磨副生成物を除去することを容易にする。本明細書において、基板洗浄システム232は、1又は複数の水平前洗浄(HPC)モジュール230(
図2Dに更に記載)等の第1の洗浄モジュールの1又は複数、ブラシボックス及び/又はスプレーステーション等の1又は複数の第2の洗浄モジュール234、並びに1又は複数の単一基板洗浄(SSC)モジュール236(3つ図示)等の1又は複数の第3の洗浄モジュールを含む。幾つかの実施形態では、基板洗浄システム232は、硫酸(H
2SO
4)及び過酸化水素(H
2O
2)の溶液を用いて基板の表面から研磨液残留物を洗浄するように構成された1又は複数の第4の洗浄モジュール235を更に含む。
【0017】
[0027]
図2Bに示すような幾つかの実施形態では、複数のSSCモジュール236は、垂直積層配置で配置される。SSCモジュール236の積層配置は、SSCモジュール236の各々に配置された複数の個々の基板の同時処理を容易にする。SSCモジュール236の各々は、1又は複数の「ウェット」洗浄及び/又はリンス液を用いて基板を洗浄することと、その後基板を乾燥することとの両方を行うように構成され、したがって、従来のマルチステーション洗浄システムの個々のウェット洗浄及びドライステーション間で時間のかかる基板移送ハンドリング操作を行う必要性を排除する。垂直積層配置における複数のSSCモジュール236の使用は、従来の研磨システムと比較して、モジュール式研磨システム200の基板処理スループット密度を有益に増大させる。
【0018】
[0028]本明細書において、モジュール式研磨システム200の工程は、システムコントローラ270によって指示される。システムコントローラ270は、メモリ272(例えば、不揮発性メモリ)及び支援回路273と共に動作可能なプログラマブル中央処理装置(CPU)271を含む。支援回路273は、従来、CPU271に結合され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源等、及びモジュール式研磨システム200の様々な構成要素に結合されたそれらの組み合わせを含み、その制御を容易にする。CPU271は、処理システムの様々な構成要素及びサブプロセッサを制御するために、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の産業環境で使用される汎用コンピュータプロセッサの任意の形式の1つである。CPU271に結合されたメモリ272は、非一過性であり、典型的には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスクドライブ、ハードディスク、又はローカルもしくはリモートの他のいずれかの形態のデジタルストレージ等の容易に入手できるメモリのうちの1又は複数である。
【0019】
[0029]通常、メモリ272は、CPU271によって実行されると、モジュール式研磨システム200の工程を促進する命令を含む非一過性コンピュータ可読記憶媒体(例えば、不揮発性メモリ)の形式である。メモリ272の命令は、本開示の方法を実行するプログラム等のプログラム製品の形態である。プログラムコードは、多数の異なるプログラミング言語のうちの任意の1つに適合していてよい。一例では、本開示は、コンピュータシステムと共に使用するためにコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム製品として実装され得る。プログラム製品のプログラム(複数可)は、実施形態(本明細書に記載の方法を含む)の機能を定義する。
【0020】
[0030]例示的な非一過性コンピュータ可読記憶媒体は、(i)情報が恒久的に記憶され得る書込不可記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブによって読み取り可能なCD-ROMディスク、フラッシュメモリ、ROMチップ又は任意のタイプのソリッドステート不揮発性半導体メモリデバイス、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)等のコンピュータ内の読み取り専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される書込可能記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ又はハードディスクドライブ又は任意のタイプのソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ内のフロッピーディスク等)を含むが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載の方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を担持する場合、本開示の実施形態となる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の方法又はその一部は、1又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のタイプのハードウェア実装により実行される。幾つかの他の実施形態では、本明細書に記載の基板処理及び/又はハンドリング方法は、ソフトウェアルーチン、ASIC(複数可)、FPGA、及び、又は、他のタイプのハードウェア実装の組み合わせによって実行される。1又は複数のシステムコントローラ270は、本明細書に記載の様々なモジュール式研磨システムの1つ又は任意の組み合わせ、及び/又はその個々の研磨モジュールと共に使用され得る。
【0021】
[0031]
図2Cに示すような幾つかの実施形態では、個々のSSCモジュール236は、1又は複数の基板ハンドラ226がその間に配置されるように、第2の部分220の反対側に配置される。幾つかの実施形態では、モジュール式研磨システム200は、基板ハンドラ224と1又は複数の基板ハンドラ226との間、個々の基板ハンドラ226の間、及び/又は保持ステーション225b等の第2の部分220の異なるモジュール及びシステムの間に配置された1又は複数の基板保持ステーション225a~bを更に含む。幾つかの実施形態では、モジュール式研磨システム200は、第1の部分205と第2の部分220との間に配置された基板保持ステーション225aを含み、その間の基板のステージング及び移送を容易にする。本明細書において、基板保持ステーション225a~bは、それぞれ複数の基板を保持するように構成され、基板ハンドリング工程及び/又は基板処理シーケンスにおける柔軟性を高めるために、ウェット又はドライ基板ステージングに使用され得る。
【0022】
[0032]幾つかの実施形態では、モジュール式研磨システム200は、SSCモジュール236と基板ハンドラ224との間に配置された1又は複数の第1のロードロックチャンバ240A及び/又は個々の基板ハンドラ226A、Bの間及び「ウェット」基板処理エリアの間に配置された1又は複数の第2のロードロックチャンバ240Bを更に含む。通常、ロードロックチャンバ240Aの各々は、その中に配置された保持ステーション225bを有するロードロック領域を画定するチャンバ本体又はチャンバ壁を含む。基板ハンドラ224が存在する基板ハンドリングエリア221、SSCモジュール236、及び/又は基板ハンドラ226Aが存在するエリアからロードロック領域へのアクセスは、それぞれのチャンバ壁を通してその間に配置された開口部を通して提供され、各開口部はドア241で密閉可能である。
【0023】
[0033]通常、基板は、ロードロック領域へのドア241のうち2つ以上が一度に開かないようにする順序で各ドア241を個別に開閉することによって、ロードロックチャンバ240A及び240Bの内外へ移送される。したがって、ロードロックチャンバ240A~Bは、研磨システム200の個々のモジュール及び/又は部分の雰囲気を互いに流体的に隔離し、その間の汚染物質の流れを防止及び/又は実質的に低減するために使用され得る。したがって、SSCモジュール236で処理された清浄ドライ基板を、「ウェット」基板処理領域220Bの雰囲気に暴露せずに、SSCモジュール236からロードロックチャンバ240A、ロードロックチャンバ240Aから基板ハンドリングエリア221へ移送することができる。
【0024】
[0034]幾つかの実施形態では、清浄乾燥空気(CDA)又は不活性ガス(例えば、N2)が、それに流体的に結合されたガス源242を使用してロードロック領域に供給される。幾つかの実施形態では、基板ハンドリングエリア221の雰囲気は、第1の部分205よりも高い圧力に維持され、ロードロックチャンバ240A~B及びSSCモジュール236は、その間の圧力に維持される。基板ハンドリングエリア221からその間に配置されたチャンバを通して第1の部分205までの高い圧力から低い圧力への勾配を維持することで、システムにおける空気の流れが、様々なチャンバ及びモジュールのドアがその間で開閉されることによって、基板ハンドリングエリア221から第1の部分205へ確実に移動するようになる。したがって、圧力勾配により、望ましくない汚染物質が、第1の部分205、処理領域220B、及びSSCモジュール236からロードロックチャンバ240A~B内及び/又は基板処理領域221内へ流れることが防止される。一例では、SSCモジュール236とロードロックチャンバ240A~Bとの間、又は基板ハンドリングエリア221とロードロックチャンバ240A~Bとの間等の順次位置決めされた処理チャンバ、又は処理領域間の圧力低下は、約0.1から約5水柱インチである。
【0025】
[0035]幾つかの実施形態では、ロードロックチャンバは基板移送プロセス中、ドア241の片側又は両側の相対湿度が予め定められた基準相対湿度(RH)値を下回るまで、閉じたままであり得る。RHは、不活性ガス供給装置からドア241の片側の所望のエリアへの適量の不活性ガスの流れを開始することによって下がり得る。例えば、ロードロックチャンバ240とSSCモジュール236、600bとを分離するドア241を開く前に、ロードロックチャンバ240(
図2C又は
図6B)内への適量の不活性ガスの流れを開始することが望ましい場合がある。代替的に、例えば、ロードロックチャンバ240とSSCモジュール236、600bとを分離するドア241を開く前に、SSCモジュール236、600b内への適量の不活性ガスの流れを開始し、そこのRHを下げることにより、チャンバ間に望ましい圧力勾配が形成されるようにすることが望ましい場合がある。
【0026】
[0036]
図2Cにおけるロードロックチャンバ240A、B、基板ハンドラ226A、B、及び単一基板洗浄SSCモジュール236の配置は、画定された基板ハンドリング経路(順次番号付けされた矢印1~17として示す)を可能にし、これは、ウェット及びドライ基板並びに基板ハンドリング面間の露出を有利に減らし、他の場合にそれに関連し得る相互汚染事象を低減させる。
【0027】
[0037]個々のHPCモジュール230は、
図2Dに示されており、チャンバ領域282を画定するチャンバ本体281と、チャンバ領域282にまとめて配置された洗浄ステーション283、パッドキャリアアーム284、及びパッドコンディショナステーション285とを含む。洗浄ステーション283は、基板180を水平配向に支持し、基板180を軸Aを中心に回転させるために使用される真空チャック291と、基板180の表面に洗浄液を分配するための流体分注アーム288とを含む。パッドキャリアアーム284は、軸Bを中心に回動可能であり、パッドキャリア287に固定された洗浄パッド286を基板180の表面全体で掃引し、それに対してダウンフォースを付与する。本明細書において、パッドキャリアアーム284は、パッドキャリア287、ひいては洗浄パッド286を基板180とパッドコンディショナステーション285との間で移動させるように構成される。パッドコンディショナステーション285は、洗浄パッド286の表面を洗浄し、再生するために使用されるパッドコンディショナ289、例えば、ブラシ又は研磨ディスクを含む。真空チャック291及びその上に固定された基板180の水平配向により、洗浄パッド286によって基板180により大きい力を付与することが可能になり、したがって、その表面からの除去が困難な研磨液副生成物、例えば研磨液残留物の洗浄効率がより高まる。本明細書において、洗浄液は、HPCモジュール230が第2の部分220の上部に位置決めされ、その下に他のモジュール又はシステムが有利に位置決めされ得るように、チャンバ本体281の基部290を貫通して配置されたドレイン293を用いて回収される。
【0028】
[0038]
図3A~
図3Bは、
図2A~
図2Bに示すSSCモジュール236の一部として又はその代わりに使用され得る、幾つかの実施形態に係るそれぞれの単一基板洗浄(SSC)モジュール300a、bの概略等角図である。
【0029】
[0039]本明細書において、個々のSSCモジュール300a、bは各々、チャンバ領域340を画定するチャンバハウジング303と、
図6A~
図6Bに示す洗浄ステーションの1つ等の、チャンバ領域340に配置された洗浄ステーション(図示せず)とを含む。一般に、SSCモジュール300a、bは、例えば1又は複数の洗浄液を使用することによって、そこから残留研磨汚染物質を除去するための基板のウェット処理と、その後基板を乾燥させるための両方に対して構成される。したがって、SSCモジュール300a、bの各々は、個々の単一基板ウェットインドライアウト洗浄システムを提供する。
【0030】
[0040]本明細書において、SSCモジュール300a、bの各々は、チャンバハウジング303の1又は複数の側壁310を通して配置された1又は複数のスロット状の開口部、例えば、第1の開口部301及びオプションの第2の開口部302を特徴とする。第1及び第2の開口部301、302は、チャンバ領域340への基板ハンドラのアクセスを提供し、したがって、洗浄ステーションへの及び洗浄ステーションからの基板移送を容易にする。例えば、
図3Aにおいて、SSCモジュール300aは、側壁310の1つを通して配置された第1の開口部301と、第1の開口部301と同じ側壁310に配置されたオプションの第2の開口部302とを含む。
図3Aに示すように、第2の開口部302は、第1の開口部301の下(Y方向)にある側壁310の一部に位置する。幾つかの実施形態では、処理対象の「ウェット」基板は、第2の開口部302を通してチャンバ領域340内に移送され、処理済みの「ドライ」基板は、第1の開口部301を通してチャンバ領域340の外に移送される。代替的に、第1の開口部301及び第2の開口部302は、それぞれ異なる側壁を通して配置されていてよく、例えば
図3Bに示すように、第1の開口部301は複数の側壁310の第1の側壁320を通して配置され、第2の開口部302は複数の側壁310の第2の側壁330に配置される。第1及び第2の開口部301、302が異なる側壁を通して配置される実施形態では、第1及び第2の開口部301、302は、Y方向において異なる位置又は実質的に同じ位置に位置決めされ得る。
【0031】
[0041]
図3Bでは、第1及び第2の側壁320、330は、SSCモジュール300bの対向する側に配置される。他の実施形態では、第1及び第2の開口部301、302は、互いに直交するそれぞれの側壁を通して配置され得る。有益なことに、第1の開口部301及び第2の開口部302を異なる側壁320、330及び/又は同じ側壁310(
図3A)に配置し、各開口部をウェット又はドライ基板の移送専用にすることで、望ましくはSSCモジュール236に入るウェット基板とSSCモジュール236を出るドライ基板間の相互汚染が最小限に抑えられる。第1及び第2の開口部301、302は、床に対して実質的に同じ又は異なる垂直高さ、すなわちY方向に位置決めされ得る。
【0032】
[0042]
図4A及び
図4Bは、
図2A~
図2Cに示す1又は複数の基板ハンドラ226として使用され得る基板ハンドラ226a及び226bの概略上面図である。基板ハンドラ226a、bは、基板をX、Y、及びZ方向に移動させ、幾つかの実施形態では、基板の配向を垂直配向から水平配向又はその逆に変えて、モジュール式研磨システム200の様々なモジュール及びシステム間の基板の移送を容易にするように構成される。本明細書において、基板ハンドラ226a、bは、各々がそれに結合されたエンドエフェクタ403(ファントムで示す)を有する1又は複数のアーム401を含む。
図4Aでは、基板ハンドラ226aは、ウェット基板をSSCモジュール300a、b内に移送するため、及びそこからドライ基板を取り出すための両方に使用され得る単一のエンドエフェクタ403を特徴とする。
【0033】
[0043]
図4Bでは、基板ハンドラ226bは、第1及び第2のアーム401a、bと、それに結合された対応する第1及び第2のエンドエフェクタ403a、b(ファントムで示す)とを特徴とする。本明細書において、第1のエンドエフェクタ403aは、ウェット基板、すなわち、SSCモジュール300a、bへ移送される基板のハンドリング専用であり、第2のエンドエフェクタ403bは、ドライ基板、すなわち、SCCモジュール300a、bから移送される基板のハンドリング専用である。SSCモジュール300a、bの内外への基板移送専用のエンドエフェクタ403a、bを使用することで、望ましくは、SSCモジュール300a、b内へ移送されるウェット基板の表面からSSCモジュール300a、bの外へ移送されるドライ基板の表面に汚染物質が不要に移ることが低減する。幾つかの実施形態では、第1のエンドエフェクタ403aは、第1の開口部301を通してSSCモジュール300a、b内へ基板を移送するために使用され、第2のエンドエフェクタ403bは、第2の開口部302を通してSSCモジュール300a、bの外へ基板を移送するために使用される。
【0034】
[0044]
図5A~
図5Bは、それぞれの単一基板洗浄(SSC)モジュール500a~bの代替実施形態の概略斜視図であり、各々は、
図2A~
図2Cに示すSSCモジュール236の一部として又はその代わりに使用され得る。本明細書において、SSCモジュール500aは、チャンバ領域340を画定するチャンバハウジング303を含む。チャンバハウジング303は、複数の側壁310を含み、側壁310の1つに第1の開口部301が形成され、トンネル501が第1の開口部301にアライメントされて配置され、側壁310から外向きに延在して基板移送トンネル505aを画定する。幾つかの実施形態では、トンネル501は、例えば、トンネルを側壁310に対して上下に(Y方向に)動かすことによって、トンネルを第1の開口部301から離して移動させるように構成されたアクチュエータ507に結合される。それらの実施形態では、トンネル501は、ドライ基板がチャンバ領域340の外へ移送されるときに第1の開口部301から離れるように移動し、ウェット基板がチャンバ領域340内へ移送されるときに第1の開口部301にアライメントするように戻され得る。したがって、それらの実施形態では、トンネル501は、基板がその中にロードされたときに、ウェット基板からSSCモジュール500aの開口部301及び/又は側壁310の表面に汚染物質が移るのを防止するために使用され得る。
【0035】
[0045]
図5Bに示すような幾つかの実施形態では、トンネル503は、SSCモジュール500bに連結固定され、例えばSSCモジュール500bの側壁310に連結固定され、第1の開口部301にアライメントされて配置されて、それと共に基板移送トンネル505bを画定する。それらの実施形態では、トンネルは、側壁310から外向きに延在し得る、側壁310から内向きに延在して少なくとも部分的にチャンバ領域340に配置され得る、又は(図示のように)その両方であってよい。他の実施形態では、トンネル503は、第2の開口部302にアライメントされて配置される。幾つかの実施形態では、SSCモジュール500bは、各々がそれぞれの開口部301、302にアライメントされて配置され、それと共に対応する基板移送トンネル505bを画定する複数のトンネル503を含む。通常、これらの実施形態の各々において、開口部301、302のうちの1つがウェット基板をチャンバ領域340内に移送するために用いられ、2つの開口部301、302のうちの他の1つがドライ基板をチャンバ領域340の外へ移送するために用いられるため、ドライ基板の表面への汚染物質及び/又は流体の再導入が最小限に抑えられる。
【0036】
[0046]幾つかの実施形態では、第1の開口部301及び/又は第2の開口部302は、閉位置にあるときに第1の開口部301及び/又は第2の開口部302を密閉し、開位置にあるときに第1の開口部301及び/又は第2の開口部302の内外へ基板を移送できるように使用され得るドア(図示せず)及びドアアクチュエータ(図示せず)を含む。ドアが閉位置にあるとき、SSCモジュール500bの内部、例えば、チャンバ領域340は、望ましくは、第2の部分からの汚染物質がそこに流入するのを制限するために、第2の部分220の環境から隔離される。
【0037】
[0047]
図6Aは、
図2A~
図2Bに示すSSCモジュール236の一部として又はその代わりに使用され得る、別の実施形態に係るSSCモジュール600aの一部の概略全体断面図である。本明細書において、SSCモジュール600aは、
図2A~
図2Bのモジュール式研磨システム200と実質的に同様のモジュール式研磨システム200bの一部と一体化されたものとして示される。
図3A~
図3B及び
図5A~
図5Bに示す特徴の任意の組み合わせを有する等、本明細書に開示される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、SSCモジュール600aは、ウェット領域610及びドライ領域620という2つの別々のセクションを特徴とし、モジュール式研磨システム200bは、その内外への基板移送に
図4Bに記載の第2の基板ハンドラ226bを使用する。上述したように、第2の基板ハンドラ226bは、ウェット領域610とドライ領域620との間の相互汚染を低減するために、各々がウェット又はドライ基板ハンドリング専用であってよい、2つの基板ハンドラアーム401、402を有する。
【0038】
[0048]幾つかの実施形態では、エンドエフェクタ洗浄及び/又はドライシステム603が、第2の基板ハンドラ226bに隣接して配置される。エンドエフェクタ洗浄及び/又はドライシステム603は、基板移送工程の間に基板ハンドラアーム401を洗浄及び/又は乾燥することにより、同じ基板ハンドラアーム401をウェット及びドライ基板180の両方の輸送に使用することを可能にする。通常、エンドエフェクタ洗浄及び/又はドライシステム603は、流体源に結合された1又は複数のスプレーノズルを含む。洗浄工程中、洗浄及び/又はドライシステム603は、洗浄液(例えば、脱イオン(DI)水)の流れを基板ハンドラアーム又はエンドエフェクタの1又は複数の部分に方向づけして、望ましくない汚染を除去する。ドライ工程中、洗浄及び/又はドライシステム603は、ガス(例えば、N2、CDA)及び/又は他の種類の流体(例えば、アルコール含有蒸気)を基板ハンドラアーム又はエンドエフェクタの1又は複数の部分にわたって方向づけし、これらの構成要素の乾燥を促進し得る。
【0039】
[0049]基板180を洗浄するために、また、基板180が十分に乾燥されず、その結果、破片又は他の望ましくない粒子が基板180上に残る可能性を防止するために、幾つかの構成要素がウェット領域610に含まれ得る。例えば、ウェット領域610は、基板支持体621の一部であり、ウェット処理モジュール611内に配置される一組のウェットリフトピン612aを含み得る。ウェット処理モジュール611は、SSCモジュール600aのウェット領域610で実行されるウェット洗浄プロセス中に基板の表面に適用される任意の流体を回収するように構成されたウェット処理カップ616を含む。ウェット処理カップ616は、排気システム(図示せず)及びドレイン(図示せず)に接続され得る。
【0040】
[0050]ウェット領域610は、2つ以上のスプレーバー614、又は3つ以上のスプレーバー614等、1又は複数のスプレーバー614(3つ図示)を含む。スプレーバー614の各々は、スプレーバーがその上に位置決めされたときに、流体(例えば、DI水)を基板180上に方向づけする複数のノズルを含む。本明細書において、1又は複数のスプレーバー614の各々は、複数のノズルを含む。幾つかの実施形態では、第1の流体源681及び第2の流体源682は、複数のスプレーバー614の個々のスプレーバー614に流体的に結合される。一実施形態では、第1の流体源681は、スプレーバー614にDI水を供給する。一実施形態では、第2の流体源682は、1又は複数の洗浄液(例えば、酸、塩基、溶剤、乾燥剤(例えば、アルコール)等)をスプレーバー614に供給する。システムコントローラ270は、第1の流体源681及び/又は第2の流体源682を制御する。一実施形態では、ウェット領域610にウェット基板配置センサ(図示せず)が配置され、ウェット領域610内に輸送された基板180が十分なウェット状態にあるか否かを検出する。ウェット領域610内のウェット処理の前又は処理中に基板180が十分なウェット状態にないと決定された場合、スプレーバーを作動させて基板の表面に流体が送達され得る。SSCモジュール600aのウェット領域610で行われるウェット洗浄プロセスが完了すると、ドライ領域620へ移送される前に、乾燥剤及び/又はガスが基板に適用され得る。
【0041】
[0051]更に、SSCモジュール600aは、ウェット領域610とドライ領域620との間で基板180を移送するように構成された別個の第3の基板ハンドラ615を含み得る。この第3の基板ハンドラ615により、SSCモジュール600a内でウェット領域610とドライ領域620とが分離され得る。SSCモジュール600aは、その中に配置された基板ハンドラ洗浄及び/又はドライシステム(図示せず)を含み得る。基板ハンドラ洗浄及び/又はドライシステムは、エンドエフェクタ洗浄及び/又はドライシステム603と共に使用される上述のシステムと同様のものであってよい。
【0042】
[0052]残留物及び他の不要な粒子が基板180の外側エッジに残ることがあり、したがって、基板180の外側エッジを洗浄するための装置が所望される。例えば、ホイール619が、SSCモジュール600aにおいて実行される基板洗浄プロセスの異なる時間中に基板180のエッジを洗浄するためにアクチュエータ(図示せず)により移動され、選択的に位置決めされ得る。代替的に、又はホイール619と組み合わせて、基板180のエッジに沿って洗浄液(例えば、DI水)を噴霧することによって基板180のエッジを洗浄するために、スプレーノズル618が位置決めされ得る。基板180は、スプレーノズル618又はホイール619が基板180の外側エッジ全体を洗浄するように、基板支持体621上で回転する。モータ622は、基板支持体621の回転に動力を供給する。
【0043】
[0053]SSCモジュール600aのウェット領域610の露出した面への流体の蓄積を防止するために、露出した内面630は、流体をドレイン605の方へ方向付けするために、角度が付いていてよい又は傾斜していてよい。ドレインは、SSCモジュール600aの比較的低い部分に位置決めされる。本明細書に開示される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、SSCモジュール600aは、流体がウェット領域610から漏れ出てドライ領域620及び/又はチャンバの他の部分に衝突する形態を防止するためのシール(図示せず)を含む。
【0044】
[0054]SSCモジュール600aのドライ領域620は、基板180が乾燥されるときに基板180を支持するように構成された一組のドライリフトピン613を含む。ドライ領域620は、ドライ領域620上の基板支持体621に隣接して配置されたイオナイザバー678を更に含む。イオナイザバー678は、基板180がウェット領域610からドライ領域620に移される際に基板180に衝突するエアカーテンが形成されるように、空気の流れを方向づけし得る。電源679を使用して、イオナイザバー678から流出するガスがイオン化される。得られたイオン化ガスを使用して、処理中に基板180に形成された残留電荷が除去される。
【0045】
[0055]幾つかの実施形態では、物理的仕切り631が、ウェット領域610とドライ領域620との間に配置される。物理的仕切り631は、第3の基板ハンドラ615によるウェット領域610とドライ領域620との間の基板の移送を可能にする大きさのスロット状の開口部を含み得る。
【0046】
[0056]不要な気流を更に軽減するために、SSCモジュール600aは、気流管理システム(図示せず)を含み得る。本明細書に開示される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、気流管理システムは、SSCモジュール600aの処理領域の少なくとも一部の上方に位置決めされたHEPAフィルタと、局所排気システムとを含む。一実施形態では、気流管理システムは、少なくとも1又は複数の基板180のSSCモジュール600aの内外への移送中にSSCモジュール600a内の正圧を維持するための装置である。一実施形態では、気流管理システムは、SSCモジュール600aの開口部に結合された1又は複数のロードロックを含む。
【0047】
[0057]
図6Bに示すような他の実施形態では、SSCモジュール600bは、その後の基板の順次ウェット処理及び乾燥のために構成された、チャンバ領域340内の単一の処理ステーションを特徴とし得る。
図6Bでは、SSCモジュール600bは、
図2A~
図2Bのモジュール式研磨システム200又は
図6Aの200bと実質的に同様のモジュール式研磨システムと一体化されている。本明細書において、SSCモジュール600bは、
図3A~
図3B、
図5A~
図5B、及び
図6Aで説明した特徴のうちのいずれか1つ又は組合せを含み得る。本明細書において、SSCモジュール600bは、同じ基板支持体621を使用して、チャンバ領域340の領域におけるウェット処理、例えば、1又は複数の流体を使用する洗浄、及び乾燥の両方のために構成される。本明細書において、基板は、第1の組のリフトピン、本明細書においてはウェットリフトピン612aを用いて基板支持体に移送される。基板が洗浄及び乾燥されると、第2の組のリフトピン、本明細書においてはドライリフトピン612bを用いて基板支持体621から基板が持ち上げられ、基板ハンドラアームによる基板へのアクセスが容易になる。このように、その上に残留流体を有する可能性のあるウェットリフトピン612aは、ドライ基板と接触せず、望ましくは、ウェットリフトピン612aから基板表面への残留流体の再導入が回避され得る。
【0048】
[0058]
図6Cは、一実施形態に係る
図6AのSSCモジュール600aの外側部分の概略斜視図である。本明細書に開示される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、トンネル501が第1の開口部301にアライメントされて、それと共に登録された基板移送トンネル505cを画定する。トンネル505cは、望ましくは、第1の開口部301を通してSSCモジュール600cに入るウェット基板180の表面に配置された流体及び/又は他の汚染物質が、第2の開口部302からSSCモジュール600aを出るドライ基板180の表面に滴下又は移動することを防止する。ウェット基板180は、入口660でA方向にトンネル505cに入り、ドライ基板は、モジュール式研磨システム200bの他の処理領域、例えば複数のシステムローディングステーション222の1つに輸送される前に、第2の開口部302をB方向に出る。
【0049】
[0059]本明細書において、トンネル505a~cの各々は、処理すべき基板の直径よりも大きい幅、例えば、320mmを上回る、約350mmを上回る、又は約300mmから約400mmである幅を有する。トンネル505a~cは、約2.5cm以上、約5cm以上、約7.5cm以上、又は約10cm以上、又は約2.5cmから約20cm、例えば約2.5cmから約15cm、又は約2.5cmから約10cm等、基板の厚さ及び基板ハンドラのエンドエフェクタを収容するに十分な高さを有する。トンネルが側壁310から外向きに延在し、又はチャンバ領域340内へ内向きに延在する場合等の幾つかの実施形態では、トンネルの長さは、約100mmを上回る、例えば約150mmを上回る、約200mmを上回る、約250mmを上回る、又は約300mmを上回る、又は約100mmから約1000mm、例えば約100mmから750mm又は約100mmから約500mm等であってよい。幾つかの実施形態では、アスペクト比(高さに対する長さ、高さはY方向で測定される)は、5:1を上回る、例えば約10:1を上回る。上記のトンネルサイズは、300mmの基板を処理する大きさのSSCモジュールで使用され得る。異なる直径を有する基板を処理する大きさのSSCモジュールにおいて、適切なスケーリングが使用され得る。
【0050】
[0060]有益なことに、上述のウェット洗浄システム及び関連する基板ハンドリング及び移送スキームは、単一ウエハウェット洗浄チャンバにおけるウェットインドライアウト洗浄プロセス後のドライ基板表面への流体及び/又は他の汚染物質の不要な再導入を大幅に低減及び/又は排除することができる。ポストCMP洗浄プロセス後の基板表面上への汚染物質の再導入を防止することにより、欠陥の増加、使用可能なデバイスの歩留まりの抑制、及び/又はそれに関連するデバイスの性能と信頼性の問題が望ましくは回避され得る。
【0051】
[0061]前述の内容は本開示の実施形態を対象としているが、以下の特許請求の範囲によって決定されるその基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考案することが可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板洗浄システムであって、
チャンバ領域を画定するチャンバハウジングであって、前記チャンバハウジングの第1の側壁が、基板を前記チャンバ領域内に受け入れるために前記第1の側壁を貫通して形成された第1の開口部を有する、チャンバハウジングと、
前記チャンバ領域に配置された基板支持体と、
前記第1の開口部を覆う又は密閉するように動作可能な第1のドア又は第1のバルブと、
前記基板を基板ハンドラから受け入れ、前記基板を前記基板支持体に位置決めするための複数の第1のピンを含む第1のリフトピンアセンブリと、
前記基板ハンドラによる前記基板へのアクセスを可能にするために前記基板を前記基板支持体から持ち上げるように位置決めされた複数の第2のピンを含む第2のリフトピンアセンブリであって、前記複数の第2のピンは前記複数の第1のピンとは異なる、第2のリフトピンアセンブリと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記チャンバハウジングから外向きに延在するトンネルであって、前記第1の開口部にアライメントされて配置され、前記トンネルを通した基板の移送を可能とする、トンネルと、
前記チャンバハウジングに隣接するロードロックチャンバであって、前記ロードロックチャンバの開口部は、前記チャンバハウジングの第2の側壁を貫通して配置された第2の開口部にアライメントされ、前記第2の側壁は前記第1の側壁に隣接する、ロードロックチャンバと、
前記トンネルを通して基板を前記チャンバ領域内へ移送するように位置決めされた基板ハンドラであって、
第1のアームに結合された第1のエンドエフェクタと、
第2のアームに結合された第2のエンドエフェクタと
を含み、
前記第1のエンドエフェクタは、ウェット基板を前記第1の開口部を通して前記チャンバ領域内へ移送するために使用され、前記第2のエンドエフェクタは、ドライ基板を前記第2の開口部を通して前記チャンバ領域から外へ移送するために使用される、基板ハンドラと、
を更に備える、請求項1に記載の基板洗浄システム。
【請求項3】
乾燥流体を前記複数の第1のピンに方向付けするように位置決めされた1又は複数の第1のノズルを更に備える、請求項1に記載の基板洗浄システム。
【請求項4】
前記第1の開口部にアライメントされて配置され、前記第1の開口部と共に基板移送経路を画定するトンネルを更に備える、請求項1に記載の基板洗浄システム。
【請求項5】
前記チャンバハウジングの第2の側壁は、前記第2の側壁を貫通して形成された第2の開口部を有し、ドア又はバルブが、前記第2の開口部を覆う又は密閉するように動作可能である、請求項1に記載の基板洗浄システム。
【請求項6】
前記基板洗浄システムに隣接するロードロックチャンバを更に備え、前記ロードロックチャンバの開口部は、前記第2の開口部にアライメントされる、請求項5に記載の基板洗浄システム。
【請求項7】
前記第2の側壁は、前記第1の側壁に隣接する、請求項6に記載の基板洗浄システム。
【請求項8】
第2の開口部が、前記第1の開口部の上方に前記第1の側壁を貫通して配置される、請求項4に記載の基板洗浄システム。
【請求項9】
前記トンネルは、前記チャンバ領域内に延在する、請求項4に記載の基板洗浄システム。
【請求項10】
前記チャンバハウジングから外向きに延在するトンネルを更に備え、前記トンネルは、前記第1の開口部又は前記第2の開口部にアライメントされて配置され、前記トンネルを通した基板の移送を可能にする、請求項8に記載の基板洗浄システム。
【請求項11】
前記トンネルは、前記チャンバ領域の内外への基板の移送中に、前記トンネルを前記第1又は第2の開口部から離して移動させるように動作可能なアクチュエータに結合される、請求項8に記載の基板洗浄システム。
【請求項12】
前記基板支持体に近接して配置され、前記基板支持体上に配置された基板の周縁部の方へ流体を方向付けするように位置決めされた1又は複数の第2のノズルを更に備える、請求項3に記載の基板洗浄システム。
【請求項13】
前記チャンバハウジングの前記第1の側壁又は前記第2の側壁は、前記第1の側壁又は前記第2の側壁を貫通して形成された第2の開口部を有し、第2のドア又は第2のバルブが、前記第2の開口部を覆う又は密閉するように動作可能である、請求項2に記載の基板洗浄システム。
【請求項14】
前記第2の開口部は前記第2の側壁を貫通して配置され、前記第2の側壁は前記第1の側壁に隣接する、請求項13に記載の基板洗浄システム。
【請求項15】
前記第2の開口部は、前記第1の開口部の上方に前記第1の側壁を貫通して配置される、請求項13に記載の基板洗浄システム。
【請求項16】
前記チャンバハウジングから外向きに延在するトンネルを更に備え、前記トンネルは、前記第1の開口部又は前記第2の開口部にアライメントされて配置され、前記トンネルを通した基板の移送を可能にする、請求項15に記載の基板洗浄システム。
【外国語明細書】