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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170406
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】可撓性複合材料
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/05 20190101AFI20241203BHJP
   B32B 5/22 20060101ALI20241203BHJP
   E04B 2/84 20060101ALI20241203BHJP
   E04G 11/04 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B32B7/05
B32B5/22
E04B2/84 C
E04G11/04
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024130616
(22)【出願日】2024-08-07
(62)【分割の表示】P 2022130918の分割
【原出願日】2017-11-22
(31)【優先権主張番号】1619738.6
(32)【優先日】2016-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】511180053
【氏名又は名称】コンクリート キャンバス テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CONCRETE CANVAS TECHNOLOGY LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ブルーウィン,ピーター,エリック
(72)【発明者】
【氏名】コックス,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】サヴェージ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】コールマン,ランドルフ エス.
(72)【発明者】
【氏名】ローズ,グラハム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】固体に硬化可能な可撓性複合材料を提供する。
【解決手段】第1の層aとその反対側の第2の層cとの間の空間bに配置された充填材料であって、液体、気体または放射線を加えたときに固体に硬化することができる充填材料と、第1の層および/または第2の層から空間内に延び、かつ第1の層および/または第2の層に連結された複数の要素であって、第1の層および/または第2の層を通り抜けることができ、かつ互いに連結することができ、それにより、第1および第2の層を互いに結合する連結要素を形成する複数の要素と、を備え、未硬化の第1の充填材料が、1または複数の連結要素に張力を加えるような圧力で空間内に設けられており、第1の層と第2の層との間の空間に位置する第2の充填材料をさらに含み、第2の充填材料が、第1の層と第2の層との間の空間に位置する分離層によって、第1の充填材料から隔離されている可撓性複合材料である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質または半硬質になるように固化可能な可撓性複合材料であって、
第1の層と、
第1の層と反対側の第2の層であって、空間により第1の層から分離された第2の層と、
第1の層と第2の層との間の空間に配置された充填材料であって、液体、気体または放射線を加えたときに硬質または半硬質の固体に固化することができる充填材料と、
第1の層および/または第2の層から前記空間内に実質的に延び、かつ第1の層および/または第2の層に連結された複数の要素であって、第1の層および/または第2の層を通り抜けることができるとともに、互いに連結することができ、それにより、層を互いに結合する連結要素を形成する複数の要素とを備え、
連結要素の1または複数に張力が加えられ、かつ張力下にある隣接する連結要素間で第1の層および/または第2の層を外向きに膨らませるような圧力で、未固化の充填材料が前記空間内に設けられていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項2】
請求項1に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層が不織布を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項3】
請求項2に記載の可撓性複合材料において、
不織布が、ニードルパンチ、接着剤、加熱、水流交絡、ステッチボンドまたは超音波溶接によって結合された繊維を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項4】
請求項2または3に記載の可撓性複合材料において、
不織布がポリプロピレン繊維を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項5】
請求項2乃至4の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
不織布が、0.1-100デシテックス、0.2-100デシテックス、0.5-100デシテックス、1-100デシテックス、2-50デシテックス、3-30デシテックスの平均線密度を有する繊維、または異なる重量の繊維のブレンドを含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
不織布が、長さ10-200mm、好ましくは30-150mm、または40-100mmのステープルファイバを含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層が、気体および液体に対しては透過性であるが、前記充填材料に対しては実質的に不透過性であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層が補強要素をさらに含み、前記補強要素が、前記第1の層および/または第2の層の引張強度を向上させるか、かつ/または剛性を増大させるように構成された、織布、不織布、連続膜または編布を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項9】
請求項8に記載の可撓性複合材料において、
前記補強要素がポリエステルまたはポリプロピレンを含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層の終局引張強度は、下式:
によって表すことができ、ここで、
σが、固化時の充填材料の終局引張応力(N/m)であり、
が、固化した充填材料の平均厚さ(m)であり、
が、幅1メートルあたりの、引張荷重を受ける層の終局引張強度(N/m)であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項11】
請求項8乃至10の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層が、幅1メートル当たり0.5-200kN、好ましくは1-150kN/m、または1-100kN/mの引張強度を有することを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層が、その最も内側の面の少なくとも一部に凹凸のあるくさび布地要素を含み、前記空間内の粉末材料に隣接して固化時に粉末が付着することを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項13】
請求項12に記載の可撓性複合材料において、
凹凸のあるくさび布地がポリプロピレン繊維を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項14】
請求項12または13に記載の可撓性複合材料において、
粉末材料に隣接するくさび布地要素が、粉末材料の固化時に、くさび布地と粉末材料との間に0.5-10kN/mの剥離抵抗を有する結合を提供するように構成されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項15】
請求項8乃至11の何れか一項を引用する、請求項12乃至14の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
くさび布地要素が補強層に結合されており、くさび布地と補強層との間の結合の剥離抵抗が0.5-10kN/mであることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第2の層が流体を実質的に通さないことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項17】
請求項16に記載の可撓性複合材料において、
前記第2の層の透水係数が、10-3-10-15ms-1、または10-6-10-14ms-1、または10-7-10-12ms-1の範囲内であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項18】
請求項16または17に記載の可撓性複合材料において、
前記第2の層が、流体を実質的に通さないように構成された別個の連続膜を含み、前記連続膜が、ポリプロピレン、高密度および中密度および低密度のポリエチレン、PVC、ゴムまたはポリウレタンを含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項19】
請求項18に記載の可撓性複合材料において、
前記第2の層が、保護要素を形成するために、充填材料とは反対側を向く最も外側の面上に不織布要素を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項20】
請求項19に記載の可撓性複合材料において、
前記不織布要素が、ニードルパンチ、接着剤、加熱および加圧、水流交絡、ステッチボンドまたは超音波溶接によって結合された繊維を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項21】
請求項19または20に記載の可撓性複合材料において、
前記不織布要素がポリエステルおよび/またはポリプロピレンを含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項22】
請求項1乃至21の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第2の層が、前記充填材料とは反対側を向くその最も外側の面の少なくとも一部に、当該可撓性複合材料とそれが置かれる表面との間の把持力を改善する滑り止め要素を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項23】
請求項22に記載の可撓性複合材料において、
前記滑り止め要素が、天然ゴム、合成ゴム、ポリプロピレン、ポリエステル、PVC、LDPE、LLDPEまたはHDPE、および/または一定のテクスチャを含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項24】
請求項1乃至23の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が、前記第1の層と第2の層との間に延びて両層を接合し、かつ当該可撓性複合材料の縦軸および/または横軸に沿って規則的または不規則な配置で間隔を空けて設けられていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項25】
請求項1乃至24の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が、正三角形、不規則三角形、正方形、長方形、六角形、他の多角形、トリコット、実質的にランダムな分布、またはそれらの任意の組合せのパターンのうちの1つで配列されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項26】
請求項1乃至25の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
各連結要素が複数のサブ要素を含み、前記サブ要素が、別々の縦列で前記空間を横切って層の一方または両方を通って延び、引張荷重を支えることができることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項27】
請求項24乃至26の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が、0.1-100mm、0.1-50mm、好ましくは0.5-30mm、より好ましくは1-20mm、または最も好ましくは1-12mmの距離で互いに離間していることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項28】
請求項24乃至27の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が、前記第1の層と第2の層との間の中間面に対して実質的に垂直な正味角度で前記第1の層および/または前記第2の層の間に延びていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項29】
請求項1乃至28の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が、ニードルパンチ、ステッチボンド、水流交絡、および予め形成されたフックとの係合のうちの1または複数によって、前記空間内に配置されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項30】
請求項1乃至29の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層から前記空間を横切って延びる前記連結要素が、反対側の層を通り抜け、それにより層を互いに結合することを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項31】
請求項30に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層を通って延びる前記連結要素が、それが通って延びる層の最も外側に固定されるように適合されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項32】
請求項18至21の何れか一項を引用する、請求項31に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が連続膜を貫通しないことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項33】
請求項31または32に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が、機械的絡み合い、接着剤、加熱による融着、または化学的或いは機械的手段によるポリマー層への結合のうちの1または複数によって固定されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項34】
請求項1乃至33の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
未固化の可撓性複合材料の第1の層と第2の層との間の剥離強度が、0.1kN/m-20kN/m、好ましくは0.3kN/m-3kN/mであることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項35】
請求項24乃至34の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が、前記第1の層および/または第2の層を通って延びるときに、前記第1の層および/または第2の層と実質的に平行になるように向きを変えることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項36】
請求項1乃至35の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が繊維であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項37】
請求項1乃至36の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が、前記第1の層および/または第2の層から生じることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項38】
請求項29乃至37の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層から前記空間を実質的に横切って延びる連結要素が、反対側の層を通り抜けて前記空間内に戻るように延びることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項39】
請求項38に記載の可撓性複合材料において、
前記空間内に戻るように実質的に延びる連結要素が、前記空間内に位置する他の要素と結合するように構成されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項40】
請求項39に記載の可撓性複合材料において、
前記空間内に戻るように実質的に延びる連結要素が、絡み合いによって他の要素と結合するように構成されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項41】
請求項38に記載の可撓性複合材料において、
前記空間内に戻るように実質的に延びる連結要素が、繊維の元となる層と結合するように構成されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項42】
請求項1乃至41の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記充填材料が、粉末、ペーストまたは発泡性組成物のうちの1または複数から選択されることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項43】
請求項1乃至42の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記充填材料が、セメント-骨材の混合物、高アルミナセメント、石灰-骨材の混合物およびポルトランドセメントのうちの1または複数を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項44】
請求項1乃至43の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記充填材料がフィラー材料を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項45】
請求項1乃至44の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記充填材料が反応調整剤を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項46】
請求項1乃至45の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記充填材料が、0.1-20MPa、好ましくは0.1-10MPa、より好ましくは0.5-5MPaの固化時の引張強度を有することを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項47】
請求項1乃至46の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記充填材料が、1-500MPa、好ましくは5-200MPa、より好ましくは15-100MPaの固化時の圧縮強度を有することを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項48】
請求項1乃至47の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層と第2の層との間の空間に位置する第2の充填材料をさらに含み、前記第2の充填材料が、前記第1の層と第2の層との間の空間に位置する分離層によって、前記第1の充填材料から分離されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項49】
請求項48に記載の可撓性複合材料において、
前記第2の充填材料が、粉末、ペーストまたは発泡性組成物のうちの1または複数から選択されることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項50】
請求項48または49に記載の可撓性複合材料において、
前記第2の充填材料が、ベントナイト粘土または超吸収性ポリマーを含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項51】
請求項48乃至50の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記分離層が、紙または織布、不織布、編布または押出成形層であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項52】
請求項48乃至51の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記分離層がポリプロピレン不織布を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項53】
請求項1乃至52の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
当該可撓性複合材料の層が接着剤で互いに結合され、好ましくは、前記接着剤がホットメルト接着剤であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項54】
請求項53に記載の可撓性複合材料において、
前記接着剤が、前記補強層に接着されているポリプロピレンコポリマーまたは前記補強層の一部としてのポリプロピレンコポリマーを含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項55】
請求項53または54に記載の可撓性複合材料において、
前記接着剤が、前記第1の層および/または第2の層の終局引張強度と実質的に同様の層間の剪断強度を提供することを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項56】
請求項1乃至55の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層中の1または複数の材料が、水溶性、腐敗性、UV分解性、親水性および疎水性であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項57】
請求項1乃至56の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層中の1または複数の材料が、殺生物剤または生体成長促進剤であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項58】
請求項1乃至57の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
充填材料、第1の層または第2の層の何れかが導電性繊維を含み、それによって当該可撓性複合材料に対する損傷または変形、およびその位置の検出が可能となっていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項59】
請求項1乃至58の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層の最も外側または前記第2の層の最も外側に断熱層をさらに含み、前記断熱層の外側に追加の層を適用可能となっていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項60】
請求項1乃至59の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
材料が固化する前に自重を支えることができる三次元形状に未固化の可撓性複合材料を形成するために曲げる(塑性変形させる)ことができる十分な面外剛性を有する延性層をさらに含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項61】
添付の図面を参照して本明細書に記載されているような可撓性複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の添加時に、または気体または放射線への暴露により、硬質または半硬質になるように固化可能な可撓性複合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2005/124063号は、グラウンドシートおよびカバーを含むシェルタを記載しており、グラウンドシートとカバーとの間の空間に空気を送り込むことにより、当該空間を膨張させて、カバーを持ち上げるとともにシェルタを形成することが可能となっている。カバーは、セメントが含浸された織物でできており、この織物は、目の粗い不織布である「ワディング」として知られる一種のフェルトであってもよい。カバーは、内部空間が膨張する直前に、水で濡らされ、それにより、膨張後、カバー内のセメントは固化してシェルタのための自立屋根として機能する剛性シェルを形成する。これは、緊急地域での一時的な宿泊施設を提供するのに特に有用である。
【0003】
国際公開第2007/144559号は、一対の対向する面と、それら面間に延び、それら面を間隔を空けて配置する糸(連結繊維とも呼ばれる)と、面間の空間に配置された固体粉末材料とを含む織物を開示している。粉末材料は、液体の添加時に硬質または半硬質の固体塊に固化することができ、水性液体の添加時に固体セメントまたはコンクリートに固化するセメントを含むことができる。織物の空間内の固化可能な材料の量は、具体的には、材料が固化したときに、当該材料が第1の面と第2の面との間の空間のほぼ全体を占めるような量とされる。織物(粉末材料を含まない)は、市販されている既知のスペーサ織物とすることができる。スペーサ織物の厚さは、連結繊維に適切な長さを選択することによって、製造中に決定される。
【0004】
米国特許第4,495,235号は、石膏またはセメントからなるコア充填材と、カバー層とバッキング層との間に配置された骨材とを含む平坦な本体を開示している。上記層およびコアは、未固化の充填材を通して互いにニードルボンドされ、それによりコア内に連結繊維を形成するものとなっている。連結繊維は、層を変形可能な状態で一体的に保持する。平坦な本体が充填材料で充填された後、充填物は、ニードリングの後にローラによって圧縮され、それにより連結繊維が圧縮されるとともに、充填物の充填密度が増加するようになっている。
【0005】
国際公開第2010/086618号は、液体と混合したときに固化する材料で含浸された布地を開示している。国際公開第2010/086618号に記載の布地は、充填材料が布地の縁部からこぼれるのを防止するものとなっており、そのために、布地の一方の面から横方向に延在する縁部を設けるとともに、延在部を他方の面に向けて引っ張る弾性糸によって、布地の縁部で空間を少なくとも部分的に閉じて、充填材料が布地からこぼれるのを防ぐようにしている。
【0006】
国際公開第2010/086618号に記載の布地は、固化処理中に添加される液体の量を制御することが困難であるという問題に対する解決策を提供するという点で、それまでの布地を改善するものとなっている。国際公開第2010/086618号に記載の布地は、予め設定された量の液体が布地中に入って充填物中の試薬を固化させることのみを可能にするように、布地に予め設定された量の充填物を充填することによって、固化処理中に添加される液体量を制御することをより容易にしている。
【0007】
上述した可撓性布地は、多数の用途および利点を有する。例えば、可撓性複合材料を配置して構造体を形成した後、硬化させて硬質保護障壁を提供することができる。同様に、布地は、例えば一時的な道路、一時的な壁、侵食障壁、廃棄物封じ込め構造物、一時的または浸透性の型枠工事、配管、溝またはカルバートのための構造ライナ、斜面保護および安定化層、他の多数の用途を形成するために展開できる。そのような布地の複数のシートは、例えば、適用のサイズおよびローカル環境に応じて、一緒に使用されるものであってもよい。
【0008】
既存の充填された可撓性布地に関する1つの問題は、粉末充填物を大きな圧力下で布地内に充填することができず、その結果として、粉末の充填密度が制限されることである。
【0009】
可撓性布地を製造するために用いられるいくつかの技術がある。第1の層を第2の層に結合することは、ニードリング技術またはステッチボンド技術を用いて効果的に行うことができ、それは一方の層を通して繊維または糸を充填材料内に、かつ全体的または部分的に反対側の層に運んで、それら層を互いに結合させることを含む。ニードリング技術およびステッチボンド技術は、繊維産業のような産業にわたってよく知られており、大量の可撓性布地を効率的に製造するために使用することができる。ニードリング技術およびステッチボンド技術を使用して可撓性充填布地を製造することにはいくつかの欠点がある。充填材料を通すニードリングまたはステッチボンドによって作られる布地は、繊維または糸を担持するニードルが一定の体積を有するため、充填材料の密度を高密度とすることができない。すなわち、そのニードルの体積によって、ニードルが充填材料を通過するときに粉末が追い出され、結果として充填材料の密度がニードリングまたはステッチボンドプロセス後に最大充填密度より低くなるからである。この制限を克服するために、充填材料の充填およびニードリングまたはステッチボンドの後に、充填されかつニードリングまたはステッチボンドされた布地は、充填された布地にローラ間で圧力を掛けて充填材料を再圧縮することにより、さらに高密度化されることが多い。充填された布地に圧力を掛けて再圧縮すると、連結繊維が破砕されてそれらに張力を掛けることができなくなり、外面が平らになって内圧を支えることができなくなり、すなわち、未固化の布地の操作により布地に内部圧力を加えたときに破砕された連結繊維が予め圧力を掛けた状態に戻りやすく、充填材料の密度がその最適充填密度よりも低くなるという欠点を有する。上述した理由から、充填された布地に圧力を掛けて連結繊維を破砕することは、未固化の可撓性布地が操作されるときに、ローラによって作り出された増加した充填密度が失われることを意味している。したがって、このようにして製造された充填された可撓性布地は、連結繊維が容易に真っ直ぐになって粉末充填物が材料内で移動することを可能にするため、取扱い、輸送および使用中に操作されるときに未固化粉末充填物の高密度で一定の密度を維持するのが難しい。
【0010】
充填された可撓性布地を製造する別の方法は、振動またはブラッシングによって予め形成された三次元構造の外面の孔を通して粉末を充填した後、それら孔をシールするというものである。この種の充填された可撓性布地の1つの欠点は、充填プロセス中に潰れないように、予め形成された三次元構造にz方向(厚さ方向)の十分な硬さが求められることである。そのような硬い三次元構造は高価であり、また、充填材料の充填中および使用中に材料の内部容積を維持すべく十分な圧縮加重を連結繊維が支えることができるようにするために、太い繊維を必要とするか、かつ/または外側の二層の間により多くの連結繊維を必要とする。それらの外面も平坦であるため、使用中に未固化の材料が操作されるときに、この形状を維持するために硬い連結繊維を狭い間隔で配置しなければならない。その結果、粉末を十分な密度で充填することを可能にするためには、単位体積当たり非常に多数の硬い連結繊維が必要とされ、それにより、こうして製造される布地が高価なものとなり、かつ製造が困難なものになる。さらに、粉末充填剤は離型剤として作用し得るため、充填時に粉末充填剤が通る面をシールすることが難しくなり、開放した孔を塞ぐシール面を結合または形成することが困難になる。
【0011】
米国特許第5,401,552号は、第1および第2の繊維層と、それら第1および第2の層の間のベントナイト粘土の非繊維層とを有するジオ複合材料ライナ材料を開示している。この米国特許第5,401,552号のライナは、第1および第2の層の間にベントナイト粘土を配置し、第2の層からの繊維が第2の層からベントナイト粘土の中へ、そして第1の層を貫通するように第2の層をニードルパンチすることによって形成される。第2の層からの繊維は、第1の層から延出して、第1の層、ベントナイト粘土層および第2の層を一緒に保持するように、第1の層の外部に熱融着される。独国特許出願公開第4122993号および米国特許第5,346,566号は、同様の材料および製造方法を開示しているが、第1の層から延出する繊維が第1の層の外側に接着剤で固定されている。
【0012】
ベントナイトのような膨潤性粘土を含むジオ複合材料の既存の製造方法に付随する一つの問題は、ニードルパンチプロセスによって粘土を通過するニードルに磨耗が生じ、それによって、磨耗または湾曲したニードルの頻繁な交換が生じるとともに、膨張前に乾燥粘土の密度が制限されるということである。
【0013】
本発明は、可撓性布地の代替物を提供することを目的としている。また、本発明は、上述した問題に対する解決策を提供することも目的としている。
【0014】
本明細書では、「可撓性複合材料」または「複合材料」という用語は、固化可能な充填材料を含む内部空間を有するスペーサ材料を指すために使用される。「スペーサ材料」は、内部空間によって互いに分離された第1の層と第2の層を有する材料であり、第1の層と第2の層を間隔を空けた配置で維持する第1の層と第2の層との間に延びる連結要素も有する。固化可能な充填材料は「充填物」とも呼ばれ、この充填物は、「試薬」と呼ばれる、充填物を固化させるために液体または放射線と反応する材料と、液体または放射線と反応しない材料、例えば、助剤およびフィラーなどの不活性物質とをともに含むことができる。「第1の層」という用語は、上側の外面と内部空間との間の複合材料の部分を意味する。この第1の層は、液体および/または放射線透過性であってもよく、通常は、設置時に製品の最上部にある。「要素」という用語は、別個の材料成分を示すために使用され、それは、製品層を形成するために他の要素と組み合わされることもある。第1の層は、互いに結合した二以上の個々の要素から構成することができる。「第2の層」という用語は、内部空間と下側の外面との間の複合材料の部分を意味する。この第2の層は通常、一旦設置されると、風化に曝されることのない側である。また、第2の層は、互いに結合した複数の個々の要素から構成することもできる。「中間面」という用語は、第1の層および第2の層が理想平面とされる場合に、それらの表面から等距離にある平面を意味する。
【発明の概要】
【0015】
すなわち、本発明は、硬質または半硬質になるように固化可能な可撓性複合材料を提供し、この可撓性複合材料が、第1の層と、第1の層と対向する第2の層であって、空間により第1の層から分離された第2の層と、第1の層と第2の層との間の空間に配置された充填材料であって、液体、気体または放射線を加えたときに硬質または半硬質の固体に固化することができる充填材料と、第1の層および/または第2の層から空間内に実質的に延び、かつ第1の層および/または第2の層に連結された複数の要素であって、第1の層および/または第2の層を通り抜けることができるとともに、互いに連結することができ、それにより、層を互いに結合する連結要素を形成する複数の要素とを備え、連結要素の1または複数に張力が加えられ、かつ張力下にある隣接する連結要素間で第1の層および/または第2の層を外向きに膨らませるような圧力で、未固化の充填材料が空間内に設けられている。
【0016】
粉末充填物によって加えられる圧力は、1または複数の連結要素における張力との組合せにより、張力下にある1または複数の連結要素間で、第1の層および/または第2の層を、第1の層と第2の層との間の中間面に対して外側に膨らませるとともに、1または複数の連結要素が第1の層および/または第2の層に連結される位置で、第1の層および/または第2の層の間の複合材料に極小厚さの1または複数の点を形成する。
【0017】
第1の層および/または第2の層は、充填材料を保持するが液体または気体の通過を可能にするのに十分に小さい複数の細孔を含むことができる。
【0018】
充填材料を圧縮するとともに、第1の層および第2の層の機械的特性および所与の充填差圧において、充填物によって占められる構造の内部容積を最大にするために、空間に配置された固化可能な充填材料は、正の差圧で空間内に充填される。結合された連結要素には、第1の層および第2の層に充填材料によって加えられる圧力の結果として張力がかかり、それにより好ましくは、結合された連結要素が第1の層および第2の層に連結される点で最小値を有する、0.1-50mm(例えば、2-30mm)の長さスケールの、一連(複数)の3次元湾曲引張微細構造(隆起)が形成される。これは、材料が未固化の状態にあり、かつ外部からの荷重が加わっていない状態で平坦面に置かれている場合に、観察される。平らになると、個々の連結要素に張力がかけられ、圧縮された充填材料の存在により、第1の層と第2の層が連結要素の間で外側に膨らみ、連結要素の取付点間でそれらの表面に張力がかかる。
【0019】
充填物が空間内に充填されるときの正の差圧は、(通気および/または振動によって流動化される)流動化粉末における静水圧であり、機械的にまたは加圧ガスまたは液体キャリアによって引き起こされるものであり、それら加圧ガスまたは液体キャリアは、その後第1の層および/または第2の層を通って漏れ出る。複合材料の2つの層間の空間の容積は、層をどれだけ離すことができるかを制約する連結要素によって制限される。加圧充填は層間の粉末充填の圧縮をもたらし、この圧縮は、連結要素と第1の層および第2の層に内部容積を維持する張力がかかるため、実質的に保持される。圧縮レベルを実質的に維持することは、未固化材料の輸送および設置中の充填材料の移動(および結果として生じる密度の低下)を最小限に抑え、充填材料の固化中に液体と固化可能粉末の適正な比を確保するために重要である。
【0020】
可撓性複合材料の第1の層は不織布を含むことができる。不織布は、ニードルパンチ、接着剤、加熱および加圧、水流交絡、ステッチボンドまたは超音波溶接によって結合された繊維を含むことができる。好ましくは、不織布はニードルパンチによって結合された繊維を含む。
【0021】
第1の層に不織布を提供することによって、可撓性複合材料が充填材料を空間内に保持することを可能にすると同時に、複合材料への水などの液体の通過を可能にし、それによって、液体が浸透するか、連結要素による毛管作用により吸い込まれることを可能とし、または充填材料とともに空間を満たして、それを固化させる。また、それらは、製造中に充填材料を導入するために使用される加圧キャリアガスまたは液体が複合材料から出ることを可能にしながら、複合材料中に充填材料を保持する。
【0022】
不織布の繊維は、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、ナイロン繊維、シルニロン繊維、ビニル繊維、玄武岩繊維、炭素繊維、耐アルカリ性繊維ガラス、ガラス繊維、被覆ガラス繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ジュート繊維、綿繊維、ビスコース繊維およびそれらの混合物のうちの1または複数とすることができる。繊維は、熱活性化結合剤、または化学的活性化、放射線活性化または酸化活性化に依存する他の形態の結合剤をさらに含むことができる。
【0023】
不織布の繊維は、0.1-100デシテックス(g/mで測定)、好ましくは0.2-100デシテックス、より好ましくは0.5-100デシテックス、さらに好ましくは1-100デシテックス、好ましくは2-50デシテックスまたは3-30デシテックスの平均線密度を有するか、異なる重量の繊維のブレンドを含むことができる。不織布の繊維は、10-200mm、好ましくは30-150mmまたは40-100mmのステープル長を有することができ、例えば、不織布の繊維は、20,30,40,50,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190または200mmのステープル長を有することができる。
【0024】
第1の層は、気体および/または液体に対して透過性であるが、充填材料に対して実質的に不透過性であるようにしてもよい。これにより、充填材料が空間から飛び出さないように、流出しないようにしながら、気体および/または液体が第1の層を通り抜けて空間内に浸入することができる。そのような透過性の第1の層を設けることによって、余剰な気体および/または液体を空間から逃がすことができる。好ましくは、第1の層は、固化可能な粉末を空間内に運ぶ加圧ガスが漏れ出すことを可能にするのに十分な気体に対する透過性を有するが、固化可能な粉末が漏れ出すことを防止して、空間内への移送中のときよりも高い密度で固化可能な粉末が材料中に閉じ込められるのを可能にするものとなっている。搬送ガスが大気圧まで膨張すると、搬送ガスの体積が固化可能な粉末の体積よりも遥かに大きくなる可能性があるため、第1の層は気体に対する高い透過性を有することが好ましい。より高い搬送ガス圧を使用して、材料の移送速度、ひいては充填速度を増加させ、層間に閉じ込められる固化可能な粉末充填物の密度を増加させ、連結要素に作用する張力および伸びを増加させることができる。より強い繊維、他の層へのより良好な付着、または平方センチメートル当たりのより多くの要素の何れかによって、より高い引張能力(引張強度)を有する連結要素は、材料がより高い圧力で充填されることを可能にする。より高い引張能力を有する連結要素を提供することは、有利には、充填材料を空間内部により高い密度で充填することを可能にし、それによって固化した複合材料の特性を改善することができる。このため、より高い引張能力は、固化した複合材料の空隙率を減少させ、さらに、輸送中および材料が固化前に使用されるときの未固化粉末充填物の移動を防止することもできる。
【0025】
第1の層の材料は、固化時に充填材料と実質的に同じ色とすることができる。第1の層をそのすぐ下の固化充填材料と同様の色とすることは、第1の層に浸透する充填材料からの汚れや、使用中に第1の層が磨耗または損傷することによって生じる汚れまたは目に見える模様を防ぐのに役立つ。代替的には、第1の層および/または充填材料は、周囲に溶け込むように又は周囲から目立つように着色されるものであってもよく、または経時的な退色を回避しコストを最小にするためにその自然な色であってもよい。
【0026】
可撓性複合材料は、磨耗環境における磨耗特性を改善するために、充填材料とは反対側の第1の層の最も外側に磨耗要素または1または複数のコーティングを含むことができる。
【0027】
磨耗要素(またはコーティング)は、第1の層自体の材料に組み込まれる追加の要素であっても、第1の層へのコーティングとして塗布されるものであってもよい。第1の層が不織布を含む場合、摩耗要素またはコーティングの塗布は、不織布の繊維を互いに結合するように作用し得る。磨耗要素またはコーティングは、第1の層が充填物の固化剤に対する透過性を持つことを妨げてはならず、このため、例えば、穿孔されたものまたは格子状の形態とすることができる。そのような摩耗コーティングを提供することは、研磨環境(例えば、複合材料が、一時的な路面、坑道壁の補強ライニング、または溝ライニングとして使用される場合)における複合材料の摩耗および耐久性を改善するとともに、繊維(例えば 非生分解性の人工繊維)が複合材料から剥離して環境中に漏れ出すことを防止することができる。
【0028】
磨耗要素またはコーティングは、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ナイロン、シルニロン、ビニル、玄武岩、炭素繊維、ガラス繊維、被覆ガラス繊維、ゴム、ラテックス、HDPE、ポリ塩化ビニル、アラミド、ジュート、綿、ビスコース、ポリプロピレン、スチレンブロックポリマーまたはアクリル、ポリエステル、ポリスルフィドまたはポリウレタン、リグニンまたはそれらの混合物を含む材料のリストの中から選択される。好ましくは、磨耗要素またはコーティングは、ポリプロピレンの1または複数の層を含む。
【0029】
可撓性複合材料の第1の層および/または第2の層は、補強要素をさらに含むことができ、その補強要素が、第1の層および/または第2の層の引張強度を向上させるか、かつ/または剛性を増大させるように構成された、織布、不織布、連続膜または編布を含む。好ましくは、補強要素は、良好な強度および剛性を有する連続ジオメンブレン、例えば1mmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。補強要素は、延性層、例えば、延性金属ラス、グリッドまたはメッシュも含むことができ、それは、補強を提供すること、並びに、未固化の可撓性複合材料を三次元形状に形成するために曲げることができる程度に十分に硬くし、材料が固化する前に延性層が複合材料の自重をその形状で支えるのに十分な剛性を有するようにすること、という2つの目的を達成するためである。これは、型枠の必要性を排除するため有利である。何故なら、自立三次元形状に材料を容易に形成することができるからであり、この場合、材料は強度が限られているが可撓性複合材料に液体固化剤を添加することによって容易に固化して、三次元形態にすることができる。従来の固化可能な布地は、硬化前に三次元形状を得るために、既存の形状、型枠または膨張可能物の上に置かなければならない。
【0030】
補強要素は、他の要素の機能を果たしてもよく、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、LLDPE、可撓性ポリプロピレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリウレタン、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)ゴム、ブチルゴム、ネオプレン(登録商標)、ポリウレアコーティング、シリコーン、ラテックス、天然または合成ゴム、ポリエステル、溶融紡糸ポリエチレン繊維、ナイロン、シルニロン、ビニル、玄武岩繊維、ホウ素繊維、炭素繊維、ポリビニルアルコール繊維、アルミナ繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ジュート、綿、ビスコースまたはそれらの混合物、ステンレス鋼、鋼鉄、アルミニウム合金などの金属を含むことができる。補強要素の適切な形態は、押出メッシュ、例えば、二軸延伸HDPEグリッド、ラス、編布または織布、ジオグリッド、それ自体補強される膜シート材料、不織布などを含む。好ましくは、補強層はポリプロピレンを含む。最も好ましくは、補強層はポリプロピレン織布テープである。
【0031】
好ましくは、(充填材料に隣接する)補強要素の内側部分は、固化時に充填材料が固着するための凹凸模様付き面(textured surface)を含む。この凹凸模様付き面は、補強要素の一体部分、または固化可能な充填材料と接触するように表面上に結合された追加の要素とすることができる。例えば、補強要素は、編みメッシュまたは開放織物などの開放構造を含むことができ、充填材料が開放構造を通り抜けて、固化すると、補強層を超えて第1の層および/または第2の層に結合するように構成されるものであってもよい。
【0032】
第1の層および/または第2の層の終局引張強度は、下式:
によって表すことができ、ここで、σが、固化時の充填材料の終局引張応力(N/m)であり、tが、固化した充填材料の平均厚さ(m)であり(BS EN 1849:2001に記載されているような3点曲げ試験において破壊するまで材料に荷重がかけられるときに亀裂線に沿って測定される)、Tが、第1の層または第2の層の終局引張強度(幅1メートルあたりのN)であり、何れの曲げ方向に張力がかけられるものであってもよい。層の終局引張強度は、層を構成するすべての要素の組合せであり、実質的に補強要素(含まれる場合)により占められる。
【0033】
式Iは以下のように導出することができる。図15の符号1000は、BS EN 196-1:2005に基づく3点曲げ試験を受けている可撓性複合材料の固化サンプルに作用する(図11の平面への単位深さ当たりの)力を示している。第1の層は19、固化充填材料は20、第2の層は21で示されている。サンプルの破壊モードは、固化した充填材料が張力下で破壊し、最初の中央の亀裂から徐々に離れた別個の地点で何度も亀裂を起こし、第2の層が張力下で破壊したときに最終的な破壊が生じるものと考えられる。これは、圧縮時のバルク固化充填物の破壊や補強材の剥離などの他の破壊モードとは対照的である。例えば、第1の層が引張状態の層になるように反対側から可撓性複合材料に荷重が加えられ、かつ式(I)が依然として適用される場合には、第1の層と第2の層を置換するようにしてもよい。
【0034】
図15の符号1000は、第1の亀裂がバルク固化充填物に現れた後であるが第2の層が破壊する前のサンプルを示している。F(N)は中央に加えられる荷重であり、L(m)はサンプルの支持間隔であり、x(m)は中心荷重の変位である。ここで、小さい角度のルール(small angle rules)が後続の式に適用されるようにxがLの少なくとも1/5未満であり、かつサンプルが試験前に実質的に平坦であったと仮定している。
【0035】
図15の符号1100は、仮想的な切断がサンプルの中心で生じた場合に、固化バルク充填物に生じた最初の亀裂の点でサンプルに作用する力の分解図を示している。T(N)は、固化充填物の上側の最外部で固化充填物に作用する正味の圧縮力であり、T(N)は、固化充填物の下側の最外部で固化充填物に作用する正味の引張力である。力の単純な分解は、以下のことを示している。
【0036】
バルク固化充填物と第2の層との間の接触領域に作用する剪断応力は、s(N/m)である。次のように仮定される。
ここで、T(N)は、EN ISO 10319:2015を使用して測定した第2の層の終局引張強度である。この関係は、第2の層が剪断で剥離する前に引張で破断するという仮定が成り立つ場合に、成り立たなければならない。
【0037】
σ(N/m)がBS EN 12390-6:2009を使用して測定した引張破壊前のバルク固化充填物の最大引張応力である場合、曲げによる中実矩形梁の応力を解くことによって、次の方程式が成り立つことが示される。
【0038】
ここで、t(m)は固化した充填材料の平均厚さである(BS EN 1849:2001に記載されているような3点曲げ試験において破壊するまで材料に荷重がかけられるときにに亀裂線に沿って測定される)。
【0039】
固化バルク充填物が最初の亀裂を生じるとき張力下にある第1の層および/または第2の層が破壊しないためには、以下の関係が成り立たなければならない。
【0040】
式Vを式VIに挿入して式を変形すると、次のようになる。
【0041】
式(I)が成り立つためには、補強要素が曲げのときにそれ自体梁として作用するのではなく実質的に引張荷重を受けるように、引張状態にある層自体が大きな面外曲げに耐えることができてはならない。
【0042】
好ましくは、引張状態にある層は、式(I)で定義される終局引張強度Tに従い、歪み範囲5-15%内で1-50kN/mの範囲内の剛性を有する。
【0043】
固化時に、充填材料は、2つのモードの組合せによって第1の層および/または第2の層に曲げ荷重を伝達し、その2つのモードが、(1)第1の層および/または第2の層および固化充填材料の間の界面を横切って固化充填材料により閉じ込められる要素による固定、並びに、(2)固化充填材料に直接隣接する第1の層および/または第2の層の内面への固化充填材料の結合である。第1の層および/または第2の層が式(I)の関係に適合する場合、BS EN 196-1:2005に記載の3点曲げ試験における複合材料の破壊は、補強層が破壊する前の固化充填材料における数多くの小さな亀裂の広がりとともに徐々に生じるものとなる。これが生じるのは、一旦固化充填材料に最初の亀裂が形成されると、固化充填物と第1の層および/または第2の層との間の界面が、張力下にある第1の層および/または第2の層に荷重が伝達されることを可能にするからである。引張状態にある層の歪みが増加すると、固化充填材料に新しい亀裂が形成されるレベルに達することとなる。このプロセスは、引張状態の層の終局強度に達するまで、複数回繰り返されることがある。これは、可撓性複合材料の破滅的な破壊の前に、標準的な3点曲げ試験において非常に大きな中心変位を可能にする。
【0044】
複合材料の長さ方向に沿って一連の小さな亀裂を生成することは、複合材料の本体内の未固化の充填材料が、露出した状態となること、そして、水または空気などの流体固化剤または放射線が亀裂を通り抜けて、固化充填材料のマトリックス内に閉じ込められた未固化の充填材料と反応することによって、複合材料に自己修復効果を与えるために使用できることも意味している。これは、固化材料の元の強度および剛性の一部または全部を有利には回復することができる。
【0045】
第1の層および/または第2の層は、EN ISO 10319:2015規格を用いて行われた測定に基づいて、幅1メートル当たり0.5-200kN、好ましくは1-150kN/m、または1-100kN/mの引張強度を有することができる。
【0046】
補強要素の少なくとも一部は、固化したときに粉末が付着するように、その内面に凹凸模様付きのくさび面(くさび要素)を含むことができる。
【0047】
第1の層および/または第2の層は、その最も内側の表面の少なくとも一部に凹凸のあるくさび布地の層をさらに含み、空間内の粉末材料に隣接する。凹凸のあるくさび布地は、粉末がその固化状態にあるときにくさび要素が固化可能な粉末に結合することを可能にする任意の適切な材料とすることができる。くさび要素は、メッシュ、編布または織布、ジオグリッド、不織布、ステッチボンド布、スパンレース不織布、水流交絡不織布またはそれらの混合物とすることができる。好ましくは、凹凸のあるくさび布地は、20-300g/m、より好ましくは80-250g/m、さらにより好ましくは20-150g/mの質量を有するニードルパンチ不織布である。
【0048】
凹凸のあるくさび布地は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、ナイロン、シルニロン、ビニル、玄武岩繊維、炭素繊維、ガラス繊維、被覆ガラス繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ジュート、綿、ビスコース、繊維を含むことができる。好ましくは、凹凸のあるくさび布地はポリプロピレン繊維を含む。
【0049】
好ましくは、充填材料を固化させたときに、くさび要素と固化可能な粉末との間に形成される結合の強度およびくさび要素と補強要素との間に形成される結合の強度は、F、補強要素の終局引張強度(複合材料の幅1メートルあたりのニュートン(N/m)単位で測定される)と同等またはそれ以上である。充填材料が固化されるときにくさび要素と固化可能な粉末との間に形成される結合の強度およびくさび要素と補強要素との間に形成される結合の強度は、結合の剪断強度および/または剥離強度、すなわち剥離に抵抗する結合の程度に基づいて判断することができる。好ましくは、充填材料を固化させるときのくさび要素と固化可能粉末との間の結合およびくさび要素と補強要素との間の結合の剪断強度および/または剥離強度は、Fと同等またはそれ以上とすることができる。好ましくは、BS EN ISO 13426-1:2005を使用して試験したときに、充填材料が固化したときの、くさび要素と固化可能粉末との間の結合の剪断強度は、5-20kN/mであり、くさび要素と補強要素との間の結合については5-20kN/mである。好ましくは、BS EN ISO 13426-2:2005を使用して試験したときに、充填材料が固化したときの、くさび要素と固化可能粉末との間の結合の剥離抵抗(剥離強度)は、0.5-10kN/mであり、くさび要素と補強要素との間の結合については0.5-10kN/mである。好ましくは、くさび要素と固化可能粉末(固化時)との間の結合の剥離抵抗は、同じ材料であることもある、くさび要素と補強要素との間の結合の剥離抵抗と同じかそれより大きい。
【0050】
凹凸模様付きのくさび面を提供することにより、充填材料が付着する表面積を増加させることができ、また、(空間内の)固化した充填材料に少なくとも部分的に埋め込まれて第1の層および第2の層の一方または両方に取り付けられる個々の要素の周りに、充填材料を固化させることが可能となり、それにより、層と固化充填材料との間に強い結合を形成することが可能になる。さらに、より一般的には、固化充填材料に曝されるくさび面の表面積の増加により、固化充填材料とくさび要素との間の結合強度が改善される。不織布要素を含む第1の層は、結合強度の増加に関して同じ利点を有する。したがって、第1の層および/または第2の層の内面に不織布を設けることは、有利なことに、固化した複合材料が外部荷重に曝されたときに、充填材料と第2の層の界面および充填材料と第1の層の界面が、剥離に対してより抵抗性を持つ。
【0051】
本明細書で述べる所望の曲げ特性を得るためには、第1の層および/または第2の層の内側不織布要素(固化充填材料が入り込むことができる)と存在する補強要素との間の結合が十分に強く、この結合の剪断強度が補強要素の終局引張強度と同程度の大きさとなるようしなければならない。これは、荷重下での曲げ中に、補強要素からのくさび層、ひいては固化粉末の剥離を防ぐためである。
【0052】
第2の層は、流体不透過性要素を含むことによって、流体に対して実質的に不透過性とすることができる。好ましくは、透水係数は少なくとも1×10-8ms-1以下であろう。代替的には、流体不透過性要素を含む第2の層の透水係数は、10-3-10-15ms-1、10-6-10-14ms-1、または10-7-10-12ms-1の範囲とすることができる。
【0053】
流体不透過性要素は、低融点ポリマー、PVC、ポリプロピレン、ホットメルトエクストルージョン、HDPE、MDPE、LDPE、LLDPE、可撓性ポリプロピレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリウレタン、EPDMゴム、ブチルゴム、ネオプレン(登録商標)、ポリ尿素コーティング、シリコーン、ラテックス、天然または合成ゴム、またはそれらの混合物を含むことができる。好ましくは、第2の層は、実質的に流体不透過性であるように構成された低融点ポリマー層を含む。好ましくは、第2の層はLLDPEジオメンブレンを含み、その厚さに応じて補強要素としても機能することができる。0.05-5mmの厚さを有するLLDPEジオメンブレンを提供することは、第2の層が補強層としても作用することを可能にするのに適している。
【0054】
流体不透過性要素は、本明細書に記載の補強層と組み合わされるようにしてもよく、よって補強層として同時に作用するようにしてもよく、あるいは別個の要素であってもよい。流体不透過性要素は、補強要素と保護要素または滑り止め要素との間に挟まれるようにしてもよく、またはそれが最も外側の要素となるように第2の層の下面に結合されるようにしてもよい。代替的または追加的には、流体不透過性要素が可撓性複合材料に滑り止め特性を追加することもできる。また、流体不透過性要素は、充填材料が可撓性複合材料から漏れ出るのを防ぐこともできる。水などの液体が可撓性複合材料を通り抜けるのを防ぐことは、複合材料が置かれる表面が非常に乾燥していて、固化中に材料から水分を吸い出し、部分的に固化した完成製品がもたらされる場合や、ライニング池または格納タンクのような不透過性であることを必要とする用途で製品が使用され、好ましくは、流体不透過性層が、連結要素が形成された後に補強層に取り付けられる場合に、有利である。
【0055】
第2の層は、その最も内側の面または少なくともその一部(充填材料に隣接する面)に不織布を含むようにしてもよく、かつ/または第2の層は、その最も外側の面(充填材料の反対側を向く面)に不織布を含むようにしてもよい。不織布は、ニードルパンチ、接着剤、加熱および加圧、水流交絡、ステッチボンドまたは超音波溶着によって結合された繊維を含むことができる。第2の層は、代替的には、その最も内側の面に、押出メッシュ、編布または織布、ジオグリッド、膜材料、不織布、それらの混合物のキャストポリマーを含むことができ、充填材料に隣接する。
【0056】
第2の層の最も内側の面(充填材料に隣接する)上の不織布または他の種類の材料は、ポリプロピレン、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、ナイロン、シルニロン、ビニル、玄武岩繊維、炭素繊維、ガラス繊維、被覆ガラス繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ジュート、綿、ビスコースまたはそれらの混合物を含む。好ましくは、不織布はポリプロピレンを含む。
【0057】
最も外側の面上に不織布の層を設けることは、輸送、設置および使用中の貫通、引裂きまたは一般的な損傷から複合材料を有利に保護する。
【0058】
第2の層は、充填材料の反対側を向くその最も外側の面の少なくとも一部に滑り止め要素を含むことができ、可撓性複合材料とそれが置かれる表面との間の把持力を改善することができる。滑り止め要素は、滑り止め要素が置かれる表面にかみ合うことができる高い表面粗さの材料、または高い摩擦係数の材料とすることができる。
【0059】
滑り止め要素は、下面に、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ゴム、PVC不織布、織布または編布、押出ポリマーまたはそれらの混合物を含むことができる。好ましくは、滑り止め要素は、ポリプロピレンを含む不織布である。この好ましい実施形態では、滑り止め要素が保護要素としても機能することができる。代替的には、下側の外面は、(本明細書に開示されるような)固化接着フィルムを含むことができ、このフィルムは、製品の要素を同時に結合し、接着剤の摩擦係数のおかげで滑り止め要素として機能する。
【0060】
第1の層と第2の層は連結要素によって接合され、連結要素が、それら層の間の空間が充填材料によって占められているときに、層を離して設定距離に保つものとなっている。
【0061】
連結要素は、可撓性複合材料の縦軸に沿って規則的または不規則な配置で、間隔を空けて設けられるようにしてもよい。連結要素は、可撓性複合材料の横軸に沿って規則的または不規則な配置で、間隔を空けて設けられるようにしてもよい。
【0062】
連結要素は、正三角形、不規則三角形、正方形、長方形、六角形、他の多角形、実質的にランダムに分布したパターン、またはそれらの任意の組合せのパターンのうちの一つで配置することができる。
【0063】
各連結要素は、複数のサブ要素を含み、それらサブ要素が、別々の縦列(discrete column)で空間を横切って層の一方または両方を通って延びる。
【0064】
連結要素は、0.1-100mm(1cm当たり10,000-0.01)、0.1-50mm(1cm当たり10,000-0.04)、1-50mm(1cm当たり100-0.04)、好ましくは1.5-30mm(1cm当たり44-0.1)、より好ましくは1-20mm(1cm当たり100-0.25)、さらにより好ましくは1.5-20mm(1cm当たり44-0.25)、最も好ましくは2-18mm(1cm当たり25-0.3)の距離で互いに離間させることができる。
【0065】
連結要素は、第1の層および/または第2の層から空間を横切って延びるとともに、反対側の層を通って延び、それにより層を互いに結合することができる。換言すれば、連結要素は、第1の層から第2の層を通って空間を横切って延びることができ、それにより層を互いに結合することができる。代替的には、連結要素は、第1の層および第2の層から空間を横切って延び、第1の層から延びる連結要素が第2の層を通って延び、第2の層から延びる連結要素が第1の層を通って延び、それにより層を互いに結合することができる。
【0066】
連結要素は、第1の層から第2の層まで、それらの層の表面に対してある角度で、延びることができる。複合材料が圧力下で充填されると、引張状態にある繊維の正味角度が、第1の層と第2の層との間の中間面に対して90度となる。これは、張力下にあるすべての繊維が90度であるか、または約100mmの長さスケールにわたって90度の正味角度を与える限り、張力下にある一部の繊維が、0~90度の様々な異なる角度であり、例えば、2つの反対側の連結要素のうちの一方が中間面に対して45度、もう一方が135度の場合、正味角度が90度となる。
【0067】
連結要素は、ニードルパンチ、ステッチボンド、水流交絡、および予め形成されたフックとの係合のうちの1または複数によって(連結要素を形成するように)空間内に配置することができる。
【0068】
ニードルパンチは、ニードル織機に支持された軸方向に往復運動する有刺ニードルを使用して、一方の不織布層からギャップを横切って反対側の層の方へおよびその中へ連結要素を押す。代替的には、ニードルパンチ技術を外部連結要素(例えば、第1の層および/または第2の層の一部ではない糸)とともに使用することができる。2つの層は織機を通して引かれ、ニードルの連続的な突き刺しが連結要素の種々の潜在的パターンを形成する。
【0069】
ステッチボンドは、異なる種類のニードルを使用して外部連結要素(例えば、スプールからの糸)を第1の層に導入し、空間を横切って第2の層に導入し、連結要素を形成する。代替的には、ステッチボンドは、第1の層および/または第2の層から生じる繊維から編まれたループを形成し、このループを使用してステッチを形成することによって、外部連結要素を使用せずに連結要素を導入することができる。様々なステッチパターンを有する多くの変形例を利用することができ、例えば、ステッチボンドを使用してトリコットステッチパターン(「ジグザグ」ステッチパターン)を提供することができる。トリコットステッチングは、直線ステッチングと比較して、縦方向(MD)(すなわち、可撓性複合材料の製造方向)における可撓性複合材料の可撓性を向上させるのに役立つ。
【0070】
水流交絡は、不織繊維材料で放出された流体の小さな噴流を使用して、表面から離れるように材料から連結要素を押し出し(または材料の上に置かれ)、空間内に存在する他の繊維と機械的に絡み合わせる。このため、この技術は、2つの表面が、それらの間の空隙に機械的に絡み合う層の一方または両方の表面からの連結要素で、距離を置いて固定され、その後、充填材料で充填されることにより、実行される。
【0071】
予め形成されたフックおよびアイは、(充填材料を充填する前に)フックおよび/またはアイが第1の層および第2の層の両方から突出して、空間内の連結されたフックおよびアイが互いにやり取りするように、連結要素(ブリッジ)が形成されることを可能にする場合に、使用することができる。
【0072】
ニードルパンチ技術を使用して連結繊維を形成する場合、連結要素が第1の層を通って延びたときに、第2の層の外面から突出する端部を定位置に固定しなければならない。これは、複数の方法で実行することができ:繊維端部または「タフト」を、接着剤を使用して第2の層の外面に接着するか、またはポリマー層と融合させるようにしてもよく;タフトを、第2の層の外面に熱融着または溶融させるようにしてもよく;タフトを機械的に絡み合わせるようにしてもよく;繊維が収縮して互いに溶融し、第2の層を通して容易に引っ張ることができないように、繊維を溶融させるようにしてもよい。代替的には、タフトは、第2の層の材料によって十分に挟み、それにより、それらを定位置に固定して連結繊維が第2の層を通って引き戻されるのを防止するのに更なる取付を不要とすることができる。タフトが第2の層の外面に接着される場合、第1の層および/または第2の層と実質的に平行になるように、または第1の層と第2の層に形成された隆起に適合するように、タフトが方向を変えて、第2の層の外面に対して平らとされることが有利となり得る。好ましくは、第1の層と第2の層との間の空間における連結要素の平均角度は、第1の層および第2の層に対して実質的に垂直である。
【0073】
ニードルパンチ技術を使用して連結要素を作る場合、第1の層および/または第2の層を通って延びる連結要素は、それが通って延びる層の最も外側に固定されるように適合させることができる。好ましくは、連結要素は、加熱または接着剤によって、第1の層および/または第2の層の最も外側に固定されて、それぞれの層を通して内側に引っ張られるのを防止する。最も好ましくは低融点接着剤が使用される。これを可能にするために、連結要素の突出端部を層の外面に対して平らにすることができ、このように平らにされた連結要素を結合することは、連結要素の引抜強度を実質的に増加させることが分かっている。この結合の引抜強度は、それらが挿入されたときから第1の層および/または第2の層に形成される穴により連結要素を挟むことによって補助される。流体不浸透性ジオメンブレンなどの不浸透性要素が設けられる実施形態では、第1の層および/または第2の層を通って延びる連結要素が、不浸透性要素を通って延びない。そうすると不浸透性要素の流体不浸透性が低下するからである。
【0074】
好ましくは、第1の層と第2の層との間の未固化可撓性複合材料の剥離強度(すなわち、未固化可撓性複合材料の第1の層と第2の層間との間の結合を剥離によって分離するのに必要な力)は、BS EN 13426-2:2005を用いて測定した場合、0.1kN/m-20kN/m、好ましくは0.3kN/m-3kN/mである。第1の層と第2の層との間の未固化可撓性複合材料の実質的に全ての剥離強度は、連結要素によって提供され、連結要素自体の引張強度と、連結要素が第1の層および/または第2の層にどのように結合するかによって与えられる引張強度との関数である。固化可能な充填材料の固化前の製造および操作の両方の間に空間内の充填材料の良好な充填密度を提供および維持するためには、上述した範囲内の剥離強度が必要であることが見出されている。
【0075】
ステッチボンド技術を使用して連結要素を形成する場合、可撓性複合材料を横方向に切断したときにステッチが縦方向に解れる(解ける)ことを回避するために、要素を定位置に固定することができる。可撓性複合材料の一方の面にポリマーを熱ラミネートして要素の周囲でポリマーを融解させることによってステッチの解れを減らすことができ、これは一旦冷却されると、連結要素が引き出されて解れるのを防ぐのに役立つ。
【0076】
連結要素は繊維とすることができる。好ましくは、繊維は第1の層および/または第2の層に由来する。このようにして、第1および/または第2の層は繊維提供体として機能する。
【0077】
第1の層および/または第2の層が繊維提供体として機能するとき、連結要素は第1の層および/または第2の層のうちの一方に由来する繊維であり、よって第1の層および/または第2の層と同じ材料である。好ましくは、第1の層および/または第2の層に由来する繊維(よって、第1の層および/または第2の層)は、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、エラストマー繊維、ナイロン、シルニロン、ビニル、玄武岩繊維、炭素繊維、耐アルカリ性ガラス繊維、ガラス繊維、被覆ガラス繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ジュート、綿、ビスコース、これらの繊維と熱活性化結合剤との組合せからなる二成分繊維、またはそれらの混合物を含むことができる。好ましくは、第1の層および/または第2の層に由来する繊維はポリプロピレン繊維を含む。
【0078】
第1の層および/または第2の層が繊維提供体として機能しないとき(例えば、外部糸によるステッチボンドまたはニードルボンドを用いて空間内に連結要素を配置するとき)、第1の層および/または第2の層は不織布材料に限定されるものではなく、織布、編み物、熱固化物、押出成形品、スパンボンドまたは他の材料とすることができる。
【0079】
第1の層および/または第2の層から実質的に空間を横切って延びる要素は、反対側の層を通り抜けて、空間内に戻るように延びることができる。実質的に空間内に戻るように延びる要素は、空間内に位置する他の要素と結合するように構成されるものであってもよい。好ましくは、実質的に空間内に戻るように延びる要素は、絡み合いによって他の要素と結合する。代替的には、実質的に空間内に戻るように延びる要素は、繊維が由来する層と結合するように構成される。
【0080】
代替的には、連結要素は、ステッチボンド技術によって挿入された外部連結要素である。ステッチボンドによって挿入された連結要素は、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、エラストマー繊維、ナイロン、シルニロン、ビニル、玄武岩繊維、炭素繊維、耐アルカリ性ガラス繊維、ガラス繊維、被覆ガラス繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ジュート、綿、ビスコース、それら繊維と熱活性化結合剤との組合せからなる二成分繊維、またはそれらの混合物を含むことができる。好ましくは、連結要素は外部ポリプロピレン糸である。
【0081】
第1の層と第2の層との間の空間は充填材料によって占められている。本開示に係る「充填材料」は、第1の層と第2の層との間に閉じ込められる固化可能な充填材料を指すために使用される。任意選択的には、可撓性複合材料は、第2、第3、第4の充填材料などを含有することができる。充填材料の1つの層は固化可能でなければならないが、第2の充填層または更なる充填層は固化可能である必要はない。以下で使用される「第1の充填材料」は固化可能な充填材料を指し、「第2の充填材料」は、固化可能であってもなくてもよい追加の充填層を指す。
【0082】
第2の充填材料は、第1の層と第2の層との間の空間に配置することができ、液体、気体または放射線を加えると硬質または半硬質の固体に固化することができ、この第2の充填材料は、第1の層と第2の層との間の空間に配置された分離層によって第1の充填材料から分離される。
【0083】
第1の充填材料(これまで充填材料として説明したもの)および/または第2の充填材料は、粉末、ペーストまたは発泡性組成物のうちの1または複数から選択することができる。任意選択的には、第1の充填材料および/または第2の充填材料は、ポルトランドセメント、高アルミナセメント、セメントと骨材の混合物、石灰と骨材の混合物、硫酸カルシウム、フッ化カルシウム、ケイ酸カルシウム、石膏、アルミン酸カルシウム、マグネシウムセメントまたはそれらの混合物のような固化可能な充填材料のうちの1または複数を含むが、それらに限定されるものではない。好ましくは、固化可能な充填材料は、ポルトランドセメントまたは高アルミナセメントを含む。セメントは、セメントまたはコンクリート組成物中に通常見られる添加剤と組み合わせることができる。
【0084】
高アルミナセメントは、それが他のセメントよりも短い固化時間および初期強度のより急速な増加を提供し、より高い引張強度および圧縮強度、並びに、遥かに高い耐摩耗性および硬度を提供するという利点を有する。さらに、高アルミナセメントは優れた耐酸性を有し、硫酸生成細菌のコロニーの増殖を抑制することができる。
【0085】
セメントを固化させるために使用される液体は、好ましくは水であり、海水、または水溶性の上述した添加剤の何れかを含む他の化学物質の添加により改質されている水である。
【0086】
充填材料は、2以上の液体成分が一緒に混合されたときに固化する多剤型硬化性樹脂の1つの成分、例えば、エポキシ樹脂系であってもよい。
【0087】
充填材料および任意の更なる充填材料はフィラー材料を含むことができる。フィラー材料は、砂または細骨材、フライアッシュ、ガラスビーズ、低密度またはリサイクルフィラー、細断天然または合成繊維、石灰粉末、石灰石、マイカ絶縁体、表面改質シリカ、耐衝撃性改良剤、発泡性ミクロスフェア、熱伝導性粒子、メラカオリン、導電性粒子、シリカ、粘土、タルク、着色剤、超吸収性ポリマー、酸化防止剤、抗菌剤、界面活性剤、フルオロポリマー、顔料、抗真菌剤もしくは抗菌剤などの殺生物剤、および抗放射線フィラー、またはそれらの任意の混合物を含むことができる。
【0088】
得られる複合材料の重量および/またはコストを低減し、熱特性を変更し、またはフィラー材料の物理的性質活性から得られる様々な物理的性質、例えば電気、光学、液体バリアなどを付与するために、1または複数の上記フィラー材料を使用することができる。
【0089】
充填材料および/または第2の充填材料は反応調整剤を含むことができる。充填材料および/または第2の充填材料の反応調整剤は、リチウム化合物、ナトリウム化合物、有機化合物(クエン酸、酒石酸)、硫酸源、可塑剤、促進剤、遅延剤、超可塑剤、収縮低減剤、防水剤、pH調整剤、ガラスビーズ、ポゾラン材料、発泡剤、分散性ポリマー粉末、またはそれらの混合物を含むことができる。
【0090】
好ましくは、充填材料は、BS EN 12390-6:2009を用いて試験したときに、0.1-20MPa、または0.1-10MPa、または0.5-5MPaの固化時の引張強度を有する。好ましくは、充填材料は、BS EN 12390-3:2009を用いて試験したときに、1-500MPaまたは2.5-100MPa、または5-50MPaの固化時の圧縮強度を有する。
【0091】
第2の充填材料は、例えば膨潤性材料を使用することによって、(充填材料によって提供される不透過性に加えて)流体不透過性を提供することができる。水または油で膨潤する充填材料を使用して、特定の液体または汚染物質の表面の通過を選択的に防止することができる。第2の充填材料は、ベントナイト粘土、超吸収性ポリマー、改質アクリル樹脂などの水膨潤性材料、油膨潤性エラストマー、またはそれらの混合物を含むことができる。
【0092】
好ましくは、第1の充填材料はセメントを含み、第2の充填材料は、ベントナイトなどの流体膨潤性物質、または超吸収性ポリマーなどの膨潤性ポリマー、または高炉スラグ、カーボンブラック粉末、活性炭粉末、断熱材または電気絶縁材またはそれらの混合物などの他の非固化性の二次充填材料を含む。
【0093】
第2の充填材料は、膨張材料、石膏、プラスターまたはそれらの混合物などの耐火材料を含むことができる。好ましくは、第2の充填材料は膨張充填剤を含む。
【0094】
第2の充填材料が提供される場合、第2の充填材料から第1の充填材料を分離する分離層は、紙、織布、不織布、不織布スパンレース、押出成形品、編み物、メンブレンシートまたはリサイクル繊維タイプの生地のうちの1または複数であってもよい。好ましくは、分離層は、不織布、例えばスパンレース不織布またはニードルパンチ不織布である。分離要素は、木材パルプ繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、ナイロン、シルニロン、ビニル、玄武岩繊維、炭素繊維、ガラス繊維、被覆ガラス繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ジュート、綿、ビスコースおよびそれらの混合物を含む材料から作られるようにしてもよい。好ましくは、分離層はポリプロピレン不織布、より好ましくはポリプロピレンスパンレース不織布を含むことができる。
【0095】
各層は接着剤で互いに接着されていてもよい。接着剤は、コポリアミド、ポリエステル、コポリエステル、ポリウレタン、コ-ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリピロール、ポリカーボネート、シリコーンゴム、スチレンブロックコポリマー、熱可塑性ポリマー、スチレンブロックポリマーまたはアクリル樹脂などの感圧接着剤、ポリエステル、ポリスルフィドまたはポリウレタンなどの多剤型接着剤、リグニンに基づく接着剤などの天然接着剤、紫外線硬化型接着剤などの一剤型接着剤などを含むことができる。
【0096】
可撓性複合材料の最終用途に応じて、第1の層および/または第2の層の材料を、水溶性、腐敗性(rottable)、紫外線分解性、親水性および/または疎水性となるように選択することができる。ジュート、綿、ココナッツ繊維、セルロース繊維、ビスコース繊維またはそれらの混合物などの天然繊維、またはデンプン系ポリマー繊維などの人工繊維を使用して、そのような水溶性、腐敗性、紫外線分解性、親水性および/または疎水性の特性のうちの1または複数を達成することができる。
【0097】
第1の層および/または第2の層における材料の1または複数は、殺生物剤または生体成長促進剤であってもよい。例えば、充填材料および/または第1の層および/または第2の層は、生体成長を防ぐための殺菌粉末を含むことができ、または充填材料および/または第1の層および/または第2の層は、生体成長を促進するための肥料を含むことができる。(例えば、外面に不織布を使用することによって)繊維状外面を有する可撓性複合材料を提供することは、生体成長を促進できることが見出されている。例えば、本発明に係る繊維状外面を有する可撓性複合材料を水路に設置すると、有機物および無機物の残屑が繊維状外面に捕捉され、それにより浅い根の植物やコケの発芽を可能にし、根が複合材料の凹凸付きの表面に付着する土壌層が構築されることが分かっている。
【0098】
層のうちの一つに生体成長促進材料を使用することにより、例えば、植物をその層上で成長させることが可能になる。これは、植物の成長が、複合材料が配置されている景観/環境への複合材料の融合を助ける複合材料の特定の用途において有利となり得る。植物の成長は、有利には、落下する異物からの衝撃、または流水中に運ばれる物体、例えば、複合材料に損傷を与える可能性のある岩石や破片による磨耗を吸収するためのクッション/バッファとして機能することが分かっている。
【0099】
第1の層および/または第2の層は、導電性繊維または層を含むことができ、それによって可撓性複合材料に対する損傷または歪み、それらの位置の検出を可能にすることができる。導電性繊維は、導電性炭素繊維または光ファイバであってもよく、グラフェンコーティング、またはそれらの種類の繊維もしくは層の混合物を使用することができる。
【0100】
可撓性複合材料は、第1の層の最も外側または第2の層の最も外側に断熱層をさらに含むことができる。
【0101】
断熱層は、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、ガラス繊維、セルロース、ロックウール、ポリスチレン発泡体、エアロゲル、ポリウレタン発泡体、パーライト、コルク、それらの混合物、およびそれらの複数層を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
本発明は様々な方法で実施することができ、以下に、本発明に係る可撓性複合材料のいくつかの好ましい実施形態を、添付図面を参照しながら例として説明することとする。
図1図1は、可撓性複合材料の好ましい実施形態の断面図を示している。
図2図2は、可撓性複合材料の好ましい実施形態の断面図を示している。
図3図3は、可撓性複合材料の好ましい実施形態の断面図を示している。
図4図4は、可撓性複合材料の好ましい実施形態の断面図を示している。
図5図5は、可撓性複合材料の好ましい実施形態の断面図を示している。
図6図6は、可撓性複合材料の好ましい実施形態の断面図を示している。
図7図7は、可撓性複合材料の好ましい実施形態の断面図を示している。
図8図8は、可撓性複合材料の好ましい実施形態の断面図を示している。
図9図9は、可撓性複合材料の好ましい実施形態の断面図を示している。
図10図10は、本発明の2つの可撓性複合材料の曲げ剛性を示している。
図11図11は、本発明の2つの可撓性複合材料の曲げ剛性を示している。
図12図12は、本発明の可撓性複合材料の層と可撓性複合材料の空間内の固化粉末材料との間の剥離強度を示している。
図13図13は、本発明の可撓性複合材料の第2の層を形成する二つの要素間の剥離強度を示している。
図14図14は、本発明の未固化の可撓性複合材料の第1の層と第2の層との間の剥離強度を示している。
図15図15は、3点曲げ試験中に可撓性複合材料に作用する力を示している。
【発明を実施するための形態】
【0103】
本発明に係る可撓性複合材料の第1の実施例は、図1およびそれに付随する分解図に符号100で全体的に示され、分解図には複合材料100を構成する層が示されている。可撓性複合材料100は第1の層(a)と、第2の層(c)と、第1の層と第2の層との間の空間(b)とを備えている。空間(b)は充填材料3および連結要素2を含む。
【0104】
可撓性複合材料100の構造は、前述したように、ニードルパンチを使用して層間に延びるように空間(b)内に連結要素2を配置しながら、第1の層(a)と第2の層(c)との間に充填材料3を正の差圧下で充填材料3を満たすことにより、得ることができる。
【0105】
第1の層(a)は、ニードルパンチ加工されたポリプロピレン不織布からなる繊維提供層1であり、第一に、第1の層と第2の層との間の空間(b)に充填材料3を収容することができ、第二に、特定の流体を選択的に透過させることができ、例えば、液体および気体を通すが、充填材料3を実質的に通さない。
【0106】
繊維2は、第1の層1の不織布から引き出されたポリプロピレン繊維であり、この繊維は、層(a)および(c)の縦軸に対して実質的に垂直となるようにそれら層に対して約90度の正味角度で空間(b)を通って延びている。ニードリング技術は、有刺ニードル(barbed needles)を使用して層(a)のポリプロピレン不織布から繊維を拾い上げ、それらを空間(b)を通して実質的に第2の層(c)まで運ぶ/延ばす。
【0107】
充填材料3は、未固化時には、張力が繊維に加えられるような圧力で空間(b)内に提供される。充填材料の圧力と、張力下の繊維の長手方向の伸びの欠如は、張力下の繊維の長手方向の長さに対して、第1の層および第2の層を外側に膨らませる。換言すれば、第1の層および第2の層は、繊維2の正味長手方向軸の方向に繊維2を超えて外側に延びる。
【0108】
加圧充填材料によって第1の層(a)および/または第2の層(c)が膨らむ量/程度は、繊維および第1の層および第2の層の材料特性に依存する。例えば、第1の層および/または第2の層の剛性は、膨らみの量を減らすために増大させることができ、あるいは膨らみが完全に防止されるように層の一つでさらに増大させることができる。第1の層(a)および第2の層(c)の材料特性は、充填材料が加圧下で空間内に存在するときに異なるサイズの膨らみを得ることができるように変えることができる。
【0109】
したがって、可撓性複合材料100は、充填材料を正の差圧下で充填し、形成される形状の最小値をもたらす連結繊維で第1の層および第2の層を変形させることによって形成された三次元微細構造の断面を示している。
【0110】
ニードルパンチにより繊維2が第2の層(c)を通過して出ると、それらの主方向は第1の層(a)および第2の層(c)の長手方向軸に対して実質的に垂直な向きから、層(a)および(c)の長手方向軸と実質的に平行な向きに変わる。繊維の向きを変えた部分は、第2の層(c)の膨らんだ表面に実質的に一致するように構成されている。このように向きを変えた後、接着剤層5を用いて繊維が第2の層(c)に接着され、それにより第1の層(a)と第2の層(c)との間に機械的結合が提供される。
【0111】
充填材料は、UV放射または空気などの気体に曝されるときに、液体の添加により、硬質または半硬質の固体に固化することができる任意の材料、例えば、任意の適切なペースト、粉末または発泡性組成物とすることができる。セメントは、フィラーおよび他の添加剤、例えば反応調整剤と一緒に使用することができる。
【0112】
第2の層(c)は、ポリプロピレン織布テープからなる補強要素4からなる。ポリプロピレン織布テープは、ホットメルトポリマー5のような接着剤のフィルムによって外面が被覆されている。ホットメルト接着剤5は、繊維が第2の層(c)を通るように押されてその向きが第2の層(c)の形状にほぼ一致するように変えられたときに、繊維2の付着を可能にする。
【0113】
有刺ニードルによって形成された穴が接着剤層によって再封止されると、ポリプロピレン織布テープ4は流体に対して実質的に不透過性となる。
【0114】
補強要素4を通って突き出る提供層1からの繊維は、代替的には、熱風または放射源などの熱源を使用して縮ませるようにしてもよく、これは、補強層の外面上で繊維を太くする効果を有し、それにより繊維が補強層を通って引き戻されるのを防止することができる。これは接着剤層5に加えて、またはその代わりに使用することができ、この場合、補強層4はより透過性とすることができるが、依然として粉末充填材料3を実質的に閉じ込めるように機能することとなる。
【0115】
水などの液体は、第1の層(a)を通って可撓性布地100内に浸入することができ、充填材料3、例えばセメントの水和は、可撓性布地100の内部に水を運ぶことができる繊維2によって促進される。第2の層(c)は、繊維2とともに、固化時に充填材料を補強し、亀裂伝播を防ぐ。
【0116】
補強要素4には、任意選択的に、更なる保護要素7を外面上に設けることができ、それによって可撓性複合材料の下側が設置および使用中に損傷を受けることから保護することができる。さらに、補強要素4の内面には、充填材料3を動かないように固定するための表面を提供するくさび要素8を設けることができる。図2は、本発明に係る可撓性複合材料を符号200で全体的に示しており、追加的に、それぞれ符号8,7の、そのようなくさび要素および保護要素を含む。くさび要素は、スパンレースニードルパンチまたは熱的結合ポリプロピレン不織布である。保護要素はニードルパンチポリプロピレン不織布である。くさび要素および保護要素は、これらの材料から製造されることに限定されるものでなく、くさび要素および保護要素に関して上述した種類の他の任意の適切な材料とすることができる。
【0117】
保護要素7はさらに、滑り止め機能を有するように作用するものであってもよい。これは、可撓性複合材料が表面上に置かれたときに可撓性複合材料の保持力を改善するであろう。代替的には、滑り止め要素は、保護要素7と完全に置き換えるようにしてもよく、あるいは保護要素の外面に適用されるようにしてもよい(図示省略)。滑り止め要素は、任意の適切な材料から作製することができ、例えば、滑り止め要素は、滑り止め要素に関して上述した材料の何れかから作製することができる。
【0118】
くさび要素8および保護要素7は、それぞれ5および9として示されている、補強要素4のポリプロピレン織布の両面上の低融点ポリマーコーティングに接着する。
【0119】
第1の層(a)は、任意選択的には、第1の層1の内面(充填材料に近い方の層(1)の面)に補強要素10を備えることができ、これは、要素4とは対照的に、流体透過性でなければならない。第1の層(1)の内面上に補強要素10を有する可撓性複合材料は、図3の符号300で全体的に示されている。他の層および要素1-9は、図2に示す可撓性複合材料200に関して説明したものと同じである。この補強要素10の好ましい材料は、糸目の粗い織りのポリプロピレンテープであろう。この追加の補強要素は、接着剤層11を備えるものであってもよく、それは前述した種類のホットメルトポリマーであってもよい。これにより、補強されていないものに比べて、可撓性複合材料の両方向の曲げ強度(固化後)が増加する。すなわち、破壊前に第1の層(a)側から、および破壊前に第2の層(c)側から可撓性複合材料が受けることができる荷重の量は、未補強の場合よりも大きくなる。
【0120】
図4は、本発明に係る可撓性複合材料の別の例を全体的に符号400で示している。図1乃至図3のように第1の層(a)に単一の繊維提供要素1を有するのに加えて、可撓性複合材料400は、第2の層(c)に第2の繊維提供要素12をさらに含む。可撓性複合材料400の第1の層(a)および空間(b)は、繊維2のすべてが可撓性複合材料100,200の繊維提供要素1から延びるのとは対照的に、空間(b)内の繊維2の一部が第2の繊維提供要素12から追加的に延びることを除いて、可撓性複合材料100,200の第1の層(a)および空間(b)と実質的に同じである。
【0121】
可撓性複合材料400の繊維2は、提供要素1および提供要素12から延びるポリプロピレン繊維であり、これらの繊維は、層(a)および(c)に対して90°の正味角度で、空間(b)を通って反対側の層に向かって延びている。繊維2は、可撓性複合材料100および可撓性複合材料200に関連して上述した技術と同様のニードルパンチ技術を用いて得られる。ニードルパンチ技術は、有刺ニードルを用いて(上述したように提供要素1から繊維を取り出すのに加えて)第2の繊維提供要素12のポリプロピレン不織布から繊維2を取り出して、空間(b)を通して第1の層(a)まで運ぶ点において、前述したニードリング技術と異なる。このため、ニードルは、層1を通って下方に、そして層12を通って反対方向に、突き刺している。これらの突き刺しは、連続的または同時であってもよい。
【0122】
いくつかの用途では、充填材料の2つの異なる層を有することが有用となる場合がある。例えば、本明細書に開示されるような可撓性複合材料が水路を形成するために、または河床上に置くために使用される場合、固化性または非固化性の下部材料を摩耗または浸食から保護する固化可能材料の層を含む可撓性複合材料を有することが望ましいこともある。
【0123】
図5の可撓性複合材料500は、追加の第2の充填材料14を備え、これが、空間(b)内に配置され、かつ分離層13によって第1の充填材料3から分離されており、それにより、第1の充填材料層および第2の充填材料層が規定されている。第1の充填材料層は、前述したように、固化可能な充填物でなければならない。対照的に、第2の充填材料14は、第2の充填材料に関して述べた材料のような様々な可能性のある材料のうちの1つとすることができる。第2の充填材料は、第1の充填材料と同様の固化可能な充填材料とすることができるが、非固化性の材料、例えば、ベントナイト粘土などの流体膨潤性材料とすることもできる。
【0124】
分離要素は、水などの液体を通すポリプロピレン不織布から作製することができる。このため、液体(例えば水)が複合材料に適用されると、分離要素は、水が第1の充填材料層を通って第2の充填材料層まで浸透して両充填材料が水和することを可能にするが、乾燥しているとき又は濡れているときに2つの充填材料が実質的に混ざることを防止することができる。
【0125】
分離要素は、ポリプロピレン不織布から作製されることに限定されるものではなく、代替的には、2つの充填材料を分離することができ、かつ水などの液体を通すことができる任意の他の適切な材料布地によって、作製されるものであってもよい。分離要素は、分離要素に関して上述した材料のうちの何れかであってもよい。また、分離要素は、前述したように補強要素(図示省略)を含むこともできる。
【0126】
本明細書に記載の可撓性複合材料何れかは、1または複数の導電性繊維(例えば、導電性炭素繊維、鋼鉄、アルミニウムまたは銅などの金属導電性ワイヤまたは光ファイバ、グラフェン被覆繊維またはシート)を含むことができる。そのような繊維は、図6の可撓性複合材料600に示すように、充填材料3(または充填材料3および14)と並んで空間(b)に挿入されている。このようにして導電性繊維15を含む可撓性複合体を提供することにより、ユーザは、可撓性複合材料が損傷を受けたり、液体に曝されたり、または大きな歪みを受けたりしているか否かを判定するとともに、それがいつ、どこで生じたかを判定するために導電抵抗測定を使用することが可能となり、それにより、修理をより容易なものとしたり、他の目的のために設置を監視したりすることができる。これらの繊維は、代替的には、図1図6に示す任意の層1-15の不可欠な要素としてもよい。
【0127】
上述した可撓性複合材料の例示的な実施形態(可撓性複合材料100,200,300,400,500,600)はすべて、繊維2のための繊維提供部として機能する不織材料の要素を含み、それらが、上述したニードルパンチ技術を使用して内部空間(b)を横切るようにニードルで通されている。このニードリング技術は、第1の層(a)を第2の層(c)に機械的に結合することを可能にする。本発明の可撓性複合材料は、ニードルパンチによってもたらされる可撓性複合材料に限定されるものではない。本発明に係る可撓性複合材料の代替例は、全体的に符号700で、図7に示されている。可撓性複合材料700は、前述したように、ステッチボンド技術を用いて挿入された繊維2を有する。それらの繊維2は、(他の例示的な実施形態に示すような第1の層および/または第2の層から生じるのとは対照的に)外部ヤーンから第1の層を通して挿入されるとともに、第2の層を通して縫合され、それにより、それらがステッチにより機械的に連結されている。可撓性複合材料700の第1の層(a)は、前述した種類のニードルパンチポリプロピレン不織布1を含む。可撓性複合材料700の第1の層(a)は、そのような材料であることに限定されるものではなく、代わりに、第1の層(a)に関して上述した種類の他の任意の材料とすることができる。さらに、層(a)の材料は、繊維を提供できるものに限定されるものではなく、よって、単に、織布もしくは編み材料もしくはスパンレース、または熱的に結合または押出成形されたものであってもよい。第2の層(c)は、先に述べた種類のポリプロピレン織布テープ4である。第2の層(c)は、代替的には、不織布材料18、好ましくは200g/mのニードルパンチポリプロピレン(PP)不織布であってもよい。この実施形態の選択肢(図示省略)は、補強要素と封じ込め要素の両方として機能する単一の追加の層、例えば製品の下面に熱ラミネートされた連続LLDPEジオメンブレンを追加することである。
【0128】
本発明に係る可撓性複合材料は、第1の層(a)および/または第2の層(c)の最外面に絶縁要素を備えることができる。絶縁要素は、新しい層(d)の形態をとることができる。絶縁層(d)を有する可撓性複合材料の実施例は、図8の可撓性複合材料800の形態で示されている。絶縁層(d)は、可撓性複合材料に絶縁効果を提供することができる任意の適切な材料から作製することができる。絶縁層(d)は、絶縁要素または絶縁層に関して前述した材料の何れかを含むことができる。絶縁層は、複合材料を巻くことができるように、三角形または他の多角形のブロックに切断された固体発泡体から構成することができる。
【0129】
可撓性複合材料(第1の層(a)および/または第2の層(c))の表面は、可撓性複合材料の機械的特性を改善するように作用する任意の数のコーティングを含む1または複数の更なる層(図示省略)に結合されるものであってもよい。例えば、第1の層(a)および/または第2の層(c)は、コーティングを含むことができ、そのコーティングは、それら層上の摩耗領域を示すことができ、それによって可撓性複合材料のユーザが複合材料の摩耗領域を特定するのを助けることができ;複合材料へのUV損傷を防ぐために紫外線(UV)耐性を提供することができ;車両または人々が可撓性複合材料の上をそれぞれ滑ることなく移動して歩くことを可能にするために摩擦係数を増加させることができ;可撓性複合材料の表面上の植物の成長を促進するための生体成長促進面、または藻類、コケまたは他の植物の成長を防止するための殺菌性成分を提供することができ;可撓性複合材料の耐火性を向上させることができ;材料を疎水性または親水性にすることができ;かつ/または可撓性複合材料の耐化学薬品性を向上させることができる。
【0130】
本発明に係る可撓性複合材料は、第2の層(c)の最外面に、水不透過層(防水層)を備えることができる。第2の層(c)の最外面上に結合された水不透過層を有する可撓性複合材料の一実施例は、全体的に符号900で図9に示されている。水不透過層17は、水を通さない任意の適切な材料から作ることができ、好ましくは、ポリマー材料であり、最も好ましくは、ポリプロピレン、ポリエステル、PVCまたはポリウレタンである。ポリマー材料は液化されて、スロット押出機を用いて可撓性複合材料上に流延されるものであってもよい。層17の水不透過性は、本明細書に記載の第2の層のための他の任意の最外層と組み合わせることができ、例えば、水不透過性層は、特有の滑り止めまたは絶縁性をさらに有するように組み合わせることができる。
【0131】
本明細書に記載の可撓性複合材料の例示的な製造の順序を以下に記載する。
【0132】
第一に、第1の層(ニードルパンチポリプロピレン不織布からなる)および第2の層(ポリプロピレン織布テープからなり、その外面が低融点層で被覆され、その内面にニードルパンチポリプロピレン不織布が結合されている)がニードル織機に投入される。例えば、最大幅10mの材料を生産できる織機である。織機は、織機ベッドとストリッパープレートとの間に固定された縦方向(MD)(すなわち、可撓性複合材料の製造方向)に延びる一連の長いチューブを有する。チューブは、チューブの両側に隙間を残すようにストリッパープレートと織機ベッドとの間に配置される。ベッドプレートとストリッパープレートは、3-100mmのギャップで隔てられている。第1の層は、織機のチューブとストリッパープレートとの間を通して引き出される。第2の層は、織機のチューブとベッドプレートとの間を通して引き出され、チューブが2つの層の間にサンドイッチを形成する。チューブは、3-25mmの外径を有し、横方向(MDから90度の横方向)に4-50mmの間隔で整列され、チューブは、非円形の断面を有することができ、かつ/または積み重ねることができる。最終的な可撓性複合材料の厚さは、ベッドプレートとストリッパープレートとの間のギャップの大きさとチューブの直径の両方に依存する。可撓性複合材料(充填後)の厚さは3-50mmである。
【0133】
第二に、ニードル織機のニードルが、チューブの間を突き刺すように整列される。ストリッパープレートおよび織機ベッドは穴またはスリットを含み、それらがニードルを受け入れて、突き刺す動作中にニードルが通過できるように整列される。このようにして繰り返し突き刺すニードルは、第1の層からチューブ間のギャップを横切って第2の層を通って繊維を押し出し、繊維の端部が第2の層の外面から0.1-30mm突き出した状態となる。このようにして形成された連結要素の縦方向の間隔は0.5-20mmである。横方向の間隔は、チューブの間隔の倍数として固定され、チューブの間隔は、均等または不規則な間隔であってもよく、それらの間には均等または不規則なギャップがあるようにしてもよい。材料がニードル織機を通って引き出されるとき、固定されたチューブ上を0.1-50m/分のライン速度でスライドする。ニードルがチューブに当たらない限り、ニードルは任意の角度で突き刺すように設定することができる。
【0134】
第三に、ニードル織機とチューブの下流端との間の位置で、ヒータ(熱風、導電性、放射性、高周波など)および加圧ローラが第2の層の外面に作用して低融点層を活性化し、第2の層の外面から突き出ている連結繊維の端部を接着する。代替的または追加的には、上記加熱方法を使用して、突出する繊維の端部を収縮または結合させて、引き抜きを防止することができる。
【0135】
第四に、保護要素(ニードルパンチポリプロピレン不織布からなる)を第2の層の外面に加えることができる。ヒータとラインの同じ位置にこれを導入して、連結繊維のタフトを接着するのと同じ低融点接着剤が保護層も接着することが好ましい。滑り止め層または流体不透過性層など、様々な例示的な可撓性複合材料に関して本明細書に記載されている他の層を、第1の層および/または第2の層に同様の方法で導入することができる。例えば、本明細書に開示されるように、水不透過層17が可撓性布地に追加される場合、それは、ニードリング後に連続膜の形態で補強要素(または保護要素)の外側で第2の層に接着されるようにしてもよい。任意選択的には、保護層を水不透過層(図11には示されていない)の外面上に事前に接着することができる。
【0136】
第五に、チューブは、ニードル織機から縦方向に0.1m-20mの距離、延びている。これらのチューブは、その上流端で圧力容器に接続されており、圧力容器は、圧縮空気で流動化された加圧された固化可能粉末を含み、粒径がチューブを通過するのに十分小さいものとなっている。この固化可能粉末はチューブに吹き飛ばされ、第1の層と第2の層との間のギャップ内に出る。固化可能粉末は、圧力容器を出るときに0.1-50バールの正の差圧下にあり、第1の層と第2の層との間のギャップに入る際に圧縮される。これらの層のうちの一方は、空気が材料から離れることを可能にするためのフィルタとして働く。前述したように非固化性の粉末の第2の層を導入するために、積み重ねられたチューブ(それらの間に分離要素が導入されたもの)を使用することができる。
【0137】
任意選択的には、充填材料が漏れるのを防ぐために、可撓性複合材料の縁部が封止される。可撓性複合材料の縁部は、充填材料の導入前または導入後に、好ましくは充填材料の導入前に封止することができる。可撓性複合材料の縁部は、弾性糸、ステッチ、超音波接合、熱接合、ニードルパンチまたは接着剤によって封止されるようにしてもよい。
【0138】
最後に、充填された可撓性複合材料が、任意選択的に、チューブの端部の後に巻き取られる。
【0139】
任意選択的には、製造中に補強メッシュを可撓性複合材料に追加する場合、ニードルの間隔と、メッシュの間隔から織機内にメッシュが導入される速度とを割り出す必要があることもある。これは、ニードルおよび/またはメッシュを損傷する可能性があるメッシュ自体にではなく、ニードルがメッシュの穴に突き刺すことを確実にするためである。
【0140】
上述した製造方法によって製造された可撓性複合材料の2つの主要層(第1の層(a)および第2の層(c))は、ニードルパンチ機(ニードル織機)を用いて主要層の一方から生じる繊維によって連結される。しかしながら、本明細書で述べたように、それらの連結繊維は、ステッチボンド機に導入された糸のように、他の場所から発生するものであってもよい。上述した製造順序は、第1の層および第2の層がニードリング装置ではなくステッチボンド装置に引き込まれることを除いて、後者のシナリオにおいて同一となるであろう。可撓性複合材料布の幅、厚さ、ライン速度、連結繊維間隔などは、そのまま変わらないであろう。主な違いは、往復ニードルは、連結繊維を作るために、有刺ニードルが一方の層から繊維を取り出すのではなく、外部リールから2つの層の間に糸を運んでそれらを連結している点にある。代替的には、静水圧下でバルク粉末にニードルを通すことによって、材料が充填されるものであってもよい。
【実施例0141】
曲げ剛性
図10および図11は、BS EN 196-1:2005に提示されている標準試験に基づいて、本発明に係る2組の可撓性複合材料AおよびBに対して実施した3点曲げ試験のプロットを示している。図10および図11は、MPa単位の曲げ強度対mm単位の中心変位を示している。プロット17は、上述した図2に示す可撓性複合材料200の一組のサンプルのものである。
【0142】
試験したサンプルは、上面からの提供繊維からなる連結要素を配置するためにニードルパンチプロセスを使用した。サンプルは、縦方向(MD)に140mmの長さ、横方向(TD)に40mmの幅を有していた。複合材料AおよびBの固化充填物の厚さは、最小点でそれぞれ12および14mmであり、最大点(隆起点)でそれぞれ13.5および15mmであった。
【0143】
三点曲げのための支持は、100mm中心にあり、ローディングバーは中央に適用された。サンプルは、長い寸法がMD内にある状態で試験され、最初の亀裂がTDに伝播した。
【0144】
複合材料Aの組成は、繊維提供体/摩耗面:17デシテックスのステープルファイバを有する340g/mのPPニードルパンチ不織布と、くさび要素:7デシテックスのステープルファイバを有する120g/mのPPニードルパンチ不織布と、補強要素:PP織布テープ、80g/m、20kN/m UTSと、保護要素:7デシテックスのステープルファイバを有する120g/mのPPニードルパンチ不織布と、1.5mm(MD)×12mm(TD)の正方形の規則的パターンに配置された連結繊維であって、32ゲージのニードルで繊維提供面をニードルパンチすることによって製造された連結繊維と、固化可能な充填物:4barの差圧で充填された高アルミナセメントとを含むものであり、サンプルを過剰の水内で固化させ、標準温度および圧力(STP)で24時間放置し、水を最初に添加してから24時間後に試験した。
【0145】
複合材料Bの組成は、繊維提供体/摩耗面:6デシテックスのステープルファイバを有する200g/mのPPニードルパンチ不織布、UTS~12kN/mと、くさび要素:6デシテックスのステープルファイバを有する200g/mのPPニードルパンチ不織布と、補強/不浸透性要素:1mmのLLDPEジオメンブレン、900g/m、15kN/m UTSと、4.5mm(MD)×12mm(TD)の正方形の規則的パターンに配置された連結繊維であって、30ゲージのニードルで繊維提供面をニードルパンチすることによって製造された連結繊維と、固化可能な充填物:3barの差圧で充填された100%CEM 1/52.5N普通ポルトランドセメントとを含むものであり、サンプルを過剰の水内で固化させ、標準温度および圧力(STP)で7日間放置し、水を最初に添加してから7日後に試験した。
【0146】
複合材料Aのサンプルは、ローディングバーの約0.5mmの中心変位でセメント中に第1の中心亀裂を生じた。サンプルの中心から約5-20mmの後続の亀裂は、約2.5,4,6,8および16mmの中心変位で現れた。織布テープ補強要素は、約23mmの中心変位でコンポーネントテープのスナッピングによりサンプルの中心で破壊し始めた。この時点以降、セメントに更なる亀裂は発生しなかった。サンプルが約30mmの中心変位(図9のスケールから外れた位置)で中心荷重を支えられなくなるまで、テープは徐々に破損した。
【0147】
複合材料Bのサンプルは、4.8MPaの曲げ強度で、ローディングバーの約0.5mmの中心変位で、セメント中に第1の中心亀裂を生じた。サンプルの中心から約5-20mmの後続の亀裂は、約2,2.8,4.5,6.5,8,9,12.3および22mの中心変位で現れた。1mmのLLDPEジオメンブレンにより補強された第2の層は、約25mmの中心変位でサンプルの中心で破壊し始めた。この時点以降、セメントに更なる亀裂は発生しなかった。ジオメンブレンは、約35mmの中心変位(図10のスケールから外れた位置)で終局破壊の前に大きな伸びを生じた。
【0148】
固化充填物の最初の亀裂の後に、最初の亀裂よりも大きい曲げ荷重で、固化充填物の漸進的な一連の亀裂が続き、最後に、本明細書に記載の固化した可撓性複合材料の破壊モードを示す第2の層の補強要素の破壊が生じる。
【0149】
図12図13および図14は、本明細書に記載の複合材料Bの3つの剥離強度試験を示している。
【0150】
図12は、固化状態にある複合材料Bの第2の層とセメント充填物との間の剥離強度を示している。データは、BS EN 13426-2:2005に記載の方法を用いて得た。
【0151】
図12に示す結果は、0-20mmの変位でサンプルに荷重をかけた初期期間と、それに続く、幅1mあたり2.5-4.3kNの荷重での180mmの伸びを示している。このような範囲の剥離強度は、層間剥離なしに図11に詳述する曲げ特性をもたらすのに十分過ぎるほどである。
【0152】
図13は、ともに第2の層を形成する1mmのLLDPEジオメンブレン(補強層と封じ込め層の両方として機能する)と200g/mのくさび層との間の剥離強度を示している。剥離強度データは、BS EN 13426-2:2005に記載の方法を用いて得た。試験は未固化の材料に対して行った。
【0153】
図13に示す結果は、0-35mmの変位でサンプルに荷重をかけた初期期間と、それに続く、幅1mあたり1.9-2.7kNの荷重での165mmの伸びを示している。このような範囲の剥離強度は、層間剥離なしに図11に詳述する曲げ特性をもたらすのに十分過ぎるほどである。
【0154】
図14は、未固化状態における複合材料Bの第1の層と第2の層との間の剥離強度を示している。剥離強度データは、BS EN 13426-2:2005に記載の方法を用いて得た。
【0155】
図14に示す結果は、0-30mmの変位でサンプルに荷重をかけた初期期間と、それに続く、幅1mあたり0.42-0.65kNの荷重での170mmの伸びを示している。この剥離強度は、連結繊維の引張強度を示すとともに、それらが第1の層および第2の層に如何に良好に付着しているのかを示している。このような範囲の剥離強度は、操作中および設置中の未固化状態における第1の層および第2の層の層間剥離を防止するのに十分過ぎるほどであり、そのような範囲は、可撓性複合材料の製造において粉末状充填物の加圧送出中に粉末状充填物を封じ込めるのにも十分であることが分かっている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-09-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体に硬化可能な可撓性複合材料であって、
第1の層と、
第1の層と反対側の第2の層であって、空間により第1の層から分離された第2の層と、
第1の層と第2の層との間の空間に配置された充填材料であって、液体、気体または放射線を加えたときに固体に硬化することができる充填材料と、
第1の層および/または第2の層から前記空間内に延び、かつ第1の層および/または第2の層に連結された複数の要素であって、第1の層および/または第2の層を通り抜けることができるとともに、互いに連結することができ、それにより、第1および第2の層を互いに結合する連結要素を形成する複数の要素とを備え、
未硬化の第1の充填材料が、1または複数の前記連結要素に張力を加えるような圧力で、前記空間内に設けられており、
前記第1の層と第2の層との間の空間に位置する第2の充填材料をさらに含み、前記第2の充填材料が、前記第1の層と第2の層との間の空間に位置する分離層によって、前記第1の充填材料から隔離されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項2】
請求項1に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層が不織布であり、
前記不織布が、ニードルパンチ、接着剤、加熱、水流交絡、ステッチボンドまたは超音波溶接によって結合された繊維を含み、
前記不織布がポリプロピレン繊維を含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項3】
請求項1または2に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層が、気体および液体に対しては透過性であるが、前記充填材料に対してほぼ不透過性であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層が補強層をさらに含み、前記補強層が、前記第1の層および/または第2の層の引張強度を向上させるか、かつ/または剛性を増大させるように構成された、織布、不織布、連続膜または編布を含み、
前記補強層がポリエステルまたはポリプロピレンを含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層の終局引張強度は、下式:
によって表すことができ、ここで、
σfが、硬化時の充填材料の極限引張応力(N/m )であり、
tfが、硬化した充填材料の平均厚さ(m)であり、
Trが、幅1メートルあたりの、引張荷重を受ける層の引張強度(N/m)であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項6】
請求項4または5に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層が、幅1メートル当たり0.5-200kN/mの引張強度を有することを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層が、その最も内側の表面に凹凸のある表面を有するくさび布地を含み、前記凹凸のある表面は、前記空間内の充填材料に接して硬化時に前記充填材料が付着するように構成され、
前記くさび布地がポリプロピレン繊維を含み、
前記充填材料の硬化後に、前記充填材料に接する前記くさび布地が、前記くさび布地と前記充填材料との間に0.5-10kN/mの剥離抵抗を有する結合を提供するように構成されることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項8】
請求項4乃至6の何れか一項を引用する請求項7に記載の可撓性複合材料において、
前記くさび布地が前記補強層に結合されており、前記くさび布地と前記補強層との間の結合の剥離抵抗が0.5-10kN/mであることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が、前記第1の層と第2の層との間に延びることによって両層を接合し、
前記連結要素が、前記可撓性複合材料の縦軸および/または横軸に沿って規則的または不規則な間隔を空けて配置されており、
連結要素が複数のサブ要素を含み、複数の前記サブ要素が、別々の縦列で前記空間を横切って層の一方または両方を通って延び、引張荷重を支えることができ、
前記連結要素の間の間隔は、0.1-100mmの長さであり、
前記連結要素は、前記第1の層および前記第2の層の間の中間の面に対して垂直に延びており、
前記連結要素が、ニードルパンチ、ステッチボンド、水流交絡、および予め形成されたフックとの係合のうちの1または複数によって、前記空間内に形成されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層から前記空間を横切って延びる前記連結要素が、反対側の層を貫通し、それにより層を互いに結合し、
前記第1の層および/または第2の層を貫通する前記連結要素が、それが貫通する層の最も外側に固定されるように構成され、
前記連結要素が、機械的絡み合い、接着剤、加熱による融着によるポリマー層への結合のうちの1または複数によって固定されるものであることを特徴とする可撓性複合材料
【請求項11】
請求項10に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素は、貫通する前記第1の層および/または前記第2の層の最も外側の層に、当該最も外側の層に熱ラミネートされたポリマー層と接着することによって固定され、ポリマーが前記第1の層および/または前記第2の層を貫通する前記連結要素の周りで溶融して、前記連結要素を所定の位置に固定していることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
未硬化の可撓性複合材料の第1の層と第2の層との間の剥離抵抗が、0.1kN/m-20kN/mであることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項13】
請求項9乃至12の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記連結要素が前記第1の層および/または第2の層を貫通してから、前記第1の層および/または第2の層を貫通した前記連結要素の領域が、前記第1の層および/または第2の層とほぼ平行な方向に向きを変えることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項14】
請求項9乃至13の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層から前記空間を横切って延び始める連結要素が、反対側の層を貫通してから前記空間内に戻るように延びており、
前記空間内に戻るように延びる前記連結要素は、前記空間内に位置する他の要素と結合するように構成され、
前記空間内に戻るように延びる連結要素は、当該連結要素が延び始める層と結合するように構成されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の充填材料が、粉末、ペーストおよび発泡性組成物のうちの1以上から選択されることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第2の充填材料が、粉末、ペーストおよび発泡性組成物のうちの1以上から選択されることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項17】
請求項16に記載の可撓性複合材料において、
前記第2の充填材料が、粉末およびペーストのうちの一方または両方から選択され、ベントナイト粘土または超吸収性ポリマーを含むことを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項18】
請求項4または請求項4を引用する請求項5乃至17の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
当該可撓性複合材料の層が接着剤で互いに結合され、
前記接着剤は、ポリプロピレンコポリマーを含んで、前記補強層に接着されているか、前記補強層の一部を形成しており、
前記接着剤は、前記第1の層および/または第2の層の引張強度と同様の層間の剪断強度を提供することを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
前記第1の層および/または第2の層中の1または複数の材料が、水溶性、生分解性、紫外線分解性、親水性または疎水性であることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項20】
請求項1乃至19の何れか一項に記載の可撓性複合材料は、延性層をさらに含み、
前記延性層は、前記充填材料が硬化する前に、未硬化の前記可撓性複合材料を三次元形状に曲げて当該三次元形状を維持できるものであることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項21】
請求項1乃至20の何れか一項に記載の可撓性複合材料において、
連結要素の1または複数に張力が加えられ、かつ張力下にある隣接する連結要素の間で第1の層および/または第2の層を外向きに膨らませるような圧力で、未硬化の前記充填材料が前記空間内に設けられていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項22】
請求項21に記載の可撓性複合材料において、
引張下にある隣接する連結要素の間で外向きに膨らんだ第1の層が、前記可撓性複合材料の機械的特性を向上させるように構成された少なくとも1つのコーティングを含むさらなる層と結合されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項23】
請求項21または22に記載の可撓性複合材料において、
引張下にある隣接する連結要素の間で外向きに膨らんだ第2の層が、前記可撓性複合材料の機械的特性を向上させるように構成された少なくとも1つのコーティングを含むさらなる層と結合されていることを特徴とする可撓性複合材料。
【請求項24】
請求項22または23に記載の可撓性複合材料において、
少なくとも1つの前記コーティングが、以下の特徴であって:前記層の摩耗領域を示すことにより、可撓性複合材料のユーザが可撓性複合材料の摩耗領域を特定するのを助けることができる;可撓性複合材料へのUV損傷を防ぐために紫外線(UV)耐性を提供することができる;車両または人々が可撓性複合材料の上をそれぞれ滑ることなく移動して歩くことを可能にするために摩擦係数を増加させることができる;可撓性複合材料の表面上の植物の成長を促進するための生体成長促進面、または藻類、コケもしくは他の植物の成長を防止するための殺菌性成分を提供することができる;可撓性複合材料の耐火性を向上させることができる;材料を疎水性または親水性にすることができる;および、可撓性複合材料の耐化学薬品性を向上させることができる;という特徴のうちの少なくとも1つの特徴を有することを特徴とする可撓性複合材料。
【外国語明細書】