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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017049
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20240201BHJP
【FI】
G06F16/9035
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119425
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 崇希
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175HA01
5B175HA02
(57)【要約】
【課題】コミュニケーションツールのチャネルに注目データを特定する情報が投稿された際に、注目データに関係のあるユーザのみに対して通知を行う。
【解決手段】データ管理サーバ14のメモリ22には、注目データを登録したユーザ(登録者)が記憶されたデータ管理DB24、及び、注目データに対して過去に操作を行ったユーザを示す操作履歴DB26が記憶される。通知先特定部52は、注目チャネルにおいて注目ユーザによって注目データが指定されると、データ管理DB24又は操作履歴DB26の少なくとも一方に基づいて、注目データに関係のあるユーザを通知対象ユーザとして特定する。通知処理部54は、注目データを特定する情報が注目チャネルに投稿された後に、特定された通知対象ユーザに対して通知を行う。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数のユーザが通信回線を介して情報を投稿できる場であるチャネルに対して注目データを特定する情報が投稿された場合、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報が入力された場合に、前記注目データに対して過去に操作を行ったユーザを示す操作履歴、又は、前記注目データの属性として登録されたユーザを示す属性情報の少なくとも一方を含むデータ関連情報に基づいて通知対象ユーザを特定し、
前記注目データを特定する情報が投稿された後に、前記通知対象ユーザに対して通知を行う、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記チャネルに投稿された、前記注目データを特定する情報を閲覧可能な複数のユーザの中から前記通知対象ユーザを特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知対象ユーザは、前記操作履歴の蓄積に従って動的に変動する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記注目データを特定する情報を前記チャネルに投稿した、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報を前記情報処理装置に入力した注目ユーザから、前記通知対象ユーザの特定条件であって前記データ関連情報に関する特定条件を受け付け、
前記特定条件を満たすユーザを前記通知対象ユーザとして特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記特定条件を満たすユーザがいない場合に、前記注目ユーザに通知を行う、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記注目データを特定する情報を前記チャネルに投稿した、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報を前記情報処理装置に入力した注目ユーザに、特定した前記通知対象ユーザを通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
複数のユーザが通信回線を介して情報を投稿できる場であるチャネルに対して注目データを特定する情報が投稿された場合、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報が入力された場合に、前記注目データに対して過去に操作を行ったユーザを示す操作履歴、又は、前記注目データの属性として登録されたユーザを示す属性情報の少なくとも一方を含むデータ関連情報に基づいて通知対象ユーザを特定し、
前記注目データを特定する情報が投稿された後に、前記通知対象ユーザに対して通知を行わせる、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データに対して操作が行われた場合に、当該データに関係するユーザに通知を行う技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電子文書に関する操作の履歴として、操作種別、操作者、及び操作日時を記録しておき、当該電子文書に対して何らかの操作が行われた場合に、当該電子文書を登録したユーザ、又は、当該電子文書に対して所定期間内に操作を行ったユーザに通知を行う情報処理装置が開示されている。また、特許文献2には、特定のフォルダに対して電子文書が新規登録された場合、又は、当該フォルダに格納された電子文書が更新された場合に、当該電子文書の重要性、又は当該電子文書の登録者の重要性に基づいて、ユーザへ通知を行う情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5716400号公報
【特許文献2】特許第6852373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、複数のユーザが通信回線を介してコミュニケーションを取ることができるソフトウェアであるコミュニケーションツールが提供されている。このようなコミュニケーションツールでは、複数のユーザが通信回線を介して情報(例えばメッセージなど)を投稿できる場であるチャネルが用意され、チャネルに参加している(予め登録されている)複数のユーザが当該チャネルに情報を投稿することができるようになっている。チャネルには、データを特定する情報(例えば当該データの格納場所へのリンクや当該データそのもの)も投稿することができ、これにより、ユーザは、チャネルに参加している他のユーザに当該データを渡すことができる。
【0006】
従来、コミュニケーションツールには、通知機能が設けられている。このような通知機能は、メンション機能と呼ばれる場合もある。ユーザは、通知対象ユーザを選択した上で情報をチャネルに投稿することで、通知対象ユーザに対して、チャネルに情報を投稿したことを通知することができる。
【0007】
ここで、あるユーザが、注目データを特定する情報をチャネルに投稿し、当該情報が投稿されたことを他のユーザに通知する場合を考える。この場合、当該ユーザとしては、注目データに関係のあるユーザのみに対して通知を行うのが望ましい。当該チャネルに参加している全ユーザの中には、注目データに関係のないユーザが含まれている場合があり、関係のないユーザに通知を行うのは適切ではない場合がある。また、通知対象ユーザを個別に選択する場合、注目データを特定する情報を投稿したユーザが、注目データに関係のあるユーザが誰だか分からない場合もあるし、分かっていたとしても通知対象ユーザを個別に指定する処理が煩雑となる場合がある。
【0008】
本発明の目的は、コミュニケーションツールのチャネルに注目データを特定する情報が投稿された際に、注目データに関係のあるユーザのみに対して通知を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、複数のユーザが通信回線を介して情報を投稿できる場であるチャネルに対して注目データを特定する情報が投稿された場合、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報が入力された場合に、前記注目データに対して過去に操作を行ったユーザを示す操作履歴、又は、前記注目データの属性として登録されたユーザを示す属性情報の少なくとも一方を含むデータ関連情報に基づいて通知対象ユーザを特定し、前記注目データを特定する情報が投稿された後に、前記通知対象ユーザに対して通知を行う、ことを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に係る発明は、前記プロセッサは、前記チャネルに投稿された、前記注目データを特定する情報を閲覧可能な複数のユーザの中から前記通知対象ユーザを特定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に係る発明は、前記通知対象ユーザは、前記操作履歴の蓄積に従って動的に変動する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置である。
請求項4に係る発明は、前記プロセッサは、前記注目データを特定する情報を前記チャネルに投稿した、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報を前記情報処理装置に入力した注目ユーザから、前記通知対象ユーザの特定条件であって前記データ関連情報に関する特定条件を受け付け、前記特定条件を満たすユーザを前記通知対象ユーザとして特定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項5に係る発明は、前記プロセッサは、前記特定条件を満たすユーザがいない場合に、前記注目ユーザに通知を行う、ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項6に係る発明は、前記プロセッサは、前記注目データを特定する情報を前記チャネルに投稿した、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報を前記情報処理装置に入力した注目ユーザに、特定した前記通知対象ユーザを通知する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項7に係る発明は、コンピュータに、複数のユーザが通信回線を介して情報を投稿できる場であるチャネルに対して注目データを特定する情報が投稿された場合、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報が入力された場合に、前記注目データに対して過去に操作を行ったユーザを示す操作履歴、又は、前記注目データの属性として登録されたユーザを示す属性情報の少なくとも一方を含むデータ関連情報に基づいて通知対象ユーザを特定し、前記注目データを特定する情報が投稿された後に、前記通知対象ユーザに対して通知を行わせる、ことを特徴とする情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、3、又は7に係る発明によれば、コミュニケーションツールのチャネルに注目データを特定する情報が投稿された際に、注目データに関係のあるユーザのみに対して通知を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、当該チャネルに投稿された、注目データを特定する情報を閲覧可能なユーザ以外のユーザに通知を行うことを防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、注目ユーザは、特定条件にて通知対象ユーザを指定することができる。
請求項5に係る発明によれば、注目ユーザは、特定条件を満たすユーザがいないことを把握することができる。
請求項6に係る発明によれば、注目ユーザは、特定された通知対象ユーザが誰であるのかを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成概略図である。
図2】データ管理サーバの構成概略図である。
図3】データ管理DBの内容の例を示す概念図である。
図4】操作履歴DBの内容の例を示す概念図である。
図5】コミュニケーションツール提供サーバの構成概略図である。
図6】コミュニケーションツールの画面の例を示す図である。
図7】チャネルDBの内容の例を示す概念図である。
図8】メッセージDBの内容の例を示す概念図である。
図9】通知指示付きメッセージの作成例を示す第1の図である。
図10】通知指示付きメッセージの作成例を示す第2の図である。
図11】通知対象ユーザがいないことの通知例を示す第1の図である。
図12】通知対象ユーザの通知例を示す第1の図である。
図13】各特定条件に該当するユーザ数の通知例を示す第1の図である。
図14】通知対象ユーザの通知例を示す第2の図である。
図15】通知指示付きメッセージにデータへのリンクを含める場合の入力例を示す図である。
図16】通知対象ユーザがいないことの通知例を示す第2の図である。
図17】通知対象ユーザの通知例を示す第3の図である。
図18】各特定条件に該当するユーザ数の通知例を示す第2の図である。
図19】本実施形態に係るコミュニケーションツール提供サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成概略図である。情報処理システム10は、複数のユーザ端末12、データ管理サーバ14、及び、情報処理装置としてのコミュニケーションツール提供サーバ16を含んで構成される。複数のユーザ端末12、データ管理サーバ14、及びコミュニケーションツール提供サーバ16は、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などの通信回線18を介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
ユーザ端末12は、ユーザ(データ管理サーバ14が提供するデータ管理サービス、及び、コミュニケーションツール提供サーバ16が提供するコミュニケーションツールのユーザ)が利用する装置である。ユーザ端末12は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどのコンピュータであるが、これらに限られるものではない。ユーザ端末12は、通信回線18を介してデータ管理サーバ14及びコミュニケーションツール提供サーバ16と通信するための通信インターフェース、ユーザの命令を受け付けるための入力インターフェース、コミュニケーションツールの画面などを表示するディスプレイ、データを記憶するためのメモリ、各処理を実行するプロセッサなどを含んで構成される。
【0014】
図2は、データ管理サーバ14の構成概略図である。データ管理サーバ14は、例えばサーバコンピュータなどによって構成される。データ管理サーバ14は、1つのコンピュータによって構成されてもよいし、複数のコンピュータの協働によって構成されてもよい。
【0015】
データ管理サーバ14は、ユーザ登録済みのユーザに対してデータ管理サービスを提供する。データ管理サービスとは、ユーザから受け付けたデータ(電子データ)をデータベースに記憶することで管理し、ユーザからの要求に応じて管理しているデータを当該ユーザに提供する処理などを実行するサービスである。なお、データとは、代表的には電子文書であるが、データは電子文書に限られず、例えば画像データや音楽データあるいはプログラムデータなどであってもよい。
【0016】
通信インターフェース20は、NIC(Network Interface Card)などから構成される。通信インターフェース20は、通信回線18を介して、ユーザ端末12又はコミュニケーションツール提供サーバ16と通信する機能を発揮する。
【0017】
メモリ22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi Media Card)、ROM(Read Only Memory)あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。図2に示すように、メモリ22には、データ管理DB(Data Base)24、及び、操作履歴DB26が記憶される。また、図2において不図示であるが、メモリ22には、登録済のユーザを一意に識別するユーザID、当該ユーザのユーザ名、認証情報(例えばパスワード)などが関連付けられたユーザDBが記憶される。
【0018】
データ管理DB24は、ユーザからアップロードされたデータ、及び、当該データの属性情報が記憶されるデータベースである。図3は、データ管理DB24の内容の例を示す図である。データ管理DB24には、データそのものの他、データの属性情報として、データを一意に識別するデータID、当該データがデータ管理サービスに登録された日時である登録日時、当該データをデータ管理サービスに登録したユーザ(登録者)のユーザID、及び、当該データの格納場所を示すURL(Uniform Resource Locator)が互いに関連付けられて記憶される。後述のプロセッサ28は、データ管理サービスにログインしたユーザからデータを受け付けると、当該データ及び当該データの属性情報をデータ管理DB24に登録する。
【0019】
操作履歴DB26は、データ管理サービスに登録されたデータに対するユーザの操作履歴を示す履歴情報が記憶されるデータベースである。図4は、操作履歴DB26の内容の例を示す図である。操作履歴DB26には、履歴情報として、ユーザにより行われた操作を一意に識別する操作ID、当該操作の対象となったデータである対象データのデータID、当該操作の操作種別(例えば登録、閲覧(ダウンロード)、更新など)、当該操作を行ったユーザ(操作者)のユーザID、及び、当該操作を行った日時である操作日時が互いに関連付けられて記憶されている。後述のプロセッサ28は、データ管理サービスに登録されているデータ(又はこれから登録されるデータ)に対してユーザが操作を行うと、当該操作履歴を示す履歴情報を操作履歴DB26に登録する。
【0020】
プロセッサ28は、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)など)、及び、専用の処理装置(例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ28としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。プロセッサ28は、データ管理サーバ14の各部を制御する。
【0021】
図5は、コミュニケーションツール提供サーバ16の構成概略図である。コミュニケーションツール提供サーバ16も、データ管理サーバ14同様、例えばサーバコンピュータなどによって構成される。コミュニケーションツール提供サーバ16は、1つのコンピュータによって構成されてもよいし、複数のコンピュータの協働によって構成されてもよい。また、コミュニケーションツール提供サーバ16は、上述のデータ管理サーバ14と一体となっていてもよい。すなわち、コミュニケーションツール提供サーバ16がデータ管理サーバ14が有する機能を発揮し、コミュニケーションツール提供サーバ16がデータ管理サービスをユーザに提供してもよい。
【0022】
コミュニケーションツール提供サーバ16は、ユーザ登録済みのユーザに対してコミュニケーションツールを提供する。コミュニケーションツールとは、複数のユーザが通信回線18を介して情報を投稿できる「場」を複数のユーザに提供するものである。本明細書では、このような「場」をチャネルと呼ぶ。コミュニケーションツールのユーザは、チャネルを作成することができる。チャネルを作成したユーザは、当該チャネルに参加する他のユーザを登録することができる。当該チャネルに参加したユーザは、さらにその他のユーザを当該チャネルに登録可能であってよい。このようにして、ユーザによって作成されたチャネルには複数のユーザが参加する。
【0023】
図6は、ユーザ端末12のディスプレイに表示された、コミュニケーションツールから提供される画面の例を示す図である。コミュニケーションツールのユーザ(ここでは「Aさん」とする)がユーザ端末12を利用してコミュニケーションツールにアクセスし、自らが参加するチャネル(ここでは「開発グループA」というチャネル)を選択すると、Aさんのユーザ端末12のディスプレイに図6に示すような画面(以後「チャネル画面」と呼ぶ)が表示される。チャネル画面においては、当該チャネルに参加しているユーザ(ここではAさん、Bさん、Cさんを含む)が当該チャネルに投稿した、情報としてのメッセージ60が表示される。当該チャネルには、当該チャネルに参加しているユーザのみアクセス可能となっているため、当該チャネルに参加していないユーザは、当該チャネルに投稿済みのメッセージ60を見ることができない。
【0024】
チャネル画面は、ユーザ(ここではAさん)が当該チャネルに投稿するメッセージ60の内容を入力する入力欄62を含んでいる。ユーザが入力欄62に何らかの内容を入力して、送信ボタン64を操作すると、入力欄62に入力された内容のメッセージ60が当該チャネルに投稿される。これにより、当該チャネルに参加しているユーザは、投稿されたメッセージ60を閲覧することができるようになる。
【0025】
各ユーザは、データ、特にデータ管理サーバ14で管理されているデータを特定する情報をメッセージ60としてチャネルに投稿することができる。例えば、データ管理サーバ14で管理されているデータが格納されているURL(図3参照)、あるいは、データ管理サーバ14で管理されているデータそのものをメッセージ60として投稿することができる。これにより、ユーザは、当該チャネルに参加している他のユーザに当該データを渡すことができる。
【0026】
なお、ユーザがチャネルにメッセージ60を投稿しても、後述の通知指示付きメッセージが投稿された場合を除き、当該チャネルに参加しているユーザには、当該メッセージ60が投稿されたことは通知されない。基本的には、当該チャネルに参加しているユーザは、自発的に当該チャネルにアクセスすることにより、当該チャネルに投稿されたメッセージ60を確認(閲覧)する。
【0027】
図5に戻り、通信インターフェース40は、NICなどから構成される。通信インターフェース40は、通信回線18を介して、ユーザ端末12又はデータ管理サーバ14と通信する機能を発揮する。
【0028】
メモリ42は、HDD、SSD、eMMC、ROMあるいはRAMなどを含んで構成される。メモリ42には、コミュニケーションツール提供サーバ16の各部を動作させるための情報処理プログラムが記憶される。なお、情報処理プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体に格納することもできる。コミュニケーションツール提供サーバ16は、そのような記憶媒体から情報処理プログラムを読み取って実行することができる。
【0029】
また、図5において不図示であるが、メモリ42には、コミュニケーションツールのユーザとして登録済のユーザを一意に識別するユーザID、当該ユーザのユーザ名、認証情報(例えばパスワード)などが関連付けられたユーザDBが記憶される。なお、本実施形態では、データ管理サービスとコミュニケーションツールとの間で、ユーザ情報(ユーザID、ユーザ名、認証情報など)が共有されている。データ管理サービスとコミュニケーションツールとの間でユーザ情報が共有されていない場合には、データ管理サービスのユーザ情報と、コミュニケーションツールのユーザ情報との間の対応を示すユーザマッピング情報が予め用意され、コミュニケーションツール提供サーバ16がアクセス可能なメモリ(例えばメモリ42)に記憶される。
【0030】
さらに、図5に示すように、メモリ42には、チャネルDB44及びメッセージDB46が記憶される。
【0031】
チャネルDB44は、コミュニケーションツールにおいてユーザが作成したチャネルと、当該チャネルに参加しているユーザが記憶されるデータベースである。図7は、チャネルDB44の内容の例を示す図である。チャネルDB44には、チャネルを一意に識別するチャネルIDと、当該チャネルに参加しているユーザ(参加者)のユーザIDとが互いに関連付けられて記憶される。後述のプロセッサ48(特にメッセージ処理部50)は、コミュニケーションツールにおいてチャネルが作成された場合、あるいは、作成済みのチャネルに新たなユーザが登録された場合に、チャネルID又はユーザIDをチャネルDB44に登録する。
【0032】
メッセージDB46は、コミュニケーションツールにおいてユーザが作成したチャネルに対して投稿されたメッセージ、及び、当該メッセージに関する属性情報が記憶されるデータベースである。図8は、メッセージDB46の内容の例を示す図である。メッセージDB46には、メッセージの他、当該メッセージの属性情報として、メッセージを一意に識別するメッセージID、当該メッセージが投稿されたチャネルを一意に識別するチャネルID、当該メッセージを投稿したユーザ(投稿者)のユーザID、当該メッセージが投稿された日時である投稿日時が互いに関連付けられて記憶される。なお、通知対象データ及び通知対象ユーザについては後述する。プロセッサ48(特にメッセージ処理部50)は、コミュニケーションツールにログインしたユーザからメッセージの投稿を受け付けると、当該メッセージ及び当該メッセージの属性情報をメッセージDB46に登録する。
【0033】
図5に戻り、プロセッサ48は、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPUなど)、及び、専用の処理装置(例えばGPU、ASIC、FPGA、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ48としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。図5に示す通り、プロセッサ48は、メモリ42に記憶された情報処理プログラムによって、メッセージ処理部50、通知先特定部52、及び、通知処理部54としての機能を発揮する。
【0034】
メッセージ処理部50は、コミュニケーションツールに関する基本的な処理を実行する。具体的には、メッセージ処理部50は、コミュニケーションツールにログインしたユーザからの指示に応じてチャネルを作成する処理、チャネルに参加するユーザを登録する処理、コミュニケーションツールに関する画面(図6参照)をユーザ端末12のディスプレイに表示させる処理、ユーザ端末12からの指示に応じてチャネルにメッセージを投稿する処理を実行する。
【0035】
上述の通り、コミュニケーションツールにおいて、通常、ユーザがチャネルにメッセージを投稿しても、当該チャネルに参加しているユーザには通知が行われない。しかしながら、本実施形態に係るコミュニケーションツールにおいては、ユーザは、通知指示付きメッセージをチャネルに投稿することができるようになっている。通知指示付きメッセージがチャネルに投稿された場合、プロセッサ48は、当該チャネルに参加しているユーザに当該通知指示付きメッセージが投稿されたことを通知する。
【0036】
本実施形態では、プロセッサ48は、通知指示付きのメッセージがチャネルに投稿された場合に、当該チャネルに参加しているユーザの全員ではなく、その一部に対してのみ通知をすることが可能となっている。特に、プロセッサ48は、データ管理サーバ14で管理されているデータを特定する情報(本実施形態ではメッセージ)がチャネルに投稿された場合に、当該チャネルに参加しているユーザのうち、当該データに関係のあるユーザのみに通知を行うことができる。このような機能は、通知先特定部52及び通知処理部54により実現される。以下、通知先特定部52及び通知処理部54の詳細を説明する。
【0037】
通知先特定部52は、データ管理サーバ14で管理されているデータを特定する通知指示付きメッセージが投稿された場合における通知先のユーザである通知対象ユーザを特定する。上述のように、通知先特定部52が特定する通知対象ユーザは、通知指示付きメッセージで特定されているデータに関係のあるユーザである。
【0038】
詳しくは、通知先特定部52は、データ管理サーバ14で管理されているデータを特定するメッセージ(本明細書では、特定されたデータを「注目データ」と呼ぶ)がチャネルに投稿された場合、又は、チャネルへの投稿のために注目データを特定するメッセージが入力欄62(図6参照)に入力された場合に、当該注目データに関係のあるユーザを通知対象ユーザを特定する。本明細書では、注目データが投稿された、又は、注目データが投稿されようとしているチャネル(注目データを特定する情報が入力された入力欄62に対応するチャネル)を注目チャネルと呼ぶ。ここで、注目データを特定するメッセージとは、例えば、注目データの格納場所を示すURLを含むメッセージ、あるいは、注目データそのものが添付されたメッセージなどである。
【0039】
通知先特定部52は、当該注目データに関係のあるユーザを、データ管理サーバ14のメモリ22に記憶されているデータ管理DB24、又は、操作履歴DB26の少なくとも一方に記憶されている情報であるデータ関連情報に基づいて特定する。
【0040】
具体的には、通知先特定部52は、注目データのURL又はデータIDをデータ管理サーバ14に送る。データ管理サーバ14のプロセッサ28は、受信した注目データのURL又はデータIDをキーとしてデータ管理DB24(図3参照)を検索し、受信した注目データのURL又はデータIDに関連付けられた(つまり注目データの属性として登録された)ユーザ(本実施形態では登録者)のユーザIDを特定する。プロセッサ28は、特定したユーザIDをコミュニケーションツール提供サーバ16に送信する。これにより、通知先特定部52は、注目データの登録者を通知対象ユーザとして特定することができる。
【0041】
また、データ管理サーバ14のプロセッサ28は、受信した注目データのURLとデータ管理DB24に基づいて注目データのデータIDを特定し、特定したデータID(データIDを受信した場合は受信したデータID)をキーとして操作履歴DB26(図4参照)を検索し、注目データのデータIDに関連付けられたユーザ(操作者、つまり注目データに対して過去に操作を行ったユーザ)のユーザIDを特定する。プロセッサ28は、特定したユーザIDをコミュニケーションツール提供サーバ16に送信する。これにより、通知先特定部52は、注目データに対して過去に操作を行ったユーザを通知対象ユーザとして特定することができる。
【0042】
また、通知先特定部52は、注目データに対する特定の操作種別の操作を行ったユーザを通知対象ユーザとするようにしてもよい。例えば、注目データに対して更新操作を行ったユーザのみを通知対象ユーザとする場合、通知先特定部52は、注目データのURL又はデータIDと共に、通知対象ユーザの特定条件(更新操作)を示す情報をデータ管理サーバ14に送る。データ管理サーバ14のプロセッサ28は、注目データのデータIDをキーとして操作履歴DB26を検索し、注目データのデータIDに関連付けられたユーザであって、操作種別「データ更新」の操作を行ったユーザのユーザIDを特定する。プロセッサ28は、特定したユーザIDをコミュニケーションツール提供サーバ16に送信する。これにより、通知先特定部52は、注目データに対して過去にデータ更新を行ったユーザを通知対象ユーザとして特定することができる。同様にして、通知先特定部52は、過去に注目データを閲覧したユーザ(注目データを「ダウンロード」したユーザ)を通知対象ユーザとして特定することができる。
【0043】
操作履歴DB26の内容は、各ユーザがデータに対する操作を行う度に蓄積されていく。つまり、操作履歴DB26の内容は動的に変化していく。したがって、通知先特定部52が操作履歴DB26に基づいて通知対象ユーザを特定する場合、通知対象ユーザも操作履歴DBへの操作履歴の蓄積に従って動的に変化することになる。
【0044】
本実施形態では、通知先特定部52は、注目チャネルに参加している複数のユーザ(つまり、注目チャネルに投稿された情報を閲覧可能なユーザ)の中から通知対象ユーザを特定する。具体的には、通知先特定部52は、チャネルDB44(図7参照)に基づいて、データ管理サーバ14から受信した複数のユーザIDのうち、注目チャネルのチャネルIDに関連付けられているユーザIDが示すユーザのみを通知対象ユーザとし、注目チャネルのチャネルIDに関連付けられていないユーザIDが示すユーザを通知対象ユーザから除外する。
【0045】
また、通知先特定部52は、注目チャネルに参加している複数のユーザのうち、注目データに対する特定の操作種別の操作を行っていないユーザを通知対象ユーザとするようにしてもよい。例えば、注目チャネルに参加している複数のユーザのうち、注目データを閲覧していないユーザを通知対象ユーザとすることもできる。この場合、通知先特定部52は、過去に注目データを閲覧したユーザのユーザIDをデータ管理サーバ14から受信し、チャネルDB44において注目チャネルに関連付けられている複数のユーザIDのうち、受信したユーザID以外のユーザIDが示すユーザを通知対象ユーザとする。
【0046】
注目データを特定するメッセージを注目チャネルに投稿した、又は、注目チャネルへの投稿のために、注目チャネルに対応する入力欄62に注目データを特定する情報を入力したユーザ(本明細書では「注目ユーザ」と呼ぶ)が、通知対象ユーザを特定するための特定条件を指定できるようになっているとよい。ここで、特定条件とは、データ関連情報(上述のように、データ管理DB24又は操作履歴DB26の少なくとも一方に記憶されている情報)に関する条件である。通知先特定部52は、注目ユーザから受け付けた特定条件を満たすユーザを通知対象ユーザとして特定する。
【0047】
例えば、注目ユーザは、特定条件として、注目データのデータ管理サーバ14への登録者を指定することができる。この場合、通知先特定部52は、注目ユーザからの指示に応じて、注目データのデータ管理サーバ14への登録者を通知先ユーザとして特定する。この他、注目ユーザは、特定条件として、例えば、注目データを更新したユーザ、注目データの閲覧者、あるいは、注目チャネルに参加しているユーザのうちの注目データの未閲覧者などの条件を指定することができる。
【0048】
通知処理部54は、注目データ特定するメッセージが注目チャネルに投稿された後に、通知先特定部52が特定した通知対象ユーザに対して通知を行う。通知の方法としてはどのような方法であってもよいが、例えば、通知処理部54は、通知対象ユーザが利用するユーザ端末12のディスプレイに通知のためのメッセージ又はアイコンなどを表示させる。
【0049】
以下、図9図16に示された、コミュニケーションツールの画面を参照しながら、メッセージ処理部50、通知先特定部52、及び通知処理部54の処理の具体例を説明する。
【0050】
図9図16は、注目ユーザが利用するユーザ端末12のディスプレイに表示された、コミュニケーションツールの画面(特に注目チャネルが表示された画面)が示されている。以下の例では、注目ユーザは「Aさん」であるとする。
【0051】
図9は、注目データを特定するメッセージ60a、具体的には、注目データの格納場所を示すURL(https://xxx.com/Contents/C_0000)を含むメッセージ60aが、Aさんによって既に注目チャネルに投稿されている状態を示す図である。メッセージ60aは通知指示付きメッセージではないため、メッセージ60aが注目チャネルに投稿されても、注目チャネルの参加者には通知が行われない。
【0052】
そこで、注目ユーザは、注目データのリンクが投稿されたことを注目チャネルのユーザに通知すべく、入力欄62において注目データを指定する。例えば、図9に示すように、注目ユーザは、メッセージ60aをカーソルで入力欄62にドラッグすることで、メッセージ60aに含まれるURLが示す注目データを指定することができる。
【0053】
注目ユーザによって注目データが指定されると、通知先特定部52は、注目データのURL(メッセージ60aに注目データが直接添付されている場合は注目データのデータID)をデータ管理サーバ14へ送信する。データ管理サーバ14のプロセッサ28は、データ管理DB24を参照して、注目データのデータ名をコミュニケーションツール提供サーバ16へ送信する。メッセージ処理部50は、受信したデータ名(図9の例では「XX設計資料」)を入力欄62に表示させる。なお、データ名の前に付されている「@」は、入力欄62に入力されているメッセージが通知指示付きメッセージであることを示すものである。
【0054】
なお、注目ユーザが指定した注目データがデータ管理サーバ14のデータ管理DB24に記憶されていない場合がある。例えば、注目ユーザが注目データのURLを間違えて投稿した、あるいは、注目ユーザが意図している注目データが既にデータ管理DB24から削除されている場合などである。又は、注目ユーザが注目データへのアクセス権を有していない(失っている)場合もあり得る。その場合は、通知処理部54は、その旨を注目ユーザに通知する。
【0055】
本実施形態では、注目ユーザが通知対象ユーザを特定するための特定条件を入力することが可能となっている。通知先特定部52は、入力欄62に、注目ユーザが選択可能な複数の特定条件を示す特定条件ダイアログ72を表示させる。なお、注目ユーザが選択可能な複数の特定条件は、予め設定されていてよい。例えば、通知先特定部52は、入力欄62に表示された注目データのデータ名を注目ユーザがカーソルで指し示した(又はクリックした)場合に、特定条件ダイアログ72を表示させる。図9の例では、特定条件として「登録者(注目データをデータ管理サーバ14へ登録したユーザ)」、「更新者(注目データを更新したユーザ)」、「閲覧者(注目データを閲覧したユーザ)」、及び、「未閲覧者(注目チャネルに参加しているユーザのうち、注目データを閲覧していないユーザ)」が選択可能となっている。もちろん、特定条件はこれに限られるものではない。
【0056】
特定条件ダイアログ72にて、注目ユーザがいずれかの特定条件を選択すると、図10に示すように、メッセージ処理部50は、選択された特定条件74を入力欄62に表示させる。
【0057】
また、特定条件ダイアログ72にて、注目ユーザがいずれかの特定条件を選択すると、また、通知先特定部52は、注目データのURL又はデータID、並びに、注目ユーザが選択した特定条件を示す情報をデータ管理サーバ14に送る。データ管理サーバ14のプロセッサ28は、データ管理DB24又は操作履歴DB26の少なくとも一方に基づいて、特定条件を満たすユーザのユーザIDを特定する。例えば、特定条件が「登録者」である場合は、プロセッサ28は、データ管理DB24を参照して、注目データの登録者のユーザIDを特定する。特定条件が「更新者」である場合は、プロセッサ28は、操作履歴DB26を参照して、注目データを更新したユーザのユーザIDを特定する。特定条件が「閲覧者」又は「未閲覧者」である場合は、プロセッサ28は、操作履歴DB26を参照して、注目データを閲覧したユーザのユーザIDを特定する。プロセッサ28は、特定したユーザIDをコミュニケーションツール提供サーバ16へ送信する。
【0058】
通知先特定部52は、チャネルDB44に基づいて、データ管理サーバ14から受信したユーザIDが示すユーザの中から通知対象ユーザを特定する。例えば、特定条件が「登録者」、「更新者」、及び「閲覧者」である場合、通知先特定部52は、データ管理サーバ14から受信したユーザIDが示すユーザのうち、注目チャネルに参加しているユーザを通知対象ユーザとして特定する。また、特定条件が「未閲覧者」である場合、通知先特定部52は、注目チャネルに参加している複数のユーザから、データ管理サーバ14から受信したユーザIDを除外したユーザを通知対象ユーザとして特定する。
【0059】
通知指示付きメッセージに関する情報(図10の例では「@XX設計資料(閲覧者)」)が入力欄62に入力された状態で、注目ユーザが送信ボタン64を操作すると、メッセージ処理部50は、当該通知指示付きメッセージを注目チャネルに投稿する。これに伴い、通知処理部54は、特定された通知対象ユーザに対して通知を行う。なお、図10に示すように、注目ユーザは、通知指示付きメッセージにコメント76を追加することもできる。
【0060】
メッセージ処理部50が通知指示付きメッセージを注目チャネルに投稿し、通知処理部54が通知対象ユーザに通知を行うと、メッセージ処理部50は、通知指示付きメッセージ及びその属性情報をメッセージDB46(図8参照)に登録する。通知指示付きメッセージの属性情報としては、通知対象データ(本例では注目データ)特定する情報(例えば当該データの格納場所を示すURLやデータID)、及び、特定された通知対象ユーザが含まれる。
【0061】
このように、本実施形態では、注目ユーザが注目データを特定する情報を注目チャネルに投稿した場合に、注目データに関係のあるユーザのみに対して通知を行うことができる。
【0062】
注目ユーザが選択した特定条件を満たすユーザがいない場合が考えられる。例えば、注目ユーザが特定条件として「閲覧者」を選択した場合であって、注目チャネルの参加者の中に、注目データを閲覧したユーザがいない場合などである。これは、特定条件を満たすユーザがいないことを示す情報がデータ管理サーバ14からコミュニケーションツール提供サーバ16へ送信されるか、あるいは、通知先特定部52が、データ管理サーバ14から受信したユーザIDが示すユーザ(特定条件を満たすユーザ)の中に注目チャネルの参加者がいなかったこと確認することで判定される。注目ユーザが選択した特定条件を満たすユーザがいない場合、通知処理部54は、特定条件を満たすユーザ(すなわち通知対象ユーザ)がいないことを注目ユーザに通知する。例えば、通知処理部54は、図11に示すように、通知対象ユーザがいないことを示す通知対象ユーザ不在ダイアログ78を画面に表示させる。なお、図11の例は、注目データを特定する情報(メッセージ60a)を注目チャネルに投稿した注目ユーザへ通知する例である。
【0063】
また、本実施形態では、注目ユーザは、通知対象ユーザを特定条件にて選択しているため、通知対象ユーザが具体的に誰なのかを把握できない場合がある。したがって、通知処理部54は、通知対象ユーザが特定された後に、通知対象ユーザが具体的に誰であるのかを注目ユーザに通知するとよい。例えば、通知処理部54は、図12に示すように、入力欄62に表示された特定条件74を注目ユーザがカーソルで指し示した(又はクリックした)場合に、特定された通知対象ユーザのユーザ名を示す通知対象ユーザダイアログ80を画面に表示させる。なお、通知対象ユーザのユーザ名は、上述のユーザDBに基づいて特定される。
【0064】
また、通知処理部54は、通知対象ユーザが特定された後に、通知対象ユーザの人数を注目ユーザに通知するとよい。例えば、通知処理部54は、図12に示すように、特定された通知対象ユーザの人数を示す人数通知ダイアログ82を画面に表示させる。特に、注目ユーザが気付かないうちに、通知対象ユーザの人数が膨大な数となってしまう場合があり、このような場合に通知対象ユーザに通知を行うのは不適切となる場合もあり得る。注目ユーザは、人数通知ダイアログ82を確認することで、通知対象ユーザが多い場合には通知を取りやめるということもできる。通知処理部54は、通知対象ユーザが所定人数以上である場合のみ、人数通知ダイアログ82を表示させるようにしてもよい。
【0065】
また、図13に示すように、通知先特定部52は、特定条件ダイアログ72を表示するに先立って、各特定条件を満たすユーザの人数を特定し、各特定条件と共に、各特定条件を満たすユーザの人数が表示された特定条件ダイアログ84を表示するようにしてもよい。
【0066】
図14は、通知指示付きメッセージ60bが注目チャネルに投稿された後、すなわち、通知対象ユーザに通知が行われた後の状態を示す図である。通知処理部54は、投稿済みの通知指示付きメッセージ60bに表示された特定条件74を注目ユーザがカーソルで指し示した(又はクリックした)場合にも、通知対象ユーザを示す通知対象ユーザダイアログ86を表示させてもよい。
【0067】
この場合、通知処理部54は、メッセージDB46(図8参照)に基づいて、通知対象ユーザダイアログ86を表示させる。すなわち、投稿済みの通知指示付きメッセージ60bに表示された特定条件74を注目ユーザが選択すると、通知処理部54は、メッセージDB46を参照し、通知指示付きメッセージ60bの属性として登録されている通知対象ユーザを特定する。そして、特定した通知対象ユーザを示す通知対象ユーザダイアログ86を表示させる。したがって、例えば特定条件が「閲覧者」である場合、通知対象ユーザダイアログ86に表示されるのは、通知指示付きメッセージ60bの投稿により実際に通知が行われたユーザ(すなわち通知指示付きメッセージ60bの投稿前に注目データを閲覧したユーザ)であり、現時点における注目データの閲覧者ではない。例えば、通知対象ユーザが「Bさん」と「Cさん」である場合、通知指示付きメッセージ60bの投稿後(「Bさん」及び「Cさん」への通知後)、新たに「Dさん」が注目データを閲覧していたとしても、通知対象ユーザダイアログ86には、「Bさん」と「Cさん」のみが表示され、「Dさん」は表示されない。
【0068】
図9図14においては、注目データを特定するメッセージを注目チャネルに投稿した後に、改めて注目データを指定した上で通知指示付きのメッセージが投稿されていたが、注目ユーザは、注目データを特定する情報を含む通知指示付きのメッセージを注目チャネルに投稿することもできる。
【0069】
例えば、図15に示すように、注目ユーザは、入力欄62に「@」を入力した上で、注目データを特定する情報であるURL(注目データを添付してもよい)を含むコメント88を入力欄62に入力する。そして、注目ユーザが特定条件を選択すると、メッセージ処理部50は、入力欄62に選択された特定条件を表示し、通知先特定部52は、注目データのURL(又はデータのID)と共に特定条件を示す情報をデータ管理サーバ14へ送信する。以後、上述と同様の処理により、通知先特定部52によって通知対象ユーザが特定される。この場合、注目データを特定する情報が注目チャネルに投稿される前に、通知対象ユーザが特定されることになる。
【0070】
そして、注目ユーザが送信ボタン64を操作すると、メッセージ処理部50は、注目データを特定する情報を含む通知指示付きメッセージを注目チャネルに投稿する。これに伴い、通知処理部54は、特定された通知対象ユーザに対して通知を行う。
【0071】
注目データを特定する情報を含む通知指示付きのメッセージを入力欄62に入力した場合でも、通知対象ユーザがいない場合には、通知処理部54は、通知対象ユーザがいないことを注目ユーザに通知する。例えば、通知処理部54は、図16に示すように、通知対象ユーザがいないことを示す通知対象ユーザ不在ダイアログ90を画面に表示させる。なお、図16の例は、注目チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報を入力欄62に入力した注目ユーザ(換言すれば注目データを特定する情報を注目チャネルへ投稿する前の注目ユーザ)へ通知する例である。
【0072】
また、この場合においても、通知処理部54は、通知対象ユーザが特定された後に、通知対象ユーザが具体的に誰であるのかを注目ユーザに通知するとよい。例えば、通知処理部54は、図17に示すように、入力欄62に表示された特定条件92を注目ユーザがカーソルで指し示した(又はクリックした)場合に、特定された通知対象ユーザのユーザ名を示す通知対象ユーザダイアログ94を画面に表示させる。
【0073】
また、通知処理部54は、通知対象ユーザが特定された後に、通知対象ユーザの人数を注目ユーザに通知するとよい。例えば、通知処理部54は、図17に示すように、特定された通知対象ユーザの人数を示す人数通知ダイアログ96を画面に表示させる。この場合も、通知処理部54は、通知対象ユーザが所定人数以上である場合にのみ、人数通知ダイアログ96を表示させるようにしてもよい。
【0074】
また、図18に示すように、通知先特定部52は、各特定条件を満たすユーザの人数を特定し、各特定条件と共に、各特定条件を満たすユーザの人数が表示された特定条件ダイアログ98を表示するようにしてもよい。
【0075】
本実施形態に係る情報処理システム10の構成概要は以上の通りである。以下、図19に示すフローチャートに従って、コミュニケーションツール提供サーバ16の処理の流れを説明する。
【0076】
ステップS10において、メッセージ処理部50は、注目ユーザのユーザ端末12のディスプレイに注目チャネルの画面を表示させ、注目ユーザから注目データの指定を受け付ける。
【0077】
ステップS12において、通知先特定部52は、ステップS10で指定された注目データのデータ名を入力欄62に表示させる(図9又は図15参照)。
【0078】
ステップS14において、通知先特定部52は、注目ユーザが選択可能な複数の特定条件を示す特定条件ダイアログ72を画面に表示させる(図9参照)。
【0079】
ステップS16において、通知先特定部52は、注目ユーザから特定条件を受け付ける。
【0080】
ステップS18において、メッセージ処理部50は、ステップS16で受け付けた特定条件74を入力欄62に表示させる(図10又は図15参照)。
【0081】
ステップS20において、通知先特定部52は、ステップS16で受け付けた特定条件に基づいて、通知対象ユーザを特定する。
【0082】
ステップS22において、通知先特定部52は、通知対象ユーザがいるかどうかを判定する。通知対象ユーザがいない場合、ステップS24に進む。ステップS24において、通知処理部54は、通知対象ユーザ不在ダイアログ78又は90(図11又は図16参照)を画面に表示させる。その後、ステップS14に戻り、通知先特定部52は、再度特定条件ダイアログ72を表示させて注目ユーザから再度特定条件を受け付ける。
【0083】
ステップS22において通知対象ユーザがいる場合、ステップS26に進む。ステップS26において、通知処理部54は、ステップS20で特定された通知対象ユーザのユーザ名を示す通知対象ユーザダイアログ80又は94(図12又は図17参照)を画面に表示させる。
【0084】
ステップS28において、メッセージ処理部50は、送信ボタン64(図10又は図15参照)が操作されるまで待機し、送信ボタン64が操作された場合はステップS30に進む。
【0085】
ステップS30において、メッセージ処理部50は、通知指示付きメッセージを注目チャネルに投稿する。
【0086】
ステップS32において、通知処理部54は、ステップS20で特定された通知対象ユーザに通知を行う。
【0087】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0088】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数のユーザが通信回線を介して情報を投稿できる場であるチャネルに対して注目データを特定する情報が投稿された場合、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報が入力された場合に、前記注目データに対して過去に操作を行ったユーザを示す操作履歴、又は、前記注目データの属性として登録されたユーザを示す属性情報の少なくとも一方を含むデータ関連情報に基づいて通知対象ユーザを特定し、
前記注目データを特定する情報が投稿された後に、前記通知対象ユーザに対して通知を行う、
ことを特徴とする情報処理装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
前記チャネルに投稿された、前記注目データを特定する情報を閲覧可能な複数のユーザの中から前記通知対象ユーザを特定する、
ことを特徴とする(((1)))に記載の情報処理装置。
(((3)))
前記通知対象ユーザは、前記操作履歴の蓄積に従って動的に変動する、
ことを特徴とする(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記注目データを特定する情報を前記チャネルに投稿した、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報を前記情報処理装置に入力した注目ユーザから、前記通知対象ユーザの特定条件であって前記データ関連情報に関する特定条件を受け付け、
前記特定条件を満たすユーザを前記通知対象ユーザとして特定する、
ことを特徴とする(((1)))に記載の情報処理装置。
(((5)))
前記プロセッサは、
前記特定条件を満たすユーザがいない場合に、前記注目ユーザに通知を行う、
ことを特徴とする(((4)))に記載の情報処理装置。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記注目データを特定する情報を前記チャネルに投稿した、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報を前記情報処理装置に入力した注目ユーザに、特定した前記通知対象ユーザを通知する、
ことを特徴とする(((1)))に記載の情報処理装置。
(((7)))
コンピュータに、
複数のユーザが通信回線を介して情報を投稿できる場であるチャネルに対して注目データを特定する情報が投稿された場合、又は、前記チャネルへの投稿のために注目データを特定する情報が入力された場合に、前記注目データに対して過去に操作を行ったユーザを示す操作履歴、又は、前記注目データの属性として登録されたユーザを示す属性情報の少なくとも一方を含むデータ関連情報に基づいて通知対象ユーザを特定し、
前記注目データを特定する情報が投稿された後に、前記通知対象ユーザに対して通知を行わせる、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【0089】
(((1)))、(((3)))、又は(((7)))に係る発明によれば、コミュニケーションツールのチャネルに、注目データを特定する情報が投稿された際に、注目データに関係のあるユーザのみに対して通知を行うことができる。
(((2)))に係る発明によれば、当該チャネルに投稿された、注目データを特定する情報を閲覧可能なユーザ以外のユーザに通知を行うことを防止することができる。
(((4)))に係る発明によれば、注目ユーザは、特定条件にて通知対象ユーザを指定することができる。
(((5)))に係る発明によれば、注目ユーザは、特定条件を満たすユーザがいないことを把握することができる。
(((6)))に係る発明によれば、注目ユーザは、特定された通知対象ユーザが誰であるのかを把握することができる。
【符号の説明】
【0090】
10 情報処理システム、12 ユーザ端末、14 データ管理サーバ、16 コミュニケーションツール提供サーバ、18 通信回線、20,40 通信インターフェース、22,42 メモリ、24 データ管理DB、26 操作履歴DB、28,48 プロセッサ、44 チャネルDB、46 メッセージDB、50 メッセージ処理部、52 通知先特定部、54 通知処理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19