(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170498
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20241203BHJP
H04N 5/915 20060101ALI20241203BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241203BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 U
H04N5/915
H04N23/60 300
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151182
(22)【出願日】2024-09-03
(62)【分割の表示】P 2023510270の分割
【原出願日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2021056702
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】坂 良太郎
(57)【要約】 (修正有)
【課題】録画データの容量を適切に低減できる情報処理装置、情報処理方法、プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置(10)は、撮影装置(20)で撮影された画像に基づいて検出されたイベントを示す情報を取得する取得部(11)と、前記イベントが第1時点で検出された際に前記画像の録画を開始させ、前記第1時点から第1期間内で前記イベントが継続して検出されている場合は録画を継続させ、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に前記イベントが継続して検出されている場合は録画を停止させると判定する判定部(12)と、前記判定部による判定結果に基づいて、録画の開始及び終了を制御する録画制御部(13)と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に基づいてイベントを示す情報を取得する処理と、
前記イベントが第1の期間よりも長い期間継続して検出されている場合、撮影装置の録画を終了させる処理とを、コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記第1の期間において、前記イベントが第1の時点で検出されなくなったのち、前記第1の時点から所定時間内である第2の時点で検出された場合、前記第1の時点から前記第2の時点までの間、前記イベントが継続して検出されていると判定する処理を更に備える、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記イベントは、第1イベントと、前記第1イベントとは種別が異なる第2イベントと
を含み、
前記第1の期間内に前記第2イベントが検出された場合は、前記第1の期間を超えて前記第1イベントが継続して検出されていたとしても前記撮影装置の録画を継続させる処理を更に備える、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記イベントの種別、前記画像における前記イベントのレベル、及び
前記画像を記録する記録手段の空き容量の少なくとも一つに基づいて、前記第1の期間の長さを決定する処理を更に備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記イベントを録画する際の解像度に基づいて前記第1の期間の長さを決定する処理を更に備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
画像に基づいてイベントを示す情報を取得する処理と、
前記イベントが第1の期間よりも長い期間継続して検出されている場合、撮影装置の録画を終了させる処理とを、実行する情報処理方法。
【請求項7】
画像に基づいてイベントを示す情報を取得する手段と、
前記イベントが第1の期間よりも長い期間継続して検出されている場合、撮影装置の録画を終了させる手段とを、有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラで撮影された映像を録画して保存しておく監視システムが知られている。特許文献1には、タクシーの後部席客等の画像情報を記録する監視システムにおいて、トリガが発生した際に所定時間の録画を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、例えば、トリガが継続して発生している状況の場合、録画データの容量が増加するという問題がある。その理由は、トリガが発生した際に所定時間の録画を行うことにより、トリガが継続している間は録画も継続されるためである。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、録画データの容量を適切に低減できる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る第1の態様では、情報処理装置が、撮影装置で撮影された画像に基づいて検出されたイベントを示す情報を取得する取得部と、前記イベントが第1時点で検出された際に前記画像の録画を開始させ、前記第1時点から第1期間内で前記イベントが継続して検出されている場合は録画を継続させ、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に前記イベントが継続して検出されている場合は録画を停止させると判定する判定部と、前記判定部による判定結果に基づいて、録画の開始及び終了を制御する録画制御部と、を有する。
【0007】
また、本開示に係る第2の態様では、情報処理方法であって、撮影装置で撮影された画像に基づいて検出されたイベントを示す情報を取得し、前記イベントが第1時点で検出された際に前記画像の録画を開始させ、前記第1時点から第1期間内で前記イベントが継続して検出されている場合は録画を継続させ、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に前記イベントが継続して検出されている場合は録画を停止させる。
【0008】
また、本開示に係る第3の態様では、情報処理装置に、撮影装置で撮影された画像に基づいて検出されたイベントを示す情報を取得する処理と、前記イベントが第1時点で検出された際に前記画像の録画を開始させ、前記第1時点から第1期間内で前記イベントが継続して検出されている場合は録画を継続させ、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に前記イベントが継続して検出されている場合は録画を停止させると判定する処理と、前記判定部による判定結果に基づいて、録画の開始及び終了を制御する処理と、を実行させるプログラムが提供される。
【0009】
また、本開示に係る第4の態様では、画像を撮影する撮影装置と、情報処理装置とを含む情報処理システムが提供される。この情報処理システムにおいて、前記情報処理装置は、前記撮影装置で撮影された画像に基づいて検出されたイベントを示す情報を取得する取得部と、前記イベントが第1時点で検出された際に前記画像の録画を開始させ、前記第1時点から第1期間内で前記イベントが継続して検出されている場合は録画を継続させ、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に前記イベントが継続して検出されている場合は録画を停止させると判定する判定部と、前記判定部による判定結果に基づいて、録画の開始及び終了を制御する録画制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
一側面によれば、録画データの容量を適切に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る撮影装置で撮影された画像と、画像に基づいて検出されるイベントの一例について示す図である。
【
図6】実施形態に係る録画が継続される期間の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る録画が継続される期間の一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る録画が継続される期間の一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る録画が継続される期間の一例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る録画上限期間の設定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解および実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実装される。
【0013】
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(実施の形態1)
<構成>
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、取得部11、判定部12、及び録画制御部13を有する。これら各部は、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラムと、情報処理装置10のプロセッサ101、及びメモリ102等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。
【0015】
取得部11は、情報処理装置10内部の記憶部、または外部装置から各種の情報を取得する。取得部11は、例えば、撮影装置20で撮影された画像に基づいて検出されたイベントを示す情報を取得する。この場合、取得部11は、撮影装置20で撮影された画像に基づいてイベントを検出することにより、イベントの情報を取得してもよい。また、取得部11は、情報処理装置10内の他のモジュール、または外部装置により検出されたイベントの情報を取得してもよい。
【0016】
判定部12は、取得部11により取得された情報に基づいて、撮影装置20により撮影された画像の録画(記録)に関する各種の判定を行う。なお、本開示の「画像」には、動画及び静止画の少なくとも一方が含まれる。判定部12は、例えば、イベントが第1時点で検出された際に画像の録画を開始させると判定する。また、判定部12は、例えば、第1時点から録画上限期間内でイベントが継続して検出されている場合は録画を継続させると判定する。また、判定部12は、例えば、第1時点から録画上限期間を超えた際にイベントが継続して検出されている場合は録画を停止させると判定する。
【0017】
録画制御部13は、判定部12による判定結果に基づいて、撮影装置20により撮影された画像の録画(記録)に関する各種の制御を行う。録画制御部13は、例えば、判定部12による判定結果に基づいて、録画の開始及び終了を制御する。なお、録画制御部13は、撮影装置20により撮影された画像を、情報処理装置10の内部の記憶部(記録部)に記録させてもよいし、外部装置の記録部に記録させてもよい。
【0018】
(実施の形態2)
次に、
図2を参照し、実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。
<システム構成>
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2において、情報処理システム1は、情報処理装置10及び撮影装置20を有する。
図2の例では、情報処理装置10と撮影装置20とは、ネットワークNにより通信できるように接続されている。なお、情報処理装置10及び撮影装置20の数は
図2の例に限定されない。
【0019】
ネットワークNの例には、例えば、インターネット、移動通信システム、無線LAN(Local Area Network)、LAN、及びバス等が含まれる。移動通信システムの例には、例えば、第5世代移動通信システム(5G)、第4世代移動通信システム(4G)、第3世代移動通信システム(3G)等が含まれる。
【0020】
情報処理装置10は、例えば、サーバ、クラウド、パーソナルコンピュータ、録画装置、ネットワークビデオレコーダ、スマートフォン等の装置である。情報処理装置10は、撮影装置20により撮影された画像を録画(記録、保存)する。
【0021】
撮影装置20は、例えば、ネットワークカメラ、カメラ、スマートフォン等の装置である。撮影装置20は、カメラにより画像を撮影し、撮影した画像を情報処理装置10に出力(送信)する。
【0022】
<ハードウェア構成>
図3は、実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図3の例では、情報処理装置10(コンピュータ100)は、プロセッサ101、メモリ102、通信インターフェイス103を含む。これら各部は、バス等により接続されてもよい。メモリ102は、プログラム104の少なくとも一部を格納する。通信インターフェイス103は、他のネットワーク要素との通信に必要なインターフェイスを含む。
【0023】
プログラム104が、プロセッサ101及びメモリ102等の協働により実行されると、コンピュータ100により本開示の実施形態の少なくとも一部の処理が行われる。メモリ102は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよい。メモリ102は、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体でもよい。また、メモリ102は、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実装されてもよい。コンピュータ100には1つのメモリ102のみが示されているが、コンピュータ100にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ101は、任意のタイプのものであってよい。プロセッサ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、および非限定的な例としてマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでよい。コンピュータ100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0024】
本開示の実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジックまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、一方、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。
【0025】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能命令を含み、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスで実行され、本開示のプロセスまたは方法を実行する。プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で望まれるようにプログラムモジュール間で結合または分割されてもよい。プログラムモジュールのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行できる。分散デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方のストレージメディアに配置できる。
【0026】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供される。プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/または実装するブロック図内の機能/動作が実行される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行され、一部はマシン上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はマシン上で、一部はリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行される。
【0027】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、半導体メモリ等が含まれる。磁気記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ等が含まれる。光磁気記録媒体には、例えば、光磁気ディスク等が含まれる。光ディスク媒体には、例えば、ブルーレイディスク、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)、CD-RW(ReWritable)等が含まれる。半導体メモリには、例えば、ソリッドステートドライブ、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))等が含まれる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0028】
<処理>
次に、
図4から
図10を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の処理の一例について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置10の処理の一例を示すフローチャートである。
図5は、実施形態に係る撮影装置20で撮影された画像と、画像に基づいて検出されるイベントの一例について示す図である。
図6から
図9は、実施形態に係る録画が継続される期間の一例を示す図である。
図10は、実施形態に係る録画上限期間の設定の一例を示す図である。
【0029】
なお、情報処理装置10は、撮影装置20により各時点で撮影された各フレームにおける各人物の位置、移動方向、移動速度、及び特徴(例えば、表面の色、身長)等に基づいて、各人物の位置及び行動を追跡している。そして、情報処理装置10は、撮影装置20で撮影された画像に写されている複数の人物のそれぞれに対して以下の処理を実行してもよい。そのため、以下で、撮影装置20で撮影された画像に写されている複数の人物のうちの任意の一人の人物を、適宜「判定対象の人物」とも称する。
【0030】
ステップS1において、情報処理装置10の取得部11は、撮影装置20で撮影された画像に基づいて検出されたイベント(アラート)を示す情報を取得する。なお、イベントを検出する処理は、例えば、情報処理装置10、撮影装置20、及び外部装置のいずれで行われてもよい。
【0031】
イベントを示す情報には、例えば、イベントの種別(内容)、画像内におけるイベントが発生した領域、及びイベントのレベル(程度、警戒度、重要度、録画の必要性)を示す情報が含まれてもよい。イベントの種別には、例えば、群衆による混雑が含まれてもよい。また、イベントの種別には、例えば、人物(歩行者、入場者、来客)の転倒、うずくまり、咳、くしゃみ、及びマスクの非着用等が含まれてもよい。この場合、イベントを示す情報には、例えば、イベントに係る人物を識別する情報が含まれてもよい。
【0032】
画像内におけるイベントが発生した領域を示す情報には、例えば、撮影装置20で撮影された画像における当該領域の画素の範囲を示す情報が含まれてもよい。この場合、画像内におけるイベントが発生した領域を示す情報には、例えば、当該領域の左上の隅の画素位置、縦方向の長さ(縦方向の画素数)、及び横方向の長さの情報が含まれてもよい。
【0033】
イベントのレベルは、例えば、イベントの種別が群衆による混雑である場合、撮影装置20で撮影された画像における所定領域内に存在する人物の数が第1閾値以上の場合は、第1レベル(警報レベル)が設定されてもよい。また、当該人物の数が第1閾値未満であり第2閾値以上の場合は、第2レベル(注意レベル)が設定されてもよい。
【0034】
また、例えば、イベントの種別が歩行者の転倒である場合、歩行者が頭を打ったとAI(Artificial Intelligence)等により判定された場合は、第1レベル(警報レベル)が設定されてもよい。
【0035】
図5の例では、撮影装置20で撮影された画像500において、領域501内で、混雑のイベントが検出されている。また、人物511の転倒のイベントが検出されている。
【0036】
続いて、情報処理装置10の判定部12は、録画の要否を判定する(ステップS2)。ここで、
図6から
図8に示すように、判定部12は、イベントが第1時点t
0で検出された際に画像の録画を開始させると判定する。なお、第1時点t
0は、当該イベントが以前からの継続ではなく新規に検出された時点である。
【0037】
また、
図6から
図8に示すように、判定部12は、第1時点t
0から録画上限期間t
L内でイベントが継続して検出されている場合は録画を継続させると判定する。
図6には、イベントが継続して検出されている期間(イベント継続期間)が、第1時点t
0から、録画上限期間t
L内である時点t
A61までの間である場合の例が示されている。この場合、
図6に示すように、判定部12は、イベントが検出されなくなった(イベントが最後に検出された)時点t
A61から所定期間t
Rを経過するまで(第1時点t
0から時点t
A61+t
Rまで)、録画を継続させる。
【0038】
また、判定部12は、例えば、第1時点t
0から録画上限期間t
Lを超えた際にイベントが継続して検出されている場合は録画を停止させると判定する。これにより、例えば、録画データの容量が増加することを適切に低減できる。
図7には、イベント継続期間が、第1時点t
0から、録画上限期間t
Lより後である時点t
A71までの間である場合の例が示されている。この場合、
図7に示すように、判定部12は、第1時点t
0から、録画上限期間t
Lが経過するまで(第1時点t
0から時点t
0+t
Lまで)、録画を継続させる。そして、判定部12は、録画上限期間t
Lが経過する時点t
0+t
Lで、録画を停止させる。
【0039】
また、
図8に示すように、判定部12は、イベントが第2時点t
A81で検出されなくなったのち、第2時点から所定時間t
c(以下で、「イベント継続判定時間」とも称する。例えば、2秒)内である第3時点t
A82で検出された場合、第2時点t
A81から第3時点t
A82までの間も、イベントが継続して検出されていると判定する。そのため、
図8の例でも、
図7と同様に、イベント継続期間は、第1時点t
0から、録画上限期間t
Lより後である時点t
A71までであると判定され、録画上限期間t
Lが経過する時点t
0+t
Lで録画が停止させる。これにより、例えば、転倒している人物の手前を他の歩行者、及び車両等が横切る等により、転倒している人物が一時的に撮影できない等の場合であっても、録画を継続させることができる。
【0040】
(イベント継続判定時間を決定する例)
判定部12は、所定の条件に基づいて、イベント継続判定時間を決定してもよい。これにより、例えば、イベントが継続しているか否かをより適切に判定できる。以下に、所定の条件の例について説明する。なお、判定部12は、以下の複数の条件を組み合わせて、イベント継続判定時間を決定してもよい。
【0041】
((人物の周囲の状況に基づいて決定する例))
判定部12は、例えば、撮影装置20で撮影された画像に基づいて判定された、判定対象の人物の周囲の状況に基づいて、イベント継続判定時間を決定してもよい。この場合、判定部12は、例えば、判定対象の人物の周囲の混雑度に基づいて、イベント継続判定時間を決定してもよい。この場合、判定部12は、例えば、判定対象の人物の周囲(例えば、当該人物が写されている領域を含む所定範囲の画像の領域)に存在する他の人物及び移動体(例えば、車両)の数が多いほど、判定対象の人物の周囲の混雑度が高いと判定してもよい。そして、判定部12は、当該混雑度が高いほど、イベント継続判定時間を長い時間に決定してもよい。これにより、例えば、ある人物の周囲が
図5の領域501のように混雑しており、手前(撮影装置20から見て手前)を移動する他の人物や移動体の陰に当該人物が隠れる頻度が比較的高い場合であっても、イベントが継続しているか否かをより適切に判定できる。
【0042】
((画像が撮影された時刻及び場所の少なくとも一方に基づいて決定する例))
また、判定部12は、例えば、撮影装置20で画像が撮影された時刻、及び撮影装置20で画像が撮影された場所の少なくとも一方に基づいて、イベント継続判定時間を決定してもよい。この場合、判定部12は、撮影装置20で画像が撮影された時刻が所定時間帯である場合には、イベント継続判定時間を比較的長い時間に決定してもよい。これにより、例えば、朝の通勤により混雑する時間帯、及び夕方の帰宅により混雑する時間帯の場合であっても、イベントが継続しているか否かをより適切に判定できる。
【0043】
また、判定部12は、イベント継続判定時間の撮影装置20に応じた各初期値を決定してもよい。なお、当該各初期値は、1以上の撮影装置20毎に情報処理装置10に予め設定されていてもよい。これにより、混雑度が比較的高い駅前等を撮影する撮影装置20の画像に基づいて人物の行動を検出する場合は、判定対象の人物の行動を検出できない期間の合計が比較的長くなった場合でも、イベントが継続しているか否かをより適切に判定できる。
【0044】
((人物の手前の物体の種別に基づいて決定する例))
また、判定部12は、例えば、撮影装置20で撮影された画像において判定対象の人物の手前(撮影装置20から見て手前)の物体の種別に基づいて、イベント継続判定時間を決定してもよい。この場合、判定部12は、手前の物体の種別が人物、及び自動車等である場合は、イベント継続判定時間の長さを第1期間長と決定してもよい。また、判定部12は、手前の物体の種別がバス、及び電車等である場合は、イベント継続判定時間の長さを第1期間長よりも長い第2期間長と決定してもよい。これにより、例えば、バスや路面電車により判定対象の人物が撮影されない時間が長くなる場合であっても、イベントが継続しているか否かをより適切に判定できる。
【0045】
図9には、あるイベントが継続して検出されている際に、他のイベントが継続して検出された場合の例が示されている。
図9に示すように、判定部12は、
図6から
図8の場合と同様に、第1イベントが第1時点t
A0で検出された際に画像の録画を開始させる。そして、第1録画上限期間t
LA内である第3時点t
B0で第1イベントとは種別が異なる第2イベントが検出された場合は、判定部12は、第1時点t
A0から第1録画上限期間t
LAを超えた際の時点t
A0+t
LAにおいて第1イベントが継続して検出されている場合でも録画を継続させる。そして、判定部12は、第2イベントが新規に検出された第3時点t
B0から第2録画上限期間t
LBが経過する時点t
B0+t
LBで、録画を停止させる。これにより、例えば、「混雑」が継続して検出されている間に「転倒」が検出された場合に、「混雑」の録画上限期間の経過により録画が停止されることを低減(防止)できる。
【0046】
(録画上限期間を決定する例)
判定部12は、イベントの種別、イベントのレベル、及び撮影装置20で撮影された画像を記録する記録部(例えば、ハードディスクドライブ等)の空き容量の少なくとも一つに基づいて、録画上限期間(録画上限期間の長さ)を決定してもよい。この場合、情報処理装置10には、
図10に示すように、イベントの種別、イベントのレベル、及び記録部の空き容量に関する条件に対応付けて、録画上限期間の長さをオペレータ(管理者)から登録されていてもよい。
図10の設定データ1001の例では、イベントの種別とレベルの組に対応付けて、録画上限期間の長さの初期値と、空き容量の条件に対する係数とが記録されている。
【0047】
図10の例では、「混雑」が「警報レベル」の場合の録画上限期間の長さは、空き容量が記録部の記録容量の10%以下である場合は16(=20×0.8)秒と決定され、10%以下でない場合は初期値である20秒と決定されることが示されている。また、
図10の例では、「混雑」が「注意レベル」の場合の録画上限期間の長さは、空き容量が10%以下である場合は5(=10×0.5)秒、20%以下である場合は8(=10×0.8)秒、20%以下でない場合は初期値である10秒と決定されることが示されている。なお、空き容量が記録部の記録容量の10%以下である場合とは、例えば、記録容量が1TB(terabyte)であれば空き容量が100GB(gigabyte)以下である場合のことである。
【0048】
また、判定部12は、イベントが検出された画像の領域に基づいて当該画像の領域のうち録画させる領域を決定してもよい。そして、判定部12は、録画させる領域の解像度(画面解像度、総画素数)に基づいて録画上限期間の長さを決定してもよい。これにより、例えば、録画データの容量が増加することを適切に低減できる。この場合、判定部12は、録画させる領域の解像度が初期値(例えば、4K(QFHD、Quad Full High Definition):3840×2160画素)である場合は録画上限期間の長さの初期値(例えば、20秒)としてもよい。そして、判定部12は、録画させる領域の解像度が初期値よりも小さい(例えば、フルHD(Full High Definition):1920×1080画素)場合は録画上限期間の長さを初期値よりも長い時間(例えば、80秒)としてもよい。
【0049】
また、判定部12は、イベントの種別に基づいて、画像を録画させる際の解像度及びフレームレートの少なくとも一方を含む画質を決定してもよい。そして、判定部12は、決定した画質に基づいて録画上限期間の長さを決定してもよい。これにより、例えば、録画データの容量が増加することを適切に低減できる。この場合、判定部12は、例えば、イベントの種別が「混雑」である場合、画質を第1解像度(例えば、フルHD)及び第1フレームレート(例えば、60fps)に決定してもよい。そして、判定部12は、録画上限期間の長さを初期値(例えば、20秒)としてもよい。また、判定部12は、例えば、イベントの種別が「転倒」である場合、画質を第1解像度よりも高い第2解像度(例えば、4K)及び第1フレームレートよりも低い第2フレームレート(例えば、30fps)に決定してもよい。そして、判定部12は、録画上限期間の長さを初期値の半分(例えば、10秒)としてもよい。
【0050】
また、判定部12は、イベントの種別が、人物の転倒、うずくまり、くしゃみ、咳、及びマスクの非着用の少なくとも一つである場合、当該人物の顔の正面の画像が録画されているか否かに基づいて録画上限期間の長さを変更してもよい。この場合、判定部12は、まず、AI等を用いて録画上限期間中の録画により当該人物の顔の正面の画像が録画されているか否かを判定する。そして、判定部12は、当該人物の顔の正面の画像が録画されている場合は、録画上限期間を超えた際に録画を停止させる。また、判定部12は、当該人物の顔の正面の画像が録画されていない場合は、録画上限期間を超えた際に録画を継続させる。この場合、判定部12は、例えば、録画上限期間を超えた際に当該人物の顔の正面の画像が未だ録画されていない場合は、録画上限期間を所定時間(例えば、10秒)延長してもよい。
【0051】
続いて、情報処理装置10の録画制御部13は、録画の制御を行う(ステップS3)。ここで、外部の録画装置に録画する場合、録画制御部13は、当該外部の録画装置または撮影装置20に対し、録画の開始、及び終了を制御するコマンドを送信してもよい。
【0052】
<変形例>
情報処理装置10は、一つの筐体に含まれる装置でもよいが、本開示の情報処理装置10はこれに限定されない。情報処理装置10の各部は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、情報処理装置10と撮影装置20とを同一の筐体内に収容し、一体の情報処理装置として構成してもよい。また、情報処理装置10の各機能部の少なくとも一部の処理を、撮影装置20が実行するようにしてもよい。これらのような情報処理装置10についても、本開示の「情報処理装置」の一例に含まれる。
【0053】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0054】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
撮影装置で撮影された画像に基づいて検出されたイベントを示す情報を取得する取得手段と、
前記イベントが第1時点で検出された際に前記画像の録画を開始させ、前記第1時点から第1期間内で前記イベントが継続して検出されている場合は録画を継続させ、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に前記イベントが継続して検出されている場合は録画を停止させると判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、録画の開始及び終了を制御する録画制御手段と、を有する情報処理装置。
(付記2)
前記判定手段は、前記イベントが第2時点で検出されなくなったのち、前記第2時点から所定時間内である第3時点で検出された場合、前記第2時点から前記第3時点までの間、前記イベントが継続して検出されていると判定する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記イベントは、第1イベントと、前記第1イベントとは種別が異なる第2イベントとを含み、
前記判定手段は、前記第1時点から前記第1期間内である第3時点で前記第2イベントが検出された場合は、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に前記第1イベントが継続して検出されている場合でも録画を継続させると判定する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記判定手段は、前記イベントの種別、前記画像における前記イベントのレベル、及び前記画像を記録する記録手段の空き容量の少なくとも一つに基づいて、前記第1期間の長さを決定する、
付記1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記判定手段は、前記イベントが検出された前記画像の領域に基づいて前記画像の領域のうち録画させる領域を決定し、録画させる領域の解像度に基づいて前記第1期間の長さを決定する、
付記1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記判定手段は、前記イベントの種別に基づいて、前記画像を録画させる際の解像度及びフレームレートの少なくとも一方を含む画質を決定し、前記画質に基づいて前記第1期間の長さを決定する、
付記1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記判定手段は、
混雑を示す前記イベントの種別である場合、前記画質を第1解像度及び第1フレームレートに決定し、
人物の転倒、うずくまり、くしゃみ、咳、及びマスクの非着用の少なくとも一つを示す前記イベントの種別である場合、前記画質を、前記第1解像度よりも高い第2解像度、及び前記第1フレームレートよりも低い第2フレームレートに決定する、
付記6に記載の情報処理装置。
(付記8)
前記判定手段は、前記イベントの種別が、人物の転倒、うずくまり、くしゃみ、咳、及びマスクの非着用の少なくとも一つを示すイベントの種別である場合、
前記人物の顔の正面の画像が録画されている場合は、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に録画を停止させると判定し、
前記人物の顔の正面の画像が録画されていない場合は、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に録画を継続させると判定する、
付記1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記9)
撮影装置で撮影された画像に基づいて検出されたイベントを示す情報を取得し、
前記イベントが第1時点で検出された際に前記画像の録画を開始させ、前記第1時点から第1期間内で前記イベントが継続して検出されている場合は録画を継続させ、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に前記イベントが継続して検出されている場合は録画を停止させる、情報処理方法。
(付記10)
情報処理装置に、
撮影装置で撮影された画像に基づいて検出されたイベントを示す情報を取得する処理と、
前記イベントが第1時点で検出された際に前記画像の録画を開始させ、前記第1時点から第1期間内で前記イベントが継続して検出されている場合は録画を継続させ、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に前記イベントが継続して検出されている場合は録画を停止させると判定する処理と、
前記判定する処理での判定結果に基づいて、録画の開始及び終了を制御する処理と、
を実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記11)
画像を撮影する撮影装置と、情報処理装置とを含み、
前記情報処理装置は、
前記撮影装置で撮影された画像に基づいて検出されたイベントを示す情報を取得する取得手段と、
前記イベントが第1時点で検出された際に前記画像の録画を開始させ、前記第1時点から第1期間内で前記イベントが継続して検出されている場合は録画を継続させ、前記第1時点から前記第1期間を超えた際に前記イベントが継続して検出されている場合は録画を停止させると判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、録画の開始及び終了を制御する録画制御手段と、を有する、
情報処理システム。
(付記12)
前記判定手段は、前記イベントが第2時点で検出されなくなったのち、前記第2時点から所定時間内である第3時点で検出された場合、前記第2時点から前記第3時点までの間、前記イベントが継続して検出されていると判定する、
付記11に記載の情報処理システム。
【0055】
この出願は、2021年3月30日に出願された日本出願特願2021-056702を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0056】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 取得部
12 判定部
13 録画制御部
20 撮影装置