(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170503
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20241203BHJP
G06F 3/06 20060101ALI20241203BHJP
G06F 16/16 20190101ALI20241203BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
G06F21/62 309
G06F3/06 304H
G06F16/16
G07C5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151251
(22)【出願日】2024-09-03
(62)【分割の表示】P 2023200456の分割
【原出願日】2015-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 要
(72)【発明者】
【氏名】小池 茂
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ドライブレコーダのビューアアプリの実行の際にオペレーティングシステムの管理者権限がないユーザであっても使い勝手のよいシステム及びプログラムを提供する。
【解決手段】方法は、ユーザはまずデバイス名選択部の取得ボタンをクリック等してプルダウンメニューに表示されるカードリーダーのリストの中から権限を付与する対象のカードリーダーを選択した後、選択ボタンをクリック等して表示されるドライブ選択ダイアログでドライブを選択し、権限付与ボタンをクリック等すると、パソコンはユーザによって選択されたカードリーダーとドライブの組み合わせに対して権限が付与するようレジストリを書き換える。ビューアアプリでのドライブレコーダのSDカードの読取時に、オペレーティングシステムがこのレジストリを参照してカードリーダーでの読取での管理者権限の要求が行われなくなる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレーティングシステムの標準機能によってサポートされる第一のフォーマットのパーテーションである第一のパーテーションとオペレーティングシステムの標準機能によってサポートされないがドライブレコーダではサポートされている第二のフォーマットのパーテーションである第二のパーテーションとを備えた記録媒体の前記第二のパーテーションに記録された情報を前記オペレーティングシステムが実行されるコンピュータの表示手段に表示するための機能をコンピュータに実現させるためのビューアアプリのプログラムであって、
オペレーティングシステムの機能によってユーザに入力されたユーザ名とパスワードの組み合わせが管理者アカウントとしてオペレーティングシステムに登録済みのものと一致するとして本ビューアアプリに対する第二のパーテーションの領域へのアクセスが許可されたか否かを判定し、アクセス許可が得られた場合には第二のパーテーション領域に格納されたデータへのアクセスを行う処理へ移行する一方、アクセス許可が得られない場合にはエラーダイアログを表示してからビューアアプリを終了する機能を備えること
を特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記オペレーティングシステムよる前記ビューアアプリの起動時には、前記オペレーティングシステムの標準機能によってサポートされる第一のフォーマットのパーテーションである第一のパーテーションとオペレーティングシステムの標準機能によってサポートされないがドライブレコーダではサポートされている第二のフォーマットのパーテーションである第二のパーテーションとを備えた記録媒体の挿入されたドライブを選択するためのダイアログを表示する機能を備えること
を特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシステム及びプログラム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両で取得した情報である車両状況情報(例えば前方映像、速度、加速度など)を記録媒体に記録するドライブレコーダは、特にトラック等の運送用の車両や、タクシー,バス等の営業用車両への搭載が広まっており、さらに、一般の車両にも搭載されつつある。
【0003】
ドライブレコーダには、例えば車両の走行時等に車両状況情報を常時記録するものや、事故時及び急制動時の発生前後の一定期間についての車両状況情報を随時記録するものがある。
【0004】
こうしたドライブレコーダによる車両状況情報の記録は、ドライブレコーダに着脱可能なSDカード等のメモリカードなどの着脱可能な記録媒体に対して行っている。そして車両状況情報の解析は一般的にパソコン上で動作するビューアーアプリケーションソフト(以下ビューアアプリという)の処理で行われるものが多い。
【0005】
解析の際には車両のドライブレコーダからこの記録媒体を抜き取り、事務所等の解析用のパソコンに接続されたメモリカードリーダにこの記録媒体を挿入する。パソコンではビューアアプリの処理によりメモリカードリーダに挿入された記録媒体の車両状況情報を読取って画面にその情報を可視化して表示する(例えば特許文献1)。これにより車両状況情報の確認や分析を画面に可視化された情報に基づいて行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところでパソコンで読取可能な記録媒体への記録形式は種々の記録形式がある。例えば、パソコンのオペレーティングシステムの標準機能によって読取り可能な記録形式なものと、パソコンのオペレーティングシステムの標準機能によって読取できないが専用の読取りプログラムを当該オペレーティングシステムで実行することで読み取ることのできる記録形式のものがある。例えばマイクロソフト社のWindows(登録商標。以下同じ。)ではFATやNTFSといったフォーマット(以下ファイルシステムともいう)等の記録形式に標準機能で対応しているが、例えばext4等のフォーマット等の記録形式には標準では対応していない。
【0008】
ドライブレコーダの記録する記録媒体の記録形式としては、通常はビューアアプリの動作するオペレーティングシステムが標準機能で読取可能な記録形式で記録することが一般的である。例えばビューアアプリが動作するオペレーティングシステムがWindowsであれば様々な機器で読取りも可能な標準的なフォーマットであるFATファイルシステムの一種(例えばFAT32)が用いられている。
【0009】
ところが、オペレーティングシステムが標準機能で読取可能な記録形式でドライブレコーダが記録媒体に情報を記録する構成では、オペレーティングシステム自身の有するファイル管理ソフトで記録されたファイルを削除したり、あるいは当該オペレーティングシステムで動作する他のソフトで、ドライブレコーダで記録された情報を読み取ったり、書き換えたりすることが容易にできてしまう。
【0010】
そのため、車両状況情報等のドライブレコーダが記録した情報などについて、他のソフトを利用したこうした書き換え等を防止したい要求がある場合などには、あえてオペレーティングシステムの標準機能によって読取できない記録形式を記録媒体の記録領域の全部または一部に採用して車両状況情報等のドライブレコーダの情報を記憶する構成とすることが考えられる。
【0011】
ところが、このようなオペレーティングシステムの標準機能によって読取できない記録形式の領域を含む記録媒体は、オペレーティングシステムのセキュリティ機能等によってその読取を行うためにオペレーティングシステムの管理者権限が要求されるものがある。このようなものの場合、ビューアアプリの利用者が、オペレーティングシステムのこうした管理者権限がないユーザである場合には、車両状況情報等のドライブレコーダで記録された情報をビューアアプリで読み取って可視化等させることができないという問題を見出した。
【0012】
そこで、本発明は、このような課題を解決し、オペレーティングシステムにおける所定の権限である管理者権限がないユーザであっても使い勝手のよいシステム及びプログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)オペレーティングシステムの標準機能によって読取がサポートされない所定の領域にドライブレコーダによって記憶された情報を読み取る機能を備えたアプリケーションプログラムの動作の際に、当該オペレーティングシステムによる管理者権限の要求表示を行わないように制御させるための機能を備えるシステムとするとよい。
【0014】
このようにすれば、ドライブレコーダによって記録された情報の書き換え等を困難にできるとともに、ドライブレコーダによって記録された情報を読み取る機能を備えたアプリケーションプログラムの動作の際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求動作が行われなくなり、オペレーティングシステムの当該管理者権限のないユーザ(例えば一般ユーザ)である利用者であっても、このアプリケーションプログラムによってドライブレコーダにより記録された情報を読み取って利用できる。
【0015】
オペレーティングシステムの標準機能によって読取がサポートされない所定の領域は、例えば、オペレーティングシステムの標準機能によってサポートされない記録形式の領域とするとよい。
【0016】
動作の際としては、例えばアプリケーションプログラムが動作中とするとよく、特に当該オペレーティングシステムの標準機能によって読取がサポートされない所定の領域にドライブレコーダによって記憶された情報の読み取りを前記アプリケーションプログラムが読み込むための処理の際を備えるとよい。例えばアプリケーションプログラムの動作の際としては、アプリケーションプログラムの動作の際以外の他のプログラム等のアクセスの際も含むように構成してもよい。望ましくは、アプリケーションプログラムのアクセスの際にだけ当該オペレーティングシステムによってオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないように制御させる構成とするとよい。
【0017】
オペレーティングシステムの管理者権限としては、読取がサポートされない所定の領域にドライブレコーダによって記憶された情報を読み取るのに必要な権限とするとよい。
【0018】
オペレーティングシステムの標準機能によって読取がサポートされない所定の領域にドライブレコーダによって記憶された情報を読み取る機能を備えたアプリケーションプログラムの動作の際に、当該オペレーティングシステムによる管理者権限の要求表示を行わないように制御させ、オペレーティングシステムの標準機能によって読取がサポートされない所定の領域にドライブレコーダによって記憶された情報を読み取って報知可能とするための機能を備えるシステムとするとよい。
【0019】
(2)前記オペレーティングシステムの標準機能によって読取がサポートされない所定の領域は記録媒体中の所定の領域であり、前記オペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないように制御させる機能は、特定の読取装置での読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないように制御させる機能を備えるとよい。
【0020】
このようにすれば、ドライブレコーダで記録された記録媒体については、この特定の読取装置での読取りの際にはオペレーティングシステムの管理者権限が必要でなくなるとともに、この特定の読取装置以外の読取装置ではオペレーティングシステムの管理者権限が必要な状態を維持できる。例えば、オペレーティングシステム全体でこのような記録媒体からの読取の際に、オペレーティングシステムによって管理者権限の要求を行わないように制御させる構成とすると、広く管理者権限が不要となってしまう。一方で、記録媒体毎にオペレーティングシステムによって管理者権限の要求を行わないように制御させる構成とすると媒体毎に管理者権限の要求を行わないように設定する必要があり、管理者権限を持つ者に媒体が増える毎に権限を付与してもらうよう依頼する必要が生じてしまう。本構成によればこのような問題も解決できる。特に特定の読取装置以外の読取装置による読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示は行うように制御させる構成とするとよい。
【0021】
記録媒体は、例えば、ドライブレコーダとこのシステムを有するコンピュータとの間で可搬な媒体とするとよい。例えばUSBメモリ等としてもよいが、特にカード型の記録媒体とするとよく、例えばSDカード等とするとよい。
【0022】
読取装置は、例えばカードリーダ等とするとよい。このようにすれば特定のカードリーダでこの記録媒体を読み取る際にだけ、一般ユーザでもアプリケーションプログラムによって情報を閲覧できる。
読取装置はこのシステムを備えるコンピュータに対して着脱可能に構成された読取り装置とするとよい。例えばUSB接続のカードリーダ等とするとよい。
【0023】
読取装置はこのシステムを備えるコンピュータに対して複数のものが着脱可能に構成されるとよく、このような複数の読取装置の中で特定の読取装置での読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないように制御させるとよい。また例えば、読取装置として、このシステムを備えるコンピュータに内蔵されたものと、外付けされるものを備える場合などには、内蔵されるものを特定の読取装置とする機能を備えるとよい。このようにすれば、悪意ある第三者等が外付け読取装置で管理者権限なしに読取可能にしてしまうおそれを低減できる。
【0024】
特定の読取装置であるか否かは、例えば、読取装置の種類の識別情報、読取装置の個体の識別情報などに基づいて判定する構成とするとよい。当該システムのコンピュータ及び当該オペレーティングシステムにて取得できる識別情報を用いるとよく、例えば、USB接続のカードリーダであって、オペレーティングシステムがWindows8であれば、カードリーダの種類毎(あるいは例えばオペレーティングシステムで必要されるデバイスドライバの種類毎など)にカードリーダを識別可能であるので読取装置の種類の識別情報を用いるとよい。
【0025】
ところがこのような構成であると、同じ種類として識別された読取装置の中での1つ1つの個体の識別ができないなどの問題が発生しうる。そこで、特定の読取装置での読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないように制御は、例えば、前記オペレーティングシステムが実行されるコンピュータに対して物理的に接続された読取装置を識別するための読取装置の物理的な識別情報に基づいておこなう構成とするとよいが、次のようにすると特によい。
【0026】
(3) 前記特定の読取装置での読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないようにさせる制御は、前記オペレーティングシステムが実行されるコンピュータに対して物理的に接続された読取装置を識別するための読取装置の物理的な識別情報と、当該読取装置が当該オペレーティングシステムによって認識され割り当てられた論理的な識別情報との双方に基づいて行う機能を備えるとよい。
【0027】
このようにすれば、例えば、読取装置の物理的な識別情報が同一の装置が複数個接続された際に、より確実に管理者権限の要求表示を行わない読取装置の個体を識別して、当該読取装置での読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行われなくなるとともに、当該読取装置と物理的な識別情報が同一の個体であるが管理者権限の要求表示を行わせない対象ではない個体を識別してその個体での読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行うようにさせることができる。
【0028】
例えば、当該読取装置にオペレーティングシステムが割り当てられた論理的な識別情報としてドライブレターを用いるとよい。このようにすれば読取装置の有する識別情報だけでは、個体の識別が困難な場合であっても、より確実に管理者権限を付与した読取装置の個体であるか否かを判定することができるようになる。
(4)当該システムを有するコンピュータに接続された複数の読取装置の中から前記特定の読取装置をユーザに選択させるための機能を備えるとよい。
【0029】
このようにすれば、ユーザは、コンピュータに接続された複数の読取装置の中からオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないように制御させる読取装置を決めることができる。ユーザが選択していない読取装置については前記特定の読取装置としない構成とするとよい。
【0030】
当該システムを有するコンピュータに接続された複数の読取装置の中から前記特定の読取装置をユーザに選択させるための機能としては、例えば、当該システムを有するコンピュータに接続された複数の読取装置を識別するための情報を当該読取装置から取得するなどして、一覧等で表示し、当該一覧等の表示の中から、検出されたユーザの操作によって選択された読取装置を特定の読取装置として選択されたものと判定する機能を備えるとよい。
【0031】
(5)前記オペレーティングシステムによって管理者権限の要求を行わないように制御させるための機能は、オペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域の情報を書き換える機能とするとよい。
【0032】
このようにすれば、オペレーティングシステムのデバイスドライバを開発するなど、オペレーティングシステムが管理者権限で実行するプログラムを開発して、管理者権限の要求動作をしないようにする処理を加えることなく容易に実現できる。
【0033】
オペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域の情報は、オペレーティングシステムが管理者権限の要求を行わないように制御する情報へと書き換えるとよい。例えばマイクロソフト社のWindows8であれば、管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用するレジストリ領域の情報を書き換える機能とするとよい。
【0034】
(6)前記オペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域は、オペレーティングシステムのシャットダウンをしても消去されない領域のものとするとよい。
【0035】
このようにすれば、一度、この情報領域を書き換えるプログラムを実行しておくだけで管理者権限の要求表示は、なされなくなる。以後、例えば、前記アプリケーションプログラムの実行に先立って、再度この情報領域を書き換えるプログラムをいちいち再実行したりする手間がかからない。
【0036】
(7)前記オペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域を書き換える機能は、前記ドライブレコーダによって記録された情報を読み取る機能よりも前に実行される機能を備えるとよい。
【0037】
このようにすれば、ドライブレコーダによって記録された情報を読み取る機能の実行の際に管理者権限が要求され、オペレーティングシステムの管理者権限を持つ担当者を呼びに行ったりする必要が生じてしまうなどドライブレコーダによって記録された情報をいざ読み出そうとした際にすぐにドライブレコーダによって記録された情報を読み取る機能を実現できないという問題を防止できる。
【0038】
前記オペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域を書き換える機能を、前記ドライブレコーダによって記録された情報を読み取る機能よりも前に実行される機能とする構成としては、例えば、オペレーティングシステムの標準機能によって読取がサポートされない所定の領域にドライブレコーダによって記憶された情報を読み取る機能を備えたアプリケーションプログラムの動作のための準備の際に、当該記憶領域の状態をまず確認し、管理者権限が要求される状態である場合には、ドライブレコーダによって記録された情報を読み取る機能よりも前にオペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域を書き換える処理を行うとよい。動作のための準備の際としては、例えば該アプリケーションプログラムの初回の起動の際としてもよいが、特に当該アプリケーションプログラムのインストールの際とするとよい。
【0039】
また、オペレーティングシステムの標準機能によって読取がサポートされない所定の領域にドライブレコーダによって記憶された情報を読み取る機能を備えたアプリケーションプログラム(以下、情報読取アプリという)とは、別のアプリケーションプログラムとしてオペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域を書き換える機能を有する設定用のアプリケーションプログラム(以下設定用アプリ)を構成し、まず設定用アプリを実行してから、次に情報読取アプリを実行する構成とするとよい。
【0040】
(8)前記オペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域を書き換える機能をコンピュータに実現させるためのプログラムと、前記ドライブレコーダによって記録された情報を読み取る機能を備えたアプリケーションプログラムを別の実行ファイルとして構成するとよい。
【0041】
このようにすれば、管理者権限を要求したくないコンピュータに限ってオペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域を書き換える機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを実行することなどが容易となるとともに、管理者権限を要求したいコンピュータにはこのプログラムを導入しないようにすることもでき、安全性が高まる。
【0042】
(9)前記アプリケーションプログラムによるコンピュータの動作により、ドライブレコーダによって記録された情報を読み取る機能は、前記オペレーティングシステムの管理者権限とは異なる当該ドライブレコーダによって記録された情報の閲覧権限を要求する構成とするとよい。
【0043】
コンピュータのオペレーティングシステムの管理者権限は、当該コンピュータの管理者に付与されるのが通常である。一方、ドライブレコーダによって記録された情報の閲覧権限は必ずしもコンピュータの管理者に付与されるものとはかぎらないことを見出した。そこで、コンピュータのオペレーティングシステムの管理者権限とは異なるドライブレコーダによって記録された情報の閲覧権限を要求する機能をドライブレコーダによって記録された情報を読み取る機能に備えることで、両者を異なる者として指定することなども容易に実現できる。
【0044】
(10)オペレーティングシステムの標準機能によって読取がサポートされない所定の領域にドライブレコーダによって記憶された情報を読み取る機能を備えたアプリケーションプログラムの動作の際に、当該オペレーティングシステムによってオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないように制御させるための機能を無効化する機能を備えるとよい。
【0045】
このようにすれば、当該オペレーティングシステムによってオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行うようにできる。例えば、一度当該オペレーティングシステムによってオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わない状態とさせた、あとで、元の管理者権限の要求表示を行う状態へ戻すことができる。
【0046】
例えば、オペレーティングシステムによって管理者権限の要求を行わないように制御させるための機能が、オペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域の情報を書き換える機能である構成において、オペレーティングシステムが管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用する情報領域の情報が、オペレーティングシステムが管理者権限の要求を行わないように制御する情報へと書き換えられている場合などにおいては、この情報を管理者権限の要求を行う情報にする機能を備えるとよい。
【0047】
(11)オペレーティングシステムシステムのバージョンを判定し、オペレーティングシステムの標準機能によって読取がサポートされない所定の領域にドライブレコーダによって記憶された情報を読み取る機能を備えたアプリケーションプログラムの動作の際に、当該オペレーティングシステムによってオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示が行われないバージョンである場合には、当該オペレーティングシステムによってオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないようにする制御を行わない構成とするとよい。
【0048】
特に近年のオペレーティングシステムのセキュリティ強化によって、過去のバージョンのオペレーティングシステムではこのような場合に管理者権限が必要でなかったのに、新しいバージョンのオペレーティングシステムでは管理者権限が必要とされるケースがでてきていることを見出した。
(12)例えば上記(1)から(11)に記載の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよい。
【発明の効果】
【0049】
本発明によればオペレーティングシステムにおける所定の権限である管理者権限がないユーザであっても使い勝手のよいシステム及びプログラム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】ドライブレコーダとパソコンとの間のSDカードの受け渡し等を説明する説明図。
【
図2】ドライブレコーダの車両への設置例を説明する説明図。
【
図3】ドライブレコーダの電気的概略構成例を説明するブロック図。
【
図4】パソコンとパソコンに接続される機器の電気的概略構成例を説明するブロック図。
【
図5】ビューアアプリの実行時にビューアアプリのプログラムによるパソコンの処理によってモニターに表示される画面の一例を説明する説明図。
【
図6】権限がない場合に表示される管理者権限の要求画面の一例を示す説明図。
【
図7】権限変更アプリが表示する画面の一例を示す説明図。
【
図8】権限変更アプリが表示する画面の一例を示す説明図。
【
図9】権限変更アプリが表示する画面の一例を示す説明図。
【
図10】権限変更アプリが表示する画面の一例を示す説明図。
【
図11】権限変更アプリが表示する画面の一例を示す説明図。
【
図12】権限変更アプリが表示する画面の一例を示す説明図。
【
図13】権限変更アプリが表示する画面の一例を示す説明図。
【
図14】権限変更アプリが表示する画面の一例を示す説明図。
【
図15】権限変更アプリが表示する画面の一例を示す説明図。
【
図16】ビューアアプリの機能の一例であるドライブレコーダの感度設定のためのダイアログボックスの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の一実施例として本システムをパソコン及び当該パソコン上で実行されるプログラムの処理によって実現した例に基づいて説明する。
【0052】
図1に示すように、ドライブレコーダ1に装着されてドライブレコーダ1によって車両状況情報が記録されたSDカードがドライブレコーダ1から抜き取られ、パソコン35に接続されたSDカードリーダライタ36に装着された状態で、パソコン35が行う構成が本システムの一実施例となる。
パソコン35上では、オペレーティングシステムとしてWindows8が動作している。
【0053】
SDカードは16GBの容量のカードであり、最初の1GBをパソコン35上で動作するWindows8のオペレーティングシステムの標準機能によってサポートされるFAT32(以下第一のフォーマットという)のパーテーション(以下第一のパーテーションという)であり、残りの15GBをFAT32でもNTFSでもない標準機能によってサポートされないがドライブレコーダ1ではサポートされているフォーマット(第二のフォーマットという)のパーテーション(以下第二のパーテーションという)としている。
【0054】
第一のパーテーションの第一のフォーマットの領域には、例えば
図5の表示例に示すようにパソコン35のモニターに車両状況情報を表示するためのアプリケーションプログラムであるビューアアプリの実行ファイルを含むインストーラーファイルが記録されている。SDカードが本システム用のものであることを識別するための情報として第一のパーテーションのボリュームラベルを「DRIVEREC1」にして記録している。
【0055】
ドライブレコーダ1は、
図2に示すように、車両のフロントガラス3の上部であって左右方向中央付近のルームミラー4に隣接する助手席側の位置に両面テープ等の取付部材をフロントガラスに貼り付けて固定している。ドライブレコーダ1は、車両前方を撮影する向きにカメラのレンズが向けられて固定されている。ドライブレコーダ1はシガーソケット5と電源ケーブル6が接続され、車両のアクセサリ電源がオンの場合に車両側から給電を受ける。
【0056】
図3はドライブレコーダ1の電気的な概略構成を示す図である。
図3に示すように、ドライブレコーダ1は、コントローラMCと、CCDカメラ13と、インターフェース33と、GPS受信器24と、SDカードリーダー31と、加速度センサ15と、データベース32等を備える。コントローラMCには、CCDカメラ13に接続されCCDカメラ13からの映像信号をコントローラMCへの入力可能なデジタル信号へ変換するインターフェース33と、加速度センサ15、GPS受信機24、SDカードリーダー31、データベース32がそれぞれ接続されている。
【0057】
コントローラMCは周知のCPUやROM及びRAM等のメモリ、タイマ、その他の周辺回路等を有するマイコン等から構成されている。コントローラMCのROM内にはGPS受信器24によって受信されたGPS情報をSDカードに保存させるGPS情報処理プログラム、CCDカメラ13によって撮影された映像をSDカードに保存させる映像処理プログラム、加速度センサ15によって検出された加速度情報を経時的にSDカード保存させる加速度記録プログラム及びOS(Operation System)等の各種プログラムが記憶されており、コントローラMCはこうしたプログラムを実行することで各種の機能を実現する。
【0058】
GPS受信機24はコントローラMCの指示に基づいて現在時間における自車の位置情報を検出する。検出タイミングは本実施例では1秒ごととされている。コントローラMCは、1秒毎に位置情報の履歴(以下位置履歴データという)を、SDカードリーダー31を介してSDカード内に記憶させる位置履歴記録処理を行う。位置情報は、GPS衛星からの信号に基づいて求めた時刻、自車の位置、速度、緯度、経度、高度等である。GPS衛星からの信号に基づいてこれら各種のデータの履歴を記録する処理を行う。加速度センサ15は3軸(X,Y,Z)それぞれの方向の加速度及び傾きを検出する3軸タイプのセンサであって、常時検出値をコントローラMCに出力する。コントローラMCは、10msごとにこの3軸の加速度の情報と時刻の情報を関連づけて加速度情報の履歴(以下加速度履歴データという)として、SDカードリーダー31を介してSDカード内に記憶させる加速度履歴記録処理を行う。SDカードリーダー31はコントローラMCの制御に基づいて挿入口18から挿入されるSDカードのデータを読み取り、あるいはSDカードのデータを更新する。データベース32はコントローラMCに外付けした不揮発性メモリ(例えばEEPROM)である。CCDカメラ13は撮影されるデジタル変換をするインターフェース部33を介して常時撮影した映像情報をコントローラMCに出力する。コントローラMCはインターフェース部33を介して入力した映像情報を時刻と関連付けた映像情報(以下常時記録映像データという)としてSDカードリーダー31を介してSDカード内に記憶させる常時録画処理を行う。また、映像情報をメモリ内に仮保存(本実施例では20秒間の映像)するとともに、加速度センサ15から検出した加速度が、事故時の衝撃に相当する加速度に相当する場合に、衝撃発生前の20秒に仮保存されている映像と衝撃発生後の20秒間の映像情報をつなげた映像情報とその時刻の情報とを関連付けたデータ(イベント記録映像データという)を、SDカードリーダー31を介してSDカード内に記憶させるイベント録画処理を行う。
【0059】
ドライブレコーダ1によるこれらの処理によって、SDカード内の第二のパーテーションの第二のフォーマットがされた領域に、位置履歴データと、加速度履歴データと、常時記録映像データと、イベント記録映像データとを記録する。
【0060】
パソコン35はWindows8が動作する一般的なノートパソコンであり、
図4はその一部およびパソコン35に接続された機器を図示した概略構成図である。
図4に示すようにパソコン35は制御装置であるMPU(Micro Processing Unit)37を備えている。MPU37にはROM38及びRAM39が接続されている。MPU37にはハードディスク・ドライブ40、キーボード42、図示しないタッチパッド及びモニター45がそれぞれ対応するインターフェース等を介して(図示省略)接続されている。またパソコン35の有するUSBポートにはマウス43、プリンタ44、SDカードリーダライタ36が接続されている。ハードディスク・ドライブ40内のハードディスクにはパソコン35のオペレーティングシステムであるWindows8(オペレーティングシステムを構成するプログラムやデータ)と、Windows8上で動作する各種のアプリケーションプログラムやデータが記憶されている。
【0061】
ユーザはタッチパッドまたはマウス43(以下ポインティングデバイスという)を操作して、アプリケーションプログラムの起動用アイコンをダブルクリックするなど、オペレーティングシステムの機能を利用して各種のプログラムを起動することができ、起動したアプリケーションプログラムによる処理をパソコン35に実行させ、パソコン35は所定の機能を実現することができる。以下、マウス43のクリック、タッチパッドのタップ、キーボード42のエンターキーの押下などをクリック等という。
【0062】
ユーザは、ドライブレコーダ1でデータが記録されたSDカードをドライブレコーダ1から抜き取り、パソコン35に接続されたSDカードリーダライタ36に装着する。
パソコン35のオペレーティングシステムは、SDカードのSDカードリーダライタ36への装着により、USBポート経由でSDカードへのアクセスを行う。
【0063】
オペレーティングシステムは、SDカード内の標準機能によってサポートされる第一のフォーマットの第一のパーテーションを認識し、その中にあるファイルの一覧を表示する。その結果、ビューアアプリのインストーラーファイルが一覧に表示される。未だビューアアプリをインストールしていない場合、ユーザはこのインストーラーファイルをポインティングデバイスでダブルクリック等してオペレーティングシステムに実行させる。インストールが完了するとオペレーティングシステムにおいてビューアアプリの実行用アプリが表示されるようになる。
【0064】
ビューアアプリのインストールが完了した場合やすでにインストールがされている場合には、ユーザはオペレーティングシステムによってモニター45のデスクトップに表示されるビューアアプリのアイコンをダブルクリックしてビューアアプリを起動することができる。オペレーティングシステムはこうしたビューアアプリの起動操作を検知して、ビューアアプリを起動する。
【0065】
ビューアアプリの起動時には
図10に示すのと同様のフォルダーの参照ダイアログを表示する。ユーザは表示されたオペレーティングシステムによって認識されているこれらのドライブのうち、SDカードを挿入したドライブに対応するドライブを選択する。ここでは、ボリュームラベルとして「DRIVEREC1」と表示されているドライブレター「i:」のドライブがSDカードを挿入したドライブであるとする。ユーザからの「DRIVEREC1 i:」のポインティングデバイスでクリック等による選択を検出し、「OK」ボタンのクリック等を検出した場合、ビューアアプリはドライブレター「i:」のドライブの第二のパーテーションに記憶されたイベント記録映像データへのアクセスをオペレーティングシステムへ要求する。オペレーティングシステムはこの要求をビューアアプリの処理から受けとって、第二のパーテーションに記憶されたイベント記録映像データへのアクセスを試みるが、第二のパーテーションが標準でサポートされていないフォーマットであると判定して、このドライブのカードリーダーのデバイス毎に用意された管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用しているレジストリ領域の情報が、管理者権限の要求を行わないようにする値になっているか否かを判定し、管理者権限の要求を行わないようにする値になっていない場合には、現在このオペレーティングシステムにログインしているユーザアカウントに管理者権限があるか否かを判定する。当該ユーザアカウントに管理者権限がない場合には、ビューアアプリに対して管理者権限が必要な状態である旨の情報を返す。ビューアアプリは
図6に示すようなオペレーティングシステムの管理者権限要求ダイアログを表示するようオペレーティングシステムへ要求する。一方、当該ユーザアカウントに管理者権限がある場合にはビューアアプリに対する第二のパーテーションの領域へのアクセスが許可される。
【0066】
管理者権限要求ダイアログは、管理者アカウントのユーザ名とパスワードの入力をユーザに求めるダイアログである。ここで、ビューアアプリの利用者から、管理者アカウントのユーザ名とパスワードを入力がなされ「はい」のクリック等が検出された場合には、オペレーティングシステムは、当該入力されたユーザ名とパスワードの組み合わせが管理者アカウントとしてオペレーティングシステムに登録済みのものと一致する否かを判定する。一致する場合には、ビューアアプリに対する第二のパーテーションの領域へのアクセスを許可する一方、一致しない場合には、ビューアアプリに対する第二のパーテーションの領域へのアクセスを許可しない。
【0067】
ビューアアプリは、オペレーティングシステムシステムから、第二のパーテーションの領域へのアクセスの許可が得られたか否かを判定し、アクセス許可が得られない場合には、
図11に示すのと同様のエラーダイアログを表示して「OK」のクリック等が検出されたら、ビューアアプリを終了する。このように管理者アカウントのユーザ名とパスワードが入力されない限り、第二のパーテーション領域に格納されたデータはビューアアプリでは表示することができない。
【0068】
なお、上述したこのドライブのカードリーダーのデバイス毎に用意された管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用しているレジストリ領域の情報が、管理者権限の要求を行わないようにする値になっているか否かを判定において、このドライブのカードリーダーのデバイス毎に用意された管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用しているレジストリ領域の情報が、管理者権限の要求を行わないようにする値になっている場合には、現在このオペレーティングシステムにログインしているユーザアカウントに管理者権限があるか否かを判定はせずに、管理者権限のビューアアプリに対して管理者権限が必要な状態である旨の情報は返さない。その結果、管理者権限のないユーザであってもアクセス許可が得られ、本アプリの動作を続行させることができる。
【0069】
ビューアアプリは、第二のフォーマットの領域へのアクセスを行うプログラムを備えている。このプログラムは、独自のフォーマットの領域へのアクセスを行うように構成してもよいが、Windowsの標準ではサポートされないが、既存の他のオペレーティングシステムではサポートされているフォーマットのファイルシステムへのアクセスのためのプログラムを組み込むようにしてもよい。
【0070】
アクセス許可が得られた場合には、ビューアアプリは、自己の有する第二のフォーマットのファイルシステムへのアクセスのためのプログラムを用いて、第二のパーテーション領域に格納されたデータへのアクセスを行い、SDカード内の第二のパーテーションの第二のフォーマットがされた領域にドライブレコーダ1によって記録されている位置履歴データと、加速度履歴データと、常時記録映像データと、イベント記録映像データとを読み込んで表示する処理を行う。
【0071】
図5は、この処理によってモニター45に表示されるビューア画面の一例である。ビューア画面51の上部位置には各種操作を実行させるメニューバー52が配置されている。メニューバー52の左寄り下方向には上から順に、SDカードに保存されている常時記録映像データまたはイベント記録映像データのいずれかの再生映像を表示させる映像表示エリア53、位置履歴データの中の速度情報を再生表示させる走行速度表示エリア55、加速度履歴データの中の加速度情報を再生表示させる加速度表示エリア56、位置履歴データの中の緯度・経度情報を再生表示させる緯度・経度表示エリア57、加速度履歴表示エリア59の上にあり左から順に映像の巻き戻し、頭出し、逆再生、一時停止、再生、最終送り、早送りのボタンを備える映像駆動ボタン、加速度履歴データの再生時点の前後それぞれ20秒の3軸の加速度をそれぞれ折れ線グラフで再生表示させる加速度履歴表示エリア59が配置され、メニューバー52の右寄り下方向には上から順にプレイリスト60、地図エリア61を配置している。なお、いずれのエリアの再生表示もそれぞれのデータに含まれる同一の時刻情報で同期させて再生表示させる(以下これらの情報を同期させて再生することを同期再生という)。
【0072】
プレイリスト60には、イベント記録映像データの一覧を表示する。この一覧は1つのイベント記録映像データ(本実施例では衝撃発生前後の40秒)のまとまり(以下イベント単位という)として記録されているので、そのまとまり毎に(イベント単位で)、その開始の時刻情報を表示する。時刻情報を表示させた各部はボタンとなっており、ユーザはこのプレイリスト60に表示された各イベントの時刻をみて、再生させたいイベントのボタンをクリック等する。
【0073】
ビューアアプリはその処理により、ユーザによってクリック等されたイベントについての同期再生を開始する。この時まず表示される画像はイベントが発生したと判断された時点のイベント記録映像データの静止映像である。映像駆動ボタンの操作の検出によって撮影画像の再生等を行い、その再生にともなって、走行速度表示エリア55、加速度表示エリア56、緯度・経度表示エリア57にはそれぞれその画像に対応する時刻のデータを表示し、地図エリア61には当該時刻に画像が撮影された地点を含む周辺地図を表示させる。加速度履歴表示エリア59には当該撮影画像の3軸方向の加速度履歴が保存された時間(トータル40秒)に渡って表示し、現在映像表示エリア53に表示されている時間の加速度位置を縦のバーとしてプロットしている。
【0074】
ユーザは映像駆動ボタンを操作することで当該ファイルの撮影画像の40秒間の任意の位置を映像表示エリア53に静止画像を表示させることができ、更に40秒間で任意に動画像を表示させることができる。動画像を表示させる場合には、走行速度表示エリア55、加速度表示エリア56、緯度・経度表示エリア57、加速度履歴表示エリア59、地図エリア61の表示も動きにつれて同期して変化する。なお、プレイリスト52の下の「閉じる」ボタンの押下が検出された場合には、映像表示エリア53は常時記録映像データを表示する状態に切り替えられ、映像駆動ボタンの操作により任意の位置から再生する機能も備えている。
このように管理者権限を有する状態では、SDカードにドライブレコーダ1に記録されたデータを再生して表示させることができる。
【0075】
ところが、前述のとおり、オペレーティングシステムに管理者権限のあるアカウントでログインしない状態で、ビューアアプリを起動すると、通常は管理者権限要求ダイアログが表示され、管理者アカウントのユーザ名とパスワードの入力を求められる。
【0076】
例えば会社組織等では、パソコンのオペレーティングシステムの管理者権限は、いわゆるシステム管理者として権限を与えられた特定の者しかもっておらず、ビューアアプリの利用者は管理者権限を持っていないケースがある。
【0077】
利用者が管理者権限をいちいち要求されないように、システム管理者は、例えば、前述したビューアアプリのインストールに先立って、これから説明する権限変更アプリを実行し、ビューアアプリによる第二のパーテーションへのアクセスの際に、管理者権限要求ダイアログが表示させないようにさせることができる。
【0078】
権限変更アプリは、USBメモリに記憶され、システム管理者に配布される。システム管理者は、このUSBメモリをパソコン35の有するUSBポートに差し込む。オペレーティングシステムはこのUSBメモリを認識し、権限変更アプリの起動用アイコンをモニター45上に表示する。
【0079】
システム管理者は、このアイコンをダブルクリック等して、権限変更アプリ(オペレーティングシステム上で実行されるアプリケーションプログラム)を起動させる。
図7から15を参照して、権限変更アプリの動作を説明する。
【0080】
図7は、権限変更アプリが実行された際に、最初に表示する確認画面である。この確認画面には、管理者権限を有しないユーザに対してビューアアプリによってデータを表示させることが可能となる権限を与えること、システム管理者がオペレーティングシステムの管理者権限を有する状態で本アプリを実行する必要があること、他のソフトウェアに対して影響を与える可能性があること、このパソコンに接続している機器の情報を把握しておいて欲しいこと(図示しないが特に例えばSDカードリーダライタ36の機種の情報を把握しておいて欲しいことを表示するとよい)、免責事項のそれぞれを示すテキスト情報の表示と、同意する場合と同意しないとの操作指示内容を示すテキスト情報の表示ととともに、それらのテキスト情報の表示の下に、「同意する」ボタン及び「同意しない」ボタンを表示する。
【0081】
ユーザ(本アプリのユーザはシステム管理者である)のポインティングデバイスの操作により、「同意する」ボタンのクリック等が検出された場合には、
図8に示す権限変更対象のデバイス及びドライブの選択と権限の付与及び初期化操作を受け付けるメイン画面を表示する。このメイン画面は、
図8の「デバイス名」のテキスト表示とその右側に備えるプルダウンメニューとその右側に備える「取得」と表示した取得ボタンを備えるデバイス名選択部と、その下の「ドライブ名」のテキスト表示と
図8において「ドライブを選択してください」と表記されている選択ドライブ表示部とその右側に備える「選択」と表示した選択ボタンを備えるドライブ名選択部と、その下に左側から右側へ向けて順に、「初期値に戻す」と表示した初期値復帰ボタンと、「権限を与える」と表示した権限付与ボタンと、「終了」と表示した終了ボタンとを備えるウインドウである。
【0082】
ユーザはまずデバイス名選択部の取得ボタンをクリック等してプルダウンメニューに表示されるカードリーダーのリストの中から権限を付与する対象のカードリーダーを選択した後、選択ボタンをクリック等して表示されるドライブ選択ダイアログでドライブを選択し、権限付与ボタンをクリック等すると選択したカードリーダーとドライブの組み合わせに対して権限が付与されることになる。一方、初期値復帰ボタンをクリック等すると選択したカードリーダーとドライブの組み合わせに対して付与されている権限がなくなり、その組み合わせでは権限が要求される状態へ戻る。また終了ボタンをクリック等すると本アプリを終了させることができる。
さらに具体的な本アプリによる処理を説明する。
【0083】
ユーザによる
図8の取得ボタンのクリック等を検出すると、オペレーティングシステムに対してパソコン35に接続されたカードリーダライタのリストの取得を要求してこのリストを受け取り、プルダウンメニューの中にリストとして入れ込む(
図9参照)。その結果、ユーザはプルダウンメニューのリストの中から特定のカードリーダーを選択できる。特定のカードリーダーが選択された場合、プルダウンメニューのプルダウンしていない際に表示されるテキスト表示の内容を、選択されたカードリーダーの名称等の表示とする。例えば、
図9は4種類のカードリーダライタ(物理的には1台であるが4種類のメディアのスロットを備えており、4種類のカードリーダライタとしてオペレーティングシステムが認識しているもの)が接続されている場合の例である。ここでは「BUFFALO BSCR20TU3 -CF/MD USB Device(ディスク ドライブ,USBSTOR\DiskBUFFALO_BSCR20TU3_-CF/MD1.00\dDevice\00000096)」というカードリーダライタが選択された場合についての例を主として説明する。このカードリーダーが選択された場合、
図8のプルダウンメニューのプルダウンしていない状態のデバイス名のテキスト表示は「BUFFALO BSCR20TU3 -CF/MD USB Device(ディスク ドライブ,USBSTOR\DiskBUFFALO_BSCR20TU3_-CF/MD1.00\dDevice\00000096)」のうち、テキスト表示の幅内に表示可能な範囲までの分が表示されることとなる。
【0084】
ユーザによる選択ボタンのクリック等を検出すると、
図10に示すようなドライブ選択ダイアログを表示する。ドライブ選択ダイアログは、権限を変更するドライブの選択を促すテキスト表示と、パソコン35のドライブの一覧を表示するドライブ一覧表示部と、OKボタンとキャンセルボタンとを備える。キャンセルボタンのクリック等を検出した場合、メイン画面に戻る。ユーザであるシステム管理者は、権限を付与するドライブを選択する。例えば、ユーザは、SDカードのボリュームラベルとして本システムのものであることを示す「DRIVEREC1」の表示があるIドライブを他の本システムと関係のないドライブと識別して容易に選択することができる。ドライブ一覧表示部に表示されたドライブの一覧から一つのドライブが選択された場合にはOKボタンのクリックが可能な状態となる。
【0085】
OKボタンのクリック等を検出すると、選択されたドライブが有効なドライブであるか否かを判定し、有効なドライブでない場合には
図11に示すような有効なドライブでない旨のテキスト情報を備えるエラーダイアログを表示する。そしてエラーダイアログに備えるOKボタンのクリック等を検出した場合、
図10に示すドライブ選択ダイアログの表示へ戻る。なお有効なドライブか否かは、ドライブ選択ダイアログで選択されたドライブがカードリーダーのドライブであるか否かを、オペレーティングシステムに問い合わせて取得して判定する。例えば「BD-ROMドライブ(G:)」が選択された場合にはカードリーダーのドライブではないので、エラーダイアログを表示する。
【0086】
一方、選択されたドライブが有効なドライブであるか否かの判定で、有効なドライブである場合には、ドライブ選択ダイアログで選択されたドライブのドライブ名を
図8の選択ドライブ表示部に表示する。ここでは「DRIVEREC1 i:」を選択したケースを主として説明する。この場合、
図8の状態で「ドライブを選択してください」と表記されている選択ドライブ表示部の表示が「DRIVEREC1 i:」の表示に変更されて表示された状態となる。
【0087】
権限付与ボタンのクリック等を検出すると、現在選択されているデバイスとドライブが、有効なデバイスとドライブの組み合わせであるか否かを判定する。有効なデバイスとドライブの組み合わせであるか否かは、例えば選択されているデバイスがどのドライブに割り当てられているかオペレーティングシステムに問い合わせ、割り当てられているドライブが選択されているドライブと一致するか否かによって行う。
【0088】
有効なデバイスとドライブの組み合わせでない場合には、
図12に示す第二エラーダイアログを表示する。第二エラーダイアログは、有効なデバイスとドライブの組み合わせが選択されていない旨を示す内容と、有効なデバイスとドライブの組み合わせを選択する必要がある旨を示す内容を含むテキスト情報と、OKボタンを備える。このOKボタンのクリック等を検出した場合には、メイン画面に戻る。
【0089】
有効なデバイスとドライブの組み合わせである場合には、
図13に示す権限付与確認ダイアログを表示する。権限付与確認ダイアログには、権限を与えるがよいかを聞くテキスト情報と、選択されたデバイスのデバイス名のテキスト情報と、選択されたドライブのドライブ名のテキスト情報と、「はい」「いいえ」の同意・不同意のボタンとを備える。
【0090】
「いいえ」ボタンのクリック等が検出された場合には、メイン画面に戻る。一方、「はい」ボタンのクリック等が検出された場合には、Windowsのレジストリ領域の中で、選択されたカードリーダーへのアクセスする際に管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用している前述したレジストリ領域の情報を、管理者権限の要求を行わないようにする値へと書き換える。なおこの書き換えにはオペレーティングシステムによって管理者権限が必要とされるため、管理者権限のない場合には、
図6に示して説明した管理者権限要求ダイアログを表示して管理者権限が要求されることとなる。書き換えが完了すると
図15に示すような権限付与完了ダイアログを表示する。Windowsは、前述のように、標準でサポートされない第二のフォーマットの領域へのアクセスを行う場合には、その領域のあるSDカードの挿入されたカードリーダーのデバイス毎に用意されたこのレジストリ領域の値を参照して、管理者権限の要求を行うか否かを判定し、行わないようにする値でない場合には管理者権限の要求をする通常の処理をするが、行わないようにする値の場合、管理者権限の要求をする処理を行わない処理をする構成となっている。したがって、このカードリーダーのデバイス毎に用意されたレジストリ領域の値を管理者権限の要求を行わないようにする値へと書き換えることで、ビューアアプリでの第二のフォーマットの領域へのアクセスの際に、
図6に示したオペレーティングシステムの管理者権限要求ダイアログを表示させないようにすることができる。
【0091】
権限付与完了ダイアログは、
図15に示すように、権限を与えた旨を示すテキスト表示と、一度、SDカードリーダライタ36をパソコン35から取り外して、再接続を要求する内容のテキスト表示と、「OK」ボタンを備える。このOKボタンのクリック等を検出するとメイン画面に戻る。
【0092】
このようにして、特定のカードリーダーに対して、権限を付与することができる。付与した権限をなくし、元の権限を付与しない状態に戻すには、
図8のメイン画面において、権限付与の処理と同様の操作及び処理によって権限をなくすデバイスとドライブの組を選択して初期値復帰ボタンのクリック等を検出した場合に、権限付与の処理と同様の操作及び処理によりそのデバイスとドライブの組が正しいかを確認し、正しい場合に、Windowsのレジストリ領域の中で、選択されたカードリーダーへのアクセスする際に管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用しているレジストリ領域の情報を、管理者権限の要求を行わないようにしない値(オペレーティングシステムの標準の値)へと書き換える。上述した権限付与の処理のうち、この権限初期化の処理の相違点は、他に、
図13の権限付与確認ダイアログの「以下の機器に権限を与えます」のテキスト表示を「以下の機器の権限を初期化します」のテキスト表示に変更した権限初期化確認ダイアログになり、
図14の権限付与完了ダイアログの代わりに、
図15の権限変更完了ダイアログを表示する処理となり、それ以外の点は同様の処理である。
メイン画面の終了ボタンのクリック等が検出された場合には、本アプリを終了する。
以上のようにして、特定のカードリーダーに対して、権限の付与または付与された権限をなくすことができる。
【0093】
図13のダイアログ中に示すように権限を付与した場合には、前述したビューアアプリを起動した場合の処理において、フォルダーの参照ダイアログで、ユーザが「DRIVEREC1 i:」をポインティングデバイスでクリック等して選択し、「OK」ボタンのクリック等を検出した場合、ビューアアプリがドライブレター「i:」のドライブの第二のパーテーションに記憶されたイベント記録映像データへのアクセスをオペレーティングシステムへ要求した際に、オペレーティングシステムはこのドライブのこのカードリーダーのデバイス用に用意された管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用しているレジストリ領域の情報は管理者権限の要求を行わないようにする値になっていると判定し、現在このオペレーティングシステムにログインしているユーザアカウントに管理者権限があるか否かを判定はせずに、管理者権限のビューアアプリに対して管理者権限が必要な状態である旨の情報は返さないこととなり、管理者権限のないユーザであってもアクセス許可が得られ、ビューアアプリの動作を続行させることができることとなる。したがって、このドライブのSDカード内の第二のパーテーションの第二のフォーマットがされた領域にドライブレコーダ1によって記録されている位置履歴データと、加速度履歴データと、常時記録映像データと、イベント記録映像データとを読み込んで前述した
図5に示すようにそれぞれのデータを可視化できる。
【0094】
以上のように権限変更アプリは、Windows8の標準機能によって読取がサポートされないSDカードの第二のパーテーションに対してドライブレコーダ1によって記憶された情報を読み取る機能を備えたビューアアプリの動作の際に、Windows8によってオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないように制御させることができる。したがって、ドライブレコーダによって第二のパーテーションに記録されたデータの書き換え等を困難にできるとともに、ドライブレコーダによって記録された情報を読み取る機能を備えたビューアアプリの動作の際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示が行われなくなり、オペレーティングシステムの標準ユーザである利用者も、このアプリケーションプログラムによってドライブレコーダにより記録されたデータを
図5のような表示から読み取って利用できる。
【0095】
図8以降に示した処理で、特定のカードリーダーでの読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないように制御させる機能を備えるので、ドライブレコーダ1で記録されたSDカードについては、このカードリーダーでの読取りの際にはオペレーティングシステムの管理者権限が必要でなくなるとともに、このカードリーダー以外の読取装置ではオペレーティングシステムの管理者権限が必要な状態を維持できる。例えば、オペレーティングシステム全体でこのような記録媒体からの読取の際に、オペレーティングシステムによって管理者権限の要求を行わないように制御させる構成とすると、広く管理者権限が不要となってしまうし、SDカードごとにオペレーティングシステムによって管理者権限の要求を行わないように制御させる構成とするとSDカードごと管理者権限の要求を行わないように設定する必要がありシステム管理者を呼ぶなど手間がかかるとともに、すぐにビューアアプリが利用できない。また本システムによればこのような問題も解決できる。システム管理者のユーザが予め選択したカードリーダでSDカードを読み取る際にだけ、Windowsの標準ユーザでもビューアアプリで第二のパーテーションのデータを閲覧できる。
【0096】
また
図13に示したように、選択されたカードリーダでの読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行わないように制御しているが、パソコン35に対して物理的に接続されたカードリーダを識別するための物理的なデバイスと、カードリーダが当該オペレーティングシステムによって認識され割り当てられた論理的な識別情報であるドライブとの双方に基づいて行う機能を備えている。そのため、デバイス名が同一のカードリーダが接続された際に、より確実に管理者権限の要求表示を行わないカードリーダの個体を識別して、そのカードリーダーでの読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行われなくさせることができるとともに、そのカードリーダーとデバイス名が同一の個体であるが管理者権限の要求表示を行わせない対象ではない個体のカードリーダーを識別してその個体のカードリーダーでの読取りの際にオペレーティングシステムの管理者権限の要求表示を行うようにさせることができる。
【0097】
図8に示したようにメイン画面は初期状態では、プルダウンメニューには予めリストを取得して初期状態で表示するのではなく、プルダウンメニュー内は空欄表示とし、取得ボタンのクリック等があった場合に、リストを取得して表示する構成としている。このようにすることで、システム管理者に権限を付与する対象のカードリーダーを接続させたり、確認させたりする意識付けを行うことができる。
【0098】
またパソコン35に接続された複数のカードリーダーの中から特定のカードリーダーをユーザに選択させるための機能を備えているので、システム管理者のユーザは、パソコン35に接続された複数のカードリーダーの中からWindows8の管理者権限の要求表示を行わないように制御させるカードリーダーを決めることができる。
【0099】
またWindows8が管理者権限の要求を行うか否かを判定するために利用するレジストリ領域の情報を書き換える構成としたため、Windows8のデバイスドライバを開発するなど、オペレーティングシステムが管理者権限で実行するプログラムを開発して、管理者権限の要求動作をしないようにする処理を加えることなく容易に実現できる。
【0100】
さらにレジストリ領域はハードディスク等の不揮発性の記録媒体に記録されているのでオペレーティングシステムのシャットダウンをしても消去されない。したがって、権限変更アプリを一度実行し、このレジストリ領域を書き換えておくだけで管理者権限の要求表示は、なされなくなる。そのため、以後、例えば、ビューアアプリの実行に先立って、再度、権限変更アプリをいちいち再実行したりする手間がかからない。
権限変更アプリはビューアアプリの実行に先立って実行される機能を備えるとよい。
【0101】
ビューアアプリのインストーラーに権限変更アプリを実行させる機能を付加する構成とするとよい。このようにすれば、ビューアアプリの実行時に管理者権限が要求され、システム管理者を呼びに行ったりする必要が生じてしまうなどドライブレコーダによって記録されたデータをいざビューアアプリで見ようとした際にすぐにみることができないという問題を防止できる。
【0102】
本実施例では、権限変更アプリとビューアアプリとは別の実行ファイルとして構成している。そのため、管理者権限を要求したくないパソコンに限ってシステム管理者が、権限変更アプリを実行しておくなどすることが容易にできる。また管理者権限を要求したいコンピュータでは権限変更アプリを実行しないことも容易にでき、安全性が高まる。
【0103】
ビューアアプリには、システム管理者とは別に組織に設けた運行管理者だけが第二のパーテーションの領域のデータを閲覧できる機能を備えるとよい。例えば、ビューアアプリの実行開始直後に、運行管理者のIDとパスワードを入力する画面を表示して、ユーザに運行管理者のIDとパスワードをさせ、予め登録してある運行管理者のIDとパスワードが一致する場合に、前述した
図10に示すのと同様のフォルダーの参照ダイアログを表示する処理へ移行する構成とするとよい。このようにすれば、システム管理者と運行管理者を異なる者として組織で指定して、運用するなども容易に実現できる。運行管理者は、例えば、ドライブレコーダー1を設置した車両を管理する者としたり、その車両の運転者を管理する者とするとよい。
権限変更アプリには、付与した権限を初期化する機能を備えたので、管理者権限の要求表示を行うようにできる。
【0104】
権限変更アプリには、Windowsのバージョンを判定し、当該バージョンが管理者権限の要求表示が行われないバージョンである場合には、前述したレジストリの書き換えを行わない構成とするとよい。WindowsXPではこの処理は不要である。
【0105】
本発明の一実施例として本システムをパソコン及び当該パソコン上で実行されるプログラムによって実現した例に基づいて説明したが、例えば、マルチユーザのオペレーティングシステムが動作する端末上で動作するプログラムとして構成するとよい。例えば、タブレット等に用いられるオペレーティングシステム上で動作するプログラムとして構成するとよい。
【0106】
ドライブレコーダ1は、車両前方を撮影するカメラを備える構成としたが、例えばカメラを備えない構成としてもよい。またカメラを備える場合には撮影箇所は前方ではなく、後方または側方及びこれらの組み合わせとしてもよい。また撮影箇所は車外ではなく車内としてもよいし、車内と車外の双方を撮影するようにしてもよい。但し特に車内を撮影する機能を備えるとよい。このように運転者を管理するために車両状況情報を取得する構成において優れた効果を発揮する。
【0107】
本実施例は、ユーザアカウントに管理者権限がない場合には、
図6に示すようなオペレーティングシステムの管理者権限要求ダイアログを表示する構成について説明したが、このような管理者権限要求が必要か否かをオペレーティングシステムから取得して管理者権限要求が必要な場合にはアプリの処理を終了したり、中断するようにアプリ側で処理を行っている構成についても同様に管理者権限が不要となるという効果を発揮する。
【0108】
初期値復帰ボタンをクリック等するとすでに権限を付与しているすべての権限がなくなり、権限変更アプリが全く実行されていない状態に戻るように構成してもよい。
【0109】
第二のパーテーションの領域には、ドライブレコーダ1の設定データを記録するとよい。例えば、
図5のビューアアプリのメニューバー52の右端にある歯車の形のアイコンのクリックが検出された場合に、
図16に示すようドライブレコーダ1の動作の設定画面を表示し、OKボタンのクリック等が検出された場合に、この画面の設定項目の設定内容をドライブレコーダ1の設定データとして第二のパーテーションの領域に記憶するようにするとよい。ドライブレコーダ1では電源が投入された際にこの第二のパーテーションに記憶され設定データを読み込みドライブレコーダ1の処理において参照される各設定項目の内容をこの設定内容のものとして処理を行う。このようにすれば、設定データの改ざん等も防止できるとともに、管理者権限のないユーザであっても容易に設定データを閲覧したり変更したりすることができる。
【0110】
本願発明は上述した実施例に記載の構成に限定されない。上述した各実施例の構成要素は組み合わせ可能な範囲で任意に選択して組み合わせて構成することができる。また発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素と組み合わせ可能な範囲で任意の構成要素と組み合わせて構成することができる。