IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッドの特許一覧

特開2024-170562遠隔操作医療システムにおける器具の画面上での識別のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170562
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】遠隔操作医療システムにおける器具の画面上での識別のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20241203BHJP
【FI】
A61B34/35
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024153562
(22)【出願日】2024-09-06
(62)【分割の表示】P 2022084911の分割
【原出願日】2016-03-16
(31)【優先権主張番号】62/134,297
(32)【優先日】2015-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】イトコウィッツ,ブランドン ディー
(72)【発明者】
【氏名】モーア,ポール ダブリュ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オペレータ制御システム及び手術環境において医療器具の動きを制御するように構成される複数のマニピュレータを含む遠隔操作アセンブリと処理ユニットとを有するシステムを提供する。
【解決手段】システムのマニピュレータは、オペレータ制御システムによって遠隔操作式に制御される。システムはさらに、手術環境200の視野の画像202を表示し、マニピュレータ及びオペレータ制御システムに関する関連情報を決定し、手術環境の視野の画像内において医療器具26a、26b、26cの近くにバッジを表示する、ように構成される。バッジ206、207は、それらが関連付けられて現れる医療器具のための関連情報を表示するように構成される処理ユニットを含む。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータ制御システム及び前記オペレータ制御システムによる遠隔操作のために構成された複数のマニピュレータを含む遠隔操作アセンブリであって、前記複数のマニピュレータの第1のマニピュレータが手術環境において第1の医療器具の動きを制御するように構成される、遠隔操作アセンブリと、
1又は複数のプロセッサを含む処理ユニットと、
を有し、
前記処理ユニットは:
前記手術環境の視野の画像を表示し;
前記第1の医療器具に関連付けられる境界ボリュームを決定することによって前記第1の医療器具の先端位置を決定し、前記境界ボリュームは前記第1の医療器具の先端の予測される位置の範囲を示し、前記予測される位置の範囲は誤差要因に基づき;
前記境界ボリュームが前記視野内にあるかどうかを決定し;
前記境界ボリュームが前記視野内にある場合に、前記第1の医療器具に関連付けられる第1のバッジを、前記境界ボリュームに近接して前記視野の前記画像内に表示する、
ように構成される、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本特許出願は、2015年3月17日に出願された“SYSTEMS AND METHODS FOR RENDERING ONSCREEN IDENTIFICATION OF INSTRUMENTS IN A TELEOPERATIONAL MEDICAL SYSTEM”と題する米国仮特許出願第62/134,297号の優先権及び出願日の利益を主張し、これは、その全体が本明細書に参照により援用される。
【0002】
本開示は、遠隔操作医療処置を実行するためのシステム及び方法、より具体的には、手術環境において使用される遠隔操作器具に関する情報を表示するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
低侵襲医療技術は、侵襲的な医療処置中に損傷される組織の量を減らし、それによって患者の回復時間、不快感、及び有害な副作用を低減することを意図している。このような低侵襲医療技術は、患者の解剖学的構造における自然開口部或いは1又は複数の外科的切開部を通って実行されることができる。これらの自然開口部又は切開部を通して、臨床医は、標的組織位置に到達するための医療器具を挿入することができる。低侵襲医療ツールは、治療器具、診断器具、及び手術器具のような器具を含む。低侵襲医療ツールは、内視鏡器具のようなイメージング器具も含んでよい。イメージング器具は、患者の解剖学的構造内の視野をユーザに提供する。幾つかの低侵襲医療ツール及びイメージング器具は、遠隔操作される又はコンピュータ支援されることができる。遠隔操作医療システムでは、器具のサイズが小さいことに起因してであれ、視野の縁への近接に起因してであれ、又は組織による妨害に起因してであれ、器具を見るのが困難なことがある。遠隔操作システムを操作する臨床医は、どの器具がどのオペレータ制御下にあるかを把握し続けることが困難な場合がある。臨床医の誤りの危険性を低減するために臨床医の制御下にある器具に関する情報を臨床医に提供するためのシステム及び方法が必要である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、以下に続く特許請求の範囲に要約される。
【0005】
1つの実施形態では、遠隔操作アセンブリが、オペレータ制御システム及び手術環境において医療器具の動きを制御するように構成される複数のマニピュレータを含む。マニピュレータは、オペレータ制御システムによって遠隔操作式に制御される。システムはさらに、手術環境の視野の画像を表示し、マニピュレータ及びオペレータ制御システムに関する関連情報を決定し、手術環境の視野の画像内において医療器具の近くにバッジ(印)(badges)を表示する、ように構成される処理ユニットを含む。バッジは、それらが関連付けられて現れる医療器具のための関連情報を表示する。
【0006】
他の実施形態では、手術環境の視野の画像が表示される。環境内の医療器具の場所が決定され、医療器具及びオペレータ制御システムに関する関連情報が決定され、バッジが、医療器具の近くの手術環境の視野の画像に表示される。医療器具は、オペレータ制御システムによって遠隔操作式に制御されるマニピュレータに取り付けられている。バッジは、医療器具に関する関連情報を表示し、この医療器具の近くでそれらが表示される。
【0007】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、本質的に例示的且つ説明的なものであり、本開示の範囲を限定することなく本開示の理解を提供することを意図していることが理解されるべきである。これに関して、本開示の追加の態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の態様は、添付の図面と併せて読まれるとき、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣例に従って、さまざまな特徴は一定の縮尺で描かれていないことが強調される。実際、様々な特徴の寸法は、説明を明瞭にするために任意に増減されることがある。加えて、本開示は、様々な例において参照数字及び/又は文字を繰り返すことがある。この繰返しは、簡潔さ及び明瞭さを目的とするものであり、それ自体が議論された様々な実施形態及び/又は構成間の関係を規定するものではない。
【0009】
図1A】本開示の実施形態による、遠隔操作医療システムの概略図である。
図1B】多くの実施形態による、遠隔操作医療システムのための外科医の制御コンソールの斜視図である。
図1C】多くの実施形態による、遠隔操作医療システムエレクトロニクスカートの斜視図である。
図1D】本明細書に記載された原理の1つの例による、患者側カートの斜視図である。
図2A】視野内で可視である少なくとも1つの医療器具とともに手術ワークスペースの視野を示し、器具は、それに関連付けられるとともに器具に関連する関連情報を含むバッジを有する。
図2B】遠隔操作医療システムを操作するための方法を示すフローチャートである。
図3A図3Dに示される関連情報のバッジ配置に対応する入力制御装置及びユーザの手の位置を示す。
図3B図3Eに示される関連情報のバッジ配置に対応する入力制御装置及びユーザの手の位置を示す。
図3C図3Fに示される関連情報のバッジ配置に対応する入力制御装置及びユーザの手の位置を示す。
図3D】関連情報のバッジの周回軌道部分に関する様々な配置を示す。
図3E】関連情報のバッジの周回軌道部分に関する様々な配置を示す。
図3F】関連情報のバッジの周回軌道部分に関する様々な配置を示す。
図4A】関連付けられる器具がイメージング装置に向かって及びイメージング装置から離れる方に動くときの関連情報のバッジのサイズ変更挙動を示す。
図4B】関連付けられる器具がイメージング装置に向かって及びイメージング装置から離れる方に動くときの関連情報のバッジのサイズ変更挙動を示す。
図5A】関連付けられる器具が視界から遮られているとき関連情報のバッジがどのように可視のままであるかを示す。
図5B】関連付けられる器具が視界から遮られているとき関連情報のバッジがどのように可視のままであるかを示す。
図6A】医療器具がすぐ近くにあるときの関連情報のバッジの調整を示す。
図6B】医療器具がすぐ近くにあるときの関連情報のバッジの調整を示す。
図7A】関連付けられる医療器具が手術環境の画像の縁(edge)に近づくとき、及び医療器具が手術環境の画像の外側に動くときの関連情報のバッジの挙動を示す。
図7B】関連付けられる医療器具が手術環境の画像の縁(edge)に近づくとき、及び医療器具が手術環境の画像の外側に動くときの関連情報のバッジの挙動を示す。
図7C】関連付けられる医療器具が手術環境の画像の縁(edge)に近づくとき、及び医療器具が手術環境の画像の外側に動くときの関連情報のバッジの挙動を示す。
図8】手術ワークスペースの視野の画像内でバッジをレンダリングする方法を示す。
図9図8のプロセスの詳細を示し、医療器具遠位端部分の場所が、手術ワークスペースの視野の画像の座標空間に投影される。
図10図8のプロセスの詳細を示し、バッジの潜在的な重なりがチェックされるとともに解決される。この場合、少なくとも2つの医療器具がある。
図11図8のプロセスの詳細を示し、バッジは、手術ワークスペースの視野の画像の可視空間に拘束される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の原理の理解を促進する目的のために、図面に示される実施形態がここで参照され、特定の言語がそれを記載するために用いられる。それにもかかわらず、本開示の範囲の限定は意図されていないことが理解されよう。本発明の形態の以下の詳細な記述において、数多くの特定の詳細が、開示された実施形態の網羅的な理解をもたらすために示される。しかし、この開示の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは、当業者に明らかであろう。他の例では、本発明の実施形態の態様を不必要に曖昧にしないよう、良く知られた方法、手順、構成要素、及び回路は詳細に記載されていない。
【0011】
本開示が関連する分野の当業者に通常想起されるように、記載された装置、器具、及び方法に対する任意の代替及び更なる変更、並びに、本開示の原理の任意の更なる適用が十分に考えられる。特に、1つの実施形態に対して記載される特徴、構成要素、及び/又はステップは、本開示の他の実施形態に対して記載される特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせられ得ることが十分に考えられる。加えて、本明細書で提供される寸法は、特定の例のためであり、異なるサイズ、寸法、及び/又は比が本開示の概念を実現するために用いられ得ることが考えられる。不必要な説明の繰り返しを避けるために、1つの例示の実施形態に従って記載された1又は複数の構成要素又は動作は、他の例示の実施形態に適用可能であるとして使用されることができる又は省略されることができる。簡潔にするために、これらの組み合わせの多くの繰り返しは別個には記載されない。簡明さのために、幾つかの例において、同じ参照数字が、同じ又は同様の部品を示すために図面を通して使用される。
【0012】
以下の実施形態は、3次元空間における状態の観点から、様々な器具及び器具の部分を説明する。本明細書で使用されるとき、用語「位置(position)」は、3次元空間(例えば、デカルトX、Y、Z座標に沿った並進3自由度)における対象物又は対象物の一部の場所を示す。本明細書で使用されるとき、用語「向き、配向(orientation)」は、対象物又は対象物の一部の回転配置(回転3自由度-例えば、ロール、ピッチ、及びヨー)を示す。本明細書で使用されるとき、用語「姿勢(pose)」は、少なくとも1つの並進自由度における対象物又は対象物の一部の位置、及び少なくとも1つの回転自由度における対象物又は対象物の一部の向き(合計6つの自由度まで)を示す。本明細書で使用される場合に、用語「形状(shape)」は、対象物に沿って測定された姿勢、位置、又は向きのセットを示す。
【0013】
図面のうちの図1を参照すると、例えば、診断、治療、又は外科処置を含む医療処置での使用のための遠隔操作医療システムが、参照数字10によって概して示されている。記載されるように、本開示の遠隔操作医療システムは、外科医の遠隔操作の制御下にある。代替実施形態では、遠隔操作医療システムは、処置又は下位処置(sub-procedure)を実行するようにプログラムされたコンピュータの部分的な制御下にあってよい。さらに他の代替実施形態では、処置又は下位処置を実行するようにプログラムされたコンピュータの完全な制御下の、完全に自動化された医療システムが、処置又は下位処置を実行するために使用されてよい。図1Aに示されるように、遠隔操作医療システム10は、概して、患者Pが位置する手術台Oに又は手術台Oの近くに取り付けられる遠隔操作アセンブリ12を含む。遠隔操作アセンブリ12は、患者側カートと称されてもよい。医療器具システム14及び内視鏡イメージングシステム15が遠隔操作アセンブリ12に動作可能に結合される。オペレータ入力システム16は、外科医又は他の種類の臨床医Sが手術部位の画像又は手術部位を表す画像を見ること並びに医療器具システム14及び/又は内視鏡イメージングシステム15の動作を制御することを可能にする。
【0014】
オペレータ入力システム16は、外科医のコンソールに置かれることができ、これは通常手術台Oと同じ部屋に位置する。しかし、外科医Sは患者Pと異なる部屋又は完全に異なる建物に位置し得ることが理解されるべきである。オペレータ入力システム16は概して、医療器具システム14を制御するための1又は複数の入力制御装置を含む。入力制御装置(複数可)は、ハンドグリップ、ジョイスティック、トラックボール、データグローブ、トリガ-ガン、手動操作コントローラ、音声認識装置、タッチスクリーン、ペダル、ボディモーション若しくは存在センサ、視線追跡装置等のような任意の数の様々な装置のうちの1又は複数を含み得る。幾つかの実施形態では、制御装置(複数可)は、テレプレゼンス、外科医が器具を手術部位に存在するかのように直接的に制御する強い感覚を有するよう制御装置(複数可)が器具と一体化されるような知覚を外科医に提供するために、遠隔操作アセンブリの医療器具と同じ自由度を備える。他の実施形態では、制御装置(複数可)は、関連付けられる医療器具より多い又は少ない自由度を有し得るとともに、依然としてテレプレゼンスを外科医に提供し得る。幾つかの実施形態では、制御装置(複数可)は、6自由度で動く手動入力装置であり、(例えば、把持ジョーを閉じる、電位を電極に印加する、薬物療法を送達する等のための)器具を作動させるための作動可能ハンドルも含み得る。
【0015】
遠隔操作アセンブリ12は、医療器具システム14を支持し且つ操作する一方、外科医Sはコンソール16を通して手術部位を見る。手術部位の画像は、内視鏡15を方向合わせするために遠隔操作アセンブリ12によって操作されることができる、立体内視鏡のような、内視鏡イメージングシステム15によって取得されることができる。オプションで、エレクトロニクスカート18が、外科医のコンソール16を通した外科医Sへの後の表示のために、手術部位の画像を処理するために使用されることができる。一度に使用される医療器具システム14の数は一般に、診断又は外科処置及びとりわけ手術室内の空間的制約に依存する。遠隔操作アセンブリ12は、1又は複数の非サーボ制御リンク(例えば、所定の位置に手動で位置決めされ且つロックされ得る1又は複数のリンク、一般的にセットアップ構造と呼ばれる)及び遠隔操作マニピュレータを含み得る。遠隔操作アセンブリ12は、医療器具システム14上で入力を駆動する複数のモータを含む。これらのモータは、制御システム(例えば、制御システム20)からのコマンドに応答して動く。モータは、医療器具システム14に結合されるとき、自然の又は外科的に作成された解剖学的構造のオリフィス内に医療器具を前進させ得る駆動システムを含む。他のモータ駆動システムは、医療器具の遠位端を多自由度で動かすことができ、この多自由度は、3自由度の直線運動(例えば、X,Y,Zデカルト座標軸に沿った直線運動)及び3自由度の回転運動(例えば、X,Y,Zデカルト座標軸回りの回転)を含むことができる。さらに、モータは、生検装置等のジョーで組織を把持するための器具の関節動作可能なエンドエフェクタを作動させるために使用されることができる。
【0016】
遠隔操作医療システム10は、制御システム20も含む。制御システム20は、医療器具システム14、オペレータ入力システム16、及びエレクトロニクスシステム18の間で制御を行うための、少なくとも1つのプロセッサ(図示せず)、典型的には複数のプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。制御システム20は、本明細書に開示される態様に従って記載される方法の幾つか又は全てを実装するプログラムされた指令(例えば、指令を格納するコンピュータ可読媒体)も含む。制御システム20は図1Aの単純化された概略図に単一のブロックとして示されているが、このシステムは、処理の一部が、オプションで、遠隔操作アセンブリ12で又はこれに隣接して実行され、処理の他の部分が、オペレータ入力システム16等で実行される、2以上のデータ処理回路を含み得る。多種多様な集中型又は分散型データ処理アーキテクチャのいずれかが用いられ得る。同様に、プログラムされた指令は、多数の別々のプログラム又はサブルーチンとして実装され得る、又はそれらは、本明細書に記載される遠隔操作システムの多数の他の態様に組み込まれ得る。1つの実施形態では、制御システム20は、ブルートゥース(登録商標)、IrDA、ホームRF、IEEE802.11、DECT、及び無線テレメトリのような無線通信プロトコルをサポートする。
【0017】
幾つかの実施形態では、制御システム20は、医療器具システム14からフォース(力)フィードバック及び/又はトルクフィードバックを受ける1又は複数のサーボコントローラを含み得る。フィードバックに応じて、サーボコントローラは、オペレータ入力システム16に信号を送信する。サーボコントローラ(複数可)はまた、患者の体の開口部を介して患者の体内の内部手術部位内に延びる医療器具システム(複数可)14及び/又は内視鏡イメージングシステム15を移動させるよう遠隔操作アセンブリ12に命令する信号を送信し得る。任意の適切な従来の又は専用のサーボコントローラが使用され得る。サーボコントローラは、遠隔操作アセンブリ12から分離され得る、又は遠隔操作アセンブリ12と一体にされ得る。幾つかの実施形態では、サーボコントローラ及び遠隔操作アセンブリは、患者の体に隣接して位置決めされる遠隔操作アームカートの一部として設けられる。
【0018】
遠隔操作医療システム10は、照明システム、操向(操縦(steering))制御システム、洗浄システム、及び/又は吸引システムのようなオプションのオペレーション及びサポートシステム(図示せず)をさらに含み得る。代替実施形態では、遠隔操作システムは、複数の遠隔操作アセンブリ及び/又は複数のオペレータ入力システムを含み得る。マニピュレータアセンブリの正確な数は、とりわけ、外科処置及び手術室内の空間的制約に依存する。オペレータ入力システムは併置され得る、又はそれらは別々の位置に配置され得る。複数のオペレータ入力システムは、複数のオペレータが1又は複数のマニピュレータアセンブリを種々の組合せで制御することを可能にする。
【0019】
図1Bは、外科医のコンソール16の斜視図である。外科医のコンソール16は、奥行き知覚を可能にする手術部位の調整された立体視(coordinated stereo view)を外科医Sに提示するための左目ディスプレイ32及び右目ディスプレイ34を含む。コンソール16はさらに、1又は複数の入力制御装置36を含み、これは、遠隔操作アセンブリ12に1又は複数の器具又は内視鏡イメージングシステムを操作させる。入力制御装置36は、外科医Sにテレプレゼンス、又は、外科医が器具14を直接的に制御する強い感覚を有するように入力制御装置36が器具14と一体であるという認識を提供するために、それらの関連付けられる器具14と同じ自由度を提供することができる。この目的のために、位置、力、及び触覚フィードバックセンサ(図示せず)が、器具14から入力制御装置36を通して外科医の手に戻る位置、力、及び触覚の知覚を伝達するために用いられ得る。
【0020】
図1Cは、エレクトロニクスカート18の斜視図である。エレクトロニクスカート18は、内視鏡15と結合することができ、外科医のコンソール上の、又はローカルに及び/又はリモートに位置する他の適切なディスプレイ上での外科医への、後の表示のためにキャプチャされた(取り込まれた)画像を処理するプロセッサを含むことができる。例えば、立体内視鏡が使用される場合、エレクトロニクスカート18は、外科医に手術部位の調整された立体画像(coordinated stereo images)を提示するようキャプチャされた画像を処理することができる。このような調整は、対向する画像間の位置合わせを含むことができ、立体内視鏡の立体作動距離を調整することを含むことができる。別の例として、画像処理は、光学収差のような、画像キャプチャ装置のイメージングエラー(imaging errors)を補償するために事前に決定されたカメラ較正パラメータの使用を含むことができる。エレクトロニクスカート18はまた、ディスプレイモニタ及び制御システム20の構成要素を含み得る。
【0021】
図1Dは、患者側カートと称され得る遠隔操作アセンブリ12の一実施形態の斜視図である。示された患者側カート12は、3つの手術ツール26a、26b、26c(例えば、器具システム14)及び、処置の部位の画像のキャプチャのために使用される立体内視鏡のような、イメージング装置28(例えば、内視鏡イメージングシステム15)の操作を提供する。イメージング装置は、信号をケーブル56を介してエレクトロニクスカート18に送信し得る。操作は、多数のジョイントを有する遠隔操作機構によって提供される。イメージング装置28及び手術ツール26a、26b、26cは、切開部のサイズを最小にするために、運動学的遠隔中心(kinematic remote center)が切開部に維持されるように、患者の切開部を通って位置決めされ且つ操作されることができる。手術部位の画像は、手術ツール26の遠位端がイメージング装置28の視野内に位置するとき、手術ツール26の遠位端の画像を含むことができる。遠隔操作アセンブリ12は、ワールド座標系又はフレームFに置かれる。各医療器具26a、26b、26cの遠位先端は、それぞれの器具座標系又はフレームFを定める。イメージング装置28の遠位先端は、座標系又はフレームFを定める。
【0022】
患者側カート12は、駆動可能なベース部58を含む。駆動可能なベース部58は、伸縮式コラム57に接続され、これは、アーム54a、54b、54c、及び54dの高さの調節を可能にする。アーム54aは、「アーム1」として、手術環境において知られ得る及び/又は標識され得る。アーム54bは、「アーム2」として、手術環境において知られ得る及び/又は標識され得る。アーム54cは、「アーム3」として、手術環境において知られ得る及び/又は標識され得る。アーム54dは、「アーム4」として、手術環境において知られ得る及び/又は標識され得る。アーム54aは、回転及び上下動両方をする回転ジョイント55を含み得る。アーム54aは、マニピュレータアーム部51に接続する。マニピュレータアーム部51は、マニピュレータスパー(manipulator spar)59を介して医療器具26aに直接的に接続し得る。他のアーム54b、54c、54dの各々は、アーム54aと同様の構成を有し得る。アーム54a、54b、54c、54dの各々は、配向プラットフォーム53に接続され得る。配向プラットフォーム53は、360度の回転が可能であり得る。患者側カート12はまた、配向プラットフォーム53を水平方向に移動させる伸縮式水平カンチレバー52を含み得る。マニピュレータアーム部51は、遠隔操作可能であり得る。アーム54a、54b、54c、54dは、遠隔操作可能であっても、そうでなくてもよい。アーム54が遠隔操作可能ではないがマニピュレータアームである実施形態では、外科医がシステム10で手術を開始する前に、アーム54は要望通りに位置決めされる。アーム54(及び関連するマニピュレータアーム部51)は、例示目的のために単一の患者側カート12の一部として図示され説明されているが、様々な他の実施形態では、アーム54及び/又はマニピュレータアーム部51(又は追加のアーム54及び/又はマニピュレータアーム部51)は、別個の構造(例えば、別個のテーブル取り付け、天井取り付け、及び/又は床取り付けアーム)であることができる。
【0023】
内視鏡イメージングシステム(例えば、システム15、28)は、硬性又は軟性内視鏡を含む様々な構成で提供され得る。硬性内視鏡は、内視鏡の遠位端から近位端に画像を伝達するためのリレーレンズシステム(relay lens system)を収容する硬質(rigid)チューブを含む。軟性内視鏡は、1又は複数の可撓性光ファイバを使用して画像を送信する。内視鏡は、前方軸方向を見る(forward axial viewing)ための0°の視野角(viewing angle)又は前方斜めを見るための0°から90°の間の視野角を含む異なる視野角を備え得る。デジタル画像ベースの内視鏡は、1又は複数の電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスのような遠位デジタルセンサが画像データを記憶する「先端上のチップ(chip on the tip)」設計を有する。内視鏡イメージングシステムは、二次元又は三次元画像を観察者に提供し得る。二次元画像は、限られた奥行き知覚(depth perception)を提供し得る。三次元立体内視鏡画像は、より正確な奥行き知覚を観察者に提供し得る。立体内視鏡器具は、カメラの視野内の患者の解剖学的構造の立体画像をキャプチャするためにステレオカメラを使用する。
【0024】
イメージングシステムの視野の立体画像は、目のディスプレイ32、34を通して臨床医が見ることができる。患者の組織に加えて、視野は、医療器具の遠位端および外科処置を行うのに使用される任意の付属品(accessories)も含み得る。この処置を実行するために、臨床医は、視野内の器具と、制御コンソールからその器具を制御する入力制御装置との間の関連付け(association)を認識する。臨床医は、例えば、英数字のテキスト、記号、又は見られる画像の周辺に位置する他の情報を参照することによって、この関連付けを行い得る。しかし、この情報を見るために、臨床医の焦点は、ディスプレイの中心部分及び器具の遠位先端から離れて画像の周辺に移動しなければならない。あるいは、臨床医は、入力制御装置を移動させるとともに画像内の対応する器具の動きを観察することによって関連付けを行い得る。これは、時間がかかり且つ外科処置の流れを妨害することがある。臨床医が入力制御装置36を視野内に見える器具と関連付けるのを助けるために、入力制御装置に関する情報は、グラフィック形式で提示され得るとともにそれが制御する器具と同じ場所に配置され(co-located)得る。関連付け情報を器具と同じ場所に配置することは、臨床医が、関心のある手術領域に焦点を維持しながら、制御装置を器具と迅速に関連付けることを可能にする。
【0025】
図2Aは、患者P内の手術環境200を示す。イメージング器具(例えば、イメージング器具28)が、手術環境200内のイメージング器具の視野の画像202を表示するために使用される。画像202は、立体内視鏡によって得られるとともに右目及び左目ディスプレイを介してユーザに見える画像の合成画像として生成される三次元画像であり得る。視野は、器具26aの遠位端部分、器具26bの遠位端部分、及び器具26cの遠位端部分を含む。画像202はまた、臨床医への指示、警告、器具識別情報、状態情報、又は手術に関連する他の情報を含み得る画像の周辺に位置する情報フィールド204を含む。システム10を使用して手術を行う臨床医を助けるために、様々な情報が画像202上に重ね合わされる。この実施形態では、バッジ(badge)206が、器具が結合されるアーム54b(例えば、アーム「3」)の数値識別子(numerical identifier)のような、医療器具26bに関連する関連情報を含む。バッジ206は、臨床医が医療器具26bに関する関連情報を容易に知ることができるように、医療器具204に近接して表示される。幾つかの実施形態では、バッジは、医療器具のタイプ、医療器具の状態(例えば、焼灼器の充電/準備)などを含む関連情報も含み得る。バッジ206を作成して表示する方法は、図8乃至11を参照して以下でさらに詳細に説明される。様々な実施形態において、バッジは、円形、楕円形、正方形又は任意の適切な形状であってもよい。様々な実施形態では、バッジは、バッジを特定する又は互いに識別するために、色、輪郭、形状、又は他の特徴を有し得る。
【0026】
視野内で可視である医療器具26bの遠位端部分は、エンドエフェクタ先端208、シャフト210、及びシャフトとエンドエフェクタ先端との間のジョイント領域(joint region)212を含む。幾つかの実施形態では、バッジ206の配置のためのデフォルト位置(default location)は、ジョイント領域212の上に重ね合わされる。他の実施形態では、バッジ206の配置のためのデフォルト位置は、エンドエフェクタ先端208又はシャフト210上であり得る。他の実施形態では、バッジ206は、遠位端部分に隣接して表示される。バッジのデフォルト位置は、視野内の医療器具26bの遠位端部分のサイズに依存し得る。例えば、画像が密接にズームインされ(例えば、図3F)、エンドエフェクタが画像の大部分を占める場合、バッジは、エンドエフェクタジョーの遠位端における視界を妨げることなしに、エンドエフェクタジョーのうちの1つの近位部分に配置され得る。しかし、画像がズームアウトされ、エンドエフェクタジョーが画像内で比較的小さい場合、バッジは、ジョーを隠すのを避けるために、ジョイント領域又はシャフト上に配置され得る。バッジ206の配置は、臨床医が、器具及び器具によって操作される組織に焦点を当てたまま、関連情報を受け取ることを可能にする。バッジ206の配置はまた、臨床医によって観察される必要がある視野内の物(objects)を隠すことを回避する。
【0027】
幾つかの実施形態では、バッジ206は、中心部分214並びに周回軌道部分(orbiting portion)216を有する。中心部分214及び周回軌道部分216は、異なる関連情報を含み得る。例えば、図2に示されるように、中心部分214は、医療器具26bが取り付けられるアーム54b(例えばアーム「3」)を示す番号を含む。様々な実施形態では、周回軌道部分216は、医療器具26bを制御するために臨床医によって使用される制御装置に関連する関連情報を含む。この関連情報は、例えば、右(例えば、「R」)又は左(例えば「L」)手動(hand-operated)入力装置が、バッジ206が関連付けられている医療器具26bを現在制御しているかどうかの表示であり得る。
【0028】
バッジ206の周回軌道部分216は、バッジの中心部分214に対して円周方向に動き得る。周回軌道部分216の円周方向の位置は、制御装置の回転位置を示し、制御装置上の手がそれらが制御している医療装置26bに対してどこに位置しているかを臨床医に知らせる。周回軌道部分216の機能は、図3A-3Fにより詳細に示される。
【0029】
バッジ207は、器具26aに近接して配置され、バッジ206と同様の特徴及び属性を有する。バッジ207は、器具が結合されるアーム54a(例えば、アーム「1」)の数値識別子のような、医療器具26aに関連する関連情報を含む。この実施形態及び手術のこの段階では、器具26cは、現在、入力制御装置の制御下にない。したがって、バッジは器具26cの近くに配置されていない。代替の実施形態では、アーム54c(例えば、アーム「4」)の数値識別子を示すバッジ情報が器具26cのために提供され得るが、器具が現在入力装置の制御下にないという事実は、色、シンボル、又は他の表示によって示される。
【0030】
図2Bは、手術を実行する遠隔操作システムを操作する方法100を示す。プロセス102において、方法は、手術環境の視野の画像202を表示するステップを含む。プロセス104において、手術環境における医療器具26aの位置が決定される。プロセス106において、医療器具26aに関する関連情報が決定される。関連情報は、医療器具26aが結合される遠隔操作マニピュレータに関する及び/又は医療器具を制御するオペレータ入力制御部に関する情報を含む。プロセス108において、バッジが、視野の画像202内の医療器具26aの画像の近くに表示される。バッジは関連情報を含む。
【0031】
図3A-3Cは、入力制御装置302(すなわち、入力制御装置36)を制御する臨床医の右手300を示す。入力制御装置302は、医療器具26cを制御する。図3Aに示されるように、臨床医の視点からは、入力制御装置302は右に向かって延びている。手のアイデンティティ(右又は左)及び手の向きを含む手関連情報が、バッジを介して臨床医に伝えられ得る。この制御関連情報は人間の手の見地から説明されているが、フットペダル、視線トラッカー、音声コマンド、又は他の臨床医の制御によって制御が供給されるところでは、同様の関連情報が提供され得る。図3Dに示されるように、図3Aの制御装置302に関する手関連情報は、バッジの中心部分220に対してバッジ218の周回軌道部分222を右(例えば、約3時の位置)に向けることによって、画像202内で臨床医に視覚的に伝えられる。周回軌道部分222は、右手制御装置302が医療装置26cを制御するために使用されていることを示す「R」を表示する。図3Bに示されるように、臨床医の視点からは、入力制御装置は、図3Aの位置から約90度上方に延びている。図3Eに示されるように、図3Bの制御装置302に関するこの配向情報(orientation information)は、バッジの中心部分220に対してバッジ218の周回軌道部分222を上方(例えば、約12時の位置)に向けることによって、画像202内で臨床医に視覚的に伝達される。図3Cに示されるように、臨床医の視点からは、入力制御装置は、図3Aの位置から約90度下方に延びている。図3Fに示されるように、図3Cの制御装置302に関するこの配向情報は、バッジの中心部分220に対してバッジ218の周回軌道部分222を下方(例えば、約6時の位置)に向けることによって、画像202内で臨床医に視覚的に伝達される。
【0032】
幾つかの代替の実施形態では、手関連情報は、手のイラスト又は3Dモデルとして提供され得る。イラスト又はモデルは、左手又は右手制御装置が関連付けられる医療装置を制御するために使用されているかどうかにしたがって、左手又は右手を描く。図3D-3Fの周回軌道部分222と同様に、制御装置の向きが変わると、イラスト又はモデルの位置は、それにしたがって、制御装置の新しい向き(配向)に関する情報を視覚的に臨床医に伝達するように、変化する。本開示におけるバッジのいずれかについて記載される特性及び特徴は、本開示における他のバッジのいずれにも適用され得る。
【0033】
ここで図4A及び図4Bを参照すると、イメージング装置が手術環境内で移動される又はズームされるときのバッジ206のさらなる挙動が示されている。図4Aに示されるように、イメージング器具は、医療器具26a、26b、26cに向かって移動又はズームインされる。医療器具26a、26b、26cが視界及び画像202においてより大きく現れると、バッジ206、207は、より大きくなり、それらが器具の遠位端部分と同じ視野内の遠位の深さに位置しているかのように見えるようにサイズが変化する。図4Bでは、イメージング器具が医療器具26a、26b、26cからさらに離れて移動又はズームアウトされると、バッジ206、207はより小さくなり、まるでそれらが器具の遠位端部分と同じ視野内の深さに位置しているかのように見えるように再び変化する。幾つかの実施形態では、それらが読み取り不能にならないように、バッジ206、207の最大サイズと最小サイズに限界がある。バッジの位置及びサイズについてのさらなる詳細は、図8-11に対する説明で以下に提供される。バッジ206、207のサイズは、医療器具26a、26bとイメージング装置との間の距離のような追加の情報を臨床医に与えることもできる。これは、異なるタイプの医療器具はサイズが様々であり、イメージング装置に近い小さい器具が、イメージング装置から遠く離れた大きい器具と同じサイズに見えることがあるため、有用であり得る。
【0034】
バッジ206、207は、画像202に重ね合わされているので、医療器具26a、26bの視界が組織、他の器具などによって遮られていても、ディスプレイ上に現れ得る。図5Aに示されるように、関連付けられる器具26bが組織の後ろに隠れている場合でも、バッジ206は見えるままである。視野内で視認可能な他の器具26a、26cよりも実質的にオフセットされるとともに見かけのサイズ及び深さが異なるバッジ206の存在は、バッジに関連付けられる器具26bが遮蔽され(occluded)ていることを臨床医に示す。バッジ206は、遮蔽された器具26bが図5Bに示されるように見つけ出されることを可能にする。図5Bでは、組織が移動され、バッジ206が取り付けられた医療器具26bは視野内で視認可能になっている。
【0035】
遠隔操作医療システム10は、各器具に対して複数の動作状態を有し得る。これらは、臨床医が医療器具を能動的に制御しているように医療器具が入力制御装置の制御下にあるアクティブ状態を含み得る。関与解除状態(disengaged state)では、医療器具は入力制御装置の制御下になく、静止したままであり、結合されているマニピュレータアームによって定位置にロックされる。システムはまた、ユーザが関連付けられる入力制御装置を介して医療器具と関与する(engage)又は医療器具を制御することを促す関与状態(engagement state)を有し得る。幾つかの実施形態では、遠隔操作医療システムが特定の器具に対して関与状態にあるとき、バッジが表示される。例えば、図4Aでは、器具26a及び26bは、ユーザが左(「L」)入力制御装置でアーム1上の器具26aを制御するとともに右(「R」)入力制御装置でアーム3上の器具26bを制御するようバッジ情報によって促される関与状態にある。器具26cは関与解除状態にあるので、バッジはその器具のために提示されない。アクティブ状態の間、バッジは画像内に見えるままであってよい又は臨床医の気が散ることを避けるために除去されてもよい。関与状態においてバッジを提示することは、臨床医が、医療器具のいずれかを制御する前に視野202内の各器具の関連情報及び位置を認識することを可能にする。例えば、バッジの位置は、器具を制御する前に、医療器具が組織によって視界から遮られているかどうかを判断するために使用され得る。加えて、バッジの中に含まれる関連情報は、臨床医に、所望の処置を実行するためにどの医療器具を制御するかを選択することを可能にする情報を与えることができる。さらに、バッジの周回軌道部分によって与えられる情報は、制御を行う前に、医療器具の向きに位置を合致させるように入力制御装置をどのように配置するかを臨床医に伝え得る。幾つかの実施形態では、システムは、関与からアクティブへの状態の変化を許容する前に、臨床医がこの位置に合致させることを必要とし得る。
【0036】
ここで図6A-6Bを参照すると、視野内で視認可能な医療器具26aの遠位端部分は、エンドエフェクタ先端230、シャフト232、及びシャフトとエンドエフェクタ先端との間のジョイント領域234を含む。視野内で視認可能な医療器具26cの遠位端部分は、エンドエフェクタ先端240、シャフト242、及びシャフトとエンドエフェクタ先端との間のジョイント領域244を含む。図6Aに示され且つ以前に記載されたように、バッジ207の配置のためのデフォルト位置は、ジョイント領域234の上に重ね合わされる。バッジ218の配置のためのデフォルト位置は、ジョイント領域244の上に重ね合わされる。図6Aでは、器具遠位端部分は、互いに離間され且つ容易に区別可能であり、したがって、バッジ207及び218は、明確に読み取り可能であり且つ医療器具26a及び28cそれぞれに容易に関連付けられる。図6Bは、器具26a及び26cの遠位端部分が画像202において重なり合っている又は非常に近接している場合を示す。デフォルト位置にとどまることが許される場合、バッジ207、218は、1より多い器具の上に重なり合う又は隣接して又は重ね合わされて見えるので、臨床医に混乱をもたらす。図6Bに示されるように、この問題を改善するために、バッジ207は、ジョイント領域234の遠位端近くのデフォルト位置から、器具26aの長手方向軸A1に沿ってシフト距離(shift distance)移動される。この実施形態では、バッジ207は、器具26aのシャフト232の遠位端に再配置される。同様に、バッジ218は、ジョイント領域244の遠位端近くのデフォルト位置から、器具26cの長手方向軸A2に沿ってシフト距離移動される。この実施形態では、バッジ218は、器具26cのシャフト242の遠位端に再配置される。シフト距離は、アーム及びスパーに結合された器具の較正された運動学的モデルに対するバッジの位置に対応してもよく、及び/又は視野202内の器具遠位端部分のサイズに対応してもよい。例えば、較正された運動学的モデル(例えば、マニピュレータのジョイント位置、運動センサ(kinematic sensors)、運動学的チェーン(kinematic chain)における構成要素のサイズに基づく)は、手術環境における器具26aのジョイント領域234の位置及び向きを提供する。不確実因子(uncertainty factors)が、運動学的モデルにおける不確実性に起因するジョイント領域234の決定された位置配向に関連付けられる。運動学的モデル、視野内の全ての器具の運動学的不確実因子、及びバッジのデフォルト位置に基づいて、遠隔操作システムは、バッジが重なり合っているか又はバッジがデフォルト位置に残っている場合に臨床医にあいまいさを生じるように互いに十分近いかどうかを示す近接因子(proximity factor)(例えば、中心間又はエッジ間距離、重なりのパーセンテージ)を決定し得る。近接因子が所定の干渉距離未満である場合、バッジは、近接因子を所定の干渉距離より上に上げるように必要に応じて調整される。例えば、幾つかの実施形態では、バッジは、少なくとも最小シフト距離だけ、器具の軸に沿って又は軸を横切って移動されることができる。他の実施形態では、バッジは、依然として所望の情報コンテンツを提供しながら、許容可能な干渉距離を維持するように、サイズ変更又は再形成されることができる。この方法では、バッジ207、218は、それぞれの医療器具26a、26cと明確に関連付けられたままであり、また、明確に読み取り可能なままである。
【0037】
ここで図7A-7Cを参照すると、関連情報を有するバッジは、医療器具が視野の画像202の境界に近づくとき又は画像202の外に移動するときに特に有用であり得る。図7Aは、手術環境200におけるイメージング器具の視野の表示画像202を示す。表示画像は境界700を有する。医療器具26cの遠位端部分、特にエンドエフェクタ先端240は、境界700内にあり、表示画像202内で見える。器具26cがイメージング器具の視野の内側にあるか外側にあるかの決定は、エンドエフェクタ先端240の計算された位置に基づき得る。遠隔操作システム、器具、及び/又はイメージングシステムに関連する小さな誤差要因のために、イメージング器具に対するチップ240の位置の決定は、関連する累積誤差要因(cumulative error factor)を含む。臨床医に偽陽性視野外インジケータ(false-positive out-of-view indicators)を提供することを避けるために、器具先端がイメージングシステム視界の外にあるかどうかの決定は、遠位先端の可能な位置の範囲を推定し、推定された遠位先端の可能な位置のいずれか又は指定されたパーセンテージが視野内にある場合に視野外インジケータを抑制することによって、バイアスをかけられ(biased)得る。バイアス(bias)の感度は、偽陽性視野外インジケータに対する臨床医の許容度(tolerance)に基づいて調整され得る。誤差境界ボリューム(error bounding volumes)702のセットが先端240に関連付けられる。境界ボリューム702は、画像202に図形的に表示されることができ又は表示されずに先端240に関連付けられることができる。誤差境界ボリュームは、先端部分の遠位端及び近位端の予測される位置を、90-99%のような高い確度内に表し得る。誤差境界ボリューム702は、器具26cの先端240の予測される位置を表す。誤差計算及び境界ボリュームのさらなる説明は、“Systems and methods for offscreen indication of instruments in a teleoperational medical system”を開示する2014年3月17日に出願された、米国仮出願第61/954442号に提供され、これは参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0038】
図7Aに示されるように、境界ボリューム702は、境界700によって境界を作られる視野内にある。境界ボリューム702は、画像202内にレンダリングされてもレンダリングされなくてもよいが、それらが表示されているかどうかに関係なく、境界に対するそれらの位置はシステムによって決定され得る。医療器具26cはディスプレイ内で可視であり且つ境界ボリュームは境界700内にあるので、バッジ218はそれに応じて視野の画像202上に表示される。視認性及び可読性を維持するために、バッジ206が取り付けられている器具26cの遠位端部分が、ここに示されるように、部分的に境界700の外側にある場合であっても、バッジ218は境界700の完全に内側に留まる。これは、臨床医が医療器具26cを、たとえそれが画像202内でほとんど見えないとしても、明確に配置することを可能にする。図7Bでは、医療器具26cは、表示画像202内に見えない。幾つかの実施形態では、関連付けられた医療器具26cが画像202内に見えないとき、システムはバッジ218の表示を終了し得る。医療器具204は、臨床医の視野内で可視であることなしに遠隔操作で制御され得るので、視野の外での器具の不慮の動きは、安全上の危険をもたらす。加えて、臨床医は、視野の外に位置する器具を見失う(lose track)ことがある。これらのリスクを最小限に抑えるために、視野外器具インジケータが、視野内に可視でない器具の位置の臨床医の認識を高めるために、視覚的又は聴覚的に提示され得る。しかし、図7Bでは、医療器具26cに対する境界ボリューム702は、境界700内にあり、境界700に対する先端240の位置が不確かであることを示している。したがって、境界ボリューム702が境界700内にとどまるが、バッジ218は、画像202が先端240を含むように見えなくても、画像202上に留まる。
【0039】
医療器具204が境界700の外側に十分遠く境界ボリューム702も境界の外側になると、視野外器具インジケータ704が、図7Cに示されるように、医療器具26cがインジケータの一般的な方向に視野外に配置されていることを示すために、視野の画像202の境界700に沿って、提供される。この実施形態では、インジケータ704はグラフィックバーであるが、他の実施形態では、一連のドット、又はアイコン、英数字インジケータであってよい。視覚インジケータ704に加えて又は視覚インジケータ704に代えて、ビープ音や言語ベースの命令のような可聴視野外インジケータが、医療器具204が視野外にあることを臨床医に警告し得る。可聴キュー(audible cue)は、視野に対する器具位置を強化するために外科医のコンソールの左スピーカーと右スピーカーとの間をパン(pan)し得る。代替的には、可聴キューは、器具に関連付けられる左手制御又は右手制御に対応して、左又は右スピーカーから放射され得る。視覚インジケータ704に加えて又は視覚インジケータ704に代えて、視野外器具に関連するテキスト情報706が、臨床医に警告するために及び/又は器具に関する識別情報若しくは器具を視覚化するための指示を提供するために提供され得る。様々な実施形態では、視野外インジケータ704は、バッジ218と相互排他的である。バッジ218が表示されるとき、視野外インジケータ704は表示されず、逆も同様である。これは、臨床医に医療器具26cの場所の絶えず続く知識(constant knowledge)を提供する。
【0040】
様々な実施形態では、視野外指標の使用は、臨床医に気を散らすことになることを避けるために制限されてよい。視野外インジケータの使用は、視野外インジケータが遠隔操作システムの特定の動作状態の間にのみ表示されるように、状況に応じ(context-sensitive)得る。例えば、視野外インジケータは、オペレータがイメージングシステムの動きを制御するシステムの状態の間に表示されることができ、その状態はカメラ制御状態として知られ得る。別の例として、視界外インジケータは、システムが関与解除状態として上述された、器具の動きを制御するようオペレータからの入力を待っている間に表示され得る。別の例として、視野外インジケータは、オペレータが、関与状態として上述された器具の動きを制御するシステムの状態を開始した後、数秒間表示され得る。さらに他の代替的な実施形態では、視野外インジケータは、無効にされ得る、又は、臨床医が視野外器具の位置を知りたいときに、選択的に有効にされ得る。幾つかの実施形態では、臨床医は、視野外器具の操作が可能にされる前に、器具先端が視野の外側にあるという確認を備えなければならない。エネルギ放出デバイス、鋭利なデバイス、又は視覚化せずに使用すると患者のリスクが増大する装置に対して、追加の警告又は確認が使用され得る。視野外インジケータシステムのさらなる説明は、米国仮出願第61/954442号に提供され、これは参照により援用される。
【0041】
上述のように、バッジは、それらが関連付けられている器具遠位端の画像に対応するように配置され且つサイズ決定され得る。図8-11は、この物理的対応を保持するためのさらなる詳細を提供する。図8は、画像202内にバッジをレンダリングする方法800を示す。プロセス802において、医療器具の遠位端部分の位置が画像202の座標空間に投影される。図9は、プロセス802を実行する方法900を示す。プロセス902において、遠隔操作アセンブリの順運動学が、ワールド座標系(例えば、手術環境座標空間F)内の(イメージング装置を含む)医療器具の位置及び向きを決定するために評価される。より具体的には、各医療器具のリンク及び遠隔操作マニピュレータのそれぞれのセットに関連付けられる運動学が、ワールド座標系で決定される。ワールド座標系は、遠隔操作システムが位置する手術環境を参照して確立されるデカルト座標のセットである。
【0042】
プロセス904において、(例えば、器具座標空間Fにおける)各医療器具の遠位端部分の位置及び向きは、内視鏡座標系(例えば、イメージング装置座標空間F)にマッピングされる。内視鏡座標系は、内視鏡の遠位先端におけるその原点により確立されるデカルト座標のセットである。プロセス902で決定されるように、内視鏡の順運動学及び各医療器具の順運動学をワールド座標系で使用することにより、内視鏡先端位置及び向きに対する医療器具の遠位端位置及び向きが内視鏡座標系で計算され得る。一般に、バッジのデフォルト位置は、医療器具の運動学的エンドポイント(kinematic endpoint)又はその近傍であってよい。
【0043】
プロセス906において、較正されたカメラモデルが内視鏡について得られる。較正されたカメラモデルは、内視鏡座標空間から右及び左目画像座標空間へのマッピングである。1つの実施形態では、マッピングは一連の3つの変換で達成される。第1に、モデルビュー変換(modelview transform)が、内視鏡座標空間(内視鏡の遠位端にある)から内視鏡に関する目の座標空間にマッピングし、イメージングシステムにおける立体カメラの眼間間隔(interocular separation)及び座標系の規定(coordinate system conventions)違いを説明する。第2に、透視投影変換が、目の座標空間から正規化された座標(例えば、-1、+1)にマッピングし、内視鏡の視野及び収束距離(convergence distance)の観点を説明する。第3に、ビューポート境界変換(viewport bounds transform)が、正規化された目の座標から右目及び左目画像座標空間へマッピングする。1つの実施形態では、これらの3つの変換は、右目画像及び左目画像のそれぞれについて1つの4×4同質変換(homogenous transform)に組み合わされることができる。
【0044】
プロセス908において、較正されたカメラモデルは、内視鏡座標空間から各目の画像座標空間への点及びベクトルを投影するために使用される。より具体的には、較正されたカメラモデルは、立体3D画像を臨床医に提供するように、医療器具遠位端位置及び向きを右目画像座標空間及び左目画像座標空間に投影する。
【0045】
プロセス910では、関連付けられる医療器具の遠位端部分の位置における対応する不確実性をもたらす遠隔操作システムの運動学的モデルにおける不確実性が、内視鏡先端に関して推定される。プロセス912において、これらの不確実性は、医師が3次元画像202を見る右目及び左目画像座標空間にマッピングされる。
【0046】
プロセス914において、プロセス902で決定された順運動学を使用して、運動学的遠隔中心(例えば、その周りを器具が枢動する切開部位)が内視鏡座標空間にマッピングされる。プロセス916において、較正されたカメラモデルが、プロセス908で説明したのと同様の方法で遠隔中心を各目の画像座標系に投影するために使用される。
【0047】
プロセス902-916は、全ての医療器具が立体3D画像202に適切に投影されるように、遠隔操作システムの各医療器具に対して繰り返され得る。プロセスは、順番に又は並行して実行されてよく、1つ又は複数のプロセスは更新され得る一方、他のものはそうではない。
【0048】
再び図8を参照すると、バッジ図形(badge graphics)のレンダリングは、例えば、医療器具の遠位端の遠位先端における又は同遠位先端近くのデフォルト位置、重なっている又は不確かなバッジ配置に関連する潜在的なあいまいさ、内視鏡ビューポートによって課せられた制約、及び隠れた器具に対するシステム規則を含む、多数の表示要因(display factors)の検討に基づいている。バッジ図形の位置は、各目に対する画像座標空間において決定され得る。プロセス804において、バッジの潜在的な重なりが、バッジが間違った器具と空間的に関連付けられている可能性を低減するためにチェックされ且つその可能性を低減するように解決される。図10は、図8のプロセス804を実行するための方法1000を示す。この実施形態では、少なくとも2つの医療器具が手術空間に配置される。上述のように、バッジをレンダリングするためのデフォルト位置は、医療器具の遠位端部分である。プロセス1002において、2つの医療器具の遠位端部分の間の画像空間座標における距離が計算される。プロセス1004において、最小の許容バッジ間距離の閾値が計算される。最小の許容バッジ間距離の閾値は、バッジの投影半径(又は、バッジが円形でない場合は、バッジの中心からの別の最大寸法)の合計に、バッジ位置の投影された不確実性の合計の最大値を加えたものである。プロセス1006において、2つの遠位端部分の間の画像空間距離が、それらの関連付けられるバッジが重なるか又は重なると見なされ得るかどうかを決定するために、計算された閾値距離と比較される。重なりが検出される場合、プロセス1008において、重なりを解決するためにバッジを移動させる方向が計算される。バッジを移動させる方向は、(プロセス908及び916で決定される)画像座標空間に投影された遠隔中心と器具遠位端部分との間の単位ベクトルによって決定される。さらに、重なりが検出される場合、プロセス1010において、重なりを解決するためにバッジを並進移動させる距離が決定される。バッジがオフセット(offset)される距離は、最小の許容バッジ間距離と、遠位端部分間の現在の距離との間の差として計算される。このオフセットは、バッジ図形が重なることを防ぎ、器具の関連性の不確実性を避けるために十分に離間されたバッジ位置を提供する。
【0049】
再び図8を参照すると、プロセス806において、バッジは、内視鏡の遠位先端の内視鏡ビューポートの境界に対応する、画像202の可視空間(viewable space)に拘束される。このプロセスは、図形のいずれかをクリッピング(clipping)することなしに画像202の境界内にバッジ図形を配置し得る。このプロセスは、バッジが画像境界を避けるために又はあいまいさを防ぐために移動される(shifted)場合、水平視差(horizontal disparity)の修正を防止することによって、バッジの知覚深さ(perceived depth)を制御することもできる。図11は、図8のプロセス806を実行するための方法1100を示す。プロセス1102において、内視鏡ビューポートに対応する画像202の可視空間の右目境界が決定される。プロセス1104において、バッジ図形の投影半径が右目に対して決定される。プロセス1106において、右目に対して、境界が、インセット境界(inset boundary)を作成するために、投影バッジ半径によってインセットされる。プロセス1108において、バッジの中心のY位置が、右目に対するインセット境界内にとどまるように調整される。プロセス1110において、バッジをインセット境界内に完全に保持するために必要なバッジの中心のX位置のオフセットが計算される。プロセス1102から1110が左目画像に対して繰り返される。立体3Dにおける適切な見た目の深さを維持するために、バッジは、右及び左目画像の両方で同じ量に調整されなければならない。これは、バッジの適切な知覚深さに必要な水平視差を維持する。プロセス1112において、右又は左目画像の1つに関してプロセス1110で計算されたXオフセットは、右及び左目画像の両方のバッジのX位置に適用される。幾つかの実施形態では、より大きいXオフセット値が、バッジ図形が境界700の部分的に外側にさえある可能性を防ぐために、選択される。
【0050】
再び図8を参照すると、プロセス808において、バッジは、プロセス802、804及び806で行われた計算に基づいて画像202を形成するよう、左及び右目ディスプレイ内にレンダリングされる。
【0051】
本発明の実施形態における1つ又は複数の要素は、制御処理システムのようなコンピュータシステムのプロセッサ上で実行するソフトウェアで実装され得る。ソフトウェアで実装されるとき、本発明の実施態様の要素は、本質的に、必要なタスクを行うコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは、プロセッサ可読記憶媒体又は装置に格納されることができ、これは送信媒体又は通信リンク上の搬送波に取り入れられたコンピュータデータ信号によってダウンロードされ得る。プロセッサ可読記憶装置は、光媒体、半導体媒体、及び磁気媒体を含む、情報を格納することができる任意の媒体を含み得る。プロセッサ可読記憶装置の例は、電子回路、半導体デバイス、半導体メモリデバイス、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、フロッピーディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、又は他の記憶装置を含む。コードセグメントは、インターネット、イントラネット等のような、コンピュータネットワークを介してダウンロードされ得る。
【0052】
提示されたプロセス及びディスプレイは、本質的には、如何なる特定のコンピュータ又は他の装置にも関係しないことに留意されたい。様々な汎用システムが、本明細書の教示によるプログラムと共に使用され得る、又は記載された動作を実行するためにより専用化された装置を構成することが便利であると証明するかもしれない。様々なこれらのシステムのための必要な構造は、請求項中の要素として現れる。加えて、本発明の実施形態は、如何なる特定のプログラミング言語を参照しても記載されない。ここに記載する本発明の教示を実施するために様々なプログラミング言語が用いられ得ることが理解されるだろう。
【0053】
本発明の特定の例示的な実施形態が記載され且つ添付の図面に示されているが、そのような実施形態は、広範な発明の単なる例示に過ぎず、広範な発明を限定するものでなく、並びに本発明の実施形態は、様々な他の変更が当業者の心に思い浮かび得るので、図示され且つ記載される特定の構造及び配置に限定されないことが理解されるべきである。
【0054】
次の付記を記す。
(付記1) オペレータ制御システム及び前記オペレータ制御システムによる遠隔操作のために構成される複数のマニピュレータを含む遠隔操作アセンブリであって、前記複数のマニピュレータのうちの第1のマニピュレータが手術環境において第1の医療器具の動きを制御するように構成される、遠隔操作アセンブリと、
1又は複数のプロセッサを含む処理ユニットと、
を有し、
前記処理ユニットは、
前記手術環境の視野の画像を表示し、
前記第1の医療器具に関する第1の関連情報を決定し、
前記視野の前記画像内において前記第1の医療器具の画像の近くに第1のバッジを表示する、
ように構成され、
前記第1の関連情報は、前記第1のマニピュレータ及び前記オペレータ制御システムの少なくとも一方に関する情報を含み、
前記第1のバッジは、前記第1の関連情報を含む、
システム。
(付記2) 前記第1の関連情報は、前記第1の医療器具の前記動きを制御する前記第1のマニピュレータのための識別子を含む、
付記1に記載のシステム。
(付記3) 前記オペレータ制御システムは制御装置を含み、前記第1の関連情報は前記制御装置のための識別子を含む、
付記1に記載のシステム。
(付記4) 前記第1のバッジは、中心部分及び前記制御装置の配向に基づいて前記中心部分の周りに位置する周回軌道部分を含む、
付記3に記載のシステム。
(付記5) 前記処理ユニットは、前記第1の医療器具の遠位端部分の画像に重ね合わされる前記第1のバッジを表示するように構成される、
付記1に記載のシステム。
(付記6) 前記処理ユニットはさらに、前記第1の医療器具がイメージング器具に対する深さを変化させるとき、前記第1のバッジのサイズを調整するように構成され、前記イメージング器具は、前記手術環境の前記視野を取り込む、
付記1に記載のシステム。
(付記7) 前記処理ユニットは、前記オペレータ制御システムが第1の状態から第2の状態に移行するとき、前記視野の前記画像における前記第1のバッジの表示を終わらせるように構成される、
付記1に記載のシステム。
(付記8) 前記複数のマニピュレータのうちの第2のマニピュレータが前記手術環境において第2の医療器具の動きを制御するように構成され、
前記処理ユニットはさらに、
前記第2の医療器具に関する第2の関連情報を決定し、
前記視野の前記画像内において前記第2の医療器具の画像の近くに第2のバッジを表示し、
前記第1のバッジと前記第2のバッジとの間の距離を決定し、
決定された前記距離が所定の干渉距離未満である場合、前記第1の医療器具のシャフトと整列する直線方向に前記第1のバッジを移動させる、
ように構成され、
前記第2の関連情報は、前記第2のマニピュレータ及び前記オペレータ制御システムの少なくとも一方に関する情報を含み、
前記第2のバッジは、前記第2の関連情報を含む、
付記1に記載のシステム。
(付記9) 前記処理ユニットはさらに、
前記第1の医療器具の先端位置を決定し、
前記先端位置に関連付けられる位置誤差を決定し、
前記位置誤差に基づいて少なくとも1つの境界ボリュームを決定し、
前記境界ボリュームが前記視野内であるかどうかを決定し、
前記境界ボリュームが前記視野内である場合、前記境界ボリュームに近い前記視野の前記画像内に前記第1のバッジを表示する、
ように構成される、
付記1に記載のシステム。
(付記10) 前記処理ユニットはさらに、
前記境界ボリュームが前記視野内にない場合、前記視野の前記画像内の前記第1のバッジの表示を終わらせるとともに前記視野の前記画像と併せた表示のための視野外器具インジケータを生成する、
ように構成される、
付記9に記載のシステム。
(付記11) 手術環境の視野の画像を表示するステップであって、前記視野内の第1の医療器具が、遠隔操作アセンブリの複数のマニピュレータのうちの第1のマニピュレータに結合されている、ステップと、
前記第1の医療器具に関する第1の関連情報を決定するステップであって、前記第1の関連情報は、前記第1のマニピュレータ及びオペレータ制御装置の少なくとも一方に関する情報を含む、ステップと、
前記視野の前記画像内において前記第1の医療器具の画像の近くに第1のバッジを表示するステップであって、前記第1のバッジは前記第1の関連情報を含む、ステップと、
を含む、
方法。
(付記12) 前記第1の関連情報は、前記第1の医療器具の動きを制御する前記第1のマニピュレータのための識別子を含む、
付記11に記載の方法。
(付記13) 前記第1の関連情報は、前記オペレータ制御装置のための識別子を含む、
付記11に記載の方法。
(付記14) 前記第1のバッジは、中心部分及び前記オペレータ制御装置の配向に基づいて前記中心部分の周りに位置する周回軌道部分を含む、
付記13に記載の方法。
(付記15) 前記第1の医療器具の遠位端部分の画像に重ね合わされる前記第1のバッジを表示するステップをさらに含む、
付記11に記載の方法。
(付記16) 前記第1の医療器具がイメージング器具に対する深さを変化させるとき、前記第1のバッジのサイズを調整するステップをさらに含み、前記イメージング器具は、前記手術環境の前記視野を取り込む、
付記11に記載の方法。
(付記17) 前記遠隔操作アセンブリが第1の状態から第2の状態に移行するとき、前記視野の前記画像における前記第1のバッジの表示を終わらせるステップをさらに含む、
付記11に記載の方法。
(付記18) 第2の医療器具に関する第2の関連情報を決定するステップであって、前記第2の関連情報は、第2のマニピュレータ及び前記オペレータ制御装置の少なくとも一方に関する情報を含む、ステップと、
前記視野の前記画像内において前記第2の医療器具の画像の近くに第2のバッジを表示するステップであって、前記第2のバッジは、前記第2の関連情報を含む、ステップと、
前記第1のバッジと前記第2のバッジとの間の距離を決定するステップと、
決定された前記距離が所定の干渉距離未満である場合、前記第1の医療器具のシャフトと整列する直線方向に前記第1のバッジを移動させるステップと、
をさらに含む、
付記11に記載の方法。
(付記19) 前記第1の医療器具の先端位置を決定するステップと、
前記先端位置に関連付けられる位置誤差を決定するステップと、
前記位置誤差に基づいて少なくとも1つの境界ボリュームを決定するステップと、
前記境界ボリュームが前記視野内であるかどうかを決定するステップと、
前記境界ボリュームが前記視野内である場合、前記境界ボリュームに近い前記視野の前記画像内に前記第1のバッジを表示するステップと、
をさらに含む、
付記11に記載の方法。
(付記20) 前記境界ボリュームが前記視野内にない場合、前記視野の前記画像内の前記第1のバッジの表示を終わらせるとともに前記視野の前記画像と併せた表示のための視野外器具インジケータを生成するステップをさらに含む、
付記19に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】