(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170613
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】SSTR4アゴニスト及びその塩の調製のための方法並びに使用のための用量レジメン
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4439 20060101AFI20241203BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20241203BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241203BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20241203BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241203BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241203BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20241203BHJP
C07C 311/53 20060101ALI20241203BHJP
C07C 303/40 20060101ALI20241203BHJP
C07C 311/19 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
A61K31/4439
A61K9/48
A61P25/00
A61P25/02
A61P29/00
A61P43/00 111
C07D401/12
C07C311/53
C07C303/40
C07C311/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024156760
(22)【出願日】2024-09-10
(62)【分割の表示】P 2024035581の分割
【原出願日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】63/489,563
(32)【優先日】2023-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100103182
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 真美
(74)【代理人】
【識別番号】100139310
【弁理士】
【氏名又は名称】吉光 真紀
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ブライアン キールバサ
(72)【発明者】
【氏名】スコット アラン モンク
(72)【発明者】
【氏名】エリック マイケル パールマン
(72)【発明者】
【氏名】デビッド マイケル レミック
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ロバート リッツォ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】SSTR4アゴニスト化合物を調製するための方法、並びにその薬学的に許容される塩及び/又は水和物の使用のための用量レジメンを提供する。
【解決手段】別のエピマー化工程を必要としないジアステレオマー選択的環化反応によるSSTR4アゴニスト化合物を調製するための方法を提供する。SSTR4アゴニスト化合物の一例として、(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドが示される。SSTR4アゴニスト化合物を調製するための新規中間体も提供する。糖尿病性末梢神経障害、中枢神経障害、又は混合性神経障害などの、疼痛及び/又は神経障害性疼痛の治療のための用量レジメンも提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化5】
の化合物又はその水和物を含む、カプセル組成物。
【請求項2】
前記化合物が、式:
【化6】
の化合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記カプセル組成物が、微結晶性セルロース、二酸化ケイ素、又はそれらの組み合わせを更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、約50mg~約600mgの前記化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、約50mg~約200mgの前記化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、約50mgの前記化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、約200mgの前記化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
式:
【化7】
の化合物又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
式:
【化8】
(式中、Rが、C
1~C
6アルキルである)の化合物を、
式:
【化9】
(式中、Xが、ハロゲンであり、Aが、アニオンである)のスルホニウム塩と混合して、式:
【化10】
の中間化合物を得ることと、
前記中間化合物を
【化11】
と混合して、
【化12】
を得ることと、
【化13】
からトシル官能基を除去して、前記化合物を得ることと、を含む、方法。
【請求項9】
前記方法が、
式:
【化14】
の化合物を、式:
【化15】
のスルホニウム塩と混合して、前記中間化合物を得ることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、8未満の合成工程を含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、金属触媒を含まない、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、水素化物塩を利用しない、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、
(a)
【化16】
と混合して、
【化17】
を得ることと、
(b)
【化18】
をトリフルオロ酢酸と混合して、
【化19】
を得ることと、
(c)
【化20】
と混合して、
前記中間化合物を得ることと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、
(d)前記中間化合物を
【化21】
と混合して、
【化22】
を得ることと、
(e)
【化23】
をカリウムジフェニルホスフィンと混合して、前記化合物、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその水和物を得ることと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、
(a)メチル(E)4-ブロモブタ-2-エノエートをtert-ブチルトシルカルバメートと混合して、メチル(E)-4-((N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを得ることと、
(b)メチル(E)-4-((N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートをトリフルオロ酢酸と混合して、メチル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを得ることと、
(c)メチル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを2-ブロモエチル)ジフェニルスルホニウムトリフレートと混合して、前記中間化合物を得ることと、
(d)前記中間化合物を2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-アミンと混合して、(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-トシル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドを得ることと、
(e)((1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-トシル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドをカリウムジフェニルホスフィンと混合して、前記化合物、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその水和物を得ることと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物が、
【化24】
又はそれらの組み合わせから選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、
(f)前記化合物を、L-酒石酸、クエン酸、L-リンゴ酸、又はそれらの組み合わせと混合することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
式:
【化25】
の中間化合物又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
式:
【化26】
(式中、Rが、C
1~C
6アルキルである)の化合物を、
式:
【化27】
(式中、Xが、ハロゲンであり、Aが、アニオンである)のスルホニウム塩と混合して、前記中間化合物を得ることを含む、方法。
【請求項19】
前記方法が、
式:
【化28】
の化合物を、式:
【化29】
のスルホニウム塩と混合して、前記中間化合物又はその薬学的に許容される塩を得ることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、8未満の合成工程を含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記方法が、金属触媒を含まない、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、水素化物塩を利用しない、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記方法:
(a)
【化30】
と混合して、
【化31】
を得ることと、
(b)
【化32】
をトリフルオロ酢酸と混合して、
【化33】
を得ることと、
(c)
【化34】
と混合して、
前記中間化合物又はその薬学的に許容される塩を得ることと、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、
(a)メチル(E)4-ブロモブタ-2-エノエートをtert-ブチルトシルカルバメートと混合して、メチル(E)-4-((N-(ter(t-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを得ることと、
(b)メチル(E)-4-((N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートをトリフルオロ酢酸と混合して、メチル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを得ることと、
(c)メチル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを2-ブロモエチル)ジフェニルスルホニウムトリフレートと混合して、前記中間化合物又はその薬学的に許容される塩を得ることと、を含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SSTR4アゴニストの調製のための方法を対象とする。本発明はまた、S
STR4アゴニストの塩の調製のための方法を対象とする。
【0002】
本発明はまた、慢性腰痛、変形性関節症性疼痛、並びに/又は糖尿病性神経障害、糖尿
病性末梢神経障害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中
枢神経障害、及び/若しくは混合性神経障害などの神経障害性疼痛の治療における、SS
TR4アゴニスト、並びにその薬学的に許容される塩及び/又は水和物の使用のための用
量レジメンに関する。
【背景技術】
【0003】
ソマトスタチン又はソマトトロピン放出阻害因子(somatotropin-release inhibitory
factor、SRIF)は、ヒトにおいて見出される環状ペプチドである。人体で広く産生さ
れ、全身的にも局所的にも作用して、種々のホルモン、成長因子及び神経伝達物質の分泌
を阻害する。ソマトスタチンの効果は、5つのサブタイプが知られているGタンパク質共
役受容体のファミリーによって媒介される。これらのサブタイプは、2つのサブファミリ
ーに分けられ、第1のサブファミリーはSSTR2、SSTR3、及びSSTR5を含み
、第2のサブファミリーは、SSTR1及びSSTR4を含む。
【0004】
ソマトスタチンは、例えば細胞増殖、グルコース恒常性、炎症、及び疼痛などのプロセ
スの調節に関与する。この態様において、ソマトスタチン又はソマトスタチンペプチドフ
ァミリーの他のメンバーは、SSTR4経路を介して侵害受容プロセス及び炎症プロセス
を阻害すると考えられる。
【0005】
国際公開第2014/184275号は、SSTR4アゴニストであり、SSTR4に
関連する医学的障害を予防又は治療するのに有用である特定の3-アザビシクロ[3.1
.0]ヘキサン-6-カルボキサミド誘導体を開示している。しかしながら、十分なエナ
ンチオマー純度及びジアステレオマー純度を有する3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキ
サン-6-カルボキサミド誘導体を合成することは困難であり得る。実験室規模の合成経
路が知られているが、以前の合成経路で使用された多くの工程は、非実用的であり、かつ
/又は商業規模で利用するには費用がかかりすぎる可能性がある。
【0006】
したがって、ある特定のSSTR4アゴニストを商業規模で十分な純度で調製する代替
的な方法が必要とされている。したがって、本発明は、(1R,5S,6r)-N-(2
-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3
-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドなどのある特定のSSTR
4化合物、並びにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、及び/又は水和物の調製のため
の方法を対象とする。
【0007】
糖尿病性神経障害は、糖尿病性微小血管疾患の一般的な合併症である。真性糖尿病患者
のおよそ40%が糖尿病性微小血管疾患を経験し、糖尿病性神経障害患者のおよそ80%
が末梢多発性神経障害を呈する。
【0008】
糖尿病性末梢神経障害の症状には、痛覚過敏、感覚異常、及び深いうずく痛みが含まれ
る。糖尿病性末梢神経障害(diabetic peripheral neuropathy、DPNP)症状は、浅眠
、運動性、抑鬱、及び生活の質の悪さに関連する。
【0009】
残念ながら、DPNPの治療選択肢は限られている。この適応症に対してUSFDAに
よって承認されているのは、プレガバリン、デュロキセチン、及びタペンタドールの3つ
の薬物のみである。プレガバリン及びデュロキセチンは各々、複数のプラセボ対照臨床試
験において有効性を実証したが、両方の薬物は、有害反応を最小限に抑えるために滴定を
必要とする。タペンタドールは、オピオイドmu受容体アゴニストであり、他のオピオイ
ド鎮痛剤と同じ薬理学的限界及び有害反応プロファイルを有する。ガバペンチン、選択的
セロトニンノルエピネフリン取り込み阻害剤、三環系抗鬱薬、及び抗痙攣薬を含む他のク
ラスの薬物が、適応外様式で臨床的に使用されている。しかしながら、全てのこれらの薬
剤の用量制限毒性は、患者が治療用量に耐えることを妨げ、診療所における治療量以下の
用量の使用をもたらし、これらの薬剤の有効性を更に減少させる。加えて、患者の50%
のみが3ヶ月後に療法を継続している。
【0010】
非オピオイド鎮痛剤の最適以下の投薬及び不十分な忍容性プロファイルがDPNPの管
理のために使用されるために、オピオイドが最後の手段として使用される。オピオイドは
急性疼痛に対して有効であるが、それらが慢性疼痛においてほとんど臨床的利益を提供し
ないことを示唆する証拠があり、耐性に起因する有効性の低下の可能性は言うまでもない
。
【0011】
追加的に、オピオイド化合物は疼痛症状の軽減を提供することが知られているが、オピ
オイド化合物はまた、幻覚、吐き気、眩暈、鎮静、便秘、尿閉、依存症、及び耽溺を含む
多数の望ましくない副作用を伴う。オピオイド疼痛治療を受けている患者の25%もが、
短期間であっても、オピオイド化合物への依存を発症し得る。実際、オピオイド中毒は、
2017年10月26日に米国Donald Trump大統領によってNationa
l Public Health Emergencyとして宣言された。そのようなも
のとして、嗜癖及び/又は依存の発症の可能性なしに疼痛症状からの軽減を提供するため
の非オピオイド化合物の開発及び非オピオイド化合物のための投薬レジメンに対する、長
年にわたるが満たされていない必要性がある。
【発明の概要】
【0012】
したがって、本発明は、非オピオイド化合物を用いた、神経障害性疼痛及び/又は糖尿
病性神経障害及び/又は混合性神経障害などの疼痛の治療のための投薬レジメンを対象と
する。
【0013】
ある特定のSSTR4化合物の調製のための方法が国際公開第2014/184275
号、同第2021/233427号、及び同第2022/012534号に開示されてい
るが、これらの化合物は実験室規模で産生されており、商業規模では非実用的な合成工程
を含み得る。これらの以前の調製において、合成経路は、(1)パラジウム及び/若しく
はロジウムを含む高価な触媒、並びに/又は還元工程を実施するために使用された水素化
アルミニウムリチウムを使用し、(2)複素環の環化後にエピマー化を必要とするジアス
テレオマーの混合物をもたらした。(1)及び(2)の両方は、調製の全体的なコストを
増加させ得、微量のPd、Rh、Li、Al、及び/又はより低い活性を有する望ましく
ないジアステレオマーを除去するための更なる精製工程を追加し得る。
【0014】
Pd、Pt、Mo、Rh、Fe、Ni、Cr、W、若しくはこれらの組み合わせなどの
遷移金属触媒、及び/又は水素化アルミニウムリチウムなどの水素化アルミニウム塩を使
用せずに商業規模で実施することができる、例えば、(1R,5S,6r)-N-(2-
メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-
アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドなどのある特定のSSTR4
化合物及びそれらの塩への新規経路が本明細書に開示される。追加的に、開示された方法
は、(2-ハロエチル)ジフェニルスルホニウム塩での処理を含む環化工程を含み、これ
は、その後のエピマー化工程を必要とせずに単一のジアステレオマー中間体をもたらす。
最後に、開示された方法は、8未満又は4~7の総工程など、以前に開示された経路より
も少ない総工程を有する。
【0015】
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミド、並びに(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジ
ン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ
ン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物などの、その薬学的に許容される塩及
び/又は水和物の投与によって、疼痛の治療を必要とする患者において疼痛を治療する方
法も本明細書に開示される。(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メ
チルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.
0]ヘキサン-6-カルボキサミド、並びに(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-
1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシ
クロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物などの、そ
の薬学的に許容される塩及び/又は水和物の投与による、慢性腰痛、変形性関節症痛、及
び/又は糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障害痛、多発性神経障害、遠位感覚多発性
神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及び/又は混合性神経障害などの神経障害性疼
痛の治療を必要とする患者への、それを行う方法も本明細書に開示される。
【0016】
非オピオイド化合物である(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メ
チルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.
0]ヘキサン-6-カルボキサミドは、SSTR4アゴニスト化合物である。(1R,5
S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロ
パン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミド、並
びに(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル
)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カル
ボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物などの、その薬学的に許容される塩及び/又は水和
物は、慢性腰痛、変形性関節症性疼痛、並びに/又は糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神
経障害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害
、及び/若しくは混合性神経障害などの神経障害性疼痛などの、ある特定の疼痛状態に対
する潜在的なファーストインクラス治療である。したがって、本明細書に開示されるのは
、慢性腰痛、変形性関節症性疼痛、並びに/又は糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障
害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及
び/若しくは混合性神経障害などの神経障害性疼痛などの、ある特定の疼痛状態の治療の
ための実証された臨床有効性を有する投薬レジメンである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物による糖尿病性末梢神経障害の治療のための第2相試験における平均疼痛強度の平均変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
慢性腰痛、変形性関節症性疼痛、並びに/又は糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障
害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及
び/若しくは混合性神経障害などの神経障害性疼痛の治療における、SSTR4アゴニス
ト化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び/又は水和物の使用のための用量レジメ
ンが、本明細書に開示される。
【0019】
また、ある特定のSSTR4アゴニスト化合物、並びに(1R,5S,6r)-N-(
2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和
物などの、その薬学的に許容される塩及び/又は水和物を含むカプセル組成物も本明細書
に開示される。
【0020】
また、ある特定のSSTR4アゴニスト化合物、並びに1R,5S,6r)-N-(2
-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3
-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドなどその薬学的に許容され
る塩及び/又は水和物の調製のための方法も本明細書に開示される。
【0021】
また、糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多
発性神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及び/又は混合性神経障害などの神経障害
性疼痛の治療における(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピ
リジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘ
キサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物の使用のための用量レジメンも本
明細書に開示される。
【0022】
また、疼痛の治療を必要とする患者において疼痛を治療する方法であって、患者に、1
用量当たり約25mg~約1400mgの用量の、式:
【0023】
【化1】
の化合物、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは水和物を投与することを含む
、方法も本明細書に開示される。
【0024】
また、疼痛の治療を必要とする患者において疼痛を治療する方法であって、患者に、1
用量当たり約25mg~約1400mgの用量の、式:
【0025】
【化2】
の化合物を投与することを含む、方法も本明細書に開示される。
【0026】
また、神経障害性疼痛の治療を必要とする患者において神経障害性疼痛を治療する方法
であって、患者に、1用量当たり約50mg~約600mgの用量の、式:
【0027】
【化3】
の化合物を投与することを含む、方法も本明細書に開示される。
【0028】
また、疼痛の治療を必要とする患者において疼痛を治療する方法であって、患者に、1
用量当たり約25mg~約1400mgの用量の、式:
【0029】
【化4】
の化合物を投与することを含む、方法も本明細書に開示される。
【0030】
また、神経障害性疼痛の治療を必要とする患者において疼痛を治療する方法であって、
患者に、1用量当たり約50mg~約600mgの用量の、式:
【0031】
【化5】
の化合物を投与することを含む、方法も本明細書に開示される。
【0032】
また、SSTR4アゴニスト化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び/又はその
水和物を商業規模で調製するための新規な方法も本明細書に開示される。
【0033】
また、式:
【0034】
【化6】
の化合物又はその水和物を含むカプセル組成物も本明細書に開示される。
また、式:
【0035】
【化7】
の化合物又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法も本明細書に開示され、
本方法は、式:
【0036】
【化8】
(式中、Rが、C
1~C
6アルキルである)の化合物を、
式:
【0037】
【化9】
(式中、Xが、ハロゲンであり、Aが、アニオンである)のスルホニウム塩と混合して
、式:
【0038】
【化10】
の中間化合物を得ることと、
中間化合物を
【0039】
【0040】
【0041】
【化13】
からトシル官能基を除去して、化合物を得ることと、を含む。
【0042】
また、本明細書に記載の方法によって調製される、(1R,5S,6r)-N-(2-
メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-
アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物な
どの化合物を含む生成物も本明細書に開示される。
【0043】
発明の詳細な説明
SSTR4アゴニスト
開示される方法は、式Iの化合物を調製するために使用することができる。開示される
方法はまた、式Iの塩、溶媒和物、水和物、及び/又はそれらの組み合わせを調製するた
めに使用することもできる。
【0044】
【0045】
式I。SSTR4アゴニスト、(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3
-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.
1.0]ヘキサン-6-カルボキサミド
開示される方法は、式IIの化合物を調製するために使用することができる。開示され
る方法はまた、式IIの溶媒和物、水和物、及び/又はそれらの組み合わせを調製するた
めに使用することができる。
【0046】
【0047】
式II。SSTR4アゴニストの酒石酸塩、(1R,5S,6r)-N-(2-メチル
-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビ
シクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミド酒石酸塩
開示される方法は、式IIIの化合物を調製するために使用することができる。開示さ
れる方法はまた、式IIIの溶媒和物、水和物、及び/又はそれらの組み合わせを調製す
るために使用することができる。
【0048】
【0049】
式III。SSTR4アゴニストのL-酒石酸塩、(1R,5S,6r)-N-(2-
メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-
アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩。
開示される方法は、式IVの化合物を調製するために使用することができる。
【0050】
【0051】
式IV。(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2
-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6
-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物
【0052】
方法
SSTR4アゴニスト化合物を調製するための方法が本明細書に開示される。SSTR
4アゴニスト化合物を調製するための方法は、本明細書において更に考察されるように、
SSTR4アゴニスト化合物、その薬学的に許容される塩、及び/又はその溶媒和物/水
和物の商業規模の産生において使用することができる。開示される方法において、好まし
くは、反応は、バッチ処理方法論を使用して実施される。一実施形態では、バッチは、プ
ロセススケールで生成される。一実施形態では、バッチは、少なくとも1キログラムで生
成される。一実施形態では、によるバッチは、少なくとも10キログラムで生成される。
一実施形態では、バッチは、少なくとも100キログラムで生成される。
【0053】
式:
【0054】
【化18】
のSSTR4アゴニスト化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは
水和物を調製するための方法は、
【0055】
(a)tertブチルトシルカルバメートを好適なC1-C6アルキル4-ハロブタ-
2-エノエートと混合することを含むことができる。
【0056】
SSTR4アゴニスト化合物を調製する方法の工程(a)は、式Vに示されるように、
極性非プロトン性溶媒中で、tert-ブチルトシルカルバメートを好適なC1-C6ア
ルキル4-ハロブタ-2-エノエート化合物と混合することを含むことができ、式中、X
が、Cl、Br、又はIなどのハロゲン脱離基である。
【0057】
【0058】
式V。SSTR4アゴニスト化合物を調製するための方法の工程(a)
工程(a)の成分は、極性非プロトン性溶媒中で、約10℃~約25℃、約15℃~2
5℃、又は20℃~25℃の温度で組み合わせることができる。工程(a)における成分
の混合物の温度は、約25℃~約50℃、約25℃~約40℃、又は約30℃に上昇させ
ることができる。工程(a)の生成物混合物を濾過し、回収した残渣を極性非プロトン性
溶媒で洗浄して、溶液中の生成物を得ることができる。
【0059】
好適な極性非プロトン性溶媒は、有機合成設計の当業者に周知である。好適な極性非プ
ロトン性溶媒としては、とりわけ、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド、
N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランを挙げることができる。
【0060】
別の実施形態では、本方法は、式VIに示されるように、アセトニトリル中でtert
-ブチルトシルカルバメートを(E)メチル4-ブロモブタ-2-エノエート化合物と混
合して、メチル(E)-4-((N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メチルフ
ェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを得ることを含むことができる。
【0061】
【0062】
式VI。SSTR4アゴニスト化合物を調製するための方法の工程(a)
別の実施形態では、工程(a)は、
【0063】
【0064】
【0065】
工程(a)への更なる成分としては、炭酸カリウムなどの塩基、及び/又はヨウ化カリ
ウムなどの塩が挙げられ得る。
【0066】
(b)C1-C6アルキル(E)-4-((N-(tert-ブトキシカルボニル)-
4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを酸と混合する
【0067】
SSTR4アゴニスト化合物を調製する方法の工程(b)は、式VIIに示されるよう
に、極性非プロトン性溶媒中で、工程(a)で生成された生成物、C1-C6アルキル(
E)-4-((N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホン
アミド)ブタ-2-エノエートを、好適な酸と混合することを含むことができる。
【0068】
【0069】
式VII。SSTR4アゴニスト化合物を調製するための方法の工程(b)
工程(b)の成分は、極性非プロトン性溶媒中で、約10℃~約25℃、約15℃~2
5℃、又は20℃~25℃の温度で組み合わせることができる。工程(b)における成分
の混合物の温度は、約40℃~約75℃、約40℃~約60℃、又は約55℃~約60℃
に上昇させることができる。反応溶液は、少なくとも4時間、少なくとも10時間、又は
少なくとも12時間、高温に維持することができる。
【0070】
工程(b)成分の混合物を高温に加熱した後、溶液を濃縮し、残りの極性非プロトン性
溶媒をトルエン及び/又は酢酸エチルと交換することができる。
【0071】
極性非プロトン性溶媒は、生成物が、副生成物の濾過以外の任意の更なる精製工程なし
に溶液中に残り得るように、工程(a)と同じ溶媒であり得るか、又はこの溶媒は、異な
る極性非プロトン性溶媒であり得る。
【0072】
工程(b)における好適な酸は、三級アミンからtert-ブチルエステルを除去して
、二級アミンを形成するために使用することができる任意の酸であり得る。好適な酸とし
ては、他の酸の中でも、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸、フッ化水素酸が挙げられる。
【0073】
別の実施形態では、工程(b)は、式VIIIに示されるように、アセトニトリル中で
メチル(E)-4-((N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)
スルホンアミド)ブタ-2-エノエートをトリフルオロ酢酸と混合して、メチル(E)-
4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを得ることを含む
ことができる。
【0074】
【0075】
式VIII。SSTR4アゴニストを調製するための方法の工程(b)
別の実施形態では、工程(b)は、
【0076】
【0077】
【0078】
工程(c)C1-C6アルキル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド
)ブタ-2-エノエートをスルホニウム塩と混合する
【0079】
SSTR4アゴニスト化合物を調製する方法の工程(c)は、式IXに示されるように
、好適な複素環溶媒中で、工程(b)で生成された生成物、C1-C6アルキル(E)-
4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを、スルホニウム
塩と混合して、中間化合物、(1R,5S)-3-(p-トリルスルホニル)-3-アザ
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボン酸を得ることを含むことができる。
【0080】
【0081】
式IX。SSTR4アゴニストを調製する方法の工程(c)
工程(c)の成分は、-10℃~10℃又は約0℃で組み合わせることができる。スル
ホニウム塩及びC1-C6アルキル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミ
ド)ブタ-2-エノエートに加えて、フッ化カリウム及び/又は水酸化カリウムを添加し
得る。溶液の温度は、約10時間~約30時間の期間にわたって30℃まで徐々に又は段
階的に上昇させることができる。
【0082】
好適な複素環溶媒には、とりわけ、テトラヒドロフラン、フラン、2-メチル-テトラ
ヒドロフランが含まれる。
【0083】
溶液の温度を上昇させた後、水酸化リチウムなどの塩基を、上昇した温度で添加するこ
とができ、反応を更なる期間進行させることができる。追加の期間は、約8時間~約24
時間、約12時間~約18時間、又は約16時間であり得る。
【0084】
中間化合物、(1R,5S)-3-(p-トリルスルホニル)-3-アザビシクロ[3
.1.0]ヘキサン-6-カルボン酸は、当業者に周知の従来の合成有機化学分離技術を
使用して、溶液から分離することができる。
【0085】
工程(c)で使用されるスルホニウム塩は、式Xによって表すことができ、式中、Xは
、Cl、Br、又はIなどのハロゲン脱離基であり、Aは、当業者に周知の任意の好適な
アニオンである。
【0086】
【0087】
式X。工程(c)のためのスルホニウム塩
工程(c)で使用されるスルホニウム塩は、式XIで表すこともできる。
【0088】
【0089】
式XI。式X。工程(c)のためのスルホニウム塩
別の実施形態では、工程(c)は、式XIIに示されるように、メチル(E)-4-(
(4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを2-(ブロモエチル)
ジフェニルスルホニウムトリフレートと混合して、中間化合物である(1R,5S)-3
-(p-トリルスルホニル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボン
酸を得ることを含むことができる。
【0090】
【0091】
式XII。SSTR4アゴニストを調製するための方法の工程(c)
別の実施形態では、工程(c)は、
【0092】
【0093】
【化32】
又はその塩若しくは溶媒和物を得ることを含むことができる。
【0094】
工程(d)(1R,5S)-3-(p-トリルスルホニル)-3-アザビシクロ[3.
1.0]ヘキサン-6-カルボン酸を2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イ
ル)オキシ)プロパン-2-アミンと混合する
SSTR4アゴニスト化合物を調製する方法の工程(d)は、式XIIIで示されるよ
うに、工程(c)で生成された中間化合物、(1R,5S)-3-(p-トリルスルホニ
ル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボン酸を、2-メチル-1-
((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-アミンと混合することを含
むことができる。
【0095】
【0096】
式XIII。SSTR4アゴニストを調製するための方法の工程(d)
2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-アミン
を添加する前に、中間化合物を塩化オキサリル又は塩化チオニルなどの好適な試薬と反応
させて、酸塩化物をその場で生成し、当業者に周知の合成条件下で-OH官能基を-Cl
で置き換えることができる。
【0097】
生成された酸塩化物は、約-10℃~約10℃又は約0℃~約10℃の温度で2-メチ
ル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-アミンと組み合わ
せることができる。
【0098】
溶液温度は、約2~約4時間後に約15℃~約25℃に上昇させることができる。
【0099】
別の実施形態では、工程(d)は、中間化合物を、
【0100】
【0101】
【0102】
工程(e)((1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン
-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-トシル-3-アザビシクロ[3.1.
0]ヘキサン-6-カルボキサミドをカリウムジフェニルホスフィンと混合する
SSTR4アゴニスト化合物を調製する方法の工程(e)は、式XIVで示されるよう
に、工程(d)で生成された生成物、((1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-
((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-トシル-3-
アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドを、カリウムジフェニルホス
フィンと混合することを含むことができる。
【0103】
【0104】
式XIV。SSTR4アゴニストを調製するための方法の工程(e)
((1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル
)オキシ)プロパン-2-イル)-3-トシル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ
ン-6-カルボキサミドを、メチルtert-ブチルエーテルなどの好適な溶媒に溶解す
ることができる。温度は、約-100℃~約-50℃、約-80℃~約-55℃、又は約
-70℃~約-60℃に低下させることができる。低下した温度を維持しながら、カリウ
ムジフェニルホスフィンを滴下することができる。
【0105】
カリウムジフェニルホスフィンの全量が添加された後、溶液の低下した温度を少なくと
も4時間、少なくとも6時間、又は少なくとも8時間維持することができる。次いで、溶
液を約15℃~約25℃の温度に上昇させ、SSTRアゴニスト化合物、(1S,5R)
-N-[1,1-ジメチル-2-[(3-メチル-2-ピリジル)オキシ]エチル]-3
-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドを、当業者に周知の典型的
な方法を使用して溶液から単離することができる。
【0106】
別の実施形態では、工程(e)は、
【0107】
【化37】
をジフェニルホスフィンカリウムと混合して、SSTR4アゴニスト化合物を得ること
を含むことができる。
【0108】
SSTR4アゴニスト化合物の塩
SSTR4アゴニスト化合物の薬学的に許容される塩を調製するための方法も本明細書
に開示される。SSTR4アゴニスト化合物の薬学的に許容される塩を調製するための方
法は、(1)SSTR4アゴニスト化合物を調製するための開示された方法、並びに(2
)(i)酸との反応、(ii)塩メタセシス反応、及び/又は(iii)SSTR4アゴ
ニスト化合物の薬学的に許容される塩の形成をもたらすことができる他の反応を介して、
SSTR4アゴニストの薬学的に許容される塩を生成することを含むことができる。
【0109】
SSTR4アゴニスト化合物の好適な薬学的に許容される塩は、アジピン酸塩、臭化物
、塩化物、ベシル酸塩、エシル酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、
硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、L-酒石酸塩、リンゴ酸塩、及び/又はL-リンゴ酸塩
アニオンを含むことができる。他の好適な塩としては、(1S,5R,6r)-N-[1
,1-ジメチル-2-[(3-メチル-2-ピリジル)オキシ]エチル]-3-アザビシ
クロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミド酒石酸塩、(1S,5R,6r)-N
-[1,1-ジメチル-2-[(3-メチル-2-ピリジル)オキシ]エチル]-3-ア
ザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩、及び/又は(1
R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ
)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミ
ドL-酒石酸塩セスキ水和物を挙げることができる。他の好適な塩は式II~IVに示さ
れる。L-酒石酸塩はまた、(2R,3R)-2,3-ジヒドロキシコハク酸塩としても
知られ得る。
【0110】
中間化合物
また、SSTR4アゴニスト化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩、それらの水
和物、及び/若しくはそれらの溶媒和物の調製のための開示された方法の間に生成される
新規の中間化合物も本明細書に開示される。好適な中間体は、開示された方法の間の任意
の時点で生成されることができる。好適な中間体は、純粋な化合物として単離されること
ができるか、又は溶液中でのみ生成されることができる。
【0111】
SSTR4アゴニスト化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩、それらの水和物、
及び/若しくはそれらの溶媒和物の調製に好適な中間体としては、式XVの中間体、又は
それらの薬学的に許容される塩、それらの水和物、及び/若しくはそれらの溶媒和物を挙
げることができ、式中、Yは、H、OH、NH2Cl、Br、I、C1~C6アルキル、
C1~C6エーテル又はそれらの組み合わせであり、R1及びR2、独立して、H、OH
、NH2Cl、Br、I、C1~C6アルキル、C1-C6エーテル、又はそれらの組み
合わせであり、フェニル官能基は、1つ以上のR’で置換されており、各R’基は、独立
して、H、OH、NH2Cl、Br、I、C1~C6アルキル、C1~C6エーテル、又
はそれらの組み合わせである。一実施形態では、Yは、OH、Cl、Br、I、又はNH
2R1であり得、R2は、Hであり得、R’は、パラ位のCH3であり得る。
【0112】
【0113】
式XV。中間化合物
一実施形態では、中間化合物は、式XVI、又はその薬学的に許容される塩、その水和
物、及び/若しくはその溶媒和物によって表すこともでき、式中、Yは、H、OH、NH
2Cl、Br、I、C1~C6アルキル、C1~C6エーテル、又はそれらの組み合わせ
であり、R1及びR2は、独立して、H、OH、NH2Cl、Br、I、C1~C6アル
キル、C1~C6エーテル、又はそれらの組み合わせであり得、フェニル官能基は、1つ
以上のR’で置換されており、各R’基は、独立して、H、OH、NH2Cl、Br、I
、C1~C6アルキル、C1~C6エーテル、又はそれらの組み合わせである。一実施形
態では、Yは、OH、Cl、Br、I、又はNH2R1であり得、R2は、Hであり得、
R’は、パラ位のCH3であり得る。
【0114】
【0115】
式XVI。中間化合物
一実施形態では、中間化合物は、式XVII、又はその薬学的に許容される塩、その水
和物、及び/若しくはその溶媒和物によって表すこともでき、Yは、H、OH、NH2C
l、Br、I、C1~C6アルキル、C1~C6エーテル、又はそれらの組み合わせであ
り得る。一実施形態では、Yは、OH、NH2Cl、Br、又はIであり得る。
【0116】
【0117】
式XVI。中間化合物
一実施形態では、中間化合物はまた、式XVIII又はその薬学的に許容される塩、そ
の水和物、及び/若しくはその溶媒和物によって表すこともできる。
【0118】
【0119】
式XVIII。中間化合物
本明細書に記載の中間化合物は、SSTR4アゴニスト化合物、又はその薬学的に許容
される塩、その水和物、及び/若しくはその溶媒和物の調製に使用することができる。中
間化合物は、本明細書に記載され、かつ式VIIIに例示されるように、SSTR4アゴ
ニスト化合物を調製するための方法の工程(d)におけるようなアミド-カルボン酸カッ
プリング反応を通して様々なSSTR4アゴニスト化合物を産生するための安定な骨格を
提供する。
【0120】
組成物
また、式I~IVの化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはその水和物を、1
つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤とともに含む、医薬組成物も本明
細書に開示される。いくつかの実施形態では、本組成物は、1つ以上の治療剤を更に含む
。
【0121】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤組成物である。錠剤組成物中の好適な不
活性成分としては、とりわけ、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、フ
マル酸ステアリルナトリウムが挙げられる。
【0122】
錠剤組成物は、約25mg~約1400mg、約50mg~約600mg、又は約50
mg~約200mgのSSTR4アゴニスト、又はその水和物若しくは薬学的に許容され
る塩を含むことができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、カプセル組成物である。いくつかの態様にお
いて、カプセル組成物は、不活性成分を含まずに、SSTR4アゴニスト化合物、又はそ
の水和物若しくは薬学的に許容される塩を含むことができる。いくつかの実施形態では、
カプセル組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を含むこと
ができる。いくつかの実施形態では、カプセル組成物は、他の好適な不活性成分の中でも
、微結晶性セルロース、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素を含むことができる。
【0124】
カプセル組成物は、約25mg~約1400mg、約50mg~約600mg、又は約
50mg~約200mgのSSTR4アゴニスト、又はその水和物若しくは薬学的に許容
される塩を含むことができる。カプセル組成物は、ゼラチンカプセルなどの好適なカプセ
ルを含むことができる。カプセルは、添加される材料の総量に応じて、サイズ000、0
0、0、1、又は2であり得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、水性組成物である。
【0126】
治療方法
また、患者における疼痛を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に
、有効量の、式I~IVの化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはその水和物を
、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤とともに投与することを含む
、方法も本明細書に開示される。
【0127】
また、患者における疼痛を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に
、約25mg~約1400mgの、式IIIの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-
N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イ
ル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩、又
は式IVの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メ
チルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.
0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1つ以上の薬学的に許
容される担体、希釈剤、又は賦形剤とともに投与することを含む、方法も本明細書に開示
される。いくつかの実施形態では、患者における疼痛を治療する方法は、そのような治療
を必要とする患者に、第1の量のSSTR4アゴニストの約50mg、約100mg、約
200mg、約300mg、約400mg、又は約600mgの式IIIの化合物、すな
わち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル
)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カル
ボキサミドL-酒石酸塩、又は式IVの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(
2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和
物を投与することを含むことができる。いくつかの実施形態では、更なる量の式III、
すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-
イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-
カルボキサミドL-酒石酸塩、又は式IV、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-
メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-
アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物は
、1日で投与することができる。いくつかの実施形態では、第1の量を繰り返すことがで
きるか、又は異なる量を投与することができる。例えば、第1の量は、400mgであっ
てよく、第2の量は、400mg又は600mgであってよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、疼痛を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に
、約50mg~約600mgの式IIIの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-
(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)
-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩、又は式
IVの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチル
ピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]
ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1日2回投与することを含
むことができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、疼痛を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に
、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500m
g、又は約600mgの式IIIの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-
メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-
アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩、又は式IVの
化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジ
ン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ
ン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1日2回投与することを含むこと
ができる。
【0130】
また、患者における慢性腰痛を含む慢性背部痛を治療する方法であって、そのような治
療を必要とする患者に、有効量の式I~IVの化合物、又はその薬学的に許容される塩若
しくはその水和物を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤とともに
投与することを含む、方法も本明細書に開示される。
【0131】
また、患者における慢性腰痛を含む慢性背部痛を治療する方法であって、そのような治
療を必要とする患者に、約25mg~約1400mgの、式IIIの化合物、すなわち(
1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキ
シ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサ
ミドL-酒石酸塩、又は式IVの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メ
チル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-ア
ザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、
1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤とともに投与することを含む、
方法も本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、患者における慢性腰痛を含む慢
性背部痛を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に、第1の量のSSTR4
アゴニストの約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、
約500mg、又は約600mgの式IIIの化合物、すなわち、(1R,5S,6r)
-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-
イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩、
又は式IVの化合物、すなわち、(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3
-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.
1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を投与することを含む
ことができる。いくつかの実施形態では、更なる量の式III、すなわち(1R,5S,
6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン
-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石
酸塩、又は式IV、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メ
チルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.
0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物は、1日で投与することが
できる。いくつかの実施形態では、第1の量を繰り返すことができるか、又は異なる量を
投与することができる。例えば、第1の量は、400mgであってよく、第2の量は、4
00mg又は600mgであってよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、慢性腰痛を含む慢性背部痛の方法は、そのような治療を必要
とする患者に、約50mg~約600mgの式IIIの化合物、すなわち(1R,5S,
6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン
-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石
酸塩、又は式IVの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-(
(3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[
3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1日2回投与
することを含むことができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、慢性腰痛を含む慢性背部痛を治療する方法は、そのような治
療を必要とする患者に、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約4
00mg、約500mg、又は約600mgの式IIIの化合物、すなわち(1R,5S
,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパ
ン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒
石酸塩、又は式IVの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-
((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ
[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1日2回投
与することを含むことができる。
【0134】
また、患者における神経障害性疼痛を治療する方法であって、そのような治療を必要と
する患者に、有効量の式I~IVの化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはその
水和物を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤とともに投与するこ
とを含む、方法も本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、神経障害性疼痛は、
糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多発性神経
障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及び/又は混合性神経障害である。
【0135】
また、患者における、糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障害性疼痛、多発性神経障
害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及び/又は混合性神経障害
を含む神経障害性疼痛を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、約
25mg~約1400mgの式IIIの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(
2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩、又は式I
Vの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピ
リジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘ
キサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1つ以上の薬学的に許容され
る担体、希釈剤、又は賦形剤とともに投与することを含む、方法も本明細書に開示される
。いくつかの実施形態では、患者における、糖尿病性神経障害、多発性神経障害、遠位感
覚多発性神経障害、末梢神経障害、糖尿病性末梢神経障害痛、中枢神経障害、及び/又は
混合性神経障害を含む神経障害性疼痛を治療する方法は、そのような治療を必要とする患
者に、第1の量のSSTR4アゴニストの約50mg、約100mg、約200mg、約
300mg、約400mg、約500mg、又は約600mgの式IIIの化合物、すな
わち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル
)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カル
ボキサミドL-酒石酸塩、又は式IVの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(
2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和
物を投与することを含むことができる。いくつかの実施形態では、更なる量の式III、
すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-
イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-
カルボキサミドL-酒石酸塩、又は式IV、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-
メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-
アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を
、1日で投与することができる。いくつかの実施形態では、第1の量を繰り返すことがで
きるか、又は異なる量を投与することができる。例えば、第1の量は、400mgであっ
てよく、第2の量は、400mg又は600mgであってよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障害性疼痛、多発性神
経障害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及び/又は混合性神経
障害を含む神経障害性疼痛を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に、約5
0mg~約600mgの式IIIの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-
メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-
アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩、又は式IVの
化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジ
ン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ
ン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1日2回投与することを含むこと
ができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障害性疼痛、多発性神
経障害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及び/又は混合性神経
障害を含む神経障害性疼痛を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に、約5
0mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、又
は約600mgの式IIIの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル
-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビ
シクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩、又は式IVの化合物
、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2
-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6
-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1日2回投与することを含むことができ
る。
【0138】
また、患者における変形性関節症に関連する疼痛を治療する方法であって、そのような
治療を必要とする患者に、有効量の式I~IVの化合物、又はその薬学的に許容される塩
若しくはその水和物を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤ととも
に投与することを含む、方法も本明細書に開示される。
【0139】
また、患者における変形性関節症性疼痛を治療する方法であって、そのような治療を必
要とする患者に、約25mg~約1400mgの、式IIIの化合物、すなわち(1R,
5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プ
ロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL
-酒石酸塩、又は式IVの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-
1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシ
クロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1つ以
上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤と混合することを含む、方法も本明細
書に開示される。いくつかの実施形態では、患者における変形性関節症性疼痛を治療する
方法は、そのような治療を必要とする患者に、第1の量のSSTR4アゴニストの約50
mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、又は約600mgの
式IIIの化合物、すなわち、(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-
メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1
.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩、又は式IVの化合物、すなわち、(
1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキ
シ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサ
ミドL-酒石酸塩セスキ水和物を投与することを含むことができる。いくつかの実施形態
では、更なる量の式III、すなわち、(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-
((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ
[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩、又は式IV、すなわち、(
1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキ
シ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサ
ミドL-酒石酸塩セスキ水和物は、1日で投与することができる。いくつかの実施形態で
は、第1の量を繰り返すことができるか、又は異なる量を投与することができる。例えば
、第1の量は、400mgであってよく、第2の量は、400mg又は600mgであっ
てよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、変形性関節症性疼痛を治療する方法は、そのような治療を必
要とする患者に、約50mg~約600mgの式IIIの化合物、すなわち(1R,5S
,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパ
ン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒
石酸塩、又は式IVの化合物、すなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-
((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ
[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1日2回投
与することを含むことができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、変形性関節症性疼痛を治療する方法は、そのような治療を必
要とする患者に、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400m
g、約500mg、又は約600mgの式IIIの化合物、すなわち(1R,5S,6r
)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2
-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩
、又は式IVすなわち(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピ
リジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘ
キサン-6-カルボキサミドL-酒石酸塩セスキ水和物を、1日2回投与することを含む
ことができる。
【0142】
また、治療に使用するための、式I~IVの化合物、又はその薬学的に許容される塩若
しくは水和物も本明細書に開示される。追加的に、疼痛の治療に使用するための、式I~
IVの化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物も本明細書に開示される。
また、慢性腰痛を含む慢性背部痛の治療に使用するための、式I~IVの化合物、又はそ
の薬学的に許容される塩若しくは水和物も本明細書に提供される。また、神経障害性疼痛
の治療に使用するための、式I~IVの化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは
水和物も本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、神経障害性疼痛は、糖尿病性
神経障害、糖尿病性末梢神経障害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多発性神経障害、末
梢神経障害、中枢神経障害、及び/又は混合性神経障害である。また、変形性関節症に関
連する疼痛の治療に使用するための、式I~IVの化合物、又はその薬学的に許容される
塩若しくは水和物も本明細書に開示される。
【0143】
また、疼痛の治療における、約25mg~約1400mgの式I~IVの化合物又はそ
の薬学的に許容可能な塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。慢性腰痛を含む
慢性背部痛の治療における、約25mg~約1400mgの式I~IVの化合物又はその
薬学的に許容される塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。神経障害性疼痛の
治療における、約25mg~約1400mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容
される塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、神経
障害性疼痛は、糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障害性疼痛、多発性神経障害、遠位
感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及び/又は混合性神経障害である。
また、変形性関節症に関連する疼痛の治療における、約25mg~約1400mgの式I
~IVの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示さ
れる。
【0144】
また、疼痛の治療における、約50mg~約600mgの式I~IVの化合物又はその
薬学的に許容可能な塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。慢性腰痛を含む慢
性背部痛の治療における、約50mg~約600mgの式I~IVの化合物又はその薬学
的に許容される塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。神経障害性疼痛の治療
における、約50mg~約600mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容される
塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、神経障害性
疼痛は、糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多
発性神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及び/又は混合性神経障害である。また、
変形性関節症に関連する疼痛の治療における、約50mg~約600mgの式I~IVの
化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。
【0145】
また、疼痛の治療における、約600mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容
される塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。また、慢性腰痛を含む慢性背部
痛の治療における、約600mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容される塩若
しくは水和物の使用も本明細書に開示される。神経障害性疼痛の治療における、約600
mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物の使用も本明細
書に開示される。いくつかの実施形態では、神経障害性疼痛は、糖尿病性神経障害、糖尿
病性末梢神経障害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中
枢神経障害、及び/又は混合性神経障害である。変形性関節症に関連する疼痛の治療にお
ける、約600mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物
の使用も本明細書に開示される。
【0146】
また、疼痛の治療における、約400mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容
される塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。また、慢性腰痛を含む慢性背部
痛の治療における、約400mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容される塩若
しくは水和物の使用も本明細書に開示される。神経障害性疼痛の治療における、約400
mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物の使用も本明細
書に開示される。いくつかの実施形態では、神経障害性疼痛は、糖尿病性神経障害、糖尿
病性末梢神経障害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中
枢神経障害、及び/又は混合性神経障害である。変形性関節症に関連する疼痛の治療にお
ける、約400mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物
の使用も本明細書に開示される。
【0147】
また、疼痛の治療における、約200 mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許
容される塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。また、慢性腰痛を含む慢性背
部痛の治療における、約200mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容される塩
若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。神経障害性疼痛の治療における、約20
0mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物の使用も本明
細書に開示される。いくつかの実施形態では、神経障害性疼痛は、糖尿病性神経障害、糖
尿病性末梢神経障害性疼痛、多発性神経障害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、
中枢神経障害、及び/又は混合性神経障害である。また、変形性関節症に関連する疼痛の
治療における、約200mgの式I~IVの化合物又はその薬学的に許容される塩若しく
は水和物の使用も本明細書に開示される。
【0148】
更に、疼痛、慢性背部痛(慢性腰痛を含む)、神経障害性疼痛、及び変形性関節症に関
連する疼痛から選択される疾患又は状態の治療薬の製造用の、式I~IVの化合物又はそ
の薬学的に許容される塩若しくは水和物の使用も本明細書に開示される。いくつかの実施
形態では、神経障害性疼痛は、糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢神経障害性疼痛、多発性
神経障害、遠位感覚多発性神経障害、末梢神経障害、中枢神経障害、及び/又は混合性神
経障害である。
【0149】
いくつかの実施形態では、第1の量又は有効量のSSTR4アゴニストは、少なくとも
1日1回、1日1~4回、少なくとも1日2回、1日1回、1日2回、24時間毎、12
時間毎、8時間毎、6時間毎、又は4時間毎に投与され得る。
【0150】
糖尿病性神経障害の治療を必要とする患者は、以下の特徴のうちの1つ以上を満たす任
意の患者を含むことができる:治療を開始する前に40以上95未満のビジュアルアナロ
グスケール(visual analog scale、VAS)疼痛値を有する、参加者レポート若しくは
病歴に基づいて少なくとも12週間の毎日の疼痛の病歴を有する、Pain Catas
trophizing Scaleで30以下の値を有する、40kg/m2未満(境界
値を含む)のボディマス指数を有する、少なくとも6ヶ月間存在し、かつ有効なツール、
例えば、Michigan Neuropathy Screening Instru
ment Part B 3以上の使用を通して診断される、末梢神経障害に続発する毎
日の対称性足疼痛を有する、1型若しくは2型真性糖尿病の病歴及び現在の診断を有する
、及び/又は治療を開始する前に11以下の糖化ヘモグロビンレベルによって示される安
定な血糖コントロールを有する。
【0151】
定義
本明細書で使用される場合、本開示の文脈で(特に特許請求の範囲の文脈で)使用され
る「a」、「an」、「the」という用語及び同様の用語は、本明細書に別段の定めが
ない限り、又は文脈によって明らかに矛盾していない限り、単数形及び複数形の両方をカ
バーすると解釈されるべきである。
【0152】
本明細書で使用される場合、「水和物」という用語は、化合物又はその塩と水を含有す
る固体付加物であって、水分子が当該化合物又はその塩の結晶格子中に組み込まれている
固体付加物を指す。本明細書で使用される場合、「セスキ水和物」という用語は、化合物
又はその塩の水和物であって、水対化合物又はその塩の化学量論比が1.5:1である水
和物を指す。
【0153】
本明細書で使用される場合、「治療する」又は「治療すること」という用語は、既存の
症状又は障害の進行又は重症度を抑制すること、遅延させること、止めること、又は逆転
させることを含む。
【0154】
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、マウス、モルモット、ラット、イ
ヌ、又はヒトなどの哺乳動物を指す。好ましい患者はヒトであることが理解される。
【0155】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、患者に単回又は複数回投与する
と、診断中又は治療中の患者に所望の効果を提供する、本発明の化合物の量又は用量を指
す。
【0156】
有効量は、既知の技法を使用して当業者によって容易に決定され得る。患者の有効量を
決定する際に、以下を含むが、これらに限定されない、いくつかの要因が考慮される。患
者の種;そのサイズ、年齢、及び全般的健康状態;関連する特定の疾患又は障害;疾患又
は障害の程度又は関与又は重症度;個々の患者の応答;投与される特定の化合物;投与様
式;投与される調製物の生物学的利用能特性;選択された投与レジメン;併用薬の使用;
並びに他の関連する状況。
【0157】
したがって、「治療」及び「治療すること」という用語は、存在する障害、及び/又は
その症状の進行の緩徐、中断、抑止、制御、又は停止し得る全ての方法を指すことが意図
されるが、全ての症状の完全な排除を示すことは、必ずしも必要ではない。
【0158】
「薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤」は、哺乳動物、例えばヒトへの生物
学的に活性な薬剤の送達のために本技術分野において概して許容されている媒体である。
【0159】
「用量」は、患者において所望の治療効果を生じるように計算された、式I、(1R,
5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プ
ロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドの
所定の量又は単位用量を指す。本明細書で使用される場合、「mg」は、ミリグラム(mi
lligram)を指す。本明細書で使用される場合、提供される用量範囲及び用量は、遊離塩
基、塩、共結晶形態、又は任意の他の組成物若しくは形態など、それが提供される形態に
かかわらず、活性医薬成分、式I、(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((
3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3
.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドの重量を表す。
【0160】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、記載される数値に十分近接している
こと、例えば、記載される数値の±10%を意味する。
【0161】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、示された数の炭素原子を含有
する飽和線状又は分岐鎖一価炭化水素基を意味する。例えば、「C1-C20アルキル」
は、1~20個の炭素原子を線状又は分岐状配置で有するラジカルを意味する。
【0162】
本明細書で使用される場合、「C1-Cnチオエーテル」という用語は、鎖中に末端「
S」を含有する1~n個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素、すなわち
-S(アルキル)を指し、チオエーテル基は、硫黄原子の所望の位置に結合することがで
きる。「C1-Cnチオエーテル」という用語はまた、分子中に末端「S」を含有するシ
クロアルキル又はアリール基、すなわち-S(アリール)を指し、チオエーテル基は、硫
黄原子の所望の位置に結合することができる。「C1-Cnチオエーテル」という用語は
、飽和炭化水素鎖及びシクロアルキル又はアリールのいずれか、すなわち-S-CH2-
(アリール)を含むことができ、nは、置換基中の総炭素原子数を指す。
【0163】
本明細書で使用される場合、「C1-Cnエーテル」という用語は、鎖中に末端「O」
を含有する1~n個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素、すなわち-O
(アルキル)を指し、エーテル基は、酸素原子の所望の位置に結合することができる。C
1-Cnエーテルという用語はまた、分子中に末端「O」を含有するシクロアルキル又は
アリール基、すなわち-O(アリール)を指し、エーテル基は、酸素原子の所望の位置に
結合することができる。「C1-Cnエーテル」という用語はまた、飽和炭化水素鎖及び
シクロアルキル又はアリールのいずれか、すなわち-O-CH2-(アリール)を含むこ
とができ、nは、置換基中の総炭素原子数を指す。
【0164】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、炭素及び水素原子を含
む非芳香族単環式又は多環式環から誘導されるラジカルを意味する。シクロアルキルは、
環内に1つ以上の炭素-炭素二重結合を、環がそれらの存在によって芳香族にされない限
り、有することができる。シクロアルキル基は、非置換であってもよく、又は当業者に周
知の1~3個の好適な置換基で置換されていてもよい。シクロアルキル基は、単環式又は
多環式環中の総炭素原子の数によって表すことができる。例えば、C3~C7シクロアル
キルは、3、4、5、6、又は7個の炭素原子を有するシクロアルキルラジカル基を含む
。
【0165】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、1個以上の炭素
原子並びに窒素、酸素、及び硫黄などの1個以上のヘテロ原子を含む非芳香族単環式又は
多環式環から誘導されるラジカルを意味する。ヘテロシクロアルキル基は、環中に1つ以
上の炭素-炭素二重結合又は炭素-ヘテロ原子二重結合を、環がそれらの存在によって芳
香族にされない限り、有し得る。ヘテロシクロアルキル基の例としては、アジリジニル、
ピロリジニル、ピロリジノ、ピペリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、ピペラジノ、モ
ルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、テトラヒドロフラニル、
テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロピラニル、及びピラニルが挙げられる。ヘテロ
シクロアルキル基は、非置換であってもよく、又は1つ若しくは2つの好適な置換基で置
換されていてもよい。ヘテロシクロアルキル基は、単環式又は多環式環中の総原子数によ
って表すことができる。例えば、4員~7員ヘテロシクロアルキルは、4、5、6、又は
7員(炭素原子及びヘテロ原子を含む)を含む。
【0166】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、単環式又は多環式環中に炭素
原子のみを含む芳香族単環式又は多環式環から誘導されるラジカルを意味する。アリール
基は、非置換であってもよく、又はアリール基は、当業者に周知の1~5個の好適な置換
基で置換されていてもよい。アリール基は、単環式又は多環式環中の総炭素原子数によっ
て表すことができる。例えば、C5~C7アリールは、5、6、又は7個の炭素原子を有
するアリールラジカル基を含む。
【0167】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、単環式又は多環式環中
に1個以上の炭素原子及び1個以上のヘテロ原子を含む芳香族単環式又は多環式環から誘
導されるラジカルを意味する。ヘテロアリール基は、非置換であり得るか、又はヘテロア
リール基は、当業者に周知である1~5個の好適な置換基で置換され得る。ヘテロアリー
ル基は、単環式又は多環式環中の総原子数によって表すことができる。例えば、4員~7
員ヘテロアリールは、4、5、6、又は7員(炭素原子及びヘテロ原子を含む)を含む。
【実施例0168】
ある特定の略語は、以下のように定義される:「DCM」は、ジクロロメタン(dichlo
romethane)を指し、「DMAP」は、4-ジメチルアミノピリジン(4-dimethylaminopy
ridine)を指し、「DMF」はジメチルホルムアミド(dimethylformamide)を指し、「
EtOAC」は、酢酸エチルを指し、「EtOH」は、エタノールを指し、「hr/hr
s」は、時間/時間(hour/hours)を指し、「MeCN」は、アセトニトリルを指し、「
MeOH」は、メタノールを指し、「MTBE」は、メチルtert-ブチルエーテル(
methyl tert-butyl ether)を指し、「MeTHF」は、メチルテトラヒドロフラン(met
hyltetrahydrofuran)を指し、「OTf」は、トリフルオロメタンスルホネートを指し、
「Ph2PK」は、カリウムジフェニルホスフィドを指し、「TEA」はトリエチルアミ
ン(triethylamine)を指し、「TFA」は、トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid
)を指し、「THF」はテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)を指す。
【0169】
【0170】
スキーム1.SSTR4アゴニストの商業的合成
スキーム1、工程Aは、MeCNなどの好適な溶媒中、好適な温度(例えば、30℃)
で、炭酸カリウム及びヨウ化カリウムなどの適切な塩基を使用して、化合物(1)をメチ
ル4-ブロモブタ-2-エノエートと混合して、化合物(2)を得るカップリングを示す
。工程Bは、MeCNなどの溶媒中で、TFAなどの酸を使用して、化合物(2)を脱保
護して、化合物(3)を得ることを示す。工程Cは、塩基KOH、KF、及び2-MeT
HFなどの好適な溶媒の存在下で、(2-ブロモエチル)ジフェニルスルホニウムトリフ
レートなどの(2-ハロエチル)ジフェニルスルホニウムを使用して、化合物(3)を混
合して、化合物(4)を得る環化を示す。工程Dにおいて、水及びLiOHなどの塩基を
使用して、化合物(4)を化合物(5)に変換する。工程Eは、COCl2などの触媒、
並びにDMF、トルエン、及びDCMなどの溶媒の存在下で、化合物(5)を2-メチル
-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-アミンと混合して、
化合物(6)を得るカップリングを示す。工程Fは、MTBEなどの溶媒中で、好適な温
度(例えば、60~70℃に加熱)下で、化合物(6)をPh2PKと反応させて、化合
物(7)を得ることによる、化合物(6)の化合物(7)への変換を示す。
【0171】
調製物1
メチル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエート
【0172】
【化43】
メチル4-ブロモブタ-2-エノエート(36.29g、202.7mmol)を15
~25℃でMeCN(500mL)に溶解した。tert-ブチルトシルカルバメート(
50.00g、184.3mmol)を15~25℃で添加した。K
2CO
3(30.5
7g、221.2mmol)及びKI(3.06g、202.7mmol)を15~25
℃で溶液に添加し、窒素下、30℃で20時間加温した。溶液を20℃に冷却し、混合物
を濾過した。濾過した残渣をMeCN(100mL)で洗浄して、メチル(E)-4-(
(N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ
-2-エノエートを得た。MeCN溶液中で、メチル(E)-4-((N-(tert-
ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエート(
483.72g、143mmol)にTFA(101.03g、886.06mmol)
を添加し、55~60℃に16時間加熱した。反応溶液を約50mLに真空中で濃縮し、
溶媒をトルエン(2×250mL)と交換した。15~25℃でトルエン500mL、続
いてEtOAc(50mL)を添加し、60℃に1時間加熱し、次いで0℃に12時間冷
却した。溶液を濾過し、ウェットケーキをn-ヘプタン(50mL)ですすいだ。ケーキ
を真空中で50℃で乾燥させて、表題化合物(37.85g、74.4%)を白色の固体
として得た。
1H NMR(CDCl
3)δ 7.68(d,J=8.0Hz,2H)7
.25(d,J=8.0Hz,2H)6.71(dt,J=15.6,5.2Hz,1H
)5.88(dt,J=15.6,1.6Hz,1H)4.55(t,J=6.4Hz,
1H)3.71-3.67(m,2H)3.65(s,3H)2.37(s,3H);H
RMS(ESI
+)[C
12H
15NO
4S+H]
+に対する計算値:270.0795
、実測値:270.0788(M+H)。
【0173】
調製物2
(1R,5S,6r)-3-トシル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-
カルボン酸
【0174】
【化44】
メチル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエート
(51.90g)を0℃で2-MeTHF(600mL)に溶解した。(2-ブロモエチ
ル)ジフェニルスルホニウムトリフレート(36.50g)、KF(6.47g)、KO
H(18.75g)を溶液に0℃で添加した。溶液を15℃に22時間、次いで、30℃
で3時間加温した。水(100mL)及びMeOH(100mL)を溶液に添加した。L
iOH
.H
2O(4.77g)を添加し、30℃で16時間撹拌した。15~25℃に冷
却し、n-ヘプタン(100mL)を添加した。15~25℃で10分間撹拌した。水相
を分離し、回収し、水相をn-ヘプタン/2-MeTHF(50mL/200mL×2)
で洗浄した。水相を真空中で約50mLに濃縮し、3MHCl水溶液を滴下して、pHを
1~2に調整した。混合物を20~30℃で2時間撹拌した。溶液を濾過し、EtOH/
H
2O(15mL 1:4)ですすいだ。ウェットケーキを45℃で8~10時間乾燥さ
せて、表題化合物を白色の固体(20.37g、65%)として得た
1H NMR(C
DCl
3)δ 7.67(d,J=8.2 Hz,2 H)7.34(d,J=8.2
Hz,2 H)3.63(d,J=9.4 Hz,2 H)3.12(d,J=9.4
Hz,2 H)2.46-2.40(m,4 H)2.07-2.01(m,2 H);
HRMS(ESI
+)[C
13H
15NO
4S+H]
+に対する計算値:282.079
5、実測値:282.0795(M+H)。
【0175】
調製物3
2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-yl)オキシ)プロパン-2-アミン
【0176】
【化45】
2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール(50.14g、562.5mmol)
を15~25℃でトルエン(250mL)に溶解した。カリウムtert-ブトキシド(
60.59g、534.6mmol)を溶液に添加し、30~40℃に加温した。2-フ
ルオロ-3-メチルピリジン(50.00g、450.0mmol)を溶液に添加し、8
0℃に加温した。混合物を80℃で18時間撹拌した。混合物を15~25℃に冷却し、
水(100mL)を添加し、30分間撹拌した。水層を分離し、有機物を、10%NaC
l水溶液(300mL×3)で洗浄した。トルエン(250mL)を有機物に添加し、真
空中で濃縮して、表題化合物を液体として得た(107.50g、98%)。
1H NM
R(CDCl
3)δ 7.92-7.82(m,1H)7.32-7.22(m,1H)
6.74-6.66(m,1H)3.97(s,3H)2.14(s,3H)1.15(
s,6H)。
【0177】
調製物4
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-トシル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン
-6-カルボキサミド
【0178】
【化46】
(1R,5S,6r)-3-トシル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-
カルボン酸(32.33g、純度88.2%)をトルエン(320mL)に15~25℃
で溶解した。DMF(741.0mg)及び(COCl)
2(19.20g)を溶液に添
加し、45~55℃に3~4時間加熱した。混合物を真空中で濃縮し、THF(100m
L×2)と交換した。THF(320mL)を添加し、0~10℃に冷却した。2-メチ
ル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-アミン(23.6
0g)、TEA(30.80g)、DMAP(620.0mg)を0~10℃で加え、次
いで15~25℃に2~4時間加温した。混合物を真空中で濃縮し、溶媒をEtOH(1
40mL×2)で交換した。真空中で140mLに濃縮し、固体が溶解するまで50℃に
加熱した。水(210mL)を40℃で溶液に滴下した。溶液を10℃に14時間冷却し
た。濾過し、EtOH/H
2O(75mL、1:1.5)ですすいだ。ウェットケーキを
45℃で20時間乾燥させて、表題化合物を固体(41.87g、87.4%)として得
た。
1H NMR(CDCl
3)δ 7.94-7.87(m,1 H)7.60(d,
J=8.0 Hz,2 H)7.37(d,J=6.6 Hz,1 H)7.26(d,
J=8.0 Hz,2 H)6.78(dd,J=6.6,5.0 Hz,1 H)6.
48(s,1 H)4.25(s,2 H)3.52(d,J=9.4 Hz,2 H)
2.95(d,J=9.4 Hz,2 H)2.39-2.33(m,3 H)2.17
(s,3 H)1.84(s,2 H)1.39(s,6 H);HRMS(ESI
+)
[C
23H
29N
3O
4S+H]
+に対する計算値:444.1952、実測値:444
.2089(M+H)。
【0179】
実施例1
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミド
【0180】
【化47】
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-トシル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン
-6-カルボキサミド(5.00g)をMTBE(50mL)に窒素下で溶解した。-7
0~60℃に冷却し、THF中の1M Ph
2PK(56mL、56mmol)を溶液に
滴下した。混合物を-70~60℃で6~8時間撹拌した。2MHCl水溶液(50mL
)を溶液に添加し、温度を15~25℃に上昇させた。水相を分離し、回収し、2-Me
THF(50mL×3)で洗浄した。2-MeTHF(50mL)を添加し、K
2CO
3
粉末でpHを8~9に調整した。水相を分離し、2-MeTHF(50mL)で抽出した
。有機物を合わせ、真空中で濃縮して、表題化合物を黄褐色固体として得た(3.05g
、89.4%)
1H NMR(CDCl
3)δ 8.01-7.92(m,1 H)7.
45-7.36(m,1 H)6.81(dd,J=7.0,5.0 Hz,1 H)6
.39(s,1 H)4.31(s,2 H)3.09-2.89(m,4 H)2.2
1(s,3 H)1.94-1.86(m,2 H)1.69(s,1 H)1.47(
s,6 H)1.12(t,J=2.8 Hz,1 H);HRMS(ESI
+)[C
1
6H
23N
3O
2+H]
+に対する計算値:290.1863、実測値:290.191
7(M+H)。
【0181】
実施例2
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミドL-酒石酸塩
【0182】
【化48】
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミド(5.5g、18.4mmol)に、IPA(68mL)及び水(2ml)を添
加した。混合物を65℃に加熱し、その時点で溶解が起こる。次いで、IPA(34mL
)及び水(1.5mL)中のL-酒石酸(2.86g、19.1mmol)を溶液に添加
した。次いで、一晩溶液を周囲温度に冷却した。得られた白色固体を真空濾過によって単
離し、氷冷IPA(20mL)ですすいで、表題化合物(5.7g、70%)を得た。
【0183】
実施例3
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミドクエン酸塩
【0184】
【化49】
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミド(10.8g、33mmol)を、60℃で300rpmで撹拌しながら無水E
tOH(200mL)に溶解した。この溶液を0.65μmのナイロンフィルターで濾過
して、透明な溶液を得た。溶液を5分間撹拌すると、固体沈殿が生じた。60℃で無水E
tOH(60mL)に溶解したクエン酸(7.06g、36mmol)の溶液を調製した
。クエン酸溶液を60℃でゆっくり添加した。混合物を、60℃に維持した0.45μm
シリンジフィルターを通して濾過した。次いで加熱を停止し、徐々に周囲温度に冷却しな
がら混合物を500rpmで撹拌した。周囲温度まで完全に平衡化すると、非常に濃厚な
白色スラリー(ケーキ)が得られた。フラスコを無水EtOH(5×10mL)ですすい
で、ケーキをすすいだ。ケーキ固体を真空下でナイロン膜上で単離し、窒素下で乾燥させ
、次いで真空下で70℃で一晩乾燥させて、表題化合物を白色固体(16.8g、98%
)として得た。
【0185】
実施例4
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミドリンゴ酸塩
【0186】
【化50】
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミド(25g、88mmol)を、約400rpmで撹拌しながらIPA(100m
L)に添加した。試料を60℃に加熱した。次いで、L-リンゴ酸水溶液(14.6mL
、109mmol)を添加した。透明な黄色がかった溶液が形成され、この溶液を周囲温
度まで冷却した。油状化が観察されたので、相分離を窒素流下で蒸発乾固した。固体残渣
をアセトン及び水に懸濁し、55℃で再結晶化させた。25gの遊離塩基等価物質をアセ
トン(200mL)及び水(15mL)中で再結晶させた。ブフナー漏斗を通して真空濾
過することにより、周囲温度で反応容器から固体を単離した。得られた白色ケーキをアセ
トンですすぎ、真空下50℃で乾燥させて、表題化合物(21g、57%)を得た。
【0187】
実施例5
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミドL-酒石酸塩セスキ水和物
【0188】
【化51】
-(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル
)オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カル
ボキサミドL-酒石酸塩(60g、136.5mmol)を250mL反応容器に移し、
THF/水95:5v/vを添加して、225mLの体積にした。混合物を60℃に加熱
し、水を1mLアリコートで添加して、出発物質を完全に溶解した(合計8mLの水)。
反応器を自然冷却し、混合物を室温で週末にわたって撹拌した。得られた結晶を真空濾過
により単離し、数日間空気乾燥した。得られた固体を篩過して、表題化合物を得た(42
.3g、66%)。実施例5はまた、米国特許出願第17/944,429号において合
成され、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0189】
実施例6
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミドL-酒石酸塩セスキ水和物(実施例5)の第1相臨床試験
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミドL-酒石酸塩セスキ水和物(実施例5)は、現在、糖尿病性神経障害、糖尿病性
末梢神経障害性疼痛、及び混合性神経障害性疼痛の治療のための第2相臨床試験中である
。2つの第1相試験(J2P-MC-LXBB(LXBB)及びLXBA)からの以前の
データは、約50mg~約600mgの実施例5の用量を1日1回又は1日2回のいずれ
かで患者に投与することを含む、患者における神経障害性疼痛などのある特定の種類の疼
痛の治療及び/又は軽減における実施例5の安全な使用についての概念の証拠を提供する
。
【0190】
実施例5は、対応する規制機関によって承認された場合、ファーストインクラスSST
R4アゴニストであろう。インビトロ試験のみを使用して正確な用量を予測するための利
用可能なバイオマーカー又は薬力学的試験は存在しない。したがって、SSTR4アゴニ
ストによる疼痛の治療のための安全かつ有効な用量の確立は、インビボ試験によってのみ
決定することができると考えられる。
【0191】
合計116人の健康な対象が、第1相試験LXBB及びLXBAにおいて少なくとも1
用量の実施例5を受けた。表1は、完了した第1相薬理試験の概要を要約する。
【0192】
実施例5の単回投与薬物動態(pharmacokinetics、PK)を、20~400mgの用量
範囲で評価した。この用量範囲にわたって、実施例5のピーク血漿濃度までの時間の中央
値(tmax)は投与後2~3時間の範囲であり、平均終末相半減期(t1/2)は約1
1~13時間の範囲であった。見かけの全身クリアランス(CL/F)は、約21~24
L/hの範囲であった。腎クリアランスはおよそ10L/hであり、投与された経口用量
の約39~45%が未変化の実施例5として尿中に排泄され、実施例5の血漿濃度は一般
に用量に比例して増加し、<25%の対象間変動係数を示した。
【0193】
実施例5の複数回投与PKを、1日2回、200mg、400mg、及び600mgの
用量で評価した。tmaxまでの時間の中央値は、投与後1~3時間の範囲であった。実
施例5の累積比(RA)は約1~2の範囲であり、これは実施例5のt1/2と一致して
いた。追加的に定常状態Cmax及びAUC0-24対象間変動係数は<25%であった
。これを表2に要約する。
【0194】
実施例5の安全性及び忍容性は、最初は2つの完了した第1相試験(LXBB及びLX
BA)に基づき、後に3つの完了した第2相試験(以下に開示されるOA03、BP03
、及びNP03)で確認した。
【0195】
【表1】
略語:BID=1日2回、MAD=複数回漸増用量(multiple-ascending dose)、P
D=薬力学(pharmacodynamics)、PK=薬物動態、Q12H=12時間毎、QAM=毎
朝、QD=1日1回、QPM=毎晩、SAD=単回漸増用量(single-ascending dose)
【0196】
【表2】
略語:AUC
0-24=0~24時間の血漿濃度-時間曲線下面積;AUC
(0-τ)
=1投薬間隔にわたる血漿濃度-時間曲線下面積;BID=およそ12時間間隔;C
ma
x=観察された最大血漿濃度;CV%=変動係数%;PK=薬物動態;QD=1日1回;
R
A=AUC
(0-τ)に基づく蓄積比であり、式中、タウ=12時間;t
max=観察
された最大血漿濃度に達する時間。
aAUC
0-24=2×AUC
(0-τ)、式中、タウ=12時間。
【0197】
第1相試験LXBBは、89人の健康な対象におけるファーストインヒューマン単回漸
増用量/複数回漸増用量(SAD/MAD)試験であった(表1)。完了したSAD及び
MAD試験において、実施例5は良好な耐容性を示した。全ての有害事象(adverse even
t、AE)は、重症度が軽度又は中等度であると考えられた。死亡又は重篤な有害事象(s
erious adverse event、SAE)は報告されなかった。1人の対象は、発熱の非薬物関連
AEのために中断した。SAD試験では、1人の対象が各々、顎関節症候群及び緊張性頭
痛のAEを報告した。食物効果試験では、1人の対象がドライアイ及び吐き気を報告した
。若年者群の10日間の複数回投与曝露試験において、最も一般的に報告されたAEは、
頭痛(2人の対象)、下痢(2人の対象)、吐き気、鼻炎、及び起立性低血圧(各1人の
対象)であった。高齢者群の10日間の複数回投与曝露試験において、最も一般的に報告
されたAEは、頭痛(5人の対象)、四肢疼痛(1人の対象)、血管穿刺部位あざ(1人
の対象)、眩暈(1人の対象)、及び起立性低血圧(1人の対象)であった。
【0198】
ベースラインからの平均PR間隔増加は、単回400mg用量(SAD)を受けた対象
において13ミリ秒であり、個々の対象におけるベースラインからの最も高いPR間隔変
化は、45ミリ秒(MADにおける300mg用量後)であった。化学、血液学、又は凝
固パラメータにおいて臨床的に有意な変化はなかった。
【0199】
試験LXBAは、完了した試験であり、パートA及びパートBの2つのパートからなる
(表1)。試験のパートAは、3つの投薬コホートにおいて18人の健常対象を有し、パ
ートBは、実施例5に曝露された9人の健常対象を有した。安全性データは、実施例5が
一般に良好な耐容性を示すことを示した。AEの大部分は軽度の重症度のものであった。
AEによる死亡、SAE、又は中止は報告されていない。パートAにおいて、全ての治療
下で発現した有害事象(treatment-emergent adverse event、TEAE)は、意識消失発
作の1つの中等度事象を除いて、重症度が軽度であった。便秘及び不眠(各々2つの事象
)が、>1人の対象において報告された唯一のTEAEであった。パートBにおいて、報
告されたTEAEは、味覚異常、吐き気、及び嘔吐であり、これらは全て重症度が軽度で
あった。
【0200】
合計で、2つの第1相試験において実証された結果は、合計116人の健常対象におい
て、1日当たり20mg~1200mg及び/又は1用量当たり20mg~600mgの
投与量での実施例5の安全性プロファイルを確立した。
【0201】
実施例7
カプセル組成物
【0202】
【0203】
実施例8
(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)
オキシ)プロパン-2-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ
キサミドL-酒石酸塩セスキ水和物(実施例5)の第2相臨床試験
実施例5は、3つの無作為化プラセボ対照第2相骨試験、膝関節OA疼痛の治療のため
の試験OA03、CLBPの治療のための試験BP03、及びDPNPの治療のための試
験NP03において評価された。3つの第2相試験の概要を表3に示す。表4は、3つの
第2相試験において試験された集団を示す。
【0204】
【0205】
【0206】
これらの試験の各々について、更なる分析を実施して、CV、甲状腺、及び異常な腎機
能に関連するTEAEを同定した。CV AEは、心不整脈、低血圧、主要有害心臓血管
事象、及びうっ血性心不全に対して事前に指定された標準化MedDRAクエリー/基本
語(standardized MedDRA query/preferred term、SMQ/PT)を使用して同定された
。甲状腺関連AEは、「甲状腺機能低下症」で同定され(SMQ)、異常な腎機能に関連
するAEは、高位語(high-level term、HLT)腎不全及び腎機能障害で同定され、P
Tを選択する。
【0207】
3つのプールされた介入特異的指標(intervention-specific appendix、ISA)、O
A03、BP03、及びNP03からの安全性データを、対象の以下の安全性トピックに
ついて分析した。
【0208】
試験OA03、BP03、及びNP03からのプールされたデータは、実施例5治療患
者とプラセボ治療患者との間で、甲状腺関連TEAE又は甲状腺分析物において臨床的に
有意義な差異を示さなかった。
【0209】
したがって、3つの第2相試験において200mg~600mgの実施例5を投与され
た合計282人の患者の治療後、適切な安全性プロファイルが確立された。3つの第2相
試験の安全性を一緒に考察したが、各試験の有効性結果を本明細書で考察する。
【0210】
H0P-MC-OA03-変形性関節症疼痛の治療について実施例5を評価するための
、無作為化プラセボ対照第2相臨床試験
この試験の目的は、実施例5が膝における変形性関節症(OA)疼痛の軽減に有効であ
るかどうかを試験することであった。また、データを収集して、この試験集団における実
施例5の安全性及び忍容性を評価し、既に議論された。薬物動態学的特性及び薬力学的効
果も調査した。この概念実証試験からのデータの全体は、実施例5に関連する利益及びリ
スクを評価した。
【0211】
OA03は、膝にOAを有する参加者の実施例5とプラセボとを比較する、8週間の第
2相無作為化二重盲検プラセボ対照試験であった。
【0212】
対象となる主要な臨床上の問題は、「救急薬又は他の許容される併用薬の開始にかかわ
らず、かつ最初に無作為化された治療条件を継続したと仮定して、膝関節のOAを有する
参加者において、数値評価尺度(numeric rating scale、NRS)を用いて測定される平
均疼痛強度(average pain intensity、API)について、ベースラインからエンドポイ
ント(8週目)までの平均変化を用いて評価された、実施例5とプラセボとの間の治療差
は何か?」であった。
【0213】
対象となる主な副次的な臨床上の問題は、「救急薬又は他の許可された併用薬の開始に
かかわらず、かつ最初に無作為化された治療条件を継続したと仮定して、膝関節のOAを
有する参加者において、WOMAC(登録商標)(Western Ontario a
nd McMaster Universities Arthritis Index
)疼痛サブスケールによって測定される疼痛について、ベースラインからエンドポイント
(8週目)までの平均変化を使用して評価された、実施例5とプラセボとの間の治療差は
何か?」であった。
【0214】
参加者を、2:1の比で実施例5又はプラセボに無作為に割り当てた。忍容性に基づい
て、参加者は、最大3カプセル(各カプセルは200mgであった)を、1日2回(BI
D)、およそ12時間毎に、600mgの総用量で経口的に摂取することができた。
【0215】
プロトコルを、600mgの標的用量への滴定を含むように修正した。治験責任医師は
、来院4の終了前、すなわち試験2週目の前に変化が生じた限り、忍容性に起因して参加
者との議論後に用量を600mgから400mgに低減することができた。必要に応じて
メディカルモニターに連絡した。
【0216】
合計202人の参加者がOA03 ISAに登録され、135人の参加者が無作為に実
施例5に割り当てられ、67人がプラセボに割り当てられた。
【0217】
人口統計学的特徴、病歴、及びベースライン特徴は、治療群にわたってバランスがとれ
ており、全体の平均年齢は62.8歳であり、大多数が女性(57.4%)であり、及び
ベースライン時のNRS率平均疼痛は5.6であった。
【0218】
曝露期間(日数)は、治療期間における最後の投与日から最初の投与日を引いたものに
1を加えたものとして計算した。曝露の平均日数は、プラセボ群の50.4日と比較して
、実施例5群の40.5日であった。実施例5群の9人(6.7%)の参加者及びプラセ
ボ群の7人(10.6%)の参加者は、少なくとも60日間の曝露を有した。プロトコル
は、個々の参加者について用量の変更を可能にした。26人の参加者(13.0%)は、
「2回アップタイトレーション及び1回ダウンタイトレーション」レジメンを有し、21
人の参加者(15.7%)は、実施例5の200mg BIDを服用し、次いで400m
g BIDに増加させ、次いで600mg BIDに増加させ、次いで400mg BI
Dに減少させ、5人の参加者(7.6%)は、プラセボの1カプセルBID、次いで2カ
プセルBID、次いで3カプセルBIDを服用し、次いで2カプセルBIDに減少させた
。
【0219】
NRSの週平均によって測定されるAPIについてのベースラインからエンドポイント
(8週目)までの全体的な平均変化に対する実施例5対プラセボの有効性を評価する主要
な目的は、変形性関節症性疼痛についての予め指定された閾値を満たさなかった。
【0220】
WOMAC疼痛サブスケールによって測定された疼痛強度についてのベースラインから
エンドポイント(8週目)までの全体的な平均変化に対する実施例5対プラセボの有効性
を評価するための主な副次的目的は、予め指定された閾値を満たさなかった。
【0221】
同様に、実施例5がプラセボよりも優れているという統計的証拠は、この試験において
、他の副次的評価項目について観察されなかった。
【0222】
全体として、実施例5をプラセボと比較すると、変形性関節症性疼痛の治療に関するこ
の試験において、実施例5が、主要評価項目、主な副次的評価項目、又は副次的評価項目
についてプラセボよりも優れているという統計的証拠はなかった(表5に示すように)。
【0223】
【0224】
H0P-MC-BP03-慢性腰痛(CLBP)の治療について実施例5を評価するた
めの、無作為化プラセボ対照第2相臨床試験
この試験の目的は、実施例5が慢性腰痛(CLBP)の緩和に有効であるかどうかを試
験することであった。データを収集して、この試験集団における実施例5の安全性及び忍
容性を評価し、これについて既に議論された。薬物動態学的(PK)特性及び薬力学的(
PD)効果も調査した。この概念実証試験からのデータの全体は、実施例5に関連する利
益及びリスクを評価する。
【0225】
BP03は、CLBPを有する参加者の実施例5とプラセボとを比較する、8週間の第
2相無作為化二重盲検プラセボ対照試験であった。参加者は、実施例5又はプラセボのい
ずれかを受けた。忍容性に基づいて、参加者は、最大3カプセル(各カプセルは200m
gである)を、1日2回(BID)、およそ12時間毎に、600mgの総用量で経口的
に摂取した。
【0226】
対象となる主要な臨床上の問題は、「救急薬又は他の許容される併用薬の開始にかかわ
らず、かつ最初に無作為化された治療条件を継続したと仮定して、CLBPを有する参加
者において、数値評価尺度(NRS)によって測定される平均疼痛強度(API)につい
て、ベースラインからエンドポイント(8週目)までの平均変化を用いて評価された、実
施例5とプラセボとの間の治療差は何か?」であった。
【0227】
合計153人の参加者がBP03 ISAに登録され、102人の参加者が無作為に実
施例5に割り当てられ、51人の参加者が無作為にプラセボに割り当てられた。
【0228】
人口統計学的特徴、病歴、及びベースライン特徴は、治療群にわたってバランスがとれ
ており、全体の平均年齢は52.5歳であり、大多数が女性(56.9%)であり、及び
ベースライン時のNRS率平均疼痛は5.7であった。
【0229】
曝露期間(日数)は、治療期間における最後の投与日から最初の投与日を引いたものに
1を加えたものとして計算した。曝露の平均日数は、プラセボ群の50.8日と比較して
、実施例5群の47.5日であった。実施例5群の17人(16.7%)の参加者及びプ
ラセボ群の7人(14.0%)の参加者は、少なくとも60日間の曝露を有した。
【0230】
プロトコルは、個々の参加者について用量の変更を可能にした。ほとんどの参加者(n
=106、69.7%)は、「2回アップタイトレーション」レジメンを有し、61人の
参加者(59.8%)は、実施例5の200mg BIDを服用し、次いで400mg
BIDに増加させ、次いで600mg BIDに増加させ、45人の参加者(90.0%
)は、プラセボの1カプセルBID、次いで2カプセルBID、次いで3カプセルBID
を服用していた。
【0231】
35人の参加者(23.0%)は、「2回アップタイトレーション及び1回ダウンタイ
トレーション」レジメンを有し、32人の参加者(31.4%)は、実施例5の200m
g BIDを服用し、次いで400mg BIDに増加させ、次いで600mg BID
に増加させ、次いで400mg BIDに減少させ、3人の参加者(6.0%)は、プラ
セボの1カプセルBID、次いで2カプセルBID、次いで3カプセルBIDを服用し、
次いでプラセボの2カプセルBIDに減少させた。
【0232】
NRSの週平均によって測定されるAPIについてのベースラインからエンドポイント
(8週目)までの全体的な平均変化に対する実施例5対プラセボの有効性を評価する主要
な目的は、予め指定された閾値を満たさなかった。同様に、実施例5がプラセボよりも優
れているという統計的証拠は、この試験において、副次的評価項目について観察されなか
った(表6に示すように)。
【0233】
全体として、実施例5をプラセボと比較すると、慢性腰痛の治療に関するこの試験にお
いて、実施例5が、主要評価項目又は副次的評価項目についてプラセボよりも優れている
という統計的証拠はなかった(表6に示すように)。
【0234】
【0235】
H0P-MC-NP03-糖尿病性末梢神経障害性疼痛の治療について実施例を評価す
るための、無作為化プラセボ対照第2相臨床試験
この試験の目的は、実施例5が糖尿病性末梢神経障害性疼痛(diabetic peripheral ne
uropathic pain、DPNP)の軽減に有効であるかどうかを試験することであった。デー
タを収集して、この試験集団における実施例5の安全性及び忍容性を評価し、既に上で論
じた。薬物動態学的特性及び薬力学的効果も調査した。この概念実証試験からのデータの
全体は、実施例5に関連する利益及びリスクを評価する。
【0236】
NP03は、DPNPを有する参加者の実施例5とプラセボとを比較した、8週間の第
2相無作為化二重盲検プラセボ対照試験であった。
【0237】
参加者は、実施例5又はプラセボのいずれかを受けた。忍容性に基づいて、参加者は、
最大3カプセル(各カプセルは200mgであった)を、1日2回、およそ12時間毎に
、600mgの総用量で経口的に受けた。
【0238】
対象となる主要な臨床上の問題は、「救急薬又は他の許容される併用薬の開始にかかわ
らず、かつ最初に無作為化された治療条件を継続したと仮定して、糖尿病性末梢神経障害
性疼痛(DPNP)を有する参加者において、数値評価尺度(NRS)によって測定され
る平均疼痛強度(API)について、ベースラインからエンドポイント(8週目)までの
平均変化を用いて評価された、実施例5とプラセボとの間の治療差は何か?」であった。
【0239】
参加者を実施例5又はプラセボに2:1で無作為に割り当てた。忍容性に基づいて、参
加者は、最大3カプセル(各カプセルは200mgであった)を、1日2回(BID)、
およそ12時間毎に、600mg BIDの総用量で、経口的に摂取することができた。
【0240】
プロトコルは、個々の参加者について用量の変更を可能にしたが、最大1日用量は60
0mg BIDを超えるべきではない。開始用量レベルは200mg BIDであった。
用量レベルを変更する決定は、忍容性について報告された有害事象(AE)に基づいて、
参加者との議論において治験責任医師によってなされた。必要に応じてメディカルモニタ
ーに連絡した。用量レベルの全ての変更は、来院4(試験2週目)の終了前に行わなけれ
ばならなかった。
【0241】
試験は、以下の主な基準を満たす男性又は女性を登録した:来院1及び2において40
以上及び95未満のビジュアルアナログスケール(VAS)疼痛値を有した、参加者報告
又は病歴に基づいて少なくとも12週間の毎日の疼痛の病歴を有した、疼痛破局的思考尺
度の30以下の値を有した、40kg/m2未満(境界値を含む)のボディマス指数を有
した、少なくとも6ヶ月間存在し、かつMichigan Neuropathy Sc
reening Instrument Part B 3以上の使用を通して診断され
る、末梢神経障害に続発する毎日の対称性足疼痛を有した、1型又は2型真性糖尿病の病
歴及び現在の診断を有した、スクリーニング時に11以下の糖化ヘモグロビンレベルによ
って示される安定した血糖コントロールを有した。
【0242】
参加者は、実施例5又はプラセボのいずれかを受けた。忍容性に基づいて、参加者は、
最大3カプセル(各カプセルは200mgである)を、BID、およそ12時間毎に、6
00mgの総用量を経口的に摂取することができた。
【0243】
試験は、8週間のDB治療期間を含んでいた。
【0244】
合計68人の参加者がNP03介入特異的指標(ISA)に登録され、45人の参加者
が無作為に実施例5に割り当てられ、23人の参加者が無作為にプラセボに割り当てられ
た。人口統計的特徴、病歴、及びベースライン特徴は、治療群にわたってバランスがとれ
ており、プラセボ群の58.3歳と比較して実施例5群の全体平均年齢は60.2歳であ
り、大多数が女性(55.9%)であり、ベースライン時のプラセボ群の6.45と比較
して実施例5群の平均NRS率平均疼痛は6.44であった。
【0245】
曝露期間(日数)は、治療期間における最後の来院日から最初の投与日を引いたもの+
1として計算した。曝露の平均日数は、プラセボ群の45.7(最小=7、最大=63)
と比較して、実施例5群の38.7(最小=4、最大=64)であった。実施例5群の2
人(4.4%)の参加者及びプラセボ群の3人(13.0%)の参加者は、≧60日間の
曝露を有した。ほとんどの参加者(50人、73.5%)は、「2回アップタイトレーシ
ョン」レジメンを有した。11人の参加者(16.2%)参加者は、「2回アップタイト
レーション及び1回ダウンタイトレーション」レジメンを有した。
【0246】
この試験の主要な目的は、週平均NRS(表7に示す)によって測定されるAPIにつ
いてのベースラインからエンドポイント(8週目)までの全体的な平均変化に対する実施
例5の有効性を評価することであった。実施例5群は、8週目にプラセボと比較してAP
Iのベースラインからの変化においてより大きな改善を有し、事後確率は事前に指定され
た閾値を満たした。同様の知見が、NRSによって測定されたAPIの隔週平均について
観察された。
【0247】
副次的目的は、疼痛重症度及び疼痛干渉(Brief Pain Inventory
-Short Form Modified[BPI-SFM])、全体的な改善(Pa
tient Global Impression of Change[PGIC])
、最悪疼痛強度(NRS)、疼痛強度(VAS)、睡眠の質(Medical Outc
omes Study Sleep Scale)、並びに情動機能(European
Quality of Life 5 Dimension 5 Level)を評価
した。ほとんどの副次的評価項目について、プラセボと比較して、実施例5群においてよ
り大きな数値的改善が観察された。事後確率は予め指定された閾値を満たし、実施例5が
以下の評価項目についてプラセボよりも優れていることを示した:
BPI-SFMの個々の重症度スコアについてのベースラインからエンドポイントまで
の平均変化:
「最後の24時間で最悪」及び「平均」
BPI-SFMの個々の推論スコアについてのベースラインからエンドポイントまでの
平均変化:
「気分」及び「歩行能力」
BPI-SFMの平均干渉において少なくとも50%のベースラインから減少した参加
者の割合
BPI-SFMの個々の干渉スコアがベースラインから少なくとも30%減少した参加
者の割合:
「通常の作業で」
PGICにおけるベースラインからの全体的な改善
最悪の疼痛強度におけるベースラインからの平均変化-NRSの週平均。
【0248】
最悪の疼痛強度におけるベースラインからの平均変化-NRSの隔週平均
最悪の痛みにおける少なくとも50%の最初の痛みが減少するまでの時間
VASにおけるベースラインからの平均変化、及び
VASスコアが少なくとも30%減少した割合(4週目のみ)。
【0249】
NP03は、DPNPの治療について実施例5を評価するための、8週間の多施設無作
為化DBプラセボ対照第2相概念実証試験であった。参加者を実施例5又はプラセボに2
:1で無作為に割り当てた。合計68人の参加者がNP03 ISAに登録され、45人
の参加者が無作為に実施例5に割り当てられ、23人の参加者がプラセボに割り当てられ
た。安全性集団は、少なくとも1用量の試験介入を受けた68人の参加者からなり、登録
集団における全ての参加者を含んだ。滴定スキームを使用して、実施例5を、最大3カプ
セル(カプセル当たり200mg)として、およそ12時間毎に600mgの総用量で、
食物とともに又は食物なしで経口投与した。参加者の50%がBD治療段階を完了した。
【0250】
この試験の主要な目的は、週平均NRSによって測定されるAPIについてのベースラ
インからエンドポイント(8週目)までの全体的な平均変化に対する実施例5の有効性を
評価することであった。実施例5群は、8週目にプラセボと比較してAPIのベースライ
ンからの変化においてより大きな改善を有し、事後確率は事前に指定された閾値を満たし
た。これは、実施例5が、8週目における標準治療と同様の効果と比較して、プラセボよ
りも優れているという高い信頼性を実証する。同様の知見が、NRSの隔週平均について
観察された。
【0251】
表7は、プラセボと比較したDPNPの治療における実施例5の有効性を実証するため
の概念実証データを示す。
【0252】
図1は、プラセボと比較したDPNPの治療における400mg BID及び600m
g BIDでの実施例5の有効性を実証するための概念実証データを示す。
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
PS法によるベイズ反復測定分析を使用した投薬レジメンによる週平均NRSによって
測定された、APIについてのベースラインからエンドポイントまで(8週目)の全体的
な平均変化に対する実施例5の有効性を、表8及び9並びに
図1に示す。8週目に、60
0mg投薬レジメンと比較して、400mg投薬レジメンにおいて、NRSによって測定
されるAPIのより大きな減少があった。
【0257】
驚くべきことに、臨床効果は、同様の用量が試験されたにもかかわらず、糖尿病性末梢
神経障害において実証されたが、慢性腰痛及び変形性膝関節症においては実証されなかっ
た。更に、この効力の結果は、重篤な副作用のない非オピオイド疼痛治療を見出すことの
長年の必要性に対する解決策であると考えられる。
【0258】
実施例9
DPNPにおける第II相(b)用量レジメン試験(試験J2P-MC-LXBD)の
ためのプロトコル
本明細書において、本発明の投薬レジメンのある特定の用量でのDPNPにおける用量
レジメン試験のためのプロトコルも提供される。当業者は、この実施例8の教示及び本明
細書で提供される他の開示を適用し得、本発明の追加の用量及び投薬レジメンで同様の試
験を実施し得るであろう。
【0259】
この試験の目的は、実施例5が追加の用量で糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)
を軽減するのに有効であるかどうかを試験することである。
【0260】
LXBDは、DPNPを有する参加者の実施例5対プラセボを比較する、12週間の第
2相無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。
【0261】
参加者は、実施例5又はプラセボのいずれかを受ける。患者は、プラセボ:治療群1:
治療群2:治療群3について2:1:1:1の比で4つの無作為化群に分けられる。各無
作為化群は、全ての群において完全な滴定を達成するために4週間与えられる。
【0262】
忍容性に基づいて、治療群1の参加者は、最大3カプセル(各カプセルは50mgの実
施例5又はプラセボを含む)を、1日2回、およそ12時間毎に、50mgの総用量で経
口的に受ける。
【0263】
忍容性に基づいて、治療群1の参加者は、最大3カプセル(各カプセルは50mgの実
施例5又はプラセボを含む)を、1日2回、およそ12時間毎に、50mgの総用量で経
口的に受ける。治療群1について現在計画されている滴定スケジュールはなく、したがっ
て、参加者は、50mgの実施例5を12週間受ける。
【0264】
忍容性に基づいて、治療群2の参加者は、最大3カプセル(各カプセルは、50mgの
実施例5、200mgの実施例5、又はプラセボを含む)を、1日2回、およそ12時間
毎に、200mgの実施例5の総用量で経口的に受ける。治療群2について現在計画され
ている滴定スケジュールは、参加者についてのより高い用量の実施例5の忍容性を条件と
して、50mg BIDで1週目、100mg BIDで2週目、及び200mg BI
Dで3~12週目を含む。
【0265】
忍容性に基づいて、治療群3の参加者は、最大3カプセル(各カプセルは、50mgの
実施例5、200mgの実施例5、又はプラセボを含む)を、1日2回、およそ12時間
毎に、400mgの実施例5の総用量で経口的に受ける。治療群2について現在計画され
ている滴定スケジュールは、参加者についてのより高い用量の実施例5の忍容性を条件と
して、50mg BIDで1週目、100mg BIDで2週目、200mg BIDで
3週目、300mg BIDで4週目、及び400mg BIDで5~12週目を含む。
【0266】
参加者は、試験における患者の脱落を最小限にするために、意図される用量の忍容性に
基づいて、治療群3から治療群へ、治療群2から治療群1へ、又は治療群3から治療群1
へ移動することが許され得る。LXBDは、用量群の各々及び滴定工程の各々についての
安全性情報(TEAEの頻度、重症度、持続時間、DCAE)を提供する。
【0267】
合計で、主要有効性評価項目を満たすために、3つの治療用量:50mg、200mg
、及び400mg BID(1日2回)が評価される。
本開示は、以下の態様を含む。
(A) 式:
の化合物、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその水和物であって、
前記化合物が、本願明細書に記載の方法によって調製される、化合物、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその水和物。
(B) 前記化合物が、式:
の化合物、又はそれらの組み合わせである、(A)に記載の化合物。
(C) 本願明細書に記載の方法によって調製される化合物であって、前記化合物が、式:
の化合物、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその水和物である、化合物。(D) 前記化合物が、
又はそれらの組み合わせから選択される、(C)に記載の化合物。
(D1) (A)に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその水和物を含む、医薬組成物であって、前記化合物が、錠剤組成物、カプセル組成物、又は水溶液で前記患者に投与される、医薬組成物。
(D2) 前記カプセル組成物が、微結晶性セルロース、二酸化ケイ素、又はそれらの組み合わせを含む、(D1)に記載の医薬組成物。
(E1) 式:
の化合物又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
式:
(式中、Rが、C
1
~C
6
アルキルである)の化合物を、
式:
(式中、Xが、ハロゲンであり、Aが、アニオンである)のスルホニウム塩と混合して、式:
の中間化合物を得ることと、
前記中間化合物を
と混合して、
を得ることと、
からトシル官能基を除去して、前記化合物を得ることと、を含む、方法。
(E2) 前記方法が、
式:
の化合物を、式:
のスルホニウム塩と混合して、前記中間化合物を得ることを含む(E1)に記載の方法。
(E3) 前記方法が、8未満の合成工程を含む、(E1)又は(E2)に記載の方法。
(E4) 前記方法が、金属触媒を含まない、(E1)に記載の方法。
(E5) 前記方法が、水素化物塩を利用しない、(E1)に記載の方法。
(E6) 前記方法が、
(a)
と混合して、
を得ることと、
(b)
をトリフルオロ酢酸と混合して、
を得ることと、
(c)
と混合して、
前記中間化合物を得ることと、を含む、(E1)に記載の方法。
(E7) 前記方法が、
(d)前記中間化合物を
と混合して、
を得ることと、
(e)
をカリウムジフェニルホスフィンと混合して、前記化合物、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその水和物を得ることと、を更に含む、(E7)に記載の方法。
(E8) 前記方法が、
(a)メチル(E)4-ブロモブタ-2-エノエートをtert-ブチルトシルカルバメートと混合して、メチル(E)-4-((N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを得ることと、
(b)メチル(E)-4-((N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートをトリフルオロ酢酸と混合して、メチル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを得ることと、
(c)メチル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを2-ブロモエチル)ジフェニルスルホニウムトリフレートと混合して、前記中間化合物を得ることと、
(d)前記中間化合物を2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-アミンと混合して、(1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-トシル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドを得ることと、
(e)((1R,5S,6r)-N-(2-メチル-1-((3-メチルピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-イル)-3-トシル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミドをカリウムジフェニルホスフィンと混合して、前記化合物、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその水和物を得ることと、を含む、(E1)に記載の方法。
(E9) 前記化合物が、
又はそれらの組み合わせから選択される、(E1)に記載の方法。
(E10) 前記方法が、
(f)前記化合物を、L-酒石酸、クエン酸、L-リンゴ酸、又はそれらの組み合わせと混合することを更に含む、(E1)に記載の方法。
(E11) 式:
の中間化合物又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
式:
(式中、Rが、C
1
~C
6
アルキルである)の化合物を、
式:
(式中、Xが、ハロゲンであり、Aが、アニオンである)のスルホニウム塩と混合して、前記中間化合物を得ることを含む、方法。
(E12) 前記方法が、
式:
の化合物を、式:
のスルホニウム塩と混合して、前記中間化合物又はその薬学的に許容される塩を得ることを含む、(E11)に記載の方法。
(E13) 前記方法が、8未満の合成工程を含む、(E11)又は(E12)に記載の方法。
(E14) 前記方法が、金属触媒を含まない、(E11)に記載の方法。
(E15) 前記方法が、水素化物塩を利用しない、(E11)に記載の方法。
(E16) 前記方法:
(a)
と混合して、
を得ることと、
(b)
をトリフルオロ酢酸と混合して、
を得ることと、
(c)
と混合して、
前記中間化合物又はその薬学的に許容される塩を得ることと、(E11)に記載の方法。
(E17) 前記方法が、
(a)メチル(E)4-ブロモブタ-2-エノエートをtert-ブチルトシルカルバメートと混合して、メチル(E)-4-((N-(ter(t-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを得ることと、
(b)メチル(E)-4-((N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートをトリフルオロ酢酸と混合して、メチル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを得ることと、
(c)メチル(E)-4-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)ブタ-2-エノエートを2-ブロモエチル)ジフェニルスルホニウムトリフレートと混合して、前記中間化合物又はその薬学的に許容される塩を得ることと、を含む、(E11)に記載の方法。