(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170621
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241203BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20241203BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241203BHJP
G06Q 30/0226 20230101ALI20241203BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20241203BHJP
【FI】
G07G1/12 321L
G07G1/01 301D
G07G1/00 301D
G06Q30/0226
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024157226
(22)【出願日】2024-09-11
(62)【分割の表示】P 2020028627の分割
【原出願日】2020-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雅志
(57)【要約】
【課題】特定商品の販売促進や在庫圧縮を、より効果的に行うことができる商品販売データ処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】POS端末10(商品販売データ処理装置)の商品登録処理部(購入金額算出部)が、客が購入する商品の合計金額を算出して、ポイント更新部(ポイント加算部)が、購入された商品の中に特定商品が含まれることを条件として、当該特定商品に対して、購入する商品の合計金額に応じた特別ポイントを加算する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
客が購入する商品の合計金額を算出する購入金額算出部と、
購入された前記商品の中に特定商品が含まれることを条件として、当該特定商品に対して、前記合計金額に応じた特別ポイントを加算するポイント加算部と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記ポイント加算部は、
前記合計金額に応じた通常ポイントに加えて、前記特別ポイントを加算する、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記ポイント加算部は、
前記合計金額に応じて、多くの特別ポイントを加算する、
請求項1又は請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記ポイント加算部は、
客が購入した前記特定商品の各々に対して、前記特別ポイントを加算する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
客が購入した商品を収容するショッピングカートに備えられて、
商品に付与された、当該商品を特定する情報を含むコードシンボルを読み取る読取部と、
前記読取部が、前記特定商品に付与されたコードシンボルを読み取ったことを条件として、購入する商品の合計金額に応じて、前記特定商品に前記特別ポイントが加算される旨の情報提供を行う情報提供部と、
を備える請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
客が購入する商品の合計金額を算出する購入金額算出部と、
購入された前記商品の中に特定商品が含まれることを条件として、当該特定商品に対して、前記合計金額に応じた特別ポイントを加算するポイント加算部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、商品販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、量販店等において、特定商品を購入した際にポイントを特別加算することによって、顧客の囲い込みを行うことが知られている。また、特定商品にポイントを特別加算することによって、販売促進や在庫圧縮を図る例が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、特定商品を購入した際に、特定商品に単に特別ポイントを付与するだけでは、他社との差別化を図るのが困難であるため、より一層効果的な販売促進方法が望まれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、特定商品の販売促進や在庫圧縮を、より効果的に行うことができる商品販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態の商品販売データ処理装置は、購入金額算出部と、ポイント加算部とを備える。購入金額算出部は、客が購入する商品の合計金額を算出する。ポイント加算部は、購入された商品の中に特定商品が含まれることを条件として、当該特定商品に対して、合計金額に応じた特別ポイントを加算する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態のPOS端末の運用状態の一例を示すシステムブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態のPOS端末の概略構成を示す図である。
【
図3】
図3は、POS端末のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
【
図4】
図4は、POS端末の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、通常ポイントおよび特別ポイントを算出する方法について説明する図である。
【
図6】
図6は、POS端末が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第2の実施の形態のショッピングカートの運用状態の一例を示すシステムブロック図である。
【
図8】
図8は、第2の実施の形態に係るショッピングカートの一例を示す外観図である。
【
図9】
図9は、カート端末のハードウェア構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図10】
図10は、カート端末の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図11】
図11は、カート端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、カート端末が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施の形態)
まず、
図1を用いて本発明の第1の実施の形態であるPOS端末10について説明する。
図1は、第1の実施の形態のPOS端末の運用状態の一例を示すシステムブロック図である。
【0008】
店舗には、
図1に示すように、複数のPOS端末10と、店舗サーバ80と、ポイント管理サーバ90とを備えるチェックアウトシステム5が設置されている。各POS端末10は、LAN(Local Area Network)82等の通信ネットワークを介して、店舗サーバ80と互いに接続される。また、店舗サーバ80とポイント管理サーバ90とは、インターネット84を介して接続されている。
【0009】
POS端末10は、客が購入した商品の登録処理および決済処理を行う。また、POS端末10は、店舗の会員に対して、購入金額に応じたポイントを付与する。
【0010】
店舗サーバ80は、店舗に設置された複数のPOS端末10の動作を管理する。また、店舗サーバ80は、各POS端末10から決済情報を取得する。さらに、店舗サーバ80は、各POS端末10に対して、販売対象となる商品の商品情報を、商品コードと関連付けて格納した、後述する商品マスタファイルM1を随時配信する。
【0011】
ポイント管理サーバ90は、一般に店舗の外部に設置されて、会員に付与されたポイント情報等を管理する。
【0012】
(POS端末の全体構成の説明)
次に、
図2を用いて、POS端末10の全体構成について説明する。
図2は、第1の実施の形態のPOS端末の概略構成を示す図である。POS端末10は、キーボード11と、キャッシャ側表示器12と、客側表示器14と、カードリーダ15と、バーコードリーダ16と、レシートプリンタ17と、を備えている。なお、POS端末10は、本発明における商品販売データ処理装置の一例である。
【0013】
キーボード11は、置数キー、クリアキー、戻りキー、小計キー、締めキー等の複数のキーを備えている。置数キーは、商品コードや金額等の数値を入力するためのテンキーである。クリアキーは、エラー発生時等に操作を取り消すためのキーである。戻りキーは、現在の操作をキャンセルして直前の画面に戻すためのキーである。小計キーは、商品を登録する商品登録処理を完了して、取引合計額の算出を宣言するためのキーである。締めキーは、入力された内容を確定して決済処理(会計処理)を行う場合に押下するキーである。
【0014】
キャッシャ側表示器12は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示デバイスと、当該表示デバイスの表面に積層されたタッチパネル13を有する。キャッシャ側表示器12は、キャッシャに対して、登録処理および決済処理等の処理状態に応じた画面を表示する。タッチパネル13は、キャッシャ側表示器12に表示された画面又はボタン等に対するキャッシャの押下操作を検出して、押下された位置に応じて、POS端末10の動作を制御する。
【0015】
客側表示器14は、例えばLCDパネル等の表示デバイスで構成されており、表示面を客に向けて配置されて、登録した商品の金額、値引額、取引合計額、値引合計額等を表示する。
【0016】
カードリーダ15は、客が所持する店舗の会員カードに登録された、会員番号等の顧客情報を読み取る。なお、カードリーダ15は、会員カードに情報を書き込む機能を更に備えて、会員の最新のポイント数を書き込むものであってもよい。
【0017】
さらに、POS端末10には、商品に付与されたバーコードから、当該バーコードが保持するコードデータを読み取るバーコードリーダ16を備える。バーコードリーダ16は、商品に付与されたコードデータの受光信号をデコード(復号)して、バーコードが表現しているコードデータ(商品を特定する商品コード)を取得し、POS端末10のCPU21(
図3参照)に出力する。
【0018】
レシートプリンタ17は、顧客に手渡す明細票およびレシート(領収証)を印字して発行する。
【0019】
(POS端末のハードウェア構成の説明)
次に、
図3を用いて、POS端末10のハードウェア構成について説明する。
図3は、POS端末のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
図3に示すように、POS端末10は、制御部20と、記憶部24と、コントローラ25と、通信制御部26とを備える。
【0020】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM22と、RAM23とを備えた一般的なコンピュータの構成を有する。CPU21は、ROM22や後述する記憶部24に記憶された各種プログラムやデータファイル等を読み出して、RAM23に展開する。CPU21は、RAM23に展開された各種プログラムやデータファイル等に従って動作して、POS端末10の全体の制御を司る。
【0021】
制御部20は、内部バス27を介して、記憶部24と、コントローラ25と、通信制御部26と、それぞれ接続される。
【0022】
記憶部24は、電源を切っても記憶情報を保持する。記憶部24は、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。また、HDDの代わりに、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えてもよい。記憶部42は、制御プログラムP1を含むプログラム等を記憶する。制御プログラムP1は、POS端末10が備える機能を発揮させるためのプログラムである。
【0023】
なお、制御プログラムP1は、ROM22に予め組み込まれて提供されてもよい。また、制御プログラムP1は、制御部20にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、制御プログラムP1を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、制御プログラムP1を、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0024】
記憶部24は、更に、商品マスタファイルM1を記憶する。商品マスタファイルM1は、商品コードに対応させて、商品の名称、単価等の商品情報を格納したマスタファイルである。なお、商品マスタファイルM1は、POS端末10と店舗サーバ80とが通信を行うことによって、逐次更新される。
【0025】
また、記憶部24は、客が購入した商品に係る商品情報を登録した売上ファイル等を記憶するが、本実施の形態の特徴的な構成要素ではないため、図示および詳細な説明は省略する。
【0026】
コントローラ25は、制御部20と、入出力機器である、キーボード11、キャッシャ側表示器12、タッチパネル13、客側表示器14、カードリーダ15、バーコードリーダ16、レシートプリンタ17とを接続する。各入出力機器の機能は前記した通りである。
【0027】
通信制御部26は、店舗サーバ80との間の通信を制御することによって、各種情報の入出力を行う。
【0028】
(POS端末の機能構成の説明)
次に、
図4を用いて、POS端末10の機能構成を説明する。
図4は、POS端末の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0029】
POS端末10の制御部20(
図3参照)は、制御プログラムP1をRAM23に展開して動作させることによって、
図4に示す顧客特定部30と、ポイント取得部31と、コードシンボル読取部32と、商品登録処理部33と、ポイント算出部34と、ポイント更新部37と、決済処理部38とを機能部として実現する。
【0030】
顧客特定部30は、会計処理を行う客の、少なくとも会員番号(識別番号)を特定する。顧客特定部30は、具体的には、客が所持する会員カードに登録された、会員番号等の顧客情報を読み取ることによって、客の会員番号を特定する。
【0031】
ポイント取得部31は、顧客特定部30が特定した客の現在のポイント数をポイント管理サーバ90から取得する。
【0032】
コードシンボル読取部32は、商品に付与された、当該商品を特定する情報を含むコードシンボルを読み取る。コードシンボルは、例えばバーコードや2次元コード等である。なお、コードシンボル読取部32は、本発明における読取部の一例である。
【0033】
商品登録処理部33は、客が購入する商品を登録して、商品の合計金額を算出する。なお、商品登録処理部33は、本発明における購入金額算出部の一例である。
【0034】
ポイント算出部34は、客が購入する商品に係るポイント数を算出する。ポイント算出部34は、通常ポイント算出部35と特別ポイント算出部36とを備える。
【0035】
通常ポイント算出部35は、購入された商品の合計金額(お買い上げ金額)に基づいて、単位購入金額(例えば200円)に対して付与する通常ポイントを算出する。
【0036】
特別ポイント算出部36は、購入された商品の中に特定商品が含まれることを条件として、商品の合計購入金額に基づいて、付与する特別ポイントを算出する。
【0037】
ポイント更新部37は、ポイント取得部31が取得した現在のポイント数に、通常ポイント算出部35が算出した通常ポイント、および特別ポイント算出部36が算出した特別ポイントを加算する。また、ポイント更新部37は、商品の合計購入金額に応じて、多くの特別ポイントを加算する。なお、ポイント更新部37は、本発明におけるポイント加算部の一例である。
【0038】
決済処理部38は、商品登録処理部33が登録した結果に基づいて、購入代金を支払う決済処理を行う。
【0039】
(付与するポイント数を算出する方法の説明)
次に、
図5を用いて、会員に付与されるポイントの算出方法を説明する。
図5は、通常ポイントおよび特別ポイントを算出する方法について説明する図である。
【0040】
図5に示すテーブルTaは、通常ポイントおよび特別ポイントの付与規則を示すテーブルである。まず、購入商品を問わずに、買い上げ金額200円毎に1ポイントの通常ポイントが付与される。
【0041】
また、特定商品(例えば商品A)を購入した場合、客の買い上げ金額に応じた特別ポイント数が付与される。
【0042】
より具体的には、買い上げ金額が1000円以上2000円以下である場合、購入した商品Aの1点につき、2ポイントの特別ポイントが付与される。また、買い上げ金額が2001円以上3000円以下である場合、購入した商品Aの1点につき、3ポイントの特別ポイントが付与される。そして、買い上げ金額が3001円以上である場合、購入した商品Aの1点につき、5ポイントの特別ポイントが付与される。このように、商品の合計金額に応じて、付与される特別ポイントのポイント数が多くなる。
【0043】
なお、テーブルTaの例では、特別ポイントが付与されるのは商品Aのみであるが、一般には、予め設定した複数の商品に対して、特別ポイントが付与される。
【0044】
図5に示すテーブルTbは、通常ポイントおよび特別ポイントの算出例を示すテーブルである。例えば、ある客の買い上げ金額が2400円であったとする。そして、当該客は、商品Aを2個購入したとする。この場合、通常ポイントは、2400/200=12ポイント付与される。また、客は商品Aを2個購入したため、テーブルTaを参照すると、特別ポイントは、3ポイント×2個=6ポイント付与される。したがって、客には、合計18ポイントが付与されることになり、通常ポイントのみが付与される場合と比較して、6ポイント多く付与されることになる。
【0045】
(POS端末が行う処理の流れの説明)
次に、
図6を用いて、POS端末10が行う処理の流れを説明する。
図6は、POS端末が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0046】
顧客特定部30は、カードリーダ15が読み取った、客の会員カードに登録された会員番号を取得する(ステップS10)。
【0047】
ポイント取得部31は、ポイント管理サーバ90から、客の現在のポイント数を取得する(ステップS11)。
【0048】
コードシンボル読取部32は、商品に付されたコードシンボルを読み取る(ステップS12)。
【0049】
商品登録処理部33は、コードシンボル読取部32が読み取ったコードシンボルに登録された商品コードを商品マスタファイルM1と照合することによって、客が購入する商品を登録する(ステップS13)。
【0050】
商品登録処理部33は、登録した商品が特別ポイントに係る商品、即ち特定商品であるかを判定する(ステップS14)。登録した商品が特定商品であると判定される(ステップS14:Yes)とステップS15に進む。一方、登録した商品が特定商品であると判定されない(ステップS14:No)とステップS16に進む。
【0051】
ステップS14においてYesと判定されると、特別ポイント算出部36は、特定商品の個数を、特定商品の種類毎に累積する(ステップS15)。
【0052】
ステップS15に続いて、又はステップS14においてNoと判定されると、通常ポイント算出部35は、購入金額を累積する(ステップS16)。
【0053】
商品登録処理部33は、商品登録が完了したかを判定する(ステップS17)。商品登録が完了したと判定される(ステップS17:Yes)とステップS18に進む。一方、商品登録が完了したと判定されない(ステップS17:No)とステップS12に戻る。なお、商品登録が完了したかは、例えば、キーボード11の小計キーが押下されたことによって判定すればよい。
【0054】
ステップS17においてYesと判定されると、通常ポイント算出部35は、通常ポイントを算出する(ステップS18)。通常ポイント算出部35は、具体的には、ステップS16で累積した購入金額に応じた通常ポイント数を算出する。
【0055】
次に、特別ポイント算出部36は、特別ポイントを算出する(ステップS19)。特別ポイント算出部36は、具体的には、ステップS16で累積した購入金額と、ステップS15で累積した特定商品の購入数とに応じた特別ポイント数を算出する。
【0056】
ポイント更新部37は、客が有していたポイントに、ステップS18で算出した通常ポイントと、ステップS19で算出した特別ポイントとを加算して、ポイント数を更新する(ステップS20)。なお、更新されたポイント数は、ポイント管理サーバ90に記憶される。
【0057】
決済処理部38は、決済処理を行う(ステップS21)。そして、POS端末10は、
図6の処理を終了する。
【0058】
以上説明したように、第1の実施の形態のPOS端末10(商品販売データ処理装置)は、商品登録処理部33(購入金額算出部)が、客が購入する商品の合計金額を算出して、ポイント更新部37(ポイント加算部)が、購入された商品の中に特定商品が含まれることを条件として、当該特定商品に対して、合計金額に応じた特別ポイントを加算する。したがって、客の購入意欲を刺激することによって、特定商品の販売促進や在庫圧縮を、より効果的に行うことができる。
【0059】
また、第1の実施の形態のPOS端末10(商品販売データ処理装置)は、ポイント更新部37(ポイント加算部)が、合計金額に応じた通常ポイントに加えて、特別ポイントを加算する。したがって、客は、通常得られるよりも多くのポイントを得ることができる。これによって、特定商品の販売促進や在庫圧縮を、より効果的に行うことができる。
【0060】
また、第1の実施の形態のPOS端末10(商品販売データ処理装置)は、ポイント更新部37(ポイント加算部)が、商品の合計金額に応じて、多くの特別ポイントを加算する。したがって、客に対して、特定商品以外の商品の購入意欲を促すことができる。
【0061】
また、第1の実施の形態のPOS端末10(商品販売データ処理装置)は、ポイント更新部37(ポイント加算部)が、客が購入した特定商品の各々に対して、特別ポイントを加算する。したがって、客の購入意欲をより一層促すことができる。
【0062】
以上、本発明を対面式のPOS端末に適用した場合について説明したが、本発明は、セルフPOSおよびセミセルフPOSであっても、同様に適用することができる。
【0063】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態で説明した特定商品を購入した際に、購入金額に応じた特別ポイントが加算されることは、チラシや、店舗に置かれるPOP等の広告媒体によってアナウンスされるが、より積極的に客に気づいてもらえるのが望ましい。以下に説明する第2の実施の形態は、特定商品を登録した際に、特別ポイントが加算されることを報知する機能を備えたショッピングカート100の例である。ショッピングカート100は、後述するカート端末102を有する。なお、カート端末102は、本発明における商品販売データ処理装置の一例である。
【0064】
まず、
図7を用いて本発明の第2の実施の形態であるカート端末102を有するショッピングカート100の運用状態について説明する。
図7は、第2の実施の形態のショッピングカートの運用状態の一例を示すシステムブロック図である。
【0065】
図7に示すように、チェックアウトシステム95は、客が連れ回す複数台のショッピングカート100と、アテンダント端末121と、POS端末122と、複数の無線通信ユニット123と、ルータ120と、ポイント管理サーバ90を備える。アテンダント端末121と、POS端末122と、無線通信ユニット123とは、互いにネットワーク124で接続されている。
【0066】
ショッピングカート100は、客が購入する商品を登録する商品登録機能を備えて、客が購入する商品を収容する。商品登録機能は、カート端末102によって実現される。
【0067】
アテンダント端末121は、アテンダントと呼ばれる店員が操作するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。アテンダント端末121は、各ショッピングカート100と無線通信を行って、ショッピングカート100の使用状態を監視する。
【0068】
POS端末122は、ショッピングカート100を使用している客が、現金決済を選択した場合に、客が商品登録を行ってショッピングカート100に収容した商品の決済処理を行う。
【0069】
無線通信ユニット123は、店内に複数設置されて、ショッピングカート100が備えるカート端末102と、アテンダント端末121およびPOS端末122とを無線接続する。
【0070】
ルータ120は、店内のネットワーク124と、ポイント管理サーバ90とを、インターネット84を介して接続する。
【0071】
ポイント管理サーバ90は、会員に付与されたポイント情報等を管理する。
【0072】
(ショッピングカートの構成の説明)
図8は、第2の実施の形態に係るショッピングカートの一例を示す外観図である。ショッピングカート100は、上面開口した籠状の収容部250、収容部250の下方に配置された移動用のキャスタ部252、収容部250と連結されてショッピングカート100を移動させる際に客が把持するハンドル部254等を備えている。収容部250の側面と底面には網が張られており、商品を外部から視認できる態様で収容する。客は、購入する商品を商品棚から取って、収容部250に収容する。これにより、客や店員は、収容部250に収容された商品の詳細を容易に知ることができる。
【0073】
また、ショッピングカート100のハンドル部254側には、保持部(非図示)を介してカート端末102が取り付けられている。カート端末102は、ハウジング103を有し、ハウジング103には、例えばLCDパネル等で構成されたモニタ104と、モニタ104の表示面上に取り付けられたタッチパネル105、および商品に付与された、当該商品の商品情報と関連付けられた、バーコードや2次元コード等のコードシンボルを読み取るスキャナ106が設けられている。スキャナ106は、光で商品を照射するための照明であるLED(Light Emitting Diode)、商品で反射した光を受光するCCD(Charged Coupled Device)イメージセンサ、イメージセンサが受光した光をデコードしてデジタル信号に変換するデコーダ(いずれも非図示)等を内蔵する。スキャナ106の一面には、LEDからの光を出射し、コードシンボルを読み取らせるための読取窓107が設けられている。
【0074】
また、カート端末102は、カードリーダ108を備える。カードリーダ108は、客が所持する店舗の会員カードや、クレジットカードに登録された情報を読み取る。
【0075】
客は、ショッピングカート100に商品を入れる際に、商品に付与されたコードシンボルを読取窓107に翳す。スキャナ106は、当該コードシンボルを読み取る。また、スキャナ106は、読み取ったコードシンボルをデコードする。カート端末102は、デコードされたデジタル信号を解析して、当該商品を特定する商品コードを取得する。そして、コードシンボルを読み取った商品を購入商品として登録する。
【0076】
カート端末102は、スキャナ106が、第1の実施の形態で説明した特定商品のコードシンボルを読み取った場合に、商品の合計金額と当該特定商品の数量とに応じた特別ポイントが付与されることを、モニタ104に表示する。
【0077】
また、カート端末102は、商品登録済の商品の決済処理を行う。
【0078】
ショッピングカート100は、立設したポール256の先端にLEDライト258を備える。LEDライト258は、客の買物の状態に応じた態様(例えば、未決済、決済済等)で点灯状態を変更する。LEDライト258は、ポール256の先端、即ち高い位置に設置されるため、LEDライト258が発光していることは、客はもちろん、ショッピングカート100の周囲にいる店員等も認知することができる。
【0079】
(ショッピングカートのハードウェア構成の説明)
次に、
図9を用いて、カート端末102のハードウェア構成について説明する。
図9は、カート端末のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
図9に示すように、カート端末102は、制御部130と、記憶部134と、コントローラ135と、通信制御部136と、を備える。
【0080】
制御部130は、CPU131と、ROM132と、RAM133とを備えた一般的なコンピュータの構成を有する。CPU131は、ROM132や後述する記憶部134に記憶された各種プログラムやデータファイル等を読み出して、RAM133に展開する。CPU131は、RAM133に展開された各種プログラムやデータファイル等に従って動作して、カート端末102の全体の制御を司る。
【0081】
制御部130は、内部バス137を介して、記憶部134と、コントローラ135と、通信制御部136と、それぞれ接続される。
【0082】
記憶部134は、電源を切っても記憶情報を保持する。記憶部134は、例えばHDDである。また、HDDの代わりに、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えてもよい。記憶部134は、制御プログラムP2を含むプログラム等を記憶する。制御プログラムP2は、カート端末102が備える機能を発揮させるためのプログラムである。
【0083】
記憶部134は、更に、商品マスタファイルM1を記憶する。商品マスタファイルM1は、商品コードに対応させて、商品の名称、単価等の商品情報を格納したマスタファイルである。なお、商品マスタファイルM1は、カート端末102と非図示の店舗サーバとが通信を行うことによって、逐次更新される。
【0084】
また、記憶部134は、客が購入した商品に係る商品情報を登録した売上ファイル等を記憶するが、本実施の形態の特徴的な構成要素ではないため、図示および詳細な説明は省略する。
【0085】
コントローラ135は、制御部130と、入出力機器である、モニタ104、タッチパネル105、スキャナ106、カードリーダ108、LEDライト258とを接続する。各入出力機器の機能は前記した通りである。
【0086】
通信制御部136は、無線通信ユニット123との間の通信を制御することによって、カート端末102とアテンダント端末121およびPOS端末122との間で、各種情報の入出力を行う。
【0087】
(カート端末の機能構成の説明)
次に、
図10を用いて、カート端末102の機能構成を説明する。
図10は、カート端末の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0088】
カート端末102の制御部130(
図9参照)は、制御プログラムP2をRAM133に展開して動作させることによって、
図10に示す顧客特定部30と、ポイント取得部31と、コードシンボル読取部32と、商品登録処理部33と、ポイント算出部34と、ポイント更新部37と、決済処理部38と、情報提供部39とを機能部として実現する。
【0089】
図10に示す機能構成は、第1の実施の形態の機能構成に、情報提供部39を加えたものである。そして、決済処理部38と、情報提供部39以外の機能部位の機能は、第1の実施の形態で説明した通りである。
【0090】
なお、カート端末102がカードリーダを備えていない場合には、顧客特定部30は、タッチパネル105に入力された会員番号を認識することによって、客の会員番号(識別番号)を特定する。
【0091】
決済処理部38は、客がキャッシュレス決済を選択した場合に、カードリーダ108が読み取った、例えば客が所持するクレジットカードの登録情報に基づいて、商品登録処理部33が商品登録を行った内容で決済処理を行う。なお、客が現金決済を選択した場合には、POS端末122(
図7参照)において現金決済を行う。
【0092】
情報提供部39は、コードシンボル読取部32が、特定商品に付与されたコードシンボルを読み取ったことを条件として、購入する商品の合計金額に応じて、特定商品に特別ポイントが加算される旨の情報提供を行う。具体的には、情報提供部39は、カート端末102のモニタ104に後述する情報を表示する(
図11参照)。
【0093】
(カート端末に出力される情報提供例の説明)
次に、
図11を用いて、カート端末102のモニタ104に表示される情報提供の躯体例を説明する。
図11は、カート端末に表示される画面の一例を示す図である。
【0094】
情報提供部39は、カート端末102のモニタ104に、例えば画面情報115を表示する。画面情報115は、商品A(特定商品)を購入すると、お買い上げ金額に応じた特別ポイントが加算される旨を示す情報である。
【0095】
なお、モニタ104には、更に、詳細ボタン110と表示消ボタン111が表示される。詳細ボタン110は、特別ポイントの詳細内容を表示するボタンである。表示消ボタン111は、画面情報115を消去して元の画面に戻すボタンである。
【0096】
客が詳細ボタン110を押下すると、情報提供部39は、カート端末102のモニタ104に、
図11に示す画面情報116を表示する。画面情報116は、前記したテーブルTa(
図5参照)の内容を示すものである。なお、モニタ104には、更に、戻るボタン112が表示される。戻るボタン112は、画面情報116を消去して画面情報115に戻すボタンである。
【0097】
(カート端末が行う処理の流れの説明)
次に、
図12を用いて、カート端末102が行う処理の流れを説明する。
図12は、カート端末が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0098】
図12に示す処理の流れ(ステップS30からステップS42)は、第1の実施形態で説明したPOS端末10が行う処理の流れ(
図6参照)とほぼ同じである。異なるのは、ステップS36において、特定商品に係る特別ポイントについての情報提供を行う部分である。即ち、ステップS36において、情報提供部39は、カート端末102のモニタ104に、例えば
図11に示す情報表示を行う。そして、
図12には記載しないが、表示消ボタン111(
図11参照)が押下されると、ステップS37に進む。
【0099】
また、
図12のステップS42で行う決済処理は、客がキャッシュレス決済を選択した場合のみ実行される。客が現金決済を選択した場合は、前記したように、決済処理はPOS端末122が行う。
【0100】
以上説明したように、第2の実施の形態のカート端末102(商品販売データ処理装置)は、コードシンボル読取部32(読取部)が、特定商品に付与されたコードシンボルを読み取ったことを条件として、情報提供部39が、客に対して、購入する商品の合計金額に応じて、特定商品に特別ポイントが加算される旨の情報提供を行う。したがって、客は、購入する商品の合計金額に応じて、特定商品に特別ポイントが加算されることを知ることができる。これにより、客の更なる購入意欲を刺激することができる。
【0101】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、いずれも例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
5,95…チェックアウトシステム、10…POS端末(商品販売データ処理装置)、30…顧客特定部、31…ポイント取得部、32…コードシンボル読取部(読取部)、33…商品登録処理部(購入金額算出部)、34…ポイント算出部、35…通常ポイント算出部、36…特別ポイント算出部、37…ポイント更新部(ポイント加算部)、38…決済処理部、100…ショッピングカート、102…カート端末(商品販売データ処理装置)、M1…商品マスタファイル、P1,P2…制御プログラム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】
【手続補正書】
【提出日】2024-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
実施の形態の商品販売データ処理装置は、購入金額算出部と、第1ポイント付与部と、第2ポイント付与部と、表示部とを備える。購入金額算出部は、客が購入する商品の合計金額を算出する。第1ポイント付与部は、合計金額に応じて第1のポイントを付与する。第2ポイント付与部は、客に購入された商品の中に含まれる特定商品の個数と合計金額とに応じて、特定商品に第2のポイントを付与する。表示部は、第2のポイントを付与する条件を、客に対して画面に表示する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
客が購入する商品の合計金額を算出する購入金額算出部と、
前記合計金額に応じて第1のポイントを付与する第1ポイント付与部と、
前記客に購入された前記商品の中に含まれる特定商品の個数と前記合計金額とに応じて、前記特定商品に第2のポイントを付与する第2ポイント付与部と、
前記第2のポイントを付与する条件を、前記客に対して画面に表示する表示部と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記第2ポイント付与部は、
前記第1のポイントに加えて、前記第2のポイントを付与する、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記第2ポイント付与部は、
前記合計金額に応じて、より多くの前記第2のポイントを付与する、
請求項1又は請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記第2ポイント付与部は、
客が購入した前記特定商品の各々に対して、前記第2のポイントを付与する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
客が購入した商品を収容するショッピングカートに備えられて、
商品に付与された、当該商品を特定する情報を含むコードシンボルを読み取る読取部と、
前記読取部が、前記特定商品に付与されたコードシンボルを読み取ったことを条件として、購入する商品の合計金額と前記特定商品の個数とに応じて、前記特定商品に前記第2のポイントが加算される旨の情報提供を行う情報提供部と、
を備える請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
客が購入する商品の合計金額を算出する購入金額算出部と、
前記合計金額に応じて第1のポイントを付与する第1ポイント付与部と、
前記客に購入された前記商品の中に含まれる特定商品の個数と前記合計金額とに応じて、前記特定商品に第2のポイントを付与する第2ポイント付与部と、
前記第2のポイントを付与する条件を、前記客に対して画面に表示する表示部と、
して機能させるプログラム。