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特開2024-170632N-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170632
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】N-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20241203BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
C07D401/04
C07D401/14
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024158739
(22)【出願日】2024-09-13
(62)【分割の表示】P 2021531526の分割
【原出願日】2019-12-03
(31)【優先権主張番号】62/774,436
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(71)【出願人】
【識別番号】518259165
【氏名又は名称】エフエムシー アグロ シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴィン・ティー・ブース
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より安価、より効率的、より柔軟、または操作するのにより便利な、N-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドまたはN-ピリジニルピラゾール-1-カルボキサミドを製造する方法を提供する。
【解決手段】式2および3の化合物ならびにスルホニルクロリドを連続プロセスで合わせることにより式1の化合物を製造する方法が開示される。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】
[式中、
XはOまたはSであり;
ZはCRまたはNであり;
はH、CH、ClまたはBrであり;
はH、Br、ClまたはCNであり;
はH、C~CアルキルまたはC~C10シクロアルキルアルキルであり;
はCl、Br、OCFH、OCHCF;または場合によりハロゲンで置換されていてもよいC~Cアルキル;またはQで置換されたC~Cアルキルであり;
はF、ClまたはBrであり;
はH、FまたはClであり;
はH、F、ClまたはBrであり;
Qは場合によりハロゲン、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい5または6員の芳香族複素環式環である]
の化合物を製造する方法であって:
(1)式2
【化2】
[式中、Z、R、R、R、R、およびQは式1の化合物に対して定義されている通りである]
のカルボン酸化合物;および
(2)式3
【化3】
[式中、X、R、RおよびRは式1の化合物に対して定義されている通りである]のアニリン化合物;
(3)スルホニルクロリドを、
(4)場合により塩基または溶媒の存在下で合わせて、式1の化合物を形成すること
を含み;
該方法は連続プロセスを含む、前記方法。
【請求項2】
スルホニルクロリドは式4
【化4】
[式中、RはC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または場合によりハロゲン、C~Cアルキルおよびニトロからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである]
である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
スルホニルクロリドはメタンスルホニルクロリドである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
式2のカルボン酸を式3のアニリンと合わせて混合物を形成し、次いで該混合物をスルホニルクロリドと合わせる、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
更に塩基を含み、該塩基を式2および3の化合物と合わせて混合物を形成した後スルホニルクロリドと合わせる、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
塩基は第三アミンである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
塩基は場合により置換されていてもよいピリジンである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
塩基は2-ピコリン、3-ピコリン、2,6-ルチジンおよびピリジンから選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
更に溶媒を含み、該溶媒を式2および3の化合物ならびにスルホニルクロリドと合わせる、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
溶媒はアセトニトリルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
XはOであり;RはCHであり;RはH、Cl、BrまたはCNであり;RはCHまたはCHCHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
XはOであり;RはCHであり;RはClまたはCNであり;RはCHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
XはOであり;RはCHであり;RはHまたはBrであり;RはCHまたはCHCHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
XはOまたはSであり;RはClであり;RはClであり;RはCH(CHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
XはOであり;RはHまたはBrであり;RはClであり;Rは1-(シクロプロピル)エチルである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ZはNであり;RはBrであり;RはClであり;RはHまたはClである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
ZはNであり;RはCH、CHBrまたは5-(トリフルオロメチル)-2H-テトラゾール-2-イルメチルであり;RはClであり;RはHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
XはOであり;RはCHであり;RはH、Cl、BrまたはCNであり;RはCHまたはCHCHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
XはOであり;RはCHであり;RはClまたはCNであり;RはCHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
XはOであり;RはCHであり;RはHまたはBrであり;RはCHまたはCHCHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
XはOまたはSであり;RはClであり;RはClであり;RはCH(CHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
XはOであり;RはHまたはBrであり;RはClであり;Rは1-(シクロプロピル)エチルである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
ZはNであり;RはBrであり;RはClであり;RはHまたはClである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
ZはNであり;RはCH、CHBrまたは5-(トリフルオロメチル)-2H-テトラゾール-2-イルメチルであり;RはClであり;RはHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
XはOであり;ZはNであり;RはCHであり;RはH、Cl、BrまたはCNであり;RはCHまたはCHCHであり;RはBrであり;RはClであり;RはHである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
XはOまたはSであり;ZはNであり;RはClであり;RはClであり;RはCHまたはCH(CHであり;RはBrであり;RはClであり;RはHまたはClである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
式1の化合物が製造され、化合物は:
3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、
1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-3-[[5-(トリフルオロメチル)-2H-テトラゾール-2-イル]メチル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、および
3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[[(1-シクロプロピルエチル]アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
式2の化合物、式3の化合物、スルホニルクロリドおよび任意の溶媒または塩基を反応ゾーンで連続的に合わせ;式1の化合物を単離工程で連続的に除去する、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
反応ゾーンは1つまたはそれ以上の連続反応容器を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
反応容器は連続撹拌槽反応器、栓流反応器、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
反応ゾーンは2つの連続反応容器を直列に含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
反応ゾーンは1つの連続反応容器を含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項33】
反応ゾーン内の1つまたはそれ以上の反応容器は各々独立した滞留時間および温度で操作される、請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
反応ゾーン内の各々の反応容器の部分に対する平均滞留時間は2時間またはそれ以下である、請求項29~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
平均滞留時間は15分またはそれ以下である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
単離工程は:
反応ゾーンから得られた式1の化合物を含む反応塊をクエンチゾーンでクエンチして、該式1の化合物を沈殿させ;
クエンチされた反応塊からろ過により該式1の化合物を分離して収集された固体の式1の化合物を形成する
ことを含む、請求項28~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
反応塊をクエンチすることはクエンチゾーンで該反応塊に逆溶剤を連続的に加えることを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
逆溶剤は水である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
クエンチゾーンは1つまたはそれ以上の連続クエンチ容器からなる、請求項36~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
クエンチゾーンで加えられる逆溶剤は中性pH、酸性pH、および塩基性pHからなる群から選択されるpHを有する、請求項37~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
クエンチゾーンに加えられる逆溶剤は1つまたはそれ以上の連続クエンチ容器の各々で同一または異なるpHを有する、請求項37~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
単離工程はろ液を生成し、該ろ液を再循環させて反応ゾーンに戻す、請求項28~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
ろ液は精製されるかまたは未精製である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
反応ゾーン内の各々の反応容器は1つまたはそれ以上の独立した供給流を含む、請求項29~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
式2の化合物対式3の化合物のモル比は約1.2:1~約1:1.2である、請求項1~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
式2のカルボン酸化合物、式3のアニリン化合物およびスルホニルクロリドを約-70~約100℃の温度で合わせる、請求項1~45のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、連続プロセスでカルボン酸をアントラニルアミドとカップリングさせることによりN-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドまたはN-ピリジニルピラゾール-1-カルボキサミドを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は式iのN-アシルアントラニル酸誘導体の殺節足動物剤(arthropodicide)としての有用性を開示している。
【化1】
式中、AおよびBは独立してOまたはSであり;RはHであり;RはH、C~Cアルキル、C~CアルコキシカルボニルまたはC~Cアルキルカルボニルであり;RはとりわけHまたはC~Cアルキルであり;RはとりわけHまたはC~Cアルキルであり;RはH、C~Cアルキルまたはハロゲンであり;RはH、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ハロゲン、CN、C~CアルコキシまたはC~Cハロアルコキシであり;Rはとりわけフェニル環、ベンジル環、5もしくは6員の複素芳香族環、ナフチル環系であり、各環または環系は場合により1~3個の置換基で置換されていてもよく;RはとりわけHである。
【0003】
特許文献2はカルボン酸をアントラニルアミドとカップリングさせることによりN-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドまたはN-ピリジニルピラゾール-1-カルボキサミドを製造する方法を開示している。また、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7および特許文献8も参照されたい。
【0004】
上述の参考文献に開示されている方法は所望の化合物を提供することができるが、特に商業規模で材料を提供する方法の開発で連続した改善が求められている。従って、より安価、より効率的、より柔軟、または操作するのにより便利な新しい方法に対するニーズが存続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2003/015518号
【特許文献2】国際公開第2006/062978号
【特許文献3】国際公開第2003/016283号
【特許文献4】国際公開第2004/011453号
【特許文献5】国際公開第2005/077934号
【特許文献6】国際公開第2007/144100号
【特許文献7】国際公開第2008/072745号
【特許文献8】国際公開第2010/069502号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、式1の化合物(かかる化合物の立体異性体およびN-オキシド、ならびにかかる化合物の塩を全て含む)を製造する方法に関し:
【化2】
(式中、
XはOまたはSであり;
ZはCRまたはNであり;
はH、CH、ClまたはBrであり;
はH、Br、ClまたはCNであり;
はH、C~CアルキルまたはC~C10シクロアルキルアルキルであり;
はCl、Br、OCFH、OCHCF;または場合によりハロゲンで置換されていてもよいC~Cアルキル;またはQで置換されているC~Cアルキルであり;
はF、ClまたはBrであり;
はH、FまたはClであり;
はH、F、ClまたはBrであり;
Qは場合によりハロゲン、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい5または6員の芳香族複素環式環である);
この方法は:
【0007】
(1)式2のカルボン酸化合物
【化3】
(式中、Z、R、R、R、R、およびQは式1の化合物に対して定義されている通りである)、
【0008】
(2)式3のアニリン化合物
【化4】
(式中、X、R、RおよびRは式1の化合物に対して定義されている通りである);および
(3)スルホニルクロリド
を合わせて式1の化合物を形成することを含み;ここで方法は連続プロセスを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、式2の化合物、式3の化合物、スルホニルクロリド、任意の塩基および任意の溶媒を反応ゾーンに連続的に装填し;得られた式1の化合物を含む混合物を、逆溶剤が導入されるクエンチゾーンに移し;式1の化合物を含むクエンチされた混合物を、逆溶剤、任意の溶媒及び任意の塩基が除去される単離ゾーンに移すことを含む、式1の化合物を製造する連続プロセスを例示するフローチャートを示す。
図2図2は、本開示の連続プロセスにより式1の化合物を製造するのに適した一連の反応器、例えば反応CSTRおよびクエンチCSTRの略図を示す。
図3図3は、本開示の連続プロセスの反応ゾーンへの導入のために式2の化合物、式3の化合物、溶媒及び塩基を混合するのに適した複数のバッチ混合タンクの略図を示す。
図4図4は、本開示の連続プロセスの反応ゾーンへの導入のために式2の化合物、式3の化合物、溶媒および塩基を粉末混合するのに適した装填系の略図を示す。
図5図5は、本開示の連続プロセスの反応ゾーンの略図を示し、前記反応ゾーンは、式2の化合物、式3の化合物、溶媒および塩基の混合物が導入され、スルホニルクロリド、例えばメタンスルホニルクロリド(MSC)が導入される第1のCSTR内の第1の反応サブゾーンと、混合物およびMSCの反応が終了する第2のCSTR内の第2の反応サブゾーンとの組合せを提供する一連の2つの連続撹拌槽反応器(CSTR)を含む。
図6図6は、本開示の連続プロセスの反応ゾーンの略図を示し、前記反応ゾーンは、式2の化合物、式3の化合物、溶媒および塩基の混合物が導入され、スルホニルクロリド、例えばメタンスルホニルクロリド(MSC)が導入される栓流反応器内の第1の反応サブゾーンと、混合物およびMSCの反応が終了する連続撹拌槽反応器内の第2の反応サブゾーンとを提供する栓流反応器および連続撹拌槽反応器の組合せを含む。
図7図7は、本開示の連続プロセスの反応ゾーンの略図を示し、この反応ゾーンは、式2の化合物、式3の化合物、溶媒および塩基の混合物が導入され、メチルスルホニルクロリド(MSC)が導入される第1のCSTR内の第1の反応サブゾーンと、追加のメチルスルホニルクロリド供給流を有する第2のCSTR内の第2の反応サブゾーンとの組合せを提供する一連の2つの連続撹拌槽反応器(CSTR)を含む。
図8図8は、固形分のクエンチゾーンへの除去および反応溶液を連続撹拌槽反応器へ戻す再循環を可能にする固形分濃縮器(例えばハイドロサイクロン)と組み合わせた連続撹拌槽反応器を含む、本開示のプロセスで有用な装置の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で使用されるとき、「含む」、「含み」、「含有する」、「含有し」、「有する」、「有し」またはその他あらゆるその変化形の言葉は、包括的な内包物を包含することが意図されている。例えば、要素のリストを含む組成物、プロセス、方法、物品、または装置は必ずしもそれらの要素のみに限定されることなく、明白に掲げられていないかまたはかかる組成物、プロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素も含み得る。更に、特に断らない限り、「または」は、包括的な「または」を意味し、排他的な「または」を意味しない。例えば、条件AまたはBは:Aが真であり(または存在し)、Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)、Bが真である(または存在する)、そしてAおよびBの両方が真である(または存在する)のいずれか1つによって満たされる。
【0011】
また、本発明のある要素または成分に先行する不定冠詞「a」および「an」はその要素または成分の場合(即ち発生)の数に関して非制限的であることが意図されている。従って「a」または「an」は1つまたは少なくとも1つを含むと理解されるべきであり、要素または成分の単数形の単語形態はまたその数が明らかに単数を意味しない限り複数も包含する。
【0012】
化学物質を合わせるとは、化学物質をお互いに接触させることをいう。
【0013】
「炭素ベースの基」は、単結合を介してその基を化学構造の残部に連結する炭素原子を含む一価の分子成分を指す。炭素ベースの基は場合により飽和、不飽和および芳香族の基、鎖、環および環系、ならびにヘテロ原子を含むことができる。炭素ベースの基は大きさが特に限定されることはないが、本開示に関しては通例1~16個の炭素原子および0~3個のヘテロ原子を含む。場合によりC~Cアルキル、ハロゲンおよびニトロから選択される1~3個の置換基で置換されていてもよいC~Cアルキル、C~Cハロアルキルおよびフェニルから選択される炭素ベースの基が注目すべきである。
【0014】
本明細書において、略語「Ph」はフェニルを意味する。アルキルは直鎖または分岐であることができる。「シクロアルキル」には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが包含される。用語「シクロアルキルアルキル」はアルキル部分上のシクロアルキル置換を意味する。「シクロアルキルアルキル」の例には、直鎖または分岐アルキル基に結合したシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロペンチルエチル、およびその他のシクロアルキル部分が包含される。用語「ハロゲン」には、単独でも、または「ハロアルキル」のような化合物の言葉であっても、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が包含される。更に、「ハロアルキル」のような化合物の言葉で使用されるとき、前記アルキルは同一でも異なってもよいハロゲン原子で部分的または
完全に置換されていてもよい。「ハロアルキル」の例には、FC、ClCH、BrCH、CFCHおよびCFCClが包含される。
【0015】
前述の通り、Qは場合により発明の概要に規定されている置換基の群から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい5または6員の芳香族複素環式環である。Qが5または6員の窒素を含有する複素環式環であるとき、他に記載されない限り、いずれの利用可能な炭素または窒素環原子を介して式1の残部に結合してもよい。場合により1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい5または6員の芳香族複素環式環の例には、下記例表1に示されている環U-2~U-63が包含され、ここでRはQに対して発明の概要で規定されたいずれかの置換基であり、rは各U基上の利用可能な位置の数により制限される0~4の整数である。U-29、U-30、U-36、U-37、U-38、U-39、U-40、U-41、U-42、U-43、U-49およびU-50は利用可能な位置が1つしかないので、これらのU基の場合rは整数0または1に限定され、rが0であるとはそのU基が置換されてなく、(Rにより示される位置には水素が存在することを意味する。
【0016】
【化5-1】
【化5-2】
【0017】
様々な実施形態において、Q基はU-49およびU-50を含む。様々な実施形態において、U-49基はtert-ブチル、シクロプロピル、CFH、CF、CFCF、CFCFCFまたはCF(CFで置換されたU-49を含む。様々な実施形態において、U-50基はCFH、CF、CFCFまたはCF(CFで置換されたU-50を含む。幾つかの実施形態において、Q基はCFで置換されたU-49である。
【0018】
N-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドを製造するのに連続プロセスを用いると、国際公開第2006/062978号で実施されるバッチプロセスと比べて多くの利点が得られる。連続的に実行すると、所与の反応器でより速いスループットが可能になり、暴走反応を引き起こすことになり得る反応性の化学物質の量を最小にすることによりそのプロセスの安全性を改善する役に立つ。例えば不純物の生成または取り扱いの問題のために、全てのプロセスを連続モードで実行することができるわけではないが、本明細書に記載されているプロセスは高い収率で、新たな不純物を形成することなく、連続プロセスで実行することができることが発見され、これは現在の地球規模の農薬登録要件を満たす意味がある。
【0019】
加えて、特に部分的に変換された材料の反応ゾーンに供給するとき、連続モードで実行することは最終生成物の粒径にとって有利である可能性があり、これはそのろ過の容易さ
および生成物の濃度を改良することが発見された。典型的なバッチプロセスにおいては高濃度の出発材料を用いて実行するのが望ましく、最終生成物の結晶化に影響を及ぼす溶解してない出発材料固形分を生成することが多く、結果として小さくてろ過し難い粒子の生成物が生じる。部分的に変換された材料の反応ゾーンに連続的に実行することにより、これらの固体出発材料は反応ゾーンに入る際に迅速に溶解し、結晶化に対するそれらの影響を本質的に除外する。また、最終生成物は式1の化合物への変換のレベルが増大すると反応媒体に対してより高い溶解性を有し、これも結晶化中の過飽和の量を低減することにより結晶化および粒径にとって有益であることも発見された。
【0020】
本開示の実施形態として以下を挙げることができる。
【0021】
実施形態M1.(a)式2の化合物を式3の化合物およびスルホニルクロリドと合わせ;
(b)式1の化合物を単離する
ことを含み、合わせる工程(a)が連続プロセスで行なわれる、方法。
【0022】
実施形態M1a.式2の化合物を式3の化合物およびスルホニルクロリドと合わせることが塩基および/または溶媒の存在下で行なわれる、実施形態M1の方法。
【0023】
実施形態M2.合わせる工程(a)において式2の化合物、式3の化合物およびスルホニルクロリドが反応ゾーンに連続的に装填され;単離する工程(b)が式1の化合物を形成された後反応ゾーンから連続的に除去することを含む、実施形態M1の方法。
【0024】
実施形態M2a.任意の溶媒および/または塩基も反応ゾーンに連続的に装填される、実施形態M2の方法。
【0025】
実施形態M3.式2の化合物、式3の化合物およびスルホニルクロリドを装填する速度および式1の化合物の除去速度が調節されて2時間またはそれ以下の反応ゾーン内平均滞留時間を提供する、実施形態M1または実施形態M2の方法。
【0026】
実施形態M3a.任意の溶媒および/または塩基が反応ゾーンに連続的に装填され、反応ゾーンから除去され、速度が調節されて2時間またはそれ以下の反応ゾーン内平均滞留時間を提供する、実施形態M3の方法。
【0027】
実施形態M4.反応ゾーン内平均滞留時間が約15分またはそれ以下である、実施形態M3または実施形態3aの方法。
【0028】
実施形態M5.式1の化合物の少なくとも一部がプロセス媒体から単離される、実施形態M1~M4のいずれかの方法。
【0029】
実施形態M6.単離する工程が、(b1)式2、3の化合物とスルホニルクロリドの反応をクエンチして式1の化合物を沈殿させ、(b2)式1の化合物をプロセス媒体からろ過することを含む、実施形態M1~M5のいずれかの方法。
【0030】
実施形態M7.クエンチする工程(b1)が、水のような逆溶剤をクエンチングゾーンで反応流に加えることにより行なわれる、実施形態M6の方法。
【0031】
実施形態M8.加えられる水が中性、酸性、もしくは塩基性のpH値により特徴付けられるか、または複数の分離したクエンチングゾーンにおいて異なるpH値で連続的に存在する、実施形態M7の方法。
【0032】
実施形態M9.更に式1の化合物を乾燥することを含む、実施形態M1~M8のいずれか1つの方法。
【0033】
実施形態M10.合わせる工程(a)が不活性雰囲気中大気圧下で行なわれる、実施形態M1~M9のいずれか1つの方法。
【0034】
実施形態M11.反応ゾーンが単一の反応容器を含む、実施形態M1~M10のいずれか1つの方法。
【0035】
実施形態M12.反応ゾーンが、各サブゾーンに対して独立した平均滞留時間および温度を有する複数の反応サブゾーンを含む、実施形態M1~M10のいずれかの方法。
【0036】
実施形態M13.反応ゾーンが第1の反応容器および第2の反応容器を含む、M12の方法。
【0037】
実施形態M14.反応ゾーンが栓流反応器、連続撹拌槽反応器、またはこれらの組合せを含む、実施形態M1~M13のいずれか1つの方法。
【0038】
実施形態M15.式2の化合物の式3の化合物に対するモル比が約1.2:1~約1:1.2である、実施形態M1~M14のいずれか1つの方法。
【0039】
実施形態M16.式2の化合物の式3の化合物に対するモル比が約1:1~約1:1.2である、実施形態M15の方法。
【0040】
実施形態M17.式2の化合物の式3の化合物に対するモル比が約1:1.1である、実施形態M15の方法。
【0041】
実施形態M18.スルホニルクロリドの式2の化合物に対するモル比が少なくとも約1:1である、実施形態M1~M17のいずれか1つの方法。
【0042】
実施形態M19.スルホニルクロリドの式2の化合物に対するモル比が約1:1~約2.5:1である、実施形態M18の方法。
【0043】
実施形態M20.スルホニルクロリドの式2の化合物に対するモル比が約1.1:1~約1.4:1である、実施形態M19の方法。
【0044】
実施形態M21.RがBrまたはClであるとき、スルホニルクロリドの式2の化合物に対するモル比が約1.2:1である、実施形態M1~M18のいずれか1つの方法。
【0045】
実施形態M22.RがCNであるとき、スルホニルクロリドの式2の化合物に対するモル比が約1.4:1である、実施形態M1~M18のいずれか1つの方法。
【0046】
実施形態M23.スルホニルクロリドが式4のものである
【化6】
式中Rは炭素ベースの基である、実施形態M1~M22のいずれかの方法。
【0047】
実施形態M24.Rが、場合によりハロゲン、C~Cアルキルおよびニトロからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されていてもよいC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、またはフェニルである、実施形態M23の方法。
【0048】
実施形態M25.RがC~Cアルキル、CF、フェニルまたは4-メチルフェニルである、実施形態M24の方法。
【0049】
実施形態M26.RがC~Cアルキル、フェニルまたは4-メチルフェニルである、実施形態M25の方法。
【0050】
実施形態M27.RがCHである、実施形態M26の方法。
【0051】
実施形態M28.式2のカルボン酸、式3のアニリンおよびスルホニルクロリドが約-70~約100℃の温度で合わせられる、実施形態M1~M27のいずれか1つの方法。
【0052】
実施形態M29.温度が約-20~約40℃である、実施形態M28の方法。
【0053】
実施形態M30.温度が約-10~約30℃である、実施形態M26の方法。
【0054】
実施形態M31.式2のカルボン酸が式3のアニリンと合わせられて混合物を形成し、次いで混合物がスルホニルクロリドと合わせられる、実施形態M1~M30のいずれか1つの方法。
【0055】
実施形態M32.塩基が式2および3の化合物ならびにスルホニルクロリドと合わせられる、実施形態M1~M31のいずれか1つの方法。
【0056】
実施形態M33.塩基が、スルホニルクロリドと合わせられる前またはその後に混合物と合わせられる、実施形態M32の方法。
【0057】
実施形態M34.塩基がスルホニルクロリドと合わせられる前に式2および3の化合物と合わせられて混合物を形成する、実施形態M33の方法。
【0058】
実施形態M35.塩基の量がスルホニルクロリドに対して少なくとも約2当量である、実施形態M32~M34のいずれかの方法。
【0059】
実施形態M36.塩基の量がスルホニルクロリドに対して少なくとも約2.1当量である、実施形態M35の方法。
【0060】
実施形態M37.塩基の量がスルホニルクロリドに対して約2.1~2.2当量である、実施形態M36の方法。
【0061】
実施形態M38.塩基が、場合により置換されていてもよいピリジンを含む第三アミンから選択される、実施形態M32~M37のいずれか1つの方法。
【0062】
実施形態M39.塩基が、場合により置換されていてもよいピリジンおよびそれらの混合物から選択される、実施形態M38の方法。
【0063】
実施形態M40.塩基が2-ピコリン、3-ピコリン、2,6-ルチジン、ピリジンおよび以上のものの混合物から選択される、実施形態M39の方法。
【0064】
実施形態M41.塩基が3-ピコリンである、実施形態M40の方法。
【0065】
実施形態M42.溶媒が式2および3の化合物ならびにスルホニルクロリドと合わせられる、実施形態M1~M41のいずれか1つの方法。
【0066】
実施形態M43.溶媒がスルホニルクロリドと合わせられる前に式2および3の化合物と合わせられて混合物を形成する、実施形態M42の方法。
【0067】
実施形態M44.塩基がスルホニルクロリドと合わせられる前に式2および3の化合物ならびに溶媒と合わせられ、加熱されて溶液を形成する、実施形態M43の方法。
【0068】
実施形態M45.塩基がスルホニルクロリドと合わせられる前に式2および3の化合物ならびに溶媒と合わせられてスラリーを形成する、実施形態M43の方法。
【0069】
実施形態M46.溶媒が、ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、ハロアルカン(例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン)、エーテル(例えば、エチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、p-ジオキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン)、第三アミン(例えば、トリアルキルアミン、ジアルキルアントラニルアミド、場合により置換されていてもよいピリジン)、およびこれらの混合物から選択される、実施形態M42~M45のいずれか1つの方法。
【0070】
実施形態M47.溶媒が、第三アミン(例えば、トリアルキルアミン、ジアルキルアントラニルアミド、場合により置換されていてもよいピリジン)およびこれらの混合物から選択される、実施形態M46の方法。
【0071】
実施形態M48.溶媒が、ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、ハロアルカン(例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン)、エーテル(例えば、エチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、p-ジオキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン)、およびこれらの混合物から選択される、実施形態M46の方法。
【0072】
実施形態M49.溶媒がアセトニトリルである、実施形態M48の方法。
【0073】
実施形態M50.更に、RがHである式1の化合物をハロゲン化剤で処理して、RがClまたはBrである式1の化合物を提供することを含む、実施形態M1~M49のいずれか1つの方法。
【0074】
実施形態M51.更に、RがHである式1の化合物をハロゲン化剤で処理して、RがClまたはBrである式1の化合物を提供することを含む、実施形態M1~M49のいずれか1つの方法。
【0075】
様々な実施形態において、本開示の方法は式1の化合物を製造するのに使用できる。従って、本発明は以下の実施形態を含む。
【0076】
実施形態C1.式1の化合物を製造するために使用される、実施形態M1~M51の方
法。
【化7】
式中、
XはOまたはSであり;
ZはCRまたはNであり;
はH、CH、ClまたはBrであり;
はH、Br、ClまたはCNであり;
はH、C~CアルキルまたはC~C10シクロアルキルアルキルであり;
はCl、Br、OCFH、OCHCF;または場合によりハロゲンで置換されていてもよいC~Cアルキル;またはQで置換されているC~Cアルキルであり;
はF、ClまたはBrであり;
はH、FまたはClであり;
はH、F、ClまたはBrであり;
Qは場合によりハロゲン、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい5または6員の芳香族複素環式環である。
【0077】
実施形態C2.式3の化合物において、XがOである、実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0078】
実施形態C3.式3の化合物において、XがSである、実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0079】
実施形態C4.式3の化合物において、RがClである、実施形態C1~C3のいずれか1つの方法。
【0080】
実施形態C5.式3の化合物において、RがBrである、実施形態C1~C3のいずれか1つの方法。
【0081】
実施形態C6.式3の化合物において、RがHである、実施形態C1~C3のいずれか1つの方法。
【0082】
実施形態C7.式3の化合物において、RがBrまたはClである、実施形態C~Cのいずれか1つの方法。
【0083】
実施形態C8.式3の化合物において、RがHである、実施形態C~Cのいずれ
か1つの方法。
【0084】
実施形態C9.式3の化合物において、RがCNである、実施形態C~Cのいずれか1つの方法。
【0085】
実施形態C10.式3の化合物において、RがC~Cアルキルである、実施形態C1~C9のいずれか1つの方法。
【0086】
実施形態C11.Rがメチルである、実施形態C10の方法。
【0087】
実施形態C12.Rがエチルである、実施形態C10の方法。
【0088】
実施形態C13.Rがイソプロピルである、実施形態C10の方法。
【0089】
実施形態C14.式3の化合物において、RがC~C10シクロアルキルアルキルである、実施形態C1~C9のいずれか1つの方法。
【0090】
実施形態C15.Rが1-(シクロプロピル)エチルである、実施形態C14の方法。
【0091】
実施形態C16.式2の化合物において、ZがNである、実施形態C1~C15のいずれか1つの方法。
【0092】
実施形態C17.式2の化合物において、RがClまたはBrである、実施形態C1~C16のいずれか1つの方法。
【0093】
実施形態C18.式2の化合物において、Rが場合によりハロゲンで置換されていてもよいC~CアルキルまたはQで置換されているC~Cアルキルである、実施形態C1~C16のいずれか1つの方法。
【0094】
実施形態C19.RがC~Cアルキルである、C18の方法。
【0095】
実施形態C20.Rがメチルである、C19の方法。
【0096】
実施形態C21.Rがハロゲンで置換されたC~Cアルキルである、C18の方法。
【0097】
実施形態C22.RがCFである、C21の方法。
【0098】
実施形態C23.RがCHBrである、C21の方法。
【0099】
実施形態C24.Rが場合によりハロゲン、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい5員の芳香族複素環で置換されたC~Cアルキルである、C18の方法。
【0100】
実施形態C25.Rが5-(トリフルオロメチル)-2H-テトラゾール-2-イルメチルである、C24の方法。
【0101】
実施形態C26.式2の化合物において、RがClである、実施形態C1~C25の
いずれか1つの方法。
【0102】
実施形態C27.式2の化合物において、RがHである、実施形態C1~C26のいずれか1つの方法。
【0103】
実施形態C28.式2の化合物において、RがClである、実施形態C1~C27のいずれか1つの方法。
【0104】
実施形態C29.式1の化合物において、XがOである、C1の方法。
【0105】
実施形態C30.式1の化合物において、XがSである、C1の方法。
【0106】
実施形態C31.式1の化合物において、RがClである、実施形態C29~C30のいずれか1つの方法。
【0107】
実施形態C32.式1の化合物において、RがBrである、実施形態C29~C30のいずれか1つの方法。
【0108】
実施形態C33.式1の化合物において、RがHである、実施形態C29~C30のいずれか1つの方法。
【0109】
実施形態C34.式1の化合物において、RがBrまたはClである、実施形態C29~C33のいずれか1つの方法。
【0110】
実施形態C35.式1の化合物において、RがHである、実施形態C29~C33のいずれか1つの方法。
【0111】
実施形態C36.式1の化合物において、RがCNである、実施形態C29~C33のいずれか1つの方法。
【0112】
実施形態C37.式1の化合物において、RがC~Cアルキルである、実施形態C29~C36のいずれか1つの方法。
【0113】
実施形態C38.Rがメチルである、実施形態C37の方法。
【0114】
実施形態C39.Rがエチルである、実施形態C37の方法。
【0115】
実施形態C40.Rがイソプロピルである、実施形態C37の方法。
【0116】
実施形態C41.式1の化合物において、RがC~C10シクロアルキルアルキルである、実施形態C29~C36のいずれか1つの方法。
【0117】
実施形態C42.Rが1-(シクロプロピル)エチルである、実施形態C41の方法。
【0118】
実施形態C43.式1の化合物において、ZがNである、実施形態C29~C42のいずれか1つの方法。
【0119】
実施形態C44.式1の化合物において、RがClまたはBrである、実施形態C29~C43のいずれか1つの方法。
【0120】
実施形態C45.式1の化合物において、Rが場合によりハロゲンで置換されていてもよいC~Cアルキルまたは場合によりC~Cハロアルキルで置換されていてもよい5もしくは6員の芳香族複素環で置換されたC~Cアルキルである、実施形態C29~C43のいずれか1つの方法。
【0121】
実施形態C46.RがC~Cアルキルである、C45の方法。
【0122】
実施形態C47.Rがメチルである、C46の方法。
【0123】
実施形態C48.Rがハロゲンで置換されたC~Cアルキルである、C45の方法。
【0124】
実施形態C49.RがCFである、C48の方法。
【0125】
実施形態C50.RがCHBrである、C48の方法。
【0126】
実施形態C51.Rが、場合によりC~Cハロアルキルで置換されていてもよい5員の芳香族複素環で置換されたC~Cアルキルである、C45の方法。
【0127】
実施形態C52.Rが5-(トリフルオロメチル)-2H-テトラゾール-2-イルメチルである、C51の方法。
【0128】
実施形態C53.式1の化合物において、RがClである、実施形態C29~C52のいずれか1つの方法。
【0129】
実施形態C54.式1の化合物において、RがHである、実施形態C29~C53のいずれか1つの方法。
【0130】
実施形態C55.式1の化合物において、RがClである、実施形態C29~C53のいずれか1つの方法。
【0131】
上記実施形態M1~M51およびC1~C55ならびに本明細書に記載されている他のあらゆる実施形態を含む本発明の実施形態はいかなるようにでも組み合わせることができ、実施形態の可変のものに関する記載は式1の化合物だけでなく式2、3および4の化合物を含めて式1の化合物を製造するのに有用な出発化合物および中間体化合物にも関連する。更に、上記実施形態M1~M51およびC1~C55ならびに本明細書に記載されている他のあらゆる実施形態、ならびにそれらのあらゆる組合せを含む本発明の実施形態は本発明の組成物および方法に関連する。
【0132】
実施形態A1.XがOであり;RがCHであり;RがH、Cl、BrまたはCNであり;RはCHまたはCHCHである、式3の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0133】
実施形態A2.XがOであり;RがCHであり;RがClまたはCNであり;RがCHである、式3の化合物を含む実施形態A1の方法。
【0134】
実施形態A3.XがOであり;RがCHであり;RがHまたはBrであり;RはCHまたはCHCHである、式3の化合物を含む実施形態A1の方法。
【0135】
実施形態A4.XがOまたはSであり;RがClであり;RがClであり;RがCH(CHである、式3の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0136】
実施形態A5.XがOであり;RがHまたはBrであり;RがClであり;Rが1-(シクロプロピル)エチルである、式3の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0137】
実施形態A6.ZがNであり;RがBrであり;RがClであり;RがHまたはClである、式2の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0138】
実施形態A7.ZがNであり;RがCH、CHBrまたは5-(トリフルオロメチル)-2H-テトラゾール-2-イルメチルであり;RがClであり;RがHである、式2の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0139】
実施形態A8.XがOであり;RがCHであり;RがH、Cl、BrまたはCNであり;RがCHまたはCHCHである、式1の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0140】
実施形態A9.XがOであり;RがCHであり;RがClまたはCNであり;RがCHである、式1の化合物を含む実施形態A8の方法。
【0141】
実施形態A10.XがOであり;RがCHであり;RがHまたはBrであり;RがCHまたはCHCHである、式1の化合物を含む実施形態A8の方法。
【0142】
実施形態A11.XがOまたはSであり;RがClであり;RがClであり;RがCH(CHである、式1の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0143】
実施形態A12.XがOであり;RがHまたはBrであり;RがClであり;Rが1-(シクロプロピル)エチルである、式1の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0144】
実施形態A13.ZがNであり;RがBrであり;RがClであり;RがHまたはClである、式1の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0145】
実施形態A14.ZがNであり;RがCH、CHBrまたは5-(トリフルオロメチル)-2H-テトラゾール-2-イルメチルであり;RがClであり;RがHである、式1の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0146】
実施形態A15.XがOであり;ZがNであり;RがCHであり;RがH、Cl、BrまたはCNであり;RがCHまたはCHCHであり;RがBrであり;RがClであり;RがHである、式1の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0147】
実施形態A16.XがOまたはSであり;ZがNであり;RがClであり;RがClであり;RがCHまたはCH(CHであり;RがBrであり;RがClであり;RがHまたはClである、式1の化合物を含む実施形態M1~M51のいずれか1つの方法。
【0148】
本発明の特定の実施形態は:
3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(クロラントラニリプロールともいわれる)、
3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(シアントラニリプロールともいわれる)、
1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-3-[[5-(トリフルオロメチル)-2H-テトラゾール-2-イル]メチル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(テトラニリプロールともいわれる)、および
3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[[(1-シクロプロピルエチル]アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(シクラニリプロールともいわれる)
からなる群から選択される式1の化合物を製造するのに使用される実施形態M1~M51、C1~C55およびA1~A16のいずれか1つの方法を含む。
【0149】
以下のスキームにおいて下記式1~41の化合物中のQ、X、Z、R、R、R、R、R、RおよびRの定義は別段の指示がない限り発明の概要および実施形態の記載で上に規定された通りである。式2a~2fの化合物は式2のサブセットであり、式3a~3cの化合物は式3のサブセットである。
【0150】
スキーム1に示されているように、本開示は、スルホニルクロリドを用いて、通例塩基および溶媒の存在下で、式2のカルボン酸を式3のアニリンとカップリングさせることにより式1の化合物を製造する方法に関する。
【0151】
【化8】
【0152】
このように、本方法においては式2のピラゾールカルボン酸、式3のアニリンおよびスルホニルクロリドを連続プロセスで合わせて(即ち接触させて)対応する式1のN-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドを提供する。
【0153】
図1に示されているように、連続プロセス100は式2の化合物、式3の化合物およびスルホニルクロリドを反応ゾーン110に連続的に装填することを含み、そこで合わせられて対応する式1の化合物を提供することができる。本明細書で使用されるとき、用語「反応ゾーン」は、式2の化合物、式3の化合物、スルホニルクロリドおよび/またはそれ
らから誘導されるあらゆる部分が、互いに接触し結合して式1の化合物を形成することができるほど充分近接している場所を指す。以下により詳細に記載されるように、任意の溶媒および/または任意の塩基も反応ゾーンに連続的に装填されて反応を促進し得る。
【0154】
様々な実施形態において、次いで式1の化合物の少なくとも一部が反応ゾーン110からクエンチゾーン120に連続的に除去され、そこで以下により詳細に記載されるように逆溶剤と接触させられる。適切な逆溶剤としては、式1の化合物を沈殿させることができるあらゆる溶媒が挙げられる。幾つかの実施形態において、適切な逆溶剤として水がある。クエンチした後、式1の化合物は単離工程130において液体のプロセス成分および水溶性の反応副産物から、例えば結晶化および/またはろ過により単離される。
【0155】
他の実施形態において、式1の化合物の少なくとも一部を、結晶化またはろ過のような当業者に公知のいずれかの適切な単離技術を用いて直接単離し、あらゆるクエンチ工程を迂回することができる。
【0156】
図1に示された連続プロセス100を実施するのに適した方法システム200の簡単な略図を図2に示す。方法システム200は一連の3つの連続撹拌槽反応器(CSTR)210、220、230を含む。様々な実施形態において、CSTRは、反応器の中味が(例えば、撹拌、掻き混ぜ、ガス混合(gassed mixing)、または流体衝突により)概ね良好に混合されるが、反応器内の化学物質濃度および温度の変化が実質的に観察できない「高度の混合」から、局所濃度および温度の大きい変動が起こり得ることを意味する「非混合(nonmixed)」に近付く混合レベルまでの範囲であり得る、反応器として定義される。第1のCSTR10は、式2の化合物、式3の化合物、溶媒および塩基が混合されるバッチ混合ゾーン211を含む。式2および式3の化合物は一般に固体であり、ホッパーおよび/または計量スクリュー供給のような周知の粉末添加法によってそのまま添加される。あるいは、一方または両方が混合ゾーンへの導入前に溶媒に溶けていてもよい。幾つかの実施形態においてバッチ混合物は場合により必要ならば加熱して塩基、式2の化合物、および式3の化合物が全て溶媒に溶けた溶液を提供してもよい。他の実施形態において、塩基、式2の化合物および式3の化合物の1つまたはそれ以上が溶媒中に懸濁した固体として残存しスラリーを提供する。
【0157】
混合後、溶液またはスラリーは反応ゾーン221を有する第2のCSTR20に連続的にポンプで送られ、反応ゾーン221でメチルスルホニルクロリド(MSC)のようなスルホニルクロリドが混合物に連続的に加えられる。第2のCSTR20で、スルホニルクロリド、式2の化合物および式3の化合物は結合して式1の化合物を形成する。様々な実施形態において、式2の化合物および式3の化合物の実質的に全てが消費されて式1の化合物を形成する。幾つかの実施形態において、式1の化合物の少なくとも一部はその生成後反応混合物から沈殿し得る。様々な実施形態において、式1の化合物は例えば溶媒中のスラリーとして反応ゾーンから連続的に除去され、クエンチゾーン231を含む第3のCSTR30に連続的に装填される。次いで式1の化合物は遠心分離機または連続ろ過器のような分離装置240に移され、連続乾燥機のような乾燥ゾーン250で乾燥される。
【0158】
反応ゾーン反応器を所望の容量に充填する最初の始動期間後、導入および除去の速度は実質的に一定または可変でよい(例えば導入および/または除去は間欠的でもよい)が、平均して反応ゾーン内の所望の滞留時間に達するようにバランスを取る。例えば、導入および除去の速度は連続プロセス中同時にゼロではない。あるいは、間欠的な導入および/または除去が、連続プロセスを上流の(例えば1つまたはそれ以上の反応物質のバッチ装填)または下流のバッチ処理装置および/または工程とカップリングさせるのに有用であることがある。望ましくは式2および3の化合物の反応ゾーンへの導入および式1の化合
物の除去の速度は、式2および3の化合物に由来し式1の化合物に組み込まれる部分が、約85、90、95、又は98%より大きい変換率を提供するのに充分な継続時間の反応ゾーン内平均滞留時間を有するように調節される。例えば、反応ゾーン内平均滞留時間は約15分~約2時間、例えば約2時間もしくはそれ以下、または約1時間もしくはそれ以下、約30分もしくはそれ以下、または約15分もしくはそれ以下の範囲である。平均滞留時間は所与の分子が反応ゾーン(または以下で述べるクエンチゾーン)内で費やす時間の平均の量と定義される。滞留時間の分布は非常に広い(即ち、幾つかの分子は反応ゾーンから迅速に出て行くことができるが同じ反応ゾーン内の他のものはより長い期間残留する)が、平均滞留時間は一般に反応ゾーン(またはクエンチゾーン)内の反応器の容量を供給流の平均の流量で割った値として定義される。式2および3の化合物とスルホニルクロリドの反応は比較的に迅速であるが、幾つかの実施形態において、例えば、得られる式1の化合物のより効率の良い回収を可能にする、低減した機器の詰まり、改良された他のプロセスとの接点、改良された結晶特性を提供するため、または他の理由から、所望の変換レベルを達成するのに必要とされるよりも長い平均滞留時間を有するのが望ましいであろう。様々な実施形態において、反応ゾーン内の各々の反応器は独立した滞留時間および温度で作動する。
【0159】
広範囲の装置を用いて連続的な反応を実施することができる。この方法には:連続撹拌槽反応器(CSTR)、栓流反応器(PFR)、流動床反応器、充填床反応器、連続的晶析装置、静的ミキサー、反応蒸留塔の使用、およびこれらの任意の組合せがあるが、これらに限定されない。CSTRの例は伝統的な撹拌槽から遠心ポンプのポンピングゾーンまでいずれでもよい。栓流反応器(PFR)はパイプを通り抜ける流れのように簡単であるか、またはより複雑であり、例えば円筒多管式熱交換器またはプレート/フレーム交換器でよい。一般に、PFRは反応器の入口と出口の濃度に明白な違いを有する。
【0160】
図2に関連して既に述べたように、式2および3の化合物は場合により反応ゾーンへの導入に先立って溶媒および/または塩基と混合される。図3は、本開示の連続プロセスの反応ゾーンへの導入のために式2の化合物、式3の化合物、溶媒および塩基を混合するのに適した複数のバッチ混合タンク300の略図を示す。複数のバッチ混合タンク300により、第1のバッチ混合タンク310が装填され、場合により加熱されて、反応ゾーンへの導入のための第1のバッチ混合物311を提供することが可能になる。第1のバッチ混合タンクの中味が反応ゾーンへ送り出される一方で、第2のバッチ混合タンク320が装填され、場合により加熱されて、その後の反応ゾーンへの導入のための第2のバッチ混合物321を製造することができる。
【0161】
図4は、本開示の連続プロセスの反応ゾーンへの導入のために式2の、式3の化合物、溶媒および塩基を粉末混合するのに適した代わりの装填系400の略図を示す。この実施形態において、塩基はプロセス機器を通る溶媒流401に導入され、続いて下流で(例えば計量スクリュー供給から)第1の固体ホッパー410から溶媒流401中に実質的に連続的に供給される式2の化合物が導入される。同様に、式3の化合物は第1の固体ホッパー410の下流で第2の固体ホッパー420から溶媒流401中に供給され、その後反応ゾーン430に入る。そこでスルホニルクロリドが溶媒流に供給され、式2の化合物と反応して中間体を形成することができ、これが式3の化合物と反応して式1の化合物を提供する。様々な実施形態において、塩基はまた、更に下流の点で溶媒流に、また直接反応ゾーン430に添加されてもよい。次いで、式1の化合物は反応ゾーン430からクエンチゾーン440へ移される。
【0162】
図5は、第1の反応サブゾーン510および第2の反応サブゾーン520の組合せを提供する一連の2つの連続撹拌槽反応器500の略図を示し、各々のサブゾーンは本開示の連続プロセスの反応ゾーン内に連続撹拌槽反応器を含む。本明細書で使用されるとき、用
語「サブゾーン」とは、反応ゾーン内またはクエンチゾーン内の(容器のような)場所をいう(所与の組のプロセスパラメーターが適用される下記参照)。第1の反応サブゾーン510で、反応混合物の全ての成分が導入され、混合され、少なくとも部分的に反応する。第2の反応サブゾーン520では、反応が完了(即ち所望の変換レベル)まで進行し、式1の化合物を、その単離を容易にする形態で、例えば迅速なろ過を提供する結晶の大きさの形成を提供することができる。このため、第2の反応サブゾーン520は仕上げゾーンともいわれる。容量、平均滞留時間、温度、混合および/または他のプロセスパラメーターは第1および第2の反応サブゾーン510、520で同じでも異なっていてもよい。例えば、第1の反応サブゾーン510内の温度は第2の反応サブゾーン520内より熱くてよい。
【0163】
図6は、本開示の連続プロセスの反応ゾーン600における栓流反応器611を含む第1の反応サブゾーン610と連続撹拌槽反応器621を含む第2の反応サブゾーン620との組合せの略図を示す。図5を参照して述べたように、第1の反応サブゾーン610は方法の成分の混合および少なくとも部分的な変換を提供する一方、第2の反応サブゾーン620は仕上げ条件を提供することができる。
【0164】
図7は、本開示の連続プロセスの反応ゾーンにおける、連続撹拌槽反応器711を含む第1の反応サブゾーン710と連続撹拌槽反応器721を含む第2の反応サブゾーン720との組合せを追加のスルホニルクロリド供給流730と共に提供する一連の2つの連続撹拌槽反応器700の略図を示す。これは、スルホニルクロリドのより制御された添加を可能にする。また、幾らかがcyclo-1の化合物(下記参照)の形成に消費された場合の追加のスルホニルクロリドの添加も可能にする。
【0165】
第1および第2の反応サブゾーンのいずれかの組合せで、ゾーン間の移動は反応の進行のインラインモニタリング(図5、6、または7には示してない)が可能になり、また第2のサブゾーンにおけるプロセスパラメーターの調節を可能にする。
【0166】
図8は、クエンチゾーンへの固体(例えば式1の化合物)の優先的な除去を可能にしつつ反応溶液の再循環流820を連続撹拌槽反応器の反応ゾーン810に送って戻す固形分濃縮器820(例えばハイドロサイクロン)を備えた連続撹拌槽反応器の略図を示す。この再循環ループにより、反応選択性、結晶形成、およびスラリー取り扱いに有利であり得る希薄な条件での実行に伴う収率の損失なしにより低い反応物質濃度での反応の実行が可能になる。また、反応のインラインモニタリングも可能になるであろう。
【0167】
広範囲の反応物質比が可能であるが、式3の化合物の式2の化合物に対する名目上のモル比は通例約0.9~1.1、または約1.0であり、両方の化合物は完全に消費される。本方法は、便利な操作、有利な反応速度および選択性、ならびに高いプロセス収率の理由から、広範囲の温度、例えば-70℃~+100℃または-20℃~+40℃、または-10℃~+30℃の範囲の温度で実施することができる。幾つかの実施形態において、温度は30℃~60℃である。
【0168】
式1のN-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドを形成する式2のカルボン酸と式3のアニリンとのカップリングを促進するためにスルホニルクロリド化合物を反応物質として使用する。スルホニルクロリド対式2の化合物の名目上のモル比は、以下に記載される環化副反応がせいぜい小さい程度(即ち0~10%)で起こるとして、通例約1.0~2.5、または約1.1~1.4である。スルホニルクロリドは一般にRが炭素ベースの基である式RS(O)Cl(式4)のものである。通例、本方法において、RはC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または場合によりハロゲン、C~Cアルキルおよびニトロからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されていてもよ
いフェニルである。その商業的入手可能性のために本方法に適したスルホニルクロリド化合物には、メタンスルホニルクロリド(RがCH)、プロパンスルホニルクロリド(Rが(CHCH)、ベンゼンスルホニルクロリド(RがPh)、およびp-トルエンスルホニルクロリド(Rが4-CH-Ph)がある。幾つかの実施形態において、メタンスルホニルクロリドがより低いコスト、添加の容易さおよび/またはより少ない廃棄物の理由から用いられる。
【0169】
本方法で、スルホニルクロリドは式2のピラゾールカルボン酸および式3のアニリンと合わせられる。反応物質は様々な順序で合わせることができ、例えばスルホニルクロリドを式2のカルボン酸と合わせて混合物を形成し、次いで混合物を式3のアニリンと合わせることができる。しかしながら、特定の式1のN-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドを製造する様々な実施形態において、組合せの順序は、式2のカルボン酸を式3のアニリンと合わせて混合物を形成し、次いでスルホニルクロリドを混合物と合わせる(例えば、スルホニルクロリドを式2および3の化合物の混合物に加える)ことを含む。この添加順序はカップリングプロセスの便利な制御が可能になる。反応の速度はスルホニルクロリド化合物の添加の速度を制御することにより容易に制御される。従って、本方法の1つの実施形態は、(1)式2のカルボン酸および式3のアニリンを合わせて混合物を形成し、(2)次いで混合物をスルホニルクロリドと合わせる逐次工程を含む。式2のアニリンを含有する混合物へのスルホニルクロリドの添加は潜在的に望ましくない副反応を起こす可能性があるが、式2および3の化合物の立体電子的プロフィールは本方法を用いて式1の化合物の著しく高い収率を得ることを容易にする。
【0170】
式1の化合物は、式2および3の出発化合物ならびにスルホニルクロリドが、その各々が少なくとも部分的に可溶性である混合液体相内でお互いに接触させられたときに形成する。特に式2および3の出発材料は通常の周囲温度で通例固体であるので、方法は出発化合物がかなりの溶解性を有する溶媒を用いて最も満足のいくように実施される。従って、通例方法は溶媒を含む液体相で実施される。場合によって、式2のカルボン酸は少ししか溶解性がないが、加えられた塩基とのその塩はその溶媒により溶解性が高いことがある。この方法に適切な溶媒には、アセトニトリルおよびプロピオニトリルのようなニトリル;酢酸メチル、酢酸エチル、及び酢酸ブチルのようなエステル;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、およびメチルブチルケトンのようなケトン;ジクロロメタンおよびトリクロロメタンのようなハロアルカン;エチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、およびp-ジオキサンのようなエーテル;ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、およびジクロロベンゼンのような芳香族炭化水素;トリアルキルアミン、ジアルキルアニリン、および場合により置換されていてもよいピリジンのような第三アミン;ならびに以上のものの混合物がある。注目すべき溶媒には、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸エチル、アセトン、MEK、ジクロロメタン、メチルtert-ブチルエーテル、THF、p-ジオキサン、トルエン、およびクロロベンゼンがある。アセトニトリルは、優れた収率および/または純度で生成物を提供することが多いので特に注目に値する溶媒である。
【0171】
本方法の反応は他の場合には式1、2および3の化合物の塩基性の中心に結合する塩化水素を副産物として生成するので、方法は少なくとも1種の添加した塩基の存在下で最も満足のいくように行なわれる。塩基はまた、カルボン酸とスルホニルクロリド化合物およびアニリンとの構成的相互作用も容易にする。添加した塩基と式2のカルボン酸との反応は塩を形成し、これは反応媒体に対してカルボン酸より溶解性が高い。塩基はスルホニルクロリドの添加と同時に、交互に、または更にはその後に加えられるが、塩基は通例スルホニルクロリドの添加前に加えられる。第三アミンのような幾つかの溶媒は塩基としても役立ち、これらが溶媒として使用されるときは塩基として化学量論的に大過剰になる。塩基を溶媒として使用しないとき装填される塩基対装填されるスルホニルクロリドの名目上
のモル比は通例約2.0~2.2、または約2.1~2.2である。適切な塩基には置換されたピリジンを含めて第三アミンがある。様々な実施形態において、適切な塩基には、2-ピコリン、3-ピコリン、2,6-ルチジン、およびピリジンがある。1つの実施形態において、適切な塩基は3-ピコリンである。これは、式2のカルボン酸との塩がアセトニトリルのような溶媒に高度に可溶性であることが多いからである。
【0172】
本方法の特徴は、式1のN-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドの効率的な製造を提供する一方で、N-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドの生成中消費されるカルボン酸、スルホニルクロリドおよびアニリンの量を制限し、廃棄物を低減する。本方法はカップリングプロセスの都合のよい制御を可能にし、式1のようなN-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドを製造するための以前に知られている方法と比較してより少なく、より簡単な操作を含む方法を提供する。
【0173】
本方法の1つの実施形態において、式2のピラゾールカルボン酸、式3のアミド、および適切な塩基は、適切な溶媒中で合わせられ、続いてスルホニルクロリド化合物が(単独で、または適切な溶媒と混合して)添加される。
【0174】
式1の化合物を形成する式2および式3の反応に続いて、反応混合物はクエンチングゾーンで水のような逆溶剤の添加によりクエンチされる。水はあらゆる未消費のスルホニルクロリドをその対応する酸または存在する過剰の塩基との塩に変換する。水の添加はまた反応媒体からの式1の完全な沈殿も促進する。クエンチ水は中性、酸性または塩基性でよい。幾つかの実施形態において、クエンチ水は複数の別のクエンチングサブゾーンに連続的に添加された異なるpH値を有する水の一部を含んでもよい。以下でより詳細に述べるように、クエンチ水のpHの調節は方法から回収される式cyclo-1の量を最小にする。
【0175】
式1の化合物のクエンチゾーンへの導入および/またはそこからの除去の速度は実質的に一定でも可変でもよい(例えば導入および/または除去は間欠的でもよい)が、平均してクエンチゾーン内の望ましい滞留時間達するべくバランスが取れている。例えば、導入および除去の速度は連続プロセスの間同時にゼロではない。あるいは間欠的な導入および/または除去が連続プロセスを上流または下流のバッチ処理装置および/または工程(例えばバッチろ過)にカップリングさせるのに有用であり得る。例えば、クエンチゾーン内平均滞留時間は約15分~約2時間、例えば2時間もしくはそれ以下、1時間もしくはそれ以下、30分もしくはそれ以下、または15分もしくはそれ以下の範囲でよい。反応のクエンチングは比較的に迅速であるが、幾つかの実施形態において、式1の化合物のより効率的な回収を可能にする低減した機器の詰まり、他のプロセスとの改良された界面、結晶特性を提供するために、またはその他の理由から、より長い平均滞留時間が望ましいことがある。例えば、式1の化合物の効率的なろ過に適した平均の結晶サイズを提供するためにクエンチゾーン内のより長い滞留時間が望ましいことがある。
【0176】
式1の生成物N-フェニルピラゾール-1-カルボキサミドは、結晶化、ろ過、および抽出を始めとする当業者に公知の方法によって反応混合物から単離することができる。図2および8に示されているように、式1の化合物の固体としての単離は、例えば限定されることはないが、固形分濃縮器、遠心分離機、ハイドロサイクロン、連続ろ過器、乾燥機などを含めて多種多様のプロセス機器で達成することができる。単離後、式1の化合物は、例えば限定されることはないが、溶媒および/または水による洗浄、再結晶、存在する場合(下記参照)cyclo-1の化合物の式1の化合物への変換などで更に処理してもよい。式1の化合物は殺虫剤として使用するための他の活性成分および/または配合助剤を始めとする追加の物質と組み合わせることができる。
【0177】
スキーム2に示されているように、幾つかの場合において、アミド1から式cyclo-1のイミノベンゾキサジンへの部分環化はカップリング反応の条件下で起こる。
【0178】
【化9】
【0179】
これらの場合において、反応生成物の単離に先立って、式cyclo-1の化合物を式1のアミドに変換して戻すのが有利であることが多い。この変換は反応混合物の水性酸による処理によって達成することができる。反応混合物の水性酸による処理は、反応混合物を希薄な水性酸でクエンチすることにより、またはクエンチング後酸のプロセス流への添加により行なうことができる。あるいは、式cyclo-1のイミノベンゾキサジンおよび式1のアミドの混合物を単離することができ、次いでこの混合物を、例えば、場合により適切な有機溶媒の存在下での、希薄な水性酸による処理により式1のアミドに変換することができる。
【0180】
このプロセスの条件の様々な実施形態において、式1の望ましい生成物を式cyclo-1の化合物に変換する環化副反応はあったとしても普通僅かにしか起こらず、その場合スルホニルクロリドと塩基の適切な比はカップリング反応を完了するのに充分である。しかし、式2のピラゾールカルボン酸、式3のアントラニル酸(例えばRがCNであるとき)および反応の条件(例えば、2,6-ルチジンのような立体障害の置換ピリジンを塩基として用いる)によっては、式1の望ましい生成物から式cyclo-1の化合物への変換がより顕著な程度に起こる可能性があるか、または主たる反応となる可能性がある。これらの場合において、スルホニルクロリドと塩基のより大きな比の使用はカップリング反応の完了を促進することができる。環化副反応は、カップリング反応に消費されるスルホニルクロリドの当量に加えてある当量のスルホニルクロリドを化学量論的に消費する。従って、100%の環化が起こるのであれば、2:1のスルホニルクロリド対式2の化合物のモル比が出発材料の完全な消費を達成するために化学量論的に必要であろう。(RがCNであるとき殆どの塩基で典型的であるように)環化が5~10%の程度しか起こらないときの約1.4:1のモル比のスルホニルクロリド対式2の化合物、および、環化副反応が無視できるほどであるとき(RがBr、ClまたはHであるとき殆どの塩基で典型的である)の約1.2:1のモル比のスルホニルクロリド対式2の化合物と対比して、通例、約2.5:1までのモル比のスルホニルクロリド対式2の化合物が使用されるであろう。環化反応が起こっているのが観察されるならば、反応が進行しているうちに追加の量のスルホニルクロリドおよび塩基を加えることができる。
【0181】
上記はこの連続プロセスの有益な特徴を示し、即ち、プロセスのいずれの成分も変換を完了するのに必要とされる追加の量を連続的に加えることができる。式1の化合物を形成する式2の化合物と式3の化合物のカップリングの完了は広く知られており利用可能な各
種方法のいずれか、例えばFTIR、HPLCおよびNMRを用いた反応混合物の分析によって検出することができる。分析は、反応ゾーンまたはサンプリングループを通過する反応混合物またはその一部を採取することにより行なうことができる。混合物の成分の割合は、反応流内の成分の濃度を調節するかまたはその導入の流量を調節することにより反応混合物に導入される適当な成分の量を調節することによって補正することができる。
【0182】
特定の式2の化合物と特定の式3の化合物を合わせる速度が特定の式1の化合物を高い収率および/または純度で形成するように最適化されたら、式2の化合物、式3の化合物、スルホニルクロリド、および任意の溶媒および/または(存在すれば)任意の塩基の導入の速度、ならびに反応ゾーンからの式1の化合物の除去の速度は連続プロセスの実行の期間中実質的に一定に保たれる。異なる式1の化合物が製造されるときは導入および除去の速度が異なり得ることが理解されよう。
【0183】
がHである式1の化合物をハロゲン化剤で処理して、RがClまたはBrである式1の化合物を提供することができる。反応は、RがHである式1の化合物を塩素または臭素のようなハロゲン化剤で、通常塩基および溶媒の存在下で処理することによって行なわれる。塩基は水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムのような金属水酸化物、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、ならびにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムtert-ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシドから選択される。塩基は式1の化合物に対して0.8~5モル倍、または1~3.5モル倍の量で使用することができる。溶媒はジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびジメトキシエタンのようなエーテル;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンおよびジクロロエチレンのようなハロゲン化された炭化水素;ベンゼン、トルエンおよびキシレンのような芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素;酢酸メチル、酢酸エチルおよび酢酸プロピルのようなエステル;アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロへキノンのようなケトン;ならびにアセトニトリル、プロピオニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミドおよびN-メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒から選択される。反応は通常-20~120℃、または0~80℃で行なうことができ、反応時間は通常約0.5~約48時間、または約1~約24時間である。典型的なハロゲン化は国際公開第2008/072745号に記載されている。同様に、RがHである式1の化合物をハロゲン化剤で処理してRがClまたはBrである式1の化合物を提供することができる。
【0184】
式2のピラゾールカルボン酸は以下の抄録に見られる参考文献を含めて文献で公知の複素環合成方法を用いて製造することができる:Rodd’s Chemistry of
Chemistry of Carbon Compounds, Vol. IVa
to IVl, S. Coffey editor, Elsevier Scientific Publishing, New York, 1973; Comprehensive Heterocyclic Chemistry, Vol. 1-7, A. R. Katritzky and C. W. Rees editors, Pergamon Press, New York, 1984; Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, Vol.
1-9, A. R. Katritzky, C. W. Rees, and E. F. Scriven editors, Pergamon Press, New York, 1996; and the series, The Chemistry of Heterocyclic Compounds, E. C. Taylor, editor, Wiley, New York。各種の複素環式酸(ピラ
ゾールカルボン酸を含む)およびそれらの合成のための一般的な方法は国際公開第98/57397号に見られる。
【0185】
式2aのピラゾールカルボン酸を製造する手順の1つの実施形態をスキーム3に示す。
【0186】
【化10】
【0187】
式6のピラゾールと式7の2-ハロピリジンの反応は所望の位置化学に対して良好な特異性で式8の1-ピリジニルピラゾールの良好な収率を与える。式8の化合物のリチウムジイソプロピルアミド(LDA)によるメタレーションと、リチウム塩の二酸化炭素によるクエンチングにより、式2aの1-(2-ピリジニル)ピラゾールカルボン酸が得られる。この方法に対する主要な参考文献としては国際公開第03/015519号参照。
【0188】
スキーム4に示されているように、式2bのピラゾールカルボン酸は、式9の適当に置換されたイミノハライドの式10の置換プロピオレートまたは式11のアクリレートによる3+2付加環化を介して製造することができる。
【0189】
【化11】
【0190】
アクリレートによる付加環化は中間体ピラゾリンのピラゾールへの付加的な酸化を必要とする。式12のエステルの加水分解により、式2bのピラゾールカルボン酸が得られる。この反応に対する適切なイミノハライドには、式9aのトリフルオロメチルイミノクロリドおよび式9bのイミノジブロミドがある。式9aのような化合物は公知である(J. Heterocycl. Chem. 1985, 22(2), 565-8)。式9bのような式9の他の化合物は公知の方法により入手可能である(Tetrahedron Letters 1999, 40, 2605)。
【0191】
式2bのピラゾールカルボン酸の別の製造方法をスキーム5に示す。
【0192】
【化12】
【0193】
式13のピラゾールは、A. Klapars, J. C. Antilla, X.
Huang and S. L. Buchwald, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 7727-7729に報告されているような方法を用いてヨウ化アリールと、またはP. Y. S. Lam, C. G. Clark,
S. Saubern, J. Adams, M. P. Winters, D.
M. T. Chan and A. Combs, Tetrahedron Lett. 1998, 39, 2941-2944に報告されているような方法を用いてアリールボロン酸と縮合させることができる。得られる式15の付加物は過マンガン酸カリウムのような酸化剤で酸化させて式2bのピラゾールカルボン酸を得ることができる。
【0194】
式6および13の出発ピラゾールは公知の化合物であるか、または公知の方法に従って製造することができる。例えば、式6aのピラゾール(RがCFである式6の化合物)は文献の手順によって製造することができる(J. Fluorine Chem. 1991, 53(1), 61-70)。式6bのピラゾール(RがClまたはBrである式6の化合物)はChem. Ber. 1966, 99(10), 3350-7に記載されている手順によって製造することができる。
【0195】
式6bの化合物の製造のための有用な代わりの方法がスキーム6に描かれている。
【0196】
【化13】
【0197】
式16のスルファモイルピラゾールのn-ブチルリチウムによるメタレーションとそれに続くアニオンのヘキサクロロエタン(RがCl)または1,2-ジブロモテトラクロロエタン(RがBr)のいずれかによる直接のハロゲン化で、式17aのハロゲン化された誘導体が得られる。室温でのトリフルオロ酢酸(TFA)によるスルファモイル基の除去は容易に且つ良好な収率で進行して式6cのピラゾールが得られる。当業者には、式6cが式6bの互変異性体であることが認識されよう。
【0198】
ピラゾールカルボン酸2はまた、スキーム7に示されるように式18のピラゾリンの酸化により式19のピラゾールを得、続いてカルボン酸に加水分解することによっても製造することができる。
【0199】
【化14】
【0200】
酸化剤は過酸化水素、有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、モノ過硫酸カリウム(例えば、Oxone(登録商標))または過マンガン酸カリウムであることができる。この酸化はテトラヒドロフラン、p-ジオキサンなどのようなエーテル、酢酸エチル、炭酸ジメチルなどのような有機エステル、またはN,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなどのような極性非プロトン性有機物を始めとする溶媒の存在下で行なうことができる。
【0201】
がClまたはBrであるハロピラゾリン18はスキーム8に示されるように式20のピラゾロンから適当なハロゲン化剤による処理により製造することができる。
【0202】
【化15】
【0203】
使用することができるハロゲン化試薬には、オキシハロゲン化リン、三ハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、塩化チオニル、ジハロトリアルキルホスホラン、ジハロトリフェニルホスホラン、塩化オキサリルおよびホスゲンがある。様々な実施形態において、ハロゲン化試薬はオキシハロゲン化リンおよび五ハロゲン化リンである。このハロゲン化の典型的な溶媒には、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロブタンなどのようなハロゲン化されたアルカン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼンなどのような芳香族溶媒、テトラヒドロフラン、p-ジオキサン、ジエチルエーテル、などのようなエーテル、およびアセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、などのような極性非プロトン性溶媒がある。場合により、トリエチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリンなどのような有機塩基を加えることができる。N,N-ジメチルホルムアミドのような触媒の添加も1つの選択肢である。
【0204】
あるいは、Rがハロゲンである式18の化合物は、Rが異なるハロゲン(例えば、RがBrである式18を作成するにはCl)またはメタンスルホネート、ベンゼンスルホネートもしくはp-トルエンスルホネートのようなスルホネート基である対応する式18の化合物を、それぞれ臭化水素または塩化水素で処理することにより製造することができる。この方法により式18の出発化合物上のRハロゲンまたはスルホネート置換基はそれぞれ臭化水素または塩化水素に由来するBrまたはClで置き換えられる。RがClまたはBrである式18の出発化合物は既に記載したように対応する式20の化合物から製造することができる。Rがスルホネート基である式18の出発化合物は同様に、ジクロロメタンのような適切な溶媒中でのスルホニルクロリド(例えば、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、またはp-トルエンスルホニルクロリド)および第三アミン(例えば、トリエチルアミン)のような塩基による処理のような標準的な方法により、対応する式20の化合物から製造することができる。
【0205】
がOCHFまたはOCHCFである式2cのピラゾールカルボン酸はスキーム9に概要が示されている方法により製造することができる。
【0206】
【化16】
【0207】
この方法では、スキーム8に示されたようにハロゲン化する代わりに、式20の化合物を式21の化合物に酸化する。この酸化の反応条件はスキーム7で式18の化合物から式19の化合物への変換について既に記載した通りである。次いで式21の化合物は塩基の存在下でCHClFからその場で製造されるジフルオロカルベンとの接触によりアルキル化されて式22の化合物を形成する。また式21の化合物は塩基の存在下でアルキル化剤CFCHLgとの接触によりアルキル化されて式24の化合物を形成することもできる。アルキル化反応は一般に溶媒中で行なわれ、溶媒としてはテトラヒドロフランまたはジオキサンのようなエーテル、およびアセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、などのよう極性非プロトン性溶媒を挙げることができる。塩基は炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは水素化ナトリウムのような無機塩基から選択することができる。様々な実施形態において、反応は溶媒としてのN,N-ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルと共に炭酸カリウムを用いて行なわれる。アルキル化剤CFCHLgで、Lgはハロゲン(例えば、Br、I)、OS(O)CH(メタンスルホネート)、OS(O)CF、OS(O)Ph-p-CH(p-トルエンスルホネート)、などのような核脱離(即ち脱離基)である。式22の生成物は抽出のような慣用の技術によって単離することができる。次いでエステルは、スキーム4で式12から式2bへの変換について既に記載した方法により式2cのカルボン酸に変換することができる。
【0208】
式20の化合物はスキーム10に概要が示されているように式25の化合物から製造す
ることができる。
【0209】
【化17】
【0210】
この方法では、式25のヒドラジン化合物を塩基および溶媒の存在下で式26の化合物(フマル酸エステルもしくはマレイン酸エステルまたはこれらの混合物が使用される)と接触させる。塩基は通例ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド、リチウムtert-ブトキシド、などのような金属アルコキシド塩である。アルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどのような極性プロトン性および極性非プロトン性有機溶媒を使用することができる。様々な実施形態において、溶媒はメタノールおよびエタノールのようなアルコールである。他の実施形態において、アルコールはフマル酸またはマレイン酸エステルおよびアルコキシド塩基に対応する(即ち構成するものと同じである)。反応条件および単離の手段に応じて、式20の化合物上の-COR官能基は-COHに加水分解され;例えば、反応混合物中の水の存在はかかる加水分解を促進することができる。カルボン酸(-COH)が形成されたら、当技術分野で周知のエステル化方法を用いてRがC~Cアルキルである-CORに変換して戻すことができる。望ましい生成物である式20の化合物は結晶化、抽出または蒸留のような当業者に公知の方法により単離することができる。
【0211】
がQで置換された5または6員の芳香族複素環で置換されたC~Cアルキである式2dの化合物は国際公開第2007/144100号に記載されている方法に従って製造することができる。Rが場合によりハロゲン、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよいテトラゾールで置換されたC~Cアルキルである式2eの化合物は国際公開第2010/069502号に記載されている方法に従って製造することができる。
【0212】
スキーム11に示されているように、式2eの化合物は例えば、Q、RおよびRが上記の意味を有し、RがC~Cアルキルを表わし、RがHまたはC~Cアルキルを表わす式27のピラゾールカルボン酸エステルを、不活性希釈剤(例えばジオキサン/水またはエタノール/水)の存在下でアルカリ金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)と反応させ、続いて酸性化することにより製造することができる。式27のピラゾールカルボン酸エステルは、例えば、Q、R、RおよびRが上記の意味を有し、Zが塩素、臭素、ヨウ素、メチルスルホニルまたはトルエンスルホニルを表わす式28のピラゾールカルボン酸エステル誘導体を、Qが上記の意味を有する式29のテトラゾールと、塩基(例えば水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
セシウム、ナトリウムメトキシド、トリエチルアミンまたは水素化ナトリウム)の存在下、溶媒(例えばテトラヒドロフラン、トルエン、アセトン、アセトニトリル、メタノール、ジメチルホルムアミドまたはジオキサン)の存在下で反応させることにより製造することができる。典型的な手順は国際公開第2010/069502号に開示されている。式29のテトラゾールは公知で、市販されているか、または公知の方法(例えば、国際公開第2004/020445号;William P. Norris, J. Org.
Chem., 1962, 27 (9), 3248-3251; Henry C. Brown, Robert J. Kassal, J. Org. Chem., 1967, 32 (6), 1871-1873; Dennis P. Curran, Sabine Hadida, Sun-Young Kim, Tetrahedron, 1999, 55 (29), 8997-9006; L. D. Hansen, E. J. Baca, P. Scheiner, Journal
of Heterocyclic Chemistry, 1970, 7, 991-996参照)により製造することができる。あるいは、式28aの化合物はZがHである式28の化合物から、N-クロロスクシンイミドまたはN-ブロモスクシンイミドのような活性なハロゲン化合物を用いて過酸化ベンゾイルまたはAIBNのようなラジカル開始剤の存在下で臭素化または塩素化により製造することができる。典型的な手順は国際公開第2016014463号、国際公開第2012112946号および国際公開第2016023832号に開示されている。式2fの化合物は、Zがハロゲンである式28aの化合物から、不活性希釈剤(例えばジオキサン/水またはエタノール/水)の存在下でアルカリ金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)による処理により製造することができる。
【0213】
【化18】
【0214】
スキーム12に示されるように、式28のピラゾールカルボン酸エステルは、例えば、R、R、RおよびRが上記の意味を有する式30のアルコール誘導体を、スルホニルクロリド(例えばメチルスルホニルクロリドまたはトルエンスルホニルクロリド)またはハロゲン化剤(例えば塩化チオニル)と、適当であれば溶媒(例えばジクロロメタン)の存在下、また適当であれば塩基(例えばトリエチルアミンまたはピリジン)の存在下で反応させることによって製造することができる。式30のアルコール誘導体は、例えば、R、R、RおよびRが上記の意味を有する式31のケトン誘導体を、適切な還元剤(例えば水素化ホウ素ナトリウム)と溶媒(例えばエタノール)の存在下で反応させることによって製造することができる。式31のケトン誘導体は、例えば、R、RおよびRが上記の意味を有し、Yが塩素または臭素を表わす式32のピラゾール誘導体を、RがHまたはC~C-アルキルを表わす式33のスズ誘導体と、遷移金属(例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))および塩(例えば塩化リチウム)の存在下、溶媒(例えばテトラヒドロフラン)の存在下で反応させることによって製造することができる。式33のスズ誘導体は公知であり、および/または市販されている。式32のピラゾール誘導は公知であるかまたは公知の方法により入手することができる(例えば、国際公開第2004/033468号、国際公開第2003/015518号および国際公開第2003/016283号参照)。
【0215】
【化19】
【0216】
式3aのアニリンは、L. H. Sternbach et al., J. Org. Chem. 1971, 36, 777-781に記載されているような手順により、スキーム13に示されるように、式34のイサト酸無水物とのアンモニアまたは式35のアルキルアミンとの反応で製造することができる。
【0217】
【化20】
【0218】
式34のイサト酸無水物は、化学文献に十分に記載されている様々な公知の方法によって作成することができる。例えば、イサト酸無水物はアントラニル酸とホスゲンまたはホスゲン等価体との反応を含む環化によって対応するアントラニル酸から入手可能である。方法の主要な参考文献としては、Coppola, Synthesis 1980, 505およびFabis et al., Tetrahedron, 1998, 10789参照。
【0219】
式34のイサト酸無水物の合成はまた、スキーム14に概要が示されているように式37のイサチンから達成することもできる。
【0220】
【化21】
【0221】
式37のイサチンはF. D. Popp, Adv. Heterocycl. Chem. 1975, 18, 1-58およびJ. F. M. Da Silva et al., Journal of the Brazilian Chemical
Society 2001, 12(3), 273-324のような文献の手法に従って式36のアニリン誘導体から入手可能である。過酸化水素によるイサチン30の酸化は一般に対応するイサト酸無水物28の良好な収率を与える(G. Reissenweber and D. Mangold, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1980, 19, 222-223)。
【0222】
スキーム15に示されるように、RがCl、BrまたはIである式37のイサチンはまた式38の5-非置換のイサチンからハロゲン化によっても入手可能である。次いでシアン化物置換により、式37a(RがCNである式37)のイサチンを得ることができる。
【0223】
【化22】
【0224】
ハロゲン化反応は文献で知られている多くの試薬および手法を用いて行うことができる。適切な試薬には、元素ハロゲン(塩素、臭素、またはヨウ素)、トリクロロイソシアヌル酸、N-クロロスクシンイミド(NCS)、N-ブロモスクシンイミド(NBS)またはN-ヨードスクシンイミド(NIS)のような「陽性ハロゲン」試薬、ならびに過酸化水素およびハロゲン化水素を含む混合物のようなハロゲン化試薬がある。RがCl、BrまたはIである式37のイサチンの5位のハロゲンは文献で知られている方法を用いてシアン化物により置き換えることができる。これらの方法は、通常金属化合物を、多くの場合置換ホスフィンまたは置換ビスホスフィノアルカンのようなリガンドの存在下で使用するシアン化物塩の使用を含む。適切な方法には、P. E. Maligres et al., Tetrahedron Letters 1999, 40, 8193-8195、およびM. Beller et al., Chem. Eur. J. 2003, 9(8), 1828-1836に記載されているようなパラジウムの化合物を使用するもの;S. L. Buchwald in J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 2890-2891に記載されているような銅の化合物を使用するもの;ならびに欧州特許第384392号、ならびにK. Sasaki in Bull. Chem. Soc. Japan 2004, 77, 1013-1019、およびR. K. Arvela and N. E. Leadbeater in J. Org. Chem. 2003, 68, 9122-9125に記載されているようなニッケルの化合物を使用するものがある。当業者には認識されるように、RがClであるとき、シアノ化(即ちハロゲンのシアン化物による置換)における選択性を得るために式27のRはBrまたはIであり得る。
【0225】
スキーム16に示されるように、式3aのアニリンは通例対応する式32の2-ニトロ安息香酸(またはエステル)からニトロ基の接触水素化とそれに続く式33のアントラニル酸エステルとアンモニアまたはアルキルアミンとの反応によって入手可能である。
【0226】
【化23】
【0227】
典型的な還元手順はエタノールおよびイソプロパノールのようなヒドロキシル溶媒中パラジウム炭素または酸化白金のような金属触媒の存在下での水素による還元を含む。還元はまた酢酸中亜鉛の存在下で行なうこともできる。ニトロ基を還元するためのこれらの方法は化学文献に十分に記載されている。カルボン酸、エステル、およびアミドの相互変換のための多くの方法も化学文献に十分に記載されている。
【0228】
スキーム17に示されるように、式3aのアニリンはまた式41の5-非置換のアニリンからハロゲン化によっても入手可能でありRがBr、ClまたはIである式3aのアニリンが得られ、場合によりシアン化物置換によって式3c(RがCNである式3)のアニリンを提供する。
【0229】
【化24】
【0230】
適切な方法および手順は文献で公知であり、スキーム13に示したハロゲン化およびシアン化物置換に対して記載されたのと同様である。当業者には認識されるように、ハロゲン化およびシアノ化はまた式3のアニリンの製造において他の段階で実施することもできる。
【0231】
式3cのチオアミドはそのアミド類似体3aの加硫により製造することができる(スキーム18)。方法は、加硫試薬によるアミドの直接処理または求電子性試薬によるアミドの事前活性化のいずれかによって進行するとして分類することができる。前者の方策を使用する方法は、添加剤を伴うかまたは伴わないP10によるアミドの処理、および塩化ジエチルチオカルバモイル、エチルアルミニウムスルフィド、硫化ホウ素、またはLawesson’s試薬の使用を含む。最近、市販のジアミン樹脂およびジクロロチオリン酸エチルから製造されるポリマー担持加硫試薬もマイクロ波照射を含む手法と共に開示された。アミドの事前活性化を介して進行する方法は塩化オキサリルまたはオキシ塩化リン
とテトラチオモリブデン酸ベンジルトリエチルアンモニウム、オキシ塩化リンとヘキサメチルジシラチアン、およびテトラフルオロホウ酸トリアルキルオキソニウムと水硫化ナトリウムの組合せならびに水性硫化アンモニウムとピリジンおよびトリフリン酸無水物によるアミドによる処理から生じるピリジニウム塩との反応を含む。Brillon, D.
Sulfur Rep. 1992, 12, 297; Hartke, K.; Gerber, H.-D. J. Prakt. Chem. 1996, 338,
763; Raucher, S.; Klein, P. J. Org. Chem. 1981, 46, 3558; Scheeren, J. W.; Ooms, P. H. J.; Nivard, R. J. F. Synthesis 1973, 149; Brillon, D. Synth. Commun. 1990, 20, 3085; Goel, O. P.; Krolls, U. Synthesis 1987, 162; Curphey, T. J. J. Org.
Chem. 2002, 67, 6461; Ogata, M.; Matsumoto, H. Heterocycles 1978, 11, 139; Hirabayashi, T.; Inoue, K.; Yokota, K. J. Organomet. Chem. 1975, 92, 139; Steliou, K.; Mrani, M. J. Am. Chem. Soc. 1982, 104, 3104; Wojtkowski, P. W.; Dolfini, J. E.; Kocy, O.; Cimarusti, C. M. J. Am. Chem. Soc. 1975, 97, 5628; Cava, M. P.; Levinson, M. I. Tetrahedron 1985, 41, 5061;
Ley, S. V.; Leach, A. G.; Storer, R. I.
J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 2001, 358; Varma, R. S.; Kumar, D. Org. Lett. 1999, 1, 697; Ilankumaran, P.; Ramesha, A.
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348; Bodine, J. J., Kaloustian, M. Synth. Commun. 1982, 12, 787 and Charette, A. B., Grenon, M., J. Org. Chem. 2003, 68, 5792-5794参照。
【0232】
【化25】
【0233】
がCHである(RのサブセットはC~Cアルキルである)式1aの化合物は連続プロセスを用いてRがCHであり、Rは先に定義した通りである式2の化合物と適切な式3の化合物とから製造することができる。スキーム19に示される
ように、式1aの化合物は式28aの化合物について上に記載したハロゲン化により1bの化合物に変換することができる。あるいは、連続プロセスを用いて、RがHであり、ZがClまたはBrである式28bの化合物を式2の化合物と合わせて式1bの化合物を提供することができる。式1bの化合物を式29のテトラゾールで処理して式1cの化合物を提供することができる。
【0234】
【化26】
【0235】
式2および3の化合物を製造するための上に記載した幾つかの試薬および反応条件が中間体に存在する幾つかの官能基と適合しない可能性があることが認識される。これらの場合、保護/脱保護配列または官能基相互変換の合成への組み込みは所望の生成物を得る役に立つ。保護基の使用および選択は化学合成の熟練者には明白である(例えば、Greene, T. W.; Wuts, P. G. M. Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd ed.; Wiley: New York, 1991参照)。当業者には認識されるように、場合によって、個々のスキームに示されている通り所与の試薬の導入後、式2および3の化合物の合成を完了するために、詳細には記載されていない追加のありふれた合成工程を実行する必要があることがある。また当業者には認識されるように、式2および3の化合物を製造するために提示された特定の配列により示される以外の順序で上記スキームに示されている工程の組合せを実行する必要があることがある。また同様に当業者には認識されるように、本明細書に記載されている式2および3の化合物ならびに中間体を様々な求電子性、求核性、ラジカル、有機金属、酸化、および還元反応に供して、置換基を加えたり、または存在する置換基を修飾したりすることができる。
【0236】
更に詳細に説明することなく、当業者は以上の記載に基づいて本開示の方法を最大限に利用することができると考えられる。従って、以下の実施例は、単に例示であって、いかなる意味でも本開示を限定するものではないと解釈されたい。以下の実施例中の工程は全合成変換における各工程の手順を示しており、各工程の出発材料は必ずしも他の実施例または工程に記載されている手順による特定の製造例の実施で製造されなくてもよい。パーセントはクロマトグラフ溶媒混合物または他に示されている場合を除いて重量による。ク
ロマトグラフ溶媒混合物に対する部およびパーセントは別段の指示がない限り容量による。H NMRスペクトルはテトラメチルシランからの低磁場側でのppmで表され、sはシングレット、dはダブレット、mはマルチプレットである。生成物の定量HPLCはAce C18またはC4 Ultra Inert(登録商標)クロマトグラフィーカラム(MacMod Analytical Inc., Chadds Ford, PA 19317製逆相カラム)(3μm粒径、4.6mm×15cm、溶離液5~80%アセトニトリル/pH3リン酸緩衝液)を用いて行なった。
【実施例0237】
2-段階CSTR反応ゾーンおよび続く1-段階CSTRクエンチゾーンを室温で用いた3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの製造
アセトニトリル(262g)、国際公開第2003/015519号と同様にして製造した3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(230g、0.8mol)、および国際公開第2006/062978号と同様にして製造した2-アミノ-5-クロロ-N,3-ジメチルベンズアミド(152g、0.77mol)、および3-ピコリン(180g、2mol)をジャケット付き撹拌槽内で一緒に混合した。混合物を全ての固形分が溶けるまで加熱した。この溶液を次いで反応器1(反応ゾーン1)、200mLのジャケット付き撹拌槽に1.7g/minの速度で連続的にポンプで送った。更に、メタンスルホニルクロリドを0.21g/minの速度で反応器1にポンプで送った。反応器1内の容量レベルを100mLに制御し、温度を25℃に維持した。反応器1の中味を1.9g/minの平均速度で反応器2(反応ゾーン2)に供給した。反応器2は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは100mLに制御した。反応器2からの材料を1.9g/minの平均速度で反応器3(クエンチゾーン)にポンプで送り、水も平均して0.23g/minの速度で反応器3にポンプで送った。反応器3は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に、レベルは100mLに維持した。生成物を連続した速度で反応器3から取り出し、ろ過した。回収した固形分を5:1のアセトニトリル:水で、次いでアセトニトリルで洗浄し、窒素下で乾燥して標題化合物を淡褐色の粉末として得た。生成物の純度は98.6wt%、収率は90%超であった。全ケーキ抵抗(cake resistance)は、典型的なバッチプロセスの15.9×10ft/lbと比較して6.7×10ft/lbであった。
1H NMR (CDCl3) δ 2.18 (s, 3H), 2.95 (s, 3H), 6.21 (m, 1H), 7.10 (s, 1H), 7.24 (m, 2H), 7.39 (m, 1H), 7.80 (d, 1H), 8.45 (d, 1H).
【実施例0238】
反応ゾーンの異なる温度の2つのCSTRおよびそれに続く単一のCSTRクエンチゾーンを用いた3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの製造
アセトニトリル(420g)、国際公開第2003/015519号と同様にして製造した3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(249g、0.82mol)、および国際公開第2006/062978号と同様にして製造した2-アミノ-5-クロロ-N,3-ジメチルベンズアミド(168g、0.85mol)、および3-ピコリン(200g、2.14mol)をジャケット付き撹拌槽で一緒に混合した。混合物を全ての固形分が溶けるまで加熱した。この溶液を次いで1.4g/minの速度で反応器1(反応ゾーン1)、200mLのジャケット付き撹拌槽に連続的にポンプで送った。更に、メタンスルホニルクロリドを0.15g/minの速度で反応器1にポンプで送った。反応器1内の容量レベルを100mLに制御し、温度
を50℃に維持した。反応器1の中味を1.55g/minの平均速度で反応器2(反応ゾーン1)に供給した。反応器2は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは100mLに制御した。反応器2からの材料を1.55g/minの平均速度で反応器3(クエンチゾーン)にポンプで送り、水も0.17-g/minの平均の速度で反応器3にポンプで送った。反応器3は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に、レベルは100mLに維持した。生成物を連続した速度で反応器3から取り出し、ろ過した。回収した固形分を5:1のアセトニトリル:水で、次いでアセトニトリルで洗浄し、窒素下で乾燥して標題化合物を淡褐色の粉末として得た。生成物の純度は98.8wt%、収率は90%.超であった。全ケーキ抵抗は典型的なバッチプロセスの15.9×10ft/lbと比較して7.0×10ft/lbであった。
1H NMR (CDCl3) δ 2.18 (s, 3H), 2.95 (s, 3H), 6.21 (m, 1H), 7.10 (s, 1H), 7.24 (m, 2H), 7.39 (m, 1H), 7.80 (d, 1H), 8.45 (d, 1H).
【実施例0239】
12分の滞留時間の2つのCSTR反応ゾーンおよびそれに続く単一のCSTRクエンチゾーンを用いた3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの製造
アセトニトリル(532g)、国際公開第2003/015519号と同様にして製造した3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(79g、0.26mol)、および国際公開第2006/062978号と同様にして製造した2-アミノ-5-クロロ-N,3-ジメチルベンズアミド(53g、0.27mol)、および3-ピコリン(63g、68mol)をジャケット付き撹拌槽内で一緒に混合した。混合物を全ての固形分が溶けるまで加熱した。この溶液を次いで8.09g/minの速度で反応器1(反応ゾーン1)、200mLのジャケット付き撹拌槽に連続的にポンプで送った。更に、メタンスルホニルクロリドを0.40g/minの速度で反応器1にポンプで送った。反応器1内の容量レベルを100mLに制御し、温度を25℃に維持した。反応器1の中味を8.49g/minの平均速度で反応器2(反応ゾーン1)に供給した。反応器2は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは100mLに制御した。反応器2からの材料を8.49g/minの平均速度で反応器3(クエンチゾーン)にポンプで送り、水も平均して3.19g/minの速度で反応器3にポンプで送った。反応器3は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは150mLであった。生成物を反応器3から連続した速度で取り出し、ろ過した。回収した固形分を5:1のアセトニトリル:水で、次いでアセトニトリルで洗浄し、窒素下で乾燥して標題化合物を淡褐色の粉末として得た。生成物純度は98.5wt%、収率は90%超であった。
1H NMR (CDCl3) δ 2.18 (s, 3H), 2.95 (s, 3H), 6.21 (m, 1H), 7.10 (s, 1H), 7.24 (m, 2H), 7.39 (m, 1H), 7.80 (d, 1H), 8.45 (d, 1H).
【実施例0240】
2.5分の滞留時間の2つのCSTR反応ゾーンおよびそれに続く単一のCSTRクエンチゾーンを用いた3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの製造
アセトニトリル(1506g)、国際公開第2003/015519号と同様にして製造した3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(175g、0.58mol)、および国際公開第2006/062978号と同様にして製造した2-アミノ-5-クロロ-N,3-ジメチルベンズアミド(119g、0.60mol)、および3-ピコリン(140g、1.51mol)をジャケット付き
撹拌槽内で一緒に混合した。混合物を全ての固形分が溶けるまで加熱した。この溶液を次いで32g/minの速度で反応器1(反応ゾーン1)、200mLのジャケット付き撹拌槽に連続的にポンプで送った。更に、メタンスルホニルクロリドを1.6g/minの速度で反応器1にポンプで送った。反応器1内の容量レベルを100mLに制御し、温度を35℃に維持した。反応器1の中味を51g/minの平均速度で反応器2(反応ゾーン1)に供給した。反応器2は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは100mLに制御した。反応器2からの材料を51g/minの平均速度で反応器3(クエンチゾーン)にポンプで送り、水も平均して13-g/minの速度で反応器3にポンプで送った。反応器3は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは150mLであった。生成物を反応器3から連続した速度で取り出し、ろ過した。回収した固形分を5:1のアセトニトリル:水で、次いでアセトニトリルで洗浄し、窒素下で乾燥して標題化合物を淡褐色の粉末として得た。生成物純度は98.56wt%であった。
1H NMR (CDCl3) δ 2.18 (s, 3H), 2.95 (s, 3H), 6.21 (m, 1H), 7.10 (s, 1H), 7.24 (m, 2H), 7.39 (m, 1H), 7.80 (d, 1H), 8.45 (d, 1H).
【実施例0241】
2つのCSTR反応ゾーンおよびそれに続く単一のCSTRクエンチゾーンを用いた3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの製造
アセトニトリル(609g)、国際公開第2003/015519号と同様にして製造した3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(36g、0.12mol)、および2-アミノ-5-シアノ-N,3-ジメチルベンズアミド(24g、0.13mol)、および3-ピコリン(33g、0.36mol)をジャケット付き撹拌槽内で一緒に混合した。混合物を全ての固形分が溶けるまで加熱した。この溶液を次いで2.0g/minの速度で反応器1(反応ゾーン1)、200mLのジャケット付き撹拌槽に連続的にポンプで送った。更に、メタンスルホニルクロリドを0.05g/minの速度で反応器1にポンプで送った。反応器1内の容量レベルを130mLに制御し、温度を25℃に維持した。反応器1の中味を2.1g/minの平均速度で反応器2(反応ゾーン1)に供給した。反応器2は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは130mLに制御した。反応器2からの材料を2.1g/minの平均速度で反応器3(クエンチゾーン)にポンプで送り、酸性水も平均して0.21-g/minの速度で反応器3にポンプで送った。反応器3は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは170mLであった。生成物を反応器3から連続した速度で取り出し、水酸化ナトリウムで中性にし、ろ過した。回収した固形分を5:1のアセトニトリル:水で、次いでアセトニトリルで洗浄し、窒素下で乾燥して標題化合物を淡褐色の粉末として得た。生成物純度は94.7面積%であった。
【実施例0242】
3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの製造:2つのMSC供給口を備えた2つのCSTR反応ゾーンおよびそれに続く単一のCSTRクエンチゾーンを用いたスラリー供給
アセトニトリル(420g)、国際公開第2003/015519号と同様にして製造した3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(249g、0.82mol)、および国際公開第2006/062978号と同様にして製造した2-アミノ-5-クロロ-N,3-ジメチルベンズアミド(168g、0.85mol)、および3-ピコリン(200g、2.14mol)をジャケット付き撹
拌槽内室温で一緒に混合した。このスラリーを次いで1.4g/minの速度で反応器1(反応ゾーン1)、200mLのジャケット付き撹拌槽に連続的にポンプで送った。更に、メタンスルホニルクロリドを0.08g/minの速度で反応器1にポンプで送った。反応器1内の容量レベルを100mLに制御し、温度を25℃に維持した。反応器1の中味を1.48g/minの平均速度で反応器2(反応ゾーン1)に供給した。更に、メタンスルホニルクロリドの流れを0.07-gminの速度で反応器2にポンプで送った。反応器2は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは200mLに制御した。反応器2からの材料を1.55g/minの平均速度で反応器3(クエンチゾーン)にポンプで送り、水も平均して0.17-g/minの速度で反応器3にポンプで送った。反応器3は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは50mLであった。生成物を連続した速度で反応器3から取り出し、ろ過した。回収した固形分を5:1のアセトニトリル:水で、次いでアセトニトリルで洗浄し、窒素下で乾燥して標題化合物を淡褐色の粉末として得た。
【実施例0243】
3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの製造:PFRおよびCSTRの組合せ反応ゾーンならびにそれに続く単一のCSTRクエンチゾーンを用いる
アセトニトリル(420g)、国際公開第2003/015519号と同様にして製造した3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(249g、0.82mol)、および国際公開第2006/062978号と同様にして製造した2-アミノ-5-クロロ-N,3-ジメチルベンズアミド(168g、0.85mol)、および3-ピコリン(200g、2.14mol)をジャケット付き撹拌槽内室温で一緒に混合した。このスラリーを次いで、反応器1(反応ゾーン1)、内部混合ゾーンを有する17mLのジャケット付き栓流反応器に、4.2g/minの速度で連続的にポンプで送った。更に、メタンスルホニルクロリドを0.45g/minの速度で反応器1に共に供給した。反応器1の温度を70℃に維持し、反応器の出口を4.65g/minの平均速度で反応器2(反応ゾーン2)に供給した。反応器2は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は50℃に維持し、レベルは50mLに制御した。反応器2からの材料を4.65g/minの平均速度で反応器3(クエンチゾーン)にポンプで送り、水も平均して0.61-g/minの速度で反応器3にポンプで送った。反応器3は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は25℃に維持し、レベルは200mLであった。生成物を反応器3から連続した速度で取り出し、ろ過した。回収した固形分を5:1のアセトニトリル:水で、次いでアセトニトリルで洗浄し、窒素下で乾燥して標題化合物を淡褐色の粉末として得た。
【実施例0244】
3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの製造:単一のCSTR反応ゾーンおよびそれに続く単一のCSTRクエンチゾーンを用いる
アセトニトリル(420g)、国際公開第2003/015519と同様にして製造した3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(249g、0.82mol)、および国際公開第2006/062978号と同様にして製造した2-アミノ-5-クロロ-N,3-ジメチルベンズアミド(168g、0.85mol)、および3-ピコリン(200g、2.14mol)をジャケット付き撹拌槽内室温で一緒に混合した。このスラリーを次いで1.4g/minの速度で反応器1(反応ゾーン)、200mLのジャケット付き撹拌槽に連続的にポンプで送った。更に、メタンスルホニルクロリドを0.15g/minの速度で反応器1にポンプで送った。反応
器1内の容量レベルを100mLに制御し、温度を25℃に維持した。反応器1の中味を1.55g/minの平均速度で反応器2(クエンチゾーン)に供給し、水も平均して0.17-g/minの速度で反応器2にポンプで送った。反応器2は200mLのジャケット付き撹拌槽であり、温度は10℃に維持し、レベルは100mLであった。生成物を連続した速度で反応器2から取り出し、ろ過した。回収した固形分を5:1のアセトニトリル:水で、次いでアセトニトリルで洗浄し、窒素下で乾燥して標題化合物を淡褐色の粉末として得た。
【0245】
実施例1~8と同様な手順を用いて、ZがNであり、RがCH(5-CF-2H-テトラゾール-2-イル)であり、RがClであり、RがHである式2の化合物、およびXがOであり、RがCHであり、RがCNであり、Rがメチルである式3の化合物を連続プロセスで合わせて、XがOであり、ZがNであり、RがCHであり、RがCNであり、Rがメチルであり、RがCH(5-CF-2H-テトラゾール-2-イル)であり、RがClであり、RがHである式1の化合物(即ち、1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-3-[[5-(トリフルオロメチル)-2H-テトラゾール-2-イル]メチル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドを製造する。
【0246】
実施例1~8と同様な手順を用いて、ZがNであり、RがBrであり、RがClであり、RがHである式2の化合物、およびXがOであり、RがBrであり、RがClであり、Rが1-シクロプロピルエチルである式3の化合物を連続プロセスで合わせて、XがOであり、ZがNであり、RがBrであり、RがClであり、Rが1-シクロプロピルエチルであり、RがBrであり、RがClであり、RがHである式1の化合物(即ち、3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[[(1-シクロプロピルエチル]アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)を製造する。
【0247】
当技術分野で公知の方法と合わせて本明細書に記載されている手順により、以下の表1~227の化合物を製造し本開示の方法に使用することができる。以下の表では次の略語を使用する:tは第三を意味し、sは第二を意味し、nはノーマルを意味し、iはイソを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピルを意味し、i-Prはイソプロピルを意味し、c-Prはシクロプロピルを意味し、Buはブチルを意味する。
【0248】
【表1-1】
【表1-2】
【0249】
本開示はまた上記表1と同様に構成された表2も含み、但し式3aは下に示す式3cと置き換えられている。例えば、表2中の第1のものはRがCHであり、RがClであり、RがHである式3cの化合物である。
【0250】
【化27】
【0251】
【表2-1】
【表2-2】
【0252】
本開示はまた、各々が上記表3と同様に構成された表4~7も含み、但し表3の最上行(即ちZはNであり、)は表4~7では以下に示すそれぞれの最上行と置き換えられる。例えば、表4の第1のものはZがCRであり、RがHであり、RがCFであり、RがFであり、RがHである式2の化合物である。表5~7は同様に構成されている。
【0253】
【表3】
【0254】
表8は、本開示の方法に従って式1の化合物を製造する特定の変換を示す。
【0255】
【表4-1】
【表4-2】
【0256】
本開示はまた各々が上記表8と同様に構成された表9~227も含み、但し表8中の最上行(即ちXはOであり、ZはNであり、RはCHであり、RはClであり、RはHであり、)は表9~227では以下に示すそれぞれの最上行と置き換えられる。例えば、表9中の第1のものはXがOであり、ZがNであり、RがCHであり、RがClであり、RがHであり、RがCFであり、RがFであり、RがHである式1の化合物である。表10~227は同様に構成されている。
【0257】
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【表5-5】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】
[式中、
XはOまたはSであり;
ZはCRまたはNであり;
はH、CH、ClまたはBrであり;
はH、Br、ClまたはCNであり;
はH、C~CアルキルまたはC~C10シクロアルキルアルキルであり;
はCl、Br、OCFH、OCHCF;または場合によりハロゲンで置換されていてもよいC~Cアルキル;またはQで置換されたC~Cアルキルであり;
はF、ClまたはBrであり;
はH、FまたはClであり;
はH、F、ClまたはBrであり;
Qは場合によりハロゲン、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい5または6員の芳香族複素環式環である]
の化合物を製造する方法であって:
(1)式2
【化2】
[式中、Z、R、R、R、R、およびQは式1の化合物に対して定義されている通りである]
のカルボン酸化合物;および
(2)式3
【化3】
[式中、X、R、RおよびRは式1の化合物に対して定義されている通りである]のアニリン化合物;
(3)スルホニルクロリドを、
(4)場合により塩基または溶媒の存在下で合わせて、式1の化合物を形成すること
を含み;
該方法は連続プロセスを含む、前記方法。
【外国語明細書】