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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170636
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】カートリッジ式の自動注射器
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20241203BHJP
   A61B 50/30 20160101ALI20241203BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20241203BHJP
   A61M 5/28 20060101ALI20241203BHJP
   A61M 5/24 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
A61M5/20 510
A61B50/30
A61M5/32 510H
A61M5/28 530
A61M5/24 540
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024159352
(22)【出願日】2024-09-13
(62)【分割の表示】P 2021549202の分割
【原出願日】2020-02-21
(31)【優先権主張番号】1902355.5
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】514207337
【氏名又は名称】ゼンジーレ・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン ダン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】皮下、筋肉内または皮内注射による薬剤の投与および自己投与用のかつ薬剤溶液または懸濁液用の自動注射器を提供する。
【解決手段】自動注射器101は、組立てを簡単にするために3つのモジュールを備えてよく、モジュールは、主に、ストッパおよび隔壁104を有する標準的なカートリッジモジュールと、カートリッジストッパ104に押し付けられ内容物を加圧する電源およびインジケータモジュールと、注射進行インジケータと、2つの針から成る針シャトル120と、を含み、1つの針121は注射針であり、もう1つの針121は隔壁針である。針ガード131は、針121が常に覆われ、これにより、注射の前後に針121を隠し、使用後の針刺し損傷を防止することを保証する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動注射器であって、
一方の端部における可動プランジャと、他方の端部におけるシールおよび金属圧着部と、によって薬剤内容物が閉じ込められているバレルから成る標準的なカートリッジを保持する外側ケーシングと、
前記カートリッジの前記可動プランジャを押圧して、前記薬剤内容物を加圧する付勢手段と、
互いに取り付けられかつ接続された2つの針を含む、前記ケーシング内に保持された針シャトルであって、第1の針は注射針であり、第2の針は隔壁針である、針シャトルと、
挿入されたときに前記カートリッジをその正しい位置に保持するための手段と、
前記外側ケーシングに保持された針ガードであって、前記針が当該針ガードによって常に覆われているように外方へ付勢されている針ガードと、
を備える、自動注射器。
【請求項2】
前記針ガードが二回目に押し戻されることを防止するロッキング機構をさらに備える、請求項1記載の自動注射器。
【請求項3】
前記可動プランジャに取り付けられたインジケータロッドをさらに備える、請求項1または2記載の自動注射器。
【請求項4】
前記インジケータロッドは、ばねの形態の前記付勢手段を内部に含む閉鎖された端部を有し、前記外側ケーシングは、注射進行の進行および状態を監視することを可能にする透明な部分を備える、請求項3記載の自動注射器。
【請求項5】
3つのサブアセンブリ、すなわち、
カートリッジサブアセンブリと、
電源およびインジケータアセンブリと、
針および針ガードアセンブリと、
を備える、請求項1から4までのいずれか1項記載のモジュール式の自動注射器。
【請求項6】
前記カートリッジサブアセンブリは、バレルと、プランジャおよび圧着された隔壁によって画定された薬剤容積と、を備える、請求項4または5記載のモジュール式の自動注射器。
【請求項7】
前記電源およびインジケータサブアセンブリは、付勢手段と、リアケーシング内に保持されたインジケータロッドとを備える、請求項4から6までのいずれか1項記載のモジュール式の自動注射器。
【請求項8】
前記インジケータロッドは、前記可動プランジャと共に移動するように、前記可動プランジャに接続されている、請求項7記載のモジュール式自動注射器。
【請求項9】
前記電源およびインジケータサブアセンブリの前記付勢手段は、ばねロッキング部材をさらに備えるばねである、請求項6から8までのいずれか1項記載のモジュール式の自動注射器。
【請求項10】
前記電源およびインジケータサブアセンブリは、前記ばねが前記ばねロッキング部材によってロックされている間、注射前にカートリッジ薬剤内容物を加圧するために、前記ばねよりも弱い付加的なばねをさらに備える、請求項9記載のモジュール式の自動注射器。
【請求項11】
前記針および針ガードサブアセンブリは、注射針および隔壁針を有する針シャトルを保持するケーシングと、針ガードおよびばねと、針ガードが二回目に押し戻されることを防止するロッキング機構と、挿入されたときに前記カートリッジをその正しい位置に保持するための肩部とを備える、請求項5から10までのいずれか1項記載のモジュール式の自動注射器。
【請求項12】
前記針および針ガードサブアセンブリは、シールおよび針キャップをさらに備え、前記電源およびインジケータサブアセンブリの前記付勢手段は、電気モータまたは液化ガスキャニスタまたは自身を再圧縮するための手段を有するばねであり、前記針および針ガードサブアセンブリと前記電源およびインジケータサブアセンブリとは、バヨネット嵌めまたはねじによって可逆的に接続されているかまたは互いにヒンジ結合されている、再組立て用の請求項10または11記載のモジュール式の自動注射器。
【請求項13】
請求項5から12までのいずれか1項記載のモジュール式の自動注射器を組み立てるための方法であって、
カートリッジを針および針ガードサブアセンブリ内へ挿入するステップと、
カートリッジ内の薬剤内容物が加圧されるように、接続手段を介して、電源およびインジケータサブアセンブリを、挿入された前記カートリッジを有する前記針および針ガードサブアセンブリに接続するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
予め組み立てられた装置をブリスタまたはパウチに挿入するステップと、
前記ブリスタまたはパウチを最終的な滅菌に曝すステップと
をさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記最終的な滅菌をエチレンオキシドまたは二酸化窒素によって行う、請求項14記載の組立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮下、筋肉内または皮内注射による薬剤の投与および自己投与用のかつ薬剤溶液または懸濁液用の自動注射器に関する。本願は、自己注射のために患者によってまたは医療従事者によって使用されてよい注射システムを説明する。
【0002】
自動注射器は、注射ストロークを自動化し、患者または医療従事者がプランジャロッドを作動させる必要性を排除する。
【0003】
本発明による自動注射器は、一方の端部における可動プランジャまたはストッパと、他方の端部におけるシールもしくは隔壁および金属圧着部または前記隔壁を適切な位置に保持するためのキャップと、によって薬剤内容物が閉じ込められているバレルを備える標準的なカートリッジを保持する外側ケーシングを備える。付勢手段は、カートリッジの可動プランジャまたはストッパを押圧して、これにより、薬剤内容物を加圧する。ケーシング内に保持された針シャトルは、互いに取り付けられかつ接続された2つの針を備え、第1の針は注射針であり、第2の針は隔壁針である。手段または肩部は、挿入されたときにカートリッジをその正しい位置に保持し、カートリッジが針シャトルに押し付けられることを防止する。針ガードはケーシングに接続されており、針が常に針ガードによって覆われるようにばねなどによって外方へ付勢されており、これにより、注射の前後に針を隠す。
【0004】
本発明による自動注射器は、針ガードが二回目に押し戻されることを防止する針ガードロッキング機構をさらに備えてよく、これにより、使用後の針刺し損傷を防止する。
【0005】
自動注射器は、インジケータをさらに備えてよい。インジケータは、付勢手段または可動プランジャまたはストッパに取り付けられ、ひいては、それらと共に移動するインジケータロッドの形態であってよく、これにより、注射進行の進行を指示することができる。インジケータロッドは、ロータリインジケータまたは電子インジケータまたは接続性装置などのその他のあらゆるインジケータを操作するために接続および使用されてよい。
【0006】
1つの実施形態では、インジケータは、リアケーシングを越えて、充填容積によって決定される距離まで延びており、ユーザが注射の状態を監視することを可能にする。
【0007】
好ましい実施形態では、インジケータロッドは、閉鎖された端部を有し、その中にばねを含む。外側ケーシングは、注射進行の進行および状態を監視することを可能にする部分、例えば、透明なまたはのぞき窓を有するキャップを備える。薬剤体積が完全に注射されると、インジケータはもはや見えず、注射の終了を示す。ばねをインジケータ内に配置することは、インジケータがばね内に配置されている場合よりもばねを長くすることができ、装置がより短くてよいという利点を有する。より長いばねは、より大きな平均的な力を意味し、これは、粘性薬剤の場合に有利である。
【0008】
本発明は、さらに、複数のサブアセンブリまたはモジュールから成るモジュール式に設計された自動注射器に関する。組立てを簡単にするために、モジュール式の自動注射器は、3つのサブアセンブリ、すなわち、カートリッジと、電源およびインジケータサブアセンブリと、針および針ガードサブアセンブリとを備える。
【0009】
カートリッジサブアセンブリは、バレルと、プランジャおよび圧着された隔壁によって画定された薬剤容積とを備える。
【0010】
電源およびインジケータアセンブリは、付勢手段またはばねと、リアケーシング内に保持されたインジケータロッドとを備える。本発明は、カートリッジが、電源およびインジケータサブアセンブリと組み立てられたときに可変の充填容積を有することを可能にする。
【0011】
注射プロセスの状態および進行を指示するために、インジケータロッドは、装置の組立ての際、付勢手段またはばねまたは可動プランジャまたはストッパと共に移動するように、これに接続されていてよい。
【0012】
付勢手段がばねである場合には、ばねは、ばねロッキング部材をさらに備えてよい。この場合、電源およびインジケータアセンブリは、第1のばねがばねロッキング部材によってロックされている間、注射前にカートリッジ薬剤内容物を加圧するための第2のより弱いばねをさらに備えてよい。第2のばねは、第2のばねが弛緩されたときに圧力衝撃も回避する。
【0013】
針および針ガードサブアセンブリは、注射針および隔壁針を有する針シャトルを保持し、シャトルをケーシング内に保持しているフロントケーシングと、ばねによって外方へ付勢された、針刺し損傷を防止するための針ガードと、針ガードが二回目に押し戻されることを防止するロッキング機構と、挿入されたときにカートリッジをその正しい位置に保持するための手段とを備える。
【0014】
注射針および隔壁針は、同じ直径もしくはゲージまたは異なる直径もしくはゲージを有してよい。注射針および隔壁針は、同じタイプのベベルチップまたは異なるタイプのベベルチップを有してよい。例えば、注射時間を最短にするために、隔壁針は注射針よりも大きな直径または小さなゲージであってよい。簡単にするために、1つの針が、2つの鋭い端部またはベベルと共に使用されてよい。異なる針ゲージおよび/またはベベルは、完全な注射を保証するために、隔壁針が隔壁を貫通する前に注射針が注射部位を貫通することを保証するために使用することができる。注射針の交換は、皮下、筋肉内または皮内注射のための適応を可能にする。
【0015】
モジュール式の自動注射器は、カートリッジを針および針ガードサブアセンブリ内に配置した後、カートリッジ内の薬剤内容物が加圧されるように針および針ガードサブアセンブリを電源およびインジケータサブアセンブリに接続するなど、簡単な2ステッププロセスによって組み立てられてよい。装置が一回の使用を意図したものであるならば、スナップフィットなど、モジュール式の自動注射器のサブアセンブリを互いにロックするためのあらゆる接続手段が使用されてよい。
【0016】
好ましい実施形態では、モジュール式の自動注射器は、再組立てすることができるかまたは複数回使用される。この場合、針および針ガードアセンブリと、電源およびインジケータアセンブリとは、バヨネット嵌めまたはねじによって接続されてよいかまたは可逆的な接続を可能にするように互いにヒンジ結合される。加えて、電源およびインジケータアセンブリの付勢手段は、電気モータ、液化ガスキャニスタまたは自身を再圧縮するための手段を備えたばねなど、複数回の使用を可能にする。最後に、針および針ガードアセンブリは、常に針およびカートリッジ隔壁を滅菌状態に維持するシールおよび取外し可能な針キャップを備える。
【0017】
本発明による自動注射器の実施形態は、滅菌条件下で組み立てられてよいかまたは組立て後に最終的な滅菌に曝されてよい。
【0018】
カートリッジ内の薬剤が小さな分子(非生物学的)であるならば、組み立てられた装置は、ガス、蒸気、ガンマ線などの放射線、eビームまたはその他のあらゆるものを使用してブリスタまたはパウチにおいて最終的に滅菌されてもよい。
【0019】
生物学的薬剤などの敏感な薬剤内容物を備えた装置を滅菌する場合、組み立てられた装置を備えるブリスタ/パウチは、少なくともガス透過性材料から形成された部分を有する。装置は、針およびカートリッジ隔壁の外面が滅菌されることを保証するためにガス通路を有してもよい。装置は、次いで、滅菌のためにエチレンオキシドまたは二酸化窒素などの気体環境に配置することができる。
【0020】
ガスが敏感な薬剤内容物に影響することを防止するために、カートリッジアセンブリは、好ましくは、ガス不透過性の構成要素、特にプランジャ/ストッパおよび隔壁/キャップを有してよい。使用されるガスは、好ましくは、高温であるべきではなく、好ましくは体温よりも低い、好ましくは36℃未満である。
【0021】
装置は、使用の準備ができた医療装置として供給されてよいか、またはユーザによる自己組立てのために組合せ製品(「キット」)としてプリアセンブリで供給されてよい。
【0022】
滅菌は、組立て前または組立て後に行われてよく、後者の場合、最終的に滅菌される。組立て前に滅菌されるならば、針およびガードサブアセンブリまたはモジュール182のみを滅菌する必要がある。組み立てられた装置は、ブリスタまたはパウチにおいて最終的に滅菌されてよい。装置がブリスタの外側で滅菌されるならば、針キャップおよび恐らくシールが必要とされる。装置がユーザによって組み立てられるならば、カートリッジは、ブリスタにおいて供給することができるか、またはブリスタを用いない場合、隔壁を装置組立て前にエタノールで拭く必要がある。
【0023】
表1は、滅菌に関する様々なオプションの概要を示し、オプション3~6は再組立てを可能にする。
【0024】
【表1】
【0025】
本発明による自動注射器は、薬剤懸濁液または溶液およびAPIまたは生物製剤と共に使用されてよい。懸濁液が沈積傾向により不安定であるならば、カートリッジは、再混合するために使用前に振る必要がある。
【0026】
モジュール式の設計は、各サブアセンブリが、個々に適応させられた条件下で別個に製造されてよいという利点を有する。さらに、モジュール式の設計は、製造における柔軟性を可能にし、異なる自動注射器がモジュールを共有することを可能にする。モジュール式の設計は、また、部品交換可能性を可能にし、これは、自動注射器の特性を変更するためにモジュールまたはサブアセンブリを交換することができるという付加的な利点を生み出す。例えば、針およびハブおよび針ガードアセンブリを交換することによって、装置は、皮下自動注射器から筋肉内または皮内自動注射器へ変更することができる。これは、また、電源モジュールが再利用可能な装置であることを可能にする。モジュール式に設計された自動注射器により、使用された後または耐用年数が過ぎた後、カートリッジを交換することもできる。
【0027】
本発明は、工業用の標準的な注射器カートリッジの使用、および保管中の乾燥した針および様々なその他の利点を備えた自動注射器を製造することを可能にする。
【0028】
図面を参照して本発明の特定の実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】自動注射器を示す図である。
図2】インジケータロッドがストッパに取り付けられた自動注射器を示す図である。
図3a】注射中の自動注射器を示す図である。
図3b】注射中の自動注射器を示す図である。
図4】注射を終えた自動注射器を示す図である。
図5】モジュール式の自動注射器を示す図である。
図6】モジュール式の自動注射器の立体図である。
図7】ロッキング部材を有するサブアセンブリを示す図である。
図8】付加的なばねを有するサブアセンブリを示す図である。
図9】別の実施形態を示す図である。
図10】別の実施形態を示す図である。
図11】滅菌のための気体環境に曝された、組み立てられかつ使用の準備ができた自動注射器を示す図である。
図12】組み立てられかつ使用の準備ができた自動注射器を示す図である。
図13】組み立てられかつ使用の準備ができた自動注射器を示す図である。
【0030】
図1は、本発明による自動注射器101を示す。標準的なカートリッジ102は、バレル103を有し、その内部の薬剤溶液または懸濁液107は、一方の端部における可動プランジャまたはストッパ104と、他方の端部におけるゴム製のシールまたは隔壁および金属圧着部105とによって閉じ込められている。カートリッジ102はケーシング110内に保持されている。付勢手段112は、ストッパ104に押し付けられ、内容物107を加圧している。針シャトル120がケーシング110内に保持されている。シャトル120は、互いに取り付けられかつ接続された2つの針121および122を有する。針121は注射針であり、針122は隔壁針である。手段127は、挿入されたときにカートリッジ103をその正しい位置に保持し、カートリッジ103がシャトルに押し付けられることを防止する。針ガード131およびばね132がケーシング110に保持されている。針ガード131は、注射後に針刺し損傷を防止する目的を有する。
【0031】
図2は、インジケータロッド111がストッパ104に取り付けられた自動注射器101を示す。
【0032】
図3aおよび図3bは、注射中の自動注射器101を示す。自動注射器101は、注射部位201に押し付けられる。針121は、注射部位201内にあり、薬剤溶液または懸濁液107aをボーラス投与量として供給する。針ガード131は、注射部位201に押し付けられており、ばね132に逆らってケーシング110に対して後方へ押圧されており、シャトル120を押し戻している。針122は隔壁105を穿孔しており、加圧された内容物107は、針121および122を介して注射部位201へ流入し、ボーラス投与量107aを供給している。インジケータ111は前方へ移動しており、注射進行を示している。完全な注射を保証するために、注射針は、隔壁針が隔壁を貫通する(図3b)前に注射部位(図3a)を貫通する。
【0033】
図4では、自動注射器101は注射を終えており、針ガード131は、ばね132によって押し戻され、ロッキング機構135によって所定の位置にロックされている。
【0034】
図5は、本発明によるモジュール式の自動注射器を示しており、このモジュール式の自動注射器は、3つのサブアセンブリ、すなわち、カートリッジサブアセンブリ181と、針および針ガードサブアセンブリ182と、電源およびインジケータサブアセンブリ183とから構成されている。
【0035】
カートリッジサブアセンブリ181は、バレル103を備えたカートリッジ102と、プランジャ104および隔壁105によって保持された薬剤容積107とを有する。
【0036】
電源およびインジケータサブアセンブリ183は、付勢手段またはばね112と、ケーシング110a内に保持されたインジケータロッド111とを有する。
【0037】
針および針ガードサブアセンブリ182は、ケーシング110bを有し、ケーシング110bは、針121および122を備えた針シャトル120を保持している。針刺し損傷を防止するための針ガード131は、ばね132によって外向きに付勢されている。モジュール182は、滅菌された状態で供給されてよい。モジュール182は、挿入されたとき(図示せず)にカートリッジ102をその正しい位置に保持するガードロッキング機構、すなわち、肩部127も有する。
【0038】
モジュール182は、皮下、筋肉内または皮内注射のための針を含んでよい。
【0039】
図6は、モジュール式の自動注射器の立体図を示す。カートリッジ181がサブアセンブリ182内に配置された後、サブアセンブリ183および182が矢印187および188の方向で互いにロックされ、カートリッジ181内の薬剤内容物を加圧する。
【0040】
組み立てられた自動注射器184は、付加的なインジケータキャップと、インジケータロッド111(図示せず)に取り付けられたインジケータノブ111aと、付加的なフロントキャップ141とを備えて示されているが、これらは、選択的な特徴である。
【0041】
図7では、サブアセンブリ183aはロッキング部材251を有し、このロッキング部材251は、装置の組立てを簡単にするために、ばね112をインジケータロッド111によって圧縮された状態に保持したり、元に戻したりする。ロッキング部材251は、装置の組立て後、ゆっくりと取り外され、ばね112を弛緩し、カートリッジ内容物をゆっくりと圧縮して、圧力衝撃を回避する。ロッキング部材251は、ねじ山付きのインジケータロッド上のナットまたはその他のあらゆる機構であってよい。
【0042】
図8では、サブアセンブリ183bは、装置が組み立てられた後にカートリッジ内の薬剤溶液を圧縮するばね112よりも弱い付加的なばね112bを有する。注射前に、ロッキング装置251が取り外され、これにより、ばね112は、カートリッジ内容物を完全に加圧することができる。
【0043】
図9では、別の実施形態が示されている。容易な組立てのために、ラッチ253がばね112を圧縮状態に保持しかつ元に戻して保持する。ラッチ253は、装置が組み立てられるとインジケータ111の外方への軸方向移動によってばねを弛緩し、薬剤内容物を圧縮する。
【0044】
図10は、本発明の別の実施形態を示す。モジュール186は、サブアセンブリ181および182の組合せであり、ユーザに供給されるカートリッジ102を有し、針121および122が取り付けられており、針121および122によって所定の位置に保持されている。
【0045】
図11は、ブリスタまたはパウチ488に配置されかつ最終的な滅菌のための気体環境に曝された、組み立てられかつ使用の準備ができた自動注射器を示しており、489は、滅菌された領域を示している。
【0046】
図12は、組み立てられかつ使用の準備ができた自動注射器を示し、この場合、インジケータ111は、内部にばね112と、注射進行の観察を可能にするキャップ122とを含む。
【0047】
図13は、針を滅菌状態に維持するための付加的なシール128とエラストマ製の針キャップ126とを含む、組み立てられかつ使用の準備ができた自動注射器を示す。キャップ126および選択的にシール128の使用は、ブリスタを使用することなく最終的な滅菌を可能にする。針ガード131からのより簡単な取外しのために、キャップ126は、ゴムなどのエラストマ材料から形成されている。
【0048】
本発明の好ましい実施形態は、
・バレル103と、可動プランジャまたはストッパ104と圧着された隔壁105とによって保持された薬剤容積107とを含むカートリッジサブアセンブリ181と、
・付勢手段112およびインジケータロッド111を保持するリアケーシング110aを含む電源およびインジケータサブアセンブリ183と、
・針および針ガードサブアセンブリ182であって、注射針121および隔壁針122を有する針シャトル120を保持するフロントケーシング110bと、針ガード131およびばね132と、針ガード131が二回目に押し戻されることを防止するロッキング機構135と、装置が組み立てられたときにカートリッジ102をその正しい位置に保持するための手段または肩部127とを含み、組み立てられた装置が、ブリスタまたはパウチ488に配置され、最終的に滅菌される、針および針ガードサブアセンブリ182と
を備える、使用の準備ができたモジュール式の自動注射器である。
【0049】
本発明の別の好ましい実施形態は、
・バレル103と、可動プランジャまたはストッパ104と圧着された隔壁またはキャップ105とによって保持された薬剤容積107とを含むカートリッジサブアセンブリ181と、
・リアケーシング110aと、内部にばね112を含むインジケータロッド111とを含むインジケータアセンブリ183と、
・針および針ガードサブアセンブリ182であって、注射針121および隔壁針122を有する針シャトル120を保持するフロントケーシング110bと、針ガード131およびばね132と、針ガード131が二回目に押し戻されることを防止するロッキング機構135と、挿入されたときにカートリッジ102をその正しい位置に保持するための肩部127と、針を滅菌状態に維持するためのシール128および取外し可能なエラストマ製の針キャップ126とを含む、針および針ガードサブアセンブリ182と、
・装置の再組立ておよびユーザによる組立てを可能にする可逆的な接続手段129と
を備え、
・アセンブリ182は、滅菌されて供給され、ブリスタにおいて使用するための準備ができているかつ/またはシール128および針キャップ126と共に供給される、
使用の準備ができかつ再利用可能なモジュール式の自動注射器である。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動注射器であって、
一方の端部における可動プランジャと、他方の端部におけるシールおよび金属圧着部と、によって薬剤内容物が閉じ込められているバレルから成る標準的なカートリッジを保持する外側ケーシングと、
前記カートリッジの前記可動プランジャを押圧して、前記薬剤内容物を加圧する付勢手段と、
互いに取り付けられかつ接続された2つの針を含む、前記ケーシング内に保持された針シャトルであって、第1の針は注射針であり、第2の針は隔壁針である、針シャトルと、
挿入されたときに前記カートリッジをその正しい位置に保持するための手段と、
前記外側ケーシングに保持された針ガードであって、前記針が当該針ガードによって常に覆われているように外方へ付勢されている針ガードと、
を備える、自動注射器。
【外国語明細書】