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特開2024-170639ピロロピリジン誘導体及びそれらの用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170639
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】ピロロピリジン誘導体及びそれらの用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20241203BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20241203BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20241203BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
C07D471/04 CSP
A61P31/12
A61P31/18
A61K31/437
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024159706
(22)【出願日】2024-09-17
(62)【分割の表示】P 2023512003の分割
【原出願日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0104758
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】513180473
【氏名又は名称】エスティ ファーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】金慶鎭
(72)【発明者】
【氏名】金旭鎰
(72)【発明者】
【氏名】パン,ヒョンテ
(72)【発明者】
【氏名】イ,スルギ
(72)【発明者】
【氏名】韓始延
(57)【要約】      (修正有)
【課題】HIV-1のインテグラーゼ阻害剤を提供する。
【解決手段】下式の化合物。

式中、Aは、-COR、または-テトラゾリルであり;Rは、-ORであり;Rは、-(CH-OCOO-CH、-(CH)CH-OCOO-Cシクロアルキル、または5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル-CHである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式、化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩:
【化1】



上記式において、
Aは、-COR、または-テトラゾリルであり;
は、-ORであり;
は、-(CH-OCOO-CH、-(CH)CH-OCOO-C3-6シクロアルキル、または、5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル-CHであり;
Bは、-(CH-Rであり;
は、-メトキシ、-オキセタニル、または、-ピラゾリルであり{ここで、前記-オキセタニル、または、前記-ピラゾリルの一つ以上のHは、メチルで置換されることができる};
nは、1または2である。
【請求項2】
請求項1に記載の化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩であって、
前記化合物は下記化学式:
1)(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(2S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-(オキセタン-2-イルメチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;
2)(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-1-(2-メトキシエチル)-2、3、6-トリメチル-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;
3)(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;
4)(S)-5-(tert-ブトキシ(1H-テトラゾール-5-イル)メチル)-4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン;
5)((メトキシカルボニル)オキシ)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;及び
6)1-(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エチル(2S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-パラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;
からなる群から選択される、ことを特徴とする、請求項1に記載の化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む抗ウイルス用薬学的組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の抗ウイルス用薬学的組成物に含まれる抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)用薬学的組成物。
【請求項5】
ウイルス感染治療用薬剤の製造のための、請求項1または請求項2に記載の化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体、または、それらの薬学的に許容可能な塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス性化合物、特に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する選択性及び生理活性度の高い化合物及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
エイズ(Acquired Immuno Deficiency Syndrome;AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus;HIV)の感染によって誘発される。HIVは、HIV-1とHIV-2との二つの形態があるが、全世界に蔓延している形態は、HIV-1である。AIDSの治療のために、HIVの作用機序によって酵素抑制剤が開発されてきており、その作用点によって核酸系列の逆転写酵素阻害剤(Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor:NRTI)、プロテアーゼ阻害剤(Protease Inhibitor:PI)、フュージョン阻害剤(Fusion Inhibitor)、インテグラーゼ阻害剤(Integrase Inhibitor)に分類している。
【0003】
インテグラーゼ阻害剤は、その機序によって、Catalytic site 阻害作用とNon-catalytic site阻害作用に作用点が区分されている。Catalytic siteインテグラーゼ阻害剤に関する研究は、これまで活発に進行され、3種の薬物が開発されて市中に販売されており、2008年に開発されたラルテグラビル(Raltegravir)が代表的な薬物である。一方、Non-catalytic siteインテグラーゼ阻害作用機序は、Zeger Debyserなどによって紹介されており(Frauke Christ、Zeger Debyser at al.,Nature Chemical Biology、2010、Vol.6,442-448)、その作用機序に対する阻害剤の開発が活発に進行されてきた。
【0004】
その他にも、耐性の発現したウイルスを効果的に治療するための薬物を開発するために、様々な研究が進行されているが、このような化学療法剤は、Highly Active Anti Retroviral Therapies(HAART)といって互いに他の機序を阻害する2~4種の薬物を併用投与し、寿命延長の大きな効果を奏している。しかしながら、このような努力にもかかわらず、エイズが完治されることはできず、その上に、薬物の毒性問題と現在の治療剤に対する耐性発現によって、新たな治療剤の開発は持続的に要求されている。
【0005】
このような問題点を解決するための努力の一環として、新たなエイズ治療剤開発のための研究を重ねてきた結果、新たな骨格のピロロピリジン誘導体化合物がHIVの増殖を抑制する効果があることを見出し、本発明を完成することに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、HIV-1のインテグラーゼ酵素の活性を阻害することで、HIV-1の増殖を抑制する効果を有するピロロピリジン誘導体、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩を提供するものである。
【0007】
本発明の他の目的は、新規なピロロピリジン誘導体、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩の製造方法を提供することである。
【0008】
本発明のまた他の目的は、前記化合物の医薬用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明者らが鋭意研究した結果、以下で言及する化Iで表示されるピロロピリジン誘導体化合物がHIV増殖を抑制するということを確認し、本発明を完成した。
【0010】
ピロロピリジン誘導体化合物
本発明は、下記化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:
【化1】

上記式において、
Aは、-ヒドロキシ、-アミノ、-アジド、-シアノ、-トリフルオロメチル、-COR、-C=NOHR、-B(OH)、-SOH、-P=O(OH)、または、-ヘテロアリールであり;
及びRは、それぞれ独立して、-NR、-NROR、または、-ORであり;
及びRは、それぞれ独立して、-水素、-C1-6アルキル、または、-ヘテロアリールであり;
は、-C5-20アルキル、-(CH)n-O-(CH)-O-CH、-(CH)n-OCOO-CH、-(CH)CH-OCOO-C3-6シクロアルキル、または、-(CH)n-ヘテロアリールであり;
Bは、-(CH)n-Rであり;
は、-ヒドロキシ、-アミノ、-アジド、-シアノ、-トリフルオロメチル、-C2-6アルケニル、-C2-6アルキニル、-C1-6アルコキシ、-CONH(C1-3アルキル)、-CON(C1-3アルキル)、-COOH、-S-(C1-6アルキル)、-SO-(C1-6アルキル)、-カルバモイル、-C3-6シクロアルキル、4-6員ヘテロシクロアルキル、-アリール、または、-ヘテロアリールであり{ここで、前記-C3-6シクロアルキル、4-6員ヘテロシクロアルキル、-アリール、または、-ヘテロアリールの一つ以上のHは、-C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル、-C1-6アミノアルキル、-C1-6ヒドロキシアルキル、-C1-6アルコキシ、-シアノ、-カルボキシ、-アミノ、-ニトロ、-アジド、-ヒドロキシ、-カルバモイル、-チオール、または、-ハロゲンで置換されることができる};
nは、1、2、3または4である。
【0011】
本発明の一具体例によれば、上記化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩は、以下の通りであることができる。
【0012】
Aは、-シアノ、-COR、-C=NOHR、-B(OH)、-SOH、-P=O(OH)、または、-ヘテロアリールであり;
及びRは、それぞれ独立して、-NR、-NROR、または、-ORであり;
及びRは、それぞれ独立して、-水素、-C1-6アルキル、または、-ヘテロアリールであり;
は、-C5-20アルキル、-(CH)n-O-(CH)-O-CH、-(CH)n-OCOO-CH、-(CH)CH-OCOO-C3-6シクロアルキル、または、-(CH)n-ヘテロアリールであり;
Bは、-(CH)n-Rであり;
は、-C1-6アルコキシ、4-6員ヘテロシクロアルキル、-C3-6シクロアルキル、-アリール、または、-ヘテロアリールであり{ここで、前記-C3-6シクロアルキル、4-6員ヘテロシクロアルキル、-アリール、または、-ヘテロアリールの一つ以上のHは、-C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル、-C1-6アミノアルキル、-C1-6ヒドロキシアルキル、-C1-6アルコキシ、-シアノ、-カルボキシ、-アミノ、-ニトロ、-アジド、-ヒドロキシ、-カルバモイル、-チオール、または、-ハロゲンで置換されることができる};
nは、1、2または3である。
【0013】
また、本発明の一具体例によれば、上記化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩は、以下の通りであることができる。
【0014】
Aは、-シアノ、-COR、-C=NOHR、または、-ヘテロアリールであり;
及びRは、それぞれ独立して、-NR、-NROR、または、-ORであり;
及びRは、それぞれ独立して、-水素、-C1-6アルキル、または、-ヘテロアリールであり;
は、-C5-20アルキル、-(CH)n-O-(CH)-O-CH、-(CH)n-OCOO-CH、-(CH)CH-OCOO-C3-6シクロアルキル、または、-(CH)n-ヘテロアリールであり;
Bは、-(CH)n-Rであり;
は、-C1-6アルコキシ、4-6員ヘテロシクロアルキル、-アリール、または、-ヘテロアリールであり{ここで、前記4-6員ヘテロシクロアルキル、-アリール、または、-ヘテロアリールの一つ以上のHは、-C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル、-C1-6アミノアルキル、-C1-6ヒドロキシアルキル、-C1-6アルコキシ、-シアノ、-カルボキシ、-アミノ、-ニトロ、-アジド、-ヒドロキシ、-カルバモイル、-チオール、または、-ハロゲンで置換されることができる};
nは、1、2または3である。
【0015】
また、本発明の一具体例によれば、上記化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩は、以下の通りであることができる。
【0016】
Aは、-シアノ、-COR、-C=NOHR、または、-ヘテロアリールであり;
は、-NR、-NROR、または、-ORであり;
は、-NRであり;
及びRは、それぞれ独立して、-水素、-C1-6アルキル、または、-ヘテロアリールであり;
は、-C5-20アルキル、-(CH)n-O-(CH)-O-CH、-(CH)n-OCOO-CH、-(CH)CH-OCOO-C3-6シクロアルキル、または、-(CH)n-ヘテロアリールであり;
Bは、-(CH)n-Rであり;
は、-C1-6アルコキシ、4-6員ヘテロシクロアルキル、-アリール、または、-ヘテロアリールであり{ここで、前記4-6員ヘテロシクロアルキル、-アリール、または、-ヘテロアリールの一つ以上のHは、-C1-6アルキル、または、-ハロゲンで置換されることができる};
nは、1または2である。
【0017】
さらに、本発明の化Iで表示される化合物は、下記化合物からなる群から選択されたものであることができる。
【0018】
1)トリデシル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;
2)(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(2S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-(オキセタン-2-イルメチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;
3)(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-1-(2-メトキシエチル)-2、3、6-トリメチル-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;
4)(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;
5)(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセトアミド;
6)(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセトニトリル;
7)(S)-5-(tert-ブトキシ(1H-テトラゾール-5-イル)メチル)-4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン;
8)(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N-メチルアセトアミド;
9)(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N-メトキシアセトアミド;
10)(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N-メトキシ-N-メチルアセトアミド;
11)(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N-ヒドロキシアセトアミド;
12)(S、Z)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N’-ヒドロキシアセトイミダマイド;
13)(S)-3-(tert-ブトキシ(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル1-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)メチル)-5-メチル-1、2、4-オキサジアゾール;
14)(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N-(2H-テトラゾール-5-イル)アセトアミド;
15)((メトキシカルボニル)オキシ)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;
16)2-(2-メトキシエトキシ)エチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;
17)1-(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エチル(2S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-パラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート;及び
18)(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-1-(3、4-ジフルオロベンジル)-2、3、6-トリメチル-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテートである。
【0019】
このように製造された、本発明の化Iの化合物は、塩、特に薬学的に許容可能な塩を形成することができる。薬学的に許容可能な適宜の塩は、酸付加塩のように、当該技術分野において通常使用されているものであって、特に制限されるものではない。
【0020】
好ましい薬学的に許容可能な酸付加塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、オルトリン酸、または、硫酸のような無機酸;または、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、サリチル酸、マレイン酸、グリセロリン酸、または、アセチルサリチル酸のような有機酸が挙げられる。
【0021】
また、塩基を使用して通常の方法によって薬学的に許容可能な金属塩を得ることができる。例えば、上記化Iの化合物を過量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土金属水酸化物の溶液中に溶解させ、非溶解化合物塩を濾過した後、濾液を蒸発、乾燥させて薬学的に許容可能な金属塩を得ることができる。薬学的に許容可能でない化Iの化合物の塩、または、溶媒和物は、化Iの化合物、その薬学的に許容可能な塩、または、溶媒和物の製造において中間体として利用することができる。
【0022】
本発明の上記化Iの化合物は、その薬学的に許容可能な塩だけでなく、これから製造されることのできる可能な溶媒和物及び水和物の全てを含む。上記化Iの化合物及び中間体の立体異性体は、通常の方法を使用して製造されることができる。
【0023】
また、本発明による化Iの化合物は、結晶形態若しくは非結晶形態で製造されることができ、化Iの化合物が結晶形態で製造される場合、任意に水和されるか溶媒和されることができる。
【0024】
ピロロピリジン誘導体化合物の用途
本発明は、上記化Iの化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩の医薬用途を提供する。
【0025】
本発明の具体例によれば、本発明は、上記化Iの化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分とする抗ウイルス用薬学的組成物を提供する。具体的に、前記抗ウイルス用組成物は、抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)用組成物であることができる。
【0026】
本発明の実験例において、上記化Iの化合物が細胞毒性が低いながらもHIV抑制効果に優れており、生物学的等価体(bioisostere)及びプロドラッグとして物理化学的性質向上、薬物の吸収向上、安全性及び毒性を調節するなど薬物開発において様々な長所がある。
【0027】
本発明の組成物は、経口または注射投与の形態で剤形化することができる。経口投与用剤形としては、例えば、錠剤、カプセル剤などがあり、これら剤形は、活性成分以外に希薄剤(例:ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン)、滑沢剤(例:シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウムカルシウム塩、または、ポリエチレングリコール)を含有している。錠剤は、さらに、マグネシウムアルミニウムシリケート、でんぷん糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、または、ポリビニルピロリジンのような結合剤を含有することができ、場合によっては、澱粉、寒天、アルギン酸、または、そのナトリウム塩のような崩壊剤、または、沸騰混合物及び/又は吸収剤、着色剤、香味剤及び甘味剤を含有することができる。注射用剤形としては、等張性水溶液または懸濁液が望ましい。
【0028】
前記組成物は、滅菌されて/されるか、防腐剤、安定化剤、水和剤、または、乳化促進剤、浸透圧調節のための塩及び/又は緩衝剤などの補助剤、及び、その他治療的に有用な物質を含有することができる。
【0029】
前記剤形は、通常の混合、顆粒化、または、コーティング方法によって製造されることができ、活性成分を約0.1~75重量%、好ましくは、約1~50重量%の範囲で含有することができる。約50~70kgの哺乳動物に対する単位剤形は、約10~200mgの活性成分を含有する。
【0030】
本発明の化合物の望ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾病の程度、薬物の形態、投与経路及び期間によって異なるが、当業者によって適宜選択されることができる。投与は、1日1回、または分割して、経口若しくは非経口的経路を通じて投与されることができる。
【0031】
本発明の組成物は、ネズミ、マウス、家畜及び人間などを含めた哺乳動物に様々な経路で投与されることができる。投与の全ての方式は予想されることができるが、例えば、経口、直腸、または、静脈、筋肉、皮下、子宮内硬膜、または、脳血管(intracerbroventricular)注射によって投与されることができる。
【0032】
また、本発明の具体例によれば、本発明は、上記化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体、または、それらの薬学的に許容可能な塩の治療学的に有効な量の投与を含むウイルス感染、特に、HIV感染を予防または治療する方法を提供する。
【0033】
さらに、本発明の具体例によれば、本発明は、またウイルス感染、特に、HIV感染治療用薬剤の製造のための上記化Iで表示される化合物、そのラセミ体、その立体異性体、または、それらの薬学的に許容可能な塩の用途を提供する。
【0034】
本発明の用途、組成物、治療方法において言及された事項は、互いに矛盾しない限り、同様に適用される。
【発明の効果】
【0035】
本発明の化合物、そのラセミ体、その立体異性体またはその薬学的に許容可能な塩は、ウイルス、特に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する選択性及び生理活性度が高くかつ毒性が低いので、ウイルス、特に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に対する治療に有用に使用されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、下記実施例及び実験例によって本発明をより詳しく説明する。但し、下記実施例及び実験例は本発明を例示するためのものであるだけで、本発明の範囲がこれらだけで限定されるのではない。
【0037】
実施例1:トリデシル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(200mg、0.40mmol)にセシウムカーボネート(112mg、0.81mmol)、1-ブロモトリデカン(128mg、0.49mmol)、ジメチルアセトアミド(1.3mL)を加えて、55~60℃で12時間撹拌した。反応が完了した後、反応液をエチルアセテートで希薄して精製水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水させて減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して黄色のオイルの標題化合物(255mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=677.2(M+H)。
【0038】
実施例2:(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(2S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-(オキセタン-2-イルメチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート
(2S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-(オキセタン-2-イルメチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(47mg、0.10mmol)と、4-(クロロメチル)-5-メチル-1、3-ジオキソール-2-オン(22mg、0.15mmol)とを実施例1と類似した方法によって反応し、微白色の固体の標題化合物(20mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=583.2(M+H)。
【0039】
実施例3:(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-1-(2-メトキシエチル)-2、3、6-トリメチル-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-1-(2-メトキシエチル)-2、3、6-トリメチル-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(342mg、0.75mmol)と、4-(クロロメチル)-5-メチル-1、3-ジオキソール-2-オン(184mg、1.12mmol)とを実施例1と類似した方法によって反応し、微白色の固体の標題化合物(272mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=571.1(M+H)。
【0040】
実施例4:(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(70mg、0.14mmol)と、4-(クロロメチル)-5-メチル-1、3-ジオキソール-2-オン(34mg、0.21mmol)とを実施例1と類似した方法によって反応し、微白色の固体の標題化合物(55mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=607.2(M+H)。
【0041】
実施例5:(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセトアミド
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(200mg、0.40mmol)に塩化アンモニウム(32mg、0.61mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(157mg、1.21mmol)、PyBOP(315mg、0.61mmol)、ジメチルホルムアミド(1.3mL)を加えて常温で16時間撹拌した。反応が完了した後、反応液をエチルアセテートで希薄して精製水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水させて減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して微白色の固体の標題化合物(100mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=494.2(M+H)。
【0042】
実施例6:(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセトニトリル
実施例5で修得した化合物(100mg、0.20mmol)をDCM(0.7mL)に溶かした後、0~5℃に冷却してトリエチルアミン(31μL、0.61mmol)、TFAA(31μL、0.22mmol)を加えた後、0~5℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、反応液をエチルアセテートと炭酸水素ナトリウム水溶液に希薄し、有機層を抽出した後、精製水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水させて減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して微白色の固体の標題化合物(53mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=476.2(M+H)。
【0043】
実施例7:(S)-5-(tert-ブトキシ(1H-テトラゾール-5-イル)メチル)-4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン
実施例6で修得した化合物(50mg、0.11mmol)にアジ化ナトリウム(10mg、0.16mmol)、塩酸アンモニウム(8mg、0.16mmol)、ジメチルホルムアミド(0.4mL)を加えて、95~100℃で20時間撹拌した。反応が完了した後、反応液をエチルアセテートで希薄して精製水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水させて減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して微白色の固体の標題化合物(21mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=519.2(M+H)。
【0044】
実施例8:(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N-メチルアセトアミド
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(200mg、0.404mmol)と、メチルアミン塩酸塩(40.9mg、0.606mmol)とを実施例5と類似した方法によって反応し、微白色の固体で158mgの標題化合物を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=508.1(M+H)。
【0045】
実施例9:(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N-メトキシアセトアミド
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(200mg、0.404mmol)と、O-メチルヒドロキシアミン塩酸塩(50.6mg、0.606mmol)とを実施例5と類似した方法によって反応し、微白色の固体の標題化合物(141.6mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=524.2(M+H)。
【0046】
実施例10:(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N-メトキシ-N-メチルアセトアミド
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(200mg、0.404mmol)と、N、O-ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(59.1mg、0.606mmol)とを実施例5と類似した方法によって反応し、微白色の固体の標題化合物(71.2mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=538.2(M+H)。
【0047】
実施例11:(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N-ヒドロキシアセトアミド
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(300mg、0.606mmol)と、ヒドロキシアミン塩酸塩(473mg、0.909mmol)とを実施例5と同様の方法によって反応し、微白色の固体の標題化合物(100mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=510.1(M+H)。
【0048】
実施例12:(S、Z)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N’-ヒドロキシアセトイミダマイド
実施例6で修得した化合物(413mg、0.87mmol)にヒドロキシルアミン塩酸塩(121mg、1.74mmol)、炭酸水素ナトリウム(146mg、1.74mmol)、エタノール(4.3mL)を加えて、80℃で4時間撹拌した。反応が完了した後、反応液をエチルアセテートで希薄して精製水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水させて減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して微白色の固体の標題化合物(390mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=509.3(M+H)。
【0049】
実施例13:(S)-3-(tert-ブトキシ(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル1-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)メチル)-5-メチル-1、2、4-オキサジアゾール
実施例12で修得した化合物(325mg、0.64mmol)にp-トルエンスルホン酸水和物(36mg、0.19mmol)、塩化亜鉛(26mg、0.19mmol)、アセトニトリル(2.1mL)を加えて、80℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、反応液をエチルアセテートで希薄して精製水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水させて減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して微白色の固体の標題化合物(9mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=533.3(M+H)。
【0050】
実施例14:(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)-N-(2H-テトラゾール-5-イル)アセトアミド
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(200mg、0.404mmol)と、5-アミノ-1H-テトラゾール(51.6mg、0.606mmol)とを実施例5と同様の方法によって反応し、微白色の固体の標題化合物(83.5mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=562.1(M+H)。
【0051】
実施例15:((メトキシカルボニル)オキシ)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(300mg、0.606mmol)をDMF(1.21mL)に希薄した後、クロロメチルメチルカーボネート(113mg、0.909mmol)、炭酸セシウム(592mg、1.818mmol)を加えた後、常温で22時間撹拌した。反応が完了した後、反応液をエチルアセテートで希薄して精製水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水させて減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して微白色の固体の標題化合物(316mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=583.1(M+H)。
【0052】
実施例16:2-(2-メトキシエトキシ)エチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(200mg、0.404mmol)と、1-ブロモ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン(123mg、0.606mmol)とを実施例15と同様の方法によって反応し、微白色の固体の標題化合物(118.6mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=597.2(M+H)。
【0053】
実施例17:1-(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エチル(2S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-パラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート
(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸(700mg、2.121mmol)と、1-クロロエチルシクロヘキシルカーボネート(438mg、2.121mmol)とを実施例15と同様の方法によって反応し、薄い黄色の固体の標題化合物(912mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=665.2(M+H)。
【0054】
実施例18:(5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-1-(3、4-ジフルオロベンジル)-2、3、6-トリメチル-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート
[段階1]メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-1-(3、4-ジフルオロベンジル)-2、3、6-トリメチル-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテートの製造
メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2、3、6-トリメチル-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテート(150mg、0.362mmol)、4-(ブロモメチル)-1、2-ジフルオロベンゼン(374mg、1.808mmol)、水酸化カリウム(50.7mg、0.904mmol)、TBAB(11.65mg、0.036mmol)をDCM(3.23mL)に希薄させた後、常温で5時間撹拌した。反応が完了した後、反応液をエチルアセテートで希薄して精製水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水させて減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して薄い黄色の固体の標題化合物(122mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=541.1(M+H)。
[段階2](S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-1-(3、4-ジフルオロベンジル)-2、3、6-トリメチル-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)酢酸の製造
上記段階1で修得した化合物(122mg、0.225mmol)をTHF:MeOH(1:1)の混合液に溶解させた後、NaOH(27.1mg、0.676mmol)を加えて、40℃で13時間撹拌した。反応が完了した後、反応液をエチルアセテートで希薄して精製水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水させて減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して微白色の固体の標題化合物(89.5mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=527.2(M+H)。
[段階3](5-メチル-2-オキソ-1、3-ジオキソール-4-イル)メチル(S)-2-(tert-ブトキシ)-2-(4-(4-クロロフェニル)-1-(3、4-ジフルオロベンジル)-2、3、6-トリメチル-1H-ピロロ[2、3-b]ピリジン-5-イル)アセテートの製造
上記段階2で修得した化合物(20mg、0.038mmol)と、4-(クロロメチル)-5-メチル-1、3-ジオキソール-2-オン(9mg、0.057mmol)とを実施例15と類似した方法によって反応し、薄い黄色の固体の標題化合物(3.1mg)を修得した。
LC-MS(ESI、m/z)=639.1(M+H)。
【0055】
実験例1:本発明の化合物のHIV-1(Wild type)抑制効果の調査及び細胞毒性試験
本発明の化合物のHIV-1(Wild type)抑制効果を調べるために、下記のように試験を実施した。宿主細胞としてはMT-4細胞を使用し、ウイルスstrainとしては、HIV-1のNL4-3菌株を使用した。ウイルス及び細胞を本発明の化合物の存在下で混合し、6日間インキュベーションした。抗ウイルス効果は、ウイルス細胞病症効果(CPE)の減少百分率で測定し、化合物細胞毒性は、MTS(CellTiter(登録商標)96 Reagent、Promega、Madison WI)染料還元によって評価された。その結果を下記表1に示した。
【表1】

以上で本発明の特定の部分を詳しく記述しており、当業界の通常の知識を有した者にとって、このような具体的記述は単に好ましい実施例であるだけで、これによって本発明の範囲が制限されるのではないことは明らかであろう。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とそれらの等価物によって定義されるといえる。