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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170654
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】基板搬送ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024160892
(22)【出願日】2024-09-18
(62)【分割の表示】P 2022546865の分割
【原出願日】2020-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2020148488
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】丹 治彦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅也
(72)【発明者】
【氏名】住友 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】富永 翔太
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配線の複雑化およびアームの大型化(基板搬送ロボットの大型化)を抑制することが可能な基板搬送ロボットシステムを提供する。
【解決手段】基板搬送ロボットシステム100において、基板搬送ロボット1は、基板保持ハンド20に設けられるハンド用センサ22と、基板保持ハンド20に設けられ、ハンド用センサ22に接続されるハンド回路基板23と、を含み、ロボット制御部2とハンド回路基板23との間は、アーム10内部のアーム回路基板12、13を介して、シリアル通信接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板搬送ロボットと、
前記基板搬送ロボットを制御するロボット制御部とを備え、
前記基板搬送ロボットは、
アームと、
前記アームによって移動されるとともに前記アームに対して回動可能に接続され、基板を支持するブレードを含む基板保持ハンドと、
前記基板保持ハンドに設けられるハンド用センサと、
前記基板保持ハンドに設けられ、前記ハンド用センサに接続されるハンド回路基板と、を含み、
前記ロボット制御部と前記ハンド回路基板との間は、前記アームの内部、および、前記基板保持ハンドと前記アームとが相対的に可動する可動部に設けられた筒状の部材を介して、シリアル通信接続されている、基板搬送ロボットシステム。
【請求項2】
前記アームに設けられるアーム用センサと、
前記アームに設けられ、前記アーム用センサと前記ハンド用センサとのうちの少なくとも一方に接続されるアーム回路基板とをさらに備え、
前記ロボット制御部と、前記アーム回路基板と、前記ハンド回路基板との間は、前記アームの内部を介して、デイジーチェーン接続によりシリアル通信接続されている、請求項1に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項3】
前記ロボット制御部と、前記アーム回路基板と、前記ハンド回路基板との間は、前記アームの内部、および、前記基板保持ハンドと前記アームとが相対的に可動する前記可動部を介して、前記デイジーチェーン接続によりシリアル通信接続されている、請求項2に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項4】
前記アームは、一方端部を回動中心として回動可能に構成された第1アームと、一方端部が前記第1アームの他方端部に回動可能に接続され、前記第1アームに対して回動可能に構成されるとともに前記基板保持ハンドが接続される第2アームとを含み、
前記アーム回路基板は、前記第1アームと前記第2アームとのうちの少なくとも一方に設けられている、請求項2に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項5】
前記アーム回路基板は、前記第1アームに設けられる第1アーム回路基板と、前記第2アームに設けられる第2アーム回路基板とを含む、請求項4に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項6】
前記アーム用センサは、アナログセンサを含み、
前記第1アーム回路基板と前記第2アーム回路基板とのうちの少なくとも一方は、前記アナログセンサからの信号が入力されるアナログ入力回路基板を含む、請求項5に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項7】
前記アナログセンサは、前記アームの関節に設けられるモータの回転以外を検知するセンサである、請求項6に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項8】
前記アナログセンサは、温度センサと、加速度センサと、圧力センサとのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項9】
前記第2アーム回路基板は、前記ハンド用センサに接続され前記ハンド用センサとの間で信号を送受信するデジタル入出力回路基板を含む、請求項5に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項10】
前記第2アームに設けられ、前記デジタル入出力回路基板との間で信号を送受信し、前記基板保持ハンドに設けられるシリンダに送られる空気を調整する電磁バルブをさらに備える、請求項9に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項11】
前記ハンド用センサは、モータの回転以外を検知するセンサである、請求項1に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項12】
前記ハンド用センサは、前記ブレードに支持される前記基板の存在を検知する基板検知センサを含み、
前記ハンド回路基板は、前記基板検知センサからの信号を受信するデジタル入力回路基板を含む、請求項11に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項13】
前記ロボット制御部と前記ハンド回路基板との間は、前記ロボット制御部と前記ハンド回路基板との間において互いの情報を共有可能な通信ネットワークによりシリアル通信接続されている、請求項1に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項14】
前記ブレードは、複数設けられ、
前記ハンド用センサは、前記複数のブレードに対応するように複数設けられている、請求項1に記載の基板搬送ロボットシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板搬送ロボットシステムに関し、特に、基板保持ハンドに設けられるハンド用センサを備える基板搬送ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板搬送ハンドを備える基板搬送ロボットが知られている。このような、基板搬送ロボットは、たとえば、特開2013-69914号公報に開示されている。
【0003】
特開2013-69914号公報には、水平多関節ロボットから構成される基板搬送ロボットが開示されている。この基板搬送ロボットは、基台と、基台に接続され水平面内において回転するアームと、アームに接続され水平面内で回転する基板搬送ハンドとを備えている。また、基板搬送ロボットには、制御装置が接続されている。制御装置は、基板搬送ロボットの起動や停止の動作を制御する。これにより、基板搬送ロボットによって基板が搬送される。
【0004】
また、特開2013-69914号公報には明記されていないが、特開2013-69914号公報に記載のような従来の基板搬送ロボットでは、基板搬送ハンドに保持された基板を検知するためのセンサが基板搬送ハンドに設けられている場合がある。この場合、センサからの信号は、アームの内部を介する配線によって制御装置に送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-69914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記センサが設けられている基板搬送ロボットにおいて、センサの各々からアームの内部を介してロボット制御部と通信する場合、センサの数の分の配線が、基板保持ハンドからアームの内部を介して制御装置側に挿通される。このため、配線が複雑化するとともに、アームの内部を比較的大きくする必要があり、基板搬送ロボットが大型化するという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、配線の複雑化およびアームの大型化(基板搬送ロボットの大型化)を抑制することが可能な基板搬送ロボットシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による基板搬送ロボットシステムは、基板搬送ロボットと、基板搬送ロボットを制御するロボット制御部とを備え、基板搬送ロボットは、アームと、アームによって移動されるとともにアームに対して回動可能に接続され、基板を支持するブレードを含む基板保持ハンドと、基板保持ハンドに設けられるハンド用センサと、基板保持ハンドに設けられ、ハンド用センサに接続されるハンド回路基板と、を含み、ロボット制御部とハンド回路基板との間は、アームの内部、および、基板保持ハンドとアームとが相対的に可動する可動部に設けられた筒状の部材を介して、シリアル通信接続されている。
【0009】
この発明の一の局面による基板搬送ロボットシステムでは、上記のように、ロボット制御部と、ハンド用センサに接続されるハンド回路基板との間は、アームの内部を介して、シリアル通信接続されている。これにより、ロボット制御部とハンド回路基板とをシリアル通信接続するための比較的少ない数の配線によって、ハンド用センサとロボット制御部との通信を行うことができる。なお、ハンド用センサが複数設けられた場合でも、複数のハンド用センサとハンド回路基板との間は、複数の配線によって接続される一方、ロボット制御部とハンド回路基板との間は、比較的少ない数の配線によって通信される。その結果、配線が少ない分、配線の複雑化およびアームの大型化(基板搬送ロボットの大型化)を抑制することができる。
【0010】
また、ハンド用センサとハンド回路基板との間の配線の長さが比較的短くなるので、配線が長くなることに起因して外部からのノイズの影響が大きくなるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上記のように、配線の複雑化およびアームの大型化(基板搬送ロボットの大型化)を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による基板搬送ロボットの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による基板搬送ロボットシステムの概略図である。
図3】比較例による基板搬送ロボットシステムの概略図である。
図4】本発明の第1変形例による基板搬送ロボットシステムの概略図である。
図5】本発明の第2変形例による基板搬送ロボットシステムの概略図である。
図6】本発明の第3変形例による基板搬送ロボットシステムの概略図である。
図7】本発明の第4変形例による基板搬送ロボットシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1および図2を参照して、本実施形態による基板搬送ロボットシステム100の構成について説明する。
【0015】
図1および図2に示すように、本実施形態による基板搬送ロボットシステム100は、基板搬送ロボット1と、基板搬送ロボット1を制御するロボット制御部2(図2参照)とを備えている。基板搬送ロボット1は、アーム10を昇降させるアーム昇降機構(図示せず)によって、略柱状の筐体50に対して昇降するように構成されている。
【0016】
また、基板搬送ロボット1は、水平多関節ロボットから構成されている。具体的には、基板搬送ロボット1は、アーム10と、アーム10によって移動されるとともにアーム10に対して回動可能に接続され、基板(半導体ウエハ)Wを支持するブレード21を含む基板保持ハンド20と、基板保持ハンド20に設けられる基板検知センサ22と、基板保持ハンド20に設けられ、基板検知センサ22に接続されるデジタル入力回路基板23と、を含む。基板検知センサ22とデジタル入力回路基板23とは、配線23aによって接続されている。また、基板保持ハンド20は、上側基板保持ハンド20aと、上側基板保持ハンド20aの下方に配置され、上側基板保持ハンド20aとは別個に動作する下側基板保持ハンド20bとを有する。なお、配線23aは、後述する配線30とは別個の配線である。
【0017】
また、本実施形態では、ブレード21は、複数設けられ、基板検知センサ22は、複数のブレード21に対応するように複数設けられている。複数の基板検知センサ22の各々と、デジタル入力回路基板23とは、配線23aによって接続されている。また、複数のブレード21は、鉛直方向に沿って、互いに離間した状態で配置されている。また、複数のブレード21は、上側基板保持ハンド20aに取り付けられる複数のブレード21aと、下側基板保持ハンド20bに取り付けられるブレード21bとを含む。
【0018】
そして、本実施形態では、ロボット制御部2とデジタル入力回路基板23との間は、アーム10の内部を介して、シリアル通信接続(図2の配線30参照)されている。なお、デジタル入力回路基板23は、特許請求の範囲の「ハンド回路基板」の一例である。
【0019】
また、本実施形態では、基板搬送ロボットシステム100は、アーム10に設けられるアナログセンサ11と、アーム10に設けられ、アナログセンサ11に接続されるアナログ入力回路基板12と、基板検知センサ22に接続されるデジタル入出力回路基板13とをさらに備えている。ロボット制御部2と、アナログ入力回路基板12と、デジタル入出力回路基板13と、デジタル入力回路基板23との間は、アーム10の内部を介して、デイジーチェーン接続によりシリアル通信接続されている。なお、アナログセンサ11および基板検知センサ22は、それぞれ、特許請求の範囲の「アーム用センサ」および「ハンド用センサ」の一例である。また、アナログ入力回路基板12は、特許請求の範囲の「アーム回路基板」および「第1アーム回路基板」の一例である。また、デジタル入出力回路基板13は、特許請求の範囲の「アーム回路基板」および「第2アーム回路基板」の一例である。
【0020】
また、本実施形態では、ロボット制御部2と、アナログ入力回路基板12と、デジタル入力回路基板23との間は、アーム10の内部、および、基板保持ハンド20とアーム10とが相対的に可動する可動部P1を介して、デイジーチェーン接続によりシリアル通信接続されている。なお、アーム10が相対的に移動可能に配置される基台40の内部にも、シリアル通信接続の配線30が可動する可動部P2が存在する。また、可動部P1には、図示しない筒状の部材が設けられており、配線30は筒状の部材の内部を貫通するように配置されている。
【0021】
また、本実施形態では、アーム10は、一方端部を回動中心として回動可能に構成された第1アーム10aと、一方端部が第1アーム10aの他方端部に回動可能に接続され、第1アーム10aに対して回動可能に構成されるとともに基板保持ハンド20が接続される第2アーム10bとを含む。アナログ入力回路基板12およびデジタル入力回路基板23は、第1アーム10aと第2アーム10bとのうちの少なくとも一方に設けられている。
【0022】
また、図2に示すように、第1アーム10aおよび第2アーム10bは、共に、水平面に沿って回動する。また、第1アーム10aおよび第2アーム10bは、内部に空間が設けられており、空間の内部に配線30が通される。
【0023】
また、本実施形態では、アナログ入力回路基板12は、第1アーム10aに設けられ、デジタル入力回路基板23は、第2アーム10bに設けられる。アナログ入力回路基板12は、第1アーム10aの内部の空間に配置され、デジタル入力回路基板23は、第2アーム10bの内部の空間に配置される。
【0024】
また、本実施形態では、アナログ入力回路基板12には、アナログセンサ11からの信号が入力される。アナログセンサ11と、アナログ入力回路基板12とは、配線12aによって接続されている。配線12aは、配線30aとは別個の配線である。
【0025】
また、本実施形態では、アナログセンサ11は、アーム10の関節に設けられるモータの回転以外を検知するセンサである。具体的には、アナログセンサ11は、温度センサ11aと、加速度センサ11bと、圧力センサ11cとのうちの少なくとも1つを含む。本実施形態では、温度センサ11aと、加速度センサ11bと、圧力センサ11cとの全てが設けられている。
【0026】
また、本実施形態では、デジタル入出力回路基板13は、基板検知センサ22に接続され基板検知センサ22との間で信号を送受信する。デジタル入出力回路基板13と基板検知センサ22とは、配線13aにより接続されている。なお、配線13aは、配線30とは別個の配線である。
【0027】
また、本実施形態では、基板搬送ロボットシステム100は、第2アーム10bに設けられ、デジタル入出力回路基板13との間で信号を送受信し、基板保持ハンド20に設けられるシリンダ24に送られる空気を調整する電磁バルブ14をさらに備える。電磁バルブ14は、流体(空気など)を通す管の開閉制御に用いられる。デジタル入出力回路基板13と電磁バルブ14とは、配線13aにより接続されている。
【0028】
また、本実施形態では、基板検知センサ22は、モータの回転以外を検知するセンサである。具体的には、基板検知センサ22は、ブレード21に支持される基板Wの存在を検知する。デジタル入力回路基板23は、基板検知センサ22からの信号を受信する。なお、基板検知センサ22は、反射型光学式センサ、透過型光学式センサ、静電容量式センサ、距離センサ、基板Wに接触することを前提として設計されたタッチセンサのうちのいずれかである。なお、本実施形態では、基板検知センサ22は、反射型光学式センサである。
【0029】
また、本実施形態では、ロボット制御部2とデジタル入力回路基板23との間は、ロボット制御部2とデジタル入力回路基板23との間において互いの情報を共有可能な通信ネットワークによりシリアル通信接続されている。具体的には、ロボット制御部2とアナログ入力回路基板12との間は、シリアル通信接続のための配線30により互いに接続されている。また、アナログ入力回路基板12とデジタル入出力回路基板13との間は、シリアル通信接続のための配線30により互いに接続されている。また、デジタル入出力回路基板13とデジタル入力回路基板23との間は、シリアル通信接続のための配線30により互いに接続されている。また、アナログ入力回路基板12、デジタル入出力回路基板13およびデジタル入力回路基板23には、互いの情報を共有可能な通信ネットワークを構築するためのICが設けられている。
【0030】
また、基台40の内部には、図示しないエンコーダの電源基板41、および、ID(identification)基板42が設けられている。
【0031】
次に、図3の比較例による基板搬送ロボットシステム600について説明する。
【0032】
図3の比較例による基板搬送ロボットシステム600のように、複数の基板検知センサ22や他のセンサなど(アナログセンサ11や電磁バルブ14など)の各々からアーム10の内部を介してロボット制御部2と通信する場合、基板検知センサ22や他のセンサなどの数の分の配線30が、アーム10の内部を介してロボット制御部2側に挿通される。このため、アーム10の内部を比較的大きくする必要があり、基板搬送ロボット1が大型化する。なお、図3では、基板保持ハンド20内において、複数の基板検知センサ22から延びる配線30が1つにまとめられているが、実際には、複数の基板検知センサ22の各々から延びる複数の配線30がアーム10の内部を介してロボット制御部2に接続されている。
【0033】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0034】
本実施形態では、上記のように、ロボット制御部2と、基板検知センサ22に接続されるデジタル入力回路基板23との間を、アーム10の内部を介して、シリアル通信接続することにより、ロボット制御部2とデジタル入力回路基板23とをシリアル通信接続するための比較的少ない数の配線30によって、基板検知センサ22とロボット制御部2との通信を行うことができる。なお、基板検知センサ22が複数設けられた場合でも、複数の基板検知センサ22とデジタル入力回路基板23との間は、複数の配線30によって接続される一方、ロボット制御部2とデジタル入力回路基板23との間は、比較的少ない数の配線30によって通信される。その結果、配線30が少ない分、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0035】
また、基板検知センサ22とデジタル入力回路基板23との間の配線30の長さが比較的短くなるので、配線30が長くなることに起因して外部からのノイズの影響が大きくなるのを抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態では、上記のように、アーム10に設けられるアナログセンサ11と、アーム10に設けられ、アナログセンサ11に接続されるアナログ入力回路基板12と、基板検知センサ22に接続されるデジタル入出力回路基板13とを設ける。そして、ロボット制御部2と、アナログ入力回路基板12と、デジタル入出力回路基板13と、デジタル入力回路基板23との間は、アーム10の内部を介して、デイジーチェーン接続によりシリアル通信接続されている。これにより、基板検知センサ22およびアナログセンサ11の各々と、ロボット制御部2とを配線30によって接続する場合と異なり、ロボット制御部2と、アナログ入力回路基板12と、デジタル入出力回路基板13と、デジタル入力回路基板23とをシリアル通信接続するための比較的少ない数の配線30によって、基板検知センサ22およびアナログセンサ11の各々と、ロボット制御部2との通信を行うことができる。その結果、アナログ入力回路基板12およびデジタル入出力回路基板13が設けられる構成において、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態では、上記のように、ロボット制御部2と、アナログ入力回路基板12と、デジタル入出力回路基板13と、デジタル入力回路基板23との間は、アーム10の内部、および、基板保持ハンド20とアーム10とが相対的に可動する可動部P1を介して、デイジーチェーン接続によりシリアル通信接続されている。これにより、ロボット制御部2と、アナログ入力回路基板12と、デジタル入出力回路基板13と、デジタル入力回路基板23との間が、デイジーチェーン接続により直列に接続されるので、可動部P1を介する配線30の数が比較的少なくなる。その結果、可動部P1を比較的多くの配線30が介する場合と異なり、可動部P1を容易に可動させることができる。
【0038】
また、本実施形態では、上記のように、アーム10は、一方端部を回動中心として回動可能に構成された第1アーム10aと、一方端部が第1アーム10aの他方端部に回動可能に接続され、第1アーム10aに対して回動可能に構成されるとともに基板保持ハンド20が接続される第2アーム10bとを含み、アナログ入力回路基板12およびデジタル入出力回路基板13は、第1アーム10aと第2アーム10bとのうちの少なくとも一方に設けられている。これにより、第1アーム10aと第2アーム10bとのうちの少なくとも一方にアナログ入力回路基板12およびデジタル入出力回路基板13が設けられている基板搬送ロボットシステム100において、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、第1アーム10aにアナログ入力回路基板12が設けられ、第2アーム10bにデジタル入出力回路基板13が設けられている。これにより、アナログ入力回路基板12とデジタル入出力回路基板13との両方が設けられている基板搬送ロボットシステム100において、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態では、上記のように、アナログセンサ11からの信号が入力されるアナログ入力回路基板12が設けられている。これにより、基板検知センサ22およびアナログセンサ11の各々と、ロボット制御部2とを配線30によって接続する場合と異なり、配線30の複雑化を抑制しながら、基板検知センサ22およびアナログセンサ11の各々とロボット制御部2との通信を行うことができる。
【0041】
また、本実施形態では、上記のように、アナログセンサ11は、アーム10の関節に設けられるモータの回転以外を検知するセンサである。これにより、モータの回転を検知するセンサとは別個にアナログセンサ11が設けられた場合でも、アナログセンサ11がアナログ入力回路基板12を介してロボット制御部2とシリアル通信接続されるので、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、アナログセンサ11は、温度センサ11aと、加速度センサ11bと、圧力センサ11cとのうちの少なくとも1つを含む。これにより、温度センサ11aと、加速度センサ11bと、圧力センサ11cとのうちの少なくとも1つが設けられた場合でも、温度センサ11aと、加速度センサ11bと、圧力センサ11cとのうちの少なくとも1つが、アナログ入力回路基板12を介してロボット制御部2とシリアル通信接続されるので、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、上記のように、基板検知センサ22に接続され基板検知センサ22との間で信号を送受信するデジタル入出力回路基板13が設けられている。これにより、基板検知センサ22が設けられた場合でも、基板検知センサ22がデジタル入出力回路基板13を介してロボット制御部2とシリアル通信接続されるので、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、第2アーム10bに設けられ、デジタル入出力回路基板13との間で信号を送受信し、基板保持ハンド20に設けられるシリンダ24に送られる空気を調整する電磁バルブ14を設ける。これにより、電磁バルブ14が第2アーム10bに設けられた場合でも、電磁バルブ14が、第2アーム10bのデジタル入出力回路基板13を介してロボット制御部2とシリアル通信接続されるので、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、基板検知センサ22は、モータの回転以外を検知するセンサである。これにより、モータの回転を検知するセンサとは別個に基板検知センサ22が設けられた場合でも、基板検知センサ22がデジタル入力回路基板23を介してロボット制御部2とシリアル通信接続されるので、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、ブレード21に支持される基板Wの存在を検知する基板検知センサ22が設けられており、デジタル入力回路基板23は、基板検知センサ22からの信号を受信する。これにより、モータの回転を検知するセンサとは別個に基板検知センサ22が設けられた場合でも、基板検知センサ22がデジタル入力回路基板23を介してロボット制御部2とシリアル通信接続されるので、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、ロボット制御部2とデジタル入力回路基板23との間は、ロボット制御部2とデジタル入力回路基板23との間において互いの情報を共有可能な通信ネットワークによりシリアル通信接続されている。これにより、ロボット制御部2とデジタル入力回路基板23との間において互いの情報が共有されるので、基板搬送ロボットシステム100の制御を容易に行うことができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、ブレード21は、複数設けられ、基板検知センサ22は、複数のブレード21に対応するように複数設けられている。ここで、基板検知センサ22が複数設けられる場合、基板検知センサ22から延びる配線30の数が増加する。そこで、複数の基板検知センサ22から延びる複数の配線30とデジタル入力回路基板23とを接続し、デジタル入力回路基板23とロボット制御部2との間をアーム10の内部を介してシリアル通信接続することにより、複数の基板検知センサ22が設けられた場合でも、配線30の複雑化およびアーム10の大型化(基板搬送ロボット1の大型化)を抑制することができる。
【0049】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0050】
たとえば、上記実施形態では、第1アーム10aにアナログ入力回路基板12が設けられ、第2アーム10bにデジタル入出力回路基板13が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図4に示す第1変形例による基板搬送ロボットシステム200のように、アーム10にアナログ入力回路基板12およびデジタル入出力回路基板13が設けられていなくてもよい。この場合、デジタル入力回路基板23とロボット制御部2とがシリアル通信接続される。
【0051】
また、上記実施形態では、第1アーム10aにアナログ入力回路基板12が設けられ、第2アーム10bにデジタル入出力回路基板13が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図5に示す第2変形例による基板搬送ロボットシステム300のように、アーム10にデジタル入出力回路基板13が設けられる一方、アナログ入力回路基板12が設けられていなくてもよい。この場合、デジタル入力回路基板23とデジタル入出力回路基板13とロボット制御部2とがシリアル通信接続される。
【0052】
また、上記実施形態では、第1アーム10aにアナログ入力回路基板12が設けられ、第2アーム10bにデジタル入出力回路基板13が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図6に示す第3変形例による基板搬送ロボットシステム400のように、アーム10にアナログ入力回路基板12が設けられる一方、デジタル入出力回路基板13が設けられていなくてもよい。この場合、デジタル入力回路基板23とアナログ入力回路基板12とロボット制御部2とがシリアル通信接続される。
【0053】
また、上記実施形態では、第1アーム10aにアナログ入力回路基板12が設けられ、第2アーム10bにデジタル入出力回路基板13が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図7に示す第4変形例による基板搬送ロボットシステム500のように、第2アーム10bにアナログ入力回路基板12とデジタル入出力回路基板13との両方が設けられていてもよい。また、第1アーム10aにアナログ入力回路基板12とデジタル入出力回路基板13との両方が設けられていてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、ブレード21および基板検知センサ22が、各々、複数個ずつ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ブレード21および基板検知センサ22が各々1つずつ設けられている基板搬送ロボットシステムに本発明を適用してもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、アーム10が、第1アーム10aと第2アーム10bとの2つのアーム部分を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、アームが有するアーム部分の数は、2つ以外の数でもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、アナログセンサ11は、温度センサ11aと、加速度センサ11bと、圧力センサ11cとを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、アナログセンサ11がこれらのセンサ以外のセンサを含んでいてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、本発明の「ハンド用センサ」が基板検知センサ22である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明の「ハンド用センサ」として基板検知センサ22以外のセンサを適用してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 基板搬送ロボット
2 ロボット制御部
10 アーム
10a 第1アーム
10b 第2アーム
11 アナログセンサ(アーム用センサ)
11a 温度センサ
11b 加速度センサ
11c 圧力センサ
12 アナログ入力回路基板(アーム回路基板、第1アーム回路基板)
13 デジタル入出力回路基板(アーム回路基板、第2アーム回路基板)
14 電磁バルブ
20 基板保持ハンド
21 ブレード
22 基板検知センサ(ハンド用センサ)
23 デジタル入力回路基板(ハンド回路基板)
24 シリンダ
P1 可動部
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7