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特開2024-170656無線通信装置、無線通信方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170656
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】無線通信装置、無線通信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/65 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
H04M1/65 H
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024161066
(22)【出願日】2024-09-18
(62)【分割の表示】P 2021073980の分割
【原出願日】2021-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 保馬
(72)【発明者】
【氏名】川田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 洋行
(72)【発明者】
【氏名】高宮 和貴
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線通信中の音声を適切に録音する無線通信装置、無線通信方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】無線通信装置100は、相手装置から電波を受信し、受信した信号を出力する受信部と、受信した信号を、音声信号と、検出した装置状態および相手装置の使用者が直ちに送信できる送信待機状態であるか否かを対応付けた装置状態情報と、に復号化する信号処理部と、装置状態情報から相手装置が送信待機状態ではないことを検出し、かつ、自装置が送信待機状態ではない場合に、録音を停止する録音判断部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手装置から電波を受信し、受信した信号を出力する受信部と、
前記受信した信号を、音声信号と、検出した装置状態および前記相手装置の使用者が直
ちに送信できる送信待機状態であるか否かを対応付けた装置状態情報と、に復号化する信
号処理部と、
前記装置状態情報から相手装置が送信待機状態ではないことを検出し、かつ自装置が送
信待機状態ではない場合に、録音を停止する録音判断部と、を備える
無線通信装置。
【請求項2】
相手装置から電波を受信し、受信した信号を出力する受信ステップと、
前記受信した信号を、音声信号と、検出した装置状態および前記相手装置の使用者が直
ちに送信できる送信待機状態であるか否かを対応付けた装置状態情報と、に復号化する信
号処理ステップと、
前記装置状態情報から相手装置が送信待機状態ではないことを検出し、かつ自装置が送
信待機状態ではない場合に、録音を停止する録音判断ステップと、を備える
無線通信方法。
【請求項3】
相手装置から電波を受信し、受信した信号を出力する受信ステップと、
前記受信した信号を、音声信号と、検出した装置状態および前記相手装置の使用者が直
ちに送信できる送信待機状態であるか否かを対応付けた装置状態情報と、に復号化する信
号処理ステップと、
前記装置状態情報から相手装置が送信待機状態ではないことを検出し、かつ自装置が送
信待機状態ではない場合に、録音を停止する録音判断ステップと、をコンピュータに実行
させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両に搭載された無線通信装置は、車両の運行管理センターと車両との間や、車
両間での無線通信に用いられる。無線通信装置には、無線により送受信した音声を自動的
に録音する機能を有するものがある。
【0003】
特許文献1には、従来の自動通話録音装置が記載されている。この自動通話録音装置は
、ランダムアクセスの可能な録音媒体に、録音再生を行う録音再生装置を有する。自動通
話録音装置は、電話機のオンフックおよびオフフックを検出する検出回路の検出出力によ
り、オフフックの期間、電話機による通話の音声信号を、録音再生装置により録音媒体に
録音する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08-289003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の全二重通信である電話機の自動通話録音装置では、電話機のフック
状態で明確に会話の開始と終了を知ることができ、オフフック状態からオンフック状態に
なるまでの期間を一連の会話として送信音声と受信音声の両方を録音することができる。
一方、半二重通信であるPTT(Push to Talk)方式の無線通信装置は、通常、受信待機
状態になっており、電波を受信するとスピーカから受信音声を出力する。また、送信にお
いては無線通信装置に備えられた通話ボタンを押下している期間のみ送信状態となり、マ
イクから収音した音声信号を電波として送信し、通話ボタンの押下を止める(解放する)
ことで受信待機状態へと戻る。このような無線通信装置においては発話ごとに送受信の電
波が途絶えるため、送話とその応答である受話とが繰り返される一連の会話の開始と終了
を明確に知ることができないため、音声を適切に録音することができない。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、無線通
信中の音声を適切に録音することができる無線通信装置および無線通信方法を提供するこ
とにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様の無線通信装置は、相手装置から電波を受信し、受信した信号を出力
する受信部と、前記受信した信号を、音声信号と、検出した装置状態および前記相手装置
の使用者が直ちに送信できる送信待機状態であるか否かを対応付けた装置状態情報と、に
復号化する信号処理部と、前記装置状態情報から相手装置が送信待機状態ではないことを
検出し、かつ自装置が送信待機状態ではない場合に、録音を停止する録音判断部と、を備
える。
【0008】
また本発明の別の態様は無線通信方法である。この無線通信方法は、相手装置から電波
を受信し、受信した信号を出力する受信ステップと、前記受信した信号を、音声信号と、
検出した装置状態および前記相手装置の使用者が直ちに送信できる送信待機状態であるか
否かを対応付けた装置状態情報と、に復号化する信号処理ステップと、前記装置状態情報
から相手装置が送信待機状態ではないことを検出し、かつ自装置が送信待機状態ではない
場合に、録音を停止する録音判断ステップと、を備える。
【0009】
また本発明の別の態様はコンピュータに実行させるプログラムである。このプログラム
は、相手装置から電波を受信し、受信した信号を出力する受信ステップと、前記受信した
信号を、音声信号と、検出した装置状態および前記相手装置の使用者が直ちに送信できる
送信待機状態であるか否かを対応付けた装置状態情報と、に復号化する信号処理ステップ
と、前記装置状態情報から相手装置が送信待機状態ではないことを検出し、かつ自装置が
送信待機状態ではない場合に、録音を停止する録音判断ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、無線通信中の音声を適切に録音することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1実施形態1に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図2無線通信装置による録音処理の手順を示すシーケンス図である。
図3実施形態1による無線通信装置の録音処理の手順を示すシーケンス図である
図4図3のシーケンスの続きを示すシーケンス図である。
図5録音停止判定処理について列挙した図表である。
図6無線通信装置による別の録音処理の手順を示すシーケンス図である。
図7図6のシーケンスの続きを示すシーケンス図である。
図8図7のシーケンスの続きを示すシーケンス図である。
図9実施形態2に係る無線通信装置による録音処理の手順を示すシーケンス図で ある。
図10図9のシーケンスの続きを示すシーケンス図である。
図11実施形態2に係る録音停止判定処理について列挙した図表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図1から図11を参照しながら説明する。各
図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適
宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするため
に適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要で
はない部材の一部は省略して表示する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る無線通信装置100の構成を示すブロック図である。無線通
信装置100は、送信部10、受信部20、録音部30および制御部40等を備え、自装
置と相手装置との間で音声の無線通信を行う。無線通信装置100は、車両に搭載される
ほか、携行用の装置として利用されるがこれらに限定されない。
【0013】
無線通信装置100における各部は、ハードウェア的には、コンピュータのCPU(Ce
ntral Processing Unit)をはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウ
ェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、図1ではそれらの連携に
よって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハー
ドウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形態で実現できることは、当業者に
は理解されるところである。
【0014】
送信部10は、FSK(Frequency Shift Keying)変調等の変調方式に基づいて音声信
号を変調し、電波として送信する。送信部10は、送信する音声(以下、「送信音声」と
表記する。)の信号を後述する信号処理部41から入力される。
【0015】
受信部20は、相手装置からの電波を受信し、復調した音声(以下、「受信音声」と表
記する。)に関する信号を信号処理部41へ出力する。送信部10および受信部20は、
設定された周波数帯域において電波を送信および受信しているものとするが、通信方式に
応じて送信周波数および受信周波数は可変的であってもよい。
【0016】
録音部30は、例えばメモリーカードや、ハードディスク記憶装置等のデータ記憶装置
であり、自装置による送信音声、および相手装置からの受信音声を録音する。録音部30
には、信号処理部41において信号処理された送信音声と受信音声が入力される。録音部
30は、自装置と相手装置との間での音声通信開始から通信終了までの一連の送信音声お
よび受信音声を1つの電子ファイル内に収容する。
【0017】
制御部40は、信号処理部41、装置状態検出部42、録音判断部43、記憶部44お
よび録音停止タイマ部45を備える。信号処理部41は、送信音声、受信音声、および各
種データ信号に対して、圧縮符号化処理やデジタル変換等の信号処理を行う。信号処理部
41は、外部マイク52から、使用者の音声信号を取得して、符号化した送信音声信号を
送信部10へ出力する。信号処理部41は、受信部20から入力される信号を受信音声信
号に復号化した音声信号をスピーカ51へ出力する。
【0018】
外部マイク52は、例えばハンディタイプの音声入力装置である。外部マイク52は、
相手装置に音声送信しないときには、図示しないフックに掛け止められた状態(以下、「
オンフック状態」という。)となっている。外部マイク52は、音声送信を開始する場合
に使用者がフックから取り外した状態(以下、「オフフック状態」という。)で通話ボタ
ンを押下して使用する。
【0019】
外部マイク52は、使用者がフックから取り外すことによってオフフック状態であるこ
とを示す信号を出力し、使用者がフックに掛け止めることによってオンフック状態である
ことを示す信号を出力する。ここで、オンフック状態とオフフック状態とを総称してフッ
ク状態(装置状態)と呼ぶ。外部マイク52がオンフック状態であるときは使用者が直ち
に送信できない状態であり、外部マイク52がオフフック状態であるときは使用者が直ち
に送信できる状態(送信待機状態)である。すなわち、送信待機状態である装置状態を検
出した場合は、これ以降も送信が継続する状態であり、一方、送信待機状態でない装置状
態を検出した場合は、これ以降には送信されない状態と言える。
【0020】
また外部マイク52には、図示しないPTTタイプの通話ボタン(以下、「PTTボタ
ン」という。)が設けられている。使用者は、送信しようとする場合、外部マイク52を
フックから取り外してオフフック状態としたのち、PTTボタンを押下することで信号処
理部41が音声送信を開始する状態にする。尚、PTTボタンを押下した信号は外部マイ
ク52から信号処理部41へ出力される。
【0021】
装置状態検出部42は、外部マイク52が出力するフック状態を示す信号(フック状態
信号)を検出する。装置状態検出部42は、外部マイク52のフック状態と送信待機状態
とを対応付けた装置状態情報としてフック状態信号を信号処理部41および記憶部44へ
出力する。外部マイク52には、例えばフックへの着脱によって作動する図示しないスイ
ッチなどが設けられており、装置状態検出部42は、当該スイッチのオンオフを検出する
ことによって、外部マイク52のフック状態を検出する。
【0022】
信号処理部41は、装置状態検出部42から入力された外部マイク52のフック状態信
号と、フック状態を要求するフック状態通知要求と、上述の送信音声信号とを送信部10
へ出力する。送信部10は、信号処理部41から入力されたフック状態信号と、フック状
態通知要求と、送信音声信号とを相手装置へ送信する。受信部20は、相手装置のフック
状態信号と、フック状態通知要求と、受信音声信号とを電波として受信し、受信した信号
を信号処理部41へ出力する。信号処理部41は、復号化した相手装置のフック状態信号
を記憶部44へ出力する。
【0023】
記憶部44は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等のデータ記憶装
置によって構成されており、入力された自装置のフック状態および相手装置のフック状態
を記憶する。
【0024】
録音判断部43は、記憶部44に記憶している自装置のフック状態信号および相手装置
のフック状態信号に基づいて、録音部30での送信音声および受信音声の録音を継続する
か停止するかを判断する。録音判断部43は、送信部10による音声信号に関する電波の
送信、または受信部20による音声信号に関する電波の受信が終了した際に、記憶部44
に記憶した自装置および相手装置のフック状態信号が共にオンフック状態、即ち双方が直
ちに送信できない状態であれば、録音部30による録音の停止を判断する。
【0025】
また録音判断部43は、送信部10による音声信号に関する電波の送信、または受信部
20による音声信号に関する電波の受信が終了したことをトリガとして録音停止タイマ部
45に送信または受信が終了してからの経過時間を計測させる。録音判断部43は、録音
停止タイマ部45が計測している経過時間が予め設定された終了時間に達した場合に、録
音部30による録音の停止を判断する。ただし、録音判断部43は、終了時間に達する前
に次の送信または受信が開始された場合は、録音停止タイマ部45の経過時間の計測を停
止させ、経過時間をクリアする。録音停止タイマ部45は、クロック信号等に基づいて時
間を計測する。
【0026】
はじめに、従来の録音機能について説明する。図2は、無線通信装置100による録音
処理の手順を示すシーケンス図である。図2では無線通信装置A(自装置)と無線通信装
置B(相手装置)との間で音声通信を行い、タイマ動作によって録音を停止する例を示し
ている。
【0027】
無線通信装置Aは、外部マイク52をフックから外し、外部マイク52のPTTボタン
押下(S1)によって、無線通信装置Bへの音声信号の送信を開始する(S2)。無線通
信装置Aの録音判断部43は、信号処理部41による音声信号の送信の開始に基づき、録
音部30に送信音声の録音を開始させる(S3)。無線通信装置Bは、信号処理部41に
よる無線通信装置Aから送信された音声信号の受信に基づき、無線通信装置Bのスピーカ
51のミュートを解除して受信音声を出力する(S4)。無線通信装置Bの録音判断部4
3は、録音部30に受信音声の録音を開始させる(S5)。
【0028】
無線通信装置Aは、外部マイク52のPTTボタンの解放(S5)によって、無線通信
装置Bへの音声信号の送信を終了する(S6)。無線通信装置Aの録音判断部43は、音
声信号の送信を終了したことに基づいて録音停止タイマ部45を起動する(S7)。無線
通信装置Bは、無線通信装置Aからの音声信号の受信が終了したことに基づいて、無線通
信装置Bのスピーカ51をミュートし(S8)、録音判断部43が録音停止タイマ部45
を起動する(S9)。
【0029】
無線通信装置Aの外部マイク52は、使用者によってフックに掛け止められてオンフッ
ク状態となる(S10)。無線通信装置Aの録音判断部43は、起動した録音停止タイマ
部45が予め設定した時間に達して満了すると(S11)、録音部30による録音を停止
させる(S12)。また無線通信装置Bの録音判断部43は、起動した録音停止タイマ部
45が予め設定した時間に達して満了すると(S13)、録音部30による録音を停止さ
せる(S14)。
【0030】
図3は、実施形態1による無線通信装置100の録音処理の手順を示すシーケンス図で
ある。図4は、図3のシーケンスの続きを示すシーケンス図である。図3および図4では
無線通信装置A(自装置)と無線通信装置B(相手装置)との間で音声通信を行い、フッ
ク状態信号の通知によって録音を停止する例を示している。
【0031】
最初に無線通信装置Aの外部マイク52はオンフック状態であり(S21)、同様に無
線通信装置Bの外部マイク52もオンフック状態である(S22)。無線通信装置Aは、
外部マイク52がフックから外されてオフフック状態となり(S23)、無線通信装置A
のフック状態信号(オフフック状態)を無線通信装置Aの記憶部44へ記憶する(S24
)。
【0032】
無線通信装置Aは、音声信号を送信するために、外部マイク52のPTTボタンが押下
される(S25)。無線通信装置Aの信号処理部41は、音声信号の送信の前に無線通信
装置Aのフック状態をフック状態信号として無線通信装置Bへデータ送信するとともに、
無線通信装置Bのフック状態を要求するフック状態通知要求を送信する(S26)。
【0033】
無線通信装置Bは、無線通信装置Aからのフック状態信号とフック状態通知要求を受信
し、無線通信装置Aのフック状態信号(オフフック状態)を無線通信装置Bの記憶部44
へ記憶する(S27)。無線通信装置Bの信号処理部41は、無線通信装置Bのフック状
態信号をフック状態通知としてデータ送信によって無線通信装置Aへ送信する(S28)
。無線通信装置Aは、無線通信装置Bからのフック状態通知を受信し、無線通信装置Bの
フック状態信号(オフフック状態)を無線通信装置Aの記憶部44へ記憶する(S29)
【0034】
無線通信装置Aは、無線通信装置Bへの音声送信を開始する(S30)。無線通信装置
Aの録音判断部43は、信号処理部41による音声送信の開始に基づき、録音部30に送
受信音声の録音を開始させる(S31)。無線通信装置Bは、無線通信装置Aから送信さ
れた音声を受信すると、無線通信装置Bのスピーカ51のミュートを解除し(S32)、
無線通信装置Bの録音判断部43は、録音部30に送受信音声の録音を開始させる(S3
3)。
【0035】
無線通信装置Aは、外部マイク52のPTTボタンの解放(S34)を検知すると、無
線通信装置Bに音声送信の終了を通知(S35)して音声の送信を終了する。無線通信装
置Aの録音判断部43は、音声送信を終了したことに基づいて録音停止タイマを起動して
経過時間の計測を開始する(S36)。無線通信装置Bは、無線通信装置Aからの音声の
受信が終了したことに基づいて、無線通信装置Bのスピーカ51をミュートし(S37)
、録音判断部43が録音停止タイマを起動して経過時間の計測を開始する(S38)。
【0036】
無線通信装置Aの外部マイク52は、使用者によってフックに掛け止められてオンフッ
ク状態となる(S39)。無線通信装置Aは、無線通信装置Aのフック状態信号(オンフ
ック状態)を無線通信装置Aの記憶部44へ記憶する(S40)。
【0037】
無線通信装置Aは、図5に基づいて録音停止判定処理を行う(S41)。図5は、録音
停止判定処理について列挙した図表である。図5に示すように、無線通信装置AおよびB
の外部マイク52がオフフック状態のときは録音を継続する。無線通信装置AおよびBの
外部マイク52のうち一方がオフフック状態のときは録音を継続する。無線通信装置Aお
よびBの外部マイク52の両方がオンフック状態のときは録音を停止する。
【0038】
図4に戻る。無線通信装置Aの記憶部44には、無線通信装置AおよびBの外部マイク
52の両方がオンフック状態であることが記憶されているので、無線通信装置Aは録音を
停止し(S42)、次いで、ステップS36で起動した録音停止タイマを停止する(S4
3)。
【0039】
無線通信装置Aの信号処理部41は、無線通信装置Aのフック状態信号(オンフック状
態)を無線通信装置Bへフック状態通知としてデータ送信して通知する(S44)。無線
通信装置Bは、無線通信装置Aのフック状態信号(オンフック状態)を無線通信装置Bの
記憶部44へ記憶する(S45)。無線通信装置Bは、図5に基づいて録音停止判定処理
を行い(S46)、無線通信装置Bの記憶部44には、無線通信装置AおよびBの両方と
もオンフック状態であることが記憶されているので、録音を停止する(S47)。次いで
、無線通信装置Bは、ステップS38で起動した録音停止タイマを停止する(S48)。
【0040】
無線通信装置Aは、音声送信を終了し、更に外部マイク52のオンフック状態、換言す
れば直ちに送信できない状態になった場合に、記憶部44に記憶された無線通信装置Bの
外部マイク52もオンフック状態であれば、直ちに録音を停止する。これにより、無線通
信装置Aは、録音停止タイマが満了する前に録音を停止できるので、不要な無音の録音を
抑制しながら、送信した音声信号の全てを確実に録音することができる。
【0041】
また無線通信装置Bにおいても、無線通信装置AおよびBの外部マイク52がオンフッ
ク状態となったことに基づいて、録音停止タイマが満了する前に録音を停止することで、
不要な無音の録音を抑制しながら、受信した音声の全てを確実に録音することができる。
【0042】
図6は、無線通信装置100による別の録音処理の手順を示すシーケンス図である。図
7は、図6のシーケンスの続きを示すシーケンス図である。図8は、図7のシーケンスの
続きを示すシーケンス図である。図6図7および図8では、無線通信装置A(自装置)
と無線通信装置B(相手装置)との間で音声通信を行い、フック状態信号の通知によって
録音を停止する例を示しており、自装置と相手装置との間で送受信される一連の会話を録
音する場合である。
【0043】
図6に示すステップS51からステップS65までの処理は、図3に示したステップS
21からステップS35までの処理と同様であり、簡潔化のため説明を省略する。無線通
信装置Bは、ステップS65により無線通信装置Aからの音声の受信が終了したことに基
づいて、無線通信装置Bのスピーカ51をミュートする(S66)。
【0044】
無線通信装置Bの外部マイク52がフックから取り外されてオフフック状態となる(S
67)。無線通信装置Bは、無線通信装置Bのフック状態信号(オフフック状態)を無線
通信装置Bの記憶部44へ記憶する(S68)。無線通信装置Bは、図5に基づいて録音
停止判定処理を行う(S69)。無線通信装置Bは、ステップS69における判定では、
無線通信装置AおよびBともにオフフック状態であるため録音を停止しない。
【0045】
無線通信装置Bは、無線通信装置Bのフック状態信号(オフフック状態)を無線通信装
置Aへ送信する(S70)。無線通信装置Aは、無線通信装置Bのフック状態信号(オフ
フック状態)を無線通信装置Aの記憶部44へ記憶する(S71)。無線通信装置Aは、
図5に基づいて録音停止判定処理を行う(S72)。無線通信装置Aは、ステップS72
における判定では、無線通信装置AおよびBともにオフフック状態であるため録音を停止
しない。
【0046】
無線通信装置Aの外部マイク52は、使用者によってフックに掛け止められてオンフッ
ク状態となる(S73)。無線通信装置Aは、無線通信装置Aのフック状態信号(オンフ
ック状態)を記憶部44へ記憶し(S74)、図5に基づいて録音停止判定処理を行う(
S75)。無線通信装置Aは、ステップS75における判定では、無線通信装置Bがオフ
フック状態であるため録音を停止しない。
【0047】
無線通信装置Aの信号処理部41は、無線通信装置Aのフック状態信号(オンフック状
態)を無線通信装置Bへフック状態通知としてデータ送信して通知する(S76)。無線
通信装置Bは、フック状態通知を受信し、無線通信装置Aのフック状態信号(オンフック
状態)を無線通信装置Bの記憶部44へ記憶し(S77)、図5に基づいて録音停止判定
処理を行う(S78)。無線通信装置Bは、ステップS75における判定では、無線通信
装置Bがオフフック状態であるため録音を停止しない。
【0048】
無線通信装置Bは、使用者が無線通信装置Aからの音声受信に呼応して音声を送信する
ために、無線通信装置Bの外部マイク52のPTTボタンが押下される(S79)。無線
通信装置Bは、無線通信装置Aへの音声送信を開始する(S80)。無線通信装置Aは、
無線通信装置Bから送信された音声信号を受信すると、無線通信装置Aのスピーカ51の
ミュートを解除する(S81)。
【0049】
無線通信装置Bは、外部マイク52のPTTボタンの解放(S82)によって、無線通
信装置Aへの音声送信を終了する(S83)。無線通信装置Aは、無線通信装置Bからの
音声信号の受信が終了したことに基づいて、無線通信装置Aのスピーカ51をミュートす
る(S84)。
【0050】
無線通信装置Bの外部マイク52は、使用者によってフックに掛け止められてオンフッ
ク状態となる(S85)。無線通信装置Bは、無線通信装置Bのフック状態信号(オンフ
ック状態)を無線通信装置Bの記憶部44へ記憶し(S86)、図5に基づいて録音停止
判定処理を行う(S87)。無線通信装置Bの録音判断部43は、ステップS87におけ
る判定では、無線通信装置AおよびBがオンフック状態であるため録音の停止を判断し、
録音部30における録音を停止する(S88)。
【0051】
無線通信装置Bの信号処理部41は、無線通信装置Bのフック状態信号(オンフック状
態)を無線通信装置Aへフック状態通知としてデータ送信して通知する(S89)。無線
通信装置Aは、フック状態通知を受信し、無線通信装置Bのフック状態信号(オンフック
状態)を無線通信装置Aの記憶部44へ記憶する(S90)。無線通信装置Aは、図5
基づいて録音停止判定処理を行い(S91)、無線通信装置AおよびBの両方ともオンフ
ック状態であることから、録音を停止する(S92)。
【0052】
無線通信装置Aは、音声送信を終了し、更に外部マイク52のオンフック状態、換言す
れば直ちに送信できない状態になっても、ステップS75の録音停止判定で、通信相手で
ある無線通信装置Bの外部マイク52がオフフック状態であるときには、録音を停止しな
い。すなわち、通信相手が直ちに送信できる状態であると判断して録音を継続する。これ
によって、無線通信装置100は、自装置から送信した音声信号と、相手装置から受信し
た音声信号による一連の会話を最初から最後まで確実に録音することができる。
【0053】
また無線通信装置Bにおいても、無線通信装置AおよびBの外部マイク52がオンフッ
ク状態となった場合に、ステップS87における録音停止判定によって録音が停止される
ことによって、相手装置である無線通信装置Aから受信した音声と、自装置が送信した音
声による一連の会話を最初から最後まで確実に録音することができる。
(実施形態2)
図9は、実施形態2に係る無線通信装置100による録音処理の手順を示すシーケンス
図である。図10は、図9のシーケンスの続きを示すシーケンス図である。実施形態2で
は、無線通信装置A(自装置)と、無線通信装置BおよびC(相手装置)との間で音声通
信を行い、フック状態信号の通知によって録音を停止する例を示している。尚、無線通信
装置A、BおよびCは同一グループ内に属し、グループ内で同時に音声通信によるグルー
プ会話を共有する。
【0054】
最初に無線通信装置Aの外部マイク52はオンフック状態であり(S101)、同様に
無線通信装置Bの外部マイク52もオンフック状態であり(S102)、無線通信装置C
の外部マイク52もオンフック状態である(S103)とする。無線通信装置Aは、外部
マイク52がフックから外されてオフフック状態となり(S104)、無線通信装置Aの
フック状態信号(オフフック状態)を無線通信装置Aの記憶部44へ記憶する(S105
)。
【0055】
無線通信装置Aは、音声通信のために、外部マイク52のPTTボタンが押下される(
S106)。無線通信装置Aの信号処理部41は、音声送信前に無線通信装置Aのフック
状態信号(オフフック状態)を無線通信装置BおよびCへデータ送信するとともに、無線
通信装置BおよびCのフック状態の通知を要求するフック状態通知要求を送信する(S1
07)。
【0056】
無線通信装置Bは、無線通信装置Aからのフック状態信号とフック状態通知要求を受信
し、無線通信装置Aのフック状態信号(オフフック状態)を無線通信装置Bの記憶部44
へ記憶する(S108)。また無線通信装置Cは、無線通信装置Aからのフック状態信号
とフック状態通知要求を受信し、無線通信装置Aのフック状態信号(オフフック状態)を
無線通信装置Cの記憶部44へ記憶する(S109)。
【0057】
無線通信装置BおよびCの信号処理部41は、それぞれ自装置のフック状態信号をフッ
ク状態通知としてデータ送信によって自装置以外の無線通信装置へ送信する(S110)
。ステップS110では、例えば無線通信装置Bの信号処理部41は、無線通信装置Aお
よびCへフック状態通知を送信する。
【0058】
無線通信装置Aは、無線通信装置BおよびCからのフック状態通知を受信し、無線通信
装置BおよびCのフック状態信号を無線通信装置Aの記憶部44へ記憶する(S111)
。無線通信装置Bは、無線通信装置Cからのフック状態通知を受信し、無線通信装置Cの
フック状態信号を無線通信装置Bの記憶部44へ記憶する(S112)。無線通信装置C
は、無線通信装置Bからのフック状態通知を受信し、無線通信装置Bのフック状態信号を
無線通信装置Cの記憶部44へ記憶する(S113)。
【0059】
無線通信装置Aは、無線通信装置BおよびCへの音声送信を開始する(S114)。無
線通信装置Aの録音判断部43は、信号処理部41による音声送信の開始に基づき、録音
部30に録音を開始させる(S115)。無線通信装置Bは、無線通信装置Aから送信さ
れた音声信号を受信すると、無線通信装置Bのスピーカ51のミュートを解除し音声を出
力し(S116)、無線通信装置Bの録音判断部43は、録音部30に録音を開始させる
(S117)。無線通信装置Cは、無線通信装置Aから送信された音声信号を受信すると
、無線通信装置Cのスピーカ51のミュートを解除し音声を出力し(S118)、無線通
信装置Cの録音判断部43は、録音部30に録音を開始させる(S119)。
【0060】
無線通信装置Aは、外部マイク52のPTTボタンの解放(S120)によって、無線
通信装置BおよびCへの音声送信を終了する(S121)。無線通信装置Bは、無線通信
装置Aからの音声信号の受信が終了したことに基づいて、無線通信装置Bのスピーカ51
をミュートする(S122)。無線通信装置Cは、無線通信装置Aからの音声信号の受信
が終了したことに基づいて、無線通信装置Cのスピーカ51をミュートする(S123)
【0061】
無線通信装置Aの外部マイク52は、使用者によってフックに掛け止められてオンフッ
ク状態となる(S124)。無線通信装置Aは、無線通信装置Aのフック状態信号(オン
フック状態)を無線通信装置Aの記憶部44へ記憶する(S125)。
【0062】
無線通信装置Aは、図11に基づいて録音停止判定処理を行う(S126)。図11
、実施形態2に係る録音停止判定処理について列挙した図表である。図11に示すように
、無線通信装置A、BおよびCの各外部マイク52のうち、少なくとも1つがオフフック
状態のときは録音を継続する。無線通信装置A、BおよびCの外部マイク52が全てオン
フック状態のときは録音を停止する。
【0063】
無線通信装置Aは、ステップS126における判定によって、無線通信装置A、Bおよ
びCがすべてオンフック状態であるため録音停止を判断し、無線通信装置Aの録音部30
における録音を停止する(S127)。
【0064】
無線通信装置Aの信号処理部41は、無線通信装置Aのフック状態信号(オンフック状
態)を無線通信装置BおよびCへフック状態通知としてデータ送信して通知する(S12
8)。無線通信装置Bは、フック状態通知を受信して、無線通信装置Aのフック状態信号
(オンフック状態)を無線通信装置Bの記憶部44へ記憶する(S129)。無線通信装
置Bは、図11に基づいて録音停止判定処理を行い(S130)、無線通信装置A、Bお
よびCがすべてオンフック状態であることから、録音を停止する(S131)。
【0065】
無線通信装置Cは、フック状態通知を受信して、無線通信装置Aのフック状態信号(オ
ンフック状態)を無線通信装置Cの記憶部44へ記憶する(S132)。無線通信装置C
は、図11に基づいて録音停止判定処理を行い(S133)、無線通信装置A、Bおよび
Cがすべてオンフック状態であることから、録音を停止する(S134)。
【0066】
無線通信装置100を3台として説明したが、これに限られない。無線通信装置100
は、3以上の複数の無線通信装置間でグループによる一斉的な音声通信をする際にも、互
いに外部マイク52のフック状態信号、換言すれば送信待機状態であるか否かを通知して
、自装置以外が直ちに送信できる状態であるかを取得する。
【0067】
無線通信装置100は、ステップS126、S130およびS133における録音停止
判定のように、自装置を含めてグループ内の外部マイク52がオフフック状態であるとき
には録音を停止せず、全てがオンフック状態であるときに録音を停止する。これによって
、無線通信装置100は、グループに属する全ての無線通信装置100が送信待機状態で
ない状態になった場合に録音を停止するので、グループ内で行われる一連の会話の音声を
最初から最後まで確実に録音することができる。
【0068】
また、図6図7および図8には記載されていないが、図3および図4と同様に録音停
止タイマと組み合わせた態様も可能である。これにより、外部マイク52をフックに掛け
忘れたために無駄に録音が継続されてしまうことを防止できる。
(変形例)
上述の実施形態では、外部マイク52のフック状態信号で無線通信装置100が送信待
機状態であるか否かを検出し、会話の終了を判断する例を示したが、無線通信装置100
が送信待機状態であるか否かは、例えば、使用者が操作するスイッチのオンオフ状態など
で設定されるものであってもよい。無線通信装置100の送信待機状態を設定するスイッ
チ等は、外部マイク52に限らず無線通信装置本体部(図示略)等に設けられていてもよ
い。無線通信装置100の送信待機状態は、使用者の音声等による入力操作を受け付けて
設定されるものであってもよい。
【0069】
また上述の実施形態では、外部マイク52に設けられたPTTボタンの押下をトリガと
して信号処理部41が送信を開始する例を示したが、信号処理部41が送信を開始するた
めのトリガはこれに限られるものではない。例えば、PTTボタンと同機能のスイッチ等
を外部マイク52に限らず無線通信装置本体部(図示略)等に設けてもよいし、使用者の
音声等による入力操作を受け付けて信号処理部41が送信開始するように構成されていて
もよい。
【0070】
また上述の実施形態では、ハンディタイプの外部マイク52を設ける一例を示したが、
使用者の音声を電気信号に変換できるマイクであれば、ハンディタイプであっても据置タ
イプのものであってもよい。また、無線通信装置100と外部マイク52の接続は有線、
無線を問わず、無線通信装置100と外部マイクの接続/切断ボタンをフックの代わりと
して、外部マイクの接続/切断ボタンの状態を検出して、送信待機状態か否かとを対応付
けても良い。さらに、これらに限らず、送信待機状態か否かの対応付けができる手段であ
ればよく、例えば、モーションセンサを備え、使用者の動作を送信待機状態か否かと対応
付けてもよい。
【0071】
次に、実施形態および変形例に係る無線通信装置および無線通信方法の特徴を説明する
【0072】
無線通信装置100は、装置状態検出部42、信号処理部41、送信部10、受信部2
0、録音部30、記憶部44および録音判断部43を備える。装置状態検出部42は、装
置状態を検出し、検出された装置状態であるフック状態と、自装置の使用者が直ちに送信
できる送信待機状態であるか否かとを対応付けて装置状態情報として出力する。信号処理
部41は、音声信号と装置状態情報について符号化および復号化する。送信部10は、信
号処理部41で符号化された送信音声信号および自装置の装置状態情報であるフック状態
情報を電波として相手装置に送信する。受信部20は、相手装置から電波を受信し、受信
した信号を受信音声信号および相手装置の装置状態情報であるフック状態情報に復号化す
る信号処理部41に出力する。録音部30は、送信音声信号および受信音声信号を録音す
る。記憶部44は、装置状態検出部42から出力された自装置のフック状態情報、および
信号処理部41が復号化した相手装置のフック状態情報を記憶する。録音判断部43は、
記憶部44が記憶している自装置および相手装置のフック状態情報に基づいて録音部30
による録音を継続するか停止するかを判断する。録音判断部43は、送信部10による音
声信号に関する電波の送信、または受信部20による音声信号に関する電波の受信が終了
した際に、記憶部44に記憶した自装置および相手装置のフック状態情報が共に送信待機
状態であるオフフック状態でない場合(即ちオンフック状態である場合)に、録音部30
による録音の停止を判断する。これにより、無線通信装置100は、オンフック状態であ
ることを確認することによって、無線通信装置100間での会話の継続中に録音を停止さ
せることなく、送受信された一連の会話の音声を適切に録音することができる。
【0073】
また送信部10による音声信号の送信、または受信部20による音声信号の受信が終了
したことをトリガとして起動し、経過時間を計測する録音停止タイマ部45を更に備える
。無線通信装置100の録音判断部43は、経過時間が予め設定された時間に達した場合
に、録音部30による録音を停止する。これにより、無線通信装置100は、例えば外部
マイク52のフックへの掛け忘れによって装置状態がオフフック状態のままになっている
ために無駄に録音が継続されてしまうことを防止できる。
【0074】
また録音部30は、録音を開始してから一連の会話に含まれる送信音声および受信音声
を録音した後に、録音を終了するので、一つの電子ファイル内に一連の会話を収容できる
。これにより、無線通信装置100は、一つの電子ファイルを再生することで、一連の纏
まりのある会話を再現することができ、利便性を向上できる。
【0075】
また信号処理部41は、相手装置におけるフック状態情報の通知を要求する信号を送信
部10を介して相手装置へ送信する。これにより、無線通信装置100は、フック状態の
情報の通知を要求する信号によって相手装置からフック状態の情報を受け取り、自装置と
相手装置のフック状態に基づいて、お互いが直ちに音声送信できる状態かを判断すること
ができる。
【0076】
無線通信方法は、装置状態検出ステップ、信号処理ステップ、送信ステップ、受信ステ
ップ、録音ステップ、記憶ステップおよび録音判断ステップを備える。装置状態検出ステ
ップは、装置状態を検出し、検出された装置状態であるフック状態と、自装置の使用者が
直ちに送信できる送信待機状態であるか否かとを対応付けて装置状態情報として出力する
。信号処理ステップは、音声信号と装置状態情報について符号化および復号化する。送信
ステップは、信号処理ステップで符号化された送信音声信号および自装置の装置状態情報
であるフック状態情報を電波として相手装置に送信する。受信ステップは、相手装置から
電波を受信し、受信した信号を受信音声信号および相手装置の装置状態情報であるフック
状態情報に復号化する信号処理ステップに出力する。録音ステップは、送信音声信号およ
び受信音声信号を録音する。記憶ステップは、装置状態検出ステップから出力された自装
置のフック状態情報、および信号処理ステップが復号化した相手装置のフック状態情報を
記憶する。録音判断ステップは、記憶ステップが記憶している自装置および相手装置のフ
ック状態情報に基づいて録音ステップによる録音を継続するか停止するかを判断する。録
音判断ステップは、送信ステップによる音声信号に関する電波の送信、または受信ステッ
プによる音声信号に関する電波の受信が終了した際に、記憶ステップに記憶した自装置お
よび相手装置のフック状態情報が共に送信待機状態であるオフフック状態でない場合(即
ちオンフック状態である場合)に、録音ステップによる録音の停止を判断する。この無線
通信方法によれば、送信側と受信側の双方の使用者が直ちに送信できないオンフック状態
であることを確認できるので、一連の会話の音声の送受信中に録音を停止させることなく
、通信された音声を適切に録音することができる。
【0077】
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろ
いろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例およ
び変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って
、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【符号の説明】
【0078】
10 送信部、 20 受信部、 30 録音部、 41 信号処理部、
42 装置状態検出部、 43 録音判断部、 44 記憶部、
45 録音停止タイマ部、 100 無線通信装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11