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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017066
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】エンジン
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/28 20160101AFI20240201BHJP
   F02M 26/21 20160101ALI20240201BHJP
   F02B 37/00 20060101ALI20240201BHJP
   F02M 35/10 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F02M26/28
F02M26/21
F02B37/00 302F
F02M35/10 311E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119455
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】堺 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健悟
(72)【発明者】
【氏名】霜野 慎
【テーマコード(参考)】
3G005
3G062
【Fターム(参考)】
3G005DA02
3G005FA55
3G005HA12
3G062AA01
3G062ED04
3G062ED08
(57)【要約】
【課題】エンジン取付部品のレイアウト自由度を向上させたエンジンを提供する。
【解決手段】エンジン100は、エンジン本体1と、EGRクーラ20とを備える。EGRクーラ20は、エンジン本体1の前後一側部に取り付けられる。EGRクーラ20の長手方向は、エンジン本体1の左右方向に沿っている。好ましくは、エンジン100は、過給機10と、吸気コレクタ40とを更に備える。吸気コレクタ40は、過給機10に連通して吸気を受け入れる第1ポート40bと、EGRクーラ20に連通してEGRガスを受け入れる第2ポート40cと、吸気とEGRガスとの混合気を供給する第3ポート40dとを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン本体と、
前記エンジン本体の前後一側部に取り付けられたEGRクーラと、
を備え、
前記EGRクーラの長手方向は、前記エンジン本体の左右方向に沿っている、エンジン。
【請求項2】
前記EGRクーラのガス流出側は、前記エンジン本体の上下方向において、前記EGRクーラのガス流入側よりも高い位置に配置されている、請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
前記EGRクーラは、前記エンジン本体の上下方向において、前記エンジン本体の最上部よりも低い位置に配置されている、請求項2に記載のエンジン。
【請求項4】
タービンとコンプレッサとを有する過給機と、
前記過給機のコンプレッサ出力側に接続された吸気管と、
を更に備え、
前記吸気管は、前記EGRクーラよりも前記エンジン本体に近い位置に配置されている、請求項1に記載のエンジン。
【請求項5】
第1ポートと、第2ポートと、第3ポートとを有する吸気コレクタを更に備え、
前記第1ポートは、前記吸気管に接続され、
前記第2ポートは、前記EGRクーラのガス流出側に接続され、
前記第3ポートは、前記吸気管を通じて前記過給機から供給された吸気と、前記EGRクーラから供給されたガスとの混合気を供給する、請求項4に記載のエンジン。
【請求項6】
前記EGRクーラと前記吸気コレクタとの間のガス経路に配置された制御バルブを更に備え、
前記制御バルブは、前記吸気コレクタへ供給するガスの流量を制御する、請求項5に記載のエンジン。
【請求項7】
前記エンジン本体を吊り上げるための吊り上げ部材を更に備え、
前記吸気コレクタは、前記吊り上げ部材を介して前記エンジン本体に取り付けられている、請求項5に記載のエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
EGR(Exhaust Gas Recirculation)と呼ばれる技術、すなわちエンジンにおいて燃焼後の排気ガスの一部を取り入れて再度吸気させる技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載のエンジンは、エンジン本体の左右側部に位置する排気側に取り付けられたEGRクーラを備える。EGRクーラは、排気ガスの一部を吸気側に戻す前に冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-074297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のエンジンのようにエンジン排気側にEGRクーラを配置すると、同じくエンジン排気側に配置される排気ガス後処理装置や補機類の配置スペースを確保することが難しくなり、エンジン取付部品のレイアウト自由度が低下する。
【0006】
本発明は、エンジン取付部品のレイアウト自由度を向上させたエンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のエンジンは、エンジン本体と、EGRクーラとを備える。前記EGRクーラは、前記エンジン本体の前後一側部に取り付けられる。前記EGRクーラの長手方向は、前記エンジン本体の左右方向に沿っている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エンジン排気側のスペースがEGRクーラによって取られないため、エンジン排気側における取付部品のレイアウト自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るエンジンの正面図である。
図2】エンジンの左側面図である。
図3】エンジンの平面図である。
図4】吸気コレクタの拡大斜視図である。
図5】吸気コレクタの他の拡大斜視図である。
図6】吊り上げ部材の拡大正面図である。
図7】吸気コレクタの取付状態を示す拡大断面図である。
図8】(a)および(b)は、実施形態に係るエンジンにおいてエンジン本体に対する吊り上げ部材、第2吸気管および吸気コレクタの組み立てを説明するための模式図である。
図9】(a)および(b)は、実施形態に係るエンジンにおいてエンジン本体に対するEGRバルブ、EGRクーラおよびEGRガス流出配管の組み立てを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
まず、図1図2、及び図3を参照して、実施形態に係るエンジン100の外観について説明する。図1は、エンジン100の正面図である。図2は、エンジン100の左側面図である。図3は、エンジン100の平面図である。エンジン100は、例えばディーゼルエンジンである。図1において、便宜上、左から右への向きをX軸の正の向き、手前から奥への向きをY軸の正の向き、下から上への向きをZ軸の正の向きとする。X軸の方向はエンジン100の左右方向を、Y軸の方向はエンジン100の前後方向を、Z軸の方向はエンジン100の上下方向をそれぞれ示す。
【0012】
図1図2、及び図3に示されるように、エンジン100は、エンジン本体1と、過給機10と、EGRクーラ20と、EGRバルブ30と、吸気コレクタ40とを備える。
【0013】
過給機10は、エンジン本体1の排気側に取り付けられ、排気の流れを受けるタービンと、タービンにより駆動されるコンプレッサとを有して、吸気圧力を高める。コンプレッサ入力側は第1吸気管11に、コンプレッサ出力側は第2吸気管12にそれぞれ接続されている。第2吸気管12は、図3に示されるように、EGRクーラ20よりもエンジン本体1に近い位置に配置されている。
【0014】
EGRクーラ20は、エンジン本体1の前後一側部に取り付けられて、排気ガスの一部を吸気側に戻す前に冷却する。EGRクーラ20の長手方向は、エンジン本体1の左右方向に沿っている。EGRクーラ20のガス流入側は、EGRガス流入配管21に接続されている。EGRクーラ20のガス流出側は、EGRガス流出配管22に接続されている。また、冷却水の流出入のため、第1配管23と、第2配管24とがEGRクーラ20に接続されている。
【0015】
EGRバルブ30は、エンジン本体1の吸気側に取り付けられ、冷却後のEGRガスの流量を制御するようにEGRガス流出配管22に接続された制御バルブである。しかも、EGRバルブ30は、エンジン本体1の上下方向において、過給機10よりも高い位置に配置されている。したがって、EGRクーラ20は、過給機10とEGRバルブ30との間で傾斜配置されている。つまり、EGRクーラ20のガス流出側は、エンジン本体1の上下方向において、EGRクーラ20のガス流入側よりも高い位置に配置されている。ただし、EGRクーラ20は、エンジン本体1の上下方向において、エンジン本体1の最上部よりも低い位置に配置されている。
【0016】
吸気コレクタ40は、EGRバルブ30に隣接する位置に取り付けられて、過給機10から供給された吸気と、EGRクーラ20から供給された冷却後のEGRガスとを混合する。EGRバルブ30は、EGRクーラ20と吸気コレクタ40との間のガス経路に介在した制御バルブである。
【0017】
次に、吸気コレクタ40の形状について説明する。図4は、吸気コレクタ40の拡大斜視図である。図5は、吸気コレクタ40の他の拡大斜視図である。
【0018】
図4及び図5に示されるように、吸気コレクタ40は、本体部40aと、第1ポート40bと、第2ポート40cと、第3ポート40dと、第1取付孔40eと、第2取付孔40fとを有する。第1ポート40bは、第2吸気管12に接続される。第2ポート40cは、EGRバルブ30を介してEGRガス流出配管22に接続される。第3ポート40dは、吸気と冷却後のEGRガスとの混合気を供給する。第3ポート40dを構成する板材に第1取付孔40e及び第2取付孔40fが形成されている。
【0019】
図3に示されるように、吸気とEGRガスとをエンジン本体1の別の側部から吸気コレクタ40に導入することで、それらの混合が促進されて良好な燃焼が実現する。また、過給機10から吸気コレクタ40までの吸気の経路を短くし、EGRガスの経路は別の側部から迂回させて吸気コレクタ40に導入することで、EGRガスの放熱が促進されて吸気との温度差が小さくなり、更に良好な燃焼が実現する。
【0020】
エンジン100は、エンジン本体1を吊り上げるための吊り上げ部材50を更に備える。ここで、吊り上げ部材50の形状について説明する。図6は、吊り上げ部材50の拡大正面図である。
【0021】
図6に示されるように、吊り上げ部材50は、板状の本体部50aを有する。本体部50aの上端近傍には、吊り上げ孔50bが形成されている。本体部50aの中央近傍には、第1取付孔50cと、第2取付孔50dとが形成されている。更に、吊り上げ孔50bと第1取付孔50cとの間に第3取付孔50eが、本体部50aの下端近傍に第4取付孔50fがそれぞれ形成されている。
【0022】
次に、図4図7を参照して、吸気コレクタ40の取付状態を説明する。図7は、吸気コレクタ40の取付状態を示す拡大断面図である。
【0023】
図7に示されるように、吊り上げ部材50は、第1取付孔50c及び第2取付孔50dの位置で各々1本の短いボルトによって、エンジン本体1に取り付けられる。吸気コレクタ40は、吊り上げ部材50を介してエンジン本体1に取り付けられる。この際、吸気コレクタ40の第1取付孔40eと、吊り上げ部材50の第3取付孔50eとを1本の長いボルトが貫通する。また、吸気コレクタ40の第2取付孔40fと、吊り上げ部材50の第4取付孔50fとを1本の長いボルトが貫通する。4本のボルトで固定されることにより、吸気コレクタ40及び吊り上げ部材50の取付強度が向上する。
【0024】
次に、図8図9を参照して、吸気コレクタ40の取付を説明する。図8(a)は、実施形態に係るエンジン100においてエンジン本体1に対する吊り上げ部材50の組み立てを説明するための模式図であり、図8(b)は、実施形態に係るエンジン100においてエンジン本体1に対する第2吸気管12および吸気コレクタ40の組み立てを説明するための模式図である。図9(a)は、実施形態に係るエンジン100においてエンジン本体1に対するEGRバルブ30の組み立てを説明するための模式図である。図9(b)は、実施形態に係るエンジン100においてエンジン本体1に対するEGRクーラ20およびEGRガス流出配管22の組み立てを説明するための模式図である。
【0025】
図8(a)に示すように、エンジン本体1に吊り上げ部材50を取り付ける。吊り上げ部材50の第1取付孔50cおよび第2取付孔50dにボルトを貫通させて吊り上げ部材50はエンジン本体1に取り付けられる。
【0026】
図8(b)に示すように、吊り上げ部材50を介して吸気コレクタ40をエンジン本体1に取り付ける。この際、吸気コレクタ40の第1取付孔40eおよび吊り上げ部材50の第3取付孔50eに1本の長いボルトを貫通させ、吸気コレクタ40を吊り上げ部材50に締結させる。また、吸気コレクタ40の第2取付孔40fおよび吊り上げ部材50の第4取付孔50fに1本の長いボルトを貫通させ、吸気コレクタ40を吊り上げ部材50に締結させる。
【0027】
図9(a)に示すように、吸気コレクタ40を介してEGRバルブ30をエンジン本体1に取り付ける。
【0028】
図9(b)に示すように、EGRクーラ20を取り付けるとともにEGRクーラ20の下流端部とEGRバルブ30とを連絡するEGRガス流出配管22を取り付ける。
【0029】
実施形態によれば、エンジン排気側のスペースがEGRクーラ20によって取られないため、エンジン排気側における取付部品のレイアウト自由度が向上する。
【0030】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、エンジンの分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 エンジン本体
10 過給機
11 第1吸気管
12 第2吸気管(吸気管)
20 EGRクーラ
21 EGRガス流入配管
22 EGRガス流出配管
30 EGRバルブ(制御バルブ)
40 吸気コレクタ
40b 第1ポート
40c 第2ポート
40d 第3ポート
50 吊り上げ部材
100 エンジン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9