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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170662
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】清掃装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 11/06 20060101AFI20241203BHJP
   A47L 13/24 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
A47L11/06
A47L13/24 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024161464
(22)【出願日】2024-09-18
(62)【分割の表示】P 2022178476の分割
【原出願日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】福元 大地
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 有輝
(57)【要約】
【課題】塵埃除去の性能を向上させることが可能な清掃装置を提供する。
【解決手段】清掃装置は、把持部31とヘッド1とを備える清掃装置において、ヘッド1は、モータの回転によって動き且つ清掃部材が当該ヘッド1に装着された状態において清掃部材により覆われる底面を有する可動部11を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄とヘッドとを備える清掃装置において、
前記ヘッドは、モータの回転によって動く可動部を備え、
前記柄の取付部は、前記ヘッドに対して回動可能に前記ヘッドの被取付部に取り付けられ、
前記柄の取付部は、前記可動部の底面を水平にした状態で、前記柄が前記ヘッドに対して垂直方向に沿う自立状態となるよう、前記被取付部に係合し、
前記被取付部は、前記モータの少なくとも一部を内部に収容する、
清掃装置。
【請求項2】
前記モータは、当該モータの回転軸が前記底面を向くよう配されている、
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記ヘッドは、前記モータの回転を前記底面に沿った動きに変換する変換部を有し、
前記モータは、前記変換部の上方に配され、
前記可動部は、前記底面に沿って動く、
請求項1又は2に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記モータは、長尺状の前記可動部の長手方向における中央に配されている、
請求項1又は2に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記モータの電力源となるバッテリーを前記柄に備える、
請求項1又は2に記載の清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被清掃面を掃除する清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、清掃部材が装着された清掃体と、清掃体を操作するための操作部を備えた清掃具が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3211682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の清掃装置では、塵埃を十分に除去できないという問題がある。
本発明(発明1)は、塵埃除去の性能を向上させることが可能な清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(発明1)に係る清掃装置は、把持部とヘッドとを備える清掃装置において、前記ヘッドは、モータの回転によって動き且つ清掃部材が当該ヘッドに装着された状態において前記清掃部材により覆われる底面を有する可動部を備える。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、塵埃除去性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(a)は第1実施形態に係る清掃装置を上方から見た斜視図であり、(b)は柄がヘッドに対して傾斜している状態を示す。
図2】分解状態の清掃装置の斜視図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は断面状態を上方から見た図である。
図3】ヘッドの分解状態(パッドの図示を省略)を後上方から見た斜視図である。
図4】ヘッドの分解状態(パッドの図示を省略)を前下方から見た斜視図である。
図5】(a)はヘッドの断面拡大図であり、(b)は駆動ユニットからカバーを取り外した状態を上方から見た斜視図である。
図6】取付機構を説明する図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は下方から見た図であり、延伸部の一部を切り欠いている。
図7】バッテリー収容体の分解状態の斜視図であり、(a)は前下方から見た図であり、(b)は後上方から見た図である。
図8】(a)は取付機構周辺の断面図であり、(b)は給電線の配線状態を説明する断面図である。
図9】パッド及びばね板部材の斜視図であり、(a)は下方から見た図であり、(b)は上方から見た図である。
図10】第2実施形態の清掃装置のヘッド周辺を示す図であり、(a)は前上方から見た斜視図であり、(b)はヘッドのカバー体と柄の前収容体とを外した状態である。
【0008】
<第1実施形態>
1.概要
清掃装置Xは、図1及び図2に示すように、ヘッド1と柄3とを備え、ヘッド1の底部に清掃部材が取り付けられている。なお、清掃部材は、不織布、紙、布等のシートやスポンジである。
使用者は、通常、ヘッド1に取り付けた清掃部材を被清掃面に当接させた状態で、柄3の把持部31を把持してヘッド1を前後、左右、これらと交差する斜め方向に移動させる。
なお、ここでは、使用者を基準として、前後、左右としている。
ヘッド1は、被清掃面に沿って可動する可動部11を備え、当該可動部11の底面に清掃部材が取り付けられている。これにより、清掃性能を高めることができる。
柄3はヘッド1の被取付部13に取り付けられる。ここでは、清掃装置Xは、ヘッド1の底面に沿う方向の回動軸周りを回動するように、柄3がヘッド1に取り付けられる取付機構(回動機構)71を備える。
清掃装置Xは、ヘッド1(可動部11)の底面を水平にした(被清掃面に当接させた)状態で、柄3がヘッド1に対して垂直方向に沿って自立状態となるように、ヘッド1と柄3とが係合する係合機構73を有している。なお、「垂直方向に沿って」には、柄3がヘッド1に対して垂直な状態と、垂線に対して45°未満の角度で傾斜した状態を含む。
以下、各部について説明する。
【0009】
2.ヘッド
ヘッド1は、図2に示すように、少なくとも、モータ(駆動手段)231と、当該モータ231によって動く可動部11とを備える。可動部11の可動は、ここでは、前後方向である。ヘッド1は、左右方向を回動軸として回動可能に柄3が取り付けられるための被取付部13と、柄3が自立状態となるように、柄3の被係合部34に係合する係合部14を被取付部13に有している。
【0010】
ヘッド1は、図3及び図4に示すように、ベース体21と、ベース体21に対して前後方向に移動可能に支持される可動体20と、ベース体21に設けられ且つ可動体20を可動させるための駆動ユニット23と、駆動ユニット23等用の回路部24と、ベース体21を上方から覆うカバー体25とを備える。ヘッド1は、さらに、バッテリー39に給電するための電力を受電する受電部26を備える。
【0011】
(1)ベース体
ベース体21は、ここでは、左右方向に長い矩形板状をしている。なお、柄3の回動軸はベース体21の長手方向に延伸しているともいえる。
ベース体21は、駆動ユニット23、回路部24をねじ(図示省略)等を利用して固定する固定部211,212(図5の(b)参照)、受電部26を支持する支持部213、ベース体21をカバー体25にねじ(図示省略)等を利用して固定する固定部214を有する。
ベース体21は、可動体20を移動方向にガイドするガイド部215と、可動体20を移動可能な状態で取り付けるための取付部216とを有する。なお、ガイド部215と取付部216は、セットとして、複数箇所(例えば、6箇所)に設けられている。
【0012】
(2)可動体
可動体20は可動部11を構成する。可動体20は、ベース体21の下側に取り付けられる可動本体22と、可動本体22に着脱可能に装着されるパッド(クッション部材)29とを備える。可動体20は、ベース体21と同様に、左右方向に長い矩形状をしている。
【0013】
可動本体22は、長手方向の中間部にベース体21に取り付けられる被取付領域221を有する。被取付領域221は上面から下方に凹入し、当該凹入部分にベース体21が配される。可動本体22は、被取付領域221の左右方向の両側領域に、シート状の清掃部材(図示省略)を取り付けるシート取付部227を有している。シート取付部227は、弾性変形可能な板状体に形成された溝により構成される。シート取付部227は、矩形状の可動本体22の4つの角部分に設けられている。
可動本体22は、ベース体21のガイド部215により移動方向にガイドされる被ガイド部222と、ベース体21の取付部216に取り付けられる被取付部223とを被取付領域221に有している。
【0014】
ガイド部215は、ベース体21の下面から下方に突出し且つ前後方向に長い形状をしている。被ガイド部222は、前後方向に長い溝部分により構成される。ここでの溝部分は、ガイド部215の左右両側を前後方向に延伸する一対のリブにより形成される。
つまり、凸状のガイド部215が溝状の被ガイド部222に嵌る。なお、被ガイド部222は、ガイド部215の個数に対応して形成されている。前側と後側とに位置する3個の被ガイド部222には、ガイド部215が前後方向の外方へ移動するのを規制する規制部分222aが設けられている。規制部分222aは、前後方向の外方端部を接続するように左右方向に延伸するリブにより構成される。
可動本体22のベース体21への取り付けは、取付具228とねじ229を利用している。被取付部223は、ねじ229のねじ部の通過を許可し且つ円盤状の取付具228の通過を許可しない長孔により構成される。固定用のねじ229は、下側から、長孔に配された取付具228を挿通して、ベース体21のガイド部215に形成された取付部216であるねじ孔に螺合する。
可動本体22は、パッド29を装着する装着部224,225を有している。第1装着部224は前後方向に張り出す張出部により構成され、第2装着部225は左右方向に張り出す張出部により構成される。
【0015】
パッド29は、図9に示すように、ゴム等の弾性材料により構成され、左右方向に長い板状部290と、板状部290の上面から凹入する凹入部291とを有する。凹入部291にヘッド1の可動本体22が挿入される。
凹入部291は、凹入側面に溝部291a,291bを有し、当該溝部291a,291bに可動本体22の装着部224,225が挿入される。これにより、パッド29が可動本体22に着脱可能に取り付けられる。
可動本体22には、ばね板部材296が取り付けられ、当該ばね板部材296によって、パッド29の底部分290aが被清掃面側に膨出する。なお、ばね板部材296は、可動本体22の側壁の内側の凹入部分は嵌められる。
【0016】
(3)駆動ユニット
駆動ユニット23は、モータ(駆動手段)231と、モータ231の回転を被清掃面に沿った動きに変換する変換部232と、変換部232を覆うと共にモータ231を支持するカバー233とを備える。
モータ231は、図5に示すように、可動体20の底面を被清掃面と平行にした状態で、その回転軸231Aが可動体20(可動本体22)に向かって延伸するように、カバー233に支持されている。なお、モータ231の回転軸231Aには駆動側ギア231Bが設けられている。
モータ231は、上方から見たときに、ベース体21における左右方向の中央部に位置する。さらには、回転軸231Aの中心軸は、ベース体21の左右方向の中央線を通り、且つ上下方向と平行である。
【0017】
変換部232は、減速機構を有する。具体的には、変換部232は、モータ231の回転軸231Aと平行に配された回転可能な第1従動側回転軸234Aと、第1従動側回転軸234Aに設けられ且つ駆動側ギア231Bと噛合する第1従動側ギア234Bと、第1従動側回転軸234Aに設けられた第1従動側ギア234Cと、第1従動側回転軸234Aと平行に配された回転可能な第2従動側回転軸235Aと、第2従動側回転軸235Aに設けられ且つ第1従動側ギア234Cと噛合する第2従動側ギア235Bと、第2従動側回転軸235Aの下端に設けられ且つ下方に円柱状又は円筒状に突出する偏心軸部236aを偏心した位置に有する回転盤(回転部)236(図4参照)とを備える。回転盤236は、減速機構を介してモータ231から駆動力が伝達されることで回転する。偏心軸部236aは、回転盤236の回転中心からズレた位置に存在する。
回転盤236は、図4に示すように、ベース体21の下面から上方へ凹入する凹入部217内に配される。偏心軸部236aは、図3に示すように、可動本体22の被取付領域221に形成され且つ移動方向と直交する方向(左右方向)に長い溝部226又は貫通孔部内に位置する。これにより、モータ231の回転運動によって、可動体20が前後方向に移動する。
【0018】
(4)回路部
回路部24は、バッテリー39の電圧をモータ231用の電圧に変換する変換回路を構成する電子部品241と回路基板242と備える。回路部24は、モータ231のオン又はオフを切り替える操作スイッチ(操作部)243を備える。回路基板242には、モータ231、受電部26、バッテリー39と接続するためのコネクタ244が設けられている。
【0019】
(5)受電部
受電部26は、商用電源と接続される電気コード(図示省略)と着脱可能に接続する。具体的には、受電部26は、電気コードのプラグと接続可能なジャックにより構成されている。
受電部26は、その突条部がベース体21の取付部216の溝に上方から挿入されて支持される。なお、電気コードのプラグは、カバー体25の貫通孔271b又は欠け部を通ってジャックに接続する。
【0020】
(6)カバー体
カバー体25は、図2に示すように、柄3が取り付けられる被取付部13と、立設状態の柄3に係合する係合部14とを上部に有している。
カバー体25は、図3及び図4に示すように、第1カバー体27と第2カバー体28とから構成される。
被取付部13は、第1カバー体27と第2カバー体28とで構成される。被取付部13は、図6に示すように、左右方向に貫通する2つの貫通孔132がそれぞれに形成されると共に、左右方向に対向する一対の被取付面131を有する突出部分130を含む。別の表現をすれば、左右方向と直交する一対の被取付面131を有する突出部分130と、被取付面131に形成された円形状の貫通孔132とを有する。2個の貫通孔132の中心線(回動軸線)は、左右方向に延伸し、モータ231を通る。これにより、突出部分130の内部の空間を有効に利用できる。
被取付部13の突出部分130の上面133は、柄3の回動を妨げないように、左右方向から見たときに、回動軸線(貫通孔132の中心)を中心とした円弧状をしている。
係合部14は、突出部分130の円弧状の上面133の前側端に設けられている。
【0021】
(6-1)第1カバー体
第1カバー体27は、図3及び図4に示すように、下面が開放し且つ左右に長い直方体状の箱状部271と、箱状部271の左右方向の中央から上方に突出する突出部272とを有している。これにより、カバー体を小型化できる。
箱状部271は、主に、回路部24と受電部26とを覆う。箱状部271は、図4に示すように、ベース体21の固定部214が固定される被固定部271aを有する。
箱状部271は、受電部26用の貫通孔271bを側壁に、操作部(操作スイッチ)243用の弾性変形部分271cを上壁にそれぞれ有している。
弾性変形部分271cは、厚み方向に弾性変形可能であり、使用者によって押圧されることで、操作スイッチ243がオン又はオフされる。
【0022】
突出部272は、主に、駆動ユニット23を覆う。突出部272は、上部の前側部分に欠け部分272aを有している。なお、突出部272の壁部と区別するために、その引き出し線を矢印としている。欠け部分272aを利用して第2カバー体28が取り付けられる。
突出部272の上部側は、被取付部13を構成する第1被取付構成部となっている。第1被取付構成部は、突出部分130、被取付面131、貫通孔132、上面133の半分(ここでは、前半分である)を構成する第1突出部分130A、第1被取付面131A、第1欠け部分132A、第1上面133Aを有している。
第1突出部分130Aは、第1上面133Aの前側に係合部14と支持部15とを有している。
係合部14は上方へ突出する突出部分により構成される。支持部15は、柄3の前側への回動を規制し、柄3を前側から支持するものであり、係合部14の前側から上方に延伸する状態で設けられている。なお、支持部15は前側への回動を規制する規制部としてもよい。
【0023】
(6-2)第2カバー体
第2カバー体28は、第1カバー体27の突出部272の固定部分272bに第2カバー体28を固定するための固定部281を有している。なお、固定にはねじ等を利用できる。
第2カバー体28は、被取付部13を構成する第2被取付構成部を有している。第2被取付構成部は、突出部分130、被取付面131、貫通孔132、上面133の半分(ここでは後半分である)を構成する第2突出部分130B、第2被取付面131B、第2欠け部分132B、第2上面133Bを有している。
【0024】
3.柄
柄3は、図1に示すように、ヘッド1に取り付けられ、把持部31を有する。
柄3は、図2に示すように、少なくとも、バッテリー39を収容するバッテリー収容部32をヘッド1側に有する。
柄3は、ヘッド1に回動可能に取り付けられる取付部33を有している。なお、柄3の取付部33とヘッド1の被取付部13とで取付機構71が構成される。
柄3は、ヘッド1に自立状態で係合される被係合部34を有している。なお、柄3の被係合部34とヘッド1の係合部14とで係合機構73が構成される。
柄3は、図2の(b)に示すように、把持部31を有する把持体41と、バッテリー39を収容するバッテリー収容体42と、把持体41とバッテリー収容体42とを連結する連結体43と、連結体43と把持体41とを着脱可能に連結するアダプタ44とを備える。
【0025】
(1)把持体
把持体41は、図2に示すように、管状をし、上部側にグリップ45が取り付けられた把持部31を有している。ここでの把持体41及び把持部31は、直管状をしているが、例えば、「L」字状に湾曲、屈曲してもよい。
(2)連結体
連結体43は、管状をし、上部にアダプタ44が設けられている。アダプタ44は、連結体43及び把持体41内に配される。アダプタ44の凸部441が、把持体41の貫通孔411に嵌合する。凸部441は出没可能に構成され、これにより、把持体41と連結体43とを着脱可能とする。
【0026】
(3)バッテリー収容体
バッテリー収容体42は、バッテリー収容部32と取付部33と被係合部34とを有している。なお、取付部33及び被係合部34はバッテリー収容部32の下側に位置する。
バッテリー収容体42は、図2及び図6に示すように、太筒部421と、太筒部421の上側に設けられて細筒部422と、太筒部421の下部側から下方に延伸する一対の延伸部423とを備える。
太筒部421は、バッテリー収容部32を構成する。太筒部421の中心軸は、長尺状のバッテリー39の長手方向と一致又は略一致する。略とは、中心軸と長手方向との間の角度が10°以内のことである。太筒部421の下端には下方に突出する被係合部34が設けられている。
細筒部422は連結体43に連結される。なお、連結は、細筒部422が連結体43内に挿入された状態で、図示しないねじにより行われる。
【0027】
延伸部423は、図6に示すように、太筒部421の下部側であって左右両側から下方に延伸する。
バッテリー収容体42は、一対の延伸部423の対向面423aから他方の延伸部423に向かって円筒状に突出する軸部424を有している。ここでは、軸部424の突出先端から径方向の外方へ屈曲する環状の屈曲部425を有している。なお、軸部424と屈曲部425の内側に連通孔が形成されており、延伸部423の内部423bと外部とが連通する連通部426が構成される。
軸部424は、ヘッド1の被取付部13の貫通孔132に左右方向から嵌合し、回動可能に支持される。この状態において、図8の(b)に示すように、屈曲部425は、ヘッド1のカバー体25の内部に位置し、軸部424がヘッド1から抜けないように規制されている。つまり、屈曲部425は、軸部424が被取付部13の貫通孔132から外れるのを防止する規制部として機能する。
なお、取付部33は、少なくとも軸部424を有していればよく、ここでは、屈曲部425も有する。
被係合部34は、柄3が軸部424の回りを回動して、柄3が自立状態になると、ヘッド1の係合部14と係合する。被係合部34は、左右方向に延伸し、係合部14との係合精度を高めている。
【0028】
バッテリー収容体42は、図7に示すように、前側を構成する前収容体46と、後側を構成する後収容体47とを少なくとも備え、ここでは、バッテリー収容体42は、バッテリー39を取り出し可能とするために、後収容体47の開口部471aを開閉可能に塞ぐ蓋体48を備える。
【0029】
前収容体46は、バッテリー収容体42の太筒部421、細筒部422、延伸部423の前側を構成する半太筒部461、半細筒部462、半太筒部461の下部から下方に延伸する半延伸部463を有する。
半太筒部461は、バッテリー39の収容空間を区画するための左右壁部分461a及び上下壁部分461b,461cと、バッテリー39を位置決めするための横リブ部分461dとを内部に有している。
半延伸部463は、半太筒部461の外壁部分461eの下端部から下方に延伸する延伸外壁部分463aと、半太筒部461の底壁部分461fから下方へ延伸する延伸内壁部分463bと、延伸外壁部分463aと延伸内壁部分463bの周縁同士を連結する連結部分463cとを有する。これにより、半延伸部463内に空間463fが形成される。
延伸内壁部分463bには半取付部33Aが、底壁部分461fには被係合部34が形成されている。
【0030】
後収容体47は、バッテリー収容体42の太筒部421、細筒部422、延伸部423の後側を構成する半太筒部471と、半細筒部472と、半太筒部471の下部から下方に延伸する半延伸部473を有する。
半太筒部471は、バッテリー39を出し入れするための開口部471aと、開口部471aの周縁から前収容体46に向かって延伸する左右壁部分471b及び上下壁部分471c,471dとを内部に有している。左右壁部分471b、上下壁部分471c,471dは、バッテリー39の収容空間を区画する。
下壁部分471dには、蓋体48の係合部481用の貫通孔471eや、前収容体46との位置合わせ用の欠け部分471fが形成されている。なお、欠け部分471fには、前収容体46の下壁部分461cの凸部分461jが嵌合する。
【0031】
半延伸部473は、半太筒部471の外壁部分471gの下端部から下方に延伸する延伸外壁部分473aと、半太筒部471の底壁部分471hから下方へ延伸する延伸内壁部分473bと、延伸外壁部分473aと延伸内壁部分473bの周縁同士を連結する連結部分473cとを有する。これにより、半延伸部473内に空間473fが形成される。
延伸内壁部分473gには半取付部33Bが形成されている。
前収容体46と後収容体47とは、後収容体47の貫通孔479を挿通するねじが前収容体46のねじ孔に螺号することで、結合する。
蓋体48は、後収容体47の開口部471aに対応した形状をし、後収容体47の貫通孔471eに係合する係合部481と、後収容体47のねじ孔478に螺合する固定用のねじ用の貫通孔482と、バッテリー39を位置決めするリブ部483を有する。
バッテリー39と回路部24とを接続する給電線38は、図8に示すように、回路部24側から、回動機構71を構成する取付部33内の連通部426、柄3の内部の空間463f,473fを通る。
【0032】
<第2実施形態>
第2実施形態の清掃装置Yは、ヘッド1001と柄1003とを回動可能に備える。第2実施形態の清掃装置Yが、第1実施形態の清掃装置Xと異なる点は、清掃装置Xの被取付部13が清掃装置Yの被取付部(突出部分)1130に変更された点である。すなわち、第1実施形態の清掃装置Xにおける柄3の取付位置を清掃装置Xの被取付部13の後側に変更している点である。
ヘッド1001は、モータ231によって前後方向に動く可動部1011を有している。ヘッド1001は、ベース体1021の前側部分にモータ231を、後側部分に被取付部用の突出部分1130をそれぞれ有する。
突出部分1130には受電部1026が配されている。これにより、突出部分1130内の空間を有効に利用できる。
ベース体1021を覆うカバー体1025は、モータ231を覆う部分が上方に突出し、当該突出部分(モータ収容部)を利用して、柄1003を前側から支持する支持部1015が構成される。
ベース体1021は、前側部分に、LED1017を左右方向に間隔を置いて複数個有している。これにより、ソファの下側の暗部を清掃する際に埃を見えやすくできる。なお、カバー体1025は、LED1017の光を外部に出射(透過)するための窓部を有している。
【0033】
以上、第1及び第2実施形態を説明したが、これらの実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0034】
<変形例>
(1)清掃装置Xは、バッテリー39を柄3に収容していたが、バッテリー39をヘッド1に備えてもよい。この場合、駆動ユニット23の前側又は後側を左右方向に延びるようにバッテリー39を配置することで実施できる。
(2)清掃装置Xは、ヘッド1に対して柄3が前後方向に回動(傾斜)する、つまり、左右軸を回動軸として回動可能に取り付けられていた。しかしながら、前後方向だけでなく、左右に回動(傾斜)可能としてもよい。この場合、取付機構71として、ユニバーサルジョイントを利用したり、その構造を利用したりすることで実施できる。
(3)柄3は、グリップ45を設けて把持部31としているが、グリップを設けず把持体41及び連結体43を把持部としてもよい。柄3は、把持体41と連結体43との2部材を連結していたが、1部材としてもよい。
(4)清掃部材5は、ヘッド1に着脱可能としていたが、ヘッド1に着脱不可能に装着してもよい。
(5)柄3が自立可能とするための係合機構73を有しているが、係合機構73に着目しない場合は、係合機構73及びこれに似た構造を備えなくてもよい。
(6)モータ231等の電源手段としてバッテリー(二次電池)39を備えているが、電源手段は、一次電池でもよいし、電気コードを利用して商用電源から直接受電してもよい。
(7)ベース体21のガイド部215と、可動本体22の被ガイド部222の凹凸関係は逆であってもよい。この場合、固定用のねじ229の挿入方向を上側からとしてもよい。
(8)ヘッド1の係合部14は、ベース体21の突出部分130の円弧状の上面133の前側端に設けられているが、上面133の中間(最上端)位置、上面の後側端に設けられてもよい。
(9)ヘッド1と柄3との取付機構71は、柄3の一対の延伸部423gがヘッド1の突出部分130を回動軸と平行な方向の外方から挟むように構成されているが、例えば、柄の取付部33が、ヘッド1の凹入部の被取付部13に回動可能に取り付けられてもよい。
(10)第2カバー体28は、カバー体25において、被取付部13の一対の貫通孔132の中心を通り且つ上下に広がる仮想面の前側を構成しているが、柄3の軸部424が貫通孔132に嵌合できればよく、例えば、貫通孔132の中心を通り前後に広がる仮想面の上側を構成してもよい。
(11)ヘッド1の被取付部13と柄3の取付部33との回動機構71において、被取付部13と取付部33との凹凸関係を逆にしてもよい。この場合、柄3の取付部33を貫通孔と通る仮想線に境界として複数部材により構成することで実施できる。
(12)回動機構17の軸部424に中心線(回動軸である)は、モータ231と交差するが、モータ231の位置に着目しない場合、モータ231と交差しなくてもよい。
(13)モータ231と被取付部との位置関係において、図10に示すように、モータ231が前側に位置するが、後側であってもよい。なお、重量物であるモータ231と被取付部は、左右方向の中央に位置することが重量バランスの点で好ましい。
(14)モータ231の回転軸は、下方に向かっていたが、変換部232の構造によっては、前後方向に延伸してもよい。
(15)可動部11の可動方向は、前後方向であったが、左右方向であってもよいし、前後方向と左右方向の両方であってもよい。
【0035】
<<発明>>
1.先行技術
従来、清掃部材が装着された清掃体と、清掃体を操作するための操作部を備えた清掃具が知られている(特許文献1)。
特許文献1の清掃具では、塵埃を十分に除去できないという問題がある。
発明1では、塵埃除去の性能を向上させることが可能な清掃装置を提供することを目的とする。
【0036】
2.発明1
【0037】
発明1の第1の清掃装置は、
把持部とヘッドとを備える清掃装置において、
前記ヘッドは、モータの回転によって動き且つ清掃部材が当該ヘッドに装着された状態において前記清掃部材により覆われる底面を有する可動部を備える。
ここでいう可動部の動きは、前後方向、左右方向、上下方向、これらと交差する方向に直線又は曲線的に移動する動きを含む。
清掃部材は、ヘッドに対して、着脱可能に装着されてもよいし、着脱不可能に装着されてもよい。
これにより、塵埃除去性能を向上できる。
【0038】
第2の清掃装置は、第1の清掃装置において、
前記ヘッドは、前記モータの回転を前記底面に沿った動きに変換する変換部を有し、
前記可動部は、前記底面に沿って動く。
これにより、可動部は被清掃面に沿って動くことになり、塵埃除去性能を一層高めることができる。
【0039】
第3の清掃装置は、第1又は第2清掃装置において、
前記モータは、前記底面を被清掃面と平行にした状態において、前記モータの回転軸が前記底面を向くよう配されている。
これにより、被清掃面と平行な方向の寸法を小さくできる。
【0040】
第4の清掃装置は、第1~第3の清掃装置において、
前記モータは、前記変換部の上方に配される。
「上方に配される」とは、上方から見たときに、変換部との重なる部分を有する状態でモータが配されることをいい、側方から見たときに、モータの回転軸を除く本体部分が変換部よりも上方に離れている場合、本体部分が変換部と当接する場合、モータの下部側が変換部の上部側に入り込んでいる場合を含む。
これにより、被清掃面と平行な方向の寸法を小さくできる。
【0041】
第5の清掃装置は、第1~第4の清掃装置において、
前記モータは、長尺状の前記可動部の長手方向における中央に配されている。
「中央に配される」とは、上方から見たときに、中央を通り且つ短手方向に延伸する仮想線にモータが重なる状態に配されることをいう。
これにより、可動部の長手方向における重量バランスをよくできる。
【0042】
第6の清掃装置は、第1~第5の清掃装置において、
前記モータの電力源となるバッテリーを備える。
これにより、常時接続する電気コードが不要となり、掃除の際の利便性を高めることができる。
【0043】
第7の清掃装置は、第1~第6の清掃装置において、
前記ヘッドは、前記バッテリーに給電するための電力を受電する受電部を備える。
これにより、バッテリーを充電でき、利便性を高めることができる。
【0044】
第8の清掃装置は、第1~第7の清掃装置において、
前記ヘッドは、前記モータの駆動のオン又はオフを切り替える操作部を有する。
これにより、使用する際に駆動をオンでき、利便性を高めることができる。
【0045】
第9の清掃装置は、第1~第8の清掃装置において、
前記ヘッドは、前記把持部を有する柄が回動可能に取り付けられる被取付部と、前記被取付部の前側において前記柄を前側から支持する支持部とを有する。
これにより、柄が前側に倒れるのを防止できる。
【0046】
第10の清掃装置は、第1~第9の清掃装置において、
前記ヘッドは、
前記把持部を有する柄が回動可能に取り付けられる被取付部と、
前記底面を水平にした状態で、前記柄が前記ヘッドに対して垂直方向に沿う自立状態となるよう、前記被取付部と前記柄とが係合する係合構造とを有する。
これにより、柄(把持部)がヘッドに対して倒れ難くできる。
【0047】
第11の清掃装置は、第1~第10の清掃装置において、
前記ヘッドは、前記把持部を有する柄が回動可能に取り付けられる被取付部を有し、
前記被取付部は、前記モータの少なくとも一部を内部に収容する。
これにより、スペースを効率よく利用してモータを収容できる。
【0048】
第12の清掃装置は、第1~第11の清掃装置において、
前記ヘッドは、前記把持部を有する柄が回動可能に取り付けられる被取付部を有し、
前記柄の回動軸又は当該回動軸の延長線は前記モータを通る。
これにより、回動軸部分に重量物が位置し、柄の回動を安定して行うことができる。
【0049】
第13の清掃装置は、第1~第12の清掃装置において、
前記ヘッドは前記把持部を有する柄が回動機構により回動可能に取り付けられる被取付部を有し、
前記柄は、前記モータと給電線により電気的に接続され且つ前記モータに電力を供給するためのバッテリーを有し、
前記給電線は、前記回動機構の前記柄側と前記被取付部側とが連通する連通部を通過する。
これにより、給電線が回動機構の外側に露出しなくなり、給電線の断線等を防止できる。
【0050】
第14の清掃装置は、第2の清掃装置において、
前記変換部は、前記モータの駆動力を減速機構を介して回転部に伝達し、
前記可動部は、前記底面に沿った方向であって、当該可動部の移動方向と交差する方向に延びる溝又は孔を有し、
前記回転部は、前記溝又は前記孔に挿入される偏心軸部を有し、前記モータの駆動力によって回転する。
これにより、モータの駆動力を可動部の底面に沿った動きに変換することができる。
【0051】
第15の清掃装置は、第14の清掃装置において、
前記ヘッドは、前記可動部と対向するベース体と、前記ベース体に対する前記可動部の移動方向に沿った動きをガイドするガイド機構とを備え、
前記ガイド機構は、前記ベース体と前記可動部の対向方向に突出する被ガイド部と、前記可動部の移動方向に沿って前記被ガイド部を移動可能に案内するガイド部とを有し、
前記ベース体及び前記可動部の一方に前記被ガイド部が設けられ、他方に前記ガイド部が設けられる。
なお、他の発明の構成を有してもよい。
【0052】
<発明2>
1.先行技術
本特許文献1の清掃具では、操作部が倒れやすいという問題がある。なお、操作部が倒れやすいと、清掃具を収容し難い傾向にある。
発明2では、回動式の柄が倒れ難い清掃装置を提供することを目的とする。
【0053】
2.発明2
発明2の第1の清掃装置は、
把持部を有する柄とヘッドとを備える清掃装置であって、
前記柄は、前記ヘッドに対して回動可能に取り付けら、
前記柄と前記ヘッドは、清掃部材が前記ヘッドに装着された状態で覆われる底面を被清掃面と平行にした状態で、前記柄が当該ヘッドに対して垂直方向に沿う自立状態となるよう、互いに係合する係合機構を有する。
これにより、柄(把持部)がヘッドに対して倒れ難くできる。
ここでのヘッドは、モータによって可動する可動部を備えてもよいし、備えなくてもよい。つまり、発明2の第1の清掃装置は、少なくとも、柄がヘッドに対して回動する回動機構と係合機構とを有していればよい。
第2の清掃装置は、第1の清掃装置において、
前記ヘッドは、自立状態の前記柄を前側から支持する支持部を有する。
これにより、柄が前側に倒れるのを防止できる。
なお、他の発明の構成を有してもよい。
【0054】
<発明3>
1.先行技術
本特許文献1の清掃具では、ソファの下側等の暗部を清掃する際に、ほこりが見えにくいという問題がある。
発明3では、暗部でも埃を見えやすい清掃装置を提供することを目的とする。
2.発明3
発明3の第1の清掃装置は、ヘッドと柄とを回動可能に備え、ヘッドにLEDが設けられている。
これにより、暗部を明るくできる。
ここでのヘッドは、モータによって可動する可動部を備えてもよいし、備えなくてもよい。また、LEDの給電は、バッテリーを使ってもよいし、電気コードを使ってもよい。
つまり、発明3の第1の清掃装置は、少なくとも、柄がヘッドに対して回動する回動機構とLEDとを有していればよい。
なお、他の発明の構成を有してもよい。
【0055】
<発明4>
1.先行技術
本特許文献1の清掃具では、ヘッドに駆動部を有することが想定されておらず、ヘッドに可動部やLED等の駆動部を設け且つ柄にバッテリーを搭載する構造において、駆動部とバッテリーとの給電線の配線が切断しやすいという問題がある。
発明4では、給電線が切断し難い清掃装置を提供することを目的とする。
2.発明4
発明4の第1の清掃装置は、
駆動部を有するヘッドと、
前記駆動部に給電するバッテリーを収容し且つ前記ヘッドに対して回動可能に取り付けられる柄と
を備え、
給電線は、前記回動機構の連通部を通過する。
これにより、給電線を切断し難くできる。
なお、駆動部は、LED、モータ以外に、表示部、ブザー等であってもよく、他の発明の構成を有してもよい。
【符号の説明】
【0056】
X 清掃装置
1 ヘッド
3 柄
11 可動部
13 被取付部
14 係合部
15 支持部
20 可動体
21 ベース体
23 駆動ユニット
25 カバー体
31 把持部
39 バッテリー
42 バッテリー収容体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10