(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170669
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H03K 19/0175 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
H03K19/0175 290
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024162202
(22)【出願日】2024-09-19
(62)【分割の表示】P 2022160670の分割
【原出願日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】110137145
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512078904
【氏名又は名称】立積電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】RichWave Technology Corp.
【住所又は居所原語表記】3F, No.1, Alley 20, Lane 407, Section 2, Tiding Blvd., NeiHu District, Taipei City 114, Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】陳 智聖
(72)【発明者】
【氏名】林 智哲
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ ▲ゆい▼翔
(72)【発明者】
【氏名】顏 玄▲徳▼
(57)【要約】 (修正有)
【課題】過電圧保護を行うことが可能なスイッチ装置を提供する。
【解決手段】スイッチ装置100は、第1ノードN1と、スイッチユニットSU1と、調整スイッチSWAと、インピーダンス素子R1と、第2ノードN2と、検出ユニットDUと、を備えている。スイッチユニットの第1端子は、第1ノードに結合されている。調整スイッチの第1端子と第2端子とは、それぞれ、スイッチユニットの第2端子と基準電圧端子150とに結合されている。インピーダンス素子の第1端子と第2端子とは、それぞれ、調整スイッチの第1端子と第2端子とに結合されている。検出ユニットは、第2ノードと、スイッチユニットの制御端子と、調整スイッチの制御端子とに結合されている。検出ユニットは、第2ノードのノード信号SNを検出し、第1制御信号S1と第2制御信号S2とを生成し、スイッチユニットと調整スイッチとを制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部信号を送受信するように構成されている第1信号送受信端子と第2信号送受信端子との間に形成された第1経路に位置する第1ノードと、
前記第1ノードに結合された第1端子と、制御端子と、第2端子とを含む第1スイッチユニットと、
前記第1スイッチユニットの前記第2端子に結合された第1端子と、制御端子と、基準電圧端子に結合された第2端子とを含む調整スイッチと、
前記調整スイッチの前記第1端子に結合された第1端子と、前記調整スイッチの前記第2端子に結合された第2端子とを含むインピーダンス素子と、
前記第1ノードと前記基準電圧端子との間に形成された第2経路に位置する第2ノードと、
前記第2ノードで、前記外部信号に関連付けられていて交流(AC)電圧信号であるノード信号を検出し、前記ノード信号に応じて前記第1スイッチユニットと前記調整スイッチとを制御するように構成されている検出ユニットであり、前記第2ノードに結合された第1入力端子と、前記第1スイッチユニットの前記制御端子に結合された第1出力端子と、前記調整スイッチの前記制御端子に結合された第2出力端子とを含む検出ユニットと、
前記第1スイッチユニットの前記第2端子と前記調整スイッチの前記第1端子との間に結合された直流ブロッキングキャパシタとを備えている、スイッチ装置。
【請求項2】
前記第2ノードは、前記第1スイッチユニットと前記調整スイッチとの間に位置する、請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記検出ユニットは、前記第1スイッチユニットをオフにし、前記調整スイッチをオンにするように構成されている、請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記ノード信号は、所定値よりも弱い、請求項3記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記検出ユニットは、前記第1スイッチユニットをオンにし、前記調整スイッチをオフにするように構成されている、請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記ノード信号は、所定値よりも強い、請求項5記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記検出ユニットは、前記第1スイッチユニットと前記調整スイッチとをオンにするように構成されている、請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記検出ユニットは、前記インピーダンス素子の使用を停止し、又は使用を開始するように前記調整スイッチを制御し、前記第2経路の等価インピーダンスは、前記インピーダンス素子が使用されていない場合に、第1の値であり、前記第2経路の前記等価インピーダンスは、前記インピーダンス素子が使用されている場合に、前記第1の値よりも低い第2の値である、請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記検出ユニットはさらに、ベース電圧を受信するように構成されている第2入力端子を含み、
前記検出ユニットは、前記ノード信号と前記ベース電圧とに応じて第1制御信号及び第2制御信号を生成し、前記第1制御信号は、前記検出ユニットの前記第1出力端子を介して出力され、前記第1スイッチユニットを制御し、前記第2制御信号は、前記検出ユニットの前記第2出力端子を介して出力され、前記調整スイッチを制御する、請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項10】
前記検出ユニットはさらに、
前記検出ユニットの前記第1入力端子に結合され、前記ノード信号に正に相関する検出電圧を受信するように構成された第1端子と、前記検出ユニットの前記第2入力端子に結合され前記ベース電圧を受信するように構成された第2端子と、比較信号を出力するように構成された出力端子とを有する、コンパレータを含み、
前記比較信号は、前記検出電圧が前記ベース電圧よりも高い場合に、高レベルである、請求項9記載のスイッチ装置。
【請求項11】
前記検出ユニットはさらに、
整流信号を生成するために前記ノード信号を整流するように構成されている整流器であり、前記検出ユニットの前記第1入力端子に結合され前記ノード信号を受信するように構成された第1端子と、前記整流信号を出力するように構成された第2端子とを有する、整流器を含む、請求項10記載のスイッチ装置。
【請求項12】
前記検出ユニットはさらに、
前記整流信号に対してローパスフィルタリングを行って前記検出電圧を生成するように構成されたローパスフィルタであり、前記整流器の前記第2端子に結合され前記整流信号を受信するように構成された第1端子と、前記検出電圧を出力するように構成された第2端子とを有する、ローパスフィルタを含む、請求項11記載のスイッチ装置。
【請求項13】
前記検出ユニットはさらに、
前記比較信号に応じて前記第1制御信号と前記第2制御信号とを生成するように構成されている論理素子であり、前記コンパレータの前記出力端子に結合され前記比較信号を受信するように構成された入力端子と、前記検出ユニットの前記第1出力端子に結合され前記第1制御信号を出力するように構成された第1出力端子と、前記検出ユニットの前記第2出力端子に結合され前記第2制御信号を出力するように構成された第2出力端子とを有する、論理素子を含む、請求項12記載のスイッチ装置。
【請求項14】
前記検出ユニットはさらに、
前記比較信号が前記高レベルである場合に、所定の時間間隔の間に前記比較信号を前記高レベルでホールドすることによってホールド信号を生成するように構成されているホールドユニットであり、前記コンパレータの前記出力端子に結合され前記比較信号を受信するように構成された入力端子と、前記ホールド信号を出力するように構成された出力端子とを有するホールドユニットと、
前記ホールド信号に応じて前記第1制御信号と前記第2制御信号とを生成するように構成されている論理素子であり、前記ホールドユニットの前記出力端子に結合され前記ホールド信号を受信するように構成された入力端子と、前記検出ユニットの前記第1出力端子に結合され前記第1制御信号を出力するように構成された第1出力端子と、前記検出ユニットの前記第2出力端子に結合され前記第2制御信号を出力するように構成された第2出力端子とを有する、論理素子とを含む、請求項12記載のスイッチ装置。
【請求項15】
さらに、前記第1信号送受信端子に結合された第1端子と、第3制御信号を受信するように構成された制御端子と、前記第2信号送受信端子に結合された第2端子とを含む第2スイッチユニットを備えている、請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項16】
前記第1信号送受信端子と前記第2信号送受信端子とに対応するインピーダンスが互いに整合する場合に、前記第3制御信号はイネーブルレベルにあり、これにより、前記第2スイッチユニットをオンにして、前記第1信号送受信端子と前記第2信号送受信端子との間で外部信号を送受信し、
前記外部信号を送受信する動作中に、前記第1信号送受信端子と前記第2信号送受信端子とに対応する前記インピーダンスが互いに不整合になった場合に、前記第3制御信号は、前記第2スイッチユニットをオンにし続ける前記イネーブルレベルに維持される、請求項15記載のスイッチ装置。
【請求項17】
前記第1信号送受信端子と前記第2信号送受信端子との間の前記外部信号の送受信動作が停止された場合に、前記第2スイッチユニットをオフにするように、前記第3制御信号はディセーブルレベルにある、請求項16記載のスイッチ装置。
【請求項18】
前記インピーダンス素子は、5Ω及び200Ωの間のインピーダンスを有する、請求項1記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチ装置、より詳細には、過電圧保護を提供することが可能なスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スイッチ装置を設計する場合に、インピーダンス不整合の影響を低減するために、送信端部と受信端部との間のインピーダンス整合を考慮する必要がある。例えば、信号送信中に反射が起こる可能性がある。この現象は、過電圧のために、スイッチ装置、及び/又はスイッチ装置に結合されたバックエンド回路を損傷するリスクがある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態は、スイッチ装置を提供し、これは、第1ノードと、第1スイッチユニットと、調整スイッチと、インピーダンス素子と、第2ノードと、検出ユニットとを備えている。第1ノードは、第1信号送受信端子と第2信号送受信端子との間に形成された第1経路に位置する。第1スイッチユニットは、第1ノードに結合された第1端子と、制御端子と、第2端子とを含む。調整スイッチは、第1スイッチユニットの第2端子に結合された第1端子と、制御端子と、基準電圧端子に結合された第2端子とを含む。インピーダンス素子は、調整スイッチの第1端子に結合された第1端子と、調整スイッチの第2端子に結合された第2端子とを含む。第2ノードは、第1ノードと基準電圧端子との間に形成された第2経路に位置する。検出ユニットは、第2ノードでノード信号を検出し、ノード信号に応じて第1スイッチユニットと調整スイッチとを制御するように構成されているものであり、第2ノードに結合された第1入力端子と、第1スイッチユニットの制御端子に結合された第1出力端子と、調整スイッチの制御端子に結合された第2出力端子とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図3】実施形態に係り、
図1又は
図2に示すスイッチ装置のスイッチユニットを示す。
【
図4】別の実施形態に係り、
図1又は
図2に示すスイッチ装置のスイッチユニットを示す。
【
図5】実施形態に係り、
図1又は
図2に示すスイッチ装置の検出ユニットを示す。
【
図6】別の実施形態に係り、
図1又は
図2に示すスイッチ装置の検出ユニットを示す。
【
図7】実施形態に係り、
図5又は
図6に示す検出ユニットの整流器を示す図である。
【
図8】実施形態に係り、
図5又は
図6に示す検出ユニットのローパスフィルタを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
添付図面を参照して、以下では、技術的に通常の知識を有する人が容易に理解できるように、例示的な実施形態を詳細に説明する。発明の概念は、ここに記載した例示的な実施形態に限定されることなく、種々の形態で具体化されてよい。周知の部分の説明は、明確にするために省略され、同じ参照番号は、全体を通して同じ要素を指す。
【0006】
図1は、一実施形態によるスイッチ装置100を示す。スイッチ装置100は、ノードN1と、スイッチユニットSU1と、調整スイッチSWAと、インピーダンス素子R1と、ノードN2と、検出ユニットDUとを含んでよい。
図1に示すように、信号送受信端子110,130の間に経路PTH1を形成してよい。一実施形態によれば、経路PTH1は、信号送信経路であってよい。信号送受信端子110及び130は、外部信号を送受信するために使用してよい。ノードN1は、経路PTH1に位置してよい。スイッチユニットSU1は、ノードN1に結合された第1端子と、制御端子と、第2端子とを含んでよい。調整スイッチSWAは、スイッチユニットSU1の第2端子に結合された第1端子と、制御端子と、基準電圧端子150に結合された第2端子とを含んでよい。基準電圧端子150は、基準電圧VFを供給することができる。基準電圧VFは、0ボルト又は別の固定電圧であってよい。インピーダンス素子R1は、調整スイッチSWAの第1端子に結合された第1端子と、調整スイッチSWAの第2端子に結合された第2端子とを含んでよい。インピーダンス素子R1は、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、又は以上3つの構成要素のうちの少なくとも1つで形成された任意の組み合せを含んでよい。
図1で、インピーダンス素子R1は、一例として抵抗器を含む。実施形態はこれに限定されない。経路PTH2は、ノードN1と基準電圧端子150との間に形成してよい。一実施形態によれば、経路PTH2は、シャント経路であってよい。ノードN2は、経路PTH2上に位置してよい。
図1で、ノードN2は、一例としてスイッチユニットSU1と調整スイッチSWAとの間に位置するが、実施形態はこれに限定されない。検出ユニットDUは、ノードN2に結合された第1入力端子と、スイッチユニットSU1の制御端子に結合された第1出力端子と、調整スイッチSWAの制御端子に結合された第2出力端子とを含んでよい。検出ユニットDUは、ノードN2におけるノード信号SNを検出し、ノード信号SNに応じてスイッチユニットSU1と調整スイッチSWAとを制御することに使用されてよい。また、検出ユニットDUは、調整スイッチSWAを制御して、インピーダンス素子R1の使用を停止し、又は使用を開始することを行ってよい。一実施形態によれば、ノード信号SNは、外部信号に関連付けられてよい。一実施形態によれば、外部信号及びノード信号SNは、無線周波数(RF)信号などの交流(AC)電圧信号であってよい。
【0007】
一実施形態によれば、信号送受信端子110及び130に対応するインピーダンスが互いに整合する場合に、外部信号を信号送受信端子110及び130の間で送受信することができる。その際、検出ユニットDUで検出されたノード信号SNが所定値よりも弱くなることができ、スイッチユニットSU1をオフにして、外部信号が未使用の経路(例えば経路PTH2)に漏れることを防止してよい。従って、エネルギー損失を低減することができる。調整スイッチSWAは、インピーダンス素子R1の使用を停止するためにオンにしてよい。一実施形態によれば、所定値は、実際の用途及び設計要件に応じて選択されてよい。なお、信号送受信端子110に対応するインピーダンスは、ノードN1から方向d1に沿って信号送受信端子110に向かって見ることで取得される、等価インピーダンスZSであってよい。信号送受信端子130に対応するインピーダンスは、ノードN1から方向d2に沿って信号送受信端子130に向かって見ることで取得される、等価インピーダンスZL1であってよい。インピーダンス整合は、等価インピーダンスZS及びZL1が互いに共役複素数であることを意味してよい。さらに、経路PTH2のインピーダンスは、ノードN1から方向d3に沿って基準電圧端子150に向かって見ることで取得される、等価インピーダンスZTであってよい。インピーダンス素子R1は使用されないが、オフになったスイッチユニットSU1は開回路と同等である可能性があるので、等価インピーダンスZTは高インピーダンスである。
【0008】
一実施形態によれば、外部信号を送受信する動作中に、信号送受信端子130がインピーダンスを増加させるために外部から影響を受ける(すなわち、等価インピーダンスZL1が増加される)場合に、信号送受信端子110及び130の間のインピーダンス不整合を引き起こす可能性があり、また、信号反射を引き起こす可能性がある。例えば、信号送受信端子110から信号送受信端子130へ外部信号を送信するプロセスの間に、外部信号の一部が信号送受信端子130から信号送受信端子110へ反射される可能性がある。反射された外部信号は、送信された外部信号に追加される可能性がある。オフになったスイッチユニットSU1は、その電気的特性に応じてキャパシタとみなしてよいため、外部からの反射信号を加えた外部送信信号がオフになったスイッチユニットSU1を通って経路PTH2にさらに漏洩する可能性があり、検出ユニットDUが検出したノード信号SNが所定値よりも強くなる結果となる。その結果、スイッチ装置100及び/又はスイッチ装置100に結合されたバックエンド回路は、過電圧によって損傷する可能性がある。損傷を避けるために、検出ユニットDUを使用してスイッチユニットSU1をオンにし、調整スイッチSWAをオフにして、インピーダンス素子R1を使用し始めてよい。インピーダンス素子R1は、インピーダンス(ZR1と表される)を与えることができる。一実施形態によれば、インピーダンスZR1が5Ω及び200Ωの間であるインピーダンス素子R1を選択してよい。また、オンになったスイッチユニットSU1は、その電気的特性に応じて抵抗器とみなしてよいため、オンになったスイッチユニットSU1は、インピーダンス(ZSU1と表される)を与えることができる。換言すれば、等価インピーダンスZTは、インピーダンス素子R1(インピーダンスZR1を有する)とスイッチユニットSU1(インピーダンスZSU1を有する)とを直列に結合することで生成されるインピーダンスとみなしてよい。オンになったスイッチユニットSU1は短絡と同等である可能性があり、インピーダンス素子R1は低インピーダンスを有するため、等価インピーダンスZTは低インピーダンスであってよい。なお、信号送受信端子130に対応するインピーダンスは、信号送受信端子110から方向d4に沿って信号送受信端子130に向かって見ることで取得される等価インピーダンスZL2であってよいので、等価インピーダンスZL1及びZTを並列に結合することで生成されるインピーダンスとみなしてよい。従って、等価インピーダンスZL2は、等価インピーダンスZL1よりも低くなることができる。このようにして、外部要因によって増加した信号送受信端子130に対応するインピーダンスは、等価インピーダンスZTを並列に結合することで低減することができる。信号送受信端子130に対応するインピーダンスは、結果として、インピーダンス整合のために調整することができる。インピーダンス整合は、等価インピーダンスZS及びZL2が互いに共役複素数であることを意味してよい。また、インピーダンス不整合によって生じる信号反射も低減することができる。従って、送受信された信号の完全性を向上させることは有用であり、スイッチ装置100及び/又はスイッチ装置100に結合されたバックエンド回路に過電圧保護を提供することができる。これに応じて、検出ユニットDUが検出したノード信号SNは、所定値よりも弱くなることができる。ノード信号SNにより、検出ユニットDUはスイッチユニットSU1をオフし、再び調整スイッチSWAをオンにする。
【0009】
一実施形態によれば、信号送受信端子110及び130が外部信号の送受信を停止すると、検出ユニットDUを使用してスイッチユニットSU1と調整スイッチSWAとをオンにすることができ、信号送受信端子110及び130上の外部信号を基準電圧端子150にシャントすることができる。このようにして、送受信信号の望ましくない動作は、信号送受信端子110及び130の間で行われることを防止することができ、信号送受信端子110及び130の間の分離を大きくすることができる。
【0010】
実施形態によれば、
図1に示すように、検出ユニットDUは、ベース電圧VTHを受信する第2入力端子をさらに含んでよい。ベース電圧VTHは、固定電圧であってよく、上記の所定値と等しくてよい。検出ユニットDUは、ノード信号SNとベース電圧VTHとに応じて、第1制御信号S1と第2制御信号S2とを生成してよい。第1制御信号S1は、検出ユニットDUの第1出力端子を介して出力され、スイッチユニットSU1を制御してよい。第2制御信号S2は、検出ユニットDUの第2出力端子を介して出力され、調整スイッチSWAを制御してよい。
【0011】
一実施形態によれば、第1制御信号S1は、スイッチユニットSU1の閾値電圧よりも高いイネーブルレベルと、スイッチユニットSU1のスイッチをオン・オフにするためにスイッチユニットSU1の閾値電圧よりも低いディセーブルレベルとを有してよい。第2制御信号S2は、調節スイッチSWAの閾値電圧よりも高いイネーブルレベルと、調節スイッチSWAをオン及びオフにするために調節スイッチSWAの閾値電圧よりも低いディセーブルレベルとを有してよい。しかし、外部信号を送受信する動作中に、基準電圧VFが第1制御信号S1のディセーブルレベルに過度に近づくと、スイッチユニットSU1が効果的にオフにならない可能性がある。
【0012】
図2は、別の実施形態によるスイッチ装置200を示す。
図2は、
図1と同様であってよい。しかし、
図2に示すスイッチ装置200は、DC(直流)ブロッキングキャパシタCBをさらに含んでよい。DCブロッキングキャパシタCBは、基準電圧VFをブロックするために、スイッチユニットSU1の第2端子と調整スイッチSWAの第1端子との間に結合され、スイッチユニットSU1に対する基準電圧VFの影響を低減することができる。一実施形態によれば、スイッチユニットSU1の第2端子に印加されるバイアス電圧をさらに増加させて、スイッチユニットSU1を効果的にオフにしてよい。さらに、DCブロッキングキャパシタCBは、インピーダンス(ZCBと表される)を与えることができる。換言すれば、検出ユニットDUを使用してスイッチユニットSU1をオンにし、調整スイッチSWAをオフにする場合に、等価インピーダンスZTは、スイッチユニットSU1(インピーダンスZSU1を有する)と、DCブロッキングキャパシタCB(インピーダンスZCBを有する)と、インピーダンス素子R1(インピーダンスZR1を有する)とを直列に結合することで発生するインピーダンスと、みなしてよい。このように、外部要因(即ち、増加した等価インピーダンスZL1)によって増加した信号送受信端子130に対応するインピーダンスは、等価インピーダンスZTを並列に結合すること(即ち、並列に結合された等価インピーダンスZT及びZL1)によって低減することができる。従って、スイッチ装置200の回路構造は、
図1に示すスイッチ装置100の効果と同様の効果を提供することができる。更に別の実施形態によれば、第1制御信号S1のディセーブルレベルが負の電圧レベルである場合に、DCブロッキングキャパシタCBは省略してよい。
【0013】
図3は、一実施形態に係り、
図1のスイッチ装置100、又は
図2のスイッチ装置200のスイッチユニットSU1を示す。
図3に示すように、スイッチユニットSU1は、スイッチSW1を含んでよい。スイッチSW1は、スイッチユニットSU1の第1端子に結合された第1端子と、スイッチユニットSU1の制御端子に結合された制御端子と、スイッチユニットSU1の第2端子に結合された第2端子とを含んでよい。
【0014】
図4は、別の実施形態に係り、
図1のスイッチ装置100、又は
図2のスイッチ装置200のスイッチユニットSU1を示す。
図4に示すように、スイッチユニットSU1は、n個のスイッチSW11ないしSW1nを含んでよく、スイッチSW11ないしSW1nのそれぞれは、第1端子と、制御端子と、第2端子とを含んでよい。スイッチSW11ないしSW1nの各スイッチの制御端子は、スイッチユニットSU1の制御端子に接続されている。第iスイッチSW1iの第1端子は、第(i-1)スイッチSW1(i-1)の第2端子に結合され、第iスイッチSW1iの第2端子は、第(i+1)スイッチSW1(i+1)の第1端子に結合されている。第1スイッチSW11の第1端子は、スイッチユニットSU1の第1端子に結合されている。第nスイッチSW1nの第2端子は、スイッチユニットSU1の第2端子に結合されている。換言すれば、n個のスイッチSW11ないしSW1nは、スタック構造を形成してよい。ここで、n及びiは正の整数で、1<i<nである。別の実施形態によれば、スイッチユニットSU1は、複数の制御端子を含んでよく、検出ユニットDUの第1出力端子の数は、スイッチユニットSU1の制御端子の数に対応してよい。この状態では、スイッチSW11ないしSW1nの制御端子は、それぞれ、スイッチユニットSU1の複数の制御端子の対応する制御端子に結合されてよい。
【0015】
一実施形態によれば、上述した調整スイッチSWAと、スイッチSW1と、スイッチSW11ないしSW1nとのそれぞれは、電界効果トランジスタ(FET)であってよい。従って、調整スイッチSWAと、スイッチSW1と、スイッチSW11ないしSW1nとのそれぞれについて、第1端子はドレイン端子、第2端子はソース端子、制御端子はゲート端子であってよい。
【0016】
図5は、一実施形態に係り、
図1のスイッチ装置100又は
図2のスイッチ装置200に示される検出ユニットDUを示す。
図5に示すように、検出ユニットDUは、コンパレータ510を含んでよい。コンパレータ510は、検出ユニットDUの第1入力端子に結合され検出電圧Vdetを受信する第1端子と、検出ユニットDUの第2入力端子に結合されベース電圧VTHを受信する第2端子と、比較信号Scを出力する出力端子とを含んでよい。一実施形態によれば、検出電圧Vdetは、ノード信号SNと正に相関するものであってよい。比較信号Scは、検出電圧Vdetがベース電圧VTHよりも高い場合に(即ち、ノード信号SNが所定値よりも大きい場合に)、高レベルであってよい。比較信号Scは、検出電圧Vdetがベース電圧VTHよりも低い場合に(即ち、ノード信号SNが所定値よりも小さい場合に)、低レベルであってよい。
【0017】
図5に示すように、検出ユニットDUは、整流器520をさらに含んでよい。整流器520は、検出ユニットDUの第1入力端子に結合され、ノード信号SNを受信する第1端子と、整流信号SRを出力する第2端子とを含んでよい。整流器520は、ノード信号SNを整流して整流信号SRを生成することができる。
【0018】
図5に示すように、検出ユニットDUはさらに、ローパスフィルタ530を含んでよい。ローパスフィルタ530は、整流器520の第2端子に結合され、整流信号SRを受信する第1端子と、検出電圧Vdetを出力する第2端子とを含んでよい。ローパスフィルタ530は、検出電圧Vdetを生成するために、整流信号SRに対してローパスフィルタリングを実行することができる。
【0019】
図5に示すように、検出ユニットDUは、論理素子540をさらに含んでよい。論理素子540は、コンパレータ510の出力端子に結合され比較信号Scを受信する入力端子と、検出ユニットDUの第1出力端子に結合され第1制御信号S1を出力する第1出力端子と、検出ユニットDUの第2出力端子に結合され第2制御信号S2を出力する第2出力端子とを含んでよい。一実施形態によれば、論理素子540は、デコーダであってよい。論理素子540は、比較信号Scに応じて、第1制御信号S1と第2制御信号S2とを生成することができる。さらに、比較信号Scが高レベルである場合に、第1制御信号S1はイネーブルレベルにあり、第2制御信号S2はディセーブルレベルにある。比較信号Scが低レベルである場合に、第1制御信号S1はディセーブルレベルにあり、第2制御信号S2はイネーブルレベルにある。
【0020】
図6は、別の実施形態に係り、
図1のスイッチ装置100又は
図2のスイッチ装置200の検出ユニットDUを示す。
図6は、
図5と同様であってよいが、さらに検出ユニットDUは、
図6に示すように、ホールドユニット650を含んでよい。ホールドユニット650は、コンパレータ510の出力端子に結合され、比較信号Scを受信する入力端子と、ホールド信号Sdを出力する出力端子とを含んでよい。論理素子540は、ホールドユニット650の出力端子に結合され、ホールド信号Sdを受信する入力端子と、検出ユニットDUの第1出力端子に結合され、第1制御信号S1を出力する第1出力端子と、検出ユニットDUの第2出力端子に結合され、第2制御信号S2を出力する第2出力端子とを含んでよい。論理素子540は、ホールド信号Sdに応じて、第1制御信号S1と第2制御信号S2とを生成してよい。さらに、比較信号Scが高レベルである場合に、ホールドユニット650は、比較信号Scを所定の時間間隔(例えば、200マイクロ秒)にわたって高レベルでホールドし、これにより、ホールド信号Sdを生成してよい。このように、論理素子540は、ホールド信号Sdが高レベルにある持続時間に応じて、スイッチユニットSU1をオンにし、調整スイッチSWAをオフにする時間を長くすることができ、従って、過電圧保護の時間が延長される。
【0021】
図7は、一実施形態に係り、
図5又は
図6の検出ユニットDUの整流器520を示す。整流器520は、インピーダンス素子R2とダイオード527とを含んでよい。インピーダンス素子R2は、整流器520の第1端子に結合された第1端子と、整流器520の第2端子に結合された第2端子とを含んでよい。インピーダンス素子R2は、分圧信号SDVを生成するために、ノード信号SNを分割することに使用してよい。一実施形態によれば、インピーダンス素子R2は、経路PTH2上の動作に影響を及ぼすことを避けるために、50ないし2000Ωのインピーダンスを有してよい。インピーダンス素子R2は、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、又は以上3つの構成要素のうちの少なくとも1つで形成された任意の組み合せを含んでよい。
図7において、抵抗器を含むインピーダンス素子R2は、単なる一例に過ぎないものであり、実施形態の範囲を制限しない。ダイオード527は、インピーダンス素子R2の第2端子に結合された第1端子と、基準電圧端子150に結合された第2端子とを含んでよい。ダイオード527は、整流信号SRを生成するために分圧信号SDVを整流することができる。一実施形態によれば、ダイオード527の第1端子はアノードであり、ダイオード527の第2端子はカソードであってよい。
図7は一例であり、整流器520の構造はこれに限定されない。
【0022】
図8は、一実施形態に係り、
図5又は
図6の検出ユニットDUのローパスフィルタ530を示す。ローパスフィルタ530は、インピーダンス素子R3とキャパシタ538とを含んでよい。インピーダンス素子R3は、ローパスフィルタ530の第1端子に結合された第1端子と、ローパスフィルタ530の第2端子に結合された第2端子とを含んでよい。実施形態によれば、インピーダンス素子R3は、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、又は以上3つの構成要素のうちの少なくとも1つで形成された任意の組み合せを含んでよい。
図8において、抵抗器を含むインピーダンス素子R3は、単なる一例に過ぎないものであり、実施形態の範囲を制限しない。キャパシタ538は、インピーダンス素子R3の第2端子に結合された第1端子と、基準電圧端子150に結合された第2端子とを含んでよい。
【0023】
図9は、別の実施形態によるスイッチ装置900を示す。
図9は、
図2と同様であってよいが、
図9に示すように、スイッチ装置900は、スイッチユニットSU2をさらに含んでよい。スイッチユニットSU2は、経路PTH1に配置してよい。スイッチユニットSU2は、信号送受信端子110に結合された第1端子と、第3制御信号S3を受信する制御端子と、信号送受信端子130に結合された第2端子とを含んでよい。
図9において、スイッチユニットSU2は一例として、ノードN1と信号送受信端子130との間に配置されている。実施形態はこれに限定されない。さらに別の実施形態によれば、スイッチユニットSU2の第2端子は、ノードN1に結合してよい。換言すれば、スイッチユニットSU2は、信号送受信端子110とノードN1との間に結合してよい。スイッチユニットSU2の回路構造は、前述のスイッチユニットSU1の回路構造と同様であってよく、繰り返し説明しない。なお、スイッチユニットSU2のスイッチ(複数可)の数とサイズ(複数可)とは、スイッチユニットSU1の場合とは異なってよい。
【0024】
一実施形態によれば、検出ユニットDUは、信号送受信端子110及び130が外部信号を送受信するか否かに応じて、スイッチユニットSU2を制御することができる。
図9に示すように、検出ユニットDUは、さらに、第3制御信号S3を生成することができる。検出ユニットDUは第3出力端子を含み、第3出力端子は、スイッチユニットSU2の制御端子に接続され、スイッチユニットSU2を制御する第3制御信号S3を出力する。別の実施形態によれば、スイッチユニットSU2は、複数の制御端子を含んでよく、検出ユニットDUの第3出力端子の数は、スイッチユニットSU2の制御端子の数に対応してよい。一実施形態によれば、第3制御信号S3は、スイッチユニットSU2の閾値電圧よりも高いイネーブルレベルと、スイッチユニットSU2のオン・オフを行うためのスイッチユニットSU2の閾値電圧よりも低いディセーブルレベルとを有してよい。さらに別の実施形態によれば、第3制御信号S3は、検出ユニットDUの代わりに別の回路によって供給されてよい。
【0025】
一実施形態によれば、信号送受信端子110及び130に対応するインピーダンスが整合する場合に、第3制御信号S3は、スイッチユニットSU2をオンにするためのイネーブルレベルにしてよく、外部信号は、信号送受信端子110及び130の間で送受信してよい。外部信号を送受信する動作中に、信号送受信端子110及び130に対応するインピーダンスが互いに不整合である場合に、スイッチユニットSU2をオンにし続けるために、第3制御信号S3をイネーブルレベルに維持することができる。信号送受信端子110及び130の間の外部信号を送受信する動作が停止されると、第3制御信号S3は、スイッチユニットSU2をオフにするディセーブルレベルにすることができる。スイッチユニットSU1と調整スイッチSWAとの動作は、前述したようになることができるので、繰り返し説明しない。一実施形態によれば、スイッチユニットSU2に含まれるスイッチ(複数可)のサイズ(複数可)が、スイッチユニットSU1に含まれるスイッチ(複数可)のサイズ(複数可)よりも大きい場合に、オンになったスイッチユニットSU2のインピーダンスは、オンになったスイッチユニットSU1のインピーダンスよりも小さくなることができる。ここで、オンになったスイッチユニットSU1,SU2は、その電気的特性に応じて、抵抗器とみなしてよい。この状態では、信号送受信端子110から方向d4に沿って信号送受信端子130に向かって見ることで取得される等価インピーダンスZL2に関して、検出ユニットDUがスイッチユニットSU1及びSU2をオンにし、調整スイッチSWAをオフにした場合に、オンになったスイッチユニットSU2のインピーダンスを任意に省略してよい。
【0026】
図10は、一実施形態に係り、
図1、
図2又は
図9に示すスイッチ装置100、200又は900の応用を示す。一実施形態によれば、信号送受信端子110は増幅器1060に結合されてよい。信号送受信端子130はアンテナ1070に結合されてよい。増幅器1060は、電力増幅器、又は低雑音増幅器であってよい。例えば、信号送受信端子110及び130のインピーダンスが互いに整合する場合に、(i)増幅器1060が電力増幅器であるならば、外部信号は増幅器1060によって増幅された信号であってよく、外部信号は、スイッチ装置100、200又は900を介してアンテナ1070へ伝送できる。(ii)増幅器1060が低雑音増幅器であるならば、外部信号は、アンテナ1070によって受信された信号であってよく、外部信号は、スイッチ装置100、200又は900を介して増幅器1060へ伝送できる。
【0027】
要約すると、スイッチ装置、及び/又はスイッチ装置に結合されたバックエンド回路のための過電圧保護を提供するために、スイッチ装置100、200及び900のそれぞれが、スイッチユニットSU1と調整スイッチSWAとを動的に制御することができる。従って、スイッチ装置100、200及び900、及び/又はスイッチ装置に結合されたバックエンド回路のそれぞれで、過電圧で損傷されることが防止される。
【0028】
当業者は、本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多くの修正及び変更を行ってよいことを容易に理解することである。従って、上記の開示は、ここに添付される請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。