(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170694
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】個装吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20241204BHJP
A61F 13/472 20060101ALI20241204BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20241204BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A61F13/15 220
A61F13/472
A61F13/49 410
A61F13/496
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087362
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】竹澤 裕美
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA15
3B200BA15
3B200CA03
3B200DF09
(57)【要約】
【課題】吸収性物品が包装体に個別に収容された個装吸収性物品において、経血が外部から透けて見えにくく、かつ、吸収性物品が外部から視認しにくくする。
【解決手段】吸収性物品が包装体に収容されてなる個装吸収性物品であって、前記吸収性物品は、ウエスト部と、吸収体が配置された股間部とからショーツ型を構成し、当該吸収性物品を、該吸収性物品の人体と対向する肌面側とは反対側の非肌面側から見た場合のCIE1976のL
*a
*b
*色空間のL
*値が40以下であり、前記包装体は、外側から見た場合のCIE1976のL
*a
*b
*色空間のL
*値が50以下である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品が包装体に収容されてなる個装吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、ウエスト部と、吸収体が配置された股間部とからショーツ型を構成し、当該吸収性物品を、該吸収性物品の人体と対向する肌面側とは反対側の非肌面側から見た場合のCIE1976のL*a*b*色空間のL*値が40以下であり、
前記包装体は、外側から見た場合のCIE1976のL*a*b*色空間のL*値が50以下である、個装吸収性物品。
【請求項2】
前記包装体の前記吸収性物品を収容していない状態における色は、前記包装体に収容されていない状態における前記吸収性物品を前記非肌面側から見た色と同系色である、請求項1に記載の個装吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品の前記非肌面側から見た色と、前記包装体を外側から見た色が、黒色またはグレー色である、請求項1に記載の個装吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性物品は、全ての領域において前記肌面側から見た場合のCIE1976のL*a*b*色空間のL*値が40以下であり、
前記包装体は、全ての領域において外側から見た場合のCIE1976のL*a*b*色空間のL*値が50以下である、請求項1に記載の個装吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個装吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生理用ナプキン等の吸収性物品として、ショーツ型のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ショーツ型の吸収性物品は、吸収体を具備しながらも全体としてショーツ型であることで、ショーツのように着用することができる。このような吸収性物品は、保管時の衛生確保、持ち運びの際の利便性向上等の理由から、包装体に個別に収容された個装吸収性物品として流通する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸収性物品が包装体に収容された状態で持ち運ばれる場合、吸収性物品が外部から視認できないことが好ましい。また、使用後の吸収性物品を廃棄する際、包装体に収容して廃棄する場合がある。その場合、経血が外部から透けて見えてしまうことは好ましくはない。
【0005】
本発明は、上述したような点に鑑みてなされたものであって、吸収性物品が包装体に個別に収容された個装吸収性物品において、経血が外部から透けて見えにくく、かつ、吸収性物品が外部から視認しにくい個装吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、
吸収性物品が包装体に収容されてなる個装吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、ウエスト部と、吸収体が配置された股間部とからショーツ型を構成し、当該吸収性物品を、該吸収性物品の人体と対向する肌面側とは反対側の非肌面側から見た場合のCIE1976のL*a*b*色空間のL*値が40以下であり、
前記包装体は、外側から見た場合のCIE1976のL*a*b*色空間のL*値が50以下である、個装吸収性物品。
【0007】
上記のように構成された本発明においては、吸収性物品の人体と対向する肌面側とは反対側の非肌面側から見た場合の吸収性物品のCIE1976のL*a*b*色空間のL*値が40以下であることで、使用後に血液が吸収性物品の外側から透けにくくなる。また、吸収性物品を非肌面側から見た場合のL*値が40以下であるものの、包装体の外側から見た場合のL*値が50以下であることで、吸収性物品が包装体に収容された状態で吸収性物品が外部から視認しにくくなる。
【0008】
また、前記包装体の前記吸収性物品を収容していない状態における色が、前記包装体に収容されていない状態における前記吸収性物品を前記非肌面側から見た色と同系色である構成としてもよい。そのような構成においては、吸収性物品が包装体に収容された状態で吸収性物品が外部からさらに視認しにくくなる。
【0009】
また、前記吸収性物品の前記非肌面側から見た色と、前記包装体を外側から見た色が、黒色またはグレー色である構成としてもよい。そのような構成においても、吸収性物品が包装体に収容された状態で吸収性物品が外部からさらに視認しにくくなる。
【0010】
また、前記吸収性物品が、全ての領域において前記肌面側から見た場合のCIE1976のL*a*b*色空間のL*値が40以下であり、前記包装体は、全ての領域において外側から見た場合のCIE1976のL*a*b*色空間のL*値が50以下である構成としてもよい。そのような構成においては、吸収性物品のどの領域においても、使用後に血液が吸収性物品の外側から透けにくくなるとともに、包装体のどの領域においても、吸収性物品が包装体に収容された状態で吸収性物品が外部から視認しにくくなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、吸収性物品が包装体に個別に収容された個装吸収性物品において、経血が外部から透けて見えにくく、かつ、吸収性物品が外部から視認しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の個装吸収性物品の一実施形態を示す図である。
【
図2】
図1に示した生理用ショーツの外観斜視図である。
【
図3】
図2に示した生理用ショーツを肌面側から見た図である。
【
図5】
図2に示した生理用ショーツが着用された状態を示す図である。
【
図6】比較例1について経血吸収後に非肌面側から見た図である。
【
図7】実施例1について経血吸収後に非肌面側から見た図である。
【
図8】
図2に示した生理ショーツにおいて立体ギャザー部が外装体からはみ出した状態を示す図である。
【
図9】
図1に示した包装体の一構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は包装体を開封した状態で(a)に示した矢印B方向から見た図である。
【
図10】比較例2について生理用ショーツが包装体に収容された状態を示す図である。
【
図11】実施例4において生理用ショーツが包装体に収容された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において、特に説明がない限り、同一または対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、直交、左右等の方向には、実施形態の作用、効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。直交には、略直交が含まれてもよい。本明細書において、生理用ショーツ1の前後方向をD1、前後方向と直交する、生理用ショーツ1の幅方向をD2とする。なお、前後方向とは、生理用ショーツ1を着用した人体の前後方向に対応し、幅方向とは、生理用ショーツ1を着用した人体の左右方向に対応する。本明細書において、生理用ショーツ1の前後方向の前側を腹側または前方とし、前後方向の後ろ側を背側または後方とする。本明細書において、生理用ショーツ1の人体と対向する面を肌面、生理用ショーツ1の肌面と反対側の面を非肌面とする。
【0014】
《全体構成》
図1は、本発明の個装吸収性物品の一実施形態を示す図である。
【0015】
本実施形態は
図1に示すように、包装体40に吸収性物品の一例となる生理用ショーツ1が収容された個装吸収性物品7である。生理用ショーツ1は、包装体40の形状に合わせて折り畳まれて包装体40に収容されている。
【0016】
《生理用ショーツ1》
図2は、
図1に示した生理用ショーツ1の外観斜視図である。
図3は、
図2に示した生理用ショーツ1を肌面側から見た図であり、展開した状態における平面図である。
図4は、
図3に示したA-A断面図である。
図5は、
図2に示した生理用ショーツ1が着用された状態を示す図である。
【0017】
本実施形態は
図2に示すように、外装体10と内装体20とを有し、外装体10の一方の面上に内装体20が配置されて構成された生理用ショーツ1である。生理用ショーツ1は、展開した場合にフロント領域Fと中間領域Mとリア領域Rとがこの順で前後方向D1に連接して構成されている。フロント領域Fは、生理用ショーツ1を着用した場合に下腹部を覆う部分である。リア領域Rは、生理用ショーツ1を着用した場合に背側の腰下部を覆う部分である。これらフロント領域F及びリア領域Rは、本願発明にてウエスト部の一例となる部分である。中間領域Mは、本願発明にて股間部の一例となる部分であって、フロント領域Fとリア領域Rとの間に配置されている。
【0018】
〈外装体10〉
外装体10は、フロント領域Fと中間領域Mとリア領域Rとに亘って配置されている。外装体10は、フロント領域F及びリア領域Rにおいては、幅方向D2を長手方向とする帯状形状を形成している。フロント領域F及びリア領域Rにおける外装体10の幅方向D2の長さは互いに同一としてもよい。外装体10は中間領域Mにおいては、生理用ショーツ1を着用した際に脚用開口部3aが形成されるように幅方向D2に中央に向かってくびれた形状となっている。
【0019】
外装体10は、2枚のシートとなる外層シート11と内層シート12とが、外層シート11が非肌面側となり内層シート12が内装体20側となるように積層され、ホットメルト接着剤等の接着剤により貼り合わされて構成されている。外層シート11と内層シート12との接着剤による貼り合わせは一部のみであってもよい。外層シート11は、生理用ショーツ1の前後方向D1におけるフロント領域F側の端部にて内側に折り返されていてもよい。
【0020】
外層シート11及び内層シート12としては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、不織布を用いることが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等や、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維等を用いることが考えられる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。
【0021】
外層シート11と内層シート12との間には、フロント領域F及びリア領域Rにおいて伸縮部材の一例となる複数本の糸ゴム13が挟み込まれている。複数本の糸ゴム13は、幅方向D2に伸縮する向きで外装体10の幅方向D2の両端間に延び、前後方向D1にて互いに間隔を隔てて並行した状態で外層シート11及び内層シート12との間に固定されている。糸ゴム13は、フロント領域F及びリア領域Rの全域に亘って設けられていてもよく、フロント領域Fにおいて生理用ショーツ1の端部14aから所定の幅の一部のみに設けられていてもよい。同様に、糸ゴム13は、リア領域Rにおいて生理用ショーツ1の端部14bから所定の幅の一部のみに設けられていてもよい。また、糸ゴム13は、前後方向D1におけるフロント領域F及びリア領域Rの全域に亘って所々に部分的に設けられていてもよい。糸ゴム13の外層シート11及び内層シート12への固定は、ホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着等によって行ってもよい。糸ゴム13は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えば、生理用ショーツ1の端部14a,14b側と中間領域M側とでその太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
【0022】
糸ゴム13を構成する材料としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等を用いることができる。
【0023】
このように、本実施形態においては、外層シート11と内層シート12との間に複数本の糸ゴム13が挟み込まれている。これにより、フロント領域F及びリア領域Rにおける生理用ショーツ1の幅方向D2の伸縮性を、外層シート11と内層シート12との間に挟み込まれた糸ゴム13によって担保することができる。なお、伸縮部材として、糸ゴム13の代わりに伸縮フィルムを用いてもよい。
【0024】
外装体10は、フロント領域Fにおいて幅方向D2の両端部に接合部15a,15bを有している。また、リア領域Rにおいても、外装体10は幅方向D2の両端部に接合部15c,15dを有している。そして、フロント領域Fの接合部15aとリア領域Rの接合部15cとが熱等によって接合されるとともに、フロント領域Fの接合部15bとリア領域Rの接合部15dとが熱等によって接合されることになる。これにより、
図2に示すように、ウエスト用開口部2と脚用開口部3a,3bとがそれぞれ形成され、外装体10がショーツ型の生理用ショーツ1が構成される。
【0025】
なお、本実施形態においては、外装体10が、フロント領域Fと中間領域Mとリア領域Rとに亘って配置されているが、外層シート11と内層シート12との一方が、前後方向D1において2つに分割された形態としてもよい。また、外層シート11及び内層シート12の両方が、前後方向D1において2つに分割された形態としてもよい。なお、見栄えの面を考慮すると、外装体10は、フロント領域Fと中間領域Mとリア領域Rとに亘って配置されているものが最も好ましい。また、製造コストの面を考慮すると、外装体10は、外層シート11及び内層シート12の両方が2つに分割されているものが好ましい。この際、外層シート11と内層シート12との少なくとも一方が、フロント領域Fと中間領域Mとリア領域Rとに亘って配置されている場合は、本願発明におけるウエスト部が外装体10から構成され、本願発明における股間部が外装体10及び内装体20から構成される。また、外層シート11及び内層シート12の両方が、前後方向D1において2つに分割された形態においては、本願発明におけるウエスト部が外装体10から構成され、本願発明における股間部が内装体20から構成されたものとしてもよい。
【0026】
〈内装体20〉
内装体20は、フロント領域F及びリア領域Rの一部と中間領域Mとに亘って、外装体10のショーツ型の肌面側の面に配置されている。内装体20は、幅方向D2の長さW1が、外装体10の中間領域Mのくびれによって幅方向D2の長さが最も短くなる部分に対して同一または短くなっている。これにより、内装体20は、外装体10がショーツ型となった場合に脚用開口部3a,3bに沿う領域を有している。内装体20は、ギャザーシート22と、防水シート27と、セカンドシート26と、トップシート25と、吸収体30とを有する。
【0027】
ギャザーシート22は、内装体20の最も非肌面側に配置されている。ギャザーシート22としては、例えば不織布が用いられる。不織布としては、具体的には、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(同一又は類似の不織布層が積層されたSSS(スパンボンド+スパンボンド+スパンボンド)不織布等を用いることができる。
【0028】
ギャザーシート22は、前後方向D1の長さが内装体20の長さと同一であり、幅方向D2の両端が幅方向D2における中央側に折り返されて折り返し部23a,23bが形成されている。折り返し部23a,23bは、一部が吸収体30に重なるように配置されている。ギャザーシート22は、折り返し部23a,23b以外の領域において前後方向D1の全長に亘って接着剤によって内層シート12に接着されている。そのため、折り返し部23a,23bは、外装体10のショーツ型における内側に向かって立ち上がることができる。折り返し部23a,23bの先端には、前後方向D1に伸縮する向きで伸縮部材24が取り付けられている。これにより、折り返し部23a,23bは、先端が伸張可能に縮んだ立体ギャザー部21a,21bを構成している。この立体ギャザー部21a,21bは、伸縮部材24の収縮力を利用して立ち上がることができる。この際、内装体20は、幅方向D2の長さW1が、外装体10の中間領域Mのくびれによって幅方向D2の長さが最も短くなる部分に対して同一または短くなっている。そのため、立体ギャザー部21a,21bは、幅方向D2における吸収体30の両側に沿う領域にて外装体10のショーツ型における内側に向かって立ち上がることになる。立体ギャザー部21a,21bが立ち上がることにより、立体ギャザー部21a,21bを人体の身体表面に密着させることができる。これにより、立体ギャザー部21a,21bは、トップシート25上を伝わって横方向に移動する血液等の横漏れを防止する機能を有する。
【0029】
伸縮部材24としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。
【0030】
このように、本実施形態においては、内装体20が、幅方向D2における吸収体30の両側に沿う領域にてショーツ型における内側に向かって立ち上がる立体ギャザー部21a,21bを有している。これにより、血液等の漏れが防止されるとともに、漏れ防止のために脚用開口部3a,3bに沿う領域に糸ゴム等を配置する必要がなくなり、美観や下着感が損なわれることを回避できる。
【0031】
防水シート27は、血液等の液体を透過させない遮水性のシートであって、ギャザーシート22の肌面側の面に積層され、接着剤等によって接着されている。防水シート27としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを好適に用いることができる。また、防水シート27としては、不織布を基材として防水性を高めたものを用いてもよい。防水シート27は、少なくとも、前後方向D1及び幅方向D2において吸収体30よりも広範囲に亘り延在していることが好ましい。
【0032】
なお、本実施形態においては、立体ギャザー部21a,21bが、1枚のギャザーシート22から構成されている。しかし、立体ギャザー部21a,21bを、それぞれ1枚ずつのギャザーシートから構成してもよい。その場合、2枚のギャザーシートは、幅方向D2において、内装体20の両脇に配置されており、トップシート25上部側から外装体10に接着されている。またその場合、防水シート27は、吸収体30を介してトップシート25とは反対側に配置される。
【0033】
また、本実施形態においては、立体ギャザー部21a,21bは、ギャザーシート22の幅方向D2の両端が幅方向D2における中央側に折り返されて折り返し部23a,23bが形成され、この折り返し部23a,23bによって構成されている。しかしながら、ギャザーシート22の幅方向D2の両端が幅方向D2における外側に折り返されて折り返し部が形成され、この折り返し部によって構成されていてもよい。その場合、折り返し部の折り幅を外装体10の股間幅よりも狭くすることで、立体ギャザー部21a,21bが外装体10からはみ出てしまうことを回避できる。
【0034】
吸収体30は、防水シート27とトップシート25及びセカンドシート26との間に配置されている。吸収体30としては、体液を吸収して保持できる材料であれば限定されないが、綿状パルプと吸水性ポリマーとを含むことが好ましい。吸水性ポリマーとしては、高吸水ポリマー粒状粉(superabsorbent polymer(SAP))、高吸水ポリマー繊維(superabsorbent fiber(SAF))及びこれらの組合せを用いることができる。パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられる。パルプとしては、広葉樹材から得られる広葉樹パルプ、針葉樹材から得られる針葉樹パルプ、またはその混合パルプであってよい。また、パルプは、使用済みのパルプから再生されたリサイクルパルプであってもよい。
【0035】
吸収体30の厚みは、1.0~8.0mmであってもよい。吸収体30は、体液排出口に対応させる領域(体液排出口対応領域)や、体液排出口対応領域より後方の、臀部の溝に対向する領域を、膨出させた構造とすることもできる。
【0036】
トップシート25及びセカンドシート26は、吸収体30を介して防水シート27とは反対側に、セカンドシート26が吸収体30側となるように積層されて配置されている。
【0037】
トップシート25及びセカンドシート26としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシート等が好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、及びこれらの混紡繊維、並びに綿等の天然繊維を単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なお、セカンドシート26を配置せずに吸収体30上にトップシート25のみを配置した構成としてもよい。
【0038】
上記のように構成された生理用ショーツ1は、
図5に示すように、ウエスト用開口部2に胴4が通されるとともに、脚用開口部3a,3bに脚5a,5bが通されて着用されることになる。
【0039】
なお、外装体10の外層シート11及び内層シート12の両方が2つに分割された構成においては、外装体10がフロント領域Fとリア領域Rとを構成し、中間領域Mを内装体20のみで構成してもよい。その場合、内装体20の一部がフロント領域F及びリア領域Rの一部の領域まで延び、外装体10と内装体20とが接着されている。また、そのような構成においては、内装体20には、防水シート27の非肌面側の面に被覆シートを積層してもよい。
【0040】
〈生理用ショーツ1の色について〉
以下に、上記のように構成された生理用ショーツ1の色について説明する。
【0041】
ショーツ型の吸収性物品は、全体が白色やピンク色といった薄い色で構成されている場合が多い。そのため、使用後に血液が非肌面側となる外側から透けて見えやすくなってしまうとともに、ショーツ型でありながらも、おむつを着用しているかのような感覚を与えてしまい、見栄えが悪くなってしまう。
【0042】
そこで、生理用ショーツ1の外装体10及び内装体20の色を変え、吸収体30が経血を吸収する前と経血を吸収した後とで色の見え方の変化について調べてみた。
【0043】
下記に記載のように、実施例1,2と比較例1との3つの生理用ショーツを用いて、経血吸収前と経血吸収後における、CIE1976のL*a*b*色空間のL*値、a*値、b*値をそれぞれ測定した。なお、肌面側の値は、生理用ショーツの内側から見た場合の内装体の値、非肌面側の値は、生理用ショーツの外側から見た場合の外装体の値である。
【0044】
(A)実施例1
経血吸収部分の厚み:2.9mm
吸収体の吸水量:920g
肌面側:白色、L*値=91.53、a*値=0.63、b*値=0.12
非肌面側:黒色、L*値=19.19、a*値=0.10、b*値=1.81
(B)実施例2
経血吸収部分の厚み:3.2mm
吸収体の吸水量:1070g
肌面側:白色、L*値=91.53、a*値=0.63、b*値=0.12
非肌面側:濃グレー色、L*値=37.70、a*値=1.01、b*値=0.32
(C)比較例1
経血吸収部分の厚み:2.9mm
吸収体の吸水量:960g
肌面側:白色、L*値=91.53、a*値=0.63、b*値=0.12
非肌面側:白色、L*値=95.53、a*値=0.49、b*値=1.21
【0045】
【表1】
すると、上記表に示すように、比較例1については、非肌面側の色の明度を示すL
*値が、経血吸収前では95.53であったのに対して、経血吸収後では79.46と大きく変化している。すなわち、非肌面側から見た色が経血吸収前の白色から暗い色に変化している。これは、経血吸収前における非肌面側から見た色が白色であることによって、経血による血液が外装体の外側から透けて見えることにより、暗い色に変化したためである。
【0046】
図6は、比較例1について経血吸収後に非肌面側から見た図である。
【0047】
図6に示すように、比較例1における生理用ショーツ101は外装体110を構成するシートを白色とすることで、経血吸収前における非肌面側から見た色が白色となっている。そのため、経血吸収後においては、経血による血液が外装体の外側から透けて見え、経血部6の色が他の領域の色とは大きく異なることとなる。これにより、比較例1では、経血による血液が外装体の外側から透けて見えてしまうことになる。
【0048】
一方、実施例1については、非肌面側の色の明度を示すL*値が、経血吸収前では19.19であったのに対して、経血吸収後では17.74とあまり変化していない。すなわち、非肌面側から見た色が経血吸収前の黒色からあまり変化していない。これは、経血吸収前における非肌面側から見た色が黒色であることによって、経血による血液が外装体の外側から透けて見えにくいことにより、色の変化があまりないためである。
【0049】
図7は、実施例1について経血吸収後に非肌面側から見た図である。
【0050】
図7に示すように、実施例1における生理用ショーツ1は外装体10を構成するシートを黒色とすることで、経血吸収前における非肌面側から見た色が黒色となっている。そのため、経血吸収後においても、経血による血液が外装体10の外側から透けて見えにくくなる。
【0051】
また、実施例2についても、非肌面側の色の明度を示すL*値が、経血吸収前では37.70であったのに対して、経血吸収後では37.25とあまり変化していない。すなわち、非肌面側から見た色が経血吸収前の濃グレー色からあまり変化していない。これは、経血吸収前における非肌面側から見た色が濃グレー色であることによって、経血による血液が外装体の外側から透けて見えにくいことにより、色の変化があまりないためである。
【0052】
これにより、実施例2についても外装体10を構成するシートを濃グレー色とすることで、経血吸収前における非肌面側から見た色が黒色となり、経血吸収後においても、経血による血液が外装体10の外側から透けて見えにくくなる。
【0053】
このように、
図2に示した生理用ショーツ1において、外装体10の色を黒色や濃グレー色とすることで、経血吸収後に血液が外側から透けにくくなる。その際、生理用ショーツ1を非肌面側から見た場合の外装体10のL
*値が40以下であれば、経血吸収後に血液が外側から透けにくくなる。なお、外装体10を構成する外層シート11と内層シート12との両方を黒色や濃グレー色のような濃い色から構成してもよいし、外層シート11と内層シート12との一方を黒色や濃グレー色のような濃い色から構成してもよい。また、生理用ショーツ1を非肌面側から見た場合の外装体10のL
*値が40以下であれば、内装体20を構成するギャザーシート22や防水シート27を濃い色から構成してもよい。なお、外層シート11と内層シート12との一方を黒色や濃グレー色のような濃い色から構成した場合、外層シート11と内層シート12との他方にL
*値が大きなものを用いたとしても、外層シート11と内層シート12とを重ね合わせることで外装体10全体のL
*値を小さくすることができる。
【0054】
また、外装体10の色を黒色や濃グレー色とすることで、白やピンク色のものと比べて、おむつを着用しているかのような感覚を与えにくくなり、美観や下着感を与えることができる。また、経血吸収後に血液が外側から透けにくくするために厚みを厚くする必要がなくなり、動きやすさとスリム感を与えることができる。
【0055】
さらに、外装体10の内装体20に重なる領域と内装体20に重ならない領域との生理用ショーツ1の非肌面側から見た場合のL*値、a*値及びb*値のうち少なくともL*値の差が10以下となるように構成してもよい。すなわち、生理用ショーツ1を非肌面側から見た場合に色が最も濃い領域と色が最も薄い領域とのCIE1976のL*a*b*色空間のL*値の差が10以下となるように構成してもよい。その場合、生理用ショーツ1を非肌面側となる
外側から見た場合に、内装体20が配置されていることがわかりにくくなり、ショーツとしての見栄えが悪くなることを回避できる。
【0056】
また、経血吸収後に血液が外側から透けにくくするためには、生理用ショーツ1を非肌面側から見た場合の外装体10のa*値やb*値も考慮してもよい。経血は、時間の経過とともに酸化してくすんだ色に変化していく。そのため、生理用ショーツ1を外側から見た場合の外装体10のa*値やb*値を考慮する場合は、a*値及びb*値を、-50以上+50以下とすれば、経血吸収後に血液が外側からさらに透けにくくなる。
【0057】
なお、外層シート11及び内層シート12の両方が前後方向D1において2つに分割された形態においては、本願発明におけるウエスト部が外装体10から構成され、本願発明における股間部が内装体20から構成されている場合がある。その場合、内装体20の最も非肌面側のシートのL*値を、上述した外装体10と同様に40以下とすることで、経血吸収後に血液が外側から透けにくくなる。
【0058】
ここで、生理用ショーツ1全体を黒色や濃グレー色のような濃い色から構成した場合、経血吸収後に経血量や色を確認しにくくなってしまう。
【0059】
実施例1においては、肌面側の色の明度を示すL*値が、経血吸収前が91.53であったのに対して経血吸収後が28.47と大きく変化している。また、実施例2においては、肌面側の色の明度を示すL*値が、経血吸収前が91.53であったのに対して経血吸収後が29.57と大きく変化している。これらは、例えば内装体20を構成するトップシート25を白色とすることで、経血による色の変化が大きくなったことによるものである。
【0060】
このように、
図2に示した生理用ショーツ1において、内装体20の色を白色のように薄い色とすることで、経血吸収後に経血量や色を確認しやすくなる。その際、生理用ショーツ1を肌面内側から見た場合の内装体20のL
*値が85以上であれば、経血吸収後に経血量や色を確認しやすくなり、清潔感も与えることができる。
【0061】
ここで、立体ギャザー部21a,21bは、生理用ショーツ1の内側に向かって伸縮部材24の収縮力を利用して立ち上がる。そのため、生理用ショーツ1を着用した際、立体ギャザー部21a,21bが、外側に折れ曲がって外装体10からはみ出してしまう場合がある。
【0062】
図8は、
図2に示した生理用ショーツ1において立体ギャザー部21a,21bが外装体10からはみ出した状態を示す図である。
【0063】
立体ギャザー部21a,21bは、生理用ショーツ1の内側に向かって立ち上がるように構成されているため、
図8に示すように、生理用ショーツ1を着用した際、外側に折れ曲がって外装体10からはみ出してしまう場合がある。その際、上述したように、外装体10を黒色や濃グレー色のような濃い色で構成し、内装体20を白色のような薄い色で構成した場合、色の違いによって立体ギャザー部21a,21bが目立ってしまい、見栄えが悪くなってしまう。
【0064】
そこで、内装体20のうち立体ギャザー部21a,21bのみを、外装体10と同様に黒色や濃グレー色のような濃い色で構成してもよい。例えば、立体ギャザー部21a,21bを構成するギャザーシート22を黒色や濃グレー色のような濃い色で構成してもよい。立体ギャザー部21a,21bは、外装体10が黒色や濃グレー色のような濃い色で構成されている場合は、黒色や濃グレー色のような濃い色で構成することが好ましいが、外装体10と同系色であればよい。なお、同系色とは、マンセル表色系における10の基本色相のうち同じ色相を有する有彩色であるか、またはマンセル表色系における明度が9未満の無彩色同士を指す。
【0065】
これにより、立体ギャザー部21a,21bが外側に折れ曲がって外装体10からはみ出してしまっても、目立ちにくく見栄えが悪くなることが回避される。
【0066】
《包装体40》
図9は、
図1に示した包装体40の一構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は包装体40を開封した状態で(a)に示した矢印B方向から見た図である。
【0067】
本例における包装体40は
図9に示すように、包装シート41が筒状とされて構成されている。筒状とされた包装シート41は、長手方向の両端部において、互いに重なり合った重ね合わせ部41aの一部が接合部43となって熱や接着剤等によって接合されており、短手方向の両端部のそれぞれも接合部42a,42bとなって熱等によって接合されている。このように、筒状となった包装シート41が、接合部42a,42b,43にて接合されることで、袋状となる。
【0068】
包装シート41としては、不織布や薄型のフィルムシート、紙等、可撓性を有し、一般的に物品を収容可能なものであれば用いることができる。その際、必要に応じて通気性や防水性を有するものを用いてもよい。防水性は、防水性を有さない素材の表面に防水材を塗布することで構成してもよい。接合部42a,42b,43は、加熱することで溶融する接着剤を塗布しておき、加熱しながら加圧することで接合させてもよい。あるいは、例えば紙に微細な凹凸を形成し、この凹凸をかみ合わせることで接合させてもよい。
【0069】
包装体40は、例えば、広げられた状態にて、折り畳まれた生理用ショーツ1が載置され、その後、生理用ショーツ1を包むようにして筒状とされ、接合部42a,42b,43にて接合されることで、生理用ショーツ1を収容する。
【0070】
包装体40から生理用ショーツ1を取り出す場合は、例えば、接合部42a,42bのいずれかを剥離することで、包装体40を開封し、開封口から生理用ショーツ1を取り出すことになる。
【0071】
〈生理用ショーツ1の色と包装体40の色との関係について〉
以下に、上述した生理用ショーツ1の色と包装体40の色との関係について説明する。
【0072】
上述したように、吸収性物品が包装体に収容された状態で持ち運ばれる場合、吸収性物品が外部から視認できないことが好ましい。また、使用後の吸収性物品を廃棄する際、包装体に収容して廃棄する場合がある。その場合、経血が外部から透けて見えてしまうことは好ましくはない。
【0073】
そこで、生理用ショーツ1の外装体10及び内装体20の色に対して包装体40の素材の色を変え、生理用ショーツ1が包装体40に収容された状態で外部から視認できるかどうかについて調べてみた。
【0074】
下記に記載のように、実施例3,4と比較例2との3つの場合において、生理用ショーツ1及び包装体40の、CIE1976のL*a*b*色空間のL*値、a*値、b*値をそれぞれ測定した。なお、生理用ショーツ1の肌面側の値は、生理用ショーツ1の内側から見た場合の内装体の値、生理用ショーツ1の非肌面側の値は、生理用ショーツ1の外側から見た場合の外装体の値である。また、素材については、生理用ショーツ1のトップシート25及び外層シート11と、包装体40それぞれの素材単体の値である。
【0075】
【表2】
生理用ショーツ1においては、実施例3,4及び比較例2の全てにおいて、上述したように、経血吸収後に血液が外部から透けにくくなるように非肌面側の色を黒色とするとともに、経血吸収後に経血量や色を確認しやすくするために肌面側の色を白色とした。
【0076】
その際、肌面側から見た内装体20のL*値は91.53であり、a*値は-0.63であり、b*値は0.12であった。また、非肌面側から見た外装体10のL*値は19.19であり、a*値は0.10であり、b*値は1.81であった。これらを実現するために、トップシート25として22gsmの白色の不織布を用い、外層シート11として14gsmの黒色の不織布を用いた。白色の不織布は、L*値が95.02であり、a*値が-0.49であり、b*値が0.82であった。黒色の不織布は、L*値が38.83であり、a*値が0.06であり、b*値が2.47であった。
【0077】
生理用ショーツ1としてこのようなものを用い、包装体40の素材の色を変え、生理用ショーツ1が包装体40に収容された状態で外部から視認できるかどうかについて調べてみた。
【0078】
実施例3において、包装体40として26gsmのグレー色のフィルムを素材とするものを用いた。この実施例3におけるグレー色のフィルムの素材単体のL*値は32.41であり、a*値は3.43であり、b*値は6.54であった。
【0079】
実施例4において、包装体40として14gsmの黒色の不織布を素材とするものを用いた。この実施例4における黒色の不織布の素材単体のL*値は38.83であり、a*値は0.06であり、b*値は2.47であった。
【0080】
比較例2において、包装体として13gsmの白色の不織布を素材とするものを用いた。この比較例2における白色の不織布の素材単体のL*値は95.41であり、a*値は-0.25であり、b*値は1.39であった。
【0081】
図10は、比較例2について生理用ショーツ1が包装体に収容された状態を示す図である。
【0082】
比較例2における個装吸収性物品107においては、生理用ショーツ1の外層シート11が黒色の不織布から構成されていることで非肌面側が黒色となっているところ、包装体140が白色の不織布から構成されている。そのため、
図10に示すように、生理用ショーツ1が包装体140に収容された状態で外部から透けて視認できてしまう。
【0083】
図11は、実施例4において生理用ショーツ1が包装体に収容された状態を示す図である。
【0084】
実施例4における個装吸収性物品7においては、生理用ショーツ1の外層シート11が黒色の不織布から構成されていることで非肌面側が黒色となっているとともに、包装体40が黒色の不織布から構成されている。そのため、
図11に示すように、生理用ショーツ1が包装体40に収容された状態で外部から透けて視認しにくくなっている。
【0085】
このように、外装体10の色を黒色とした生理用ショーツ1を収容する包装体40の色を黒色とすることで、生理用ショーツ1が包装体40に収容された状態で外部から透けて視認しにくくなる。その際、包装体40を外側から見た場合のL*値が50以下であれば、外装体10の色が黒色や濃グレー色等のL*値が40以下となる生理用ショーツ1が包装体40に収容された状態で外部から生理用ショーツ1が透けて視認しにくくすることができる。そのため、実施例3においても、L*値が32.41となるグレー色のフィルムから包装体40が構成されていることで、外装体10の色が黒色や濃グレー色等のL*値が40以下となる生理用ショーツ1が包装体40に収容された状態で外部から生理用ショーツ1が透けて視認しにくくなる。なお、上述したL*値の条件は、外装体10や包装体40の一部でも効果を得ることができる。しかしながら、外装体10や包装体40の全ての領域において上述したL*値の条件を満たすことで、生理用ショーツ1のどの領域においても、血液が生理用ショーツ1の外側から透けにくくなるとともに、包装体40のどの領域においても、包装体40に収容された生理用ショーツ1が外部から視認しにくくなる。
【0086】
なお、本願発明における股間部が内装体20から構成され、内装体20の最も非肌面側のシートのL*値が40以下である生理用ショーツ1においても、包装体40を外側から見た場合のL*値が50以下であれば、外部から生理用ショーツ1が透けて視認しにくくすることができる。
【0087】
また、生理用ショーツ1を収容していない状態の包装体40の色と、生理用ショーツ1が包装体40に収容されていない状態の外装体10とを同系色とすれば、生理用ショーツ1が包装体40に収容された状態で外部からさらに視認しにくくすることができる。例えば、包装体40と外装体10とを、マンセル表色系における10の基本色相のうち同じ色相を有する有彩色としたり、またはマンセル表色系における明度が9未満の無彩色同士としたりしてもよい。また、包装体40と外装体10との、外側から見たa*値及びb*値の差がそれぞれ20以下となるような素材を選択することで、包装体40と外装体10とを同系色としてもよい。
【0088】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。上記実施形態は、特許請求の範囲に記載された範囲内において、様々な変更、修正、置換、付加、削除、及び組合せ等が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属する。また、上述した構成要素は任意に組合せが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 生理用ショーツ
2 ウエスト用開口部
3a,3b 脚用開口部
4 胴
5a,5b 脚
6 経血部
7 個装吸収性物品
10 外装体
11 外層シート
12 内層シート
13 糸ゴム
14a,14b 端部
15a~15d,42a,42b,43 接合部
20 内装体
21a,21b 立体ギャザー部
22 ギャザーシート
23a,23b 折り返し部
24 伸縮部材
25 トップシート
26 セカンドシート
27 防水シート
30 吸収体
40 包装体
41 包装シート
41a 重ね合わせ部
F フロント領域
M 中間領域
R リア領域