(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170698
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】画像形成装置、動作制御方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241204BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20241204BHJP
G03G 15/20 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
G03G21/00 500
G03G21/14
G03G15/20 510
G03G15/20 555
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087367
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】有月 琢哉
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】勅使河原 優里
【テーマコード(参考)】
2H033
2H270
【Fターム(参考)】
2H033AA32
2H033BA08
2H033BA11
2H033BA12
2H033BB12
2H033BB30
2H033BE00
2H033CA22
2H033CA27
2H033CA30
2H033CA34
2H033CA35
2H270LC11
2H270LC22
2H270MA35
2H270MC56
2H270MD17
2H270MH13
2H270NE08
2H270NE10
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】画像形成処理の実行中に給紙元が切り替えられる場合の消費電力を低減可能な画像形成装置、及び動作制御方法を提供すること。
【解決手段】画像形成装置100Bは、画像形成処理の実行中に給紙元でシート切れが発生した場合であって前記給紙元とは異なる給紙カセットが切替条件を充足する場合に、前記給紙元を切り替える切替処理部71と、切替前の前記給紙元の最後のシートが定着位置を通過した第1タイミングから切替後の前記給紙元の最初のシートの搬送が開始される時以後の第2タイミングまで定着ベルトの目標温度を第1温度から前記第1温度よりも低い第2温度に変更する変更処理部72と、前記第2タイミングからの前記定着ベルトの昇温速度を制限する制限処理部73と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる定着部材と、
前記定着部材を加熱するヒーターと、
前記定着部材の温度と予め設定された目標温度との差に基づいて前記ヒーターの駆動を制御する駆動制御部と、
前記定着部材による前記トナー像の定着位置を経由する搬送経路に沿って搬送される前記シートを収容する複数のシート収容部と、
予め給紙元として設定された前記シート収容部から供給される前記シートに画像を形成する画像形成処理の実行中に前記給紙元でシート切れが発生した場合であって前記給紙元とは異なる前記シート収容部が予め定められた切替条件を充足する場合に、前記給紙元を前記切替条件を充足する前記シート収容部に切り替える切替処理部と、
前記切替処理部による切替前の前記給紙元の最後の前記シートが前記定着位置を通過した時以後の第1タイミングから切替後の前記給紙元の最初の前記シートの搬送が開始される時以後の第2タイミングまで前記目標温度を予め定められた第1温度から前記第1温度よりも低い第2温度に変更する変更処理部と、
前記第2タイミングからの前記定着部材の昇温速度を制限する制限処理部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記シート収容部ごとに設けられ、前記シート収容部から搬出された前記シートを検出する給紙センサーを備え、
前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する前記給紙センサーによって当該給紙元の最初の前記シートが検出された時以後のタイミングである、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2温度は、前記シート収容部ごとに当該シート収容部に対応する前記給紙センサーの検出位置から前記定着位置までのシート移動距離に基づいて定められ、
前記変更処理部は、前記目標温度を前記第1温度から切替後の前記給紙元に対応する前記第2温度に変更し、
前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する前記給紙センサーによって当該給紙元の最初の前記シートが検出されたタイミングである、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2温度は、前記シート収容部ごとに当該シート収容部に対応する前記給紙センサーの検出位置から前記定着位置までのシート移動距離及び最速のシート搬送速度に基づいて定められ、
前記変更処理部は、前記目標温度を前記第1温度から切替後の前記給紙元に対応する前記第2温度に変更し、
前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する前記給紙センサーによって当該給紙元の最初の前記シートが検出された時よりも、切替後の前記給紙元及び前記画像形成処理における前記シート搬送速度の組み合わせに基づいて特定される特定時間後のタイミングである、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
シートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる定着部材と、前記定着部材を加熱するヒーターと、前記定着部材の温度と予め設定された目標温度との差に基づいて前記ヒーターの駆動を制御する駆動制御部と、前記定着部材による前記トナー像の定着位置を経由する搬送経路に沿って搬送される前記シートを収容する複数のシート収容部と、を備える画像形成装置で実行される動作制御方法であって、
予め給紙元として設定された前記シート収容部から供給される前記シートに画像を形成する画像形成処理の実行中に前記給紙元でシート切れが発生した場合であって前記給紙元とは異なる前記シート収容部が予め定められた切替条件を充足する場合に、前記給紙元を前記切替条件を充足する前記シート収容部に切り替える切替ステップと、
前記切替ステップによる切替前の前記給紙元の最後の前記シートが前記定着位置を通過した時以後の第1タイミングから切替後の前記給紙元の最初の前記シートの搬送が開始される時以後の第2タイミングまで前記目標温度を予め定められた第1温度から前記第1温度よりも低い第2温度に変更する変更ステップと、
前記第2タイミングからの前記定着部材の昇温速度を制限する制限ステップと、
を含む動作制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、給紙カセットなどのシート収容部から供給されるシートに画像データに基づくトナー像が転写される。そして、定着ベルトなどの定着部材により、シートに転写されたトナー像が当該シートに定着される。
【0003】
前記画像形成装置では、前記定着部材の温度が予め設定された目標温度となるように、前記定着部材を加熱するヒーターの駆動が制御されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、前記画像形成装置では、シートに画像を形成する画像形成処理の実行中に給紙元の前記シート収容部でシート切れが発生した場合であって、同じサイズのシートを収容する他の前記シート収容部が存在する場合に、前記画像形成処理を中断させることなく、給紙元が当該他の前記シート収容部に切り替えられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記画像形成装置において前記画像形成処理の実行中に給紙元が切り替えられる場合には、給紙元の切り替え処理が終了するまで次のシートの搬送が停止する。ここで、従来の前記画像形成装置では、給紙元が切り替えられる場合であっても、前記目標温度が変更されずに前記ヒーターの駆動が制御される。
【0007】
本発明の目的は、画像形成処理の実行中に給紙元が切り替えられる場合の消費電力を低減可能な画像形成装置、及び動作制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、定着部材と、ヒーターと、駆動制御部と、複数のシート収容部と、切替処理部と、変更処理部と、制限処理部とを備える。前記定着部材は、シートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる。前記ヒーターは、前記定着部材を加熱する。前記駆動制御部は、前記定着部材の温度と予め設定された目標温度との差に基づいて前記ヒーターの駆動を制御する。前記シート収容部各々は、前記定着部材による前記トナー像の定着位置を経由する搬送経路に沿って搬送される前記シートを収容する。前記切替処理部は、予め給紙元として設定された前記シート収容部から供給される前記シートに画像を形成する画像形成処理の実行中に前記給紙元でシート切れが発生した場合であって前記給紙元とは異なる前記シート収容部が予め定められた切替条件を充足する場合に、前記給紙元を前記切替条件を充足する前記シート収容部に切り替える。前記変更処理部は、前記切替処理部による切替前の前記給紙元の最後の前記シートが前記定着位置を通過した時以後の第1タイミングから切替後の前記給紙元の最初の前記シートの搬送が開始される時以後の第2タイミングまで前記目標温度を予め定められた第1温度から前記第1温度よりも低い第2温度に変更する。前記制限処理部は、前記第2タイミングからの前記定着部材の昇温速度を制限する。
【0009】
本発明の他の局面に係る動作制御方法は、シートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる定着部材と、前記定着部材を加熱するヒーターと、前記定着部材の温度と予め設定された目標温度との差に基づいて前記ヒーターの駆動を制御する駆動制御部と、前記定着部材による前記トナー像の定着位置を経由する搬送経路に沿って搬送される前記シートを収容する複数のシート収容部と、を備える画像形成装置で実行され、切替ステップと、変更ステップと、制限ステップとを含む。前記切替ステップでは、予め給紙元として設定された前記シート収容部から供給される前記シートに画像を形成する画像形成処理の実行中に前記給紙元でシート切れが発生した場合であって前記給紙元とは異なる前記シート収容部が予め定められた切替条件を充足する場合に、前記給紙元が前記切替条件を充足する前記シート収容部に切り替えられる。前記変更ステップでは、前記切替ステップによる切替前の前記給紙元の最後の前記シートが前記定着位置を通過した時以後の第1タイミングから切替後の前記給紙元の最初の前記シートの搬送が開始される時以後の第2タイミングまで前記目標温度が予め定められた第1温度から前記第1温度よりも低い第2温度に変更される。前記制限ステップでは、前記第2タイミングからの前記定着部材の昇温速度が制限される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成処理の実行中に給紙元が切り替えられる場合の消費電力を低減可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の画像形成部の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置で実行される給紙制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置で実行される第1定着制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における定着ベルトの温度推移の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置で実行される第2定着制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における定着ベルトの温度推移の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置で実行される第3定着制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置で実行されるモード切替処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[第1実施形態]
まず、
図1、及び
図2を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100Aの構成について説明する。ここで、
図1は、画像形成装置100Aの構成を示す断面図である。
【0014】
なお、説明の便宜上、画像形成装置100Aが使用可能な設置状態(
図1に示される状態)における鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、
図1に示される画像形成装置100Aの紙面手前側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置100Aの正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0015】
画像形成装置100Aは、画像データに基づいてシートに画像を形成するプリント機能を有する。具体的に、画像形成装置100Aは、前記プリント機能に加えて、スキャン機能、ファクス機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置100Aは、前記プリント機能を有するプリンター、ファクス装置、又はコピー機であってもよい。
【0016】
図1、及び
図2に示されるように、画像形成装置100Aは、ADF(Auto Document Feeder)1、画像読取部2、画像形成部3、シート搬送部4、操作表示部5、記憶部6、及び制御部7を備える。
【0017】
ADF1は、前記スキャン機能による読取対象の原稿を搬送する。ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備える。
【0018】
画像読取部2は、原稿の画像を読み取る。つまり、画像読取部2は、前記スキャン機能を実現する。画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備える。画像読取部2は、原稿から読み取った画像に対応する画像データを出力する。
【0019】
画像形成部3は、前記プリント機能を実現する。具体的に、画像形成部3は、電子写真方式に従って、シート搬送部4から供給されるシートにカラー、又はモノクロの画像を形成する。例えば、画像形成部3は、画像読取部2から出力される画像データに基づいて、シートに画像を形成する。また、画像形成部3は、外部のパーソナルコンピューターなどの情報処理装置から入力された画像データに基づいて、シートに画像を形成する。
【0020】
シート搬送部4は、画像形成部3によって画像が形成されるシートを搬送する。
【0021】
操作表示部5は、画像形成装置100Aのユーザーインターフェイスである。操作表示部5は、表示部、及び操作部を備える。前記表示部は、制御部7からの制御指示に応じて各種の情報を表示する。例えば、前記表示部は、液晶ディスプレーである。前記操作部は、ユーザーの操作に応じて制御部7に各種の情報を入力する。例えば、前記操作部は、タッチパネルである。
【0022】
記憶部6は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部6は、フラッシュメモリーのような不揮発性メモリーである。
【0023】
制御部7は、画像形成装置100Aを統括的に制御する。
図2に示されるように、制御部7は、CPU11、ROM12、及びRAM13を備える。CPU11は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM12は、CPU11に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM13は、CPU11が実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性、又は不揮発性の記憶装置である。制御部7では、CPU11によりROM12に予め格納された各種の制御プログラムが実行される。これにより、制御部7は、画像形成装置100Aを統括的に制御する。
【0024】
なお、制御部7は、画像形成装置100Aを統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。また、制御部7は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよい。
【0025】
[画像形成部3の構成]
次に、
図1~
図3を参照しつつ、画像形成部3の構成について説明する。ここで、
図3は、複数の画像形成ユニット20、中間転写ベルト26、及び二次転写ローラー27の構成を示す断面図である。
【0026】
図1に示されるように、画像形成部3は、4つの画像形成ユニット20、光走査装置25、中間転写ベルト26、二次転写ローラー27、定着装置28、及び排紙トレイ29を備える。
【0027】
4つの画像形成ユニット20のうち、画像形成ユニット21(
図3参照)は、Y(イエロー)のトナー像を形成する。4つの画像形成ユニット20のうち、画像形成ユニット22(
図3参照)は、C(シアン)のトナー像を形成する。4つの画像形成ユニット20のうち、画像形成ユニット23(
図3参照)は、M(マゼンタ)のトナー像を形成する。4つの画像形成ユニット20のうち、画像形成ユニット24(
図3参照)は、K(ブラック)のトナー像を形成する。つまり、画像形成部3は、CMYK各々のトナーを用いてシートに画像を形成する。
図1、及び
図3に示されるように、4つの画像形成ユニット20は、左右方向D3に沿って、画像形成装置100Aの左方側からイエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの順に併設される。
【0028】
図3に示されるように、画像形成ユニット20各々は、感光体ドラム31、帯電ローラー32、現像装置33、一次転写ローラー34、及びドラム清掃部35を備える。また、画像形成ユニット20各々は、
図1に示されるトナーコンテナ36を備える。
【0029】
感光体ドラム31は、表面に静電潜像が形成される。例えば、感光体ドラム31は、アモルファスシリコンによって形成された感光層を有する。感光体ドラム31は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて、
図3に示されるドラム回転方向D4に回転する。これにより、感光体ドラム31は、表面に形成される静電潜像を搬送する。
【0030】
帯電ローラー32は、予め設定された帯電電圧の印加を受けて、感光体ドラム31の表面を帯電させる。例えば、帯電ローラー32は、感光体ドラム31の表面を正極性に帯電させる。帯電ローラー32によって帯電された感光体ドラム31の表面には、光走査装置25から射出される画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。
【0031】
現像装置33は、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像を現像する。現像装置33は、一対の撹拌部材、マグネットローラー、及び現像ローラーを備える。前記一対の撹拌部材は、現像装置33の内部に収容された現像剤を撹拌する。前記現像剤には、トナー、及びキャリアが含まれる。これにより、前記現像剤に含まれるトナーは、前記現像剤に含まれるキャリアとの摩擦によって正極性に帯電する。前記マグネットローラーは、前記一対の撹拌部材によって撹拌された前記現像剤を汲み上げて、当該現像剤に含まれるトナーを前記現像ローラーに供給する。前記現像ローラーは、前記マグネットローラーから供給されたトナーを感光体ドラム31との対向位置へ搬送する。また、前記現像ローラーは、予め設定された現像バイアス電圧の印加を受けて、前記対向位置へ搬送されたトナーを感光体ドラム31へ供給する。これにより、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像が可視化(現像)される。なお、現像装置33には、トナーコンテナ36からトナーが供給される。
【0032】
一次転写ローラー34は、予め設定された一次転写電流の供給を受けて、感光体ドラム31の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト26の外周面に転写する。
図3に示されるように、一次転写ローラー34は、中間転写ベルト26を挟んで感光体ドラム31と対向して設けられる。
【0033】
ドラム清掃部35は、一次転写ローラー34によるトナー像転写後の感光体ドラム31の表面に残存するトナーを除去する。
【0034】
光走査装置25は、画像形成ユニット20各々の感光体ドラム31の表面へ向けて、画像データに基づく光を射出する。
【0035】
中間転写ベルト26は、画像形成ユニット20各々の感光体ドラム31の表面に形成されたトナー像が転写される無端状のベルト部材である。中間転写ベルト26は、駆動ローラー、及び張架ローラーによって所定のテンションで張架される。中間転写ベルト26は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて前記駆動ローラーが回転することで、
図1、及び
図3に示されるベルト回転方向D5に回転する。これにより、中間転写ベルト26は、外周面に形成されたトナー像を二次転写ローラー27による二次転写位置P1(
図1、及び
図3参照)へ搬送する。なお、二次転写ローラー27によってトナー像が転写された後の中間転写ベルト26の外周面は、ベルト清掃装置によって清掃される。
【0036】
二次転写ローラー27は、予め設定された二次転写電流の供給を受けて、中間転写ベルト26の外周面に転写されたトナー像をシート搬送部4から供給されるシートに転写させる。二次転写ローラー27は、中間転写ベルト26を挟んで前記駆動ローラーと対向して設けられる。二次転写ローラー27は、予め定められたニップ圧で中間転写ベルト26と接触するように、不図示の付勢部材によって前記駆動ローラーに向けて付勢される。二次転写ローラー27は、中間転写ベルト26と接触する二次転写位置P1(
図1、及び
図3参照)で、中間転写ベルト26に形成されたトナー像をシートに転写する。
【0037】
定着装置28は、二次転写ローラー27によってシートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる。
図1に示されるように、定着装置28は、定着ベルト41、及び加圧ローラー42を備える。また、定着装置28は、
図2に示される駆動部43、ヒーター44、第1温度センサー45、第2温度センサー46、及び駆動制御部47を備える。
【0038】
定着ベルト41は、回転軸48(
図1参照)を中心に回転可能に設けられ、シートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる。回転軸48は、前後方向D2に延在する軸である。ヒーター44は、給電に応じて定着ベルト41を加熱する。加圧ローラー42は、予め定められたニップ圧で定着ベルト41と接触するように、不図示の付勢部材によって定着ベルト41に向けて付勢される。駆動部43は、加圧ローラー42に回転駆動力を供給して加圧ローラー42を回転させる。加圧ローラー42が回転することにより、定着ベルト41が
図1に示されるベルト回転方向D6に沿って従動回転する。シートに転写されたトナー像は、当該シートが定着位置P2を通過する際に加熱及び加圧されて、当該シートに定着する。定着位置P2は、定着ベルト41と加圧ローラー42とが接触する位置である。定着ベルト41は、本発明の定着部材の一例である。なお、本発明の定着部材は、定着ローラーのような、ベルトとは異なる形状の部材であってもよい。
【0039】
第1温度センサー45は、定着ベルト41におけるベルト幅方向の中央部の温度を検出する。前記ベルト幅方向は、回転軸48に沿った方向である。また、前記ベルト幅方向は、シートのシート幅方向と同じ方向である。第2温度センサー46は、定着ベルト41における前記ベルト幅方向の一方の端部の温度を検出する。
【0040】
駆動制御部47は、第1温度センサー45によって検出される定着ベルト41の温度と予め設定された目標温度との差に基づいて、ヒーター44の駆動を制御する。具体的に、駆動制御部47は、定着ベルト41の温度が前記目標温度となるように、ヒーター44の駆動を制御する。例えば、駆動制御部47は、PID制御により、ヒーター44の駆動を制御する。例えば、画像形成装置100Aでは、不図示の電源とヒーター44との間の給電経路上に、前記給電経路の導通及び遮断を切り替え可能な第1スイッチング素子(不図示)が設けられている。駆動制御部47は、第1温度センサー45によって検出される定着ベルト41の温度と前記目標温度との差に応じたデューティー比のPWM信号を前記第1スイッチング素子に入力して、前記第1スイッチング素子のオンオフを制御する。これにより、ヒーター44への給電量が、第1温度センサー45によって検出される定着ベルト41の温度と前記目標温度との差に応じて調整される。
【0041】
排紙トレイ29には、定着装置28によってトナー像が定着されたシートが排出される。
【0042】
[シート搬送部4の構成]
次に、
図1、及び
図2を参照しつつ、シート搬送部4の構成について説明する。
【0043】
図1、及び
図2に示されるように、シート搬送部4は、3つの給紙ユニット50、及びシート搬送路54を備える。
【0044】
図1に示されるように、3つの給紙ユニット50は、上下方向D1に沿って並んで配置される。3つの給紙ユニット50のうち、給紙ユニット51(
図1参照)は、最も上の位置に配置される。3つの給紙ユニット50のうち、給紙ユニット53(
図1参照)は、最も下の位置に配置される。3つの給紙ユニット50のうち、給紙ユニット52(
図1参照)は、給紙ユニット51と給紙ユニット53との間の位置に配置される。
【0045】
図1に示されるように、給紙ユニット50各々は、給紙カセット61、リフト板62、ピックアップローラー63、給紙ローラー64、及び分離ローラー65を備える。また、給紙ユニット50各々は、
図2に示されるシートセンサー66、及び給紙センサー67を備える。
【0046】
給紙カセット61は、定着ベルト41によるトナー像の定着位置P2(
図1参照)を経由する搬送経路に沿って搬送されるシートを収容する。例えば、給紙カセット61には、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシートが収容される。給紙カセット61は、本発明のシート収容部の一例である。
【0047】
リフト板62は、給紙カセット61の底部において上下方向D1に昇降可能に設けられる。リフト板62は、給紙カセット61に収容されたシートの束を、ピックアップローラー63と接触する位置まで持ち上げる。
【0048】
ピックアップローラー63は、給紙カセット61の上側に設けられる。ピックアップローラー63は、リフト板62によって持ち上げられたシートの束における最上層のシートと接触して、当該シートを給紙ローラー64へ搬送する。
【0049】
給紙ローラー64は、ピックアップローラー63によって搬送されるシートの上面と接触して、当該シートをシート搬送路54へ搬送する。
【0050】
分離ローラー65は、給紙ローラー64の下側に設けられる。分離ローラー65は、不図示の付勢部材によって給紙ローラー64へ向けて付勢されている。これにより、給紙ローラー64と分離ローラー65との間に、シートをつまむ給紙ニップ部が形成される。分離ローラー65は、前記給紙ニップ部に複数枚のシートが搬送される場合に、その複数枚のシートのうち給紙ローラー64と接触するシートを、他のシートから分離する。
【0051】
シートセンサー66は、給紙カセット61に収容されたシートを検出する。例えば、シートセンサー66は、給紙カセット61の底部に設けられた反射型の光センサーである。シートセンサー66は、給紙カセット61に収容されたシートが検出されない場合、つまりシート切れが発生した場合に、その旨を示す第1電気信号を出力する。
【0052】
給紙センサー67は、給紙カセット61から搬出されたシートを検出する。具体的に、給紙センサー67は、給紙ローラー64よりも給紙ローラー64によるシートの搬送方向の下流側の検出位置P10(
図1参照)で、シートを検出する。例えば、給紙センサー67は、シート搬送路54に設けられた反射型の光センサーである。給紙センサー67は、給紙ローラー64によって搬送されるシートを検出した場合、つまり給紙ユニット50によるシートの給紙が成功した場合に、その旨を示す第2電気信号を出力する。
【0053】
シート搬送路54は、給紙ユニット53から二次転写位置P1(
図1参照)、及び定着位置P2(
図1参照)を経由して排紙トレイ29へ至るシートの移動通路である。シート搬送路54は、画像形成装置100Aの筐体内部に設けられた一対のガイド部材により形成される。シート搬送路54には、複数の搬送ローラー対が互いに間隔をあけて設けられる。シート搬送路54では、複数の前記搬送ローラー対によってシートが
図1に示されるシート搬送方向D7へ搬送される。シート搬送方向D7は、前後方向D2に直交する平面に沿った方向である。前記シート幅方向は、シート搬送方向D7に直交する方向である。
【0054】
例えば、シート搬送部4は、シートを第1搬送速度、及び前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度のいずれかのシート搬送速度で搬送する。なお、シート搬送部4は、前記シート搬送速度を3以上の段数で切替可能であってもよい。
【0055】
[制御部7の構成]
次に、
図2を参照しつつ、制御部7の構成について説明する。
【0056】
図2に示されるように、制御部7は、切替処理部71、及び変更処理部72を含む。
【0057】
具体的に、制御部7のROM12には、制御部7のCPU11を上述の各処理部として機能させるための第1動作制御プログラムが予め格納されている。そして、制御部7のCPU11は、ROM12に格納された前記第1動作制御プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。
【0058】
なお、前記第1動作制御プログラムは、CD、DVD、及びフラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部6などの記憶装置に格納されてもよい。また、制御部7に含まれる一部、又は全部の処理部は、電子回路で構成されていてもよい。また、前記第1動作制御プログラムは、複数のプロセッサーを制御部7に含まれる各処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0059】
切替処理部71は、予め給紙元として設定された給紙カセット61から供給されるシートに画像を形成する画像形成処理の実行中に前記給紙元で前記シート切れが発生した場合であって、前記給紙元とは異なる給紙カセット61が予め定められた切替条件を充足する場合に、前記画像形成処理を中断させることなく、前記給紙元を前記切替条件を充足する給紙カセット61に切り替える。
【0060】
例えば、前記切替条件は、前記給紙元とは異なる給紙カセット61に収容されているシートのサイズが、前記給紙元の給紙カセット61に収容されているシートと同じであること、である。
【0061】
なお、前記切替条件は、前記給紙元とは異なる給紙カセット61に収容されているシートのサイズ及び種類の両方が、前記給紙元の給紙カセット61に収容されているシートと同じであること、であってもよい。また、前記切替条件は、前記給紙元とは異なる給紙カセット61に収容されているシートのサイズが、前記給紙元の給紙カセット61に収容されているシートよりも大きいこと、であってもよい。
【0062】
ところで、画像形成装置100Aにおいて前記画像形成処理の実行中に前記給紙元が切り替えられる場合には、前記給紙元の切り替え処理が終了するまで次のシートの搬送が停止する。ここで、従来の画像形成装置では、前記給紙元が切り替えられる場合であっても、前記目標温度が変更されずにヒーター44の駆動が制御される。
【0063】
これに対し、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100Aでは、以下に説明するように、前記画像形成処理の実行中に前記給紙元が切り替えられる場合の消費電力を低減可能である。
【0064】
変更処理部72は、切替処理部71による切替前の前記給紙元の最後のシートが定着位置P2を通過した時以後の第1タイミングから切替後の前記給紙元の最初のシートの搬送が開始される時以後の第2タイミングまで、前記目標温度を予め定められた印刷目標温度(本発明の第1温度の一例)から前記印刷目標温度よりも低い待機温度(本発明の第2温度の一例)に変更する。
【0065】
具体的に、前記第1タイミングは、切替処理部71による切替前の前記給紙元の最後のシートが定着位置P2を通過したタイミングである。なお、前記第1タイミングは、切替処理部71による切替前の前記給紙元の最後のシートが定着位置P2を通過した時よりも後のタイミングであってもよい。
【0066】
また、前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67によって当該給紙元の最初のシートが検出された時以後のタイミングである。なお、前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する給紙ローラー64の駆動が開始された時以後のタイミングであってもよい。
【0067】
ここで、前記待機温度は、給紙カセット61ごとに、当該給紙カセット61に対応する給紙センサー67の検出位置P10(P11、P12、P13)(
図1参照)から定着位置P2(
図1参照)までのシート移動距離に基づいて定められる。
【0068】
具体的に、前記待機温度は、給紙カセット61ごとに、当該給紙カセット61に対応する前記シート移動距離及び最速の前記シート搬送速度に基づいて定められる。
【0069】
例えば、給紙ユニット51の給紙カセット61に対応する前記待機温度(以下、「第1待機温度」という。)は、前記目標温度を前記第1待機温度から前記印刷目標温度に戻した場合に、以下の第1時間で、定着ベルト41を前記第1待機温度から前記印刷目標温度に昇温可能な温度である。前記第1時間は、給紙ユニット51に対応する前記シート移動距離(
図1に示される検出位置P11から定着位置P2までの距離)を最速の前記シート搬送速度である前記第1搬送速度で除算することにより得られる時間である。
【0070】
また、給紙ユニット52の給紙カセット61に対応する前記待機温度(以下、「第2待機温度」という。)は、前記目標温度を前記第2待機温度から前記印刷目標温度に戻した場合に、以下の第2時間で、定着ベルト41を前記第2待機温度から前記印刷目標温度に昇温可能な温度である。前記第2時間は、給紙ユニット52に対応する前記シート移動距離(
図1に示される検出位置P12から定着位置P2までの距離)を最速の前記シート搬送速度である前記第1搬送速度で除算することにより得られる時間である。
【0071】
また、給紙ユニット53の給紙カセット61に対応する前記待機温度(以下、「第3待機温度」という。)は、前記目標温度を前記第3待機温度から前記印刷目標温度に戻した場合に、以下の第3時間で、定着ベルト41を前記第3待機温度から前記印刷目標温度に昇温可能な温度である。前記第3時間は、給紙ユニット53に対応する前記シート移動距離(
図1に示される検出位置P13から定着位置P2までの距離)を最速の前記シート搬送速度である前記第1搬送速度で除算することにより得られる時間である。
【0072】
また、変更処理部72は、前記目標温度を前記印刷目標温度から切替後の前記給紙元に対応する前記待機温度に変更する。
【0073】
また、前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67によって当該給紙元の最初のシートが検出された時よりも、切替後の前記給紙元及び前記画像形成処理における前記シート搬送速度の組み合わせに基づいて特定される特定時間後のタイミングである。具体的に、前記特定時間は、切替後の前記給紙元に対応する前記シート移動距離及び前記画像形成処理における前記シート搬送速度に基づくシート移動時間から、定着ベルト41を切替後の前記給紙元に対応する前記待機温度から前記印刷目標温度に昇温可能なヒーター44の駆動制御時間を減算することにより得られる時間である。
【0074】
上述のように、前記待機温度は、給紙カセット61ごとに、当該給紙カセット61に対応する前記シート移動距離及び最速の前記シート搬送速度に基づいて定められている。そのため、前記第1待機温度に対応する前記駆動制御時間は、前記第1時間と同じ長さの時間である。また、前記第2待機温度に対応する前記駆動制御時間は、前記第2時間と同じ長さの時間である。また、前記第3待機温度に対応する前記駆動制御時間は、前記第3時間と同じ長さの時間である。
【0075】
例えば、切替後の前記給紙元が給紙ユニット51の給紙カセット61である場合であって、前記画像形成処理における前記シート搬送速度が前記第1搬送速度である場合の前記特定時間は、ゼロ秒である。
【0076】
また、切替後の前記給紙元が給紙ユニット51の給紙カセット61である場合であって、前記画像形成処理における前記シート搬送速度が前記第2搬送速度である場合の前記特定時間は、以下の手順で得られる時間である。すなわち、当該特定時間は、給紙ユニット51に対応する前記シート移動距離(
図1に示される検出位置P11から定着位置P2までの距離)及び前記第2搬送速度に基づく前記シート移動時間から前記第1時間を減算することにより得られる時間である。
【0077】
また、切替後の前記給紙元が給紙ユニット52の給紙カセット61である場合であって、前記画像形成処理における前記シート搬送速度が前記第1搬送速度である場合の前記特定時間は、ゼロ秒である。
【0078】
また、切替後の前記給紙元が給紙ユニット52の給紙カセット61である場合であって、前記画像形成処理における前記シート搬送速度が前記第2搬送速度である場合の前記特定時間は、以下の手順で得られる時間である。すなわち、当該特定時間は、給紙ユニット52に対応する前記シート移動距離(
図1に示される検出位置P12から定着位置P2までの距離)及び前記第2搬送速度に基づく前記シート移動時間から前記第2時間を減算することにより得られる時間である。
【0079】
また、切替後の前記給紙元が給紙ユニット53の給紙カセット61である場合であって、前記画像形成処理における前記シート搬送速度が前記第1搬送速度である場合の前記特定時間は、ゼロ秒である。
【0080】
また、切替後の前記給紙元が給紙ユニット53の給紙カセット61である場合であって、前記画像形成処理における前記シート搬送速度が前記第2搬送速度である場合の前記特定時間は、以下の手順で得られる時間である。すなわち、当該特定時間は、給紙ユニット53に対応する前記シート移動距離(
図1に示される検出位置P13から定着位置P2までの距離)及び前記第2搬送速度に基づく前記シート移動時間から前記第3時間を減算することにより得られる時間である。
【0081】
なお、画像形成装置100Aにおいて、シート搬送部4は、シートを常に前記第1搬送速度で搬送してもよい。つまり、シート搬送部4は、前記シート搬送速度を切り替え不能であってもよい。この場合、前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67によって当該給紙元の最初のシートが検出されたタイミングであればよい。
【0082】
[給紙制御処理]
以下、
図4を参照しつつ、画像形成装置100Aにおいて制御部7により実行される給紙制御処理の手順の一例とともに、本発明の動作制御方法の一部について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部7により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記給紙制御処理は、前記画像形成処理が実行される場合に、前記画像形成処理の一部の処理として実行される。
【0083】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部7は、前記画像形成処理において前記給紙元の給紙カセット61からシートを給紙する給紙タイミングが到来したか否かを判定する。
【0084】
ここで、制御部7は、前記給紙タイミングが到来したと判定すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、前記給紙タイミングが到来していなければ(S11のNo側)、制御部7は、ステップS11で前記給紙タイミングの到来を待ち受ける。
【0085】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部7は、前記給紙元で前記シート切れが発生したか否かを判定する。
【0086】
具体的に、制御部7は、前記給紙元の給紙カセット61に対応するシートセンサー66から前記第1電気信号が出力された場合に、前記給紙元で前記シート切れが発生したと判定する。
【0087】
ここで、制御部7は、前記シート切れが発生したと判定すると(S12のYes側)、処理をステップS13に移行させる。また、前記シート切れが発生していなければ(S12のNo側)、制御部7は、処理をステップS15に移行させる。
【0088】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部7は、前記給紙元を切り替え可能であるか否かを判定する。
【0089】
具体的に、制御部7は、前記給紙元とは異なるいずれかの給紙カセット61が前記切替条件を充足する場合に、前記給紙元を切り替え可能であると判定する。
【0090】
ここで、制御部7は、前記給紙元を切り替え可能であると判定すると(S13のYes側)、処理をステップS14に移行させる。また、前記給紙元を切り替え可能でなければ(S13のNo側)、制御部7は、処理をステップS17に移行させる。
【0091】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部7は、前記給紙元を前記シート切れが発生した給紙カセット61から前記切替条件を充足する給紙カセット61に切り替える。ここで、ステップS14の処理は、本発明の切替ステップの一例であって、制御部7の切替処理部71により実行される。
【0092】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部7は、前記給紙元からのシートの給紙を実行する。
【0093】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部7は、前記給紙元からのシートの給紙が終了したか否かを判定する。
【0094】
具体的に、制御部7は、前記画像形成処理で最後に画像が形成されるシートが給紙された場合に、前記給紙元からのシートの給紙が終了したと判定する。
【0095】
ここで、制御部7は、前記給紙元からのシートの給紙が終了したと判定すると(S16のYes側)、前記給紙制御処理を終了させる。また、前記給紙元からのシートの給紙が終了していなければ(S16のNo側)、制御部7は、処理をステップS11に移行させる。
【0096】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部7は、前記画像形成処理を中断させる。
【0097】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部7は、前記給紙元で前記シート切れが発生した旨を報知する。
【0098】
具体的に、制御部7は、前記給紙元で前記シート切れが発生した旨を示すメッセージを操作表示部5に表示させる。
【0099】
<ステップS19>
ステップS19において、制御部7は、前記給紙元に対してシートが補充されたか否かを判定する。
【0100】
具体的に、制御部7は、前記給紙元の給紙カセット61に対応するシートセンサー66からの前記第1電気信号の出力が停止した場合に、前記給紙元に対してシートが補充されたと判定する。
【0101】
ここで、制御部7は、前記給紙元に対してシートが補充されたと判定すると(S19のYes側)、処理をステップS20に移行させる。また、前記給紙元に対してシートが補充されていなければ(S19のNo側)、制御部7は、ステップS19で前記給紙元に対するシートの補充を待ち受ける。
【0102】
<ステップS20>
ステップS20において、制御部7は、中断された前記画像形成処理を再開させる。
【0103】
[第1定着制御処理]
次に、
図5を参照しつつ、画像形成装置100Aにおいて制御部7により実行される第1定着制御処理の手順の一例とともに、本発明の動作制御方法の一部について説明する。なお、前記第1定着制御処理は、前記画像形成処理が実行される場合に、前記画像形成処理の一部の処理として実行される。
【0104】
<ステップS31>
まず、ステップS31において、制御部7は、前記目標温度を前記印刷目標温度に設定する。
【0105】
なお、前記印刷目標温度は、前記画像形成処理で画像が形成されるシートの種類ごとに定められていてもよい。この場合、前記待機温度も、シートの種類ごとに定められていればよい。
【0106】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部7は、駆動制御部47によるヒーター44の駆動制御を開始させる。
【0107】
<ステップS33>
ステップS33において、制御部7は、前記給紙制御処理のステップS12の処理と同様に、前記給紙元で前記シート切れが発生したか否かを判定する。
【0108】
ここで、制御部7は、前記シート切れが発生したと判定すると(S33のYes側)、処理をステップS34に移行させる。また、前記シート切れが発生していなければ(S33のNo側)、制御部7は、処理をステップS38に移行させる。
【0109】
<ステップS34>
ステップS34において、制御部7は、前記画像形成処理が継続されるか否かを判定する。
【0110】
具体的に、制御部7は、前記給紙制御処理のステップS13の処理で前記給紙元を切り替え可能であると判定された場合に、前記画像形成処理が継続されると判定する。また、制御部7は、前記給紙制御処理のステップS13の処理で前記給紙元を切り替え可能ではないと判定された場合に、前記画像形成処理が継続されない(中断される)と判定する。
【0111】
ここで、制御部7は、前記画像形成処理が継続されると判定すると(S34のYes側)、処理をステップS35に移行させる。また、前記画像形成処理が継続されなければ(S34のNo側)、制御部7は、処理をステップS40に移行させる。
【0112】
<ステップS35>
ステップS35において、制御部7は、前記目標温度を前記印刷目標温度から切替後の前記給紙元に対応する前記待機温度に変更する。
【0113】
具体的に、制御部7は、切替前の前記給紙元の最後のシートが定着位置P2を通過したタイミング(前記第1タイミング)で、前記目標温度を変更する。なお、制御部7は、切替前の前記給紙元に対応する給紙センサー67による最後のシートの検出時から所定の時間が経過した場合に、当該シートが定着位置P2を通過したと判定すればよい。
【0114】
<ステップS36>
ステップS36において、制御部7は、切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功したか否かを判定する。
【0115】
具体的に、制御部7は、切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67から前記第2電気信号が出力された場合に、切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功したと判定する。
【0116】
ここで、制御部7は、切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功したと判定すると(S36のYes側)、処理をステップS37に移行させる。また、切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功していなければ(S36のNo側)、制御部7は、ステップS36で切替後の前記給紙元からのシートの給紙の成功を待ち受ける。
【0117】
<ステップS37>
ステップS37において、制御部7は、前記目標温度を切替後の前記給紙元に対応する前記待機温度から前記印刷目標温度に変更する。ここで、ステップS35からステップS37までの処理は、本発明の変更ステップの一例であって、制御部7の変更処理部72により実行される。
【0118】
具体的に、制御部7は、ステップS36で切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功したと判定された時よりも、切替後の前記給紙元及び前記画像形成処理における前記シート搬送速度の組み合わせに基づいて特定される前記特定時間後に、前記目標温度を変更する。これにより、切替後の前記給紙元がいずれの給紙カセット61であっても、またシート搬送速度が前記第1搬送速度及び前記第2搬送速度のいずれであっても、切替後の前記給紙元の最初のシートが定着位置P2に到達するタイミングに合わせて、定着ベルト41を前記印刷目標温度に昇温させることが可能である。
【0119】
<ステップS38>
ステップS38において、制御部7は、前記画像形成処理において画像の形成が終了したか否かを判定する。
【0120】
ここで、制御部7は、画像の形成が終了したと判定すると(S38のYes側)、処理をステップS39に移行させる。また、画像の形成が終了していなければ(S38のNo側)、制御部7は、処理をステップS33に移行させる。
【0121】
<ステップS39>
ステップS39において、制御部7は、駆動制御部47によるヒーター44の駆動制御を終了させる。
【0122】
<ステップS40>
ステップS40において、制御部7は、駆動制御部47によるヒーター44の駆動制御を停止させる。
【0123】
<ステップS41>
ステップS41において、制御部7は、前記画像形成処理が再開されたか否かを判定する。
【0124】
ここで、制御部7は、前記画像形成処理が再開されたと判定すると(S41のYes側)、処理をステップS42に移行させる。また、前記画像形成処理が再開されていなければ(S41のNo側)、制御部7は、ステップS41で前記画像形成処理の再開を待ち受ける。
【0125】
<ステップS42>
ステップS42において、制御部7は、駆動制御部47によるヒーター44の駆動制御を再開させる。
【0126】
例えば、画像形成装置100Aでは、定着ベルト41の温度が
図6に示されるように推移する。ここで、
図6に示されるタイミングt11は、シートが前記第2搬送速度で搬送される前記画像形成処理が開始されたタイミングである。また、タイミングt12は、前記給紙元で前記シート切れが発生し、前記給紙元を切り替え可能であると判定された後の、切替前の前記給紙元の最後のシートが定着位置P2を通過したタイミング(前記第1タイミング)である。つまり、タイミングt12は、前記目標温度が前記印刷目標温度から切替後の前記給紙元に対応する前記待機温度に変更されたタイミングである。また、タイミングt13は、切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67によって当該給紙元の最初のシートが検出されたタイミングである。また、タイミングt14は、タイミングt13から前記特定時間が経過したタイミング(前記第2タイミング)である。つまり、タイミングt14は、前記目標温度が切替後の前記給紙元に対応する前記待機温度から前記印刷目標温度に戻されたタイミングである。また、タイミングt15は、切替後の前記給紙元の最初のシートが定着位置P2に到達したタイミングである。
【0127】
このように、画像形成装置100Aでは、前記画像形成処理の実行中に前記給紙元が切り替えられる場合に、前記目標温度が前記印刷目標温度よりも低い前記待機温度に変更される。これにより、前記給紙元が切り替えられる場合であっても、前記目標温度が変更されずにヒーター44の駆動が制御される構成と比較して、消費電力を低減可能である。
【0128】
[第2実施形態]
次に、
図7を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100Bの構成について説明する。
【0129】
画像形成装置100Bは、画像形成部3、及び制御部7の構成が、画像形成装置100Aとは異なる。なお、その他の構成は、画像形成装置100Aと画像形成装置100Bとで共通である。以下、画像形成装置100Bの構成のうち、画像形成装置100Aとは異なる構成についてのみ説明する。
【0130】
図7に示されるように、制御部7は、切替処理部71、変更処理部72、及び制限処理部73を含む。
【0131】
具体的に、制御部7のROM12には、制御部7のCPU11を上述の各処理部として機能させるための第2動作制御プログラムが予め格納されている。そして、制御部7のCPU11は、ROM12に格納された前記第2動作制御プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。
【0132】
なお、前記第2動作制御プログラムは、CD、DVD、及びフラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部6などの記憶装置に格納されてもよい。また、制御部7に含まれる一部、又は全部の処理部は、電子回路で構成されていてもよい。また、前記第2動作制御プログラムは、複数のプロセッサーを制御部7に含まれる各処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0133】
切替処理部71、及び変更処理部72の機能は、画像形成装置100Aに含まれる切替処理部71、及び変更処理部72と同じである。
【0134】
制限処理部73は、前記第2タイミングからの定着ベルト41の昇温速度を制限する。
【0135】
例えば、画像形成装置100Bでは、不図示の電源とヒーター44との間の前記給電経路上であって、前記第1スイッチング素子よりも電源側に、前記給電経路の導通及び遮断を切り替え可能な第2スイッチング素子(不図示)が設けられている。
【0136】
そして、制限処理部73は、前記第2スイッチング素子を用いて、電源から前記第1スイッチング素子側への給電量を制限することにより、前記第2タイミングからの定着ベルト41の昇温速度を制限する。
【0137】
なお、制限処理部73は、ヒーター44に給電する電源の出力電圧を低下させることにより、前記第2タイミングからの定着ベルト41の昇温速度を制限してもよい。また、制限処理部73は、前記通電経路上に設けられたデジタルポテンショメータなどの可変抵抗器の抵抗値をゼロオームから所定の抵抗値に切り替えることにより、前記第2タイミングからの定着ベルト41の昇温速度を制限してもよい。
【0138】
ここで、画像形成装置100Bでは、制限処理部73による定着ベルト41の昇温速度の制限が考慮されて、給紙カセット61ごとの前記待機温度が設定されている。
【0139】
具体的に、前記第1待機温度は、制限処理部73によって定着ベルト41の昇温速度が制限される状態で前記目標温度を前記第1待機温度から前記印刷目標温度に戻した場合に、前記第1時間で、定着ベルト41を前記第1待機温度から前記印刷目標温度に昇温可能な温度である。
【0140】
また、前記第2待機温度は、制限処理部73によって定着ベルト41の昇温速度が制限される状態で前記目標温度を前記第2待機温度から前記印刷目標温度に戻した場合に、前記第2時間で、定着ベルト41を前記第2待機温度から前記印刷目標温度に昇温可能な温度である。
【0141】
また、前記第3待機温度は、制限処理部73によって定着ベルト41の昇温速度が制限される状態で前記目標温度を前記第3待機温度から前記印刷目標温度に戻した場合に、前記第3時間で、定着ベルト41を前記第3待機温度から前記印刷目標温度に昇温可能な温度である。
【0142】
[第2定着制御処理]
次に、
図8を参照しつつ、画像形成装置100Bにおいて制御部7により実行される第2定着制御処理の手順の一例とともに、本発明の動作制御方法の一部について説明する。なお、前記第2定着制御処理は、前記画像形成処理が実行される場合に、前記画像形成処理の一部の処理として実行される。
【0143】
前記第2定着制御処理の内容は、ステップS37の後でステップS51の処理が実行される点を除けば、画像形成装置100Aで実行される前記第1定着制御処理と同じである。以下、前記第1定着制御処理とは異なる処理についてのみ説明する。
【0144】
<ステップS51>
ステップS51において、制御部7は、ステップS37の処理の実行時からの定着ベルト41の昇温速度を制限する。ここで、ステップS51の処理は、本発明の制限ステップの一例であって、制御部7の制限処理部73により実行される。
【0145】
具体的に、制御部7は、前記第2スイッチング素子を用いて、電源から前記第1スイッチング素子側への給電量を制限することにより、前記第2タイミングからの定着ベルト41の昇温速度を制限する。
【0146】
例えば、画像形成装置100Bでは、定着ベルト41の温度が
図9に示されるように推移する。ここで、
図9に示されるタイミングt21は、シートが前記第2搬送速度で搬送される前記画像形成処理が開始されたタイミングである。また、タイミングt22は、前記給紙元で前記シート切れが発生し、前記給紙元を切り替え可能であると判定された後の、切替前の前記給紙元の最後のシートが定着位置P2を通過したタイミング(前記第1タイミング)である。つまり、タイミングt22は、前記目標温度が前記印刷目標温度から切替後の前記給紙元に対応する前記待機温度に変更されたタイミングである。また、タイミングt23は、切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67によって当該給紙元の最初のシートが検出されたタイミングである。また、タイミングt24は、タイミングt23から前記特定時間が経過したタイミング(前記第2タイミング)である。つまり、タイミングt24は、前記目標温度が切替後の前記給紙元に対応する前記待機温度から前記印刷目標温度に戻されたタイミングである。また、タイミングt25は、切替後の前記給紙元の最初のシートが定着位置P2に到達したタイミングである。なお、
図9では、タイミングt24からの定着ベルト41の昇温速度が制限されない場合の定着ベルト41の温度の推移が点線によって示されている。
【0147】
図9に示される例では、タイミングt24からの定着ベルト41の昇温速度が制限される。そのため、タイミングt24からの定着ベルト41の昇温速度が制限されない場合(
図9の点線参照)と比較して、定着ベルト41の温度が緩やかに上昇する。従って、タイミングt24からの定着ベルト41の昇温速度が制限されない場合と比較して、定着ベルト41の温度が前記印刷目標温度に到達した後のオーバーシュート(定着ベルト41の温度が前記印刷目標温度を超えて上昇すること)を抑制可能である。
【0148】
このように、画像形成装置100Bでは、前記画像形成処理の実行中に前記給紙元が切り替えられる場合に、前記目標温度が前記印刷目標温度よりも低い前記待機温度に変更される。これにより、前記給紙元が切り替えられる場合であっても、前記目標温度が変更されずにヒーター44の駆動が制御される構成と比較して、消費電力を低減可能である。
【0149】
また、画像形成装置100Bでは、前記第2タイミングからの定着ベルト41の昇温速度が制限される。これにより、前記第2タイミングからの定着ベルト41の昇温速度が制限されない構成と比較して、定着ベルト41の温度が前記印刷目標温度に到達した後のオーバーシュートを抑制可能である。
【0150】
[第3実施形態]
次に、
図10を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置100Cの構成について説明する。
【0151】
画像形成装置100Cは、制御部7の構成が、画像形成装置100Bとは異なる。なお、その他の構成は、画像形成装置100Bと画像形成装置100Cとで共通である。以下、画像形成装置100Cの構成のうち、画像形成装置100Bとは異なる構成についてのみ説明する。
【0152】
図10に示されるように、制御部7は、切替処理部71、変更処理部72、制限処理部73、及び判定処理部74を含む。
【0153】
具体的に、制御部7のROM12には、制御部7のCPU11を上述の各処理部として機能させるための第3動作制御プログラムが予め格納されている。そして、制御部7のCPU11は、ROM12に格納された前記第3動作制御プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。
【0154】
なお、前記第3動作制御プログラムは、CD、DVD、及びフラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部6などの記憶装置に格納されてもよい。また、制御部7に含まれる一部、又は全部の処理部は、電子回路で構成されていてもよい。また、前記第3動作制御プログラムは、複数のプロセッサーを制御部7に含まれる各処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0155】
切替処理部71の機能は、画像形成装置100Bに含まれる切替処理部71と同じである。
【0156】
判定処理部74は、切替処理部71による切替後の前記給紙元の最初のシートの搬送が開始される時から当該シートが定着位置P2に到達する時までの予測時間が、前記印刷目標温度と前記印刷目標温度よりも低い前記待機温度との差に基づく第1基準時間以上であるか否かを判定する。
【0157】
具体的に、判定処理部74は、切替処理部71による切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67によって当該給紙元の最初のシートが検出された時から当該シートが定着位置P2に到達する時までの前記予測時間が、前記第1基準時間以上であるか否かを判定する。前記予測時間は、切替後の前記給紙元に対応する前記シート移動距離と前記画像形成処理における前記シート搬送速度とに基づいて算出可能である。
【0158】
ここで、画像形成装置100Cでは、前記待機温度が給紙カセット61ごとに定められていない。画像形成装置100Cでは、3つの給紙カセット61に共通の前記待機温度が定められている。
【0159】
例えば、前記待機温度は、前記第2待機温度と同じ温度である。つまり、前記待機温度は、前記目標温度を前記待機温度から前記印刷目標温度に戻した場合に、前記第2時間で、定着ベルト41を前記待機温度から前記印刷目標温度に昇温可能な温度である。また、前記第2時間は、給紙ユニット52に対応する前記シート移動距離(
図1に示される検出位置P12から定着位置P2までの距離)を最速の前記シート搬送速度である前記第1搬送速度で除算することにより得られる時間である。
【0160】
また、前記第1基準時間は、前記目標温度を前記待機温度から前記印刷目標温度に戻した時から定着ベルト41が前記印刷目標温度に昇温する時までの時間である。つまり、前記待機温度が前記第2待機温度と同じ温度である場合の前記第1基準時間は、前記第2時間と同じ時間である。
【0161】
変更処理部72は、判定処理部74によって前記予測時間が前記第1基準時間以上であると判定される場合に、切替処理部71による切替前の前記給紙元の最後のシートが定着位置P2を通過した時以後の前記第1タイミングから切替後の前記給紙元の最初のシートの搬送が開始される時以後の前記第2タイミングまで、前記目標温度を前記印刷目標温度から前記待機温度に変更する。
【0162】
前記第1タイミングは、切替処理部71による切替前の前記給紙元の最後のシートが定着位置P2を通過したタイミングである。また、前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67によって当該給紙元の最初のシートが検出された時以後のタイミングである。
【0163】
制限処理部73は、前記予測時間が前記第1基準時間よりも長い第2基準時間以上である場合に、前記第2タイミングからの定着ベルト41の昇温速度を制限する。
【0164】
具体的に、前記第2基準時間は、定着ベルト41の昇温速度が制限される状態で前記目標温度を前記待機温度から前記印刷目標温度に戻した場合に、前記目標温度を前記印刷目標温度に戻した時から定着ベルト41が前記印刷目標温度に昇温する時までの時間である。
【0165】
ここで、前記予測時間が前記第2基準時間以上である場合の前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67によって当該給紙元の最初のシートが検出された時よりも、前記予測時間から前記第2基準時間を減算することによって得られる時間後のタイミングである。
【0166】
また、前記予測時間が前記第1基準時間以上であって前記第2基準時間未満である場合の前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67によって当該給紙元の最初のシートが検出された時よりも、前記予測時間から前記第1基準時間を減算することによって得られる時間後のタイミングである。
【0167】
なお、前記第2タイミングは、切替後の前記給紙元に対応する給紙センサー67によって当該給紙元の最初のシートが検出されたタイミングであってもよい。
【0168】
[第3定着制御処理]
次に、
図11を参照しつつ、画像形成装置100Cにおいて制御部7により実行される第3定着制御処理の手順の一例とともに、本発明の動作制御方法の一部について説明する。なお、前記第3定着制御処理は、前記画像形成処理が実行される場合に、前記画像形成処理の一部の処理として実行される。
【0169】
前記第3定着制御処理の内容は、ステップS35、ステップS36、ステップS37、及びステップS51の処理に替えて、ステップS61の処理が実行される点を除けば、画像形成装置100Bで実行される前記第2定着制御処理と同じである。以下、前記第2定着制御処理とは異なる処理についてのみ説明する。
【0170】
<ステップS61>
ステップS61において、制御部7は、以下に説明するモード切替処理を実行する。
【0171】
[モード切替処理]
次に、
図12を参照しつつ、前記第3定着制御処理のステップS61で実行されるモード切替処理について説明する。
【0172】
<ステップS71>
まず、ステップS71において、制御部7は、前記予測時間が前記第1基準時間以上であるか否かを判定する。ここで、ステップS71の処理は、本発明の判定ステップの一例であって、制御部7の判定処理部74により実行される。
【0173】
ここで、制御部7は、前記予測時間が前記第1基準時間以上であると判定すると(S71のYes側)、処理をステップS72に移行させる。また、前記予測時間が前記第1基準時間以上でなければ(S71のNo側)、制御部7は、前記モード切替処理を終了させる。
【0174】
<ステップS72>
ステップS72において、制御部7は、前記予測時間が前記第2基準時間以上であるか否かを判定する。
【0175】
ここで、制御部7は、前記予測時間が前記第2基準時間以上であると判定すると(S72のYes側)、処理をステップS73に移行させる。また、前記予測時間が前記第2基準時間以上でなければ(S72のNo側)、制御部7は、処理をステップS77に移行させる。
【0176】
<ステップS73>
ステップS73において、制御部7は、前記目標温度を前記印刷目標温度から前記待機温度に変更する。
【0177】
具体的に、制御部7は、切替前の前記給紙元の最後のシートが定着位置P2を通過したタイミング(前記第1タイミング)で、前記目標温度を変更する。
【0178】
<ステップS74>
ステップS74において、制御部7は、切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功したか否かを判定する。
【0179】
ここで、制御部7は、切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功したと判定すると(S74のYes側)、処理をステップS75に移行させる。また、切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功していなければ(S74のNo側)、制御部7は、ステップS74で切替後の前記給紙元からのシートの給紙の成功を待ち受ける。
【0180】
<ステップS75>
ステップS75において、制御部7は、前記目標温度を前記待機温度から前記印刷目標温度に変更する。ここで、ステップS73からステップS75までの処理は、本発明の変更ステップの一例であって、制御部7の変更処理部72により実行される。
【0181】
具体的に、制御部7は、ステップS74で切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功したと判定された時から、前記予測時間から前記第2基準時間を減算することによって得られる時間が経過したタイミング(前記第2タイミング)で、前記目標温度を変更する。これにより、切替後の前記給紙元の最初のシートが定着位置P2に到達するタイミングに合わせて、定着ベルト41を前記印刷目標温度に昇温させることが可能である。
【0182】
<ステップS76>
ステップS76において、制御部7は、ステップS75の処理の実行時からの定着ベルト41の昇温速度を制限する。ここで、ステップS76の処理は、制御部7の制限処理部73により実行される。これにより、定着ベルト41の温度が前記印刷目標温度に到達した後のオーバーシュートを抑制可能である。
【0183】
<ステップS77>
ステップS77において、制御部7は、ステップS73と同様に、前記目標温度を前記印刷目標温度から前記待機温度に変更する。
【0184】
<ステップS78>
ステップS78において、制御部7は、ステップS74と同様に、切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功したか否かを判定する。
【0185】
ここで、制御部7は、切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功したと判定すると(S78のYes側)、処理をステップS79に移行させる。また、切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功していなければ(S78のNo側)、制御部7は、ステップS78で切替後の前記給紙元からのシートの給紙の成功を待ち受ける。
【0186】
<ステップS79>
ステップS79において、制御部7は、前記目標温度を前記待機温度から前記印刷目標温度に変更する。ここで、ステップS77からステップS79までの処理は、本発明の変更ステップの一例であって、制御部7の変更処理部72により実行される。
【0187】
具体的に、制御部7は、ステップS78で切替後の前記給紙元からのシートの給紙が成功したと判定された時から、前記予測時間から前記第1基準時間を減算することによって得られる時間が経過したタイミング(前記第2タイミング)で、前記目標温度を変更する。これにより、切替後の前記給紙元の最初のシートが定着位置P2に到達するタイミングに合わせて、定着ベルト41を前記印刷目標温度に昇温させることが可能である。
【0188】
このように、画像形成装置100Cでは、前記画像形成処理の実行中に前記給紙元が切り替えられる場合であって、前記予測時間が前記第1基準時間以上である場合に、前記目標温度が前記印刷目標温度よりも低い前記待機温度に変更される。これにより、前記給紙元が切り替えられる場合であっても、前記目標温度が変更されずにヒーター44の駆動が制御される構成と比較して、消費電力を低減可能である。また、前記予測時間が前記第1基準時間未満である場合にまで、前記目標温度が前記待機温度に変更される構成と比較して、切替後の前記給紙元の最初のシートが定着位置P2に到達したタイミングで定着ベルト41の温度が前記印刷目標温度を下回ることを抑制可能である。
【符号の説明】
【0189】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 シート搬送部
5 操作表示部
6 記憶部
7 制御部
28 定着装置
41 定着ベルト
42 加圧ローラー
44 ヒーター
45 第1温度センサー
47 駆動制御部
50 給紙ユニット
54 シート搬送路
61 給紙カセット
64 給紙ローラー
67 給紙センサー
71 切替処理部
72 変更処理部
73 制限処理部
74 判定処理部
100A 画像形成装置
100B 画像形成装置
100C 画像形成装置