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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170740
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241204BHJP
【FI】
F21S2/00 443
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087423
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 公史
(72)【発明者】
【氏名】松田 康平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲濱▼ 佑一郎
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244KA07
(57)【要約】
【課題】導光板とその導光板の発光面の側に配置された前面カバーとが接触することを抑制した照明器具を得ることを目的とする。
【解決手段】照明器具は、下方に開口が形成された箱状の器具本体と、器具本体の内部において、開口の側に発光面を設けた導光板と、器具本体の内部において、上面が導光板の発光面となる下面と接触し、導光板の両端部を下側から支持する一対の下ガイドプレートと、器具本体の内部において、下面が導光板の発光面の反対側となる上面と接触し、導光板の両端部に上側から当接して導光板を押圧する一対の上ガイドプレートと、器具本体の内部において、導光板の発光面との間に隙間を空けた状態で、導光板の発光面と対向するように配置された板状の前面カバーと、を備え、導光板は、一対の下ガイドプレートと、一対の上ガイドプレートとによって挟持されており、導光板の延びる方向において、一対の上ガイドプレートは、一対の下ガイドプレートよりも外側に位置しているものである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に開口が形成された箱状の器具本体と、
前記器具本体の内部において、前記開口の側に発光面を設けた導光板と、
前記器具本体の内部において、上面が前記導光板の前記発光面となる下面と接触し、前記導光板の両端部を下側から支持する一対の下ガイドプレートと、
前記器具本体の内部において、下面が前記導光板の前記発光面の反対側となる上面と接触し、前記導光板の前記両端部に上側から当接して前記導光板を押圧する一対の上ガイドプレートと、
前記器具本体の内部において、前記導光板の前記発光面との間に隙間を空けた状態で、前記導光板の前記発光面と対向するように配置された板状の前面カバーと、
を備え、
前記導光板は、
前記一対の下ガイドプレートと、前記一対の上ガイドプレートとによって挟持されており、前記導光板の延びる方向において、前記一対の上ガイドプレートは、前記一対の下ガイドプレートよりも外側に位置している照明器具。
【請求項2】
前記導光板は、
平面視で四角形状に形成されており、
前記一対の上ガイドプレート及び前記一対の下ガイドプレートは、
四角形状に形成された前記導光板の対向する一対の端面に沿って延びるように形成されている請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記導光板は、
平面視で長方形に形成されており、
前記一対の下ガイドプレートは、
前記導光板の長手方向の両端部を下から支持しており、
前記一対の上ガイドプレートは、
前記導光板の前記長手方向の前記両端部に上から当接しており、前記導光板の前記長手方向において前記一対の下ガイドプレートが前記導光板を支持する位置よりも外側の部分に当接している請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記一対の上ガイドプレートと、前記一対の下ガイドプレートとは、前記導光板を挟んで対向していない請求項1又は2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被取付部に固定具によって取り付けられる器具本体と、器具本体の内部に配置された導光板と、を備えた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具の中には、天井などの被取付部に設置される照明器具がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の照明器具は、下方が開口している箱形の器具本体と、器具本体の内部に配置された板状の導光板とを有している。また、特許文献1の照明器具は、導光板の長手方向に延びた2つの端面のそれぞれの下側から導光板を支持する下ガイドプレートと、導光板の上側から支持する上ガイドプレートとを有している。特許文献1の照明器具は、上下方向において下ガイドプレートと上ガイドプレートとが対向する位置に設けられており、下ガイドプレートと上ガイドプレートとによって導光板を挟む構造となっている。また、特許文献1の照明器具は、導光板の長手方向に延びた短手方向側の2つの端面に対応するように配置されたLED(Light Emitting Diode)モジュールを有している。特許文献1の照明器具は、LEDモジュールから出射した光を導光板の端面に入射させ、その光を導光板の出射面である器具本体の下方の開口の側に面発光するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-26796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導光板は、アクリルなどの透明樹脂を素材としており、LEDなどにより発光された光が導光板の端面から入ることにより板面が面発光するものである。導光板は、表面に傷がつき、あるいは表面に汚れが付着すると、傷あるいは汚れが導光された光の障害となり、結果として当該部分が輝点になって見栄えが悪くなってしまう。照明器具は、導光板の前面(発光面の側、器具本体の開口の側の面)に前面カバーを設ける場合があり、この前面カバーには、導光板の傷あるいは汚れを防止する役割がある。照明器具は、前面カバーを設ける場合、導光板と前面カバーとが接触することのないように、導光板と前面カバーとの間に隙間が必要である。
【0005】
照明器具は、導光板と前面カバーとの隙間が小さいほうが導光板においてよりきれいな面発光を実現できる。導光板と前面カバーとの隙間を小さくしすぎると、熱膨張あるいは吸湿によって導光板の材料であるアクリル板が伸びてしまう。また、特許文献1の照明器具のように、導光板の端面の上下の位置を上下のガイドプレートによって挟んで支持している場合、導光板が下方向(前面カバーがある方の側)に撓んで、導光板と前面カバーとが接触してしまう恐れがある。導光板と前面カバーとが接触してしまうと、導光板において導光された光が前面カバーに伝わってしまうため、照明器具は、前面カバーにおいて靄のような意図しない光り方をしてしまう場合がある。
【0006】
本開示は、上述のような課題を解決するためのものであり、器具本体の内部に設置された導光板とその導光板の発光面の側に配置された前面カバーとが接触することを抑制した照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る照明器具は、下方に開口が形成された箱状の器具本体と、器具本体の内部において、開口の側に発光面を設けた導光板と、器具本体の内部において、上面が導光板の発光面となる下面と接触し、導光板の両端部を下側から支持する一対の下ガイドプレートと、器具本体の内部において、下面が導光板の発光面の反対側となる上面と接触し、導光板の両端部に上側から当接して導光板を押圧する一対の上ガイドプレートと、器具本体の内部において、導光板の発光面との間に隙間を空けた状態で、導光板の発光面と対向するように配置された板状の前面カバーと、を備え、導光板は、一対の下ガイドプレートと、一対の上ガイドプレートとによって挟持されており、導光板の延びる方向において、一対の上ガイドプレートは、一対の下ガイドプレートよりも外側に位置しているものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、照明器具は、導光板に上方向から当接して導光板を押圧する一対の上ガイドプレートの導光板に当接する位置が、導光板を下方向から支持する一対の下ガイドプレートの位置よりも外側にある。そのため、照明器具は、上下のガイドプレートが導光板を支持して挟持する場合に、導光板が前面カバーの設置側と反対の側に湾曲するように変形して前面カバーから離れるので、導光板と前面カバーとが接触することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る照明器具の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る照明器具の構成を示す分解斜視図である。
図3】実施の形態に係る照明器具の光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。
図4】実施の形態に係る照明器具の導光板の端部部分の断面図である。
図5】実施の形態に係る照明器具の光源ユニットにおける導光板に関連する構成の一部を示す分解斜視図である。
図6】実施の形態に係る照明器具における、一対の上ガイドプレート及び一対の下ガイドプレートと、導光板との関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る照明器具の実施の形態について図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、以下の実施の形態に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、明細書の全文において、床面から天井に向かう方向を「上方向」と呼び、天井側を「上側」と呼ぶこととする。また、同様に、天井から床面に向かう垂直な方向を「下方向」と呼び、床面側を「下側」と呼ぶこととする。また、各構成部材において、照明器具1の中央部分に設けられた開口側を「内側」と呼び、照明器具1の外部側を「外側」と呼ぶこととする。また、以下の実施の形態において、照明器具1が長方形の箱型である場合には、長辺に平行な方向を「長手方向」と呼び、短辺に平行な方向を「短手方向」と呼ぶ。しかしながら、これは、説明を分かりやすくするために用いるものであり、照明器具1は正方形の箱型であってもよい。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。
【0011】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る照明器具1の外観を示す斜視図である。また、図2は、実施の形態に係る照明器具1の構成を示す分解斜視図である。図1及び図2において、Z軸方向は上下方向を示し、Z軸方向においてZ1側は上側を示し、Z2側は下側を示している。なお、以下の説明において、「平面視」として説明する場合は、原則として対象物をZ軸方向に見た場合をいう。X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に対して垂直な方向であり、平面視で四角形状に形成された照明器具1の各辺に沿った方向を示している。以下、図面を用いて、照明器具1の構成について説明する。
【0012】
(照明器具1)
図1および図2に示すように、照明器具1は、下方に開口が形成された箱状の器具本体50と、発光機能を有する光源ユニット10とを備えている。光源ユニット10は、後述する導光板35(図3参照)、前面カバー25及び拡散カバー20などを有している。
【0013】
照明器具1は、天井埋め込み型の照明器具である。照明器具1は、平面視で四角形に形成されている。照明器具1は、図2に示す天井Cに設けられた埋め込み穴Hに埋め込まれるように設置される。
【0014】
照明器具1は、導光板35の発光面である下面から第1の光である青色光が出射される第1の光学部材と、導光板35の発光面と交差する向きに配置された拡散カバー20の発光面から第2の光である白色光を出射する第2の光学部材とを備えている。拡散カバー20の発光面21は、例えば、平面視でU字型を形成するように3方向に設けられている。この場合、照明器具1は、拡散カバー20の発光面が当該3方向から白色光を出射し、導光板35の下面全体から青色光が出射される。なお、拡散カバー20の発光面は、3方向が好ましいが、3方向に限定されるものではなく、2方向以下でもよく、4方向でもよい。
【0015】
青色光の強度は、白色光の強度よりも弱くなるように構成されている。当該構成により、実施の形態に係る照明器具1は、窓枠越しに青空を見るような奥行き感のある視覚効果を演出する。また、第1の光学部材の導光板35の発光面と拡散カバー20との間に遮光部(図示は省略)を介在させることで、導光板35の発光面から拡散カバー20に青色光が入り込むことを防止している。これにより、上記視覚効果の低下が抑制される。
【0016】
(器具本体50)
図1に示すように、照明器具1の器具本体50は、直方体状の箱形に形成され、下側が開口している。器具本体50は、照明器具1の外郭の一部を構成する。器具本体50は、光源ユニット10を内部に収容する。器具本体50は、図2に示すように、主面51と、4つの側面52とを有している。主面51は、例えば、平面視で四角形の板状に形成されている。
【0017】
主面51は、例えば、平面視で長方形の板状に形成されている。なお、主面51は、平面視で長方形の板状の部材に限定されるものではなく、平面視で正方形の板状の部材でもよい。また、側面52のそれぞれは、細長い長方形の板状に形成されている。側面52のそれぞれは、主面51に対して垂直な方向に、主面51の4辺のそれぞれから下方向に向かって延びるように設けられている。
【0018】
また、器具本体50の4つの側面52のうち、対向する2つの側面52の内側の面には、Vばね取り付け金具53が取り付けられている。Vばね取り付け金具53は、光源ユニット10に設けられた後述するVばね12を引掛けて保持する。
【0019】
また、図2に示すように、主面51の四隅には、ボルト孔51aが形成されている。また、天井Cの埋め込み穴Hからは、吊り下げボルトBが吊り下げられている。器具本体50は、ボルト孔51aに吊り下げボルトBを挿入した後、吊り下げボルトBをナット61で締めることで、固定される。
【0020】
また、主面51には、電線孔51bが形成されると共に、端子台54が設けられている。端子台54は、電源端子台と信号線端子台とを有する。図2において、電源端子台および信号線端子台は図示を省略している。電線孔51bからは、電線および信号線が引き出される。電線孔51bから引き出された電線は、端子台54の電源端子台に電気的に接続される。また、電線孔51bから引き出された信号線は、端子台54の信号線端子台に電気的に接続される。
【0021】
(光源ユニット10)
図3は、実施の形態に係る照明器具1の光源ユニット10の構成を示す分解斜視図である。図4は、実施の形態に係る照明器具1の導光板35の端部部分の断面図である。図5は、実施の形態に係る照明器具1の光源ユニット10における導光板35に関連する構成の一部を示す分解斜視図である。なお、図3では、上カバー17及び導光板カバー36などの図示を省略している。また、図5では、フレーム30の下ガイドプレート32を記載し、フレーム30のその他の部分の図示を省略している。図2図5を用いて光源ユニット10の構成について説明する。
【0022】
光源ユニット10は、照明器具1において、主として発光機能を有する部分である。また、光源ユニット10は、照明器具1の外郭の一部を構成する。光源ユニット10は、器具本体50の開口内部に配置される。
【0023】
図3に示すように、光源ユニット10は、上カバー17(図2参照)と、フランジ部11と、Vばね12と、拡散カバー20と、前面カバー25と、導光板35と、を備える。また、光源ユニット10は、下ガイドプレート32を含むフレーム30と、上ガイドプレート31と、導光板カバー36(図5参照)と、電源装置40とを備える。
【0024】
(上カバー17)
上カバー17は、下端が開口した箱型に形成されている。上カバー17は、例えば、水平方向において対向する2つの側面のそれぞれは、台形形状に形成され、上辺の長さが下辺の長さよりも短くなっている。なお、上カバー17の形状は、当該形状に限定されるものではなく、例えば、直方体の箱型に形成されてもよい。また、照明器具1は、上カバー17を有していてもよく、有していなくてもよい。
【0025】
(フランジ部11)
フランジ部11は、平面視で四角形状且つ枠状をなす部材である。フランジ部11は、例えば、平面視で長方形の枠形に形成されている。フランジ部11は、平面視で正方形の枠形に形成されてもよい。フランジ部11は、例えば金属から構成されているが、金属製のものに限定されるものではない。
【0026】
フランジ部11は、図1に示すように、器具本体50の下端から水平方向の外側に向かって突出するように配置されている。また、フランジ部11は、図2に示すように、上カバー17の下端から水平方向の外側に向かって突出するように配置されている。なお、照明器具1が天井Cの埋め込み穴Hに取り付けられた状態のとき、フランジ部11は埋め込み穴Hの縁を覆う。したがって、照明器具1が天井Cの埋め込み穴Hに取り付けられた状態のとき、ユーザからは埋め込み穴Hは見えない。すなわち、フランジ部11は、化粧枠としての機能を有する。
【0027】
フランジ部11は、化粧枠部11aと、下部モジュール保持部11bとを有している。なお、フランジ部11は、化粧枠部11aと、下部モジュール保持部11bとが、一体に形成されてもよく、別体で形成されてもよい。フランジ部11は、化粧枠部11aと、下部モジュール保持部11bとによって、断面形状が上下逆のT字形状に形成されている。
【0028】
フランジ部11の化粧枠部11aは、平面視で四角形状且つ枠状をなす部材である。化粧枠部11aは、器具本体50の開口内部から水平方向の外側に向かって突出するように配置される部分である。フランジ部11の化粧枠部11aは、照明器具1が天井Cの埋め込み穴Hに取り付けられた状態のとき、埋め込み穴Hの縁を覆う部分である。図4に示すように、照明器具1の中央側になるフランジ部11の内周側の端部には、拡散カバー20が載置される。
【0029】
下部モジュール保持部11bは、平面視で四角形の枠形に形成されている。下部モジュール保持部11bは、断面が四角形の筒状に形成されている。下部モジュール保持部11bの各側面部分は、細長い長方形の板状に形成されている。下部モジュール保持部11bは、フランジ部11の化粧枠部11aに対して垂直な方向に、化粧枠部11aの4辺のそれぞれから上方向に向かって延びるように設けられている。なお、下部モジュール保持部11bが化粧枠部11aと別体で形成されている場合には、下部モジュール保持部11bは、ネジなどの固定部材によって、化粧枠部11aの上面側の部分に取り付けられる。
【0030】
図4に示すように、下部モジュール保持部11bの内面側には、下部発光部14が取り付けられている。下部発光部14は、下部モジュール保持部11bの内側に配置され、下部モジュール保持部11bによって保持される。下部発光部14は、光源を有する光モジュールである。光源は、LED(Light Emitting Diode)に限定されず、他の発光素子又は発光装置を用いてもよい。下部発光部14は、基板に設けられた白色LEDから、内側に向かって白色光を出射する。
【0031】
下部発光部14は、下部モジュール保持部11bに保持されており、下部発光部14から出射された光は、下部モジュール保持部11bから水平方向内側に向かって進む。下部発光部14は、平面視で、U字型に設けられている。即ち、下部発光部14は、平面視で四角形の3辺を形成するように配置されている。
【0032】
下部発光部14は、板状の基板と、基板に設けられた白色LEDとを有している。下部発光部14の隣接する基板同士のなす角度は、90°になっている。このように、下部発光部14はU字型を構成する3方向から白色光を出射する。なお、下部発光部14は、平面視で四角形の3辺を形成するように配置されている態様が好ましいが、平面視で四角形の2辺以下に配置されてもよく、四角形の4辺全てに配置されてもよい。
【0033】
(Vばね12)
Vばね12は、フランジ部11の上面側の部分に取り付けられている。Vばね12は、器具本体50のVばね取り付け金具53の位置に合わせて、合計4個設けられている。なお、Vばね12の個数は、4個に限定されるものではなく、光源ユニット10の大きさあるいは重量などによって決定される。Vばね12は、金属製の線材をV字状に曲げて形成された線ばねである。光源ユニット10は、Vばね12がVばね取り付け金具53に係合することで吊り下げられて、器具本体50に取り付けられる。
【0034】
(拡散カバー20)
拡散カバー20は、平面視で、四角形の枠形に形成されている。拡散カバー20は、例えば、乳白色の樹脂から構成される。拡散カバー20は、上側と下側が開口した四角錐台に形成される。したがって、拡散カバー20の4つの側面のそれぞれは、垂直方向に対して予め設定された角度で傾斜している。
【0035】
拡散カバー20の4つの側面のそれぞれは、台形形状の拡散板から構成され、上辺の長さが下辺の長さよりも短くなっている。また、拡散カバー20の4つの側面のそれぞれが傾斜している関係で、平面視で、上辺の位置が、下辺の位置よりも内側になるように配置されている。それにより、拡散カバー20の内部空間は、下方向に向かってテーパ状に大きくなっている。拡散カバー20は、上述したように、4枚の台形形状の拡散板を組み合わせて形成される。しかしながら、拡散カバー20は、この形成方法に限らず、一体成型で形成してもよい。
【0036】
拡散カバー20の4つの側面のうち、3つの面は発光面21であり、他の1つの面は非発光面22である。3つの発光面21は、U字型の下部発光部14に合わせて、U字形状に配置されている。なお、発光面21と非発光面22との数の割合は、上述したように3対1となることが好ましいが、発光面21と非発光面22との数の割合は、上述した割合に限定されるものではない。
【0037】
ここで、拡散カバー20の4つの側面のそれぞれにおいて、拡散カバー20の内部空間に面している内側の面を前面と呼び、外側の面を背面と呼ぶこととする。
【0038】
拡散カバー20は、下部発光部14の内側に配置される。そのため、拡散カバー20の発光面21のそれぞれの背面側に、下部発光部14が配置されることになる。下部発光部14から出射された白色光は、拡散カバー20の発光面21の背面から入射して、発光面21を透過して、発光面21の前面から出射される。発光面21のそれぞれが傾斜しているため、3つの発光面21の前面から出射される白色光は、斜め下方向を照射する。
【0039】
拡散カバー20の非発光面22の背面には、遮光シートが貼付され、非発光面22から光が漏れないように構成されている。遮光シートは、図示を省略している。
【0040】
このように、拡散カバー20は、白色光を発する3つの発光面21と、光を発しない1つの非発光面22とを組み合わせた構成を有している。そのため、拡散カバー20から発せられる光は、3方向からの光となるため、太陽光に照らされたひなたの窓枠、あるいは、日陰の窓枠越しに、外からの光が差し込んでいるような奥行き感のある視覚効果を演出することができる。
【0041】
また、拡散カバー20は、第1端面である上側の端面23と、第2端面である下側の端面24とを有している。上側の端面23及び下側の端面24は、フランジ部11の上面に対して平行な面である。拡散カバー20は、フランジ部11上に載置される。拡散カバー20の下側の端面24は、フランジ部11の化粧枠部11aに保持される。
【0042】
なお、拡散カバー20と下部発光部14とは、発光面21から第2の光である白色光を出射する第2の光学部材を構成している。拡散カバー20から出射する光は、面発光であるため、拡散された光となり、柔らかい光となる。
【0043】
照明器具1は、発光面21から出射される白色光により、発光面21の斜め下方向を照らす照明器具として用いることができる。なお、後述する導光板35から出射される青色光は、青空を見るような視覚効果を演出するための照明であって、照明用として用いる場合には光束が不足する。一方、発光面21から出射される光は、照明用として用いる場合の光束を満たしている。このように、発光面21から出射される白色光の光強度は、導光板35の発光面から出射される青色光の光強度と異なり、白色光の光強度の方が、青色光の光強度よりも強い。
【0044】
なお、発光面21から出射される白色光は、単一の色温度の白色光でなくてもよい。すなわち、具体的には、照明器具1は、下部発光部14が色温度の異なる2種類の白色LEDを備えるようにしてもよい。このように、照明器具1は、下部発光部14が白色LEDとして、1種類の白色LEDのみを備えていてもよく、あるいは、昼色用の白色LEDと暖色用の白色LEDとの2種類の白色LEDを備えるようにしてもよい。下部発光部14が2種類の白色LEDを備えている場合、照明器具1は、2種類の白色LEDの調光率を変化させることにより、発光面21から、様々な色温度および様々な光束の白色光を出射することができる。
【0045】
また、発光面21から出射される白色光は、時刻に合わせて、昼色用の白色LEDと暖色用の白色LEDとを切り替えて使用するようにしてもよい。具体的には、例えば、照明器具1は、午前8:00から午後5:00までの日中の時間帯では昼色用の白色LEDを用い、それ以外の時間帯では暖色用の白色LEDを用いるようにしてもよい。なお、これらの時間帯は、単なる一例であって、これらに限定されず、適宜設定してよい。
【0046】
なお、下部発光部14に用いられる白色LEDの配光は、広角タイプである。照明器具1は、下部発光部14に広角タイプのLEDを用いることにより、拡散カバー20の傾斜角度を変化させても、拡散カバー20から発せられる光の光度を変化しにくくできる。したがって、照明器具1は、傾斜角度が異なる拡散カバー20に対して、同じタイプの白色用LEDモジュールを用いることができる。
【0047】
(前面カバー25)
前面カバー25は、導光板35に傷がつくこと、あるいは、導光板35に汚れがつくことを防止するものである。前面カバー25は、拡散カバー20と共に器具本体50の下方の開口を塞いで、導光板35へのごみあるいは塵などの付着を防ぎ、導光板35に傷がつくことを防ぐものである。前面カバー25は、透光性を有するものであり、導光板35の下側の発光面から出射された光を透過させる。
【0048】
照明器具1が組み立てられた状態において、前面カバー25及び導光板35は、共に器具本体50の内部に配置される。前面カバー25は、導光板35の下方に設けられている。前面カバー25は、導光板35と離間して導光板35と対向するように配置されている。前面カバー25は、器具本体50の内部において、導光板35の発光面との間に隙間Sを空けた状態で、導光板35の発光面と対向するように配置されている。
【0049】
前面カバー25と導光板35との位置関係には、以下のような関係がある。前面カバー25が導光板35に接触すると、導光板35内に導光している光が前面カバー25に入射してしまうため、照明器具1は、前面カバー25から靄のような意図しない光り方をしてしまうことがある。そのため、前面カバー25は、導光板35に対して離間して配置される必要がある。しかしながら、導光板35と前面カバー25とは、隙間Sが小さいほうが導光板35及び前面カバー25の発光面できれいな面発光を実現できる。そのため、前面カバー25は、導光板35と隙間Sを小さくし、接触しない位置に配置される。
【0050】
前面カバー25は、板状に形成された透明で透光性のカバーで、例えばアクリルなどの透明樹脂材料で形成されている。前面カバー25は、例えば、平面視で四角形に形成されている。前面カバー25は、拡散カバー20の上側の端部に配置される。前面カバー25は、接着剤によって拡散カバー20に接着されて固定されていてもよいし、拡散カバー20と一体成型で形成されていてもよい。前面カバー25は、周縁部が拡散カバー20の上側の端部と固定されて、拡散カバー20の上側の開口を覆うように配置される。
【0051】
(導光板35)
導光板35は、端面から入光した光が発光面において面発光が行われるように加工された部材である。導光板35は、器具本体50の内部において、器具本体50の開口の側に発光面を設けている。導光板35は、板状に形成される。導光板35は、平面視で四角形状に形成されている。導光板35は、例えば、平面視で長方形に形成されている。導光板35は、上面35eと、下面35fと、対向する2つの端面35cと、対向する2つの端面35dとを有している。
【0052】
導光板35が平面視で長方形に形成されている場合、一対の上ガイドプレート31及び一対の下ガイドプレート32が配置される側の端面が端面35cであるとすると、端面35cは短手側の端面であり、端面35dは長手側の端面となる。すなわち、一対の上ガイドプレート31及び一対の下ガイドプレート32は、導光板35の長手方向の端部35bと接している。
【0053】
導光板35は、上述したように、器具本体50の開口内部に配置される。導光板35の長手方向の両端部に位置する端部のそれぞれは、下ガイドプレート32と上ガイドプレート31とで上下方向から挟持される。具体的には、下ガイドプレート32は、その上面が導光板35の下面35fと面接触して導光板35の下方向から導光板35を支持し、上ガイドプレート31は、その下面が導光板35の上面35eと面接触して導光板35の上方向から導光板35を狭持する。上ガイドプレート31は、導光板35の長手方向において下ガイドプレート32よりも外側で導光板35を支持している。
【0054】
導光板35は、後述する上部発光部16から出射された光を透光させて、出射面である下面35fから青色光を出射する。また、導光板35は、光を散乱させる粒子である散乱体を内部に備える。導光板35は、アクリル樹脂で形成される。導光板35は、散乱体として、例えばシリカを含む。
【0055】
導光板35の上面は、全反射するために平滑である。導光板35の上面は、鏡面仕上げであることが望ましい。照明器具1の組み立て作業中に、導光板35の上面に傷がつくと、傷がついた箇所で全反射が起こりにくくなる。そのため、上面の傷がついた箇所に対応する下面の一部分が白っぽく光って見えてしまい、青空を演出できないおそれがある。そこで、導光板35の上面の傷つきを防止するために、導光板35の上面を反射シートで覆うようにしてもよい。
【0056】
ここで、導光板35の上面を反射シートで覆う際、導光板35の上面と反射シートとの間に隙間を空けずに貼り付けると、導光板35の上面で全反射が起こりにくくなる。導光板35の上面で確実に光を全反射させるためには、導光板35と反射シートとの間に空気層が必要となる。空気層を形成するために、導光板35の上面に対向する反射シートの反射面は、マット加工されている。マット加工とは、すりガラス上に微細な凹凸を形成する加工である。反射シートの反射面がマット加工されることにより、導光板35と反射シートとの間に空気層を設けることができる。また、反射シートに導光板35に固定する目的で、反射シートの縁に接着部を設けてもよい。
【0057】
なお、後述する上部発光部16と導光板35とは、発光面から第1の光である青色光を出射する第1の光学部材を構成している。導光板35は、拡散カバー20と当接していない。
【0058】
(フレーム30)
図3図5を用いてフレーム30と、導光板35との関係について説明する。フレーム30は、平面視で四角形状且つ枠状をなす部材であり、上部発光部16を保持するものである。また、フレーム30は、導光板35を保持するものである。
【0059】
フレーム30は、上述したように平面視で四角形状且つ枠状をなす部材である。フレーム30は、例えば、平面視で長方形の枠形に形成されている。フレーム30は、平面視で正方形の枠形に形成されてもよい。フレーム30は、図4に示すように、下部モジュール保持部11bの上端から水平方向の内側に向かって突出するように配置されている。
【0060】
フレーム30は、基台部30aと、上部モジュール保持部30bとを有している。図3に示すフレーム30は、基台部30aと、上部モジュール保持部30bとが一体に形成されている。なお、フレーム30は、基台部30aと、上部モジュール保持部30bとが、一体に形成されてもよく、別体で形成されてもよい。フレーム30は、基台部30aと、上部モジュール保持部30bとによって、断面形状が上下逆のT字形状に形成されている。
【0061】
フレーム30の基台部30aは、平面視で四角形状且つ枠状をなす部材である。基台部30aは、下部モジュール保持部11bの上端から水平方向の内側に向かって突出するように配置される部分である。図4に示すように、照明器具1の端部側になるフレーム30の外周側の部分は、下部モジュール保持部11bの上端部に載置される。
【0062】
図4に示すように、照明器具1の中央側になるフレーム30の内周側の部分には、導光板35が載置される。より詳細には、照明器具1の中央側になるフレーム30の内周側の部分には、下ガイドプレート32が設けられている。導光板35は、下ガイドプレート32の上面に載せられた状態で配置される。
【0063】
フレーム30は、基台部30aと、下ガイドプレート32とが一体に形成されている。なお、フレーム30は、基台部30aと、下ガイドプレート32とが、一体に形成されているものに限定されるものではなく、基台部30aと、下ガイドプレート32とが、別体で形成されてもよい。
【0064】
照明器具1は、器具本体50の内部において、上面が導光板35の発光面となる下面35fと接触し、導光板35の両端部35bを下側から支持する一対の下ガイドプレート32を有する。一対の下ガイドプレート32は、平面視で互いに平行になるように設けられている。下ガイドプレート32は、基台部30aの上面側の部分に形成されている。すなわち、下ガイドプレート32は、基台部30aから上方に突出している。下ガイドプレート32は、棒状に形成されている。
【0065】
下ガイドプレート32は、平面視で四角形状に形成された導光板35の端面と平行になるように形成されている。一対の下ガイドプレート32は、四角形状に形成された導光板35の対向する一対の端面35cに沿って延びるように形成されている。下ガイドプレート32は、例えば、図5に示すようにX軸方向に延びるように形成されている。下ガイドプレート32は、導光板35が平面視で長方形状に形成されている場合、導光板35の短手方向に平行になる向きで配置されることが好ましい。あるいは、下ガイドプレート32は、導光板35の長手方向に平行になる向きで配置されてもよい。
【0066】
フレーム30は、少なくとも2本の下ガイドプレート32からなる一対の下ガイドプレート32を有している。一対の下ガイドプレート32は、平面視で四角形状に形成された導光板35の対向する両辺に沿って配置される。一対の下ガイドプレート32は、平面視で四角形状に形成された導光板35の中央部35aよりも端部35bに近い位置を下から支持するように設けられている。
【0067】
一対の下ガイドプレート32は、例えば、平面視で四角形状に形成された導光板35の端面35cに沿った方向において延びており、端面35dに沿った方向において導光板35の両端部35bの部分を両端部35bの下から支持するように設けられている。
【0068】
一対の下ガイドプレート32は、導光板35が平面視で長方形に形成されている場合に、導光板35の長手方向の両端部35bを下から支持するように設けられている。下ガイドプレート32は、導光板35が平面視で長方形状である場合に、導光板35の長手方向の対向する2つの端面35cと平行になるように配置される。なお、一対の下ガイドプレート32は、導光板35が平面視で長方形に形成されている場合に、導光板35の短手方向の両端部35bを両端部35bの下から支持するように設けられてもよい。
【0069】
下ガイドプレート32を構成する棒状の部材の両端には、突起部32aが設けられている。突起部32aは、上下方向の上側に向かって延びている。突起部32aは、導光板35の下ガイドプレート32の軸方向すなわち下ガイドプレート32の延びる方向への移動を防止する。
【0070】
上部モジュール保持部30bは、平面視で直線状に形成されている。上部モジュール保持部30bは、水平方向に見た場合に細長い長方形の板状に形成されている。上部モジュール保持部30bは、平面視において基台部30aの延びる方向に沿って形成されている。上部モジュール保持部30bは、フレーム30の基台部30aに対して垂直な方向に、基台部30aから上方向に向かって延びるように設けられている。なお、上部モジュール保持部30bが基台部30aと別体で形成されている場合には、上部モジュール保持部30bは、ネジなどの固定部材によって、基台部30aの上面側の部分に取り付けられる。
【0071】
上部モジュール保持部30bは、例えば、水平方向において、互いに対向するように形成されている。例えば、フレーム30は、Y軸方向において対向するように形成された1対の上部モジュール保持部30bを有しており、各上部モジュール保持部30bは、X軸方向に延びるように形成されている。あるいは、フレーム30は、X軸方向において対向するように形成された1対の上部モジュール保持部30bを有しており、各上部モジュール保持部30bは、Y軸方向に延びるように形成されている。
【0072】
なお、上部モジュール保持部30bの形成態様は、上記の構成に限定されるものではない。例えば、上部モジュール保持部30bは、平面視で四角形に形成された基台部30aの1辺を構成する部分の基台部30aにのみ形成されてもよく、いずれか2辺あるいは3辺を構成する部分の基台部30aに形成されていてもよい。また、上部モジュール保持部30bは、平面視で四角形に形成された基台部30aの各辺を構成する部分の基台部30aに形成されていてもよい。
【0073】
図4に示すように、上部モジュール保持部30bの内面側には、上部発光部16が取り付けられている。上部発光部16は、上部モジュール保持部30bの内側に配置され、上部モジュール保持部30bによって保持される。
【0074】
上部発光部16は、板状の基板を有している。上部発光部16は、導光板35の対向する2つの端面35cに平行になるように配置される。あるいは、上部発光部16は、導光板35の対向する2つの端面35dに平行になるように配置されてもよい。また、上部発光部16は、それらの基板に配置された複数のLEDを備える。それらの複数のLEDは、例えば、青色LED、白色LED、および、緑色LEDを含む。
【0075】
上部発光部16に設けられた青色LED、白色LED、および、緑色LEDは、電源装置40により調光される。このように、電源装置40が各LEDを調光することにより、上部発光部16が発する光を、全体として青色にし、且つ、当該青色光の色調を変化させることができる。それにより、照明器具1は、様々な青空を模した視覚効果を演出することができる。
【0076】
電源装置40は、LEDのそれぞれの色別に独立して設けてもよい。あるいは、白色LEDおよび緑色LEDをまとめて1組の電源装置40で調光してもよい。その場合、電源装置40の個数を減らすことができる。また、上部発光部16から発生せられる光は、時刻に合わせて、青色光の色調を変化させるようにしてもよい。具体的には、例えば、照明器具1は、午前8:00~午後5:00までの日中の時間帯では、明るい青色にし、それ以外の時間帯は暗い青色になるように、調光するようにしてもよい。このように、上部発光部16は、光源を有する光モジュールである。光源は、LEDに限定されず、他の発光素子または発光装置を用いてもよい。
【0077】
上部発光部16の基板は、導光板35の端面35cに対して、空隙を介して、それぞれ対向するように配置される。さらに、上部発光部16の複数のLEDは、導光板35の端面35cと対向する位置にそれぞれ配置されている。上部発光部16から出射した光は、導光板35の端面35cに入射され、端面35cに対して垂直方向に設けられた導光板35の上面35eと下面35fとで全反射しながら導光板35内を進む。
【0078】
導光板35内を進む光の一部は、導光板35内の散乱体に当ると散乱する。導光板35の発光面である下面35fから、第1の光である青色光が出射する。すなわち、導光板35の下面35fは、導光板35の発光面及び光の出射面を構成する。なお、導光板35の上面35eおよび下面35fは、端面35cに対して厳密に垂直でなくてもよい。
【0079】
(上ガイドプレート31)
上ガイドプレート31は、棒状の部材から構成されている。上ガイドプレート31は、図4に示すように、弾性部材37を介在させて、導光板35上に載置される。上ガイドプレート31は、例えば、導光板35が平面視で長方形状である場合に、導光板35の長手方向の対向する2つの端面35cと平行になるように配置される。
【0080】
フレーム30は、少なくとも2本の上ガイドプレート31からなる一対の上ガイドプレート31を有している。一対の上ガイドプレート31は、平面視で四角形状に形成された導光板35の対向する両辺に沿って配置される。一対の上ガイドプレート31は、例えば、四角形状に形成された導光板35の対向する一対の端面35cに沿って延びるように形成されている。一対の上ガイドプレート31は、平面視で四角形状に形成された導光板35の中央部35aよりも端部35bに近い位置を上から当接するように設けられている。一対の上ガイドプレート31は、平面視で互いに平行になるように配置されている。
【0081】
一対の上ガイドプレート31は、器具本体50の内部において、下面が導光板35の発光面の反対側となる上面35eと接触し、導光板35の両端部に上側から当接して導光板35を押圧する。一対の上ガイドプレート31は、例えば、平面視で四角形状に形成された導光板35の端面35cに沿った方向において延びており、端面35dに沿った方向において導光板35の両端部35bの部分を両端部35bの上から当接するように設けられている。
【0082】
一対の上ガイドプレート31は、導光板35が平面視で長方形に形成されている場合に、導光板35の長手方向の両端部35bを上から当接するように設けられていることが好ましい。上ガイドプレート31は、導光板35が平面視で長方形状である場合に、導光板35の長手方向の対向する2つの端面35cと平行になるように配置される。なお、一対の上ガイドプレート31は、導光板35が平面視で長方形に形成されている場合に、導光板35の短手方向の両端部35bを両端部35bの上から当接するように設けられてもよい。
【0083】
導光板35は、一対の下ガイドプレート32と、一対の上ガイドプレート31とによって挟持されている。導光板35の延びる方向において、一対の上ガイドプレート31は、一対の下ガイドプレート32よりも外側に位置している。導光板35の延びる方向は、導光板35の延設方向であり、例えば、発光面である下面35fの面に沿った方向である。導光板35の延びる方向は、例えば、導光板35が平面視で長方形の場合、導光板35の長手方向である。
【0084】
一対の上ガイドプレート31は、平面視で長方形の導光板35の場合、導光板35の長手方向の両端部35bに上から当接しており、導光板35の長手方向において一対の下ガイドプレート32が導光板35を支持する位置よりも外側の部分に当接している。一対の上ガイドプレート31と、一対の下ガイドプレート32とは、上下方向において、導光板35を挟んで対向していない。
【0085】
一対の上ガイドプレート31と、一対の下ガイドプレート32とは、平面視で同じ方向に延びるように形成されている。すなわち、一対の上ガイドプレート31と、一対の下ガイドプレート32とは、平面視で平行になるように設けられている。導光板35の中央部35a側から端部35b側に向かう方向において、上ガイドプレート31は、下ガイドプレート32の外側に位置している。
【0086】
(導光板カバー36)
導光板カバー36は、上ガイドプレート31上に載置される。導光板カバー36は、上ガイドプレート31を固定し、上ガイドプレート31の位置決めを行うために設けられている。また、導光板カバー36は、導光板35を上から覆い、導光板35を保護する。
【0087】
導光板カバー36は、例えば、フレーム30にねじ止めされて固定される。導光板カバー36は、上ガイドプレート31を導光板35に押し付けるように押圧する。これにより、上ガイドプレート31は、導光板カバー36が上から加える力で保持されると共に、導光板35の板面に沿った方向の移動が制限される。なお、導光板カバー36の固定対象はフレーム30に限定されるものではない。導光板カバー36は、上ガイドプレート31を上方から押圧するように固定できればフレーム30以外の対象に固定されてもよい。
【0088】
(電源装置40)
電源装置40は、上部発光部16及び下部発光部14のそれぞれに、電力を供給するものである。電源装置40は、上部発光部16及び下部発光部14のそれぞれに設けられた各LEDを調光する。電源装置40は、例えば、長尺状をなしており、フレーム30に取り付けられる。電源装置40は、上カバー17に取り付けられてもよい。
【0089】
電源装置40は、各LEDの色別に独立して設けるようにしてもよい。具体的には、例えば、上部発光部16の青色LED用、白色LED用、及び、緑色LED用に、各3台の電源装置40を割り当ててもよい。また、照明器具1は、下部発光部14の昼色用LED、及び、暖色用LEDに、各2台の電源装置40を割り当てる。その場合、電源装置40の個数は5台である。あるいは、照明器具1は、上部発光部16の白色LED用及び緑色LED用に、1台の電源装置40を割り当てて、白色LEDと緑色LEDとを纏めて調光するようにしてもよい。その場合、電源装置40の個数は4台である。
【0090】
[照明器具1の作用効果]
照明器具1は、下方に開口が形成された箱状の器具本体50と、器具本体50の内部において、開口の側に発光面を設けた導光板35と、を備えている。また、照明器具1は、器具本体50の内部において、上面が導光板35の発光面となる下面35fと接触し、導光板35の両端部35bを下側から支持する一対の下ガイドプレート32を備えている。また、照明器具1は、器具本体50の内部において、下面が導光板35の発光面の反対側となる上面35eと接触し、導光板35の両端部に上側から当接して導光板35を押圧する一対の上ガイドプレート31を備えている。また、照明器具1は、器具本体50の内部において、導光板35の発光面との間に隙間Sを空けた状態で、導光板35の発光面と対向するように配置された板状の前面カバー25を備えている。導光板35は、一対の下ガイドプレート32と、一対の上ガイドプレート31とによって挟持されており、導光板35の延びる方向において、一対の上ガイドプレート31は、一対の下ガイドプレート32よりも外側に位置しているものである。
【0091】
実施の形態に係る照明器具1は、導光板35に上方向から当接する一対の上ガイドプレート31の導光板35に当接して導光板35を押圧する位置が、導光板35を下方向から支持する一対の下ガイドプレート32の位置よりも外側にある。そのため、照明器具1は、上下のガイドプレートが導光板35を支持して挟持する場合に、導光板35が前面カバー25の設置側と反対の側に湾曲するように変形して前面カバー25から離れるので、導光板35と前面カバー25とが接触することを抑制できる。
【0092】
実施の形態に係る照明器具1の上記の構成を有していない照明器具は、次のような理由で導光板と前面カバーとが接触する恐れがある。導光板の延びる方向において下ガイドプレートと上ガイドプレートとが同じ位置で導光板を支持した場合、導光板は、湾曲するようには変形しにくく、自重によって、若干下に凸の形状に変形することが考えられる。この場合、導光板は、熱膨張あるいは吸湿などによって伸びた場合、導光板の端部の上下を下ガイドプレートと上ガイドプレートとで支持しているため、導光板の伸びが規制されて、上下のどちらかにたわむ。このとき、導光板は、照明器具に組み込まれるときに若干でも重力方向つまり、下側にたわむことがあるため、導光板が伸びた結果、下側にたわむ場合がある。この場合、導光板は、導光板の下側に配置された前面カバーと接触する恐れがある。
【0093】
図6は、実施の形態に係る照明器具1における、一対の上ガイドプレート31及び一対の下ガイドプレート32と、導光板35との関係を示す模式図である。実施の形態に係る照明器具1は、上ガイドプレート31が、下ガイドプレート32よりも外側で導光板35に当接している。そのため、導光板35は、導光板35の外側となる端部35bに近い側で上側から下側に押圧するように支持され、導光板35の内側となる中央部35aに近い側において下側から上側に支持されることによって、中央部35a部分が上側に凸の形状にたわむ。そのため、照明器具1は、導光板35が前面カバー25の側と反対の側にたわむので、前面カバー25と接触することを抑制することができる。よって、照明器具1は、導光板35に異物あるいは傷が付くことを抑制できると共に、導光板35の発光面の意匠が低下することを抑制できる。
【0094】
また、導光板35は、平面視で四角形状に形成されており、一対の上ガイドプレート31及び一対の下ガイドプレート32は、四角形状に形成された導光板35の対向する一対の端面に沿って延びるように形成されている。一対の上ガイドプレート31及び一対の下ガイドプレート32は、四角形状に形成された導光板35の対向する辺を挟持するように設けられている。照明器具1は、上下のガイドプレートが平面視で四角形状の導光板35を挟持する場合に、導光板35が前面カバー25の設置側と反対の側に湾曲するように変形して前面カバー25から離れるので、導光板35と前面カバー25とが接触することを抑制できる。
【0095】
また、導光板35は、平面視で長方形に形成されており、一対の下ガイドプレート32は、導光板35の長手方向の両端部を下から支持している。そして、一対の上ガイドプレート31は、導光板35の長手方向の両端部35bに上から当接しており、導光板35の長手方向において一対の下ガイドプレート32が導光板35を支持する位置よりも外側の部分に当接している。
【0096】
実施の形態に係る照明器具1は、平面視で長方形状の導光板35の長手方向において、導光板35に上方向から当接する上ガイドプレート31の導光板35に当接する位置が、導光板35を下方向から支持する下ガイドプレート32の位置よりも外側にある。そのため、照明器具1は、上下のガイドプレートが導光板35を支持して挟持する場合に、導光板35が前面カバー25の設置側と反対の側に湾曲するように変形して前面カバー25から離れるので、導光板35と前面カバー25とが接触することを抑制できる。
【0097】
導光板の長手方向において、下ガイドプレートと上ガイドプレートとが同じ位置で導光板を支持した場合、導光板は、湾曲するようには変形しにくく、自重によって、若干下に凸の形状に変形することが考えられる。この場合、導光板は、熱膨張あるいは吸湿などによって長手方向に伸びた場合、長手方向の端部の上下を下ガイドプレートと上ガイドプレートとで支持しているため、長手方向への伸びが規制されて、上下のどちらかにたわむ。このとき、導光板は、照明器具に組み込まれるときに若干でも重力方向つまり、下側にたわむことがあるため、長手方向に伸びた結果、下側にたわむ場合がある。この場合、導光板は、導光板の下側に配置された前面カバーと接触する恐れがある。
【0098】
実施の形態に係る照明器具1は、図6に示すように、導光板の長手方向の両端部35bが、一対の下ガイドプレート32と一対の上ガイドプレート31とによって上下方向から挟持される。一対の上ガイドプレート31は、導光板35の長手方向において、一対の下ガイドプレート32よりも外側の部分で導光板35に当接している。そのため、導光板35は、長手方向において外側の部分で上側から下側に押圧するように支持され、長手方向において内側(中央側)において下側から上側に支持されることによって、長手方向に沿って上側に凸の形状にたわむ。そのため、照明器具1は、導光板35が前面カバー25の設置側と反対の側にたわむので、前面カバー25と接触することを抑制できる。よって、照明器具1は、導光板35に異物あるいは傷が付くことを抑制すると共に導光板35の発光面の意匠が低下することを抑制できる。
【0099】
また、照明器具1は、一対の上ガイドプレート31と、一対の下ガイドプレート32とが、導光板35を挟んで対向していない。そのため、照明器具1は、上下のガイドプレートが導光板35を支持して挟持する場合に、導光板35が前面カバー25の設置側と反対の側に湾曲するように変形して前面カバー25から離れるので、導光板35と前面カバー25とが接触することを抑制できる。
【0100】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0101】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0102】
(付記1)
下方に開口が形成された箱状の器具本体と、
前記器具本体の内部において、前記開口の側に発光面を設けた前記導光板と、
前記器具本体の内部において、上面が前記導光板の前記発光面となる下面と接触し、前記導光板の両端部を下側から支持する一対の下ガイドプレートと、
前記器具本体の内部において、下面が前記導光板の前記発光面の反対側となる上面と接触し、前記導光板の前記両端部に上側から当接して前記導光板を押圧する一対の上ガイドプレートと、
前記器具本体の内部において、前記導光板の前記発光面との間に隙間を空けた状態で、前記導光板の前記発光面と対向するように配置された板状の前面カバーと、
を備え、
前記導光板は、
前記一対の下ガイドプレートと、前記一対の上ガイドプレートとによって挟持されており、前記導光板の延びる方向において、前記一対の上ガイドプレートは、前記一対の下ガイドプレートよりも外側に位置している照明器具。
(付記2)
前記導光板は、
平面視で四角形状に形成されており、
前記一対の上ガイドプレート及び前記一対の下ガイドプレートは、
四角形状に形成された前記導光板の対向する一対の端面に沿って延びるように形成されている付記1に記載の照明器具。
(付記3)
前記導光板は、
平面視で長方形に形成されており、
前記一対の下ガイドプレートは、
前記導光板の長手方向の両端部を下から支持しており、
前記一対の上ガイドプレートは、
前記導光板の前記長手方向の前記両端部に上から当接しており、前記導光板の前記長手方向において前記一対の下ガイドプレートが前記導光板を支持する位置よりも外側の部分に当接している付記1又は2に記載の照明器具。
(付記4)
前記一対の上ガイドプレートと、前記一対の下ガイドプレートとは、前記導光板を挟んで対向していない付記1~3のいずれか1つに記載の照明器具。
【符号の説明】
【0103】
1 照明器具、10 光源ユニット、11 フランジ部、11a 化粧枠部、11b 下部モジュール保持部、12 Vばね、14 下部発光部、16 上部発光部、17 上カバー、20 拡散カバー、21 発光面、22 非発光面、23 端面、24 端面、25 前面カバー、30 フレーム、30a 基台部、30b 上部モジュール保持部、31 上ガイドプレート、32 下ガイドプレート、32a 突起部、35 導光板、35a 中央部、35b 端部、35c 端面、35d 端面、35e 上面、35f 下面、36 導光板カバー、37 弾性部材、40 電源装置、50 器具本体、51 主面、51a ボルト孔、51b 電線孔、52 側面、53 Vばね取り付け金具、54 端子台、61 ナット、B 吊り下げボルト、C 天井、H 埋め込み穴、S 隙間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6