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特開2024-170743電子機器、音声出力装置、音声信号伝送システム、電子機器の制御方法、および音声出力装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170743
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】電子機器、音声出力装置、音声信号伝送システム、電子機器の制御方法、および音声出力装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/488 20110101AFI20241204BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20241204BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20241204BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
H04N21/488
H04N21/442
G10K15/04 303Z
H04R3/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087430
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大久保 滋
【テーマコード(参考)】
5C164
5D220
【Fターム(参考)】
5C164FA17
5C164MA07S
5C164UB41P
5C164UB72S
5C164UD11P
5C164YA25
5D220AA01
(57)【要約】
【課題】電子機器と接続されている音声出力装置においてHDMIケーブルの接続に関する誤り原因を報知することができる電子機器を提供する。
【解決手段】
電子機器は、音声出力装置とHDMIケーブルを介して接続される電子機器であって、前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されているか否か判定し、正しい状態で接続されていないと判定した場合に前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を検出する誤り検出部と、前記誤り検出部によって検出された前記誤り原因を示す情報を含む誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する送信部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声出力装置とHDMIケーブルを介して接続される電子機器であって、
前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されているか否か判定し、正しい状態で接続されていないと判定した場合に前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を検出する誤り検出部と、
前記誤り検出部によって検出された前記誤り原因を示す情報を含む誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する送信部と、を備える電子機器。
【請求項2】
前記電子機器は、前記HDMIケーブルと接続可能な複数の機能が異なる接続部を有し、
前記誤り検出部は、正しい機能を有する前記接続部に前記HDMIケーブルが接続されていない場合、正しい状態で接続されていないと判定する請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記検出部によって前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されていないと判定された場合、前記送信部は、接続拒否を示す拒否メッセージを前記音声出力装置に送信するとともに、前記拒否メッセージの送信後に、前記誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記検出部によって前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されていないと判定された場合、前記送信部は、接続拒否を示す拒否メッセージを前記音声出力装置に送信するとともに、前記拒否メッセージの送信後に、前記誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記音声出力装置から前記誤り原因を問合わせる問合せメッセージを受信する受信部をさらに備え、
前記検出部によって前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されていないと判定された場合、前記送信部は、接続拒否を示す拒否メッセージを前記音声出力装置に送信しており、
前記拒否メッセージの送信後に、前記受信部が前記音声出力装置から前記問合せメッセージを受信した場合、前記送信部は、前記誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記音声出力装置から前記誤り原因を問合わせる問合せメッセージを受信する受信部をさらに備え、
前記検出部によって前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されていないと判定された場合、前記送信部は、接続拒否を示す拒否メッセージを前記音声出力装置に送信しており、
前記拒否メッセージの送信後に、前記受信部が前記音声出力装置から前記問合せメッセージを受信した場合、前記送信部は、前記誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する請求項2に記載の電子機器。
【請求項7】
前記送信部は、前記誤り原因メッセージと、前記誤り原因を解消するためのガイド情報を含むガイドメッセージとを前記音声出力装置に送信する請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記送信部は、前記誤り原因を解消するためのガイド情報をさらに含む、前記誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
電子機器とHDMIケーブルを介して接続される音声出力装置であって、
前記電子機器から接続拒否を示す拒否メッセージを受信した場合、前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を問合わせる問合わせメッセージを前記電子機器に送信する音声出力装置送信部と、
前記音声出力装置送信部によって送信された前記問合わせメッセージに応じて、前記電子機器から記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因の情報を含む、誤り原因メッセージを受信する音声出力装置受信部と、
前記誤り原因メッセージを、外部に報知する報知部と、を備える音声出力装置。
【請求項10】
前記報知部は、光または音によって前記誤り原因を示す情報を報知する請求項9に記載の音声出力装置。
【請求項11】
前記音声出力装置は外部スピーカと通信可能に接続されており、
前記電子機器から受信した前記誤り原因メッセージに含まれる前記誤り原因を示す情報を前記外部スピーカに出力させて、前記外部スピーカに報知させるように制御する報知制御部を有する請求項9または10に記載の音声出力装置。
【請求項12】
電子機器と、
前記電子機器とHDMIケーブルを介して接続されており、前記電子機器から受信した音声信号を外部に出力する音声出力装置と、を備え、
前記電子機器は、
前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されているか否か判定し、正しい状態で接続されていないと判定した場合に前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を検出する誤り検出部と、
前記誤り検出部によって検出された前記誤り原因を示す情報を含む誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する送信部と、を有する音声信号伝送システム。
【請求項13】
音声出力装置とHDMIケーブルを介して接続される電子機器の制御方法であって、
前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されているか否か判定し、正しい状態で接続されていないと判定した場合に前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を検出する誤り検出ステップと、
前記誤り検出ステップにおいて検出された前記誤り原因を示す情報を含む誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する送信ステップと、を含む電子機器の制御方法。
【請求項14】
電子機器とHDMIケーブルを介して接続される音声出力装置の制御方法であって、
前記電子機器から接続拒否を示す拒否メッセージを受信した場合、前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を問合わせる問合わせメッセージを前記電子機器に送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信された前記問合わせメッセージに応じて、前記電子機器から記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因の情報を含む、誤り原因メッセージを受信する受信ステップと、
前記誤り原因メッセージを、外部に報知する報知ステップと、を含む音声出力装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、音声出力装置、音声信号伝送システム、電子機器の制御方法、および音声出力装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子機器と音声出力装置(オーディオ装置)とがHDMI(High-definition Digital Media Interface(登録商標))ケーブル(双方向通信ケーブル)により接続されたシステムが開示されている。特許文献1では、電子機器が、電子機器と音声出力装置との間のHDMIケーブルの接続まちがいを検出し、機器相互間の接続を案内することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-107497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された電子機器は、HDMIケーブルの接続まちがいを検出した場合電子機器側で機器相互間の接続を案内することができるが、電子機器と接続されている音声出力装置側からHDMIケーブルの接続の誤り原因を報知することができない。
【0005】
本開示の目的は、電子機器と接続されている音声出力装置においてHDMIケーブルの接続に関する誤り原因を報知することができる電子機器、音声出力装置、音声信号伝送システム、電子機器の制御方法、および音声出力装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電子機器は、音声出力装置とHDMIケーブルを介して接続される電子機器であって、前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されているか否か判定し、正しい状態で接続されていないと判定した場合に前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を検出する誤り検出部と、前記誤り検出部によって検出された前記誤り原因を示す情報を含む誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する送信部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る音声出力装置は、電子機器とHDMIケーブルを介して接続される音声出力装置であって、前記電子機器から接続拒否を示す拒否メッセージを受信した場合、前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を問合わせる問合わせメッセージを前記電子機器に送信する音声出力装置送信部と、前記音声出力装置送信部によって送信された前記問合わせメッセージに応じて、前記電子機器から記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因の情報を含む、誤り原因メッセージを受信する音声出力装置受信部と、前記誤り原因メッセージを、外部に報知する報知部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る音声信号伝送システムは、電子機器と、前記電子機器とHDMIケーブルを介して接続されており、前記電子機器から受信した音声信号を外部に出力する音声出力装置と、を備え、前記電子機器は、前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されているか否か判定し、正しい状態で接続されていないと判定した場合に前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を検出する誤り検出部と、前記誤り検出部によって検出された前記誤り原因を示す情報を含む誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する送信部と、を有する。
【0009】
本開示の一態様に係る電子機器の制御方法は、音声出力装置とHDMIケーブルを介して接続される電子機器の制御方法であって、前記HDMIケーブルが正しい状態で接続されているか否か判定し、正しい状態で接続されていないと判定した場合に前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を検出する誤り検出ステップと、前記誤り検出ステップにおいて検出された前記誤り原因を示す情報を含む誤り原因メッセージを前記音声出力装置に送信する送信ステップと、を含む。
【0010】
本開示の一態様に係る音声出力装置の制御方法は、電子機器とHDMIケーブルを介して接続される音声出力装置の制御方法であって、前記電子機器から接続拒否を示す拒否メッセージを受信した場合、前記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因を問合わせる問合わせメッセージを前記電子機器に送信する送信ステップと、前記送信ステップにおいて送信された前記問合わせメッセージに応じて、前記電子機器から記HDMIケーブルの接続に関する誤り原因の情報を含む、誤り原因メッセージを受信する受信ステップと、前記誤り原因メッセージを、外部に報知する報知ステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の第1実施形態に係る音声信号伝送システムの要部構成の一例を示すブロック図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る音声信号伝送システムにおける誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
図3】本開示の第1実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システムにおける誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
図4】本開示の第1実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システムの要部構成の一例を示すブロック図である。
図5】本開示の第1実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システムにおける誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
図6】本開示の第1実施形態の第3変形例に係る音声信号伝送システムにおける誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
図7】本開示の第2実施形態に係る音声信号伝送システムの要部構成の一例を示すブロック図である。
図8】本開示の第2実施形態に係る音声信号伝送システムにおける誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
図9】本開示の第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システムの要部構成の一例を示すブロック図である。
図10】本開示の第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システムにおける誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
図11】本開示の第2実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システムにおける誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態及び変形例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下ではすべての図を通じて同一または相当する部材には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態に係る音声信号伝送システム100について図1を参照して説明する。図1は本開示の第1実施形態に係る音声信号伝送システム100の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示されるように、音声信号伝送システム100は、テレビジョン装置1(電子機器)およびテレビジョン装置1とHDMIケーブルを介して接続する音声出力装置2を備えてなる構成である。音声信号伝送システム100では、音声出力装置2はテレビジョン装置1から受信した音声信号を外部に出力することができる。なお、音声出力装置2が音声信号を外部に出力するとは、音声出力装置2が備えるスピーカ22から音声信号に基づく音声を出力すること、ならびに音声出力装置2と通信可能に接続された機器(例えば、後述する外部スピーカ4など)に音声信号を送信することを含む。
【0015】
(テレビジョン装置)
図1に示されるように、テレビジョン装置1は、外部から受信した番組などのコンテンツを再生するものであり、信号処理部11、TV接続部12、ディスプレイ13、内蔵スピーカ14、TV制御部15、およびTV記憶部16を含む。
【0016】
信号処理部11は、受信したコンテンツから映像信号と音声信号とを分離して、映像信号および音声信号に対して所定の信号処理を施す。そして信号処理部11は、映像信号をディスプレイ13に、音声信号を内蔵スピーカ14にそれぞれ出力する。これによりディスプレイ13に映像を表示させるとともに内蔵スピーカ14から音声を出力させることができる。また、信号処理部11は、所定の処理を施した音声信号を、TV接続部12を介してHDMIケーブル3を通じて音声出力装置2に出力させることができる。
【0017】
TV接続部12は、HDMIケーブル3を通じて音声出力装置2との間で制御指示等を含むコマンドメッセージを送受信したり音声信号を送信したりする。TV接続部12は、機能が異なる複数のHDMIポート12a~12c(接続部)を有する。なお、図1ではTV接続部12は3つのHDMIポート12a~12cを有する構成を例に挙げて説明するがTV接続部12が有するHDMIポートの個数はこの3つに限定されるものではなく、3つより多くてもよく任意である。TV接続部12が有する複数のHDMIポート12a~12cのうち適切な機能を有するHDMIポートが、HDMIケーブル3を介して音声出力装置2が有するHDMIポート21aと接続する。これにより、TV接続部12は、音声出力装置2との間で音声信号およびコマンドメッセージの受け渡しが可能となる。なお、本実施形態では適切な機能を有するHDMIポートをARC(Audio Return Channel)対応のHDMIポートとする。また、HDMIポート12a~12cのうち、HDMIポート12aがARC対応のHDMIポートであるとする。
【0018】
TV制御部15は、テレビジョン装置1の備える各部の各種制御を行う。また、TV制御部15は、HDMI規格に準拠する双方向通信インタフェースを制御するものでもある。TV制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、または組み込みSoc(System on Chip)などにより実現できる。TV制御部15は機能ブロックとして誤り検出部31およびTV通信制御部32を含む。機能ブロックは、TV制御部15が例えばCPUにより実現される場合、CPUがTV記憶部16に記憶されたプログラムを不図示のメモリなどに読み出し、実行することで実現される。なお、機能ブロックを実現するプログラムは、TV記憶部16の代わりにコンピュータ読み取り可能なROM(Read Only Memory)、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録されていてもよい。
【0019】
誤り検出部31は、テレビジョン装置1と音声出力装置2との間でHDMIケーブル3が正しい状態で接続されているか否か判定する。誤り検出部31は、例えば、音声出力装置2のHDMIポート21aと接続するHDMIケーブル3が、適切な機能を有するHDMIポート12aに接続されているか否か判定する。これにより、誤り検出部31は、HDMIケーブル3が正しい状態で接続されているか否か判定することができる。
【0020】
誤り検出部31は、HDMIケーブル3が正しい状態で接続されていないと判定した場合、拒否メッセージ(Refused)を、TV通信制御部32を介して音声出力装置2に送信する。この構成により、誤り検出部31は、HDMIケーブル3による接続拒否を音声出力装置2に通知することができる。
【0021】
また、誤り検出部31は、HDMIケーブル3の接続に関する誤り原因を検出することもできる。誤り検出部31は誤り原因を検出すると、この誤り原因を示す情報を含む誤り原因メッセージを、TV通信制御部32を介して音声出力装置2に送信する。この構成により、誤り検出部31は、誤り原因メッセージを音声出力装置2に通知することができる。
【0022】
TV通信制御部32は、TV接続部12を制御して、音声出力装置2との間で通信を確立させ、メッセージの送受信を行ったり、音声出力装置2に音声信号を送信したりする。より具体的には、TV通信制御部32は、例えば、誤り検出部31などTV制御部15が含む各種機能部からの指示に応じて、メッセージを作成し、作成したメッセージを音声出力装置2に送信する。また、TV通信制御部32は、音声出力装置2からメッセージを受信し、受信したメッセージに含まれる情報をTV制御部15が含む各種機能部に出力する。TV通信制御部32とTV接続部12とによって本開示の送信部および受信部を実現する。
【0023】
TV記憶部16は、読み書き可能な記録媒体であり、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどの半導体メモリが例示できる。TV記憶部16は、テレビジョン装置1を製造するベンダーによって設定されたベンダーコマンドメッセージを記憶する。
【0024】
(音声出力装置)
音声出力装置2は、図1に示されるように、音声出力装置接続部21、スピーカ22、報知部23、音声出力装置制御部24、および音声出力装置記憶部25を備える。
【0025】
音声出力装置接続部21は、HDMIケーブル3を介してテレビジョン装置1との間で制御指示等を含むコマンドメッセージを送受信したり、音声信号を受信したりする。音声出力装置2は、音声出力装置接続部21を介してテレビジョン装置1から受信した音声信号をスピーカ22から出力することができる。なお、音声出力装置接続部21は、上述のとおりHDMIポート21aを有する。
【0026】
また、音声出力装置2は、テレビジョン装置1から誤り原因を示す情報を含むコマンドメッセージ(Vendor Command ♯2)を受信すると、コマンドメッセージに含まれる誤り原因を示す情報を報知部23から報知することができる。報知部23は、光、音、音声、または表示によって誤り原因を示す情報を報知する構成であってもよい。
【0027】
光によって誤り原因を示す情報を報知する場合、報知部23を発光装置とすることができる。報知部23が発光装置である場合、発光装置の点滅パターンまたは発光色の変化など発光パターンの変化により誤り原因を報知することができる。
【0028】
また、音または音声によって誤り原因を示す情報を報知する場合、報知部23をスピーカとすることができる。なお、報知部23がスピーカである場合、スピーカ22が報知部23を兼ねる構成であってもよいし、スピーカ22と報知部23とがそれぞれ個別に設けられた構成であってもよい。
【0029】
また、報知部23は、誤り原因を示す情報を表示することにより報知してもよい。誤り原因を示す情報を表示することにより報知する場合、報知部23を表示装置とすることができる。
【0030】
音声出力装置制御部24は、音声出力装置2が備える各部の各種制御を行うものであり、例えば、CPUまたは組み込みSocなどにより実現できる。音声出力装置制御部24は、機能ブロックとして報知制御部41および音声出力装置通信制御部42を含む。
【0031】
報知制御部41は、報知部23を制御して誤り原因を示す情報を報知させる。
【0032】
音声出力装置通信制御部42は、音声出力装置接続部21を制御して、テレビジョン装置1との間で通信を確立させ、メッセージの送受信などを行う。音声出力装置通信制御部42と音声出力装置接続部21とによって本開示の音声出力装置送信部および音声出力装置受信部を実現する。
【0033】
機能ブロックは、音声出力装置制御部24が例えばCPUにより実現される場合、CPUが音声出力装置記憶部25に記憶されたプログラムを不図示のメモリなどに読み出し、実行することで実現される。なお、この機能ブロックを実現するプログラムは、音声出力装置記憶部25の代わりにコンピュータ読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録されてよい。
【0034】
音声出力装置記憶部25は、読み書き可能な記録媒体であり、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどの半導体メモリが例示できる。音声出力装置記憶部25は、音声出力装置2の製造するベンダーによって設定されたベンダーコマンドメッセージを記憶する。
【0035】
以下において本開示の第1実施形態に係る音声信号伝送システム100における、HDMIケーブル3の接続に関する誤り検出および検出した誤り原因に関する音声出力装置2側からの報知方法について図2を参照して説明する。図2は、本開示の第1実施形態に係る音声信号伝送システム100における誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
【0036】
なお、図2に示す誤り原因の報知処理では、テレビジョン装置1と音声出力装置2との間でHDMIケーブル3がARC対応ではないHDMIポート12bまたは12cに接続されたときを例に挙げて説明する。
【0037】
(誤り原因の報知処理)
まず、テレビジョン装置1のHDMIポート12a~12cのうちのいずか1つにHDMIケーブル3の一端を接続し(ステップS11)、音声出力装置2のHDMIポート21aにHDMIケーブル3の他端を接続する(ステップS12)。
【0038】
次に音声出力装置2は、音声出力装置通信制御部42が音声出力装置接続部21を制御して、Initiate ARCをテレビジョン装置1に送信することでARC機能に対応したHDMIでの接続の開始指示(ARC開始指示)を行う(ステップS13)。なお、Initiate ARCは、音声出力装置2からテレビジョン装置1にARC接続を要求するトリガとなる、HDMIの規格で規定されたメッセージである。
【0039】
テレビジョン装置1は、音声出力装置2からInitiate ARCを受信すると、TV制御部15の誤り検出部31が、テレビジョン装置1と音声出力装置2との間でHDMIケーブル3が正しい状態で接続されているか否か判定する(ステップS14)。誤り検出部31が、HDMIケーブル3が誤った状態で接続されていると判定すると、TV通信制御部32がTV接続部12を制御して、Refusedを音声出力装置2に送信する。なお、Refusedは、テレビジョン装置1から音声出力装置2に対して接続を拒否することを示す、HDMIの規格で規定されたメッセージである。
【0040】
ここで、Refusedによる接続の拒否の理由には、複数の理由が含まれておりRefusedを受信した音声出力装置2は接続の拒否理由を特定することができない。
【0041】
例えば、Refusedによる接続の拒否理由には、テレビジョン装置1が、音声出力装置2から送信されるコマンドメッセージのオペコードが認識できない場合、オペランドが認識できないもしくはサポートされていない場合が挙げられる。また、音声出力装置2によってテレビジョン装置1に接続を求めているモードが正しいモードではない場合が挙げられる。さらには、テレビジョン装置1から音声信号を提供することができない場合、コピー防止またはペアレンタルロック等の他のルールの設定により接続が拒否される場合などが挙げられる。
【0042】
そこで、音声出力装置2は、テレビジョン装置1からRefusedを受信すると、音声出力装置通信制御部42が音声出力装置接続部21を制御してテレビジョン装置1にVendor Command ♯1(問合わせメッセージ)を送信することで、誤り原因の問合わせを行う(ステップS15)。なお、Vendor Command ♯1は、テレビジョン装置1および音声出力装置2を製造するベンダーによって任意に設定されたベンダーコマンドメッセージであり、テレビジョン装置1および音声出力装置2の両方で認識できる。
【0043】
テレビジョン装置1は、音声出力装置2からVendor Command ♯1を受信すると、誤り検出部31が検出した誤り原因の情報を含むVendor Command ♯2(誤り原因メッセージ)を音声出力装置2に送信することで、誤り原因を通知する(ステップS16)。Vendor Command ♯2は、テレビジョン装置1および音声出力装置2を製造するベンダーによって任意に設定されたベンダーコマンドメッセージであり、テレビジョン装置1および音声出力装置2の両方で認識できる。Vendor Command ♯2に含まれる誤り原因の情報とは、例えば、HDMIケーブル3が、テレビジョン装置1が有するHDMIポート12a~12cのうちARCに対応しないHDMIポートに接続されているなどの情報が挙げられる。
【0044】
音声出力装置2は、テレビジョン装置1からVendor Command ♯2を受信すると、報知制御部41が報知部23を制御して、Vendor Command ♯2に含まれる誤り原因を報知する(ステップS17)。
【0045】
報知部23が光によって誤り原因を報知する場合、音声出力装置記憶部25には、誤り原因と報知部23による発光パターンとを対応付けた不図示の発光パターン情報が記憶されている。そして、報知制御部41は、Vendor Command ♯2を受信すると、発光パターン情報を参照してVendor Command ♯2に含まれる誤り原因に対応した発光パターンで報知部23を発光させる。
【0046】
報知部23が音によって誤り原因を報知する場合、音声出力装置記憶部25には、誤り原因と報知部23から出力される音パターンとを対応付けた不図示の音パターン情報が記憶されている。そして、報知制御部41は、Vendor Command ♯2を受信すると、音パターン情報を参照してVendor Command ♯2に含まれる誤り原因に対応した音パターンで報知部23から音を出力させる。
【0047】
また、報知部23が音声によって誤り原因を報知する場合、音声出力装置記憶部25には、誤り原因と音声データとを対応付けた不図示の音声データ情報が記憶されている。そして、報知制御部41は、Vendor Command ♯2を受信すると、音声データ情報を参照してVendor Command ♯2に含まれる誤り原因を示す音声を報知部23から出力させる。
【0048】
報知部23が表示によって誤り原因を報知する場合、音声出力装置記憶部25には、誤り原因と報知部23で表示させる表示データとを対応付けた不図示の表示データ情報が記憶されている。そして、報知制御部41は、Vendor Command ♯2を受信すると、表示データ情報を参照してVendor Command ♯2に含まれる誤り原因を報知部23で表示させる。
【0049】
上記した処理により、音声出力装置2において誤り原因をユーザに報知することができる。したがって、音声信号伝送システム100は、テレビジョン装置1と接続されている音声出力装置2においてHDMIケーブル3の接続に関する誤り原因を報知することができる。
【0050】
(第1変形例)
次に、図3を参照して本開示の第1実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム100について説明する。図3は、本開示の第1実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム100における誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
【0051】
第1実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム100は、第1実施形態に係る音声信号伝送システム100と比較して構成は同様であるが、誤り原因の報知処理が以下の点で相違する。
【0052】
すなわち、第1実施形態に係る音声信号伝送システム100における誤り原因の報知処理では、音声出力装置2からVendor Command ♯1によって誤り原因の問合せを受けた後に、テレビジョン装置1がVendor Command ♯2によって音声出力装置2に誤り原因を通知する。
【0053】
これに対して第1実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム100では、図3に示すように、テレビジョン装置1は、音声出力装置2から誤り原因の問合せを受けることなく、Vendor Command ♯3(誤り原因メッセージ)によって音声出力装置2に誤り原因を通知する点で相違する。
【0054】
なお、図3に示す誤り原因の報知処理におけるステップS21~S24までの処理は、図2に示す誤り原因の報知処理におけるステップS11~S14までの処理と同様である。このためステップS21~S24の説明については省略する。
【0055】
ステップS24においてテレビジョン装置1は、音声出力装置2に対してRefusedを送信すると、このRefusedの送信と同時、またはRefusedが送信されてから所定期間内に、テレビジョン装置1は、誤り検出部31が検出した誤り原因の情報を含むVendor Command ♯3を音声出力装置2に送信することで、誤り原因を通知する(ステップS25)。なお、Vendor Command ♯3は、テレビジョン装置1および音声出力装置2を製造するベンダーによって任意に設定されたベンダーコマンドメッセージであり、テレビジョン装置1および音声出力装置2の両方で認識できる。Vendor Command ♯3はVendor Command ♯2と同様な内容のメッセージであってもよい。
【0056】
音声出力装置2は、Vendor Command ♯3をテレビジョン装置1から受信すると、報知制御部41が報知部23を制御して、Vendor Command ♯3に含まれる誤り原因を報知する(ステップS26)。
【0057】
以上のように、本開示の第1実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム100では、テレビジョン装置1は、音声出力装置2から誤り原因の問合せを受けることなくRefusedの送信をトリガにしてVendor Command ♯3を音声出力装置2に送信する構成である。このため、本開示の第1実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム100は、本開示の第1実施形態に係る音声信号伝送システム100よりもより簡易な処理により誤り原因をテレビジョン装置1が音声出力装置2に通知させることができる。
【0058】
(第2変形例)
次に、図4および図5を参照して本開示の第1実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システム100について説明する。図4は、本開示の第1実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システム100の要部構成の一例を示すブロック図である。図5は、本開示の第1実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システム100における誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
【0059】
第1実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システム100は、第1実施形態に係る音声信号伝送システム100と比較して以下の点で相違する。
【0060】
すなわち、第1実施形態に係る音声信号伝送システム100における誤り原因の報知処理では、テレビジョン装置1がVendor Command ♯2によって音声出力装置2に誤り原因を通知する。そして、音声出力装置2では、報知部23がVendor Command ♯2に含まれる誤り原因を報知する構成であった。
【0061】
これに対して第1実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システム100では、図4に示されるように、TV制御部15が機能ブロックとしてガイド情報生成部33をさらに含む。そして、図5に示されるように、誤り原因の報知処理において、テレビジョン装置1が、Vendor Command ♯4(ガイドメッセージ)を音声出力装置2にさらに送信することによって、誤り原因を解消するためのガイド情報を通知する。なお、Vendor Command ♯4は、テレビジョン装置1および音声出力装置2を製造するベンダーによって任意に設定されたベンダーコマンドメッセージであり、テレビジョン装置1および音声出力装置2の両方で認識できる。Vendor Command ♯4は誤り原因を解消するためのガイド情報を含む。
【0062】
より具体的には図4に示されるように、第1実施形態の第2変形例に係るテレビジョン装置1は、TV制御部15が機能ブロックとしてガイド情報生成部33をさらに含む。それ以外の点については、本開示の第1実施形態に係るテレビジョン装置1と同様な構成となるため同様な部材には同じ符号を付しその説明は省略する。
【0063】
ガイド情報生成部33は、誤り検出部31が検出した誤り原因に基づき、誤り原因を解消するためのガイド情報を生成する。
【0064】
すなわち、TV記憶部16には、誤り原因と誤り原因を解消するためのガイド情報とを対応付けた不図示のガイドテーブルが記憶されている。そして、ガイド情報生成部33は、ガイドテーブルを参照して誤り検出部31が検出した誤り原因に対応するガイド情報を生成する。
【0065】
上記した構成を有する第1実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システム100では、図5に示されるように誤り原因の報知処理を実施する。
【0066】
まず、図5に示される誤り原因の報知処理におけるステップS31~S37までの処理は、図2に示される誤り原因の報知処理におけるステップS11~S17までの処理と同様である。このためステップS31~S37の説明については省略する。
【0067】
ステップS36においてテレビジョン装置1は、音声出力装置2に対してVendor Command ♯2を送信すると、このVendor Command ♯2が送信されてから所定期間内に、テレビジョン装置1では、ガイド情報生成部33がガイド情報を生成する。そして、TV通信制御部32がTV接続部12を制御してガイド情報を含むVendor Command ♯4を送信することにより音声出力装置2にガイド情報を通知する(ステップS38)。
【0068】
音声出力装置2は、テレビジョン装置1からVendor Command ♯4を受信すると、音声出力装置制御部24は報知部23を制御してVendor Command ♯4に含まれるガイド情報を報知させる。ここでガイド情報としては、例えば、正しい接続先となるHDMIポート12aを知らせる情報などが挙げられる。
【0069】
報知部23はガイド情報を発光によって報知してもよいし、音または音声によって報知してもよい。あるいは、報知部23はガイド情報を表示することで報知してもよい。
【0070】
なお、上記では、第2変形例に係るテレビジョン装置1は、Vendor Command ♯2の送信後から所定期間内にVendor Command ♯4を音声出力装置2に送信する構成であったがこの構成に限定されるものではない。
【0071】
第2変形例に係るテレビジョン装置1は、Vendor Command ♯4の情報をVendor Command ♯2に含めて音声出力装置2に送信する構成であってもよい。
【0072】
(第3変形例)
次に、図6を参照して本開示の第1実施形態の第3変形例に係る音声信号伝送システム100について説明する。図6は、本開示の第1実施形態の第3変形例に係る音声信号伝送システム100における誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
【0073】
第1実施形態の第3変形例に係る音声信号伝送システム100は、第1実施形態に係る音声信号伝送システム100と比較して構成は同様であるが、誤り原因の報知処理が以下の点で相違する。
【0074】
すなわち、第1実施形態に係る音声信号伝送システム100における誤り原因の報知処理では、音声出力装置2がInitiate ARCをテレビジョン装置1に送信することでARC機能に対応したHDMIでの接続の開始を指示する構成であった。
【0075】
これに対して第1実施形態の第3変形例に係る音声信号伝送システム100では、図6に示されるように、eARC(Enhanced Audio Return Channel)機能に対応したHDMIでの接続の確立が可能か否か確認し、接続の確立ができない場合にARC機能に対応したHDMIでの接続を確立させるように動作モードを切り替える点で相違する。
【0076】
つまり、高品位音声フォーマットに対応するeARCで音声信号の伝送が可能か否か確認した後、eARCで音声信号の伝送が不可能な場合、ARCでの音声信号の伝送にモードを切り替えることができるように構成されている。
【0077】
より具体的には、図6に示されるように、テレビジョン装置1のHDMIポート12a~12cのうちの1つにHDMIケーブル3の一端を接続し(ステップS41)、音声出力装置2のHDMIポート21aにHDMIケーブル3の他端を接続する(ステップS42)。そしてテレビジョン装置1と音声出力装置2との間でeARC機能に対応したHDMIでの接続の確立処理(eARC接続処理)を実行する(ステップS43,S44)。なお、eARC接続処理の処理フローは公知の技術であるため説明は省略する。テレビジョン装置1と音声出力装置2との間でeARC接続処理が失敗すると、音声出力装置2は動作モードをARC機能に対応したHDMIでの接続を確立させる動作モードに切り替える(ステップS45)。
【0078】
これ以降のステップS46~ステップS50までの処理は、第1実施形態に係る音声信号伝送システム100で実施する誤り原因の報知処理におけるステップS13からステップS17までの処理と同様であるため説明は省略する。
【0079】
なお、第1実施形態の第3変形例に係る音声信号伝送システム100は、第2変形例に係る音声信号伝送システム100と同様に、テレビジョン装置1がVendor Command ♯4を音声出力装置2にさらに送信し、音声出力装置2がガイド情報をさらに報知する構成であってもよい。
【0080】
(第2実施形態)
次に本開示の第2実施形態に係る音声信号伝送システム200について図7および図8を参照して説明する。図7は、本開示の第2実施形態に係る音声信号伝送システム200の要部構成の一例を示すブロック図である。図8は、本開示の第2実施形態に係る音声信号伝送システム200における誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
【0081】
図7に示されるように第2実施形態に係る音声信号伝送システム200は、第1実施形態に係る音声信号伝送システム100と比較して、外部スピーカ4をさらに備える点および音声出力装置2が外部接続部26を有する点で相違する。それ以外の構成については、第2実施形態に係る音声信号伝送システム200は、第1実施形態に係る音声信号伝送システム100と同様な構成となるため、同様な部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0082】
音声出力装置2が備える外部接続部26は、報知制御部41の制御指示の下、外部スピーカ4と接続を確立し、音声データまたは制御コマンドメッセージなどの情報を送信する。すなわち、報知制御部41と外部接続部26とによって本開示の報知制御部を実現する。
【0083】
外部スピーカ4は、音声出力装置2と通信可能に接続されるスピーカであって、例えば、ヘッドフォン、ネックスピーカなどが例示される。外部スピーカ4と音声出力装置2との接続は有線で接続されてもよいし無線によって接続されていてもよい。無線によって接続される場合、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格により接続することができる。
【0084】
外部スピーカ4は、誤り原因を示す情報を報知する外部スピーカ報知部51を有する。外部スピーカ報知部51は、光、音、音声、または表示によって誤り原因を示す情報を報知する構成であってもよい。
【0085】
第2実施形態に係る音声信号伝送システム200は、図8に示されるように誤り原因の報知処理を実行する。なお、図8に示される誤り原因の報知処理のステップS61からステップS66までの各処理は、図2に示される第1実施形態に係る音声信号伝送システム100における誤り原因の報知処理のステップS11からステップS16までの各処理と同様となるため説明は省略する。
【0086】
音声出力装置2は、テレビジョン装置1からVendor Command ♯2を受信すると、報知制御部41からの制御指示の下、外部接続部26が、Vendor Command ♯2に含まれる誤り原因の情報を外部スピーカ4に出力する(ステップS67)。そして、外部接続部26は、誤り原因の情報を報知するように外部スピーカ4に指示する。
【0087】
外部スピーカ4は、音声出力装置2から誤り原因の情報を受信すると、外部スピーカ報知部51が誤り原因に対応する発光パターン、音パターンまたは音声により誤り原因を報知する。
【0088】
(第1変形例)
次に、図9および図10を参照して本開示の第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム200について説明する。図9は、本開示の第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム200の要部構成の一例を示すブロック図である。図10は、本開示の第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム200における誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
【0089】
第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム200は、第2実施形態に係る音声信号伝送システム200と比較して、テレビジョン装置1のTV制御部15が機能ブロックとしてガイド情報生成部33をさらに含む点で相違する。
【0090】
さらにまた、第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム200は、第2実施形態に係る音声信号伝送システム200と比較して誤り原因の報知処理が以下の点で相違する。
【0091】
すなわち、第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム200は、まず、eARC機能に対応したHDMIでの接続の確立が可能か否か確認し、接続の確立ができない場合にARC機能に対応したHDMIでの接続を確立させるように動作モードを切り替える点で相違する。
【0092】
また、音声出力装置2がテレビジョン装置1からVendor Command ♯4を音声出力装置2にさらに送信し、音声出力装置2がガイド情報を外部スピーカ4に出力する点で相違する。
【0093】
つまり、図9に示されるように、テレビジョン装置1のHDMIポート12a~12cのいずれか1つにHDMIケーブル3の一端を接続し(ステップS71)、音声出力装置2のHDMIポート21aにHDMIケーブル3の他端を接続する(ステップS72)。そしてテレビジョン装置1と音声出力装置2との間でeARC機能に対応したHDMIでの接続の確立処理(eARC接続処理)を実行する(ステップS73,S74)。テレビジョン装置1と音声出力装置2との間でeARC接続処理が失敗すると、音声出力装置2は動作モードをARC機能に対応したHDMIでの接続を確立させる動作モードに切り替える(ステップS75)。
【0094】
これ以降のステップS76からステップS80までの処理は、図8に示されるステップS63からステップS67までの処理と同様であるため説明は省略する。
【0095】
ステップS80において音声出力装置2が誤り原因を外部スピーカ4へ出力した後、テレビジョン装置1は、Vendor Command ♯4を音声出力装置2に送信することでガイド情報を通知する(ステップS81)。
【0096】
音声出力装置2は、テレビジョン装置1からVendor Command ♯4を受信すると、報知制御部41からの制御指示の下、外部接続部26が、Vendor Command ♯4に含まれるガイド情報を外部スピーカ4に出力する(ステップS82)。
【0097】
外部スピーカ4は、音声出力装置2からガイド情報を受信すると、外部スピーカ報知部51ガイド情報を示す発光パターン、音パターンまたは音声により誤り原因を報知する。
【0098】
(第2変形例)
次に、図11を参照して本開示の第2実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システム200について説明する。図11は、本開示の第2実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システム200における誤り原因の報知処理の一例を示すシーケンス図である。
【0099】
第2実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システム200は、第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム200と比較して構成は同様であるが、誤り原因の報知処理が以下の点で相違する。
【0100】
すなわち、第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム200における誤り原因の報知処理では、音声出力装置2からVendor Command ♯1によって誤り原因の問合せを受けた後に、テレビジョン装置1がVendor Command ♯2によって音声出力装置2に誤り原因を通知する。
【0101】
これに対して第2実施形態の第2変形例に係る音声信号伝送システム200では、図11に示されるように、テレビジョン装置1は、音声出力装置2から誤り原因の問合せを受けることなく、Vendor Command ♯3によって音声出力装置2に誤り原因を通知する点で第2実施形態の第1変形例に係る音声信号伝送システム200と相違する。
【0102】
なお、図11に示す誤り原因の報知処理におけるステップS91~S97までの処理、ならびにステップS100、S101の処理は、図10に示す誤り原因の報知処理におけるステップS71~S77までの処理、ならびにステップS81、S82の処理と同様である。このためステップS91~S97までの処理ならびにステップS100、S101の処理について説明は省略する。
【0103】
ステップS97においてテレビジョン装置1は、音声出力装置2に対してRefusedを送信すると、このRefusedの送信と同時、またはRefusedが送信されてから所定期間内に、テレビジョン装置1は、誤り検出部31が検出した誤り原因の情報を含むVendor Command ♯3を音声出力装置2に送信する(ステップS98)。
【0104】
音声出力装置2は、Vendor Command ♯3をテレビジョン装置1から受信すると、報知制御部41が外部接続部26を制御して、Vendor Command ♯3に含まれる誤り原因の情報を外部スピーカ4へ出力し(ステップS99)、誤り原因の情報を報知するように外部スピーカ4を制御する。
【符号の説明】
【0105】
1 テレビジョン装置
2 音声出力装置
3 HDMIケーブル
4 外部スピーカ
11 信号処理部
12 TV接続部
12a HDMIポート
12b HDMIポート
12c HDMIポート
13 ディスプレイ
14 内蔵スピーカ
15 TV制御部
16 TV記憶部
21 音声出力装置接続部
21a HDMIポート
22 スピーカ
23 報知部
24 音声出力装置制御部
25 音声出力装置記憶部
26 外部接続部
31 誤り検出部
32 TV通信制御部
33 ガイド情報生成部
41 報知制御部
42 音声出力装置通信制御部
51 外部スピーカ報知部
100 音声信号伝送システム
200 音声信号伝送システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11