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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170769
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】ロボットの操作装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/02 20060101AFI20241204BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
B25J13/02
H05K5/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087476
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】石井 淳史
【テーマコード(参考)】
3C707
4E360
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707JU02
3C707JU14
4E360AB04
4E360AB05
4E360AB42
4E360AD01
4E360EA23
4E360EC11
4E360EC12
4E360ED14
4E360GA04
4E360GA46
4E360GB46
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】ティーチングペンダントの操作者の操作負担を軽減する。
【解決手段】タッチパネルディスプレイ13を有するタブレット12に取り付け、ロボットを操作するフォルダ6であって、タブレット12に接続する端子17が設けられた接続部材15と、接続部材15に連結され、タブレット12を支持する支持部材16と、少なくとも支持部材16に設けられ、ロボットに対する指示を行う非常停止スイッチ及びイネーブルスイッチと、タブレット12を接続した際にタブレット12におけるタッチパネルディスプレイ13に対して反対の面に接触するゴムシート20とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する携帯端末に取り付け、ロボットを操作する操作装置であって、
前記携帯端末に接続する端子が設けられた接続部材と、
前記接続部材に連結され、前記携帯端末を支持する支持部材と、
少なくとも前記支持部材に設けられ、前記ロボットに対する指示を行うスイッチ部と、
前記支持部材における前記スイッチ部とは異なる位置に設けられ、前記携帯端末を接続した際に前記携帯端末における前記表示部に対して反対の面に接触する摩擦部材と、
を備えることを特徴とするロボットの操作装置。
【請求項2】
前記スイッチ部は、前記ロボットの動作を停止させる停止スイッチと、前記ロボットの操作を有効化するイネーブルスイッチとを含み、
前記停止スイッチと前記イネーブルスイッチとは、前記支持部材における前記摩擦部材が設けられた面に対して反対の面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のロボットの操作装置。
【請求項3】
前記イネーブルスイッチは、前記停止スイッチよりも前記端子に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のロボットの操作装置。
【請求項4】
前記接続部材は、前記端子が対応する情報伝送方式と、前記ロボットへ送信する情報伝送方式とを変換する変換部を有することを特徴とする請求項1に記載のロボットの操作装置。
【請求項5】
前記支持部材は、厚さの異なる複数の前記摩擦部材が脱着されることを特徴とする請求項1に記載のロボットの操作装置。
【請求項6】
前記支持部材は、前記接続部材に対してヒンジを介して連結されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のロボットの操作装置。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット端末などの操作端末(以下、「携帯端末」という)が普及している。このような携帯端末は、ロボットの教示作業の際の各種の入力や表示のためのティーチングペンダント(TPともいう)としても使用される場合がある。ティーチングペンダントとして使用する場合には、安全性確保のため、非常停止スイッチとイネーブルスイッチを有するフォルダ(ロボットの操作装置)を携帯端末に取り付けて使用する。
【0003】
例えば特許文献1においては、携帯端末に、非常停止スイッチとデッドマンスイッチ(イネーブルスイッチ)が設けられたフォルダとしての枠部材を装着して携帯端末をティーチングペンダントとして使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-042635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、フォルダが大型化する傾向にある。このため、操作者の操作負担がかかる場合がある。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、操作者の操作負担を軽減することができる操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のロボットの操作装置は、表示部を有する携帯端末に取り付け、ロボットを操作する操作装置であって、前記携帯端末に接続する端子が設けられた接続部材と、前記接続部材に連結され、前記携帯端末を支持する支持部材と、少なくとも前記支持部材に設けられ、前記ロボットに対する指示を行うスイッチ部と、前記支持部材における前記スイッチ部とは異なる位置に設けられ、前記携帯端末を接続した際に前記携帯端末における前記表示部に対して反対の面に接触する摩擦部材と、を備える。
【0008】
また、前記スイッチ部は、前記ロボットの動作を停止させる停止スイッチと、前記ロボットの操作を有効化するイネーブルスイッチとを含み、前記停止スイッチと前記イネーブルスイッチとは、前記支持部材における前記摩擦部材が設けられた面に対して反対の面に設けられている。
【0009】
また、前記イネーブルスイッチは、前記停止スイッチよりも前記端子に近い位置に配置されている。
【0010】
また、前記接続部材は、前記端子が対応する情報伝送方式と、前記ロボットへ送信する情報伝送方式とを変換する変換部を有する。
【0011】
また、前記支持部材は、厚さの異なる複数の前記摩擦部材が脱着される。
【0012】
また、前記支持部材は、前記接続部材に対してヒンジを介して連結されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る操作装置によれば、操作者の操作負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るロボットの操作装置を具備するロボット制御システムの全体構成の一例を概略的に示す図である。
図2図1のティーチングペンダントにおいて、フォルダとタブレットとを分解して示す正面図である。
図3図1のフォルダを可動させた状態にて示すティーチングペンダントの側面図である。
図4図1のティーチングペンダントにおける背面図である。
図5図1のティーチングペンダントの変形例における正面図である。
図6図5のティーチングペンダントにおけるフォルダをタブレットから分離して示す図である。
図7図5のティーチングペンダントにおいてフォルダを図5に示す位置から他の位置に移動させた際の取り付け例を示す図である。
図8図1のティーチングペンダントの変形例におけるスイッチ部の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては極力同一の符号を付して、重複する説明は適宜省略する。
【0016】
===実施形態===
≪全体構成≫
図1は、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と記載)に係るロボット2の操作装置を具備するロボット制御システム1の全体構成の一例を概略的に示す図である。
【0017】
図1に示すように、ロボット制御システム1は、ロボット2及びティーチングペンダント3を含む。なお、図1では、ケーブル4によってロボット本体9とロボット制御装置10が接続され、ケーブル5によってティーチングペンダント3とロボット制御装置10とが接続されている例を図示しているが、このような有線接続に限らず、無線接続されていてもよい。しかし、後述するフォルダ6は、安全性のためにイネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8とを備えているので、より確実に情報伝送を行うように有線接続されていることが好ましい。
【0018】
ロボット2は、垂直多関節ロボット等の産業機器であって、ロボット本体9及びロボット制御装置10を含む。なお、図1では、ロボット本体9とロボット制御装置10とを別体として図示するが、ロボット本体9とロボット制御装置10とが一体化されていてもよい。
【0019】
ロボット本体9は、複数のアーム及び当該アーム間を連結する関節を有する。各関節には不図示の駆動モータが設けられており、ロボット制御装置10によって当該駆動モータの回動及び停止が制御されることによって、ロボット本体9のアーム等の動作が制御される。
【0020】
ロボット制御装置10は、ロボット本体9とケーブル4を介して通信可能に接続されている。ロボット制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、及び通信装置等を備える情報処理装置である。ロボット制御装置10は、予めメモリ等に記憶された制御プログラム又はティーチングペンダント3から送信された教示データ等に基づき、ロボット本体9の動作を制御する。ロボット制御装置10は、ロボット2の動作モードが教示モード又は非教示モードに切り替え可能とされている。ロボット制御装置10は、例えばロボット制御装置10に設けられたスイッチで切り替えられた動作モードを示す情報を、ティーチングペンダント3に送信する。なお、ティーチングペンダント3側において動作モードの切り替えができてもよい。
【0021】
動作モードとしては、例えば、ロボット2を教示する教示モードと、当該教示モード以外の非教示モードとを含む。教示とは、ロボット2に所定のプログラム等の教示データを与えて、ロボット2が目的の動作をするように教え込むことを示し、ティーチングともいう。教示モードは、例えば教示データとしてロボット2に所定の作業を実行させるための作業プログラムを作成するモードであり、非教示モードは、例えば作業プログラムをロボット2に自動運転させる再生モードである。
【0022】
≪ティーチングペンダント3の構成≫
ティーチングペンダント3は、ロボット2に通信可能に接続され、ロボット2の各種制御に関する操作を行う通信端末装置である。特に、ティーチングペンダント3は、ロボット2を教示する教示端末である。ティーチングペンダント3は、操作者が手に持って操作可能に構成され、各種の教示データの入力を操作者から受け付ける。ティーチングペンダント3は、当該入力に基づき取得した教示データをロボット制御装置10に対して送信する。
【0023】
ティーチングペンダント3は、ロボット2のロボット制御装置10に対してケーブル5を介して接続されている。このティーチングペンダント3は、タブレット12等の携帯端末を使用して構成されている。本実施形態では、携帯端末としてタブレット端末(タブレットPC)を使用する場合について説明するが、操作者が把持して操作可能な情報処理端末であれば、タブレット端末に限定されない。携帯端末としては、スマートフォンや、ノートPC等のスマートデバイスを用いることも可能である。
【0024】
図1に示すように、ティーチングペンダント3は、タブレット12と、操作装置としてのフォルダ6とにより主要部が構成される。
【0025】
タブレット12は、所定のプログラムがインストールされた後、このプログラムを実行することにより、ロボット2に対する指示を行うものである。タブレット12は、表示部としてのタッチパネルディスプレイ13を有しており、タッチパネルディスプレイ13を用いて各種情報の表示及び指示入力が可能となっている。すなわち、ロボット2に対する操作画面を表示し、この操作画面に対して操作者がタッチ入力をすることによって各種操作が可能となる。
【0026】
尚、以下の説明ではタブレット12におけるタッチパネルディスプレイ13が設けられている面を第1面として「おもて面」と記載する。そして、このおもて面と反対の面を第2面として「裏面」と記載する。なお、本実施形態では、裏面にタッチパネル等のディスプレイが設けられていない場合を一例として説明するが、裏面にもディスプレイが設けられていてもよい。
【0027】
図2に示すように、タブレット12の側面には端子14が設けられている。端子14は、外部機器と接続するための端子であり、例えばUSB端子である。この端子14についてはタブレット12の仕様により限定されず、USB Type-Aや、USB Type-C、マイクロUSB等、どのような規格の端子でもよい。端子14は、電力伝送及び/又は情報伝送が可能な端子である。
【0028】
≪フォルダ6の構成≫
フォルダ6は、タブレット12に対して外付けされる装置(タブレットフォルダ)である。フォルダ6は、ケーブル5を介してロボット制御装置10へ接続されている。このケーブル5は、例えばIOケーブルとLANケーブルが含まれている。
【0029】
図2から図4に示すように、フォルダ6は、接続部材15と、支持部材16とを用いて主要部が構成される。
【0030】
接続部材15は、タブレット12と接続するための部材である。具体的には、接続部材15は、タブレット12の端子14へ接続可能な端子17が設けられている。図2では、タブレット12側の端子14はメス型、接続部材15側の端子17がオス型である場合を例として図示している。図2に示すように、例えば接続部材15はタブレット12の側面に配置可能なように四角柱の形状となっており、操作者が把持し易いように角丸となっている。
【0031】
接続部材15は、端子14が対応する情報伝送方式と、LANとを変換する変換部を有している。本実施形態では、端子14及び端子17をUSB端子としているため、変換部は、USB-LAN変換器となる。例えばタブレット12で入力された情報はタブレット12の端子14からフォルダ6の端子17へ出力され、LANへ信号が変換され、ケーブル5を介してロボット制御装置10へ送られる。なお、ロボット制御装置10からの信号を処理することも可能である。USBは長距離の通信が難しいため、LANへ変換することで長距離の情報伝送を安定的に行うことができる。本実施形態はLANへ変換することとしたがLANに限定されず、変換部は、タブレット12の端子14が対応する伝送方式と、ロボット2へ送信する(又はロボット2から受信する)情報伝送方式とを変換することとしてもよい。
【0032】
支持部材16は、タブレット12を支持(固定)するための部材である。図3に示すように支持部材16は、タブレット12を支持している場合において接続部材15から端子17と同じ方向に向かって延在する板部材であり、後述するゴムシート20よりも広い面積を持つ部材である。支持部材16は、摩擦部材としてのゴムシート20と、スイッチ部21とが設けられている。例えば、支持部材16におけるゴムシート20が設けられる面及びスイッチ部21が設けられる面は平面となっている。スイッチ部21は、ロボット2に対する指示を行う部であり、イネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8とを含んで構成されている。ゴムシート20と、スイッチ部21とは部材上において互いに異なる位置に設けられている。
【0033】
ゴムシート20は、タブレット12を支えるための摩擦部材である。具体的には、ゴムシート20は、支持部材16の端子17側の面に設けられている。この面は、支持部材16において、タブレット12の裏面と対向する面である。すなわち、ゴムシート20は、タブレット12を接続した際にタブレット12における裏面に接触する。例えば、ゴムシート20は、図2に示すように四角形状となっており、一定の面積を有し、タブレット12の裏面と面で接触することで、端子14が接続された位置でタブレット12を支持(固定)する。特に、図2に示すように、端子17に近い位置で支えるため、端子14及び端子17にかかる負担を軽減している。
【0034】
本実施形態では、摩擦部材をゴムシート20として説明するが、滑り止めが可能な摩擦が発生できれば、材料は限定されない。吸着性のあるゴムシート20(吸着ゴムシート)を使用することとしてもよい。ゴムシート20については、タブレット12のおもて面に対して垂直方向から見たときに、タッチパネルディスプレイ13が設けられた領域と重なる位置に設けられることが好ましい。すなわち、ゴムシート20は、タブレット12のおもて面のタッチパネルディスプレイ13が設けられた領域と対向するタブレット12の裏面と接触することが好ましい。
【0035】
また、ゴムシート20は、厚さ調整が可能とされていることが好ましい。具体的には、ゴムシート20は、支持部材16に対して着脱可能となっている。すなわち、支持部材16は、厚さの異なる複数のゴムシート20が交換可能となっている。これによって、ゴムシート20の厚さを調整することが可能であるため、使用するタブレット12に合わせて調整でき、タブレット12の支持性を向上させることができる。
【0036】
イネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8とは、物理スイッチであり、スイッチ部21を構成している。イネーブルスイッチ7は、ロボット2の操作を有効化するスイッチである。有効化とは、ロボット2の操作が可能な状態とすることであり、有効化が継続されている間、ティーチングペンダント3によるロボット2の操作が可能となる。
【0037】
非常停止スイッチ8は、ロボット制御装置10によるロボット本体9の動作を停止するための停止スイッチである。例えば、非常停止スイッチ8が操作者によって押し下げられてオン状態とされた場合には、ロボット本体9の動作が停止(緊急停止)する。
【0038】
図3に示すように、イネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8とは、支持部材16におけるゴムシート20に対して反対の面に設けられている。そして、特に図4に示すように、イネーブルスイッチ7は非常停止スイッチ8よりも端子17(すなわち接続部材15)に近い位置に配置されている。
【0039】
イネーブルスイッチ7は、非常停止スイッチ8よりも大きい形状となっている。具体的には、イネーブルスイッチ7は、非常停止スイッチ8よりも操作部分が大きい。操作部分とは、操作者によって押される部分である。換言すると、図4に示すように、支持部材16におけるスイッチが設けられた面に対して垂直な方向から見たときに、それぞれのスイッチに相当する部分が、非常停止スイッチ8よりイネーブルスイッチ7の方が大きい(広い)。イネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8は、接続部材15からの支持部材16の延在方向と同じ方向に沿って並んで配置されている。この延在方向は、タブレット12を支持している場合においては、端子17の方向と同じである。図3に示すように、さらに好ましくは、イネーブルスイッチ7は、支持部材16のおもて面における延在方向の半分よりも接続部材15に近い位置に配置されることが好ましい。図4では把持した一例を示しており、手を一点鎖線で示している。このようにすると、使用頻度の高いイネーブルスイッチ7を手の平の特に指尖球のあたりで操作し、非常停止スイッチ8を指先で操作することが可能である。このため、片手で把持しつつ、操作を行うことが可能である。すなわち、把持性と操作性を高めることができる。
【0040】
支持部材16は、接続部材15に対して開閉可能に連結されている。具体的には、支持部材16は、接続部材15に対してヒンジ22を介して連結している。図3に示すように、ヒンジ22を中心として、支持部材16は接続部材15に対して可動することができる。ヒンジ22に対しては、固定レバー23が設けられており、この固定レバー23の開閉によって支持部材16を固定することができる。
【0041】
例えば、フォルダ6をタブレット12に装着する際に、支持部材16は開いた状態で挿入することが好ましい。図3に示すように、支持部材16が開いた状態で端子挿入することで、タブレット12をゴムシート20に接触させずに接続することができる。そして、端子14への接続が完了した後に、支持部材16を閉じることによってゴムシート20をタブレット12の裏面に接触させ、フォルダ6とタブレット12とを固定することができる。
【0042】
≪作用効果≫
本実施形態に係るフォルダ6は、タブレット12と接続しつつ、タブレット12における裏側をゴムシート20によって支持する構成のため、例えば枠状部材でタブレット12を支持する場合よりもコンパクト化をすることができる。これによって、軽量化が可能であり操作者の負担を軽減することが可能となる。また、コスト低減を図ることも可能である。
【0043】
イネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8とが支持部材16におけるゴムシート20と反対の面に設けられることで、タブレット12の裏側でスイッチ操作をすることができ、例えば操作者が把持したときに操作し易い配置とすることができる。
【0044】
また、本実施形態に係るフォルダ6は、タブレット12を固定(支持)している箇所により近い位置でイネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8とを操作できる。使用頻度がより高いイネーブルスイッチ7の方が端子17に近いことで、スイッチ操作による端子17への負担を軽減することができる。
【0045】
また、本実施形態に係るフォルダ6は、フォルダ6がLAN変換機能を有することで、フォルダ6と別体として変換器を用意する必要がなく、装置全体としてコンパクト化が可能である。LANへ変換することで、長距離伝送がし易くなる。
【0046】
また、本実施形態に係るフォルダ6は、ゴムシート20の厚さが調整可能であるため、種類の異なるタブレット12にも対応可能となり、支持の安定性を向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態に係るフォルダ6は、ヒンジ22によって、タブレット12への端子接続の際に支持部材16を開いておき、接続後に閉じることで、端子挿入が容易となる。
【0048】
===変形例===
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、上述した具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び下記変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0049】
本実施形態では、接続部材15と支持部材16とをヒンジ22を介して連結する場合について説明したが、接続部材15と支持部材16とを一体的に形成することとしてもよい。
【0050】
本実施形態では、イネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8とを支持部材16に設けることとしたが、支持部材16に設ける場合に限定されない。すなわち、非常停止スイッチ8を、接続部材15又は支持部材16に設けることとしてよいし、イネーブルスイッチ7を、接続部材15又は支持部材16に設けることとしてよい。イネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8とは、設けられる部材上においてそれぞれ異なる位置に設けられる。
【0051】
また、イネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8の位置関係についても適宜変更することが可能である。例えば、図1におけるイネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8の位置を入れ替えてもよいし、それぞれの位置を部材上移動させてもよい。
【0052】
本実施形態では、フォルダ6を図1の形状として構成したが、図1のフォルダ6の形状を変形させることも可能である。例えば、図5から図7に記載のような形状のティーチングペンダント30としてもよい。すなわち、フォルダ31に切れ込み(凹形状の溝)を形成し、タブレット12の角を含む2辺を切れ込みに入れてフォルダ31を装着する。そして、フォルダ31に設けられた端子32をタブレット12の端子14へ接続することで、電気的に接続する。図6に示すように、この端子32については、ケーブルリール35を設けてケーブル33で接続することが好ましい。この形態では、前面側に非常停止スイッチ8が設けられており、裏側にイネーブルスイッチ7が設けられている。また、フォルダ31はケーブル5でロボット2側と接続されている。図5に示すように、ティーチングペンダント30の使用時には、領域36をそれぞれ把持することで、安定的にティーチングペンダント30を把持できる。なお、領域36は、把持する箇所の一例を示すものであり、構造的に設けられた部分ではない。またフォルダ31にはクリップ34が設けられており、ティーチングペンダント30を使用しないとき(例えば移動時)には、図7に示すようにクリップ34にタブレット12を挟んで固定してもよい。
【0053】
また、図1に記載のフォルダ6の構成において、支持部材16にイネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8を設けず、図8に示すように別体の部材41としてまとめてもよい。部材41はケーブル42で接続部材15に接続されている。図8では、歯並び(歯列)に合うように形成された部材41の左右にイネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8のそれぞれが設けられている。すなわち、使用時には、部材41ごと口内に装着し、左右のイネーブルスイッチ7と非常停止スイッチ8とを噛分けることによって、それぞれのスイッチ操作が可能となっている。このような構成によれば、手を使わずにスイッチ操作が可能となる。なお、部材41には笛43を設け、緊急時等の合図に使用できるようにしてもよい。また、部材41等を、例えば熱湯消毒可能な素材で形成することや、使用者を区別できるように着色してもよく、このようにすることで衛生性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0054】
2 :ロボット
6 :フォルダ(操作装置)
7 :イネーブルスイッチ
8 :非常停止スイッチ(停止スイッチ)
12 :タブレット(携帯端末)
13 :タッチパネルディスプレイ(表示部)
15 :接続部材
16 :支持部材
17 :端子
20 :ゴムシート(摩擦部材)
21 :スイッチ部
22 :ヒンジ





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8