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特開2024-17077組み立て式水ボトルスタンドおよび水ボトルスタンド付きウォーターサーバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017077
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】組み立て式水ボトルスタンドおよび水ボトルスタンド付きウォーターサーバー
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B67D3/00 K
B67D3/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119476
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】316003276
【氏名又は名称】株式会社コスモライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100127340
【弁理士】
【氏名又は名称】飛永 充啓
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】荒川 眞吾
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC01
3E082EE01
3E082EE05
3E082FF09
(57)【要約】
【課題】ウォーターサーバー用の水ボトルを受け支えることが可能であり、コンパクトに収納可能な組み立て式水ボトルスタンドを提供する。
【解決手段】第1鉛直板2と第2鉛直板3は、上縁切り欠き溝13に第1中央部5を挿入するとともに下縁切り欠き溝4に第2中央部14を挿入することで十字状に交差した状態に組み立て可能であり、この組み立て状態で、第1右翼部6の上縁8と第1左翼部7の上縁9と第2右翼部15の上縁17と第2左翼部16の上縁18とが、ウォーターサーバー用の水ボトル40を受け支えるボトル嵌合凹部36を形成する組み立て式水ボトルスタンド。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面に鉛直に立てて載置される樹脂製の第1鉛直板(2)と、前記水平面に鉛直に立てて載置される樹脂製の第2鉛直板(3)とを有し、
前記第1鉛直板(2)は、下縁を板厚方向に貫通して切り欠いた下縁切り欠き溝(4)を有する第1中央部(5)と、前記第1中央部(5)に対して板厚方向に直交する方向の一方側に連なり、前記第1中央部(5)から前記一方側に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁(8)を有する第1右翼部(6)と、前記第1中央部(5)に対して板厚方向に直交する方向の他方側に連なり、前記第1中央部(5)から前記他方側に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁(9)を有する第1左翼部(7)とを有し、
前記第2鉛直板(3)は、上縁を板厚方向に貫通して切り欠いた上縁切り欠き溝(13)を有する第2中央部(14)と、前記第2中央部(14)に対して板厚方向に直交する方向の一方側に連なり、前記第2中央部(14)から前記一方側に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁(17)を有する第2右翼部(15)と、前記第2中央部(14)に対して板厚方向に直交する方向の他方側に連なり、前記第2中央部(14)から前記他方側に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁(18)を有する第2左翼部(16)とを有し、
前記第1鉛直板(2)と前記第2鉛直板(3)は、前記上縁切り欠き溝(13)に前記第1中央部(5)を挿入するとともに前記下縁切り欠き溝(4)に前記第2中央部(14)を挿入することで十字状に交差した状態に組み立て可能であり、この組み立て状態で、前記第1右翼部(6)の前記上縁(8)と前記第1左翼部(7)の前記上縁(9)と前記第2右翼部(15)の前記上縁(17)と前記第2左翼部(16)の前記上縁(18)とが、ウォーターサーバー用の水ボトル(40)を受け支えるボトル嵌合凹部(36)を形成する、
組み立て式水ボトルスタンド。
【請求項2】
前記第1鉛直板(2)には、前記下縁切り欠き溝(4)の板厚方向の端部の開口縁(23)を残して前記第1右翼部(6)および前記第1左翼部(7)を板厚方向に凹ませた第1肉盗み凹部(22)が形成され、前記下縁切り欠き溝(4)の板厚方向の端部の開口縁(23)が、前記第1肉盗み凹部(22)の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成され、
前記第2鉛直板(3)には、前記上縁切り欠き溝(13)の板厚方向の端部の開口縁(28)を残して前記第2右翼部(15)および前記第2左翼部(16)を板厚方向に凹ませた第2肉盗み凹部(27)が形成され、前記上縁切り欠き溝(13)の板厚方向の端部の開口縁(28)が、前記第2肉盗み凹部(27)の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成されている、
請求項1に記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【請求項3】
前記第1右翼部(6)の前記上縁(8)と前記第1左翼部(7)の前記上縁(9)が、前記第1肉盗み凹部(22)の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成され、
前記第2右翼部(15)の前記上縁(17)と前記第2左翼部(16)の前記上縁(18)が、前記第2肉盗み凹部(27)の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成されている、
請求項2に記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【請求項4】
前記第1中央部(5)には、前記第1中央部(5)の上縁(10)と前記下縁切り欠き溝(4)の底部との間をトラス状に連結する第1トラス壁部(26)が形成され、
前記第2中央部(14)には、前記第2中央部(14)の下縁(21)と前記上縁切り欠き溝(13)の底部との間をトラス状に連結する第2トラス壁部(31)が形成されている、
請求項2または3に記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【請求項5】
前記第1鉛直板(2)と前記第2鉛直板(3)は、分離して対向配置したときの対向部分に、両者を重ね合わせた状態に保持可能な連結手段(32)を有する請求項1または2に記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【請求項6】
前記連結手段(32)は、前記第1鉛直板(2)と前記第2鉛直板(3)のうちの一方の他方との対向部分に形成された対向方向に直交する方向に延びるスライド係合溝(33)と、前記第1鉛直板(2)と前記第2鉛直板(3)のうちの前記他方の前記一方との対向部分に形成され、前記スライド係合溝(33)にスライド可能に係合するスライド係合突起(34)とを有する請求項5に記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【請求項7】
前記第1鉛直板(2)と前記第2鉛直板(3)のうちの少なくとも一方に、水ボトルスタンドを金属面に吸着保持するためのマグネット(35)が組み込まれている請求項1または2に記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【請求項8】
筐体(50)と、
前記筐体(50)の内部に形成され、交換式の水ボトル(40)を収容するボトル収容空間(60)と、
前記ボトル収容空間(60)から前記水ボトル(40)を出し入れすることができるように前記筐体(50)の前面を開閉する前面扉(63)と、
前記ボトル収容空間(60)の天井を構成する金属製の内天井板(71)と、
請求項7に記載の組み立て式水ボトルスタンド(1)と、を有し、
前記水ボトルスタンド(1)を前記内天井板(71)の下面に前記マグネット(35)の磁力で吸着保持した、
水ボトルスタンド付きウォーターサーバー。
【請求項9】
前記筐体(50)の内部に配置される冷水タンク(51)と、
前記冷水タンク(51)内の飲料水を冷却する冷却装置(65)と、を更に有し、
前記冷却装置(65)は、冷媒を圧縮するコンプレッサ(66)と、そのコンプレッサ(66)から吐出された高温の冷媒と外気との間で熱交換を行なう熱交換器(67)と、その熱交換器(67)を通過した冷媒を減圧して温度を低下させる膨張弁(68)と、その膨張弁(68)を通過した低温の冷媒と前記冷水タンク(51)との間で熱交換を行なう冷却管(69)とを有し、
前記内天井板(71)は、前記コンプレッサ(66)が固定される板である、
請求項8に記載の水ボトルスタンド付きウォーターサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、組み立て式水ボトルスタンド、およびその水ボトルスタンドを有する水ボトルスタンド付きウォーターサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主にオフィスや病院などでウォーターサーバーが利用されてきたが、近年、水の安全や健康への関心の高まりから、一般家庭にもウォーターサーバーが普及しつつある。ウォーターサーバーは、一般に、交換式の水ボトルと、その水ボトルから水を導入して収容する冷水タンクと、冷水タンク内の水を冷却する冷却装置と、冷水タンク内の冷水を注出するための冷水コックとを有し、この冷水コックを開くことでいつでもすぐに美味しい冷水を利用することができ、優れた利便性をもつ(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-218116号公報
【特許文献2】特開2018-115003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、大地震などの災害が発生した非常時に対応することができるように、平常時から飲料水や非常食などを備蓄するなど、災害に対する備えを行なうニーズが高まっている。
【0005】
この点に関し、特許文献1、2のようなウォーターサーバーのユーザーは、ウォーターサーバーにセットして使用中の水ボトルとは別に、満水状態の予備の水ボトルを常時ストックしておくことで、大地震などの災害時に水道水の供給が停止した場合であっても、予備の水ボトルの水を利用し、飲料水を確保することが可能である。
【0006】
この予備の水ボトルの水を利用する際、ウォーターサーバーに水ボトルをセットするのではなく、単体の状態の水ボトルから直接水を注出することができると便利であるが、ウォーターサーバー用の水ボトルは、通常8kg~18kg程度の重量があるため、ユーザーが手で水ボトルを持ってコップ等の容器に水を注出するのは困難である。
【0007】
そこで、本願の出願人は、ウォーターサーバーを使用せずに、ウォーターサーバー用の水ボトルから直接水を注出することができるようにするため、既に、図11に示す水ボトルスタンド80を製作し、ユーザーに提供している。
【0008】
図12に示すように、ウォーターサーバー用の水ボトル40は、胴部41とその胴部41の一端に肩部42を介して設けられた首部43とその首部43の先端に取り付けられたキャップ44とを有する。水ボトル40は、未使用の満水状態で8~18リットルの範囲で予め設定された所定量の飲料水が充填されている。
【0009】
水ボトルスタンド80は、水ボトル40の首部43を斜め下向きにした状態で水ボトル40の胴部41と肩部42とを受け支え、首部43の先端のキャップ44に専用の蛇口45を取り付けて使用する。この水ボトルスタンド80は、左右一対の前脚81と、左右一対の後ろ脚82と、前脚81と後ろ脚82を水平方向の軸線まわりに回動可能に連結する左右一対の回動連結部83と、前脚81と後ろ脚82の間の展開角度を規制するストッパ84とを有する。
【0010】
左右一対の前脚81と左右一対の後ろ脚82は、それぞれ金属パイプで形成されている。左右一対の前脚81を構成する金属パイプは、回動連結部83から後方斜め上に延長する部分85で水ボトル40の胴部41を受け支えることが可能となっている。また、左右一対の後ろ脚82を構成する金属パイプは、回動連結部83から前方斜め上に延長する部分86で水ボトル40の肩部42を受け支えることが可能となっている。
【0011】
この水ボトルスタンド80を使用すると、災害時だけでなく、キャンプやバーベキューなどのアウトドアにおいても、ウォーターサーバー用の水ボトル40の水を注出して利用することが可能である。
【0012】
しかしながら、この水ボトルスタンド80は、水ボトル40の重量に対する剛性を確保するために金属パイプで形成されており、図13に示すように、折り畳んだときにコンパクトさに欠け、かさばるという問題があった。
【0013】
この発明が解決しようとする課題は、ウォーターサーバー用の水ボトルを受け支えることが可能であり、コンパクトに収納可能な組み立て式水ボトルスタンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成の組み立て式水ボトルスタンドを提供する。
[構成1]
水平面に鉛直に立てて載置される樹脂製の第1鉛直板と、前記水平面に鉛直に立てて載置される樹脂製の第2鉛直板とを有し、
前記第1鉛直板は、下縁を板厚方向に貫通して切り欠いた下縁切り欠き溝を有する第1中央部と、前記第1中央部に対して板厚方向に直交する方向の一方側に連なり、前記第1中央部から前記一方側に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁を有する第1右翼部と、前記第1中央部に対して板厚方向に直交する方向の他方側に連なり、前記第1中央部から前記他方側に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁を有する第1左翼部とを有し、
前記第2鉛直板は、上縁を板厚方向に貫通して切り欠いた上縁切り欠き溝を有する第2中央部と、前記第2中央部に対して板厚方向に直交する方向の一方側に連なり、前記第2中央部から前記一方側に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁を有する第2右翼部と、前記第2中央部に対して板厚方向に直交する方向の他方側に連なり、前記第2中央部から前記他方側に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁を有する第2左翼部とを有し、
前記第1鉛直板と前記第2鉛直板は、前記上縁切り欠き溝に前記第1中央部を挿入するとともに前記下縁切り欠き溝に前記第2中央部を挿入することで十字状に交差した状態に組み立て可能であり、この組み立て状態で、前記第1右翼部の前記上縁と前記第1左翼部の前記上縁と前記第2右翼部の前記上縁と前記第2左翼部の前記上縁とが、ウォーターサーバー用の水ボトルを受け支えるボトル嵌合凹部を形成する、
組み立て式水ボトルスタンド。
【0015】
この構成を採用すると、第2中央部の上縁切り欠き溝に、第1中央部を挿入するとともに、第1中央部の下縁切り欠き溝に、第2中央部を挿入することで、第1鉛直板と第2鉛直板とを十字状に交差した組み立て状態とし、その状態の第1鉛直板および第2鉛直板で水ボトルを受け支えることが可能である。また、水ボトルスタンドを使用しないときは、第1鉛直板と第2鉛直板とが十字状に交差した組み立て状態から、第1中央部を第2中央部の上縁切り欠き溝から抜き出すとともに、第2中央部を第1中央部の下縁切り欠き溝から抜き出すことで、第1鉛直板と第2鉛直板を互いに分離することが可能である。そのため、小型化するのが容易であり、コンパクトに収納することが可能である。
【0016】
[構成2]
前記第1鉛直板には、前記下縁切り欠き溝の板厚方向の端部の開口縁を残して前記第1右翼部および前記第1左翼部を板厚方向に凹ませた第1肉盗み凹部が形成され、前記下縁切り欠き溝の板厚方向の端部の開口縁が、前記第1肉盗み凹部の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成され、
前記第2鉛直板には、前記上縁切り欠き溝の板厚方向の端部の開口縁を残して前記第2右翼部および前記第2左翼部を板厚方向に凹ませた第2肉盗み凹部が形成され、前記上縁切り欠き溝の板厚方向の端部の開口縁が、前記第2肉盗み凹部の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成されている、
構成1に記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【0017】
この構成を採用すると、残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成された水ボトルを、安定して支持することが可能となる。すなわち、第1鉛直板と第2鉛直板とを十字状に交差した組み立て状態とし、その状態の第1鉛直板および第2鉛直板で水ボトルを支持したときに、水ボトルの残水量が減少して水ボトルが収縮変形すると、水ボトルの収縮変形に伴って第1鉛直板と第2鉛直板とが相対回動し、第1鉛直板と第2鉛直板の十字の交差角度が変化するおそれがある。そして、第1鉛直板と第2鉛直板の十字の交差角度が変化すると、第1鉛直板および第2鉛直板による水ボトルの支持が不安定になり、最悪の場合、第1鉛直板および第2鉛直板から水ボトルが落下するおそれがある。この問題に対し、下縁切り欠き溝の板厚方向の端部の開口縁を板厚方向に突出するフランジ状に形成するとともに、上縁切り欠き溝の板厚方向の端部の開口縁も板厚方向に突出するフランジ状に形成すると、第1鉛直板と第2鉛直板とを十字状に交差した組み立て状態としたときに、第1鉛直板と第2鉛直板の相対回動が、下縁切り欠き溝の板厚方向の端部のフランジ状の開口縁と、上縁切り欠き溝の板厚方向の端部のフランジ状の開口縁とで阻止されるので、水ボトルの収縮変形に伴って第1鉛直板と第2鉛直板の十字の交差角度が変化するのを防止することができ、安定して水ボトルを支持することが可能となる。また、第1肉盗み凹部と第2肉盗み凹部の分、第1鉛直板と第2鉛直板を形成する樹脂の体積を抑え、水ボトルスタンドの重量を抑えることができる。
【0018】
[構成3]
前記第1右翼部の前記上縁と前記第1左翼部の前記上縁が、前記第1肉盗み凹部の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成され、
前記第2右翼部の前記上縁と前記第2左翼部の前記上縁が、前記第2肉盗み凹部の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成されている、
構成2に記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【0019】
この構成を採用すると、第1右翼部の上縁と第1左翼部の上縁が板厚方向に突出するフランジ状に形成され、第2右翼部の上縁と第2左翼部の上縁も板厚方向に突出するフランジ状に形成されているので、水ボトルを第1右翼部の上縁、第1左翼部の上縁、第2右翼部の上縁、第2左翼部の上縁で支持したときに、その水ボトルに対する第1右翼部の上縁、第1左翼部の上縁、第2右翼部の上縁、第2左翼部の上縁の接触面積を広いものとすることができる。そのため、水ボトルを支持したときに、水ボトルの重量によって第1右翼部の上縁、第1左翼部の上縁、第2右翼部の上縁、第2左翼部の上縁が水ボトルに深く食い込むのが抑制され、水ボトルの水漏れ等の不具合が生じるのを防止することができる。
【0020】
[構成4]
前記第1中央部には、前記第1中央部の上縁と前記下縁切り欠き溝の底部との間をトラス状に連結する第1トラス壁部が形成され、
前記第2中央部には、前記第2中央部の下縁と前記上縁切り欠き溝の底部との間をトラス状に連結する第2トラス壁部が形成されている、
構成2または3に記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【0021】
この構成を採用すると、満水状態の水ボトルを支持したときの負荷に対する第1中央部および第2中央部の剛性を確保することができる。すなわち、第1鉛直板と第2鉛直板を十字状に交差した状態に組み立て、その第1鉛直板と第2鉛直板で水ボトルを支持したときに、第1中央部と第2中央部には、水ボトルの重量によるモーメント荷重が負荷される。一方、第1鉛直板を構成する第1右翼部、第1中央部、第1左翼部のうち、高さの最も低い第1中央部が、断面積が最も小さくなりやすい部分であり、しかもその第1中央部に下縁切り欠き溝が設けられていることから、第1中央部は、剛性が低くなりやすい。同様に、第2鉛直板を構成する第2右翼部、第2中央部、第2左翼部のうち、高さの最も低い第2中央部が、断面積が最も小さくなりやすい部分であり、しかもその第2中央部に上縁切り欠き溝が設けられていることから、第2中央部は、剛性が低くなりやすい。そのため、第1鉛直板と第2鉛直板を十字状に交差した状態に組み立て、その第1鉛直板と第2鉛直板で満水状態の水ボトルを支持したときに、第1中央部または第2中央部が破損するおそれがある。この問題に対し、第1中央部に、第1中央部の上縁と下縁切り欠き溝の底部との間をトラス状に連結する第1トラス壁部を形成し、第2中央部に、第2中央部の下縁と上縁切り欠き溝の底部との間をトラス状に連結する第2トラス壁部を形成すると、その第1トラス壁部と第2トラス壁部により第1中央部と第2中央部の剛性を効果的に高めることができるので、第1鉛直板と第2鉛直板を十字状に交差した状態に組み立て、その第1鉛直板と第2鉛直板で満水状態の水ボトルを支持したときに、第1中央部または第2中央部が破損するのを防止することができる。
【0022】
[構成5]
前記第1鉛直板と前記第2鉛直板は、分離して対向配置したときの対向部分に、両者を重ね合わせた状態に保持可能な連結手段を有する構成1から4のいずれかに記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【0023】
この構成を採用すると、水ボトルスタンドを使用しないときは、第1鉛直板と第2鉛直板を重ね合わせた状態に連結手段で保持することで、第1鉛直板と第2鉛直板をひとまとめにした状態でコンパクトに収納することが可能となる。
【0024】
[構成6]
前記連結手段は、前記第1鉛直板と前記第2鉛直板のうちの一方の他方との対向部分に形成された対向方向に直交する方向に延びるスライド係合溝と、前記第1鉛直板と前記第2鉛直板のうちの前記他方の前記一方との対向部分に形成され、前記スライド係合溝にスライド可能に係合するスライド係合突起とを有する構成5に記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【0025】
[構成7]
前記第1鉛直板と前記第2鉛直板のうちの少なくとも一方に、水ボトルスタンドを金属面に吸着保持するためのマグネットが組み込まれている構成1から6のいずれかに記載の組み立て式水ボトルスタンド。
【0026】
この構成を採用すると、水ボトルスタンドを使用しないときに、水ボトルスタンドをウォーターサーバーの金属面に貼り付けることができるので、保管が便利である。
【0027】
また、この発明では、上記構成の組み立て式水ボトルスタンドを有する水ボトルスタンド付きウォーターサーバーとして、以下の構成のものを併せて提供する。
【0028】
[構成8]
筐体と、
前記筐体の内部に形成され、交換式の水ボトルを収容するボトル収容空間と、
前記ボトル収容空間から前記水ボトルを出し入れすることができるように前記筐体の前面を開閉する前面扉と、
前記ボトル収容空間の天井を構成する金属製の内天井板と、
構成7に記載の組み立て式水ボトルスタンドと、を有し、
前記水ボトルスタンドを前記内天井板の下面に前記マグネットの磁力で吸着保持した、
水ボトルスタンド付きウォーターサーバー。
【0029】
この構成を採用すると、水ボトルスタンドを使用しないときは、水ボトルスタンドを筐体の内部のボトル収容空間の内天井板の下面に貼り付けて保管することができる。ここで、ボトル収容空間の内天井板の下面に沿った空間はデッドスペースであり、そのデッドスペースを利用して水ボトルスタンドを収容するので、省スペースである。
【0030】
[構成9]
前記筐体の内部に配置される冷水タンクと、
前記冷水タンク内の飲料水を冷却する冷却装置と、を更に有し、
前記冷却装置は、冷媒を圧縮するコンプレッサと、そのコンプレッサから吐出された高温の冷媒と外気との間で熱交換を行なう熱交換器と、その熱交換器を通過した冷媒を減圧して温度を低下させる膨張弁と、その膨張弁を通過した低温の冷媒と前記冷水タンクとの間で熱交換を行なう冷却管とを有し、
前記内天井板は、前記コンプレッサが固定される板である、
構成8に記載の水ボトルスタンド付きウォーターサーバー。
【0031】
この構成を採用すると、コンプレッサを固定するための金属製の内天井板を、マグネットの吸着用として利用するので、マグネットが吸着するための専用の金属板を設ける必要がなく、効率的である。
【発明の効果】
【0032】
この発明の組み立て式水ボトルスタンドは、第2中央部の上縁切り欠き溝に、第1中央部を挿入するとともに、第1中央部の下縁切り欠き溝に、第2中央部を挿入することで、第1鉛直板と第2鉛直板とを十字状に交差した組み立て状態とし、その状態の第1鉛直板および第2鉛直板で水ボトルを受け支えることが可能である。また、水ボトルスタンドを使用しないときは、第1鉛直板と第2鉛直板とが十字状に交差した組み立て状態から、第1中央部を第2中央部の上縁切り欠き溝から抜き出すとともに、第2中央部を第1中央部の下縁切り欠き溝から抜き出すことで、第1鉛直板と第2鉛直板を互いに分離することが可能である。そのため、小型化するのが容易であり、コンパクトに収納することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】この発明の実施形態の組み立て式水ボトルスタンドの斜視図
図2図1の水ボトルスタンドの正面図
図3図2のIII-III線に沿った断面図
図4図1に示す第1鉛直板と第2鉛直板を上下方向にスライドさせた状態を示す斜視図
図5図4に示す第1鉛直板と第2鉛直板を更にスライドさせることで両者を分離した後、上下方向から見て第1鉛直板と第2鉛直板が十字状に交差するように相対回動させた状態を示す斜視図
図6図5に示す第1鉛直板の下縁切り欠き溝に第2鉛直板の第2中央部を挿入するとともに、第2鉛直板の上縁切り欠き溝に第1鉛直板の第1中央部を挿入することで、第1鉛直板と第2鉛直板を十字状に交差した状態に組み立てた状態を示す斜視図
図7図6に示す水ボトルスタンドの上下方向に直交する断面を図3に対応して示す図
図8図6に示す水ボトルスタンドに水ボトルを載せた状態を示す図
図9図1に示す水ボトルスタンドを有する水ボトルスタンド付きウォーターサーバーの正面図
図10図9に示すウォーターサーバーの断面図
図11】従来例の水ボトルスタンドを示す斜視図
図12図11に示す水ボトルスタンドに水ボトルを載せた状態を示す図
図13図11に示す水ボトルスタンドを折り畳んだ状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0034】
図6図8に、この発明の実施形態の組み立て式水ボトルスタンド1(以下、単に「水ボトルスタンド1」という)を示す。この水ボトルスタンド1は、水平面(例えば、床面、机上面など)に鉛直に立てて載置される樹脂製の第1鉛直板2と、水平面に鉛直に立てて載置される樹脂製の第2鉛直板3とを有する。
【0035】
図1に示すように、第1鉛直板2は、下縁を板厚方向に貫通して切り欠いた下縁切り欠き溝4を有する第1中央部5と、第1中央部5に対して板厚方向に直交する方向の一方側(図では右側)に連なる第1右翼部6と、第1中央部5に対して板厚方向に直交する方向の他方側(図では左側)に連なる第1左翼部7とを有する。第1中央部5と第1右翼部6と第1左翼部7は、樹脂で一体に形成されている。
【0036】
第1右翼部6は、第1中央部5から一方側(図では右側)に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁8を有する。第1左翼部7は、第1中央部5から他方側(図では左側)に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁9を有する。第1右翼部6の上縁8と第2左翼部の上縁9は、第1中央部5に向かって次第に低くなるV字状を呈している。第1中央部5の上縁10は、第1右翼部6の上縁8と第1左翼部7の上縁9とを滑らかにつなぐように形成されている。
【0037】
図2に示すように、第1右翼部6の下縁11は、上下方向に直交する下向きの平面をもつ接地部とされている。第1左翼部7の下縁12も、上下方向に直交する下向きの平面をもつ接地部とされている。第1中央部5の下縁は、下縁切り欠き溝4で切り欠かれた開口であり、その開口を介して、第1右翼部6の下縁11と第1左翼部7の下縁12とが同一直線上に並んで配置されている。
【0038】
図4に示すように、第2鉛直板3は、上縁を板厚方向に貫通して切り欠いた上縁切り欠き溝13を有する第2中央部14と、第2中央部14に対して板厚方向に直交する方向の一方側(図では右側)に連なる第2右翼部15と、第2中央部14に対して板厚方向に直交する方向の他方側(図では左側)に連なる第2左翼部16とを有する。第2中央部14と第2右翼部15と第2左翼部16は、樹脂で一体に形成されている。
【0039】
第2右翼部15は、第2中央部14から一方側(図では右側)に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁17を有する。第2左翼部16は、第2中央部14から他方側(図では左側)に離れるに従って高くなるように傾斜する上縁18を有する。第2右翼部15の上縁17と第2左翼部16の上縁18は、第2中央部14に向かって次第に低くなるV字状を呈している。第2中央部14の上縁は、上縁切り欠き溝13で切り欠かれた開口であり、その開口を介して、第2右翼部15の上縁17の最下部と第2左翼部16の上縁18の最下部とが水平に対向している。
【0040】
第2右翼部15の下縁19は、上下方向に直交する下向きの平面をもつ接地部とされている。第2左翼部16の下縁20も、上下方向に直交する下向きの平面をもつ接地部とされている。第2中央部14の下縁21は、第2右翼部15の下縁19と第2左翼部16の下縁20との間を水平に接続する連結部とされている。
【0041】
図1に示すように、第1鉛直板2には、第1右翼部6および第1左翼部7を板厚方向に凹ませた第1肉盗み凹部22が形成されている。図1図3に示すように、第1肉盗み凹部22は、下縁切り欠き溝4の板厚方向の端部の開口縁23と、第1右翼部6の上縁8と、第1右翼部6の下縁11と、第1右翼部6の側縁24と、第1左翼部7の上縁9と、第1左翼部7の下縁12と、第1左翼部7の側縁25とを残して、第1右翼部6および第1左翼部7を板厚方向の両側から凹ませた形状の部分である。ここで、下縁切り欠き溝4の板厚方向の端部の開口縁23、第1右翼部6の上縁8、第1右翼部6の下縁11、第1右翼部6の側縁24、第1左翼部7の上縁9、第1左翼部7の下縁12、第1左翼部7の側縁25は、それぞれ、第1肉盗み凹部22の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成されている。
【0042】
図1に示すように、第1中央部5には、第1中央部5の上縁10と下縁切り欠き溝4の底部との間をトラス状に連結する第1トラス壁部26が形成されている。第1トラス壁部26は、板厚方向に延びる複数の平面壁を、複数の三角形を組み合わせたトラス形状を呈するように連結して形成した構造を有する。第1トラス壁部26の板厚方向の厚さ寸法は、第2鉛直板3の上縁切り欠き溝13の幅寸法に対応して設定され、図5図6に示すように、第1鉛直板2と第2鉛直板3を十字状に交差させた状態で、第1トラス壁部26の板厚方向の両端を、第2鉛直板3の上縁切り欠き溝13の内面に嵌合させることが可能となっている。
【0043】
図4に示すように、第2鉛直板3には、第2右翼部15および第2左翼部16を板厚方向に凹ませた第2肉盗み凹部27が形成されている。図3図4に示すように、第2肉盗み凹部27は、上縁切り欠き溝13の板厚方向の端部の開口縁28と、第2右翼部15の上縁17と、第2右翼部15の下縁19と、第2右翼部15の側縁29と、第2左翼部16の上縁18と、第2左翼部16の下縁20と、第2左翼部16の側縁30とを残して、第2右翼部15および第2左翼部16を板厚方向の両側から凹ませた形状の部分である。ここで、上縁切り欠き溝13の板厚方向の端部の開口縁28、第2右翼部15の上縁17、第2右翼部15の下縁19、第2右翼部15の側縁29、第2左翼部16の上縁18、第2左翼部16の下縁20、第2左翼部16の側縁30は、それぞれ、第2肉盗み凹部27の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成されている。
【0044】
図4に示すように、第2中央部14には、第2中央部14の下縁21と上縁切り欠き溝13の底部との間をトラス状に連結する第2トラス壁部31が形成されている。第2トラス壁部31は、板厚方向に延びる複数の平面壁を、複数の三角形を組み合わせたトラス形状を呈するように連結して形成した構造を有する。第2トラス壁部31の板厚方向の厚さ寸法は、第1鉛直板2の下縁切り欠き溝4の幅寸法に対応して設定され、図5図7に示すように、第2鉛直板3と第1鉛直板2を十字状に交差させた状態で、第2トラス壁部31の板厚方向の両端を、第1鉛直板2の下縁切り欠き溝4の内面に嵌合させることが可能となっている。
【0045】
図4に示すように、第1鉛直板2と第2鉛直板3は、分離して対向配置したときの対向部分に、両者を重ね合わせた状態に保持可能な連結手段32を有する。
【0046】
図3に示すように、連結手段32は、第1鉛直板2の第2鉛直板3との対向部分に形成されたスライド係合溝33と、第2鉛直板3の第1鉛直板2との対向部分に形成され、スライド係合溝33にスライド可能に係合するスライド係合突起34とを有する。スライド係合溝33は、第1右翼部6の側縁24と第1左翼部7の側縁25とに沿って上下方向に延びる溝である。スライド係合突起34は、第2右翼部15の側縁29と第2左翼部16の側縁30に沿って上下方向に延びる突起である。スライド係合突起34とスライド係合溝33は、スライド係合突起34をスライド係合溝33に挿入したときに互いに係合することで、第1鉛直板2と第2鉛直板3の板厚方向の相対移動を規制する断面形状を有する。スライド係合溝33は、第1鉛直板2と第2鉛直板3の対向方向に直交する方向(この実施形態では上下方向。図では紙面に直交する方向)に延びている。
【0047】
図2図3に示すように、第1鉛直板2には、第2鉛直板3との合わせ面とは反対側(図3の下側)の面を金属面(例えば図10に示す金属製の内天井板71の下面)に吸着保持することができるようにマグネット35が組み込まれている。同様に、第2鉛直板3にも、第1鉛直板2との合わせ面とは反対側(図3の上側)の面を金属面に吸着保持することができるようにマグネット35が組み込まれている。マグネット35は、例えば、ネオジム磁石である。
【0048】
図5に示すように、第1鉛直板2と第2鉛直板3は、上縁切り欠き溝13に第1中央部5を挿入するとともに下縁切り欠き溝4に第2中央部14を挿入することで、図6に示すように、十字状に交差した状態に組み立て可能となっている。この組み立て状態で、第1右翼部6の上縁8と第1左翼部7の上縁9と第2右翼部15の上縁17と第2左翼部16の上縁18は、図8に示すように、ウォーターサーバー用の水ボトル40を受け支えるボトル嵌合凹部36を形成している。
【0049】
図8において、水ボトル40は、胴部41とその胴部41の一端に肩部42を介して設けられた首部43とその首部43の先端に取り付けられたキャップ44とを有する。水ボトル40の胴部41は、残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成されている。水ボトル40は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂やポリエチレン(PE)樹脂のブロー成形によって形成することができる。水ボトル40は、未使用の満水状態で8~18リットルの範囲で予め設定された所定量の飲料水が充填されている。水ボトル40のキャップ44には、手動で開閉可能な専用の蛇口45が着脱可能に取り付けられている。
【0050】
図6図8に示すように、水ボトル40の胴部41は、第1鉛直板2の第1右翼部6の上縁8と、第2鉛直板3の第2左翼部16の上縁18とで支持され、水ボトル40の肩部42は、第2鉛直板3の第2右翼部15の上縁17と、第1鉛直板2の第1左翼部7の上縁9とで支持されている。水ボトル40の首部43は、第1鉛直板2の第1左翼部7と、第2鉛直板3の第2右翼部15とで挟まれる角度領域を斜め下向きに延びるように配置されている。
【0051】
図9図10に、この水ボトルスタンド1を収納した水ボトルスタンド付きウォーターサーバーを示す。このウォーターサーバーは、筐体50と、筐体50の内部に配置される冷水タンク51(図10参照)と、冷水タンク51内の低温の飲料水を筐体50の外部に注出する冷水注出口52(図9参照)と、筐体50の内部に配置される温水タンク53(図10参照)と、温水タンク53内の高温の飲料水を筐体50の外部に注出する温水注出口54とを有する。
【0052】
図10に示すように、筐体50は、左右に対向する一対の側板55と、一対の側板55の上端に固定された天板56と、一対の側板55の下端に固定された底板57と、一対の側板55の前端同士を連結する前面パネル58と、一対の側板55の後端同士を連結する背面板59とを有する。
【0053】
筐体50の内部には、交換式の水ボトル40を収容するボトル収容空間60が形成されている。また、筐体50の内部には、水ボトル40を載置するボトル受け61が設けられている。ボトル受け61は、底板57に設けたスライダ62で前後方向(図では左右方向)に移動可能に支持されている。筐体50の前面下部には、水ボトル40をボトル収容空間60から出し入れすることができるように筐体50の前面を開閉する前面扉63が設けられている。
【0054】
筐体50の内部には、ボトル受け61に載置した水ボトル40から冷水タンク51および温水タンク53に水を汲み上げるポンプ64が組み込まれている。水ボトル40と冷水タンク51の間は、ポンプ64を介して原水汲み上げ管(図示せず)で接続されている。
【0055】
冷水タンク51には、冷水タンク51内の飲料水を冷却する冷却装置65が取り付けられている。冷水タンク51内の飲料水は、冷却装置65によって所定の低温(例えば10℃以下)に保たれる。冷却装置65は、コンプレッサ66と熱交換器67と膨張弁68と冷却管69とを有する。コンプレッサ66と熱交換器67と膨張弁68と冷却管69は、順に冷媒が通過して循環するように冷媒用の配管70で接続されている。
【0056】
コンプレッサ66は、内天井板71の上面に固定されている。内天井板71は、ボトル収容空間60の天井を構成する板である。内天井板71は、強磁性の金属(鉄)で形成され、筐体50の内部に水平に固定されている。内天井板71の下面には、水ボトルスタンド1がマグネット35の磁力で吸着保持されている。
【0057】
コンプレッサ66は、冷却管69から冷媒を吸引し、その冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させ、高温高圧となった冷媒を熱交換器67の側に吐出する。熱交換器67は、コンプレッサ66から吐出された冷媒が流れる管路を筐体50の背面に沿って蛇行して配置した網板状の部材であり、コンプレッサ66から吐出された高温の冷媒と外気との間で熱交換を行なうことで冷媒を冷却し、凝縮させる。膨張弁68は、熱交換器67を通過した冷媒を受け入れ、その冷媒を減圧して温度を低下させる。冷却管69は、膨張弁68で低温低圧になった冷媒を受け入れ、その冷媒と冷水タンク51の間で熱交換を行なう。冷却管69は、冷水タンク51の外周に螺旋状に巻き付けられている。冷却管69は、冷水タンク51の内部を通るように冷水タンク51の壁面を貫通して設けてもよい。
【0058】
温水タンク53には、温水タンク53内の飲料水を加熱する加熱装置72が取り付けられている。温水タンク53内の飲料水は、加熱装置72によって所定の高温(例えば80℃以上)に保たれる。
【0059】
冷水注出口52と冷水タンク51は、冷水注出管73を介して接続されており、冷水注出口52を開放することで、冷水タンク51内の低温の飲料水が、冷水注出管73を通って冷水注出口52から注出されるようになっている。温水注出口54(図9参照)と温水タンク53は、温水注出管74を介して接続されており、温水注出口54を開放することで、温水タンク53内の高温の飲料水が、温水注出管74を通って温水注出口54から注出されるようになっている。
【0060】
このウォーターサーバーのユーザーは、ウォーターサーバーにセットして使用中の水ボトル40とは別に、満水状態の予備の水ボトル40を常時ストックしておくことで、大地震などの災害時に水道水の供給が停止した場合であっても、予備の水ボトル40の水を利用し、飲料水を確保することが可能である。
【0061】
すなわち、大地震などの災害時に水道水の供給が停止した場合、ウォーターサーバーのユーザーは、図10に示す前面扉63を開き、内天井板71の下面にマグネット35で吸着保持された水ボトルスタンド1を筐体50の内部から取り出し、その水ボトルスタンド1を、図1に示すように、第1鉛直板2と第2鉛直板3を重ね合わせた状態から、図4に示すように、第1鉛直板2と第2鉛直板3を板厚方向に直交する方向(ここでは上下方向)に互いにスライドさせることで、スライド係合突起34をスライド係合溝33から抜き出し、第1鉛直板2と第2鉛直板3を互いに分離する。次に、図5図6に示すように、第2中央部14の上縁切り欠き溝13に、第1中央部5を挿入するとともに、第1中央部5の下縁切り欠き溝4に、第2中央部14を挿入することで、第1鉛直板2と第2鉛直板3とを十字状に交差した組み立て状態とし、その状態の第1鉛直板2および第2鉛直板3を水平面(床面、机上面など)に載置する。そして、図8に示すように、水ボトル40の首部43を斜め下向きにした状態で、第1鉛直板2および第2鉛直板3の上側の縁で形成されるボトル嵌合凹部36に、水ボトル40の胴部41と肩部42とを載せる。そして、首部43の先端のキャップ44に蛇口45を取り付け、その蛇口45を開くことで、水ボトル40からコップ等の容器に水を注出することが可能である。
【0062】
また、この水ボトルスタンド1を使用すると、災害時だけでなく、キャンプやバーベキューなどのアウトドアにおいても、ウォーターサーバー用の水ボトル40の水を注出して利用することが可能である。
【0063】
この水ボトルスタンド1は、図5図6に示すように、第2中央部14の上縁切り欠き溝13に、第1中央部5を挿入するとともに、第1中央部5の下縁切り欠き溝4に、第2中央部14を挿入することで、第1鉛直板2と第2鉛直板3とを十字状に交差した組み立て状態とし、図8に示すように、その状態の第1鉛直板2および第2鉛直板3で水ボトル40を受け支えることが可能である。また、水ボトルスタンド1を使用しないときは、図6に示すように、第1鉛直板2と第2鉛直板3とが十字状に交差した組み立て状態から、図5に示すように、第1中央部5を第2中央部14の上縁切り欠き溝13から抜き出すとともに、第2中央部14を第1中央部5の下縁切り欠き溝4から抜き出すことで、第1鉛直板2と第2鉛直板3を互いに分離することが可能である。そのため、図1に示すように、小型化するのが容易であり、コンパクトに収納することが可能である。
【0064】
また、この水ボトルスタンド1は、図5に示すように、下縁切り欠き溝4の端部の開口縁23が、第1肉盗み凹部22の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成され、上縁切り欠き溝13の端部の開口縁28も、第2肉盗み凹部27の底面から板厚方向に突出するフランジ状に形成されているので、図8に示すように、残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成された水ボトル40を、安定して支持することが可能である。
【0065】
すなわち、図8に示すように、第1鉛直板2と第2鉛直板3とを十字状に交差した組み立て状態とし、その状態の第1鉛直板2および第2鉛直板3で水ボトル40を支持したときに、水ボトル40の残水量が減少して水ボトル40が収縮変形すると、水ボトル40の収縮変形に伴って第1鉛直板2と第2鉛直板3とが相対回動し、第1鉛直板2と第2鉛直板3の十字の交差角度が変化するおそれがある。そして、第1鉛直板2と第2鉛直板3の十字の交差角度が変化すると、第1鉛直板2および第2鉛直板3による水ボトル40の支持が不安定になり、最悪の場合、第1鉛直板2および第2鉛直板3から水ボトル40が落下するおそれがある。この問題に対し、上記実施形態では、図5に示すように、下縁切り欠き溝4の板厚方向の端部の開口縁23を板厚方向に突出するフランジ状に形成するとともに、上縁切り欠き溝13の板厚方向の端部の開口縁28も板厚方向に突出するフランジ状に形成しているので、図6に示すように、第1鉛直板2と第2鉛直板3とを十字状に交差した組み立て状態としたときに、第1鉛直板2と第2鉛直板3の相対回動が、図5に示す下縁切り欠き溝4の板厚方向の端部のフランジ状の開口縁23と、上縁切り欠き溝13の板厚方向の端部のフランジ状の開口縁28とで阻止することができる。そのため、図8に示す水ボトル40の収縮変形に伴って第1鉛直板2と第2鉛直板3の十字の交差角度が変化するのを防止することができ、安定して水ボトル40を支持することが可能である。また、図6に示すように、第1肉盗み凹部22と第2肉盗み凹部27の分、第1鉛直板2と第2鉛直板3を形成する樹脂の体積を抑え、水ボトルスタンド1の重量を抑えることが可能となっている。
【0066】
また、この水ボトルスタンド1は、図6に示すように、第1右翼部6の上縁8と第1左翼部7の上縁9が板厚方向に突出するフランジ状に形成され、第2右翼部15の上縁17と第2左翼部16の上縁18も板厚方向に突出するフランジ状に形成されているので、水ボトル40(図8参照)を第1右翼部6の上縁8、第1左翼部7の上縁9、第2右翼部15の上縁17、第2左翼部16の上縁18で支持したときに、その水ボトル40に対する第1右翼部6の上縁8、第1左翼部7の上縁9、第2右翼部15の上縁17、第2左翼部16の上縁18の接触面積を広いものとすることができる。そのため、水ボトル40(図8参照)を支持したときに、水ボトル40の重量によって第1右翼部6の上縁8、第1左翼部7の上縁9、第2右翼部15の上縁17、第2左翼部16の上縁18が水ボトル40に深く食い込むのが抑制され、水ボトル40の水漏れ等の不具合が生じるのを防止することができる。
【0067】
また、この水ボトルスタンド1は、図5に示すように、第1中央部5の上縁10と下縁切り欠き溝4の底部との間をトラス状に連結する第1トラス壁部26を第1中央部5に形成し、第2中央部14の下縁21と上縁切り欠き溝13の底部との間をトラス状に連結する第2トラス壁部31を第2中央部14に形成しているので、図8に示すように、満水状態の水ボトル40を支持したときの負荷に対する第1中央部5および第2中央部14の剛性を確保することが可能である。
【0068】
すなわち、図5図6に示すように、第1鉛直板2と第2鉛直板3を十字状に交差した状態に組み立て、図8に示すように、その第1鉛直板2と第2鉛直板3で水ボトル40を支持したときに、図5に示す第1中央部5と第2中央部14には、水ボトル40の重量によるモーメント荷重が負荷される。一方、図5に示すように、第1鉛直板2を構成する第1右翼部6、第1中央部5、第1左翼部7のうち、高さの最も低い第1中央部5が、断面積が最も小さくなりやすい部分であり、しかもその第1中央部5に下縁切り欠き溝4が設けられていることから、第1中央部5は、剛性が低くなりやすい。同様に、第2鉛直板3を構成する第2右翼部15、第2中央部14、第2左翼部16のうち、高さの最も低い第2中央部14が、断面積が最も小さくなりやすい部分であり、しかもその第2中央部14に上縁切り欠き溝13が設けられていることから、第2中央部14は、剛性が低くなりやすい。そのため、第1鉛直板2と第2鉛直板3を十字状に交差した状態に組み立て、その第1鉛直板2と第2鉛直板3で満水状態の水ボトル40を支持したときに、第1中央部5または第2中央部14が破損するおそれがある。この問題に対し、図5に示すように、第1中央部5に、第1中央部5の上縁10と下縁切り欠き溝4の底部との間をトラス状に連結する第1トラス壁部26を形成し、第2中央部14に、第2中央部14の下縁21と上縁切り欠き溝13の底部との間をトラス状に連結する第2トラス壁部31を形成すると、その第1トラス壁部26と第2トラス壁部31により第1中央部5と第2中央部14の剛性を効果的に高めることができるので、第1鉛直板2と第2鉛直板3を十字状に交差した状態に組み立て、その第1鉛直板2と第2鉛直板3で満水状態の水ボトル40を支持したときに、第1中央部5または第2中央部14が破損するのを防止することができる。
【0069】
また、この水ボトルスタンド1は、第1鉛直板2と第2鉛直板3を分離して対向配置したときの対向部分に、両者を重ね合わせた状態に保持可能な連結手段32(スライド係合溝33およびスライド係合突起34)を有するので、図1図4に示すように、水ボトルスタンド1を使用しないときは、第1鉛直板2と第2鉛直板3を重ね合わせた状態に連結手段32で保持することで、第1鉛直板2と第2鉛直板3をひとまとめにした状態でコンパクトに収納することが可能である。
【0070】
また、この水ボトルスタンド1は、図3に示すように、第1鉛直板2と第2鉛直板3にマグネット35が組み込まれているので、図10に示すように、水ボトルスタンド1を使用しないときに、水ボトルスタンド1をウォーターサーバーの金属面に貼り付けることができ、保管が便利である。
【0071】
また、図9図10に示すウォーターサーバーは、水ボトルスタンド1の不使用時に、水ボトルスタンド1をウォーターサーバーの筐体50の内部のボトル収容空間60の内天井板71の下面に貼り付けて保管することができる。ここで、ボトル収容空間60の内天井板71の下面に沿った空間はデッドスペースであり、そのデッドスペースを利用して水ボトルスタンド1を収容するので、省スペースである。しかも、コンプレッサ66を固定するための金属製の内天井板71を、マグネット35の吸着用として利用しているので、マグネット35が吸着するための専用の金属板を設ける必要がなく、効率的である。
【符号の説明】
【0072】
1 水ボトルスタンド
2 第1鉛直板
3 第2鉛直板
4 下縁切り欠き溝
5 第1中央部
6 第1右翼部
7 第1左翼部
8,9,10 上縁
13 上縁切り欠き溝
14 第2中央部
15 第2右翼部
16 第2左翼部
17,18 上縁
21 下縁
22 第1肉盗み凹部
23 開口縁
26 第1トラス壁部
27 第2肉盗み凹部
28 開口縁
31 第2トラス壁部
32 連結手段
33 スライド係合溝
34 スライド係合突起
35 マグネット
36 ボトル嵌合凹部
40 水ボトル
50 筐体
51 冷水タンク
60 ボトル収容空間
63 前面扉
65 冷却装置
66 コンプレッサ
67 熱交換器
68 膨張弁
69 冷却管
71 内天井板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13