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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170773
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】薬剤分包装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20241204BHJP
   B65B 1/30 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
B65B1/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087482
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福見 泰
【テーマコード(参考)】
3E118
4C047
【Fターム(参考)】
3E118AA07
3E118AB07
3E118CA18
3E118EA05
3E118FA01
3E118FA07
4C047JJ03
4C047JJ06
4C047JJ13
4C047JJ23
4C047JJ25
4C047JJ26
4C047JJ28
4C047JJ31
4C047JJ40
(57)【要約】
【課題】薬剤を分包するための所要時間を短縮する。
【解決手段】制御装置ユニットには、薬剤分包装置に分包動作を開始させる分包指示より前に、薬剤の分包情報を有する分包情報信号、および、薬剤補充部による薬剤の補充を開始させる補充指示が入力される。制御装置ユニットは、上記分包指示が入力される前に、上記補充指示に基づいて、上記分包情報に応じて薬剤を供給する薬剤供給装置の薬剤供給部に対する薬剤補充部による薬剤の補充を開始させ、かつ、薬剤補充部による薬剤の補充後に薬剤供給部を駆動させて薬剤受け位置から搬送されて先頭に位置する薬剤が排出部に到達する前に薬剤供給部の駆動を停止させる。
【選択図】図48
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を分包する薬剤分包装置であって、
前記薬剤を供給する複数の薬剤供給装置を有し、前記複数の薬剤供給装置の中から選択された薬剤供給装置から前記薬剤を一包分ずつ供給する薬剤供給装置ユニットと、
前記薬剤供給装置ユニットから供給された前記薬剤を一包分ずつ包装する薬剤包装装置ユニットと、
前記薬剤供給装置ユニットおよび前記薬剤包装装置ユニットの各々を制御する制御装置ユニットとを備え、
前記複数の薬剤供給装置のうちの少なくとも1つの薬剤供給装置は、
補充された前記薬剤を受ける薬剤受け位置を有し、該薬剤受け位置から前記薬剤を整列させつつ搬送し、排出部から前記薬剤を先頭から順に1つずつ排出して供給する薬剤供給部と、
前記薬剤受け位置に前記薬剤を補充する薬剤補充部とを含み、
前記制御装置ユニットには、前記薬剤分包装置に分包動作を開始させる分包指示より前に、前記薬剤の分包情報を有する分包情報信号、および、前記薬剤補充部による前記薬剤の補充を開始させる補充指示が入力され、
前記制御装置ユニットは、前記分包指示が入力される前に、前記補充指示に基づいて、前記分包情報に応じて前記薬剤を供給する薬剤供給装置の前記薬剤供給部に対する前記薬剤補充部による前記薬剤の補充を開始させ、かつ、前記薬剤補充部による前記薬剤の補充後に前記薬剤供給部を駆動させて前記薬剤受け位置から搬送されて先頭に位置する薬剤が前記排出部に到達する前に前記薬剤供給部の駆動を停止させる、薬剤分包装置。
【請求項2】
前記制御装置ユニットは、前記薬剤供給部が前記薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からの経過時間を把握可能に構成されており、かつ、前記経過時間に応じて、前記薬剤供給部を駆動させるモータの回転速度を加速させる、請求項1に記載の薬剤分包装置。
【請求項3】
前記制御装置ユニットは、前記排出部から排出されて供給された薬剤の前記駆動開始時点から該薬剤が排出されて供給されるまでの所要時間を把握可能に構成されており、かつ、前記所要時間に応じて、次の薬剤を供給するために前記薬剤供給部を駆動させるときの前記モータの回転速度を段階的に変化させる、請求項2に記載の薬剤分包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤分包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤分包装置の構成を開示した先行文献として、国際公開第2016/013553号(特許文献1)がある。特許文献1に記載された薬剤分包装置は、自動薬剤供給部、手撒き薬剤供給部、薬剤分包部および制御装置を備える。自動薬剤供給部には、薬剤供給装置が取り外し可能に装着されている。薬剤供給装置は、第1回転体と第2回転体とガイド部材とを含む薬剤払出部を備える。第1回転体は、水平面に対して傾斜した状態で回転可能に配置される円形面を有する。第2回転体は、第1回転体の外周側に回転可能に配置され、上記水平面上に配置される環状面を有する。ガイド部材は、第1回転体の円形面の上方に配置され、上記円形面に対して径方向に延び、かつ、径方向外側に向かうに従って第1回転体の回転方向下流側に位置し、第1回転体の回転により第1回転体上に載置された薬剤が当接可能となるガイド面を有する。薬剤供給装置は、薬剤払出部に薬剤を補充する薬剤補充部をさらに備える。薬剤補充部は、薬剤払出部での薬剤の補充状況に基づいて薬剤を補充可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/013553号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤分包装置には、薬剤を分包するための所要時間を短縮することが求められている。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、薬剤を分包するための所要時間を短縮することができる、薬剤分包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に基づく薬剤分包装置は、薬剤を分包する薬剤分包装置である。薬剤分包装置は、薬剤供給装置ユニットと、薬剤包装装置ユニットと、制御装置ユニットとを備える。薬剤供給装置ユニットは、薬剤を供給する複数の薬剤供給装置を有し、複数の薬剤供給装置の中から選択された薬剤供給装置から薬剤を一包分ずつ供給する。薬剤包装装置ユニットは、薬剤供給装置ユニットから供給された薬剤を一包分ずつ包装する。制御装置ユニットは、薬剤供給装置ユニットおよび薬剤包装装置ユニットの各々を制御する。複数の薬剤供給装置のうちの少なくとも1つの薬剤供給装置は、薬剤供給部と薬剤補充部とを含む。薬剤供給部は、補充された薬剤を受ける薬剤受け位置を有し、薬剤受け位置から薬剤を整列させつつ搬送し、排出部から薬剤を先頭から順に1つずつ排出して供給する。薬剤補充部は、薬剤受け位置に薬剤を補充する。制御装置ユニットには、薬剤分包装置に分包動作を開始させる分包指示より前に、薬剤の分包情報を有する分包情報信号、および、薬剤補充部による薬剤の補充を開始させる補充指示が入力される。制御装置ユニットは、上記分包指示が入力される前に、上記補充指示に基づいて、上記分包情報に応じて薬剤を供給する薬剤供給装置の薬剤供給部に対する薬剤補充部による薬剤の補充を開始させ、かつ、薬剤補充部による薬剤の補充後に薬剤供給部を駆動させて薬剤受け位置から搬送されて先頭に位置する薬剤が排出部に到達する前に薬剤供給部の駆動を停止させる。
【0006】
本発明の一形態においては、制御装置ユニットは、薬剤供給部が薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からの経過時間を把握可能に構成されており、かつ、上記経過時間に応じて、薬剤供給部を駆動させるモータの回転速度を加速させる。
【0007】
本発明の一形態においては、制御装置ユニットは、排出部から排出されて供給された薬剤の駆動開始時点からこの薬剤が排出されて供給されるまでの所要時間を把握可能に構成されており、かつ、上記所要時間に応じて、次の薬剤を供給するために薬剤供給部を駆動させるときのモータの回転速度を段階的に変化させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、薬剤を分包するための所要時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置の外観を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置の構成を示す縦断面図である。
図3図2の薬剤分包装置を矢印III方向から見た平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置の構成を示す正面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部の構成を示す斜視図である。
図6図5の薬剤供給部を矢印VI方向から見た平面図である。
図7図5の薬剤供給部を矢印VII方向から見た斜視図である。
図8図5の薬剤供給部を矢印VIII方向から見た図である。
図9図5の薬剤供給部を矢印IX方向から見た図である。
図10】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部が含む回転体の構成を示す側面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部に含まれる蓋部材の外観を示す斜視図である。
図12図11の蓋部材を矢印XII方向から見た図である。
図13図12の蓋部材を矢印XIII方向から見た図である。
図14図13の蓋部材を矢印XIV方向から見た図である。
図15図13の蓋部材を矢印XV方向から見た図である。
図16】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部に含まれる開閉部材の外観を示す斜視図である。
図17図16の開閉部材を矢印XVII方向から見た図である。
図18】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部において、開閉部が上方に回動して排出部が開いた状態を示す斜視図である。
図19】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器の構成を示す斜視図である。
図20】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、外蓋を取り外した状態を示す斜視図である。
図21】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、蓋部を取り外した状態を示す斜視図である。
図22】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、蓋部を取り外した状態を示す側面図である。
図23】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、蓋部を取り外した状態を示す平面図である。
図24】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、蓋部を取り外した状態を示す底面図である。
図25】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、蓋部を取り外した状態を示す縦断面図である。
図26】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器の開口部側の形状を示す部分斜視図である。
図27】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるベース部の構成を示す部分斜視図である。
図28】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるベース部の構成を示す部分背面図である。
図29】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部が、ベース部に装着された状態を示す部分斜視図である。
図30】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるベース部に薬剤供給部および薬剤収容容器の各々が取り付けられた状態において、ベース部の一部のカバーを取り外した状態を示す正面図である。
図31】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置から、薬剤収容容器およびベース部の一部のカバーを取り外した状態を示す正面側斜視図である。
図32】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置からベース部の他の一部のカバーを取り外した状態を示す背面側斜視図である。
図33】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置の接続系統を示すブロック図である。
図34】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置の接続系統を示すブロック図である。
図35】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が処方情報に応じて動作する際のタイムチャートである。
図36】処方情報および分包情報を説明するための図である。
図37】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が備える操作パネルに表示される処方画面の初期画面を示す図である。
図38】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が備える操作パネルに処方情報および分包情報が入力された際に表示される処方画面を示す図である。
図39】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が備える操作パネルに表示される選択画面の初期画面を示す図である。
図40】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が備える操作パネルに表示される充填指示画面を示す図である。
図41】第1薬剤供給装置Aへの薬剤M1の割り当てが完了した状態において操作パネルに表示される選択画面を示す図である。
図42】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が備える操作パネルに表示される配分画面を示す図面である。
図43】第1薬剤供給装置Aから薬剤M4の供給が完了した後に、処方情報および分包情報が入力された操作パネルに表示される選択画面の初期画面を示す図である。
図44】第1薬剤供給装置Aから薬剤M1の供給が完了した後に、処方情報および分包情報が入力された操作パネルに表示される選択画面の初期画面を示す図である。
図45】清掃待ち選択領域R2を選択する選択操作がされた際に操作パネルに表示される充填指示画面を示す図である。
図46】読取部によって識別コードが読み取られる前の状態において操作パネルに表示される充填指示画面を示す図である。
図47】本発明の一実施形態の第1変形例に係る薬剤分包装置が処方情報に応じて動作する際のタイムチャートである。
図48】本発明の一実施形態の第1変形例に係る薬剤分包装置において、主制御部から補充指示が入力された薬剤供給装置の制御部における動作を説明するフローチャートである。
図49】主制御部から一処方における薬剤の必要数を入力された薬剤供給装置の制御部における動作を説明するフローチャートである。
図50】主制御部から一包における薬剤の必要数および供給指示を入力された薬剤供給装置の制御部における動作を説明するフローチャートである。
図51】薬剤供給部によって薬剤を供給する際の制御部における動作を説明するフローチャートである。
図52】薬剤供給部によって薬剤を供給する際の制御部における動作の図51の参照1から参照3までの工程を説明するフローチャートである。
図53】薬剤供給部によって薬剤を供給する際の制御部における動作の図51の参照2から参照3までの工程を説明するフローチャートである。
図54】薬剤供給部によって薬剤を供給する際の制御部における動作の図53の参照4から参照3までの工程を説明するフローチャートである。
図55】薬剤供給部によって供給された薬剤を計数する際の制御部における動作を説明するフローチャートである。
図56】本発明の一実施形態の第2変形例に係る薬剤分包装置が処方情報に応じて動作する際のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さない。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置の構成を示す縦断面図である。図3は、図2の薬剤分包装置を矢印III方向から見た平面図である。なお、図1においては、筐体の扉が開いた状態、かつ、手まきカセットが筐体の前側にスライド移動した状態を図示している。図3においては、薬剤分包装置の天井部を透視して図示している。
【0012】
図1図3に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置400は、薬剤供給装置ユニットと、筐体410と、回転ドラム420と、ホッパ430と、薬剤包装装置ユニット440とを備えている。薬剤分包装置400は、後述する制御装置ユニットをさらに備える。
【0013】
薬剤供給装置ユニットは、薬剤を供給する複数の薬剤供給装置を有している。具体的には、薬剤供給装置ユニットは、複数の第1薬剤供給装置10と、複数の第2薬剤供給装置20と、第3薬剤供給装置30とを有している。複数の第1薬剤供給装置10および第3薬剤供給装置30の各々は、任意の種類の薬剤を供給可能に構成されている。
【0014】
複数の第2薬剤供給装置20の各々は、複数の薬剤を収容しており、必要数の薬剤を供給可能に構成されている。第2薬剤供給装置20は、自動薬剤供給カセットである。第3薬剤供給装置30は、手まき薬剤供給カセットである。手まき薬剤供給カセットは、マトリクス状に配置された区画室を有し、各区画室に一包分の薬剤が収容される。
【0015】
複数の第1薬剤供給装置10の各々は、複数の第2薬剤供給装置20のうちの薬剤が空になった第2薬剤供給装置20の代わりに、当該薬剤を供給することができる。また、複数の第1薬剤供給装置10の各々は、複数の第2薬剤供給装置20の各々に収容されている薬剤とは異なる他の薬剤を供給することができる。
【0016】
薬剤供給装置ユニットは、複数の薬剤供給装置の中から選択された薬剤供給装置から薬剤を一包分ずつ供給する。薬剤包装装置ユニット440は、薬剤供給装置ユニットから供給された薬剤を一包分ずつ包装する。制御装置ユニットは、薬剤供給装置ユニットおよび薬剤包装装置ユニットの各々を制御する。
【0017】
筐体410は、薬剤供給装置ユニットと、回転ドラム420と、ホッパ430と、薬剤包装装置ユニット440とを収容している。筐体410は、開閉可能な扉を有している。筐体410の正面に、操作パネル50が設けられている。
【0018】
図2および図3に示すように、回転ドラム420は、筐体410内において、軸線4まわりに回転可能に支持されている。回転ドラム420には、複数の第1薬剤供給装置10および複数の第2薬剤供給装置20が取り付けられる。すなわち、第1薬剤供給装置10は、移動可能な状態で筐体410内に収容されている。
【0019】
図2に示すように、回転ドラム420には、薬剤搬送路421が設けられている。薬剤搬送路421は、ホッパ430の上方に位置している。図3に示すように、回転ドラム420の外周側に、第1薬剤供給装置10および第2薬剤供給装置20が環状に並んで配置されている。図2に示すように、第1薬剤供給装置10および第2薬剤供給装置20の各々は、上下方向に並んで配置されている。第1薬剤供給装置10および第2薬剤供給装置20の各々は、薬剤搬送路421と接続されている。第1薬剤供給装置10および第2薬剤供給装置20の各々から供給された薬剤は、薬剤搬送路421を通過してホッパ430内に投入される。第3薬剤供給装置30から供給された薬剤は、ホッパ430内に投入される。ホッパ430内に投入された薬剤は、薬剤包装装置ユニット440にて包装される。
【0020】
なお、薬剤分包装置400の構成は、上記に限られない。たとえば、第1薬剤供給装置10および第2薬剤供給装置20の各々が、回転ドラム420の代わりにスライド可能なラックに取り付けられていてもよい。この場合、ラックを筐体410の外側に引き出すことにより、第1薬剤供給装置10および第2薬剤供給装置20の各々を筐体410の外側に移動させることができる。なお、ラックのスライド方向は、筐体410の前後方向でもよいし、筐体410の左右方向でもよい。また、筐体410の扉が観音開きする構造であってもよい。
【0021】
次に、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置について図を参照して説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置の構成を示す正面図である。図4に示すように、本発明の一実施形態に係る第1薬剤供給装置10は、薬剤供給部である薬剤供給モジュール100と薬剤補充部12とを含む。第1薬剤供給装置10は、ベース部200をさらに含む。ベース部200の正面には、表示部250および停止スイッチ238が設けられている。薬剤補充部12は、薬剤を収容する薬剤収容容器300を含む。薬剤供給モジュール100および薬剤収容容器300の各々は、別々にベース部200に着脱可能である。
【0022】
図5は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部の構成を示す斜視図である。図6は、図5の薬剤供給部を矢印VI方向から見た平面図である。図7は、図5の薬剤供給部を矢印VII方向から見た斜視図である。図8は、図5の薬剤供給部を矢印VIII方向から見た図である。図9は、図5の薬剤供給部を矢印IX方向から見た図である。
【0023】
図6および図7においては、後述する蓋部を透視して図示している。図8においては、後述する蓋部材および開閉部材を図示していない。図9においては、蓋部を透視して図示しており、後述する支持部を図示していない。
【0024】
図5図9に示すように、本発明の一実施形態に係る第1薬剤供給装置10が備える薬剤供給部である薬剤供給モジュール100は、回転体110と、周壁部と、排出部131とを備える。本実施形態においては、薬剤供給モジュール100は、支持部150、蓋部126および開閉部141をさらに備える。後述するように、薬剤供給モジュール100は、補充された薬剤を受ける薬剤受け位置および排出部131を有し、薬剤受け位置から排出部131に向けて薬剤を一列に整列させつつ搬送し、排出部131から薬剤を先頭から順に1つずつ排出して供給する薬剤供給部として機能する。
【0025】
本実施形態においては、薬剤供給モジュール100は、回転体110と周壁部と排出部131と開閉部141とを含んで一体に構成されている。なお、開閉部141は、必ずしも設けられていなくてもよい。すなわち、薬剤供給モジュール100が、回転体110と周壁部と排出部131とを含んで一体に構成されていてもよい。
【0026】
図10は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部が含む回転体の構成を示す側面図である。図10においては、回転体を図9と同一方向から見て図示している。図8図10に示すように、回転体110は、鉛直方向に延びる軸線1を中心として回転し、軸線1を中心とする径方向の外側に行くにしたがって下方に傾斜する軸線1と同軸の円錐面状の斜面110sを有する。
【0027】
回転体110は、互いに同軸配置された、第1回転部111および第2回転部112を含む。第2回転部112は、第1回転部111の下方に位置している。第1回転部111の側面と、第2回転部112の側面とで、斜面110sが構成されている。第1回転部111および第2回転部112の各々は、互いに別々に回転可能に設けられている。図8図10に示すように、第1回転部111は、第1従動歯車111gと接続されている。第2回転部112は、第2従動歯車112gと接続されている。
【0028】
本実施形態においては、回転体110の斜面110sには、薬剤の転動を防止する転動防止部が設けられている。転動防止部は、斜面110sの頂点部から放射状に設けられた凹条部で構成されている。具体的には、転動防止部は、第1回転部111に設けられた第1凹条部111cと、第2回転部112に設けられた第2凹条部112cとから構成されている。なお、転動防止部は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0029】
図6図8に示すように、回転体110は、回転体110の下方に位置する支持部150に、回転可能に支持されている。回転体110は、支持部150に対して着脱可能に設けられている。図8に示すように、支持部150は、略円形状の水平面部151と、水平面部151の縁から略円筒状に立設された立設部152と、水平面部151から下方に略円筒状に延在する台部153を含む。台部153の内周側に、第1従動歯車111gおよび第2従動歯車112gの各々が位置している。
【0030】
図6図9に示すように、本実施形態においては、薬剤供給モジュール100は、複数の周壁部を含んでいる。具体的には、薬剤供給モジュール100は、第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123を含んでいる。なお、薬剤供給モジュール100が含む周壁部の数は、3つに限られず、1つ以上であればよい。
【0031】
図6に示すように、第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々は、斜面110sの上方において軸線1を中心とする周方向に沿って円弧状に延在している。第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々は、斜面110s上に供給された薬剤を上記径方向の外側から支持する。
【0032】
第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123は、回転体110の回転方向2に互いに並んでおり、かつ、回転方向2の下流側に位置する周壁部ほど上記径方向の外側かつ下方に位置している。具体的には、第2周壁部122は、第1周壁部121に対して回転方向2の下流側に位置しており、かつ、第1周壁部121に対して、上記径方向の外側かつ下方に位置している。第3周壁部123は、第2周壁部122に対して回転方向2の下流側に位置しており、かつ、第2周壁部122に対して、上記径方向の外側かつ下方に位置している。
【0033】
第1周壁部121および第2周壁部122の各々は、第1回転部111の上方に位置している。第3周壁部123は、第2回転部112の上方に位置している。よって、第1回転部111は、第1周壁部121によって支持されている薬剤を、第1周壁部121に沿って搬送する。第1回転部111は、第2周壁部122によって支持されている薬剤を、第2周壁部122に沿って搬送する。第2回転部112は、第3周壁部123によって支持されている薬剤を、第3周壁部123に沿って搬送する。
【0034】
図9に示すように、第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々は、斜面110sに対して離間している。具体的には、第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々は、斜面110s上に供給された薬剤を上記径方向の外側から支持可能な範囲で、斜面110sに対して離間している。
【0035】
図6図7および図9に示すように、本実施形態においては、回転方向2に互いに隣り合う周壁部同士のうち回転方向2の上流側に位置する周壁部における回転方向2の下流側の端部は、回転方向2の下流側に行くにしたがって斜面110sから離れている。
【0036】
具体的には、第1周壁部121における回転方向2の下流側の端部は、回転方向2の下流側に行くにしたがって斜面110sから離れている。同様に、第2周壁部122における回転方向2の下流側の端部は、回転方向2の下流側に行くにしたがって斜面110sから離れている。
【0037】
図6図7および図9に示すように、本実施形態においては、回転方向2に互いに隣り合う周壁部同士は、回転方向2の下流側に行くにしたがって上記径方向の外側に延在しつつ下降する傾斜壁部にて互いに接続されている。なお、傾斜壁部は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0038】
具体的には、第1周壁部121と第2周壁部122とは、第1傾斜壁部124にて互いに接続されている。第2周壁部122と第3周壁部123とは、第2傾斜壁部125にて互いに接続されている。
【0039】
図7および図9に示すように、第1傾斜壁部124および第2傾斜壁部125の各々は、斜面110sから上方に離れるにしたがって、回転方向2の下流側に傾斜している。よって、第1周壁部121と第1傾斜壁部124との境界線、および、第2周壁部122と第1傾斜壁部124との境界線の、各々は、斜面110sから上方に離れるにしたがって、回転方向2の下流側に傾斜している。同様に、第2周壁部122と第2傾斜壁部125との境界線、および、第3周壁部123と第2傾斜壁部125との境界線の、各々は、斜面110sから上方に離れるにしたがって、回転方向2の下流側に傾斜している。
【0040】
図5図7および図9に示すように、本実施形態においては、第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々は、蓋部126と一体で構成されている。第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々は、蓋部126の下面から下方に延在している。なお、蓋部126は、必ずしも設けられていなくてもよく、周壁部が斜面110sの上方に配置されていればよい。
【0041】
第1傾斜壁部124および第2傾斜壁部125の各々は、蓋部126と一体で構成されている。第1傾斜壁部124および第2傾斜壁部125の各々は、蓋部126の下面から下方に延在している。
【0042】
蓋部126は、斜面110sを上方から覆っている。蓋部126は、斜面110sを上方に開放可能に設けられている。蓋部126は、支持部150上に配置されている。具体的には、蓋部126は、蓋部材120に設けられている。第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々は、蓋部材120に設けられている。第1傾斜壁部124および第2傾斜壁部125の各々は、蓋部材120に設けられている。
【0043】
蓋部材120は、支持部150に対して着脱可能に支持部150上に載置されている。本実施形態においては、図6に示すように、蓋部126と支持部150との間に、緩衝部材170が設けられている。具体的には、蓋部材120が、円弧形状を有する緩衝部材170を介して支持部150の水平面部151上に載置されている。緩衝部材170は、ゴムなどの弾性体で構成されている。なお、緩衝部材170は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0044】
蓋部材120は、透明部材で構成されている。よって、蓋部126、第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々は、透明部材で構成されている。これにより、蓋部材120の外側から蓋部材120の内側を視認可能となっている。ただし、蓋部材120は、非透明部材で構成されていてもよい。
【0045】
図11は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部に含まれる蓋部材の外観を示す斜視図である。図12は、図11の蓋部材を矢印XII方向から見た図である。図13は、図12の蓋部材を矢印XIII方向から見た図である。図14は、図13の蓋部材を矢印XIV方向から見た図である。図15は、図13の蓋部材を矢印XV方向から見た図である。図11および図12においては、後述する振動伝達板が蓋部材120から取り外された状態を図示している。
【0046】
図11図15に示すように、本実施形態においては、蓋部材120に、薬剤供給孔127、切欠部128および取付部129が設けられている。具体的には、薬剤供給孔127および取付部129の各々が、蓋部材120の天面に設けられている。切欠部128は、蓋部材120の下端側の周縁に設けられている。
【0047】
薬剤供給孔127は、蓋部材120の外側から蓋部材120の内側に薬剤を供給するために設けられている。切欠部128は、後述する排出部材を支持部150上に配置するために設けられている。取付部129は、後述する振動伝達板を蓋部材120に取り付けるために設けられている。
【0048】
図13図15に示すように、蓋部材120においては、薬剤供給孔127の下側に第1周壁部121が位置し、第1周壁部121に隣接して第1傾斜壁部124が位置し、第1傾斜壁部124に隣接して第2周壁部122が位置し、第2周壁部122に隣接して第2傾斜壁部125が位置し、第2傾斜壁部125に隣接して第3周壁部123が位置し、第3周壁部123に隣接して切欠部128が位置している。
【0049】
図11に示すように、取付部129には、ねじ孔が設けられている。図5図7に示すように、取付部129には、振動伝達板160がねじによって固定されている。振動伝達板160は、蓋部126の一部を構成している。本実施形態においては、振動伝達板160は、磁性体で構成されている。なお、振動伝達板160は、非磁性体で構成されていてもよい。振動伝達板160は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0050】
図5図7および図9に示すように、切欠部128に嵌め込まれるように、排出部材130が支持部150上に設けられている。排出部材130は、切欠部128の形状に対応した外形を有している。排出部材130と蓋部材120との間には、僅かな隙間が設けられている。
【0051】
排出部材130には、回転体110の回転により、第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々に順次沿って搬送された薬剤を斜面110s上から排出する排出部131が設けられている。
【0052】
図7に示すように、排出部材130には、立壁部132が設けられている。すなわち、立壁部132は、周壁部とは別部材で構成されている。立壁部132は、第3周壁部123と排出部131との間に設けられ、薬剤を上記径方向の外側から支持する。立壁部132は、軸線1を中心とする周方向に沿って円弧状に延在している。本実施形態においては、第3周壁部123、立壁部132および排出部131は、軸線1を中心とする周方向に沿って並んでいる。なお、立壁部132は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0053】
排出部材130には、開閉部141を回動させる回動軸140sを支持する1対の軸受部130bが設けられている。1対の軸受部130bは、排出部131の上方の位置に立設されている。開閉部141は、回動軸140sによって回動させられることにより、排出部131を開閉可能に構成されている。
【0054】
開閉部141は、付勢部材140tと接続されており、排出部131を閉じる方向に付勢されている。本実施形態においては、付勢部材140tは、トーションばねで構成されているが、トーションばねに限られない。なお、付勢部材140tは、必ずしも設けられていなくてもよい。ベース部200には、開閉部141の開閉状態を検出する、後述する開閉センサ237が設けられている。
【0055】
図7および図9に示すように、本実施形態においては、薬剤供給モジュール100は、薬剤止め部142をさらに含む。薬剤止め部142は、排出部131に対して回転体110の回転方向2の上流側にて、斜面110sに沿って上記径方向に延在しつつ排出部131と隣接している。薬剤止め部142は、斜面110sに接離可能に設けられている。
【0056】
薬剤止め部142が斜面110sに接近した状態において、薬剤は薬剤止め部142によって排出部131への移動が阻止され、薬剤止め部142が斜面110sから離間した状態において、薬剤は排出部131へ移動可能である。薬剤止め部142は、開閉部141と一体で構成されている。なお、薬剤止め部142は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0057】
図16は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部に含まれる開閉部材の外観を示す斜視図である。図17は、図16の開閉部材を矢印XVII方向から見た図である。
【0058】
図5図7図9図16および図17に示すように、開閉部材140に、開閉部141、薬剤止め部142、および、1対の係合孔140bが設けられている。具体的には、薬剤止め部142は、略平板状の開閉部141の幅方向の一方の縁から開閉部141に直交するように突出している。1対の係合孔140bは、開閉部141の上方の位置に立設されている。1対の係合孔140bの各々は、側面視にて、D字状の内周面を有している。1対の係合孔140bの各々は、回動軸140sにおいてD字状の横断面形状を有する部分と係合する。
【0059】
図18は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部において、開閉部が上方に回動して排出部が開いた状態を示す斜視図である。図18においては、薬剤供給モジュール100を図5と同一方向から見て図示している。
【0060】
回動軸140sが一方に回動させられることにより、図18に示すように、開閉部材140が回動軸140sを中心に回動し、開閉部141によって塞がれていた排出部131が開放され、薬剤止め部142が斜面110sから離間する。
【0061】
回動軸140sが他方に回動させられることにより、図5に示すように、開閉部材140が回動軸140sを中心に回動し、開閉部141によって排出部131が閉鎖され、薬剤止め部142が斜面110sに接近する。
【0062】
図19は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器の構成を示す斜視図である。図20は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、外蓋を取り外した状態を示す斜視図である。図21は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、蓋部を取り外した状態を示す斜視図である。図22は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、蓋部を取り外した状態を示す側面図である。図23は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、蓋部を取り外した状態を示す平面図である。図24は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、蓋部を取り外した状態を示す底面図である。図25は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器において、蓋部を取り外した状態を示す縦断面図である。
【0063】
図19図25に示すように、本発明の一実施形態に係る第1薬剤供給装置10が備える薬剤補充部12の薬剤収容容器300は、底部および開口部を含む有底円筒状の形状を有し、かつ、内周面に螺旋溝が形成されている。具体的には、薬剤収容容器300は、本体筒310、円筒部320、底部330、および、蓋部340を含んでいる。
【0064】
本体筒310は、内周面に螺旋溝312が形成されている。本体筒310は、一方の端部に第1開口部313を有し、他方の端部に第2開口部314を有する。本体筒310の中心軸は、薬剤収容容器300の軸線3上に位置している。図25においては、軸線3と垂直な垂線4を図示している。
【0065】
図25に示すように、本体筒310の内周面に形成されている螺旋溝312の相対する1対の壁面において、第1開口部313側に位置する壁面と垂線4とのなす角αは、第2開口部314側に位置する壁面と垂線4とのなす角βより大きい。たとえば、α=45°、β=10°である。
【0066】
図26は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤補充部の薬剤収容容器の開口部側の形状を示す部分斜視図である。図26においては、円筒部320を本体筒310から取り外した状態を図示している。
【0067】
図26に示すように、螺旋溝312は、本体筒310の第1開口部313に到達するまで続くように、本体筒310の内周面に形成されている。螺旋溝312の第1開口部313側の終端312eは、本体筒310の第1開口部313側の端面に沿って切断されたような形状となっている。
【0068】
また、図25に示すように、螺旋溝312は、本体筒310の第2開口部314に到達する手前の位置まで続くように、本体筒310の内周面に形成されている。螺旋溝312の第2開口部314側の終端は、軸線3を中心とする周方向に延びる周方向溝315に接続されている。そのため、本体筒310の第2開口部314の近傍においても、溝幅が狭くならない。したがって、溝内に薬剤が詰まることを防止することができる。
【0069】
円筒部320は、本体筒310の第1開口部313側の外周に取り付けられている。円筒部320の軸線3方向における第1開口部313側の端部の外周には、蓋部340を取り付けるための雄ねじが形成されている。
【0070】
底部330は、本体筒310の第2開口部314側の外周に取り付けられている。底部330は、第2開口部314を閉塞する底面330bを有している。底面330bは、軸線3方向において第2開口部314から離れる側に凸状に湾曲している。すなわち、薬剤収容容器300の内側の底面は、薬剤収容容器300の外側に凸状の曲面形状を有している。
【0071】
底部330は、底面330bの周縁から外側に円環状に突出した環状部330cをさらに有している。底部330は、底面330bと環状部330cとによって規定される空間を閉塞する円板部332をさらに有している。円板部332は、ねじによって底面330bに対して固定されている。
【0072】
図19に示すように、蓋部340は、第1開口部313を閉塞可能である。図19および図20に示すように、蓋部340は、外蓋341と内蓋342とから構成されている。外蓋341は、内蓋342に対して回動可能に設けられている。具体的には、外蓋341に、1対の係合孔341hを有するアーム部341aが設けられている。内蓋342の側部に、1対の係合突起342sを有する回動軸部342pが設けられている。1対の係合孔341hと1対の係合突起342sとが互いに係合することにより、アーム部341aが回動軸部342pを中心に回動可能に支持される。その結果、外蓋341が内蓋342に対して回動可能となる。
【0073】
内蓋342の内蓋面342cには、複数の開口部342hが形成されている。外蓋341が閉じた状態において、外蓋341と内蓋面342cとの間に、乾燥材または薬剤のPTP(Press-Through-Package)包装シートの耳などを入れるための空間が形成される。内蓋342の内周面に、円筒部320の雄ねじと螺合する雌ねじが形成されている。
【0074】
図27は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるベース部の構成を示す部分斜視図である。図28は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるベース部の構成を示す部分背面図である。図29は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備える薬剤供給部が、ベース部に装着された状態を示す部分斜視図である。
【0075】
図27および図28に示すように、ベース部200には、第1駆動軸210、第2駆動軸240、排出シュート220、第1検出部である第1センサ231、第2検出部である第2センサ232、薬剤検出部である薬剤検出センサ235および振動部260が設けられている。ベース部200には、回転体110を駆動する第1駆動源である第1モータと、開閉部141を駆動する第2駆動源である第2モータとが設けられている。なお、第1センサ231、第2センサ232、薬剤検出センサ235および振動部260の各々は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0076】
第1駆動軸210は、第1モータに接続されている。第1駆動軸210は、ベース部200の底部から上方に向けて延在している。第1駆動軸210の先端に、第1駆動歯車211gおよび第2駆動歯車212gが設けられている。第1駆動歯車211gは、第1従動歯車111gと係合する。第2駆動歯車212gは、第2従動歯車112gと係合する。
【0077】
第1モータが駆動して第1駆動軸210が回転することにより、第1駆動歯車211gおよび第1従動歯車111gを介して第1回転部111が回転するとともに、第2駆動歯車212gおよび第2従動歯車112gを介して第2回転部112が回転する。すなわち、第1回転部111および第2回転部112の各々は、共通の駆動源によって駆動される。
【0078】
第2回転部112の回転速度は、第1回転部111の回転速度より高い。具体的には、第1駆動歯車211g、第2駆動歯車212g、第1従動歯車111gおよび第2従動歯車112gの各々の歯数が、第2回転部112の回転速度が第1回転部111の回転速度より高くなるように設定されている。
【0079】
第2駆動軸240は、第2モータに接続されている。第2駆動軸240は、ベース部200の一方の側部から他方の側部に向けて略水平に延在している。第2駆動軸240の先端部は、回動軸140sと係合する。
【0080】
第2モータが駆動して第2駆動軸240が回転することにより、回動軸140sとともに開閉部材140が回動する。開閉部材140が回動軸140sを中心に回動することにより、開閉部141および薬剤止め部142の各々も回動軸140sを中心に回動する。このように、開閉部141および薬剤止め部142の各々は、共通の駆動源によって駆動される。
【0081】
排出シュート220は、排出部131から排出された薬剤をベース部200の外側に導く。排出シュート220の入口は、排出部131と対向している。排出部131に隣接して、第1センサ231が配置されている。排出シュート220には、第2センサ232が配置されている。第2センサ232は、第1センサ231よりも排出部131から離れて位置している。
【0082】
第1センサ231は、斜面110s上の薬剤が排出部131から排出されたことを検出する。第1センサ231は、排出部131の外側の第1検出位置に薬剤が到達したことを検出したときに第1検出信号を出力する。本実施形態においては、第1センサ231は、光電センサで構成されており、排出部131のすぐ下流側の領域を互いの間に挟むように配置された投光部および受光部を有する。この投光部と受光部との間の光軸が薬剤によって遮られたことを検出することにより、排出部131から排出された薬剤の到達を検出する。
【0083】
第2センサ232は、排出部131から排出された薬剤を検出する。第2センサ232は、第1検出位置より薬剤供給モジュール100から離れた第2検出位置を薬剤が通過したことを検出したときに第2検出信号を出力する。本実施形態においては、第2センサ232は、光電センサで構成されており、排出シュート220によって規定される薬剤通路を互いの間に挟むように配置された投光部および受光部を有する。この投光部と受光部との間の光軸が薬剤によって遮られた状態から元の開通状態に戻ったことを検出することにより、排出部131から排出された薬剤の通過を検出する。
【0084】
薬剤検出センサ235は、薬剤供給モジュール100の斜面110s上の薬剤受け位置における薬剤の有無を検出して薬剤検出信号を出力する。本実施形態においては、薬剤検出センサ235は、光電センサで構成されており、薬剤供給孔127の下方の領域を互いの間に挟むように配置された投光部および受光部を有する。すなわち、斜面110s上において薬剤供給孔127の下方に位置する領域が、補充された薬剤を受ける薬剤受け位置である。薬剤検出センサ235は、投光部と受光部との間の光軸が薬剤によって遮られているか否かを検出することにより、薬剤受け位置における薬剤の有無を検出する。すなわち、薬剤検出センサ235は、薬剤受け位置に薬剤が有ることを検出している第1検出状態と、薬剤受け位置に薬剤が無いことを検出している第2検出状態とを有する。なお、蓋部材120において、少なくとも上記光軸上の部分は、透明になっている。
【0085】
振動部260は、第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々を振動させる。本実施形態においては、振動部260は、蓋部126を介して第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々を振動させる。
【0086】
具体的には、振動部260は、振動伝達板160の直上に位置するように設けられている。振動部260には、図示しない永久磁石が設けられている。振動伝達板160は、磁性体で構成されている。振動部260と振動伝達板160とは、永久磁石の磁力によって互いに引き合っている。すなわち、振動部260および蓋部126の各々の接触部は、磁力によって互いに引き合っている。振動部260の振動は、蓋部126を通じて、第1周壁部121、第2周壁部122および第3周壁部123の各々に伝播する。振動部260は、水平面に対して傾斜する方向に振動する。本実施形態においては、振動部260は、モータ軸が水平面に対して傾斜するように配置された後述する偏心モータ273によって駆動される。
【0087】
なお、上記のように、排出部材130と蓋部材120との間に僅かな隙間が設けられており、蓋部126と支持部150との間に、緩衝部材170が設けられているため、振動部260による振動は立壁部132には直接伝播しない。
【0088】
振動部260とベース部200との接続部に、振動部260からの振動がベース部200に伝播することを抑制するための緩衝部材が設けられていてもよい。これにより、振動部260からの振動が、ベース部200および支持部150を通じて立壁部132に伝播することを抑制できる。
【0089】
図29に示すように、本実施形態に係る第1薬剤供給装置10においては、振動部260はベース部200に設けられており、蓋部126は薬剤供給モジュール100に設けられているため、振動部260は、蓋部126に対して接離可能である。ベース部200には、薬剤供給モジュール100が取り付けられたことを検出する、後述するモジュール検出センサ236が設けられている。
【0090】
図30は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置が備えるベース部に薬剤供給部および薬剤収容容器の各々が取り付けられた状態において、ベース部の一部のカバーを取り外した状態を示す正面図である。図31は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置から、薬剤収容容器およびベース部の一部のカバーを取り外した状態を示す正面側斜視図である。図32は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置からベース部の他の一部のカバーを取り外した状態を示す背面側斜視図である。
【0091】
図4および図30に示すように、本発明の一実施形態に係る第1薬剤供給装置10において、薬剤収容容器300は、蓋部340を取り外した状態でベース部200に取り付けられる。ベース部200に取り付けられた状態の薬剤収容容器300は、薬剤供給モジュール100の上方に位置している。薬剤収容容器300がベース部200に取り付けられた状態において、薬剤収容容器300の軸線3は水平面に対して傾斜している。たとえば、薬剤収容容器300がベース部200に取り付けられた状態において、薬剤収容容器300の軸線3は水平面に対して20°傾斜している。
【0092】
図31に示すように、ベース部200には、薬剤収容容器300を軸線3まわりに回転可能に支持する4つのローラ部が設けられている。具体的には、ベース部200に、1対の回転軸が設けられている。1対の回転軸の一方に、互いに間隔をあけて1対のローラ部281が取り付けられている。1対の回転軸の他方に、互いに間隔をあけて1対のローラ部282が取り付けられている。ベース部200には、薬剤収容容器300が取り付けられたことを検出する容器検出センサ233が設けられている。
【0093】
図30および図31に示すように、ベース部200には、薬剤収容容器300の第1開口部313から排出された薬剤を、薬剤供給モジュール100の蓋部材120の薬剤供給孔127に導く接続管路290が設けられている。
【0094】
図30に示すように、ベース部200には、上記のように、回転体110を駆動する第1駆動源である第1モータ270と、開閉部141を駆動する第2駆動源である第2モータ271とが設けられている。図32に示すように、ベース部200には、上記の1対の回転軸の他方を駆動する第3駆動源である第3モータ272が設けられている。
【0095】
図4図30および図31に示す薬剤補充部12は、薬剤収容容器300、上記の1対の回転軸、1対のローラ部281、1対のローラ部282、第3モータ272および容器検出センサ233を含む。薬剤収容容器300は、薬剤を収容し、駆動されることにより薬剤供給モジュール100の薬剤受け位置に薬剤を補充する。すなわち、薬剤補充部12は、薬剤受け位置に薬剤を補充する。
【0096】
図4および図31に示すように、ベース部200の正面には、表示部250が設けられている。本実施形態においては、表示部250は、複数の色の中から選択的に1つの色で発光する。また、表示部250は、点滅発光することも可能である。表示部250の発光パターンによって、第1薬剤供給装置10の状態を表すことができる。
【0097】
図33は、本発明の一形態に係る薬剤分包装置の接続系統を示すブロック図である。図33に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置400は、主制御部41を有している。主制御部41は、薬剤包装装置ユニット440、薬剤供給装置ユニット450および操作パネル50の各々と電気的に接続されている。主制御部41は、処方情報を受け付ける処方情報受付装置90と操作パネル50を介して電気的に接続されている。操作パネル50は、表示処理部52と、受付処理部53と、割当処理部54と、記憶部55とを含む。操作パネル50は、読取部91と電気的に接続されている。
【0098】
図34は、本発明の一形態に係る薬剤供給装置の接続系統を示すブロック図である。図34に示すように、本発明の一実施形態に係る第1薬剤供給装置10は、薬剤供給部である薬剤供給モジュール100および薬剤補充部12の各々を制御する制御部11を有している。制御部11は、ベース部200に設けられている。制御部11は、第1センサ231、第2センサ232、容器検出センサ233、薬剤検出センサ235、モジュール検出センサ236、開閉センサ237、停止スイッチ238、表示部250、第1モータ270、第2モータ271、第3モータ272および偏心モータ273の各々と電気的に接続されている。
【0099】
制御部11は、主制御部41と電気的に接続されている。複数の第1薬剤供給装置10の各々の制御部11と、主制御部41と、操作パネル50とによって、制御装置ユニット460が構成されている。上記のように、薬剤分包装置400が、制御装置ユニット460を備えている。制御装置ユニット460は、読取部91と電気的に接続されている。
【0100】
以下、本発明の一実施形態に係る第1薬剤供給装置10の動作について説明する。まず、薬剤供給部である薬剤供給モジュール100の動作について説明する。
【0101】
薬剤供給孔127から蓋部材120の内側に供給された薬剤は、斜面110s上の薬剤受け位置にて受け止められ、第1周壁部121によって支持される。第1モータ270によって、第1回転部111および第2回転部112の各々が駆動される。
【0102】
第1回転部111が駆動されることにより、第1周壁部121によって支持されている薬剤が第1周壁部121に沿って搬送される。第1周壁部121によって支持されている薬剤は、第1周壁部121に沿って搬送される間に、第1周壁部121に沿って整列させられる。
【0103】
第1周壁部121によって支持されている薬剤は、回転方向2の先頭側に位置する薬剤から順次、第1傾斜壁部124に沿って下降しつつ軸線1を中心とする径方向の外側に移動することにより、第2周壁部122によって支持される。
【0104】
第1傾斜壁部124に沿って下降する薬剤は、重力によって加速されるため、第1周壁部121に沿って搬送されている薬剤より移動速度が高くなる。これにより、第1傾斜壁部124に沿って下降した薬剤と、第1傾斜壁部124に沿って下降する前の薬剤との間隔が広くなる。
【0105】
第1回転部111が駆動されることにより、第2周壁部122によって支持されている薬剤が第2周壁部122に沿って搬送される。第2周壁部122によって支持されている薬剤は、回転方向2の先頭側に位置する薬剤から順次、第2傾斜壁部125に沿って下降しつつ上記径方向外側に移動することにより、第3周壁部123によって支持される。
【0106】
第2傾斜壁部125に沿って下降する薬剤は、重力によって加速されるため、第2周壁部122に沿って搬送されている薬剤より移動速度が高くなる。これにより、第2傾斜壁部125に沿って下降した薬剤と、第2傾斜壁部125に沿って下降する前の薬剤との間隔が広くなる。
【0107】
第2回転部112が駆動されることにより、第3周壁部123によって支持されている薬剤が第3周壁部123に沿って搬送される。第2回転部112の回転速度は、第1回転部111の回転速度より高いため、第3周壁部123によって支持されている薬剤と、第2周壁部122によって支持されている薬剤との間隔が広くなる。
【0108】
第3周壁部123によって支持されている薬剤は、回転方向2の先頭側に位置する薬剤から順次、立壁部132によって支持される。第2回転部112が駆動されることにより、立壁部132によって支持されている薬剤は、立壁部132に沿って搬送される。
【0109】
薬剤止め部142が斜面110sに接近している状態においては、立壁部132に沿って搬送される薬剤の排出部131への移動が阻止される。そこで、第2モータ271によって、回動軸140sが回動させられる。
【0110】
回動軸140sが一方に回動させられることにより、開閉部材140が回動軸140sを中心に回動し、開閉部141によって塞がれていた排出部131が開放され、薬剤止め部142が斜面110sから離間する。これにより、立壁部132によって支持されている薬剤のうち回転方向2の先頭側に位置する薬剤が、1つずつ排出部131から排出される。
【0111】
このとき、第1センサ231が、斜面110s上の薬剤が排出部131から排出されたことを検出する。第2センサ232が、排出部131から排出された薬剤を検出する。
【0112】
排出部131から薬剤が排出された後、回動軸140sが他方に回動させられることにより、開閉部材140が回動軸140sを中心に回動し、開閉部141によって排出部131が閉鎖され、薬剤止め部142が斜面110sに接近する。
【0113】
これにより、立壁部132によって支持されている薬剤は、薬剤止め部142によって排出部131への移動が阻止されるとともに、開閉部141によって排出部131からの排出が阻止される。上記のように、開閉部141は、薬剤供給部から薬剤を供給するときは開状態となり、薬剤供給部から薬剤を供給しないときは閉状態となる。
【0114】
薬剤供給部が筐体410に対して移動するときは、薬剤供給部が停止するとともに開閉部141が閉状態となった後、薬剤供給部の移動が開始される。このようにした場合、薬剤供給部の移動中に、排出部131から不所望の薬剤が排出されることを抑制できる。
【0115】
薬剤供給部からの薬剤の供給を再開させるときは、開閉部141が開状態となるとともに薬剤供給部が再稼働する。このようにした場合、薬剤供給部の再稼働直後から、薬剤を排出部131から排出可能とすることができる。
【0116】
本実施形態においては、第1薬剤供給装置10において、排出部131から薬剤が排出された際、回転体110および振動部260の各々を一時的に停止させるとともに、回転体110を一時的に逆転させ、次に排出部131から排出される薬剤を斜面110s上に保持する。このようにした場合、排出部131から複数の薬剤が同時に排出されることを抑制することができる。
【0117】
なお、第1薬剤供給装置10において、排出部131から薬剤が排出された際、振動部260を一時的に停止させるとともに、回転体110を一時的に停止させ、次に排出部131から排出される薬剤を斜面110s上に保持するようにしてもよい。このようにした場合にも、排出部131から複数の薬剤が同時に排出されることを抑制することができる。
【0118】
次に、薬剤補充部12の動作について説明する。
第3モータ272によって、1対のローラ部282が回転することにより、薬剤収容容器300が軸線3まわりに回転駆動される。
【0119】
薬剤収容容器300が軸線3まわりに正転方向に回転駆動されることにより、薬剤収容容器300内の薬剤が螺旋溝312によって薬剤収容容器300の底部330側から第1開口部313側に搬送されて第1開口部313から排出される。
【0120】
第1開口部313から排出された薬剤は、ベース部200の接続管路290内を通過して、蓋部材120の薬剤供給孔127内に供給される。蓋部材120の薬剤供給孔127内に供給された薬剤は、薬剤供給モジュール100の排出部131から1つずつ排出される。
【0121】
なお、ベース部200には、複数の薬剤収容容器300の中から順次選択された1つの薬剤収容容器300が取り付けられる。複数の薬剤収容容器300は、同一種類の薬剤収容容器である。
【0122】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置400が処方情報に応じて薬剤を分包する際の制御フローについて説明する。
【0123】
図35は、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が処方情報に応じて動作する際のタイムチャートである。図36は、処方情報および分包情報を説明するための図である。
【0124】
図35に示すように、処方情報受付装置90に処方情報が入力される。処方情報には、薬剤の種類、服用時点、服用日数、1日の服用量および各服用時点の服用量などの情報が含まれている。
【0125】
図36に示す処方情報の一例においては、一処方において3日分の薬剤が処方されており、一処方におけるA薬剤の必要数は9個であり、一処方におけるB薬剤の必要数は6個である。A薬剤の必要数は、朝食後、昼食後および夕食後の各々において1個である。B薬剤の必要数は、朝食後および夕食後の各々において0個であり、昼食後において2個である。
【0126】
本実施形態では、一つの処方情報に基づいて一つの分包情報が作成される場合を想定している。この場合、一処方は、一つの処方情報に基づく一つの分包情報に対応する。
【0127】
他の例としては、一つの処方情報に基づいて複数の分包情報が作成される場合がある。たとえば、一つの処方情報に3種類の薬剤が含まれる場合、3種類の薬剤のうちの2種類の薬剤について第1の分包情報が作成され、残りの1種類について第2の分包情報が作成されることがある。この場合、作成された複数の分包情報の各々が、ここでいう一処方に対応する。
【0128】
さらに他の例として、一つの処方情報の一部に基づいて一つの分包情報が作成される場合もある。たとえば、一つの処方情報に3種類の薬剤が含まれる場合、3種類の薬剤のうちの2種類の薬剤について一つの分包情報が作成され、残りの1種類について分包情報が作成されないことがある。この場合、作成された一つの分包情報が、ここでいう一処方に対応する。
【0129】
図35に示すように、処方情報受付装置90は、入力された処方情報に応じた分包情報を操作パネル50に入力する。分包情報には、処方情報に応じて薬剤を分包するための情報が含まれている。
【0130】
図35に示すように、操作パネル50に処方情報受付装置90から分包情報が入力された後、複数の薬剤供給装置のうちのいずれの薬剤供給装置から薬剤を供給するか選択する選択情報、および、薬剤分包装置400に分包動作を開始させる分包指示が、操作パネル50に設けられている入力部から入力される。
【0131】
図35に示すように、操作パネル50の入力部に分包指示が入力されると、選択情報を含む分包情報が操作パネル50から主制御部41に入力される。選択情報を含む分包情報を入力された主制御部41は、選択情報によって選択された第1薬剤供給装置10の制御部11に、一処方における薬剤の必要数を入力する。上記のように、複数の第1薬剤供給装置10の各々の制御部11と主制御部41とによって構成される制御装置ユニット460には、薬剤の分包情報を有する分包情報信号が入力される。
【0132】
その後、一包における薬剤の必要数、および、供給動作を開始させる供給指示が、主制御部41から制御部11に、適宜のタイミングで順次、入力される。制御部11は、供給指示が入力されると、一包分の供給動作を実行する。一包分の供給動作が完了すると、その旨を告げる完了通知が、制御部11から主制御部41に入力される。
【0133】
一処方分の分包動作が完了すると、その旨を告げる完了通知が、主制御部41から操作パネル50に入力される。
【0134】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置400が備える操作パネル50の表示および操作手順について説明する。
【0135】
図37は、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が備える操作パネルに表示される処方画面の初期画面を示す図である。図37に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置400が備える操作パネル50の処方画面P1には、処方情報表示欄T1と、動作表示欄T2と、分包数表示欄T3と、表示開始入力欄T4とが表示される。
【0136】
処方情報表示欄T1には、一処方における処方情報が表示される。動作表示欄T2には、薬剤分包装置400の動作状態が表示される。分包数表示欄T3には、分包数が表示される。表示開始入力欄T4は、第2薬剤供給装置20から供給できない手まき薬剤の一覧表を表示させるための操作入力部である。なお、操作パネル50の画面に表示される手まき薬剤には、第3薬剤供給装置30から供給される薬剤のみではなく、複数の第1薬剤供給装置10から供給される薬剤も含まれる。
【0137】
図37に示すように、本実施形態に係る薬剤分包装置400が備える操作パネル50の処方画面P1においては、今回の処方分、次回の処方分および次々回の処方分の、合計3回分の処方情報を表示可能である。これらの処方情報は、処方情報受付装置90から入力されるたびに図33に示す記憶部55に記憶されており、記憶部55から随時読み込まれて操作パネル50の処方画面P1に表示される。
【0138】
図38は、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が備える操作パネルに処方情報および分包情報が入力された際に表示される処方画面を示す図である。操作パネル50に処方情報および分包情報が入力されることにより、図38に示すように、操作パネル50の処方画面P1において、処方情報表示欄T1に患者名および用法などが含まれる処方情報が表示され、動作表示欄T2の表示が待機中から分包中に切り替えられ、分包数表示欄T3に分包数が表示され、第2薬剤供給装置20から供給できない手まき薬剤が存在する場合に表示開始入力欄T4が点滅表示される。
【0139】
図39は、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が備える操作パネルに表示される選択画面の初期画面を示す図である。図38に示す操作パネル50において、点滅表示中の表示開始入力欄T4に操作入力されると、図33に示す表示処理部52によって、図39に示すように、操作パネル50に選択画面P2の初期画面が表示される。
【0140】
選択画面P2は、第2薬剤供給装置20から供給できない手まき薬剤を、第3薬剤供給装置30および4つの第1薬剤供給装置10の中のいずれの薬剤供給装置から供給するか選択するための画面である。
【0141】
図39に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置400が備える操作パネル50の選択画面P2においては、処方情報表示欄T11と、手まき薬剤一覧表表示欄T12と、数量表示欄T13と、選択領域表示欄T14と、割当薬剤情報表示欄T15と、特定薬剤表示欄T16と、切替操作入力欄T17とが表示される。
【0142】
処方情報表示欄T11には、一処方における処方情報が表示される。手まき薬剤一覧表表示欄T12には、供給対象の薬剤情報の一覧表が表示される。
【0143】
数量表示欄T13には、一処方における各薬剤の必要数が表示される。図39に示すように、選択画面P2に、供給対象の薬剤情報ごとに、一処方における薬剤の必要数が表示される。なお、選択画面P2において、手まき薬剤一覧表表示欄T12に表示される供給対象の薬剤情報の一覧表は、数量表示欄T13に表示される一処方における薬剤の必要数の大小順に並べ替え可能である。
【0144】
選択領域表示欄T14には、複数の薬剤供給装置に対応する複数の選択領域が表示される。具体的には、図1に示す、第3薬剤供給装置30および4つの第1薬剤供給装置10に対応して、5つの選択領域R1~R5が表示される。選択領域R1は、第3薬剤供給装置30である手まき薬剤供給装置に対応している。選択領域R2は、4つの第1薬剤供給装置10において最も下側に位置する第1薬剤供給装置Aに対応している。選択領域R3は、第1薬剤供給装置A上に位置する第1薬剤供給装置Bに対応している。選択領域R4は、第1薬剤供給装置B上に位置する第1薬剤供給装置Cに対応している。選択領域R5は、第1薬剤供給装置C上に位置する第1薬剤供給装置Dに対応している。
【0145】
本実施形態においては、選択画面P2に、供給対象の薬剤情報ごとに複数の選択領域が表示される。具体的には、手まき薬剤一覧表表示欄T12に表示されている、薬剤M1~薬剤M3の各々に対して、5つの選択領域R1~R5が表示される。
【0146】
上記のように、図33に示す表示処理部52は、任意の種類の薬剤を供給可能な複数の薬剤供給装置である、第3薬剤供給装置30および4つの第1薬剤供給装置10に対応する複数の選択領域R1~R5が表示される選択画面P2を表示させる。選択画面P2に、供給対象の薬剤情報の一覧表とともに複数の選択領域R1~R5が表示される。
【0147】
図33に示す受付処理部53は、選択画面P2において複数の選択領域R1~R5の中から選択領域を選択する選択操作を受け付ける。
【0148】
図33に示す割当処理部54は、受付処理部53によって受け付けられた選択操作に応じて、複数の薬剤供給装置の中から選択された薬剤供給装置に、供給対象の薬剤情報を割り当てる。本実施形態においては、割当処理部54は、受付処理部53によって受け付けられた選択操作に応じて、第3薬剤供給装置30および4つの第1薬剤供給装置10の中から選択された薬剤供給装置に、供給対象の薬剤情報を割り当てる。
【0149】
選択画面P2の初期画面においては、手まき薬剤一覧表表示欄T12に表示されている薬剤の全てに対して、第3薬剤供給装置30である手まき薬剤供給装置に対応している選択領域R1が選択されている。
【0150】
割当薬剤情報表示欄T15には、割当処理部54によって複数の第1薬剤供給装置10の各々に割り当てられた供給対象の薬剤情報が表示される。
【0151】
特定薬剤表示欄T16には、第3薬剤供給装置30および4つの第1薬剤供給装置10のうちの特定薬剤供給装置によってのみ供給可能な特定薬剤であることを識別するための識別情報が表示される。
【0152】
特定薬剤の場合は、第1薬剤供給装置10を用いて薬剤を供給することができないため、第3薬剤供給装置30が特定薬剤供給装置となる。ここで、特定薬剤とは、たとえば、半分に分割された薬剤、または、特定形状を有する薬剤である。なお、薬剤の分割形態は、半分に分割された場合に限られず、3個以上に分割されていてもよい。特定形状とは、たとえば、球形などの転がりやすい形状である。
【0153】
なお、特定薬剤供給装置は、第3薬剤供給装置30に限られず、4つの第1薬剤供給装置10のいずれかであってもよい。4つの第1薬剤供給装置10のうち、下寄りに位置する少なくとも1つの第1薬剤供給装置10が特定薬剤供給装置であってもよい。この場合、特定薬剤として、たとえば、跳ねやすい薬剤、または、割れたり欠けたりしやすい薬剤が含まれてもよい。
【0154】
図39に示すように、薬剤M3が分割された薬剤である場合、特定薬剤表示欄T16に、特定薬剤であることを識別するための識別情報として分割のマークが表示される。この場合、第3薬剤供給装置30が特定薬剤供給装置となるため、薬剤M3に対応する選択領域表示欄T14において、特定薬剤供給装置である第3薬剤供給装置30に対応する選択領域R1が特定選択領域となり、特定選択領域以外の選択領域R2~選択領域R5については選択操作を受け付けなくなり、選択不可であることを示す識別色BMで表示される。
【0155】
仮に、薬剤M3が特定形状を有する薬剤である場合、特定薬剤表示欄T16に、不可のマークが表示される。この場合も、第3薬剤供給装置30が特定薬剤供給装置となるため、薬剤M3に対応する選択領域表示欄T14において、特定薬剤供給装置である第3薬剤供給装置30に対応する選択領域R1が特定選択領域となり、特定選択領域以外の選択領域R2~選択領域R5については選択操作を受け付けなくなり、選択不可であることを示す識別色BMで表示される。
【0156】
本実施形態においては、特定薬剤表示欄T16は、数量表示欄T13の内側に位置している。ただし、特定薬剤表示欄T16の位置は、数量表示欄T13の内側に限られない。
【0157】
上記のように、選択画面P2において、供給対象の薬剤情報ごとに、複数の薬剤供給装置のうちの特定薬剤供給装置によってのみ供給可能な特定薬剤であるか否か識別可能に表示される。
【0158】
また、受付処理部53は、特定薬剤供給装置に対応する特定選択領域が存在する状態において、特定薬剤の薬剤情報について複数の選択領域R1~R5の中から特定選択領域以外の選択領域を選択する選択操作を受け付けない。
【0159】
切替操作入力欄T17は、選択画面P2を切り替えるための操作入力部である。切替操作入力欄T17において、選択不可である操作の入力部は、選択不可であることを示す識別色BMで表示される。
【0160】
たとえば、薬剤M1を第1薬剤供給装置Aから供給させる場合は、薬剤M1に対応する選択領域表示欄T14において選択領域R2を選択する。表示処理部52は、上記選択操作に応じて選択された第1薬剤供給装置10ごとに、薬剤補充部12に薬剤を充填するための充填指示が表示される充填指示画面を表示させる。
【0161】
図40は、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が備える操作パネルに表示される充填指示画面を示す図である。充填指示画面P3は、4つの第1薬剤供給装置10の中のいずれの第1薬剤供給装置10における薬剤補充部12の薬剤収容容器300に、どの薬剤をいくつ充填すべきかについて指示する画面である。
【0162】
図40に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置400が備える操作パネル50の充填指示画面P3においては、処方情報表示欄T21と、充填薬剤情報表示欄T22と、充填対象薬剤供給装置表示欄T23と、割当薬剤情報表示欄T25とが表示される。
【0163】
処方情報表示欄T21には、一処方における処方情報が表示される。充填薬剤情報表示欄T22には、充填すべき供給対象の薬剤情報および当該薬剤の充填必要数の各々が表示される。充填対象薬剤供給装置表示欄T23には、充填対象となる第1薬剤供給装置10が表示される。
【0164】
割当薬剤情報表示欄T25には、割当処理部54によって複数の第1薬剤供給装置10の各々に割り当てられた供給対象の薬剤情報が表示される。充填指示画面P3において充填対象となっている第1薬剤供給装置10に対応する割当薬剤情報表示欄T25に、充填対象であることを示す識別マークT24が表示される。
【0165】
図40に示すように、充填指示画面P3に、割当薬剤情報表示欄T25に表示される、複数の第1薬剤供給装置10の各々に割り当てられた供給対象の薬剤情報が、図1に示す薬剤供給装置ユニットにおける複数の第1薬剤供給装置10の配列と同じ配列で表示される。
【0166】
図40に示すように、たとえば、第1薬剤供給装置Aが充填対象として選択されているとき、第1薬剤供給装置Aに取り付けられている薬剤収容容器300以外の第1薬剤供給装置B~Dの各々に取り付けられている薬剤収容容器300は、制御部11によって逆転方向に回転駆動させられる。これにより、第1薬剤供給装置A以外の第1薬剤供給装置B~Dに取り付けられている薬剤収容容器300が取り外されて、当該薬剤収容容器300に薬剤M1が充填されて戻されることによって第1薬剤供給装置A以外の第1薬剤供給装置B~Dに誤って充填されることを抑制することができる。
【0167】
充填指示画面P3の表示にしたがって、第1薬剤供給装置Aに薬剤M1が充填された薬剤収容容器300が取り付けられると、表示処理部52によって、図4に示す第1薬剤供給装置Aの表示部250が、第1薬剤供給装置Aへの薬剤M1の割り当てが完了したことを示す、たとえばオレンジ色に発光させられる。
【0168】
第1薬剤供給装置Aへの薬剤M1の割り当てが完了して、充填指示画面P3が閉じられると、操作パネル50に選択画面P2が表示される。このとき、第1薬剤供給装置B~Dの各々に取り付けられている薬剤収容容器300の逆転方向の回転駆動が制御部11によって停止させられる。図41は、第1薬剤供給装置Aへの薬剤M1の割り当てが完了した状態において操作パネルに表示される選択画面を示す図である。
【0169】
図41に示すように、薬剤M1に対応する選択領域表示欄T14において選択領域R2が選択されている。また、割当薬剤情報表示欄T15において、第1薬剤供給装置Aに割り当てられた供給対象の薬剤M1の薬剤情報が表示される。
【0170】
さらに、薬剤M2に対応する選択領域表示欄T14において選択領域R2は選択操作を受け付けなくなり、選択不可であることを示す識別色BMで表示されている。このように、受付処理部53は、供給対象の薬剤M1の薬剤情報が割り当てられた第1薬剤供給装置Aに対応する割当済み選択領域R2が存在する状態において、割り当てられた供給対象の薬剤M1の薬剤情報とは異なる他の供給対象の薬剤M2の薬剤情報について複数の選択領域R1~R5の中から割当済み選択領域R2を選択する選択操作を受け付けない。
【0171】
切替操作入力欄T17に、次に進む操作入力がされると、次の薬剤M2に対応する選択領域表示欄T14において選択領域R1が選択されているため、操作パネル50に配分画面P4が表示される。
【0172】
配分画面P4は、第3薬剤供給装置30の複数の区画室の中のいずれの区画室に、薬剤M2をいくつ手まきすべきかについて指示する画面である。表示処理部52は、処方情報および分包情報に応じて、複数の区画室に対応する複数の区画領域RDが表示される配分画面P4を表示させる。
【0173】
図42は、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置が備える操作パネルに表示される配分画面を示す図面である。図42に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置400が備える操作パネル50の配分画面P4においては、処方情報表示欄T31と、手まき薬剤表示欄T32と、区画領域表示欄T33と、切替操作入力欄T37とが表示される。
【0174】
処方情報表示欄T31には、一処方における処方情報が表示される。手まき薬剤表示欄T32には、第3薬剤供給装置30から供給される手まき薬剤の一覧表が表示される。手まき薬剤表示欄T32においては、手まき薬剤の一覧表から薬剤を選択することができる。手まき薬剤表示欄T32において、薬剤M2が現在選択されていることを示す識別色DMで表示される。
【0175】
区画領域表示欄T33には、複数の区画室に対応する複数の区画領域RDが表示される。区画領域RDは、区画室の配列と同じ配列で表示される。処方情報および分包情報から、たとえば、毎食後と寝る前の用法において、薬剤M2については、朝食後に1錠、昼食後に0錠、夕食後に0錠、および、寝る前に1錠が服用される不均等処方である場合、図42に示すように、区画領域表示欄T33において、複数の区画領域RDの中で1番、4番、5番および8番の区画領域RDの各々が、手まき対象であることを示す識別色DMで表示されるとともに、各服用時点における薬剤M2の必要数である1が表示される。なお、4つの区画領域RD毎に1日分の服用時点に対応しており、1番は朝食後、2番は昼食後、3番は夕食後、4番は寝る前、に各々対応している。
【0176】
なお、上記の不均等処方とは、服用時点によって服用される薬剤M2の数が異なる処方である。図39に示す選択画面P2において、供給対象の薬剤情報ごとに、服用時点によって服用される薬剤の数が異なる不均等処方であるか否か識別可能に表示されてもよい。
【0177】
また、選択画面P2において、供給対象の薬剤情報の一覧表は、不均等処方であるか否かの識別結果によって区分されるように並べ替え可能であってもよい。たとえば、供給対象の薬剤情報の一覧表において、不均等処方である薬剤を上側に表示し、不均等処方ではない薬剤を下側に表示するように、並べ替え可能であってもよい。
【0178】
切替操作入力欄T37は、配分画面P4を切り替えるための操作入力部である。薬剤M2および薬剤M3の手まきが完了して、切替操作入力欄T37に、セットの操作入力がされると、薬剤分包装置400の分包動作が開始される。
【0179】
この状態において、表示処理部52によって、操作パネル50に図38に示す処方画面P1が表示され、図4に示す第1薬剤供給装置Aの表示部250が、第1薬剤供給装置Aが薬剤M1を分包中であることを示す、たとえば緑色に発光させられる。
【0180】
薬剤分包装置400の一処方における薬剤の分包動作が完了すると、上記選択操作によって選択された薬剤供給装置は、一処方における必要数の薬剤の供給を終えて清掃待ち状態となるとともに、供給対象の薬剤情報が割り当てられた状態で維持される。具体的には、薬剤供給装置に割り当てられた供給対象の薬剤情報が、記憶部55に記憶された状態で維持される。
【0181】
図43は、第1薬剤供給装置Aから薬剤M4の供給が完了した後に、処方情報および分包情報が入力された操作パネルに表示される選択画面の初期画面を示す図である。
【0182】
図43に示すように、第1薬剤供給装置Aから薬剤M4の供給が完了した後、第1薬剤供給装置Aが清掃待ち状態となっている場合、選択画面P2の割当薬剤情報表示欄T15において第1薬剤供給装置Aに割り当てられた供給対象の薬剤M4の薬剤情報が識別色BMで表示されるとともに、薬剤M1および薬剤M2の各々に対応する選択領域表示欄T14において、選択領域R2は選択操作を受け付けなくなり、選択不可であることを示す識別色BMで表示される。
【0183】
具体的には、受付処理部53は、清掃待ち状態となっている第1薬剤供給装置Aに対応する清掃待ち選択領域R2が存在する状態において、清掃待ち状態となっている第1薬剤供給装置Aに割り当てられた供給対象の薬剤M4の薬剤情報とは異なる他の供給対象の薬剤情報について複数の選択領域R1~R5の中から清掃待ち選択領域R2を選択する選択操作を受け付けない。
【0184】
清掃待ち状態となっている第1薬剤供給装置Aの表示部250は、表示処理部52によって、清掃待ちであることを示す、たとえば、緑色と赤色とに交互に発光させられる。第1薬剤供給装置Aから、薬剤収容容器300および薬剤供給モジュール100の各々が取り外された後、第1薬剤供給装置Aに再度取り付けられることにより、第1薬剤供給装置Aの清掃待ち状態が解除される。
【0185】
その結果、表示処理部52によって、選択画面P2において薬剤M1および薬剤M2の各々に対応する選択領域表示欄T14における選択領域R2の識別色BMでの表示および割り当てられた供給対象の薬剤情報が消されるとともに、第1薬剤供給装置Aの表示部250の発光も停止される。
【0186】
このように、表示処理部52は、複数の第1薬剤供給装置10の各々に設けられた表示部250、および、選択画面P2の少なくとも一方において、複数の第1薬剤供給装置10の各々の状態を表示させる。
【0187】
なお、本実施形態においては、清掃待ち状態となっている薬剤供給装置において、前回供給した薬剤と同一の薬剤を供給する場合には、清掃待ち状態のまま薬剤を供給することが可能である。
【0188】
図44は、第1薬剤供給装置Aから薬剤M1の供給が完了した後に、処方情報および分包情報が入力された操作パネルに表示される選択画面の初期画面を示す図である。
【0189】
図44に示すように、第1薬剤供給装置Aから薬剤M1の供給が完了した後、第1薬剤供給装置Aが清掃待ち状態となっている場合、選択画面P2の割当薬剤情報表示欄T15において第1薬剤供給装置Aに割り当てられた供給対象の薬剤M1の薬剤情報が識別色BMで表示されるとともに、薬剤M2に対応する選択領域表示欄T14において、選択領域R2は選択操作を受け付けなくなり、選択不可であることを示す識別色BMで表示される。一方、薬剤M1に対応する選択領域表示欄T14において、選択領域R2は識別色BMで表示されておらず、選択操作を受け付ける状態となっている。
【0190】
具体的には、受付処理部53は、清掃待ち状態となっている第1薬剤供給装置Aに対応する清掃待ち選択領域R2が存在する状態において、清掃待ち状態となっている第1薬剤供給装置Aに割り当てられた供給対象の薬剤M1の薬剤情報と同一の供給対象の薬剤M1の薬剤情報について複数の選択領域R1~R5の中から清掃待ち選択領域R2を選択する選択操作を受け付ける。
【0191】
図45は、清掃待ち選択領域R2を選択する選択操作がされた際に操作パネルに表示される充填指示画面を示す図である。図45に示すように、清掃待ち選択領域R2を選択する選択操作がされた際に操作パネル50に表示される充填指示画面P3には、清掃せずに継続使用であることを示す、継続情報表示欄T26が表示される。
【0192】
なお、薬剤補充部12の薬剤収容容器300に薬剤が充填される前に、その薬剤が供給対象の薬剤であるか否かを判断してもよい。この場合、その薬剤の容器などに付されている識別コードが、図33に示す読取部91によって読み取られる。容器としては、瓶または箱などが挙げられる。識別コードは、たとえば、バーコードなどである。
【0193】
図46は、読取部によって識別コードが読み取られる前の状態において操作パネルに表示される充填指示画面を示す図である。図46に示すように、読取部91によって識別コードが読み取られる前の状態において操作パネル50に表示される充填指示画面P3には、識別コードを読取部91によって読み取ることを促す注意表示欄T27が表示される。
【0194】
充填指示画面P3に注意表示欄T27が表示されている状態においては、充填対象薬剤供給装置表示欄T23、識別マークT24、および、割当薬剤情報表示欄T25における供給対象の薬剤情報が表示されない。
【0195】
具体的には、表示処理部52は、読取部91によって読み取られた識別コードに対応付けされた薬剤情報と、供給対象の薬剤M1の薬剤情報とが一致したときのみ、図40に示すように、充填指示画面P3に充填対象となる第1薬剤供給装置Aを表示させる。
【0196】
以下、本発明の一実施形態の第1変形例に係る薬剤分包装置400が処方情報に応じて薬剤を分包する際の動作について説明する。本発明の一実施形態の第1変形例に係る薬剤分包装置400においては、図4に示す停止スイッチ238が補充指示を入力可能な入力部として機能する。具体的には、薬剤収容容器300が正転方向に回転駆動しているときに停止スイッチ238が押下されると当該回転駆動が停止され、薬剤収容容器300の回転駆動が停止中に停止スイッチ238が押下されると補充指示が制御部11に入力される。
【0197】
このように、本発明の一実施形態の第1変形例においては、薬剤補充部12の近傍に、補充指示を入力可能な入力部が設けられている。これにより、容易に補充指示を入力することができる。なお、停止スイッチ238が補充指示を入力可能な入力部として機能する場合に限られず、薬剤補充部12の周囲に補充指示を入力可能な入力部が別途設けられていてもよい。
【0198】
図47は、本発明の一実施形態の第1変形例に係る薬剤分包装置が処方情報に応じて動作する際のタイムチャートである。図47に示すように、本発明の一実施形態の第1変形例に係る薬剤分包装置400においては、制御装置ユニット460には、薬剤分包装置400に分包動作を開始させる分包指示より前に、薬剤の分包情報を有する分包情報信号、および、薬剤補充部12による薬剤の補充を開始させる補充指示が入力される。
【0199】
制御装置ユニット460は、上記分包指示が入力される前に、上記補充指示に基づいて、上記分包情報に応じて薬剤を供給する薬剤供給装置の薬剤供給部に対する薬剤補充部12による薬剤の補充を開始させる。
【0200】
具体的には、図47に示すように、処方情報受付装置90から操作パネル50に入力された分包情報および選択情報は、操作パネル50から主制御部41に入力される。主制御部41は、選択情報によって選択された第1薬剤供給装置10の制御部11に選択情報を入力する。
【0201】
分包指示が操作パネル50に入力される前に、選択された第1薬剤供給装置10の制御部11に、薬剤補充部12による薬剤の補充を開始させる補充指示が入力される。制御部11に入力された補充指示は、主制御部41に入力される。
【0202】
補充指示が入力された主制御部41は、選択された第1薬剤供給装置10のベース部200に薬剤収容容器300が取り付けられたことを容器検出センサ233が検出したか確認する。主制御部41は、選択された第1薬剤供給装置10のベース部200に薬剤収容容器300が取り付けられたことを確認できたときのみ、当該第1薬剤供給装置10の制御部11に補充指示を入力する。これにより、薬剤収容容器300が取り付けられて補充を実施可能な薬剤補充部12を有する第1薬剤供給装置10の制御部11に対してのみ、補充指示を入力することができる。なお、上記の制御部11と主制御部41との間での補充指示の往復動作は、必ずしも行なわれなくてもよい。
【0203】
図48は、本発明の一実施形態の第1変形例に係る薬剤分包装置において、主制御部から補充指示が入力された薬剤供給装置の制御部における動作を説明するフローチャートである。図48に示すように、補充指示が入力された第1薬剤供給装置10の制御部11は、補充用モータである第3モータ272を回転させて、薬剤収容容器300を正転方向に回転駆動させて薬剤補充部12に薬剤の補充を開始させる(工程S11)。
【0204】
制御部11は、薬剤受け位置に薬剤が有ることを薬剤検出センサ235が検出したか判断する(工程S12)。制御部11は、薬剤受け位置に薬剤が有ることを薬剤検出センサ235が検出するまで薬剤の補充を継続し、薬剤受け位置に薬剤が有ることを薬剤検出センサ235によって検出した直後に、薬剤収容容器300の回転駆動を停止させる(工程S13)。
【0205】
制御部11は、薬剤補充部12から薬剤供給部に薬剤を補充している間は薬剤供給部を駆動させず、薬剤補充部12による薬剤の補充後に、供給用モータである第1モータを回転させて薬剤供給部を駆動させる(工程S14)。制御部11は、薬剤供給部の駆動開始時点から一定時間経過するまで供給用モータを回転させ(工程S15)、薬剤供給部の駆動開始時点から一定時間経過した時点で供給用モータを停止させる(工程S16)。具体的には、制御部11は、薬剤補充部12による薬剤の補充後に薬剤供給部を駆動させて薬剤受け位置から搬送されて先頭に位置する薬剤が排出部131に到達する前に薬剤供給部の駆動を停止させる。たとえば、制御部11は、第1回転部111を周方向に90°回転させた時点で薬剤供給部の駆動を停止させる。
【0206】
図47に示すように、操作パネル50に入力された分包指示は、操作パネル50から主制御部41に入力される。分包指示を入力された主制御部41は、選択情報によって選択された第1薬剤供給装置10の制御部11に、一処方における薬剤の必要数を入力する。
【0207】
図49は、主制御部から一処方における薬剤の必要数を入力された薬剤供給装置の制御部における動作を説明するフローチャートである。図49に示すように、主制御部41から一処方における薬剤の必要数を入力された第1薬剤供給装置10の制御部11においては、供給数が一処方における薬剤の必要数未満であるかどうかを判別する(工程S21)。
【0208】
具体的には、図36に示す分包情報の一例において、A薬剤を収容している薬剤収容容器300が搭載されている第1薬剤供給装置10の制御部11は、A薬剤の供給数が必要数である9未満であるかどうかを判別する。B薬剤を収容している薬剤収容容器300が搭載されている第1薬剤供給装置10の制御部11は、B薬剤の供給数が必要数である6未満であるかどうかを判別する。
【0209】
供給数が一処方における薬剤の必要数未満である場合、制御部11は、薬剤検出部である薬剤検出センサ235が薬剤受け位置に薬剤があることを検出しているかどうかを薬剤検出信号から判別する(工程S22)。
【0210】
制御部11は、薬剤検出センサ235が薬剤受け位置に薬剤があることを検出している第1検出状態であるとき、補充用モータである第3モータ272を停止させる(工程S23)。すなわち、制御部11は、薬剤検出部が第1検出状態であるとき、薬剤補充部12による薬剤の補充を停止させる。この後、制御部11は、工程S21に戻る。
【0211】
制御部11は、薬剤検出センサ235が薬剤受け位置に薬剤が無いことを検出している第2検出状態であるとき、第3モータ272を正転方向に回転させる(工程S24)。すなわち、制御部11は、薬剤検出部が第2検出状態であるとき、薬剤補充部12に薬剤を補充させる。この後、制御部11は、工程S21に戻る。
【0212】
上記のように、制御部11は、薬剤検出部から薬剤検出信号を入力され、薬剤検出信号に応じて薬剤補充部12を制御する。制御部11は、薬剤検出部が第1検出状態から第2検出状態になった時点から待機時間の経過後に、薬剤補充部12に薬剤を補充させるように構成されていてもよい。
【0213】
供給数が一処方における薬剤の必要数以上である場合、制御部11は、第3モータ272を逆転方向に回転させる(工程S25)。これにより、薬剤収容容器300に収容されている薬剤を、第1開口部313側から薬剤収容容器300の内側に戻すことができる。制御部11は、第3モータ272を逆転方向に回転させてから一定時間経過後に、第3モータ272を停止させる(工程S26)。
【0214】
なお、制御部11は、供給数が一処方における薬剤の必要数未満である状態において、薬剤検出部が第2検出状態から第1検出状態になった時点で薬剤補充部12による薬剤の補充を停止させ、第1検出状態になった時点から薬剤供給部の作動量が設定値を超えた時点、および、薬剤検出部が第1検出状態から第2検出状態になった時点、のうちの遅い時点で薬剤補充部12による薬剤の補充を再開させるように構成されていてもよい。
【0215】
上記の薬剤供給部の作動量とは、第1検出状態になった時点からの、薬剤供給部における第1回転部111の回転方向2への累積回転角度、または、第1回転部111の回転方向2への累積駆動時間である。具体的には、上記累積回転角度の設定値は、たとえば60°とする。または、上記累積駆動時間の設定値は、上記累積回転角度がたとえば60°となるのに必要な駆動時間とする。
【0216】
上記の補充動作は、一処方に必要な薬剤を供給する複数の第1薬剤供給装置10の各々において随時行なわれる。本実施形態においては、制御装置ユニット460は、上記分包情報に応じて、薬剤を供給している第1薬剤供給装置10の次に薬剤を供給する第1薬剤供給装置10において、薬剤供給部の最初の作動開始時点より前に、薬剤補充部12による薬剤の補充を開始させる。詳しくは、第1薬剤供給装置10の制御部11は、主制御部41から、一処方における薬剤の必要数を入力されると、薬剤補充部12に薬剤の補充を開始させる。第1薬剤供給装置10の制御部11は、主制御部41から、供給指示を入力されていなくても、薬剤補充部12に薬剤の補充を開始させる。
【0217】
具体的には、制御装置ユニット460は、図36に示す分包情報の一例においては、たとえば、A薬剤を供給する第1薬剤供給装置10が朝食後の1日目から3日目までの3包分のA薬剤を供給している間に、次に昼食後の1日目から3日目までの3包分のB薬剤を供給する第1薬剤供給装置10において、薬剤供給モジュール100の第1モータ270が駆動開始する時点より前に、薬剤補充部12による薬剤の補充を開始させる。
【0218】
より好ましくは、次に薬剤を供給する第1薬剤供給装置10が薬剤の供給を開始する時点において、薬剤補充部12は1回目の補充を完了しており、薬剤受け位置に薬剤がある状態になっている。
【0219】
制御装置ユニット460は、上記分包情報に応じて、一処方における必要数の薬剤を供給し終えた第1薬剤供給装置10から順次、薬剤補充部12による薬剤の補充を停止させる。
【0220】
具体的には、制御装置ユニット460は、図36に示す分包情報の一例においては、昼食後の1日目から3日目までの3包分に必要なB薬剤の供給を終えて、一処方における必要数のB薬剤を供給し終えた第1薬剤供給装置10の薬剤補充部12によるB薬剤の補充を停止させる。制御装置ユニット460は、その後、夕食後の1日目から3日目までの3包分に必要なA薬剤の供給を終えて、一処方における必要数のA薬剤を供給し終えた第1薬剤供給装置10の薬剤補充部12によるA薬剤の補充を停止させる。
【0221】
図50は、主制御部から一包における薬剤の必要数および供給指示を入力された薬剤供給装置の制御部における動作を説明するフローチャートである。図50に示すように、主制御部41から一包における薬剤の必要数および供給指示を入力された第1薬剤供給装置10の制御部11においては、開閉部141によって塞がれていた排出部131を開放させる(工程S31)。
【0222】
排出部131を開放させた後、制御部11は、薬剤供給部である薬剤供給モジュール100に一包における薬剤の供給を開始させる(工程S32)。制御部11は、薬剤供給モジュール100による薬剤の供給を開始させた(工程S32)後、薬剤供給モジュール100から供給された薬剤を計数する(工程S33)。薬剤の供給数が一包における薬剤の必要数以上になった時点で、薬剤供給モジュール100による薬剤の供給を終了させる(工程S34)。
【0223】
この後、制御部11は、薬剤の供給数が一処方における薬剤の必要数以上であるかどうかを判別する(工程S35)。供給数が一処方における薬剤の必要数以上である場合、開閉部141によって排出部131を閉鎖する(工程S36)。供給数が一処方における薬剤の必要数未満である場合、制御部11は、排出部131を開放した状態を維持しつつ、一包分の薬剤の供給動作を終了させる。
【0224】
図51は、薬剤供給部によって薬剤を供給する際の制御部における動作を説明するフローチャートである。図51に示すように、制御部11は、薬剤供給モジュール100による薬剤の供給を開始させた(工程S32)後、供給数が一包における薬剤の必要数未満であるかどうかを判別する(工程S41)。
【0225】
具体的には、図36に示す分包情報の一例において昼食後の1日目の分包をする際、A薬剤を収容している薬剤収容容器300が搭載されている第1薬剤供給装置10の制御部11は、A薬剤の供給数が必要数である1未満であるかどうかを判別する。B薬剤を収容している薬剤収容容器300が搭載されている第1薬剤供給装置10の制御部11は、B薬剤の供給数が必要数である2未満であるかどうかを判別する。
【0226】
制御部11は、供給する薬剤が、一処方における一錠目かどうかを判別し(工程S42)、供給する薬剤が一処方における一錠目である場合は工程S43に進み、供給する薬剤が一処方における一錠目でない場合は後述する図53に示す工程に進む。
【0227】
供給数が一包における薬剤の必要数未満であり、供給する薬剤が一処方における一錠目である場合、制御部11は、供給用モータである第1モータ270を第1回転速度V1で正転方向に駆動させるとともに、振動用モータである偏心モータ273を駆動させる(工程S43)。これにより、第1回転部111および第2回転部112の各々が正転方向に回転するとともに振動部260が振動する。第1回転速度V1は、たとえば、16rpm(rotations per minute)である。
【0228】
この後、制御部11は、第1検出部である第1センサ231が薬剤を検出したかどうかを第1センサ231からの第1検出信号の入力の有無によって判別する(工程S44)。制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出していない場合、薬剤供給部が薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からの経過時間がT1を経過したかどうかを判別する(工程S47)。駆動開始時点からの経過時間がT1を経過していない場合は、工程S44に戻る。駆動開始時点からの経過時間がT1を経過した時点で、後述する図52に示す工程に進む。このように、制御部11は、薬剤供給部が薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からの経過時間を把握可能に構成されている。具体的には、制御部11は、薬剤供給部が薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からの経過時間を計測するタイマーを備えている。T1は、たとえば、1.5秒である。
【0229】
制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出した場合、第1モータ270を停止させるとともに、偏心モータ273を停止させる(工程S45)。このように、制御部11は、第1検出信号が入力されると、薬剤供給部による薬剤の搬送を一時的に停止させる。
【0230】
この後、制御部11は、第1モータ270を逆転方向に設定量だけ駆動させる(工程S46)。このように、制御部11は、第1検出信号が入力されると、薬剤供給部による薬剤の搬送方向を一時的に逆方向にする。
【0231】
制御部11は、第1モータ270を逆転方向に設定量だけ駆動させた後、第1モータ270を停止させ、工程S41に戻る。
【0232】
供給数が一包における薬剤の必要数以上である場合、制御部11は、一包分の薬剤の供給動作を終了させる(工程S34)。
【0233】
図52は、薬剤供給部によって薬剤を供給する際の制御部における動作の図51の参照1から参照3までの工程を説明するフローチャートである。図51および図52に示すように、制御部11は、駆動開始時点からの経過時間がT1を経過した時点で、第1モータ270を第2回転速度V2で正転方向に駆動させるとともに、偏心モータ273を駆動させる(工程S51)。これにより、第1回転部111および第2回転部112の各々が正転方向に回転するとともに振動部260が振動する。第2回転速度V2は、第1回転速度V1より大きく、たとえば、24rpmである。このように、制御部11は、工程S47における経過時間に応じて、薬剤供給部を駆動させる第1モータ270の回転速度を第1回転速度V1から第2回転速度V2に加速させる。
【0234】
この後、制御部11は、第1検出部である第1センサ231が薬剤を検出したかどうかを第1センサ231からの第1検出信号の入力の有無によって判別する(工程S52)。制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出した場合、図51の参照3の工程に進む。制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出していない場合、薬剤供給部が薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からの経過時間がT2を経過したかどうかを判別する(工程S53)。駆動開始時点からの経過時間がT2を経過していない場合は、工程S52に戻る。T2は、たとえば、3秒である。
【0235】
制御部11は、駆動開始時点からの経過時間がT2を経過した時点で、第1モータ270を第3回転速度V3で正転方向に駆動させるとともに、偏心モータ273を駆動させる(工程S54)。第3回転速度V3は、第2回転速度V2より大きく、たとえば、32rpmである。このように、制御部11は、工程S53における経過時間に応じて、薬剤供給部を駆動させる第1モータ270の回転速度を第2回転速度V2から第3回転速度V3に加速させる。
【0236】
この後、制御部11は、第1検出部である第1センサ231が薬剤を検出したかどうかを第1センサ231からの第1検出信号の入力の有無によって判別する(工程S55)。制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出するまで第1モータ270を第3回転速度V3で正転方向に駆動させ、第1センサ231が薬剤を検出した場合、図51の参照3の工程に進む。
【0237】
図53は、薬剤供給部によって薬剤を供給する際の制御部における動作の図51の参照2から参照3までの工程を説明するフローチャートである。図53に示すように、制御部11は、高速フラグがオフになっているか確認する(工程S61)。高速フラグは、供給する薬剤が一処方における一錠目でなく、かつ、後述する工程S73において設定条件を満たす場合にオンにされる。
【0238】
制御部11は、高速フラグがオンになっている場合、後述する図54に示す工程に進む。制御部11は、高速フラグがオフになっている場合、第1モータ270を第1回転速度V1で正転方向に駆動させるとともに、偏心モータ273を駆動させる(工程S62)。これにより、第1回転部111および第2回転部112の各々が正転方向に回転するとともに振動部260が振動する。
【0239】
この後、制御部11は、第1検出部である第1センサ231が薬剤を検出したかどうかを第1センサ231からの第1検出信号の入力の有無によって判別する(工程S63)。制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出した場合、図51の参照3の工程に進む。制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出していない場合、薬剤供給部が薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からの経過時間がT3を経過したかどうかを判別する(工程S64)。駆動開始時点からの経過時間がT3を経過していない場合は、工程S63に戻る。駆動開始時点からの経過時間がT3を経過した時点で、後述する図54に示す工程に進む。T3は、たとえば、2秒である。
【0240】
図54は、薬剤供給部によって薬剤を供給する際の制御部における動作の図53の参照4から参照3までの工程を説明するフローチャートである。図53および図54に示すように、制御部11は、駆動開始時点からの経過時間がT3を経過した時点(工程S64)または高速フラグがオンになっているとき(工程S61)、第1モータ270を第2回転速度V2で正転方向に駆動させるとともに、偏心モータ273を駆動させる(工程S71)。これにより、第1回転部111および第2回転部112の各々が正転方向に回転するとともに振動部260が振動する。
【0241】
この後、制御部11は、第1検出部である第1センサ231が薬剤を検出したかどうかを第1センサ231からの第1検出信号の入力の有無によって判別する(工程S72)。制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出した場合、図51の参照3の工程に進む。制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出していない場合、設定条件を満たしているか判別する(工程S73)。
【0242】
上記の設定条件は、種々設定可能である。たとえば、高速フラグがオフになっているときに薬剤供給部が薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からの経過時間がT4を経過したこと、および、高速フラグがオンになっているときに薬剤供給部が薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からの経過時間がT5を経過したこと、のいずれかを満たす場合に、設定条件を満たすと設定することが可能である。T4は、たとえば、3秒であり、T5は、たとえば、2秒である。
【0243】
他の設定条件としては、薬剤の駆動開始時点から薬剤が排出されて供給されるまでの所要時間がN回連続してT6を超えた場合に、設定条件を満たすと設定することも可能である。T6は、たとえば、2秒である。Nは、たとえば、3回である。このように、制御部11は、排出部131から排出されて供給された薬剤の駆動開始時点からこの薬剤が排出されて供給されるまでの所要時間を把握可能に構成されている。具体的には、制御部11は、薬剤供給部が薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からこの薬剤が排出されて第1検出部である第1センサ231が薬剤を検出するまでの所要時間を計測するタイマーを備えている。
【0244】
上記の設定条件が満たされていないときは、工程S72に戻る。制御部11は、上記の設定条件が満たされているとき、高速フラグがオフの場合は高速フラグをオンにする(工程S74)。制御部11は、第1モータ270を第3回転速度V3で正転方向に駆動させるとともに、偏心モータ273を駆動させる(工程S74)。このように、制御部11は、工程S64における経過時間に応じて、薬剤供給部を駆動させる第1モータ270の回転速度を第2回転速度V2から第3回転速度V3に加速させる。
【0245】
この後、制御部11は、第1検出部である第1センサ231が薬剤を検出したかどうかを第1センサ231からの第1検出信号の入力の有無によって判別する(工程S75)。制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出するまで第1モータ270を第3回転速度V3で正転方向に駆動させ、第1センサ231が薬剤を検出した場合、図51の参照3の工程に進む。
【0246】
上記のように、制御部11は、1つ前の薬剤が供給された際に工程S74において高速フラグがオンになっていることが工程S61で確認されたときは、次の薬剤を供給する際の工程S71において第1モータ270を第2回転速度V2で正転方向に駆動させる。すなわち、制御部11は、薬剤の駆動開始時点から薬剤が排出されて供給されるまでの所要時間に応じて、次の薬剤を供給するために薬剤供給部を駆動させるときの第1モータ270の回転速度を段階的に変化させる。
【0247】
図55は、薬剤供給部によって供給された薬剤を計数する際の制御部における動作を説明するフローチャートである。図55に示すように、制御部11は、薬剤供給部によって供給された薬剤の計数(工程S33)が開始されると、第1検出部である第1センサ231が薬剤を検出したかどうかを第1センサ231からの第1検出信号の入力の有無によって判別する(工程S81)。
【0248】
制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出した場合、到達フラグをオンにする(工程S82)。制御部11は、第1センサ231が薬剤を検出していない場合、到達フラグはそのままにする。
【0249】
この後、制御部11は、第2検出部である第2センサ232が薬剤を検出したかどうかを第2センサ232からの第2検出信号の入力の有無によって判別する(工程S83)。工程S83において、第2センサ232が薬剤を検出している状態においては、薬剤は第2センサ232を構成する投光部と受光部との間の光軸を遮っている状態である。
【0250】
制御部11は、工程S83において第2センサ232が薬剤を検出した場合、第2検出部である第2センサ232が薬剤を非検出となったかどうかを第2センサ232からの第2検出信号の入力の有無によって判別する(工程S84)。工程S84において、第2センサ232が薬剤を非検出となっている状態においては、薬剤は第2センサ232を構成する投光部と受光部との間の光軸を通過して、当該光軸が元の開通状態に戻った状態である。制御部11は、工程S83において第2センサ232が薬剤を検出していない場合、工程S81に戻る。
【0251】
制御部11は、工程S84において第2センサ232が薬剤を非検出となった場合、到達フラグがオンになっているか確認する(工程S85)。制御部11は、工程S84において第2センサ232が薬剤を非検出となっていない場合、工程S84に戻る。
【0252】
制御部11は、工程S84において第2センサ232が薬剤を非検出となって、到達フラグがオンになっている場合、供給数を1加算して(工程S86)、到達フラグをオフにする(工程S87)。
【0253】
制御部11は、第2センサ232が薬剤を検出したが、到達フラグがオフである場合、異常と判断し(工程S89)、薬剤の計数を終了する。このように、制御部11は、第1検出信号が入力される入力間隔中に第2検出信号が複数回入力されると、異常と判断する。
【0254】
工程S87において到達フラグをオフにした後、制御部11は、供給数が一包における薬剤の必要数以上であるかどうかを判別する(工程S88)。供給数が一包における薬剤の必要数以上である場合、制御部11は、薬剤の計数を終了する。供給数が一包における薬剤の必要数未満である場合、制御部11は、工程S81に戻る。
【0255】
上記のように、制御部11は、第1センサ231から第1検出信号を入力され、第1検出信号に応じて薬剤供給部を制御し、かつ、第2センサ232から第2検出信号を入力され、第2検出信号に応じて薬剤供給部から供給された薬剤を計数する。
【0256】
なお、補充指示は、停止スイッチ238などの補充指示を入力可能な入力部から入力される場合に限られない。たとえば、薬剤収容容器300が取り付けられたことの容器検出センサ233からの検出信号の制御装置ユニット460への入力が、補充指示の制御装置ユニット460への入力となってもよい。すなわち、選択情報によって選択された第1薬剤供給装置10のベース部200に薬剤収容容器300が取り付けられたことを検出した容器検出センサ233の検出信号が、当該第1薬剤供給装置10の制御部11に補充指示として入力されてもよい。これにより、補充指示の入力操作を不要にすることができる。
【0257】
この場合、上記検出信号が上記制御部11に補充指示として入力された直後に、薬剤補充部12による薬剤の補充を開始させてもよく、あるいは、上記検出信号が上記制御部11に補充指示として入力されてから所定時間(5秒程度)が経過した後に、薬剤補充部12による薬剤の補充を開始させてもよい。前者の場合、操作者が薬剤収容容器300をベース部200に取り付けた際に、すぐに薬剤収容容器300が回転するので、薬剤の補充を効率よく行なうことできるが、操作者を驚かせる可能性がある。これに対して、後者の場合、操作者が薬剤収容容器300をベース部200に取り付けた際に、すぐには薬剤収容容器300が回転しないので、操作者を驚かせることがない。
【0258】
若しくは、操作パネル50から補充指示が入力されてもよい。図56は、本発明の一実施形態の第2変形例に係る薬剤分包装置が処方情報に応じて動作する際のタイムチャートである。図56に示すように、本発明の一実施形態の第2変形例に係る薬剤分包装置400においては、操作パネル50から補充指示が入力される。たとえば、図40に示す充填指示画面P3が閉じられると、補充指示が制御装置ユニット460に入力されるようになっていてもよい。または、充填指示画面P3に、補充指示を入力する入力部が設けられていてもよい。
【0259】
操作パネル50に入力された補充指示は、操作パネル50から主制御部41に入力される。主制御部41は、選択情報によって選択された第1薬剤供給装置10の制御部11に補充指示を入力する。本発明の一実施形態の第2変形例においても、主制御部41は、選択された第1薬剤供給装置10のベース部200に薬剤収容容器300が取り付けられたことを確認できたときのみ、当該第1薬剤供給装置10の制御部11に補充指示を入力するように構成されていてもよい。
【0260】
本発明の一実施形態の第1変形例および第2変形例においては、たとえば、第1薬剤供給装置Aが充填対象として選択されているとき、第1薬剤供給装置Aに取り付けられている薬剤収容容器300以外の第1薬剤供給装置B~Dの各々に取り付けられている薬剤収容容器300は、制御部11によって逆転方向に回転駆動させられてもよい。
【0261】
このとき、すでに補充指示を入力されて薬剤補充部12による薬剤の補充が終了している薬剤供給装置については、現在選択されている薬剤供給装置とともに薬剤収容容器300の逆転方向の回転駆動は行なわれない。たとえば、第1薬剤供給装置Aにおける薬剤補充部12による薬剤の補充が終了した後に、第1薬剤供給装置Bが充填対象に選択された場合、第1薬剤供給装置Aおよび第1薬剤供給装置B以外の第1薬剤供給装置C,Dの各々に取り付けられている薬剤収容容器300が制御部11によって逆転方向に回転駆動させられる。これにより、すでに補充が終了している第1薬剤供給装置Aに取り付けられている薬剤収容容器300内の薬剤が薬剤収容容器300の逆転方向の回転駆動によって薬剤収容容器300の底側に移動することで第1薬剤供給装置Aにおいて同一の薬剤を再度補充する際の所要時間が長くなることを抑制することができる。
【0262】
本発明の一実施形態の第1変形例および第2変形例に係る薬剤分包装置400においては、制御装置ユニット460には、薬剤分包装置400に分包動作を開始させる分包指示より前に、薬剤の分包情報を有する分包情報信号、および、薬剤補充部12による薬剤の補充を開始させる補充指示が入力される。制御装置ユニット460は、上記分包指示が入力される前に、上記補充指示に基づいて、上記分包情報に応じて薬剤を供給する第1薬剤供給装置10の薬剤供給部に対する薬剤補充部12による薬剤の補充を開始させ、かつ、薬剤補充部12による薬剤の補充後に薬剤供給部を駆動させて薬剤受け位置から搬送されて先頭に位置する薬剤が排出部131に到達する前に薬剤供給部の駆動を停止させる。これにより、薬剤補充部12による薬剤の補充および薬剤供給部による先頭に位置する薬剤の薬剤受け位置から排出部131に近づける搬送を分包指示前に行なうことが可能となって、分包指示を入力されてから薬剤の供給開始までの時間を短縮することができるため、ひいては、分包するための所要時間を短縮することができる。しかも上記分包指示が入力される前において薬剤補充部12から薬剤供給部に薬剤を補充している間は薬剤供給部を駆動させないことで、薬剤が必要以上に排出部131に近づいてしまうことを防ぐことができる。なお、分包指示が入力される前において薬剤補充部12から薬剤供給部に薬剤を補充している間に薬剤供給部を駆動させないことは必須ではなく、その間に薬剤供給部を駆動させてもよい。
【0263】
本発明の一実施形態の第1変形例に係る薬剤分包装置400においては、制御装置ユニット460は、薬剤供給部が薬剤を供給するために駆動開始した駆動開始時点からの経過時間を把握可能に構成されており、かつ、上記経過時間に応じて、薬剤供給部を駆動させるモータの回転速度を加速させる。これにより、薬剤の種類にかかわらず、分包するための所要時間を短縮することができる。具体的には、球形などの転がりやすく搬送されやすい形状を有する薬剤を搬送する際の薬剤供給部を駆動させるモータの回転速度に比較して、カプセル形状などの搬送されにくい形状を有する薬剤を供給する際に、上記経過時間に応じて薬剤供給部を駆動させるモータの回転速度を加速させることにより、搬送されにくい形状を有する薬剤を分包するための所要時間を短縮することができ、ひいては、薬剤の種類にかかわらず、分包するための所要時間を短縮することができる。
【0264】
本発明の一実施形態の第1変形例に係る薬剤分包装置400においては、制御装置ユニットは、排出部131から排出されて供給された薬剤の駆動開始時点からこの薬剤が排出されて供給されるまでの所要時間を把握可能に構成されており、かつ、上記所要時間に応じて、次の薬剤を供給するために薬剤供給部を駆動させるときのモータの回転速度を段階的に変化させる。これにより、薬剤の種類にかかわらず、排出部131から薬剤が同時に2錠排出されることを抑制しつつ、分包するための所要時間を短縮することができる。具体的には、薬剤供給部を駆動させるときのモータの回転速度を初めから高く設定した場合には、球形などの転がりやすく搬送されやすい形状を有する薬剤が排出部131から同時に2錠排出される可能性が高くなるが、上記所要時間に応じて次の薬剤を供給するために薬剤供給部を駆動させるときのモータの回転速度を段階的に変化させることにより、すなわち、薬剤供給部を駆動させるときのモータの回転速度を初めは比較的低めに設定することにより、球形などの転がりやすく搬送されやすい形状を有する薬剤が排出部131から同時に2錠排出されることを抑制でき、かつ、上記所要時間が長くなるにしたがって次の薬剤を供給するために薬剤供給部を駆動させるときのモータの回転速度を段階的に大きくすることにより、カプセル形状などの搬送されにくい形状を有する薬剤を分包するための所要時間を短縮することができ、ひいては、薬剤の種類にかかわらず、排出部131から薬剤が同時に2錠排出されることを抑制しつつ、分包するための所要時間を短縮することができる。
【0265】
なお、本発明の一実施形態の第1変形例に係る薬剤分包装置400においては、薬剤供給部を駆動させるときのモータの回転速度を第1回転速度V1~第3回転速度V3まで3段階で変化させたが、これに限られず、4段階以上に変化させてもよい。また、回転速度を上げるまでの上記経過時間を、上記所要時間に応じて、変化させてもよい。具体的には、上記所要時間が長くなるにしたがって、上記経過時間を短くするように変化させてもよい。これにより、分包するための所要時間を短縮することができる。
【0266】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0267】
1,3 軸線、2 回転方向、4 垂線、10,A,B,C,D 第1薬剤供給装置、11 制御部、12 薬剤補充部、20 第2薬剤供給装置、30 第3薬剤供給装置、41 主制御部、50 操作パネル、52 表示処理部、53 受付処理部、54 割当処理部、55 記憶部、90 処方情報受付装置、91 読取部、100 薬剤供給モジュール、110 回転体、110s 斜面、111 第1回転部、111c 第1凹条部、111g 第1従動歯車、112 第2回転部、112c 第2凹条部、112g 第2従動歯車、120 蓋部材、121 第1周壁部、122 第2周壁部、123 第3周壁部、124 第1傾斜壁部、125 第2傾斜壁部、126,340 蓋部、127 薬剤供給孔、128 切欠部、129 取付部、130 排出部材、130b 軸受部、131 排出部、132 立壁部、140 開閉部材、140b,341h 係合孔、140s 回動軸、140t 付勢部材、141 開閉部、142 薬剤止め部、150 支持部、151 水平面部、152 立設部、153 台部、160 振動伝達板、170 緩衝部材、200 ベース部、210 第1駆動軸、211g 第1駆動歯車、212g 第2駆動歯車、220 排出シュート、231 第1センサ、232 第2センサ、233 容器検出センサ、235 薬剤検出センサ、236 モジュール検出センサ、237 開閉センサ、238 停止スイッチ、240 第2駆動軸、250 表示部、260 振動部、270 第1モータ、271 第2モータ、272 第3モータ、273 偏心モータ、281,282 ローラ部、290 接続管路、300 薬剤収容容器、310 本体筒、312 螺旋溝、312e 終端、313 第1開口部、314 第2開口部、315 周方向溝、320 円筒部、330 底部、330b 底面、330c 環状部、332 円板部、341 外蓋、341a アーム部、342 内蓋、342c 内蓋面、342h 開口部、342p 回動軸部、342s 係合突起、400 薬剤分包装置、410 筐体、420 回転ドラム、421 薬剤搬送路、430 ホッパ、440 薬剤包装装置ユニット、450 薬剤供給装置ユニット、460 制御装置ユニット、A 薬剤供給装置、BM,DM 識別色、M1,M3,M4 薬剤、P1 処方画面、P2 選択画面、P3 充填指示画面、P4 配分画面、R1,R2,R3,R4,R5 選択領域、RD 区画領域、T1,T11,T21,T31 処方情報表示欄、T2 動作表示欄、T3 分包数表示欄、T4 表示開始入力欄、T12 手まき薬剤一覧表表示欄、T13 数量表示欄、T14 選択領域表示欄、T15,T25 割当薬剤情報表示欄、T16 特定薬剤表示欄、T17,T37 切替操作入力欄、T22 充填薬剤情報表示欄、T23 充填対象薬剤供給装置表示欄、T24 識別マーク、T26 継続情報表示欄、T27 注意表示欄、T32 手まき薬剤表示欄、T33 区画領域表示欄。
図1
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