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特開2024-170781半導体製造装置および半導体製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170781
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】半導体製造装置および半導体製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241204BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02N13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087495
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】藤原 伸夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼力 暁成
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA03
5F131CA06
5F131DB02
5F131EB15
5F131EB52
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB85
(57)【要約】
【課題】半導体ウエハの熱処理において、ヒーター内蔵ステージの温度を半導体ウエハに効率良く均一に伝えることが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】半導体製造装置は、表面と表面とは反対側の裏面とを有し、表面に配置された半導体ウエハ6を静電吸着によって保持する静電チャック1と、静電チャック1の裏面と対向するように配置され、かつ、静電チャック1の裏面と対向する上面において、静電チャック1の裏面と接触する外周部2aと、外周部2aを除く部分2bに設けられ静電チャック1の裏面との間に熱伝導ガスが導入される空間を形成する凹部7とを有するヒーター内蔵ステージ2と、ヒーター内蔵ステージ2内における中央部に設けられ、熱伝導ガス5を空間に導入する熱伝導ガス導入管4とを備えている。静電チャック1は、軟性材料からなり、半導体ウエハ6の形状に追従して変形する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と前記第1主面とは反対側の第2主面とを有し、前記第1主面に配置された半導体ウエハを静電吸着によって保持する静電チャックと、
前記静電チャックの前記第2主面と対向するように配置され、かつ、前記静電チャックの前記第2主面と対向する一方主面において、前記静電チャックの前記第2主面と接触する外周部と、前記外周部を除く部分に設けられ前記静電チャックの前記第2主面との間に熱伝導ガスが導入される空間を形成する凹部とを有するヒーター内蔵ステージと、
前記ヒーター内蔵ステージ内における中央部に設けられ、前記熱伝導ガスを前記空間に導入する熱伝導ガス導入管と、を備え、
前記静電チャックは、軟性材料からなり、前記半導体ウエハの形状に追従して変形する、半導体製造装置。
【請求項2】
前記熱伝導ガス導入管は、前記空間に代えて、前記半導体ウエハと前記静電チャックとの間に前記熱伝導ガスを導入する、伸縮可能なフレキシブル配管である、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記ヒーター内蔵ステージ内における前記熱伝導ガス導入管よりも外周側に設けられ、前記静電チャックを前記第2主面から前記第1主面の方向へ押し上げる押上げピンをさらに備えた、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記半導体ウエハの変形量を監視するウエハ変形量モニタをさらに備えた、請求項3に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
第1主面と前記第1主面とは反対側の第2主面とを有し、前記第1主面に配置された半導体ウエハを静電吸着によって保持する静電チャックと、
前記静電チャックの前記第2主面と対向するように配置され、かつ、前記静電チャックの前記第2主面と対向する一方主面において、前記静電チャックの前記第2主面と接触する外周部と、前記外周部を除く部分に設けられ前記静電チャックの前記第2主面との間に加圧ガスが導入される空間を形成する凹部とを有するヒーター内蔵ステージと、
前記ヒーター内蔵ステージ内における中央部に設けられ、熱伝導ガスを前記半導体ウエハと前記静電チャックとの間に導入する、伸縮可能なフレキシブル配管である熱伝導ガス導入管と、
前記ヒーター内蔵ステージ内における前記熱伝導ガス導入管よりも外周側に設けられ、前記静電チャックを前記第2主面から前記第1主面の方向へ加圧する前記加圧ガスを前記空間に導入する加圧ガス導入管と、
前記空間の圧力を監視して前記加圧ガスの圧力を制御する制御部と、を備え、
前記静電チャックは、軟性材料からなり、前記半導体ウエハの形状に追従して変形する、半導体製造装置。
【請求項6】
第1主面と前記第1主面とは反対側の第2主面とを有し、前記第1主面に配置された半導体ウエハを静電吸着によって保持する静電チャックと、
前記静電チャックの前記第2主面の外周部を保持する搬送トレイと、
前記静電チャックの前記第2主面と対向するように配置され、かつ、前記静電チャックの前記第2主面と対向する一方主面において、前記搬送トレイと接触する外周部と、前記静電チャックの前記第2主面との間に熱伝導ガスが導入される空間を形成する前記外周部を除く部分とを有するヒーター内蔵ステージと、
前記ヒーター内蔵ステージ内における中央部に設けられ、前記熱伝導ガスを前記空間に導入する熱伝導ガス導入管と、を備え、
前記搬送トレイは、前記ヒーター内蔵ステージに対して着脱可能なように固定され、
前記静電チャックは、軟性材料からなり、前記半導体ウエハの形状に追従して変形する、半導体製造装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体製造装置を用いた半導体製造方法であって、
前記半導体ウエハを静電吸着する吸着工程と、
前記半導体ウエハを熱処理する熱処理工程と、
を備えた、半導体製造方法。
【請求項8】
前記吸着工程の後に、前記半導体ウエハの一方主面に表面電極をスパッタリングするスパッタ工程をさらに備えた、請求項7に記載の半導体製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体製造装置および半導体製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハにアルミニウムをスパッタリングした後、リフロー処理室において熱処理(リフロー)を実施することにより、半導体ウエハに設けられた段差と窪みにアルミニウムを流入させて表面電極を形成している。
【0003】
リフロー処理室では、半導体ウエハの裏面を静電チャック(ESC:Electro Static Chuck)により吸着し、ヒーター内蔵ステージの温度を半導体ウエハに伝える処理を実施するが、半導体ウエハの反り量が大きい場合に、反りによって変形した半導体ウエハの吸着が難しかった。そのため、ヒーター内蔵ステージの温度を半導体ウエハに効率良く均一に伝えることができなかった。
【0004】
例えば、特許文献1には、反り量の大きい半導体ウエハを静電吸着した後、平面矯正することができる静電チャックが開示されている。特許文献1に記載の静電チャックは、湾曲したシート形状の静電チャック本体に外力を付与して、載置面上において平坦化するための平坦化手段を備えており、湾曲したシート形状の静電チャック本体に反りによって変形した半導体ウエハを吸着させた後、外力を付与して平坦化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-205350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、平坦化された半導体ウエハにウエハ強度を超える内部応力が発生するため、半導体ウエハに割れが発生するという問題があった。そのため、ヒーター内蔵ステージの温度を半導体ウエハに効率良く均一に伝えることができなかった。
【0007】
そこで、本開示は、半導体ウエハの熱処理において、ヒーター内蔵ステージの温度を半導体ウエハに効率良く均一に伝えることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る半導体製造装置は、第1主面と前記第1主面とは反対側の第2主面とを有し、前記第1主面に配置された半導体ウエハを静電吸着によって保持する静電チャックと、前記静電チャックの前記第2主面と対向するように配置され、かつ、前記静電チャックの前記第2主面と対向する一方主面において、前記静電チャックの前記第2主面と接触する外周部と、前記外周部を除く部分に設けられ前記静電チャックの前記第2主面との間に熱伝導ガスが導入される空間を形成する凹部とを有するヒーター内蔵ステージと、前記ヒーター内蔵ステージ内における中央部に設けられ、前記熱伝導ガスを前記空間に導入する熱伝導ガス導入管とを備え、前記静電チャックは、軟性材料からなり、前記半導体ウエハの形状に追従して変形する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、半導体ウエハの反り量が大きい場合においても、半導体ウエハに割れが発生することなく、半導体ウエハを吸着することができるため、ヒーター内蔵ステージの温度を半導体ウエハに効率良く均一に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る半導体製造装置の断面図である。
図2】実施の形態1において凸反りした半導体ウエハを静電チャックにより吸着した状態を示す断面図である。
図3】実施の形態1において凹反りした半導体ウエハを静電チャックにより吸着した状態を示す断面図である。
図4】実施の形態1に係る半導体製造方法を示すフローチャートである。
図5】実施の形態2に係る半導体製造装置が備えるヒーター内蔵ステージの上部および静電チャックの断面図である。
図6】実施の形態3に係る半導体製造装置が備えるヒーター内蔵ステージの上部および静電チャックの断面図である。
図7】実施の形態3に係る半導体製造装置が備える静電チャックの一例を示す上面図である。
図8】実施の形態3に係る半導体製造装置が備える静電チャックの他の例を示す上面図である。
図9】実施の形態3の変形例に係る半導体製造装置が備えるヒーター内蔵ステージの上部および静電チャックの断面図である。
図10】実施の形態4に係る半導体製造装置が備えるヒーター内蔵ステージの上部、搬送トレイ、および静電チャックの断面図である。
図11】実施の形態4において搬送ブレードを用いた搬送トレイの搬送を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
<半導体製造装置の構成>
実施の形態1について、図面を用いて以下に説明する。図1は、実施の形態1に係る半導体製造装置の断面図である。
【0012】
半導体製造装置は、処理室14内に配置されており、静電チャック1と、ヒーター内蔵ステージ2と、熱伝導ガス導入管4とを備えている。
【0013】
静電チャック1は、第1主面である表面と、第1主面とは反対側の第2主面である裏面とを有している。静電チャック1には、電極1aが埋め込まれており、ヒーター内蔵ステージ2に設けられたESC電源3からの電圧が配線3aを介して電極1aに印加されて静電気により半導体ウエハ6を吸着する。また、静電チャック1の中心部には貫通孔1bが設けられている。なお、半導体ウエハ6は円板状であることから、静電チャック1も円板状であることが好ましい。
【0014】
静電チャック1は、例えば樹脂系材料のポリイミドなどの軟性材料からなり、さらには熱処理工程に耐えられる耐熱性がある材料が好ましい。例えば、室温以上500℃以下程度の耐熱性があることが好ましい。また、静電チャック1の厚みが半導体ウエハ6の厚み以下であるか、または静電チャック1の剛性が半導体ウエハ6の剛性よりも低くなっており、静電チャック1は、後述の熱伝導ガス5からの圧力により半導体ウエハ6の形状に追従して変形可能である。
【0015】
ヒーター内蔵ステージ2は、断面視においてT字状に形成され、一方主面である上面が静電チャック1の裏面と対向するように配置されている。ヒーター内蔵ステージ2の上面は、静電チャック1の形状に合わせて、円状であることが好ましい。ヒーター内蔵ステージ2の上面において、静電チャック1の裏面と接触する外周部2aと、外周部2aを除く部分2bとを有している。
【0016】
ヒーター内蔵ステージ2の上面における外周部2aは、全周に渡って凸状に形成されており、静電チャック1の外周部を支持する。ヒーター内蔵ステージ2の上面における外周部2aを除く部分2bの全域には、静電チャック1の裏面との間に熱伝導ガス5が導入される空間を形成する凹部7が設けられている。ヒーター内蔵ステージ2の凹部7の上面視輪郭は、半導体ウエハ6の上面視輪郭と略同じである。半導体ウエハ6は、静電チャック1を介して凹部7に対向する位置に配置されている。これは、凹部7と静電チャック1の裏面との間に空間を形成し、空間内に熱伝導ガス5を導入することから、静電チャック1を介して凹部7に対向する位置に半導体ウエハ6が配置されることで半導体ウエハ6へ熱を均一に伝えるためである。
【0017】
なお、空間の上面視形状は、半導体ウエハ6の上面視形状と同じ円状であることが好ましい。さらに、外周部2aは、ヒーター内蔵ステージ2から取り外し可能なように設けられていてもよく、リング状の凸部としてヒーター内蔵ステージ2と嵌合させるように設けられていてもよい。ヒーター内蔵ステージ2から外周部2aを取り外し可能とすることで、半導体ウエハ6のインチサイズ(6インチ、8インチ、12インチなど)に応じて最適なサイズの空間を形成するように外周部2aを配置することが可能である。
【0018】
熱伝導ガス導入管4は、ヒーター内蔵ステージ2内における中央部に設けられており、ヒーター内蔵ステージ2の下端から凹部7へ延在している。熱伝導ガス導入管4は、凹部7の中心部を通っており、熱伝導ガス5は、熱伝導ガス導入管4の下端から凹部7の中心部へ導入される。凹部7の中心部(すなわち、空間の中心部)から熱伝導ガス5を導入することで空間内に均一の濃度で熱伝導ガス5を導入することができる。なお、熱伝導ガス5は、不活性ガスであればよく、例えば、Arガスである。
【0019】
なお、熱伝導ガス導入管4は、ヒーター内蔵ステージ2内における中央部だけでなく、凹部7の中心部に対して対称となる複数の位置に設けられていてもよい。凹部7の中心部に対して対称となる複数の位置に熱伝導ガス導入管4を設けることで、ガス濃度分布を均一にすることができる。熱伝導ガス導入管4に導入された熱伝導ガス5は、凹部7と静電チャック1の裏面との間に形成された空間に充満する。この熱伝導ガス5を介して、半導体ウエハ6へヒーター内蔵ステージ2の温度が均一に伝えられる。
【0020】
<半導体製造方法>
次に、図2図4を用いて、半導体製造装置を用いた半導体製造方法について説明する。図2は、実施の形態1において凸反りした半導体ウエハ6を静電チャック1により吸着した状態を示す断面図である。図3は、実施の形態1において凹反りした半導体ウエハ6を静電チャック1により吸着した状態を示す断面図である。図4は、実施の形態1に係る半導体製造方法を示すフローチャートである。なお、図2以降の図面では、ヒート内蔵ステージ2は上部のみを図示している。
【0021】
図4に示すように、まず、半導体ウエハ6にイオン注入などを行い、半導体ウエハ6に複数の半導体素子を行列状に形成する準備工程(ステップS1)を行う。半導体素子としてダイオードまたはスイッチング素子が形成される。スイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)またはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等である。なお、半導体ウエハ6の材料は、Si、またはSiC等のワイドバンドギャップ半導体である。
【0022】
準備工程(ステップS1)が終わった後、半導体製造装置を用いて半導体ウエハ6を静電吸着する吸着工程(ステップS2)と、半導体ウエハ6の一方主面である表面に表面電極をスパッタリングするスパッタ工程(ステップS3)と、半導体ウエハ6を熱処理する熱処理工程(ステップS4)とを順に行う。
【0023】
各工程について説明する。まず、吸着工程(ステップS2)では、スパッタターゲットを半導体ウエハ6の上方に配置した処理室14内において、半導体ウエハ6を静電チャック1に搭載し、ESC電源3からの電圧が配線3aを介して静電チャック1の電極1aに印加されて半導体ウエハ6を静電吸着する。
【0024】
次に、スパッタ工程(ステップS3)では、半導体ウエハ6の表面に形成する表面電極の材料はアルミニウムまたはアルミニウム化合物であり、例えば、表面電極としてAlSi膜を形成する。
【0025】
次に、熱処理工程(ステップS4)では、熱伝導ガス導入管4を介して熱伝導ガス5を空間に導入し、ヒーター内蔵ステージ2のヒーター(図示しない)によって熱伝導ガス5を介して半導体ウエハ6が加熱される。半導体ウエハ6が昇温する際、半導体ウエハ6の表面に成膜されている膜種に応じて、図2または図3に示すように、半導体ウエハ6が変形する場合がある。図2は、半導体ウエハ6が凸反りした状態を示し、図3は、半導体ウエハ6が凹反りした状態を示す。ここで、凸反りとは上側に凸状に反ることをいい、凹反りとは下側に凸状に反ることをいう。
【0026】
半導体ウエハ6が変形したとき、軟性材料からなる静電チャック1は、半導体ウエハ6の形状に追従する。そのため、半導体ウエハ6に割れが発生することなく、ヒーター内蔵ステージ2の温度を半導体ウエハ6に効率良く均一に伝えることが可能である。また、半導体ウエハ6が大口径化した場合、半導体ウエハ6の変形量も大きくなるため、上記の効果がさらに大きくなる。また、半導体ウエハ6の変形は図2および図3に示す方向だけでなく、上側または下側にお椀状に反る場合、または上下に波打つように反る場合などがある。この場合も、静電チャック1は、半導体ウエハ6の形状に追従するため、半導体ウエハ6に割れが発生することなく、ヒーター内蔵ステージ2の温度を半導体ウエハ6に効率良く均一に伝えることが可能である。
【0027】
なお、上記では、吸着工程(ステップS2)の後で、スパッタ工程(ステップS3)と熱処理工程(ステップS4)とを行ったが、これに限定されることなく、スパッタ工程(ステップS3)を行った後、吸着工程(ステップS2)を行ってもよい。
【0028】
また、半導体製造装置は、スパッタ工程に限らず、半導体ウエハ6を処理する他の工程において半導体ウエハ6を吸着して固定する際に用いてもよい。スパッタ工程を例としたのはスパッタリングによって半導体ウエハ6が反りやすいためであり、本実施の形態が特に有用であるためである。また、図4に示した半導体製造方法は、実施の形態2以降に係る半導体製造装置を用いることも可能である。
【0029】
<効果>
以上のように、実施の形態1では、半導体製造装置は、第1主面である表面と表面とは反対側の第2主面である裏面とを有し、表面に配置された半導体ウエハ6を静電吸着によって保持する静電チャック1と、静電チャック1の裏面と対向するように配置され、かつ、静電チャック1の裏面と対向する一方主面である上面において、静電チャック1の裏面と接触する外周部2aと、外周部2aを除く部分2bに設けられ静電チャック1の裏面との間に熱伝導ガス5が導入される空間を形成する凹部7とを有するヒーター内蔵ステージ2と、ヒーター内蔵ステージ2内における中央部に設けられ、熱伝導ガス5を空間に導入する熱伝導ガス導入管4とを備えている。静電チャック1は、軟性材料からなり、半導体ウエハ6の形状に追従して変形する。
【0030】
したがって、半導体ウエハ6の反り量が大きい場合においても、半導体ウエハ6に割れが発生することなく、半導体ウエハ6を吸着することができるため、ヒーター内蔵ステージ2の温度を半導体ウエハ6に効率良く均一に伝えることができる。
【0031】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2に係る半導体製造装置について説明する。図5は、実施の形態2に係る半導体製造装置が備えるヒーター内蔵ステージ2の上部および静電チャック1の断面図である。なお、実施の形態2において、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0032】
図5に示すように、実施の形態2では、実施の形態1に対して、加圧ガス導入管8と、制御部10とをさらに備え、熱伝導ガス導入管4として伸縮可能なフレキシブル配管を採用している。
【0033】
加圧ガス導入管8は、ヒーター内蔵ステージ2内における熱伝導ガス導入管4よりも外周側に設けられ、静電チャック1を裏面から表面の方向へ加圧する加圧ガス9を静電チャック1の裏面とヒーター内蔵ステージ2の上面との間の空間に導入する。加圧ガス9が静電チャック1を加圧することで、静電チャック1が半導体ウエハ6の形状に追従できるように制御される。
【0034】
制御部10は、静電チャック1の裏面とヒーター内蔵ステージ2の上面との間の空間の圧力を監視して、加圧ガス導入管8のガス流量を制御することで加圧ガス9の圧力を制御する。また、制御部10は、加圧ガス9の圧力の制御に加えて、処理室14内の圧力を監視して、熱伝導ガス導入管4のガス流量を制御することで熱伝導ガス5の圧力を制御してもよい。
【0035】
熱伝導ガス導入管4の上端は、静電チャック1の裏面の中心部と接触しており、熱伝導ガス導入管4は、静電チャック1の中心部に設けられた貫通孔1bを介して半導体ウエハ6と静電チャック1との間と連通している。熱伝導ガス5は、実施の形態1の場合とは異なり、静電チャック1の裏面とヒーター内蔵ステージ2の上面との間の空間には導入されず、半導体ウエハ6と静電チャック1との間に導入される。そのため、熱伝導ガス導入管4に導入された熱伝導ガス5は、半導体ウエハ6と静電チャック1との間に充満する。この熱伝導ガス5を介して、半導体ウエハ6へヒーター内蔵ステージ2の温度が均一に伝えられる。
【0036】
また、熱伝導ガス導入管4はフレキシブル配管であるため、半導体ウエハ6の変形量に応じて熱伝導ガス導入管4が上下に伸縮することで、静電チャック1が半導体ウエハ6の形状に追従できるように制御される。
【0037】
加圧ガス導入管8が設けられたことと、熱伝導ガス導入管4がフレキシブル配管であることにより、半導体ウエハ6の変形量が静電チャック1の変形量よりも大きい場合でも、静電チャック1は半導体ウエハ6の形状に追従することが可能となる。
【0038】
なお、加圧ガス9は、不活性ガスであればよく、例えば、Arガスである。また、加圧ガス導入管8は、静電チャック1を均等に加圧するために、凹部7の中心部に対して対称となる複数の位置に設けられていることが好ましい。
【0039】
以上のように、実施の形態2では、半導体製造装置は、第1主面である表面と表面とは反対側の第2主面である裏面とを有し、表面に配置された半導体ウエハ6を静電吸着によって保持する静電チャック1と、静電チャック1の裏面と対向するように配置され、かつ、静電チャック1の裏面と対向する一方主面である上面において、静電チャック1の裏面と接触する外周部2aと、外周部2aを除く部分2bに設けられ静電チャック1の裏面との間に加圧ガス9が導入される空間を形成する凹部7とを有するヒーター内蔵ステージ2と、ヒーター内蔵ステージ2内における中央部に設けられ、熱伝導ガス5を半導体ウエハ6と静電チャック1との間に導入する、伸縮可能なフレキシブル配管である熱伝導ガス導入管4と、ヒーター内蔵ステージ2内における熱伝導ガス導入管4よりも外周側に設けられ、静電チャック1を裏面から表面の方向へ加圧する加圧ガス9を空間に導入する加圧ガス導入管8と、空間の圧力を監視して加圧ガス9の圧力を制御する制御部10とを備えている。静電チャック1は、軟性材料からなり、半導体ウエハ6の形状に追従して変形する。
【0040】
半導体ウエハ6の変形量が静電チャック1の変形量よりも大きい場合、静電チャック1から半導体ウエハ6が外れる可能性があるが、実施の形態2では、加圧ガス導入管8が設けられており、また、熱伝導ガス導入管4がフレキシブル配管である。これらの構成により、半導体ウエハ6の変形量が静電チャック1の変形量よりも大きい場合でも、半導体ウエハ6に割れが発生することなく、半導体ウエハ6を吸着することができるため、ヒーター内蔵ステージ2の温度を半導体ウエハ6に効率良く均一に伝えることができる。
【0041】
なお、半導体ウエハ6の変形量が熱伝導ガス導入管4の伸縮で対応可能な場合には、加圧ガス導入管8は省略可能である。この場合にも、半導体ウエハ6の変形量に応じて熱伝導ガス導入管4が伸縮することで、静電チャック1が追従できるように制御されるため、上記の効果が得られる。
【0042】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3に係る半導体製造装置について説明する。図6は、実施の形態3に係る半導体製造装置が備えるヒーター内蔵ステージ2の上部および静電チャック1の断面図である。図7は、実施の形態3に係る半導体製造装置が備える静電チャック1の一例を示す上面図である。図8は、実施の形態3に係る半導体製造装置が備える静電チャック1の他の例を示す上面図である。なお、実施の形態3において、実施の形態1,2で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0043】
図6に示すように、実施の形態3では、実施の形態1に対して、押上げピン11をさらに備えている。
【0044】
押上げピン11は、ヒーター内蔵ステージ2内における熱伝導ガス導入管4よりも外周側に設けられ、静電チャック1を裏面から表面の方向へ押し上げる。実施の形態2の加圧ガス導入管8に代えて、押上げピン11の押し上げ動作によって、静電チャック1が半導体ウエハ6の形状に追従できるように制御される。押上げピン11は、凹部7の中心部に対して対称となる複数の位置に設けられていることが好ましい。具体的には、図7図8に示すように、押上げピン11は、熱伝導ガス導入管4を中心とした互いに異なる大きさの2つの円状に沿って複数ずつ設けられている。
【0045】
次に、実施の形態3の変形例について説明する。図9は、実施の形態3の変形例に係る半導体製造装置が備えるヒーター内蔵ステージ2の上部および静電チャック1の断面図である。図9に示すように、半導体製造装置は、半導体ウエハ6の変形量を監視するウエハ変形量モニタ12をさらに備えていてもよい。
【0046】
ウエハ変形量モニタ12は、半導体ウエハ6の裏面の中央部および外周部と接触するようにヒーター内蔵ステージ2内に設けられている。ウエハ変形量モニタ12は、例えば、ひずみゲージ等である。ウエハ変形量モニタ12により半導体ウエハ6の変形量を監視することで、押上げピン11の押し上げ量を制御することが可能である。
【0047】
なお、半導体ウエハ6と静電チャック1の間、または静電チャック1の裏面とヒーター内蔵ステージ2の上面との間の空間の圧力を監視してもよい。または、処理室14に圧力計を設けて処理中の圧力を監視して処理室14が予め設定された圧力よりも高い場合は、半導体ウエハ6と静電チャック1との間から熱伝導ガス5が漏れて半導体ウエハ6と静電チャック1との間に隙間があると判断し、押上げピン11の押し上げ動作により隙間を小さくするよう制御してもよい。また、実施の形態2の場合と同様に、熱伝導ガス導入管4として伸縮可能なフレキシブル配管を採用することも可能である。
【0048】
以上のように、実施の形態3では、半導体製造装置は、ヒーター内蔵ステージ2内における熱伝導ガス導入管4よりも外周側に設けられ、静電チャック1を裏面から表面の方向へ押し上げる押上げピン11をさらに備えている。押上げピン11が静電チャック1を押し上げることで、静電チャック1が半導体ウエハ6の形状に追従できるように制御される。これにより、半導体ウエハ6の変形量が静電チャック1の変形量よりも大きい場合でも、半導体ウエハ6に割れが発生することなく、半導体ウエハ6を吸着することができるため、ヒーター内蔵ステージ2の温度を半導体ウエハ6に効率良く均一に伝えることができる。また、押上げピン11を設けることで、実施の形態2の場合よりも簡易な構成で実現することができる。
【0049】
また、半導体製造装置は、半導体ウエハ6の変形量を監視するウエハ変形量モニタ12をさらに備えている。したがって、半導体ウエハ6の変形量に応じて押上げピン11の押し上げ量を制御することで、静電チャック1が半導体ウエハ6の形状に精度良く追従できるようになる。
【0050】
<実施の形態4>
次に、実施の形態4に係る半導体製造装置について説明する。図10は、実施の形態4に係る半導体製造装置が備えるヒーター内蔵ステージ2Aの上部、搬送トレイ13、および静電チャック1の断面図であり、ヒーター内蔵ステージ2Aから搬送トレイ13を取り外した状態を示している。図11は、実施の形態4において搬送ブレード16を用いた搬送トレイ13の搬送を示す上面図である。なお、実施の形態4において、実施の形態1~3で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0051】
図10に示すように、実施の形態4では、実施の形態1に対して、ヒーター内蔵ステージ2に代えてヒーター内蔵ステージ2Aを備えるとともに、搬送トレイ13をさらに備えている。
【0052】
図11に示すように、搬送トレイ13は、上面視においてリング状に形成されており、静電チャック1の裏面の外周部を保持する。また、搬送トレイ13は金属製であり、ヒーター内蔵ステージ2Aに対して着脱可能なように固定されている。具体的には、搬送トレイ13の下端部には、ヒーター内蔵ステージ2Aの上面における外周部2aに設けられた固定部15aと着脱可能な被固定部15bが設けられている。固定部15aと被固定部15bには、例えば嵌合など種々の固定方法を採用することが可能である。
【0053】
図10に示すように、ヒーター内蔵ステージ2Aは、断面視においてT字状に形成され、一方主面である上面が静電チャック1の裏面と対向するように配置されている。ヒーター内蔵ステージ2Aの上面は、静電チャック1の形状に合わせて、円状であることが好ましい。ヒーター内蔵ステージ2Aの上面において、搬送トレイ13と接触する外周部2aと、外周部2aを除く部分2bとを有している。
【0054】
ヒーター内蔵ステージ2Aの上面全体は平面状に形成されており、ヒーター内蔵ステージ2Aの上面における外周部2aは、搬送トレイ13を支持する。ヒーター内蔵ステージ2Aの上面における外周部2aを除く部分2bと、静電チャック1の裏面との間には、熱伝導ガス5が導入される空間が形成されている。ヒーター内蔵ステージ2Aの上面における外周部2aを除く部分2bの上面視輪郭は、半導体ウエハ6の上面視輪郭と略同じである。半導体ウエハ6は、静電チャック1を介してヒーター内蔵ステージ2Aの上面における外周部2aを除く部分2bに対向する位置に配置される。これは、ヒーター内蔵ステージ2Aの上面における外周部2aを除く部分2bと静電チャック1の裏面との間に空間を形成し、空間内に熱伝導ガス5を導入することから、静電チャック1を介してヒーター内蔵ステージ2Aの上面における外周部2aを除く部分2bに対向する位置に半導体ウエハ6が配置されることで半導体ウエハ6へ熱を均一に伝えるためである。
【0055】
搬送トレイ13は、ヒーター内蔵ステージ2Aに対して自重により固定されることが好ましい。ヒーター内蔵ステージ2Aに搬送トレイ13が接触することで、静電チャック1の電極1aとヒーター内蔵ステージ2Aの配線3aとが電気的に接続され、静電吸着が可能となる。処理室14での工程終了後は、図11に示すように、ヒーター内蔵ステージ2Aから搬送トレイ13を取り外して、搬送トレイ13に搭載された静電チャック1および半導体ウエハ6を、搬送ブレード16を介して搬送する。
【0056】
以上のように、実施の形態4では、第1主面である表面と表面とは反対側の第2主面である裏面とを有し、表面に配置された半導体ウエハ6を静電吸着によって保持する静電チャック1と、静電チャック1の裏面の外周部を保持する搬送トレイ13と、静電チャック1の裏面と対向するように配置され、かつ、静電チャック1の裏面と対向する一方主面である上面において、搬送トレイ13と接触する外周部2aと、静電チャック1の裏面との間に熱伝導ガス5が導入される空間を形成する外周部2aを除く部分2bとを有するヒーター内蔵ステージ2Aと、ヒーター内蔵ステージ2A内における中央部に設けられ、熱伝導ガス5を空間に導入する熱伝導ガス導入管4とを備えている。搬送トレイ13は、ヒーター内蔵ステージ2Aに対して着脱可能なように固定され、静電チャック1は、軟性材料からなり、半導体ウエハ6の形状に追従して変形する。
【0057】
したがって、半導体ウエハ6の反り量が大きい場合においても、半導体ウエハ6に割れが発生することなく、半導体ウエハ6を吸着することができるため、ヒーター内蔵ステージ2の温度を半導体ウエハ6に効率良く均一に伝えることができる。
【0058】
また、静電チャック1は使用頻度に応じて半導体ウエハ6との接触面が削られるが、搬送トレイ13を介してヒーター内蔵ステージ2Aと着脱可能とすることで、半導体製造装置のメンテナンス性が向上する。
【0059】
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【0060】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0061】
(付記1)
第1主面と前記第1主面とは反対側の第2主面とを有し、前記第1主面に配置された半導体ウエハを静電吸着によって保持する静電チャックと、
前記静電チャックの前記第2主面と対向するように配置され、かつ、前記静電チャックの前記第2主面と対向する一方主面において、前記静電チャックの前記第2主面と接触する外周部と、前記外周部を除く部分に設けられ前記静電チャックの前記第2主面との間に熱伝導ガスが導入される空間を形成する凹部とを有するヒーター内蔵ステージと、
前記ヒーター内蔵ステージ内における中央部に設けられ、前記熱伝導ガスを前記空間に導入する熱伝導ガス導入管と、を備え、
前記静電チャックは、軟性材料からなり、前記半導体ウエハの形状に追従して変形する、半導体製造装置。
【0062】
(付記2)
前記熱伝導ガス導入管は、前記空間に代えて、前記半導体ウエハと前記静電チャックとの間に前記熱伝導ガスを導入する、伸縮可能なフレキシブル配管である、付記1に記載の半導体製造装置。
【0063】
(付記3)
前記ヒーター内蔵ステージ内における前記熱伝導ガス導入管よりも外周側に設けられ、前記静電チャックを前記第2主面から前記第1主面の方向へ押し上げる押上げピンをさらに備えた、付記1または付記2に記載の半導体製造装置。
【0064】
(付記4)
前記半導体ウエハの変形量を監視するウエハ変形量モニタをさらに備えた、付記3に記載の半導体製造装置。
【0065】
(付記5)
第1主面と前記第1主面とは反対側の第2主面とを有し、前記第1主面に配置された半導体ウエハを静電吸着によって保持する静電チャックと、
前記静電チャックの前記第2主面と対向するように配置され、かつ、前記静電チャックの前記第2主面と対向する一方主面において、前記静電チャックの前記第2主面と接触する外周部と、前記外周部を除く部分に設けられ前記静電チャックの前記第2主面との間に加圧ガスが導入される空間を形成する凹部とを有するヒーター内蔵ステージと、
前記ヒーター内蔵ステージ内における中央部に設けられ、熱伝導ガスを前記半導体ウエハと前記静電チャックとの間に導入する、伸縮可能なフレキシブル配管である熱伝導ガス導入管と、
前記ヒーター内蔵ステージ内における前記熱伝導ガス導入管よりも外周側に設けられ、前記静電チャックを前記第2主面から前記第1主面の方向へ加圧する前記加圧ガスを前記空間に導入する加圧ガス導入管と、
前記空間の圧力を監視して前記加圧ガスの圧力を制御する制御部と、を備え、
前記静電チャックは、軟性材料からなり、前記半導体ウエハの形状に追従して変形する、半導体製造装置。
【0066】
(付記6)
第1主面と前記第1主面とは反対側の第2主面とを有し、前記第1主面に配置された半導体ウエハを静電吸着によって保持する静電チャックと、
前記静電チャックの前記第2主面の外周部を保持する搬送トレイと、
前記静電チャックの前記第2主面と対向するように配置され、かつ、前記静電チャックの前記第2主面と対向する一方主面において、前記搬送トレイと接触する外周部と、前記静電チャックの前記第2主面との間に熱伝導ガスが導入される空間を形成する前記外周部を除く部分とを有するヒーター内蔵ステージと、
前記ヒーター内蔵ステージ内における中央部に設けられ、前記熱伝導ガスを前記空間に導入する熱伝導ガス導入管と、を備え、
前記搬送トレイは、前記ヒーター内蔵ステージに対して着脱可能なように固定され、
前記静電チャックは、軟性材料からなり、前記半導体ウエハの形状に追従して変形する、半導体製造装置。
【0067】
(付記7)
付記1から付記6のいずれか1項に記載の半導体製造装置を用いた半導体製造方法であって、
前記半導体ウエハを静電吸着する吸着工程と、
前記半導体ウエハを熱処理する熱処理工程と、
を備えた、半導体製造方法。
【0068】
(付記8)
前記吸着工程の後に、前記半導体ウエハの一方主面に表面電極をスパッタリングするスパッタ工程をさらに備えた、付記7に記載の半導体製造方法。
【符号の説明】
【0069】
1 静電チャック、2 ヒーター内蔵ステージ、2A ヒーター内蔵ステージ、2a 外周部、2b 外周部を除く部分、4 熱伝導ガス導入管、5 熱伝導ガス、6 半導体ウエハ、7 凹部、8 加圧ガス導入管、9 加圧ガス、10 制御部、11 押上げピン、12 ウエハ変形量モニタ、13 搬送トレイ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11