(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170798
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】発信源位置情報出力装置、発信源位置情報出力システム、発信源位置情報出力方法および発信源位置情報出力プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20241204BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087526
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】小川 辰也
(72)【発明者】
【氏名】栗原 崇
(72)【発明者】
【氏名】喜田 雅人
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062BB03
5J062CC12
5J062CC14
5J062CC18
(57)【要約】
【課題】電波の発信源の位置の情報として、より狭い範囲の情報を出力することを可能にする。
【解決手段】
発信源位置情報出力装置が、複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信し、電波情報の送信元のセンサの位置と位置推定情報とに基づいて、受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定し、周波数情報に基づいて、受信電波の発信源の種別を推定し、種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された種別に応じた参照情報と、存在範囲とに基づいて、受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定し、発信源位置を示す発信源位置情報を出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信する受信部と、
前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定する範囲推定部と、
前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定する種別推定部と、
前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定する位置推定部と、
前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する出力部と
を備える発信源位置情報出力装置。
【請求項2】
前記種別候補にFM(Frequency Modulation)トランスミッタが含まれている場合、FMトランスミッタに対応する前記参照情報は、道路の位置を示す道路情報である、
請求項1に記載の発信源位置情報出力装置。
【請求項3】
自動販売機で使用されているLED(Light Emitting Diode)照明が前記種別候補に含まれている場合、自動販売機で使用されているLED照明に対応する前記参照情報は、自動販売機の位置を示す情報である、
請求項1に記載の発信源位置情報出力装置。
【請求項4】
前記種別候補にドローンが含まれている場合、ドローンに対応する前記参照情報は、ドローンが運行している時刻および経路を示す運行情報である、
請求項1に記載の発信源位置情報出力装置。
【請求項5】
前記種別候補に列車が含まれている場合、列車に対応する前記参照情報は、線路の位置を示す線路情報である、
請求項1に記載の発信源位置情報出力装置。
【請求項6】
前記種別推定部は、さらに、前記電波情報が受信された時間帯に基づいて、前記種別を推定する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力装置。
【請求項7】
前記種別推定部は、学習モデルに基づいて、前記種別を推定し、
前記学習モデルは、学習用の電波についての、発信源の種別の情報と波形の情報とを含む学習用情報に基づいてあらかじめ生成される、
請求項1に記載の発信源位置情報出力装置。
【請求項8】
複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信する受信手段と、
前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定する範囲推定手段と、
前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定する種別推定手段と、
前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定する位置推定手段と、
前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する出力手段と
を備える発信源位置情報出力システム。
【請求項9】
複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信し、
前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定し、
前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定し、
前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定し、
前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する、
発信源位置情報出力方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信する受信機能と、
前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定する範囲推定機能と、
前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定する種別推定機能と、
前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定する位置推定機能と、
前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する出力機能と
を実現させる発信源位置情報出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信源位置情報出力装置、発信源位置情報出力システム、発信源位置情報出力方法および発信源位置情報出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電波障害の要因となっている干渉波の発信源を見つけるための方法として、電波障害の通報などをきっかけとして調査者が現場に赴き、測定器などを用いて調査する方法がある。しかし、この方法では、調査者による現地調査によって発信源の位置が推定されるので、手間がかかる。
【0003】
この手間を軽減する方法として、フィールドに設置された多くのセンサが電波を受信し、受信された電波についての情報に基づいて電波の発信源の位置を推定する方法が考えられる。電波の発信源の位置の推定方式には、AOA(Angle of Arrival)方式、POA(Power of Arrival)方式、TDOA(Time Difference of Arrival)方式などがある。これらの方式では、複数箇所のセンサで受信された電波についての情報に基づいて、電波の発信源の位置が推定される。調査者は、推定された位置に赴き発信源を確認することができるので、発信源をより容易に見つけることが可能になる。
【0004】
また、関連技術としては、特許文献1または特許文献2に記載された技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-257633号公報
【特許文献2】特開2018-017695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述の方法では、発信源の位置として推定される範囲が広くなる可能性がある。たとえば、AOA方式では、センサに対する電波の到来方向の推定精度が低い場合、発信源の位置として広い範囲が推定される。発信源の位置として推定される範囲が広いと、現地に赴いた調査者が発信源を容易に特定できない可能性がある。そのため、発信源の位置の情報として、より狭い範囲の情報が調査者に提供されることが望ましい。
【0007】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、電波の発信源の位置の情報として、より狭い範囲の情報を出力することを可能にする発信源位置情報出力装置、発信源位置情報出力システム、発信源位置情報出力方法および発信源位置情報出力プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様において、発信源位置情報出力装置は、複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信する受信部と、前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定する範囲推定部と、前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定する種別推定部と、前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定する位置推定部と、前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する出力部とを備える。
【0009】
また、本発明の他の態様において、発信源位置情報出力システムは、複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信する受信手段と、前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定する範囲推定手段と、前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定する種別推定手段と、前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定する位置推定手段と、前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する出力手段とを備える。
【0010】
また、本発明の他の態様において、発信源位置情報出力方法は、複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信し、前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定し、前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定し、前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定し、前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する。
【0011】
また、本発明の他の態様において、発信源位置情報出力プログラムは、コンピュータに、複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信する受信機能と、前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定する範囲推定機能と、前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定する種別推定機能と、前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定する位置推定機能と、前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する出力機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電波の発信源の位置の情報として、より狭い範囲の情報を出力することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第一の実施形態の発信源位置情報出力装置の構成例を示す図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態の発信源位置情報出力装置の動作フローの例を示す図である。
【
図3】本発明の第二の実施形態の発信源位置情報出力装置を含むシステムの構成例を示す図である。
【
図4】本発明の第二の実施形態の発信源位置情報出力装置の構成例を示す図である。
【
図5】本発明の第二の実施形態の発信源位置情報出力装置が表示装置に表示させる画像の例を示す図である。
【
図6】本発明の第二の実施形態の発信源位置情報出力装置が表示装置に表示させる画像の例を示す図である。
【
図7】本発明の第二の実施形態の発信源位置情報出力装置が表示装置に表示させる画像の例を示す図である。
【
図8】本発明の第二の実施形態の発信源位置情報出力装置が表示装置に表示させる画像の例を示す図である。
【
図9】本発明の第二の実施形態の発信源位置情報出力装置の動作フローの例を示す図である。
【
図10】本発明の各実施形態のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施の形態について説明する。
【0015】
なお、第一の実施の形態における発信源位置情報出力装置10の具体的な一例が、後述する第二の実施の形態における発信源位置情報出力装置20である。
【0016】
まず、本実施形態の発信源位置情報出力装置10の構成例について説明する。
図1に、本実施形態の発信源位置情報出力装置10の構成例を示す。発信源位置情報出力装置10は、受信部11、範囲推定部12、種別推定部13、位置推定部14および出力部15を含む。
【0017】
受信部11は、複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、電波情報を受信する。電波情報は、受信電波についての情報である。受信電波は、センサで受信された電波である。また、電波情報は、位置推定情報と周波数情報とを含む。位置推定情報は、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である。周波数情報は、電波の周波数を示す。
【0018】
範囲推定部12は、電波情報の送信元のセンサの位置と位置推定情報とに基づいて、存在範囲を推定する。存在範囲は、受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である。
【0019】
種別推定部13は、周波数情報に基づいて、受信電波の発信源の種別を推定する。
【0020】
位置推定部14は、推定された種別に応じた参照情報と、存在範囲とに基づいて、発信源位置を推定する。発信源位置は、受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である。参照情報は、種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である。
【0021】
出力部15は、発信源位置を示す発信源位置情報を出力する。
【0022】
次に、本実施形態の発信源位置情報出力装置10の動作フローの例について説明する。
図2に本実施形態の発信源位置情報出力装置10の動作フローの例を示す。
【0023】
受信部11は、複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、電波情報を受信する(ステップS101)。
【0024】
範囲推定部12は、電波情報の送信元のセンサの位置と位置推定情報とに基づいて、存在範囲を推定する(ステップS102)。
【0025】
種別推定部13は、周波数情報に基づいて、受信電波の発信源の種別を推定する(ステップS103)。
【0026】
位置推定部14は、推定された種別に応じた参照情報と、存在範囲とに基づいて、発信源位置を推定する(ステップS104)。
【0027】
出力部15は、発信源位置を示す発信源位置情報を出力する(ステップS105)。
【0028】
以上で説明したように、本発明の第一の実施形態では、発信源位置情報出力装置10は、受信部11、範囲推定部12、種別推定部13、位置推定部14および出力部15を含む。受信部11は、複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、電波情報を受信する。電波情報は、受信電波についての情報である。受信電波は、センサで受信された電波である。また、電波情報は、位置推定情報と周波数情報とを含む。位置推定情報は、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である。周波数情報は、電波の周波数を示す。範囲推定部12は、電波情報の送信元のセンサの位置と位置推定情報とに基づいて、存在範囲を推定する。存在範囲は、受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である。種別推定部13は、周波数情報に基づいて、受信電波の発信源の種別を推定する。位置推定部14は、推定された種別に応じた参照情報と、存在範囲とに基づいて、発信源位置を推定する。発信源位置は、受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である。参照情報は、種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である。出力部15は、発信源位置を示す発信源位置情報を出力する。
【0029】
このように、発信源位置情報出力装置10は、受信電波の発信源の種別を推定し、推定された種別に応じた参照情報と、存在範囲とに基づいて、発信源位置を推定する。これにより、発信源位置情報出力装置10は、存在範囲の中で、推定された種別の発信源が存在する可能性がある位置を、発信源位置として推定することが可能になる。そのため、電波の発信源の位置の情報として、より狭い範囲の情報を出力することが可能になる。
【0030】
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施の形態における発信源位置情報出力装置20について説明する。なお、第一の実施の形態における発信源位置情報出力装置10の具体的な一例が、第二の実施の形態における発信源位置情報出力装置20である。
【0031】
まず、
図3に本実施形態の発信源位置情報出力装置20を含むシステムの構成例を示す。発信源位置情報出力装置20は、センサ50-i(iは1以上N以下の整数)と互いに接続する。また、発信源位置情報出力装置20は、表示手段60と互いに接続する。センサ50-iおよび発信源位置情報出力装置20は監視システム40に含まれる。
【0032】
センサ50-iは、電波を受信する。センサ50-iにより受信された電波を、以降、受信電波と呼ぶ。また、センサ50-iは、受信電波についての電波情報を発信源位置情報出力装置20へ出力する。
【0033】
電波情報は、電波に関する情報である。電波情報は、位置推定情報と周波数情報とを含む。位置推定情報は、電波の発信源の位置の推定に使用できる情報である。位置推定情報は、たとえば、AOA方式、POA方式、TDOA方式などの方式で使用される情報である。また、周波数情報は、電波の周波数を示す。
【0034】
たとえば、AOA方式の場合、位置推定情報は、センサ50-iに対する電波の方向の情報を含む。この場合、センサ50-iは、たとえば、ビームフォーミングや回転によって指向性を制御可能なアンテナにより、電波の到来方向を推定することができる。
【0035】
また、電波情報は、電波の変調方式、電波の波形、電波のセンサ50-iにおける受信信号レベルなどの情報を含んでいてもよい。たとえば、電波情報は、SS-RSRQ(Reference Signal Received Quality)などの情報を含んでいてもよい。
【0036】
また、電波情報は、電波の発信源の識別情報である電波識別情報を含んでいてもよい。電波識別情報は、発信源の個体を識別可能な情報である。電波識別情報は、たとえば、IMEI(International Mobile Equipment Identity)、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、MAC(Media Access Control)アドレスなどを含んでいてもよい。発信源がドローンである場合、電波識別情報は、ドローンの識別情報であるリモートID(identification)を含んでいてもよい。
【0037】
センサ50-iは、固定的に設置されていてもよいし、移動可能であってもよい。また、センサ50-iから発信源位置情報出力装置20へ電波情報を出力するための通信方法は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
【0038】
表示手段60は、出力デバイスとしてのディスプレイ等のマンマシンインタフェースである。表示手段60は、画像を表示する。本実施形態では、発信源位置情報出力装置20は、発信源位置情報を表示手段60に出力する。しかし、発信源位置情報の出力先は任意である。発信源位置情報出力装置20は、表示手段60以外の出力先に発信源位置情報を出力してもよい。
【0039】
次に、
図4に本実施形態の発信源位置情報出力装置20の構成例を示す。本実施形態の発信源位置情報出力装置20は、受信部21、範囲推定部22、種別推定部23、位置推定部24および出力部25を含む。
【0040】
受信部21は、センサ50-1~50-Nのうち、電波を受信したセンサ50-iから、受信電波についての電波情報を受信する。電波情報は、電波に関する情報である。受信電波は、センサ50-iで受信された電波である。また、電波情報は、位置推定情報と周波数情報とを含む。位置推定情報は、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である。周波数情報は、電波の周波数を示す。
【0041】
範囲推定部22は、電波情報の送信元のセンサの位置と位置推定情報とに基づいて、存在範囲を推定する。存在範囲は、受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である。
【0042】
範囲推定部22は、受信部21が同一の電波についての電波情報を二以上の複数のセンサから受信した場合には、同一の電波についての二以上の複数の電波情報に基づいて、存在範囲を推定することができる。この場合、範囲推定部22は、AOA方式、POA方式、TDOA方式などによって存在範囲を推定することができる。この場合、電波情報は、使用される方式に応じた位置推定情報を含む。たとえば、使用される方式がAOA方式である場合、位置推定情報は、センサに対する電波の到来方向の情報を含む。
【0043】
ここで、存在範囲は、位置推定情報の精度によって、ある程度の範囲がある状態で推定される。たとえば、AOA方式では、電波の到来方向の推定誤差によって、推定される存在範囲も、ある程度の誤差を含んだ範囲となる。
【0044】
範囲推定部22は、同一の電波についての電波情報を、たとえば、電波の特徴量の類似度に基づいて推定してもよい。電波の特徴量は、たとえば、周波数、変調方式、電波識別情報などである。なお、この場合、電波の特徴量の情報は、電波情報に含まれる。
【0045】
また、範囲推定部22は、受信部21が同一の電波についての電波情報を一つのセンサから受信した場合には、一つの電波情報を用いて、存在範囲を推定する。たとえば、位置推定情報が、電波の到来方向の情報を含む場合には、範囲推定部22は、到来方向の情報の誤差を見込んで、到来方向を中心とした扇形の範囲を、存在範囲として推定してもよい。
【0046】
また、範囲推定部22は、同一の電波についての存在範囲の時系列の推定結果に基づいて、受信電波の発信源が移動しているか否かを推定してもよい。
【0047】
種別推定部23は、周波数情報に基づいて、発信源の種別を推定する。周波数情報は、電波情報に含まれる。
【0048】
電波障害の要因となる可能性がある発信源の種別には、たとえば、FM(Frequency Modulation)トランスミッタ、ドローン、LED(Light Emitting Diode)照明、列車などがある。たとえば、LED照明については、LED照明が発するノイズが電波障害の要因となる可能性がある。また、列車については、列車の走行に伴い発生するノイズが電波障害の要因となる可能性がある。また、FMトランスミッタやドローンは、これらから発信される電波が、電波障害の要因となる可能性がある。以降、電波障害の要因となる可能性がある発信源の種別の候補を、種別候補と呼ぶ。なお、種別候補は、上記に挙げられたものに限られない。
【0049】
種別推定部23は、種別候補の中から、受信電波の発信源の種別を推定する。たとえば、種別推定部23は、周波数情報が示す周波数が、種別候補の周波数帯に含まれる場合に、当該種別候補を、受信電波の発信源の種別として推定する。たとえば、周波数情報がFM帯の周波数を示す場合には、種別推定部23は、発信源がFMトランスミッタであると推定する。また、種別推定部23は、条件を満たす二以上の種別候補を、受信電波の発信源の種別として推定してもよい。
【0050】
また、種別推定部23は、さらに、受信電波の波形に基づいて、受信電波の発信源の種別を推定してもよい。たとえば、FMトランスミッタの場合、連続的に電波が発信される。そのため、種別推定部23は、周波数がFM帯であることに加えて、波形が連続的である場合に、受信電波の発信源がFMトランスミッタであると推定してもよい。この場合、電波情報は、波形の情報を含む。
【0051】
また、LED照明が発するノイズの波形は、周期的である。そのため、種別推定部23は、周波数に加えて波形に基づいて、受信電波の発信源がLED照明であるか否かを推定してもよい。また、LED照明は、昼間は消灯される場合がある。そのため、時間帯によって消灯されるLED照明が種別候補である場合、種別推定部23は、電波情報を受信部21が受信した時間帯にも基づいて、受信電波の発信源がLED照明であるか否かを判断してもよい。
【0052】
また、LED照明は、たとえば、自動販売機で使用されている。受信電波の発信源が移動している場合に、種別推定部23は、受信電波の発信源は、自動販売機で使用されているLED照明ではない、と判断してもよい。受信電波の発信源が移動しているか否かは、たとえば、同一の受信電波についての存在範囲の時系列の推定結果に基づいて、範囲推定部22によって推定される。たとえば、範囲推定部22は、所定時間前に推定された存在範囲と、最新の存在範囲との間の重複率が所定の割合より低い場合に、受信電波の発信源が移動していると判断してもよい。
【0053】
また、列車の走行によるノイズは、列車が走行している時間帯に発生する。そのため、種別推定部23は、周波数情報に加え、列車が走行している時間帯にも基づいて、受信電波の発信源が列車か否かを判断してもよい。たとえば、列車が走行していない時間帯に受信部21が電波情報を受信した場合に、種別推定部23は、列車は受信電波の発信源でない、と判断してもよい。
【0054】
また、種別推定部23は、学習モデルに基づいて、受信電波の発信源の種別を推定してもよい。この場合、発信源位置情報出力装置20は、たとえば、学習用情報に基づいてあらかじめ生成された学習モデルを記憶する。学習用情報は、学習用の電波についての、種別の情報と波形の情報とを含む。
【0055】
また、種別推定部23は、受信電波の発信源の種別の推定に、さらに、電波識別情報を使用してもよい。
【0056】
なお、受信部21、範囲推定部22または種別推定部23は、受信電波の電波情報と既知の電波についての電波情報とを照合することで、受信電波が既知の電波であるか否かを推定してもよい。そして、範囲推定部22は、受信電波が既知の電波であると推定された場合、存在範囲の推定を行わなくてもよい。同様に、種別推定部23は、受信電波が既知の電波であると推定された場合、受信電波の発信源の種別の推定を行わなくてもよい。
【0057】
位置推定部24は、推定された種別に応じた参照情報と存在範囲とに基づいて、発信源位置を推定する。発信源位置は、受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である。
【0058】
参照情報は、発信源位置の推定のために参照される情報である。参照情報は、種別候補の各々について、あらかじめ、発信源位置情報出力装置20の内部または外部の記憶手段(不図示)に記憶されている。
【0059】
参照情報は、対応付けられている種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である。位置推定部24は、範囲推定部22で推定された存在範囲の中で、種別推定部23で推定された種別に応じた参照情報によって示される位置を、発信源位置として推定する。
【0060】
たとえば、FMトランスミッタは、主に車で使用されるので、道路に存在する可能性が高い。そのため、種別候補にFMトランスミッタが含まれている場合、記憶手段には、あらかじめ、FMトランスミッタに対応する参照情報として、道路の位置を示す道路情報が記憶されている。そして、受信電波の発信源の種別としてFMトランスミッタが推定された場合、位置推定部24は、道路情報を参照情報として使用して、発信源位置を推定する。この場合、位置推定部24は、範囲推定部22で推定された存在範囲の中に含まれている道路を、発信源位置として推定する。
【0061】
また、位置推定部24は、範囲推定部22による存在範囲の時系列の推定結果に基づいて、発信源位置の中から、受信電波の発信源が存在している可能性がより高い発信源位置を推定してもよい。たとえば、位置推定部24は、所定の回数分の時系列の存在範囲のいずれにも含まれていた道路と、その道路に続く道路とを、受信電波の発信源が存在している可能性がより高い発信源位置としてもよい。
【0062】
また、位置推定部24は、存在範囲の移動方向に基づいて、受信電波の発信源が存在している可能性がより高い発信源位置を推定してもよい。たとえば、二以上の複数の電波情報に基づいて存在範囲が推定されている場合、位置推定部24は、存在範囲の幾何中心の移動方向を算出する。そして、位置推定部24は、移動方向に沿って走っている道路があれば、その道路を、受信電波の発信源が存在している可能性がより高い発信源位置としてもよい。
【0063】
また、たとえば、自動販売機で使用されているLED照明が種別候補に含まれている場合、記憶手段には、あらかじめ、自動販売機で使用されているLED照明に対応する参照情報として、自動販売機の位置を示す情報が記憶されている。そして、受信電波の発信源の種別として、自動販売機で使用されているLED照明が推定された場合、位置推定部24は、自動販売機の位置を示す情報を参照情報として使用して、発信源位置を推定する。この場合、位置推定部24は、範囲推定部22で推定された存在範囲の中に含まれている自動販売機の位置を、発信源位置として推定する。
【0064】
また、たとえば、ドローンが種別候補に含まれている場合、記憶手段には、あらかじめ、ドローンに対応する参照情報として、ドローンの運行情報が記憶されている。運行情報は、ドローンが運行している時刻および経路を示す。運行情報は、ドローンの個体を識別可能な情報を含んでいてもよい。そして、受信電波の発信源の種別としてドローンが推定された場合、位置推定部24は、ドローンの運行情報を参照情報として使用して、発信源位置を推定する。この場合、位置推定部24は、範囲推定部22で推定された存在範囲の中で運行しているドローンがあれば、当該ドローンが運行している経路を、発信源位置として推定する。この場合、時間の経過に伴い、ドローンは、存在範囲から出る可能性があるので、位置推定部24は、存在範囲の外側の運行経路も含めて、発信源位置として推定してもよい。
【0065】
また、たとえば、列車が種別候補に含まれている場合、記憶手段には、あらかじめ、列車に対応する参照情報として、線路の位置を示す線路情報が記憶されている。そして、受信電波の発信源の種別として列車が推定された場合、位置推定部24は、線路情報を参照情報として使用して、発信源位置を推定する。この場合、位置推定部24は、範囲推定部22で推定された存在範囲の中に含まれている線路を、発信源位置として推定する。この場合、時間の経過に伴い、列車は、存在範囲から出る可能性があるので、位置推定部24は、存在範囲の外側の線路も含めて、発信源位置として推定してもよい。
【0066】
また、種別推定部23は、可能性がある一または二以上の複数の種別を、受信電波の発信源の種別として推定することができる。受信電波の発信源の種別として二以上の複数の種別が推定されている場合、位置推定部24は、種別ごとに、種別に応じた参照情報を使用して、発信源位置を推定する。
【0067】
種別推定部23は、位置推定部24が発信源位置を推定することができなかった種別を、受信電波の発信源の種別の推定結果から除いてもよい。たとえば、種別に応じた参照情報によって示される位置が、存在範囲の中にない場合がある。このような場合、位置推定部24は、当該種別では発信源位置を推定することができない。このような場合に、種別推定部23は、位置推定部24が発信源位置を推定することができなかった種別を、種別の推定結果から除いてもよい。
【0068】
出力部25は、発信源位置を示す発信源位置情報を出力する。また、出力部25は、さらに、受信電波の発信源の種別を示す種別情報を出力してもよい。また、出力部25は、さらに、存在範囲を示す範囲情報を出力してもよい。
【0069】
種別推定部23において、受信電波の発信源の種別として二以上の複数の種別が推定されている場合には、出力部25は、二以上の複数の種別情報を出力することができる。また、種別推定部23において、二以上の複数の発信源位置が推定されている場合には、出力部25は、二以上の複数の発信源位置情報を出力することができる。
【0070】
また、種別推定部23において、受信電波の発信源の種別を推定できなかった場合には、出力部25は、発信源位置を示す発信源位置情報として、存在範囲の情報を出力してもよい。
【0071】
本実施形態では、出力部25は、発信源位置情報を表示手段60に出力する。また、本実施形態では、出力部25は、発信源位置情報を、画像を表示手段60に表示させるための画像情報として出力する。すなわち、出力部25は、発信源位置情報を表示手段60に出力することによって、画像を表示手段60に表示させる。
【0072】
出力部25は、既知の受信電波に関する情報については、出力を抑制してもよい。既知の受信電波に関する情報の出力を抑制すると、発信源位置情報出力装置20から出力先への情報量を削減でき、また、通信負荷を低減することができる。また、利用者にとっては、情報の取捨選択が容易になる。
【0073】
また、出力部25は、表示手段60ではない出力先に発信源位置情報を出力してもよい。たとえば、発信源位置情報は、発信源位置に関する情報を含むデータであってもよい。
【0074】
このように、本実施形態では、位置推定部24は、範囲推定部22で推定された存在範囲と、種別推定部23で推定された種別に応じた参照情報とを用いて、発信源位置を推定する。このようにすることで、発信源位置情報出力装置20は、存在範囲以下の広さの範囲を、発信源位置として推定できる。そして、発信源位置の情報として、存在範囲以下の広さの範囲の情報が出力されるので、調査者が発信源の特定をより容易に行うことが可能になる。また、推定された種別の情報も出力される場合、調査者は、発信源の特定をさらに容易に行うことが可能になる。
【0075】
次に、出力部25が表示手段60に表示させる画像の具体例について説明する。
【0076】
たとえば、画像は、地図上の発信源位置に、発信源位置を示す画面アイテムを含むものであってもよい。また、画像は、推定された種別を示す情報を含んでいてもよい。また、画像は、地図上の存在範囲に、存在範囲を示す画面アイテムを含むものであってもよい。
【0077】
図5に、表示画像の例を示す。
図5に示す例の場合、列車と自動販売機とが、受信電波の発信源として推定されている。この図では、種別が列車の場合の発信源位置として、存在範囲に含まれる線路が表示されている。また、種別が自動販売機である場合の発信源位置として、存在範囲に含まれる自動販売機の位置が表示されている。また、表示画像は、存在範囲を示す画面アイテムを含む。
図5の場合、破線で示される円が存在範囲である。また、この例のように、二以上の複数の種別が推定されている場合には、種別の各々についての発信源位置を示す画面アイテムは、異なる表示形態(色など)で示されてもよい。なお、
図5では、存在範囲が簡易的に円で示されているが、存在範囲の形状は円に限られない。
【0078】
また、
図6に、表示画像の他の例を示す。
図6に示す例の場合、ドローンが受信電波の発信源として推定されている。この図では、ドローンの運行経路が、発信源位置として表示されている。また、表示画像は、ドローンが運行する未来の時刻および位置を示す情報を含んでいてもよい。また、表示画像は、ドローンが運行していた過去の時刻および位置を示す情報を含んでいてもよい。
【0079】
また、
図7に、表示画像の他の例を示す。
図7に示す例の場合、FMトランスミッタが受信電波の発信源として推定されている。この図では、存在範囲に含まれる道路が、発信源位置として表示されている。
【0080】
また、
図8に、表示画像の他の例を示す。
図8に示す例の場合、FMトランスミッタが受信電波の発信源として推定されている。また、
図8に示す例の場合、現在の存在範囲に加えて、過去の存在範囲が表示されている。また、表示画像では、発信源位置のうち、受信電波の発信源が存在している可能性がより高い発信源位置が、その他の発信源位置と異なる表示形態で表示されていてもよい。
図8に示す例では、受信電波の発信源が存在している可能性がより高い発信源位置が実線で、その他の発信源位置(道路)が点線で示されている。
【0081】
この場合、位置推定部24は、存在範囲の時系列の推定結果に基づいて、発信源位置の中から、受信電波の発信源が存在している可能性がより高い発信源位置を推定する。
【0082】
次に、本実施形態の発信源位置情報出力装置20の動作フローの例について説明する。
図9に、本実施形態の発信源位置情報出力装置20の動作フローの例を示す。
【0083】
センサ50-1~50-Nの各々は、受信周波数と受信方向とを変更しながら、電波の受信を試みる。
【0084】
受信部21は、センサ50-iで電波が受信されると、受信された電波(受信電波)についての電波情報をセンサ50-iから受信する(ステップS201)。また、受信部21は、受信電波の電波情報と既知の電波についての電波情報とを照合することで、受信電波が既知の電波であるか否かを推定する(ステップS202)。
【0085】
なお、本実施形態では、受信部21は、所定時間おきに、上記の照合(ステップS202)を行う。発信源位置情報出力装置20は、前回の照合以降に受信した電波情報に基づいて、ステップS202~ステップS206の動作を行う。
【0086】
範囲推定部22は、受信電波が既知の電波でないと推定された場合(ステップS202でNO)、電波情報の送信元のセンサの位置と位置推定情報とに基づいて、存在範囲を推定する(ステップS203)。
【0087】
また、種別推定部23は、周波数情報に基づいて、受信電波の発信源の種別を推定する(ステップS204)。
【0088】
位置推定部24は、推定された種別に応じた参照情報と存在範囲とに基づいて、発信源位置を推定する(ステップS205)。
【0089】
出力部25は、発信源位置を示す発信源位置情報を出力する(ステップS206)。
【0090】
以上で説明したように、本発明の第二の実施形態では、発信源位置情報出力装置20は、受信部21、範囲推定部22、種別推定部23、位置推定部24および出力部25を含む。受信部21は、複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、電波情報を受信する。電波情報は、受信電波についての情報である。受信電波は、センサで受信された電波である。また、電波情報は、位置推定情報と周波数情報とを含む。位置推定情報は、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である。周波数情報は、電波の周波数を示す。範囲推定部22は、電波情報の送信元のセンサの位置と位置推定情報とに基づいて、存在範囲を推定する。存在範囲は、受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である。種別推定部23は、周波数情報に基づいて、受信電波の発信源の種別を推定する。位置推定部24は、推定された種別に応じた参照情報と、存在範囲とに基づいて、発信源位置を推定する。発信源位置は、受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である。参照情報は、種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である。出力部25は、発信源位置を示す発信源位置情報を出力する。
【0091】
このように、発信源位置情報出力装置20は、受信電波の発信源の種別を推定し、推定された種別に応じた参照情報と、存在範囲とに基づいて、発信源位置を推定する。これにより、発信源位置情報出力装置20は、存在範囲の中で、推定された種別の発信源が存在する可能性がある位置を、発信源位置として推定することが可能になる。そのため、電波の発信源の位置の情報として、より狭い範囲の情報を出力することが可能になる。
【0092】
また、種別候補にFMトランスミッタが含まれている場合、FMトランスミッタに対応する参照情報は、道路の位置を示す道路情報であってもよい。また、自動販売機で使用されているLED照明が種別候補に含まれている場合、自動販売機で使用されているLED照明に対応する参照情報は、自動販売機の位置を示す情報であってもよい。また、種別候補にドローンが含まれている場合、ドローンに対応する参照情報は、ドローンが運行している時刻および経路を示す運行情報であってもよい。また、種別候補に列車が含まれている場合、列車に対応する参照情報は、線路の位置を示す線路情報であってもよい。これにより、電波の発信源の位置の情報として、より狭い範囲の情報を出力することを、実現できる。
【0093】
また、種別推定部23は、さらに、電波情報が受信された時間帯に基づいて、種別を推定してもよい。これにより、受信電波の発信源の種別の推定精度を向上することができる。
【0094】
また、範囲推定部22は、時系列の存在範囲に基づいて、受信電波の発信源が移動しているか否かを推定してもよい。また、種別推定部23は、受信電波の発信源が移動しているか否かの推定結果に基づいて、種別を推定してもよい。これにより、受信電波の発信源の種別の推定精度を向上することができる。
【0095】
また、種別推定部23は、学習モデルに基づいて、種別を推定してもよい。学習モデルは、学習用の電波についての学習用情報に基づいてあらかじめ生成されてもよい。学習用情報は、発信源の種別の情報と波形の情報とを含む。これにより、様々な種類の発信源の種別を推定することができる。
【0096】
また、位置推定部24は、存在範囲の時系列の推定結果に基づいて、発信源位置の中から、発信源が存在している可能性がより高い発信源位置を推定してもよい。これにより、調査者は、発信源の特定の際に、優先的に調査する場所の決定を容易に行うことが可能になる。また、発信源の特定を調査者がより迅速に行うことができる可能性を向上することができる。
【0097】
[ハードウェア構成例]
上述した本発明の各実施形態における発信源位置情報出力装置(10、20)を、一つの情報処理装置(コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。なお、発信源位置情報出力装置は、物理的または機能的に少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現してもよい。また、発信源位置情報出力装置は、専用の装置として実現してもよい。また、発信源位置情報出力装置の一部の機能のみを情報処理装置を用いて実現してもよい。
【0098】
図10は、本発明の各実施形態の発信源位置情報出力装置を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成例を概略的に示す図である。情報処理装置90は、通信インタフェース91、入出力インタフェース92、演算装置93、記憶装置94、不揮発性記憶装置95およびドライブ装置96を含む。
【0099】
たとえば、
図1の受信部11および出力部15は、通信インタフェース91と演算装置とで、範囲推定部12、種別推定部13および位置推定部14は、演算装置93で実現することが可能である。
【0100】
通信インタフェース91は、各実施形態の発信源位置情報出力装置が、有線あるいは/および無線で外部装置と通信するための通信手段である。なお、発信源位置情報出力装置を、少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現する場合、それらの装置の間を通信インタフェース91経由で相互に通信可能なように接続してもよい。
【0101】
入出力インタフェース92は、入力デバイスの一例であるキーボードや、出力デバイスとしてのディスプレイ等のマンマシンインタフェースである。
【0102】
演算装置93は、汎用のCPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置や複数の電気回路によって実現される。演算装置93は、たとえば、不揮発性記憶装置95に記憶された各種プログラムを記憶装置94に読み出し、読み出したプログラムに従って処理を実行することが可能である。
【0103】
記憶装置94は、演算装置93から参照可能な、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置であり、プログラムや各種データ等を記憶する。記憶装置94は、揮発性のメモリ装置であってもよい。
【0104】
不揮発性記憶装置95は、たとえば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、等の、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラムやデータ等を記憶することが可能である。
【0105】
ドライブ装置96は、たとえば、後述する記録媒体97に対するデータの読み込みや書き込みを処理する装置である。
【0106】
記録媒体97は、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な任意の記録媒体である。
【0107】
本発明の各実施形態は、たとえば、
図10に例示した情報処理装置90により発信源位置情報出力装置を構成し、この発信源位置情報出力装置に対して、上記各実施形態において説明した機能を実現可能なプログラムを供給することにより実現してもよい。
【0108】
この場合、発信源位置情報出力装置に対して供給したプログラムを、演算装置93が実行することによって、実施形態を実現することが可能である。また、発信源位置情報出力装置のすべてではなく、一部の機能を情報処理装置90で構成することも可能である。
【0109】
さらに、上記プログラムを記録媒体97に記録しておき、発信源位置情報出力装置の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜上記プログラムが不揮発性記憶装置95に格納されるよう発信源位置情報出力装置を構成してもよい。なお、この場合、上記プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは運用段階等において、適当な治具を利用して発信源位置情報出力装置内にインストールする方法を採用してもよい。また、上記プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部からダウンロードする方法等の一般的な手順を採用してもよい。
【0110】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0111】
(付記1)
複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信する受信部と、
前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定する範囲推定部と、
前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定する種別推定部と、
前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定する位置推定部と、
前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する出力部と
を備える発信源位置情報出力装置。
【0112】
(付記2)
前記種別候補にFM(Frequency Modulation)トランスミッタが含まれている場合、FMトランスミッタに対応する前記参照情報は、道路の位置を示す道路情報である、
付記1に記載の発信源位置情報出力装置。
【0113】
(付記3)
自動販売機で使用されているLED(Light Emitting Diode)照明が前記種別候補に含まれている場合、自動販売機で使用されているLED照明に対応する前記参照情報は、自動販売機の位置を示す情報である、
付記1または付記2に記載の発信源位置情報出力装置。
【0114】
(付記4)
前記種別候補にドローンが含まれている場合、ドローンに対応する前記参照情報は、ドローンが運行している時刻および経路を示す運行情報である、
付記1から付記3のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力装置。
【0115】
(付記5)
前記種別候補に列車が含まれている場合、列車に対応する前記参照情報は、線路の位置を示す線路情報である、
付記1から付記4のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力装置。
【0116】
(付記6)
前記種別推定部は、さらに、前記電波情報が受信された時間帯に基づいて、前記種別を推定する、
付記1から付記5のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力装置。
【0117】
(付記7)
前記範囲推定部は、時系列の前記存在範囲に基づいて、前記受信電波の発信源が移動しているか否かを推定し、
前記種別推定部は、前記受信電波の発信源が移動しているか否かの推定結果に基づいて、前記種別を推定する、
付記1から付記6のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力装置。
【0118】
(付記8)
前記種別推定部は、学習モデルに基づいて、前記種別を推定し、
前記学習モデルは、学習用の電波についての、発信源の種別の情報と波形の情報とを含む学習用情報に基づいてあらかじめ生成される、
付記1から付記7のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力装置。
【0119】
(付記9)
前記位置推定部は、前記存在範囲の時系列の推定結果に基づいて、前記発信源位置の中から、発信源が存在している可能性がより高い発信源位置を推定する、
付記1から付記8のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力装置。
【0120】
(付記10)
複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信する受信手段と、
前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定する範囲推定手段と、
前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定する種別推定手段と、
前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定する位置推定手段と、
前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する出力手段と
を備える発信源位置情報出力システム。
【0121】
(付記11)
前記種別候補にFMトランスミッタが含まれている場合、FMトランスミッタに対応する前記参照情報は、道路の位置を示す道路情報である、
付記10に記載の発信源位置情報出力システム。
【0122】
(付記12)
自動販売機で使用されているLED照明が前記種別候補に含まれている場合、自動販売機で使用されているLED照明に対応する前記参照情報は、自動販売機の位置を示す情報である、
付記10または付記11に記載の発信源位置情報出力システム。
【0123】
(付記13)
前記種別候補にドローンが含まれている場合、ドローンに対応する前記参照情報は、ドローンが運行している時刻および経路を示す運行情報である、
付記10から付記12のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力システム。
【0124】
(付記14)
前記種別候補に列車が含まれている場合、列車に対応する前記参照情報は、線路の位置を示す線路情報である、
付記10から付記13のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力システム。
【0125】
(付記15)
前記種別推定手段は、さらに、前記電波情報が受信された時間帯に基づいて、前記種別を推定する、
付記10から付記14のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力システム。
【0126】
(付記16)
前記範囲推定手段は、時系列の前記存在範囲に基づいて、前記受信電波の発信源が移動しているか否かを推定し、
前記種別推定手段は、前記受信電波の発信源が移動しているか否かの推定結果に基づいて、前記種別を推定する、
付記10から付記15のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力システム。
【0127】
(付記17)
前記種別推定手段は、学習モデルに基づいて、前記種別を推定し、
前記学習モデルは、学習用の電波についての、発信源の種別の情報と波形の情報とを含む学習用情報に基づいてあらかじめ生成される、
付記10から付記16のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力システム。
【0128】
(付記18)
前記位置推定手段は、前記存在範囲の時系列の推定結果に基づいて、前記発信源位置の中から、発信源が存在している可能性がより高い発信源位置を推定する、
付記10から付記17のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力システム。
【0129】
(付記19)
複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信し、
前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定し、
前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定し、
前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定し、
前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する、
発信源位置情報出力方法。
【0130】
(付記20)
前記種別候補にFMトランスミッタが含まれている場合、FMトランスミッタに対応する前記参照情報は、道路の位置を示す道路情報である、
付記19に記載の発信源位置情報出力方法。
【0131】
(付記21)
自動販売機で使用されているLED(Light Emitting Diode)照明が前記種別候補に含まれている場合、自動販売機で使用されているLED照明に対応する前記参照情報は、自動販売機の位置を示す情報である、
付記19または付記20に記載の発信源位置情報出力方法。
【0132】
(付記22)
前記種別候補にドローンが含まれている場合、ドローンに対応する前記参照情報は、ドローンが運行している時刻および経路を示す運行情報である、
付記19から付記21のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力方法。
【0133】
(付記23)
前記種別候補に列車が含まれている場合、列車に対応する前記参照情報は、線路の位置を示す線路情報である、
付記19から付記22のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力方法。
【0134】
(付記24)
さらに、前記電波情報が受信された時間帯に基づいて、前記種別を推定する、
付記19から付記23のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力方法。
【0135】
(付記25)
時系列の前記存在範囲に基づいて、前記受信電波の発信源が移動しているか否かを推定し、
前記受信電波の発信源が移動しているか否かの推定結果に基づいて、前記種別を推定する、
付記19から付記24のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力方法。
【0136】
(付記26)
学習モデルに基づいて、前記種別を推定し、
前記学習モデルは、学習用の電波についての、発信源の種別の情報と波形の情報とを含む学習用情報に基づいてあらかじめ生成される、
付記19から付記25のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力方法。
【0137】
(付記27)
前記存在範囲の時系列の推定結果に基づいて、前記発信源位置の中から、発信源が存在している可能性がより高い発信源位置を推定する、
付記19から付記26のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力方法。
【0138】
(付記28)
コンピュータに、
複数のセンサのうちの少なくともいずれか一つのセンサから、センサで受信された電波である受信電波について、電波の発信源の位置の推定に使用される情報である位置推定情報と電波の周波数を示す周波数情報とを含む電波情報を受信する受信機能と、
前記電波情報の送信元のセンサの位置と前記位置推定情報とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある範囲である存在範囲を推定する範囲推定機能と、
前記周波数情報に基づいて、前記受信電波の発信源の種別を推定する種別推定機能と、
前記種別の候補である種別候補の発信源が存在する可能性がある位置を示す情報である参照情報のうち、推定された前記種別に応じた前記参照情報と、前記存在範囲とに基づいて、前記受信電波の発信源が存在する可能性がある位置である発信源位置を推定する位置推定機能と、
前記発信源位置を示す発信源位置情報を出力する出力機能と
を実現させる発信源位置情報出力プログラム。
【0139】
(付記29)
前記種別候補にFMトランスミッタが含まれている場合、FMトランスミッタに対応する前記参照情報は、道路の位置を示す道路情報である、
付記28に記載の発信源位置情報出力プログラム。
【0140】
(付記30)
自動販売機で使用されているLED照明が前記種別候補に含まれている場合、自動販売機で使用されているLED照明に対応する前記参照情報は、自動販売機の位置を示す情報である、
付記28または付記29に記載の発信源位置情報出力プログラム。
【0141】
(付記31)
前記種別候補にドローンが含まれている場合、ドローンに対応する前記参照情報は、ドローンが運行している時刻および経路を示す運行情報である、
付記28から付記30のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力プログラム。
【0142】
(付記32)
前記種別候補に列車が含まれている場合、列車に対応する前記参照情報は、線路の位置を示す線路情報である、
付記28から付記31のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力プログラム。
【0143】
(付記33)
前記種別推定機能は、さらに、前記電波情報が受信された時間帯に基づいて、前記種別を推定する、
付記28から付記32のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力プログラム。
【0144】
(付記34)
前記範囲推定機能は、時系列の前記存在範囲に基づいて、前記受信電波の発信源が移動しているか否かを推定し、
前記種別推定機能は、前記受信電波の発信源が移動しているか否かの推定結果に基づいて、前記種別を推定する、
付記28から付記33のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力プログラム。
【0145】
(付記35)
前記種別推定機能は、学習モデルに基づいて、前記種別を推定し、
前記学習モデルは、学習用の電波についての、発信源の種別の情報と波形の情報とを含む学習用情報に基づいてあらかじめ生成される、
付記28から付記34のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力プログラム。
【0146】
(付記36)
前記位置推定機能は、前記存在範囲の時系列の推定結果に基づいて、前記発信源位置の中から、発信源が存在している可能性がより高い発信源位置を推定する、
付記28から付記35のいずれか一項に記載の発信源位置情報出力プログラム。
【0147】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0148】
10、20 発信源位置情報出力装置
11、21 受信部
12、22 範囲推定部
13、23 種別推定部
14、24 位置推定部
15、25 出力部
40 監視システム
50-i センサ
60 表示手段
90 情報処理装置
91 通信インタフェース
92 入出力インタフェース
93 演算装置
94 記憶装置
95 不揮発性記憶装置
96 ドライブ装置
97 記録媒体