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特開2024-170800情報提示制御装置、情報提示制御方法、及び、情報提示制御プログラム
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  • 特開-情報提示制御装置、情報提示制御方法、及び、情報提示制御プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170800
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】情報提示制御装置、情報提示制御方法、及び、情報提示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241204BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20241204BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20241204BHJP
   G09B 21/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/16 650
G06F3/16 690
G06F3/01 560
G06F3/0484
G09B21/00
G09B21/00 F
G09B21/00 D
G09B21/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087528
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】細尾 絵梨
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 慶
(72)【発明者】
【氏名】竹川 雅之
(72)【発明者】
【氏名】吉川 英希
(72)【発明者】
【氏名】水口 修平
(72)【発明者】
【氏名】関 佐和香
(72)【発明者】
【氏名】谷沢 康太
(72)【発明者】
【氏名】網中 洋明
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA05
5E555AA26
5E555AA46
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC04
5E555BE01
5E555BE07
5E555CA41
5E555CA42
5E555CA47
5E555CB64
5E555CB69
5E555DA21
5E555DA24
5E555DB41
5E555DC26
5E555DC84
5E555EA02
5E555EA04
5E555EA05
5E555EA22
5E555EA23
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】利用者がより確実に情報を認知できるように情報を提示する。
【解決手段】情報提示制御装置50は、情報500の提示対象である利用者に関する状態を表す状態情報510を取得する取得部51と、利用者に対する情報500の提示態様54を決定するための提示態様決定基準520と状態情報510とに基づいて、提示態様54を決定する決定部52と、決定された提示態様54に従った態様で、利用者に情報500を提示する提示部53と、を備える。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の提示対象である利用者に関する状態を表す状態情報を取得する取得手段と、
前記利用者に対する前記情報の提示態様を決定するための提示態様決定基準と前記状態情報とに基づいて、前記提示態様を決定する決定手段と、
決定された前記提示態様に従った態様で、前記利用者に情報を提示する提示手段と、
を備える情報提示制御装置。
【請求項2】
前記提示態様決定基準は、前記状態情報に関する前記提示態様による提示の大きさを表し、
前記決定手段は、前記状態情報と前記提示態様決定基準とに基づいて、前記提示の大きさを決定し、
前記提示手段は、決定された前記提示の大きさによって、前記利用者に情報を提示する、
請求項1に記載の情報提示制御装置。
【請求項3】
前記利用者に提示する情報の重要度を分析する分析手段をさらに備え、
前記提示態様決定基準は、前記重要度に応じた前記提示態様を表し、
前記決定手段は、分析された前記重要度と前記提示態様決定基準とに基づいて、前記提示態様を決定する、
請求項1または請求項2に記載の情報提示制御装置。
【請求項4】
前記提示態様は、前記利用者の視覚、聴覚、及び触覚の少なくともいずれかに対して情報を提示する態様を含む、
請求項1または請求項2に記載の情報提示制御装置。
【請求項5】
前記提示態様決定基準は、前記状態情報によって、前記利用者が視覚、聴覚、及び触覚の少なくともいずれかに関する障がいを有することが示される場合、障がいのある感覚とは異なる感覚に対して情報を提示することを表す、
請求項4に記載の情報提示制御装置。
【請求項6】
前記提示態様決定基準は、前記状態情報によって、前記利用者の周辺環境が視覚、聴覚、及び触覚の少なくともいずれかによる情報の認知を阻害することが示される場合、前記周辺環境によって情報の認知が阻害されない感覚に対して情報を提示することを表す、
請求項4に記載の情報提示制御装置。
【請求項7】
前記提示の大きさは、前記利用者に提示される、文字の大きさ、音声の大きさ、及び振動の大きさの少なくともいずれかを表す、
請求項2に記載の情報提示制御装置。
【請求項8】
前記提示態様決定基準は、個々の前記提示態様に関する、前記利用者に情報を認知させる効果の高さを含み、前記重要度が高いほど前記効果が高い前記提示態様により前記利用者に情報を提示することを表す、
請求項3に記載の情報提示制御装置。
【請求項9】
情報処理装置によって、
情報の提示対象である利用者に関する状態を表す状態情報を取得し、
前記利用者に対する前記情報の提示態様を決定するための提示態様決定基準と前記状態情報とに基づいて、前記提示態様を決定し、
決定された前記提示態様に従った態様で、前記利用者に情報を提示する、
情報提示制御方法。
【請求項10】
情報の提示対象である利用者に関する状態を表す状態情報を取得する取得処理と、
前記利用者に対する前記情報の提示態様を決定するための提示態様決定基準と前記状態情報とに基づいて、前記提示態様を決定する決定処理と、
決定された前記提示態様に従った態様で、前記利用者に情報を提示する提示処理と、
をコンピュータに実行させるための情報提示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提示制御装置、情報提示制御方法、及び、情報提示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サービスや情報を利用者に提供する際に、利用者の状況に応じた提供を行うための技術が様々なシステムにおいて利用されている。
【0003】
上述の技術に関連して、特許文献1には、利用者の状況を検知したセンシングデータに基づいて利用者の状況を認識する情報処理装置が開示されている。この装置は、利用者の周辺環境を検知したセンシングデータに基づいて周辺環境を認識し、認識された利用者の状況及び周辺環境に応じた情報提示ルールに基づいて、利用者に情報提示を行うよう制御する。
【0004】
また、特許文献2には、報知を利用者に認識させる必要性の高低に応じてクレードルの回転を制御する制御装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、エレベータの利用者の特徴を示す利用者情報を予め記録した携帯端末から発信される利用者情報を受信し、受信した利用者情報から利用者の特徴を認識し、その特徴に応じてエレベータの動作を変更する制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2015/186387号
【特許文献2】国際公開第2018/198727号
【特許文献3】特開2002-362838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
人間は、例えば、文字や図により表された情報を視覚により認知し、音声により表された情報を聴覚により認知し、振動により表された情報を触覚により認知する。そして、ある利用者に対して情報を提示する際に、その利用者に関する状態によっては、ある感覚による情報の認知が困難な場合がある。
【0008】
例えば、情報を提示する対象である利用者が聴覚障がい者である場合、あるいは、利用者が健常者であってもその周辺で大きな騒音が発生している場合、利用者は音声により表された情報を認知することは困難である。また、情報を提示する対象である利用者が視覚障がい者である場合、あるいは、利用者が健常者であっても利用者がいる場所が明るすぎて端末の表示画面の内容を視認しづらい場合、利用者は文字や図により表された情報を認知することは困難である。このような場合、利用者が提示された情報を認知できないことによって、その利用者あるいは情報の提供者に様々な不都合が生じるおそれがある。即ち、利用者がより確実に情報を認知できるように情報を提示することが課題である。上述した特許文献1乃至3は、このような課題を解決することは困難である。
【0009】
本発明の主たる目的は、利用者がより確実に情報を認知できるように情報を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る情報提示制御装置は、情報の提示対象である利用者に関する状態を表す状態情報を取得する取得手段と、前記利用者に対する前記情報の提示態様を決定するための提示態様決定基準と前記状態情報とに基づいて、前記提示態様を決定する決定手段と、決定された前記提示態様に従った態様で、前記利用者に情報を提示する提示手段と、を備える。
【0011】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る情報提示制御方法は、情報処理装置によって、情報の提示対象である利用者に関する状態を表す状態情報を取得し、前記利用者に対する前記情報の提示態様を決定するための提示態様決定基準と前記状態情報とに基づいて、前記提示態様を決定し、決定された前記提示態様に従った態様で、前記利用者に情報を提示する。
【0012】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る情報提示制御プログラムは、情報の提示対象である利用者に関する状態を表す状態情報を取得する取得処理と、前記利用者に対する前記情報の提示態様を決定するための提示態様決定基準と前記状態情報とに基づいて、前記提示態様を決定する決定処理と、決定された前記提示態様に従った態様で、前記利用者に情報を提示する提示処理と、をコンピュータに実行させる。
【0013】
更に、本発明は、係る情報提示制御プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、利用者がより確実に情報を認知できるように情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係る情報提示制御装置10の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る情報提示制御装置10の動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の第2の実施形態に係る情報提示制御装置30の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る情報提示制御装置30の動作を示すフローチャートである。
図5】本発明の第3の実施形態に係る情報提示制御装置50の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る情報提示制御装置50の動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の各実施形態に係る情報提示制御装置を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報提示制御装置10の構成を示すブロック図である。情報提示制御装置10は、送信側装置20と通信可能に接続され、送信側装置20から情報を受信する受信側の端末である。情報提示制御装置10は、その利用者が携帯可能な、例えば、スマートフォンあるいはタブレット端末等の情報処理装置である。送信側装置20は、情報提示制御装置10へ情報を送信する、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、スマートフォンあるいはタブレット端末等の情報処理装置である。
【0018】
情報提示制御装置10は、取得部11、決定部12、提示部13、分析部14、通信部15、記憶部16を備える。取得部11、決定部12、提示部13、分析部14は、順に、取得手段、決定手段、提示手段、分析手段の一例である。
【0019】
記憶部16は、例えば、図7を参照して後述するRAM(Random Access Memory)あるいはハードディスク904のような記憶デバイスである。記憶部16は、受信情報161、状態情報162、提示態様決定基準165、提示態様決定結果166、重要度分析基準167、重要度分析結果168を記憶している。記憶部16に記憶されたこれらの情報については後述する。
【0020】
情報提示制御装置10は、また、カメラ101、マイク102、バイタルセンサ103、表示画面104、スピーカ105、振動部106を備える。カメラ101は、情報提示制御装置10の周辺を撮像する。マイク102は、情報提示制御装置10の周辺で発生している音声を収集する。バイタルセンサ103は、利用者の体調を表すバイタル情報を測定するセンサであり、バイタル情報として、例えば利用者の体温や心拍数等を測定する。バイタルセンサ103は、あるいは、利用者の呼気に含まれるアルコール濃度を測定するセンサであってもよい。
【0021】
表示画面104は、情報提示制御装置10の利用者に対して、例えば文字や図などの視覚により認知可能な情報を提示する。スピーカ105は、情報提示制御装置10の利用者に対して、例えば音声などの聴覚により認知可能な情報を提示する。振動部106は、例えばバイブレータのような機器であり、情報提示制御装置10の利用者に対して、例えば振動などの触覚により認知可能な情報を提示する。このように情報提示制御装置10は、様々な提示態様により情報を利用者に提示する(認知させる)機能を備える。
【0022】
通信部15は、送信側装置20から送信された受信情報161を受信し、受信情報161を記憶部16に格納する。受信情報161は、例えば、知人に対する一般的なメールやチャット、職員に対する業務連絡、災害発生時における災害情報等、様々な種別の情報である。
【0023】
取得部11は、上述した提示態様による情報の認知に影響する利用者に関する状態を表す状態情報162を、例えばカメラ101、マイク102、バイタルセンサ103等から取得し、取得した状態情報162を記憶部16に格納する。状態情報162は、特徴情報163及び環境情報164を含む。
【0024】
特徴情報163は、ある提示態様による情報の認知に影響する利用者の身体的な特徴を表す。特徴情報163は、例えば利用者が視覚障がい者であり、利用者が視覚を介して情報を受け取ることが困難であることを表す。特徴情報163は、例えば利用者が聴覚障がい者であり、利用者が聴覚を介して情報を受け取ることが困難であることを表す。取得部11は、例えば、利用者が自分の身体的な特徴を情報提示制御装置10に入力する入力操作を介して、特徴情報163を取得してもよい。但し、情報提示制御装置10は、例えば文字入力機能や音声入力機能等の情報入力機能を備えることとする。
【0025】
取得部11は、また、利用者が情報提示制御装置10や普段使用するパーソナルコンピュータ等の装置において、情報の提示を支援する特定の機能を使用した実績を特徴情報163として取得してもよい。但し、取得部11は、利用者を識別可能な識別情報から、利用者が普段使用するパーソナルコンピュータ等の装置を特定可能とする。当該特定の機能は、例えば、音声を文字に変換する機能であり、この機能を使用した実績が多い場合、取得部11は、利用者が聴覚に関して不自由であることを表す特徴情報163を取得する。また、当該特定の機能は、例えば、文字を拡大表示する機能であり、この機能を使用した実績が多い場合、取得部11は、利用者が視覚に関して不自由であることを表す特徴情報163を取得する。
【0026】
特徴情報163は、また、バイタルセンサ103によって測定された利用者の体調を表すバイタル情報を含んでもよい。この場合、特徴情報163は、利用者が、病気により体調が悪い、あるいは酒気を帯びていることなどによって、提示された情報を認知する機能が低下している状態であることを表す。
【0027】
環境情報164は、ある提示態様による情報の認知に影響する、利用者がいる場所の状態の特徴を表す。環境情報164は、例えば、カメラ101による撮像画像から、利用者がいる場所が非常に明るく、利用者が表示画面104に表示された文字や図を認知しづらい状態であることを表す。環境情報164は、例えば、マイク102により収集された音声から、利用者がいる場所で発生している大きな音(工事や交通機関により発生している音、大音量の音楽等)によって、利用者がスピーカ105から出力された音声を認知しづらい状態であることを表す。環境情報164は、例えば、カメラ101による撮像画像から、周辺が人で混雑しており、表示画面104に表示された文字や図が他人に見られやすい状態であることを表す。
【0028】
決定部12は、状態情報162と、状態情報162によって表される状態にある利用者に対する受信情報161の提示態様を決定するための提示態様決定基準165とに基づいて、受信情報161の提示態様を決定する。
【0029】
提示態様決定基準165は、状態情報162によって、利用者が視覚、聴覚、触覚のうちの少なくともいずれかの感覚による受信情報161の認知が困難な状態にあることが示される場合、それらの感覚とは異なる感覚を介した提示態様で受信情報161を利用者に提示することを表す。提示態様決定基準165は、例えば、本実施形態の機能を実現するアプリケーションを提供する事業者などによって提供される。
【0030】
提示態様決定基準165は、例えば、状態情報162によって、利用者が視覚による受信情報161の認知が困難な状態にあることが示される場合、聴覚及び触覚の少なくともいずれかを介した提示態様で受信情報161を利用者に提示することを表す。即ちこの場合、提示態様決定基準165は、スピーカ105及び振動部106の少なくともいずれかを介して受信情報161を利用者に提示することを表す。また、状態情報162によって利用者が視覚による受信情報161の認知が困難な状態にあることが示される場合において、提示態様決定基準165は、例えば、文字や図を拡大して受信情報161を利用者に提示することを表してもよい。
【0031】
提示態様決定基準165は、例えば、状態情報162によって、利用者が聴覚による受信情報161の認知が困難な状態にあることが示される場合、視覚及び触覚の少なくともいずれかを介した提示態様で受信情報161を利用者に提示することを表す。即ちこの場合、提示態様決定基準165は、表示画面104及び振動部106の少なくともいずれかを介して受信情報161を利用者に提示することを表す。また、状態情報162によって利用者が聴覚による受信情報161の認知が困難な状態にあることが示される場合において、提示態様決定基準165は、例えば、音声を大きくして受信情報161を利用者に提示することを表してもよい。
【0032】
提示態様決定基準165は、例えば、状態情報162によって、周辺が人で混雑しており、表示画面104に表示された文字や図が他人に見られやすい状態であることが示される場合、聴覚及び触覚の少なくともいずれかを介した提示態様で受信情報161を利用者に提示することを表す。即ちこの場合、提示態様決定基準165は、スピーカ105及び振動部106の少なくともいずれかを介して受信情報161を利用者に提示することを表す。尚、この場合、受信情報161が他人に聞かれないようにするため、スピーカ105は、イヤホンであることが望ましい。
【0033】
提示態様決定基準165は、例えば、状態情報162によって、利用者が、体調が悪いことなどによって、提示された情報を認知する機能が低下している状態にあることが示される場合、視覚、聴覚、触覚の少なくとも2つの感覚を介した提示態様で受信情報161を利用者に提示することを表す。即ちこの場合、提示態様決定基準165は、表示画面104、スピーカ105、及び振動部106の少なくとも2つを介して受信情報161を利用者に提示することを表す。
【0034】
決定部12は、状態情報162及び提示態様決定基準165に基づいて上述の通りに決定した提示態様決定結果166を、記憶部16に格納する。
【0035】
分析部14は、受信情報161の重要度を重要度分析基準167に基づいて分析する。分析部14は、例えば受信情報161が音声を含む場合、まずその音声を、音声認識技術を用いて文章に変換する。分析部14は、受信情報161に含まれる文章に対して形態素解析及び構文解析を含む自然言語処理を行い、受信情報161に含まれる文章の内容を分析する。分析部14は、この際、文章からキーワードを抽出してもよい。分析部14は、例えば受信情報161が画像を含む場合、まずその画像を、画像認識技術を用いて画像に含まれる物の種別などの画像の内容を分析する。
【0036】
重要度分析基準167は、受信情報161が表す内容の重要度を判定するための基準であり、例えば、本実施形態の機能を実現するアプリケーションを提供する事業者などによって提供される。重要度分析基準167は、例えば、受信情報161が、利用者の知人の訃報、利用者の知人が事件や事故に巻き込まれたことを示す情報、緊急性の高い業務連絡、利用者の近辺における災害情報等を含む場合、受信情報161の重要度が高いことを表す。重要度分析基準167は、例えば、受信情報161に含まれるキーワード及び画像に含まれる物の種別と受信情報161の重要度とを関連付けた情報を含んでもよい。重要度分析基準167は、また、受信情報161の重要度に関して、重要である/重要でないという2段階に加えて、重要度に関する3段階以上の定義を表す情報を含んでもよい。
【0037】
分析部14は、上述の通りに分析した重要度分析結果168を、記憶部16に格納する。
【0038】
提示態様決定基準165は、分析部14によって上述の通りに分析された受信情報161の重要度に応じた、利用者に対する受信情報161の提示態様を表してもよい。この場合、決定部12は、状態情報162と重要度分析結果168と提示態様決定基準165とに基づいて、利用者に対する受信情報161の提示態様を決定する。
【0039】
提示態様決定基準165は、例えば、状態情報162によって利用者が視覚による受信情報161の認知が困難な状態にあることが示され、かつ、重要度分析結果168によって受信情報161の重要度が高い(所定の基準以上である)ことが示される場合、聴覚及び触覚の両方を介した提示態様で受信情報161を利用者に提示することを表す。即ちこの場合、提示態様決定基準165は、スピーカ105及び振動部106の両方を介して受信情報161を利用者に提示することを表す。
【0040】
提示態様決定基準165は、例えば、状態情報162によって利用者が聴覚による受信情報161の認知が困難な状態にあることが示され、かつ、重要度分析結果168によって受信情報161の重要度が高い(所定の基準以上である)ことが示される場合、視覚及び触覚の両方を介した提示態様で受信情報161を利用者に提示することを表す。即ちこの場合、提示態様決定基準165は、表示画面104及び振動部106の両方を介して受信情報161を利用者に提示することを表す。
【0041】
提示態様決定基準165は、また、個々の提示態様に関する、利用者に受信情報161を認知させる効果の高さを含み、受信情報161の重要度が高いほど当該効果が高い提示態様により利用者に受信情報161を提示することを表してもよい。個々の提示態様に関する、利用者に受信情報161を認知させる効果の高さは、例えば、過去における、利用者に受信情報161を提示した提示態様と、受信情報161が提示された時の利用者のバイタル情報に対する影響の大きさとの関係を表す情報から取得可能である。即ち、過去において、ある提示態様によって受信情報161が利用者に提示された際に、利用者のバイタル情報が大きく変化した(例えば心拍数が大きく上昇した)実績がある場合、その提示態様は、利用者に受信情報161を認知させる効果が高いと推定される。提示態様決定基準165は、また、受信情報161の重要度が低い場合、利用者に受信情報161を認知させる効果が低い(即ちバイタル情報に対する影響が小さい)提示態様により利用者に受信情報161を提示することを表してもよい。
【0042】
提示部13は、決定部12により生成された提示態様決定結果166が示す提示態様によって、利用者に受信情報161を提示する。例えば、提示態様決定結果166が視覚を介した受信情報161を提示することを表す場合、提示部13は、受信情報161が表す文字や図を、提示態様決定結果166が示す大きさで表示画面104に表示する。例えば、提示態様決定結果166が聴覚を介した受信情報161を提示することを表す場合、提示部13は、受信情報161が表す音声を、提示態様決定結果166が示す大きさでスピーカ105から出力する。例えば、提示態様決定結果166が触覚を介した受信情報161を提示することを表す場合、提示部13は、受信情報161が表す振動を、提示態様決定結果166が示す大きさ(強さ)で行うように振動部106を制御する。
【0043】
提示部13は情報変換部130を備える。例えば、受信情報161が音声により表される場合において提示態様決定結果166が視覚を介した受信情報161を提示することを表す場合、情報変換部130は、音声認識技術及び自然言語処理の技術を用いて、受信情報161が表す音声の文章を文字の文章に変換する。提示部13は、情報変換部130によって文字に変換された受信情報161を表示画面104に表示する。
【0044】
例えば、受信情報161が文字により表される場合において提示態様決定結果166が聴覚を介した受信情報161を提示することを表す場合、情報変換部130は、音声合成技術及び自然言語処理の技術を用いて、受信情報161が表す文字の文章を音声の文章に変換する。提示部13は、情報変換部130によって音声に変換された受信情報161をスピーカ105から出力する。
【0045】
例えば、受信情報161が音声あるいは文字により表される場合において提示態様決定結果166が触覚を介した受信情報161を提示することを表す場合、情報変換部130は、所定の変換基準に従って、受信情報161が表す音声あるいは文字を振動部106の振動を制御する情報に変換する。但し、当該所定の変換基準は、音声あるいは文字により表される受信情報161の内容と、振動部106による振動の仕様(振動パターン等)とを関連付ける基準である。例えば、受信情報161が災害情報である場合に関して、当該所定の変換基準は、受信情報161が津波を表す場合は1回の振動とし、受信情報161が土砂崩れを表す場合は連続する2回の振動とし、受信情報161が洪水を表す場合は連続する3回の振動を表してもよい。またこの場合において、当該所定の変換基準は、災害の規模が大きい(災害の危険性が高い)ほど振動の大きさを大きくすることを表してもよい。
【0046】
次に図2のフローチャートを参照して、本実施形態に係る情報提示制御装置10の動作(処理)について詳細に説明する。
【0047】
通信部15は、送信側装置20から受信情報161を受信し、受信した受信情報161を記憶部16に格納する(ステップS101)。取得部11は、カメラ101による情報提示制御装置10の周辺の撮像画像、マイク102により収集された情報提示制御装置10の周辺で発生している音声、バイタルセンサ103によって測定された利用者のバイタル情報から、状態情報162を取得し、取得した状態情報162を記憶部16に格納する(ステップS102)。分析部14は、受信情報161の内容を分析し、その分析結果と重要度分析基準167とに基づいて、受信情報161の重要度を分析した重要度分析結果168を生成し、生成した重要度分析結果168を記憶部16に格納する(ステップS103)。
【0048】
決定部12は、状態情報162と重要度分析結果168と提示態様決定基準165とに基づいて、利用者に対する受信情報161の提示態様決定結果166を生成し、生成した提示態様決定結果166を記憶部16に格納する(ステップS104)。提示部13は、受信情報161の態様が、提示態様決定結果166が示す提示態様と合致するか確認する(ステップS105)。
【0049】
受信情報161の態様が、提示態様決定結果166が示す提示態様と合致する場合(ステップS106でYes)、処理はステップS108へ進む。受信情報161の態様が、提示態様決定結果166が示す提示態様と合致しない場合(ステップS106でNo)、提示部13における情報変換部130は、受信情報161の態様を、提示態様決定結果166が示す提示態様に変換する(ステップS107)。提示部13は、受信情報161を、提示態様決定結果166に従い、表示画面104、スピーカ105、振動部106の少なくともいずれかを介して利用者に提示し(ステップS108)、全体の処理は終了する。
【0050】
本実施形態に係る情報提示制御装置10は、利用者がより確実に情報を認知できるように情報を提示することができる。その理由は、情報提示制御装置10は、個々の提示態様による受信情報161の認知に影響する利用者に関する状態情報162と、利用者に対する提示態様を決定するための提示態様決定基準165とに基づいて決定した提示態様によって、利用者に受信情報161を提示するからである。
【0051】
以下に、本実施形態に係る情報提示制御装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0052】
例えば、情報を提示する対象である利用者が聴覚障がい者である場合、あるいは、利用者が健常者であってもその周辺で大きな騒音が発生している場合、利用者は音声により表された情報を認知することは困難である。また、情報を提示する対象である利用者が視覚障がい者である場合、あるいは、利用者が健常者であっても利用者がいる場所が明るすぎて端末の表示画面の内容を視認しづらい場合、利用者は文字や図により表された情報を認知することは困難である。このような場合、利用者が提示された情報を認知できないことによって、その利用者あるいは情報の提供者に様々な不都合が生じるおそれがある。即ち、利用者がより確実に情報を認知できるように情報を提示することが課題である。
【0053】
このような課題に対して、本実施形態に係る情報提示制御装置10は、利用者に対する受信情報161の提示態様が複数存在する場合において、提示態様による受信情報161の認知に影響する利用者に関する状態を表す状態情報162を取得する。情報提示制御装置10は、状態情報162と、状態情報162によって表される状態にある利用者に対する提示態様を決定するための提示態様決定基準165とに基づいて、提示態様を決定する。そして情報提示制御装置10は、決定した提示態様によって、利用者に受信情報161を提示する。即ち、情報提示制御装置10は、受信情報161の認知に影響する利用者の状態に応じて、適切な提示態様により利用者に受信情報161を提示するので、利用者がより確実に受信情報161を認知できるように受信情報161を提示することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る情報提示制御装置10は、状態情報162に関する提示態様による提示の大きさ(文字や音声の大きさ等)を表す提示態様決定基準165と状態情報162とに基づいて、提示の大きさを決定し、決定した提示の大きさによって、利用者に受信情報161を提示する。これにより、情報提示制御装置10は、利用者がより確実に受信情報161を認知できるように受信情報161を提示することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る情報提示制御装置10は、利用者に提示する受信情報161の重要度を分析し、分析した重要度と重要度に応じた提示態様を表す提示態様決定基準165とに基づいて、受信情報161の提示態様を決定する。これにより、情報提示制御装置10は、重要度が高い受信情報161ほどより確実に利用者が認知できるように受信情報161を提示することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る情報提示制御装置10は、個々の提示態様に関する、利用者に受信情報161を認知させる効果の高さを含む提示態様決定基準165に基づいて、重要度が高いほど当該効果が高い提示態様により、利用者に受信情報161を提示する。これにより、情報提示制御装置10は、重要度が高い受信情報161ほどより確実に利用者が認知できるように受信情報161を提示することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る情報提示制御装置10は、状態情報162によって、利用者が視覚、聴覚、及び触覚の少なくともいずれかに関する障がいを有することが示される場合、障がいのある感覚とは異なる感覚に対して受信情報161を提示する。また、情報提示制御装置10は、状態情報162によって、利用者の周辺環境が視覚、聴覚、及び触覚の少なくともいずれかによる情報の認知を阻害することが示される場合、その周辺環境によって情報の認知が阻害されない感覚に対して受信情報161を提示する。これにより、情報提示制御装置10は、利用者がより確実に受信情報161を認知できるように受信情報161を提示することができる。
【0058】
<第2の実施形態>
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る情報提示制御装置30の構成を示すブロック図である。情報提示制御装置30は、受信側装置40と通信可能に接続され、受信側装置40へ情報を送信する。上述した第1の実施形態に係る情報提示制御装置10は情報を受信する側の装置であるのに対して、本実施形態に係る情報提示制御装置30は情報を送信する側の装置である。即ち、本実施形態は、上述した情報の提示態様を制御する機能を送信側装置が備える点で、当該機能を受信側装置が備える第1の実施形態とは異なる。
【0059】
情報提示制御装置30は、受信側装置40へ情報を送信する、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、スマートフォンあるいはタブレット端末等の情報処理装置である。受信側装置40は、その利用者が携帯可能な、例えば、スマートフォンあるいはタブレット端末等の情報処理装置である。受信側装置40は、表示画面401、スピーカ402、振動部403を備える。表示画面401、スピーカ402、振動部403は、順に、第1の実施形態に係る情報提示制御装置10が備える表示画面104、スピーカ105、振動部106と同等の機能を備える。即ち、受信側装置40は、第1の実施形態に係る情報提示制御装置10と同様に、様々な提示態様により情報を利用者に提示する(認知させる)機能を備える。
【0060】
情報提示制御装置30は、取得部31、決定部32、提示部33、分析部34、通信部35、記憶部16を備える。取得部31、決定部32、提示部33、分析部34は、順に、取得手段、決定手段、提示手段、分析手段の一例である。
【0061】
記憶部36は、第1の実施形態に係る記憶部16と同様な記憶デバイスである。記憶部36は、送信情報361、状態情報362、提示態様決定基準365、提示態様決定結果366、重要度分析基準367、重要度分析結果368を記憶している。記憶部36に記憶されたこれらの情報については後述する。
【0062】
通信部35は、記憶部36に格納されている送信情報361を受信側装置40へ送信する。送信情報361は、例えば、駅や空港などにいる人に対する交通機関の運行状況を表す情報、商業施設などにいる人に対する案内情報等、様々な種別の情報である。
【0063】
取得部31は、上述した提示態様による情報の認知に影響する利用者に関する状態を表す状態情報362を、例えば、通信可能に接続された監視カメラ41、マイク42等から取得し、取得した状態情報362を記憶部36に格納する。状態情報362は、特徴情報363及び環境情報364を含む。尚、監視カメラ41及びマイク42は、例えば、駅、空港、商業施設等の様々な場所に設置されていることとする。
【0064】
特徴情報363は、第1の実施形態に係る特徴情報163と同様に、ある提示態様による情報の認知に影響する利用者の身体的な特徴を表す。取得部31は、例えば、白杖を持った受信側装置40の利用者を含む監視カメラ41による撮像画像に対して画像認識処理を行ことによって、当該利用者が視覚障がい者であることを表す特徴情報363を取得する。取得部31は、例えば、手話を行っている受信側装置40の利用者を含む監視カメラ41による撮像画像に対して画像認識処理を行ことによって、当該利用者が聴覚障がい者であることを表す特徴情報363を取得する。取得部31は、例えば、子連れである、あるいは両手に荷物を持っている受信側装置40の利用者を含む監視カメラ41による撮像画像に対して画像認識処理を行ことによって、当該利用者が受信側装置40を操作することが困難な状態にあることを表す特徴情報363を取得する。
【0065】
環境情報364は、第1の実施形態に係る環境情報164と同様に、ある提示態様による情報の認知に影響する、利用者がいる場所の状態の特徴を表す。環境情報364は、例えば、監視カメラ41による撮像画像から、利用者がいる場所が非常に明るく、利用者が表示画面401に表示された文字や図を認知しづらい状態であることを表す。環境情報364は、例えば、マイク42により収集された音声から、利用者がいる場所で発生している大きな音によって、利用者がスピーカ402から出力された音声を認知しづらい状態であることを表す。
【0066】
決定部32は、状態情報362と、状態情報362によって表される状態にある利用者に対する送信情報361の提示態様を決定するための提示態様決定基準365とに基づいて、送信情報361の提示態様を決定する。提示態様決定基準365は、例えば、第1の実施形態に係る提示態様決定基準165と同様の基準であり、決定部32は、例えば、第1の実施形態に係る決定部12と同様に動作する。
【0067】
提示態様決定基準365は、例えば、状態情報362によって、利用者が受信側装置40を操作することが困難な状態にあることが示される場合、受信側装置40を操作しなくて済む聴覚及び触覚の少なくともいずれかを介した提示態様で送信情報361を利用者に提示することを表す。即ちこの場合、提示態様決定基準365は、スピーカ402及び振動部403の少なくともいずれかを介して送信情報361を利用者に提示することを表す。
【0068】
決定部32は、状態情報362及び提示態様決定基準365に基づいて上述の通りに決定した提示態様決定結果366を、記憶部36に格納する。
【0069】
分析部34は、送信情報361の重要度を重要度分析基準367に基づいて分析する。重要度分析基準367は、例えば、第1の実施形態に係る重要度分析基準167と同様の基準であり、分析部34は、例えば、第1の実施形態に係る分析部14と同様に動作する。
【0070】
分析部34は、上述の通りに分析した重要度分析結果368を、記憶部36に格納する。
【0071】
提示部33は、決定部32により生成された提示態様決定結果366が示す提示態様によって、利用者に送信情報361を提示する。提示部33は、第1の実施形態に係る提示部13が、表示画面104、スピーカ105、振動部106の少なくともいずれかを介して受信情報161を利用者に提示するのと同様に、表示画面401、スピーカ402、振動部403の少なくともいずれかを介して送信情報361を利用者に提示する。
【0072】
提示部33は、情報変換部330を備える。情報変換部330は、例えば、第1の実施形態に係る情報変換部130が受信情報161に対して行う変換処理と同様の変換処理を、送信情報361に対して行う。
【0073】
尚、本実施形態に係る情報提示制御装置30は、受信側装置40のアドレスを、例えば、受信側装置40の利用者を管理する管理情報が記憶された図示しない外部の装置等から取得可能であることとする。例えば、当該管理情報は、個々の利用者に関する、顔画像と受信側装置40のアドレスとを関連付ける情報である。この場合、情報提示制御装置30は、監視カメラ41による撮像画像に含まれる利用者の顔画像を抽出し、抽出した顔画像と当該管理情報とを用いて顔認証を行うことによって、当該利用者の受信側装置40のアドレスを取得すればよい。また、例えばある施設内において、情報提示制御装置30から送信情報361を受信するためのアプリケーションを受信側装置40が実行し、当該アプリケーションが監視カメラ41と紐づけられた通信機器を介して、受信側装置40のアドレスを情報提示制御装置30に送信するようにしてもよい。この場合、情報提示制御装置30は、監視カメラ41により撮像された利用者の受信側装置40のアドレスを、当該通信機器を介して取得可能である。
【0074】
次に図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係る情報提示制御装置30の動作(処理)について詳細に説明する。
【0075】
取得部31は、監視カメラ41による撮像画像及びマイク42により採取された音声から、状態情報362を取得し、取得した状態情報362を記憶部36に格納する(ステップS201)。分析部34は、送信情報361の内容を分析し、その分析結果と重要度分析基準367とに基づいて、送信情報361の重要度を分析した重要度分析結果368を生成し、生成した重要度分析結果368を記憶部36に格納する(ステップS202)。
【0076】
決定部32は、状態情報362と重要度分析結果368と提示態様決定基準365とに基づいて、利用者に対する送信情報361の提示態様決定結果366を生成し、生成した提示態様決定結果366を記憶部36に格納する(ステップS203)。提示部33は、送信情報361の態様が提示態様決定結果366が示す態様と合致するか確認する(ステップS204)。
【0077】
送信情報361の態様が提示態様決定結果366が示す態様と合致する場合(ステップS205でYes)、処理はステップS207へ進む。送信情報361の態様が提示態様決定結果366が示す態様と合致しない場合(ステップS205でNo)、提示部33における情報変換部330は、送信情報361の態様を、提示態様決定結果366が示す態様に変換する(ステップS206)。提示部33は、送信情報361を、提示態様決定結果366に従い、受信側装置40における、表示画面401、スピーカ402、振動部403の少なくともいずれかを介して利用者に提示し(ステップS207)、全体の処理は終了する。
【0078】
本実施形態に係る情報提示制御装置30は、利用者がより確実に情報を認知できるように情報を提示することができる。その理由は、情報提示制御装置30は、個々の提示態様による送信情報361の認知に影響する利用者に関する状態情報362と、利用者に対する提示態様を決定するための提示態様決定基準365とに基づいて決定した提示態様によって、利用者に送信情報361を提示するからである。
【0079】
尚、情報提示制御装置30による送信情報361の送信先は、利用者が所持する受信側装置40に限定されない。情報提示制御装置30は、例えば、利用者がいる施設内に設置された電子掲示板(モニター)や施設内放送用のスピーカを介して、送信情報361を利用者に提示してもよい。この場合、情報提示制御装置30は、例えば、状態情報362によって表される視覚障がい者である利用者に対しては、施設内放送用のスピーカを介して送信情報361を提示し、聴覚障がい者である利用者に対しては、電子掲示板を介して送信情報361を提示すればよい。
【0080】
<第3の実施形態>
図3は、本発明の第3の実施形態に係る情報提示制御装置50の構成を示すブロック図である。
【0081】
本実施形態に係る情報提示制御装置50は、取得部51、決定部52、提示部53を備えている。取得部51、決定部52、提示部53は、順に、取得手段、決定手段、提示手段の一例である。
【0082】
取得部51は、情報500の提示対象である利用者に関する状態を表す状態情報510を取得する。情報500は、例えば、第1の実施形態に係る受信情報161、あるいは、第2の実施形態に係る送信情報361と同様な情報である。提示態様54は、例えば、第1の実施形態に係る表示画面104、スピーカ105、あるいは振動部106を介した受信情報161の提示態様、あるいは、第2の実施形態に係る表示画面401、スピーカ402、あるいは振動部403を介した送信情報361の提示態様と同様な提示態様である。状態情報510は、例えば、第1の実施形態に係る状態情報162、あるいは、第2の実施形態に係る状態情報362と同様な情報である。取得部51は、例えば、第1の実施形態に係る取得部11、あるいは、第2の実施形態に係る取得部31と同様に動作する。
【0083】
決定部52は、利用者に対する情報500の提示態様を決定するための提示態様決定基準520と状態情報510とに基づいて、提示態様54を決定する。提示態様決定基準520は、例えば、第1の実施形態に係る提示態様決定基準165、あるいは、第2の実施形態に係る提示態様決定基準365と同様な基準である。決定部52は、例えば、第1の実施形態に係る決定部12、あるいは、第2の実施形態に係る決定部32と同様に動作する。
【0084】
提示部53は、決定された提示態様54に従った態様で、利用者に情報500を提示する。提示部53は、例えば、第1の実施形態に係る提示部13、あるいは、第2の実施形態に係る提示部33と同様に動作する。
【0085】
次に図6のフローチャートを参照して、本実施形態に係る情報提示制御装置30の動作(処理)について詳細に説明する。
【0086】
取得部51は、状態情報510を取得する(ステップS301)。決定部52は、状態情報510と提示態様決定基準520とに基づいて、提示態様54を決定する(ステップS302)。提示部53は、決定された提示態様54によって、利用者に情報500を提示し(ステップS303)、全体の処理は終了する。
【0087】
本実施形態に係る情報提示制御装置50は、利用者がより確実に情報を認知できるように情報を提示することができる。その理由は、情報提示制御装置50は、個々の提示態様54による情報500の認知に影響する利用者に関する状態情報510と、利用者に対する提示態様54を決定するための提示態様決定基準520とに基づいて決定した提示態様54によって、利用者に情報500を提示するからである。
【0088】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において図1図3、及び、図5に示した情報提示制御装置における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、図1図3、及び、図5において、少なくとも、下記構成は、プロセッサによって実行される命令を含むソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・取得部11、31、及び51、
・決定部12、32、及び52、
・提示部13、33、及び53、
・情報変換部130、
・分析部14及び34、
・通信部15及び35、
・記憶部16及び36における記憶制御機能。
【0089】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、図7を参照して説明する。
【0090】
図7は、本発明の各実施形態に係る情報提示制御装置を実現可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、図7は、図1図3、及び図5に示した情報提示制御装置を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。但し、上述した情報提示制御装置における各部は、複数の情報処理装置900に分散して設けられてもよいし、その少なくとも一部の機能がクラウドコンピューティングの環境を構成するサーバ等に設けられてもよい。
【0091】
図7に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニターやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0092】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。情報処理装置900は、また、上述した構成の一部を備えない場合もある。
【0093】
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、図7に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(図1図3、及び図5)おける上述した構成、或いはフローチャート(図2図4、及び図6)の機能である。本発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0094】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0095】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0096】
10 情報提示制御装置
11 取得部
12 決定部
13 提示部
130 情報変換部
14 分析部
15 通信部
16 記憶部
161 受信情報
162 状態情報
163 特徴情報
164 環境情報
165 提示態様決定基準
166 提示態様決定結果
167 重要度分析基準
168 重要度分析結果
101 カメラ
102 マイク
103 バイタルセンサ
104 表示画面
105 スピーカ
106 振動部
20 送信側装置
30 情報提示制御装置
31 取得部
32 決定部
33 提示部
330 情報変換部
34 分析部
35 通信部
36 記憶部
361 送信情報
362 状態情報
363 特徴情報
364 環境情報
365 提示態様決定基準
366 提示態様決定結果
367 重要度分析基準
368 重要度分析結果
40 受信側装置
41 監視カメラ
42 マイク
401 表示画面
402 スピーカ
403 振動部
50 情報提示制御装置
500 情報
51 取得部
510 状態情報
52 決定部
520 提示態様決定基準
53 提示部
54 提示態様
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7