IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三和シヤッター工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170804
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】シート交換方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/06 20060101AFI20241204BHJP
   E06B 9/02 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
E06B9/06 Z
E06B9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087540
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】中澤 浩紀
(72)【発明者】
【氏名】平垣 駿
(57)【要約】
【課題】
大規模なシート破れが発生した場合であっても、シートを部分的に交換することで、交換作業性を向上させる。
【解決手段】
シャッターカーテン1を吊持した状態で、第1シート4Aと第2シート4Bの一方のシートにおいて、所望高さの骨材2xを指標として決定した箇所を水平方向に切断して、切断箇所よりも上側の上側シート部分4B´´と、切断箇所よりも下側の下側シート部分4Iとに分離し、下側シート部分4Iの全部あるいは一部を、シャッターカーテン1から取り外して除去し、除去したシート部分に対応する交換用シート4Jの上端部位を、固定部材(7、S2)で骨材2xに固定し、交換用シート4Jを、骨材2xの下方の各骨材2y、2z、ボトム部材3に固定部材で固定する。
【選択図】図104

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトム部材を含む複数の骨材と、
前記骨材の一方の見付面に固定部材で着脱可能に固定され、開口部全閉時に高さ方向に伸展する第1シートと、
前記骨材の他方の見付面に固定部材で着脱可能に固定され、開口部全閉時に高さ方向に伸展する第2シートと、からなる、シャッターカーテンを備えたシートシャッターにおけるシート交換方法であって、
前記シャッターカーテンを吊持した状態で、前記第1シートと前記第2シートの一方ないし両方のシートにおいて、所望高さの骨材を指標として決定した箇所を水平方向に切断して、切断箇所よりも上側の上側シート部分と、切断箇所よりも下側の下側シート部分とに分離し、
前記下側シート部分の全部あるいは一部を、前記シャッターカーテンから取り外して除去し、
除去したシート部分に対応する交換用シートの上端部位を、固定部材で前記所望高さの骨材に固定し、
前記交換用シートを、前記所望高さの骨材の下方の各骨材に固定部材で固定する、
シート交換方法。
【請求項2】
前記上側シート部分の下端部位を前記所望高さの骨材に固定している固定部材を取り外し、
交換用シートの上端部位を、前記上側シート部分の下端部位に重ねて、固定部材で前記所望高さの骨材に固定する、
請求項1に記載のシート交換方法。
【請求項3】
伸展状態で吊持されたシャッターカーテンにおいて、骨材を下方から順次重畳させて前記第1シート及び前記第2シートを折り畳んでいき、少なくとも前記所望高さの骨材の下方の複数の骨材を重畳状態とした状態で前記一方のシートを切断する、
請求項1、2いずれか1項に記載のシート交換方法。
【請求項4】
交換用シートの上端部位を、前記上側シート部分の下端部位に重ねて、固定部材で前記所望高さの骨材に固定した後で、
重畳状態にある骨材を離間させて他方のシートを骨材間で伸展させていくことで、伸展した他方のシートに対向させた状態で、前記交換用シートを各骨材に固定部材で固定する、
請求項3に記載のシート交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートシャッターにおけるシート交換方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
開口幅方向に延びる複数の骨材と、前記複数の骨材に設けられたシートと、からなるシャッターカーテンを備え、シャッターカーテンの下端に吊持ワイヤを固定し、シャッターカーテン開放時には、吊持ワイヤを巻き取ることで、骨材を重ねながらシートを折り畳むようにしてシャッターカーテンを引き上げて開放するようにしたシャッター装置が提案されている(特許文献1、2)。
【0003】
このようなシャッター装置のシャッターカーテンにおいて、シートが部分的に損傷した場合には、損傷の程度が小さければ補修可能であるが、破れ幅が大きくなったような場合には補修で対応することができず、シート全体の交換が必要となる。この場合、シャッターカーテン全体に手を加える必要があるが、特に、シートシャッターが大開口部に設置されているような場合には、大規模工事が必要となり、迅速な対応が困難である。
【0004】
【特許文献1】特開平2-74780
【特許文献2】特開平9-189177
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、大規模なシート破れが発生した場合であっても、シートを部分的に交換することで、シート交換作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
ボトム部材を含む複数の骨材と、
前記骨材の一方の見付面に固定部材で着脱可能に固定され、開口部全閉時に高さ方向に伸展する第1シートと、
前記骨材の他方の見付面に固定部材で着脱可能に固定され、開口部全閉時に高さ方向に伸展する第2シートと、からなる、シャッターカーテンを備えたシートシャッターにおけるシート交換方法であって、
前記シャッターカーテンを吊持した状態で、前記第1シートと前記第2シートの一方ないし両方のシートにおいて、所望高さの骨材を指標として決定した箇所を水平方向に切断して、切断箇所よりも上側の上側シート部分と、切断箇所よりも下側の下側シート部分とに分離し、
前記下側シート部分の全部あるいは一部を、前記シャッターカーテンから取り外して除去し、
除去したシート部分に対応する交換用シートの上端部位を、固定部材で前記所望高さの骨材に固定し、
前記交換用シートを、前記所望高さの骨材の下方の各骨材に固定部材で固定する、
シート交換方法、である。
【0007】
1つの態様では、前記上側シート部分の下端部位を前記所望高さの骨材に固定している固定部材を取り外し、
交換用シートの上端部位を、前記上側シート部分の下端部位に重ねて、固定部材で前記所望高さの骨材に固定する。
【0008】
1つの態様では、伸展状態で吊持されたのシャッターカーテンにおいて、骨材を下方から順次重畳させて前記第1シート及び前記第2シートを折り畳んでいき、少なくとも前記所望高さの骨材の下方の複数の骨材を重畳状態とした状態で前記一方のシートを切断する。
1つの態様では、前記シートシャッターは、前記複数の骨材の最下位の骨材であるボトム部材に連結されており、開口部上方の巻取装置によって巻き取り・繰り出し可能なワイヤを備え、
前記シャッターカーテンは、開口部閉鎖時には、前記ワイヤを繰り出すことで前記複数の骨材が高さ方向に離間した伸展状態となり、開口部開放時には、前記ワイヤを巻き取ることで前記複数の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態となるように構成されており、伸展状態で吊持されたのシャッターカーテンにおいて、前記ワイヤを巻き取ることで骨材を下方から順次重畳させていく。
1つの態様では、伸展状態で吊持されたのシャッターカーテンにおいて、フォークリフト等で骨材を下方から持ち上げて順次重畳させていく。
【0009】
1つの態様では、交換用シートの上端部位を、前記上側シート部分の下端部位に重ねて、固定部材で前記所望高さの骨材に固定した後で、
重畳状態にある骨材を離間させて他方のシートを骨材間で伸展させていくことで、伸展した他方のシートに対向させた状態で、前記交換用シートを各骨材に固定部材で固定する。
【0010】
1つの態様では、前記固定部材は、シート押え部材と螺子とからなり、交換用シートの取付時には、シート押え部材に設けた既存の螺子孔を用いずに、シート押え部材に新しい螺子孔を形成して、螺子で交換用シートを固定する。
【0011】
1つの態様では、切断箇所よりも下側の下側シート部分全体をシートシャッターから取り外すが、さらに、下側シート部分の所定箇所を水平方向に切断して、下側シート部分の一部をシャッターカーテンから取り外して除去するものでもよい。
この場合、交換用シートは、シャッターカーテンから取り除いた下側シート部分の一部に対応する形状及び寸法を備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、大規模なシート破れが発生した場合であっても、シートを部分的に交換することができ、迅速に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係るシートシャッターの正面図(開口部全閉状態)である。
図2】第1実施形態に係るシートシャッターの正面図(開口部全開状態)である。
図3】第1実施形態に係るシートシャッター平面図及び正面図の上端部位である。
図4図1の縦断面図である。
図5】第1実施形態に係るシャッターカーテンの側面図(開口部全閉状態)である。
図6図2の縦断面図である。
図7】第1実施形態に係るシャッターカーテンの側面図(開口部全開状態)である。
図8】本実施形態に係る骨材の側面図である。
図9】本実施形態に係る骨材の幅方向両端部に設けられるガイドプレートを示す。
図10】本実施形態に係るシートシャッターの幅方向端部の平面図である。
図11】上図は図10の縦断面図、下図は図10の正面図である。
図12図1のシート幅方向端部(骨材とシート押え部材)の部分拡大図である。
図13図4の骨材部分の部分拡大図である。
図14】ボトム部材の平面図(A)、B方向から見た正面図(B)、C方向から見た正面図(C)である。
図15図14の左側部位の部分拡大図である。
図16図14の右側部位の部分拡大図である。
図17】ボトム部材の上側被ガイド部、ワイヤ固定部、下側被ガイド部の横断面図である。
図17A】本実施形態に係るガイドレールを示し、右図は第1ガイドレール、左図は第2ガイドレールである。
図18図17の上側被ガイド部の部分拡大図である。
図19図17のワイヤ固定部の部分拡大図である。
図20図17の下側被ガイド部の部分拡大図である。
図21図1のシート幅方向端部(ボトム部材の上側フレームとシート押え部材)の部分拡大図である。
図22】ボトム部材の端部プレート組立体を示す図である。
図23図4の全閉姿勢にあるシャッターカーテンの下方部位の側面図である。
図24】ボトム部材の端部プレートに設けた一対のワイヤ固定部の高さ位置が異なる態様を示す。
図25図4の上方の巻取装置を示す部分拡大図である。
図26図3の平面図の部分拡大図である。
図27】第1実施形態に係るシートシャッターの上方部位の部分拡大平面図であって、上限リミットスイッチ及びエマージェンシースイッチを示している(梁H、載置プレートPは省略されている)。
図28】シートシャッター(開口部全開状態)の上方部位の縦断面図であり、上限リミットスイッチのOFF状態を示している。
図29】シートシャッター(開口部全開状態)の上方部位の縦断面図であり、エマージェンシースイッチのOFF状態を示している。
図30】ボトムロック機構のロック装置の操作部及び係止部を示す(屋内側から見た図である)。
図31】ボトムロック機構のロック装置を示す(図30を右から見た図ないし図32を左から見た図である)。
図32】ボトムロック機構を示し、実線で示す係止部がロック位置、二点鎖線で示す係止部が非ロック位置である。
図33】ボトム部材の幅方向端部の横断面図であり、ボトムロック機構を示している。
図34】全開状態にあるシャッターカーテンの骨材とボトム部材の重畳状態を示す部分縦断面図である。
図35】第1実施形態に係るシートを示す正面図である。
図36】第2実施形態に係るシートシャッターの正面図(開口部全閉状態)である。
図37】第2実施形態に係るシートシャッターの正面図(開口部全開状態)である。
図38】第2実施形態に係るシートシャッター平面図及び正面図の上端部位である。
図39図38の部分拡大図である。
図40図36の縦断面図であり、左図は上側部位及び中間部位の縦断面図、右図は上側部位及び下側部位の縦断面図である。
図41】第2実施形態に係るシャッターカーテンの側面図(開口部全閉状態)である。
図42】第2実施形態に係るシャッターカーテンの上側部位及び中間部位の縦側面図(開口部全閉状態)である。
図43図37の縦断面図であり、左図は上側部位及び中間部位の縦断面図、右図は上側部位及び下側部位の縦断面図である。
図43A】第2実施形態に係るシートシャッターの開口部全開状態における中間ガイドレール3と折り畳まれた下側部位(重畳するボトム部材と骨材)との位置関係を示す図である(折り畳まれたシートは省略されている)。
図44】第2実施形態に係るシャッターカーテンの縦断面図(開口部全開状態)であり、左図は上側部位及び中間部位の縦断面図、右図は上側部位及び下側部位の縦断面図である。
図45】第2実施形態に係るシャッターカーテンによって開閉される開口の中間開口の見付幅方向の第1側の部分拡大図である。
図46】第2実施形態に係るシャッターカーテンによって開閉される開口の中間開口の見付幅方向の第2側の部分拡大図である。
図47図45に示す中間開口の見付幅方向の第1側の閉鎖状態を示す図である。
図48図46に示す中間開口の見付幅方向の第2側の閉鎖状態を示す図である。
図48A】中間部位(第2中間部位)のパネル本体を示す図である。
図49】第2実施形態に係るシャッターカーテンの上側部位の骨材の平面図である。
図50】第2実施形態に係るシャッターカーテンの上側部位のボトム部材(上部ボトム)の平面図である。
図51】第2実施形態に係るシャッターカーテンの上側部位のボトム部材及び中間部位を示す図である。
図52】第2実施形態に係るシャッターカーテンの上側部位のボトム部材の第1側の部分拡大図である。
図53】第2実施形態に係るシャッターカーテンの上側部位のボトム部材の第2側の部分拡大図である。
図54図51に示す第2実施形態に係るシャッターカーテンの上側部位のボトム部材に設けた第1中間部位の下方部位の部分拡大図である。
図55図51に示す第2実施形態に係るシャッターカーテンの上側部位のボトム部材に設けた第2中間部位の下方部位の部分拡大図である。
図56図51に示す第2実施形態に係るシャッターカーテンの中間部位に設けた中間ガイドレールの側面を示す縦断面図である。
図56A】下側ガイドレールの第1ガイドレールの上端部位を示す図である。
図57】第2実施形態に係る中間ガイドレールを設けた中間部位の幅方向端部の正面図であり、左図は第1ガイドレールを示し、右図は第2ガイドレールを示す。
図58】第2実施形態に係る中間ガイドレールの下端と下側ガイドレールの上端の位置合わせを示す図である。
図59】第2実施形態に係る中間ガイドレール及び中間部位の下端と下側ガイドレールの上端の位置合わせを示す図である。
図60】第2実施形態に係るシートシャッターの上方部位の部分拡大平面図であって、上限リミットスイッチ及びエマージェンシースイッチを示している(梁H、載置プレートPは省略されている)。
図61】第2実施形態において、全開状態にあるシャッターカーテンの骨材とボトム部材の重畳状態を示す部分縦断面図である。
図62】第2実施形態に係るシートを示す正面図である。
図63】シャッターカーテンのシートの上端部位の固定構造を示す図である。
図64図63を上方から見た上面図である。
図65図63を下方から見た下面図である。
図66図63の正面図であり、上図において、シートは省略されている。
図67】左図は、第1シート固定部材を備えたシート上端組立部を示し、右図は、第2シート固定部材を備えたシート上端組立部を示している(上端部材は省略されている)。
図68】シートの上端部位を示す正面図である。
図69】第1シート固定部材を示す図である。
図70】第2シート固定部材を示す図である。
図71】第2シート固定部材を示す詳細図である。
図72】上端部材を示す図である。
図73】第1形態に係るシート取付治具の斜視図である。
図74】第2形態に係るシート取付治具の平面図及び正面図である。
図75】第1実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する図である。
図76】第1実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する図である。
図77】第1実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する図である。
図78】第1実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する図である。
図79】第2実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する図である。
図80】第2実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する図である。
図81】第2実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する図である。
図82】第2実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する図である。
図83】第2実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する図である。
図84】第1実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する正面図である。
図85】第2実施形態に係るシャッターカーテンにおけるシート取付工程を説明する正面図である。
図86】セキュリティシートを備えたシャッターカーテンの第1実施形態を示す側面図である。
図87図86を分割して示す図である。
図88図86の部分拡大図である。
図89図86の部分拡大図である。
図90図86に示すシャッターカーテンが折り畳まれた状態を示す図である。
図91】セキュリティシートを備えたシャッターカーテンの第2実施形態を示す側面図である。
図92図91を分割して示す図である。
図93】セキュリティシートを備えたシャッターカーテンの第3実施形態を示す側面図である。
図94図93を分割して示す図である。
図95】セキュリティシートを備えたシャッターカーテンの第2実施形態を示す側面図である。
図96図95を分割して示す図である。
図97】他の実施形態に係るシート端部裏板、及び、シート端部裏板の取付に用いる取付用治具を示す。
図98】取付用治具を用いたシート端部裏板の取付作業の第1手順を説明する図である。
図99】取付用治具を用いたシート端部裏板の取付作業の第2手順を説明する図である。
図100】取付用治具を用いたシート端部裏板の取付作業の第3手順を説明する図である。
図101】取付用治具を用いたシート端部裏板の取付作業の第4手順を説明する図である。
図102】本実施形態に係るシート交換方法を説明する図である。
図103】本実施形態に係るシート交換方法を説明する図である。
図104】本実施形態に係るシート交換方法を説明する図である。
図105】本実施形態に係るシート交換方法を説明する図である。
図106】他の実施形態に係るシート交換方法を説明する図である。
図107】他の実施形態に係るシート交換方法を説明する図である。
【発明の詳細な説明】
【0014】
図面を参照しつつ、本実施形態に係るシートシャッターについて詳細に説明する。本明細書では、第1実施形態及び第2実施形態の2つの実施形態に基づいて本発明について説明する。第1実施形態と第2実施形態とで大きく異なる点は、開口部の形状及びシャッターカーテンの形状である。本実施形態に係るシートシャッターは、大開口部を開閉するものであるが、開口部及びシャッターカーテンの大きさは限定されない。本明細書において、吊持ワイヤWは、ワイヤ(第1ワイヤW1、第2ワイヤW2、第3ワイヤW3)の総称として、シート4は、シート(第1シート4A、第2シート4B等)の総称、プーリ5は、プーリ(第1プーリ5A、第2プーリ5B等)の総称、巻取装置6は、巻取装置(第1巻取装置6A、第2巻取装置6B等)の総称、載置プレートPは、載置プレート(載置プレートP1、載置プレートP2)の総称、ガイドレールGは、ガイドレール(上側ガイドレールG1、下側ガイドレールG2等)の総称、梁Hは、梁(梁H1、H2等)の総称として用いられることがある点に留意されたい。
【0015】
[I]第1実施形態
[A]全体構成
図1~7を参照しつつ、第1実施形態に係るシートシャッターの全体構成について説明する。第1実施形態に係るシートシャッターは、開口部を開閉するシャッターカーテン1と、開口部幅方向両側に位置し、シャッターカーテン1の幅方向両端部を高さ方向に案内するガイドレールGと、シャッターカーテン1の昇降駆動装置と、を備えている。本明細書において、開口部幅方向はシャッターカーテン1及びシャッターカーテン1の構成要素の幅方向であり、見付方向を意味する。
【0016】
第1実施形態に係るシートシャッター1によって開閉される開口部は長方形状の開口部である。開口部の上方に位置して一対の梁H1、H2が開口幅方向に延びており、一対の梁H1、H2の下端を架け渡すように開口幅方向に延びる断面視皿状の上端部材14によって開口部の上端が形成されている。開口部の下端は床面FLによって規定される。開口部の幅方向の端部は、左右の躯体C及び躯体Cに固定された左右のガイドレールGによって規定されている。
【0017】
シャッターカーテン1は、所定の見込幅を備え、開口幅方向に延びる複数本の骨材と、複数本の骨材に設けられたシートと、からなる。本実施形態において、複数本の骨材は、複数本の骨材2と、最下位に位置するボトム部材3と、からなる。骨材2及びボトム部材3は、所定の見込幅を備え、本実施形態に係るシート4は、各骨材2及びボトム部材3の見込方向の第1側に固定され、シャッターカーテン1の第1見付面を形成する第1シート4Aと各骨材2及びボトム部材3の見込方向の第2側に固定され、シャッターカーテン1の第2見付面を形成する第2シート4Bの2枚のシートからなり、開口部全閉状態において、第1シート4A、第2シート4Bが見込方向に離間対向するようになっている。第1シート4A、第2シート4Bの上端は、開口部上方の上端部材14を介して一対の梁H1、H2の下面に固定されている。
【0018】
昇降駆動装置は、下端がボトム部材3に連結されたワイヤと、開口部上方に設けられ、ワイヤ上端が連結された巻取装置と、を備えている。シャッターカーテン1の最下位に位置するボトム部材3の幅方向両端部には、それぞれ、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2の下端が連結されている。第1ワイヤW1は、開口部上方で第1プーリ5Aに巻き掛けされて、開口部上方に設けた第1巻取装置6Aに連結されている。第2ワイヤW2は、開口部上方で第2プーリ5Bに巻き掛けされて、開口部上方に設けた第2巻取装置6Bに連結されている。
【0019】
開口部閉鎖時には、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2を繰り出すことで、シャッターカーテン1は、骨材2、ボトム部材3が高さ方向に離間し、シート4A、4Bが対向して高さ方向に垂直に延びた伸展状態となり、開口部開放時には、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2を巻き取ることで、シャッターカーテン1は、複数本の骨材2、ボトム部材3が高さ方向に重畳し、第1シート4A、第2シート4Bが第1側、第2側でそれぞれ折り畳まれた折り畳み状態となる。
【0020】
[B]シャッターカーテン
本実施形態に係るシャッターカーテン1は、開口幅方向に延びる長尺部材からなる複数本の骨材2及び下端のボトム部材3と、シャッターカーテン1の第1見付面及び第2見付面を形成する第1シート4A及び第2シート4Bと、から形成されている。本実施形態に係るシャッターカーテン1において、骨材2、シート押え部材7はアルミ型材から形成されるが、スチールやステンレス等でもよい。シャッターカーテン1の構成要素において、骨材2、シート押え部材7以外の要素(摺動部材26を除く)は、スチール等から形成される。
【0021】
[B―1]骨材
図8に示すように、骨材2は、所定の見込幅を備え、開口幅方向(見付方向)に延びる水平部20と、水平部の見込方向の両端に設けられ、開口幅方向に延びる当接部21、21と、からなり、当接部21の高さ寸法は、水平部20の高さ(厚さ)よりも大きく、当接部21の上端部22は、水平部20の上面200よりも上方に位置しており、当接部21の下端部23は、水平部20の下面201よりも下方に位置している。当接部21、21は垂直面である見付面210を備えており、第1シート4A、第2シート4Bがそれぞれ見付面210に当接した状態で固定されるようになっている(図13参照)。
【0022】
開口部開放時には、上下に隣接する骨材2が重畳するが、上下に隣接する骨材2において、上側の骨材2の当接部21の下端部23と下側の骨材2の当接部21の上端部22の一方が凹部、他方が凸部であり、開口部開放時には、上側の骨材2の下端部23と下側の骨材2の上端部22が嵌り合うようになっている。
【0023】
本実施形態では、骨材2の上端部22が凹部となっており、凹部は凹部の底面を形成する水平面220と、水平面220の外側に位置し、傾斜面2210を備えた外側の凸部221と、水平面220の内側に位置する凸部222と、からなる。骨材2の下端部23は下向き凸部となっており、凸部は、凸部の下端面を形成する水平面230と、外側の傾斜面231と、内側の垂直面232と、内側の水平面233と、からなる。上下に隣接する骨材2が重畳した時には、上側の骨材2の下端部23の凸部に、下側の骨材2の上端部22の凹部が嵌るようになっている(図34参照)。
【0024】
[B―1―1]ガイド受部
図10図11に示すように、骨材2の水平部20の上面200の長さ方向両端には、水平状のガイドプレート24が固定されている。ガイドプレート24の先端側は、骨材2の長さ方向端部よりも突出しており、突出部には、ガイド受部25が形成されている。ガイド受部25は、見付方向に延びる被ガイド溝部250と、被ガイド溝部250の奥側に位置する幅広部251と、からなる。被ガイド溝部250は、一対のガイド要素によって形成されており、本実施形態では一対のガイド要素は一対の摺動部材26である。本実施形態に係る摺動部材26は所定の強度を備え、かつ、滑り性の良い樹脂である。
【0025】
本実施形態において、ガイドプレート24は平面視略方形状の基端側部位において水平部20に固定されており、先端側の突出部には、所定の見込幅及び奥行を備えた切り欠き部240が形成されており、切り欠き部240の開口の両側は平面視において傾斜辺241となっており、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2の昇降経路と干渉しないようになっている。
【0026】
切り欠き部240の開口に位置して、見込方向に対向する一対の摺動部材26が離間対向して設けてあり、摺動部材26によって切り欠き部240の開口が狭められており、摺動部材26間の隙間が被ガイド溝部250となっている。切り欠き部240において、被ガイド溝部250の奥側の部位が被ガイド溝部250よりも幅広の幅広部251となっている。切り欠き部240の開口に位置して、一対の固定部材27が設けてあり、各固定部材27に各摺動部材26が支持されている。図9に示すように、摺動部材26及び固定部材27の高さ寸法はガイドプレート24の厚さよりも大きい寸法となっている。
【0027】
図9に示すように、摺動部材26は、平面視において略長方形状を備えた略直方体であり、被ガイド溝部250を形成する先端の見付面260と、基端の見付面261と、外側の見込面262と、内側の見込面263と、を備えている。被ガイド溝部250を形成する先端見付面260は、平面視において緩やかに膨出している。
【0028】
固定部材27は、見付片270と、外側の見込片271と、内側の見込片272と、から形成されており、見付片270と、外側の見込片271とから平面視L形状の支持部を備えている。摺動部材26の基端の見付面261が見付片270に当接し、外側見込面262が外側見込片271に当接した状態で、外側見込片271に螺子S1(図9)で止着することで、固定部材27に対して着脱可能に取り付けられている。先端の見付面260は外側見込面262が取り付けられた外側見込片271の先端よりも突出している。
【0029】
[B―2]ボトム部材
図14に示すように、ボトム部材3は、開口幅方向に水平に平行して延びる上側の一対のフレーム30と、開口幅方向に水平に平行して延びる下側の一対のフレーム31と、両端の垂直状の端部プレート32と、から全体として直方体状を備えている。一方の上側フレーム30及び下側フレーム31が見込方向の第1側に位置しており、他方の上側フレーム30及び下側フレーム31が見込方向の第2側に位置している。ボトム部材3は、傾斜状に延びる複数本の補強材38を備えており、トラス構造となっている。本実施形態において、ボトム部材3の見込幅は、骨材2の見込幅と略同じである。
【0030】
本実施形態に係る上側フレーム30は断面視方形状の角パイプであり、垂直状の側面(見付面)300と、水平状の上面301と、を備えている。一対の上側フレーム30の上面301がボトム部材3の上面を形成している。
【0031】
下側フレーム31は断面視方形状の角パイプであり、垂直状の側面(見付面)310を備えている。一方の上側フレーム30の見付面300及び下側フレーム31の見付面310がボトム部材3の第1側の見付面を形成しており、他方の上側フレーム30の見付面300及び下側フレーム31の見付面310がボトム部材3の第2側の見付面を形成している。
【0032】
上側フレーム30の上面301には、幅方向に間隔を存して、上側の骨材2の下端部23が当接する面に隣接して凸部33が形成されている。本実施形態では、上面301において、骨材2の下端部23が当接する面の内側に位置して凸部33が設けてある。本実施形態に係る凸部33は、ボトム部材3の上面301の幅方向に間隔を存して複数設けてあるが、開口幅方向に延びる長尺部材であってもよい。
【0033】
下側フレーム31の下端には緩衝部材34が設けてある。緩衝部材34はボトム部材3の幅方向(シャッターカーテン1の幅方向)に延びる長尺部材であり、2本の緩衝部材34が見込方向に離間して並設しており、開口部全閉時に、ボトム部材3の下端の緩衝部材34が床面FLに密着するようになっている。
【0034】
図17図20図22に示すように、端部プレート32は、垂直状の縦長の長方形状であり、ボトム部材3の左右の見込面を形成している。端部プレート32の高さ方向の中間にはワイヤ固定部35が設けてあり、端部プレート32の上側には、ワイヤ固定部35の上側に位置して上側被ガイド部36が設けてあり、端部プレート32の下側には、ワイヤ固定部35の下側に位置して下側被ガイド部37が設けてある。上側被ガイド部36、下側被ガイド部37は、それぞれ、一対のガイド要素を備えており、本実施形態では、上側被ガイド部36は一対の摺動部材362、下側被ガイド部37は一対の第1ガイドローラ370、第2ガイドローラ371を備えている。ボトム部材3の高さ方向の上側、下側に、上側被ガイド部36、下側被ガイド部37が位置しているので、ボトム部材3の傾きを抑制することができる。
【0035】
[B―2-1]ワイヤ固定部
図19図22図23に示すように、本実施形態に係るワイヤ固定部35は、見込方向に並設された一対のワイヤ固定部35からなる。各ワイヤ固定部35は、吊持ワイヤWの下端が取り付けられる軸部350と、軸部350を支持する支持部351と、端部プレート32から持ち出し状に設けられ、支持部351が固定されるベース352と、からなる。ベース352の上端には、垂直方向に延びるボルト等からなる高さ調整手段353が設けてあり、ワイヤ固定部35に連結された2本の吊持ワイヤWの弛みがないように調整し、ワイヤ固定部35を上方に引っ張った時にボトム部材3が傾かないようにしている。
【0036】
[B―2-2]上側被ガイド部
図18図22に示すように、上側被ガイド部36は、ガイド受部360を備えた上側ガイドプレート361からなる。上側ガイドプレート361は、端部プレート32に固定される垂直面部3610の上端から水平に延びており、上側ガイドプレート361にはガイド受部360が形成されている。上側ガイドプレート361には、ガイドプレート24と同様に切り欠き部3611が形成されており、切り欠き部3611の開口に位置して、見込方向に離間して一対の摺動部材362が設けてあり、摺動部材362間に被ガイド溝部が形成されており、切り欠き部3611において、被ガイド溝部の奥側が幅広部となっている。摺動部材362は、切り欠き部3611の開口に位置して見込方向に離間して設けた一対の固定部材363に固定されている。ボトム部材3のガイド受部360の構成は骨材2の長さ方向両端部のガイド受部25の構成と同一であり、必要に応じて、ガイド受部25の説明を援用することができる。
【0037】
[B―2-3]下側被ガイド部
図20図22に示すように、下側被ガイド部37は、一対の第1ガイドローラ370、平面視において第1ガイドローラ370に対して垂直方向の姿勢の第2ガイドローラ371を備えた下側ガイドプレート372からなる。下側ガイドプレート372は、端部プレート32に固定される垂直面部3720の下端から水平に延びており、下側ガイドプレート372には切り欠き部3721が形成されており、切り欠き部3721の開口を見込方向から挟むように一対の第1ガイドローラ370が離間対向しており、見込み方向に対向する第1ガイドローラ370の周面間に、開口の幅よりも幅狭の被ガイド溝部が形成されている。垂直面部3720には、第2ガイドローラ371が設けてある。また、下側被ガイド部37のガイド要素である一対の第1ガイドローラ370、第2ガイドローラ371は、シャッターカーテン1の最下位に位置するので、シャッターカーテン1(シート4)の見付方向、見込方向を含む水平方向の偏倚に対してスムーズに対応できる。
【0038】
[B―3]シート及びシートの固定構造
第1シート4A、第2シート4Bは、開口部を閉鎖可能な高さ寸法及び見付幅寸法を備えている。第1シート4A、第2シート4Bは、複数本の骨材2及びボトム部材3を高さ方向に間隔を設けて平行状に位置させた状態において、各骨材2の見付面及びボトム部材3の見付面に当接させて固定されている。第1シート4A、第2シート4Bの上端は、上端部材14の第1見付面140、第2見付面141に固定されている。骨材2及びボトム部材3の一方の見付面、他方の見付面は、第1見付面140、第2見付面141と面一である(図5参照)。
【0039】
本実施形態において、複数本の骨材2、ボトム部材3は同一の見込幅を備えており、各骨材2の当接部21の見付面210、ボトム部材3の上側フレーム30の見付面300、下側フレーム31の見付面310は、同一垂直面上に位置しており、第1シート4A、第2シート4Bは、各骨材2の見付面210、ボトム部材3の見付面300、310に当接した状態で、シート幅方向に延びるシート押え部材7によって螺子S2で見付面210、300、310に固定されている(図5図10図13図18図21)。
【0040】
図13に示すように、シート押え部材7は断面視において、垂直部70と、垂直部70の上側の上側傾斜部71と、垂直部70の下側の下側傾斜部72と、からなる。シート4は、シート4を骨材2及びボトム部材3の見付面に当接させた状態で、垂直部70を上からシート4に重ねて、垂直部70と見付面でシート4を挟んだ状態で、開口幅方向に間隔を存して複数本の螺子S2で固定される。
【0041】
図10図12図18図21に示すように、シート4の見付幅寸法は、骨材2及びボトム部材3の見付幅よりも大きく、シート4の幅方向両端部は、骨材2、ボトム部材3の長さ方向両端部を越えて延出部42を備えている。シート4の幅方向端縁を4´で表している。シート押え部材7の長さ寸法は、端部が骨材2、ボトム部材3の長さ寸法よりも長く、シート押え部材7の幅方向両端部位は、骨材2及びボトム部材3の幅方向端部を越えて突出しており、延出部7´を形成している。シート4の延出部42は、シート押え部材7の延出部7´に固定されている。より具体的には、シート4の延出部42を、固定部材としてのシート端部裏板73とシート押え部材7の延出部7´で挟み込むようにして、螺子S3で固定されている。固定部材の形状は限定されないが、本実施形態に係るシート端部裏板73は薄肉の円板状である。
【0042】
本実施形態に係るシート4の材質は、所定の強度及び可撓性を備えていれば、限定されず、公知のシート素材から形成することができる。図35に示すように、本実施形態に係るシート4は、高さ方向に延びる複数本の帯状シート400を幅方向に接続することで形成されている。帯状シート400の接続部はシート高さ方向に延びているため、複数枚のシートを高さ方向に接続した場合(接続部が水平に延びる)に比べて、シート自重が接続部に与える影響が小さい。
【0043】
[C]ガイド機構
ガイドレールGは、開口部の両端に位置して躯体Cに固定され、開口部の略全高に亘って延びる部材である。図10図17A図18~20に示すように、本実施形態に係るガイドレールGは、シャッターカーテン1の見込幅の略中央に位置して見付方向に延びる第1ガイドレール8と、平面視において第1ガイドレール8を挟むように位置して見付方向に延びる一対の第2ガイドレール9と、からなる。本実施形態において、第1ガイドレール8と第2ガイドレール9の見付方向の長さは同一である。シャッターカーテン1の幅方向両端部位は、ガイドレールGに案内されるようになっている。各骨材2のガイド受部25、及びボトム部材3のガイド受部360、一対の第1ガイドローラ370間に第1ガイドレール8が受け入れられており、一方の第2ガイドレール9の外側に第1シート4Aの幅方向両端部位が位置し、他方の第2ガイドレール9の外側に第2シート4Bの幅方向両端部位が位置するようになっている。
【0044】
[C―1]第1ガイドレール
第1ガイドレール8は、シャッターカーテン1の見込幅の略中央に位置して、基端側が躯体Cに固定され、見付方向の先端側にガイド部を備えている。第1ガイドレール8のガイド部は、シャッターカーテン1の見込幅の略中央に位置して見付方向に延びる第1部分80と、第1部分80の先端において見込方向に延びる第2部分81と、を備え、本実施形態では平面視T形状を備えている。第1部分80の基端側は幅広部800となっており、幅広部800の基端には固定片82が形成されている。第1ガイドレール8は、固定片82を躯体Cにボルトで固定することで躯体Cに取り付けられている。
【0045】
[C―2]第2ガイドレール(シートガイド)
第2ガイドレール9は、基端側が躯体Cに固定され、見付方向の先端側部位がシャッターカーテン1の幅方向両端部の見付面に位置して、シート4の幅方向両端部に内側から当接ないし近接するようになっている。第2ガイドレール9は、先端側の第1見付片90と、第1見付片90に対して見込方向内側に位置する、基端側の第2見付片91と、第1見付片90の基端と第2見付片91の先端との間に位置する段部92と、を備えている。第1見付片90の外面にシート4の幅方向端部が当接ないし近接するようになっている。第2見付片91の基端には、第2見付片91に対して垂直に延びる固定片93が設けてあり、第2ガイドレール9は全体として平面視略L形状となっている。一対の第2ガイドレール9が、平面視において第1ガイドレール8を挟むように位置している。
【0046】
[C―3]第1ガイド機構
第1ガイドレール8を備えた第1ガイド機構について説明する。骨材2の幅方向両端部には、見付方向に延びる被ガイド溝部250と、被ガイド溝部250の奥側に位置する幅広部251と、からなるガイド受部25が設けてあり、被ガイド溝部250に第1部分80の一部がクリアランスを存して位置し、幅広部251に第2部分81が位置しており、第2部分81の見込寸法は、被ガイド溝部250の溝幅よりも大きく、幅広部251の見込幅よりも小さく、第2部分81は被ガイド溝部250(摺動部材26の内側見込面263)に係止可能となっている。本実施形態に係る摺動部材26は滑り性の良い樹脂であり、第2部分81が摺動部材26の内側見込面263に当接した状態でも、シャッターカーテン1の開閉に支障がない。
【0047】
ボトム部材3の幅方向両端部には、上側に上側被ガイド部36のガイド受部360が設けてあり、下側に下側被ガイド部37の一対の第1ガイドローラ370が設けてある。上側のガイド受部360の被ガイド溝部に第1部分80の一部がクリアランスを存して位置し、幅広部に第2部分81が位置しており、第2部分81の見込寸法は、被ガイド溝部の溝幅よりも大きく、幅広部の見込幅よりも小さく、第2部分81は被ガイド溝部(摺動部材362の内側見込面)に係止可能となっている。
【0048】
下側被ガイド部37の一対の第1ガイドローラ370間に第1部分80の一部がクリアランスを存して位置し、第2部分81の見込寸法は、第1ガイドローラ370間の溝幅よりも大きく、また、第1ガイドローラ370の内側の側面と第2部分81は、離間しており、接触しないようになっている。第2部分81の先端面は、第2ガイドローラ371と離間対向しており、シャッターカーテン1の幅方向の揺れに応じて、第2ガイドローラ371が第2部分81の先端面に摺接可能となっている。図22に示すように、第2ガイドローラ371は一対の第1ガイドローラ370の上側に位置している。
【0049】
シャッターカーテン1の幅方向の一方の第1ガイドレール8の第2部分81が被ガイド溝部(摺動部材26の内側見込面263、摺動部材362の内側見込面)に係止した状態で、同じ側の第1ガイドレール8の第2部分81と第1ガイドローラ370の側面は離間しており、また、シャッターカーテン1の幅方向の他方の第1ガイドレール8の第2部分81の先端とガイド受部25の幅広部251の底辺2510、ガイド受部360の幅広部の底辺とは離間状態を維持するようになっている。
【0050】
[C―4]第2ガイド機構
第2ガイドレール9を備えた第2ガイド機構について説明する。第1シート4Aの幅方向両端部位は、骨材2及びボトム部材3の幅方向端部を超えて延びる延出部42となっており、延出部42は、一方の第2ガイドレール9の第1見付片90に当接ないし近接する第1部位420と、第2見付片91に離間対向する第2部位421と、を備え、第2部位421は、延出部7´の裏面に当接した状態でシート端部裏板73で挟み込んで螺子S3を用いて延出部7´に固定されている。第2ガイドレール9はシートガイドであり、第1シート4Aの幅方向両端部位は、第1シート4Aの幅方向両端部位の第1部位420の裏面側に位置する第2ガイドレール9の第1見付片90によってガイドされるようになっている。
【0051】
第2シート4Bの幅方向両端部位は、骨材2及びボトム部材3の幅方向端部を超えて延びる延出部42となっており、延出部42は、他方の第2ガイドレール9の第1見付片90に当接ないし近接する第1部位420と、第2見付片91に離間対向する第2部位421と、を備え、第2部位421は、延出部7´の裏面に当接した状態でシート端部裏板73で挟み込んで螺子S3を用いて延出部7´に固定されている。第2ガイドレール9はシートガイドであり、第2シート4Bの幅方向両端部位は、第2シート4Bの幅方向両端部位の第1部位420の裏面側に位置する第2ガイドレール9の第1見付片90によってガイドされるようになっている。
【0052】
各第2ガイドレール9において、第2ガイドレール9の段部92の見込寸法は、平面視におけるシート端部裏板73の突出寸法(すなわち、シート端部裏板73の厚さ)よりも大きく、シート4の幅方向両端部位の第2部位421の裏面に位置するシート端部裏板73は第2ガイドレール9の第2見付片91と離間対向しており、シート端部裏板73と第2見付片91との接触が規制されている。第2ガイドレール9の第2見付片91に離間対向するシート端部裏板73は、第2ガイドレール9の段部92に対して見付方向に外側に離間しており、第2部分81が摺動部材26の内側見込面263に当接した状態であっても、第2ガイドレールの段部92とシート端部裏板73との接触が規制されている。
【0053】
[D]昇降駆動装置
本実施形態に係るシートシャッターは、昇降駆動装置によってシャッターカーテン1を電動で昇降させることで開口部を開閉するようになっている。昇降駆動装置は、下端がボトム部材3に連結された吊持ワイヤWと、開口部上方に設けられ、吊持ワイヤWの上端が連結された巻取装置6と、を備えており、巻取装置6を電動モータMで駆動させることで、吊持ワイヤWの上端側を巻き取って吊持ワイヤWを上動させてシャッターカーテン1を上昇させ、吊持ワイヤWの上端側を繰り出すことで吊持ワイヤWを下動させてシャッターカーテン1を下降させる。
【0054】
図23に示すように、本実施形態に係る吊持ワイヤWは、見込方向に対向して垂直に延びる2本の吊持ワイヤWからなるワイヤセットである。シャッターカーテン1の最下位に位置するボトム部材3の幅方向両端部には、それぞれ、2本の第1ワイヤW1からなる第1ワイヤセット、2本の第2ワイヤW2からなる第2ワイヤセットの下端が連結されている。より具体的には、ボトム部材3の一方の端部プレート32に設けた一対のワイヤ固定部35のそれぞれに第1ワイヤW1が固定されており、ボトム部材3の他方の端部プレート32に設けた一対のワイヤ固定部35のそれぞれに第2ワイヤW2が固定されている。
【0055】
図10図18図19に示すように、シャッターカーテン1の幅方向両端部において、一対の第1ワイヤW1、一対の第2ワイヤW2は、それぞれ、ガイドレールG(第1ガイドレール8、第2ガイドレール9)、ガイドプレート24、上側ガイドプレート361から離間した位置で垂直方向に延びており、ガイドレールG(第1ガイドレール8、第2ガイドレール9)、ガイドプレート24、上側ガイドプレート361と接触することがないようになっている。より具体的には、第1ワイヤセット及び第2ワイヤセットの一方の第1ワイヤW1、第2ワイヤW2は、それぞれ、第1ガイドレール8と一方の第2ガイドレール9との間の空間で延びており、第1ワイヤセット及び第2ワイヤセットの他方の第1ワイヤW1、第2ワイヤW2は、それぞれ、第1ガイドレール8と他方の第2ガイドレール9との間の空間で延びている。ガイドプレート24の切り欠き部240の開口の見込方向両側は平面視において一対の傾斜辺241となっており、2本の第1ワイヤW1、2本の第2ワイヤW2の昇降経路と干渉しないようになっている。上側ガイドプレート361にも同様の傾斜辺が形成されている。
【0056】
本実施形態において、開口部の上方には、上端部材14が開口幅方向に延びており、さらにその上に、H型鋼からなる2本の梁H1、H2が並行して開口幅方向に延びている(図25図26図27参照)。開口部の高さ方向に垂直に延びる第1ワイヤセット(2本の第1ワイヤW1)、第2ワイヤセット(2本の第2ワイヤW2)の上端部位は、それぞれ、上端部材14の底面142の長さ方向の両端部に形成した切り欠き部1420、一対の梁H1、H2の間の空間を通って高さ方向に延びている(図25参照)。
【0057】
開口部上方には、開口部の幅方向の一端側の直上に位置して第1プーリ5Aが配置され、開口部の幅方向の他端側の直上に位置して第2プーリ5Bが配置されている。開口部上方の天井面には、開口部の幅方向の略中央部位の直上に位置して第1巻取装置6A、第2巻取装置6Bが配置されている。第1プーリ5Aは、見込方向に並設されて第1プーリセットを形成しており、第2プーリ5Bは、見込方向に並設されて第2プーリセットを形成している。
【0058】
図1図3図26に示すように、2本の第1ワイヤW1は、開口部上方で第1プーリセットのそれぞれの第1プーリ5Aに巻き掛けされて、開口部中央へ向かって延び、第1巻取装置6Aに連結されており、第1巻取装置6Aに巻取可能となっている。2本の第1ワイヤW1は、第1巻取装置6Aの共通の巻取ドラム60に巻き取られるようになっており、見込方向に延びる巻取ドラム60の一方の半部61に一方の第1ワイヤW1が巻き取られ、他方の半部62に他方の第1ワイヤW1が巻き取られるようになっている。
【0059】
図1図3に示すように、2本の第2ワイヤW2は、開口部上方で第2プーリセットのそれぞれの第2プーリ5Bに巻き掛けされて、開口部中央へ向かって延び、第2巻取装置6Bに連結されており、第2巻取装置6Bに巻取可能となっている。2本の第2ワイヤW2は、第2巻取装置6Bの共通の巻取ドラム60に巻き取られるようになっており、見込方向に延びる巻取ドラム60の一方の半部61に一方の第2ワイヤW2が巻き取られ、他方の半部62に他方の第2ワイヤW2が巻き取られるようになっている。
【0060】
開口部上方で開口幅方向に並行して延びる一対の梁H1、H2の屋内側に離間して梁H3が位置しており、3本の梁H1、H2、H3の上面を架け渡すように梁H1、H2、H3に直交して複数の載置プレートPが設けてある。開口部の幅方向の端部の上方に位置して設けた載置プレートP1には、プーリ5が設けてある。開口部幅方向の略中央部位の上方に位置して設けた載置プレートP2には、巻取装置6が設けてある。
【0061】
第1ワイヤセットを構成する2本の第1ワイヤW1は、第1巻取装置6Aの共通の巻取ドラム60に巻き取られるようになっており、第2ワイヤセットを構成する2本の第2ワイヤW2は、第2巻取装置6Bの共通の巻取ドラム60に巻き取られるようになっている。本実施形態において、第1ワイヤセットの2本の第1ワイヤW1の下端、第2ワイヤセットの2本の第2ワイヤW2の下端の取付位置は、それぞれ高さ方向に調整可能である。図24に示すように、ワイヤ固定部35のベース352は端部プレート32に対して高さ方向に位置調整可能に固定されている。より具体的には、端部プレート32には、高さ方向に延びる長孔が形成されており、必要に応じて、ベース352の上方に位置する高さ調整手段353でワイヤ固定部35の高さ位置を調整して、螺子S4で端部プレート32に固定するようになっている。
【0062】
[E]シャッター開閉動作
本実施形態に係るシートシャッターはモータMによって駆動される巻取装置6によって電動開閉される。開口部を開放する際には、第1巻取装置6A、第2巻取装置6Bの巻取ドラム60に第1ワイヤW1、第2ワイヤW2を巻き取ることで、シャッターカーテン1は、複数本の骨材2、ボトム部材3が高さ方向に重畳しなが上昇し、シート4A、4Bが第1側、第2側でそれぞれ外側へ折り畳まれた折り畳み状態となって開口部全開状態となる(図2図6図7参照)。
【0063】
シャッターカーテン1の上昇時には、ボトム部材3の上端(上面301)が骨材2の下端部23に当接し、上下に隣り合う骨材2において、下側の骨材2の上端部22が上側の骨材2の下端部23に当接するようになっている。吊持ワイヤWの上動によって上動するボトム部材3の上側フレーム30の上面301が最下位の骨材2の下端部23の水平面230に当接して当該骨材2を上動させ、当該骨材2の上端部22の水平面220が上側に位置する骨材2の下端部23の水平面230に当接して、骨材2を上動させる。
【0064】
図34に示すように、ボトム部材3と骨材2が重畳した状態において、見込方向の両側に位置する骨材2の下端部23の下向き凸部の内側に位置してボトム部材3の上面301の凸部33が位置している。本実施形態に係る凸部33の高さは、下端部23の下向き凸部の高さよりも低く、下向き凸部の内側の垂直面232に離間対向する部位は下側の垂直面330と上側の傾斜面331となっている。シャッターカーテン1の上動時(シャッターカーテン1が引き上げられる時)に、ボトム部材3と上側の骨材2が離間した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部33の傾斜面331がいずれか一方の下向き凸部の内側の垂直面232と水平面230との角部に当接してズレが規制されるようになっている。ボトム部材3と上側の骨材2が当接した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部33の垂直面330がいずれか一方の下向き凸部の内側の垂直面232に当接してズレが規制されるようになっている。
【0065】
図34に示すように、骨材2同士が重畳した状態において、上側の骨材2の下端部23の凸部の水平面230に、下側の骨材2の上端部22の凹部の水平面220が当接し、上側の骨材2の下端部23の凸部の傾斜面231に、下側の骨材2の上端部22の凹部の傾斜面2210が近接ないし当接し、上側の骨材2の下端部23の下向き凸部の内側の垂直面232が、下側の骨材2の上端部22の凹部の内側の凸部222の内側側面に対向し、凸部222の上端が、内側の水平面233に対向している。シャッターカーテン1の上動時(シャッターカーテン1が引き上げられる時)に、上下の上側の骨材2が離間した状態で見込方向にズレた場合には、また、上下の上側の骨材2が当接した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部232がいずれか一方の内側凸部222に当接し、他方の傾斜面2210が傾斜面231に当接してズレが規制されるようになっている。
【0066】
シャッターカーテン1の上昇時に、シャッターカーテン1が所定の上限位置まで達すると、上限リミットスイッチULSが作動して、電動上昇が停止する。シャッターカーテン1において、最上位の骨材2の水平部20の上面200には、開口幅方向に間隔を存して凸部からなる当接部2000が設けてある。開口部上方に位置する上端部材14は、第1見付面140と、第2見付面141と、底面142から断面視コ字形状の部分を備えており、上端部材14の内部に、開口幅方向に間隔を存して上限リミットスイッチULSが設けてあり、上限リミットスイッチULSの検知レバーが上端部材14の底面142より下方に突出している。
【0067】
巻取装置6による吊持ワイヤWの巻き上げによって、最上位の骨材2が上限位置まで上昇すると、最上位の骨材2の当接部2000が検知レバーに下方から当接して、上限リミットスイッチULSが作動して、巻取装置を駆動するモータMが停止する。開口部全開状態では、上限リミットスイッチがOFF状態にある。さらに、上端部材14の内部には、開口幅方向に間隔を存してエマージェンシースイッチEMSが設けてあり、エマージェンシースイッチEMSの検知部が上端部材14の底面142より下方に突出している。エマージェンシースイッチEMSの検知部は、上限リミットスイッチULSの検知レバーよりも上方に位置している。
【0068】
開口部を閉鎖する際には、第1巻取装置6A、第2巻取装置6Bの巻取ドラム60から第1ワイヤW1、第2ワイヤW2を繰り出すことで、シャッターカーテン1は、骨材2、ボトム部材3が高さ方向に離間しながら下降し、シート4A、4Bが高さ方向に垂直に延びた伸展状態となり、ボトム部材3の下端の緩衝部材34が着床することで開口部全閉状態となる(図1図4図5参照)。シャッターカーテン1の上昇時に、シャッターカーテン1が所定の上限位置まで達すると、上限リミットスイッチULSが作動して、電動上昇が停止する。ガイドレールGの下端部位には、シャッターカーテン1が全閉姿勢となったことを検知する下限リミットスイッチLLSが設けてある。開口部全閉状態では、下限リミットスイッチLLSがOFF状態にある。ボトム部材3の端部プレート32の下端部位には、下限リミットスイッチLLSに当接する検知部39が設けてある(図15図33)。
【0069】
[F]ボトムロック機構
本実施形態に係るシートシャッターは、開口部全閉状態におけるシャッターカーテン1の持ち上がりを防止するボトムロック機構を備えている。図16図30図33を参照しつつ、ボトムロック機構について説明する。ボトムロック機構はガイドレールGの下端部位に設けたロック装置15と、ボトム部材3の幅方向両端に設けた係止受部16と、からなる。ガイドレールGの下端部位に設けられ、非ロック姿勢とロック姿勢をとる係止部150を備えたロック装置とからなり、開口部全閉状態において、ロック姿勢にある係止部が係止受部に係止することで、シャッターカーテンの持ち上がりが規制される。
【0070】
本実施形態において、係止受部16は、ボトム部材3の端部プレート32の下方部位の見込方向の屋外側に位置して固定されており、水平状の係止面160と、係止面160に立ち上がり形成された当接部161と、を備えている。ボトムロック機構のロック部(係止受部16と係止部150)を屋外側に位置させたことで、外部からの持ち上げ防止に効果的である。
【0071】
ロック装置15は、非ロック姿勢とロック姿勢の間で可動な係止部150を備え、係止部150は、操作部151の回動操作に連動して、ロック姿勢と、非ロック姿勢を選択的にとるようになっている。係止部150がロック姿勢となると、係止受部16の係止面160の直上にブロック状の係止部150が位置するようになっており、開口部全閉姿勢にあるシャッターカーテン1の下端のボトム部材3が持ち上げられると、係止受部16の係止面160が下方から係止部150の下面に当接して、ボトム部材3の上動が規制される。
【0072】
本実施形態に係る係止部150は躯体Cに固定された上下のガイド1500、1501の間でスライド可能となっている。操作部151は、第1の位置と第2の位置の間で回動可能となっており、操作部151を第1の位置から第2の位置へ回動させることで、係止部150が非ロック姿勢からロック姿勢に移動し、操作部151を第2の位置から第1の位置へ回動させることで、係止部150がロック姿勢から非ロック姿勢に移動する。
【0073】
操作部151と係止部150は、水平方向に延びる軸部152と、概ね上下方向に延びるリンク153を介して連動連結されており、操作部151が第1の位置にある時に、リンク153の下端が見付方向の内側に押されてリンク153の上端が見付方向の外側に引っ張られて係止部150が非ロック姿勢となり、操作部151が第2の位置にある時に、リンク153の下端が見付方向の外側に移動して、リンク153の上端が見付方向の内側に押し出されて係止部150がロック姿勢となる。リンク153の回転に伴いリンク153の部分が検知スイッチMSのON・OFFを切り替える。
【0074】
本実施形態において、係止受部16は、ボトム部材3の見込方向の外側に位置しており、係止部150は、ガイドレールGの見込方向の外側に位置しており、操作部151は、ガイドレールGの見込方向の内側(内側見付面)に位置している。より具体的には、操作部151は、屋内側の第2ガイドレール9の第2見付片91の外側に位置しており、軸部152は、屋内側の第2ガイドレール9、第1ガイドレール8の幅広部800を貫通して、屋外側の第2ガイドレール9の内側に位置するリンク153に連結しており、係止部150は、屋外側の第2ガイドレール9の内側に位置してガイド1500、1501に沿って見付方向にスライド可能となっている。
【0075】
本実施形態では、係止部150は、スプリング154によってロック姿勢となるように付勢されており、係止部150が非ロック姿勢にある時には、スプリング154は圧縮されている。係止部150が係止位置までスライド移動すると、係止部150の先端面が係止受部16の係止面160に立ち上がり形成した当接部161に当接することで、係止面160のロック姿勢が位置決めされる。ロック装置15は、係止部150の非ロック姿勢を保持するための手段を備えており、本実施形態では、係止ピン155を軸部152の周面に設けた被係止部に係止させることで(屋内側の第2ガイドレール9に貫通孔がある)、軸部152の回転を規制している。通常は、係止ピン155は係止状態にあり、操作部151の回動操作が規制されている。
【0076】
ロック装置15は、ロック装置15がロック状態にあることを検知する検知スイッチMSを備えている。係止部150がロック姿勢にある時、すなわち、ロック装置15がロック状態にある時には、検知スイッチMSがOFF状態にあり、検知スイッチMSがOFF状態にある時には、シャッターカーテン1の電動開閉が無効化されるようになっている。
【0077】
本実施形態に係るロック装置15は、手動操作(操作部151の回動操作)で作動するが、ロック装置15を電動操作で作動させてもよい。具体的には、開口部全閉状態であることを条件として(下限リミットスイッチLLSがOFF状態)、制御部からのロック信号の入力により、係止部を非ロック姿勢からロック姿勢へ移動させてロック状態とする。ロック信号の入力は、手動スイッチ操作により送信してもよく、あるいは、下限リミットスイッチLLSがOFF状態となった後にタイマが作動して所定時間後に、ロック信号を送信するようにしてもよい。係止部の移動手段としては、例えば、係止方向にスプリングで付勢させておき、非係止位置では圧縮状態にあるスプリングの伸長を規制しておき、ロック信号により規制を解除する手法や、ロック信号による入力によってソレノイドで係止部を移動させる等が採用し得る。
【0078】
[II]第2実施形態
[A]全体構成
図36図44を参照しつつ、第2実施形態に係るシートシャッターの全体構成について説明する。第2実施形態に係るシートシャッターは、第1実施形態に係るシートシャッターと同様に、開口部を開閉するシャッターカーテン1´と、シャッターカーテン1´の幅方向両端部を高さ方向に案内するガイドレールGと、シャッターカーテン1´の昇降駆動装置と、を備えている。第1実施形態と同様に、開口部の上方に位置して一対の梁H1、H2が開口幅方向に延びており、一対の梁H1、H2の下端を架け渡すように開口幅方向に延びる断面視皿状の上端部材14によって開口部の上端が形成されている。開口部の下端は床面FLによって規定される。第2実施形態に係る開口部の形状は、以下の説明から明らかなように、第1実施形態の開口部の形状と異なる。
【0079】
第2実施形態に係るシャッターカーテン1´は、幅広の上側部位10と、幅狭の下側部位11と、上側部位10の下方に位置し、下側部位11の上方部位と同じ高さに位置する中間部位12と、からなる。本実施形態に係る中間部位12の見付幅寸法は、下側部位11の見付幅寸法よりも大きく、上側部位10の見付幅寸法よりも小さい。図示の態様では、幅狭の下側部位11は、幅広の上側部位10の幅方向中央に対して第1側に寄った位置に設けてある。
【0080】
第2実施形態に係るシート4は、上側の幅広のシート40と、下側の幅狭のシート41と、からなる。シャッターカーテン1´の上側部位10は、開口幅方向に延びる複数本の長尺の骨材と、複数本の長尺の骨材に設けられた幅広のシート40と、からなり、長尺の骨材が高さ方向に離間した伸展状態と、長尺の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態をとることで高さ寸法が可変である。上側部位10において、複数本の長尺の骨材は、複数本の骨材2´と、上側部位10の最下位に位置するボトム部材13と、からなる。
【0081】
下側部位11は、開口幅方向に延びる複数本の短尺の骨材と、複数本の短尺の骨材に設けられた幅狭のシート41と、からなり、短尺の骨材が高さ方向に離間した伸展状態と、短尺の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態をとることで高さ寸法が可変である。下側部位11において、複数本の短尺の骨材は、複数本の骨材2´´と、下側部位11(すなわちシャッターカーテン1´)の最下位に位置するボトム部材3´と、からなる。
【0082】
本実施形態に係るシート(幅広シート40と幅狭シート41)は、シャッターカーテン1´の第1側の第1見付面を形成する第1シート4A´と、シャッターカーテン1´の第2側の第2見付面を形成する第2シート4B´とからなり、開口部全閉状態において、2枚のシート4A´、4B´が見込方向に離間対向するようになっている。骨材2´、2´´及びボトム部材3´、13、上端部材14は、所定の同一見込幅を備えており、第1シート4A´は、上端部材14、骨材2´、ボトム部材13、骨材2´´、ボトム部材3´の見込方向の第1側に固定され、第2シート4B´は、上端部材14、骨材2´、ボトム部材13、骨材2´´、ボトム部材3´の見込方向の第2側に固定されている。第2実施形態において、幅広のシート40と幅狭のシート41は、共通のシート4A´、4B´から形成されている。
【0083】
上側部位10のボトム部材13は、下側部位11の骨材2´´の直上に位置する第1部位13Aと、第1部位13Aの見付幅方向(長さ方向)の第1側に位置する第2部位13Bと、第1部位13Aの見付幅方向(長さ方向)の第2側に位置する第3部位13Cと、を備えている。上側部位10のボトム部材13の第2部位13Bの下方に位置して第1中間部位12Aが設けられ、ボトム部材13の第3部位13Cの下方に位置して第2中間部位12Bが設けられており、中間部位12(第1中間部位12A、第2中間部位12B)は、下側部位11の上方部位の側方に位置している。中間部位12は、複数本の角パイプを骨組状に接合したパネル体であり、高さ寸法が不変である。
【0084】
第2実施形態に係るシートシャッター1´によって開閉される開口部は、幅広の上側開口と、幅狭の下側開口と、前記上側開口と前記下側開口の間に位置し、上側開口よりも幅狭で下側開口よりも幅広の中間開口と、からなる。開口部(上側開口)の上端は、上端部材14によって規定されており、開口部(下側開口)の下端は、床面FLによって規定される。
【0085】
上側開口の幅方向両端部は、上側ガイドレールG1によって規定されており、下側開口の幅方向両端部は、下側ガイドレールG2によって規定されている。中間開口の幅方向両端部は、中間側壁C1によって規定されている。上側開口の下端部位において、中間開口の幅方向両端の外側に位置する部位は、上側床面FL1となっている。中間開口の下端部位において、下側開口の幅方向両端の外側に位置する部位は、中間床面FL2となっている。
【0086】
開口部閉鎖時には、シャッターカーテン1´幅広の上側部位10が幅広の上側開口に位置し、中間部位12と幅狭の下側部位11の上方部位が中間開口に位置し、下側部位11の残りの部位が幅狭の下側開口に位置するようになっている。本実施形態に係る中間部位12は、第1中間部位12Aと第2中間部位12Bとからなり、第1中間部位12Aと第2中間部位12Bの間の空間は、下側部位11の見付幅寸法に対応しており、第1中間部位12Aと第2中間部位12Bの空間に面する部位には、下側ガイドレールG2の直上に位置して中間ガイドレールG3が設けてある。
【0087】
シャッターカーテン1´の最下位に位置するボトム部材3´の幅方向両端部には、それぞれ、2本の第1ワイヤW1からなる第1ワイヤセット、2本の第2ワイヤW2からなる第2ワイヤセットの下端が連結されている。第1ワイヤW1は、下側部位11の幅方向の第1側に沿って垂直に延び、さらに、上側部位10を高さ方向に挿通して、開口部上方で第1プーリセット5Aに巻き掛けされて、開口部上方に設けた第1巻取装置6Aに連結されている。第2ワイヤW2は、下側部位11の幅方向の第2側に沿って垂直に延び、さらに、上側部位10を高さ方向に挿通して、開口部上方で第2プーリセット5Bに巻き掛けされて、開口部上方に設けた第2巻取装置6Bに連結されている。
【0088】
上側部位10のボトム部材13の長さ方向の第2側(下側部位11が寄った第1側とは反対側)には、2本の第3ワイヤW3からなる第3ワイヤセットが連結されており、第3ワイヤW3は、開口部上方で第3プーリセット5Cに巻き掛けされて、開口部上方に設けた第3巻取装置6Cに連結されている。第3ワイヤセット(2本の第3ワイヤW3)の上端部位は、上端部材14の底面142の長さ方向の第2側の端部に形成した切り欠き部1420、一対の梁H1、H2の間の空間を通って高さ方向に延びている(図60参照)。
【0089】
すなわち、第2実施形態に係るシートシャッターは、昇降駆動装置によってシャッターカーテン1´を電動で昇降させることで開口部を開閉するようになっている。昇降駆動装置は、下端が下側部位11のボトム部材3´の両端に連結された第1ワイヤセット(2本の第1ワイヤW1)及び第2ワイヤセット(2本の第2ワイヤW2)と、下端が上側部位10のボトム部材13の幅方向の一端に設けられた第3ワイヤセット(2本の第3ワイヤW3)と、開口部上方において2本の第1ワイヤW1が巻き掛けされる第1プーリセット(2つの第1プーリ5A)と、2本の第2ワイヤW2が巻き掛けされる第2プーリセット(2つの第2プーリ5B)と、2本の第3ワイヤW3が巻き掛けされる第3プーリセット(2つの第3プーリ5C)と、2本の第1ワイヤW1を巻取り・繰り出し可能な第1巻取装置6Aと、2本の第2ワイヤW2を巻取り・繰り出し可能な第2巻取装置6Bと、2本の第3ワイヤW3を巻取り・繰り出し可能な第3巻取装置6Cと、を備えている。
【0090】
開口部閉鎖時には、第1巻取装置6A、第2巻取装置6B、第3巻取装置6Cによって、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2、第3ワイヤW3を繰り出すことで、シャッターカーテン1´は、ボトム部材3´、骨材2´´、ボトム部材13、骨材2´が高さ方向に離間し、シート4A´、4B´が高さ方向に垂直に延びた伸展状態となる。開口部全閉状態では、下限リミットスイッチLLSがOFF状態にある。
【0091】
第2実施形態に係るシートシャッターは、第1実施形態に係るシートシャッターと同様に、開口部全閉状態におけるシャッターカーテン1´の持ち上がりを防止するボトムロック機構を備えている。ボトムロック機構は下側ガイドレールG2の下端部位に設けたロック装置15と、ボトム部材3´の幅方向両端に設けた係止受部16と、からなる。下側ガイドレールG2の下端部位に設けられ、非ロック姿勢とロック姿勢をとる係止部を備えたロック装置とからなり、開口部全閉状態において、ロック姿勢にある係止部が係止受部に係止することで、シャッターカーテン1´の持ち上がりが規制される。ボトムロック機構の詳細については、第1実施形態における記載を援用することができる。
【0092】
開口部開放時には、第1巻取装置6A、第2巻取装置6B、第3巻取装置6Cによって、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2、第3ワイヤW3を巻き取ることで、シャッターカーテン1´は、ボトム部材3´、骨材2´´、ボトム部材13、骨材2´が高さ方向に重畳し、シート4A´、4B´が第1側、第2側でそれぞれ折り畳まれた折り畳み状態となる。シャッターカーテン1´の上昇時に、シャッターカーテン1´が所定の上限位置まで達すると、上限リミットスイッチULSが作動して、電動上昇が停止する。下側ガイドレールG2の下端部位には、シャッターカーテン1´が全閉姿勢となったことを検知する下限リミットスイッチLLSが設けてある。
【0093】
[B]シャッターカーテン
[B―1]全体形状
第2実施形態に係るシャッターカーテン1´は、幅広の上側部位10と、幅狭の下側部位11と、上側部位10の下方に位置して固定され、下側部位11の上方部位と同じ高さに位置する中間部位12と、からなる。第2実施形態に係るシャッターカーテン1´の構成は、第1実施形態に係るシャッターカーテン1の構成と共通する部分も多く、必要に応じて、第1実施形態に係る記載を援用ないし参酌できる点について留意されたい。本実施形態に係るシャッターカーテン1´において、骨材2´、2´´、シート押え部材7はアルミ型材から形成されるが、スチールやステンレス等でもよい。シャッターカーテン1´の構成要素において、骨材2´、2´´、シート押え部材7以外の要素(摺動部材を除く)は、スチール等から形成される。
【0094】
上側部位10は、開口幅方向に延びる複数本の長尺の骨材2´と、最下位の骨材2´の下方に設けたボトム部材13(上部ボトム)と、複数本の長尺の骨材2´及びボトム部材13に設けられた幅広のシート40と、からなる。上側部位10の最上位の骨材2´は、シャッターカーテン1´の上端に位置しており、上限リミットスイッチULS、エマージェンシースイッチEMSに当接する当接部を備えている(図60参照)。
【0095】
下側部位11は、開口幅方向に延びる複数本の短尺の骨材2´´と、最下位の骨材2´´の下方に設けたボトム部材3´(下部ボトム)と、複数本の短尺の骨材2´´及びボトム部材3´に設けられた幅狭のシート41と、からなる。下側部位11の最下位のボトム部材3´は、シャッターカーテン1´の下端に位置しており、下側ガイドレールG2の下端部位に設けた下限リミットスイッチLLSとの当接部を備えている。
【0096】
中間部位12は、下側部位11の上方部位の見付幅方向の第1側に隣接して、上側部位10の下端に設けた第1中間部位12Aと、下側部位11の上方部位の見付幅方向の第2側に隣接して、上側部位10の下端に設けた第2中間部位12Bと、からなる。第1中間部位12Aと第2中間部位12Bとの間の間隔は、下側部位11の見付幅寸法に対応しており、第1中間部位12Aと第2中間部位12Bの対向する見込面には、高さ方向に亘って中間ガイドレールG3が設けてあり、下側部位11の幅方向両端部を案内するようになっている。中間部位12の構成の詳細については後述する。
【0097】
[B―2]骨材
上側部位10の骨材2´、下側部位11の骨材2´´の構成は、長さ寸法を除いて、第1実施形態に係る骨材2の構成と同じであり、参照番号を含めて骨材2の説明を適宜援用することができ、例えば、図8を参照することができる。具体的には、骨材2´、2´´は、所定の見込幅を備え、開口幅方向(見付方向)に延びる水平部20と、水平部の見込方向の両端に設けられ、開口幅方向に延びる当接部21、21と、からなり、当接部21の高さ寸法は、水平部20の高さ(厚さ)よりも大きく、当接部21の上端部22は、水平部20の上面200よりも上方に位置しており、当接部21の下端部23は、水平部20の下面201よりも下方に位置している。当接部21、21は垂直面である見付面210を備えており、第1シート4A´、第2シート4B´がそれぞれ見付面210に当接した状態で固定されるようになっている。
【0098】
本実施形態では、骨材2´、2´´の上端部22が凹部となっており、凹部は凹部の底面を形成する水平面220と、水平面220の外側に位置し、傾斜面2210を備えた外側の凸部221と、水平面220の内側に位置する凸部222と、からなる。骨材2´、2´´の下端部23は下向き凸部となっており、凸部は、凸部の下端面を形成する水平面230と、外側の傾斜面231と、内側の垂直面232と、内側の水平面233と、からなる。上下に隣接する骨材2´、2´´が重畳した時には、上側の骨材2´、2´´の下端部23の凸部に、下側の骨材2´、2´´の上端部22の凹部が嵌るようになっている。
【0099】
骨材2´、2´´の水平部20の上面200の長さ方向両端には、水平状のガイドプレート24が固定されている。ガイドプレート24の先端側は、骨材2´、2´´の長さ方向端部よりも突出しており、突出部には、ガイド受部25が形成されている。ガイド受部25は、見付方向に延びる被ガイド溝部250と、被ガイド溝部250の奥側に位置する幅広部251と、からなる。ガイドプレート24、ガイド受部25の具体的な構成については、第1実施形態におけるガイドプレート24、ガイド受部25の説明を援用することができる。
【0100】
上側部位10の骨材2´は、第1ワイヤセットの2本の第1ワイヤW1、第2ワイヤセットの2本の第2ワイヤW2を高さ方向に挿通させる挿通部を備えている点において、第1実施形態に係る骨材2と異なる。図49に示すように、各骨材2´の水平部20には、2本の第1ワイヤW1、2本の第2ワイヤW2の昇降経路に位置して、4つの開口202が形成されており、2本の第1ワイヤW1、2本の第2ワイヤW2は、それぞれ開口202を挿通して上側部位10の高さ方向に延びている。なお、図60に示すように、上端部材14の底面142にも、2本の第1ワイヤW1、2本の第2ワイヤW2の昇降経路に位置して、4つの開口1400が形成されており、2本の第1ワイヤW1、2本の第2ワイヤW2は、それぞれ開口1400を挿通して開口部上方に延びている。
【0101】
[B―3]ボトム部材
[B―3―1]下部ボトム
下側部位11のボトム部材3´の構成は、第1実施形態に係るシャッターカーテン1のボトム部材3の構成と同じであり、参照番号を含めてボトム部材3の説明を適宜援用することができ、例えば、図14図23を参照することができる。具体的には、ボトム部材3´は、開口幅方向に水平に平行して延びる上側の一対のフレーム30と、開口幅方向に水平に平行して延びる下側の一対のフレーム31と、両端の垂直状の端部プレート32と、から全体として直方体状を備えている。一方の上側フレーム30及び下側フレーム31が見込方向の第1側に位置しており、他方の上側フレーム30及び下側フレーム31が見込方向の第2側に位置している。ボトム部材3´は、傾斜状に延びる複数本の補強材38を備えており、トラス構造となっている。
【0102】
本実施形態に係る上側フレーム30は断面視方形状の角パイプであり、垂直状の側面(見付面)300と、水平状の上面301と、を備えている。一対の上側フレーム30の上面301がボトム部材3´の上面を形成している。下側フレーム31は断面視方形状の角パイプであり、垂直状の側面(見付面)310を備えている。一方の上側フレーム30の見付面300及び下側フレーム31の見付面310がボトム部材3´の第1側の見付面を形成しており、他方の上側フレーム30の見付面300及び下側フレーム31の見付面310がボトム部材3´の第2側の見付面を形成している。
【0103】
上側フレーム30の上面301には、幅方向に間隔を存して、上側の骨材2´´の下端部23が当接する面に隣接して凸部33が形成されている。本実施形態では、上面301において、骨材2´´の下端部23が当接する面の内側に位置して凸部33が設けてある。本実施形態に係る凸部33は、ボトム部材3´の上面301の幅方向に間隔を存して複数設けてあるが、開口幅方向に延びる長尺部材であってもよい。
【0104】
下側フレーム31の下端には緩衝部材34が設けてある。緩衝部材34はボトム部材3´の幅方向(シャッターカーテン1´の幅方向)に延びる長尺部材であり、2本の緩衝部材34が見込方向に離間して並設しており、開口部全閉時に、ボトム部材3´の下端の緩衝部材34が床面FLに密着するようになっている。
【0105】
端部プレート32は、垂直状の縦長の長方形状であり、ボトム部材3´の左右の見込面を形成している。端部プレート32の高さ方向の中間にはワイヤ固定部35が設けてあり、端部プレート32の上側には、ワイヤ固定部35の上側に位置して上側被ガイド部36が設けてあり、端部プレート32の下側には、ワイヤ固定部35の下側に位置して下側被ガイド部37が設けてある。上側被ガイド部36、下側被ガイド部37は、それぞれ、一対のガイド要素を備えており、本実施形態では、上側被ガイド部36は一対の摺動部材362、下側被ガイド部37は一対の第1ガイドローラ370、第2ガイドローラ371を備えている。
【0106】
[B―3―2]上部ボトム
図50図51に示すように、上側部位10のボトム部材13は、下側部位11の骨材2´´の直上に位置する第1部位13Aと、第1部位13Aの見付幅方向(長さ方向)の第1側に位置する第2部位13Bと、第1部位13Aの見付幅方向(長さ方向)の第2側に位置する第3部位13Cと、からなる。本実施形態では、第3部位13Cは、複数の短尺要素を端部プレート132を介して連結することで形成されている。第1部位13Aの一方の端部と第2部位13Bの一方の端部は、第1ジョイント部13Dを介して接続されており、第1部位13Aの他方の端部と第3部位13Cの一方の端部は、第2ジョイント部13Eを介して接続されている。第1ジョイント部13Dは、第1ワイヤセット(2本の第1ワイヤW1)の昇降経路に位置しており、第2ジョイント部13Eは、第2ワイヤセット(2本の第2ワイヤW2)の昇降経路に位置している。
【0107】
図52図53に示すように、ボトム部材13は、開口幅方向に水平に平行して延びる上側の一対のフレーム130と、開口幅方向に水平に平行して延びる下側の一対のフレーム131と、両端(第2部位13Bの他方の端部、第3部位13Cの他方の端部)の端部プレート132と、から全体として直方体状を備えている。一方の上側フレーム130及び下側フレーム131が見込方向の第1側に位置しており、他方の上側フレーム130及び下側フレーム131が見込方向の第2側に位置している。ボトム部材13の第1部位13A、第2部位13B、第3部位13Cは、傾斜状に延びる複数本の補強材139を備えており、トラス構造となっている。本実施形態では、ボトム部材13の第1部位13Aの見付幅はボトム部材3´の見付幅と略同じであり、第1部位13Aの両端に位置する第1ジョイント部13D、第2ジョイント部13Eの内部には補強材139は設けられておらず、吊持ワイヤWを高さ方向に挿通させるための十分な空間(ワイヤ挿通部)が形成されている。
【0108】
本実施形態に係る上側フレーム130は断面視方形状の角パイプであり、垂直状の側面(見付面)1300と、水平状の上面1301と、を備えている。一対の上側フレーム130の上面1301がボトム部材13の上面を形成している。下側フレーム131は断面視方形状の角パイプであり、垂直状の側面(見付面)1310を備えている。一方の上側フレーム130の見付面1300及び下側フレーム131の見付面1310がボトム部材13の第1側の見付面を形成しており、他方の上側フレーム130の見付面1300及び下側フレーム131の見付面1310がボトム部材13の第2側の見付面を形成している。
【0109】
上側フレーム130の上面1301には、幅方向に間隔を存して、上側の骨材2´の下端部23が当接する面に隣接して凸部133が形成されている。本実施形態では、上面1301において、骨材2´の下端部23が当接する面の内側に位置して凸部133が設けてある。本実施形態に係る凸部133は、ボトム部材13の上面1301の幅方向に間隔を存して複数設けてあるが、開口幅方向に延びる長尺部材であってもよい。
【0110】
下側フレーム131の下面1311には、幅方向に間隔を存して、下側の骨材2´´の上端部22が当接する面に隣接して凸部134が形成されている(図61参照)。本実施形態では、下面1311において、骨材2´´の上端部22が当接する面の内側に位置して凸部134が設けてある。本実施形態に係る凸部134は、ボトム部材13の下面1311の幅方向に間隔を存して複数設けてあるが、開口幅方向に延びる長尺部材であってもよい。
【0111】
端部プレート132は、垂直状の方形プレートであり、ボトム部材13の左右の見込面を形成している。ボトム部材13の長さ方向(見付幅方向)の第2側の端部プレート132には、高さ方向の中間に位置してワイヤ固定部135が設けてある。両方の端部プレート132には、上側被ガイド部136、下側被ガイド部137が設けてあり、上側被ガイド部136、下側被ガイド部137の間に位置して、高さ方向の中間には、中間ガイド部としてのガイドローラ138が設けてある。第2側の端部プレート132において、一対のワイヤ固定部135の間に位置してガイドローラ138が位置している。
【0112】
本実施形態に係るワイヤ固定部135は、見込方向に並設された一対のワイヤ固定部135からなる。各ワイヤ固定部135は、第3ワイヤW3の下端が取り付けられようになっている。ワイヤ固定部135は端部プレート132に対して高さ方向に位置調整可能に固定されている。より具体的には、端部プレート132には、高さ方向に延びる長孔が形成されており、必要に応じて、高さ調整手段1353(図53参照)でワイヤ固定部135の高さ位置が調整可能となっている。ワイヤ固定部135の具体的な構成については、第1実施形態におけるワイヤ固定部35の説明を援用することができる。
【0113】
上側被ガイド部136、下側被ガイド部137は、第1実施形態に係るボトム部材3の上側被ガイド部36の構成と同じであり、必要に応じて、上側被ガイド部36についての記載を援用することができる。また、上側被ガイド部136、下側被ガイド部137のガイド受部の構成は、骨材2の長さ方向両端部のガイド受部25の構成と同一であり、必要に応じて、ガイド受部25(一対の摺動部材26と一対の固定部材27を備えている)の説明を援用することができる。ガイドローラ138については、第1実施形態における第2ガイドローラ371の説明を援用することができる。
【0114】
[B―4]シート及びシートの固定構造
本実施形態において、上端部材14、複数本の骨材2´、ボトム部材13、複数本の骨材2´´、ボトム部材3´は同一の見込幅を備えており、第1シート4A´、第2シート4B´は、上端部材14の第1見付面140、第2見付面141、各骨材2´、2´´の見付面210、ボトム部材3´の見付面300、310、ボトム部材13の見付面1300、1310に当接した状態で、シート幅方向に延びるシート押え部材7によって螺子S2で固定されている。シート幅方向両端部の固定構造は、第1実施形態に係るシート4の幅方向両端部位の固定構造と実質的に同じであり、具体的な構成については、第1実施形態における記載を援用することができる。
【0115】
幅広シート40の見付幅寸法は、骨材2´及びボトム部材13の見付幅よりも大きく、幅広シート40の幅方向両端部は、骨材2´、ボトム部材13の長さ方向両端部を越えて延出部42を備えている。幅広シート40を固定するシート押え部材7の長さ寸法は、端部が骨材2´、ボトム部材13の長さ寸法よりも長く、シート押え部材7の幅方向両端部位は、骨材2´及びボトム部材13の幅方向端部を越えて突出しており、延出部7´を形成している。シート4の延出部42は、シート押え部材7の延出部7´に固定されている。より具体的には、シート4の延出部42を、固定部材としてのシート端部裏板73とシート押え部材7の延出部7´で挟み込むようにして、螺子S3で固定されている。
【0116】
幅狭シート41の見付幅寸法は、骨材2´´及びボトム部材3´の見付幅よりも大きく、幅狭シート41の幅方向両端部は、骨材2´´、ボトム部材3´の長さ方向両端部を越えて延出部42を備えている。幅狭シート41を固定するシート押え部材7の長さ寸法は、端部が骨材2´´、ボトム部材3´の長さ寸法よりも長く、シート押え部材7の幅方向両端部位は、骨材2´´及びボトム部材3´の幅方向端部を越えて突出しており、延出部7´を形成している。シート4の延出部42は、シート押え部材7の延出部7´に固定されている。より具体的には、シート4の延出部42を、固定部材としてのシート端部裏板73とシート押え部材7の延出部7´で挟み込むようにして、螺子S3で固定されている。
【0117】
本実施形態に係るシート4の材質は、所定の強度及び可撓性を備えていれば、限定されず、公知のシート素材から形成することができる。図62に示すように、本実施形態に係るシート4は、高さ方向に延びる複数本の帯状シートを幅方向に接続することで形成されている。具体的には、複数本の帯状シートは、幅広シート40と幅狭シート41とからなる第1の高さ(シャッターカーテン1´の全高)を備えた複数本の第1帯状シート4000、4000´と、幅広シート40のみの第2の高さを備えた複数本の第2帯状シート4100と、からなり、第1帯状シート4000´は、一方の半部が第1の高さ、他方の半部が第2の高さを備えたシートである。第1帯状シート4000´は、1枚のシート片であって、幅広シート40の下端と幅狭シート41の上端で形成される隅部を備えており、複数本の帯状シートの接続部が前記隅部に位置しないようになっている。帯状シート4000、4100、4000´の接続部はシート高さ方向に延びているため、複数枚のシートを高さ方向に接続した場合(接続部が水平に延びる)に比べて、シート自重が接続部に与える影響が小さい。
【0118】
[B―5]中間部位
図42図51図54図55を参照しつつ、中間部位12について説明する。シャッターカーテン1´の上側部位10のボトム部材13の第2部位13Bの下方に位置して第1中間部位12Aが設けられ、ボトム部材13の第3部位13Cの下方に位置して第2中間部位12Bが設けられており、中間部位12(第1中間部位12A、第2中間部位12B)は、下側部位11の上方部位の側方に位置している。
【0119】
中間部位12は、所定の高さ寸法、見込寸法、見付幅寸法を備えたパネル体であり、上端部が上側部位10のボトム部材13の第2部位13Bの下面に固定されている。より具体的には、本実施形態に係る中間部位12は、直方体の各辺に相当する複数本の角パイプ状のフレーム(見付方向に水平に延びるフレーム、見込方向に水平に延びるフレーム、垂直方向に延びるフレーム)から組み立てられたパネル本体からなる。パネル本体の見付面には、シート120が取り付けられている。シート120は、シート押え部材7を用いて螺子でパネル本体の所定のフレームに取り付けられている。本実施形態に係るパネル本体は、さらに、複数本の中間フレームを備えている。パネル本体の上面には、ボトム部材13の下端部との取付片が形成されている。パネル本体の内側の見込面には、中間ガイドレールG3の取付片が形成されている。
【0120】
図48Aに示すように、中間部位12(中間部位12B)のパネル本体は、第1見付面(シート120)と、第2見付面(シート120)と、内側(見付幅方向の第1側)の見込面(一対の見込縦フレーム127、上側見込フレーム126、下側見込フレーム122)と、外側(見付幅方向の第2側)の見込面(一対の見込縦フレーム127´、上側見込フレーム126´、下側見込フレーム122´)と、上面(一対の上側見付フレーム125、上側見込フレーム126、126´)と、下面(一対の下側見付フレーム121、下側見込フレーム122、122´)と、を備えている。内側の見込面には中間ガイドレールG3の取付片128が形成されている。上面には、ボトム部材13の下端部との取付片129が形成されている。
【0121】
本実施形態では、開口幅方向に水平に平行して延びる下側の一対の下側見付フレーム121と、一対の下側見付フレーム121の中間ガイドレールG3側の端部を接続する下側見込フレーム122は、後述する第3ガイド手段の要素を構成している。中間部位12の幅方向の所定部位の下方部位には、検知スイッチMS1を作動させる作動体123が設けてある。中間部位12の下端には、シート120の下端から下方に垂直に突出する一対の緩衝片124が幅方向に亘って設けてある。
【0122】
中間部位12の高さ寸法は、伸縮状態にある下側部位11の高さ寸法と略同じである。中間部位12の見込幅は、上側部位10、下側部位11の見込幅と略同じであり、開口部全閉状態において、幅広シート40、幅狭シート41、中間部位12のシート120は面一となって垂直面を形成するようになっている。本実施形態では、第1中間部位12Aの見付幅寸法が狭く、第2中間部位12Bの見付幅寸法が広くなっている。
【0123】
第1中間部位12Aと第2中間部位12Bは、離間対向する見込面を備えており、各見込面には、高さ方向に亘って中間ガイドレールG3が設けてある。後述するように、中間ガイドレールG3は、第1ガイドレール8と一対の第2ガイドレール9からなる。中間ガイドレールG3は、下側ガイドレールG2の直上に位置しており、下側ガイドレールG2と中間ガイドレールG3で、幅狭の下側部位11の幅方向両端を案内するようになっている。本実施形態に係る中間ガイドレールG3の高さ寸法は、中間部位12の高さ寸法と略同じである。図示の態様では、中間ガイドレールG3の下端部位は、中間部位12の下端よりも少し下方に突出している。
【0124】
開口部全閉状態において、下側部位11は、折り畳み状態にあり、重畳した骨材2´´及びボトム部材3´は、中間ガイドレールG3間の空間に位置しており、下端(ボトム部材3´の下端)が中間部位12の下端と略同じ高さ位置にある(図37参照)。
【0125】
開口部全閉状態において、第1中間部位12Aが中間開口の開口幅方向の第1側部位を閉鎖し、第2中間部位12Bが中間開口の開口幅方向の第2側部位を閉鎖し、中間部位の第1側部位と第2側部位の間の空間は、下側部位11の上方部位によって閉鎖されるようになっている(図36図47図48参照)。
【0126】
[C]ガイド機構
[C―1]第1ガイドレールと第2ガイドレール
第2実施形態に係るシャッターカーテン1´の上側部位10の幅方向両端は、上側開口の幅方向両端に設けた左右の上側ガイドレールG1によって案内され、下側部位11の幅方向両端は、下側開口の幅方向両端に設けた左右の下側ガイドレールG2と、第1中間部位12A及び第2中間部位12Bに設けた左右の中間ガイドレールG3によって案内される。第2実施形態に係る上側ガイドレールG1、下側ガイドレールG2、中間ガイドレールG3は、いずれも、シャッターカーテン1´の見込幅の略中央に位置して見付方向に延びる第1ガイドレール8と、平面視において第1ガイドレール8を挟むように位置して見付方向に延びる一対の第2ガイドレール9と、からなる。
【0127】
第1ガイドレール8は、シャッターカーテン1´の見込幅の略中央に位置して、基端側が躯体Cに固定され、見付方向の先端側にガイド部を備えている。第1ガイドレール8のガイド部は、シャッターカーテン1´の見込幅の略中央に位置して見付方向に延びる第1部分80と、第1部分80の先端において見込方向に延びる第2部分81と、を備え、本実施形態では平面視T形状を備えている。第1部分80の基端側は幅広部800となっており、幅広部800の基端には固定片82が形成されている。第1ガイドレール8は、固定片82を躯体Cにボルトで固定することで躯体Cに取り付けられている。
【0128】
第2ガイドレール9は、基端側が躯体Cに固定され、見付方向の先端側部位がシャッターカーテン1´の幅方向両端部の見付面に位置して、シート4(幅広シート40、幅狭シート41)の幅方向両端部に内側から当接ないし近接するようになっている。第2ガイドレール9は、先端側の第1見付片90と、第1見付片90に対して見込方向内側に位置する、基端側の第2見付片91と、第1見付片90の基端と第2見付片91の先端との間に位置する段部92と、を備えている。第1見付片90の外面にシート4(幅広シート40、幅狭シート41)の幅方向端部が当接ないし近接するようになっている。第2見付片91の基端には、第2見付片91に対して垂直に延びる固定片93が設けてあり、第2ガイドレール9は全体として平面視略L形状となっている。一対の第2ガイドレール9が、平面視において第1ガイドレール8を挟むように位置している。
【0129】
各骨材2´、2´´のガイド受部25、ボトム部材3´の上側被ガイド部36、下側被ガイド部37、ボトム部材13の上側被ガイド部136、下側被ガイド部137の一対のガイド要素間に第1ガイドレール8の第1部分80が受け入れられており、一方の第2ガイドレール9の外側に第1シート4A´の幅方向両端部位が位置し、他方の第2ガイドレール9の外側に第2シート4B´の幅方向両端部位が位置するようになっている。第1ガイドレール8を備えた第1ガイド機構、第2ガイドレール9を備えた第2ガイド機構の詳細については、第1実施形態における記載を援用することができる。
【0130】
[C―2]下側部位のガイドレールの位置合わせ
シャッターカーテン1´の下側部位11の幅方向両端部位を案内するガイドレールは、下側のガイドレールG2と上側の中間ガイドレールG3とからなり、中間ガイドレールG3は上側部位10及び中間部位12の上下動と共に、固定ガイドレールである下側ガイドレールG2の直上に位置して上下動する可動ガイドレールである。したがって、シャッターカーテン1´の閉鎖時に、躯体に取り付けられた固定の下側ガイドレールG2の上端と、上側部位10に取り付けられた可動の中間ガイドレールG3の下端との位置合わせを行うガイド手段が設けられる。下側ガイドレールG2の上端と中間ガイドレールG3の下端が位置合わせされて下側部位11の幅方向両端部を案内する1本のガイドレールを形成した状態において、下側ガイドレールG2の第2ガイドレール9の上端96と中間ガイドレールG3の第2ガイドレール9の下端95が当接して接合面を形成するようになっている(図47図58図59参照)。
【0131】
図54図59を参照しつつ、位置合わせ用のガイド手段について説明する。本実施形態において、位置合わせ用のガイド手段は、上側の中間ガイドレールG3の第1ガイドレール8の下端と、下側ガイドレールG2の第1ガイドレール8の上端とを位置合わせする第1ガイド手段と、上側の中間ガイドレールG3の一対の第2ガイドレール9の下端95と、下側ガイドレールG2の一対の第2ガイドレール9の上端96とを位置合わせする第2ガイド手段と、中間部位12の下端が当接する中間床面FL2に設けられ、中間部位12(中間ガイドレールG3が取り付けられている)の見込方向もしくは/および見付方向の位置決めを行う第3ガイド手段と、を備えている。
【0132】
本実施形態に係る第1ガイド手段は、中間ガイドレールG3の第1ガイドレール8の第1部分80の基端側の幅広部800の下端に取り付けられた第1ガイド部材17と、下側ガイドレールG2の第1ガイドレール8の第1部分80の基端側の幅広部800の上端に形成した被係止部と、を備えている。第1ガイド部材17は、第1ガイドレール8の第1部分80の下端への取付片170と、第1ガイドレール8の第1部分80の下端から拡開状に下方に延びる一対の傾斜状の第1ガイド片171と、からなる。上側の中間ガイドレールG3が、下側のガイドレールG2の上端に対して上方に離間した位置から下降すると、中間ガイドレールG3の下端から下方に突出する第1ガイド片171が、下側ガイドレールG2の第1ガイドレール8の第1部分80の幅広部800の上端の被係止部に係止して、見込方向の位置決めが行われる。本実施形態では、全閉状態(中間ガイドレールG3の第1ガイド片171が、下側ガイドレールG2の被係止部に係止した状態)において、中間ガイドレールG3の第1ガイドレール8の下端と、下側ガイドレールG2の第1ガイドレール8の上端は離間している(隙間がある)。本実施形態では、下側ガイドレールG2の第1ガイドレール8の第1部分80の幅広部800の上端には一対の傾斜面172(被係止部)が形成されており(図56A参照)、開口部閉鎖時に中間部位12が下降する時に、第1ガイド部材17の傾斜状の一対の第1ガイド片171が傾斜面172にガイドされながら見込方向の位置決めが行われる。第1ガイド部材17は第1ガイドレール8の第1部分80の基端側の幅広部800に形成されているため、第1ガイドレール8のガイド機能に支障を与えない。図示の態様では、一対の傾斜状の第1ガイド片171は、直線状に延びているが、第1ガイド片171の形状は限定されず、例えば、拡開状に下方に延びる一対の傾斜状の湾曲片171´(図43A)であってもよく、あるいは、各第1ガイド片171が垂直方向に対する第1角度(垂直面に対して鋭角)で傾斜する上側の傾斜部と垂直方向に対する第2角度(第1角度より垂直面に対して鈍角)で傾斜する下側の傾斜部から形成された傾斜片171´´(図43A)でもよい。
【0133】
本実施形態に係る第2ガイド手段は、中間ガイドレールG3の第2ガイドレール9の第1見付片90の下端に取り付けられた第2ガイド部材18と、下側ガイドレールG2の第2ガイドレール9の第1見付片90に形成されたポケット部94の上端部位と、を備えている。第2ガイド部材18は、第2ガイドレール9に固定される上側の固定片180と、第2ガイドレール9の下端95から下方に突出する下側の第2ガイド片181と、からなる。第2ガイド片181は先端(下端)が先細となっている。本実施形態では、第2ガイドレール9の第1見付片90の基端側の裏面には高さ方向に延びるポケット部94が形成されており、第2ガイド部材18の固定片180は、ポケット部94に装着されて固定される。上側の中間ガイドレールG3が、下側ガイドレールG2の上端に対して上方に離間した位置から下降すると、中間ガイドレールG3の下端から下方に突出する第2ガイド片181が、下側ガイドレールG2の第2ガイドレール9の第1見付片90の基端側の裏面に形成されたポケット部に係止することで、見込方向及び見付方向の位置決めが行われる。
【0134】
本実施形態に係る第3ガイド手段は、中間部位12の下端が当接する中間床面FL2に設けられた第3ガイド部材19と、中間部位12の一対の下側見付フレーム121、下側見込フレーム122と、を備えている。第3ガイド部材19は、一対の見付面190と、見込面191と、上面192と、を備え、一対の見付面190の垂直部分の上方部位は上方に向かって互いに接近する方向に傾斜する傾斜面1900となっており、見込面191の垂直部分の上方部位は、上方に向かって他方の見込面側に傾斜する傾斜面1910となっている。
【0135】
本実施形態では、第1中間部位12Aの下端が当接する中間床面FL2に幅方向に離間して2つの第3ガイド部材19が異なる向きで設けてあり、中間ガイドレールG3に近い側の第3ガイド部材19は傾斜面1910が中間ガイドレールG3に近い側に位置する向きとなっている。第2中間部位12Bの下端が当接する中間床面FL2に幅方向に離間して2つの第3ガイド部材19が異なる向きで設けてあり、中間ガイドレールG3に近い側の第3ガイド部材19は傾斜面1910が中間ガイドレールG3に近い側に位置する向きとなっている。
【0136】
本実施形態では、中間ガイドレールG3の下端と下側ガイドレールG2の上端が一致した時に、開口幅方向に水平に平行して延びる下側の一対の下側見付フレーム121の内側見付面が第3ガイド部材19の一対の見付面190の垂直部分と近接ないし摺接するようになっており、中間部位12及び中間ガイドレールG3が、下側ガイドレールG2の上端に対して上方に離間した位置から下降すると、下側見付フレーム121の内側見付面が第3ガイド部材19の一対の見付面190の上側の傾斜面1900に案内されながら下降して、見込方向の位置決めが行われる。
【0137】
中間ガイドレールG3の下端と下側ガイドレールG2の上端が一致した時に、第1中間部位12A及び第2中間部位12Bの下側見込フレーム122の内側見込面が第3ガイド部材19の見込面191の垂直部分と近接ないし摺接するようになっており、中間部位12及び中間ガイドレールG3が、下側ガイドレールG2の上端に対して上方に離間した位置から下降すると、下側見込フレーム122の内側見込面が第3ガイド部材19の見込面191の上側の傾斜面1910に案内されながら下降して、見付方向の位置決めが行われる。
【0138】
本実施形態では、シャッターカーテン1´の閉鎖時に、第3ガイド手段、第1ガイド手段、第2ガイド手段の順で位置合わせが実行されるが、これらの順番は限定されない。また、ガイド手段は、第1ガイド手段、第2ガイド手段、第3ガイド手段のいずれか1つあるいは複数の組み合わせてであってもよい。見込方向の位置決めを行う第3ガイド手段において、中間床面FL2に見込方向に離間して設けた一対の第3ガイド部材によって、中間部位12を見込方向から挟むようにして位置決めしてもよい。
【0139】
中間床面FL2に設けた第3ガイド部材19に隣接して、マイクロスイッチが設けてあり、中間部位12の下方部位には、中間部位12の下端が、見込方向及び見付方向にガイドされながら所定の位置まで下降した時に、検知スイッチMS1がOFFとなるように作動体123が設けてある。検知スイッチMS1がOFF状態にある時には、上側部位10及び中間部位が下端まで降下しており、かつ、中間ガイドレールG3の下端と下側ガイドレールG2の上端の位置が一致していると判断できる。本実施形態では、第3ガイド部材19は、第1中間部位12Aの下方に位置する第1中間床面FL2上に2個、第2中間部位12Bの下方に位置する第2中間床面FL2上に2個、合計4個設けてあるが(図37参照)、第1中間床面FL2上には中間ガイドレールG3に近い部位に1個、第2中間床面FL2上には中間ガイドレールG3に近い部位に1個、合計2個設けたものでもよい。あるいは、第2中間床面FL2において、図37に示す2個の第3ガイド部材19の間に1個以上の第3ガイド部材19を設けることで、合計5個以上の第3ガイド部材19を設けてもよい。
【0140】
[D]シャッター開閉動作
本実施形態に係るシートシャッターは電動モータMによって駆動される巻取装置6によって電動開閉される。開口部を開放する際には、第1巻取装置6A、第2巻取装置6B、第3巻取装置6Cの巻取ドラム60に第1ワイヤW1、第2ワイヤW2、第3ワイヤW3を巻き取ることで、シャッターカーテン1´は、ボトム部材3´、複数本の骨材2´´、ボトム部材13、複数本の骨材2´が高さ方向に重畳しなが上昇し、第1シート4A´、第2シート4B´が第1側、第2側でそれぞれ外側へ折り畳まれた折り畳み状態となって開口部全開状態となる。本実施形態において、シャッターカーテン1´の上側部位10と下側部位11の見込寸法は略同じである。より具体的には、上側部位10の骨材2´、ボトム部材13、下側部位11の骨材2´´、ボトム部材3´の見込寸法は略同じである(図41図61参照)。
【0141】
シャッターカーテン1´の上昇時には、ボトム部材(下部ボトム)3´の上端(上面301)が骨材2´´の下端部23に当接し、上下に隣り合う骨材2´´において、下側の骨材2´´の上端部22が上側の骨材2´´の下端部23に当接するようになっている。吊持ワイヤWの上動によって上動するボトム部材3´の上側フレーム30の上面301が最下位の骨材2´´の下端部23の水平面230に当接して当該骨材2´´を上動させ、当該骨材2´´の上端部22の水平面220が上側に位置する骨材2´´の下端部23の水平面230に当接して、骨材2´´を上動させる。
【0142】
上動する下側部位11の最上位の骨材2´´の上端部22が、上側部位10の下端のボトム部材(上部ボトム)13の下面1311に当接し、ボトム部材(上部ボトム)13の上端(上面1301)が骨材2´の下端部23に当接し、上下に隣り合う骨材2´において、下側の骨材2´の上端部22が上側の骨材2´の下端部23に当接するようになっている。吊持ワイヤWの上動によって上動するボトム部材13の上側フレーム130の上面1301が最下位の骨材2´の下端部23の水平面230に当接して当該骨材2´を上動させ、当該骨材2´の上端部22の水平面220が上側に位置する骨材2´の下端部23の水平面230に当接して、骨材2´を上動させる。
【0143】
ボトム部材3´と直上の骨材2´´が重畳した状態において、見込方向の両側に位置する骨材2´´の下端部23の下向き凸部の内側に位置してボトム部材3の上面301の凸部33が位置している。本実施形態に係る凸部33の高さは、下端部23の下向き凸部の高さよりも低く、下向き凸部の内側の垂直面232に離間対向する部位は下側の垂直面330と上側の傾斜面331となっている(図34を援用)。シャッターカーテン1´の上動時(シャッターカーテン1´が引き上げられる時)に、ボトム部材3´と上側の骨材2´´が離間した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部33の傾斜面331がいずれか一方の下向き凸部の内側の垂直面232と水平面230との角部に当接してズレが規制されるようになっている。ボトム部材3´と上側の骨材2´´が当接した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部33の垂直面330がいずれか一方の下向き凸部の内側の垂直面232に当接してズレが規制されるようになっている。
【0144】
下側部位11の骨材2´´同士が重畳した状態において、上側の骨材2´´の下端部23の凸部の水平面230に、下側の骨材2´´の上端部22の凹部の水平面220が当接し、上側の骨材2´´の下端部23の凸部の傾斜面231に、下側の骨材2´´の上端部22の凹部の傾斜面2210が近接ないし当接し、上側の骨材2´´の下端部23の下向き凸部の内側の垂直面232が、下側の骨材2´´の上端部22の凹部の内側の凸部222の内側側面に対向し、凸部222の上端が、内側の水平面233に対向している。シャッターカーテン1の上動時(シャッターカーテン1´が引き上げられる時)に、上下の上側の骨材2´´が離間した状態で見込方向にズレた場合には、また、上下の上側の骨材2´´が当接した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部の垂直面232がいずれか一方の内側凸部222に当接し、他方の傾斜面2210が傾斜面231に当接してズレが規制されるようになっている。
【0145】
ボトム部材13と直下の骨材2´´が重畳した状態において、骨材2´´の上端部22の内側の凸部222の上端と外側の凸部221の上端がボトム部材13の下面1311に当接しており、見込方向の両側に位置する骨材2´´の上端部22の内側凸部222に対向してボトム部材13の下面1311の凸部134が位置している。本実施形態に係る凸部134は、ボトム部材13の下面1311において、見付面1310から離間する側に設けてあり、見付面1310側に位置する側面は、上側の垂直面1340と、垂直面1340の下端から見付面1310から離れる方向に傾斜する下側の傾斜面1341と、から形成されている。シャッターカーテン1´の上動時(シャッターカーテン1´が引き上げられる時)に、ボトム部材13と下側の骨材2´´が離間した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部134の傾斜面1341に、いずれか一方の内側の凸部222の上端が当接し、ズレが規制されるようになっている。ボトム部材13´と上側の骨材2´´が当接した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部134の垂直面1340がいずれか一方の内側凸部222の見付面に当接してズレが規制されるようになっている。
【0146】
ボトム部材13と直上の骨材2´が重畳した状態において、見込方向の両側に位置する骨材2´の下端部23の下向き凸部の内側に位置してボトム部材13の上面1301の凸部133が位置している。本実施形態に係る凸部133の高さは、下端部23の下向き凸部の高さよりも低く、下向き凸部の内側の垂直面232に離間対向する部位は下側の垂直面1330と上側の傾斜面1331となっている。シャッターカーテン1´の上動時(シャッターカーテン1´が引き上げられる時)に、ボトム部材13と上側の骨材2´が離間した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部133の傾斜面1331がいずれか一方の下向き凸部の内側の垂直面232と水平面230との角部に当接してズレが規制されるようになっている。ボトム部材13と上側の骨材2´が当接した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部133の垂直面1330がいずれか一方の下向き凸部の内側の垂直面232に当接してズレが規制されるようになっている。
【0147】
下側部位11の骨材2´同士が重畳した状態において、上側の骨材2´の下端部23の凸部の水平面230に、下側の骨材2´の上端部22の凹部の水平面220が当接し、上側の骨材2´の下端部23の凸部の傾斜面231に、下側の骨材2´の上端部22の凹部の傾斜面2210が近接ないし当接し、上側の骨材2´の下端部23の下向き凸部の内側の垂直面232が、下側の骨材2´の上端部22の凹部の内側の凸部222の内側側面に対向し、凸部222の上端が、内側の水平面233に対向している。シャッターカーテン1´の上動時(シャッターカーテン1´が引き上げられる時)に、上下の上側の骨材2´が離間した状態で見込方向にズレた場合には、また、上下の上側の骨材2´が当接した状態で見込方向にズレた場合には、いずれか一方の凸部の垂直面232がいずれか一方の内側凸部222に当接し、他方の傾斜面2210が傾斜面231に当接してズレが規制されるようになっている。
【0148】
開口部全閉時には、伸展状態にある上側部位10が上側開口を閉鎖し、伸展状態にある下側部位11が下側開口を閉鎖し、第1中間部位12A、第2中間部位12Bと伸展状態にある下側部位11の上方部位が中間開口を閉鎖する。上側部位10の幅方向両端部は躯体に設けた上側ガイドレールG1に案内されており、下側部位11の幅方向両端部は、躯体に設けた下側ガイドレールG2と、第1中間部位12A、第2中間部位12Bに設けられた中間ガイドレールG3に案内されている。
【0149】
開口部全閉状態において、上側部位10の下端の第1中間部位12A、第2中間部位12Bの外側に位置する部位は、上側床面FL1と離間しており、上側床面FL1に設けたレールRと緩衝しないようになっている。上側部位10の下端のかかる部位には緩衝材は設けられていないが、レールRを避けるようにして緩衝材を設けてもよい。
【0150】
第1中間部位12Aの下端は緩衝片124を介して、中間床面FL2に当接しており、第1中間部位12Aの外側の見込面と中間側壁C1は離間対向している。第2中間部位12Bの下端は緩衝片124を介して、中間床面FL2に当接しており、第2中間部位12Bの外側の見込面と中間側壁C1は離間対向している。中間開口の幅方向両端部位にはガイドレールは設けらていない。
【0151】
[E]シートの上端部位の固定構造
図63に示すように、シート4の上端部位は、シート固定部材Fを介して梁Hに固定されている。シート固定部材Fは、水平片100と、水平片100から垂下する垂直片101と、を有し、シートの幅方向に延びる長尺部材であって、シートの上端部位を、シート固定部材Fの水平片100と垂直片101に掛け回して螺子を用いて一体化することでシート上端組立部が形成されている。シート4の上端部位は、シート上端組立部を、梁Hの下面に当接させた状態で固定手段(螺子)で固定することで、梁Hの下面に取り付けられている。本実施形態では、シート上端組立部は上端部材14を含んでおり、第1シート4A(4A´)の上端部位と第2シート4B(4B´)の上端組立部は、共通の上端部材14を備えたシート上端組立部となっている。
【0152】
図68に示すように、シート4(4A、4B、4A´、4B´)の上端部位は、上端の第1領域401と、第1領域401の下方に隣接する第2領域402と、第2領域402の下方に隣接する第3領域403と、を含む。第1領域401には、シート幅方向に間隔を存して複数の第1孔404が形成されており、第2領域402には、シート幅方向の間隔を存して複数の第2孔405が形成されている。第1孔404、第2孔405は、シート幅方向に延びる長孔であると共に高さ方向に一致しており、第2領域402に対して第1領域401を折り返した時に、第1孔404と第2孔405が一致するようになっている。第1領域401において、各第1孔404の長さ方向両側に孔406が形成されている。
【0153】
図67に示すように、シート4の上端部位は、シート固定部材Fに固定されている。シート固定部材Fは、水平片100と、垂直片101と、から断面視L形状の長尺部材であるが、本実施形態では、第1シート固定部材F1(図67左図、図69)と第2シート固定部材F2(図67右図、図70)の2種類のシート固定部材が開示されている。図63に示す態様では、第1シート4Aの上端組立部が第2シート固定部材F2を備え、第2シート4Bの上端組立部が第1シート固定部材F1を備えている。シャッターカーテン1(1´)が、一対のシート(4Aと4B、4A´4B´)を備えている場合に、一対のシートの上端組立部が共に第1シート固定部材F1を備えていてもよく、あるは、一対のシートの上端組立部が共に第2シート固定部材F2を備えていてもよい。
【0154】
図69に示すように、第1シート固定部材F1は、水平片100と、水平片100から垂下する垂直片101と、からなり、水平片100には、長さ方向に間隔を存して複数の第3孔102が形成されている。第3孔102は、シート幅方向(水平片100の長さ方向)に延びる長孔である。水平片100には、各第3孔102の長さ方向両側に位置して螺子孔103が形成されており、垂直片101には、長さ方向に間隔を存して複数の孔104が形成されている。
【0155】
図67左図に示すように、シート4Bの上端部位は、第3領域403を第1シート固定部材F1の垂直片101の外面に当接させ、第2領域402を第1シート固定部材F1の水平片100の上面に当接させ、第1領域401を水平片100の下面に当接させた状態で、螺子S6で第1シート固定部材F1の水平片100に固定して一体化することでシート上端組立部が形成されている。螺子S6は、シート4Bの第1領域401の孔406から第1シート固定部材F1の水平片100の螺子孔103に螺着されている。シート上端組立部において、第1孔404、第2孔405、第3孔102は高さ方向に略一致しており、第1孔404、第2孔405、第3孔102からボルトS7の挿通孔が形成されている。
【0156】
図70に示すように、第2シート固定部材F2は、水平片100と、水平片100から垂下する垂直片101と、からなり、水平片100には、長さ方向に間隔を存して複数の第3孔102が形成されている。第3孔102は、シート幅方向(水平片100の長さ方向)に延びる長孔である。水平片100の下面には、各第3孔102を覆うように、スライドベース105が固定されており、スライドベース105には、ナット付きスライダ106がシート幅方向(水平片100の長さ方向)に移動可能に保持されている。水平片100には、各第3孔102の長さ方向両側に位置して螺子孔103が形成されており、垂直片101には、長さ方向に間隔を存して複数の孔104が形成されている。
【0157】
図71に示すように、スライドベース105は、ナット付きスライダ106の保持部1050と、水平片100に形成した第3孔102よりも少し大きい面積を備え、第3孔102の直下に位置する長孔1051と、を備え、水平片100の下面にビス1052で固定されている。スライドベース105には、水平片100の螺子孔103に対応して螺子S6を挿通させる孔部が形成されている。
【0158】
ナット付きスライダ106は、孔部を備えた可動ピース1060と、孔部に位置して可動ピース1060の下面に固定されたナット1061と、からなる。ナット1061には、ボルトS7が前記挿通孔に挿通された状態で仮保持可能となっており、ボルトS7は、仮保持された状態でシート幅方向(水平片100の長さ方向)にスライド可能となっている。
【0159】
図67右図に示すように、シート4Aの上端部位は、第3領域403を第2シート固定部材F2の垂直片101の外面に当接させ、第2領域402を第1シート固定部材F1の水平片100の上面に当接させ、第1領域401を水平片100の下面に設けたガイド保持部105に当接させ、水平片100の下面に対向させた状態で、螺子S6で第2シート固定部材F2の水平片100に固定して一体化することでシート上端組立部が形成されている。螺子S6は、シート4Aの第1領域401の孔406から第2シート固定部材F2の水平片100の螺子孔103に螺着されている。シート上端組立部において、第1孔404、長孔1051、第2孔405、第3孔102は高さ方向に略一致しており、第1孔404、長孔1051、第2孔405、第3孔102からボルトS7の挿通孔が形成されている。ボルトS7が仮保持されるナット1061の雌螺子部及び可動ピース1060の孔部は、上記挿通孔に位置している。
【0160】
本実施形態では、シート上端組立部は、上端部材14を備えている。図72に示すように、上端部材14は、開口幅方向に延びる断面視皿状の長尺部材であって、垂直に延びる第1見付面140と、垂直に延びる第2見付面141と、水平に延びる底面142と、第1見付面140の上端、第2見付面141の上端から、互いに離間する方向に水平に延びる上側水平片143、上側水平片144と、からなる。上側水平片143、上側水平片144には、前記挿通孔を形成する第4孔1430、第4孔1440が上端部材14の長さ方向に間隔を存して形成されている。第4孔1430、第4孔1440は、シート幅方向(水平片100の長さ方向)に延びる長孔である。底面142は、上端部材14のシート幅方向の両端において切り欠かれており、また、底面142には、立ち上がり状の垂直補強片145が設けてある。底面142の下面には、長さ方向に延びる下向き凸状部146が設けてあり、下向き凸状部146は、水平状の下面1460を備えている。
【0161】
本実施形態に係るシート上端組立部において、シート4(4B、4B´)の第1領域401は、第1シート固定部材F1の水平片100の下面に当接した状態で螺子S6で水平片100に固定されており(螺子S6は水平片100の上面から突出していない)、シート4(4B、4B´)の第2領域402は、第1シート固定部材F1の水平片100と上端部材14の上側水平片144との間に挟まれた状態にあり、第3領域403は、第1シート固定部材F1の垂直片101と上端部材14の第2見付面141との間に挟まれた状態で垂直片101(孔104)及び第2見付面141に螺子S8で固定されている。シート上端組立部において、第1孔404、第2孔405、第3孔102、第4孔1440は高さ方向に略一致しており、ボルトS7の挿通孔が形成されている。
【0162】
本実施形態に係るシート上端組立部において、シート4(4A、4A´)の第1領域401は、第2シート固定部材F2の水平片100の下面に対向ないし近接し、スライドベース105に当接した状態で螺子S6で水平片100に固定されており(螺子S6は水平片100の上面から突出していない)、シート4(4A、4A´)の第2領域402は、第2シート固定部材F2の水平片100と上端部材14の上側水平片143との間に挟まれた状態にあり、第3領域403は、第2シート固定部材F2の垂直片101と上端部材14の第1見付面140との間に挟まれた状態で垂直片101(孔104)及び第1見付面140に螺子S8で固定されている。シート上端組立部において、第1孔404、第2孔405、第3孔102、第4孔1430は高さ方向に略一致しており、ボルトS7の挿通孔が形成されている。ボルトS7は、ナット1061及び可動ピース1060の孔部に仮保持された状態で、上記挿通孔の長さ方向に移動可能となっている。
【0163】
本実施形態に係るシート上端組立部は、上端部材14の上側水平片143、144を、梁H1、H2の下面にそれぞれ当接させた状態で、下方から差し入れたボルトS7とナット108を用いて、梁H1、H2の下面に固定されている。ボルトS7の頭部と、第1領域401(水平片100の下面)との間には下側押し付け片109が設けられ、ナット108と梁Hの水平片107の上面との間には上側押し付け片110が設けられている。第2シート固定部材F2を備えたシート上端組立部では、下側押し付け片109は用いられない。
【0164】
図64に示すように、梁H1、梁H2の下面を形成する水平片107には、シート幅方向(梁Hの長さ方向)に間隔を存して長孔1070が形成されいる。長孔1070は、シート上端組立部の挿通孔(第1孔404、第2孔405、第3孔102、第4孔1430ないし1440から形成されている)に直交する方向に延びる長孔である。シート上端組立部において、第1孔404、第2孔405、第3孔102、第4孔1430ないし1440は高さ方向に略一致しており、さらに、長孔1070が平面視において直交することで高さ方向に部分的に一致しており、上記挿通孔と長孔1070の直交部にボルトS7の軸部が位置するようになっている。シート4の上端部位を梁Hに固定するボルトS7の軸部の位置(取付位置)が、開口幅方向X及び屋内外方向Yに調整可能となっている。
【0165】
ボルトS7を下方から挿通孔に差し込み、位置調整をして、梁Hの水平片107の長孔1070から上側に突出させて、ボルトS7の軸部にナット108を締め付けることで、シート上端組立部(シート4の上端部位、シート固定部材F、上端部材14から構成されている)を梁Hの下面に固定する。本実施形態に係るシャッターカーテン1、1´は、大開口を開閉するものであり、シャッターカーテン1、1´の幅寸法が大きいため、シャッターカーテン1、1´の上端部位(幅寸法が大きい)を躯体(梁H)を吊元として取り付ける場合の取付精度が出難いが、シート4の上端部位を梁Hに固定するボルトS7の取付位置を、開口幅方向X及び屋内外方向Yに調整可能としたことで、取付精度を確保している。
【0166】
第2シート固定部材F2を備えたシート上端組立部を用いたシート固定方法では、ボルトS7を、ナット付きスライダ106のナット1061に螺合させることで、シート幅方向に移動可能な姿勢で仮保持できるため、シート上端組立部の下方のスペースが狭い場合(開口部上方に壁等があって、作業者が下方からボルトS7を手で持って支持するスペースが無い場合)であっても、天井側から作業者がナット108を締め付けることで、シート上端組立部を梁Hの下面に固定することを可能とする。
【0167】
[F]シート取付方法
[F-1]背景
本実施形態に係るシャッターカーテンは、ボトム部材を含む複数の骨材と、前記骨材の屋外側見付面に固定され、開口部全閉時に屋外側に面する第1シート4Aと、前記骨材の屋内側見付面に固定され、開口部全閉時に屋内側に面する第2シート4Bと、からなるが、大型シートを用いるため、出荷前にシャッターカーテンを工場で組み立てることができず、現場において、骨材を水平に維持して、シートに皺が入らないように伸ばして取り付ける必要がある。本実施形態では、シート取付治具を用いることで、骨材にシートを取り付けるようにしている。
【0168】
[F-2]シート取付治具
図73に示すように、シート取付治具28は、水平部280と、水平部280に設けられた一対のシート仮置き部281と、を備えている。水平部280は、長方形状の金属製プレートからなり、水平部280の長手方向の寸法は、ボトム部材3の見込寸法よりも大きい寸法となっている。一対のシート仮置き部281は、水平部280の長手方向の両端部位から垂下する垂直部2810と、垂直部2810の下端から連続して延びる湾曲部2811と、からなり、湾曲部2811は半円状の凹部を形成している。シート仮置き部281の湾曲部2811は、ロール状に巻かれたシートロールを仮置きするのに適した形状及び寸法を備えている。すなわち、本実施形態に係るシート仮置き部281は、シートロール仮置き部である。1つの態様では、シート仮置き部281は円柱状の金属棒を所定形状に曲げ形成して形成される。なお、シート4の収納姿勢がロール状でなく、折り畳み状であるような場合には、シート仮置き部の底部は平面であってもよい。
【0169】
水平部280には、長手方向の両側に位置して、一対の孔部282が形成されている。シート取付治具28の水平部280を、ボトム部材3の上面(一対の上側フレーム30の上面301)に載置した時に、孔部282に、ボトム部材3の上面301の凸部33が受け入れられるようになっている。本実施形態に係る凸部33は、直上の骨材2のズレ規制に加えて、シート取付治具28を取り付ける際の位置決めとしての機能を備えている。なお、シート取付治具28の水平部280の下面に下向き凸部を形成し、ボトム部材3の上面に、前記下向き凸部を受け入れる挿通孔や開口ないし凹部を形成してもよい。
【0170】
シート取付治具28をボトム部材3に取り付けた状態において、一方のシート仮置き部281は、第1側(屋外側)に位置し、他方のシート仮置き部281は、第2側(屋内側)に位置する。一方のシート仮置き部281の垂直部2810は、ボトム部材3の第1側の見付面ないし屋外側見付面(一方の上側フレーム30の見付面300及び下側フレーム31の見付面310)に沿って延び、湾曲部2811はボトム部材3の屋外側見付面から離間するように屋外側に延びている。他方のシート仮置き部281の垂直部2810は、ボトム部材3の第2側の見付面ないし屋内側見付面(他方の上側フレーム30の見付面300及び下側フレーム31の見付面310)に沿って延び、湾曲部2811はボトム部材3の屋内側見付面から離間するように屋内側に延びている。
【0171】
本実施形態に係るシート取付治具28は、水平部280と、水平部280の屋外側に設けられた第1シートロール仮置き部281と、水平部280の屋内側に設けられた第2シートロール仮置き部281と、からなり、水平部280をボトム部材3の上面に載置した時に、第1シートロール仮置き部281がボトム部材3の屋外側見付面に位置し、第2シートロール仮置き部281がボトム部材3の屋内側見付面に位置するようになっている。
【0172】
シート取付時には、ボトム部材3の上面には、シート幅方向に間隔を存して複数のシート取付治具28が載置される。一方のシート仮置き部281に第1シートロールを置き、他方のシート仮置き部281に第2シートロールを置くことで、第1シートロールの重量と第2シートロールの重量のバランスが取れ、第1シートロール及び第2シートロールが仮置きされたボトム部材3を安定して昇降させることが可能となっている。なお、1つのシート仮置き部(片側にのみシート仮置き部がある)を備えた複数のシート取付治具を、平面視において、千鳥足状に屋内外に位置させてボトム部材3に載置し、一側の複数のシート仮置き部281に第1シートロールを置き、他側の複数のシート仮置き部281に第2シートロールを置いて、バランスを取るようにしてもよい。
【0173】
図73において、シート取付治具28の水平部280の下側には、着脱可能な脱落防止ロッド283を備えている。シート取付治具28の水平部280をボトム部材3の上面に載置した状態において、上側の一対のフレーム30の下側でボトム部材3の見込方向に延びるように一対の脱落防止ロッド283が取付可能となっている。脱落防止ロッド283は任意要素である。
【0174】
図74に示すシート取付治具28において、水平部280は、一方のシート仮置き部281を備えた第1部位280Aと、他方のシート仮置き部281を備えた第2部位280Bと、から組み立て分割可能となっている。第1部位280Aと第2部位280Bは、ジョイントプレート280Cを介してボルトで組み立てられている。第1部位280A、第2部位280Bは、それぞれ孔部282を備えている。
【0175】
水平部280の屋外側部位と前記第1シート仮置き部からなる屋外側の第1部分と、前記水平部の屋内側部位と前記第2シート仮置き部からなる屋内側の第2部分と、から組み立て分割可能となっている、本実施形態に係るシート取付金具は大型かつ重量が大きいため、第1部分と第2部分とから分割組立可能とすることで、第1部分、第2部分をそれぞれ、屋外側、屋内側からボトム部材の上面に載せて取り付け、ないし、ボトム部材の上面から取り外すことができ、ボトム部材の上面に対するシート取付金具の取り付け及び取り外しが容易となる。
【0176】
[F-3]シート取付方法
本明細書において、ボトム部材を含む複数の骨材と、各骨材の見付面に固定されるシートと、からなるシャッターカーテンにおけるシート取付に用いられるシート取付治具を用いたシート取付方法が開示される。シート取付治具28は、水平部280と、水平部280に設けられたシート仮置き部281と、からなり、開口部上方で複数の骨材2が高さ方向に重畳した状態で、ボトム部材3の上面に幅方向に間隔を存して取り付けた複数のシート取付治具28の第1シートロール仮置き部281に置かれた第1シート4Aの上端側、第2シートロール仮置き部281に置かれた第2シート4Bの上端側を躯体に固定し、ボトム部材3を下降させて、前記第1シートロール、前記第2シートロールから第1シート4A、第2シート4Bを引き出し、上側の骨材2から順次、第1シート4Aの引き出し部を当該骨材の屋外側見付面に、第2シート4Bの引き出し部を当該骨材の屋内側見付面に固定していき、シート取付金具28を取り外して、第1シート4Aの下方部位をボトム部材3の屋外側見付面に固定し、第2シート4Bの下方部位をボトム部材の屋内側見付面に固定する。1つの態様では、第1シート及び第2シートの上側は共通の上端部材14に固定されており、上端部材14を躯体(梁H)に固定することで、第1シート4Aの上端側、第2シート4Bの上端側が躯体(梁H)に固定される。
【0177】
本明細書において、シート取付治具28が取り付けられたボトム部材3に複数の骨材2が重畳したセット(シート4が取り付けられる前の状態)を、ボトム・骨材重畳セットと称する。ボトム部材3を床面FLに置いた状態で、ボトム部材3の上面に幅方向に亘って複数のシート取付治具28を取り付け、その上に複数本の骨材2を重畳させることで、ボトム・骨材重畳セットを得ることができる。ボトム部材に接続されたワイヤを巻き上げることで、ボトム・骨材重畳セットを上昇させることができる。シート取付治具28のシート仮置き部281にシート4を置くタイミングは限定されない。1つの態様では、収納姿勢にあるシート4(例えば、シートロール)をシート載せ台29で所定高さに保持しておき、ボトム・骨材重畳セットを所定高さまで上昇させて、シート4をシート載せ台29からシート仮置き部281に移し替える。
【0178】
1つの態様では、ボトム・骨材重畳セットの上端には上端部材14が載置されており、シート仮置き部281に置かれたシート4の上端は、シート固定部材Fを介して上端部材14に固定されている。ボトム・骨材重畳セットは、上端に上端部材14が載置されており、シート取付治具28のシート仮置き部281にシート4が置かれ、シート4の上端が上端部材14に固定された状態で昇降可能となっている。先ず、ボトム・骨材重畳セットを上昇させて、上端部材14を介してシート4の上端部位を躯体(梁H)に固定し、次いで、ボトム・骨材重畳セットを下降させて、前記第1シートロール4a、前記第2シートロール4bから第1シート4A、第2シート4Bを引き出し、上側の骨材2から順次、第1シート4Aの引き出し部を当該骨材の屋外側見付面に、第2シート4Bの引き出し部を当該骨材の屋内側見付面に固定していき、シート取付金具28を取り外して、第1シート4Aの下方部位をボトム部材3の屋外側見付面に固定し、第2シート4Bの下方部位をボトム部材3の屋内側見付面に固定する。
【0179】
[F-4]シート取付方法1
図75図78を参照しつつ、第1実施形態に係るシャッターカーテン1におけるシート4の取付方法について説明する。シャッターカーテン1は、開口幅方向に延びる長尺部材からなる複数本の骨材2及び下端のボトム部材3と、シャッターカーテン1の第1見付面及び第2見付面を形成する第1シート4A及び第2シート4Bと、から形成されている。
【0180】
ボトム部材3を床面FLに置き、ボトム部材3の上面に複数のシート取付治具28を載置し、さらに、複数本の骨材2をボトム部材3に重畳させる。第1シート4Aを芯棒に巻き取った第1シートロール4a、第2シート4Bを芯棒に巻き取った第2シートロール4bを用意し、第1シートロール4aから少し引き出した第1シート4Aの上端、第2シートロール4bから少し引き出した第2シート4Bの上端にシート固定部材F(水平片100と垂直片101とからなる)に固定してシート上端組立部を形成しておく。第1シートロール4aから少し引き出した第1シート4Aのシート上端組立部、第2シートロール4bから少し引き出した第2シート4Bのシート上端組立部を上端部材14に固定する。第1シートロール4a及び第2シートロール4bの上端組立部を備えた上端部材14を、最上位の骨材2に載置し、第1シートロール4a、第2シートロール4bを所定高さのシート載せ台29に載置する(図75)。第1シート4A及び第2シート4Bのシート上端組立部の詳細については、セクション[E]の記載を参照することができる。
【0181】
ボトム部材3にワイヤW1、W2を固定し、巻取装置6によってワイヤW1、W2を巻き上げて、ボトム・骨材重畳セット(ボトム部材3及び重畳された骨材2)を上昇させる(図76左図)。ボトム部材3を、ボトム部材3に載置したシート取付治具28のシート仮置き部281の下端がシート載せ台29の高さとなるまで上昇させて、第1シートロール4a、第2シートロール4bを各シート仮置き部281に仮置く。ボトム・骨材重畳セットの上昇に伴い、第1シートロール4a、第2シートロール4bを各シート仮置き部281に載置されるまで、第1シート4A、第2シート4Bが少し引き出される(図76右図)。
【0182】
第1シートロール4a、第2シートロール4bが、各シート仮置き部281に仮置きされた状態で、ボトム・骨材重畳セットを上昇させ、第1シート4A、第2シート4Bの上端のシート上端組立部(上端部材14を含む)を梁H(H1、H2の水平片107)に固定する(図77左図、図84)。シート上端組立部の梁Hへの取り付けの詳細については、セクション[E]の記載を参照することができる。
【0183】
第1シートロール4a、第2シートロール4bが、各シート仮置き部281に仮置きされた状態で、ボトム・骨材重畳セットを下降させていく。この時、第1シート4A、第2シート4Bがテンションが掛かった状態で引き出され、先ず、梁Hに固定した上端部材14に対して最上位の骨材2が下方に離間していき、最上位の骨材2の見付面210に、第1シート4A、第2シート4Bを略垂直状に引き出された状態で螺子S2及びシート押え部材7で固定する(図77右図)。
【0184】
第1シートロール4a、第2シートロール4bが仮置きされた状態のボトム・骨材重畳セットの下降に伴い、上側の骨材2から順にボトム・骨材重畳セットから離間して行く。この時、第1シート4A、第2シート4Bがテンションが掛かった状態で引き出され、上側の骨材2から順に骨材2の見付面210に、第1シート4A、第2シート4Bを略垂直状に引き出された状態で螺子S2及びシート押え部材7で固定する(図78左図)。
【0185】
最下位の骨材2の見付面210に、第1シート4A、第2シート4Bを螺子S2及びシート押え部材7で固定した後で、ボトム部材3の下端を床面FLに当接するまで降下させ、シート取付治具28をボトム部材3から取り外す。最後に、ボトム部材3の見付面300、310に、第1シート4A、第2シート4Bを垂直に伸ばした状態で螺子S2及びシート押え部材7で固定する(図78右図)。
【0186】
[F-5]シート取付方法2
図79図83を参照しつつ、第2実施形態に係るシャッターカーテン1´におけるシート4の取付方法について説明する。シャッターカーテン1´は、幅広の上側部位10と、幅狭の下側部位11と、上側部位10の下方に位置し、下側部位11の上方部位と同じ高さに位置する中間部位12と、からなる。シャッターカーテン1´のシート4は、上側の幅広のシート40と、下側の幅狭のシート41と、からなる。シャッターカーテン1´の上側部位10は、開口幅方向に延びる複数本の長尺の骨材と、複数本の長尺の骨材に設けられた幅広のシート40と、からなり、長尺の骨材が高さ方向に離間した伸展状態と、長尺の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態をとることで高さ寸法が可変である。上側部位10において、複数本の長尺の骨材は、複数本の骨材2´と、上側部位10の最下位に位置するボトム部材13と、からなる。下側部位11は、開口幅方向に延びる複数本の短尺の骨材と、複数本の短尺の骨材に設けられた幅狭のシート41と、からなり、短尺の骨材が高さ方向に離間した伸展状態と、短尺の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態をとることで高さ寸法が可変である。下側部位11において、複数本の短尺の骨材は、複数本の骨材2´´と、下側部位11(すなわちシャッターカーテン1´)の最下位に位置するボトム部材3´と、からなる。
【0187】
ボトム部材3´を床面FLに置き、ボトム部材3´の上面にシート取付治具28を載置し、複数本の骨材2´´をボトム部材3´に重畳させる。上部ボトム13を上側床面FL1に置き、中間部位12を中間床面FL2に置き、上部ボトム13の上面にシート取付治具28を載置し、複数本の骨材2´を上部ボトム13に重畳させる。ボトム部材3´に複数本の骨材2´´を重畳させることで下側のボトム・骨材重畳セットが形成され、上部ボトム13に複数本の骨材2´を重畳させることで上側のボトム・骨材重畳セットが形成される。
【0188】
上側の幅広シート40と下側の幅狭シート41とからなる第1シート4A´をロール状に巻いた第1シートロール4a´、上側の幅広シート40と下側の幅狭シート41とからなる第2シート4B´をロール状に巻いた第2シートロール4b´を用意し、第1シートロール4a´から少し引き出した第1シート4A´の上端、第2シートロール4b´から少し引き出した第2シート4B´の上端にシート固定部材F(水平片100と垂直片101とからなる)に固定してシート上端組立部を形成しておく。第1シートロール4a´から少し引き出した第1シート4A´のシート上端組立部、第2シートロール4b´から少し引き出した第2シート4B´のシート上端組立部を上端部材14に固定し、第1シートロール4a´及び第2シートロール4b´の上端組立部を備えた上端部材14を、最上位の骨材2´に載置し、第1シートロール4a´、第2シートロール4b´を所定高さのシート載せ台29に載置する(図79左図)。第1シート4A´及び第2シート4B´のシート上端組立部の詳細については、セクション[E]の記載を参照することができる。
【0189】
ボトム部材3´にワイヤW1、W2を固定し、上部ボトム13にワイヤW3を固定し、ワイヤW1、W2を巻き上げて、下側のボトム・骨材重畳セット(ボトム部材3´及び重畳された骨材2´´)を上昇させ、下側部位11の最上位の骨材2´´が上部ボトム13の下端に当接するまで上昇させ、さらに、ワイヤW1、W2、W3を巻き上げて、下側のボトム・骨材重畳セットと上側のボトム・骨材重畳セットからなるボトム・骨材重畳セット(ボトム部材3´及び重畳された骨材2´´、上部ボトム13及び重畳された骨材2´)を上昇させる。上記ボトム・骨材重畳セットを、上部ボトム13に載置したシート取付治具28のシート仮置き部281の下端がシート載せ台29の高さとなるまで上昇させて、第1シートロール4a、第2シートロール4bを各シート仮置き部281に仮置く(図79右図)。上記ボトム・骨材重畳セットの上昇に伴い、第1シートロール4a´、第2シートロール4b´を各シート仮置き部281に載置されるまで、第1シート4A´、第2シート4B´(幅広シート40)が少し引き出される。
【0190】
第1シートロール4a´、第2シートロール4b´が各シート仮置き部281に仮置きされた状態で、上記ボトム・骨材重畳セットを上昇させ、第1シート4A´、第2シート4B´(幅広シート40)の上端のシート上端組立部(上端部材14を含む)を梁H(H1、H2の水平片107)に固定する(図80左図、図85)。シート上端組立部の梁Hへの取り付けの詳細については、セクション[E]の記載を参照することができる。
【0191】
第1シートロール4a´、第2シートロール4b´が各シート仮置き部281に仮置きされた状態で、上記ボトム・骨材重畳セットを下降させていく。この時、第1シート4A´、第2シート4B´の幅広シート40がテンションが掛かった状態で引き出され、先ず、梁Hに固定した上端部材14に対して最上位の骨材2´が下方に離間していき、最上位の骨材2´の見付面210に、引き出された幅広シート40を垂直姿勢として螺子S2及びシート押え部材7で固定する(図80右図)。
【0192】
第1シートロール4a´、第2シートロール4b´が各シート仮置き部281に仮置きされた状態のボトム・骨材重畳セットの下降に伴い、上側の骨材2´から順にボトム・骨材重畳セットから離間して行く。この時、第1シート4A´、第2シート4B´の幅広シート40がテンションが掛かった状態で引き出され、上側の骨材2´から順に骨材2´の見付面210に、引き出された幅広シート40を垂直姿勢として螺子S2及びシート押え部材7で固定する。上側部位10の最下位の骨材2´の見付面210に、幅広シート40を螺子S2及びシート押え部材7で固定した後で、シート載せ台29を所定高さ位置に用意し、第1シートロール4a、第2シートロール4bを載せ(図81左図)、シート取付治具28を上部ボトム13から取り外す(図81右図)。
【0193】
ボトム・骨材重畳セット(ボトム部材3´及び骨材2´´、上部ボトム13及び最下位の骨材2´)を上昇させて、ボトム部材3´を、ボトム部材3´に載置したシート取付治具28のシート仮置き部281の下端がシート載せ台29の高さとなるまで上昇させて、第1シートロール4a´、第2シートロール4b´をボトム部材3´に載置したシート取付治具28の各シート仮置き部281に仮置く(図82左図)。
【0194】
第1シートロール4a´、第2シートロール4b´が各シート仮置き部281に仮置きされた状態のボトム・骨材重畳セット(ボトム部材3´及び骨材2´´、上部ボトム13)を下降させる。この時、第1シート4A´、第2シート4B´(幅広シート40)がテンションが掛かった状態で引き出され、上側部位10の最下位の骨材2´に対して上部ボトム13が下方に離間していき(上部ボトム13の下端が上側床面FL1から離間し、中間部位12の下端が中間床面FL2から離間した状態で吊持される)、上部ボトム13の見付面1300、1310に、幅広シート40を垂直姿勢で螺子S2及びシート押え部材7で固定する。次いで、下側部位11の最上位の骨材2´´が、上部ボトム13の下端から下方に離間していき、下側部位11の最上位の骨材2´´の見付面に、引き出された第1シート4A´、第2シート4B´(幅狭シート41)を垂直姿勢で螺子S2及びシート押え部材7で固定する(図82右図)。
【0195】
第1シートロール4a´、第2シートロール4b´が各シート仮置き部281に仮置きされた状態の下側ボトム・骨材重畳セット(ボトム部材3´及び骨材2´´)の下降に伴い、上側の骨材2´´から順に下側ボトム・骨材重畳セットから離間して行く。この時、第1シート4A´、第2シート4B´の幅狭シート41がテンションが掛かった状態で引き出され、上側の骨材2´´から順に骨材2´´の見付面に、引き出された幅狭シート41を垂直姿勢で螺子S2及びシート押え部材7で固定する(図83左図)。
【0196】
下側部位11の最下位の骨材2´´の見付面に、引き出された幅狭シート41を垂直姿勢で螺子S2及びシート押え部材7で固定した後で、ボトム部材3´の下端を床面FLに当接するまで降下させ、シート取付治具28をボトム部材3´から取り外す。最後に、ボトム部材3´の見付面に、引き出された幅狭シート41を垂直姿勢で螺子S2及びシート押え部材7で固定する(図83右図)。
【0197】
[G]セキュリティシートを備えたシャッターカーテン
[G-1]背景
本実施形態に係るシャッター装置は、シャッターカーテン1、1´と、シャッターカーテンの幅方向両端部を高さ方向に案内するガイドレールGと、開口部全閉時におけるシャッターカーテン持ち上げ防止手段(ボトムロック機構)と、を備えており、開口部全閉時において、シャッターカーテン1、シャッターカーテン1´の下端部位を持ち上げての侵入が防止されている。しかしながら、シャッターカーテン1、1´を形成するシート4は、一般に、スラット等の鋼製のシャッターカーテンに比べて強度が弱い。通常の開口高であれば、スラットシャッターを併設することで、防犯対策を施すことが可能であるが、開口高が大きい場合(数十メートル)には、スラットシャッターを併設することは現実的でない。
【0198】
[G-2] セキュリティシートを備えたシャッターカーテンの概要
シャッターカーテン1、1´の少なくとも下方部位には、開口部全閉時に第1シート4A及び第2シート4Bの下方部位と共に3重以上のシート構造を形成するように、第1シート4A、第2シート4Bよりも強靭な第3シート(セキュリティーシート)が設けてある。強靭なシートとは、破れ難い、破壊に難い材質からなるシートであり、例えば、刃物等による切裂が困難な防刃シートが含まれる。典型的には、第3シートは、第1シート4Aと第2シート4Bの間に位置している。本実施形態に係るシャッターカーテンは大開口(高さが数十メートル)を閉鎖するものであり、少なくとも下方部位にセキュリティシートが設けられる。
【0199】
1つの態様では、第3シートは、複数の止着部材(螺子ないしリベット)によって前記骨材に固定されており、前記複数の止着部材には、屋内側から屋外側へ打ち込まれ、頭部が屋内側に面する止着部材を含む。外部からの侵入を考えた場合、止着部材の頭部が屋内側に面していると、当該止着部材を取り外すことは困難である。また、螺子の頭部の溝の形状を特殊形状とすることで、螺子を取り外し難くすることも有効である。1つの態様では、前記第3シートは、前記ボトム部材の屋内側見付面に固定された屋内側第3シートを含み、前記屋内側第3シートを固定する止着部材は、屋内側から屋外側へ打ち込まれ、頭部が屋内側に面する止着部材を含む。1つの態様では、前記第3シートは、前記ボトム部材の屋外側見付面に固定された屋外側第3シートを含む。
【0200】
1つの態様では、前記第3シートは前記ボトム部材よりも高い高さ寸法を備え、前記ボトム部材の見付面に固定された第1部位(図86の40C、40D、図91の40F、図93の40G、図95の40H)と、前記ボトム部材の直上の骨材に固定された第2部位(図86の41C、41D、図91の41F、図93の41G、図95の41H)と、を備えている。1つの態様では、前記第3シートは、前記直上の骨材とその上側に位置する骨材間に設けた骨材間シートを含む。第3シートを備えたシャッターカーテンは、開口部開放時には、前記複数の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態(前記第3シートの前記第2部位、前記骨材間シートは可撓性を備えており、第1シート4A、第2シート4Bと一緒に折り畳まれる)となる。
【0201】
ボトム部材3、3´の上側に位置する骨材2、2´´は、水平部20と、水平部20の見込方向の両端に設けた当接部21と、からなり、各当接部21は、屋外側に位置する第1面部と屋内側に位置する第2面部と、を備えている。当接部21は、それぞれ、外側の見付面と、内側の見付面を備えており、相対的に屋内側に位置する見付面が第2面部であり、相対的に屋外側に位置する見付面が第1面部である。より具体的には、当接部21は、屋外側当接部21と屋内側当接部21とからなり、屋外側当接部21の第1面部は、第1シート4Aが固定される屋外側見付面であり、屋内側当接部21の第2面部は、第2シート4Bが固定される屋内側見付面である。屋外側当接部21の第2面部は、内側の上側見付面211と下側見付面212と、からなる。屋内側当接部21の第1面部は、内側の上側見付面211と下側見付面212と、からなる。
【0202】
[G-3]第3シートの第1実施形態
図86図90に示す実施形態では、第3シートは、シート4Cとシート4Dとシート4Eからなる。図86図89に示すように、シート4Cは、開口部全閉状態(ボトム部材3と各骨材2が離間した状態)において、ボトム部材3の下端から直上の骨材2までの高さに略相当する高さ寸法を備えており、第2シート4Bの下方部位とボトム部材3の屋内側見付面、直上の骨材2の屋内側見付面との間に位置して設けてある。
【0203】
シート4Cは、上端部位が、骨材2の屋内側当接部21の見付面(第2面部)210に第2シート4Bと共に螺子S2及びシート押え部材7で固定され、中間部位がボトム部材3の上側のフレーム30の屋内側見付面(第2面部)300に第2シート4Bと共に螺子S2及びシート押え部材7で固定され、下端部位が、ボトム部材3の下側のフレーム31の屋内側見付面(第2面部)310に第2シート4Bと共に螺子S2及びシート押え部材7固定されている。これらの螺子S2は、屋内側から屋外側へ打ち込まれ、頭部が屋内側に面しており、屋外側からの侵入者が螺子S2を取り外すことは困難である。シート4Cはボトム部材3の屋内側見付面300、310に上下で固定された下側の第1部位40Cと、上端が直上の骨材2の屋内側見付面210に固定され、全閉姿勢で垂直状に延びる上側の第2部位41Cと、からなる。
【0204】
シート4Dは、開口部全閉状態(ボトム部材3と各骨材2が離間した状態)において、ボトム部材3の下端から直上の骨材2までの高さに略相当する高さ寸法を備えており、第1シート4Aの下方部位の屋内側に位置して設けてある。
【0205】
シート4Dは、上端部位が、骨材2の屋外側当接部21の内側の下側見付面(第2面部)212に螺子S5で固定され、中間部位がボトム部材3の上側のフレーム30の屋外側見付面300に第1シート4Aと共に螺子S2及びシート押え部材7で固定され、下端部位が、ボトム部材3の下側のフレーム31の屋外側見付面310に第1シート4Aと共に螺子S2及びシート押え部材7で固定されている。螺子S5は、屋内側から屋外側へ打ち込まれ、頭部が屋内側に面しており、屋外側からの侵入者が螺子S5を取り外すことは困難である。シート4Dはボトム部材3の屋外側見付面300、310に上下で固定された下側の第1部位40Dと、上端が直上の骨材2の内側の下側見付面212に固定され、全閉姿勢で略垂直状(垂直面に対して少し傾斜している)に延びるた上側の第2部位41Dと、からなる。
【0206】
シート4Eは、開口部全閉状態(ボトム部材3と各骨材2が離間した状態)において、下から1番目の骨材(第1骨材)2と、下から2番目の骨材(第2骨材)2と、の間の高さに略相当する高さ寸法を備えており、第1シート4Aの下方部位の屋内側に位置して設けてある。シート4Eは、上端部位が第2骨材2の屋外側当接部21の内側の下側見付面(第2面部)212に螺子S5で固定され、下端部位が第1骨材2の屋外側当接部21の内側の上側見付面(第2面部)211に螺子S5で固定されている。これらの螺子S5は、屋内側から屋外側へ打ち込まれ、頭部が屋内側に面しており、屋外側からの侵入者が螺子S5を取り外すことは困難である。
【0207】
第3シートを形成するシート4C、シート4D、シート4Eは、いずれも可撓性を備えている。シャッターカーテン1は、開口部開放時には、複数の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態となるが、この時、シート4Cの第2部位41Cは第2シート4Bと一緒に折り畳まれ、シート4Dの第2部位41D及びシート4Eは第1シート4Aと一緒に折り畳まれる(図90)。
【0208】
[G-4]第3シートの第2実施形態
図91図92に示す実施形態では、第3シートは、シート4Eとシート4Fからなる。シート4Fは、開口部全閉状態(ボトム部材3と各骨材2が離間した状態)において、ボトム部材3の下端から直上の骨材2までの高さより少し大きい高さ寸法を備えており、第2シート4Bの下方部位とボトム部材3の屋内側見付面、直上の骨材2の屋内側見付面との間に位置して設けてある。
【0209】
シート4Fは、上端部位が、骨材2の屋内側当接部21の見付面(第2面部)210に第2シート4Bと共に螺子S2で固定され、中間部位がボトム部材3の上側のフレーム30の屋内側見付面(第2面部)300に第2シート4Bと共に螺子S2で固定され、下端部位が、ボトム部材3の下側のフレーム31の屋内側見付面(第2面部)310に第2シート4Bと共に螺子S2及びシート押え部材7で固定されている。これらの螺子S2は、屋内側から屋外側へ打ち込まれ、頭部が屋内側に面しており、屋外側からの侵入者が螺子S2を取り外すことは困難である。シート4Fの上端部位は余端部を備え、余端部は、骨材2の屋内側当接部21の上面を覆い、内側の上側見付面211に螺子S5で固定されている。シート4Fの上端側を、第2シート4Bを固定する螺子S2と独立した螺子S5で骨材2に固定することで、シート4Fの取り付け作業性を向上させている。シート4Fはボトム部材3の屋内側見付面300、310に上下で固定された下側の第1部位40Fと、上端が直上の骨材2の屋内側当接部21の外側の見付面210及び内側の上側見付面211に、それぞれ、螺子S2、S5で固定され、全閉姿勢で垂直状に延びるた上側の第2部位41Fと、からなる。
【0210】
シート4Eは、開口部全閉状態(ボトム部材3と各骨材2が離間した状態)において、下から1番目の骨材(第1骨材)2と、下から2番目の骨材(第2骨材)2と、の間の高さに略相当する高さ寸法を備えており、第1シート4Aの下方部位の屋内側に位置して設けてある。シート4Eは、上端部位が第2骨材2の屋外側当接部21の内側の下側見付面(第2面部)212に螺子S5で固定され、下端部位が第1骨材2の屋外側当接部21の内側の上側見付面(第2面部)211に螺子S5で固定されている。これらの螺子S5は、屋内側から屋外側へ打ち込まれ、頭部が屋内側に面しており、屋外側からの侵入者が螺子S5を取り外すことは困難である。シート4Fの上端側を固定する螺子S5の屋外側に位置してシート4Eがあるため、シート4Fの上端側を固定する螺子S5へのアクセスが困難なようになっている。
【0211】
第3シートを形成するシート4F、シート4Eは、いずれも可撓性を備えている。シャッターカーテン1は、開口部開放時には、複数の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態となるが、この時、シート4Fの第2部位41Fは第2シート4Bと一緒に折り畳まれ、シート4Eは第1シート4Aと一緒に折り畳まれる。
【0212】
[G-5]第3シートの第3実施形態
図93図94に示す実施形態では、第3シートは、シート4Eとシート4Gからなる。シート4Gは、開口部全閉状態(ボトム部材3と各骨材2が離間した状態)において、ボトム部材3の下端から直上の骨材2までの高さよりも大きい高さ寸法を備えており、上端部位が、骨材2の屋外側当接部21の内側の下側見付面212に螺子S5で固定され、中間部位がボトム部材3の上側のフレーム30の屋内側見付面300に第2シート4Bと共に螺子S2及びシート押え部材7で固定され、下端部位が、ボトム部材3の下側のフレーム31の屋内側見付面310に第2シート4Bと共に螺子S2及びシート押え部材7で固定されている。これらの螺子S5、螺子S2は、屋内側から屋外側へ打ち込まれ、頭部が屋内側に面しており、屋外側からの侵入者が螺子S5、S2を取り外すことは困難である。シート4Gは、第2シート4Bの下方部位とボトム部材3の屋内側見付面との間に位置して、ボトム部材3の屋内側見付面300、310に上下で固定された下側の第1部位40Gと、上端が直上の骨材2の屋外側当接部21の内側の下側見付面212に固定され、全閉姿勢で傾斜状に延びる上側の第2部位41Gと、からなる。
【0213】
シート4Eは、開口部全閉状態(ボトム部材3と各骨材2が離間した状態)において、下から1番目の骨材(第1骨材)2と、下から2番目の骨材(第2骨材)2と、の間の高さに略相当する高さ寸法を備えており、第1シート4Aの下方部位の屋内側に位置して設けてある。シート4Eは、上端部位が第2骨材2の屋外側当接部21の内側の下側見付面(第2面部)212に螺子S5で固定され、下端部位が第1骨材2の屋外側当接部21の内側の上側見付面(第2面部)211に螺子S5で固定されている。これらの螺子S5は、屋内側から屋外側へ打ち込まれ、頭部が屋内側に面しており、屋外側からの侵入者が螺子S5を取り外すことは困難である。
【0214】
第3シートを形成するシート4G、シート4Eは、いずれも可撓性を備えている。シャッターカーテン1は、開口部開放時には、複数の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態となるが、この時、シート4Gの第2部位41Gは第1骨材2とボトム部材3の間で折り畳まれ、シート4Eは第1シート4Aと一緒に折り畳まれる。
【0215】
[G-6]第3シートの第4実施形態
図95図96に示す実施形態では、第3シートはシート4Hからなる。シート4Hは、開口部全閉状態(ボトム部材3と各骨材2が離間した状態)において、ボトム部材3の下端から第2骨材(下から2番目の骨材)2までの高さに略相当する高さ寸法を備えており、第2シート4Bの下方部位とボトム部材3の屋内側見付面、第1骨材(下から1番目の骨材)2の屋内側見付面、第2骨材2の屋内側見付面、との間に位置して、設けてある。
【0216】
シート4Hは、上端部位が、第2骨材2の屋内側当接部21の見付面(第2面部)210に第2シート4Bと共に螺子S2で固定され、中間部位の上側が第1骨材2の屋内側当接部21の見付面(第2面部)210に第2シート4Bと共に螺子S2で固定され、中間部位の下側がボトム部材3の上側のフレーム30の屋内側見付面300に第2シート4Bと共に螺子S2及びシート押え部材7で固定され、下端部位が、ボトム部材3の下側のフレーム31の屋内側見付面310に第2シート4Bと共に螺子S2及びシート押え部材7で固定されている。これらの螺子S2は、屋内側から屋外側へ打ち込まれ、頭部が屋内側に面しており、屋外側からの侵入者が螺子S5を取り外すことは困難である。
【0217】
シート4Hは、下側の第1部位40Hと、中間の第2部位41Hと、上側の第3部位42Hと、から形成なり、第1部位40Hは、ボトム部材3の屋内側見付面300、310に上下で固定されており、第2部位41Hは、上端が第1骨材2の屋内側当接部21の見付面210に固定され、全閉姿勢で垂直状に延びており、第3部位42Hは、上端が第2骨材2の屋内側当接部21の見付面210に固定され、全閉姿勢で垂直状に延びている。第3シートを形成するシート4Hは可撓性を備えている。シャッターカーテン1は、開口部開放時には、複数の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態となるが、この時、シート4Hの第2部位41H、第3部位42Hは第2シート4Bと一緒に折り畳まれる。
【0218】
[H]シート端部裏板の取付方法及び取付用治具
図10に関連して記載されている通り、一対の第2ガイドレール9はシートガイドである。シート4A、4Bの幅方向両端部位を案内する第2ガイドレール9は、先端側の第1見付片90と、第1見付片90に対して見込方向内側に位置する、基端側の第2見付片91と、第2見付片91の基端から見込方向に延びる固定片93と、を備え、固定片93を介して側壁(躯体C)に固定されている。シート4A、4Bの幅方向両端部位は、骨材2の見付面210の幅方向端部より延出する延出部42を形成しており、シートの延出部42は、第1見付片90に当接ないし近接する第1部位420と、第2見付片91に離間対向する第2部位421と、を備えている(図10参照)。シート押え部材7の幅方向両端部位は、骨材2の幅方向端部より延出する延出部7´を形成している。シートの延出部42の第2部位421は、延出部7´の裏面に当接した状態でシート端部裏板73で挟み込んで螺子S3を用いて延出部7´に固定されている。
【0219】
図97に、他の実施形態に係るシート端部裏板73、及び、シート端部裏板73の取付に用いられる取付用治具74を示す。図11等に示すシート端部裏板73は円板状のピースであるが、図97に示すシート端部裏板73は、長円状のピースであり、対向状の平面からなる側面731を備えている。シート端部裏板73は所定厚を備えた板状片であり、中央に螺子孔730が形成されている。シート端部裏板73の材質は限定されないが、本実施形態ではステンレス製である。
【0220】
取付用治具74は、長方形状の板状部からなる本体部740と、長方形状の板状部からなる掴み部741と、から側面視L形状を備えている。取付用治具74の本体部740の先端には、シート端部裏板73が着脱可能に収納される収納部742が形成されている。
【0221】
本体部740は第1面と第2面と一対の側面を備え、先端側には一対の側壁7400を残して、U字状の溝部7401が形成されており、本体部740の第1面の先端側には、溝部7401を塞ぐようにプレートが固定されており、このプレートが収納部742の後壁743を形成している。
【0222】
本体部740の第2面には、前壁プレート744が固定されており、前壁プレート744の先端側部位は、溝部7401の前面の底側を部分的に塞ぐように延びており、この先端側部位が収納部742の前壁7440を形成している。後壁743及び側壁7400の先端は、本体部740の先端に位置しており、前壁7440の先端は、本体部740の先端までは延びておらず、前壁7440の先端側が開放状となっており、前壁7440の先端側において、溝部7401が露出している。
【0223】
本実施形態に係る収納部742は、前壁7440と、後壁743と、一対の側壁7400の内面と、底部7401´と、から囲まれた空間として形成されており、先端側がシート端部裏板73の出し入れ口7420となっている。シート端部裏板73は、本体部740の先端に形成した収納部742に、本体部740の長さ方向に着脱可能となっている。シート端部裏板73が完全な収納状態にある時には、シート端部裏板73の長さ方向一方の湾曲面が収納部742の底部7401´に当接している。
【0224】
収納部742の前壁7440の内面と後壁743の内面は一対の平面となっており、シート端部裏板73の着脱時にシート端部裏板73の面部が一対の平面に沿って本体部740の長さ方向にスライド移動するようになっている。収納部742の一対の側壁7400の内面は対向状の一対の平面となっており、シート端部裏板73の着脱時にシート端部裏板73の側面731が一対の平面に沿って本体部740の長さ方向にスライド移動するようになっている。シート端部裏板73が収納部742に収納された状態で、シート端部裏板73の一対の側面731は側壁7400の一対の内面に近接ないし摺接しているので、収納部742内でのシート端部裏板73の回転が規制されている。
【0225】
収納部742の前壁7440の先端側が開放状となっており、シート端部裏板73が収納部742に収納された状態では、シート端部裏板73の一方の面部が溝部7401から露出しており、シート端部裏板73に形成された螺子孔730が露出するようになっている。シート端部裏板73の収納状態において、シート端部裏板73の一方の面部の残りの部分は前壁7440に近接対向しており、シート端部裏板73が収納部742から脱落することが規制されている。
【0226】
取付用治具74の長尺板状の本体部740の短手方向の幅寸法は、シート端縁4´と第2ガイドレール9の固定片93の間の隙間gap(図98下図)よりも幅狭である。本体部740の厚さは、シートの延出部42と第2ガイド部材9の第2見付片91との間に差し入れ可能な厚さである。図示の態様では、取付用治具74の本体部740の幅寸法と掴み部741の幅寸法は同じであり、本体部740の厚さと掴み部741の厚さは略同じである。
【0227】
本実施形態に係る取付用治具74を用いて、シャッターカーテンを吊持した状態で、シート端部裏板73によって、シートの延出部42をシート押え部材7の延出部7´に固定する。シート押え部材7の延出部7´の所定部位には、シート端部裏板73の取付位置に対応して孔部70´が形成されている(図98下図)。シートの延出部42の第2部位421には、孔部70´に合わせてドリル等で下孔をあけておき、正面からシート端部裏板73の螺子孔730が視認できるようにしておく。
【0228】
取付用治具74の収納部742にシート端部裏板73を収納させてセットする。掴み部741を持って、取付用治具74を本体部740の先端(シート端部裏板73)が上方を向いた縦長ないし垂直姿勢(第1姿勢)とし、図98に示すように、シャッターカーテンが吊持された状態で、シート端縁4´と第2ガイドレール9の固定片93の間の隙間gapに正面から差し入れる。
【0229】
取付用治具74の本体部740の上端の後壁743を第2ガイド部材9の第2見付片91の基端側に当接ないし近接させ、本体部740の先端に設けたシート端部裏板73が固定片93から離間するように取付用治具74を回転させて、横長ないし水平姿勢(第2姿勢)とする。シート端部裏板73は、取付用治具74の本体部740の先端に形成した収納部742に、本体部740の長さ方向からのみ着脱可能となっており、取付用治具74の第1姿勢時及び第2姿勢時、取付用治具74の第1姿勢から第2姿勢への移動時に、シート端部裏板73が収納部742から脱落することが防止されている。
【0230】
取付用治具74が第1姿勢から第2姿勢へ回転する時に、シート端部裏板73及び本体部740が、シート押え部材7の延出部7´及びシートの延出部42の第2部位421と、第2ガイド部材9の第2見付片91との間に入り込み、シート端部裏板73は、延出部42の第2部位421の背面に差し入れられ、シート端部裏板73の螺子孔730(取付用治具74の収納部742の前面に露出している)が延出片7´に形成された孔部70´に一致させた第2姿勢となる。本実施形態では、取付用治具74が第2姿勢にある時に、収納部742の後壁743は、第2ガイドレール9の第2見付片91に当接しており、シート端部裏板73の固定時に後壁743を第2見付片91に押し付けながら螺子S3を締めることができる。なお、第2ガイドレール9の第2見付片91と、シートの延出部42の第2部位421との間のクリアランスが、本体部740及び後壁743の厚さよりも大きい場合には、本体部740をシートの延出部42の第2部位421に押し付けながら螺子S3を締めてもよい。
【0231】
取付用治具74が第2姿勢にある時に、螺子S3の先端を孔部70´から差し入れ、シート端部裏板73の螺子孔730に部分的に螺合させて、螺子S3によってシート端部裏板73を仮保持する。図示の態様では、取付用治具74が第2姿勢にある時には、収納部742の前壁7440が螺子孔730に近接しているため(図99の中図、下図に示すように、シート端部裏板73の一部が前壁7440と重なっており)、螺子S3の締結にあたり、前壁7440が邪魔になってしまう。螺子S3によってシート端部裏板73を仮保持した状態で、第2姿勢にある取付用治具74を第2ガイドレール9の固定片93側に移動させることで、シート端部裏板73と前壁7440が重ならないようにする(図100上図、中図)。
【0232】
次いで、螺子S3を本締めすることで、シート端部裏板73と延出部7´の間にシートの延出部42の第2部位421を挟んだ状態で螺子S3で一体化する(図100下図)。螺子S3の締結時に、収納部742の後壁743は、第2ガイドレール9の第2見付片91に当接した状態を維持しており、また、シート端部裏板73の対向状の平面からなる側面731が本体部740の一対の側壁7400に当接することで、収納部742内でのシート端部裏板73の回転が規制されているので、作業性が良好である。
【0233】
シート端部裏板73の取付が完了したら、取付用治具74を第2ガイドレール9の固定片93側に移動させて、シート端部裏板73に対して取付用治具74の先端の収納部742を離間させ、取付用治具74を回転させて縦長ないし垂直姿勢として、シート端縁4´と第2ガイドレール9の固定片93の間の隙間gapから取り出す。シート端部裏板73を取り外す場合には、叙上の取付作業と逆の作業を行うことになる。
【0234】
[I]シート交換方法
本実施形態に係るシャッターカーテン1は、ボトム部材3を含む複数の骨材2と、骨材2及びボトム部材3の一方の屋外側見付面210に固定され、開口部全閉時に屋外側に面する第1シート4Aと、骨材2及びボトム部材3の屋内側見付面210に固定され、開口部全閉時に屋内側に面する第2シート4Bと、からなる。ボトム部材3の幅方向に離間した第1側の位置、第2側の位置において、前記第1側の位置には、複数本の第1ワイヤW1からなる第1ワイヤセットが連結されており、前記第2側の位置には、複数本の第2ワイヤW2からなる第2ワイヤセットが連結されており、第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2は、開口部上方に設けた巻取装置6(第1巻取装置6A、第2巻取装置6B)によって巻き取り・繰り出し可能となっており、開口部閉鎖時には、第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2を繰り出すことで複数の骨材2が高さ方向に離間した伸展状態となり、開口部開放時には、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2を巻き取ることで前記複数の骨材が高さ方向に重畳した折り畳み状態となる。
【0235】
第2シート4Bの所定箇所が損傷した場合を想定する。第2シート4Bの損傷部位の直上にある骨材2xを特定して、この骨材2xをシート切断の指標となる骨材2とする。巻取装置6によって第1ワイヤW1、第2ワイヤW2を巻き取ることで、ボトム部材3から上方に順次骨材2を重ねていき、第1シート4A、第2シート4Bを下方から折り畳んでいき、第2シート4Bの損傷部位を含むシート部分(骨材2xと、骨材2xの直下に位置する骨材2yと、の間のシート部分)を弛ませる(図102左図)。
【0236】
次いで、第2シート4Bの損傷部位を含むシート部分の上端を、骨材2xのシート押え部材7の直ぐ下の箇所において水平方向に切断して、切断箇所よりも上側の上側シート部分4B´´と、切断箇所よりも下側の下側シート部分4Iとに分離する(図102右図)。
【0237】
下側シート部分4Iを、指標となる骨材2xの下方の骨材2y、2z及びボトム部材3から取り外す。図示の態様では、骨材2xの下方の骨材2y、2z及びボトム部材3が重畳した状態を維持したままで、下側シート部分4Iが取り外される。より具体的には、下側シート部分4Iを骨材2y、2zの見付面210に固定するシート押え部材7及び螺子S2を取り外し、下側シート部分4Iをボトム部材3の見付面300、310に固定するシート押え部材7及び螺子S2を取り外す(図103左図)。なお、シート押え部材7の延出部7´を下側シート部分4Iの幅方向両端部(第2部位421)に固定する螺子S3及びシート端部裏板73を取り外しておく。取り外したシート押え部材7、螺子S2、シート端部裏板73、螺子S3は、交換用シート4Jの取付に用いられる。なお、新しいシート端部裏板73、螺子S2、螺子S3を用いて交換用シート4Jを取り付けてもよい。本実施形態では、交換用シート4Jの取付時には、既存の螺子孔を使用しない。
【0238】
吊持されたシャッターカーテン1から下側シート部分4Iを取り外した後に、巻取装置6によって第1ワイヤW1、第2ワイヤW2を巻き取ることで、骨材2xの下方に位置する骨材2yを骨材2xに重畳させ、骨材2x、2y、2z、ボトム部材3が重畳状態となる(図103右図)。
【0239】
下側シート部分4Iに対応する交換用シート4Jを用意する。本実施形態に係る交換用シート4Jの高さ寸法は、取り外された下側シート部分4Iの高さ寸法よりも少し大きい。上側シート部分4B´´の下端を骨材2xの見付面210に固定する螺子S2及びシート押え部材7を取り外し(図104左図)、交換用シート4Jの上端を、上側シート部分4B´´の下端に重ねた状態として、取り外された螺子S2及びシート押え部材7を用いて、骨材2xの見付面210に固定する。この状態で、交換用シート4Jは、上端が特定した骨材2xに固定された状態で垂下した姿勢となる(図104右図)。
【0240】
巻取装置6によって第1ワイヤW1、第2ワイヤW2を繰り出すことで、骨材2xの下方に位置する骨材2y、2z、ボトム部材3を下方に離間させていき、骨材2xからその直下に位置する骨材2yが離間して、その間に位置する第1シート4Aの部分にテンションがかかって垂直に伸展した状態で、垂直に延びた交換用シート4Jを、直下に位置する骨材2yの見付面210にシート押え部材7及び螺子S2で固定する(図105左図)。第1シート4Aと交換用シート4Jの対向するシート部分のテンションのかかり具合に差が出ないようにして、交換用シート4Jを骨材2yに固定する。
【0241】
巻取装置6によって第1ワイヤW1、第2ワイヤW2を繰り出すことで、順次骨材2及びボトム部材3を下降させていき、交換用シート4Jに対向して第1シート4Aが伸展した状態で、垂直に伸展した交換用シート4Jを、骨材2zの見付面210、ボトム部材3の見付面300、310にシート押え部材7及び螺子S2で固定していく(図105右図)。
【0242】
交換用シート4Jの幅方向両端部位は、骨材2y、2zの見付面210の長さ方向端部よりも延出する延出部となっており、シート端部裏板73を用いて、シート押え部材7の延出部7´に螺子S3を用いて固定される。詳細について、[H]シート端部裏板の取付方法及び取付用治具を参照することができる。
【0243】
図106図107に基づいて、切断箇所よりも下側のシート部分の一部を交換する方法について説明する。第2シート4Bにおいて、骨材2xと骨材yの間のシート部分が損傷した場合を想定し、このシート部分のみを交換する。第2シート4Bの損傷部位を含むシート部分の上端を、骨材2xのシート押え部材7の直ぐ下の箇所(上側切断箇所)において水平方向に切断して上側切断箇所よりも上側の上側シート部分4B´´から分離し、さらに、骨材2yの上方の箇所(下側切断箇所)において水平方向に切断して下側切断箇所よりも下側の下側シート部分から分離し、骨材2xと骨材2yとの間のシート部分4I´を除去する(図106左図)。
【0244】
除去の対象とならない下側シート部分は、骨材2yよりも上方に位置する第1シート部分4Kと、骨材2yに固定されており、骨材2yよりも下側の第2シート部分4B´´´と、からなり、第1シート部分4Kは、骨材2yよりも上方に位置しており、第1シート部分4Kを骨材2yの当接部21の上側を覆うように折り返して、水平面220に螺子S9で固定する(図106右図)。
【0245】
除去したシート部分4I´に対応する交換用シート4J´を用意する。本実施形態に係る交換用シート4J´の高さ寸法は、除去されたシート部分4I´よりも大きい高さ寸法を有しており、骨材2xと骨材2yが上下に離間した状態で、上側は骨材2xの見付面210に固定され、下側は骨材2yの見付面210に固定される高さ寸法を備えている。交換用シート4J´の上側の固定(図示は省略)については、上述の交換用シート4J´の上側の固定と実質的に同じである。上側シート部分4B´´の下端を骨材2xの見付面210に固定する螺子S2及びシート押え部材7を取り外し、交換用シート4J´の上端部位を、上側シート部分4B´´の下端に重ねた状態として、取り外された螺子S2及びシート押え部材7を用いて、骨材2xの見付面210に固定する。この状態で、交換用シート4J´は、上端が特定した骨材2xに固定された状態で垂下した姿勢となる。
【0246】
ボトム部材3、骨材2z、骨材2yが重畳した状態で、第2シート部分4B´´´は、折り畳まれた弛んだ状態にあり(図106右図)、この状態から、第2シート部分4B´´´の上側部位を骨材2yの見付面210に固定している螺子S2及びシート押え部材7を取り外す(図107左図)。交換用シート4J´の下端部位を、第2シート部分4B´´´の上端に重ねた状態として、取り外された螺子S2及びシート押え部材7を用いて、骨材2yの見付面210に固定する(図107右図)。
【0247】
本実施形態に係るシートの交換方法について、第1実施形態に係るシャッターカーテンに基づいて説明したが、[I]で述べた上記シート交換方法は、第2実施形態(H型)のシャッターカーテンにも適用される。また、図示の態様では、第2シート4Bを部分的に交換する態様について示しているが、本実施形態に係るシートの交換方法は、シャッターカーテンの破損部位に応じて、第1シート4A、あるいは/および、第2シート4Bの部分の交換に適宜適用される。
【符合の説明】
【0248】
1 シャッターカーテン
2 骨材
2x シート切断の指標となる骨材
21 当接部
210 見付面
3 ボトム部材
310 見付面
4 シート
4´ シート端縁
42 延出部
420 第1部位
421 第2部位
4A 第1シート(第1実施形態)
4B 第2シート(第1実施形態)
4B´´ 切断箇所の上側の上側シート部分
4I 切断箇所の下側の下側シート部分
4J、4J´ 交換用シート
6 巻取装置
6A 第1巻取装置
6B 第2巻取装置
7 シート押え部材(固定部材)
7´ 延出部
70´ 孔部
73 シート端部裏板
730 螺子孔
74 取付用治具
740 本体部
7400 側壁
7401 溝部
7401´底部
7420 出し入れ口
741 掴み部
742 収納部
743 後壁
7440 前壁
G ガイドレール
9 第2ガイドレール(ガイド部材)
90 第1見付片
91 第2見付片
93 固定片
S2 螺子(止着部材、固定部材)
S3 螺子(止着部材)
W 吊持ワイヤ
W1 第1ワイヤ
W2 第2ワイヤ
gap 隙間

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図17A
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43A
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図48A
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図56A
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66
図67
図68
図69
図70
図71
図72
図73
図74
図75
図76
図77
図78
図79
図80
図81
図82
図83
図84
図85
図86
図87
図88
図89
図90
図91
図92
図93
図94
図95
図96
図97
図98
図99
図100
図101
図102
図103
図104
図105
図106
図107