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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170837
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】コネクタ、及び、ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087573
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 章義
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智治
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 拓朗
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA08
5E021FB09
5E021FB20
5E021FC31
5E021HC08
(57)【要約】
【課題】組み付け性を向上することができるコネクタ、及び、ワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【解決手段】コネクタ1は、接続対象Cに設けられる第1コネクタ100と、導電性を有する配索材Wの端末に設けられ、第1コネクタ100と嵌合することで配索材Wと接続対象Cとを電気的に接続する第2コネクタ200とを備える。また、第1コネクタ100、及び、第2コネクタ200は、第2コネクタ200が本固定部F2を介して接続対象Cに本固定されていない状態で、第1コネクタ100に第2コネクタ200を仮保持可能な仮固定部F1を有し、仮固定部F1は、第1コネクタ100に設けられる係止部135と、第2コネクタ200に設けられ、当該係止部135を介して係止可能である被係止部324とを含んで構成されることを特徴とする。
【選択図】図10

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象に設けられる第1コネクタと、
導電性を有する配索材の端末に設けられ、前記第1コネクタと嵌合することで前記配索材と前記接続対象とを電気的に接続する第2コネクタとを備え、
前記第2コネクタは、前記接続対象に対して本固定する本固定部を有し、
前記第1コネクタ、及び、前記第2コネクタは、前記第2コネクタが前記本固定部を介して前記接続対象に本固定されていない状態で、前記第1コネクタに前記第2コネクタを仮保持可能な仮固定部を有し、
前記仮固定部は、前記第1コネクタに設けられる係止部と、前記第2コネクタに設けられ、当該係止部を介して係止可能である被係止部とを含んで構成されることを特徴とする、
コネクタ。
【請求項2】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合状態を検出するインターロック部を有し、
前記インターロック部は、前記第1コネクタに設けられる第1インターロック部と、前記第2コネクタに設けられる第2インターロック部とを含んで構成され、
前記第1コネクタは、前記第2コネクタとの嵌合方向と交差する第1幅方向に沿って、前記接続対象と電気的に接続される第1導電部材が一対で設けられ、かつ、一対の前記第1導電部材の間に前記第1インターロック部が設けられ、
前記第2コネクタは、前記第1幅方向に沿って、前記第1導電部材と電気的に接続される第2導電部材が一対で設けられ、かつ、一対の前記第2導電部材の間に前記第2インターロック部が設けられ、
前記係止部、及び、前記被係止部は、前記第1幅方向と交差する第2幅方向において、前記インターロック部と対向する位置に設けられる、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記係止部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合方向に沿って片持ち状に延在し、先端部に設けられる爪部を含んで構成され、
前記被係止部は、前記嵌合方向に沿って延在し、当該嵌合方向に開口する開口部と、前記開口部から前記係止部が挿入された状態で当該係止部の前記爪部と対向して位置する引掛部とを含んで構成され、
前記仮固定部は、前記第2コネクタが前記本固定部を介して前記接続対象に本固定されている状態で、前記係止部の前記爪部と前記被係止部の前記引掛部とが離間し、前記係止部と前記被係止部との間の係止関係が解消される、
請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
導電性を有する配索材と、
前記配索材の端末に設けられ、接続対象に設けられる第1コネクタと嵌合することで前記配索材と前記接続対象とを電気的に接続する第2コネクタを備え、
前記第2コネクタは、前記接続対象に対して本固定する本固定部を有し、
前記第1コネクタ、及び、前記第2コネクタは、前記第2コネクタが前記本固定部を介して前記接続対象に本固定されていない状態で、前記第1コネクタに前記第2コネクタを仮保持可能な仮固定部を有し、
前記仮固定部は、前記第1コネクタに設けられる係止部と、前記第2コネクタに設けられ、当該係止部を介して係止可能である被係止部とを含んで構成されることを特徴とする、
ワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ、及び、ワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、筐体に設けられている固定鍔部がボルトによって固定されることで、接続対象に対して筐体を本固定することができるコネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-165355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載のコネクタは、下側から上側に向かって組み付けられる。そのため、コネクタが接続対象に本固定されるまでの間は、作業者がコネクタを下側から支えなければならず、片手が塞がった状態で組付作業が行われるために作業者の負担が増大するとともに作業効率が低下する虞があった。したがって、コネクタの組付構造の点で更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、組み付け性を向上することができるコネクタ、及び、ワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、接続対象に設けられる第1コネクタと、導電性を有する配索材の端末に設けられ、前記第1コネクタと嵌合することで前記配索材と前記接続対象とを電気的に接続する第2コネクタとを備え、前記第2コネクタは、前記接続対象に対して本固定する本固定部を有し、前記第1コネクタ、及び、前記第2コネクタは、前記第2コネクタが前記本固定部を介して前記接続対象に本固定されていない状態で、前記第1コネクタに前記第2コネクタを仮保持可能な仮固定部を有し、前記仮固定部は、前記第1コネクタに設けられる係止部と、前記第2コネクタに設けられ、当該係止部を介して係止可能である被係止部とを含んで構成されることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、導電性を有する配索材と、前記配索材の端末に設けられ、接続対象に設けられる第1コネクタと嵌合することで前記配索材と前記接続対象とを電気的に接続する第2コネクタを備え、前記第2コネクタは、前記接続対象に対して本固定する本固定部を有し、前記第1コネクタ、及び、前記第2コネクタは、前記第2コネクタが前記本固定部を介して前記接続対象に本固定されていない状態で、前記第1コネクタに前記第2コネクタを仮保持可能な仮固定部を有し、前記仮固定部は、前記第1コネクタに設けられる係止部と、前記第2コネクタに設けられ、当該係止部を介して係止可能である被係止部とを含んで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るコネクタ、及び、ワイヤハーネスは、組み付け性を向上することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るコネクタ、及び、ワイヤハーネスの概略構成を表す側面図である。
図2図2は、実施形態に係るコネクタ、及び、ワイヤハーネスの概略構成を表す分解斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るコネクタを構成する第1コネクタの概略構成を表す分解斜視図である。
図4図4は、実施形態に係るコネクタを構成する第1コネクタの概略構成を表す正面図である。
図5図5は、実施形態に係るコネクタを構成する第1コネクタの概略構成を表す断面図である。
図6図6は、実施形態に係るコネクタを構成する第2コネクタの概略構成を表す分解斜視図である。
図7図7は、実施形態に係るコネクタを構成する第2コネクタの概略構成を表す正面図である。
図8図8は、実施形態に係るコネクタを構成する第2コネクタの概略構成を表す断面図である。
図9図9は、実施形態に係るコネクタの組み付けについて説明する断面図である。
図10図10は、実施形態に係るコネクタの組み付けについて説明する断面図である。
図11図11は、実施形態に係るコネクタの組み付けについて説明する断面図である。
図12図12は、実施形態に係るコネクタの組み付けについて説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[実施形態]
本実施形態に係るコネクタ1は、嵌合コネクタであり、自動車等の車両に使用されるワイヤハーネスWHと、当該ワイヤハーネスWHの接続対象Cとを電気的に接続する電線対電気機器接続用の接続機構に用いられるものである。また、本実施形態に係るワイヤハーネスWHは、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線を束にして集合部品とし、コネクタ等で電線を各機器に接続するようにしたものである。
【0012】
コネクタ1は、図1に示すように、接続対象Cに設けられる第1コネクタ100と、ワイヤハーネスWHに設けられる第2コネクタ200とによって構成される。また、ワイヤハーネスWHは、図1に示すように、導電性を有する配索材Wと、第1コネクタ100と嵌合することで配索材Wと接続対象Cとを電気的に接続する第2コネクタ200とを含んで構成される。そして、本実施形態のコネクタ1、及び、ワイヤハーネスWHは、第1コネクタ100と第2コネクタ200に仮固定部F1を設け、第2コネクタ200を接続対象Cに本固定する前に、仮固定部F1を介して第1コネクタ100に第2コネクタ200を仮保持させることで、組み付け性を向上することができる構成を実現したものである。以下、図1図8を参照して第1コネクタ100、及び、第2コネクタ200の各構成について詳細に説明する。
【0013】
なお、ここでいう接続対象Cは、例えば、インバーター、電気接続箱、バッテリー等の装置であり、第1コネクタ100は、接続対象Cとなる装置の筐体に取り付けられている。第2コネクタ200が接続されている配索材Wは、例えば、導電性を有する複数の金属素線を束ねた芯線を、絶縁被覆部によって被覆した絶縁電線である。
【0014】
また、ワイヤハーネスWHは、この他に、さらに、プロテクタ、外装材、固定具等を含んで構成されてもよい。
【0015】
また、各図のXY方向は、典型的には、第1コネクタ100の設置対象部位CS(図1図2を参照)の延在方向等に相当する。また、X方向は、典型的には、第2コネクタ200が接続されている配索材Wの軸線X1(図1を参照)の延在方向に沿う方向に相当する。また、Z方向は、第1コネクタ100と第2コネクタ200との嵌合方向(第1コネクタ100に対する第2コネクタ200の挿入方向)に相当する。なお、以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、第2コネクタ200が接続対象C側の第1コネクタ100と嵌合し、当該第2コネクタ200が接続対象Cに本固定された状態での方向として説明し、Z方向を嵌合方向Z、Y方向を第1幅方向Y、X方向を第2幅方向Xと称する。
【0016】
また、嵌合方向Zにおいて一方側とは、典型的には、鉛直方向上側に相当し、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが嵌合した状態での第1コネクタ100側等に相当する。また、嵌合方向Zにおいて他方側とは、典型的には、鉛直方向下側に相当し、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが嵌合した状態での第2コネクタ200側等に相当する。
【0017】
また、図4は、嵌合方向Zにおいて他方側(第2コネクタ200側)から第1コネクタ100を見た図であり、図7は、嵌合方向Zにおいて一方側(第1コネクタ100側)から第2コネクタ200を見た図である。
【0018】
[第1コネクタ]
第1コネクタ100は、第1導電部材110と、インターロック部Rとしての第1インターロック部120と、ハウジング130と、ハウジング130の端部に組み付けられるパッキン140とフロントホルダ150とを備える。
【0019】
第1導電部材110は、導電性を有する銅等の金属材料によって形成され、接続対象Cと物理的かつ電気的に接続されるものである。本実施形態の第1導電部材110は、図3に示すように、バスバー111と、スタッドボルト112とを含んで構成されている。バスバー111、及び、スタッドボルト112は、図3に示すように、棒状の部材である。また、バスバー111は、断面形状が略円形であり、両端部に接続部分111e(図3図12を参照)が設けられている。また、スタッドボルト112は、バスバー111と同様に断面形状が略円形であり、両端に接続部分112e(図3図12を参照)が設けられている。そのため、スタッドボルト112は、バスバー111の接続部分111eに接続部分112eが接続されることで、当該バスバー111と物理的かつ電気的に接続される。本実施形態のバスバー111とスタッドボルト112は、2つずつ設けられ、バスバー111にスタッドボルト112が固定された状態でハウジング130に収容されている(図12を参照)。なお、第1導電部材110を構成する部材や、当該部材の形状は、図3図12等に示す形態に特に限定されない。
【0020】
第1インターロック部120は、外部判定回路(図示省略)に接続され、第2コネクタ200側のインターロック部と接続されることで、第1コネクタ100と第2コネクタ200との嵌合状態を検出するものである。本実施形態のインターロック部Rは、第1コネクタ100の第1インターロック部120と、第2コネクタ200の第2インターロック部420とから構成され、第1インターロック部120は、外部判定回路(図示省略)に接続されている電線121と、当該電線121の端末に接続される信号端子122と、インターロックハウジング123とを含んで構成されている。図3図5に示すように、本実施形態の電線121は、2本設けられ、それぞれの端末に信号端子122が接続されている。また、信号端子122は、インターロックハウジング123の内部にそれぞれ収容され、第2幅方向Xに間隔をあけて配置されている(図5図9を参照)。そして、信号端子122は、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが嵌合した状態で、後述する第2インターロック部420(図11を参照)によって電気的に接続される。電線121は、外部判定回路(図示省略)に接続されているため、第2インターロック部420を介して信号端子122同士が電気的に接続されると、回路が閉回路となる。そのため、コネクタ1は、第1インターロック部120を用いて、第1コネクタ100に対する第2コネクタ200の位置が正常であると検出する、すなわち、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが完全に嵌合していると検出することができる。
【0021】
ハウジング130は、絶縁性を有する合成樹脂材料によって形成され、内側に第1導電部材110と第1インターロック部120を収容して保持するものである。本実施形態のハウジング130は、図3図5に示すように、嵌合方向Zに沿って略筒状に形成される収容部131と、固定部132とを含んで構成されている。
【0022】
収容部131は、ハウジング130の壁部によって区画、形成される部分である。本実施形態の収容部131の外形は、図4に示すように、断面形状が略円形であり、長軸が第1幅方向Y、短軸が第2幅方向Xとなる楕円形である。
【0023】
固定部132は、接続対象Cの設置対象部位CSに設けられた設置孔CH(図2を参照)に第1コネクタ100が取り付けられる際に、設置対象部位CSに固定される部分である。本実施形態の固定部132は、図4図5に示すように、収容部131のから突出して形成され、嵌合方向Zに対して直交する平面(第1幅方向Y及び第2幅方向Xに沿って延在する平面)に沿って板状に形成されている。また、固定部132は、インサート成形等の成形方法によって一体成形されたカラー部材132f(図4図5参照)と、嵌合方向Zに突出して形成される挿入部132g(図5を参照)とを有している。そのため、固定部132は、設置対象部位CSに設けられた孔部(図2を参照)に挿入部132gが挿入されることで、設置対象部位CSに対する位置を決定することができる。そして、固定部132は、カラー部材132fにボルト等の締結部材P1(図2を参照)の端部が挿入された状態で、設置対象部位CSに対して締結部材P1が締め込まれることで、締結部材P1を介して設置対象部位CSに固定される。また、固定部132は、図4に示すように、2つ設けられ、各固定部132は、嵌合方向Zから視た際に斜向かいに配置されている。
【0024】
そして、本実施形態の収容部131は、導電部材収容部133と、インターロックハウジング収容部134と、仮固定部F1としての係止部135とを含んで構成されている。
【0025】
導電部材収容部133は、収容部131の壁部によって区画、形成され、内側に第1導電部材110のバスバー111を収容する部分である。本実施形態の導電部材収容部133は、嵌合方向Zに沿って略筒状に形成されている。また、図4に示すように、導電部材収容部133は、2つ設けられている。また、各導電部材収容部133は、第1幅方向Yに間隔をあけて配置され、収容部131の第1幅方向Yに対して一対で設けられている。また、各導電部材収容部133には、バスバー111が1つずつ収容されている。
【0026】
インターロックハウジング収容部134は、収容部131の壁部によって区画、形成され、内側にインターロックハウジング123に取り付けられた信号端子122を収容する部分である。本実施形態のインターロックハウジング収容部134は、嵌合方向Zに沿って略筒状に形成されている。また、図4に示すように、インターロックハウジング収容部134は、1つ設けられ、ハウジング130の第1幅方向Yに対して一対で設けられる導電部材収容部133の間に配置されている。また、インターロックハウジング収容部134は、ハウジング130の第2幅方向Xにおいて一方側に配置され、図4に示す導電部材収容部133の上側に配置されている。
【0027】
係止部135は、嵌合方向Zに沿って形成される片持ち状のアーム部であり、後述する被係止部313を係止する部分である。本実施形態の係止部135は、図4図5に示すように、2つ設けられ、第2幅方向Xに間隔をあけて配置されている。また、係止部135は、図5に示すように、嵌合方向Zにおいて一方側(接続対象C側)から他方側(第2コネクタ200側)に向かって形成され、固定端が嵌合方向Zにおいて一方側、自由端が嵌合方向Zにおいて他方側に位置している。
【0028】
また、係止部135は、図5に示すように、嵌合方向Zに沿って形成される収容部131の内壁部131kに弾性変形可能に支持され、自由端である先端部に爪部135fが設けられている。爪部135fは、図5に示すように、係止部135の外面側に形成される突起部であり、第2幅方向Xにおいて一方側(図5における上側)に配置されている係止部135には、一方側(図5における上側)に向かって突出する爪部135fが設けられている。また、第2幅方向Xにおいて他方側(図5における下側)に配置されている係止部135には、他方側(図5における下側)に向かって突出する爪部135fが設けられている。
【0029】
また、係止部135は、ハウジング130の第2幅方向Xにおいて他方側に配置され、図4図5に示す導電部材収容部133の下側に配置されている。そのため、係止部135は、第2幅方向Xにおいて第1インターロック部120と対向する位置に設けられている。
【0030】
パッキン140は、弾性を有する合成ゴムによって形成され、収容部131の外面側に組み付けられるものである。本実施形態のパッキン140は、環状に形成されている。また、パッキン140は、1つ設けられ、図5に示すように、収容部131の嵌合方向Zにおいて一方側(接続対象C側)に位置する端部に組み付けられる。そのため、パッキン140は、接続対象Cの設置対象部位CSに設けられた設置孔CH(図2を参照)に第1コネクタ100が取り付けられた状態で、ハウジング130と設置対象部位CSとの間で圧縮された状態で配置される(図9を参照)。
【0031】
フロントホルダ150は、絶縁性を有する合成樹脂材料によって形成され、収容部131の端部に組み付けられることで、当該収容部131の開口部分を部分的に覆うものである。本実施形態のフロントホルダ150は、1つ設けられ、収容部131の嵌合方向Zにおいて一方側(接続対象C側)に位置する端部に組み付けられる。そして、フロントホルダ150は、収容部131に組み付けられたパッキン140の外側に組み付けられる。そのため、パッキン140の縁部は、ハウジング130とフロントホルダ150とで挟まれた状態で配置される(図9を参照)。
【0032】
[第2コネクタ]
第2コネクタ200は、図1図2に示すように、コネクタ本体300と、カバー部材400とを備える。
【0033】
[コネクタ本体]
コネクタ本体300は、第2導電部材310と、ハウジング320と、ハウジング320の端部に組み付けられるパッキン330とフロントホルダ340とを備える。
【0034】
第2導電部材310は、導電性を有する銅等の金属材料によって形成され、第1コネクタ100と嵌合することでハウジング130に保持されている第1導電部材110と物理的かつ電気的に接続されるものである。本実施形態の第2導電部材310は、図6に示すように、配索材Wの端末に接続される平型端子である。当該平型端子は、電気接続部311と、配索材接続部312とを有している。電気接続部311は、第2幅方向Xおいて一方側(図6における上側)に位置し、第2コネクタ200のコネクタ本体300が第1コネクタ100に嵌合した際に第1導電部材110に接続される部分である。また、配索材接続部312は、第2幅方向Xにおいて他方側(図6における下側)に位置し、配索材Wの端末が接続される部分である。第2導電部材310は、電気接続部311の挿通孔部分311eにナットなどの締結部材P2が加締められている。そして、挿通孔部分311eにスタッドボルト112の接続部分112eの端部が挿入された状態で、締結部材P2にスタッドボルト112の接続部分112eが締め込まれることで、第2導電部材310はスタッドボルト112と物理的かつ電気的に接続される(図12を参照)。そして、第2導電部材310は、締結部材P2を介してスタッドボルト112の接続部分112eに固定されることで、当該スタッドボルト112に接続されているバスバー111とも物理的かつ電気的に接続される(図12を参照)。なお、第2導電部材310の形状は、図6等に示す形状に特に限定されない。また、配索材接続部312は、配索材Wの導体部分である芯線に対して、加締められて圧着されることで当該導体部分と接続されるものであってもよく、溶着等の方法で当該導体部分と接続されるものであってもよい。
【0035】
ハウジング320は、絶縁性を有する合成樹脂材料によって形成され、内側に第2導電部材310を収容して保持するものである。本実施形態のハウジング320は、図6に示すように、嵌合方向Zに沿って略筒状に形成される第1収容部321と、嵌合方向Zと交差する第2幅方向Xに沿って略筒状に形成される第2収容部322と、本固定部F2としての固定部323とを含んで構成される。そして、ハウジング320は、第1収容部321と第2収容部322とが合わさることで、略T字の筒状に形成されている。
【0036】
第1収容部321は、ハウジング320の壁部によって区画、形成され、内側に第2導電部材310の電気接続部311を収容する部分である。本実施形態の第1収容部321の外形は、上記で説明した収容部131と同様に断面形状が略円形である。第1収容部321は、第1コネクタ100に第2コネクタ200が挿入された状態で、第1コネクタ100のハウジング130に形成された導電部材収容部133とインターロックハウジング収容部134を内側に収容することができる。そのため、第2コネクタ200側の第2導電部材310は、第1収容部321の内側に配置されている状態で第1コネクタ100側のスタッドボルト112と電気的に接続される(図12を参照)。
【0037】
第2収容部322は、ハウジング320の壁部によって区画、形成され、内側に第2導電部材310の配索材接続部312を収容する部分である。本実施形態の第2収容部322の内部空間は、第1収容部321の内部空間と連通している。そのため、第2収容部322は、第1収容部321に第2導電部材310の電気接続部311が収容されることで、電気接続部311と連続して形成されている配索材接続部312と、配索材接続部312に接続される配索材Wの端末とを内側に収容することができる。
【0038】
固定部323は、図7図8に示すように、第2コネクタ200が接続対象Cの設置対象部位CS(図2を参照)に固定される部分である。本実施形態の固定部323は、第1収容部321の外面側から突出して形成され、嵌合方向Zに対して直交する平面(第1幅方向Y及び第2幅方向Xに沿って延在する平面)に沿って板状に形成される部位を有している。また、当該部位は、インサート成形等の成形方法によって一体成形されたカラー部材323fを有している。そのため、固定部323は、カラー部材323fにボルト等の締結部材P3(図2を参照)の端部が挿入された状態で、設置対象部位CSに対して締結部材P3が締め込まれることで、締結部材P3を介して設置対象部位CSに固定される。また、固定部323は、図7に示すように、2つ設けられ、各固定部323は、嵌合方向Zから視た際に斜向かいに配置されている。また、固定部323は、設置対象部位CS(図2を参照)に第2コネクタ200が本固定された状態で、第1コネクタ100のカラー部材132fと第1幅方向Yに隣り合う位置に設けられている。
【0039】
そして、本実施形態の第1収容部321は、仮固定部F1としての被係止部324を含んで構成されている。
【0040】
被係止部324は、嵌合方向Zに沿って筒状に形成される部分であり、第1コネクタ100の係止部135に係止される部分である。本実施形態の被係止部324は、図7に示すように、1つ設けられ、嵌合方向Zに開口する開口部324pを有している。そのため、被係止部324は、第1コネクタ100に第2コネクタ200が挿入され、開口部324pから2つの係止部135が挿入された状態で、内部に当該係止部135の先端部を収容することができる(図10図11を参照)。
【0041】
また、本実施形態の被係止部324は、図8に示すように、開口部324pの縁部に引掛部324fが設けられている。引掛部324fは、被係止部324の内面側に形成される突起部であり、開口部324pの縁部を内側に折り返すことで爪状に形成される部分である。そのため、被係止部324は、開口部324pから2つの係止部135が挿入された状態で、係止部135の外面側に形成されている爪部135fと対向して位置し、当該爪部135fと当接可能に配置される。被係止部324は、第1収容部321の第2幅方向Xにおいて他方側、(図4図5における下側)に配置されている。そのため、被係止部324は、第1コネクタ100と第2コネクタ200のコネクタ本体300とが嵌合している状態で、第2幅方向Xにおいて第2コネクタ200側のインターロック部(後述する第2インターロック部420)と対向する位置に設けられている。
【0042】
なお、本実施形態のハウジング320は、上記で説明した構成部材の他に、リアホルダRHと、ゴム栓RSとが組み付けられている(図6等を参照)。なお、ここでいうリアホルダRHは、配索材Wに取り付けられた状態で当該第2収容部322の開口部分に嵌め込まれ、第2収容部322の内面側に組み付けられることで、ハウジング320の内部に収容されている配索材Wを保持するための部材である(図12を参照)。また、ゴム栓RSは、配索材Wに取り付けられた状態で第2収容部322の内面側に組み付けられる部材である(図12を参照)。ゴム栓RSは、貫通孔を介して挿入された配索材Wの外周面とハウジング320の内周面との間で圧縮された状態で配置される。そのため、ゴム栓RSは、第2コネクタ200のハウジング320の内部に水などの液体が浸入することを防止することができる。また、ゴム栓RSは、リアホルダRHより内側(第1収容部321側)に配置され、ハウジング320の内壁部とリアホルダRHとで挟まれた状態で配置される。そのため、リアホルダRHは、ゴム栓RSを保持することができる。
【0043】
パッキン330は、弾性を有する合成ゴムによって形成され、第1収容部321の外面側に組み付けられるものである。本実施形態のパッキン330は、環状に形成されている。また、パッキン330は、2つ設けられ、図8に示すように、第1収容部321の嵌合方向Zにおいて一方側(第1コネクタ100側)の端部と、嵌合方向Zにおいて他方側(第1コネクタ100と反対側)の端部に組み付けられる。そのため、嵌合方向Zにおいて一方側に設けられるパッキン330は、接続対象C側の第1コネクタ100に第2コネクタ200のコネクタ本体300が取り付けられた状態で、第2コネクタ200のハウジング320と第1コネクタ100のハウジング130との間で圧縮された状態で配置される(図10図12を参照)。また、嵌合方向Zにおいて他方側に設けられるパッキン330は、第2コネクタ200のコネクタ本体300にカバー部材400が取り付けられた状態で、コネクタ本体300のハウジング320とカバー部材400との間で圧縮された状態で配置される(図12を参照)。そのため、各パッキン330は、第1コネクタ100の収容部131の内部(例えば、導電部材収容部133)に水等の液体が浸入することを防止することができる。
【0044】
フロントホルダ340は、絶縁性を有する合成樹脂材料によって形成され、第1収容部321の端部に組み付けられることで、当該第1収容部321の開口部分を部分的に覆うものである。本実施形態のフロントホルダ340は、2つ設けられ、第1収容部321の嵌合方向Zにおいて一方側(第1コネクタ100側)の端部と、嵌合方向Zにおいて他方側(第1コネクタ100と反対側)の端部に組み付けられる。そして、フロントホルダ340は、第1収容部321に組み付けられたパッキン330の外側に組み付けられる。そのため、パッキン330の縁部は、ハウジング320とフロントホルダ340とで挟まれた状態で配置される(図10を参照)。
【0045】
[カバー部材]
カバー部材400は、本体部410と、インターロック部Rとしての第2インターロック部420とを備える。
【0046】
本体部410は、絶縁性を有する合成樹脂材料によって形成され、ハウジング320の第1収容部321の端部に組み付けられることで、当該第1収容部321の開口部分を部分的に覆うものである。本実施形態の本体部410は、第1収容部321の嵌合方向Zにおいて他方側(図2における右側であり、図11における下側)に位置する端部に組み付けられる。また、本体部410は、本固定部F2としての固定部411とを含んで構成されている。固定部411は、第2コネクタ200が接続対象Cの設置対象部位CS(図2を参照)に固定される部分である。本実施形態の固定部411は、上述した固定部323と同様にカラー部材が一体成形されている。また、固定部411のカラー部材は、ハウジング320の第1収容部321の端部にカバー部材400が組み付けられた状態で、固定部323のカラー部材323fと重なる位置に設けられている(図2図11を参照)。そのため、固定部411は、自身のカラー部材と固定部323のカラー部材323fに締結部材P3の端部が挿入された状態で、設置対象部位CSに対して締結部材P3が締め込まれることで、締結部材P3を介して設置対象部位CSに固定される。
【0047】
第2インターロック部420は、導電性を有する銅等の金属材料によって形成され、第1インターロック部120の信号端子122同士を電気的に接続するものである。本実施形態の第2インターロック部420は、ショート端子である(図11を参照)。当該ショート端子は、本体部410の内面側に圧入されている。また、ショート端子は、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが嵌合した状態で、インターロックハウジング123に保持されている2つ設けられている信号端子122とそれぞれ電気的に接続される。そのため、コネクタ1は、第1コネクタ100の第1インターロック部120とカバー部材400の第2インターロック部420とが電気的に接続されることで、第1コネクタ100に対する第2コネクタ200の位置が正常であると検出する、すなわち、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが完全に嵌合している検出することができる。
【0048】
次に、図9図12を参照して、コネクタ1の組付動作を説明する。
【0049】
まず、作業者は、第1コネクタ100を用意し、第1コネクタ100を手で支えた状態で接続対象Cの設置対象部位CSに組み付ける。このとき、第1コネクタ100のハウジング130は、設置対象部位CSの設置孔CHに対して鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって挿入される。そして、第1コネクタ100は、図9に示すように、ハウジング130の外側に組み付けられているパッキン140が、設置対象部位CSとの間に挟み込まれて圧縮された状態で配置されることで、設置対象部位CSの設置孔CHに嵌め込まれる。そして、第1コネクタ100は、ハウジング130の固定部132に締結部材P1が組み付けられ、当該締結部材P1が設置対象部位CSに対して締め込まれることで、接続対象Cに固定される。そして、第1コネクタ100は、ハウジング130に収容されている第1導電部材110の一方の端部(嵌合方向Zにおいて一方側に位置する端部であり、鉛直方向上側に位置する端部)が、接続対象Cと物理的に接続されることで、当該接続対象Cと電気的に接続される。なお、第1コネクタ100は、接続対象Cの設置対象部位CSに予め組み付けられていてもよい。
【0050】
そして、作業者は、ワイヤハーネスWHを用意し、第2コネクタ200のコネクタ本体300を手で支えた状態で第1コネクタ100に組み付ける。このとき、コネクタ本体300のハウジング320は、第1コネクタ100のハウジング130に対して鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって挿入される。そして、第2コネクタ200のコネクタ本体300は、第1コネクタ100のハウジング130に対して第1収容部321が挿入されると、第1コネクタ100側の導電部材収容部133、及び、インターロックハウジング収容部134を第1収容部321の内側に収容する。
【0051】
また、第2コネクタ200のコネクタ本体300は、第1コネクタ100のハウジング130に対して第1収容部321が挿入されると、第1収容部321に設けられている被係止部324の引掛部324fが、第1コネクタ100側の係止部135の爪部135fに接触する。そして、第2コネクタ200のコネクタ本体300は、嵌合方向Zに沿ってさらに挿入されると、被係止部324の引掛部324fによって係止部135の爪部135fを内側(第2幅方向Xにおいて内方側)に向かって弾性変形させる。そして、係止部135の爪部135fは、第2コネクタ200のコネクタ本体300が嵌合方向Zに沿ってさらに挿入されると、被係止部324の引掛部324fを乗り越えることで、弾性変形前の元の位置に戻る。そして、係止部135の爪部135fが被係止部324の引掛部324fを乗り越えている状態で、作業者が第2コネクタ200のコネクタ本体300から手を離すと、図10に示すように、コネクタ本体300が自重によって下(鉛直方向下側)に引っ張られることで、係止部135の爪部135fに被係止部324の引掛部324fが引っ掛かる。そのため、第1コネクタ100側の係止部135と第2コネクタ200側の被係止部324からなる仮固定部F1によって、第2コネクタ200のコネクタ本体300は、第1コネクタ100に仮保持される。なお、本実施形態の仮固定部F1は、第2幅方向Xにおいてインターロック部Rと対向する位置に設けられており、コネクタ1の第2幅方向Xにおいて内方側に設けられている。そのため、仮固定部F1は、L字型のコネクタ1の重心に近い位置に設けられており、第2コネクタ200のコネクタ本体300は、第1コネクタ100に対する位置が安定している状態で仮保持される。
【0052】
そして、作業者は、第2コネクタ200側の第2導電部材310に加締められた締結部材P2に、スタッドボルト112を締め込むことで、第1コネクタ100側の第1導電部材110と第2コネクタ200側の第2導電部材310とを物理的かつ電気的に接続する。このとき、第2コネクタ200のコネクタ本体300は、仮固定部F1を介して第1コネクタ100に仮保持されている。そのため、作業者は、コネクタ本体300を下側から手で支えていない状態で締結作業を行うことができる。
【0053】
そして、作業者は、図11に示すように、第2コネクタ200のカバー部材400を手で支えた状態でコネクタ本体300に組み付ける。このとき、カバー部材400は、コネクタ本体300の嵌合方向Zにおいて一方側(接続対象Cと反対側)に位置する端部に組み付けられる。そして、カバー部材400は、本体部410で第1収容部321の開口部分を覆うと、当該本体部410に圧入されている第2インターロック部420を第1収容部321の内部に配置させる。そして、コネクタ本体300、及び、カバー部材400は、固定部323、411に締結部材P3が組み付けられ、当該締結部材P3が設置対象部位CSに対して締め込まれることで、接続対象Cに固定される。そのため、第2コネクタ200のコネクタ本体300は、コネクタ本体300側の固定部323と、カバー部材400側の固定部411からなる本固定部F2によって、設置対象部位CSとカバー部材400との間に挟み込まれた状態で固定される。そして、外部判定回路(図示省略)に接続されている第1コネクタ100の第1インターロック部120と第2コネクタ200の第2インターロック部420とが電気的に接続され、回路が閉回路となることで、インターロック部Rは、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが完全に嵌合していると検出することができる。
【0054】
なお、第2コネクタ200のコネクタ本体300は、本固定部F2を介して接続対象Cに本固定される前に、第1コネクタ100に仮保持されている位置から持ち上げられ、設置対象部位CSに接近した位置に配置される。そのため、被係止部324の引掛部324fは、係止部135の爪部135fと接触する位置(図10を参照)から嵌合方向Zに沿って接続対象C側に向かって移動して、当該爪部135fから離間した位置(図11を参照)に配置される。したがって、本実施形態の第1コネクタ100、及び、第2コネクタ200は、第2コネクタ200のコネクタ本体300が接続対象Cに本固定されている状態で、第1コネクタ100側の係止部135の爪部135fと、第2コネクタ200側の被係止部324の引掛部324fとの間の係止関係が解消される。
【0055】
以上で説明したコネクタ1は、接続対象Cに設けられる第1コネクタ100と、導電性を有する配索材Wの端末に設けられ、第1コネクタ100と嵌合することで配索材Wと接続対象Cとを電気的に接続する第2コネクタ200とを備える。また、ワイヤハーネスWHは、以上で説明した配索材Wと、第2コネクタ200とを含んで構成される。また、第2コネクタ200は、接続対象Cに対して本固定する本固定部F2を有し、第1コネクタ100、及び、第2コネクタ200は、第2コネクタ200が本固定部F2を介して接続対象Cに本固定されていない状態で、第1コネクタ100に第2コネクタ200を仮保持可能な仮固定部F1を有する。また、仮固定部F1は、第1コネクタ100に設けられる係止部135と、第2コネクタ200に設けられ、当該係止部135を介して係止可能である被係止部324とを含んで構成される。
【0056】
このような構成によれば、コネクタ1は、接続対象Cに対して第2コネクタ200を固定する本固定部F2とは別に、接続対象Cに設けられる第1コネクタ100に第2コネクタ200を仮保持させるための仮固定部F1が設けられている。そのため、作業者は、仮固定部F1を介して第2コネクタ200が第1コネクタ100に仮保持されると、当該第2コネクタ200を手で保持する必要が無くなるため、以降の組み付け動作(例えば、締結作業等)を両手で行うことができる。また、第2コネクタ200は、仮固定部F1を介して第1コネクタ100に仮保持されることで、組み付け時に第1コネクタ100から外れることを防止することができる。したがって、本発明のコネクタ1、及び、ワイヤハーネスWHは、第1コネクタ100、及び、第2コネクタ200に設けられた仮固定部F1によって、作業者の負担を軽減し、作業効率を向上させることができ、接続対象Cに対する組み付け性を向上させることができる。
【0057】
さらに、以上で説明したコネクタ1は、第1コネクタ100と第2コネクタ200との嵌合状態を検出するインターロック部Rを有し、インターロック部Rは、第1コネクタ100に設けられる第1インターロック部120と、第2コネクタ200に設けられる第2インターロック部420とを含んで構成される。また、第1コネクタ100は、第2コネクタ200との嵌合方向Zと交差する第1幅方向Yに沿って、接続対象Cと電気的に接続される第1導電部材110が一対で設けられ、かつ、一対の前記第1導電部材110の間に前記第1インターロック部120が設けられる。また、第2コネクタ200は、第1幅方向Yに沿って、第1導電部材110と電気的に接続される第2導電部材310が一対で設けられ、かつ、第2導電部材310の間に第2インターロック部420が設けられる。また、第1コネクタ100に設けられる係止部135、及び、第2コネクタ200に設けられる被係止部324は、第1幅方向Yと交差する第2幅方向Xにおいて、インターロック部Rと対向する位置に設けられる。このような構成によれば、コネクタ1は、インターロック部Rと対向する位置に仮固定部F1が設けられることで、コネクタの内部スペースを有効活用することができる。特に、コネクタ1が大電流に対応したコネクタであった場合、当該コネクタに収容される導電部材の間隔を広げる必要がある。そのため、コネクタ1の内部には多くのデッドスペースが生まれる可能性がある。しかし、コネクタ1は、内部に収容される一対の導電部材(第1導電部材110、第2導電部材310)を挟むように、インターロック部R(第1インターロック部120、第2インターロック部420)を収容する空間部と仮固定部F1とを設けることで、体格が大きくなることを抑制しつつ、多くの機能を搭載することができる。したがって、本発明のコネクタ1は、大型化を抑制しつつ、接続対象Cに対する組み付け性を向上させることができる。
【0058】
さらに、以上で説明したコネクタ1に適用される係止部135は、第1コネクタ100と第2コネクタ200との嵌合方向Zに沿って片持ち状に延在し、先端部に設けられる爪部135fを含んで構成される。また、被係止部324は、嵌合方向Zに沿って延在し、当該嵌合方向Zに開口する開口部324pと、開口部324pから係止部135が挿入された状態で当該係止部135の爪部135fと対向して位置する引掛部324fとを含んで構成される。また、仮固定部F1は、第2コネクタ200が本固定部F2を介して接続対象Cに本固定されている状態で、係止部135の爪部135fと被係止部324の引掛部324fとが離間し、係止部135と被係止部324との間の係止関係が解消される。このような構成によれば、仮固定部F1は、第1コネクタ100側の爪部135fが第2コネクタ200側の引掛部324fを係止することで、係止部135が被係止部324を係止する力をより大きくすることができる。そのため、本発明のコネクタ1は、第1コネクタ100に第2コネクタ200をより確実に仮保持させることができる。また、仮固定部F1は、第2コネクタ200が接続対象Cに本固定された際に係止部135と被係止部324との間の係止関係を解消することで、振動が発生した際に爪部135fが引掛部324fに当たることで異音が発生することを抑制することができる。そのため、本発明のコネクタ1は、爪部135fが引掛部324fに当たることで、互いに削れることを抑制することができる。
【0059】
なお、上述した本発明の実施形態に係るコネクタ1、及び、ワイヤハーネスWHは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0060】
例えば、仮固定部の形状や位置は、特に限定されない。また、仮固定部の個数は、特に限定されない。
【0061】
また、仮固定部は、第2コネクタが接続対象に本固定された状態においても係止関係が持続する構成であってもよい。
【0062】
また、コネクタの組付動作において、第1コネクタ側を鉛直方向上側、第2コネクタ側を鉛直方向下側として説明したが、第1コネクタと第2コネクタの位置関係は特に限定されない。第1コネクタと第2コネクタとの嵌合方向を鉛直方向として説明したが、当該嵌合方向の方向は、特に限定されない。
【0063】
本実施形態に係るコネクタ、及び、ワイヤハーネスは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 コネクタ
100 第1コネクタ
110 第1導電部材
120 第1インターロック部
135 係止部
135f 爪部
200 第2コネクタ
300 第2コネクタのコネクタ本体
310 第2導電部材
324 被係止部
324f 引掛部
324p 開口部
400 第2コネクタのカバー部材
420 第2インターロック部
C 接続対象
F1 仮固定部
F2 本固定部
R インターロック部
W 配索材
WH ワイヤハーネス
X 第2幅方向
Y 第1幅方向
Z 嵌合方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12