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特開2024-170890情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170890
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241204BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20241204BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/01 510
H04N5/64 511A
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087644
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】517177187
【氏名又は名称】株式会社アイガー
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】木田 裕士
(72)【発明者】
【氏名】稲田 峻一
【テーマコード(参考)】
2H199
5E555
【Fターム(参考)】
2H199CA04
2H199CA12
2H199CA71
2H199CA88
2H199CA91
5E555AA27
5E555AA76
5E555BA02
5E555BA06
5E555BA38
5E555BB02
5E555BB06
5E555BB38
5E555BC04
5E555BE17
5E555CA18
5E555CB72
5E555DA08
5E555DA23
5E555DA24
5E555DB53
5E555DC19
5E555DC43
5E555DC63
5E555DC84
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザに対し仮想空間内の重力を再現してVR酔いを防止することが可能な技術を提供すること。
【解決手段】情報処理システムは、仮想空間Sに作られた世界であるメタバース等でのVR体験を行う際に、ヘッドマウントディスプレイ3を使用して、制御装置から送信された視覚情報J1にて視覚的な体験を再現する。また、情報処理システムは、視覚的な体験の再現に加え、頭部装着装置2を使用して、制御装置から送信された体感・感覚情報J2にて、ユーザUの頭部への、仮想空間S内の重力を再現する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが視認可能なように仮想空間を表示させるヘッドマウントディスプレイと、
当該ユーザに装着されて当該仮想空間内の重力を再現する頭部装着装置と、
前記ヘッドマウントディスプレイ及び前記頭部装着装置を制御する制御装置と、
を有する情報処理システムにおいて、
前記頭部装着装置は、移動可能な錘が1以上配置されており、
前記制御装置は、前記ヘッドマウントディスプレイに表示させている前記仮想空間内の状態の変化に応じて1以上の前記錘の位置を移動させる制御を実行することで、前記ユーザの頭部に対して前記仮想空間内の重力を再現する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記仮想空間内の所定オブジェクトの所定視点から見た様子を示す3D画像を生成する画像生成手段と、
前記3D画像を前記ヘッドマウントディスプレイの表示部に表示させる制御を実行する表示制御手段と、
前記3D画像に基づいて、前記仮想空間内の所定オブジェクトに働く重力を検出する重力検出手段と、
検出された前記重力の変化に応じて前記1以上の前記錘の移動位置の夫々を特定し、前記1以上の前記錘を夫々の前記移動位置に移動させる制御を実行する錘移動制御手段と、
を備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記頭部装着装置は、前記1以上の錘として、
頭部に装着された前記ユーザの視線方向と略平行方向に対して、相対的に移動する第1の錘と、
頭部に装着された前記ユーザの前記視線方向と略直角方向に対して、相対的に移動する第2の錘と、
を有する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
ユーザが視認可能なように仮想空間を表示させるヘッドマウントディスプレイと、
当該ユーザに装着されて、1以上の錘の夫々が移動することで当該仮想空間内の重力を再現する頭部装着装置と、
前記ヘッドマウントディスプレイ及び前記頭部装着装置を制御する制御装置と、
を有する情報処理システムにおける、前記制御装置が実行する情報処理方法において、
前記ヘッドマウントディスプレイに表示させている前記仮想空間内の状態の変化に応じて1以上の前記錘の位置を移動させる制御を実行することで、前記ユーザの頭部に対して前記仮想空間内の重力を再現する重力再現ステップ、
を含む情報処理方法。
【請求項5】
ユーザが視認可能なように仮想空間を表示させるヘッドマウントディスプレイと、
当該ユーザに装着されて、1以上の錘の夫々が移動することで当該仮想空間内の重力を再現する頭部装着装置と、
前記ヘッドマウントディスプレイ及び前記頭部装着装置を制御する制御装置と、
を有する情報処理システムにおける、前記制御装置を制御するコンピュータに、
前記ヘッドマウントディスプレイに表示させている前記仮想空間内の状態の変化に応じて1以上の前記錘の位置を移動させる制御を実行することで、前記ユーザの頭部に対して前記仮想空間内の重力を再現する重力再現ステップ、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザのVR酔いの検出に応じてコンテンツ内容を変更するシステムとしては、下記特許文献1に開示された技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-339490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術を含め従来の技術では、仮想空間内の状態の変化に応じてユーザに対し仮想空間内の重力を再現してVR酔いを防止することまではできていない状況であった。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、ユーザに対し仮想空間内の重力を再現してVR酔いを防止することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
ユーザが視認可能なように仮想空間を表示させるヘッドマウントディスプレイと、
当該ユーザに装着されて当該仮想空間内の重力を再現する頭部装着装置と、
前記ヘッドマウントディスプレイ及び前記頭部装着装置を制御する制御装置と、
を有する情報処理システムにおいて、
前記頭部装着装置は、移動可能な錘が1以上配置されており、
前記制御装置は、前記ヘッドマウントディスプレイに表示させている前記仮想空間内の状態の変化に応じて1以上の前記錘の位置を移動させる制御を実行することで、前記ユーザの頭部に対して前記仮想空間内の重力を再現する。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、本発明の一態様の情報処理システムに対応する方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザに対して仮想空間内の重力を再現することができ、以てVR酔いを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理システムの一実施形態の適用により可能となる、仮想空間内の重力の再現に関しての概要を説明する図である。
図2】本発明の情報処理システムの一実施形態の適用により可能となる、仮想空間内の重力の再現に関し、ユーザの頭部に対して仮想空間内の重力を再現する一例を説明する図である。
図3】本発明の情報処理システムの一実施形態の構成例を示すブロック図である。
図4図3の情報処理システムのうち制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5図4のハードウェア構成を有する制御装置の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、発明の情報処理システムの一実施形態の適用により可能となる、仮想空間内の重力の再現に関しての概要を説明する。
図1は、本発明の情報処理システムの一実施形態の適用により可能となる、仮想空間内の重力の再現に関しての概要を説明する図である。
【0012】
本実施形態の情報処理システムは、仮想空間Sに作られた世界であるメタバース等でのVR(Virtual Reality)体験を行う際に、ヘッドマウントディスプレイ3を使用して、制御装置1(図3を参照しながら後述する)から送信された視覚情報J1にて視覚的な体験を再現する。
【0013】
また、情報処理システムは、上記視覚的な体験の再現に加え、頭部装着装置2を使用して、制御装置1から送信された体感・感覚情報J2にて、ユーザUの頭部への、仮想空間S内の重力(以下、仮想空間内重力と呼ぶ)を再現する。
【0014】
従って、本実施形態の情報処理システムによれば、制御装置1から頭部装着装置2に体感・感覚情報J2を送信することにより、ユーザUの頭部に対して仮想空間内重力を頭部装着装置2にて再現できることから、以てVR酔いを防止することができる。
【0015】
また、情報処理システムによれば、視覚だけでなく仮想空間内重力をユーザUが感じることができることから、更に没入感の高い体験を実現することができる。
【0016】
次に、図2を参照して、ユーザの頭部に対して仮想空間内の重力(仮想空間内重力)を再現することについて説明する。
図2は、本発明の情報処理システムの一実施形態の適用により可能となる、仮想空間内の重力の再現に関し、ユーザの頭部に対して仮想空間内の重力を再現する一例を説明する図である。なお、必要に応じて図1も参照する。
【0017】
ユーザUの頭部に装着される頭部装着装置2は、X軸方向に相対的に移動可能な錘21xを有するX軸方向錘移動部22xと、Y軸方向に相対的に移動可能な錘21yを有するY軸方向錘移動部22yとを備えて構成されている。
【0018】
なお、上記Y軸とは、図1に示すように、ユーザUの視線方向(ユーザUの前後方向)に略平行方向の軸であるものとする。また、上記X軸とは、ユーザUの視線方向に略直角方向(ユーザUの左右方向)の軸であるものとする。
【0019】
錘21xは、制御装置1(図3を参照しながら後述する)から送信された体感・感覚情報J2に基づき、略円弧状(半球状)のX軸方向錘移動部22xをX軸方向に相対的に移動する。
また、錘21yも錘21xと同様に制御装置1から送信された体感・感覚情報J2に基づき、略円弧状(半球状)のY軸方向錘移動部22yをY軸方向に相対的に移動する。
【0020】
従って、本実施形態の情報処理システムによれば、頭部装着装置2における錘21xのX軸方向の移動、及び、錘21yのY軸方向の移動を制御装置1にて制御することにより、ユーザUの頭部に対して仮想空間S内の仮想空間内重力を三次元的(3D的)に再現することができる。
【0021】
本実施形態の情報処理システムによれば、ユーザUの頭部に対して仮想空間内重力を感覚的に体感させることができる。
これにより、ユーザUは、VR酔いが防止されると共に、没入感の高い体験が得られるようになる。
【0022】
次に、図1及び図2のような、ユーザUの頭部に対して仮想空間内重力を感覚的に体感させることを可能とする情報処理システム、即ち、本発明の情報処理システムの一実施形態の構成例について説明する。
図3は、本発明の情報処理システムの一実施形態の構成例を示すブロック図である。
【0023】
本実施形態の情報処理システムは、例えば、図3に示すように、制御装置1と、頭部装着装置2と、ヘッドマウントディスプレイ3とが、Bluetooth(登録商標)等のネットワークNに接続されることで構成される。
なお、ネットワークNは、その形態は特に限定されず、Bluetooth(登録商標)の他、例えば、インターネットやWi-Fi(登録商標)等を採用してもよい。
【0024】
制御装置1は、頭部装着装置2及びヘッドマウントディスプレイ3を制御する情報処理装置である。
【0025】
頭部装着装置2は、上述のように、X軸方向に相対的に移動可能な錘21xを有するX軸方向錘移動部22xと、Y軸方向に相対的に移動可能な錘21yを有するY軸方向錘移動部22yとを備えて構成されている。
錘21xは、制御装置1から送信された体感・感覚情報J2(図1参照)に基づき、略円弧状(半球状)のX軸方向錘移動部22xをX軸方向に相対的に移動する。
また、錘21yも錘21xと同様に制御装置1から送信された体感・感覚情報J2(図1参照)に基づき、略円弧状(半球状)のY軸方向錘移動部22yをY軸方向に相対的に移動する。
【0026】
ヘッドマウントディスプレイ3は、ユーザUが視認可能なように仮想空間Sを表示させる装置である。
ヘッドマウントディスプレイ3は、特に符号を付さないが、ヘッドマウントディスプレイ本体と、ユーザUに装着された際にヘッドマウントディスプレイ本体を保持する例えばバンド部とを備えて構成されている。
【0027】
ヘッドマウントディスプレイ本体は、後述する3D画像が表示される表示部と、3D画像に合わせた音声が出力される音声出力部とを有している。
ヘッドマウントディスプレイ3は、ヘッドマウントディスプレイ本体が制御装置1により制御される。
【0028】
図4は、図3に示す情報処理システムのうち制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0030】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0031】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0032】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、Bluetooth(登録商標)を含むネットワークNを介して他の装置(例えば図3の頭部装着装置2及びヘッドマウントディスプレイ3)との間で通信を行う。
【0033】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0034】
なお、図示はしないが、図3の頭部装着装置2及びヘッドマウントディスプレイ3も、図4に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、頭部装着装置2及びヘッドマウントディスプレイ3のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0035】
このような図4の制御装置1を含む図3の情報処理システムを構成する各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、図1及び図2の、ユーザUの頭部に対して仮想空間内重力を感覚的に体感させることを実現するための各種制御を実現することができる。
【0036】
図5は、図4のハードウェア構成を有する制御装置の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0037】
図5に示すように、制御装置1のCPU11においては、画像生成部51と、表示制御部52と、重力検出部53と、錘制御部54とが機能する。
【0038】
画像生成部51は、仮想空間S内の所定オブジェクトの所定視点から見た様子を示す3D画像(三次元画像)を生成する。
【0039】
表示制御部52は、画像生成部51で生成された3D画像をヘッドマウントディスプレイ3の表示部に表示させる制御を実行する。
具体的に、表示制御部52は、視覚情報J1を生成し、通信部19を介して視覚情報J1をヘッドマウントディスプレイ3に送信する。
【0040】
重力検出部53は、画像生成部51で生成された3D画像に基づいて、仮想空間S内の所定オブジェクトに働く重力(仮想空間内重力)を検出する。
【0041】
錘制御部54は、重力検出部53で検出された仮想空間内重力の変化に応じて錘21x及び錘21yの移動位置の夫々を特定し、錘21x及び錘21yを夫々の移動位置に移動させる制御を実行する。
具体的に、錘制御部54は、体感・感覚情報J2を生成し、通信部19を介して体感・感覚情報J2を頭部装着装置2に送信する。
【0042】
制御装置1は、ヘッドマウントディスプレイ3に表示させている仮想空間S内の状態の変化に応じて錘21x及び錘21yの位置を移動させる制御を実行することで、ユーザUの頭部に対して仮想空間S内の所定オブジェクトに働く重力を再現することができる。
即ち、ユーザUの頭部に対して仮想空間内重力を三次元的(3D的)に再現することができる。
【0043】
制御装置1は、頭部装着装置2に体感・感覚情報J2を送信することで、頭部装着装置2がユーザUの頭部に対して仮想空間内重力を感覚的に体感させることができる。
これにより、ユーザUは、VR酔いが防止されると共に、没入感の高い体験が得られるようになる。
【0044】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0045】
例えば、上述の実施形態では、頭部装着装置2と、ヘッドマウントディスプレイ3とを夫々分けて図示し、ユーザUが使用する際には、これら頭部装着装置2と、ヘッドマウントディスプレイ3とを組み合わせるようにしていたが、この限りでないものとする。
即ち、頭部装着装置2と、ヘッドマウントディスプレイ3とを一体化して一つの装置としてもよいものとする。
【0046】
また、例えば、上述の実施形態では、制御装置1が頭部装着装置2及びヘッドマウントディスプレイ3に対し別体であって、Bluetooth(登録商標)等のネットワークNを介して頭部装着装置2及びヘッドマウントディスプレイ3に接続されるような状態であったが、この限りでないものとする。
即ち、ヘッドマウントディスプレイ3におけるヘッドマウントディスプレイ本体の筐体内に設けられたり、頭部装着装置2におけるX軸方向錘移動部22x及び/又はY軸方向錘移動部22yに設けられたりして、制御装置1が一体化するような状態であってもよいものとする。
この他、制御装置1は、所謂クラウド上のサーバとして設けられていてもよいものとする。
【0047】
上述の実施形態の情報処理システムにおけるヘッドマウントディスプレイ3は、例えば、家庭用のものとして用いることができる。また、頭部装着装置2は、例えば、家庭用のヘッドマウントディスプレイ3のオプションパーツとして装着することもできる。この場合、ゲームや映像体験を拡張することができる。
【0048】
上述の実施形態の情報処理システムは、例えば、映画館等での3D上映に加えて「体感上映」を行うこともできる。
【0049】
また、例えば、上述の実施形態では、錘が錘21x及び錘21yの二つであったが、この限りでないものとする。
即ち、例えば、X軸方向錘移動部22xに二つ、Y軸方向錘移動部22yに二つの合計四つであってもよいものとする。
【0050】
また、例えば、上述の実施形態では、X軸方向錘移動部22xと、Y軸方向錘移動部22yとが、直交するように配置されていたが、この限りでないものとする。
即ち、例えば、X軸方向錘移動部22x及びY軸方向錘移動部22yと同様の錘移動部を更に二つ増やして、頭部周方向に45度間隔で配置し、これによりバリエーションを持たせるようにしてもよいものとする。
或いは、ユーザUの頭部周方向にのびるように錘移動部を増やしてバリエーションを更に増やしてもよいものとする。
【0051】
また、図3に示すシステム構成、及び図4に示す制御装置1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されないものとする。
【0052】
また、図5に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されないものとする。即ち、上述した各種処理を全体として実行できる機能が図3の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に図5の例に限定されないものとする。
【0053】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図5に限定されず、任意でよいものとする。
例えば制御装置1側に配置された機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、頭部装着装置2、ヘッドマウントディスプレイ3、又は図示せぬ他の情報処理装置が備える構成としてもよいものとする。
【0054】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできるものとする。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよいものとする。
【0055】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよいものとする。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよいものとする。
【0056】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0057】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0058】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理システムは、
ユーザ(例えば図1のユーザU)が視認可能なように仮想空間(例えば図1の仮想空間S等)を表示させるヘッドマウントディスプレイ(例えば図1のヘッドマウントディスプレイ3)と、
当該ユーザに装着されて当該仮想空間内の重力を再現する頭部装着装置(例えば図1の頭部装着装置2)と、
前記ヘッドマウントディスプレイ及び前記頭部装着装置を制御する制御装置(例えば図3の制御装置1等)と、
を有する情報処理システム(例えば図3に示す情報処理システム)において、
前記頭部装着装置は、移動可能な錘(例えば図1の錘21x及び錘21y等)が1以上配置されており、
前記制御装置は、前記ヘッドマウントディスプレイに表示させている前記仮想空間内の状態の変化に応じて1以上の前記錘の位置を移動させる制御(例えば図5の錘制御部54による制御等)を実行することで、前記ユーザの頭部に対して前記仮想空間内の重力(例えば図1を参照しながら説明した仮想空間内重力)を再現すれば足りる。
【0059】
このように、本発明が適用される情報処理システムは、頭部装着装置に、移動可能な錘が1以上配置されると共に、制御装置が、ヘッドマウントディスプレイに表示させている仮想空間内の状態の変化に応じて1以上の錘の位置を移動させる制御を実行して、ユーザの頭部に対して仮想空間内の重力を再現する。
従って、情報処理システムによれば、ユーザの頭部に対して仮想空間内の重力を再現することができ、以てVR酔いを防止することができるという効果を奏することができる。
また、情報処理システムによれば、ユーザの頭部に対して仮想空間内の重力を再現することから、ユーザに対し没入感の高い体験が得られるようにすることができるという効果を奏することもできる。
【0060】
前記制御装置は、
前記仮想空間内の所定オブジェクトの所定視点から見た様子を示す3D画像を生成する画像生成手段(例えば図5の画像生成部51)と、
前記3D画像を前記ヘッドマウントディスプレイの表示部に表示させる制御を実行する表示制御手段(例えば図5の表示制御部52)と、
前記3D画像に基づいて、前記仮想空間内の所定オブジェクトに働く重力を検出する重力検出手段(例えば図5の重力検出部53)と、
検出された前記重力の変化に応じて前記1以上の前記錘の移動位置の夫々を特定し、前記1以上の前記錘を夫々の前記移動位置に移動させる制御を実行する錘移動制御手段(例えば図5の錘制御部54)と、
を備えることができる。
【0061】
これにより、仮想空間内の所定オブジェクトの所定視点から見た様子を示す3D画像を生成することができる。また、生成された3D画像をヘッドマウントディスプレイの表示部に表示させる制御を実行することができる。また、生成された3D画像に基づいて、仮想空間内の所定オブジェクトに働く重力を検出することができる。また、検出された重力の変化に応じて1以上の錘の移動位置の夫々を特定し、その1以上の錘を夫々の移動位置に移動させる制御を実行することができる。
【0062】
前記頭部装着装置は、前記1以上の錘として、
頭部に装着された前記ユーザの視線方向と略平行方向(例えば図1のY軸方向)に対して、相対的に移動する第1の錘(例えば図1の錘21y)と、
頭部に装着された前記ユーザの前記視線方向と略直角方向(例えば図1のX軸方向)に対して、相対的に移動する第2の錘(例えば図1の錘21x)と、
を有することができる。
【0063】
情報処理システムによれば、相対的に移動する第1の錘と、同じく相対的に移動する第2の錘とにより、ユーザの頭部に対して仮想空間内の重力を再現することができる。
【符号の説明】
【0064】
1・・・制御装置、2・・・頭部装着装置、3・・・ヘッドマウントディスプレイ、11・・・CPU、19・・・通信部、21x・・・錘、錘21y・・・錘、22x・・・X軸方向錘移動部、22y・・・Y軸方向錘移動部、51・・・画像生成部、52・・・表示制御部、53・・・重力検出部、54・・・錘制御部、S・・・仮想空間
図1
図2
図3
図4
図5