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特開2024-170900空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170900
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/79 20180101AFI20241204BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20241204BHJP
   F24F 8/30 20210101ALI20241204BHJP
   F24F 8/40 20210101ALI20241204BHJP
   F24F 8/15 20210101ALI20241204BHJP
   F24F 120/12 20180101ALN20241204BHJP
【FI】
F24F11/79
F24F11/74
F24F8/30
F24F8/40
F24F8/15
F24F120:12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087657
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】山崎 健輝
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA09
3L260CA03
3L260CB70
3L260EA08
3L260EA09
3L260FC25
(57)【要約】
【課題】制御空間内の臭いを除去することができる、空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体を提供する。
【解決手段】空気調和機は、送風部とセンサと制御部とを含む。送風部は、空気調和機の空調制御の対象とする、且つ、複数の領域に分割された制御空間に、脱臭空気を送風するように構成されている。センサは、複数の領域ごとに生物がいるか否かを検出するように構成されている。制御部は、脱臭制御を実行するときに、以下の制御を行うように構成されている。すなわち、制御部は、制御空間における生物の過去の在否情報を取得する。制御部は、過去の在否情報に基づいて、複数の領域から少なくとも1つの目標領域を決定する。制御部は、脱臭空気を目標領域に向かって送風するように送風部を制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機であって、
前記空気調和機の空調制御の対象とする、且つ、複数の領域に分割された制御空間に、脱臭空気を送風するように構成された送風部と、
前記複数の領域ごとに生物がいるか否かを検出するように構成されたセンサと、
制御部であって、脱臭制御を実行するときに、
前記制御空間における前記生物の過去の在否情報を取得し、
前記過去の在否情報に基づいて、前記複数の領域から少なくとも1つの目標領域を決定し、
前記脱臭空気を前記目標領域に向かって送風するように前記送風部を制御する
ように構成された、前記制御部と、
を含む、
空気調和機。
【請求項2】
前記過去の在否情報は、前記複数の領域ごとに前記生物がいたか否かを表す情報の履歴データである、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記履歴データは、前記複数の領域にそれぞれに対応する複数の第1累積値を含み、
前記複数の第1累積値のそれぞれは、第1期間にわたって対応する領域に前記生物がいた回数をカウントした値であり、
前記制御部は、
前記複数の第1累積値に基づいて、前記複数の領域から少なくとも1つの第1領域を選択し、前記第1領域から前記目標領域を決定する
ようにさらに構成されている、
請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記履歴データは、前記複数の領域にそれぞれに対応する複数の第2累積値をさらに含み、
前記複数の第2累積値のそれぞれは、前記第1期間よりも短い第2期間にわたって対応する領域に前記生物がいた回数をカウントした値であり、
前記制御部は、
前記第1領域が複数存在する場合、前記複数の第2累積値に基づいて、前記複数の第1領域から少なくとも1つの第2領域を選択し、前記第2領域から前記目標領域を決定する
ようにさらに構成されている、
請求項3に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記履歴データは、前記複数の領域にそれぞれに対応する第3累積値をさらに含み、
前記複数の第3累積値のそれぞれは、前記第2期間よりも短い第3期間にわたって対応する領域に前記生物がいた回数をカウントした値であり、
前記制御部は、
前記第2領域が複数存在する場合、前記複数の第3累積値に基づいて、前記複数の第2領域から少なくとも1つの第3領域を選択し、前記第3領域から前記目標領域を決定する
ようにさらに構成されている、
請求項4に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第3領域が複数存在する場合、前記複数の領域のすべてを前記目標領域として決定する
ようにさらに構成されている、
請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記第1領域は、前記複数の領域のうち、最も大きい第1累積値が対応する領域である、
請求項3に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記センサは、赤外線センサ、電波センサ、およびカメラの少なくとも1つを含み、
前記生物は、前記空気調和機のユーザまたは前記ユーザのペットである、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記脱臭空気は、イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミストの少なくとも1つを含み、
前記空気調和機は、イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミストの少なくとも1つを生成するように構成された生成部をさらに含む、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項10】
送風部を有する空気調和機の制御方法であって、前記送風部は、前記空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に送風するように構成されており、前記制御空間は複数の領域に分割され、
前記制御方法は、
前記制御空間における生物の過去の在否情報を取得するステップと、
前記過去の在否情報に基づいて、前記複数の領域から少なくとも1つの目標領域を決定するステップと、
脱臭空気を前記目標領域に向かって送風するように前記送風部を制御するステップと、
を含む、
制御方法。
【請求項11】
前記過去の在否情報は、前記領域複数のごとに前記生物がいたか否かを表す情報の履歴データである、
請求項10に記載の制御方法。
【請求項12】
前記履歴データは、前記複数の領域にそれぞれに対応する第1累積値を含み、
前記複数の第1累積値のそれぞれは、第1期間にわたって対応する領域に前記生物がいた回数をカウントした値であり、
前記目標領域を決定するステップにおいては、
前記複数の第1累積値に基づいて、前記複数の領域から少なくとも1つの第1領域を選択し、前記第1領域から前記目標領域を決定する
請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
前記履歴データは、前記複数の領域にそれぞれに対応する第2累積値をさらに含み、
前記複数の第2累積値のそれぞれは、前記第1期間よりも短い第2期間にわたって対応する領域に前記生物がいた回数をカウントした値であり、
前記目標領域を決定するステップにおいては、
前記第1領域が複数存在する場合、前記複数の第2累積値に基づいて、前記複数の第1領域から少なくとも1つの第2領域を選択し、前記第2領域から前記目標領域を決定する
請求項12に記載の制御方法。
【請求項14】
前記履歴データは、前記複数の領域にそれぞれに対応する第3累積値をさらに含み、
前記第3累積値は、前記第2期間よりも短い第3期間にわたって対応する領域に前記生物がいた回数をカウントした値であり、
前記目標領域を決定するステップにおいては、
前記第2領域が複数存在する場合、前記複数の第3累積値に基づいて、前記複数の第2領域から少なくとも1つの第3領域を選択し、前記第3領域から前記目標領域を決定する
請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
前記目標領域を決定するステップにおいては、
前記第3領域が複数存在する場合、前記複数の領域のすべてを前記目標領域として決定する、
請求項14に記載の制御方法。
【請求項16】
前記第1領域は、前記複数の領域のうち、最も大きい第1累積値が対応する領域である、
請求項11に記載の制御方法。
【請求項17】
前記在否情報は、赤外線センサ、電波センサ、およびカメラの少なくとも1つによって取得され、
前記生物は、前記空気調和機のユーザまたは前記ユーザのペットである、
請求項10に記載の制御方法。
【請求項18】
前記脱臭空気は、イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミストの少なくとも1つを含み、
前記制御方法は、
イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミストの少なくとも1つを生成するステップ
をさらに含む、
請求項10に記載の制御方法。
【請求項19】
請求項10~18のいずれか1つに記載の制御方法を空気調和機に実行させる、プログラム。
【請求項20】
コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項10~18のいずれか1つに記載の制御方法が実現される、
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、室内空間における臭いを除去することのできる空気調和装置が開示されている。例えば、当該空気調和機は、制御対象となる室内空間の全体を対象にして、静電ミストを発生させ、静電ミストで室内の臭いを除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2022-051170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の空気調和機は、室内の臭いを効率的に除去するという点について改善する余地がある。
【0005】
本開示の目的は、制御空間内の臭いを効率的に除去することができる、空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決するために、本開示は、空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体を提供するものである。
【0007】
本開示に係る一態様の空気調和機は、送風部とセンサと制御部とを含む。送風部は、空気調和機の空調制御の対象とする、且つ、複数の領域に分割された制御空間に、脱臭空気を送風するように構成されている。センサは、複数の領域ごとに生物がいるか否かを検出するように構成されている。制御部は、脱臭制御を実行するときに、以下の制御を行うように構成されている。すなわち、制御部は、制御空間における生物の過去の在否情報を取得する。制御部は、過去の在否情報に基づいて、複数の領域から少なくとも1つの目標領域を決定する。制御部は、脱臭空気を目標領域に向かって送風するように送風部を制御する。
【0008】
また、本開示に係る他の態様の制御方法は、送風部を有する空気調和機の制御方法である。送風部は、空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に送風するように構成されている。制御空間は複数の領域に分割される。制御方法は、制御空間における生物の過去の在否情報を取得するステップと、過去の在否情報に基づいて、複数の領域から少なくとも1つの目標領域を決定するステップと、脱臭空気を目標領域に向かって送風するように送風部を制御するステップと、を含む。
【0009】
また、本開示に係る他の態様プログラムは、上述した制御方法を、空気調和機に実行させる。
【0010】
また、本開示に係る他の態様の記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、上述した制御方法が実現される。
【発明の効果】
【0011】
本開示において、空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体によれば、制御空間内の臭いを効率的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1における空気調和機の一例のブロック図
図2A】制御空間の領域の一例
図2B】制御空間の領域の一例
図2C】制御空間の領域の一例
図2D】制御空間の領域の一例
図2E】制御空間の領域の一例
図3】実施の形態1に係る制御方法のフローチャート
図4】実施の形態1に係るステップS200の一例
図5】実施の形態1に係る第1累積値の一例
図6】実施の形態1に係る目標領域の一例
図7】実施の形態2に係るステップS200の一例
図8】実施の形態2に係る第1累積値および第2累積値の一例
図9】実施の形態2に係る目標領域の一例
図10】実施の形態3に係るステップS200の一例
図11】実施の形態3に係る第1累積値、第2累積値および第3累積値の一例
図12】実施の形態3に係る第2累積値および第3累積値のもう一例
図13】実施の形態3に係るステップS200のもう一例
図14】実施の形態4における空気調和機の一例のブロック図
図15】実施の形態4に係る制御方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
先ず始めに、空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体の各種態様について説明する。
【0014】
本開示に係る第1の態様の空気調和機は、送風部とセンサと制御部とを含む。送風部は、空気調和機の空調制御の対象とする、且つ、複数の領域に分割された制御空間に、脱臭空気を送風するように構成されている。センサは、複数の領域ごとに生物がいるか否かを検出するように構成されている。制御部は、脱臭制御を実行するときに、以下の制御を行うように構成されている。すなわち、制御部は、制御空間における生物の過去の在否情報を取得する。制御部は、過去の在否情報に基づいて、複数の領域から少なくとも1つの目標領域を決定する。制御部は、脱臭空気を目標領域に向かって送風するように送風部を制御する。
【0015】
本開示に係る第2の態様の空気調和機において、第1の態様において、過去の在否情報は、複数の領域ごとに生物がいたか否かを表す情報の履歴データであってもよい。
【0016】
本開示に係る第3の態様の空気調和機において、第2の態様において、記履歴データは、複数の領域にそれぞれに対応する複数の第1累積値を含んでもよい。複数の第1累積値のそれぞれは、第1期間にわたって対応する領域に生物がいた回数をカウントした値であってもよい。制御部は、複数の第1累積値に基づいて、複数の領域から少なくとも1つの第1領域を選択し、第1領域から目標領域を決定するようにさらに構成され得る。
【0017】
本開示に係る第4の態様の空気調和機において、第3の態様において、履歴データは、複数の領域にそれぞれに対応する複数の第2累積値をさらに含んでもよい。複数の第2累積値のそれぞれは、第1期間よりも短い第2期間にわたって対応する領域に生物がいた回数をカウントした値であってもよい。制御部は、第1領域が複数存在する場合、複数の第2累積値に基づいて、複数の第1領域から少なくとも1つの第2領域を選択し、第2領域から目標領域を決定するようにさらに構成され得る。
【0018】
本開示に係る第5の態様の空気調和機において、第4の態様において、履歴データは、複数の領域にそれぞれに対応する第3累積値をさらに含んでもよい。複数の第3累積値のそれぞれは、第2期間よりも短い第3期間にわたって対応する領域に生物がいた回数をカウントした値であってもよい。制御部は、第2領域が複数存在する場合、複数の第3累積値に基づいて、複数の第2領域から少なくとも1つの第3領域を選択し、第3領域から目標領域を決定するようにさらに構成され得る。
【0019】
本開示に係る第6の態様の空気調和機において、第5の態様において、制御部は、第3領域が複数存在する場合、複数の領域のすべてを目標領域として決定するようにさらに構成され得る。
【0020】
本開示に係る第7の態様の空気調和機において、第3の態様において、第1領域は、複数の領域のうち、最も大きい第1累積値が対応する領域であってもよい。
【0021】
本開示に係る第8の態様の空気調和機において、第1の態様において、センサは、赤外線センサ、電波センサ、およびカメラの少なくとも1つを含んでもよい。生物は、空気調和機のユーザまたはユーザのペットであってもよい。
【0022】
本開示に係る第9の態様の空気調和機において、第1の態様において、脱臭空気は、イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミストの少なくとも1つを含んでもよい。空気調和機は、イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミストの少なくとも1つを生成するように構成された生成部をさらに含んでもよい。
【0023】
本開示に係る第10の態様の制御方法は、送風部を有する空気調和機の制御方法である。送風部は、空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に送風するように構成されている。制御空間は複数の領域に分割される。制御方法は、制御空間における生物の過去の在否情報を取得するステップと、過去の在否情報に基づいて、複数の領域から少なくとも1つの目標領域を決定するステップと、脱臭空気を目標領域に向かって送風するように送風部を制御するステップと、を含む。
【0024】
本開示に係る第11の態様の制御方法において、第10の態様において、過去の在否情報は、領域複数のごとに生物がいたか否かを表す情報の履歴データであってもよい。
【0025】
本開示に係る第12の態様の制御方法において、第11の態様において、履歴データは、複数の領域にそれぞれに対応する第1累積値を含んでもよい。複数の第1累積値のそれぞれは、第1期間にわたって対応する領域に生物がいた回数をカウントした値であってもよい。目標領域を決定するステップにおいては、複数の第1累積値に基づいて、複数の領域から少なくとも1つの第1領域を選択し、第1領域から目標領域を決定してもよい。
【0026】
本開示に係る第13の態様の制御方法において、第12の態様において、履歴データは、複数の領域にそれぞれに対応する第2累積値をさらに含んでもよい。複数の第2累積値のそれぞれは、第1期間よりも短い第2期間にわたって対応する領域に生物がいた回数をカウントした値であってもよい。目標領域を決定するステップにおいては、第1領域が複数存在する場合、複数の第2累積値に基づいて、複数の第1領域から少なくとも1つの第2領域を選択し、第2領域から目標領域を決定してもよい。
【0027】
本開示に係る第14の態様の制御方法において、第13の態様において、履歴データは、複数の領域にそれぞれに対応する第3累積値をさらに含んでもよい。第3累積値は、第2期間よりも短い第3期間にわたって対応する領域に生物がいた回数をカウントした値であってもよい。目標領域を決定するステップにおいては、第2領域が複数存在する場合、複数の第3累積値に基づいて、複数の第2領域から少なくとも1つの第3領域を選択し、第3領域から目標領域を決定してもよい。
【0028】
本開示に係る第15の態様の制御方法において、第14の態様において、目標領域を決定するステップにおいては、第3領域が複数存在する場合、複数の領域のすべてを目標領域として決定してもよい。
【0029】
本開示に係る第16の態様の制御方法において、第11の態様において、第1領域は、複数の領域のうち、最も大きい第1累積値が対応する領域であってもよい。
【0030】
本開示に係る第17の態様の制御方法において、第10の態様において、在否情報は、赤外線センサ、電波センサ、およびカメラの少なくとも1つによって取得され得る。生物は、空気調和機のユーザまたはユーザのペットであってもよい。
【0031】
本開示に係る第18の態様の制御方法において、第10の態様において、脱臭空気は、イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミストの少なくとも1つを含んでもよい。制御方法は、イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミストの少なくとも1つを生成するステップをさらに含んでもよい。
【0032】
本開示に係る第19の態様のプログラムは、第10~18の態様における制御方法を、空気調和機に実行させる。
【0033】
本開示に係る第20の態様の記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、第10~18の態様における制御方法が実現される。
【0034】
《技術的概念》
本開示に係る空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体の具体的な実施の形態を説明する前に、まず、一例を用いて、本開示に記載の技術的概念を説明する。
【0035】
従来、空気調和機は、静電ミストなどの脱臭効果がある成分を、空気調和機の空調制御の対象とする制御空間の全体に満遍なく送風することによって、制御空間内の臭いを除去する。しかしながら、制御空間内の臭いを効率的に除去するという点で改善の余地がある。例えば、制御空間内の家具、床、カーベット、カータン、ソファ、布団などに付着している付着臭に対して、付着臭の臭気成分が制御空間のどこの場所にあるか分からないため、付着臭を効率よく脱臭する点で改善の余地がある。
【0036】
本開示の制御方法は、空気調和機の脱臭モードで実行可能である。当該制御方法の主な概念は、制御空間を複数の領域に分割し、制御空間において付着臭の臭気成分が存在する領域を推定し、当該領域に向かって脱臭空気を送風することにある。また、付着臭の元の1つとしては、制御空間にいるまたはいた生物と考えられる。例えば、生物由来の臭気成分、または生物に付着した臭気成分が当該生物の居場所または接触した家具に付着する可能性が高い。よって、本開示では、生物のいた場所が属する領域を、付着臭の臭気成分が存在する領域として推定し、当該領域を、脱臭空気を送風するための目標となる目標領域にする。
【0037】
一例として、空気調和機は室内機と室外機とを含み、室内機は送風部とセンサと制御部とを含む。送風部は、制御空間の全体または特定の少なくとも1つの領域に脱臭空気を送風する。センサは、制御空間内の複数の領域ごとに生物がいるか否かを検出する。制御部は、脱臭制御を実行するときに、制御空間における生物の過去の在否情報を取得して、過去の在否情報に基づいて、複数の領域から少なくとも1つの目標領域を決定する。そして、制御部は、脱臭空気を目標領域に向かって送風するように送風部を制御する。
【0038】
このように制御空間における生物の過去の在否情報によれば、付着臭の臭気成分が存在し得る目標領域を決定することができる。そして、目標領域に脱臭空気を送風すれば、目標領域に付着された付着臭などの臭いをより効率的に除去することができる。
【0039】
以下で説明する実施の形態のそれぞれは、本開示の一例を示すものである。以下の実施の形態のそれぞれにおいて示される数値、形状、構成、ステップ、およびステップの順序などは、一例を示すものであり、本開示を限定するものではない。以下の実施の形態1における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0040】
以下に述べる実施の形態のそれぞれにおいて、特定の要素に関しては変形例を示す場合があり、その他の要素に関しては任意の構成を適宜組み合わせることを含むものであり、組み合わされた構成においてはそれぞれの効果を奏するものである。実施の形態において、それぞれの変形例の構成をそれぞれ組み合わせることにより、それぞれの変形例における効果を奏するものとなる。
【0041】
以下の詳細な説明において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
【0042】
《実施の形態1》
以下、本開示に係る空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体の実施の形態1について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
図1は、実施の形態1における空気調和機の一例のブロック図である。空気調和機10は、室内機と室外機とを含んでもよい。室内機は、送風部11と、制御部12と、センサ13と、記憶部14と、通信部15とを含む。室外機は、圧縮機や熱交換器を含んでもよい。空気調和機10は、視覚的な情報をユーザに表示するためのディスプレイを含んでもよい。
【0044】
空気調和機10は通信部15を介して端末装置30および/またはサーバ20と接続可能である。例えば、後述するように、空気調和機10は、インターネットなどのネットワークを介して空気調和機10を関するサーバ20と接続してもよい。空気調和機10はネットワークを介して空気調和機10のユーザのスマートフォンである端末装置30と接続してもよい。空気調和機10は赤外線を介して空気調和機10のリモートコントローラである端末装置30と接続してもよい。また、空気調和機10は直接的にまたは間接的に外部情報源40と接続して、換気制御に必要な情報の一部を外部情報源40から取得してもよい。
【0045】
以下、各構成要素の概略を説明する。
【0046】
<空気調和機10>
空気調和機10は、例えば、家庭やオフィスにおける部屋の内部空間を空調制御の対象とする制御空間とし、当該制御空間の壁面または天井に設けられた室内機と、屋外、制御空間以外の中央空調室等に設けられた室外機とを有する。空気調和機10は、例えば、冷房機能、暖房機能、脱臭機能、除湿機能、加湿機能、換気機能および/または空気清浄機能を有する。これらの機能・運転モードが自由に組み合わせられ得る(例えば、冷房除湿機能、暖房加湿モード、脱臭モードなど)。
【0047】
<送風部11>
送風部11は、制御空間の全体または制御空間内の特定の少なくとも1つの領域に脱臭空気を送風する。一例として、送風部11は、クロスフローファンと、上下風向変更羽根と、左右風向変更羽根とを含む。クロスフローファンのモータの回転数を制御すると、脱臭空気の風量を制御することができる。上下風向変更羽根の角度(方向)を制御すれば、脱臭空気の風向を上下方向に制御することができる。左右風向変更羽根の角度(方向)を制御すれば、脱臭空気の風向を左右方向に制御することができる。このように、脱臭空気を特定の領域に向かって送風して、脱臭空気を特定の領域に送達することができる。
【0048】
<制御部12>
制御部12は、空気調和機10の少なくとも一部の機能の制御を司るコントローラである。制御部12は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPU、MPU、MCU、FPGA、DSP、ASICのような汎用プロセッサを含む。制御部12は、記憶部14に格納された制御プログラムを呼び出して実行することにより、空気調和機10における各種の制御を実現することができる。また、制御部12は記憶部14と協働して、記憶部14に記憶されたデータを読み取り/書き込みを行うことができる。制御部12は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
【0049】
制御部12は、通信部15を介して、サーバ20と通信することができる。同様に、制御部12は、通信部15を介して、ユーザによる様々な指令および設定値(例えば、空気調和機10の脱臭モードの起動指令、温度設定指令)を端末装置30から受信することができる。制御部12は、これらの設定値および様々なセンサ13から受信した検出値(例えば、制御空間内にユーザがいるか否か、室内温度、外気温度)などに基づいて、空気調和機10の冷房機能や暖房機能を発揮するように空気調和機10の各部品を制御する。また、制御部12は、後述する制御方法に基づいて、送風部11を制御する。
【0050】
<センサ13>
センサ13は、空気調和機10の機能を発揮するために空気調和機10の外部から様々な情報を取得するためのものである。特に、センサ13は、制御空間内の複数の領域ごとに生物がいるか否かを検出することができる。
【0051】
例えば、センサ13は、赤外線センサ、電波センサ、およびカメラの少なくとも1つを含んでもよい。制御空間内に存在し得る生物は、空気調和機のユーザまたはユーザのペットである。例えば、当該生物は、個人または家庭のユーザ、または、犬、猫、鳥、カメなどのペットであってもよい。センサ13が人感センサである場合、センサ13は、ユーザを検出可能であり、犬や猫などのペットも検出可能である。
【0052】
センサ13は、制御空間内にある生物の温度(体温)、活動量、占用体積等に基づいて、複数の領域ごとに生物がいるか否かを検出することができる。複数の領域ごとに検出するために、センサ13は複数のセンサを含んでもよい。例えば、センサ13は、複数の赤外線センサを含み、これらの赤外線センサは異なる方向にそれぞれに向くように設けられている。センサ13は、複数の領域ごとに、当該生物の存在時間や、存在頻度、存在確率をさらに検出してもよい。また、センサ13は、複数の領域ごとに生物がいるか否かさえ検出できれば、異なる種類のセンサを含んでもよい。
【0053】
センサ13は、空気調和機10が稼働中でなくても検出を行うことができる。すなわち、空気調和機10の停止中においても、センサ13が定期的にまたは指令に応じて、複数の領域ごとに生物がいるか否かを検出し、検出結果を記憶部14に記録することができる。よって、空気調和機10の停止中においても、制御部12は、検出結果を取得して、目標領域を決定することができる。また、制御部12は、検出結果に基づいて、空気調和機10を起動して脱臭制御を実行するか否かを自動的に判定することができる。
【0054】
図1の実施例において、センサ13は空気調和機10の本体に搭載されている。別の実施例において、センサ13は、空気調和機10の本体ではなく、例えば、他の家電、またはスマートホーム内外の任意箇所に搭載されてもよく、独立したセンサ装置であってもよい。空気調和機10は、制御方法を実行する際に、センサ13の搭載箇所に関わらず、制御に利用される情報をこれらのセンサ13から取得することができる。
【0055】
空気調和機10は、様々な機能を発揮するために他のセンサ13を有してもよい。例えば、空気調和機10は、制御空間内の温度を検出する室内温度センサ、制御空間外の外気温度を検出する外気温度センサ、制御空間内の相対湿度を検出する湿度センサ等を含んでもよい。センサ13にて検出された情報は、記憶部14に入力されて記憶されてもよい。当該情報は、制御部12によって利用されてもよいし、端末装置30またはサーバ20に送信されてもよい。
【0056】
<記憶部14>
記憶部14は、種々の情報や制御プログラムを記録する記録媒体であり、制御部12の作業領域として機能するメモリであってもよい。記憶部14は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。
【0057】
記憶部14は、脱臭空気を送風すべき目標領域を決定するための決定条件や様々な閾値を記憶してもよい。記憶部14は、それぞれのセンサ13から取得した情報を記憶してもよい。記憶部14は、送風部11や他の部品を制御するためのパラメータを記憶してもよい。記憶部14は、サーバ20、端末装置30、または外部情報源40から取得した情報を記憶してもよい。これらの情報は、制御方法が行われるときに制御部12に読み出され得る。
【0058】
また、記憶部14は、本開示の制御方法を制御部12に実行させるためのコンピュータプログラムを記憶してもよい。記憶部14は、当該コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
【0059】
<通信部15>
通信部15は、ネットワークを介してサーバ20やユーザの端末装置30等と通信することもでき、例えば、インターネットパケットを送受信することもできる。上述したように、制御部12は、通信部15を介してサーバ20および/または端末装置30と協働してもよい。通信部15は、サーバ20と、空気調和機10と、端末装置30との間において、Wi-Fi(登録商標)、IEEE802.2、IEEE802.3、3G、LTE等の規格にしたがい通信を行い、データの送受信を行ってもよい。通信部15は、インターネットの他、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等、赤外線、ブルートゥース(登録商標)で通信してもよい。
【0060】
<サーバ20>
サーバ20は、例えば、少なくとも1つの空気調和機10を管理するため、またはデータを収集するための空気調和機10の製造会社の管理サーバであってもよい。または、サーバ20は、アプリケーションサーバであってもよい。
【0061】
サーバ20は、空気調和機10や端末装置30などとインターネットパケットを送受信する、すなわち、通信することもできる。サーバ20は空気調和機10から空気調和機10のセンサ13の検出値の履歴を受信してもよく、外部情報源40から過去、現在または未来の天気情報を受信してもよい。
【0062】
<端末装置30>
端末装置30は、空気調和機10に関連する装置である。端末装置30は、例えば、空気調和機10のコントローラであってもよく、複数種類の家電製品を同時に管理・制御できるコントローラであってもよい。また、端末装置30は、空気調和機10との間でデータ通信を行うことができる端末装置、例えば、専用の関連アプリケーション32が組み込まれたスマートフォン、携帯電話、モバイルフォン、タブレット、ウェアラブル装置、コンピュータなどであってもよい。
【0063】
サーバ20または制御部12は、端末装置30を介してユーザが入力した設定または指令を取得することができる。一般的には、端末装置30はグラフィックユーザインタフェース(graphical user interface、GUI)を表示するためのディスプレイを含む。ただし、音声ユーザインタフェース(voice User Interface、VUI)を介してユーザと相互作用する場合、ディスプレイの代わりに、またはディスプレイに加えて、端末装置30はスピーカとマイクとを含んでもよい。
【0064】
<外部情報源40>
外部情報源40は、外部情報、例えば、気象情報や、特定の地域の空気の質に関する情報を提供する情報源である。例えば、外部情報源40は気象庁のウェブサイトであってもよい。サーバ20は、外部情報源40から取得する情報を空気調和機10または端末装置30に転送してもよい。空気調和機10は、外部情報源40と直接的に接続して、運転モードの決定に必要な情報の一部を外部情報源40から取得してもよく、サーバ20または端末装置30を介して外部情報源40と間接的に接続して必要な情報を取得してもよい。
【0065】
<制御空間の分割>
より効率的でより精確に脱臭するために、制御領域は複数の領域に分割される。これらの領域のうちの少なくとも1つは、制御方法において、目標領域として決定されて送風される。図2A図2Eは、制御空間の分割された領域の例示である。図2Aに示された制御領域は、9つの領域LN、LM、LF、CN、CM、CF、RN、RM、RFに分割される。この9つの領域は扇形を形成し、センサ13は当該扇形の元になる円の円心に位置する。すなわち、空気調和機10は、当該扇形の元になる円の円心または円心の近くに位置する。当該扇形は、制御領域の全部を占めなくてもよく、例えば、送風部11が脱臭空気を送達可能な範囲であってもよい。
【0066】
図2B図2Dに示されたように、扇形において、異なる分割が可能である。また、図2Eに示されたように、四角形で制御空間を分割してもよく、それぞれの領域は四角形であってもよい。すべての領域から形成する大きいな四角形は、制御領域の全部を占めてもよく、制御領域の全部を占めなくてもよい。なお、制御空間は、その形状に関わらず複数の領域に分割可能であり、それぞれの領域、およびすべての領域から形成する形状は、扇形および四角形以外の形状であってもよい。
【0067】
<空気調和機の制御方法>
空気調和機10の制御部12は、その制御空間内のものに付着臭などの臭いを減少させる脱臭モードにおいて、制御方法を実行する。当該制御方法によれば、制御空間内の臭いを、より具体的にいうと、目標領域内の付着臭をより効率的に脱臭することができる。
【0068】
図3は、実施の形態1における制御方法の一例のフローチャートであり、当該制御方法はステップS100~ステップS300を含む。1つの実施例において、制御部12は、脱臭モードの起動指令を端末装置30またはサーバ20から受信するときに、ステップS100~ステップS300を実行し、脱臭制御を行う。1つの実施例において、制御部12は定期的に、例えば、1時間、2時間、3時間、6時間、12時間または24時間ごとにステップS100~ステップS300を実行する。
【0069】
制御部12は、センサ13によって制御空間における生物の過去の在否情報を取得する(ステップS100)。在否情報とは、制御空間または特定の領域において任意の生物または特定の生物が存在しているか否かを表す情報である。1つの実施例において、記憶部14は、制御空間の複数の領域のそれぞれに対応する在否情報を記憶する。
【0070】
1つの実施例において、センサ13は、検出可能なすべての生物に対してその在否を検出する。1つの実施例において、センサ13は、体積または体温が所定閾値以上の生物に対してその在否を検出する。1つの実施例において、センサ13は、ユーザ(人間)に対してその在否を検出する。1つの実施例において、センサ13は、ユーザからの指令または制御部12の自動判定によって指定された生物に対してその在否を検出する。この場合、ユーザは端末装置30のUIを介して付着臭の元と考える生物を指定して登録することができる。
【0071】
また、在否情報は、任意の生物または特定の生物が存在する領域における、存在時間、存在頻度、または存在確率を含んでもよい。1つの実施例において、制御部12は、センサ13の検出結果(生物の在否)に基づいて、当該生物の存在時間、存在頻度、または存在確率を計算して記憶部14に記憶させる。また、制御部12は、センサ13の検出結果(生物の在否)に基づいて、任意の生物または特定の生物が「在」と検出された回数を累計して累積値を得て記憶部14に記憶させもよい。記憶部14は、生物ごとに、または少なくとも1つの特定の生物に対してそれごとに在否情報を記憶してもよい。
【0072】
センサ13は、領域ごとに、所定の時間間隔で、生物が存在しているか否かを検出してもよい。当該時間間隔は、3秒間、5秒間、10秒間、30秒間、1分間、3分間、10分間であってもよい。1つの実施例において、センサ13は、図2Eに示された領域A~領域Gのそれぞれに対して、5秒間隔で、ユーザ(人間)が存在しているか否かを検出して、検出結果を記憶部14に書き込む。
【0073】
過去の在否情報は、一例として、複数の領域ごとに生物がいたか否かを表す情報の履歴データである。センサ13は、所定の時間間隔で検出結果を記憶部14に書き込み、これらの検出結果が履歴データになる。履歴データは、過去の所定時間内のすべての検出結果を含んでもよく、一部の検出結果を含んでもよい。ステップS100において、制御部12は、履歴データを記憶部14から読み出すことによって、過去の在否情報を取得することができる。
【0074】
そして、制御部12は、過去の在否情報に基づいて、複数の領域から少なくとも1つの目標領域を決定する(ステップS200)。実施の形態1において、制御部12は後述するように、臭気成分が存在し得る領域を目標領域として決定する。
【0075】
目標領域を決定すると、制御部12は、脱臭空気を目標領域に向かって送風するように送風部11を制御する(ステップS300)。すなわち、制御部12は、脱臭空気を目標領域に到達させように送風部11を制御する。
【0076】
脱臭空気とは、目標領域内の臭気成分を減少させて脱臭効果を有する空気を指す。例えば、脱臭空気はマイナスイオン、オゾン、ナノイー(登録商標)などを含んでもよい。ナノイーとは、ナノメータサイズ(例えば、直径約5~20nm)の微粒子水で包まれたマイナスイオンであり、帯電微粒子液体とも呼ばれる。
【0077】
ただし、特に脱臭成分を含まない普通の空気を付着臭の元に吹くと、付着臭の元の臭気成分を減少させ、脱臭することができる。よって、脱臭空気は、特別な成分を含まない空気であってもよい。
【0078】
ステップS300において、制御部12は、送風部11のクロスフローファンのモータの回転数を制御することによって、脱臭空気の風量を制御することができる。制御部12は、目標領域が空気調和機10との距離に基づいて回転数を制御してもよい。例えば、制御部12は、空気調和機10に対して比較的近い目標領域に対して、空気調和機10に対して比較的遠い目標領域と比べて小さい回転数を設定する。
【0079】
また、制御部12は、送風部11の上下風向変更羽根の角度(方向)、および/または左右風向変更羽根の角度(方向)を制御することによって、脱臭空気の風向を制御する。このように、脱臭空気を目標領域に向かって送風することができる。
【0080】
制御部12は、一定時間にわたって目標領域に送風し続けてもよく、一定時間内に間欠的に送風してもよい。目標領域が複数存在する場合、順にそれぞれの目標領域に向かって一定時間で送風してもよい。また、目標領域の位置によって、制御部12は、風量および/または風向を調整して同時に複数の目標領域に送風してもよい。
【0081】
<目標領域の決定>
制御部12はステップS200において、過去の在否情報に基づいて複数の領域から目標領域を決定する。以下、目標領域の決定方法についてより具体的に説明する。図4は、実施の形態1に係るステップS200の一例である。実施の形態1において、ステップS200は以下のステップS210とステップS220とを含む。
【0082】
この実施例において、履歴データは、複数の領域にそれぞれに対応する複数の第1累積値を含む。複数の第1累積値のそれぞれは、第1期間にわたって対応する領域に生物がいた回数をカウントした値である。制御部12は、複数の第1累積値に基づいて、複数の領域から少なくとも1つの第1領域を選択する(ステップS210)。
【0083】
次に、制御部12は第1領域から目標領域を決定する(ステップS220)。制御部12は1つまたは複数の目標領域を決定してもよい。目標領域と第1領域との数が同じである場合、制御部12はすべての第1領域を目標領域として決定する。
【0084】
以下、主に決定すべき目標領域が1つである例示を用いてその決定方法を説明するが、当該決定方法によって複数の目標領域を決定することもできる。また、制御部12は、決定すべき目標領域の数に基づいて、選択すべき第1領域の数を決定してもよい。
【0085】
図5は、実施の形態1に係る第1累積値の一例である。図5の実施例において、第1累積値のそれぞれは、第1期間にわたって、図2Eに示された領域A~Gのそれぞれにおいて生物がいた回数をカウントした値である。第1期間は、例えば、1時間、2時間、3時間、6時間、12時間、または24時間であってもよい。本開示において、第1累積値は長期的な累積値として見られる。
【0086】
仮に第1期間が3時間であり、第1累積値は、対応する領域において生物の在否について、現在時刻から直前3時間内の検出結果の累計である。さらに仮にセンサ13が5秒間隔で図2Eの領域Aに対して生物の在否を検出する場合、第1累積値は3時間分の検出結果、すなわち(60÷5)×60×3=2160回分の検出結果に対応する。この場合において、第1累積値は、この3時間にわたって「在」と検出した回数をカウントした値である。
【0087】
1つの実施例において、第1累積値は、回数をカウントした値そのままではなく、回数をカウントした値に対して処理した数値である。仮に、第1累積値に対して上限値が設けられている。時間が経つにつれてある第1累積値が上限値に到達した場合、制御部12は、すべての第1累積値を圧縮してから、再度に累積し続ける。例えば、すべての第1累積値を、元の値の3/4、2/3、1/2、1/3、または1/4に圧縮してから累積し続けてもよい。
【0088】
1つの実施例において、ステップS210では、制御部12は、複数の領域のうち、最も大きい第1累積値が対応する領域を第1領域として選択する。そして、制御部12は、選択した第1領域を目標領域として決定する。
【0089】
1つの実施例において、制御部12は、複数の領域のうち、最も大きい第1累積値が対応する領域を第1領域として選択する。例えば、図5の実施例において、制御部12は、最も大きい第1累積値「165」が対応する領域Fを第1領域として選択し(ステップS210)、当該第1領域Fを目標領域として決定する(ステップS220)。
【0090】
1つの実施例において、最も大きい第1累積値に対応する領域が複数ある場合は、制御部12はすべての当該複数の領域を第1領域として選択する。そして、制御部12は、すべての第1領域を目標領域として決定してもよく、第1領域のうちから任意の少なくとも1つ目標領域として決定してもよい。
【0091】
1つの実施例において、制御部12は、最も大きい第1累積値が対応する第1領域以外の第1領域を目標領域として決定する。例えば、制御部12はまず、所定閾値以上の第1累積値が対応する第1領域を目標領域として決定する。次に、制御部12は、第1累積値に異常値(異常に高い値、上限値より高いなど値)があるか否かを判定する。異常値があると判定した場合、制御部12は異常値を除外してから、残りの第1累積値に基づいて目標領域を決定してもよい。なお、ステップS210では同様に、制御部12は異常値を除外してから第1領域を選択してもよい。
【0092】
図6は、実施の形態1に係る目標領域の一例である。仮に少なくとも1つの第1領域のうち、第1累積値が最も大きい領域は領域Fである。ここでは、領域Fは最も大きい第1累積値を有する。すなわち、制御空間において生物が最も長く居た場所は領域Fであり、生物が居たことによって領域Fにおいて付着臭があるまたは多い可能性が高い。よって、領域Fは目標領域として決定される。制御部12は、ステップS220において領域Fを目標領域として決定した後、ステップS300において領域Fに向かって脱臭空気を送風し、領域Fにおける付着臭を脱臭する。
【0093】
これにより、制御部12は、空気調和機10の脱臭制御の処理を完了する。制御部12は、制御空間における生物の過去の在否情報に基づいて、付着臭の臭気成分が存在し得る目標領域を決定することができる。そして、目標領域に脱臭空気を送風すれば、目標領域に付着した付着臭をより効率的に除去することができる。
【0094】
1つの実施例において、空気調和機10は、上述したような制御方法を実行するために使用されるプログラムを有する。当該プログラムは、制御方法を空気調和機10の制御部12に実行させる。
【0095】
1つの実施例において、空気調和機10は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を有する。当該コンピュータプログラムがプロセッサ(制御部12)によって実行されるときに、本開示の制御方法が実現される。当該記憶媒体は、空気調和機10の記憶部14と同じであってもよく、記憶部14に含まれてもよく、記憶部14と異なる部品であってもよい。
【0096】
《実施の形態2》
<第2累積値に基づいて目標領域を決定>
実施の形態2において、選択した第1領域の数が目標領域の数より多い場合、制御部12は第2累積値にさらに基づいて目標領域を決定する。第2累積値は、第1期間よりも短い第2期間に対応する累積値である。
【0097】
図7は、実施の形態2に係るステップS200のフローチャートの一例である。図7のステップS210、ステップS220は、実施の形態1の図4のステップS210、ステップS220と同様であり、ここで重複する説明を割愛する。図7の実施例において、ステップS200は、ステップS215、ステップS230およびステップS240をさらに含む。
【0098】
仮に決定すべき目標領域が1つであるが、ステップS210において選択した第1領域が複数存在する。この場合、ステップS210の後、制御部12は、第1領域が複数存在するか否かを判定する(ステップS215)。第1領域が複数存在する場合、制御部12は、複数の第2累積値に基づいて、複数の第1領域から少なくとも1つの第2領域を選択し(ステップS230)、第2領域から目標領域を決定する(ステップS240)。目標領域と第2領域との数が同じである場合、制御部12はすべての第2領域を目標領域として決定する。
【0099】
一方、第1領域が複数でない場合、制御部12は前述したステップS220を行う。
【0100】
図8は、実施の形態2に係る第1累積値および第2累積値の一例である。この実施例において、履歴データは、複数の領域にそれぞれに対応する複数の第2累積値をさらに含む。複数の第2累積値のそれぞれは、第1期間よりも短い第2期間にわたって対応する領域に生物がいた回数をカウントした値である。第2期間は、例えば、30秒間、1分間、2分間、3分間、5分間、10分間であってもよい。本開示において、第2累積値は短期的または中期的な累積値として見られる。
【0101】
仮に第2期間が5分間である場合、第2累積値は、対応する領域において生物の在否について、現在時刻から直前5分間内の検出結果の累計である。さらに仮にセンサ13が5秒間隔で図2Eの領域Aに対して生物の在否を検出する場合、第2累積値は5分間分の検出結果、すなわち(60÷5)×5=60回分の検出結果に対応する。この場合において、第2累積値は、この5分間にわたって「在」と検出した回数をカウントした値である。
【0102】
1つの実施例において、ステップS230では、制御部12は1つの第2領域を選択する。例えば、制御部12は、複数の第1領域のうち、最も大きい第2累積値が対応する領域を第2領域として選択する。例えば、図8の実施例において、制御部12は、第1累積値が同じく「160」である領域Eと領域Fとのうち、最も大きい第2累積値「30」が対応する領域Fを第2領域として選択する。
【0103】
次に、制御部12は、第2領域のうち、最も大きい第2累積値が対応する第2領域を目標領域として決定する。
【0104】
なお、制御部12は、複数の第2領域を選択してもよい。1つの実施例において、ステップS230において、最も大きい第1累積値に対応する領域が複数ある場合は、制御部12はすべての当該複数の領域を第2領域として選択する。1つの実施例において、制御部12は、所定閾値以上の第1累積値が対応する第1領域を第2領域として決定する。
【0105】
また、ステップS220と同様に、制御部12は、第2領域から複数の目標領域を決定してもよい。制御部12は、所定閾値以上の第2累積値が対応する第2領域を目標領域として決定してもよく、第2領域から異常値を除外した結果を目標領域として決定してもよい。
【0106】
図9は、実施の形態2に係る目標領域の一例である。仮に複数の第1領域E、Fのうち、第2累積値が最も大きい領域は領域Fである。ここでは、長期的な第1累積値だけではなく、短期的な第2累積値にも基づいて目標領域を決定する。領域Fは最も大きい第1累積値および第2累積値を有する。すなわち、制御空間において生物が最も長く居た、かつ直前に居た場所は領域Fであり、生物が居たことによって領域Fにおいて付着臭があるまたは多い可能性が高い。よって、領域Fは目標領域として決定される。制御部12は、ステップS240において領域Fを目標領域として決定した後、ステップS300において領域Fに向かって脱臭空気を送風し、領域Fにおける付着臭を脱臭する。
【0107】
これにより、制御部12は、目標領域を決定して目標領域を脱臭する脱臭制御の処理を完了する。短期的または中期的な累積値をさらに考慮することによって、第1領域が決定すべき目標領域よりも多い場合であっても、目標領域を適切に決定することができる。すなわち、さらに精確に目標領域を決定することができる。
【0108】
《実施の形態3》
<第3累積値に基づいて目標領域を決定>
実施の形態3において、選択した第2領域の数が依然として目標領域の数より多い場合、制御部12は第3累積値をさらに基づいて目標領域を決定する。例えば、決定すべき目標領域が1つであるが複数の第2領域を選択した場合、制御部12は第3累積値をさらに基づいて目標領域を決定する。第3累積値は、第2期間よりも短い第3期間に対応する累積値である。
【0109】
図10は、実施の形態3に係るステップS200の一例である。図10のステップS210~ステップS230およびステップS240の内容は、実施の形態2の図7と同様であり、ここで重複する説明を割愛する。図10の実施例において、ステップS200は、ステップS235、ステップS250およびステップS260をさらに含む。
【0110】
仮に決定すべき目標領域が1つであるが、ステップS230において選択した第2領域が複数存在する。この場合、ステップS230の後、制御部12は、第2領域が複数存在するか否かを判定する(ステップS235)。第2領域が複数存在する場合、制御部12は、複数の第3累積値に基づいて、複数の第2領域から少なくとも1つの第3領域を選択し(ステップS250)、第3領域から目標領域を決定する(ステップS260)。目標領域と第3領域との数が同じである場合、制御部12はすべての第3領域を目標領域として決定する。
【0111】
一方、第2領域が複数でない場合、制御部12は前述したステップS240を行う。
【0112】
図11は、実施の形態3に係る第1累積値、第2累積値および第3累積値の一例である。この実施例において、履歴データは、複数の領域にそれぞれに対応する第3累積値をさらに含む。複数の第3累積値のそれぞれは、第2期間よりも短い第3期間にわたって対応する領域に生物がいた回数をカウントした値である。第3期間は、例えば、10秒間、20秒間、30秒間、1分間、2分間、3分間であってもよい。仮に第3期間が1分間であり、第3累積値は、対応する領域において生物の在否について、現在時刻から直前1分間内の検出結果の累計である。
【0113】
実施の形態3において、第3累積値は短期的な累積値として見られ、第2累積値は中期的な累積値として見られる。図12は、実施の形態3に係る第2累積値および第3累積値の一例である。第2累積値は、現在時刻から直前の複数回、例えば、3回、5回、6回、10回、12回の第3累積値の合計であってもよい。図12の実施例において、第2累積値は、5回の第3累積値の合計であり、すなわち、第3期間の5倍の期間にわたって「在」と検出した回数をカウントした値である。
【0114】
1つの実施例において、ステップS250では、制御部12は1つの第3領域を選択する。例えば、制御部12は、複数の第2領域のうち、最も大きい第3累積値が対応する領域を第3領域として選択する。例えば、図11の実施例において、領域Eと領域Fは、第1累積値が同じく「160」であって第2累積値が同じく「28」である。制御部12は、領域Eと領域Fとのうち、最も大きい第3累積値「10」が対応する領域Eを第3領域として選択する。
【0115】
次に、制御部12は、第3領域のうち、最も大きい第3累積値が対応する第2領域を目標領域として決定する。
【0116】
なお、制御部12は、複数の第3領域を選択してもよい。1つの実施例において、ステップS250において、最も大きい第2累積値に対応する領域が複数ある場合は、制御部12はすべての当該複数の領域を第3領域として選択する。1つの実施例において、制御部12は、所定閾値以上の第2累積値が対応する第2領域を第3領域として決定する。
【0117】
また、ステップS220と同様に、制御部12は、第3領域から複数の目標領域を決定してもよい。制御部12は、所定閾値以上の第3累積値が対応する第3領域を目標領域として決定してもよく、第2領域から異常値を除外した結果を目標領域として決定してもよい。
【0118】
ここでは、制御部12は、第1累積値から第3累積値を考慮したうえで、制御空間において生物が長期的、中期的、および短期的に最も長く居た場所(領域)を目標領域として決定するとも言える。このような場所には、付着臭があるまたは多い可能性が高い。目標領域の決定後、制御部12は、ステップS300において領域Fに向かって脱臭空気を送風し、領域Fにおける付着臭を脱臭する。
【0119】
図13は、実施の形態3に係るステップS200のもう一例である。図13のステップS210~ステップS250およびステップS260の内容は、図10と同様であり、ここで重複する説明を割愛する。図13の実施例において、ステップS200は、ステップS255およびステップS270をさらに含む。
【0120】
制御部12は、第3領域の選択後、第3領域が複数存在するか否かを判定する(ステップS255)。第3領域が複数存在する場合、制御部12は、制御空間内のすべての領域を目標領域として決定する(ステップS270)。すなわち、第1累積値~第3累積値を用いても目標領域を絞ることができない場合、デフォルトとして、制御空間の全領域を目標領域とする。例えば、この場合において、制御部12は、図2Eのすべての領域A~Gに向かって脱臭空気を送風して、制御空間全体に対して付着臭を脱臭する。なお、第3領域が複数でない場合、制御部12は前述したステップS260を行う。
【0121】
これにより、制御部12は、目標領域を決定して目標領域を脱臭する脱臭制御の処理を完了する。長期的、中期的、および短期的な累積値を総合的に考慮することによって、選択された領域が決定すべき目標領域よりも多い場合であっても、目標領域を適切に決定することができる。すなわち、さらに精確に目標領域を決定することができる。
【0122】
《実施の形態4》
<脱臭空気の送風による除菌>
【0123】
実施の形態4において、空気調和機10は、除菌成分を生成する生成部をさらに含む。空気調和機10は、脱臭空気に除菌成分を含ませて、脱臭空気を目標領域に向かって送風することによって、目標領域において空気中に浮遊しているウイルスや菌などを除菌することができる。
【0124】
図14は、実施の形態4における空気調和機の一例のブロック図である。空気調和機10は生成部16を含む。生成部16は、イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミスト等の除菌成分の少なくとも1つを生成する。そして、図15は、実施の形態4に係る制御方法のフローチャートである。実施の形態4において、制御方法は、ステップS100~ステップS300のほか、以下のステップS400をさらに含む。すなわち、生成部16は、制御部12の制御に応じて、イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミストの少なくとも1つを生成する(ステップS400)。
【0125】
生成された除菌成分は、脱臭効果ももたらす場合、実施の形態1で説明した脱臭成分としても働く。例えば、生成部16がナノイーを生成して脱臭空気にナノイーを含ませる場合、ナノイーは脱臭成分としても除菌成分としても発揮できる。
【0126】
1つの実施例において、生成部16は、除菌成分でない脱臭成分を生成して脱臭空気に当該脱臭成分を含ませる。
【0127】
生成部16は、送風部11によって吹き出す脱臭空気に向かって、生成した除菌成分を放出する(吹き出す)。よって、脱臭空気は、イオン、次亜塩素酸、オゾン、および静電ミスト等の除菌成分を含む。制御部12は、ステップS300において、送風部11を制御し、除菌成分を含んだ脱臭空気を目標領域に向かって送風する。すなわち、生成部16によって生成された除菌成分は、生成部16から放出されて脱臭空気に含まれて、目標領域に到達して、目標領域におけるウイルスや菌などを除菌する。このようにすれば、目標領域に対して、付着臭を脱臭するとともに、除菌することができる。
【0128】
なお、次亜塩素酸、オゾン等の除菌成分によって、目標領域において細菌やウイルスなど病原性微生物の毒を減少させて感染力を失くしたり、無毒化したりすることができる。そのため、脱臭空気の送風は殺菌効果があるとも言える。
【0129】
これにより、目標領域の除菌処理を完了する。このようにすれば、脱臭空気に除菌・消毒の成分を含ませて、目標領域において空気中に浮遊しているウイルスや菌などを除菌・消毒することができる。
【0130】
上述した実施の形態1~4の空気調和機の制御技術は組み合わせることが可能である。例えば、制御部12は、第1累積値~第3累積値を用いた異なる方法で目標領域を決定して、除菌成分を含む脱臭空気を目標領域に向かって送風することができる。
【0131】
なお、制御部12は、第1領域、第2領域、および第3領域の選択、ならびに目標領域の決定のために様々な所定閾値を設定してもよい。これらの所定閾値はすべて異なってもよく、少なくとも一部が同じであってもよい。
【0132】
以上は本開示の具体的な実施の形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されるものではない。本開示は図面および前述した具体的な実施の形態において前述された内容を含むが、本開示がそれらの内容に限定されるものではない。本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、開示された様々の実施の形態または実施例を組み合わせることができる。本開示の機能および構造原理から逸脱しない変更は特許請求の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0133】
10 空気調和機
11 送風部
12 制御部
13 センサ
14 記憶部
15 通信部
16 生成部
20 サーバ
30 端末装置
32 関連アプリケーション
40 外部情報源
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15