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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170904
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/14 20060101AFI20241204BHJP
   F23D 14/76 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
F23D14/14 A
F23D14/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087666
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】野崎 光一
【テーマコード(参考)】
3K017
【Fターム(参考)】
3K017BA00
3K017BB09
3K017BC02
3K017BC06
3K017BC08
(57)【要約】
【課題】バーナボディと燃焼板12とを有するバーナと、混合気の燃焼空間を囲う燃焼筐とを備える燃焼装置であって、燃焼板周縁の燃焼板フランジ部122の燃焼筐の内部空間に面する部分に重なる断熱材7を設け、燃焼板フランジ部に、断熱材の外側方の側縁に当接する曲げ縁部81と、断熱材を押える、曲げ縁部から延出された舌片状の複数の押え爪82とを有する断熱材用の固定板8を取付けるものにおいて、固定板を介しての燃焼熱の伝熱による燃焼板フランジ部の中央部の過熱を抑制できるようにする。
【解決手段】固定板8の長手方向に隣接する押え爪82,82間の間隔を、固定板8の長手方向中央部に近いものほど広くする。また、曲げ縁部81に、複数の支持片部81aが切り残されるように複数の切欠き81bが形成される場合は、固定板8の長手方向中央部に近い支持片部81aほど幅狭にしてもよい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に混合気が供給されるバーナボディと、バーナボディの開放面を覆う、混合気噴出部を有する燃焼板とから成るバーナと、バーナボディに締結される、混合気の燃焼空間を囲う燃焼筐とを備え、燃焼板の周縁の燃焼板フランジ部の燃焼筐の内部空間に面する部分に重なる断熱材が設けられる燃焼装置であって、
燃焼板フランジ部に断熱材用の固定板が取付けられ、燃焼板の混合気噴出部から離隔する方向を外側方として、固定板の外側方の側縁に、断熱材の外側方の側縁に当接する曲げ縁部と、断熱材を固定板から離脱しないように押える、曲げ縁部から延出された舌片状の複数の押え爪とが設けられるものにおいて、
固定板の長手方向に隣接する押え爪間の間隔を、固定板の長手方向中央部に近いものほど広くすることを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
前記固定板の前記曲げ縁部に、固定板の長手方向における前記各押え爪に合致する位置の支持片部が切り残されるように複数の切欠きが形成されることを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
【請求項3】
内部に混合気が供給されるバーナボディと、バーナボディの開放面を覆う、混合気噴出部を有する燃焼板とから成るバーナと、バーナボディに締結される、混合気の燃焼空間を囲う燃焼筐とを備え、燃焼板の周縁の燃焼板フランジ部の燃焼筐の内部空間に面する部分に重なる断熱材が設けられる燃焼装置であって、
燃焼板フランジ部に断熱材用の固定板が取付けられ、燃焼板の混合気噴出部から離隔する方向を外側方として、固定板の外側方の側縁に、断熱材の外側方の側縁に当接する曲げ縁部と、断熱材を固定板から離脱しないように押える、曲げ縁部から延出された舌片状の複数の押え爪とが設けられるものにおいて、
固定板の曲げ縁部に、固定板の長手方向に間隔を存して複数の支持片部が切り残されるように複数の切欠きが形成され、支持片部の固定板の長手方向における幅は、固定板の長手方向中央部に近い支持片部ほど狭いことを特徴とする燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に混合気が供給されるバーナボディと、バーナボディの開放面を覆う、混合気噴出部を有する燃焼板とから成るバーナと、バーナボディに締結される、混合気の燃焼空間を囲う燃焼筐とを備え、燃焼板の周縁の燃焼板フランジ部の燃焼筐の内部空間に面する部分に重なる断熱材が設けられる燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の燃焼装置として、特許文献1により、燃焼板フランジ部に断熱材用の固定板を取付けたものが知られている。このものでは、燃焼板の混合気噴出部から離隔する方向を外側方として、固定板の外側方の側縁に、断熱材の外側方の側縁に当接する曲げ縁部と、断熱材を固定板から離脱しないように押える、曲げ縁部から延出された舌片状の複数の押え爪とを設けている。
【0003】
ところで、低負荷燃焼時には、混合気噴出部から噴出する混合気が燃焼板の近くで燃焼し、断熱材を押える固定板の押え爪が燃焼熱を受けやすくなる。そして、押え爪からの曲げ縁部を介しての伝熱、即ち、固定板を介しての伝熱で燃焼板フランジ部が加熱されてしまう。特に、固定板の長手方向中央部に重なる燃焼板フランジ部の中央部は、熱が溜まりやすいため、固定板を介しての燃焼熱の伝熱で耐熱温度を超えるほどの過熱を生じてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-116157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、固定板を介しての燃焼熱の伝熱による燃焼板フランジ部の中央部の過熱を抑制できるようにした燃焼装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、内部に混合気が供給されるバーナボディと、バーナボディの開放面を覆う、混合気噴出部を有する燃焼板とから成るバーナと、バーナボディに締結される、混合気の燃焼空間を囲う燃焼筐とを備え、燃焼板の周縁の燃焼板フランジ部の燃焼筐の内部空間に面する部分に重なる断熱材が設けられる燃焼装置であって、燃焼板フランジ部に断熱材用の固定板が取付けられ、燃焼板の混合気噴出部から離隔する方向を外側方として、固定板の外側方の側縁に、断熱材の外側方の側縁に当接する曲げ縁部と、断熱材を固定板から離脱しないように押える、曲げ縁部から延出された舌片状の複数の押え爪とが設けられるものにおいて、本願の第1発明は、固定板の長手方向に隣接する押え爪間の間隔を、固定板の長手方向中央部に近いものほど広くすることを特徴とし、また、本願の第2発明は、固定板の曲げ縁部に、固定板の長手方向に間隔を存して複数の支持片部が切り残されるように複数の切欠きが形成され、支持片部の固定板の長手方向における幅は、固定板の長手方向中央部に近い支持片部ほど狭いことを特徴とする。
【0007】
第1発明によれば、固定板の長手方向中央部に近い部分では、押え爪間の間隔が広くなるため、押え爪の個数が減少する。従って、固定板への押え爪を介しての燃焼熱の入熱量が、固定板の長手方向中央部に近い部分では、押え爪の個数が減少する分だけ低減する。その結果、燃焼板フランジ部の中央部への固定板を介しての燃焼熱の伝熱量を低減させて、燃焼板フランジ部の中央部の過熱を抑制することができる。
【0008】
尚、第1発明においては、固定板の曲げ縁部に、固定板の長手方向における各押え爪に合致する位置の支持片部が切り残されるように複数の切欠きを形成することが望ましい。
これによれば、押え爪に入熱された熱が支持片部を介して燃焼板フランジ部に伝熱されることになる。そして、固定板の長手方向中央部に近い部分では、押え爪間の間隔が広くなることで、支持片部間の間隔も広くなって、支持片部の個数が減少する。そのため、固定板の長手方向中央部に近い部分では、押え爪から燃焼板フランジ部への伝熱量が支持片部の個数が減少する分だけ低減する。従って、燃焼板フランジ部の中央部への固定板を介しての燃焼熱の伝熱量をより低減でき、燃焼板フランジ部の中央部の過熱をより効果的に抑制することができる。
【0009】
また、第2発明によれば、固定板の長手方向中央部に近い部分では、支持片部の幅が狭くなって、押え爪から燃焼板フランジ部への支持片部を介しての伝熱量が低減する。従って、燃焼板フランジ部の中央部への固定板を介しての燃焼熱の伝熱量が低減し、燃焼板フランジ部の中央部の過熱を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態の燃焼装置の斜視図。
図2図1とは反対側から見た実施形態の燃焼装置の斜視図。
図3図1のIII-III線で切断した断面図。
図4図3のIV-IV線で切断した断面図。
図5】実施形態の燃焼装置の要部の拡大断面図。
図6】実施形態の燃焼装置の燃焼板の断熱材を固定した状態の斜視図。
図7】実施形態の燃焼装置に設けられる固定板の使用前の斜視図。
図8】実施形態の燃焼装置に設けられる固定板の変形例の使用前の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図4を参照して、本発明の実施形態の燃焼装置は、内部に混合気(燃料ガスと一次空気との混合ガス)が供給されるバーナボディ11と、バーナボディ11の下向きの開放面111を覆う燃焼板12とから成るバーナ1と、バーナボディ11に締結される、混合気の燃焼空間を囲う燃焼筐2とを備えている。燃焼筐2は、バーナボディ11の開放面111を囲うボディフランジ部112に対向する上端の接合フランジ部21を有している。そして、燃焼筐2をボディフランジ部112に接合フランジ部21においてビス22により締結している。また、燃焼筐2の内部には、給湯用の熱交換器3が収納されている。
【0012】
熱交換器3は、多数のフィン31とこれらフィン31を貫通する複数の吸熱管32とを備えるフィンチューブ型熱交換器で構成されている。燃焼筐2の横方向一側と他側の側板23,24の外側には、隣り合う2本の吸熱管32,32を接続するUベント管33が複数設けられており、全ての吸熱管32が直列に接続される。また、上流端の吸熱管32には、端部に入水口34aが設けられた管34が接続されている。
【0013】
また、図4を参照して、燃焼筐2の前側の側板25の熱交換器3より上方の部分の内側には、下から順に管から成る第1と第5と第9の3本の水路4,4,4が側板25に接するように配置され、燃焼筐2の後側の側板26の熱交換器3より上方の部分の内側にも、下から順に管から成る第3と第7と第11の3本の水路4,4,411が側板26に接するように配置されている。また、燃焼筐2の横方向一側の側板23の外側には、図1図3に示す如く、熱交換器3の下流端の吸熱管32を第1水路4に接続する接続管35が設けられ、更に、熱交換器3より上方の側板23の部分には、第3水路4と第5水路4とを接続する第4水路4と、第7水路4と第9水路4とを接続する第8水路4と、第11水路411に接続される第12水路412とが設けられている。また、燃焼筐2の横方向他側の側板24には、図2図3に示す如く、熱交換器3よりも上方に位置させて、第1水路4と第3水路4とを接続する第2水路4と、第5水路4と第7水路4とを接続する第6水路4と、第9水路4と第11水路411とを接続する第10水路410とが設けられている。第2と第6と第10の各水路4,4,410と、第4と第8と第12の各水路4,4,412は、各側板24,23に形成した横方向内方への窪みとこの窪みを覆うように各側板24,23の外面に取付けた蓋41とで構成されている。熱交換器3で加熱された水は、第1水路4乃至第12水路412に順に流れて、第12水路412の端部に設けられた出湯口42からこれに接続される図外の出湯管に供給される。そして、これら第1乃至第12水路4~412に流れる水により燃焼筐2の各側板23~26が冷却されるようにしている。
【0014】
また、燃焼筐2の前側の側板25には、第5水路4と第9水路4との間の側板部分を貫通して燃焼筐2内に突出する点火電極51と接地電極52と一対のフレームロッド53,53とを有する電極部品5が装着されている。尚、電極部品5には、燃焼筐2内を視認できる覗き窓54が付設されている。
【0015】
次に、バーナ1について詳述する。バーナボディ11には、混合気を供給する図外のファンを接続する流入口113が開設されている。流入口113には、ファン停止時にバーナボディ11内に残留する混合気がファン側に逆流することを阻止する逆止弁13が装着されている。逆止弁13は、流入口113に嵌め込まれる樹脂製の弁筐131と、バーナボディ11内を向く弁筐131の開口部に開閉自在に軸着された樹脂製の弁板132とで構成されている。
【0016】
燃焼板12は、中央部に大きな開口部を有しており、この開口部に耐熱繊維の織布121aを装着すると共にその上に多数の分布孔を形成した分布板121bを重ね合わせて、織布121aと分布板121bとにより混合気噴出部121を構成している。ファンからバーナボディ11内に供給された混合気は混合気噴出部121から噴出して全一次燃焼する。尚、大きな開口部を有しない燃焼板に多数の炎孔を形成し、これらの炎孔で混合気噴出部を構成することも可能である。
【0017】
図5に明示する如く、燃焼板12の周縁には、混合気噴出部121に対し上方にオフセットした燃焼板フランジ部122が設けられている。そして、この燃焼板フランジ部122とボディフランジ部112との間にパッキン6を介設して、燃焼板フランジ部122とボディフランジ部112との間のシール性を確保している。また、燃焼板フランジ部122の外周縁は、ボディフランジ部112の外周縁よりも内側に位置し、更に、接合フランジ部21は、燃焼板フランジ部122の外周縁より外側に張出す張出し部21aを有している。パッキン6も、燃焼板フランジ部122の外周縁より外側に張出す張出し部6aを有している。そして、接合フランジ部21の張出し部21aとボディフランジ部112との間にパッキン6の張出し部6aを介設して、接合フランジ部21とボディフランジ部112との間のシール性を確保している。また、接合フランジ部21の内周縁は、燃焼板フランジ部122の内周縁と外周縁との中間に位置している。この中間位置より外側の燃焼板フランジ部122の部分に接合フランジ部21を直接接触させて、上方に位置する上記水路4~412による冷熱が接合フランジ部21を介して燃焼板フランジ部122に伝達されるようにしている。
【0018】
また、燃焼板フランジ部122の燃焼筐2の内部空間に面する部分に重なる断熱材7を設けて、燃焼板フランジ部122の過熱を防止できるようにしている。図6を参照して、燃焼板12の輪郭形状は横方向に長手の長方形である。そして、燃焼板フランジ部122の燃焼筐2の内部空間に面する部分のうち、上記長方形の前後両側の長辺に沿う燃焼板フランジ部122の部分に重なる断熱材7を設けている。
【0019】
また、長辺に沿う燃焼板フランジ部122の部分に、断熱材7を固定する図7に示す固定板8を取付けている。固定板8は、燃焼板フランジ部122にスポット溶接されるベース板部80を有している。ベース板部80には、燃焼板フランジ部122に設けた図外の突起部に係合して固定板8を位置決めする位置決め孔80aが形成されている。更に、ベース板部80の長手方向両端には、断熱材7の長手方向両端の端面に当接する屈曲部80bが設けられている。また、燃焼板12の混合気噴出部121から離隔する方向を外側方として、固定板8の外側方の側縁には、断熱材7の外側方の側縁に当接する、ベース板部80から曲げ起こされた曲げ縁部81と、断熱材7を固定板8から離脱しないように押える、曲げ縁部81から延出された舌片状の複数の押え爪82が設けられている。
【0020】
ここで、押え爪82は、固定板8に断熱材7をセットした後に折り曲げられるが、複数の押え爪82を個々に折り曲げるのでは手間がかかる。そこで、本実施形態では、複数の押え爪82の曲げ縁部81側の基端部間に跨るブリッジ部82aを設けている。そして、固定板8に断熱材7をセットした後に、曲げ縁部81に対しブリッジ部82aを折り曲げることで、複数の押え爪82が一括して折り曲げられるようにしている。また、曲げ縁部81に、固定板8の長手方向における各押え爪82に合致する位置の支持片部81aが切り残されるように複数の切欠き81bを形成している。更に、固定板8の長手方向両外側に位置する♯3の支持片部81aに、燃焼筐2の内壁面に近接対向する位置決め用の突起部81cを設けている。これにより、燃焼筐2に対する燃焼板12の位置ずれを防止できる。
【0021】
ところで、低負荷燃焼時には、混合気噴出部121から噴出する混合気が燃焼板12の近くで燃焼し、断熱材7を押える固定板8の押え爪82が燃焼熱を受けやすくなる。そして、押え爪82からの曲げ縁部81を介しての伝熱、即ち、固定板8を介しての伝熱で燃焼板フランジ部122が加熱されてしまう。特に、固定板8の長手方向中央部に重なる燃焼板フランジ部122の中央部は、熱が溜まりやすいため、固定板8を介しての燃焼熱の伝熱で耐熱温度を超えるほどの過熱を生じてしまうことがある。
【0022】
そこで、本実施形態では、固定板8の長手方向に隣接する押え爪82,82間の間隔を、固定板8の長手方向中央部に近いものほど広くしている。具体的には、固定板8の長手方向中央に位置する♯1の押え爪82と、長手方向中央から2番目の♯2の押え爪82と、長手方向最外側の♯3の押え爪82との計5個の押え爪82を設けている。そして、♯1と♯2の両押え爪82,82間の間隔をL1、♯2と♯3の両押え爪82,82間の間隔をL2として、L1>L2になるようにしている。
【0023】
これによれば、固定板8の長手方向中央部に近い部分に位置する押え爪82の個数が減少する。従って、固定板8への押え爪82を介しての燃焼熱の入熱量が、固定板8の長手方向中央部に近い部分では、押え爪82の個数が減少する分だけ低減する。その結果、燃焼板フランジ部122の中央部への固定板8を介しての燃焼熱の伝熱量を低減させて、燃焼板フランジ部122の中央部の過熱を抑制することができる。
【0024】
更に、固定板8の長手方向中央部に近い部分では、押え爪82間の間隔が広くなることで、支持片部81a間の間隔も広くなる。具体的には、固定板8の長手方向中央の♯1の押え爪82に合致する♯1の支持片部81aとこれに隣接する♯2の押え爪82に合致する♯2の支持片部81aとの間の間隔をL´1、♯2の支持片部81aと固定板8の長手方向最外側の♯3の押え爪82に合致する♯3の支持片部81aとの間の間隔をL´2として、L´1>L´2になる。
【0025】
これによれば、固定板8の長手方向中央部に近い部分に存在する支持片部81aの個数が減少する。そのため、固定板8の長手方向中央部に近い部分では、押え爪82から燃焼板フランジ部122への伝熱量が伝熱経路となる支持片部81aの個数が減少する分だけ低減する。従って、燃焼板フランジ部122の中央部への固定板8を介しての燃焼熱の伝熱量をより低減でき、燃焼板フランジ部122の中央部の過熱をより効果的に抑制することができる。
【0026】
次に、図8に示す固定板8の他の実施形態について説明する。尚、図8において、上記実施形態の固定板8と同様の部位には、上記と同一の符号を付している。図8に示す実施形態のものでは、曲げ縁部81に切残した複数の支持片部81aの固定板8の長手方向における幅を、固定板8の長手方向中央部に近い支持片部81aほど狭くしている。具体的には、押え爪82と曲げ縁部81に切残した支持片部81aとの個数を夫々6個とし、固定板8の長手方中心に最も近い♯1の支持片部81aの幅をW1、固定板8の長手方中心から2番目の♯2の支持片部81aの幅をW2、固定板8の長手方向最外側の♯3の支持片部W3の幅をW3として、W1<W2<W3になるようにしている。ここで、各支持片部81aは、押え爪82側(図8で上方)に向かって次第に幅狭になる形状であって、上記W1,W2,W3は、支持片部81aの上下方向中間の幅であるが、支持片部81aの上下方向何れの箇所の幅も上記の関係が成立している。
【0027】
以上の構成によれば、固定板8の長手方向中央部に近い部分では、支持片部81aの幅が狭くなって、押え爪82から燃焼板フランジ部122への支持片部81aを介しての伝熱量が低減する。従って、燃焼板フランジ部122の中央部への固定板8を介しての燃焼熱の伝熱量が低減し、燃焼板フランジ部122の中央部の過熱を抑制することができる。
【0028】
尚、図8に示すものでは、固定板8の長手方向最外側の♯3の押え爪82と固定板8の長手方向中心から2番目の♯2の押え爪82との間の間隔よりも♯2の押え爪82と固定板8の長手方向中心に最寄りの♯1の押え爪82との間の間隔を広くしているが、♯1の2個の押え爪82,82間の間隔は、♯2と♯1の両押え爪82,82間の間隔と等しくしている。但し、♯1の2個の押え爪82,82間の間隔を♯2と♯1の両押え爪82,82間の間隔よりも広くし、即ち、固定板8の長手方向に隣接する押え爪82,82間の間隔を、固定板8の長手方向中央部に近いものほど広くして、上述した効果に加えて、上記実施形態のものと同様の効果を得られるようにすることも可能である。
【0029】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、横方向に長手の長方形の燃焼板12の横方向両側の短辺に沿う燃焼板フランジ部122の部分は、断熱材で覆われていないため、この部分には固定板が設けられていないが、この部分を覆う断熱材を設ける場合は、この部分に上記実施形態と同様の固定板8を設ければよい。また、上記実施形態では、バーナボディ11に下向きの開放面111を形成しているが、開放面が上方を向くようにバーナを配置する燃焼装置にも同様に本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0030】
1…バーナ、11…バーナボディ、111…開放面、12…燃焼板、121…混合気噴出部、122…燃焼板フランジ部、2…燃焼筐、7…断熱材、8…固定板、81…曲げ縁部、81a…支持片部、81b…切欠き、82…押え爪。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
図5に明示する如く、燃焼板12の周縁には、混合気噴出部121に対し上方にオフセットした燃焼板フランジ部122が設けられている。そして、この燃焼板フランジ部122とボディフランジ部112との間にパッキン6を介設して、燃焼板フランジ部122とボディフランジ部112との間のシール性を確保している。また、燃焼板フランジ部122の外周縁は、ボディフランジ部112の外周縁よりも内側に位置し、更に、接合フランジ部21は、燃焼板フランジ部122の外周縁より外側に張出す張出し部21aを有している。パッキン6も、燃焼板フランジ部122の外周縁より外側に張出す張出し部6aを有している。そして、接合フランジ部21の張出し部21aとボディフランジ部112との間にパッキン6の張出し部6aを介設して、接合フランジ部21とボディフランジ部112との間のシール性を確保している。また、接合フランジ部21の内周縁は、燃焼板フランジ部122の内周縁と外周縁との中間に位置している。この中間位置より外側の燃焼板フランジ部122の部分に接合フランジ部21を直接接触させて、方に位置する上記水路4~412による冷熱が接合フランジ部21を介して燃焼板フランジ部122に伝達されるようにしている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3