(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170907
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置および人力駆動車用の制御システム
(51)【国際特許分類】
B62M 25/08 20060101AFI20241204BHJP
B62M 9/122 20100101ALI20241204BHJP
B62M 9/123 20100101ALI20241204BHJP
B62M 9/132 20100101ALI20241204BHJP
B62M 9/133 20100101ALI20241204BHJP
B62M 11/16 20060101ALI20241204BHJP
B62M 6/45 20100101ALI20241204BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20241204BHJP
【FI】
B62M25/08
B62M9/122
B62M9/123
B62M9/132
B62M9/133
B62M11/16 H
B62M6/45
B62J45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087671
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(72)【発明者】
【氏名】大石 利成
(72)【発明者】
【氏名】西野 高史
(72)【発明者】
【氏名】井土垣 慧
(57)【要約】
【課題】操作装置に電力を供給するバッテリの残量に応じて、好適な制御を実行できる人力駆動車用の制御装置および人力駆動車用の制御システムを提供する。
【解決手段】人力駆動車用の制御装置は、前記人力駆動車は、第1バッテリから電力が供給され、かつ、操作信号を送信する第1無線通信部を有する操作装置と、前記第1バッテリとは異なる第2バッテリから電力が供給され、かつ、前記第1無線通信部と無線通信する第2無線通信部を有し、かつ、前記操作信号に応じて動作する第1コンポーネントと、を含み、前記第1無線通信部を制御するように構成される第1制御部を備え、前記第1制御部は、前記第1バッテリの第1バッテリ残量に関する第1情報を前記第2無線通信部に送信するように、前記第1無線通信部を制御するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車は、第1バッテリから電力が供給され、かつ、操作信号を送信する第1無線通信部を有する操作装置と、前記第1バッテリとは異なる第2バッテリから電力が供給され、かつ、前記第1無線通信部と無線通信する第2無線通信部を有し、かつ、前記操作信号に応じて動作する第1コンポーネントと、を含み、
前記第1無線通信部を制御するように構成される第1制御部を備え、
前記第1制御部は、前記第1バッテリの第1バッテリ残量に関する第1情報を前記第2無線通信部に送信するように、前記第1無線通信部を制御するように構成される、制御装置。
【請求項2】
前記第1制御部は、前記第1バッテリ残量が所定残量以下の場合、前記第1情報を前記第2無線通信部に送信するように、前記第1無線通信部を制御するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含み、
前記操作信号は、前記変速比を変更するための前記操作信号を含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1情報は、前記変速比を所定変速比に変更させるための前記操作信号を含む、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車は、第1バッテリから電力が供給され、かつ、操作信号を送信する第1無線通信部を有する操作装置と、前記第1バッテリとは異なる第2バッテリから電力が供給され、かつ、前記第1無線通信部と無線通信する第2無線通信部を有し、かつ、前記操作信号に応じて動作する第1コンポーネントと、を含み、
前記第1コンポーネントを制御するように構成される第2制御部を備え、
前記第2制御部は、前記操作装置から送信される前記第1バッテリの第1バッテリ残量に関する第1情報に応じて、前記第1コンポーネントを制御するように構成される、制御装置。
【請求項6】
前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含み、
前記第2制御部は、前記第2無線通信部が前記第1情報を受信する場合、前記変速比が小さくなるように、前記変速装置を制御するように構成される、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含み、
前記第2制御部は、前記第2無線通信部が前記第1情報を受信する場合、前記変速比が所定変速比となるように、前記変速装置を制御するように構成される、請求項5に記載の制御装置。
【請求項8】
前記所定変速比は、予め設定される前記変速比、および、所定期間における使用頻度が最も高い前記変速比の少なくとも1つを含む、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含み、
前記第2制御部は、変速モードに基づいて前記変速装置を制御するように構成され、
前記変速モードは、前記人力駆動車の走行状態および走行環境の少なくとも1つに応じて前記変速比を変更する第1変速モードと、前記操作装置からの前記操作信号に応じて前記変速比を変更する第2変速モードと、を含み、
前記第2無線通信部が前記第1情報を受信する場合、前記第1変速モードにおいて前記変速装置を制御するように構成される、請求項5に記載の制御装置。
【請求項10】
前記第2制御部は、前記第2無線通信部が前記第1情報を受信する場合、前記第1変速モードにおいて前記変速装置を制御するように構成され、かつ、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御することを抑制するように構成される、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
人力駆動車用の制御システムであって、
第1バッテリから電力が供給され、かつ、操作信号を送信する第1無線通信部を有する操作装置と、
前記第1バッテリとは異なる第2バッテリから電力が供給され、かつ、前記第1無線通信部と無線通信する第2無線通信部を有し、かつ、前記操作信号に応じて動作する第1コンポーネントと、
前記第1無線通信部を制御するように構成される第1制御部と、
前記第1コンポーネントを制御するように構成される第2制御部と、を備え、
前記第1制御部は、前記第1バッテリの第1バッテリ残量に関する第1情報を前記第2無線通信部に送信するように、前記第1無線通信部を制御するように構成され、
前記第2制御部は、前記第1情報に応じて、前記第1コンポーネントを制御するように構成される、制御システム。
【請求項12】
前記操作装置は、前記第1バッテリが配置されるバッテリ配置部を含む、請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記第1バッテリをさらに備え、
前記第1バッテリは、ボタン電池およびコイン電池の少なくとも1つを含む、請求項12に記載の制御システム。
【請求項14】
前記第1制御部は、前記第1バッテリ残量が所定残量以下の場合、前記第1情報を、前記第2無線通信部に送信するように、前記第1無線通信部を制御するように構成される、請求項11に記載の制御システム。
【請求項15】
前記第1バッテリとは異なる第3バッテリからの電力が供給される第2コンポーネントと、
前記第2コンポーネントを制御するように構成される第3制御部と、をさらに備え、
前記第1制御部は、前記第1バッテリ残量が前記所定残量以下の場合、第2情報を前記第3制御部に送信するように構成され、
前記第3制御部は、前記第2情報に基づいて前記第2コンポーネントを制御するように構成される、請求項14に記載の制御システム。
【請求項16】
前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含み、
前記第2コンポーネントは、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを含み、
前記第3制御部は、前記第2情報を受信する場合、前記第1コンポーネントの動作頻度が低くなるように前記モータを制御するように構成される、請求項15に記載の制御システム。
【請求項17】
前記第3制御部は、前記第2情報を受信する場合、人力駆動力に対する前記モータの出力の比率を大きくするように、前記モータを制御するように構成される、請求項16に記載の制御システム。
【請求項18】
前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置および人力駆動車用の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される人力駆動車は、バッテリおよびバッテリから電力が供給されるコンポーネントを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、操作装置に電力を供給するバッテリの残量に応じて、好適な制御を実行できる人力駆動車用の制御装置および人力駆動車用の制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車は、第1バッテリから電力が供給され、かつ、操作信号を送信する第1無線通信部を有する操作装置と、前記第1バッテリとは異なる第2バッテリから電力が供給され、かつ、前記第1無線通信部と無線通信する第2無線通信部を有し、かつ、前記操作信号に応じて動作する第1コンポーネントと、を含み、前記第1無線通信部を制御するように構成される第1制御部を備え、前記第1制御部は、前記第1バッテリの第1バッテリ残量に関する第1情報を前記第2無線通信部に送信するように、前記第1無線通信部を制御するように構成される。
第1側面の制御装置によれば、操作装置に電力を供給する第1バッテリの第1バッテリ残量に関する第1情報を第1制御部が第1コンポーネントに送信するため、第1コンポーネントが第1情報を取得できる。したがって、制御装置は、操作装置に電力を供給するバッテリの残量に応じて、好適な制御を実行できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記第1制御部は、前記第1バッテリ残量が所定残量以下の場合、前記第1情報を前記第2無線通信部に送信するように、前記第1無線通信部を制御するように構成される。
第2側面の制御装置によれば、第1制御部は、バッテリ残量が所定残量以下の場合に、第1情報を第1コンポーネントに送信するため、バッテリ残量が所定残量以下の場合に、第1コンポーネントが第1情報を取得できる。
【0007】
本開示の第1または2側面に従う第3側面の制御装置において、前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含み、前記操作信号は、前記変速比を変更するための前記操作信号を含む。
第3側面の制御装置によれば、人力駆動車の変速比を変更するための操作信号を送信する操作装置に電力を供給する第1バッテリの第1バッテリ残量に関する第1情報を、変速装置に送信できる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面の制御装置において、前記第1情報は、前記変速比を所定変速比に変更させるための前記操作信号を含む。
第4側面の制御装置によれば、第1制御部は、第1情報を変速装置に送信することによって、変速装置が変速比を所定変速比に変更できる。
【0009】
本開示の第5側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車は、第1バッテリから電力が供給され、かつ、操作信号を送信する第1無線通信部を有する操作装置と、前記第1バッテリとは異なる第2バッテリから電力が供給され、かつ、前記第1無線通信部と無線通信する第2無線通信部を有し、かつ、前記操作信号に応じて動作する第1コンポーネントと、を含み、前記第1コンポーネントを制御するように構成される第2制御部を備え、前記第2制御部は、前記操作装置から送信される前記第1バッテリの第1バッテリ残量に関する第1情報に応じて、前記第1コンポーネントを制御するように構成される。
第5側面の制御装置によれば、第2制御部は、操作装置に電力を供給する第1バッテリの第1バッテリ残量に関する第1情報に応じて、第1コンポーネントを制御する。したがって、制御装置は、操作装置に電力を供給するバッテリの残量に応じて、好適な制御を実行できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の制御装置において、前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含み、前記第2制御部は、前記第2無線通信部が前記第1情報を受信する場合、前記変速比が小さくなるように、前記変速装置を制御するように構成される。
第6側面の制御装置によれば、第2無線通信部が第1情報を受信する場合、第2制御部が変速装置を制御することによって、変速比を小さくできるため、ライダの負荷が軽減される。
【0011】
本開示の第5側面に従う第7側面の制御装置において、前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含み、前記第2制御部は、前記第2無線通信部が前記第1情報を受信する場合、前記変速比が所定変速比となるように、前記変速装置を制御するように構成される。
第7側面の制御装置によれば、第2無線通信部が第1情報を受信する場合、第2制御部が変速装置を制御することによって、変速比を所定変速比に変更できる。
【0012】
本開示の第4または7側面に従う第8側面の制御装置において、前記所定変速比は、予め設定される前記変速比、および、所定期間における使用頻度が最も高い前記変速比の少なくとも1つを含む。
第8側面の制御装置によれば、第2制御部は、第2無線通信部が第1情報を受信する場合、変速比が予め設定される変速比、および、所定期間における使用頻度が最も高い変速比の少なくとも1つになるように変速装置を制御できる。
【0013】
本開示の第5側面に従う第9側面の制御装置において、前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含み、前記第2制御部は、変速モードに基づいて前記変速装置を制御するように構成され、前記変速モードは、前記人力駆動車の走行状態および走行環境の少なくとも1つに応じて前記変速比を変更する第1変速モードと、前記操作装置からの前記操作信号に応じて前記変速比を変更する第2変速モードと、を含み、前記第2無線通信部が前記第1情報を受信する場合、前記第1変速モードにおいて前記変速装置を制御するように構成される。
第9側面の制御装置によれば、第2制御部は、第2無線通信部が第1情報を受信する場合、第1変速モードにおいて変速装置を制御できる。
【0014】
本開示の第9側面に従う第10側面の制御装置において、前記第2制御部は、前記第2無線通信部が前記第1情報を受信する場合、前記第1変速モードにおいて前記変速装置を制御するように構成され、かつ、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御することを抑制するように構成される。
第10側面の制御装置によれば、第2制御部は、第2無線通信部が第1情報を受信する場合、変速比が大きくなることを抑制できる。
【0015】
本開示の第11側面に従う制御システムは、人力駆動車用の制御システムであって、第1バッテリから電力が供給され、かつ、操作信号を送信する第1無線通信部を有する操作装置と、前記第1バッテリとは異なる第2バッテリから電力が供給され、かつ、前記第1無線通信部と無線通信する第2無線通信部を有し、かつ、前記操作信号に応じて動作する第1コンポーネントと、前記第1無線通信部を制御するように構成される第1制御部と、前記第1コンポーネントを制御するように構成される第2制御部と、を備え、前記第1制御部は、前記第1バッテリの第1バッテリ残量に関する第1情報を前記第2無線通信部に送信するように、前記第1無線通信部を制御するように構成され、前記第2制御部は、前記第1情報に応じて、前記第1コンポーネントを制御するように構成される。
第11側面の制御システムによれば、第2制御部は、第2無線通信部が第1情報を受信する場合、第1コンポーネントを制御できる。したがって、制御システムは、操作装置に電力を供給するバッテリの残量に応じて、好適な制御を実行できる。
【0016】
本開示の第11側面に従う第12側面の制御システムにおいて、前記操作装置は、前記第1バッテリが配置されるバッテリ配置部を含む。
第12側面の制御システムによれば、操作装置に第1バッテリを配置できる。
【0017】
本開示の第12側面に従う第13側面の制御システムにおいて、前記第1バッテリをさらに備え、前記第1バッテリは、ボタン電池およびコイン電池の少なくとも1つを含む。
第13側面の制御システムによれば、操作装置にボタン電池およびコイン電池の少なくとも1つを配置できる。
【0018】
本開示の第11から第13側面のいずれか一項に従う第14側面の制御システムにおいて、前記第1制御部は、前記第1バッテリ残量が所定残量以下の場合、前記第1情報を、前記第2無線通信部に送信するように、前記第1無線通信部を制御するように構成される。
第14側面の制御システムによれば、第2制御部は、第1バッテリ残量が所定残量以下の場合に送信される第1情報に応じて、第1コンポーネントを制御できる。
【0019】
本開示の第14側面に従う第15側面の制御システムにおいて、前記第1バッテリとは異なる第3バッテリからの電力が供給される第2コンポーネントと、前記第2コンポーネントを制御するように構成される第3制御部と、をさらに備え、前記第1制御部は、前記第1バッテリ残量が前記所定残量以下の場合、第2情報を前記第3制御部に送信するように構成され、前記第3制御部は、前記第2情報に基づいて前記第2コンポーネントを制御するように構成される。
第15側面の制御システムによれば、第3制御部は、第1バッテリ残量が所定残量以下の場合に送信される第2情報に基づいて第2コンポーネントを制御できる。
【0020】
本開示の第15側面に従う第16側面の制御システムにおいて、前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含み、前記第2コンポーネントは、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを含み、前記第3制御部は、前記第2情報を受信する場合、前記第1コンポーネントの動作頻度が低くなるように前記モータを制御するように構成される。
第16側面の制御システムによれば、第3制御部は、第1バッテリ残量が所定残量以下の場合に送信される第2情報を受信する場合、モータを制御することによって、第1コンポーネントの動作頻度を低くできる。
【0021】
本開示の第16側面に従う第17側面の制御システムにおいて、前記第3制御部は、前記第2情報を受信する場合、人力駆動力に対する前記モータの出力の比率を大きくするように、前記モータを制御するように構成される。
第17側面の制御システムによれば、第3制御部は、第2情報を受信する場合、人力駆動力に対するモータの出力の比率を大きくするようにモータを制御することによって、第1コンポーネントの動作頻度を低くできる。
【0022】
本開示の第11から第14側面のいずれか1つに従う第18側面の制御システムにおいて、前記第1コンポーネントは、前記人力駆動車の変速比を変更するように構成される変速装置を含む。
第18側面の制御システムによれば、第2制御部は、第2無線通信部が第1情報を受信する場合、変速装置を制御できる。
【発明の効果】
【0023】
本開示の人力駆動車用の制御装置および人力駆動車用の制御システムは、操作装置に電力を供給するバッテリの残量に応じて、好適な制御を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1実施形態の人力駆動車用の制御装置、および、人力駆動車用の制御システムを含む人力駆動車の側面図である。
【
図2】
図1の人力駆動車用の制御装置および人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】
図2の第1制御部によって実行され、第1情報を送信するように第1無線通信部を制御する処理のフローチャートである。
【
図6】
図2の第2制御部によって実行され、変速装置を制御する処理のフローチャートである。
【
図7】第2実施形態の人力駆動車用の制御装置および人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図8】
図7の第1制御部によって実行され、第2情報を送信するように第1無線通信部を制御する処理のフローチャートである。
【
図9】
図7の第2制御部によって実行され、変速装置を制御する処理のフローチャートである。
【
図10】第1変更例の第2制御部によって実行され、変速装置を制御する処理のフローチャートである。
【
図11】第2変更例の第2制御部によって実行され、変速装置を制御する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態>
図1から
図6を参照して、人力駆動車用の制御装置50、および、人力駆動車用の制御システム40が説明される。
【0026】
人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、それぞれの実施形態において、人力駆動車は、自転車として説明される。
【0027】
図1に示されるように、人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪12と、車体14と、を含む。少なくとも1つの車輪12は、例えば、前輪12F、および、後輪12Rを含む。車体14は、フレーム16を含む。例えば、フレーム16にはサドル16Aが取り付けられる。
【0028】
人力駆動車10は、例えば、人力駆動力が入力されるクランク18をさらに含む。クランク18は、例えば、クランクアーム20およびクランク軸22を含む。クランク軸22は、例えば、フレーム16に対して回転可能である。クランクアーム20には、例えば、ペダル24が連結される。クランクアーム20は、例えば、第1クランクアーム20Aおよび第2クランクアーム20Bを含む。ペダル24は、例えば、第1ペダル24Aおよび第2ペダル24Bを含む。
【0029】
第1クランクアーム20Aおよび第2クランクアーム20Bのそれぞれは、例えば、クランク軸22の軸方向の端部のそれぞれに設けられる。第1クランクアーム20Aには、例えば、第1ペダル24Aが連結される。第2クランクアーム20Bには、例えば、第2ペダル24Bが連結される。
【0030】
フレーム16には、フロントフォーク26が接続される。フロントフォーク26には、前輪12Fが取り付けられる。フロントフォーク26には、ハンドルバー28がステム30を介して連結される。後輪12Rは、フレーム16に支持される。本実施形態では、クランク18は、駆動機構32によって後輪12Rと連結される。後輪12Rは、クランク軸22が回転することによって駆動される。前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つが、駆動機構32によってクランク18に連結されてもよい。
【0031】
駆動機構32は、クランク軸22に連結される少なくとも1つの第1回転体34を含む。少なくとも1つの第1回転体34は、例えば、フロントスプロケットを含む。少なくとも1つの第1回転体34は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。クランク軸22は、フロントスプロケットと、ワンウェイクラッチを介して連結されてもよい。
【0032】
駆動機構32は、少なくとも1つの第2回転体36および伝達部材38をさらに含む。伝達部材38は、少なくとも1つの第1回転体34の回転力を少なくとも1つの第2回転体36に伝達するように構成される。伝達部材38は、例えば、チェーンを含む。伝達部材38は、ベルト、または、シャフトを含んでいてもよい。少なくとも1つの第2回転体36は、例えば、リアスプロケットを含む。少なくとも1つの第2回転体36は、プーリ、または、ベベルギアを含んでもよい。チェーンは、例えば、フロントスプロケットおよびリアスプロケットに巻き掛けられる。少なくとも1つの第2回転体36は、例えば、後輪12Rに連結される。後輪12Rは、例えば、少なくとも1つの第2回転体36の回転にともなって回転するように構成される。
【0033】
図2に示されるように、人力駆動車10は、例えば、操作装置42と、第1コンポーネント44と、を含む。人力駆動車10は、人力駆動車用の制御システム40を含む。人力駆動車用の制御システム40は、例えば、操作装置42と、第1コンポーネント44と、第1制御部52Aと、第2制御部54Aと、を備える。
【0034】
図2および
図3に示す操作装置42は、例えば、第1コンポーネント44を操作するように構成される。操作装置42は、例えば、人力駆動車10の走行中にライダが操作できるように構成される。操作装置42は、例えば、ハンドルバー28に設けられる。操作装置42は、例えば、ハウジング42Aを有する。
【0035】
操作装置42は、例えば、ベース部42Bおよび操作部42Cを有する。ベース部42Bは、例えば、ハウジング42Aに含まれる。ベース部42Bは、例えば、ハンドルバー28に着脱可能に取り付けられる。操作部42Cは、例えば、ユーザの手指によって操作されるように構成される。操作部42Cは、例えば、ベース部42Bに設けられる。操作装置42の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
【0036】
操作部42Cは、例えば、レバー、スイッチ、および、ダイヤルの少なくとも1つを含む。レバーは、予め定める部材に対して揺動するレバー、および、予め定める回転軸線まわりに回転するレバーの少なくとも1つを含む。ボタンは、押しボタン、および、タッチパネルの少なくとも1つを含む。ダイヤルは、予め定める回転軸線まわりに回転するダイヤル、および、タッチパネルのダイヤルの少なくとも1つを含む。本実施形態では、操作部42Cはレバーを含む。
【0037】
制御システム40は、例えば、第1バッテリ46をさらに備える。操作装置42は、例えば、第1バッテリ46から電力が供給される。第1バッテリ46は、例えば、ボタン電池およびコイン電池の少なくとも1つを含む。第1バッテリ46は、例えば、1または複数のバッテリ素子を含んでいてもよい。バッテリ素子は、例えば、充電池を含む。
【0038】
第1バッテリ46は、例えば、操作装置42に設けられる。操作装置42は、例えば、第1バッテリ46が配置されるバッテリ配置部42Dを含む。バッテリ配置部42Dは、例えば、ベース部42Bに設けられる。バッテリ配置部42Dは、例えば、ハウジング42Aの内部に設けられる。バッテリ配置部42Dは、ハウジング42Aの外面に取り付けられてもよい。バッテリ配置部42Dは、省略されてもよい。バッテリ配置部42Dが省略される場合、第1バッテリ46は、ハンドルバー28のうちの操作装置42とは別の部分に設けられてもよく、ハンドルバー28以外に設けられてもよい。
【0039】
制御システム40は、例えば、制御装置50を含む。制御装置50は、例えば、第1制御装置52を含む。人力駆動車用の制御装置50は、例えば、第1制御部52Aを備える。第1制御装置52は、例えば、第1制御部52Aを備える。第1制御装置52は、例えば、操作装置42に設けられる。第1制御部52Aは、操作装置42を制御するように構成される。
【0040】
第1制御部52Aは、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。第1制御部52Aは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。第1制御部52Aは、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。第1制御部52Aは、例えば、操作装置42のベース部42Bに設けられる。第1制御部52Aは、例えば、操作装置42のハウジング42Aの内部に設けられる。第1制御部52Aは、ハウジング42Aの外部に設けられてもよい。
【0041】
第1制御装置52は、例えば、第1記憶部52Bをさらに備える。第1記憶部52Bは、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。第1記憶部52Bは、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。第1記憶部52Bは、例えば、第1制御部52Aと、有線または無線によって通信可能に接続される。第1記憶部52Bは、例えば、操作装置42のハウジング42Aの内部に設けられる。第1記憶部52Bは、操作装置42のハウジング42Aの外部に設けられてもよい。
【0042】
操作装置42は、例えば、操作信号を送信する第1無線通信部42Eを有する。第1無線通信部42Eは、例えば、第2無線通信部44Cと無線通信する。第1無線通信部42Eは、例えば、Bluetooth(登録商標)およびANT+(登録商標)等の通信規格によって通信するように構成される。第1無線通信部42Eは、独自の通信規格によって通信するように構成されてもよい。第1無線通信部42Eは、例えば、無線通信回路と、アンテナとを含む。第1無線通信部42Eは、第1制御部52Aと電気的に接続される。
【0043】
操作装置42は、例えば、第1バッテリ46のバッテリ残量を検出するように構成される第1バッテリ残量検出部42Fを有する。第1バッテリ残量検出部42Fは、例えば、有線または無線によって、第1制御部52Aと通信するように構成される。第1バッテリ残量検出部42Fは、例えば、第1バッテリ46のバッテリ残量に応じた信号を第1制御部52Aに出力する。
【0044】
操作装置42は、例えば、操作状態検出部をさらに有する。操作状態検出部は、操作部42Cの操作状態を検出するように構成される。操作部42Cの操作状態は、例えば、レバーの操作状態、ボタンの操作状態、および、ダイヤルの操作状態の少なくとも1つを含む。
【0045】
操作状態検出部は、有線または無線によって第1制御部52Aと通信するように構成される。操作状態検出部は、操作装置42の操作状態に応じた信号を第1制御部52Aに出力する。操作状態検出部から出力される信号は、例えば、操作状態を直接的に示す第1操作情報を含む。操作状態検出部から出力される信号は、第1操作情報とは異なる第2操作情報が含まれていてもよい。第2操作情報は、第1制御部52Aによる操作状態の検出を行うために用いられる情報を含む。例えば、操作状態検出部から出力される信号にレバーの移動量を示す第2操作情報が含まれる場合、第1制御部52Aは、移動量に基づいて操作装置42の操作状態を検出できる。
【0046】
第1制御部52Aは、例えば、操作状態検出部の出力に応じて、第1無線通信部42Eに操作信号を送信させる。操作装置42が複数の操作部42Cを含む場合、第1制御部52Aは、例えば、操作された操作部42Cに対応する操作信号を第1無線通信部42Eに操作信号を送信させる。
【0047】
図2および
図4に示す第1コンポーネント44は、例えば、操作信号に応じて動作する。第1コンポーネント44は、例えば、第1バッテリ46とは異なる第2バッテリ48から電力が供給される。第1コンポーネント44は、例えば、ハウジング44Aを有する。
【0048】
制御システム40は、例えば、第1バッテリ46とは異なる第2バッテリ48をさらに備える。第2バッテリ48は、例えば、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、例えば、充電池を含む。第2バッテリ48は、例えば、第1コンポーネント44に電力を供給する。
【0049】
図2に示されるように、第1コンポーネント44は、例えば、電動アクチュエータ44Bを有する。電動アクチュエータ44Bは、例えば、電気モータを含む。第1コンポーネント44は、電動アクチュエータ44Bによって動作する。電動アクチュエータ44Bは、例えば、操作信号に応じて動作する。電動アクチュエータ44Bは、例えば、第2バッテリ48から電力を供給される。電動アクチュエータ44Bの少なくとも一部は、例えば、第1コンポーネント44のハウジング44Aの内部に設けられる。電動アクチュエータ44Bは、第1コンポーネント44のハウジング44Aの外部に設けられてもよい。
【0050】
第2バッテリ48は、例えば、第1コンポーネント44に設けられる。第1コンポーネント44は、第2バッテリ48が配置される第2バッテリ配置部を含んでもよい。第2バッテリ48は、第1コンポーネント44の外部に設けられてもよい。第2バッテリ48が、第1コンポーネント44の外部に設けられる場合、第2バッテリ48は、フレーム16に設けられてもよい。第2バッテリ48は、第1コンポーネント44に加えて、操作装置42を除く人力駆動車10の電動コンポーネントに電力を供給可能に構成されてもよい。
【0051】
制御装置50は、例えば、第2制御装置54を含む。制御装置50は、例えば、第2制御部54Aを備える。第2制御装置54は、例えば、第2制御部54Aを備える。第2制御装置54は、例えば、第1コンポーネント44に設けられる。第2制御部54Aは、第1コンポーネント44を制御するように構成される。
【0052】
第2制御部54Aは、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPUを含む。第2制御部54Aは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。第2制御部54Aは、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。第2制御部54Aは、例えば、第1コンポーネント44のハウジング44Aの内部に設けられる。第2制御部54Aは、第1コンポーネント44のハウジング44Aの外部に設けられてもよい。
【0053】
第2制御装置54は、例えば、第2記憶部54Bをさらに備える。第2記憶部54Bは、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。第2記憶部54Bは、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。第2記憶部54Bは、例えば、第2制御部54Aと、有線または無線によって通信可能に接続される。第2記憶部54Bは、例えば、第1コンポーネント44のハウジング44Aに設けられる。第2記憶部54Bは、例えば、ハウジング44Aの内部に設けられる。第2記憶部54Bは、ハウジング44Aの外部に設けられてもよい。
【0054】
第1コンポーネント44は、例えば、第2無線通信部44Cを有する。第2無線通信部44Cは、例えば、第1無線通信部42Eと無線通信する。第2無線通信部44Cは、例えば、BluetoothおよびANT+等の通信規格によって通信するように構成される。第2無線通信部44Cは、独自の通信規格によって通信するように構成されてもよい。第2無線通信部44Cは、例えば、無線通信回路と、アンテナとを含む。第2無線通信部44Cは、第2制御部54Aと電気的に接続される。
【0055】
第1コンポーネント44は、例えば、第2バッテリ残量検出部をさらに有していてもよい。第2バッテリ残量検出部は、例えば、第2バッテリ48のバッテリ残量を検出するように構成される。第2バッテリ残量検出部は、例えば、有線または無線によって、第2制御部54Aと通信するように構成される。第2バッテリ残量検出部は、例えば、第2バッテリ48のバッテリ残量に応じた信号を第2制御部54Aに出力する。
【0056】
第1コンポーネント44は、例えば、変速装置44D、アジャスタブルシートポスト、および、電動サスペンションの少なくとも1つを含む。アジャスタブルシートポストは、例えば、シートポストに取り付けられる。アジャスタブルシートポストは、シートポストをフレーム16に対して上昇および下降させる。
【0057】
電動サスペンションは、空気圧式と、油圧式と、空気圧式および油圧を含むハイブリッド式とのいずれであってもよい。電動サスペンションは、油または空気の流路を開閉するバルブを含む。電動サスペンションは、複数の動作状態によって動作する。複数の動作状態は、電動サスペンションのストローク長、電動サスペンションの反発力、および、電動サスペンションの減衰力の少なくとも1つが異なる動作状態を含む。電動サスペンションは、動作指令に応じて、複数の動作状態を切り替えるように構成される。電動サスペンションの反発力は、例えば、電動サスペンションのロック状態、アンロック状態、および、半ロック状態の場合の反発力を含む。
【0058】
変速装置44Dは、人力駆動車10の変速比を変更するように構成される。変速装置44Dは、例えば、車輪12の車輪軸または車輪軸付近に設けられる。変速装置44Dは、例えば、ディレイラ44Eを含む。変速装置44Dは、内装変速機を含んでいてもよい。ディレイラ44Eは、例えば、リアディレイラを含む。ディレイラ44Eは、フロントディレイラを含んでもよい。
【0059】
ディレイラ44Eは、例えば、人力駆動車10における人力駆動力の伝達経路に設けられ、かつ、変速比を変更するように構成される。変速比は、例えば、クランク軸22の回転速度に対する少なくとも1つの車輪12の回転速度の比である。変速比が大きいほど、少なくとも1つの車輪12の回転速度が大きくなる。変速比が小さいほど、少なくとも1つの車輪12の回転速度が小さくなる。少なくとも1つの車輪12の回転速度は、例えば、駆動輪の回転速度を含む。駆動輪は、例えば、後輪12Rを含む。駆動輪は、前輪12Fを含んでいてもよい。
【0060】
電動アクチュエータ44Bは、例えば、ディレイラ44Eを動作させるように構成される。少なくとも1つの第2回転体36は、複数の第2回転体36を含む。ディレイラ44Eは、複数の第2回転体36のうちの1つから、複数の第2回転体36のうちの他の1つに伝達部材38を掛け替えることによって変速比を変更する。変速比と、少なくとも1つの車輪12の回転速度と、クランク軸22の回転速度との関係は、式(1)によって表される。式(1)において、Rは、変速比を示す。式(1)において、Wは、駆動輪の回転速度を示す。式(1)において、Cは、クランク軸22の回転速度を示す。
式(1):R=W(rpm)/C(rpm)
【0061】
本実施形態では、第1コンポーネント44は、変速装置44Dを含む。第1コンポーネント44が変速装置44Dを含む場合、操作信号は、例えば、変速比を変更するための操作信号を含む。操作信号は、例えば、変速比を増加させるための第1変速信号、および、変速比を減少させるための第2変速信号を含む。第2制御部54Aは、例えば、操作信号を受信する場合、変速比を変更するように電動アクチュエータ44Bを制御するように構成される。第2制御部54Aは、例えば、第1変速信号を受信する場合、変速比を増加させるように電動アクチュエータ44Bを制御するように構成される。第2制御部54Aは、例えば、第2変速信号を受信する場合、変速比を増加させるように電動アクチュエータ44Bを制御するように構成される。
【0062】
第2制御部54Aは、例えば、変速モードに基づいて変速装置44Dを制御するように構成される。変速モードは、例えば、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに応じて変速比を変更する第1変速モードと、操作装置42からの操作信号に応じて変速比を変更する第2変速モードと、を含む。人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つは、例えば、クランク軸22の回転速度、人力駆動力、車速、路面勾配、および、走行抵抗の少なくとも1つを含む。
【0063】
人力駆動車10は、例えば、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つを検出する検出部をさらに含む。人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つは、例えば、変速装置44Dの制御に関するパラメータである。パラメータは、例えば、クランク軸22の回転速度、車速、人力駆動力、および、路面勾配の少なくとも1つを含む。検出部は、例えば、クランク回転状態検出部、人力駆動力検出部、車速検出部、および、人力駆動車10の傾斜角度を検出する傾斜検出部の少なくとも1つを含む。検出部は、例えば、変速装置44Dと通信可能に構成される。検出部は、ドライブユニット66を介して変速装置44Dと通信可能に構成されてもよい。
【0064】
第2制御部54Aは、例えば、第1変速モードと、第2変速モードとを切り替えるように構成される。第1変速モードは、例えば、オート変速モードである。第2制御部54Aは、例えば、第1変速モードにおいて、クランク軸22の回転速度、車速、および、人力駆動力の少なくとも1つが、予め定める範囲内に入るように電動アクチュエータ44Bを制御するように構成される。第2制御部54Aは、第1変速モードにおいて、操作信号を受信する場合、変速比を変更するように電動アクチュエータ44Bを制御するように構成される。第2制御部54Aは、第1変速モードにおいて、操作信号を受信する場合、変速比を変更しないように電動アクチュエータ44Bを制御するように構成されてもよい。
【0065】
第2変速モードは、例えば、マニュアル変速モードである。第2制御部54Aは、例えば、第2変速モードにおいて、操作信号を受信する場合、変速比を変更するように電動アクチュエータ44Bを制御するように構成される。
【0066】
第1制御部52Aは、例えば、第1無線通信部42Eを制御するように構成される。第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ46の第1バッテリ残量に関する第1情報を第2無線通信部44Cに送信するように、第1無線通信部42Eを制御するように構成される。
【0067】
第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下の場合、第1情報を第2無線通信部44Cに送信するように、第1無線通信部42Eを制御するように構成される。第1情報は、例えば、第1バッテリ残量、第1バッテリ残量が所定残量以下であることを通知する通知情報、および、第1バッテリ残量が所定残量以下であることに基づいて、第1コンポーネント44を制御するための制御情報の少なくとも1つを含む。第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量検出部42Fの出力に応じて第1情報を生成する。
【0068】
所定残量は、例えば、操作部42Cの操作状態に応じて第1無線通信部42Eから操作信号を送信不能になる第1バッテリ残量に基づいて設定される。第1制御部52Aは、第1バッテリ残量が所定残量である場合、操作部42Cの操作状態に応じて第1無線通信部42Eから操作信号を送信可能である。第1制御部52Aは、第1バッテリ残量が所定残量よりも小さい第1残量以下の場合、操作部42Cの操作状態に応じて第1無線通信部42Eから操作信号を送信不能である。
【0069】
図5を参照して、第1制御部52Aが第1無線通信部42Eを制御する処理が説明される。第1制御部52Aは、例えば、第1制御部52Aに電力が供給されると、処理を開始して
図5に示すフローチャートのステップS11に移行する。第1制御部52Aは、
図5のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期の経過後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0070】
第1制御部52Aは、ステップS11において、第1バッテリ残量を取得し、ステップS12に移行する。第1制御部52Aは、ステップS12において、第1バッテリ残量が所定残量以下か否かを判定する。第1制御部52Aは、第1バッテリ残量が所定残量よりも大きい場合、処理を終了する。第1制御部52Aは、第1バッテリ残量が所定残量以下である場合、ステップS13に移行する。第1制御部52Aは、ステップS13において、第1バッテリ残量に関する第1情報を第2無線通信部44Cに送信するように、第1無線通信部42Eを制御して、処理を終了する。
【0071】
第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下になった後、第1情報を第2無線通信部44Cに送信すると、第1解除条件が成立するまでステップS13の処理を実行しないように構成されてもよい。第1解除条件は、例えば、第1バッテリ残量が第2残量よりも多くなった場合を含む。第2残量は、所定残量と同じであってもよく、所定残量よりも大きくてもよく、所定残量よりも小さくてもよい。第2残量は、例えば、第1残量よりも大きい。第1バッテリ残量が第2残量である場合、第1制御部52Aは、例えば、操作部42Cの操作状態に応じて第1無線通信部42Eから操作信号を送信可能である。
【0072】
第1解除条件は、ユーザがリセット操作部を操作した場合を含んでもよい。リセット操作部は、例えば、操作装置42に設けられる。第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下になった後、第1情報を第2無線通信部44Cに送信すると、第1解除条件が成立するまで
図5の処理を実行しないように構成されてもよい。
【0073】
第2制御部54Aは、例えば、第1情報に応じて、第1コンポーネント44を制御するように構成される。第2制御部54Aは、例えば、操作装置42から送信される第1バッテリ46の第1バッテリ残量に関する第1情報に応じて、第1コンポーネント44を制御するように構成される。第2制御部54Aは、例えば、第1情報に応じて、第1制御例、および、第2制御例の少なくとも1つを実行するように構成される。
【0074】
第1制御例では、第2制御部54Aは、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合、第1変速モードにおいて変速装置44Dを制御するように構成される。第1制御例では、第2制御部54Aは、例えば、変速モードが第2変速モードである場合において、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合、変速モードを第2変速モードから第1変速モードに切り替えるように構成される。第1制御例は、第2制御部54Aが、変速モードを第1変速モードと第2変速モードとの間において切り替えるように構成される場合の一例である。
【0075】
第2制御例では、第2制御部54Aは、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合、変速比が所定変速比となるように、変速装置44Dを制御するように構成される。第2制御部54Aが第1制御例および第2制御例の両方を実行する場合、第2制御部54Aは、例えば、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合、変速モードを第1変速モードに切り替え、かつ、変速比が所定変速比となるように、変速装置44Dを制御するように構成される。
【0076】
第2制御例では、第1情報は、例えば、変速比を所定変速比に変更させるための操作信号を含む。第2制御例では、第1情報は、例えば、変速比を所定変速比に変更させるための制御情報を含む。所定変速比は、例えば、予め設定される変速比、および、所定期間における使用頻度が最も高い変速比の少なくとも1つを含む。予め設定される変速比は、例えば、変速装置44Dが実現可能な変速比のうちの最大変速比よりも小さい変速比以下の変速比である。予め設定される変速比は、例えば、変速装置44Dが実現可能な変速比のうちの最小変速比である。予め設定される変速比は、ユーザによって設定される変速比であってもよい。
【0077】
図6を参照して、第2制御部54Aが変速装置44Dを制御する処理が説明される。
図6は、例えば、第2制御部54Aが第1制御例および第2制御例の両方を実行する場合における、第2制御部54Aが変速装置44Dを制御する処理である。第2制御部54Aは、例えば、第2制御部54Aに電力が供給されると、処理を開始して
図6に示すフローチャートのステップS21に移行する。第2制御部54Aは、
図6のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期の経過後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0078】
第2制御部54Aは、ステップS21において、第2無線通信部44Cが第1情報を受信したか否かを判定する。第2無線通信部44Cが第1情報を受信しない場合、第2制御部54Aは処理を終了する。第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合、第2制御部54AはステップS22に移行する。
【0079】
第2制御部54Aは、ステップS22において、変速モードが第1変速モードか否かを判定する。第2制御部54Aは、例えば、変速モードが第2変速モードである場合、変速モードが第1変速モードでないと判定する。変速モードが第1変速モードでない場合、第2制御部54Aは、ステップS23に移行する。第2制御部54Aは、ステップS23において、変速モードを第1変速モードに切り替えて、ステップS24に移行する。
【0080】
ステップS22において、変速モードが第1変速モードである場合、第2制御部54Aは、ステップS24に移行する。第2制御部54Aは、ステップS24において、変速比が所定変速比となるように、変速装置44Dを制御して、処理を終了する。
【0081】
第2制御部54Aが第1制御例を実行せず、かつ、第2制御例を実行する場合、
図6のステップS22およびステップS23は省略されてもよい。第2制御部54Aが第1制御例を実行せず、かつ、第2制御例を実行する場合、第2制御部54Aは、例えば、ステップS21においてYESの場合、ステップS24に移行する。
【0082】
第2制御部54Aが第1制御例を実行せず、かつ、第2制御例を実行する場合、第2制御部54Aは、第2解除条件が成立するまで、操作信号を受信しても変速比を変更しないように構成されてもよい。第2解除条件は、例えば、第1解除条件が成立した場合に成立する。第1制御部52Aは、例えば、第1解除条件が成立すると、第2制御部54Aに解除指令を送信する。第2制御部54Aは、解除指令を受信すると、第2解除条件が成立したと判定する。
【0083】
第2制御部54Aが第1制御例を実行し、かつ、第2制御例を実行しない場合、
図6のステップS24は省略されてもよい。第2制御部54Aが第1制御例を実行し、かつ、第2制御例を実行する場合、第2制御部54Aは、例えば、ステップS21においてYESの場合、
図6の処理を終了する。第2制御部54Aが第1制御例を実行し、かつ、第2制御例を実行する場合、第2制御部54Aは、例えば、ステップS23の処理を実行した後、処理を終了する。
【0084】
第2制御部54Aが第1制御例を実行し、かつ、第2制御例を実行しない場合、および、第2制御部54Aが第1制御例および第2制御例の両方を実行する場合、第2制御部54Aは、第2解除条件が成立するまで、変速モードを第2変速モードに変更しないように構成されてもよい。
【0085】
第2制御部54Aは、第1バッテリ46の第1バッテリ残量が所定残量以下の場合、第1変速モードにおいて変速装置44Dを制御できる。したがって、第1バッテリ46の第1バッテリ残量の低下にともなって、操作装置42から操作信号が送信されなくなる前に、変速モードが第1変速モードに変更されるため、操作装置42から操作信号が送信されなくなっても、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに応じて変速比の変更が行われる。したがって、制御システム40は、人力駆動車10の快適な走行に貢献できる。
【0086】
第2制御部54Aは、第1バッテリ46の第1バッテリ残量が所定残量以下の場合、変速比が所定変速比になるように変速装置44Dを制御できる。したがって、第2制御部54Aは、第1バッテリ46の第1バッテリ残量の低下にともなって、操作装置42から操作信号が送信されなくなる前に、変速比を所定変速比に変更できる。
【0087】
制御システム40は、変速装置44Dが実現可能な変速比のうちの最大変速比よりも所定変速比が小さい変速比以下である場合、操作装置42から操作信号が送信されなくなった後に、変速比が所定変速比よりも大きい状態が維持されることによるライダの負荷が大きい状態が継続されることを抑制できる。人力駆動車10は、所定変速比が所定期間における使用頻度が最も高い変速比である場合、操作装置42から操作信号が送信されなくなった後に、ライダにとって好適な変速比によって走行できる。
【0088】
<第2実施形態>
図7から
図9を参照して、第2実施形態の人力駆動車用の制御システム40および人力駆動車用の制御装置50が説明される。第2実施形態の人力駆動車用の制御システム40および人力駆動車用の制御装置50の第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0089】
制御システム40は、例えば、第1バッテリ46とは異なる第3バッテリ56をさらに備える。第3バッテリ56は、例えば、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、例えば、充電池を含む。第3バッテリ56は、例えば、フレーム16に設けられる。第3バッテリ56は、例えば、第2コンポーネント58に電力を供給する。
【0090】
第3バッテリ56は、第2バッテリ48と同じであってもよい。第3バッテリ56が第2バッテリ48と同じ場合、第2バッテリ48は、例えば、フレーム16に設けられ、かつ、第1コンポーネント44および第2コンポーネント58の両方に電力を供給するように構成される。
【0091】
制御システム40は、例えば、第2コンポーネント58と、第3制御部60と、をさらに備える。第2コンポーネント58は、例えば、第1バッテリ46とは異なる第3バッテリ56からの電力が供給される。第2コンポーネント58は、例えば、ハウジングを有する。
【0092】
第2コンポーネント58は、例えば、第3制御部60を有する。第3制御部60は、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPUを含む。第3制御部60は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。第3制御部60は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。第3制御部60は、例えば、第2コンポーネント58のハウジングの内部に設けられる。第3制御部60は、第2コンポーネント58のハウジングの外部に設けられてもよい。
【0093】
第2コンポーネント58は、例えば、第3記憶部62を有する。第3記憶部62は、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。第3記憶部62は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。第3記憶部62は、例えば、第3制御部60と、有線または無線によって通信可能に接続される。第3記憶部62は、例えば、第2コンポーネント58のハウジングの内部に設けられる。第3記憶部62は、第2コンポーネント58のハウジングの外部に設けられてもよい。
【0094】
第2コンポーネント58は、例えば、第3無線通信部64を有する。第3無線通信部64は、例えば、第1無線通信部42Eと無線通信する。第3無線通信部64は、例えば、第2無線通信部44Cと無線通信してもよい。
【0095】
第3無線通信部64は、例えば、BluetoothおよびANT+等の通信規格によって通信するように構成される。第3無線通信部64は、独自の通信規格によって通信するように構成されてもよい。第3無線通信部64は、例えば、無線通信回路と、アンテナとを含む。第3無線通信部64は、第3制御部60と電気的に接続される。
【0096】
第2コンポーネント58は、例えば、第3バッテリ残量検出部をさらに有していてもよい。第3バッテリ残量検出部は、例えば、第3バッテリ56のバッテリ残量を検出するように構成される。第3バッテリ残量検出部は、例えば、有線または無線によって、第3制御部60と通信するように構成される。第3バッテリ残量検出部は、例えば、第3バッテリ56のバッテリ残量に応じた信号を第3制御部60に出力する。
【0097】
本実施形態では、第1コンポーネント44は、人力駆動車10の変速比を変更するように構成される変速装置44Dを含む。第2コンポーネント58は、第1コンポーネント44と異なる。本実施形態では、第2コンポーネント58は、例えば、ドライブユニット66である。第2コンポーネント58は、第1コンポーネント44と異なっていれば、変速装置44D、アジャスタブルシートポスト、および、電動サスペンションの少なくとも1つであってもよい。
【0098】
第2コンポーネント58は、例えば、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるモータ68を含む。モータ68は、例えば、ドライブユニット66に設けられる。モータ68の少なくとも一部は、例えば、第2コンポーネント58のハウジングの内部に設けられる。第2コンポーネント58は、例えば、クランク軸22に設けられる。モータ68は、少なくとも1つの車輪12に設けられるハブモータであってもよい。
【0099】
第3制御部60は、例えば、第2コンポーネント58を制御するように構成される。第3制御部60は、例えば、モータ68を制御するように構成される。ドライブユニット66は、モータ68の駆動回路をさらに有していてもよい。駆動回路は、第3制御部60と同一の回路基板に設けられてもよい。駆動回路は、例えば、第3制御部60と有線または無線によって通信可能に接続される。駆動回路は、例えば、第3制御部60からの制御信号に応じてモータ68を駆動させる。
【0100】
駆動回路は、例えば、モータ68に電気的に接続される。駆動回路は、例えば、第3バッテリ56からモータ68への電力の供給を制御する。駆動回路は、例えば、インバータ回路を含む。インバータ回路は、例えば、複数のトランジスタを含む。インバータ回路は、例えば、直列に接続される一対のトランジスタからなる複数のインバータ部が並列に接続される構成を含む。
【0101】
第3制御部60は、例えば、クランク回転状態検出部によって検出されるクランク軸22の回転速度および第1回転体34の回転速度の少なくとも1つに応じて、モータ68を制御するように構成される。第2制御部54Aは、例えば、車速検出部によって検出される人力駆動車10の車速に応じて、モータ68を制御するように構成される。
【0102】
第3制御部60は、例えば、人力駆動車10の車速が予め定める車速より小さい場合、人力駆動力またはクランク軸22の回転速度の少なくとも1つに応じて、人力駆動車10に推進力を付与するようにモータ68を駆動するように構成される。予め定める車速は、例えば、国ごとに法令によって規定される速度である。予め定める車速は、例えば、24km/h、25km/h、30km/h、32km/h、または、45km/hである。
【0103】
第3制御部60は、例えば、モータ68によるアシストレベルが、予め定めるアシストレベルになるようにモータ68を制御するように構成される。アシストレベルは、例えば、モータ68の出力、モータ68の出力の上限値、人力駆動車10に入力される人力駆動力に対するモータ68の出力のアシスト比率、および、人力駆動力の変化に対するモータ68の出力の応答速度の少なくとも1つに関する。
【0104】
応答速度は、人力駆動力が増加する場合の第1応答速度、および、人力駆動力が減少する場合の第2応答速度の少なくとも1つを含む。第2制御部54Aは、例えば、人力駆動力に対するアシスト力の比率が予め定める比率になるように、モータ68を制御するように構成される。アシストレベルが低くなるほど、モータ68の出力、モータ68の出力の上限値、アシスト比率、および、第1応答速度は、小さくなる。アシストレベルが低くなるほど、第2応答速度は大きくなる。
【0105】
人力駆動力は、例えば、トルクおよび仕事率の少なくとも1つによって表される。人力駆動力がトルクによって表される場合、例えば、人力駆動力は人力トルクと記載される。人力駆動力が仕事率によって表される場合、例えば、人力駆動力は人力仕事率と記載される。人力仕事率は、例えば、クランク軸22に与えられるトルクとクランク軸22の回転速度との積である。
【0106】
アシスト力は、例えば、トルクおよび仕事率の少なくとも1つによって表される。アシスト力がトルクによって表される場合、例えば、アシスト力はアシストトルクと記載される。アシスト力が仕事率によって表される場合、例えば、アシスト力はアシスト仕事率と記載される。人力駆動力に対するアシスト力の比率は、人力トルクに対するアシストトルクの比率であってもよく、人力仕事率に対するアシスト仕事率の比率であってもよい。
【0107】
第2実施形態において、第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下になると、第2情報を第3制御部60に送信するように構成される。第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下になると、第2情報を第3無線通信部64に送信するように第1無線通信部42Eを制御するように構成される。第2情報は、例えば、第1バッテリ残量、第1バッテリ残量が所定残量以下であることを通知する通知情報、および、第1バッテリ残量が所定残量以下であることに基づいて、第1コンポーネント44を制御するための制御情報の少なくとも1つを含む。
【0108】
図8を参照して、第1制御部52Aが第1無線通信部42Eを制御する処理が説明される。第1制御部52Aは、例えば、第1制御部52Aに電力が供給されると、処理を開始して
図8に示すフローチャートのステップS31に移行する。第1制御部52Aは、
図8のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期の経過後にステップS31からの処理を繰り返す。
【0109】
第1制御部52Aは、ステップS31において、第1バッテリ残量を取得し、ステップS32に移行する。第1制御部52Aは、ステップS32において、第1バッテリ残量が所定残量以下か否かを判定する。第1制御部52Aは、第1バッテリ残量が所定残量以下である場合、ステップS33に移行する。第1制御部52Aは、第1バッテリ残量が所定残量より多い場合、処理を終了する。第1制御部52Aは、ステップS33において、第1バッテリ残量に関する第2情報を第3無線通信部64に送信するように、第1無線通信部42Eを制御して、処理を終了する。
【0110】
第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下になった後、第1情報を第3無線通信部64に送信すると、第1解除条件が成立するまでステップS33の処理を実行しないように構成されてもよい。第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下になった後、第1情報を第3無線通信部64に送信すると、第1解除条件が成立するまで
図8の処理を実行しないように構成されてもよい。
【0111】
第3制御部60は、例えば、第2情報に基づいて第2コンポーネント58を制御するように構成される。第3制御部60は、例えば、第2情報を受信する場合、第1コンポーネント44の動作頻度が低くなるようにモータ68を制御するように構成される。第1コンポーネント44が変速装置44Dである場合、第1コンポーネント44の動作頻度は、例えば、ディレイラ44Eが変速比を変更するために伝達部材38を操作する頻度および電動アクチュエータ44Bが動作する頻度の少なくとも1つを含む。
【0112】
第3制御部60は、例えば、第2情報を受信する場合、人力駆動力に対するモータ68の出力の比率を大きくするように、モータ68を制御するように構成される。第3制御部60は、例えば、第2情報を受信する場合、アシスト比率を大きくするように、モータ68を制御するように構成される。
【0113】
第3制御部60は、第2情報を受信する場合、モータ68の出力の上限値、および、人力駆動力の変化に対するモータ68の出力の応答速度を変更するように、モータ68を制御するように構成されてもよい。アシスト比率を大きくすると、ライダの負荷が減少する。ライダの負荷が小さいと、ライダが疲労しにくくなるため、ライダの疲労によるクランク軸22の回転速度、車速、および、人力駆動力の変化が生じにくくなる。ライダの負荷が小さいと、ライダが変速操作を行う頻度が低下する。
【0114】
変速モードが第1変速モードである場合、かつ、パラメータがクランク軸22の回転速度、車速、および、人力駆動力の少なくとも1つである場合、クランク軸22の回転速度、車速、および、人力駆動力が変化しにくいと第2制御部54Aが変速比を変更するように変速装置44Dを制御する頻度が低下する。したがって、第3制御部60がアシスト比率を大きくするようにモータ68を制御することによって、変速装置44Dの動作頻度を低くできる。モータ68の出力の上限値、および、人力駆動力の変化に対するモータ68の出力の応答速度が変更される場合も、ライダの負荷を減少できるため、変速装置44Dの動作頻度を低くできる。
【0115】
ライダの負荷が大きい場合、ライダは、例えば、シートポストの高さを低くして座り漕ぎをする。したがって、第1コンポーネント44がアジャスタブルシートポストを含む場合、ライダの負荷の変動が大きいと、アジャスタブルシートポストの動作頻度は増加する。
【0116】
ライダの負荷が大きい場合、ライダは、電動サスペンションをロック状態にする。したがって、第1コンポーネント44が電動サスペンションを含む場合、ライダの負荷の変動が大きいと電動サスペンションの動作頻度は上昇する。
【0117】
第1コンポーネント44が、アジャスタブルシートポストまたは電動サスペンションを含んでいても、第3制御部60がモータ68を制御することによって、第1コンポーネント44の動作頻度を低くできる。
【0118】
第1コンポーネント44および第2コンポーネント58は、例えば、いずれも所定パラメータに関するものである。本実施形態では、所定パラメータは、ライダの負荷を含む。第1コンポーネント44および第2コンポーネント58は、例えば、いずれも、ライダの負荷以外の所定パラメータに関するものであってもよい。第1コンポーネント44および第2コンポーネント58がいずれも所定パラメータに関連するものであることによって、第1コンポーネント44の種類および第2コンポーネント58の種類の組み合わせがいずれであっても、第2コンポーネント58を制御することによって、第1コンポーネント44の動作頻度を低くできる。
【0119】
図9を参照して、第3制御部60がモータ68を制御する処理が説明される。第3制御部60は、例えば、第3制御部60に電力が供給されると、処理を開始して
図9に示すフローチャートのステップS41に移行する。第3制御部60は、
図9のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期の経過後にステップS41からの処理を繰り返す。
【0120】
第3制御部60は、ステップS41において、第3無線通信部64が第2情報を受信したか否かを判定する。第3無線通信部64が第2情報を受信する場合、第3制御部60は、ステップS42に移行する。第3無線通信部64が第2情報を受信しない場合、第3制御部60は、処理を終了する。第3制御部60は、ステップS42において、人力駆動力に対するモータ68の出力の比率を大きくするように、モータ68を制御して、処理を終了する。
【0121】
<変更例>
各実施形態に関する説明は、人力駆動車用の制御装置、および、人力駆動車用の制御システムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置、および、人力駆動車用の制御システムは、例えば、以下に示される各実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、各実施形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0122】
・第2実施形態の制御システム40は、第1実施形態の
図5および
図6の制御を実行するように構成されてもよい。
【0123】
・第1実施形態の第2制御例において、第2制御部54Aは、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合、変速比が小さくなるように、変速装置44Dを制御するように構成されてもよい。第2制御部54Aは、例えば、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合における変速比よりも小さい変速比になるように変速装置44Dを制御する。第2制御部54Aは、例えば、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合における変速比を所定段階よりも小さい変速比になるように変速装置44Dを制御する。所定段階は、例えば、1段階である。第2制御部54Aは、例えば、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合における変速比が変速装置44Dによって実現できる最小変速比である場合、変速比を変更しない。
第2制御部54Aは、例えば、
図6のステップS24の処理に代えて、
図10のステップS51の処理を実行する。ステップS22において、変速モードが第1変速モードでない場合、第2制御部54Aは、ステップS23に移行する。第2制御部54Aは、ステップS23において、変速モードを第1変速モードに切り替えて、ステップS51に移行する。ステップS22において、変速モードが第1変速モードである場合、第2制御部54Aは、ステップS51に移行する。第2制御部54Aは、ステップS51において、変速比が小さくなるように、変速装置44Dを制御して、処理を終了する。
【0124】
・第1実施形態の第1制御例において、第2制御部54Aは、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合、第1変速モードにおいて変速装置44Dを制御するように構成され、かつ、変速比が大きくなるように変速装置44Dを制御することを抑制するように構成されてもよい。本変更例の第2制御部54Aは、例えば、第1変速モードにおいて、人力駆動車10の走行状態および走行環境に基づく変速比が大きくなる変速条件が成立しても、変速比を変更しないように構成される。本変更例の第2制御部54Aは、例えば、第1変速モードにおいて、人力駆動車10の走行状態および走行環境に基づく変速比が大きくなる変速条件が成立しにくくなるように、変速条件を変更してもよい。
図11を参照して、第2制御部54Aが変速装置44Dを制御する処理が説明される。
図11では、第2制御部54Aは、第1制御例の変更例を実行し、かつ、第2制御例を実行しない。第2制御部54Aは、例えば、第2制御部54Aに電力が供給されると、処理を開始して
図11に示すフローチャートのステップS61に移行する。第2制御部54Aは、
図11のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期の経過後にステップS61からの処理を繰り返す。
第2制御部54Aは、ステップS61において、第2無線通信部44Cが第1情報を受信したか否かを判定する。第2無線通信部44Cが第1情報を受信しない場合、第2制御部54AはステップS62を終了する。第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合、第2制御部54AはステップS62に移行する。
第2制御部54Aは、ステップS62において、変速モードが第1変速モードか否かを判定する。第2制御部54Aは、例えば、変速モードが第2変速モードである場合、変速モードが第1変速モードでないと判定する。変速モードが第1変速モードでない場合、第2制御部54Aは、ステップS63に移行する。第2制御部54Aは、ステップS63において、変速モードを第1変速モードに切り替えて、ステップS64に移行する。
ステップS62において、変速モードが第1変速モードである場合、第2制御部54Aは、ステップS64に移行する。第2制御部54Aは、ステップS64において、変速比が大きくなるように、変速装置44Dを制御することを抑制して、処理を終了する。本変更例では、操作装置42から操作信号が送信されなくなった後に変速比が大きくなることが抑制される。したがって、負荷が大きいため変速比を小さくしたいとライダが考えても、操作装置42の操作によって変速比を小さくできないという状況が生じにくい。したがって、制御システム40は、人力駆動車10の快適な走行に貢献できる。
【0125】
・第1コンポーネント44がアジャスタブルシートポストを含む場合、第1情報は、サドル16Aの高さを所定高さに設定する操作信号を含んでもよい。第1コンポーネント44がアジャスタブルシートポストを含む場合、操作装置42は、例えば、アジャスタブルシートポストにサドル16Aの高さを変更させるための操作信号を送信するように構成される。所定高さは、例えば、ライダの負荷が低い高さである。所定高さは、例えば、中間位高さである。中間位高さは、例えば、シートポストの最大上昇可能高さと、最大下降可能高さとの間の高さである。中間位高さは、ライダが予め設定可能であってもよい。本変更例では、操作装置42から操作信号が送信されなくなる前に、第2制御部54Aがサドル16Aの高さを所定高さに設定できるため、アジャスタブルシートポストを好適に制御できる。
【0126】
・第1コンポーネント44が電動サスペンションを含む場合、第1情報は、電動サスペンションの反発力を、所定状態に設定する操作信号を含んでもよい。第1コンポーネント44が電動サスペンションを含む場合、操作装置42は、例えば、電動サスペンションに電動サスペンションの反発力を変更させるための操作信号を送信するように構成される。所定状態は、例えば、ロック状態、アンロック状態、または、半ロック状態である。本変更例では、第1制御部52Aおよび第2制御部54Aは、例えば、人力駆動車10の走行環境に応じて所定状態を決定してもよい。走行環境は、例えば、走行路の凹凸、および、路面勾配の少なくとも1つを含む。本変更例では、操作装置42から操作信号が送信されなくなる前に、第2制御部54Aが電動サスペンションを所定状態に設定できるため、電動サスペンションを好適に制御できる。
【0127】
・第1制御部52Aは、第1バッテリ残量に関わらず、所定周期ごとに第1情報を第2無線通信部44Cに送信するように、第1無線通信部42Eを制御するように構成されてもよい。本変更例では、第1情報は、例えば、第1バッテリ残量を含む。本変更例では、第2制御部54Aは、例えば、第1情報に含まれる第1バッテリ残量が所定残量以下である場合、第1制御例および第2制御例の少なくとも1つを実行するように構成される。
【0128】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0129】
本明細書において使用される「第1、第2、および、第3」などの序数については、単に同一の名称を有する複数の部材を区別するために用いられ、特別な意味を持たない。
【符号の説明】
【0130】
10…人力駆動車、40…制御システム、42…操作装置、42D…バッテリ配置部、42E…第1無線通信部、44…第1コンポーネント、44C…第2無線通信部、44D…変速装置、46…第1バッテリ、48…第2バッテリ、50…制御装置、52A…第1制御部、54A…第2制御部、56…第3バッテリ、58…第2コンポーネント、60…第3制御部、68…モータ。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
【
図1】第1実施形態の人力駆動車用の制御装置、および、人力駆動車用の制御システムを含む人力駆動車の側面図である。
【
図2】
図1の人力駆動車用の制御装置および人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】
図2の第1制御部によって実行され、第1情報を送信するように第1無線通信部を制御する処理のフローチャートである。
【
図6】
図2の第2制御部によって実行され、変速装置を制御する処理のフローチャートである。
【
図7】第2実施形態の人力駆動車用の制御装置および人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図8】
図7の第1制御部によって実行され、第2情報を送信するように第1無線通信部を制御する処理のフローチャートである。
【
図9】
図7の第
3制御部によって実行され、
モータを制御する処理のフローチャートである。
【
図10】第1変更例の第2制御部によって実行され、変速装置を制御する処理のフローチャートである。
【
図11】第2変更例の第2制御部によって実行され、変速装置を制御する処理のフローチャートである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
操作部42Cは、例えば、レバー、ボタン、および、ダイヤルの少なくとも1つを含む。レバーは、予め定める部材に対して揺動するレバー、および、予め定める回転軸線まわりに回転するレバーの少なくとも1つを含む。ボタンは、押しボタン、および、タッチパネルの少なくとも1つを含む。ダイヤルは、予め定める回転軸線まわりに回転するダイヤル、および、タッチパネルのダイヤルの少なくとも1つを含む。本実施形態では、操作部42Cはレバーを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
第1制御部52Aは、例えば、操作状態検出部の出力に応じて、第1無線通信部42Eに操作信号を送信させる。操作装置42が複数の操作部42Cを含む場合、第1制御部52Aは、例えば、操作された操作部42Cに対応する操作信号を第1無線通信部42Eに送信させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
電動サスペンションは、空気圧式と、油圧式と、空気圧式および油圧式を含むハイブリッド式とのいずれであってもよい。電動サスペンションは、油または空気の流路を開閉するバルブを含む。電動サスペンションは、複数の動作状態によって動作する。複数の動作状態は、電動サスペンションのストローク長、電動サスペンションの反発力、および、電動サスペンションの減衰力の少なくとも1つが異なる動作状態を含む。電動サスペンションは、動作指令に応じて、複数の動作状態を切り替えるように構成される。電動サスペンションの反発力は、例えば、電動サスペンションのロック状態、アンロック状態、および、半ロック状態の場合の反発力を含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
本実施形態では、第1コンポーネント44は、変速装置44Dを含む。第1コンポーネント44が変速装置44Dを含む場合、操作信号は、例えば、変速比を変更するための操作信号を含む。操作信号は、例えば、変速比を増加させるための第1変速信号、および、変速比を減少させるための第2変速信号を含む。第2制御部54Aは、例えば、操作信号を受信する場合、変速比を変更するように電動アクチュエータ44Bを制御するように構成される。第2制御部54Aは、例えば、第1変速信号を受信する場合、変速比を増加させるように電動アクチュエータ44Bを制御するように構成される。第2制御部54Aは、例えば、第2変速信号を受信する場合、変速比を減少させるように電動アクチュエータ44Bを制御するように構成される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
第2制御部54Aが第1制御例を実行し、かつ、第2制御例を実行しない場合、
図6のステップS24は省略されてもよい。第2制御部54Aが第1制御例を実行し、かつ、第2制御例を実行
しない場合、第2制御部54Aは、例えば、ステップS2
2においてYESの場合、
図6の処理を終了する。第2制御部54Aが第1制御例を実行し、かつ、第2制御例を実行
しない場合、第2制御部54Aは、例えば、ステップS23の処理を実行した後、処理を終了する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
第3制御部60は、例えば、クランク回転状態検出部によって検出されるクランク軸22の回転速度および第1回転体34の回転速度の少なくとも1つに応じて、モータ68を制御するように構成される。第3制御部60は、例えば、車速検出部によって検出される人力駆動車10の車速に応じて、モータ68を制御するように構成される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
第2実施形態において、第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下になると、第2情報を第3制御部60に送信するように構成される。第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下になると、第2情報を第3無線通信部64に送信するように第1無線通信部42Eを制御するように構成される。第2情報は、例えば、第1バッテリ残量、第1バッテリ残量が所定残量以下であることを通知する通知情報、および、第1バッテリ残量が所定残量以下であることに基づいて、第2コンポーネント58を制御するための制御情報の少なくとも1つを含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0110】
第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下になった後、第
2情報を第3無線通信部64に送信すると、第1解除条件が成立するまでステップS33の処理を実行しないように構成されてもよい。第1制御部52Aは、例えば、第1バッテリ残量が所定残量以下になった後、第
2情報を第3無線通信部64に送信すると、第1解除条件が成立するまで
図8の処理を実行しないように構成されてもよい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0114
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0114】
変速モードが第1変速モードである場合、かつ、パラメータがクランク軸22の回転速度、車速、および、人力駆動力の少なくとも1つである場合、クランク軸22の回転速度、車速、および、人力駆動力が変化しにくいと、第2制御部54Aが変速比を変更するように変速装置44Dを制御する頻度が低下する。したがって、第3制御部60がアシスト比率を大きくするようにモータ68を制御することによって、変速装置44Dの動作頻度を低くできる。モータ68の出力の上限値、および、人力駆動力の変化に対するモータ68の出力の応答速度が変更される場合も、ライダの負荷を減少できるため、変速装置44Dの動作頻度を低くできる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0123】
・第1実施形態の第2制御例において、第2制御部54Aは、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合、変速比が小さくなるように、変速装置44Dを制御するように構成されてもよい。第2制御部54Aは、例えば、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合における変速比よりも小さい変速比になるように変速装置44Dを制御する。第2制御部54Aは、例えば、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合における変速比を所定段階
に対応する変速段数よりも小さい
変速段数に対応する変速比になるように変速装置44Dを制御する。所定段階は、例えば、1段階である。第2制御部54Aは、例えば、第2無線通信部44Cが第1情報を受信する場合における変速比が変速装置44Dによって実現できる最小変速比である場合、変速比を変更しない。
第2制御部54Aは、例えば、
図6のステップS24の処理に代えて、
図10のステップS51の処理を実行する。ステップS22において、変速モードが第1変速モードでない場合、第2制御部54Aは、ステップS23に移行する。第2制御部54Aは、ステップS23において、変速モードを第1変速モードに切り替えて、ステップS51に移行する。ステップS22において、変速モードが第1変速モードである場合、第2制御部54Aは、ステップS51に移行する。第2制御部54Aは、ステップS51において、変速比が小さくなるように、変速装置44Dを制御して、処理を終了する。