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特開2024-170951食器洗浄機、食器洗浄機の運転管理システム及び洗剤の購入支援システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170951
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】食器洗浄機、食器洗浄機の運転管理システム及び洗剤の購入支援システム
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/46 20060101AFI20241204BHJP
   A47L 15/44 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A47L15/46 F
A47L15/46 Z
A47L15/46 J
A47L15/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087742
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】田仲 導生
(72)【発明者】
【氏名】川田 幸男
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082CC02
3B082DA00
3B082DB00
3B082DC05
(57)【要約】
【課題】使用する水道の水質が異なり、水の硬度が高い地域では、マグネシウムなどの硬度成分によりが汚れの凝集や再付着を促進して、食器に水垢やウォータースポットが残りやすくなる課題があり、これを抑制できる食器洗浄機と運転管理システムを実現する。
【解決手段】制御条件に従って洗浄機能部を制御する制御部と、設置地域を特定可能な住所情報を保有する住所情報取得部と、住所情報を外部サーバーへ送信可能な通信部と、住所情報で特定される地域の給水源の水質に関し、外部サーバーが判定した水質情報を取得する水質情報取得部と、洗剤の残量を検知する消費情報取得部と、を備え、制御部は、水質情報取得部が軟水を示す情報を受け付けた場合は、第1の制御条件で、硬水を示す情報を受け付けた場合は、第2の制御条件で、それぞれ運転し、また報知部により洗剤の残量に関する情報と水質情報とを報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄工程と、すすぎ工程と、乾燥工程とを、制御条件に従って制御する制御部と、
報知部と、
設置地域を特定可能な住所情報を保有する住所情報取得部と、
前記住所情報を外部サーバーへ送信可能な通信部と、
前記住所情報で特定される地域の給水源の水質に関し、前記外部サーバーが判定した水質情報を取得する水質情報取得部と、
前記洗浄工程で使用される洗剤の残量を検知する消費情報取得部と、を備え、
前記制御部は、前記水質情報取得部が軟水を示す前記水質情報を受け付けた場合は、第1の制御条件で運転し、前記水質情報取得部が硬水を示す前記水質情報を受け付けた場合は、第2の制御条件で運転し、
前記報知部は、前記洗剤の残量に関する情報と、前記水質情報の少なくとも何れか一方を報知すること、
を特徴とする食器洗浄機。
【請求項2】
前記第2の制御条件は、前記第1の制御条件よりも、前記すすぎ工程における温水の温度が低く、前記乾燥工程における温風の温度が低いこと、を特徴とする請求項1に記載の食器洗浄機。
【請求項3】
前記第2の制御条件は、前記第1の制御条件よりも、前記乾燥工程における乾燥時間が長いこと、を特徴とする請求項2に記載の食器洗浄機。
【請求項4】
本体に収納され、食器類を収容する洗浄槽と、
ユーザーからの入力を受け付ける操作部と、を更に有し、
前記操作部からの入力に応じて前記住所情報が生成されること、を特徴とする請求項1に記載の食器洗浄機。
【請求項5】
洗浄工程と、乾燥工程とを順次実行し、住所情報を入力可能な操作部と、前記洗浄工程で使用する洗剤の消費情報取得部と、通信部と、を備えた食器洗浄機と、
前記通信部と無線通信を行う外部サーバーと、を備え、
前記食器洗浄機は、前記消費情報取得部で取得した前記洗剤の残量を報知し、さらに前記外部サーバーから前記住所情報に対応した地域の給水源の水質情報を取得し、当該水質情報に応じて硬水と軟水の2種類の制御情報を生成し、前記洗浄工程と前記乾燥工程を実行すること、
を特徴とする食器洗浄機の運転管理システム。
【請求項6】
前記外部サーバーは、前記食器洗浄機から送信された状態情報を、当該食器洗浄機の機器識別情報別に記憶させる洗剤情報保持部を有し、
前記食器洗浄機の運転に伴って消費される前記洗剤の残量情報は、前記食器洗浄機の運転時に前記洗剤情報保持部に記憶されること、を特徴とする請求項5に記載の食器洗浄機の運転管理システム。
【請求項7】
前記外部サーバーは、洗剤データベースを有し、
前記洗剤データベースには、硬水又は軟水の何れに効果が高いのかを示す機能情報が紐づけられた前記洗剤を特定する情報が記憶されていること、を特徴とする請求項5又は6に記載の食器洗浄機の運転管理システム。
【請求項8】
洗浄工程と、すすぎ工程と、乾燥工程とを、制御条件に従って制御する制御部と、
設置地域を特定可能な住所情報を保有する住所情報取得部と、
前記住所情報を外部サーバーへ送信可能な通信部と、
制御情報取得部と、
前記洗浄工程で使用される液体洗剤の残量を計量する計量部と、
を備え、
前記制御部は、前記外部サーバーから、給水源の水質が軟水の場合は、第1の制御条件の制御情報を取得し、前記給水源の水質が硬水の場合は第2の制御条件の制御情報を取得し、
前記制御部は、前記液体洗剤の残量が基準値以上の場合には、前記第1の制御条件又は前記第2の制御条件の何れか一方に従って運転を開始すること、
を特徴とする食器洗浄機。
【請求項9】
前記第2の制御条件は、前記第1の制御条件よりも、前記すすぎ工程における温水の温度が低く、前記乾燥工程における温風の温度が低いこと、を特徴とする請求項8に記載の食器洗浄機。
【請求項10】
前記第2の制御条件は、前記第1の制御条件よりも、前記乾燥工程における乾燥時間が長いこと、を特徴とする請求項8又は9に記載の食器洗浄機。
【請求項11】
本体に収納され、食器類を収容する洗浄槽と、
ユーザーからの入力を受け付ける操作部と、を更に有し、
前記操作部からの入力に応じて前記住所情報が生成されること、を特徴とする請求項8に記載の食器洗浄機。
【請求項12】
洗浄工程と、乾燥工程とを順次実行し、住所情報を入力可能な操作部と、前記洗浄工程で使用する洗剤の消費情報取得部と、通信部と、を備えた食器洗浄機と、
前記通信部と無線通信を行う外部サーバーと、を備え、
前記外部サーバーは、前記住所情報に対応した地域の給水源の水質情報を取得し、当該水質情報に応じて、軟水に対応する第1の制御情報と硬水に対応する第2の制御情報とを生成し、
前記食器洗浄機は、前記消費情報取得部で取得した前記洗剤の残量を報知し、前記洗浄工程の開始前に、前記外部サーバーから前記第1の制御情報又は前記第2の制御情報の何れか1つを取得し、前記洗浄工程と前記乾燥工程を実行すること、
を特徴とする食器洗浄機の運転管理システム。
【請求項13】
前記外部サーバーは、水質判定部と制御情報生成部と、を有し、
前記制御情報生成部は、前記水質判定部によって軟水と判定された場合は、前記第1の制御情報を生成し、前記水質判定部によって硬水と判定された場合は、前記第2の制御情報を生成すること、を特徴とする請求項12に記載の食器洗浄機の運転管理システム。
【請求項14】
現在日時又は経過時間を特定できるカレンダー機能部を、更に有し、
前記カレンダー機能部によって、前記外部サーバーが前記水質情報を取得する時期を制御すること、を特徴とする請求項12に記載の食器洗浄機の運転管理システム。
【請求項15】
洗浄工程と、すすぎ工程と、乾燥工程とを、制御条件に従って制御する制御部と、
設置地域を特定可能な住所情報を保有する住所情報取得部と、
前記住所情報を外部サーバーへ送信可能な通信部と、
制御情報取得部と、
前記洗浄工程で使用する洗剤を供給する洗剤供給部と、
前記洗剤の残量を計量する計量部と、
1回の洗浄工程終了後に洗剤の消費量を算出する消費情報取得部と、
を備え、
前記制御情報取得部は、前記外部サーバーが前記住所情報を取得後に生成したものであって前記制御条件のパラメータを変更するための、制御情報を取得し、
前記制御部は、前記計量部によって計量された前記洗剤の量が運転開始条件を満たしている場合、前記制御情報に従って運転を開始し、
前記消費情報取得部から前記洗浄工程における前記洗剤の消費量を前記外部サーバーへ送信すること、
を特徴とする食器洗浄機。
【請求項16】
前記制御部に電力を供給する主電源スイッチをユーザーがONにした場合、前記洗剤の残量を前記計量部で自動的に計量させ、
前記制御部は、前記洗剤の残量が第1の条件を満たす場合には、前記洗浄工程の開始を許可し、前記洗剤の残量が前記第1の条件を満たさない場合には、前記洗浄工程の開始を許可しないこと、を特徴とする請求項15に記載の食器洗浄機。
【請求項17】
前記制御部に電力を供給する主電源スイッチをユーザーがONにした場合、前記洗剤の残量を前記計量部で自動的に計量させ、
前記制御部は、前記洗剤の残量が、第1の条件を満たす場合には、前記洗浄工程の開始を許可し、前記洗剤の残量が前記第1の条件を満たさない場合には、当該第1の条件の閾値となる洗剤の重量値よりも少ない重量値を閾値とする第2の条件を満たすかどうかを判定し、
前記第2の条件を満たした場合、洗浄運転の回数を制限して前記洗浄工程の開始を許可すること、を特徴とする請求項15に記載の食器洗浄機。
【請求項18】
前記洗剤を貯めるタンクと、前記洗剤を補充するために前記タンクを取り外したことを検知するタンク位置検出手段と、を更に有し、
前記制御部は、前記タンク位置検出手段によって前記タンクが取り外されたことを検知した場合、当該タンクが再び設置された後で、前記洗剤の残量を前記計量部で再度計量し、前記洗剤の量が前記運転開始条件を満たしているかどうかを判定すること、を特徴とする請求項15に記載の食器洗浄機。
【請求項19】
洗浄工程と、乾燥工程とを順次実行し、住所情報を入力可能な操作部と、前記洗浄工程で使用する洗剤の消費情報取得部と、通信部と、を備えた食器洗浄機と、
前記食器洗浄機の前記通信部と、無線通信を行う外部サーバーと、を備え、
前記外部サーバーは、前記住所情報に対応した地域の給水源の水質情報を取得し、当該水質情報に応じて、軟水に対応する第1の制御情報と硬水に対応する第2の制御情報とを、それぞれ生成し、
前記外部サーバーは、前記食器洗浄機から取得した状態情報に基づき、運転可能回数推定処理を実行し、
前記外部サーバーは、前記運転可能回数推定処理の結果を、前記食器洗浄機又は通信端末に提供すること、
を特徴とする食器洗浄機の運転管理システム。
【請求項20】
前記食器洗浄機は、前記洗剤を供給する洗剤供給部と、前記洗剤の残量を計量する計量部と、1回の洗浄工程終了後に前記洗剤の消費量を算出する消費情報取得部と、を備え、
前記制御情報取得部は、前記外部サーバーが前記住所情報を取得後に生成したものであって前記制御条件のパラメータを変更するための、制御情報を取得し、
前記制御部は、前記計量部によって計量された前記洗剤の量が運転開始条件を満たしている場合、前記制御情報に従って運転を開始すること、を特徴とする請求項19に記載の食器洗浄機の運転管理システム。
【請求項21】
通信部と、洗剤の残量を計量する計量部とを有した複数の食器洗浄機と、前記計量部の計量結果データを前記通信部経由で取得する外部サーバーと、を備えた洗剤購入支援システムにおいて、
前記食器洗浄機は、設置されている場所を特定する住所情報を生成する住所情報取得部と、前記住所情報と前記計量結果データとを前記通信部から前記外部サーバーに対して、ネットワーク経由で送信する機能を有し、
前記外部サーバーは、前記計量結果データを、前記食器洗浄機別に蓄積する機能と、前記食器洗浄機から取得した前記住所情報で特定される地域の給水源に関する水質情報を取得し、当該水質情報又はこの水質情報に応じて生成した制御情報を、前記食器洗浄機に提供する機能と、前記洗剤の内、前記水質情報に示された水質に適合する特定洗剤の情報を保有する機能と、を有し、
前記外部サーバーは、
(1)前記計量結果データを受けて前記洗剤の残量が少ない場合に、前記食器洗浄機又は当該食器洗浄機と対応している通信端末に対して警告情報を発信し、
(2)前記警告情報を発信する際に、前記特定洗剤の情報を送信すること、
を特徴とする洗剤の購入支援システム。
【請求項22】
前記通信端末の1つの表示画面には、前記警告情報と、前記給水源に関する水質が硬水又は軟水であることを示した前記水質情報と、を同時に表示すること、を特徴とする請求項21に記載の洗剤の購入支援システム。
【請求項23】
前記警告情報は、前記洗剤の残量が少ない場合、前記食器洗浄機の運転に支障が出ることを示す情報を含んでいること、を特徴とする請求項21に記載の洗剤の購入支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食器類の洗浄を行う食器洗浄機と、その運転管理システム及び洗剤の購入支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から食器類の洗浄、乾燥を行う食器洗浄機において、洗浄水の濁度情報によりエコ運転をする食器洗浄機や、洗浄水の濁度情報により洗剤投入量を調整するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、食器洗い機の洗浄槽の外部に液体洗剤をストックするタンクを設け、前記洗剤を洗浄槽に自動的に投入する技術が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-011310号公報
【特許文献2】特開2020-178864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、食器洗浄機では専用の洗剤が市販されているが、食器洗浄機に供給される水道水等の水質によって、同じ量の洗剤を使用しても、洗浄効果に差が出る。
特許文献1に開示された食器洗浄機では、洗浄後の乾燥仕上がりについては十分に配慮されておらず、乾燥の仕上がり状態において不満が出ることがある。
このような現象は、地域によって食器洗浄で使用する水の硬度などの水質が異なることが原因である。すなわち、水の硬度が高い地域では、マグネシウムやカルシウムなどの硬度成分により、汚れの凝集や再付着を促進することとなり、食器に水垢やウォータースポットが残りやすくなる。
また、特許文献2に開示されたものでは、洗剤の残量が少なくなった場合、洗剤を補充するが、その際に水質情報を容易に知ることができないので、必ずしも水質にあった洗剤を補充できない。
これらの理由から、特許文献1~2に記載された技術を採用しても、ユーザーによる消費材の残量や補充等の管理面の負担を軽減するという期待には、十分応えたものにはならなかった。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためのものであり、食器洗浄機が使用される地域、場所における水質情報を活用し、水垢やウォータースポットの発生を抑制し、利便性の高い食器洗浄機とその運転管理システム及び洗剤の購入支援システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の開示に係る食器洗浄機は、
洗浄工程と、すすぎ工程と、乾燥工程とを、制御条件に従って制御する制御部と、
報知部と、
設置地域を特定可能な住所情報を保有する住所情報取得部と、
前記住所情報を外部サーバーへ送信可能な通信部と、
前記住所情報で特定される地域の給水源の水質に関し、前記外部サーバーが判定した水質情報を取得する水質情報取得部と、
前記洗浄工程で使用される洗剤の残量を検知する消費情報取得部と、を備え、
前記制御部は、前記水質情報取得部が軟水を示す前記水質情報を受け付けた場合は、第1の制御条件で運転し、前記水質情報取得部が硬水を示す前記水質情報を受け付けた場合は、第2の制御条件で運転し、
前記報知部は、前記洗剤の残量に関する情報と、前記水質情報の少なくとも何れか一方を報知すること、
を特徴とする構成である。
【0008】
第2の開示に係る食器洗浄機の運転管理システムは、
洗浄工程と、乾燥工程とを順次実行し、住所情報を入力可能な操作部と、前記洗浄工程で使用する洗剤の消費情報取得部と、通信部と、を備えた食器洗浄機と、
前記通信部と無線通信を行う外部サーバーと、を備え、
前記食器洗浄機は、前記消費情報取得部で取得した前記洗剤の残量を報知し、さらに前記外部サーバーから前記住所情報に対応した地域の給水源の水質情報を取得し、当該水質情報に応じて硬水と軟水の2種類の制御情報を生成し、前記洗浄工程と前記乾燥工程を実行すること、
を特徴とする構成である。
【0009】
第3の開示に係る食器洗浄機は、
洗浄工程と、すすぎ工程と、乾燥工程とを、制御条件に従って制御する制御部と、
設置地域を特定可能な住所情報を保有する住所情報取得部と、
前記住所情報を外部サーバーへ送信可能な通信部と、
制御情報取得部と、
前記洗浄工程で使用される液体洗剤の残量を計量する計量部と、
を備え、
前記制御部は、前記外部サーバーから、給水源の水質が軟水の場合は、第1の制御条件の制御情報を取得し、前記給水源の水質が硬水の場合は第2の制御条件の制御情報を取得し、
前記制御部は、前記液体洗剤の残量が基準値以上の場合には、前記第1の制御条件又は前記第2の制御条件の何れか一方に従って運転を開始すること、
を特徴とする構成である。
【0010】
第4の開示に係る食器洗浄機の運転管理システムは、
洗浄工程と、乾燥工程とを順次実行し、住所情報を入力可能な操作部と、前記洗浄工程で使用する洗剤の消費情報取得部と、通信部と、を備えた食器洗浄機と、
前記通信部と無線通信を行う外部サーバーと、を備え、
前記外部サーバーは、前記住所情報に対応した地域の給水源の水質情報を取得し、当該水質情報に応じて、軟水に対応する第1の制御情報と硬水に対応する第2の制御情報とを生成し、
前記食器洗浄機は、前記消費情報取得部で取得した前記洗剤の残量を報知し、前記洗浄工程の開始前に、前記外部サーバーから前記第1の制御情報又は前記第2の制御情報の何れか1つを取得し、前記洗浄工程と前記乾燥工程を実行すること、
を特徴とする構成である。
【0011】
第5の開示に係る食器洗浄機は、
洗浄工程と、すすぎ工程と、乾燥工程とを、制御条件に従って制御する制御部と、
設置地域を特定可能な住所情報を保有する住所情報取得部と、
前記住所情報を外部サーバーへ送信可能な通信部と、
制御情報取得部と、
前記洗浄工程で使用する洗剤を供給する洗剤供給部と、
前記洗剤の残量を計量する計量部と、
1回の洗浄工程終了後に洗剤の消費量を算出する消費情報取得部と、
を備え、
前記制御情報取得部は、前記外部サーバーが前記住所情報を取得後に生成したものであって前記制御条件のパラメータを変更するための、制御情報を取得し、
前記制御部は、前記計量部によって計量された前記洗剤の量が運転開始条件を満たしている場合、前記制御情報に従って運転を開始し、
前記消費情報取得部から前記洗浄工程における前記洗剤の消費量を前記外部サーバーへ送信すること、
を特徴とする構成である。
【0012】
第6の開示に係る食器洗浄機の運転管理システムは、
洗浄工程と、乾燥工程とを順次実行し、住所情報を入力可能な操作部と、前記洗浄工程で使用する洗剤の消費情報取得部と、通信部と、を備えた食器洗浄機と、
前記食器洗浄機の前記通信部と、無線通信を行う外部サーバーと、を備え、
前記外部サーバーは、前記住所情報に対応した地域の給水源の水質情報を取得し、当該水質情報に応じて、軟水に対応する第1の制御情報と硬水に対応する第2の制御情報とを、それぞれ生成し、
前記外部サーバーは、前記食器洗浄機から取得した状態情報に基づき、運転可能回数推定処理を実行し、
前記外部サーバーは、前記運転可能回数推定処理の結果を、前記食器洗浄機又は通信端末に提供すること、
を特徴とする構成である。
【0013】
第7の開示に係る洗剤の購入支援システムは、
通信部と、洗剤の残量を計量する計量部とを有した複数の食器洗浄機と、前記計量部の計量結果データを前記通信部経由で取得する外部サーバーと、を備えた洗剤購入支援システムにおいて、
前記食器洗浄機は、設置されている場所を特定する住所情報を生成する住所情報取得部と、前記住所情報と前記計量結果データとを前記通信部から前記外部サーバーに対して、ネットワーク経由で送信する機能を有し、
前記外部サーバーは、前記計量結果データを、前記食器洗浄機別に蓄積する機能と、前記食器洗浄機から取得した前記住所情報で特定される地域の給水源に関する水質情報を取得し、当該水質情報又はこの水質情報に応じて生成した制御情報を、前記食器洗浄機に提供する機能と、前記洗剤の内、前記水質情報に示された水質に適合する特定洗剤の情報を保有する機能と、を有し、
前記外部サーバーは、
(1)前記計量結果データを受けて前記洗剤の残量が少ない場合に、前記食器洗浄機又は当該食器洗浄機と対応している通信端末に対して警告情報を発信し、
(2)前記警告情報を発信する際に、前記特定洗剤の情報を送信すること、
を特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0014】
水の硬度が高い地域では、温度制御および時間制御によって通常より時間をかけて水分を蒸発させるため、食器の水垢やウォータースポットを低減できる。また、食器洗浄機で使用することに適した洗剤の購入が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示1に係る実施の形態1を示す食器洗浄機と外部のネットワーク構成を示す説明図。
図2図1に示した実施の形態1に係る食器洗浄機の、機能ブロック図。
図3図1に示した実施の形態1に係る食器洗浄機の、動作ステップ説明図。
図4図1に示した実施の形態1に係る食器洗浄機の、制御動作を示すフローチャート1。
図5図1に示した食器洗浄機の、制御動作を示すフローチャート2。
図6】本開示2に係る実施の形態2を示す食器洗浄機の、機能ブロック図。
図7図6に示した実施の形態2に係る食器洗浄機の、動作ステップ説明図。
図8図6に示した食器洗浄機の、制御動作を示すフローチャート。
図9図9は、実施の形態3を示す食器洗浄機と、外部のネットワーク構成を含めた運転管理システムとを示す説明図。
図10図9に示す食器洗浄機の運転管理システムで使用する通信端末(情報処理端末器)の構成を示すブロック図。
図11】本開示に係る食器洗浄機の運転管理システムを適用したネットワーク構成を示す説明図である。
図12図9に示す食器洗浄機の運転管理システムを適用したネットワーク構成を示す説明図。
図13図9に示す食器洗浄機の運転管理システムを適用した食器洗浄機の簡略縦断面図。
図14】実施の形態3に係る食器洗浄機において、液体洗剤の残量を計量するシステム全体を、一部縦断面図で示した模式図。
図15】実施の形態3に係る食器洗浄機の主要な構成を示すブロック図。
図16】実施の形態3に係る食器洗浄機の、基本動作を示すタイムチャート1。
図17】実施の形態3に係る食器洗浄機の、基本動作を示すフローチャート2。
図18】実施の形態3に係る食器洗浄機の、基本動作を示すフローチャート3。
図19】実施の形態3に係る食器洗浄機の、液体洗剤の計量動作の基本を示すフローチャート。
図20図19に示した液体洗剤の計量動作の一部を改良した変形例の基本を示すフローチャート。
図21】実施の形態3に係る食器洗浄機1の、液体洗剤の容器(タンク)の設置操作に伴う制御部の判定動作を示すフローチャート。
図22】実施の形態3に係る食器洗浄機の、ドア開放操作時の制御部の動作を示すフローチャート。
図23】実施の形態3に係る食器洗浄機1の、液体洗剤の最初の計量から、洗浄工程を経て運転終了までの過程を示すフローチャート1。
図24】実施の形態3に係る食器洗浄機1の、液体洗剤の最初の計量から、洗浄工程を経て運転終了までの過程を示すフローチャート2。
図25】実施の形態3に係る食器洗浄機の、運転管理システムの動作の一部を時系列で示す説明図。
図26】実施の形態3の変形例における運転管理システムにおいて、第1サーバーから通信端末が通知を受けた場面を示す、通信端末の動作説明図1
図27】実施の形態3の変形例における運転管理システムにおいて、第1サーバーから通信端末が通知を受けた場面を示す、通信端末の動作説明図2
図28】実施の形態4に係る食器洗浄機1の、運転時間情報報知までに動作を示すフローチャート。
図29】実施の形態4に係る食器洗浄機の、運転管理システムの全体像を示すタイムチャート1。
図30】実施の形態4に係る食器洗浄機の、運転管理システムの全体像を示すタイムチャート2。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
<食器洗浄機1のネットワーク構成>
図1は、本開示1に係る実施の形態1を示す食器洗浄機1と、外部のネットワーク構成を含めた運転管理システムとを示す説明図である。図1において、1は、家庭用や店舗用の食器乾燥機であり、乾燥機能を有している。家庭においてはキッチン家具100(図示せず)の内部に設置されるビルトインタイプのものと、キッチン家具等の上に置かれて使用される据置タイプのものがあるが、何れでの良い。
実施の形態1で示す食器洗浄機1は、主に家庭用の食器洗浄機であり、洗浄後の食器を、そのまま温風によって乾燥させる機能を備えたものであるが、レストラン等の店舗等で使用される業務用の食器類の洗浄装置も、ここでいう「食器洗浄機」に含むものとする。
【0017】
食器洗浄機1は、後述するネットワークNWと無線通信によってデータ(数値や画像を含む)の授受が行える通信部2を有している。
食器洗浄機1は、家庭や店舗等に設置してある水道設備に接続され、その水道からの給水(水道水)を使用して洗浄動作を行うものである。
【0018】
12は、食器洗浄機1で洗浄工程を実行する場合に、洗浄槽(図示せず)に投入される専用洗剤の残量を計測する計量回路である。この計量回路12は、タンク(図示せず)に入った専用洗剤の重量又は容積の少なくとも一方を、重量センサーや光学センサーで計測する機能を有している。
【0019】
11は、前記計量回路12からの計量結果のデータを受信し、1回の洗浄工程終了後に洗剤の消費量を算出し、また、最新の残量(重量又は容積)のデータを記憶部(図示せず)に記憶させる消費情報取得部である。
【0020】
71は、家庭や店舗等の外部にある外部サーバーであり、複数のサーバー群を無線通信のネットワークNWで接続して構成されている。説明を簡単にするため、この外部サーバー71は、第1サーバー72と第2サーバー73で構成されているという前提で以下説明する。なお、ネットワークNWは、インターネット等の広域公衆ネットワークであり、スマートフォン等の携帯端末200との間でも無線通信でデータ(文字、音声、画像等)の授受ができる。
【0021】
前記第1サーバー72は、情報処理や洗剤の残量判定、水質データの取得等、機能別に分けた複数のサーバーで構成しても良いが、説明を簡単にするために、図1では1つのハードウエア上に、各種の機能を備えたものとして1つの枠で図示している。
【0022】
前記第1サーバー72は、第2サーバー73が保有する水質データベース73Aの水質情報を、ネットワークNW経由で取得して、水質記憶部72Aに記憶させる。この第1サーバー72は、例えば、食器洗浄機1の製造業者又は販売業者(以下、「メーカー等」という)の専用サーバーであるが、食器洗浄用途の複数種類の洗剤を製造・販売している企業が運営しているサーバーでも良い。つまり、後者の場合、当該洗剤の用途や機能等の情報を発信しているサーバーを兼ねたものでも良い。
【0023】
前記第1サーバー72は、食器洗浄機1を使用するユーザーが、最初にユーザー登録を行う際の固有情報(食器洗浄機1の識別情報を含む)の送信を受けると、当該ユーザーの食器洗浄機1の固有情報Uを登録(記憶)するユーザー登録部(図示せず)を有している。第1サーバー72の制御情報生成部72Eで生成される制御情報S3(後述する)は、前記ユーザー登録部で保有しているユーザー毎の、前記固有情報Uが反映されたものである。つまり、個々の食器洗浄機1の具体的な型式や構造に適合した制御情報S3が生成される。
【0024】
前記固有情報Uには、食器洗浄機1を使用する際に設置している場所を示す住所情報が含まれる。なお、以下の説明でいう「住所情報」とは、食器洗浄機1のユーザー(使用者)が必ずしも住んでいる場所ではなく、食器洗浄機1が存在する場所を示す情報をいう。例えば、レストラン等の施設で使用される業務用の食器洗浄機1では、当該施設にユーザーが住んでいるかどうかは問わない。
【0025】
前記制御情報生成部72Eは、食器洗浄機1の運転に必要な制御情報を生成する。
例えば、食器洗浄機1Eで洗浄工程から乾燥工程までの一連の食器洗浄と乾燥運転を行う場合、1つの運転において、複数個ある洗浄メニューから1つを選択して実行する必要がある。
そのため、この食器洗浄機1では、操作部32(図2参照)に設けた「洗浄コース選択」のボタン(又は入力キー)を操作して運転する場合(これを、「通常制御モード」という)は、当該通常制御モードを実行するための「コマンドデータ」CD1を、制御部31の内部で生成できる。
【0026】
一方、通信端末200の操作によって運転パターンが選択された場合、そのような入力を第1サーバー72が受けて、制御情報生成部72EからコマンドデータCD2を生成することができる。そして、そのコマンドデータCD2は通信端末200から食器洗浄機1に送信されるので、これを食器洗浄機1が取得して運転を行うことができる。このような運転方法を、以後は「外部制御モード」という。
【0027】
制御部31のコマンドデータCD1は、例えば、4人分の食器を洗浄・乾燥するコースから、6人分の食器を洗浄し、乾燥させるコースの運転内容に変更することができる。
【0028】
一方、前記制御情報生成部72Eから受信したコマンドデータCD2は、自動的に食器洗浄機1の制御部32に保存されている運転条件を、自動的に変更できる。この変更内容は、操作部32(図2)の入力によって無効化したり、変更したりすることはできない。
【0029】
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1において、前記コマンドデータCD2は、第1サーバー20から食器洗浄機1の動作条件を設定する指令である。
例えば、運転内容を定めるコマンドデータCD1は、被洗浄物(食器類)を洗浄できるように、洗浄液となる温水の生成手段(加熱ヒーター35等)や運転条件(洗浄時間、温水の温度、洗浄後の乾燥時間等の少なくとも何れか1つを含むが、これに限定されない)を指定する命令(指令データ)が含まれているものをいう。運転条件を変更するための、一連の動作プログラムの場合と、設定するためのパラメータの設定値や判定の計算式等を指定する場合の、何れも該当する。
また、食器洗浄機1の制御部31で生成する前記コマンドデータCD1も、基本的には、前記コマンドデータCD2と同様な内容である。
【0030】
実施の形態1において、前記コマンドデータCD1,CD2は、以下の種類に分かれている。
(1)第1コマンドデータD1:食器洗浄機1の運転コースを指定するもの(例えば、「普通あらい」コースを指定するもの)。
(2)第2コマンドデータD2:食器洗浄機1を指定した時間後、あるいは指定した時刻になると運転開始させる「予約モード」を指定するもの。例えば、は後述する「予約コース」を指定するもの。
(3)第3コマンドデータD3:食器洗浄機1の状態情報Aの提供を求めるもの。少なくとも食器洗浄機1で使用している消費材(例えば、液体洗剤)の最新の残量(重量など)のデータの提供を求めるもの。
(4)第4コマンドデータD4:食器洗浄機1の運転条件を制限するもの及び停止させるもの。例えば、電力会社からの電力削減情報や逼迫情報を受けて、特定の食器洗浄機11の最大消費電力を下げること(ピークカット)、又は前記予約コースで設定した予約内容を取り消したり、運転開始時刻を電力消費の集中時間帯を避けるように遅らせたりするという指令をいう。
【0031】
第1サーバー72から前記第1コマンドデータD1を受けた食器洗浄機1は、その第1コマンドデータD1の受信処理を完了した場合、即時に運転を開始する場合、安全上の観点から事前に食器洗浄機1の報知部42で報知し、操作部32(図2)においてユーザーが何らの確認入力や運転開始入力を行った場合に、初めて運転開始されるようにしている。
【0032】
以下の説明では、単にコマンドデータCDという場合は、これら第1~第4のコマンドデータD1~D4の、少なくとも何れかを含んだケースをいう。
また、以上の説明から明らかなように、この実施の形態1において、前記コマンドデータCD2は、第1サーバー20から直接食器洗浄機1へ供給された指令をいう。また、第1サーバー20から通信端末200を経由して食器洗浄機1へ供給された指令も、コマンドデータCD2の1種である。
【0033】
食器洗浄機1が外部(第1サーバー72)からコマンドデータCDを取得する場合、前記した運転条件に従うことを要求する設定指令(コントロールコマンド)の信号を受ける。
この後に、更に食器洗浄機1は、ステータスコマンド(状態確認)の信号を受ける。
これに対して食器洗浄機1からは、前記設定指令(コントロールコマンド)の信号を受けて、食器洗浄機1がどのような状態になっているのかを示す最新の状態を「ステータスコマンド・応答レスポンス(状態確認応答)の信号として返信する。
このような送信と返信を何度か繰り返すことで、第1サーバー72側からのコマンドデータCD1に食器洗浄機1側が制御される。以下の説明では、このような細かい説明を省略する。
【0034】
なお、第1サーバー72が食器洗浄機1の動作を定常的に監視する場合は、前記設定指令(コントロールコマンド)の信号の授受はなく、ステータスコマンド(状態確認)の信号と、これに応答した「ステータスコマンド・応答レスポンス(状態確認応答)」の信号との、2種類を所定の監視時間間隔(例えば5分間)で繰り返し交信して行う。5分間の監視期間中に、食器洗浄機1側の状態が変化すれば、その時点で即座に「ステータスコマンド・応答レスポンス(状態確認応答)」の信号が第1サーバー72に送信される。
【0035】
図1では、制御部31で前記コマンドデータCD2を生成できる食器洗浄機1の例を示しているが、前記コマンドデータCD2を生成できない食器洗浄機1が第1サーバー72に接続される場合がある。また、制御部31において後述する水質データに対応したコマンドデータCD2を生成できる場合には、第1サーバー72からのコマンドデータCD2の受信を受けないように自動的に制御部31の機能が設定される。
【0036】
72Bは、第2サーバー73から提供される水質データの中に、硬水と軟水を識別するデータがない場合、水道水の水質データの中のカルシウムやマグネシウムの量から、少なくとも硬水と軟水の2つを判定する水質判定部である。
【0037】
前記制御情報生成部72Eは、前記水質判定部72Bから水質判定結果を受けて、個々の食器洗浄機1毎の運転制御用「パラメータ」を変更するためのコマンドデータCD2を生成する。このようなパラメータ変更のコマンドデータCD2を、「制御情報S3」と呼ぶことがある。なお、「パラメータ」については後で説明する。
【0038】
前記第1サーバー72は、一般に「Webサーバー」(以下「ウェブサーバー」という)と呼ばれているものでも良い。ウェブサーバーは、HTTP(HTML文書や画像などのデータをWebサーバーとWebブラウザ間でやり取りするために使われるプロトコル)に則り、各種通信端末200や、ホーム・ゲートウエイ(図示せず)等のような、「情報を受け取る側」の情報処理機器(クライアント)側ソフトウエアのウェブ・ブラウザに対して、HTMLやオブジェクト(画像など)の表示情報を提供するサービスプログラム及び、そのサービスが動作するサーバーコンピュータを指す。
【0039】
前述したように、この形態1の説明では、特に明示がない限り、食器洗浄機1には家庭用又は業務用の食器洗い乾燥機を含む。
また、別の家庭や店舗等に設置された食器洗浄機1も、図示していないが、前記ネットワークNWを介して前記第1サーバー72にそれぞれ個別に接続されている。そして、第1サーバー72側では、個々の食器洗浄機1を識別するために、当該食器洗浄機の識別情報やユーザーの個人情報等を保有しており、第1サーバー72では、ネットワークNWを介して通信を行う場合、個々の食器洗浄機1を識別している。
なお、食器洗浄用の専用洗剤を販売する、「ネット通販サービス用」オンラインショップ等の電子商取引(EC)サイト74が、前記ネットワークNWに接続されているが、図示を省略している。
【0040】
図1において、23は、食器洗浄機1から送信された状態情報Aを、当該食器洗浄機1の機器識別情報別に記憶させている洗剤情報保持部である。食器洗浄機1の運転に伴って消費される消耗品(液体又は顆粒状の専用洗剤)の残量情報は、食器洗浄機1の運転時にこの第1サーバー72に送信され、この洗剤情報保持部に随時更新して保持(記憶)される。
【0041】
73Bは、洗剤データベースであり、各食器洗浄機1に対応する洗剤の各種情報(例えば、洗剤のメーカー名、洗剤の商品名、1個当たりの洗剤重量、容量等)のデータを保有している。
前記洗剤データベース73Bは、特定の液体洗剤が使用される食器洗浄機の種類を示す「製品カテゴリー」、洗剤を製造するメーカー(業者)の名前を示す「製造業者名」、洗剤の種類を示す「商品カテゴリー」、洗剤を識別可能な識別子を示す「洗剤識別情報」、洗剤の正式名前を示す「商品名」、及び洗剤の販売単位(本数、個数等)や容量を示す「容量又は重量情報」等の各種情報を含んでいる。硬水又は軟水の何れに効果が高いのかを示す機能情報も含んでいる。
【0042】
図1において、21は、第1サーバー72全体を制御する制御部であり、前記水質判定部72A、水質記憶部72B、洗剤情報保持部23及び制御情報生成部72Eの動作を制御する。
【0043】
<制御部31>
図2は、実施の形態1に係る食器洗浄機1の制御部31を示すブロック図である。図2に示すように、制御部31は、操作部32、表示部33、報知部34、加熱ヒーター35、洗浄ポンプ36、送風ファン37及び乾燥ヒーター38の制御を担う機能を有しており、中核部分として、1つ又は複数のマイクロコンピューター(図示せず)を有している。
前記制御部31は、外部サーバー71と通信可能であり、位置情報S2を生成し、これを外部サーバー71に提供することで、該当位置情報で示される住所(場所)の水質情報S1を取得することができる。なお、この図2では、前記通信部2の図示を省略している。ここでいう「水質情報」には、水道水の中に含まれる「カルシウム、マグネシウム」等の含有量を示す基礎データが含まれる。それら基礎データから「軟水」や「硬水」等まで判定している二次データは必須ではない。従って、制御部31の中に、軟水や硬水を判定する水質判定部31Jを設けることは必須ではないが、この図2に示すように設けても良い。
【0044】
前記位置情報S2は、食器洗浄機1を設置した際の試運転時に、操作部32によって、インプットできる情報であれば良い。あるいは、後日、食器洗浄機1から送信しても良い。通常の住所登録のように都道府県名や市町村名等の情報を直接インプットしたり、郵便番号や緯度・経度情報をインプットしたりしても良い。これら情報は、住所情報取得部61で保管され、ユーザー登録する際に第1サーバー72へ送信される。また、その後、第1サーバー72と情報の授受を行う際に第1サーバー72側において、ユーザー認証等で利用される。
【0045】
前記制御部31は、中央処理装置(CPU:図示せず)を有したマイクロコンピューターを主体に構成されており、半導体記憶装置(フラッシュメモリーやROM、RAM)などの記憶部31Mと、時刻を計算する計時手段(時計回路)31Tとを内蔵している。なお、この計時手段31Tは、後述する主電源スイッチ(図示せず)を仮にOFFしても、電源供給が継続する構成(例えば、補助電源からの電源が供給される)になっている。
【0046】
51は、前記第1サーバー72から水道水の水質情報S1を取得する水質情報取得部である。
61は、食器洗浄機1が使用されているキッチン(家屋)や店舗等の場所を示す位置情報S2を発信する位置情報取得部である。前記したようにビルトイン式の(家庭用)食器洗浄機1の場合には、設置されたキッチン家具の存在する住宅の所在地の情報が前記位置情報S2になり得る。据置式の(家庭用)食器洗浄機1でも同様に住宅の所在地情報が前記位置情報S2になり得る。但し、食器洗浄機1側で、例えば「東京都〇〇区〇〇町1丁目1番地」のような詳細な情報を提供せず、前記した携帯端末200等で食器洗浄機1を設置した住宅の緯度・経度情報を取得して、その情報を位置情報S2にしても良い。
【0047】
31Pは、前記水質情報取得部51が外部サーバー71から取得した水質情報S1を利用して、洗浄機能発揮部41を実際に駆動する条件を決める、前記制御情報S3を生成する制御情報生成部である。
【0048】
81は、制御部31の外部に設けた制御情報生成部である。この図2における制御情報生成部81は、第1サーバー72から提供された水質情報S1を取得するものであり、この水質情報S1に従って、制御情報生成部81が具体的な洗浄時間や乾燥温度等を決める。つまり、制御条件を決定する場合に必要となる。そのため、制御情報S3を生成するのがこの制御情報生成部81となる。
【0049】
制御情報生成部81を設けず、制御部31自身が水質情報S1を利用して、洗浄運転を確定する洗浄プログラムと、乾燥運転時間や乾燥温度を確定する乾燥プログラムの、「パラメータ」を補正して、制御条件を確定し、それを実行する場合には、前記制御条件生成部31Pが必要であり、外部の前記制御情報生成部81は必要ではない。従って、この制御情報取得部81は、破線の枠で示している。
【0050】
前記「パラメータ」とは、例えば、加熱ヒーター35、洗浄ポンプ36、送風ファン37及び乾燥ヒーター38の制御を行う場合の、通電率や温度、洗浄ポンプ36の回転数等の制御で使用される制御用の変数である。例えば、温度制御用のデータテーブルがある場合、当該データテーブルにある個々の制御値(数値)をいう。
【0051】
前記水質情報取得部51、位置情報提供部61及び制御情報取得部81は、前記制御部31によって個々に制御される。
41は、洗浄機能発揮部である。この洗浄機能発揮部41とは、食器を洗浄し、乾燥する機能を達成するための構成が該当する。
具体的には、洗浄機能発揮部41には、食器に対して温水等の洗浄水を噴射するシャワーノズル(図示せず)と、洗浄水を供給する洗浄ポンプ36が含まれる。更に、洗浄するための温水を作る加熱ヒーター35と、洗浄後の食器を乾燥させるための乾燥ヒーター38、洗浄槽(図示せず)の内部空間に熱気を対流させるための送風ファン37等が含まれている。
なお、前記洗浄槽(図示せず)の外側で、かつ前方側にある、専用の液体洗剤(図示せず)を投入する電磁ポンプ等の洗剤供給部(図示せず)も、洗浄機能発揮部41の一部である。
【0052】
<食器洗浄機1の動作>
図3は、図1に示した実施の形態1に係る食器洗浄機1の、動作ステップ説明図である。全体の理解を容易にするために前記第1サーバー72の動作についても示している。
【0053】
図3において、ステップSA1、SA2、SA6及びSA7が食器洗浄機1の動作を示している。ステップSA3~SA5は、第1サーバー72の動作を示している。なお、第2サーバー73の動作については、図示を省略している。
最初に操作部32にある主電源スイッチ(図示せず)の操作ボタンを押して、当該主電源スイッチをONにすると、商用電源からの電力が前記制御部31に印加される(ステップSA1)。
【0054】
制御部31が起動され、第1サーバー72に対して最新の水質情報S1の提供を要求する信号を通信部2経由で発信する(ステップSA2)。
第1サーバー72は、1つの食器洗浄機1から前記したような、最新の水質情報S1の提供を要求する信号を受ける際に、当該食器洗浄機1の識別情報と共に位置情報(住所情報)S2を受信する。但し、第1サーバー72で、個々の食器洗浄機1の識別情報と位置情報S2が対になって(紐づけされて)内部の記憶装置M(図示せず)に事前に格納されている場合には、食器洗浄機1から位置情報S2が届かない場合でも、前記記憶装置Mから位置情報を読み出し、これを第2サーバー73に送信して、特定の位置の水質情報S1の提供を要求することができる。以上がステップSA3の処理である。
【0055】
次のステップSA4では、第1サーバー72は第1サーバー73から水質データを取得し、これを水質記憶部72Aに一時的に格納する。そして水質判定部72Bによって、少なくとも硬水か軟水かの2つの区分で判定する。これ以外に「弱硬水」や「中硬水」等の区分で仕分けても良い。なお、第2サーバー73側において、硬水と軟水の一次判定を行っている場合には、水中に含まれる「カルシウム、マグネシウム」等の含有量の基礎データは不要であり、浄水場の一次判定情報を第1サーバー72が取得し、そのまま水質記憶部72Aに一時的に格納することでも良い。
【0056】
次に、第1サーバー72は水質記憶部72Aに記憶させた水質情報の判定結果を、水質情報S1として食器洗浄機1に送信する(ステップSA5)。なお、この場合、第1サーバー72に対して事前に接続設定を済ませてある前記通信端末200にも水質情報S1を送信しても良い。
次のステップSA6は、食器洗浄機1側の動作である。このステップSA6では、制御部31は、各種の制御条件を水質(硬水と軟水)に対応した制御内容(以下、「水質対応制御」という)に変更する。そして、操作部32からのユーザーによる運転開始指令の入力を待つ状態(待機状態)に移行する(ステップSA7)。この水質対応制御は、次の図4で詳しく説明する。
【0057】
次に、図4について説明する。
図4は、実施の形態1に係る食器洗浄機1の、制御部31の制御動作を示すフローチャートである。
ステップSN1は、前記「水質対応制御」の開始ステップである。水質を判定するステップである。
ステップSN1では、水質情報S1により取得した水の硬度が、軟水であればステップSN2Aに進み、通常の食器洗浄機1としての動作プログラムを適用して、食器洗浄と乾燥の動作を制御する。
ステップSN2Aは、高温(高温水)で「すすぎ工程」を実行し、高温で乾燥させるステップであり、その次のステップSN3Aでは、乾燥時間を通常モードに維持して乾燥を行う。
制御部31は、ステップSN2Aと、ステップSN3Aを順次実行するために、「制御条件1」を選択する(ステップSN1)。
【0058】
一方、ステップSN1では、水質情報S1により取得した水の硬度が、硬水である場合には、ステップSN2Bに進む。ステップSN2Bでは、ステップSN2Aの場合よりも低いお湯で「すすぎ工程」を実行する。そして、ステップSN2Aの場合よりも低温の温風で乾燥を行う。
このように、ステップSN2Bでは、軟水の時より乾燥工程での「温度T」を低く動作させるように、ステップSN1の判定結果により「制御条件2」を選択する。
この温度Tとは、例えば、食器を収容する洗浄槽(図示せず)の内部空間に供給する温風温度である。例えば、前記洗浄槽の内部に温風を循環させる温風供給手段を有している場合、その温風供給路からの温風を吹き出し温度をいう。あるいは、前記洗浄槽の別の位置に設けた温度センサーで洗浄槽の内部雰囲気を温度管理する目標温度でも良い。この目標温度になるように前記温風供給手段の熱源(電気ヒーター)の通電が制御される。
【0059】
次に、ステップSN3Bに進む。ステップSN3Bでは、ステップSN2Bが「低温乾燥」であったため、乾燥時間はステップSN3Aに比較して長くなる。つまり、制御部31は、ステップSNBと、ステップSN3Bを順次実行するために、「制御条件2」を実行するが、制御部31は、乾燥時間が(前記「制御条件1」の場合に比較して)長くなるように、前記制御条件2では、運転時間条件が設定されている。
【0060】
第1サーバー72から水質情報取得部51が取得した水質情報S1には、硬水と軟水を識別する信号が含まれ、ステップSN1で2つに振り分けられるので、ステップSN2A、SN3A、SN2B及びSN3Bの段階では、制御部31において硬水と軟水の水質判定をその都度行う必要はない。
【0061】
また、ステップSN2Bでは、乾燥工程の前の「すすぎ工程」の温度を低くする(「低温すすぎ」にする)ことで、それに続く「乾燥工程」初期の温度を低く保っても良い。
【0062】
図3図4の動作例は、第1サーバー72で生成したコマンドデータCD2を利用せず、食器洗浄機1側でコマンドデータCD1を生成した例である。
そのため、コマンドデータCD1を生成する機能がない食器洗浄機1の場合には、第1サーバー72が第2サーバー73から取得し、水質判定部72Aで判定した結果に基づいて制御情報生成部72Eが、硬水と軟水のそれぞれに対応したコマンドデータCD2を生成し、これを食器洗浄機1に送信して、図4の制御条件1又は制御条件2の何れか一方の制御を実行させる。
【0063】
次に、図5について説明する。
図5は、図1に示した食器洗浄機1の、前記制御部31の基本動作を示すフローチャート2である。
図5において、ステップST1~ST9は、制御部31が保有している、洗浄から乾燥までの一連の制御動作プログラムに規定された動作ステップである。なお、洗浄運転が開始された以後については、図示省略している。
最初に、前記操作部32にある主電源スイッチ(図示せず)の操作ボタンが押された場合(ステップST1)、次のステップST2では、制御部31が、異常の有無を判定する。例えば、洗浄機能発揮部41を構成している洗浄ポンプ36の電気的異常がなく、また、食器を収容した洗浄槽(図示せず)からの水漏れがないこと等、各種センサー(図示せず)の信号をチェックして、異常の有無を判定する。
【0064】
また、この異常が無かった場合、次のステップST3の段階では、表示部33が起動され、「異常がないので、食器の洗浄を開始できること」旨を表示する。
ステップST2の段階で、前記通信端末200又は第1サーバー20に対して、食器洗浄機1から起動情報を送信するような設定になっていた場合、この段階で通信部2から起動情報(最初の、運転状態データOS1)を無線で送信する。
【0065】
ステップST3の段階では、表示部33と音声報知部34によって、「洗浄コース」の選択等、必要な入力を操作部32で行うよう、入力を促すための報知と、音声ガイドを行う。
この食器洗浄機1では、液体洗剤(消費材)を使用するので、この液体洗剤の残量が規定量より少ないかどうかのチェックがステップST4で行われる。計量回路12で計測した結果、洗剤の残量が規定値(閾値)よりも少ない場合には、この段階で補充するように表示部33で表示され、更に音声報知部34によって音声で報知される。
【0066】
前記ステップST4において、洗剤の残量が規定値(閾値)よりも少ない場合には、ユーザーが洗剤をタンク(図示せず)に補充すると、その補充の後の再計測(計量)によって洗剤の量が再度把握され、規定量を満たした場合には、洗剤が補充されたことを表示部33や音声報知部34で報知する。
洗剤が規定量に満たない場合には、次のステップST5には進むことができない。
【0067】
次のステップST5では、表示部33に初期画面が表示され、運転開始の前に選択する運転コースの選択を促す表示が行われる。
前記洗浄コースとは、洗浄運転の基本的な形態、種類を示すもので「洗浄モード」とも呼ぶ。
この実施の形態1では、洗浄コースは、例えば、「普通コース」、「念入りコース」、「予約コース」等である。
【0068】
前記「普通コース」とは、例えば、食事後の食器を直ぐに洗う場合に選択すると便利であり、節水や時間短縮、省エネ等の面で有利である。
前記「念入りコース」は、汚れの多い食器や油分の多い食器等を念入りに洗浄する場合に選択すると便利であり、洗浄工程の時間が前記普通コースよりも長い。食後、時間が経過した食器類を洗浄する場合に選択が推奨されている。
【0069】
前記「予約コース」は、設定してから一定の時間(例えば4時間)後に運転を開始すること、または逆に運転終了時刻を設定しておいて、運転の開始を食器洗浄機1側に任せるものである。この実施の形態1では、予約設定から4時間後に自動的に運転が開始されるような制御プログラムになっている。
これ以外にも、手洗いした食器類の乾燥だけを行う「乾燥コース」や、上述した各コースを組み合わせたコースもある。
【0070】
更に、この食器洗浄機1では、前記「予約コース」は、通信端末200からの指令で洗浄運転を開始させることもユーザーUSが設定できる(これを「予約コース#2」と呼ぶ)。
前記第2コマンドデータCD2によっても、前記予約コースを通信端末200から設定できる。
【0071】
ユーザーが予約コース#2の運転開始を忘れないように、この予約コース#2を設定した時点から一定時間経過毎にプッシュ型通知によって通信端末200に通知が行われる。例えば、3時間、3時間30分、4時間等、ユーザーUSが事前に選択した報知タイミングで、第1サーバー72経由で報知される。
【0072】
ユーザーは、予約コース#2の運転開始の指令を求める通知を、通信端末200の表示部で知った場合、その通信端末で所定の操作を行うと、コマンドデータCD2が生成され、第1サーバー20経由で洗浄工程の開始を指令することができる。このため、ユーザーが仮に遠隔地に外出していても、遠隔地から食器の洗浄を指示できる。
【0073】
洗浄コースの選択を終えると(ステップST6)、次のステップST7では、必要な洗浄コース(運転モード)の選択が操作部32で行われたかどうかの判定を行い、入力されていた場合は、ステップST6は「Yes」判定となり、ステップST7に進む。
洗浄コース(運転モード)の選択が操作部32で行われていない場合には、入力が行われるまで一定時間(例えば、10分間)、繰り返しステップST6の判定が行われる。
【0074】
次のステップST7では、第1サーバー72に対して通信部2経由で水質情報S1の提供を求める信号を発信する。その結果、第1サーバー72から水質情報S1が提供された場合、表示部33又は音声報知部34では、水質情報S1が取得されたことを表示、又は音声で報知する。
ステップST7では、ステップST6で選択した洗浄コースに応じた運転プログラムのコマンドデータCD2が第1サーバー72から提供される。
【0075】
食器洗浄機1自体で前記コマンドデータCD2に対応する制御情報S3を生成できる場合は、ステップST7で説明したようなコマンドデータCDの取得は行われない。その代わり、制御部31において水質情報S1の結果に対応して硬水の場合の制御情報S3又は軟水の場合の制御情報S3が生成され、この制御情報S3によってステップST9以降の運転が行われる。
【0076】
次にステップST8では、操作部32の運転開始キー(ボタン)が押されたかどうかが判定され、押された場合には、「Yes」判定となり、ステップST9に進む。ステップST9では、洗浄ポンプ36が運転されて洗浄槽(図示せず)の中に一定量の洗浄水が溜められ、また、その洗浄水を加熱する加熱ヒーター35の通電も開始される。
【0077】
この後、洗浄水に前記洗剤が、制御部31で決めた量だけ投入される。なお、前記予約コースでは、そのコースを設定した時点から4時間後に運転を開始するため、運転開始してから洗剤の投入が自動的に行われる。
【0078】
温水となった洗浄水(前記洗剤が混合されたもの)は、洗浄槽の中にある食器籠(図示せず)に載置された食器類に向けて、洗浄ノズル(図示せず)から吹き付けられる。なお、当該洗浄ノズルは、洗浄水の噴射の反作用で自ら回転し、複数の食器に対して満遍なく吹き付ける。こうして洗浄工程がステップST9から開始される。
【0079】
<実施の形態1の総括>
以上のように第1の開示に係る食器洗浄機1の、1つの実施形態は、
洗浄工程と、すすぎ工程と、乾燥工程とを、制御条件に従って制御する制御部31と、
報知部42と、
設置地域を特定可能な住所情報S2を保有する住所情報取得部61と、
前記住所情報S2を外部サーバー71へ送信可能な通信部2と、
前記住所情報S2で特定される地域の給水源の水質に関し、前記外部サーバー71が軟水であるか硬水であるかを判定した水質情報S1を取得する水質情報取得部51と、
前記洗浄工程で使用される洗剤の残量を検知する消費情報取得部11と、を備え、
前記制御部31は、前記水質情報取得部51が軟水を示す前記水質情報S1を受け付けた場合は、第1の制御条件で運転し、前記水質情報取得部51が硬水を示す前記水質情報S1を受け付けた場合は、第2の制御条件で運転し、
前記報知部42は、前記洗剤の残量に関する情報と、前記水質情報S1の少なくとも何れか一方を報知すること、
を特徴とする構成である。
【0080】
更に具体的な構成で言えば、外部サーバー71から水質情報S1を取得し、当該水質情報S1から軟水であるか硬水であるかを判定する水質情報取得部51を備え、
前記制御部31は、前記水質情報取得部51が軟水であると判定した場合には、前記制御条件1(図4のステップSN2A、SN3A参照)で運転し、硬水であると判明した場合には、前記制御条件2(ステップSN2B、SN3B参照)で運転する、ことを特徴とする食器洗浄機1である。
【0081】
この構成であるため、水の硬度が高い地域では、温度制御および時間制御によって通常より時間をかけて水分を蒸発させるため、食器の水垢やウォータースポットの発生を低減できる。
また、前記報知部42は、前記洗剤の残量に関する情報と、前記水質情報取得部51の水質判定結果の情報の、少なくとも何れか一方を報知する(図5のステップST4、ST7参照)ため、ユーザーは洗剤が不足していること、給水された水の水質を知ることができるから、洗浄運転の開始前の準備段階で必要な洗剤の補充ができる。また、水質に応じた洗剤の手配も行うことができる。
【0082】
更に、この実施の形態1で示した、第2の開示に係る食器洗浄機の運転管理システムの1つの実施形態は、
洗浄工程と、乾燥工程とを順次実行し、住所情報S2を入力可能な操作部32と、前記洗浄工程で使用する洗剤の消費情報取得部11と、通信部2と、を備えた食器洗浄機1と、
前記通信部2と無線通信を行う外部サーバー71と、を備え、
前記食器洗浄機1は、前記消費情報取得部11で取得した洗剤の残量を報知し、さらに前記外部サーバー71から前記住所情報に対応した地域の給水源の水質情報S1を取得し、当該水質情報S1に応じて硬水と軟水の2種類の制御情報S3を生成し、前記洗浄工程と前記乾燥工程を実行すること、
を特徴とする構成である。
【0083】
この構成であるため、水の硬度が高い地域では、例えば、温度制御および時間制御によって通常より時間をかけて水分を蒸発させるため、食器の水垢やウォータースポットの発生を低減できる。
また、食器洗浄機1では、洗剤の残量に関する情報を報知する(図5のステップST4参照)ため、ユーザーは洗剤が不足していることを容易に知ることができるから、洗浄運転の開始前の準備段階で必要な洗剤の補充ができる。
【0084】
実施の形態2.
<制御部31>
本開示2に係る実施の形態2について、図6図8を用いて説明する。
図6は、実施の形態2における食器洗浄機1の、機能ブロック図である。図7は、図6に示した食器洗浄機の、動作ステップ説明図である。図8は、図6に示した食器洗浄機1の、制御部31の水質取得動作を示すフローチャートである。なお、図1図5に説明した実施の形態1の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
【0085】
図6について説明する。
この実施の形態2では、実施の形態1の図2で説明した水質情報取得部51に相当する構成が、食器洗浄機1の中には存在しない。つまり、食器洗浄機1自体では水質の中身について判定しないため、硬水であるか軟水であるかの判定機能はない。
72Dは、食器洗浄機1の制御情報データベースである。これは、食器洗浄機1の型名、モデル番号等の識別情報毎に、洗浄工程や乾燥工程を実行する各種制御情報のデータが格納されている。
72Eは、制御情報生成部である。この制御情報生成部72Eは、個々の食器洗浄機1毎に、第2サーバー73から取得した(各地域別浄水場等の)水質データ又は第1サーバー72自体が直接取得した水質データを基礎にして、個々の食器洗浄機1に適合した制御条件を確定するための制御情報S3をその都度生成する。このため、この実施の形態2では、食器洗浄機1の制御情報取得部81においては、結果的に軟水と硬水の何れにも対応した制御情報S3を取得することができる。
【0086】
図6において、40は、カレンダー機能を有するカレンダー機能部であり、操作部32から開始指令を1回受けると、その時点の西暦の年、月日及び時刻情報をカレンダー情報部(図示せず)から読み出し、以後は計時動作を継続して自動的に現在時刻や経過時間等のデータを制御部31に対して提供できるものである。なお、このカレンダー機能部40は、独立した処理回路で構成される必要はない。例えば、制御部31を構成するマイクロコンピューター等のソフトウエアによってカレンダー機能部40を実現しても良く、ハードウエア上で個別に構成された(専用の)時計回路31T(図2参照)等でなくとも良い。
【0087】
ここで、前記住所情報S2を住所情報取得部61が取得する方法について説明する。
(1)方法1:操作部32の入力キーや操作ボタンを操作して食器洗浄機1の設置された場所を示す所在地を入力する。
(2)方法2:スマートフォン等の通信端末200から住所情報S2を読み込ませて取得する方法。例えば、インターネット上に緯度と経度情報を、通信端末200に取得させて、この通信端末200を介して住所情報S2をインプットしても良い。この方法2の1つは、インターネット上に無料で公開されている電子地図を利用し、特定の施設(例えば、集合住宅)を選択して、当該施設に対応する緯度・経度情報を入手するものである。この方法によれば、端末側表示画面216(ポップアップ画面含む)(図示せず)などで、迅速に通信端末200の端末側表示部216で緯度・経度情報が確認できる。そのため、そこに示された緯度・経度情報を通信端末200に記憶させた上で、この通信端末200から食器洗浄機1へ無線通信(NFCと呼ばれている「近距離無線通信方式」含む)によって情報を送信しても良い。
【0088】
前述した1つの制御情報S3には、洗浄から、すすぎ工程や乾燥工程までの一連の「制御条件」を確定する「洗浄運転(動作)プログラム」全体が含まれているケース(以下「第1ケース」という)と、食器洗浄機1側で保有している「洗浄運転(動作)プログラム」の一部を構成する「温度」や「時間」等の個々のパラメータを変更するための命令(設定指令)が含まれたケース(以下、「第2ケース」という)の、2つがある。なお、後者(前記第2ケース)の方が、データ通信時のデータ容量が少なくできる利点がある。
【0089】
この実施の形態2では、説明を簡単にするための、前記第2のケースを採用して、実施の形態1と同様に、パラメータを変更するための「制御条件1」と「制御条件2」の2種類の設定指令が、第1サーバー72から提供される、という前提で以下説明する。
【0090】
<食器洗浄機1の動作>
この実施の形態2では、食器洗浄機1の制御部31の構成と、その動作プログラムが、実施の形態1と異なる。
図7について説明する。
図7は、図6に示した食器洗浄機1の、動作ステップ説明図である
全体の理解を容易にするために前記第1サーバー72の動作についても示している。また、この図7は、図3に対応した図であるため、図3と異なる部分を主体に説明する。
【0091】
図7において、ステップSA1、SA2A、SA6A及びSA7が食器洗浄機1の動作を示している。ステップSA3A~SA5Aは、第1サーバー72の動作を示している。なお、第2サーバー73の動作については、記載を省略している。
最初に操作部32にある主電源スイッチ(図示せず)の操作ボタンを押して、当該主電源スイッチをONにすると、商用電源からの電力が前記制御部31に印加される(ステップSA1)。
【0092】
制御部31が起動されると、第1サーバー72に対して最新の水質情報に対応した制御情報S3の提供を要求する信号を通信部2経由で発信する(ステップSA2A)。つまり、食器洗浄機1では、水道水の水質に関する情報(水道水に含まれる各種含有物質の量や、硬水・軟水という判定結果も含む)自体の提供は要求しない。この点が、実施の形態1と異なっている。
【0093】
第1サーバー72は、1つの食器洗浄機1から前記したような、最新の水質に対応した制御情報S3の提供を要求する信号を受ける際に、当該食器洗浄機1の識別情報と共に位置情報S2を受信する。但し、第1サーバー72で、個々の食器洗浄機1の識別情報と位置情報が対になって(紐づけされて)内部の記憶装置M(図示せず)に事前に格納されている場合には、食器洗浄機1から位置情報S2が届かない場合でも、前記記憶装置M(図示せず)から(特定の食器洗浄機1に対応した)位置情報S2を読み出し、これを第2サーバー73に送信して、位置情報S2で特定される1つの住所(設置位置)地域を担当している、給水源(浄水場等)の水質データの提供を要求することができる。以上がステップSA3Aの処理である。このステップSA3Aも実施の形態1のステップSA3とは異なっている。
【0094】
次のステップSA4Aでは、第1サーバー72が第2サーバー73から水質データを取得し、これを水質記憶部72Aに一時的に格納する。そして水質判定部72Bによって、少なくとも硬水か軟水かの2つの区分で判定する。これ以外に「弱硬水」や「中硬水」等の区分で仕分けても良い。このステップSA4Aも、実施の形態1のステップSA4とは異なっている。
【0095】
第2サーバー73側において、硬水と軟水の一次判定を行っている場合には、ステップSA4Aでは、水中に含まれる「カルシウム、マグネシウム」等の含有量の基礎データは不要であり、浄水場の一次判定情報を第1サーバー72が取得し、そのまま水質記憶部72Aに一時的に格納することでも良い。
【0096】
次に、第1サーバー72では、水質記憶部72Aに記憶させた水質情報の判定結果を、制御情報生成部72Eに送信する。制御情報生成部72Eは、受信した水質情報(例えば、硬水と軟水の2種類)に対応した、少なくとも2種類の制御情報S3(S3A、S3B)を生成し、これを食器洗浄機1に送信する(ステップSA5A)。このステップSA5Aも、実施の形態1のステップSA5とは異なっている。なお、この場合、第1サーバー72に対して事前に接続設定を済ませてある前記通信端末200にも、水質情報の判定結果を送信しても良い。
【0097】
ここで、前記制御情報S3Aは、軟水の場合に制御情報生成部72Eで生成される第1の制御条件を指定する「第1の制御情報」(軟水用制御情報)である。
また、前記制御情報S3Bは、硬水の場合に制御情報生成部72Eで生成される第2の制御条件を指定する「第2の制御情報」(硬水用制御情報)である。
【0098】
次のステップSA6Aは、食器洗浄機1側の動作である。このステップSA6Aでは、制御部31は、「基準となっている制御条件」を、前記制御条件S3に従って変更する(変更しない場合もある)。つまり、制御部31では、制御条件を確定するための各種パラメータの内、その一部を前記制御条件S3によって変更し、水質に対応した1つの制御条件を確定する。このステップSA6Aも、実施の形態1のステップSA6とは異なっている。なお、前記「基準となっている制御条件」は、例えば、軟水の場合の制御条件である。そして、操作部32からのユーザーによる運転開始指令の入力を待つ状態(待機状態)に移行する(ステップSA7)。
【0099】
次に、図8について説明する。
図8は、図6に示した食器洗浄機1の、制御部31の水質取得動作を示すフローチャートである。特に、第1サーバー72等の外部サーバー71に対する制御データS3の送信を求める動作に関したものである。
【0100】
図8において、ステップSB1~SB7は、制御部31の中の記憶部31Mに、データ要求処理のプログラムとして事前に格納されている。そして、食器洗浄機1の操作部32の入力を受けて、食器洗浄機1を使用する際には、必ずこのステップSB1のチェックを受ける。
従って、主電源スイッチをONにして使用を開始する場合、最初にステップSB1において、ユーザー登録をしたかどうかの判定が行われる。ユーザー登録情報には、この食器洗浄機1を使用するユーザーの識別情報(氏名等)と、設置場所を特定する住所情報とが必須である。
【0101】
前記住所情報やユーザーの識別情報は、操作部32を操作して「ユーザー登録」という項目を選択すると、表示部33に入力が必要な情報と入力方法(手順)が表示され、また報知部34によっても、音声によって対話形式で入力がガイドされる。
【0102】
食器洗浄機1を住宅や店舗に設置した際に、最初にステップSB1の「ユーザー登録」の完了がチェックされ、ユーザー登録していなかったときはステップSB6に進み、住所情報の入力の完了がチェックされる。住所情報の入力を終え、完了指令を操作部32で行うと、ステップSB6が「Yes」判定となる。つまり、ユーザー登録したあとはステップSB7に進み、カレンダー機能が起動することになる。
【0103】
そのため、食器洗浄機1を最初に設置した際に、最初に操作部32を操作して、設置業者や販売業者がテスト運転を開始する指令を与えると、ステップSB2は「Yes」判定となり、ユーザー登録情報が第1サーバー72へ通信部2経由で送信される。なお、第1サーバー72や通信端末200との間の相互認証手続については説明を省略する。
【0104】
ステップSB2の後、第1サーバー72では、特定の食器洗浄機1について、ユーザー情報を所定のユーザーデータベース(記憶部)に格納し、当該食器洗浄機1については、対応する住所情報とセットにして抽出できるようになる。
【0105】
その後、ユーザーが操作部32にある主電源スイッチ(図示せず)の操作ボタンを押して、当該主電源スイッチをONにし、制御部31が起動されると、第1サーバー72に対して最新の水質情報に対応した制御情報S3の提供を要求する信号を通信部2経由で発信するかどうかを判断する。そのステップが、ステップSB3とSB4である。
まず、テスト運転でない場合、ステップSB3では、前回の食器洗浄機1の使用からの経過時間(期間)を判定する。前回の使用日時の情報を、制御部31の中の記憶部31Mから読み出し、カレンダー機能部40からの現在日時情報と比較して、経過期間(日数)が30日を経過していない場合、「No」判定にし、ステップSB4に進む。
【0106】
ステップSB4では、カレンダー機能部40からの現在日時情報を利用し、例えば、年4回の季節(春・夏・秋・冬)の開始時期を、「4月、7月、10月、1月」の初日としている場合には、当該初日を経過しているときにこのステップSB4は「Yes」判定となる。
ステップSB3及びSB4の判定が「Yes」の場合、ステップSB5に進む。これによって、再び食器洗浄機1から住所情報が第1サーバー72に送信され、当該住所情報に示された住所に対応した浄水場や給水施設等、給水源(水道水)の水質に関する情報を保有している情報提供サイトから、水質データを第1サーバー72が取得することになる。
このため、第1サーバー72から提供される制御情報S3は、季節の変化も捉えた最新の水質データを基礎にして生成できるから、これを受ける食器洗浄機1の制御も、実際の水質データに対応したものとすることが期待できる。
【0107】
<実施の形態2の総括>
以上のように第3の開示に係る食器洗浄機1の、1つの実施形態は、
洗浄工程と、すすぎ工程と、乾燥工程とを、制御条件に従って制御する制御部31と、
設置地域を特定可能な住所情報S2を保有する住所情報取得部61と、
前記住所情報S2を外部サーバー71へ送信可能な通信部2と、
制御情報取得部81と、
前記洗浄工程で使用される液体洗剤57の残量を計量する計量部12と、
を備え、
前記制御部は、前記外部サーバー71から、給水源の水質が軟水の場合は、第1の制御条件の制御情報S3Aを取得し、前記給水源の水質が硬水の場合は第2の制御条件の制御情報S3Bを取得し、
前記制御部31は、前記計量部12により前記液体洗剤57の残量を計測し、当該残量が基準値以上の場合には、前記第1の制御条件又は前記第2の制御条件の何れか一方に従って運転を開始すること、
を特徴とする構成である。
【0108】
この構成であるため、水の硬度が高い地域では、例えば、温度制御および時間制御によって通常より時間をかけて水分を蒸発させるため、食器の水垢やウォータースポットの発生を低減できる。
また、前記液体洗剤57の残量を計量して、当該残量が規定値以上ある場合に運転ができるから、液体洗剤57が規定量未満であることに気が付かずに運転を開始するという事態を未然に防止できる。
【0109】
更に、食器洗浄機1の側で硬水や軟水等の水質判定を行う必要がなく、水質の判定は外部サーバー71側で行うから、個々の食器洗浄機1の内部回路(判定機能等)を実施の形態1のものに比較して簡略化でき、コスト的に有利となる。つまり、前記住所情報S2に応じて前記外部サーバー71から提供される、水質に応じた前記第1の制御条件を指定する制御情報S3A又は前記第2の制御条件を指定する制御情報S3Bを取得して、洗浄工程と乾燥工程の制御条件の設定に利用できるので、食器洗浄機1側の構成を、実施の形態1に比較して簡略化できる。
【0110】
以上のように実施の形態2では、第4の開示に係る食器洗浄機の運転管理システムを、以下の通り実施していた。
すなわち、食器洗浄機の運転管理システムの1つの実施形態は、
洗浄工程と、乾燥工程とを順次実行し、住所情報S2を入力可能な操作部32と、前記洗浄工程で使用する洗剤の消費情報取得部11と、通信部2と、を備えた食器洗浄機1と、
前記通信部2と無線通信を行う外部サーバー71と、を備え、
前記外部サーバー71は、前記住所情報S2に対応した地域の給水源の水質情報S1を取得し、当該水質情報S1に応じて、軟水に対応する第1の制御情報S3Aと硬水に対応する第2の制御情報S3Bとを生成し、
前記食器洗浄機1は、前記消費情報取得部11で取得した前記洗剤の残量を報知し、前記洗浄工程の開始前に、前記外部サーバー71から前記第1の制御情報S3A又は前記第2の制御情報S3Bの何れか1つを取得し、前記洗浄工程と前記乾燥工程を実行すること、
を特徴とする構成である。
【0111】
この構成であるため、水の硬度が高い地域では、例えば、温度制御および時間制御によって通常より時間をかけて水分を蒸発させるため、食器の水垢やウォータースポットの発生を低減できる。
また、食器洗浄機1では、洗剤の残量に関する情報を報知するため、ユーザーは洗剤が不足していることを容易に知ることができるから、洗浄運転の開始前の準備段階で必要な洗剤の補充ができる。
【0112】
更に、食器洗浄機1の側で硬水や軟水等の水質判定を行う必要がなく、水質の判定は外部サーバー71側で行うから、個々の食器洗浄機1の内部回路(判定機能等)を実施の形態1のものに比較して簡略化でき、コスト的に有利となる。つまり、前記住所情報S2に応じて前記外部サーバー71から提供される、水質に応じた前記第1の制御条件を指定する制御情報S3A又は前記第2の制御条件を指定する制御情報S3Bを取得して、洗浄工程と乾燥工程の制御条件の設定に利用できるので、食器洗浄機1側の構成を、実施の形態1に比較して簡略化できる。
【0113】
実施の形態3.
<食器洗浄機1のネットワーク構成>
図9は、実施の形態3を示す食器洗浄機1と、外部のネットワーク構成を含めた運転管理システムとを示す説明図である。
図9において、1は、家庭用の食器洗浄機であり、乾燥機能を有している。家庭の台所にあるキッチン家具100の内部に設置されるビルトインタイプのものと、キッチン家具等の上に置かれて使用される据置タイプのものがあるが、何れでも良い。なお、図1図8に説明した実施の形態1及び2の構成と、同一又は相当部分は、それぞれ同じ符号を付けている。
【0114】
この実施の形態3においては、水道の水源(浄水場等)の水質(硬度等)は、食器洗浄機1自体では判定せず、外部にある第1サーバー72等によって判定し、判定結果から生成した制御情報S3を食器洗浄機1に提供する構成である。
【0115】
(実施の形態3の構成)
本開示に係る実施の形態3は、図9図18に記載している。
まず、図9について説明する。
図9は、実施の形態3を示した食器洗浄機の運転管理システムの構成図1である。この図9から明らかなように、この運転管理システムは、食器洗浄機1と、スマートフォン等の情報処理端末器(通信端末)200と、広域公衆ネットワークNWと、第1サーバー72と、情報提供サーバー(第2サーバー)73で構成されている。
【0116】
前記第1サーバー72は、情報処理や食器洗浄機1用の液体洗剤等の残量判定、データ記憶など、機能別に分けた複数のサーバーで構成しても良いが、説明を簡単にするために、図9では1つのハードウエアの構成で示している。
【0117】
前記第1サーバー72は、液体洗剤等の各種消費材データベース28や電気機器情報保持部23が保有する情報を、最新の情報にするために、1つ又は複数の前記第2サーバー73にネットワークNW経由で接続されている。
第2(情報提供)サーバー73Nは、例えば、1つの電気機器1のメーカーの保守点検サービス部門の専用サーバーであり、また、複数種類の洗剤を製造・販売している企業が運営し、当該洗剤の用途や機能等の情報を発信しているサーバーである。
【0118】
この実施の形態3の食器洗浄機1は、それぞれの家庭にて使用されており、各家庭から前記ネットワークNWを介して前記第1サーバー72にそれぞれ接続されている。
【0119】
また、別の家庭や事務所に設置された食器洗浄機1や他の電気機器1E(図示せず)も、前記ネットワークNWを介して前記第1サーバー72にそれぞれ接続されている。
なお、ネット通販を提供するオンラインショップ等の電子商取引を行うECサイトが、前記ネットワークNWに接続されているが、図示を省略している。
【0120】
食器洗浄機1は、図3図6において詳しく説明するが、食器類を収容する洗浄槽3(図13参照)を内蔵した筐体2と、水道に連結された給水管(図示せず)や、排水路に接続された排水管(図示せず)、洗浄(給水)ポンプ36、排水ポンプ94等を備えている。なお、ここでいう洗浄ポンプ36や排水ポンプ94等は、洗浄機能発揮部41を構成する動力発生部品である。
【0121】
32は、ユーザーのタッチ操作や押圧操作を受ける各種入力キー、入力ボタン等の操作部(図示せず)を配置した入力部であり、食器洗浄機1の前記筐体2の前面に露出している。なお、操作部32は、図12に示すように前面操作部32Fと、ドア4の天面表示部5に設けた上面操作部32U(図示せず)との、2個所に設けても良い。
【0122】
操作部32は、タッチ操作による入力方式を採用したものではなく、ユーザーの発声を受けて電気信号に変換する音声入力装置でも良く、これらを併用しても良い。また、ユーザーの指先の動作を非接触で検知したり、ドア4等の物体を指先で軽く叩いた際の音(ノック音)を取得したりして、入力用電気信号に変換する手段を採用しても良い。
【0123】
6は、食器洗浄機1に関する各種情報を記憶させている機器情報保持部である。ここでいう「機器情報」とは、前記機器識別情報を含んでいる。また、後述する消費情報取得部11のための、消費材(液体洗剤)の消費に関する基本的な情報も有している。例えば、標準的な食器の量を、通常洗浄コースで洗浄した場合に消費される液体洗剤57の消費量も「○○g」のように、例えば重量値で記憶させてある。また、その場合、洗剤を投入するタンク56(図14参照)の有効容積のデータも保有しているため、液体洗剤57の最大収容量(重量)のデータも保有している。
【0124】
82、商用電源(図示せず)から、例えば、電圧が100V(ボルト)又は200V、周波数50Hz又は60Hzの交流電力が供給される電源部である。なお、前記操作部32に配置した主電源スイッチ(図示せず)の操作部を操作すると、前記電源部82に対する商用電源の供給を開始又は遮断することができる。但し、この実施の形態3のように、キッチン家具100等の中に設置されたビルトイン式の食器洗浄機1の場合には、電源コード(図示せず)は家屋の給電部に常時接続され、ユーザーがその都度、抜き差しできない構造になっている。
【0125】
2は、通信部である。この通信部は、通信部Aと通信部Bとの、2つから構成されている。通信部Aは、前記通信端末200との間で通信できるように、近距離の無線通信規格の1つになっているBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)の通信方式に適合したものである。一方、通信部Bは、ネットワークNWのアクセスポイントとなる無線ルーター104(図11参照)との間で通信できるように、WiFi(登録商標)等の無線LANによる通信方式を使用したものである。
【0126】
通信部2が、前記状態情報Aを発信する場合、この状態情報Aの送信元が受信側で特定できるように、前記機器識別情報が紐づけされて送信される。従って、前記状態情報Aを受信した第1サーバー72は、どのユーザーの、どの食器洗浄機1からの状態情報であるかを識別できる。
【0127】
41は、洗浄機能発揮部である。この実施の形態3では、食器洗浄機1であるため、食器を洗浄し、乾燥する機能を達成するための構成が該当する。
図14で説明するシャワーノズル15や、液体洗剤57を投入する洗剤供給部5も、洗浄機能発揮部41の一部である。
【0128】
制御部31は、前記洗浄機能発揮部41に対して駆動用や速度制御用又は停止用の各種電気信号を与えて、当該洗浄機能発揮部41の動作を制御する。
前記制御部31の制御内容は、運転情報OSとして前記通信部2から第1サーバー72に発信される。例えば、主電源スイッチ(図示せず)がON状態にされた場合には、運転信号の1種である起動信号SS(運転情報OS1)が第1サーバー72に発信される。
【0129】
11は、消費情報取得部であり、食器洗浄機1で使用する消費材の1つである「専用の液体洗剤57」の消費量を、計量部12から所定の形式のデータ(第1の計量データMD1)で受け付ける。そして、その計量結果を示すデータを保持する機能がある。
【0130】
また、消費情報取得部11は、前記計量部12で計量した結果(液体洗剤57の重量値)を、時系列で蓄積し、その変化量、変化率を示すデータ(第2の計量データMD2)も生成し、保持する機能を有する。
【0131】
消費情報取得部11は、1回の運転(主電源ON~主電源OFF)の度に、1回の運転で消費する消費材(液体洗剤57)の消費量を算出する。この結果、一定期間や一定回数の運転で消費する消費量の平均値も、随時生成し、記憶データを更新している。つまり、洗浄運転を行った時点で毎回更新して、最新のデータとして保持している。なお、第1の計量データMD1と第2の計量データMD2を総称して、以下の説明では「計量データMD」と呼ぶ。
【0132】
消費情報取得部11で取得した消費材(この場合、液体洗剤57)の量は、最終的には前記機器情報保持部6に送信され、保持される。その際に、消費材の量に応じて、前記「状態情報A」が生成される。
【0133】
例えば、消費材(この場合、液体洗剤57)の量が少なくなっており、1回の通常の食器洗浄で使用する想定使用量しか残存していない状態であった場合には、例えば「洗剤終わります。補充して下さい」のような、ユーザーの行動を促す「推奨メッセージ」の情報や、洗剤切れを示す特定の「警報」発信指令を制御部31に求める「警報処理」のための情報が、前記「状態情報A」の1種として生成される。
【0134】
前記状態情報Aは、制御部31の指令によって前記通信部2から外部へ送信される。また、制御部31は、前記「状態情報A」を随時取得し、前記報知部42によって消費材の残量について報知する。消費材が規定量を満たしていない最悪の場合は、操作部32から洗浄の開始指令を受けても、洗浄機能発揮部41に指令を出し、洗浄動作を開始しない。
【0135】
80は、制御部31と機器情報保持部6、消費情報取得部11及び洗浄機能発揮部41等の相互間を接続しているバス(バス型ネットワーク)である。
【0136】
この実施の形態3では、機器情報保持部6では、食器洗浄動作の期間中に無秩序に「状態情報A」を生成していない。つまり、計量部12で液体洗剤57の残量を計量するタイミングや、通信部2から外部に状態情報Aが送信されるタイミングは、前記制御部31によってコントロールされている。
【0137】
この図9に示した制御部31、機器情報保持部6、消費情報取得部11の各機能は、処理回路によって実現される。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウエアであっても良いし、メモリーに格納されるプログラムを実行するプロセッサであっても良い。
【0138】
処理回路がプロセッサである場合、制御部31、機器情報保持部6、消費情報取得部11の各機能は、ソフトウエア、ファームウエア又はソフトウエアとファームウエアの組合せによって実現される。ソフトウエアとファームウエアは、プログラムとして記述され、メモリーである記憶部31Mに格納される。プロセッサは、記憶部31Mに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御部31、機器情報保持部6、消費情報取得部11の各機能を実現する。
【0139】
これらプログラムは、制御部31、機器情報保持部6、消費情報取得部11の制御手順を、マイクロコンピューターに実行させるものである。なお、記憶部31Mとは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリーが代表的なものである。
【0140】
引き続き、図9について説明する。
第1サーバー72において、制御部21は、第1サーバー72の全体の制御を担当しており、例えば、マイクロコンピューター等で構成された中央処理装置(CPU:図示せず)と、半導体記憶装置(フラッシュメモリーやROM、RAM、HDD)などの記憶部22と、時刻を計算する計時手段(時計回路:図示せず)とを内蔵するか、別個にそれぞれ設けても良い。
【0141】
この図9で示した制御部21は、後述するユーザー特定部24、電気機器情報保持部23、判定基準記憶部25、消費材データベース28、制御情報生成部72E及びリスト化履歴部89等の各機能部を制御して、第1サーバー72の機能を実現する。
【0142】
この図9に示したユーザー特定部24、電気機器情報保持部23、判定基準記憶部25、消費材データベース28、制御情報生成部31及びリスト化履歴部72L等の各機能は、処理回路によって実現することでも良い。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウエアであっても良いし、記憶部22に格納されているプログラムを実行するプロセッサであっても良い。例えば、記憶部22に格納されたプログラムによって、前記ユーザー特定部24、電気機器情報保持部23、判定基準記憶部25、消費材データベース28、制御情報生成部72E等の各機能が、ソフトウエアで実現されても良い。
【0143】
電気機器情報保持部23は、食器洗浄機1とその他各種電気機器1E(図示せず)に関する各種情報を、前記機器識別情報毎に記憶させている。
例えば、食器洗浄機1のモデル番号A001と、食器洗浄機1のモデル番号A002は、別々のデータベースがあり、モデル番号毎に対応する食器洗浄機1の情報を保有している。特に、標準的な食器の量を、通常洗浄コースで洗浄した場合に消費される洗剤の消費量も「○○g」のように、例えば重量値で記憶させてある。また、その場合、液体洗剤57を投入するタンク56(図14参照)の有効容積のデータも保有しているため、その液体洗剤57の最大収容量(重量)のデータも保有している。
【0144】
23Rは、食器洗浄機1とその他各種電気機器1E(図示せず)から送信された前記「状態情報A」を、当該食器洗浄機1や電気機器1Eの機器識別情報別に記憶させている機器消費材データベースである。
【0145】
食器洗浄機1を含む各種電気機器に対応する消費材の各種情報(例えば、洗剤のメーカー名、洗剤の商品名、1個当たりの洗剤重量、容量等)は、消費材データベース28に記憶させている。
前記消費材データベース28は、消費材(例えば、特定の液体洗剤)が使用される電気機器の種類を示す「製品カテゴリー」、消費材を製造するメーカー(業者)の名前を示す「製造業者名」、消費材の種類を示す「商品カテゴリー」、消費材を識別可能な識別子を示す「商品識別情報」、消費材の正式名前を示す「商品名」、及び消費材の販売単位(本数、個数等)や容量を示す「容量又は重量情報」等の各種情報を含んでいる。「製品カテゴリー」は、食器洗浄機1や衣類洗濯機(図示せず)等が含まれる。
【0146】
消費材データベース28の情報は、後述するスケジュール決定部26の更新指令を受けて定期的又は、前記「製造業者名」に示した製造業者からの通知を受けて、随時更新される。例えば、前記第2(情報提供)サーバー73からネットワークNW経由で取得した最新の情報によって、自身の保有情報を随時更新、充実化できる。
【0147】
図9において、24は、ユーザー特定部である。
このユーザー特定部24は、食器洗浄機1を含む各種電気機器を使用する(登録した)ユーザーに関する情報(ユーザー情報)を保持している。ユーザーを一意に特定するため、ユーザー毎に発行した「ユーザーID」と、ユーザーUSの家族(構成員)であることを示す「家族ID」と、にそれぞれ対応した情報を保持している。
更に、このユーザーID又は家族IDと、前記機器識別情報とは、紐づけられているため、特定の電気機器1とユーザーUS及び家族の関係が把握できる。
また、実施の形態1及び2で説明したような、食器洗浄機1の設置場所、すなわち、登録されたユーザーの住所を示す住所情報も、各ユーザーIDに対応して記憶させてある。
【0148】
なお、説明を簡単にするため、図9には記載していないが、食器洗浄機1を設置した家屋や、店舗等を識別する「施設識別情報」別の「施設ID」も、第1サーバー72が発行しており、当該「施設ID」は、前記「ユーザーID」と紐づけられていて、施設IDの情報は、前記ユーザー特定部24に格納されている。従って、1人のユーザーが、自宅と事務所等に対応させて、複数のIDを第1サーバー72に登録すれば、その事務所又は自宅別に、前記状態情報Aを格納したり、取り出したりすることができる。
【0149】
図1において、25は判定基準記憶部である。
この判定基準記憶部25は、液体洗剤57等の消費材の残量を判定する基準となる判定基準データを記憶している。
前記判定基準データは、後述する音声認識部116から提供されたテキストデータと照合できるように、所定の「キーワード」と「残量レベル」とを、互いに紐づけした関係で、記憶させてある。
【0150】
前記キーワードには、消費材に関連する種々の語句を含んでいる。例えば、電気機器が、洗濯機や食器洗浄機等の洗浄機器の分類では、「洗剤」、「柔軟剤」、「タンク」等のキーワードが用意されている。他の種類の電気機器では、例えば、電気掃除機においては、「交換部品」、「フィルター」、「紙パック」、「電池」等のキーワードが用意されている。
【0151】
一方、前記「残量レベル」は、消費材の残量や補充、交換等の必要性、を段階的に示すものである。そして、この残量レベルは、消費材の種類に応じ、また補充や交換の必要性によって、複数の段階(レベル )に区分されている。
前記「残量レベル」は、例えば、「満量」、「充分レベル」、「許容レベル」、「少量」等に区分されている。「満量」や 「充分レベル」は、残量が多く、未だ補充する必要のないことを示すものである。また、「少量」レベルに紐付けされたキーワードには、例えば「補充したい」、「無くなる」などの、ユーザーの希望や見込みを示すような、ワードが含まれても良い。
【0152】
更に、この判定基準記憶部25には、後述する「緊急度」の判定のための判定基準データが、消費材の種類と電気機器の機器識別情報毎に、一覧表(テーブル形式)で格納されている。つまり、液体洗剤47と食器洗浄機1の関係で緊急度の判定基準が事前に決められている。
【0153】
電気機器として、前述した食器洗浄機1では、機器情報保持部6において状態情報Aを保有しており、計量部12で計測した液体洗剤57の残量等の計量データMDから、当該液体洗剤57の補充要否まで制御部31が判定できる。このため、第1サーバー72側では、前記液体洗剤57の補充の要否を判定する機能は、本来は必要ない。
しかしながら、この第1サーバー72には、当該食器洗浄機1だけではなく、各種の電気機器が接続され得る。その中には、電気機器単体で消費材の補充要否を判定できないものも存在し得る。そこで、この実施の形態3では、第1サーバー72側においても、電気機器の種類や特性を、前記機器識別情報から特定し、使用される消費材を特定して、その消費材の残量を判定し、補充や交換の要否、緊急度を、制御部21が判定できるようになっている。
【0154】
図9において、26は、スケジュール決定部である。
このスケジュール決定部26は、カレンダー機能を有しており、少なくとも1年間(最大365日間)におけるイベントの予定情報を記憶させることができる。
【0155】
スケジュール管理機能自体については、既に多くの特許文献で提案されている。この実施の形態3では、食器洗浄機1の前記操作部32によって、各家庭や事務所、店舗等に居るユーザーUS毎のイベント(例えば、買い物、外出、調理開始等)の予定日と開始予定時刻(又は、時間帯)が登録できる。
【0156】
前記スケジュール決定部26に、イベント情報を記憶させておくと、記憶された日時になると、前記スケジュール決定部26から通知が出される。通知の形態は、前記食器洗浄機1であれば、表示部33で表示したり、報知部42から音声で報知したりすることである。また、ユーザーが所持する通信端末200に向けて通知を発する方法(「プッシュ型通知」ともいう)でも良い。
【0157】
食器洗浄機1が起動している場合には、前記スケジュール決定部26から登録されたイベント情報に基づいて、当該食器洗浄機1に対して、通知が行われる場合がある。
また、1つの家庭や事務所等にある事前に登録された電気機器毎に、ある時刻になると、一斉に消費材の残量情報を含めて、前記「状態情報A」の提供を求める指令を発することもある。
【0158】
この場合の「指令」は、後述する「コマンドデータ(コマンド指令)CDの1種である。また、前記コマンド指令は、通信端末200を通じても発信を指示することができるため、ユーザーは自宅の複数の電気機器について、買い物等に出掛ける際に、一斉に消費材の残量情報を、通信端末200で収集することもできる。但し、全ての電気機器がコマンドデータCDを受信し、応答する訳ではなく、主電源を切ってある電気機器は受信ができないことから応答できない。また、電源が投入されて稼働中の電気機器であても、運転内容によっては外部からのコマンドデータCDを直ぐに受信しない場合もある。これらの事情を考慮し、第1サーバー72では、各電気機器からの消費材の状態については、各電気機器からの状態情報Aを受信した段階で、機器消費材データベース23Rに随時蓄積し、通信端末200からのデータ照会(買い物リストPLの提供要求)に対応できるようにしている。
【0159】
ユーザーが保有又は管理している食器洗浄機1等の電気機器について、当該電気機器で使用している消費材が消耗して残量が少なくなっていることや、あるいは長期使用に起因して機能が低下した等により、部品単位で交換が必要となっていることを知るために、ユーザーUSに、入手が必要な消費材の情報を集約・表示したものが、「買い物リストPL」である。
【0160】
前記スケジュール決定部26で、前記買い物リストPLの作成時刻をセットしておくと、そのセットされた時刻になると、最新の買い物リストPLが更新され、通信端末200に自動的に送信されるという便利な機能も保有している(前記、プッシュ型通知の1種)。
【0161】
図9において、27は、判定履歴記録部である。
この判定履歴記録部27は、制御部21によって生成された消費材の補充や交換の必要性に関するリスト(前記、買い物リストPL)を、作成する過程の判定履歴を格納するデータベースである。なお、前述した食器洗浄機1のように、前記「状態情報A」によって特定の消費材(液体洗剤57)について補充が必要な判定結果が含まれている場合には、その消費材(液体洗剤57)の情報も前記買い物リストPLの中に記録される。
【0162】
前記買い物リストPLは、少なくとも各家庭や事務所にある電気機器の「機器識別情報」毎に記憶され、通信端末200単位毎、すなわち、登録されたユーザー毎に提供できるように、前記機器消費材データベース23Rに格納してある。
【0163】
この判定履歴記録部27は、制御部21によって生成された前記買い物リストPLの、判定基準等の数値や計算式等の最新版が保存される。一方、過去の買い物リストPLを作成時に使用した、判定基準等の数値や計算式等は、後述するリスト化履歴部72Lに格納して、それらデータが一定の期間だけ保持される。
【0164】
図9において、28は、前述したように消費材データベースである。
この消費材データベース28の情報は、前記スケジュール決定部26の更新指令信号を受けて定期的に自動で更新される。例えば消費材の販売業者等が情報を提供している前記第2サーバー73から、ネットワークNW経由で情報を取得し、随時更新される。そのため、液体洗剤57についての最新の情報も、この消費材データベース28に蓄積される。
【0165】
図9において、29は、前記通信端末200や食器洗浄機1が、前記ネットワークNWを介して無線通信で取得できるアプリケーションソフトの提供部(以下、「アプリ提供部」という)である。
このアプリ提供部29のアプリケーションソフトをダウンロードすることにより、前記食器洗浄機1やその他電気機器、及び前記通信端末200は、第1サーバー72と円滑に情報を授受でき、また、当該第1サーバー72に対して各種処理(前記買い物リストPLに含まれるデータの提供を含む)を要求することができる。
【0166】
また、食器洗浄機1は、第1サーバー72から、食器洗浄機1の効果的な運転を示す制御プログラムの提供や、消費材データベース28に蓄積された消費材(液体洗剤57)のデータの提供を受けることができる。更に、食器洗浄機1は、前記状態情報Aの提供を求めるコマンドデータCDを受信して、最新の状態情報Aを第1サーバー72に返信することもできる。
【0167】
図9において、115は、前記ネットワークNWを介して無線で通信を行う送受信部である。
この送受信部115は、食器洗浄機1等の各種電気機器から前記状態情報Aを受信する。また、通信端末200からの要求を受けて、前記機器消費材データベース23Rに格納された消費材の在庫情報等を送信する。
【0168】
すなわち、送受信部115は、通信端末200に対して、電気機器情報保持部23で保持する買い物リストPLの中から、指定された電気機器や食器洗浄機1に関連する買い物リストPLを送信することができる。
制御部21は、通信端末200からの要求信号に含まれる「ユーザーID」と機器識別情報(施設ID)とを利用して、特定のユーザーに関係する各種電気機器、食器洗浄機1の、買い物リストPLを抽出する。送受信部115は、これを通信端末200へ送信することができる。
【0169】
このため、ユーザーUSが補充や交換すべき液体洗剤57等の消費材に関する情報を、通信端末200によって網羅的に知ることができる。つまり、前述した食器洗浄機1については、消費材として液体洗剤57に関する情報として、その洗剤のメーカーや販売業者名、商品名又は当該商品を識別可能な商品IDなどである。なお、この商品IDとは、例えば、インターネット等のネットワークNW等で検索できるような、二次元情報等の固有情報である。
【0170】
図9において、72Eは、制御情報生成部である。実施の形態1及び2で説明したように、この制御情報生成部72Eで生成される制御情報S3によって、これを受信した食器洗浄機1では、洗浄工程から乾燥工程までの一連の運転の条件が決定される。
【0171】
この実施の形態3においても、操作部32に設けた「洗浄コース選択」のボタン(又は入力キー)を操作して運転する通常制御モードと、通信端末200の操作によって選択された外部情報によって運転する外部制御モードの、何れの運転も可能である。
【0172】
実施の形態1で説明した食器洗浄機1と同様に、この実施の形態3の食器洗浄機1においても、前記コマンドデータは、第1コマンドデータCD1~第4コマンドデータCD4まで4種類ある。また、実施の形態1で説明したように、第1サーバー72が食器洗浄機1の動作を定常的に監視する場合、前述したステータスコマンド(状態確認)の信号と、これに応答した「ステータスコマンド・応答レスポンス(状態確認応答)」の信号との、2種類を所定の監視時間間隔で繰り返し交信して行うようになっている。
【0173】
図9において、116は、音声認識部である。通信端末200で受け付けたユーザーの発話情報は、第1サーバー72において、あらかじめ用意されているスタンダードコマンドに変換できる。
すなわち、通信端末200に発せられた発話情報は、その通信端末200において、テキストデータに変換され、その後、テキストデータ(音声入力信号)形式で、第1サーバー72に送信される。
【0174】
第1サーバー72の音声認識部116は、送受信部115を介して、前記テキストデータ(音声入力信号)を受信し、記憶部22に記憶されているスタンダードコマンドに変換できるか否かを判断する。
【0175】
音声認識部116は、前記発話情報(音声入力信号)のテキストデータからスタンダードコマンドとして用意されている各種コマンド(コマンドデータ)CDに変換することを、制御情報生成部72Eに要求する。このため、通信端末200に対してユーザーが音声で指令内容を入力すると、対応する指令内容のコマンドデータCDが制御情報生成部72Eで生成される。
【0176】
このため、ユーザーUSが自宅にある(事前に登録してある)食器洗浄機1等の電気機器の状態情報Aを、外出先や遠隔地から通信端末を使用して、音声入力でも第1サーバー72から取得することが可能である。その際に、自宅の電気機器の主電源が仮に切れていても、消費材の情報が第1サーバー72で取得されているので、何ら支障なく、液体洗剤等の各種消費材データを取得できる。
【0177】
図9において、72Lは、リスト化履歴部である。
このリスト化履歴部72Lは、制御部21によって生成された前記買い物リストPLの、最新版以前の判定基準と、判定時の対象データ、計量データMD等が保存される。つまり、前記買い物リストPLが更新される度に、古くなった過去の買い物リストPLの作成時に適用した判定基準、例えば、補充の緊急性に関する閾値(例えば、液体洗剤57の残量50g以下は、「緊急度高い」と判別)は、順次このリスト化履歴部72Lに格納して保存される。
判定基準データは、一定の期間だけ保持される。
【0178】
このリスト化履歴部72Lに保存された過去の買い物リストPLの基礎データ、判定基準等のデータは、保存の時期を基準にして時系列に並べられ、かつ、データ検索できるようになっているので、制御部21が、通信端末200を通じて、特定のユーザーからの要求があった場合、過去のデータの中から、食器洗浄機1等の各種電気機器の機器識別情報別で、しかも、消費材の種類別に、消費材の残量等の情報を提供することができる。なお、食器洗浄機1の操作部32の特定のキーを押すと、リスト化履歴部72Lに保存された買い物リストPLのデータを、第1サーバー72が要求元の食器洗浄機1等の電気機器1に対して送信するようにしても良い。
【0179】
110は、制御部21と電気機器情報保持部23、判定基準記憶部25、制御情報生成部72E、リスト化履歴部72L、送受信部115等の相互間を接続しているバス(バス型ネットワーク)である。
【0180】
次に、図10について説明する。
図10は、実施の形態3の食器洗浄機の運転管理システムで使用する通信端末(情報処理端末器)200の構成を示すブロック図である。
食器洗浄機1は、スマートフォン等の通信端末200との無線通信によって、各種データを取得できる。なお、前述したように、1つの家庭内において、通信端末200は、食器洗浄機1との間で、Bluetooth(登録商標)等の通信方式による無線通信を行う。
【0181】
通信端末200は、屋内においては、そこに設置された特定の無線ルーター104(図11参照)を介して前記ネットワークNWに繋がる。そして、ネットワークNWを介して外部空間にある第1サーバー72にアクセスすることができる。
【0182】
通信端末200は、アプリソフト提供部29から制御用アプリケーションソフトをダウンロード(読み込み)することにより、食器洗浄機1の「遠隔制御」を実現することができる。ここでいう「遠隔制御」とは、前述した外部制御モードを使用した制御のことである。つまり、ユーザーは、屋外の遠隔地に居ても通信端末200を利用して、前記ネットワークNW経由で前記コマンドデータCDを、目的とする食器洗浄機1に送信できる。
【0183】
前記通信端末200は、ユーザーUSが気軽に携帯して屋内や屋外、その他外出先等で通話やデータ(メール情報を含む)の通信を行える。屋外の情報提供サイトから情報をダウンロードしたり、メールを送信・受信したり、遠隔操作信号を発信できる機器であるが、通話できない端末機器でも良い。なお、小型の携帯用パーソナルコンピュータも、通信端末200の一種である。
【0184】
本実施の形態3における通信端末200には、各食器洗浄機1の操作部32に数センチメートル程度接近(又は接触させても良い)した状態で、近距離通信で信号の授受をする機能を備えている。なお、この近距離通信とは、Near Field Communication(略称:NFC)として知られている無線通信の国際規格技術のことである。
【0185】
このNFCの通信では、食器洗浄機1側に、いわゆる無線タグ(NFCタグ)が埋め込まれている。
一方、通信端末200側から制御情報S3(コマンドデータCD)を食器洗浄機1のNFC記憶部(図示せず)へ送り、食器洗浄機1を制御することもできる。
【0186】
図10に示す通信端末200について、更に詳しく説明する。
通信端末200は、通信部210と、通信制御部211と、端末制御部(中央処理装置:CPU)212と、ROM及びRAM213と、スピーカ214と、タッチ式の操作部215と、表示画面(タッチ式入力機能あり)を有する端末側表示部216と、食器洗浄機1等の電気機器データベース(記憶部)217と、姿勢検知部218と、遠隔操作情報生成部219と、記憶部220と、買い物リスト作成部231と、通信販売処理部234と、を有している。
【0187】
前記通信部210には、近距離無線通信用のNFC入出力部221を有している。このため、ネットワークNW経由の無線通信と、近距離無線通信(NFC)の2つの経路を利用できる。
【0188】
222は、ユーザーUS等の音声を入力信号に変える音声入力部である。
前記タッチ式の操作部215、端末側表示部216及び音声入力部222とは、ハードウエア上では一体化されて、表示操作部225となっている。なお、前記音声入力部222からの音声信号を解析し、用語検索、情報検索等を行う検索部は図示していない。検索部は、この通信端末200の内部に備えても良いし、外部の第1サーバー72に備え、通信端末200の外部に検索機能を持たせることでも良い。
【0189】
前記姿勢検知部218は、ジャイロセンサーや加速度センサー、重力センサーなどの各種センサーが搭載されており、通信端末200の傾きや向きを検出することができる。これにより、通信端末200の上下方向を検出した信号を前記端末制御部212に出力する。
【0190】
前記端末制御部212は、前記姿勢検知部218からの検出信号を受けて、前記端末側表示部216の表示方向を制御する。
前記端末制御部212は、食器洗浄機1の通信部2から受信した信号を、前記遠隔操作情報生成部219に入力する。
【0191】
前記端末制御部212には、音声処理部230と、映像処理部232と、電気機器選択部232と、映像処理部233と、遠隔操作情報生成部219と、をそれぞれ有している。なお、これら遠隔操作情報生成部219、音声処理部230、電気機器選択部232、及び映像処理部233は、全体が1つのコンピュータプログラムによって機能的に実現されていても良いし、別々の処理回路で構成されていても良い。
【0192】
映像処理部233は、カメラ用レンズ(図示せず)を介して撮影した映像(静止画、動画を含む)を分析・処理する。例えば、ユーザーが、販売店等で撮影した液体洗剤57のボトルの表示面や外装箱から、消費材(液体洗剤57)を正確に特定する情報を生成する。
【0193】
音声処理部230は、音声入力部222で受け付けたユーザーの発声を、所定のフォーマットの音声信号に変換する。
【0194】
前記電気機器データベース217は、食器洗浄機1の表示部33と報知部42のための報知情報(画像情報を含む)を生成するため、食器洗浄機1の「報知用データ」223を保有している。
また、前記電気機器データベース217は、食器洗浄機1の制御部31用の「遠隔操作用データ」224も保有している。
【0195】
更に、前記電気機器データベース217には、食器洗浄機1から取得した状態情報Aを格納することができる。
更に、前記電気機器データベース217には、食器洗浄機1から取得した消費材データ227と、通信端末200で生成した買い物リストデータ228とを、それぞれ格納することができる。
【0196】
前記報知用データ223と遠隔操作用データ224は、最初からこの通信端末200に記憶させておいても良いが、情報提供手段である第1サーバー72に、ネットワークNWを介して接続し、その第1サーバー72(アプリソフト提供部29)からダウンロードしたものでも良い。つまり、報知用データベース217は、固定的に記憶させて構築しておく必要はなく、必要に応じて情報を取得して、一時的に揮発性のメモリーに格納した形態であってもよい。
【0197】
前記遠隔操作情報生成部219は、食器洗浄機1から前記端末制御部212経由で取得した信号と、前記表示操作部225からの入力信号とを、それぞれ処理し、食器洗浄機1用の遠隔操作情報(前記「外部制御モード」用の制御情報)を生成する。つまり、コマンドデータCDを生成できる。
【0198】
更に、前記遠隔操作情報生成部219は、前記第1コマンドデータCD1から第4コマンドデータCD4までを生成できる。
【0199】
前記操作部225からの入力指令を受けて、前記通信部210から食器洗浄機1に対してコマンドデータCDを送信する遠隔操作情報生成部219は、前記コマンドデータCDを前記通信部210から送信している間は、前記状態情報Aの取得動作を実行できないように、前記中央処理装置212によって制御される。
【0200】
前記端末制御部212は、ROM・RAM213に格納されている制御プログラムに従って、通信端末200全体の処理を実行するものであり、処理を実行する過程で必要なデータをROM・RAM213から読み出したり、処理を実行する過程で生成したデータを、前記ROM・RAM213に格納したりする。
【0201】
記憶部220は、半導体製の不揮発性メモリーであり、前記通信部210から読み込んだ各種食器洗浄機1や電気機器の情報を記憶させておくことができる。例えば、第1サーバー72からダウンロード(読み込み)した、特定の食器洗浄機1の買い物リストPLの情報を一時的に保管することに利用される。なお、この買い物リストPLの情報は、電気機器データベース217の中に、抽出された消費材のデータとして格納される場合もある。つまり、端末制御部212でデータ処理した後の成果となるデータは、電気機器データベース217の中に格納することを基本にしている。
【0202】
ユーザーが、通信端末200の端末側表示部216の特定部位にタッチすると、このタッチ信号を基礎にして前記遠隔操作情報生成部219は、遠隔操作情報を生成する。
前記遠隔操作情報は、通信部210から食器洗浄機1等、目的の電気機器へ送信される。
【0203】
前記した食器洗浄機1が、既に電力部82に電源が供給されて起動済であれば、前記食器洗浄機1の制御部31は、受信した前記遠隔操作情報を、コマンドデータCDとして扱う。なお、食器洗浄機1が通信端末200の遠隔操作情報に応じて、全て動作する訳ではない。また、動作する場合でも、コマンドデータCDに従って動作する範囲が一定の範囲に制限されている場合もある。
【0204】
一方、遠隔操作情報を送信した通信端末200側では、前記遠隔操作情報に基づいて端末側表示部216の表示が変化する。つまり、通信端末200の表示操作部225における端末側表示部216の表示画面の内容と、食器洗浄機1の表示部33の表示内容は、近似した内容と順序で変化するが、その変化のタイミングが、必ずしもリアルタイムでなくとも良い。また、食器洗浄機1の種類によっては、通信端末200からのコマンドデータCDの送信は1回だけの場合もある。
【0205】
通信端末200において、遠隔操作情報を生成し送信した場合で、食器洗浄機1で正規の遠隔操作信号(コマンドデータCD)として取得されるのは、各食器洗浄機1側で定めた受信期間に受信したものだけに制限されている。この点は、図18で説明する。
また、通信端末200からの遠隔操作情報は、通信端末200で所定の確定送信キーを押した場合に、一括して送信される。
【0206】
図10において、226は、端末識別情報保持部である。この端末識別情報保持部226には、この通信端末200を識別するための固有の番号が格納されている。なお、固有の番号とは、例えば、電話番号や通信端末器のメーカーが付した製造番号(シリアルナンバー)である。
【0207】
図10において、229は、ユーザー情報保持部である。このユーザー情報保持部229には、この通信端末200を使用するユーザーUSを識別するための、ユーザーの固有情報(例えば、氏名などの情報や指紋等の生体情報)が格納されている。
【0208】
図2において、235は、オプション設定部である。この通信端末200のユーザーが、自分のユーザーIDで第1サ-バー75に食器洗浄機1を登録したあと、当該食器洗浄機1を対象にして、例えば、「入手の緊急度:2日以内」のような緊急度の判定基準を、第1サーバー72で定めた範囲で変更できる。
【0209】
この場合の判定基準は、判定基準記憶部25に格納されており、ユーザーIDと機器識別情報によって、1つの食器洗浄機1の判定基準が特定できる。ここでいう「緊急度」はユーザーが消費材(液体洗剤57)を取得するまでの「日数」を、ユーザー自身が考慮して自由に設定できる。なお、3日以内は、デフォルト設定で全て「緊急」という分類になっているが、ユーザーUSの事情で、消費材取得に相当時間を要する場合等のケースでは、ユーザーUSが早めに警報を受けた方が良いため、例えば7日以内を「緊急度高い」という基準に変更しても良い。
【0210】
前記「緊急度」と、「余裕度」の違いについて説明する。
前記余裕度は、前記食器洗浄機1のメーカーが定めた1回あたりの運転で消費する標準的な消費量を参考にして、消費材の残量が少なくなって食器洗浄機1の運転に支障が出る時点が到来するまでの日数に応じて定めたものである。つまり、メーカー側で余裕度の判定の閾値が決定されているので、同じ食器洗浄機1であれば、全てのユーザーに適用される共通の指標と言える。
【0211】
これに対して、「緊急度」はユーザーSが消費材を取得するまでの「日数」を、ユーザーが考慮して自由に設定できる。例えば、3日以内は、デフォルト設定で全て「緊急」という分類になっていても、ユーザーの事情によってその閾値(3日間)を、1日にも、また10日間にも変更できる。つまり、同じ食器洗浄機1でも、使用するユーザーが異なるので、個々のユーザーの事情に合わせて柔軟に報知されるレベル、範囲を選択できるのは、この「緊急度」である。
【0212】
前記余裕度は、例えば3段階で示すことができる。例えば、余裕度が大きいことを「A」又は「大」と文字で表示し、余裕度が中程度は「B」又は「中」のように表示することである。なお、文字や記号ではなく、表示部3D(図1参照)に、棒グラフのような図形で表示しても良い。
【0213】
なお、食器洗浄機1は、前記余裕度のデータを必ず生成するものに限られない。このようなデータの取得ができない食器洗浄機1であっても、この実施の形態1の食器洗浄機の運転管理システムは対応できる。
【0214】
次に、図11について説明する。
図11は、図8の食器洗浄機の運転管理システムを適用したネットワーク構成を示す説明図である。この図11に示したものは、1つの家庭の中のキッチン家具100と、ネットワーク環境とを示している。
【0215】
図11において、104は、1つの家屋に設置された無線ルーターであり、インターネット回線等のネットワークNWと、食器洗浄機1とを無線で繋ぐことができる。
第1サーバー72は、図示していないが、他のサーバーと連携してクラウドサーバー300を構成している。このクラウドサーバー300には、前記第1サーバー72や第2サーバー73等が含まれている。
【0216】
200は、スマートフォンやタブレット型端末等の通信端末である。
前記キッチン家具100は、例えば、流し台を備えており、水道に繋がる給水栓(蛇口)101を有している。
このキッチン家具100には、ビルトイン式の食器洗浄機1が設置されている。
102は、電気機器の1種である加熱調理器であり、この図11の例では、ビルトイン式の誘導加熱調理器又はビルトイン式のガス調理器である。102Hは、ガスバーナーによる加熱部又は誘導加熱源による加熱口を示している。105は、トッププレートである。
【0217】
103は、金網等の通気性に富む構造の排気口カバーであり、加熱調理器102の内部にある加熱室(図示せず)で発生した高温の空気や水蒸気等を排出する排気口(図示せず)を覆っている。
【0218】
前記食器洗浄機1は、キッチン家具100の前方側に洗浄槽3(図12参照)を引き出せるタイプであり、正面全体を構成しているドア4の最上部には、ユーザーがタッチ操作で入力ができる前面操作部32Fを横長に配置している。前面操作部32Fの左右中央部には、ユーザーの指先が挿入できる手掛け部7を形成している。前面操作部32Fは、図9に示した操作部32を構成している。
【0219】
次に、図12について説明する。
図12は、図9に示した食器洗浄機の運転管理システムを適用したキッチン家具100を示す斜視図である。前記前面操作部32Fには、洗浄運転中や主電源を投入している状態を示す前面表示部33Fを配置している。なお、ドア4の天面部にも天面表示部33Uを配置している。天面表示部33Uには、液体洗剤57の残量を数値や図形等で表示できる表示画面が配置されている。また、この天面表示部33Uにも、前面操作部32Fの一部としてタッチ入力式の入力キーを備えた上面操作部32U(図示せず)を設けても良い。
【0220】
前記ドア4は、前後方向に一定の厚みがあるが、その厚みを利用して内部には収納空間58(図14参照)が構成されている。
収納空間58は、洗浄槽3の内部で発生する洗浄時の水蒸気が浸入しないように、周囲が囲まれた密閉空間になっており、タンク(容器)56を挿入するための開口部だけが外部と通じている。
【0221】
図12において、9は、前記収納空間58の出入口を開閉自在に塞ぐ蓋である。この蓋9を開けて液体洗浄57を収容したタンク(容器)56を、ドア4の収納空間58に設置できる。つまり、図12に太い矢印で示しているように、前記タンク56は、ドア4の右側面から内部へ着脱自在に設置できる。なお、蓋9を完全に閉めると、収納空間58は、洗浄槽3の内部等の空間と遮断され、洗浄槽3側からの水蒸気等が浸入しないようになる。この蓋9は、ドア4にヒンジ(図示せず)によって回動自在に支持されている。
【0222】
次に、図13について説明する。
図13は、食器洗浄機の運転管理システムを適用した食器洗浄機1の簡略縦断面図であり、ドア4を前方に最大限引き出した状態を示している。
2は、食器洗浄機1の外郭を形成する筐体、16は、その筐体(本体ケース)2の内部空間である。11は、筐体2の内側に前後方向に長く設置された固定レール、10は、この固定レール11に支持されて洗浄槽3と一体になって前後方向に移動する可動レールである。
【0223】
図13に示すように、筐体2の底部18には、キッチン家具100の内部設置面19と接触する脚部20が、前後左右に2個所ずつ設けられている。
筐体2の後方寄りには、後方の脚部20の位置を規制する規制部材52が、ネジ等の締結部材でキッチン家具100に取付けられている。そのため、食器洗浄機1は、キッチン家具100の内部の所定位置から不用意に移動しないようになっている。
53は、前記洗浄槽3が筐体2の内側に格納された状態で、その洗浄槽3の上面開口を閉鎖する平板状の上蓋である。
【0224】
前記洗浄槽3は、底のある箱型形状であり、上面全体に開口がある。
この洗浄槽3は、筐体2の内部に格納された状態で、その開口が後述する上蓋53によって閉鎖される。つまり、洗浄槽3の内部が密閉された空間、すなわち、洗浄空間17となる。
【0225】
12は、洗浄槽3の内部に取り出し自在に設置された網状の棚又は籠であり、食器類13を乗せるために設置されている。棚12は、洗浄槽3の中に着脱自在に設置されている。15は、食器類13に対して液体洗剤57が混合されたお湯を噴射するシャワーノズルである。
【0226】
54は、キッチン家具100の前面に形成した設置口である。この設置口54は、前記洗浄槽3がドア4と一体になって筐体2の中の正規の位置まで押し込まれた状態では、ドア4の上下及び左右端面と近接した状態で対面する。つまり、ドア4を押し込んだ状態では、ドア4の周囲4面(天面、下面、右側面、左側面)とキッチン家具100の設置口54との間の隙間(対向間隔)は、数mm以下の大きさになる。
【0227】
図12図13には図示していないが、前記洗浄槽3とドア4は、駆動用モーター70(図7参照)を有したドア駆動装置86(図15参照)によって後方に引き込まれる。なお、ドア4を押し出すこともこの駆動用モーター70の動力で行われるが、押し出しをドア駆動装置86の動力で行わず、ユーザーが前方に引き出すという形態にしても良い。あるいは、初期の少し(例えば10cm程度)の開放だけを、バネや前記駆動用モーター70の動力によって行わせても良い。実施の形態3は、この「初期の一定範囲押し出し」の形態を採用している。
【0228】
この実施の形態3では、ドア4は洗浄槽3と共に、駆動用モーター70を有したドア駆動装置86によって、押し出された状態から筐体2の内側に引き戻される。つまり、ユーザーが前面操作部32Fに軽くタッチした場合、そのタッチ動作を制御部32が検知し、ドア4を前方位置から格納位置まで移動させることができる。なお、前面操作部33Fのタッチ操作によらず、音声入力やその他の方法によって前記ドア駆動装置86により、ドア4の開放又は閉鎖の何れか、または両方の指令を与えても良い。
【0229】
次に、図14について説明する。
図14は、図11図13に示した食器洗浄機1における、液体洗剤57の残量を計量するシステム全体を、一部縦断面図で示した模式図である。
図14は、食器洗浄機1の洗浄槽3の前方側を覆い、かつ、その洗浄槽と一体になって前後方向に移動するドア4の一部を縦断面で示したものである。図13の丸で囲んだXの部分を拡大した模式図である。
【0230】
図14において、4Fは、ドア4の正面(表面)を構成する前壁面である。4Bは、その前壁面4Fとの間に、横方向から見て縦長の長方形の収納空間58を形成する後壁面である。なお、収納空間58は、後壁面4Bの内側に別の部材を設けて、その部材との間に形成しても良い。
【0231】
56は、前方(正面)側から見た外形形状が横に長い長方形のタンク(容器)であり、全体が透明なプラスチック材料から形成されている。
このタンク56の内部には、天井面に開閉自在に設けた蓋56Aを開けて、専用の液体洗剤57を注入できる。このタンク56は、図12に示す蓋9を開けて、右方向から収納空間58の中に設置できる。
【0232】
前記収納空間58の前後方向の間隔は、前記タンク56の前後方向の厚さよりも僅かに大きいため、前記タンク56は、図13に示しているように、ドア4を食器洗浄機1の筐体2から前方に引き出した状態で、前記収納空間58の入口から簡単にその内部へ挿入できる。なお、タンク56は、挿入された状態では、前記収納空間58の内部で水平に保たれる。
【0233】
62は、図9に示した計量部12の一部を構成する計量回路である。
63は、計量回路62からの信号を受けて所定の光を放射する指令を発する発光回路である。65は、この発光回路63の指令を受けて水位検知用の光を発する発光素子である。66は、前記発光素子65からの光を受光する受光素子であり、受光した信号を受光回路64に伝達する。
【0234】
前記発光素子65と受光素子66は、前記前壁面4Fと後壁面4Bにおいて、互いに1つの水平線上で向かい合う位置に設置されている。
図14において、発光素子65から受光素子66に向かう破線の矢印は、前記した水位検知用の光線である。
【0235】
例えば、タンク56の上下方向の中間位置に前記発光素子65が設置されている場合には、タンク56の内部に液体洗剤57が半分以上ある場合には、液体洗剤57の固有の色によって光の透過度が低くなる。従って、受光素子66の受光量は、閾値よりも低くなる。このため、液体洗剤57の残量は少なくとも50%以上あることが検知できる。
一方、液体洗剤57の表面が、この発光素子65と受光素子66を横切る水平線よりも下方にある場合には、液体洗剤57によって発光素子65からの光量が低下しないので、受光素子66の受光量は、閾値を超える。これにより、液体洗剤57の残量は50%未満であると計量回路35に判定される。
【0236】
このように、前記発光素子65と受光素子66とによって、タンク56の内部に光の透過性の悪い(非透明な)適正な液体洗剤57があることが分かるので、適正な液体洗剤57ではない洗剤が透明な液体であった場合、そのような洗剤の質も検知できる。
前記発光素子65と受光素子66は、液体洗剤57の質量を計測できる、第3のセンサーを構成している。前記発光素子65と受光素子66の組み合わせを、上下方向に複数個設ければ、更に細かく液体洗剤57の量を検知できる。
【0237】
68は、前記収納空間58の底部分に配置された重量センサーであり、液体洗剤57とタンク56の総重量を計測し、その計測結果を前記計量回路62にインプットする。この構成であるため、タンク56の内部に液体洗剤57が、どの程度あるかを重量計測結果から計量回路62は推定できる。なお、計量回路62は、事前にタンク56自体の重量が分かっているので、タンク56内部の液体洗剤57の正味重量を計測できる。また、重量センサー68の上をタンク56が真横に移動して収納空間58の所定位置に格納された状態では、当該タンク56の重心位置の真下を、前記重量センサー68の計測部が支えるように接触するから、タンク56の重量は重量センサー68が正確に計測できる。
【0238】
70は、タンク56の下部に装着された永久磁石である。69は、タンク56を正規の設置位置まで挿入した場合、前記永久磁石70と近接して対向するリードスイッチ(磁気感応スイッチ)である。このリードスイッチ69は、前記計量回路62のタンク検知回路62Sの中に挿入されているため、正規の位置にタンク56が設置された場合、前記計量回路62はタンク56が設置されたことを検知する。71Aと71Bは、リードスイッチ69と計量回路62とを接続した信号線である。
【0239】
すなわち、前記永久磁石70とリードスイッチ69は、正規の位置にタンク56が設置された場合に、タンク56が正しく設置されたことを検知する信号を計量回路62に発信するため、タンク位置検出手段72と呼ぶ場合がある。
【0240】
前記計量回路62(計量部12)から前記タンク56の設置検知信号が前記制御部31に届かない場合、図16で説明するステップSC3の段階で「タンク設置忘れ」と警報が出る。また、前記タンク56の設置検知信号が届かないと、制御部31は、図16で説明するステップSC6の運転開始指令を出すことができない。
【0241】
なお、この実施の形態3では採用していないが、液体洗剤57にフロート(浮体)を浮かべ、当該フロートの上下方向の位置を機械的又は光学的に検知して、液体洗剤57の残量を検知するようにしても良い。
この実施の形態3では、そのようなフロートを使用する構成よりも機構的な構成が少なく、しかも、液体洗剤57の量を非接触で検知できる方法として、発光素子65と受光素子66及び重量センサー68を採用している
【0242】
67は、タンク56の液体洗剤57を洗浄槽3の中に投入する(電動)制御弁(又は、小型ポンプ)であり、供給パイプ88 によって洗浄槽3に接続されている。
この制御弁67は、制御部31の指令に従って、所定のタイミングで液体洗剤57を洗浄方3の中に投入する。なお、制御弁67自体に流量制御機能が無い場合は、洗剤投入経路(管路)の途中に流量計を挿入し、流量計のデータに従って制御弁67を開閉させても良い。
5は、タンク56や前記発光素子65、受光素子66等から構成された洗剤供給部である。
【0243】
次に、図15について説明する。
図15は、食器洗浄機1の主要な構成を示すブロック図である。
図15において、91は、水量検出部である。この水量検知部91は、例えば水位センサー等から成り、洗浄槽3の下部に予め設定された量の洗浄水が給水されたか否かを検知する。
【0244】
92は、洗浄効果判定部であり、洗浄工程の初期段階等、所定のタイミングで水質検知データを濁度センサー92Sから取得する。あるいは、ユーザーが操作部32や後述する通信端末200によって、洗浄効果を示すデータを要求した場合、前記濁度センサー92Sから濁度計測データを取得し、洗浄度合いの良否を判定して報知部42(表示部33)で報知する。あるいは、通信端末200に対し、通信部2を介して当該判定結果を送信する。なお、前記「洗浄効果の良否」は、事前に用意してある濁度判定基準データテーブルに従って、数段階に評価して提示しても良い。また、洗浄効果判定部92は、硬水や軟水の判定は行わない。
【0245】
前記洗浄効果判定部92の計測データ又は判定データは、制御部31にインプットされ、洗浄工程やすすぎ工程の途中において、追加的な液体洗剤57の投入や、すすぎ回数の追加の判定に利用される。
【0246】
前記濁度センサー92Sは、一般に濁度センサーとして既に知られているもので良く、水の濁度を光学的に計測できるもので良い。また、PH値や電気伝導度等、他の物理的性質を分析する方法のセンサーを併用又は単独使用しても良い。なお、洗浄槽3の中の水中に通ずる、一定の大きさの管路に臨むように、前記濁度センサー92Sの計測部を設置し、当該管路の中を洗浄水が流れるようにして濁度を計測しても良い。
【0247】
35は、前記加熱ヒーターであり、図示していないが、第1のヒーター35Aと第2のヒーター35Bから構成されている。第1のヒーター35Aは、洗浄槽3の内部に設けられ、貯留された洗浄水を加熱する。
第2のヒーター35Bは、送風ファン37と洗浄槽3とを連通する風路に設けられ、洗浄槽3へ供給される外気を加熱する。上述した各種部品は、制御部31に電気的に接続されている。
【0248】
前記送風ファン37は、洗浄槽3の内部へ外気を供給するものであって、洗浄槽3内の高温多湿の空気を、ドア4に設けられた排気口(図示せず)を介して食器洗浄機1の筐体2の外部へ排出させる
【0249】
温度検出部93は、洗浄水の温度を検出する。排水ポンプ94は、洗浄槽3の外側に設けられており、洗浄槽3内部の洗浄水を食器洗浄機1の外へ排出する。
【0250】
給水弁95は、洗浄槽3の後部と筐体2の背面壁との間に設けられ、洗浄槽3への水道水の供給を制御する。洗浄ポンプ36は洗浄槽3に設けられており、洗浄槽3の底部に貯留された洗浄水を洗浄ノズル(シャワーノズル)15(図13参照)に対して圧送する。
【0251】
前記給水弁80、電気ヒーター35、洗浄ポンプ36、排水ポンプ94及び送風ファン37には、個別に駆動回路(図示せず)がそれぞれ設けられている。
【0252】
図14で説明した洗剤供給部73は、この図15に示す通り、前記制御弁67と駆動回路96を備えている。
前記報知部42は、液晶画面等の表示部33と、音声報知を行うための音声駆動回路(音声合成装置)97と、前記表示部33の表示動作を制御する表示駆動回路98と、を有している。
【0253】
図1で説明した計量部12は、この図15に示す通り、前記計量回路62と、重量センサー68と、制御弁67と駆動回路96とを備えている。なお、制御弁67と駆動回路96は、図15では、洗剤供給部73に含めている
計量部12には、更に光学検知部として、前記発光回路63と受光回路64とを、それぞれ備えている。
56Tは、タンク56の天井面に開閉自在に設けた蓋56Aの開放を検知する開放検知回路である。
56Rは、前記蓋56Aを閉鎖位置に保つためのロック機構(図示せず)の状態を検知する検知回路である。例えば、ロック機構が解除になった場合には、蓋56Aが開放された状態にあることを示す信号(解除信号)を発する。なお、当該解除信号は、制御部31にインプットされる。
72は、前記タンク位置検出手段である。
【0254】
消費情報取得部11は、前記計量部12から得られた液体洗剤57の重量計測結果のデータを取得し、記憶するものである。11Aは、液体洗剤57の消費量を推測し、その液体洗剤の残量から洗浄運転を実行できる回数を推定する消費情報分析部である。
この消費情報分析部11Aは、後述する液体洗剤57の残量(使用量)推定処理AP1と、当該残量推定結果に基づく運転可能回数推定処理AP2とを、それぞれ行う。
【0255】
この実施の形態3の食器洗浄機1は、前記ドア4と洗浄槽3とを、前方方向に駆動させ、ドア4を駆動モーター70の動力によって閉鎖させるための、ドア駆動装置86を有している。
ドア駆動装置86は、例えば、日本特許第4874142号公報や、特開2019-24678号公報等で提案されている。
【0256】
この実施の形態3では、駆動用モーター70と、ピニオンギア(図示せず)、スライドシャフト(図示せず)と、閉検知スイッチ87と、を有している。1つの駆動用モーター70を正方向回転と逆方向回転させることで、ドア4の開放と閉鎖が行える。
【0257】
更に、ドア駆動装置86は、前記モーター70を駆動する駆動回路89と、モーター70に過電流が流れるのを検知する過電流検知装置90と、が設けられている。過電流検知装置90は、前記駆動回路89の電流を計測し、計測した電流が予め設定された電流値以上になった場合に過電流として検知し、駆動用モーター70を保護する。
【0258】
前記閉検知スイッチ87は、例えばリミットスイッチ等から成り、前記スライドシャフト(図示せず)の位置により、ドア4が閉じたことを検知すると、検知信号を前記制御部31にインプットし、前記駆動用モーター70の駆動を停止する。つまり、ドア4が筐体2の中の奥部まで引き戻されると、ドア4の駆動を停止させる。なお、ドア4の開放は、ドア4を最大限まで前方に押し出す構成ではないので、ドア開放時の「開検知スイッチ」は設けていないが、設けても良い。
【0259】
前記ドア駆動装置86によってドア4を開放させた状態では、そのドア4は、ピニオンギア(図示せず)やスライドシャフト(図示せず)等の組み合わせが抵抗力となり、簡単には開放方向や閉鎖方向には不用意に移動しないが、所定の開放位置になった時点で、ドア4の移動を阻止するためのラッチ機構を設けても良い。また、ドア4を閉鎖位置で機械的に保持するラッチ機構を設け、前記駆動用モーター70の駆動開始時に、そのラッチ機構のロック状態を自動的に解除するようにしても良い。
【0260】
次に、図16について説明する。
図16は、実施の形態3において、食器洗浄機1の基本動作を示すタイムチャート1である。
図16において、SC1~SC15は、制御部31の基本動作を示したものである。
最初に制御部31は、主電源スイッチ(図示せず)がONになったことを検知し(ステップSC1)、起動されたことを示すデータ(最初の、運転状態データOS1)を通信部2から外部へ送信する。
【0261】
次に、表示部33を起動し(ステップSC3)、表示部33において待機時初期画面を表示した後、ユーザーに洗浄コース(運転モード)の選択を促す表示を行う(ステップSC4)。このステップSC4では、報知部42がユーザーに対して洗浄コースを選択することを促す音声ガイドも同時に行う。
【0262】
ユーザーが操作部32にある特定の入力キー(操作ボタン)を押して、洗浄コースを選択すると(ステップSC5)、液体洗剤57の残量の初期値を計量する処理を行う(ステップSC6)。
このステップSC6の計量は、運転コース(モード)の選択を行うステップSC5よりも後に設定してあるが、ステップSC5よりも前でも良い。そのように、液体洗剤57の初期計量を、洗浄コースの選択よりも前に設定している場合には、洗浄コースの選択用のボタン(又は入力キー)を操作して、前記「通常制御モード」又は前記「外部制御モード」を選択する前に液体洗剤57の残量確認が行われる。そして、液体洗剤57が規定量よりも少ない場合には、液体洗剤57の補充を求める報知がされる。また、「外部制御モード」を選択している場合には、そのときに通信端末200に対して「残量確認結果」が通知されるから、ユーザーにとっては利便性が向上する。
【0263】
すなわち、食器洗浄機1は、計量部12で計量した液体洗剤57の残量を確認し、仮に運転開始に支障が出るような残量であった場合、例えば「洗剤残量 不足」等の警報を、報知部42で報知する。そして、液体洗剤57の補充をユーザーに促すことができ、洗剤不足のまま運転を開始して、途中で液体洗剤不足で強制的に停止となるような事態を回避できる。
【0264】
次のステップSC7では、通信部2から外部サーバー71に対して、制御情S3の提供と求める要求信号を発信する。つまり、第1サーバー72に対して、この食器洗浄機1の住所(所在地)に関係する水源(浄水場等)の水質データに対応した、制御情報S3を提供するように要求する。
【0265】
次のステップSC8では、第1サーバー72から、水質に対応した制御情報S3の送信を受け付ける。すなわち、第1サーバー72から送信されたコマンドデータCDを受信することができる。
この図16で示しているように、ステップSC4の表示が行われた時点からは、コマンドデータCDの取得可能期間TB1が開始される。この取得開始期間TB1は、この図16に示しているように、操作部32によって洗浄動作の開始指令が発せられる直前までである。
【0266】
ステップSC8で実際に前記コマンドデータCDを取得するのは、通信端末200からである。そのため、通信端末200と食器洗浄機1との間では、事前に当該通信端末200と食器洗浄機1との間では相互に認証が行われている。
【0267】
ステップSC8では、食器洗浄機1の通信部2は、直前で送信した前記機器識別情報を始めとしたデータの内容と、通信端末200から受信したコマンドデータCDの内容を照合する。なお、このようなデータの収集と照合は、食器洗浄機1側で、一定の制限時間内に何度も実行される。なお、一定の制限時間内に、データ照合が終わらない場合は、通信が失敗したものとして処理される。
【0268】
そして、通信部2から送信したデータの内容と受信したコマンドデータCDの内容(機器識別情報等において)に齟齬がないと判定すると、コマンドデータCDを正規のデータとして判定し、記憶部31Mの所定の記憶エリアにコマンドデータCDを格納する。
【0269】
食器洗浄機1が実際に前記コマンドデータCDを取得するのは、食器洗浄機1側で特定の入力操作を行った場合であり、これについては、図17で詳しく説明する。
【0270】
図16において、ステップSC9は、操作部32によって洗浄動作の開始が行われた段階を示す。
前記コマンドデータCDの取得可能期間TB1は、ステップSC4からステップSC6までに制限されており、この取得可能期間TB1は、ステップSC4を基準にして例えば30分間に設定されている。この時間は、計時部31Tで計測して制御部31に入力される。そのため、前記したような30分間(タイムアウト時間)を経過した場合、制御部31は、電源部82の主電源スイッチを強制的にOFFにし、運転開始準備を全て終了する。
なお、ステップSC9時点以降は、ステップSC13が終了するまでの期間中は、外部からのコマンドデータCDの取得はできない。仮に、通信端末200からコマンドデータCDを送信しても、食器洗浄機1側では受信を拒否する。
【0271】
ステップSC9の後に、給水工程が開始される。そして、洗浄機能発揮部41の洗浄ポンプ36から洗浄槽3に規定量の洗浄水が供給される。つまり、図示していない水道からの水道水が供給される。また、液体洗剤57もタンク56から規定量だけ洗浄槽3に供給される。そして、ステップSC10の洗浄工程が開始される。
【0272】
ステップSC9の後で液体洗剤57の追加投入(1回又は数回)を行っていることが、この実施の形態3の特徴の1つである。
【0273】
すなわち、洗浄工程が開始された時点(ステップSC9)よりも後で、制御部31の指令を受けて前記洗浄効果判定部92は、洗浄槽3の中にある洗浄水の水質(濁度)をチェックする。
洗浄効果判定部92は、濁度センサー92Sからの検知信号を受けて、洗浄水の汚れ度合いを判定する。判定結果は、制御部31に送信され、制御部31によって前記洗剤供給部73の制御弁67が制御される。なお、必ず毎回の洗浄工程時に、液体洗剤57の追加投入を行うのではなく、洗浄水の水質(濁度)の良否によって決定する。これら一連の制御を図16では、洗浄槽3の「濁度判定処理」SLPと呼んでいる。
【0274】
ステップSC11からは、洗浄工程を終了した次の「すすぎ工程」である。
このすすぎ工程は、洗浄コース(運転モード)によっても異なるが、例えば、洗浄工程後の洗浄水を一旦、排水ポンプ94で排水した後、1回又は複数回に亘り、新しい洗浄水を食器13に散布する工程である。
【0275】
このすすぎ工程が開始された時点(ステップS11)よりも後で、制御部31の指令を受けて前記洗浄効果判定部92は、洗浄槽3の中にある洗浄水の水質をチェックする。
水質判定部17は、水質センサー17Sからの検知信号を受けて、すすぎ工程の途中で洗浄槽15の内部の洗浄水の汚れ度合いを判定する。判定結果は、制御部2に送信され、制御部2によって、すすぎ回数の追加や削除(すすぎ回数を減らすこと)の指令が洗浄ポンプ49や給水弁80等の駆動回路83、81に出される。なお、必ず毎回のすすぎ工程時に、このような濁度判定処理SLPを行うのではなく、ユーザーUSの設定によっては、この濁度判定処理SLPを省略する運転モードも選択できるようになっている。
このように2回以上の「濁度判定処理SLP」を区別するため、洗浄工程の濁度判定処理は、符号は「SLP1」とし、すすぎ工程の処理の符号は「SLP2」としている。
【0276】
ステップSC12からは乾燥工程である。この乾燥工程は、すすぎ工程の後の排水工程を終えて、洗浄槽3の中から可能な限り水分を排出した状態で実行される。すなわち、乾燥用の電気ヒーター(第2のヒーター35B)と送風ファン37に通電を開始し、洗浄槽3内部に高温の熱気を充満させて、乾燥工程を行う。
【0277】
ステップS12からの前記乾燥工程では、洗浄槽15の内部に外部から新鮮な空気を導入し、湿気を洗浄槽15の外部へ放出するため送風ファン53を連続的に運転する。
前記乾燥工程は、制御部31で定めた時間を経過すると自動的に終了し(ステップSC13)、報知部42で運転終了の報知が行われる。また、表示部33でも同様な運転終了の表示が行われる(ステップSC14)。この後、電源部82の電源供給は自動的に遮断され、一連の洗浄・乾燥運転は終了する(ステップSC15)。
【0278】
この図16に示したステップS10からステップSC13の期間中には、液体洗剤57の残量(使用量)推定処理AP1と、当該残量推定結果に基づく運転可能回数推定処理AP2を、前記消費情報分析部11Aが行う。
また、それら処理で得られた情報を、前記状態情報Aの1種として、第1サーバー72に通信部2からネットワークNW経由で送信する。なお、前述した液体洗剤57の残量(使用量)推定処理AP1と、当該残量推定結果に基づく運転可能回数推定処理AP2については、後で詳しく説明する。
【0279】
次に、図17について説明する。
図17は、食器洗浄機1の基本動作を示すフローチャート2であり、洗浄工程とコマンドデータCDの取得動作の関係を示している。
【0280】
図17において、SP1~SP14は、主電源スイッチをONにしてから洗浄工程開始の指令を受けるまでの制御部31の動作ステップを示したものである。
操作部32の主電源スイッチをONにすると(ステップSP1)、図16のステップSC2と同様に、制御部31が、異常の有無を判定する(ステップSP2)。なお、食器洗浄機1から起動情報を送信するような設定になっていた場合、この段階で通信部2から起動情報(最初の、運転状態データOS1)を無線で送信する。
【0281】
次のステップSP3では、図16のステップSC3と同様に、表示部33と音声報知部34によって、「洗浄コース」の選択等、必要な入力を操作部32で行うよう、入力を促すための報知と、音声ガイドを行う。この時点から「待機状態」(スタンバイ状態)となり、(初期)待機期間が開始される。
【0282】
実施の形態2で説明したように、この食器洗浄機1では、制御情報取得部81を有している。そして、その制御情報取得部81が、外部の第1サーバー72から受信した制御情報S3、すなわち、この場合は、コマンドデータCD2によって、食器洗浄機1の制御部32に保存されている運転条件を、自動的に変更できる。例えば、食器洗浄機1の制御部32に保存されている1つの洗浄コースの制御条件が、例えば、軟水を対象にした、4人分の食器を洗浄・乾燥する「AAコース」であった場合、コマンドデータCD2の受信によって、制御部31は、硬水を対象にした、4人分の食器を洗浄し、乾燥させる「BBコース」の運転内容に変更することができる。
【0283】
制御部31では、外部からのコマンドデータCD(この場合、CD2)を受信できる準備状態になったことを判定する(ステップSP4)と、報知部42によって制御情報S3を受信できることを報知する(ステップSP5)。
【0284】
ステップSP5は、事前に登録設定した前記通信端末200又は第1サーバー72に対して、コマンドデータCD2の提供を要求する信号を発信するかどうか、ユーザーに事前の確認求める目的の動作である。
表示部33に「確認画面」を表示し、また音声でも報知する。この「確認画面」とは待機時初期画面の1種である。
【0285】
このステップSP5の段階で、外部接続を自動的に実行することを、操作部32の機能設定キー(図示せず)によって事前にユーザーが設定しておけば、規定のタイミングで自動的に行われる。例えば、図16のステップSC2の段階で外部接続を自動的に実行することを、事前に設定できる。
【0286】
つまり、通信端末200と食器洗浄機1のペアリングを自動的に行って、その通信端末200と食器洗浄機1との間の無線通信を確立することができる。
【0287】
自動的に第2コマンドデータCD2の受信を許可する設定を行っていない場合、ユーザーが操作部32の中の特定の入力キーや操作ボタンを押すと、この操作で受信許可の指令が制御部31に届く。そのため図17に示したステップSP6では、「受信許可キーがONとなった」と判定され、ステップSP7に進む。
【0288】
ステップSP7では、再び表示部33や音声報知部34によって第2コマンドデータCD2の取得動作を開始する旨、表示と音声による報知を行う。
そして、第1サーバー72に対し、通信部2から受信許可信号RSを送信する。前記受信許可信号は、例えば操作部32の特定の入力キーを押すことによって即時発信される。例えば、「外部制御」という表示の入力キーを表示部32に常時表示させ、あるいはこのステップSP7のタイミングで一時的に表示させ、それを選択した場合に受信許可信号RSを発信させることでも良い。
【0289】
前記受信許可信号RSを発した時点で、前記ステップSP3からの「待機状態」(スタンバイ状態)が終了する。つまり、図17の待機期間が終了する。
なお、第2コマンドデータCD2を取得しないで、ユーザーが洗浄コースを操作部32によってマニュアル設定して、洗浄工程開始の指令を入力キーで与えれば、その時点で、前記ステップSP3からの「待機状態」(スタンバイ状態)が終了する。
【0290】
外部からの第2コマンドデータCD2の取得処理は、食器洗浄機1と通信端末200や第1サーバー20との間で、交互に何回か送信・受信を繰り返し行う。例えば、最初に食器洗浄機1から信号1を送信すると、前記通信端末200側からは、当該信号1を受けて、設定情報を含む設定信号1を送信し、これを受けて食器洗浄機1は、内部の制限状態(例えば、別の設定信号で待機や動作禁止状態になっていないこと等)を確認し、問題なければ、次の段階に進めるための信号2を送信する、というようなプロセスである。
【0291】
このような受信動作中は、表示部33では、それまでの待機時初期画面と異なり、受信待機動作中であることや、受信待機中である信号RSを発信する(ステップSP7)。なお、この図17においてステップSP6とSP7は、必須ステップではないので、図17に示しているように破線で示しており、この2つのステップは省略することができる。ユーザーが操作部32で特別にオプション設定した場合に、前記ステップSP6、SP7を追加できる。
【0292】
次のステップSP8では、洗浄コースの選択が操作部32で行われたかどうかを判定する。
次に、制御部31は、計量部12によって液体洗剤57の在庫量(残量)を計量させる(ステップSP9)。そして、計量結果を計量部12の中の記憶部に一時的に格納する。
【0293】
更に、制御部31は、第1サーバー72に対して、給水源の水質に応じた制御情報W3を生成し、それを食器洗浄機1に送信するように要求する信号を発する。その際に、ステップSP9で取得した液体洗剤57の最新の在庫量を示すデータを同時に送信する(ステップSP10)。
【0294】
次のステップSP11では、第1サーバー72から制御情報S3、すなわち、目的とする第2コマンドデータCD2を受信できたかどうかを判定する。一定の時間内に受信が成功しない場合(通信障害が原因の場合含む)、エラー処理となり、報知部42で報知される。
【0295】
そして、第2コマンドデータCD2を受信できていることが確認されると、次のステップSP11Aでは、給水源(浄水場等)からの水道水の水質に対応した制御情報S3で運転コースを提案して良いかどうかを判定する。
例えば、ユーザーが洗浄コースとして「お急ぎコース」を選択した場合(ステップSP8)、洗浄工程と乾燥工程の両方を含んだ運転所要時間が長くなる場合があるので、ユーザーの期待に反するような結果が想定される判定結果の場合、この時点で報知部42によって事前に報知する。例えば、音声報知部34によって、例えば「水質が硬水なので、乾燥時間が通常(軟水に対して)より長くなります」のように報知する。
【0296】
そして、次のステップSP12では、操作部32による条件設定等が全て完了しているかどうかを判定し、完了している場合には、洗剤供給部73を駆動して液体洗剤57を規定量だけ投入する(ステップSP13)。そして操作部53からの運転開始指令を待つ(ステップSP14)。この段階は、図16で説明したステップSC9の段階に相当する。
【0297】
次に、図18について説明する。
図18は、食器洗浄機1の基本動作を示すフローチャート3であり、洗浄工程中の洗浄効果確認のための、洗浄水を対象とした「濁度判定処理SLP」の関係を示している。
【0298】
図17のステップSP15の段階で、ユーザーがスタートスイッチ(キー)を押すと、洗浄工程が開始され、図18のステップSP15に進む。
まず、洗浄工程を開始することが報知部42で報知される。
次に洗浄機能発揮部41が駆動開始される。また、運転状態データOS2が通信部2から外部の第1サーバー72又は通信端末200へ送信される。更に、経過時間の計測が開始される(ステップSP17)。
【0299】
次のステップSP18では、所定の時間T1が経過したかどうかの判定が行われる。この時間T1は、実際に洗浄工程を開始してから途中で洗浄効果を見るための時間である。例えば開始から10分間経過した時点でチェックするために、時間T1は10分間とプログラムしてある。
【0300】
ステップSP18が「Yes」判定の場合には、第1回の濁度判定処理SLP1が行われる。濁度センサー92Sからの検知データを洗浄度判定部92が判定する(ステップSP19)。ここで、洗浄槽3の中の洗浄水(液体洗剤57が混合されたもの)の水質がチェックされる。濁度センサー92Sによって洗浄水の濁度や透明度、その他物理的データが取得されるので、これを基礎に洗浄効果判定部92は、食器類13の汚れが十分落ちているかどうかを判定する。なお、洗浄効果判定部92は、判定のための閾値を事前に記憶し、保有している。
【0301】
判定結果がOKであった場合(ステップSP20)、その判定結果のデータは、洗浄効果判定部92の記憶部(図示せず)に記憶される(ステップSP21)が、状態情報Aの外部送信時には、その状態情報の中に吸収されて一括して送信される。
【0302】
次のステップSP22では、洗浄工程開始(ステップSP17)から所定の時間T2が経過したかどうかの判定が行われる。この時間T2は、洗浄工程プログラムで事前に決められている時間である。この時間T2を経過すると、ステップSP23に進み、洗浄工程を終了し、引き続いてすすぎ工程に移行する。
【0303】
前記ステップSP20で、判定結果が「No」であった場合、ステップSP24に進む。このステップSP24では、液体洗剤57の追加投入の要否判定と、追加が必要と判定された場合の、液体洗剤57の追加投入量の判定が行われる。例えば、洗浄時間を少し延長すれば洗浄効果が向上すると判定された場合には、液体洗剤の追加投入が行われず、洗浄工程の時間を延長する処理になる。
【0304】
液体洗剤57の追加が必要と判定された場合、この段階で洗剤供給部73に供給指令を出して、液体洗剤57を追加投入し、洗浄工程を継続する。その後、一定時間経過すると、ステップSP25で第2回の「濁度判定処理SLP2」が行われる。
【0305】
再び、濁度センサー92Sからの検知データを洗浄効果判定部92が判定する(ステップSP25)。ここで、洗浄槽3の中の洗浄水(液体洗剤42が混合されたもの)の水質(洗浄効果)がチェックされる。
【0306】
ステップSP25の判定結果のデータから、ステップSP26において、液体洗剤57の追加効果があり、更なる追加は不要であると判定された場合、その判定結果のデータは、洗浄効果判定部92の記憶部(図示せず)に記憶される(ステップSP21)。
なお、洗浄工程の時間の制約もあり、液体洗剤57の追加投入は基本的に2回を限度にしているが、汚れの多い食器類13のための、前記した「念入り洗浄」のコースの場合には、この図18に示すように更に追加投入の場合もあり得るプログラムになっている。
【0307】
次に、図19について説明する。
図19は、実施の形態3の食器洗浄機1において、液体洗剤57の計量動作の基本を示すフローチャートである。
図19において、SD1~SD8は、制御部31や計量部12、報知部42等の動作ステップを示したものである。
以下で説明するタンク56の最大許容容積は、310ccであるという前提で説明する。また、重量センサー68の計量能力は60g~400gの範囲であり、最小単位は1gであるとする。
【0308】
最初に、制御部31は、主電源スイッチ(図示せず)がONになったことを検知し(ステップSD1)、起動されると、計量回路62に指令を出す。
計量回路62は、リードスイッチ69がONしている場合であれば、タンク56が所定の格納位置にあると判定し、重量センサー68に計量(計測)指令を出して重量を計測させる。そして、計測結果の重量値を示すデータ(例えば、350g)を、計量部12に内蔵した記憶部12M(図示せず)に一旦格納する(ステップSD1)。
【0309】
計量部12では、前記ステップSD1で計測値(重量値。例えば350g)から、事前に分かっているタンク56自体の重量(例えば、60g)を差し引き、液体洗剤57の重量が290gであると算定する。液体洗剤57の比重は、略1.0であるので、約290ccの液体洗剤57が入っていることが分かる。つまり、この時点では満量レベルである。
【0310】
ステップSD2の判定(条件1を満たさない)で使用される「条件1」の閾値は、「200g以上」である。従って、上記のように295gであった場合には、このステップSD2の判定は「No」という否定回答になり、十分な液体洗剤57があることから、これ以後の重量計測は行われない。
【0311】
仮に、ステップSD1の重量計測値が250gであった場合、タンク56自体の重量(60g)を差し引くと、液体洗剤57の重量が190gであると算定される。このため、ステップSA2は「Yes」判定となり、ステップSD3に進む。
【0312】
次に、ステップSD3について説明する。
ステップSD2の段階で既に計量回路62は発光回路63を起動し、所定の波長域の光を発光素子65から放射させている。
ステップSD1で説明した例のように、仮にタンク56の重量計測結果が、250gであった場合、液体洗剤57の正味重量は190gになるので、この場合の液面は、タンク56の上下中間地点よりも上方にある。そのため、図14において破線で示した矢印のように、水位検知用の光線は液体洗剤57の中を貫通するので、受光部66では規定量の光を受信できない。この状態を受光回路64が計量回路62にインプットする。
【0313】
次のステップSD4では、水位検知用の光線の進行を遮るような水位まで液体洗剤57があることが分かったので、この時点で水量は155cc(満量310ccの半分)以上であるいうことになる。一方、このステップSD4の判定の閾値が「150g」になっているので、このステップSD4の判定は「Yes」となり、ステップSD5に進む。
【0314】
次のステップSD5では、表示部33で、液体洗剤57の残量が十分あることを文字や棒グラフ等で表示し、また、報知部42でも同様な趣旨を音声で報知する。そして、ユーザーからの運転開始指令を待つ状態に移行する。
【0315】
一方、ステップSD1の重量計測値が150gであった場合、液体洗剤57の正味重量は、90gと算定されるので、ステップSD4の判定の「条件2」が仮に150gであった場合、このステップSD4は「No」となる。そして、ステップSD6に進む。
【0316】
ステップSD6では、表示部33で、液体洗剤57の残量が十分ではないことを文字や棒グラフ等で表示し、また、報知部42でも同様な趣旨を音声で報知する。そして、ユーザーによる液体洗剤57の補充動作を促す。
【0317】
その後、ユーザーが、タンク56を収納空間58から取り出して、液体洗剤57を補充し、再び収納空間58にセットした場合、このようなタンク56の着脱が計測回路62によって検知される。前述したように、タンク56を引き出すことによって、リードスイッチ69が一旦OFFになるためである。再びタンク56が適正な位置にセットされると、ステップSD1に戻って重量の計測が行われる(以前の計測値は、リセットされる)。
【0318】
また、タンク56の取り出し前に、蓋56Aを開けるが、この蓋56Aを閉鎖位置に保つためのロック機構(図示せず)の状態を検知する検知回路56C(図示せず)があるため、蓋56Aを開けるためにロック機構を解除すると、検知回路56C(図示せず)から、蓋56Aが開放された状態にあることを示す信号(解除信号)が、制御部31にインプットされる。
【0319】
一方、タンク56を収納空間58から取り出さない場合には、ステップSD8に進む。ステップSD8では、表示部33で、液体洗剤57の残量が十分に無いので、補充しないと運転開始できないことを文字で表示し、また、報知部42でも同様な趣旨を音声で報知する。そして、この後、一定の猶予時間(例えば、10分間)経過すると、電源部82の電源を強制的に遮断する。
【0320】
ステップSD6とSD8の内容は、その都度、計量部12に内蔵した前記記憶部12M(図示せず)に一旦格納する。
図15で説明した消費情報取得部11は、前記計量部12の前記記憶部12M(図示せず)に格納された各種データの中から、最も新しい重量計測結果のデータを取得する。その場合、タンク56の重量を除いた、液体洗剤57の重量データとして算出されたものを抽出し、そのデータを保持する。そして、食器洗浄の運転開始指令が届くのを待つ状態に入る。
【0321】
次に、図20について説明する。
図20は、図19に示した液体洗剤の計量動作の一部を改良した変形例の基本を示すフローチャートである。
この図20のステップSD8~SD10が、図19に示した動作ステップと異なっている。
図20のステップSD8では、液体洗剤42の残量が1回の食器洗浄に必要な量だけあるかどうかを判定する。例えば、1回の食器洗浄で(最低値)40gの液体洗剤42が必要である場合、ステップSD1で計測された時点の重量値(タンク56の重量含む)が、例えば120gであった場合、タンク56の重量が図19で説明したように60gであった場合、ステップSD8の時点で判定すべき重量は、120g-60g=60gとなる。
【0322】
以上のように、60gの液体洗剤57が残っている場合、ステップSD8の判定は「Yes」となり、ステップSD9に進むことができる。つまり、ステップSD9では、1回限りの食器洗浄を許可できるので、その旨表示部33で表示し、また報知部42でも音声で「1回分だけ洗剤があるので、運転開始できます」のようなアナウンスを行うことができる。
【0323】
一方、ステップSD8の判定によって、1回分の洗浄運転に必要な液体洗剤57が残っていないことが分かった場合、ステップSD10に進む。このステップSD10では、表示部33で、液体洗剤57の残量が1回の運転に必要な量だけ無いので、補充しないと運転開始できないことを文字で表示し、また、報知部42でも同様な趣旨を音声で報知する。そして、この後、一定の猶予時間(例えば、10分間)経過すると、電源部82の電源を強制的に遮断する。
【0324】
このように、図20では、液体洗剤57の残量が少ない場合も、1回だけ洗浄できる点で図19に示した動作プログラムよりも融通性があり、うっかりユーザーが液体洗剤57の補充を忘れ、かつ、手元に補充できる在庫がない場合でも、1回だけ洗浄できるから、利便性が高い。
【0325】
図19図20の説明では、洗浄工程の濁度判定処理SLP1で追加投入される液体洗剤57の量との関係について説明していない。しかしながら、例えば、図20のステップSD4やSD8では、前記洗浄工程の濁度判定処理SLP1で追加投入することになった場合の、必要となる液体洗剤57の量も予め考慮して、閾値が設定してある。例えば、前記ステップSD2の時点で判定した液体洗剤の重量が、仮に60gであった場合でも、追加投入で必要と想定される量が10~15gであった場合、洗浄工程の初期に1回投入した液体洗剤が40g、追加で投入する最大量15g、合計55gとなり、60gの範囲で対応できる。
【0326】
次に、図21について説明する。
図21は、食器洗浄機1において、液体洗剤57の容器(タンク56)の設置操作に伴う制御部31の判定動作を示すフローチャートである。
この図21に示す動作ステップSU1~SU10が、制御部31の制御プログラムによって規定されている。
【0327】
ユーザーが、タンク56の取り出し前に、蓋56Aを開けるが、その蓋56Aを開けると、蓋56Aが開放された状態にあることを示す信号(解除信号)が、制御部31にインプットされる。その後、蓋56Aを閉めると、前記解除信号が止まる。
【0328】
また、前記タンク56を引き出すことによって、リードスイッチ69が一旦OFFになり、その後、リードスイッチ69がONになるので、制御部31は、タンク56の取り外しから、装着に至ったことを検知する。
【0329】
制御部31は、以上のような蓋56Aの開閉と、リードスイッチ69のOFF~ONへの変化の両方でも、また何れか一方によっても、タンク56の設置操作が行われたことを検知できる。この実施の形態3では、以上のような蓋56Aの開閉を検知したことによってステップSU1が開始される。
【0330】
ステップSU1があると、次のステップSU2では、前記リードスイッチ69がONになったかどうかを判定する。前述したように、前記永久磁石70とリードスイッチ69は、正規の位置にタンク56が設置された場合に、タンク56が正しく設置されたことを検知する、タンク位置検出手段72であるため、正しい位置にタンク56が載置されていれば、このステップSU2は「Yes」判定となる。
【0331】
もし、タンク56の位置が正しい位置にない場合、ステップSU7に進み、表示部33でタンク56の位置確認を求める表示を行う。同時に音声報知部34でも音声によってタンク56の位置を確認するように、ユーザーに注意を喚起する。
【0332】
ユーザーが洗浄コースを選択すると、計量回路62は発光回路63を起動し、所定の波長域の光を発光素子65から放射させる(ステップSU3)。
図19で説明した例のように、仮に290gの重量の液体洗剤57が存在する場合には、その液面はタンク56の天井面に近い位置にある。そのため、図14において破線で示した矢印のように、液面検知用の光線は液体洗剤57の中に向けて放射されるため、受光部66では規定量の光を受信できない。この状態を受光回路64が計量回路62にインプットする。
【0333】
液面検知用の光線の進行を遮るような液位まで液体洗剤57があることが分かった場合、その時点で液体洗剤57の量は155cc(155g)以上であるいうことになる。一方、このステップSU4の判定の閾値が「150g」になっているので、このステップSU4の判定は「Yes」となり、ステップSU5に進む。
【0334】
次のステップSU5では、表示部33で、液体洗剤57の残量が十分あることを文字や棒グラフ等で表示する。その後、音声報知部34でも同様な趣旨を音声で報知する。
そして、ステップSU6では、ユーザーからの洗浄開始指令があれば、洗浄工程を開始できることを報知し、待機状態を維持する。これまでの経緯は計量部12に内蔵した前記記憶部12M(図示せず)に一旦格納するが、記憶部31Mに記録しても良い。
【0335】
ステップSU6Aは、ステップSP11Aに類似した処理である。
すなわち、このステップSU6Aでは、給水源(浄水場等)からの水道水の水質に対応した制御情報S3で運転コースを提案して良いかどうかを判定する。
例えば、ユーザーが洗浄コースとして「お急ぎコース」を選択した場合(図17のステップSP8)、洗浄工程と乾燥工程の両方を含んだ運転所要時間が長くなる場合があるので、ユーザーの期待に反するような結果が想定される判定結果の場合、この時点で報知部42によって事前に報知する。例えば、音声報知部34によって、例えば「水質が硬水なので、乾燥時間が通常(軟水に対して)より長くなります」のように報知する。
【0336】
一方、液体洗剤57の重量が前述したように、仮に90gであるとステップSU3で計測された場合、ステップSU4の判定結果は「No」となる。そして、ステップSU8に進む。
【0337】
ステップSU8では、表示部33で液体洗剤57の残量が十分ではないことを文字や棒グラフ等で表示し、また、音声報知部34でも同様な趣旨を音声で報知する。そして、ユーザーによる液体洗剤57の補充動作を促す。
【0338】
その後、ユーザーが、タンク56を収納空間58から取り出して、液体洗剤57を補充し、再び収納空間58にセットした場合、このようなタンク56の着脱が計測回路62によって検知される。前述したように、タンク56を引き出すことによって、リードスイッチ69が一旦OFFになるためである。再びタンク56が適正な位置にセットされると、ステップSU3に戻って重量の計測が行われる(これ以前の重量計測値は、リセットされる)。
【0339】
また、タンク56の取り出し前に、蓋56Aを開けるが、この蓋56Aを閉鎖位置に保つためのロック機構(図示せず)の状態を検知する検知回路56C(図示せず)があるため、蓋56Aが開放された状態から閉鎖された状態に変化したことが、制御部31で検知される。このため、前記タンク56を引き出すことによって、リードスイッチ69が一旦OFFになることと合わせて、制御部31は、タンク56の着脱を検知する。
【0340】
一方、タンク56を収納空間58から取り出さない場合には、ステップSU10に進む。ステップSU10では、表示部33で、液体洗剤57の残量が十分に無いので、補充しないと運転開始できないことを文字で表示し、また、音声報知部34でも同様な趣旨を音声で報知する。そして、この後、一定の猶予時間(例えば、10分間)経過すると、電源部82の電源を自動的に遮断する。
【0341】
このステップSU8に至る経緯を示す内容も、計量部12に内蔵した前記記憶部12M(図示せず)に一旦格納するが、記憶部31Mに記録しても良い。
【0342】
次に、図22について説明する。
図22は、実施の形態3の食器洗浄機1の、ドア開放操作時の制御部31の動作を示すフローチャートである。
この図22に示す動作ステップSW1~SW6が、制御部31の制御プログラムによって規定されている。
【0343】
ドア4を開いている状態では、ユーザーは何時でもドア4を閉じることができる。操作部32の手掛け部7に指先を掛けると、その手掛け部7の内側に配置されている操作スイッチ(図示せず)が操作を感知し、制御部31に信号を送る。
制御部31は、駆動回路89に指令を出して駆動用モーター70を駆動し、ドア4を閉鎖方向に移動させることができる。
【0344】
図22の示すステップSW1は、前記したように手掛け部7の前記操作スイッチ(図示せず)からドア操作信号を受けたかどうかを判断するステップである。
次のステップSW2では、図21のステップSU1で説明したように、永久磁石70とリードスイッチ69から構成された、タンク位置検出手段72によって、タンク56が正しく設置されたことを検知している場合には、「Yes」判定となり、次のステップSW3に進む。
【0345】
ステップSW3では、例えば音声報知部34によって「ドアを閉じます」のように音声で案内する。そして、この後、ステップSW4に進み、ドア4の移動(閉鎖)指令が来るのを待つ。移動指令を受けた場合は、ステップSW4は「Yes」となり、ステップSW5に進み、制御部31は駆動回路89に指令を出す。これにより、駆動用モーター70は所定方向に回転駆動し、ドア4を筐体2の中に引き戻す動作を開始する。
【0346】
一方、ステップSW2が「No」の判定になった場合、ステップSW6に進み、音声報知部34と表示部33とによって、タンク56の正しい設置の確認をユーザーに求める。例えば、ドア4の蓋56Aが完全に閉まっていること等の点検作業を促す。
【0347】
以上の説明から明らかなように、液体洗剤57を補充したタンク56を収納空間58の中の正規の位置に置いて、かつ、蓋56Aを完全に閉めないと、仮に手掛け部7をユーザーが操作してもドア4の移動命令は制御部31から出ない。
このため、タンク56の一部がドア4の右端面から外側へ一部飛び出した状態で、ドア4が不用意に動き出すということはないので、タンク56がキッチン家具100の設置口54の口縁に衝突して破損する等の事態は発生しない。
【0348】
なお、詳しく説明していないが、ドア4が開放している期間中に、タンク56を収納空間58から取り出した場合、例えばドア4の天面の表示部(図示せず)において、タンク56の未装着のことを表示したり、当該天面部からキッチン家具100の設置口54に向けて、LED等の発光素子によって注意を喚起する光を放射するようにしたりしても良い。
そして、タンク56を正しくドア4に格納したことを、前記タンク位置検出手段72が判定すると、その段階で前記発光素子(図示)の発光を停止するように構成すれば更に良い。
【0349】
タンク56を収納する前記収納空間58は、図14で説明したように重量センサー68や、その他電気部品も格納されているので、洗浄槽3の内部で発生する湿気や水蒸気が流入することは好ましくない。しかし、この実施の形態3では、蓋56Aの閉鎖も確認した状態でない限り、開放状態からドア4が閉まって、洗浄工程が開始されることはないので、この面でも安全性が高い。
【0350】
次に、図23について説明する。
図23は、食器洗浄機1の、液体洗剤の最初の計量から、洗浄工程を経て運転終了までの過程を示すフローチャート1である。なお、この図23の食器洗浄機1では、実施の形態1とは異なり、洗浄水の水質検知(判定)機能はない。
【0351】
制御部31に主電源が供給されると、液体洗剤57の在庫量を計量部12で計量し、その結果を、状態情報Aとして通信部2から外部サーバー71へ送信する。そして、外部サーバー71(第1サーバー72)から食器洗浄機1の機器識別情報で特定される設置場所(地域)の水道水の硬度に対応した制御情報S3を受信する(ステップSV1)。
【0352】
ユーザーが洗浄槽3を前記筐体2の中に収容させてから操作部32によって、運転開始の指令を与える(ステップSV2)と、排水ポンプ94が停止している期間中、洗浄槽3に繋がる給水路の途中に存在する給水弁95を開放すると、水道水が洗浄槽3の中に供給され、給水工程が開始される(ステップSV3)。
【0353】
洗浄槽3の中に規定量の洗浄水(水道水)が溜まると、水位センサー(図示せず)を備えた水量検出部91が前記給水弁95を閉鎖するための信号を制御部31に送る。すると、タンク56から洗浄槽3の中まで繋がっている供給路の中にある制御弁(又は供給ポンプ)67が、制御部31の指令を受けて開放し、1回の食器洗浄に必要な液体洗剤57を洗浄槽3に注入する(ステップSV4)。なお、この液体洗浄57の量は、洗浄対象の食器の数や、洗浄コース(例えば、「念入り洗浄」)の選択によって変化し、常に一定量ではない。
【0354】
液体洗剤57の洗浄槽3への注入が終わり、洗浄槽3に溜めた水が、加熱ヒーター35(第1のヒーター35A)によって加熱され、お湯になると食器洗浄用に使用される。つまり、制御部31は洗浄運転を自動的に開始する。その後、制御部31で決められている規定の洗浄時間が経過するかどうかの判定が行われ、洗浄時間経過すると洗浄工程が終了する(ステップSV5)。なお、洗浄時間は、計時部31Tの時間データが利用される。
【0355】
次に、前記排水ポンプ94の運転が開始され、排水工程が開始される(ステップSV6)。排水が終了すると、前記排水ポンプ94が停止され、再度洗浄ポンプ36が運転され、洗浄槽3に清浄な水(水道水)が溜められる。なお、洗浄槽3に溜めた水は、加熱ヒーター35(35A)によって加熱され、お湯になってすすぎ洗いにも使用される(ステップSV7)。規定のすすぎ工程時間が経過すると、排水ポンプ94が運転され、排水工程が開始される(ステップSV8)。
【0356】
排水が終わったかどうかの判定が行われ(ステップSV9)、終了した場合には、第2の加熱ヒーター35Bに通電が開始され、洗浄槽3の内部の空気を加熱して乾燥工程を開始する(ステップSV10)。なお、送風ファン37を運転することで洗浄槽3の内部に外部の室内の空気が導入され、この導入される空気は前記第2の加熱ヒーター35Bで加熱されて温風となるため、洗浄槽3内部全体に熱気が循環するようになる。これにより、洗浄槽3の内部空間からは、湿度を帯びた空気が外部へ連続的に放出されるようになり、次第に乾燥した空気に置き換わる。
【0357】
ステップSV11では、洗浄工程から乾燥工程までの一連の運転結果を示すデータを含めて状態情報Bを生成する。そして、この状態情報Bを記憶部31Mに記憶させる(ステップSV12)。その後、通信部2から外部サーバー71に対して前記状態情報Bを送信する(ステップSV13)。
【0358】
送信された状態情報Bは、第1サーバー72の機器情報保持部23の、機器消費材データベース23R(図9参照)に、当該食器洗浄機1の機器識別情報と紐づけて格納される。
【0359】
前記ステップSV13の送信処理は、図16で説明したように、遅くとも乾燥工程が終了する段階(図16のステップSC13参照)までに実行される。そのため、送信の前に主電源スイッチが切られるということはなく、1度の食器洗浄毎に必ずステップSV13が実行される。なお、このステップSV13の処理は、洗浄工程終了(図16のステップSC11参照)の段階よりも前のタイミングで実行しても良い。
【0360】
図16で説明したように、乾燥工程は、制御部31で定めた時間を経過すると自動的に終了し、報知部42で運転終了の報知が行われる(ステップSV14)。また、表示部33でも同様な運転終了の表示が行われる(ステップSV14)。この後、電源部82の電源供給は自動的に遮断され、一連の洗浄・乾燥運転は終了する(ステップSV15)。
【0361】
なお、前記ステップSV11では、記憶部31Mの所定エリアに記憶される状態情報Bは、洗浄工程で追加投入された液体洗剤42があった場合、その追加投入の量も反映したデータが含まれる。また、ユーザーが事前に設定していた場合には、このような洗浄工程における液体洗剤57の追加投入事実と、すすぎ工程でのすすぎ回数の変更の事実も、ユーザーに報知されることに加え、第1サーバー72に送信される状態情報Bに、関連情報として含まれる。
また、この後、再度食器洗浄機1が起動された場合、再びステップSV1では、状態情報Aが生成されるが、この状態情報Aは、ステップSV12の処理で記憶された状態情報Bと、実質的に同じ内容となる場合がある。但し、日時情報を含む場合には、再度起動した日時情報が、ステップSV1の段階で状態情報Aに反映される。
【0362】
次に、図24について説明する。
この図24は、食器洗浄機1の、液体洗剤の最初の計量から、洗浄工程を経て運転終了までの過程を示すフローチャート2である。
この図24の食器洗浄機1では、図23で説明した構成とは異なり、液体洗剤57の残量(使用量)推定処理AP1と、当該残量推定結果に基づく運転可能回数推定処理AP2と、外部サーバー71側で行う点に特徴がある。
【0363】
この図24では、ステップSV11Aが図23のものと大きく異なるので、このステップSV11Aについて説明する。
まずステップSV11Aでは、ステップSV1時点のタンク56の総重量値と、この図23のステップSV4で指令して供給した液体洗剤57の量(重量値:例えば、40g)とを、状態情報Bとして生成する。更に、このステップSV11Aで、再度液体洗剤57の総重量を計量して状態情報Bに反映させても良い。
【0364】
そして、前記状態情報Bを通信に2から外部サーバー71に送信する(ステップSV12)。
この後、第1サーバー72において、図25に示した液体洗剤57の残量(使用量)推定処理AP1と、運転可能回数推定処理AP2が行われる。
【0365】
次に、図25について説明する。
この図25は、食器洗浄機1の運転管理システムの動作の一部を時系列で示す説明図である。
食器洗浄機1は、図24のステップSV11Aで説明したように、状態情報Bを生成し(ステップSE1)、これを第1サーバー72に送信する(ステップSE2)。
次に、第1サーバー72では、状態情報BをネットワークNW経由で取得する(ステップSE3)。
次に、第1サーバー72は、状態情報Bに含まれた識別情報等から、ユーザー・施設特定部24によって、特定のユーザーの特定の電気機器(この場合、食器洗浄機1)を特定する。
電気機器情報保持部23には、機器消費材データベース23Rがあり、ユーザーの特定電気機器毎に消費材の残量(重量)データが格納されている。
【0366】
電気機器情報保持部23には、洗浄工程前のステップSV1(図24)の段階で食器洗浄機1から送信された状態情報Aのデータも記憶されており、洗浄工程開始前の液体洗剤57の総重量(タンク56の重量を含む)のデータがある。
そこで、ステップSV4(図24)で供給された1回あたりの液体洗剤57の投入量の平均値(平均重量値WA)を、この機器消費材データベース23Rから読み出す(ステップSE4)。
例えば、過去5回の洗浄運転における平均値が45gであった場合、実際にステップSV4(図24)で投入された液体洗剤の量(重量)が分からなくとも、45g減っていることが推定結果として算出できる。つまり、過去5回の最初の時点で「残量:290g」という状態情報Aを受けていた場合、それを基準にして最新の残量を推定することができる。これが、残量(使用量)推定処理SE5である。
【0367】
このようにして、液体洗剤57の残量が推定できた場合、次のステップSE6では、運転可能回数推定処理AP2を、電気機器情報保持部23が行う。具体的には、最新の残量が200gであった場合、1回の洗浄で消費する平均値を45gとすれば、200÷45=4.4回となるから、今後4回は洗浄運転できることになる。
【0368】
この図25では、1回の食器洗浄に対して、タンク56から投入される液体洗剤57の量(重量)は、一定ではない場合で説明しているが、一定である場合には、前記した液体洗剤57の投入量の「平均値(平均重量値WA)」は、一定値である。
【0369】
一方、1回の食器洗浄に対して、タンク56から投入される液体洗剤57の量(重量)は、一定ではない場合には、液体洗剤57の投入量の「平均値(平均重量値WA)」は、1回の洗浄運転が終わったあと、次の洗浄を行う前の重量計測(図24のステップSV11A)結果から判明する。
【0370】
つまり、直前の洗浄工程の開始前(図24のステップSV1)に実施したタンク56の重量計測値と、洗浄運転の終了後に(ステップSV11Aで)計測した重量値との差分が、実際の液体洗剤57の使用量を示すと推定される。従って、このような計量値を順次加算し、例えば5回の総重量値WTを、洗浄運転の回数(5回)で除すれば、前記平均値WAが算出できる。
【0371】
この図24図25の実施の形態では、前記運転可能回数推定処理AP2で、運転可能回数を1回分だけ余裕を持ってユーザーに報知したいため、前記した「4回」は制御部21によって「3回」に補正され、これが機器消費材データベース23Rに記憶される(ステップSE7)。そして、この処理結果がユーザーに報知される(ステップSE8)。
【0372】
液体洗剤57の残量に関する最新情報や、前記運転可能回数推定処理AP2の結果は、通信端末200に送信される(ステップSE8)。
通信端末200は、第1サーバー72から送信された最新情報(前記運転可能回数推定処理AP2の結果を含む)を受信し(ステップSE9)、この受信内容を端末側表示部216で表示する(ステップSE10)。
【0373】
次に、図26について説明する。
図26は、実施の形態3の変形例(図24図25)における運転管理システムにおいて、第1サーバー72から通信端末200が通知を受けた場面を示す、通信端末200の動作説明図1である。
【0374】
図26(A)において、216は、端末側表示部を示している。
この図26(A)は、通信端末200の中の「消費材管理」というアプリケーションプログラムを起動した場合である。
図26(A)は、各種の個別メニューを選択できる「セレクト画面」の一種である。
200BGは、個別メニューの中の1つである「消費材管理」のメニュー表示部である。
アイコン261Rと261Lの何れかにタッチした場合、端末制御部212(図10参照)によって、この図26(A)の画面が、図26(B)の画面へ切り替わる。
FGは、タッチ操作するための、ユーザーの指先を示している。
【0375】
281は、1つの消費材(液体洗剤57)の名称「AA洗剤」を表示した名称表示部である。
図26(A)の例では、食器洗浄機1の次回の運転で消費材(液体洗剤57)の残量が終わってしまうこと、つまり、その後の運転に支障が出るという重要な情報(以下、これを「警告情報1」と呼ぶ)を、表示エリア282において表示している。ここでは、文字で「残量ゼロ見込み」と表示した例であるが、イラストや適当な記号を表示しても良い。この警告情報1によってユーザーは、液体洗剤57の補充の緊急性が分かる。
【0376】
283は、特定の消費材(この場合は、AA洗剤)についての注意事項(「アドバイス情報A」ともいう)を表示した表示エリアである。この例では、「専用のXX洗剤を使用すること」を推奨している。なお、食器洗浄機1の場合、台所等で食器を手洗いするような場合に使用する一般の洗剤(台所用洗剤)は、使用禁止されている。そのような一般の台所用洗剤は、泡が沢山発生するためである。仮に、この洗剤を使用すると、食器洗浄運転の過程で泡が大量に発生し、その泡が洗浄槽3の外部まで漏れ出したり、電気回路部まで浸入したりして故障の原因になる可能性もある。
【0377】
特定の消費材についての注意事項(アドバイス情報A)283には、硬水の場合に適する市販の洗剤(液体洗剤57)を紹介する情報を含めても良い。すなわち、ユーザーの側で、より適切な洗剤を選択するために有益な情報を追加しても良い。
【0378】
また、表示エリア283では、重曹を使用しないことを表示しても良い。重曹が固まり、配管や排水口等を詰まらせる原因になり得るからである。
更に、表示エリア283では、このユーザーが使用している食器洗浄機1の水源情報も表示しており、この図26では、水源(水道水)の水質が「硬水」であることを文字で示している。
【0379】
285は、ネットワークNWを通じて外部のECサイト(電子商取引のサイト)に繋がることを選択する選択部(アイコン)である。このアイコン285を押すと、この図26(A)に表示された消費材(液体洗剤)をネットワークNW経由で購入できるように、専用の入力画面が表示される。そのために、図10で説明した通信販売処理部234が起動する。
【0380】
274は、アイコンである。この図26(A)の場合には、このアイコン274を押すと、第1サーバー72の消費材データベース28と電気機器情報保持部23に格納されている個別消費材の解説情報を第1サーバー72から取得して、この端末側表示部216に表示させることができる。つまり、図26(B)に示すように、液体洗剤57(AA洗剤)の詳細情報を表示させることができる。このアイコン274は、前記「警告情報1」に関係する消費材(液体洗剤57)の詳細情報を要求する第1の選択手段である。
【0381】
前記表示エリア282では、端末側表示部216において、必ず情報が表示される訳ではなく、該当すべき消費材や前記警告情報1が無い場合等には、情報が表示されない場合もある。また、表示されるエリアの表示面積は、表示する情報の量に応じてその都度自動的に変化するものであり、固定的に表示面積が決まっている訳ではない。
273は、図26(A)の状態から、消費材管理の最初の表示画面(前記セレクト画面)まで表示を戻すためのアイコンである。274は、前述したように、詳細表示画面に進めるためのアイコンである。
【0382】
次に、図27について説明する。
図27は、実施の形態3の変形例(図24図25)における運転管理システムにおいて、第1サーバー72から通信端末200が通知を受けた場面を示す、通信端末200の動作説明図2である。
【0383】
図27(A)は、図26(A)の変形例を示している。
図27(A)の例は、食器洗浄機1の次回の運転で消費材(液体洗剤57)の残量が終わってしまうこと、つまり、その後の運転に支障が出るという重要な情報(前記警告情報1」)が、表示エリア282において表示される例である。ここでは、文字で「あと1回で終了見込み」と表示した例であるが、イラストや適当な記号を表示しても良い。この警告情報1によってユーザーは、液体洗剤57の補充の緊急性が分かる。
【0384】
283は、特定の消費材(この場合は、AA洗剤)についての注意事項(アドバイス情報A)を表示した表示エリアである。この例では、「専用のYY洗剤を使用すること」を推奨している。また、特定の洗剤(一般の台所用洗剤)は、使用禁止されていることも示している。
【0385】
次に、図27(B)について説明する。
図27(A)において、アイコン274にタッチ操作すると、残滓フィルターという1つの消費材(消耗部品)に関す詳細な情報が表示された、図27(B)の個別画面(入力画面)に切り替わる。
【0386】
ここで「残滓フィルター」とは、洗浄槽3の底部に取り外し可能に設置された、細かい網目状のフィルターをいう。この残滓フィルターには、食器洗浄時に食器類から分離した食品のカスが濾過されて溜まるため、食器洗浄機1を使用しない際にその残滓フィルターの残滓から不快な臭いを発することもあり、定期的(例えば、1週間おき)に清掃することが推奨されている。
そこで、この図27(B)の例では、清掃時期が迫っている付属部品があることを、表示エリア294によって表示している。
291は、点検や清掃が必要な付属品を特定する名称表示部である。
この図27(B)の例で残滓フィルターが抽出されたのは、同じ食器洗浄機1において点検や交換、補充等が必要な消耗品や交換部品という観点からである。
つまり、電気機器情報保持部23の中から、スケジュール決定部26(図9参照)が定期的(この場合、1週間単位)に清掃や点検が必要な物品を抽出した結果である。
【0387】
スケジュール決定部26では、1週間単位や1ケ月単位等、ユーザーが設定したタイミングや食器洗浄機1等のメーカーが推奨するタイミングで、点検や交換、補充等が必要な消耗品や交換部品を登録できる。この登録は、食器洗浄機1や通信端末200の何れからも可能である。この登録をしておくと、関係する付属部品について、設定したタイミングで自動的に点検や清掃を促す報知が行われる。
【0388】
この図27(B)において、アイコン274(第2の選択手段)をタッチ操作すると、例えば、次のような詳細情報を表示した表示画面に変更できる。また、その変更した表示画面から前記したように、ECサイトに接続するような構成にしても良い。
(1)純正商品(残滓フィルター)の商品名、型名、仕様(外形寸法等)、販売形態(1枚単位、数枚単位等)
(2)標準的な使用期間(耐用期間)
(3)純正商品(残滓フィルター)のメーカーによる名称
(4)商品の型名等
【0389】
<実施の形態3の総括>
以上のように、実施の形態3で示した第5の開示に係る食器洗浄機1の、1つの実施形態は、
洗浄工程と、すすぎ工程と、乾燥工程とを、制御条件に従って制御する制御部31と、
設置地域を特定可能な住所情報S2を保有する住所情報取得部61と、
前記住所情報S2を外部サーバー71へ送信可能な通信部2と、
制御情報取得部81と、
前記洗浄工程で使用する洗剤を供給する洗剤供給部73と、
前記洗剤の残量を計量する計量部12と、
1回の洗浄工程終了後に洗剤の消費量を算出する消費情報取得部11と、
を備え、
前記制御情報取得部81は、前記外部サーバー71が前記住所情報S2を取得後に生成したものであって前記制御条件のパラメータを変更するための、制御情報S3を取得し、
前記制御部31は、前記計量部12によって計量された前記洗剤の量が運転開始条件を満たしている場合、前記制御情報S3に従って運転を開始し、
前記消費情報取得部11から前記洗浄工程における前記洗剤の消費量を前記外部サーバーへ送信すること、
を特徴とする構成である。
【0390】
この構成であるため、水の硬度が高い地域では、例えば、温度制御および時間制御によって通常より時間をかけて水分を蒸発させるため、食器の水垢やウォータースポットの発生を低減できる。
また、前記計量部12の計量結果から前記洗剤の残量のチェックを自動的に行うことができるから、洗浄運転の開始後に洗剤不足となることを回避でき、また、準備段階で必要な洗剤の補充ができる。
【0391】
更に、食器洗浄機1の側で硬水や軟水等の水質判定を行う必要がなく、水質の判定は外部サーバー71側で行うから、個々の食器洗浄機1の内部回路(判定機能等)を実施の形態1のものに比較して簡略化でき、コスト的に有利となる。つまり、前記住所情報S2に応じて前記外部サーバー71から提供される、水質に応じた制御情報S3を取得して、洗浄工程と乾燥工程の制御条件の設定に利用できるので、食器洗浄機1側の構成を、実施の形態1に比較して簡略化できる。
【0392】
以上のように実施の形態3では、第6の開示に係る食器洗浄機の運転管理システムを、以下の通り実施していた。
すなわち、食器洗浄機の運転管理システムの1つの実施形態は、
洗浄工程と、乾燥工程とを順次実行し、住所情報を入力可能な操作部32と、前記洗浄工程で使用する洗剤の消費情報取得部11と、通信部2と、を備えた食器洗浄機1と、
前記食器洗浄機1の前記通信部2と、無線通信を行う外部サーバー71と、を備え、
前記外部サーバー71は、前記住所情報に対応した地域の給水源の水質情報を取得し、当該水質情報に応じて、軟水に対応する第1の制御情報S3Aと硬水に対応する第2の制御情報S3Bとを、それぞれ生成し、
前記外部サーバー71は、前記食器洗浄機1から取得した状態情報Aに基づき、運転可能回数推定処理AP2を実行し、
前記外部サーバー71は、前記運転可能回数推定処理AP2の結果を、前記食器洗浄機1又は通信端末200に提供すること、
を特徴とする構成である。
【0393】
この構成であるため、水の硬度が高い地域では、温度制御および時間制御を変更し、通常より時間をかけて水分を蒸発させるため、食器の水垢やウォータースポットの発生を低減できる。
また、食器洗浄機1では、洗剤の残量に関する情報を報知するため、ユーザーは洗剤が不足していることを容易に知ることができるから、洗浄運転の開始前の準備段階で必要な洗剤の補充ができる。
【0394】
更に、食器洗浄機1の側で硬水や軟水等の水質判定を行う必要がなく、水質の判定は外部サーバー71側で行うから、個々の食器洗浄機1の内部回路(判定機能等)を実施の形態1のものに比較して簡略化でき、コスト的に有利となる。つまり、前記住所情報S2に応じて前記外部サーバー71から提供される、水質に応じた前記第1の制御条件を指定する制御情報S3A又は前記第2の制御条件を指定する制御情報S3Bを取得して、洗浄工程と乾燥工程の制御条件の設定に利用できるので、食器洗浄機1側の構成を、実施の形態1に比較して簡略化できる。
【0395】
更に、液体洗剤57等の洗剤の消費実態データから、運転可能回数の推定も行っているので、この推定結果をユーザーが確認することで、洗剤を補充する緊急性を知ることができ、ユーザーにとって利便性の高いシステムを提供できる。
【0396】
実施の形態4.
<食器洗浄機1の構成>
図28は、実施の形態4に係る食器洗浄機1の、運転時間情報報知までに動作を示すフローチャートである。図29は、実施の形態4に係る食器洗浄機1の、運転管理システムの全体像を示すタイムチャート1である。図30は、実施の形態4に係る食器洗浄機1の、運転管理システムと、洗剤購入支援システムの全体像を示すタイムチャート2である。なお、図1図27に説明した実施の形態1~3の構成と、同一又は相当部分は、それぞれ同じ符号を付けている。
【0397】
この実施の形態4では、給水源の「水質対応モード」の制御を行うかどうかを自動的に判別し、水質対応モードを採用した場合と、採用しない場合で発生する運転時間の差異について事前にユーザーへ報知する点で、実施の形態1~3と異なっている。
【0398】
更に、この実施の形態4では、食器洗浄用の専用(液体)洗剤57を販売する、「ネット通販サービス用」オンラインショップ等の電子商取引(EC)サイトが、前記ネットワークNWに接続されている点で、実施の形態1~3と異なっている。
以下、図28図29に従って、実施の形態4を説明する。なお、この実施の形態4においては、水道の水源(浄水場等)の水質(硬度等)は、食器洗浄機1自体では判定せず、外部にある第1サーバー72等によって判定する構成である。従って、食器洗浄機1では第1サーバー72等における水質の判定結果を示す水質情報S1を取得する。そして食器洗浄機1では水質情報S1を利用して制御情報S3を生成し、この制御情報S3によって、洗浄工程等を実行する構成である。
【0399】
図28について説明する。
図28において、ステップSG1~SG11は、食器洗浄機1の制御部31における、運転時間情報報知に関する主要な動作ステップを示すフローチャートである。
最初に、ユーザーが食器洗浄機1を使用するため、操作部32で入力操作すると、この操作の有無がチェックされる(ステップSG1)。
この実施の形態4の食器洗浄機1の運転コースは、お急ぎコースや省エネコース、念入りコース、予約コースの、合計4つの中から1つを選択できる。
ステップSG2は、ユーザーに選択した運転コースで確定して良いか、との確認を求める処理であり、操作部32にある「スタート」という表示の入力ボタン(図示せず)を押せば、運転コースが確定する。
【0400】
この実施の形態4においては、実施の形態1で説明したような「通常制御モード」は、「水質非対応モード」と呼ぶ。つまり、食器洗浄機1自体では、水道水等の水源の水質を判定できないので、硬水や軟水のそれぞれに対する制御情報S3を事前に用意していない。
一方、この実施の形態4においては、実施の形態1で説明したような「外部制御モード」の選択用ボタン(図示せず)を設けていないが、操作部32によって、事前に住所情報を入力してあれば、自動的に外部制御モードに切り替わる。つまり、この図28のステップSG7でいう「水質対応モード」が選択される。
ステップSG3では、「水質非対応モード」の判定を行う。操作部32から事前に住所情報を入力していない場合、このステップSG3は「Yes」判定となる。そして、ステップSG4に進む。
【0401】
ステップSG4では、4つの運転コースに対応して制御部31の記憶部31M(図2参照)の中に、それぞれ格納されている「お急ぎコース」、「省エネコース」、「念入りコース」及び「予約コース」の中から1つの制御情報を、制御部31が選択する。この場合の制御情報は、例えば、日本全国の水質(硬度)の中の平均値を想定して、事前に作成されている。
【0402】
前記記憶部31Mには、前述した4つの運転コースにそれぞれ対応して、運転所要時間のデータが格納されている。例えば、「お急ぎコース」は「〇〇分」というように所要時間の固定値が1対1で格納されている。
室内の気温や水源からの水道水の温度、あるいは実際に洗浄する食器類13の数に応じて、前記所要時間を補正するようになっている場合には、そのような補正のための演算処理(以下、「推定処理A」という)を行った結果の所要時間を、制御部31で生成する。これらがステップSG5である。
【0403】
ステップSG5の結果、記憶部31Mに記憶されていた所要時間の情報、又は前記推定処理Aの結果、算出された(推定)所要時間の情報は、表示部33に表示される。また、音声報知部34によって音声で報知しても良い(ステップSG10)。
ステップSG11は、オプションの機能として制御部31が保有している通知機能であり、ステップSG10段階の所要時間情報を、事前に登録してある通信端末200に自動的に送信する処理である。これにより、洗浄工程1の開始直前又は直後に、通信端末200では、食器洗浄機1の運転所要時間を知ることができる。
【0404】
前記ステップSG3の段階で、事前に住所情報S2を生成するための入力を操作部32で行っていた場合には、そのステップSG3は「No」判定となり、「水質対応モード」の処理ルートに移行する(ステップSG6)。
食器洗浄機1は、第1サーバー72に対して水源の水質情報の提供と、その水質に対応した制御情報S3の提供を要求する。
第1サーバー72は、その要求を受けて、制御情報生成部72Eで制御情報S3を生成する。つまり、制御情報S3の提供を求めている特定の食器洗浄機1のために、コマンドデータCD2を生成する。なお、このコマンドデータCD2は通信端末200から食器洗浄機1に送信されるように事前に設定してある。
【0405】
ところで、食器洗浄機1が送信した住所情報S2の内容が実在しない住所であった場合、又は外部サーバー71と食器洗浄機1との間のネットワークNWを介した無線通信が、通信インフラ等の原因で不調になった場合には、ステップSG6は「No」判定となり、ステップSG4に進むようになる。
また、外部サーバー71から通信端末200に対して食器洗浄機1に送信すべきコマンドデータCD2を、通信端末200から制限時間内に食器洗浄機1にユーザーが送信しない場合も、自動的にタイムアウト処理となる。例えば、ステップSG2の時点から、一定のタイムアウト時間(制限時間)内に、通信端末200からコマンドデータCD2が食器洗浄機1に届かない場合、ステップSG4に進む。
【0406】
こうして、ステップSG8では、まず食器洗浄機1の制御部31で、制御情報取得部81(図2参照)によって、食器洗浄機1を設置した特定の地方の給水源(浄水場等)の制御情報S3を(第1サーバー72から通信端末200を経由して)取得できる。
更に、このステップSG8では、4つの運転コースに対応して制御部31が記憶部31M(図2参照)の中に、それぞれ格納している「お急ぎコース」、「省エネコース」、「念入りコース」及び「予約コース」の中から、1つの運転コースの運転所要時間のデータを抽出する。なお、ここで、通信端末200を経由した制御情報S3の送信を止めて、外部サーバー71が要求元の食器洗浄機1に制御情報S3を直接的に送信しても良い。
【0407】
次のステップSG9では、ステップSG8で選択された1つの運転コースの運転所要時間のデータを利用して、制御情報S3(コマンドデータCD2)の影響を推定し、所要時間を推定する。このように水質に対応した制御情報S3を加味して、所要時間を演算処理や機械学習処理等で求めることを、以下、推定処理Bという。
【0408】
ステップSG9に示した前記推定処理Bの結果、算出された(推定)所要時間の情報は、表示部33に表示される。また、音声報知部34によって音声で報知しても良い(前記ステップSG10)。
ステップSG9で算出した所要時間情報も、前記ステップSG11において通信端末200に自動的に送信することができる。これにより、水質対応モードの場合であっても、洗浄工程1の開始直前又は開始直後に、通信端末200では、食器洗浄機1の運転所要時間を知ることができる。
【0409】
図29について説明する。
図29は、実施の形態4の運転管理システムと、洗剤購入支援システムにおける、食器洗浄機1や外部サーバー71等の動作を時系列で示したタイムチャート1である。
図29において、ステップSF1~SF12は、食器洗浄機1の主要な動作ステップと、第1サーバー72の関連する動作ステップである。また、通信端末200に対する報知についても一部示している。
【0410】
ステップSF1は、販売業者等が食器洗浄機1をキッチン家具100に設置して、初期テスト(「試運転」ともいう)を行った場合である。この際に、ユーザー又はその依頼を受けて販売業者等が操作部32を操作して設置場所(ユーザーの住居の場所や店舗の場所等)を入力する。
初期テストによって、第1サーバー72に対して食器洗浄機1の機種識別情報やユーザー名、設置場所等の登録が済むと、食器洗浄機1の住所情報取得部61(図2参照)から当該食器洗浄機1の住所情報S2が第1サーバー72に提供される(ステップSF2)。
食器洗浄機1から送信された機器識別情報や設置場所情報(住所情報S2)は、第1サーバー72の中に格納される。例えば、実施の形態3(図9)で説明した「ユーザー・施設登録部24」に保存される。これによって第1サーバー72側でのユーザー登録が完了する(ステップSF3)。
【0411】
更にユーザーが、第1サーバー72から各種情報の提供を受けるための「サービス登録」を行った場合(ステップSF4)、液体洗剤57の残量に関する警告情報A(282)や、液体洗剤57に関する注意事項(アドバイス情報A)283の提供を受けることを、第1サーバー72に設定できる。なお、これら警告情報A(282)やアドバイス情報A(283)の提供は、食器洗浄機1の運転中以外でもユーザーが確認できるように、ユーザーが携帯する特定の通信端末200を介して、プッシュ型通知で受け取るようにも設定できる。
【0412】
第1サーバー72は、特定のユーザーの「サービスメニュー」を登録する機能を有している。例えば、実施の形態3(図9)で説明した電気機器情報保持部23と、機器消費材データベース23Rを有している。
【0413】
第1サーバー72は、食器洗浄機1に関して新たなユーザー登録があると、そのユーザー登録の情報から食器洗浄機1の設置場所の情報を抽出し、当該設置場所の情報を第2サーバー72(図29には図示していない)へ送信する。第2サーバーでは、当該設置場所の情報から、管轄する給水源(浄水場等)を特定し、当該給水源の水質情報を第1サーバー72へ提供する(ステップSF5)。つまり、第1サーバー72は、個々の食器洗浄機1と、水質情報とを対応させて前記機器消費材データベース23Rに蓄積できる。
【0414】
第1サーバー72は、ユーザー支援部(図示せず)を有している。このユーザー支援部(図示せず)は、ステップSF3において特定のユーザーの「サービスメニュー」を登録した際に、液体洗剤57の「残量報知メニュー」が登録された場合には、液体洗剤57の残量に関する警告情報A(282)や、液体洗剤57に関する注意事項(アドバイス情報A)283を、適当なタイミングで提供する。
【0415】
図29に示すステップSF6は、前記第1サーバー72のユーザー支援部(図示せず)が、特定のユーザーの「ユーザー登録」を行った直後に、2種類の情報を提供した例である。
1種類の情報は、食器洗浄機1の設置された地域に関する浄水場等の水質に関する情報であり、少なくとも硬水又は軟水の何れであるのかについての情報を含む。
2つ目の情報は、登録された食器洗浄機1に使用するのに適した液体洗剤57等の購入時に使用できるクーポン(値引き)情報である。なお、この2種類の情報は、第1サーバー72に事前に「ユーザー登録」した際の通信端末200にも、プッシュ型通知で送信するようにしても良い(ステップSF6A)。
【0416】
上記のような初期テストの後、実際に食器洗浄機1を使用する場合について説明する。
主電源スイッチをONにして食器洗浄機1を起動させると、外部サーバー71に対し、起動情報(運転状態データOS1)が送信される(ステップSF7)。そして、水質情報に対応した制御情報S3の提供を要求する。すなわち、図28のステップSG3で説明したように、住所情報が登録されていれば、食器洗浄機1は水質対応モードを開始し、制御情報S3の取得動作に移行する(図28のステップSG6、SG7参照)。
そして、第1サーバー72は、制御情報S3を生成し、この制御情報S3を食器洗浄機1に送信する(ステップSF8)。なお、実際には、制御情報S3を食器洗浄機1に確実、かつ容易に伝達できるように第1サーバー72は、制御情報S3を通信端末200に送信する(ステップSF8A)。
【0417】
食器洗浄機1が洗浄工程等の運転を開始すると(ステップSF9)、食器洗浄機1は、例えば実施の形態3(図23のステップSV11、又は図24のステップSV11A)で示したように、運転中に液体洗剤57の残量を計量し、状態情報Bを生成する。そして、このような情報を第1サーバー72に提供する(ステップSF10)。
【0418】
食器洗浄機1が運転を終了すると(ステップSF11)、食器洗浄機1は、運転終了を示す情報を第1サーバー72に送信する。
第1サーバー72は、特定の食器洗浄機1の前記機器消費材データベース23Rに、食器洗浄機1から提供された運転の履歴を含むデータを登録し、既に登録されている液体洗剤57の在庫量を最新の在庫量に更新する(ステップSF12)。
【0419】
次に、図30について説明する。
図30は、実施の形態4の運転管理システム及び洗剤購入支援システムにおける、食器洗浄機1や外部サーバー71等の動作を時系列で示したタイムチャート2である。
図30において、ステップSF13~SF25は、食器洗浄機1の主要な動作ステップと、第1サーバー72及び第3サーバー74の関連する動作ステップである。また、通信端末200に対する報知と、通信端末200による洗剤の発注についても一部示している。
【0420】
前記第3サーバー74とは、食器洗浄機1のための専用の液体洗剤57を販売する「ネット通販サービス用」オンラインショップ等の電子商取引(EC)サイトのサーバーである。なお、前記液体洗剤57以外の各種洗剤や消耗品(柔軟剤、顆粒状洗剤、液体リンス剤等)の注文を受け付けるサーバーを兼ねていても良い。
【0421】
食器洗浄機1を再度運転開始する(ステップSF13)と、ステップSF10と同様に運転状態を示す状態情報Aと消耗品(液体洗剤57)の計量結果を示すデータが第1サーバー72に送信される(ステップSF14)。
第1サーバー72では、ステップSF12と同様に消耗品消費データとして記憶してあるデータを更新する(ステップSF15)。そして、液体洗剤57の残量が規定量を下回った場合には、警告情報Aを生成し、食器洗浄機1に宛てて送信する(ステップSF16)。
【0422】
この警告情報Aの送信時に、食器洗浄機1の専用の液体洗剤57の購入を勧告しても良い。その場合、当該食器洗浄機1の給水源(浄水場等)の水質に適する洗剤を、消費材データベース28から抽出して、当該洗剤の購入を推奨する。
更に、前記ステップSF15の通知の際には、食器洗浄機1と対応することが事前に登録されている通信端末200に対しても同様な警告情報Aと、洗剤購入の推奨情報を送信する(ステップSF16A)。
【0423】
第1サーバー72は、特定のユーザーからの食器洗浄機1の運転履歴データと消耗品消費の履歴を示す消費データとをセットにして、第3サーバー74に提供する(ステップSF17)。この際に、特定のユーザーからの洗剤購入希望を示すデータも送信する。
【0424】
第3サーバー74は、特定のユーザーに対して消耗品(液体洗剤57)の購入に役立つ商品情報と、割引購入できるクーポン券を電子的に発行して提供する(ステップSF18)。なお、この商品情報とクーポン券発行は、特定のユーザーと対応付けされている通信端末200に対して第3サーバー74がネットワークNW経由で送信しても良いし、第1サーバー72経由で送信しても良い。
【0425】
食器洗浄機1の表示部33においては、前記警告情報Aと、洗剤購入の推奨情報をユーザーが確認できる。
一方、通信端末200の端末側表示部216においても、前記警告情報Aと、洗剤購入の推奨情報をユーザーが確認できるから、当該通信端末200において特定の入力を行うと、消耗品(液体洗剤57)の購入を希望する信号が発せられ、この信号が第3サーバー74に届く(ステップSF19)。
【0426】
ユーザーが前記クーポン券を用いて液体洗剤57を注文すると、第3サーバー74はこの注文を受け付けて特定のユーザーの受注を記録する(ステップSF20)。そして、注文を受けたユーザーに対し、液体洗剤57を配送する(ステップSF21)。液体洗剤57が注文主のユーザーに到着すると、通信端末200から注文品(液体洗剤57)の受領確認通知を受けるようにしても良い(ステップSF22)。又は、配送業者からの配達完了報告のメールを、ネットワークNW経由で第3サーバー74が受けても良い。第3サーバー74では特定のユーザーの販売履歴を示すデータベースの情報を更新する(ステップSF24)。
【0427】
なお、食器洗浄機1において購入した液体洗剤57を補充するため、食器洗浄機1を起動して液体洗剤57を補充すると、タンク57の計量が実行され、液体洗剤を満量まで補充すれば、満量レベルであることの報知信号が第1サーバー72に送信される(ステップSF25)。
この報知信号を受けて第1サーバー72では、機器消費材データベース23Rの中の該当する食器洗浄機1の洗剤残量データを更新する(ステップSF26:図示せず)。
【0428】
図28図30で説明した実施の形態4では、食器洗浄機1では給水源(浄水場等)の水質を判定しておらず、判定は第1サーバー72で行っていた。しかしながら、食器洗浄機1自身で水質の判定機能を保有させても良い。
【0429】
<実施の形態4の総括>
以上のように、この実施の形態4で示した第1の開示に係る食器洗浄機1の実施形態は、
洗浄工程と、すすぎ工程と、乾燥工程とを、制御条件に従って制御する制御部31と、
報知部42と、
設置地域を特定可能な住所情報S2を保有する住所情報取得部61と、
前記住所情報S2を外部サーバー71へ送信可能な通信部2と、
前記住所情報S2で特定される地域の給水源の水質に関し、前記外部サーバー71が軟水であるか硬水であるかを判定した水質情報S1を取得する水質情報取得部51と、
前記洗浄工程で使用される洗剤の残量を検知する消費情報取得部11と、を備え、
前記制御部31は、前記水質情報取得部51が軟水を示す前記水質情報S1を受け付けた場合は、第1の制御条件で運転し、前記水質情報取得部51が硬水を示す前記水質情報S1を受け付けた場合は、第2の制御条件で運転し、
前記報知部42は、前記洗剤の残量に関する情報と、前記水質情報S1の少なくとも何れか一方を報知すること、
を特徴とする構成である。
【0430】
この構成であるため、水の硬度が高い地域では、例えば、温度制御および時間制御によって通常より時間をかけて水分を蒸発させるため、食器の水垢やウォータースポットの発生を低減できる。
また、前記液体洗剤57の残量を計量して、当該残量が規定値以上ある場合に運転ができるから、液体洗剤57が規定量未満であることに気が付かずに運転を開始するという事態を未然に防止できる。
【0431】
更に、食器洗浄機1の側で硬水や軟水等の水質判定を行う必要がなく、水質の判定は外部サーバー71側で行うから、個々の食器洗浄機1の内部回路(判定機能等)を実施の形態1のものに比較して簡略化でき、コスト的に有利となる。つまり、前記住所情報S2に応じて前記外部サーバー71から提供される、水質に応じた前記第1の制御条件を指定する制御情報S3A又は前記第2の制御条件を指定する制御情報S3Bを取得して、洗浄工程と乾燥工程の制御条件の設定に利用できるので、食器洗浄機1側の構成を、実施の形態1に比較して簡略化できる。
【0432】
以上のように実施の形態4では、第7の開示に係る洗剤の購入支援システムを、以下の通り実施していた。
すなわち、洗剤の購入支援システムの1つの実施形態は、
通信部2と、液体洗剤等の洗剤57の残量を計量する計量部12とを有した複数の食器洗浄機1と、 前記計量部12の計量結果データを前記通信部2経由で取得する外部サーバー71と、を備えた洗剤購入支援システムにおいて、
前記食器洗浄機1は、設置されている場所を特定する住所情報S2を生成する住所情報取得部11と、前記住所情報と前記計量結果データとを前記通信部2から前記外部サーバー71に対して、ネットワークNW経由で送信する機能を有し、
前記外部サーバー71は、前記計量結果データを、前記食器洗浄機1別に蓄積する機能と、前記食器洗浄機1から取得した前記住所情報S2で特定される地域の給水源に関する水質情報S1を取得し、当該水質情報S2又はこの水質情報に応じて生成した制御情報S3を、前記食器洗浄機1に提供する機能と、前記水質に適合する液体洗剤57の内、特定洗剤57を識別できる情報を保有する機能と、を有し、
前記外部サーバー71は、
(1)前記計量結果データを受けて警告情報Aを前記食器洗浄機1又は当該食器洗浄機と対応している通信端末200に発信し、
(2)前記警告情報Aを発信する際に、前記特定洗剤57の情報を送信すること、
を特徴とする構成である。
【0433】
この構成であるため、水の硬度に適合した制御情報S3を食器洗浄機1に取得又は食器清浄機1で生成させて、運転に使用できるから、食器の水垢やウォータースポットの発生を低減できる。
また、前記液体洗剤57の残量を計量して、当該残量が少ない場合には警告情報Aを発信し、また、その際には、食器洗浄機1の設置地域の水質に適合する液体洗剤57の情報も送信するから、これら警告情報Aと液体洗剤57の情報をユーザーが確認して、液体洗剤57の補充や新たな液体洗剤の購入をすることができる。
【0434】
更に、実施の形態4で示した洗剤購入支援システムは、
前記外部サーバー71からネットワーク経由で前記食器洗浄機1に対する前記警告情報Aを受信する通信端末200を、更に含み、
前記通信端末200の端末側表示部216には、前記警告情報Aと、前記水質に適合する液体洗剤57の情報とを、同時に表示すること、
を特徴とする構成である。
【0435】
この構成であるから、前記通信端末200によって、前記警告情報Aと、前記水質に適合する液体洗剤57を容易に確認でき、水質に適合した液体洗剤57を容易に購入できる。
【0436】
更に、食器洗浄機1の側で硬水や軟水等の水質判定を行う必要がなく、水質の判定は外部サーバー71側で行うから、個々の食器洗浄機1の内部回路(判定機能等)を実施の形態1のものに比較して簡略化でき、コスト的に有利となる。つまり、前記住所情報S2に応じて前記外部サーバー71から提供される、水質に応じた制御情報を利用するので、食器洗浄機1側の構成を、実施の形態1に比較して簡略化できる。
【0437】
本開示の食器洗浄機1は、厨房家具(システムキッチン)に設置される食器洗浄機1だけでなく、移動可能な卓上型食器洗浄機にも適用可能である。
【0438】
卓上型食器洗浄機では、前記住所情報61が変更されたことに応じて、水質情報51を再取得し、動作制御を変更する。
【0439】
以上述べた実施の形態1では、第1サーバー72が水質情報を取得する方法について詳しく述べなかったので、以下に1例を説明する。
東京都水道局では、都内各地の住所情報をインプットすると、詳細な水質データと浄水所を特定する情報がインターネット上で公開されている。例えば、住所情報で「千代田区 鍛冶町1丁目」で検索すると、浄水所は朝霞浄水場であり、当該浄水場の給水出口における水質の内、硬度を判断する「カルシウム、マグネシウム等」は、1リットルあたり4月~6月では60.5mg、7~9月では65.0mg、10月~12月では、85.5mgと公表されている(2022年12月末時点)。
従って、第1サーバー72では、個々の食器洗浄機1から提供された前記固有情報Uの中に、食器洗浄機1の設置場所、つまり、ユーザーの住所情報があれば、個々の食器洗浄機1に対して、浄水場を特定し、当該浄水所の水質計測結果(基礎データ)を基礎にして、軟水と硬水を判別することが可能となる。なお、上述したように、食器洗浄機1側において、浄水場の水質計測結果(基礎データ)を基礎にして硬水と軟水の判別を行っても良い。
【0440】
更に、浄水場において河川等から取水した原水の水質は、季節によって変化することが知られているので、第1サーバー72と食器洗浄機1が取得する水質データは、食器洗浄機1を設置した時点や最初に使用を開始した時点の1回限りではなく、例えば、食器洗浄機1の運転を開始する都度や春・夏・秋・冬等の季節毎に取得することが望ましい。
この観点から、第1サーバー72は、毎月又は年4回(春・夏・秋・冬)等、定期的に第2サーバー73から個々の食器洗浄機1の設置地域に対応した水質情報S1を収集して、水質記憶部72Aに記憶させておくことでも良い。
【0441】
また、前述したように、一般的に水道水の水質の内、硬水と軟水の間の変化は、毎日発生している訳ではないので、食器洗浄機1は、水質データを必ずしも毎回取得する必要はない。そのため、食器洗浄機1を1回使用して水質情報S1を得た場合、その使用した日から1週間又は1ケ月以内は、水質情報S1を再度取得することなく、食器洗浄やすすぎ工程、乾燥工程等の一連の運転を行うようにしても良い。例えば、制御部31に(主電源スイッチをOFFにしても)経過時間を計測する計時機能やカレンダー機能を保有させ、1週間又は1ケ月単位で1回だけ、水質情報S1を取得するように動作させても良い。
【0442】
以上、好ましい実施の形態等について詳しく説明したが、本開示の諸態様を付記としてまとめて、以下の通り記載する。
( 付記1 )
洗浄水で食器類13を洗浄する洗浄工程と、乾燥工程と、を順次実行する制御部31と、
複数の洗浄コースの内から1つを選択できる洗浄コース選択部(操作部32)と、
前記洗浄コース選択部を表示する表示部33と、を備え、
前記制御部31は、前記洗浄工程の開始前に、前記洗浄水の水質に応じた水質対応モードを選択した場合と、選択しない場合の、それぞれについて、前記洗浄工程と前記乾燥工程の両方を含む運転所要時間TWを演算処理して、前記表示部32に表示すること、
を特徴とする食器洗浄機1。
( 付記2 )
ユーザーから入力された住所情報S2を取得する住所情報取得61部と、前記住所情報S2を外部サーバー71へ送信できる通信部2と、を更に備え、
前記制御部31は、
(1)前記洗浄工程の開始前に、前記住所情報S2を前記通信部2経由で外部サーバー71へ送信し、
(2)前記外部サーバー71から前記洗浄水の水質情報S1を取得して、当該水質に応じて、前記洗浄工程と前記乾燥工程を実行すること、
を特徴とする付記1に記載の食器洗浄機1。
( 付記3 )
洗浄水で食器類13を洗浄する洗浄工程と、乾燥工程と、を順次実行する制御部31と、
複数の洗浄コースの内から1つを選択できる洗浄コース選択部(操作部32)と、
前記洗浄コース選択部を表示する表示部32を有した報知部42と、
前記洗浄工程で消費する洗剤(液体洗剤57)の残量を計量し、当該残量が少ない場合に前記洗剤の補充を求める事前報知(ステップSP9)を行う報知部42と、を備え、
前記制御部31は、前記洗浄水の水質に対応した対応モードと、前記洗浄水の水質に対応していない非対応モードの、何れか一方で前記洗浄工程と、前記乾燥工程とを実行するものであり、
前記制御部31は、前記洗浄工程の開始前に、
(1)前記報知部42によって事前報知を行い、
(2)前記洗浄コース選択部によって前記洗浄コースの選択が行われた場合、前記対応モードを適用した場合と、前記非対応モードを適用した場合の、それぞれについて、前記洗浄工程と前記乾燥工程の両方を含む運転所要時間TWを、前記表示部32に表示すること、
を特徴とする食器洗浄機1。
( 付記4 )
洗浄水で食器類を洗浄する洗浄工程と、乾燥工程と、を順次実行する制御部31と、
複数の洗浄コースの内から1つを選択できる洗浄コース選択部(操作部32)と、
前記洗浄工程で消費する洗剤(液体洗剤57)を貯めたタンク56内部の洗剤在庫量を計量する計量回路(計量部)62と、
前記洗浄コース選択部の選択結果と前記洗剤の補充要否と、を報知する報知部42と、
を備え、
前記制御部31は、前記洗浄工程の開始前に、
(1)前記計量部62の計量データから前記洗剤在庫量のレベルを判定し、
(2)前記洗剤在庫量が前記洗浄工程を開始できるレベルにあった場合、前記洗浄水の水質に応じた対応モードを選択した場合、前記洗浄工程と前記乾燥工程の両方を含む運転所要時間TWを、前記報知部で報知すること(ステップSP8A、SU6A)
を特徴とする食器洗浄機1。
( 付記5 )
給水源からの洗浄水で食器類13を洗浄する洗浄工程と、乾燥工程とを順次実行する制御部31と、
複数の洗浄コースの内から1つを選択できる洗浄コース選択部(操作部32)と、
前記洗浄工程で消費する洗剤(液体洗剤57)を貯めたタンク56内部の洗剤在庫量を計量する計量回路(計量部)62と、
前記洗浄コース選択部の選択結果を報知する報知部42と、
前記タンク56が所定の位置に設置されていることを検知するタンク位置検知手段72と、
を備え、
前記制御部31は、前記洗浄工程の開始前に、
(1)前記計量部62の計量データから前記洗剤在庫量のレベルを判定するステップ1と、
(2)前記洗剤在庫量が前記洗浄工程を開始できるレベルにないと判定した場合(ステップSU4)、前記報知部で前記洗剤の補充の必要性を報知するステップ2(ステップSU8)と、
(3)前記ステップ2(ステップSU8)の後で、タンク位置検知手段72によって前記タンク57が取り外され、その後再び設置されたことを検知(ステップSU9、ステップSU2)したあと、前記計量部62で前記洗剤在庫量を再計量するステップ3(ステップSU3)と、を順次実行し、
更に、前記制御部31は、前記給水源の水質に対応した少なくとも2種類の制御情報S3(第1の制御情報S3A、第2の制御情報S3B)によって、前記洗浄工程と前記乾燥工程とを実行すること、
を特徴とする食器洗浄機1。
( 付記6 )
前記制御部31は、前記洗浄水の水質に応じた対応モードを選択する場合、前記洗浄工程と前記乾燥工程の両方を含む運転所要時間TWを予想して、前記報知部42にて報知(表示部33で表示)する動作を、更に実行すること、
を特徴とする付記5に記載の食器洗浄機。
( 付記7 )
前記制御部31は、前記洗浄水の水質に応じた対応モードを選択する場合と、選択しない場合の、それぞれについて、前記洗浄工程と前記乾燥工程の両方を含む運転所要時間TWを予想して、前記報知部42又は表示部33において報知又は表示すること、
を特徴とする付記3~付記6に記載の食器洗浄機1。
【産業上の利用可能性】
【0443】
本開示に係る食器洗浄機1、食器洗浄機の運転管理システム及び洗剤購入支援システムは、一般住宅の台所だけではなく、公共施設や店舗等の調理場等でも広く利用することができる。
【符号の説明】
【0444】
1 食器洗浄機、2 通信部、6 機器情報保持部、11 消費情報取得部、23 電気機器情報保持部(洗剤情報保持部)、24 ユーザー・施設特定部、28 消費材データベース、31 制御部、31P 制御情報生成部、32 操作部、33 表示部、34 報知部、35 加熱ヒーター、36 洗浄ポンプ、37 送風ファン、38 乾燥ヒーター、41 洗浄機能発揮部、42 報知部、51 水質情報取得部、61 住所情報取得部、71 外部サーバー、72 第1サーバー、72E 制御情報生成部、73 第2サーバー、74 第3サーバー、81 制御情報取得部、100 キッチン家具、200 通信端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図19
図20
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図24
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図26
図27
図28
図29
図30