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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170966
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】稼働管理システム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04313 20160101AFI20241204BHJP
   H01M 8/249 20160101ALI20241204BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
H01M8/04313
H01M8/249
H02J7/00 303E
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087764
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 雄介
【テーマコード(参考)】
5G503
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5G503AA05
5G503BA02
5G503BB01
5G503FA06
5G503GD05
5G503GD06
5H126AA21
5H127AB11
5H127AC07
5H127BA02
5H127BA58
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127DB69
(57)【要約】
【課題】燃料電池モジュールの運転制御に使用されるソフトウェアの更新に伴うランニングコストの増大を抑制する。
【解決手段】複数の燃料電池モジュールFCMは、燃料電池モジュールFCMを識別するための識別情報IDfc、燃料電池モジュールFCMの構成内容を識別するための識別情報IDsp、燃料電池モジュールFCMの運転制御に使用されるソフトウェアのバージョンを識別するための識別情報IDsm、及び燃料電池モジュールFCMの稼働状態を示す稼働データを互いに対応付けて情報処理装置2に送信し、情報処理装置2は、識別情報IDspに対応する解析パターン及び識別情報IDsmに対応するサンプリング周期に基づいて、識別情報IDfcに対応する稼働データを解析する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の燃料電池モジュールと、情報処理装置とを備える稼働管理システムであって、
前記複数の燃料電池モジュールは、前記燃料電池モジュールを識別するための第1識別情報、前記燃料電池モジュールの構成内容を識別するための第2識別情報、前記燃料電池モジュールの運転制御に使用されるソフトウェアのバージョンを識別するための第3識別情報、及び前記燃料電池モジュールの稼働状態を示す稼働データを互いに対応付けて前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、前記第2識別情報に対応する解析パターン及び前記第3識別情報に対応するサンプリング周期に基づいて、前記第1識別情報に対応する前記稼働データを解析する
稼働管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の稼働管理システムであって、
前記情報処理装置は、ユーザの操作により前記第3識別情報に対応するサンプリング周期の追加、削除、または更新を行う
稼働管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の稼働管理システムであって、
前記複数の燃料電池モジュールは、前記サンプリング周期で前記稼働データを取得する
稼働管理システム。
【請求項4】
複数の燃料電池モジュールからそれぞれ送信される、前記燃料電池モジュールを識別するための第1識別情報、前記燃料電池モジュールの構成内容を識別するための第2識別情報、前記燃料電池モジュールの運転制御に使用されるソフトウェアのバージョンを識別するための第3識別情報、及び前記燃料電池モジュールの稼働状態を示す稼働データを受信する通信部と、
前記第2識別情報に対応する解析パターン及び前記第3識別情報に対応するサンプリング周期に基づいて、前記第1識別情報に対応する前記稼働データを解析する解析部と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池モジュールの稼働状態を示す稼働データを解析する情報処理装置及びその情報処理装置を備える稼働管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
稼働管理システムとして、複数の燃料電池モジュールが、それぞれ、任意のサンプリング周期で稼働データを取得し、それら稼働データを情報処理装置に送信するものがある。関連する技術として、例えば、特許文献1がある。
【0003】
また、上記稼働管理システムでは、解析内容が時間に係る解析内容である場合、稼働データのサンプリング周期を考慮して稼働データを解析する必要がある。
【0004】
また、燃料電池モジュールの製品開発が進み、燃料電池モジュールの運転制御に使用されるソフトウェアが更新されることで、燃料電池モジュールのサンプリング周期が変化し、各燃料電池モジュールのサンプリング周期が互いに異なる場合がある。
【0005】
しかしながら、上記稼働管理システムでは、解析内容が時間に係る解析内容である場合において、1つのサンプリング周期しか考慮することができない場合、ソフトウェアが更新されても、各燃料電池モジュールのサンプリング周期を最小のサンプリング周期に合わせる必要があり、燃料電池モジュールから情報処理装置へ送信されるデータ量の増加による、通信料や情報処理装置の記憶領域の増設費などのランニングコストの増大が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-95272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一側面に係る目的は、燃料電池モジュールの運転制御に使用されるソフトウェアの更新に伴うランニングコストの増大を抑制することが可能な稼働管理システム及び情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る一つの形態である稼働管理システムは、複数の燃料電池モジュールと、情報処理装置とを備える稼働管理システムであって、前記複数の燃料電池モジュールは、前記燃料電池モジュールを識別するための第1識別情報、前記燃料電池モジュールの構成内容を識別するための第2識別情報、前記燃料電池モジュールの運転制御に使用されるソフトウェアのバージョンを識別するための第3識別情報、及び前記燃料電池モジュールの稼働状態を示す稼働データを互いに対応付けて前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置は、前記第2識別情報に対応する解析パターン及び前記第3識別情報に対応するサンプリング周期に基づいて、前記第1識別情報に対応する前記稼働データを解析する。
【0009】
これにより、複数の燃料電池モジュールの間でソフトウェアのバージョンに応じて稼働データのサンプリング周期を異ならせても、各燃料電池モジュールのそれぞれのサンプリング周期に基づいて稼働データを解析することができるため、各燃料電池モジュールのそれぞれのサンプリング周期を最小のサンプリング周期に合わせる必要がない。そのため、各燃料電池モジュールの少なくとも1つのサンプリング周期を他のサンプリング周期より長くすることができるため、燃料電池モジュールから情報処理装置へ送信されるデータ量の削減を図ることができ、ソフトウェアの更新に伴うランニングコストの増大を抑制することができる。
【0010】
また、前記情報処理装置は、ユーザの操作により前記第3識別情報に対応するサンプリング周期の追加、削除、または更新を行うように構成してもよい。
【0011】
これにより、ユーザの操作により第3識別情報に対応するサンプリング周期の追加、削除、更新を容易に行うことができる。
【0012】
また、記複数の燃料電池モジュールは、前記サンプリング周期で前記稼働データを取得するように構成してもよい。
【0013】
また、本発明に係る一つの形態である情報処理装置は、複数の燃料電池モジュールからそれぞれ送信される、前記燃料電池モジュールを識別するための第1識別情報、前記燃料電池モジュールの構成内容を識別するための第2識別情報、前記燃料電池モジュールの運転制御に使用されるソフトウェアのバージョンを識別するための第3識別情報、及び前記燃料電池モジュールの稼働状態を示す稼働データを受信する通信部と、前記第2識別情報に対応する解析パターン及び前記第3識別情報に対応するサンプリング周期に基づいて、前記第1識別情報に対応する前記稼働データを解析する解析部とを備える。
【0014】
これにより、複数の燃料電池モジュールの間でソフトウェアのバージョンに応じて稼働データのサンプリング周期を異ならせても、各燃料電池モジュールのそれぞれのサンプリング周期に応じて稼働データを解析することができるため、各燃料電池モジュールのそれぞれのサンプリング周期を最小のサンプリング周期に合わせる必要がなく、燃料電池モジュールから情報処理装置へ送信されるデータ量の削減を図ることができ、ソフトウェアの更新に伴うランニングコストの増大を抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、燃料電池モジュールの運転制御に使用されるソフトウェアの更新に伴うランニングコストの増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態の稼働管理システムの一例を示す図である。
図2】解析部の動作の一例を示すフローチャートである。
図3】記憶部から抽出される稼働データの一例を示す図である。
図4】解析内容と、解析パターンと、識別情報IDspと、識別情報IDsmと、サンプリング周期との対応関係の一例を示す図である。
図5】解析結果の一例を示す図である。
図6】解析結果の一例を示す図である。
図7】実施形態の稼働管理システムの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
【0018】
図1は、実施形態の稼働管理システムの一例を示す図である。
【0019】
図1に示す稼働管理システム1は、複数の燃料電池モジュールFCM(FCM1、FCM2)と、情報処理装置2とを備える。なお、複数の燃料電池モジュールFCMは、それぞれ、基地局B及びインターネットなどのネットワークNを介して情報処理装置2と互いにデータを送受信する。図1に示す燃料電池モジュールFCMの数は、「2」であるが、特に限定されない。
【0020】
燃料電池モジュールFCM1、FCM2は、それぞれ、フォークリフト、トーイングトラクタ、または無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)などの車両Veに搭載され、その車両Veに搭載される負荷Loに電力を供給する。図1に示す負荷Loは、例えば、荷役装置や走行用モータを駆動するインバータなどである。
【0021】
また、燃料電池モジュールFCM1、FCM2は、それぞれ、燃料電池スタックFCSと、補機Auと、記憶部Sfcと、通信部Cfcとを備える。
【0022】
燃料電池スタックFCSは、互いに直列接続される複数の燃料電池セルにより構成され、燃料ガス(水素ガス)に含まれる水素と、酸化剤ガス(空気)に含まれる酸素との電気化学反応により電気を発生させる。
【0023】
補機Auは、燃料電池スタックFCSに供給される燃料ガスの量を調整するためのインジェクタや燃料電池スタックFCSに酸化剤ガスを供給するためのエアコンプレッサなど、燃料電池スタックFCSを発電させるために必要な部品や機器であり、制御部Cntにより動作が制御される。
【0024】
記憶部Sfcは、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などのメモリにより構成される。
【0025】
通信部Cfcは、第4世代移動通信規格や第5世代移動通信規格などの通信規格に対応する携帯電話やスマートフォンなどの既存の通信端末により構成され、制御部Cntから受け取ったデータを無線通信により燃料電池モジュールFCM付近の基地局Bへ送信する。基地局Bは、通信部Cfcから送信されたデータをネットワークNを介して情報処理装置2に送信する。なお、通信部Cfcは既存の通信端末により構成されていなくてもよく、稼働管理システム1のために新たに開発された通信端末により構成されてもよい。また、通信部Cfcは制御部Cntに含まれていてもよい。また、通信部Cfcと制御部Cntとの間の通信プロトコルは、CAN(Controller Area Network)、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)などが想定されるが、特に限定されない。また、通信部Cfcと情報処理装置2との間の通信プロトコルは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)、MQTT(Message Queueing Telemetry Transport)などが想定されるが、特に限定されない。また、通信部Cfcから情報処理装置2へ送信されるデータの形式は、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)、CSV(Comma Separated Values)などが想定されるが、特に限定されない。また、通信部Cfcは、Wifi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などによりデータを情報処理装置2に送信するように構成してもよい。また、通信部Cfcは、有線通信によりデータを情報処理装置2に送信するように構成してもよい。
【0026】
制御部Cntは、CPU(Central Processing Unit)またはプログラマブルなデバイス(FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device))などにより構成される。
【0027】
また、制御部Cntは、燃料電池モジュールFCMの運転制御のためのソフトウェアを記憶部Sfcから読み出し実行することで、そのソフトウェアのバージョンに応じたサンプリング周期毎に燃料電池モジュールFCMの稼働状態を示す稼働データを取得するとともに、その稼働データを用いて燃料電池スタックFCSから出力される電力が目標発電電力と一致するように補機Auの動作を制御する。例えば、稼働データは、センサ値、制御変数、異常情報などとする。センサ値は、例えば、燃料電池スタックFCSに流れる電流を検出するセンサの検出値、燃料電池スタックFCSから出力される電圧を検出するセンサの検出値、燃料電池スタックFCSに流れる酸化剤ガスまたは燃料ガスの流量を検出するセンサの検出値、燃料電池スタックFCSの温度を検出するセンサの検出値などとする。制御変数は、例えば、燃料電池スタックFCSの発電時間や燃料電池スタックFCSの目標発電電力の変動回数などとする。異常情報は、例えば、燃料電池スタックFCSに流れる電流が電流閾値以上になったことを示すフラグや燃料電池スタックFCSの温度が温度閾値以上になったことを示すフラグなどとする。
【0028】
また、制御部Cntは、ソフトウェアのバージョンに応じたサンプリング周期毎に取得した稼働データを記憶部Sfcに記憶させる。
【0029】
また、制御部Cntは、任意の通信周期毎に、記憶部Sfcに記憶させた稼働データを、燃料電池モジュールFCMを識別するための識別情報IDfc(第1識別情報)、燃料電池モジュールFCMの構成内容(型式)を識別するための識別情報IDsp(第2識別情報)、及び制御部Cntで実行されるソフトウェアのバージョンを識別するための識別情報IDsmと対応付けて解析用データとして通信部Cfcにより情報処理装置2へ送信させる。なお、識別情報IDspは、例えば、燃料電池モジュールFCMを構成する部品の配置位置、種類、数などの違いを示す型番とする。また、制御部Cntは、任意の通信周期毎に、解析用データを1つずつ送信してもよいし、複数まとめて送信してもよい。また、通信部Cfcを識別するための識別情報(例えば、シリアル番号や製造番号など)が、対応する燃料電池モジュールFCM毎に異なる場合、制御部Cntは、通信部Cfcの識別情報を上記識別情報IDfcとして稼働データと対応付けて通信部Cfcにより情報処理装置2へ送信させるように構成してもよい。
【0030】
情報処理装置2は、記憶部Sと、通信部Cと、解析部Anとを備える。
【0031】
記憶部Sは、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリにより構成される。
【0032】
通信部Cは、燃料電池モジュールFCM1、FCM2からそれぞれ送信される解析用データを基地局B及びネットワークNを介して受信し、その受信した解析用データを解析部Anに送る。
【0033】
解析部Anは、CPUまたはプログラマブルなデバイスなどにより構成され、通信部Cから送られてくる解析用データを記憶部Sに記憶させる。
【0034】
また、解析部Anは、解析処理の実行タイミングになると、記憶部Sに記憶されている複数の解析パターンのうち、解析対象の燃料電池モジュールFCMに紐づく識別情報IDspに対応する解析パターンを選択する。なお、解析部Anは、ユーザの操作により解析パターンの追加、削除、または更新を行うものとする。
【0035】
また、解析部Anは、解析処理の実行タイミングになると、記憶部Sに記憶されている複数のサンプリング周期のうち、解析対象の燃料電池モジュールFCMに紐づく識別情報IDsmに対応するサンプリング周期を選択する。なお、解析部Anは、ユーザの操作により識別情報IDsmに対応するサンプリング周期の追加、削除、または更新を行うものとする。
【0036】
また、解析部Anは、解析処理の実行タイミングになると、記憶部Sに記憶されている複数の稼働データのうち、解析対象の燃料電池モジュールFCMに紐づく識別情報IDfcに対応する稼働データを抽出する。
【0037】
また、解析部Anは、解析処理の実行タイミングになると、選択した解析パターン及びサンプリング周期に基づいて、抽出した稼働データを解析し、その解析結果を出力する。なお、解析結果は、燃料電池モジュールFCMの異常の兆候をつかむために使用されたり、次世代の燃料電池モジュールFCMの製品開発に使用されたりする。
【0038】
図2は、解析部Anの動作の一例を示すフローチャートである。
【0039】
まず、解析部Anは、解析処理の実行タイミングになると、記憶部Sに記憶されている複数の稼働データのうち、解析対象期間及び解析対象の燃料電池モジュールFCMに紐づく識別情報IDfcに対応する稼働データを抽出する(ステップSt1)。なお、解析対象期間の単位は、例えば、時間単位、日単位、月単位、年単位などが想定されるが、特に限定されない。また、解析処理の実行タイミングは、例えば、解析対象期間が日単位である場合、解析対象期間の次の日の所定時刻とし、解析対象期間より後の任意のタイミングであれば、特に限定されない。
【0040】
次に、解析部Anは、記憶部Sに予め記憶されている複数の解析内容のうち、未選択の解析内容を選択し、その選択した解析内容及び解析対象の燃料電池モジュールFCMに紐づく識別情報IDspに対応する解析パターンを選択する(ステップSt2)。なお、解析内容は、例えば、稼働データの合計値、平均値、最大値、最小値、時間計測、回数計測などとし、特に限定されない。
【0041】
次に、解析部Anは、ステップSt2で選択した解析内容が時間に係る解析内容であると判断すると(ステップSt3:Yes)、ステップSt4に進み、ステップSt2で選択した解析内容が時間に係る解析内容でないと判断すると(ステップSt3:No)、ステップSt6に進む。時間に係る解析内容とは、例えば、高負荷発電時間(燃料電池スタックFCSの出力電力が電力閾値以上であるときの延べ時間)、特定部位のセンサの検出値が閾値以上であるときの延べ時間、燃料電池スタックFCSへの燃料ガスの充填にかかる時間、車両Veの走行期間、荷役装置の動作時間、車両Veのキーオン時間などとする。
【0042】
ステップSt4において、解析部Anは、記憶部Sに記憶されている複数のサンプリング周期のうち、解析対象の燃料電池モジュールFCMに紐づく識別情報IDsmに対応するサンプリング周期を選択する。
【0043】
次に、解析部Anは、ステップSt2で選択した解析パターン及びステップSt4で選択したサンプリング周期に基づいて、ステップSt1で抽出した稼働データを解析し、その解析結果を出力する(ステップSt5)。例えば、解析部Anは、解析結果の出力時、解析結果を記憶部Sに記憶する、または、解析結果を不図示のディスプレイに表示する。
【0044】
一方、ステップSt6において、解析部Anは、ステップSt2で選択した解析パターンに基づいて、ステップS1で抽出した稼働データを解析し、その解析結果を出力する。
【0045】
次に、解析部Anは、解析対象の燃料電池モジュールFCMにおいて未選択の解析内容が存在する場合(ステップSt7:No)、その未選択の解析内容についてステップSt2~St7を再度実行する。
【0046】
次に、解析部Anは、解析対象の燃料電池モジュールFCMにおいて全ての解析内容を選択した後、全ての燃料電池モジュールFCMについて解析が完了していない場合(ステップSt7:Yes、ステップSt8:No)、未解析の燃料電池モジュールFCMについてステップSt1~St8を再度実行する。
【0047】
そして、解析部Anは、全ての燃料電池モジュールFCMについて解析が完了すると(ステップSt8:Yes)、解析処理を終了する。
【0048】
<実施例>
ここで、下記1)~11)を想定する。
1)燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDfcを「1」とする。
2)燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDspを「XXXX」とする。
3)燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDsm「1.00」に対応するサンプリング周期を「2[s]」とする。
4)燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDsm「1.01」に対応するサンプリング周期を「1[s]」とする。
5)燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDfcを「2」とする。
6)燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDspを「YYYY」とする。
7)燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDsm「1.00」に対応するサンプリング周期を「3[s]」とする。
8)燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDsm「1.01」に対応するサンプリング周期を「1[s]」とする。
9)解析対象期間を「2022/9/7」(2022/9/7 0:00:00~23:59:59)とする。
10)記憶部Sに予め記憶されている複数の解析内容を「高負荷発電時間」、「〇〇合計値」、及び「△△平均値」とする。
11)稼働データは、「タイムスタンプ」格納領域、「DataA」格納領域、「DataB」格納領域、「DataC」格納領域、及び「DataD」格納領域の5つの格納領域を有しているものとする。
【0049】
図3(a)は、記憶部Sに記憶されている複数の稼働データのうち、解析対象期間「2022/9/7」及び識別情報IDfc「1」に対応する9つの稼働データを示す図である。すなわち、図3(a)に示す9つの稼働データの「タイムスタンプ」格納領域には「2022/9/7 20:00:03~2022/9/7 20:00:14」が格納され、図3(a)に示す9つの識別情報IDfcにはそれぞれ「1」が格納されている。なお、図3(a)に示す9つの識別情報IDspにはそれぞれ「XXXX」が格納され、図3(a)に示す9つの識別情報IDsmには「1.00」や「1.01」が格納され、図3(a)に示す9つの稼働データの「DataA」格納領域には「100」や「50」などが格納され、図3(a)に示す9つの稼働データの「DataB」格納領域には「1」や「2」などが格納され、図3(a)に示す9つの稼働データの「DataC」格納領域には「1」や「0」が格納され、図3(a)に示す9つの稼働データの「DataD」格納領域には「9.0」や「8.5」などが格納されている。
【0050】
また、図3(b)は、記憶部Sに記憶されている複数の稼働データのうち、解析対象期間「2022/9/7」及び識別情報IDfc「2」に対応する9つの稼働データを示す図である。すなわち、図3(b)に示す9つの稼働データの「タイムスタンプ」格納領域には「2022/9/7 21:30:31」~「2022/9/7 21:30:42」が格納され、図3(b)に示す9つの識別情報IDfcにはそれぞれ「2」が格納されている。なお、図3(b)に示す9つの識別情報IDspにはそれぞれ「YYYY」が格納され、図3(b)に示す9つの識別情報IDsmには「1.00」や「1.01」が格納され、図3(b)に示す9つの稼働データの「DataA」格納領域には「10」や「30」などが格納され、図3(b)に示す9つの稼働データの「DataB」格納領域には「1」や「2」などが格納され、図3(b)に示す9つの稼働データの「DataC」格納領域には「1」や「0」が格納され、図3(b)に示す9つの稼働データの「DataD」格納領域には「9.0」や「8.5」などが格納されている。
【0051】
また、図4は、解析内容と、解析パターンと、識別情報IDspと、識別情報IDsmと、サンプリング周期との対応関係の一例を示す図である。なお、解析部Anは、図4に示す情報を参照して、燃料電池モジュールFCMの運転制御内容または構成内容に応じた適切な解析パターンや燃料電池モジュールFCMのサンプリング周期に応じた適切なサンプリング周期を選択し、その選択した解析パターンやサンプリング周期を用いて、図3(a)または図3(b)に示す稼働データに対して解析を行うものとする。
【0052】
図4に示す例では、解析内容「高負荷発電時間」及び識別情報IDsp「XXXX」に、解析パターンとして「高負荷発電時間/解析パターン1」が対応している。また、識別情報IDsp「XXXX」及び識別情報IDsm「1.00」に、サンプリング周期として「2[s]」が対応し、識別情報IDsp「XXXX」及び識別情報IDsm「1.01」に、サンプリング周期として「1[s]」が対応している。「高負荷発電時間/解析パターン1」は、解析対象を「DataD≧8.0」とし、集計方法を「時間計測」としている。すなわち、「高負荷発電時間/解析パターン1」は、図3(a)または図3(b)に示す9つの稼働データのうちの「DataD≧8.0」という条件を満たす稼働データの数にサンプリング周期を乗算することで得られる時間計測の結果を解析結果とする。
【0053】
また、図4に示す例では、解析内容「高負荷発電時間」及び識別情報IDsp「YYYY」に、解析パターンとして「高負荷発電時間/解析パターン1」が対応している。また、識別情報IDsp「YYYY」及び識別情報IDsm「1.00」に、サンプリング周期として「3[s]」が対応し、識別情報IDsp「YYYY」及び識別情報IDsm「1.01」に、サンプリング周期として「1[s]」が対応している。
【0054】
また、図4に示す例では、解析内容「○○合計値」及び識別情報IDsp「XXXX」に、解析パターンとして「○○合計値/解析パターン1」が対応している。「○○合計値/解析パターン1」は、解析対象を「全て」とし、計算方法を「DataA×DataB÷10」とし、集計方法を「合計」としている。すなわち、「○○合計値/解析パターン1」は、図3(a)または図3(b)に示す9つの稼働データのうちの「全て」の稼働データに対して「DataA×DataB÷10」を計算し、各計算結果の「合計」を解析結果とする。
【0055】
また、図4に示す例では、解析内容「△△平均値」及び識別情報IDsp「XXXX」に、解析パターンとして「△△平均値/解析パターン3」が対応している。「△△平均値/解析パターン3」は、解析対象を「DataCが1に等しい」とし、計算方法を「DataA×DataB÷10」とし、集計方法を「平均」とする。すなわち、「△△平均値/解析パターン3」は、図3(a)または図3(b)に示す9つの稼働データのうちの「DataCが1に等しい」という条件を満たす稼働データに対して「DataA×DataB÷10」を計算し、各計算結果の「平均」を解析結果とする。
【0056】
また、図4に示す例では、解析内容「○○合計値」及び識別情報IDsp「YYYY」に、解析パターンとして「○○合計値/解析パターン3」が対応している。「○○合計値/解析パターン3」は、解析対象を「DataCが1に等しい」とし、計算方法を「DataA×DataB÷10」とし、集計方法を「合計」とする。すなわち、「○○合計値/解析パターン3」は、図3(a)または図3(b)に示す9つの稼働データのうちの「DataCが1に等しい」という条件を満たす稼働データに対して「DataA×DataB÷10」を計算し、各計算結果の「合計」を解析結果とする。
【0057】
また、図4に示す例では、解析内容「△△平均値」及び識別情報IDsp「YYYY」に、解析パターンとして「△△平均値/解析パターン2」が対応している。「△△平均値/解析パターン2」は、解析対象の稼働データの条件を「DataCが0に等しい」とし、計算方法を「DataA×DataB÷10」とし、集計方法を「平均」とする。すなわち、「△△平均値/解析パターン2」は、図3(a)または図3(b)に示す9つの稼働データのうちの「DataCが0に等しい」という条件を満たす稼働データに対して「DataA×DataB÷10」を計算し、各計算結果の「平均」を解析結果とする。
【0058】
また、図5(a)は、解析内容「高負荷発電時間」及び識別情報IDsp「XXXX」に対応する解析結果の一例を示す図であり、図5(b)は、解析内容「○○合計値」及び識別情報IDsp「XXXX」に対応する解析結果の一例を示す図であり、図5(c)は、解析内容「△△平均値」及び識別情報IDsp「XXXX」に対応する解析結果の一例を示す図である。
【0059】
また、図6(a)は、解析内容「高負荷発電時間」及び識別情報IDsp「YYYY」に対応する解析結果の一例を示す図であり、図6(b)は、解析内容「〇〇合計値」及び識別情報IDsp「YYYY」に対応する解析結果の一例を示す図であり、図6(c)は、解析内容「△△平均値」及び識別情報IDsp「YYYY」に対応する解析結果の一例を示す図である。
【0060】
このような場合において、まず、解析部Anは、解析処理の実行タイミングになると、記憶部Sに記憶されている複数の稼働データのうち、解析対象期間「2022/9/7」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDfc「1」に対応する稼働データとして、図3(a)に示す9つの稼働データを抽出する。
【0061】
次に、解析部Anは、図4に示す3つの解析内容のうち、解析内容「高負荷発電時間」を選択し、その選択した解析内容「高負荷発電時間」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDsp「XXXX」に対応する解析パターンとして「高負荷発電時間/解析パターン1」を選択する。
【0062】
次に、解析部Anは、解析内容「高負荷発電時間」が時間に係る解析内容であると判断すると、解析対象の燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDsp「XXXX」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDsm「1.00」に対応するサンプリング周期として「2[s]」を選択するとともに、解析対象の燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDsp「XXXX」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDsm「1.01」に対応するサンプリング周期として「1[s]」を選択する。
【0063】
次に、解析部Anは、「高負荷発電時間/解析パターン1」及び「2[s]、1[s]」に基づいて、図3(a)に示す9つの稼働データに対して解析を行う。すなわち、解析部Anは、図3(a)に示す9つの稼働データのうちの「DataD≧8.0」及び識別情報IDsm「1.00」に対応する稼働データの数「3」にサンプリング周期「2[s]」を乗算した結果「6[s]」と、図3(a)に示す9つの稼働データのうちの「DataD≧8.0」及び識別情報IDsm「1.01」に対応する稼働データの数「2」にサンプリング周期「1[s]」を乗算した結果「2[s]」との合計「8[s]」を、図5(a)に示すように、解析内容「高負荷発電時間」及び識別情報IDsp「XXXX」に対応する解析結果として出力する。
【0064】
次に、解析部Anは、図4に示す3つの解析内容のうち、解析内容「〇〇合計値」を選択し、その選択した解析内容「〇〇合計値」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDsp「XXXX」に対応する解析パターンとして「〇〇合計値/解析パターン1」を選択する。
【0065】
次に、解析部Anは、解析内容「〇〇合計値」が時間に係る解析内容でないと判断すると、「〇〇合計値/解析パターン1」に基づいて、図3(a)に示す9つの稼働データに対して解析を行う。すなわち、解析部Anは、図3(a)に示す9つの稼働データのうちの「全て」の稼働データに対してそれぞれ「DataA×DataB÷10」を計算することで、「10=100×1÷10」、「10=50×2÷10」、「24=80×3÷10」、「8=20×4÷10」、「50=100×5÷10」、「54=90×6÷10」、「28=40×7÷10」、「32=40×8÷10」、「90=100×9÷10」という各計算結果を得た後、それら各計算結果の合計値を求めることで、「306=10+10+24+8+50+54+28+32+90」という集計結果を得て、その集計結果「306」を、図5(b)に示すように、解析内容「〇〇合計値」及び識別情報IDsp「XXXX」に対応する解析結果として出力する。
【0066】
次に、解析部Anは、図4に示す3つの解析内容のうち、解析内容「△△平均値」を選択し、その選択した「△△平均値」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM1に紐づく識別情報IDsp「XXXX」に対応する解析パターンとして「△△平均値/解析パターン3」を選択する。
【0067】
次に、解析部Anは、解析内容「△△平均値」が時間に係る解析内容でないと判断すると、「△△平均値/解析パターン3」に基づいて、図3(a)に示す9つの稼働データに対して解析を行う。すなわち、解析部Anは、図3(a)に示す9つの稼働データのうちの「DataCが1に等しい」という条件を満たす稼働データに対してそれぞれ「DataA×DataB÷10」を計算することで、「10=100×1÷10」、「10=50×2÷10」、「8=20×4÷10」、「50=100×5÷10」、「28=40×7÷10」という各計算結果を得た後、それら各計算結果の平均値を求めることで、「21.2=(10+10+8+50+28)÷5」という集計結果を得て、その集計結果「21.2」を、図5(c)に示すように、解析内容「△△平均値」及び識別情報IDsp「XXXX」に対応する解析結果として出力する。
【0068】
次に、解析部Anは、燃料電池モジュールFCM1において図4に示す3つの解析内容を全て選択したと判断した後、燃料電池モジュールFCM2について解析が完了していないと判断すると、記憶部Sに記憶されている複数の稼働データのうち、解析対象期間「2022/9/7」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDfc「2」に対応する稼働データとして、図3(b)に示す9つの稼働データを抽出する。
【0069】
次に、解析部Anは、図4に示す3つの解析内容のうち、解析内容「高負荷発電時間」を選択し、その選択した解析内容「高負荷発電時間」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDsp「YYYY」に対応する解析パターンとして「高負荷発電時間/解析パターン1」を選択する。
【0070】
次に、解析部Anは、解析内容「高負荷発電時間」が時間に係る解析内容であると判断すると、解析対象の燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDsp「YYYY」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDsm「1.00」に対応するサンプリング周期として「3[s]」を選択するとともに、解析対象の燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDsp「YYYY」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDsm「1.01」に対応するサンプリング周期として「1[s]」を選択する。
【0071】
次に、解析部Anは、「高負荷発電時間/解析パターン1」及び「3[s]、1[s]」に基づいて、図3(b)に示す9つの稼働データに対して解析を行う。すなわち、解析部Anは、図3(b)に示す9つの稼働データのうちの「DataD≧8.0」及び識別情報IDsm「1.00」に対応する稼働データの数「3」にサンプリング周期「3[s]」を乗算した結果「9[s]」と、図3(b)に示す9つの稼働データのうちの「DataD≧8.0」及び識別情報IDsm「1.01」に対応する稼働データの数「5」にサンプリング周期「1[s]」を乗算した結果「5[s]」との合計「14[s]」を、図6(a)に示すように、解析内容「高負荷発電時間」及び識別情報IDsp「YYYY」に対応する解析結果として出力する。
【0072】
次に、解析部Anは、図4に示す3つの解析内容のうち、解析内容「〇〇合計値」を選択し、その選択した「〇〇合計値」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDsp「YYYY」に対応する解析パターンとして「〇〇合計値/解析パターン3」を選択する。
【0073】
次に、解析部Anは、解析内容「〇〇合計値」が時間に係る解析内容でないと判断すると、「〇〇合計値/解析パターン3」に基づいて、図3(b)に示す9つの稼働データに対して解析を行う。すなわち、解析部Anは、図3(b)に示す9つの稼働データのうちの「DataCが1に等しい」という条件を満たす稼働データに対してそれぞれ「DataA×DataB÷10」を計算することで、「1=10×1÷10」、「6=30×2÷10」、「27=90×3÷10」、「25=50×5÷10」、「59.5=85×7÷10」、「60=75×8÷10」という各計算結果を得た後、それら各計算結果の合計値を求めることで、「178.5=1+6+27+25+59.5+60」という集計結果を得て、その集計結果「178.5」を、図6(b)に示すように、解析内容「〇〇合計値」及び識別情報IDsp「YYYY」に対応する解析結果として出力する。
【0074】
次に、解析部Anは、図4に示す3つの解析内容のうち、解析内容「△△平均値」を選択し、その選択した解析内容「△△平均値」及び解析対象の燃料電池モジュールFCM2に紐づく識別情報IDsp「YYYY」に対応する解析パターンとして「△△平均値/解析パターン2」を選択する。
【0075】
次に、解析部Anは、解析内容「△△平均値」が時間に係る解析内容でないと判断すると、「△△平均値/解析パターン2」に基づいて、図3(b)に示す9つの稼働データに対して解析を行う。すなわち、解析部Anは、図3(b)に示す9つの稼働データのうちの「DataCが0に等しい」という条件を満たす稼働データに対してそれぞれ「DataA×DataB÷10」を計算することで、「40=100×4÷10」、「60=100×6÷10」、「90=100×9÷10」という各計算結果を得た後、それら各計算結果の平均値を求めることで、「63.3≒(40+60+90)÷3」という集計結果を得て、その集計結果「63.3」を、図6(c)に示すように、解析内容「△△平均値」及び識別情報IDsp「YYYY」に対応する解析結果として出力する。
【0076】
そして、解析部Anは、燃料電池モジュールFCM2において図4に示す全ての解析内容を選択したと判断し、かつ、全ての燃料電池モジュールFCM1、FCM2について解析が完了したと判断すると、解析対象期間「2022/9/7」に対応する解析処理を終了する。
【0077】
このように、実施形態の稼働管理システム1では、識別情報IDfc、識別情報IDsp、識別情報IDsm、及び稼働データが互いに対応付けられて燃料電池モジュールFCMから情報処理装置2に送信され、情報処理装置2が、識別情報IDspに対応する解析パターン及び識別情報IDsmに対応するサンプリング周期に基づいて、識別情報IDfcに対応する稼働データを解析する構成である。
【0078】
これにより、燃料電池モジュールFCM1、FCM2の間でソフトウェアのバージョンに応じて稼働データのサンプリング周期を異ならせても、燃料電池モジュールFCM1、FCM2のそれぞれのサンプリング周期に応じて稼働データを解析することができるため、燃料電池モジュールFCM1、FCM2のそれぞれのサンプリング周期を最小のサンプリング周期に合わせる必要がない。そのため、燃料電池モジュールFCM1、FCM2のそれぞれのサンプリング周期の一方を他方より長くすることができるため、燃料電池モジュールFCM1、FCM2から情報処理装置2へ送信されるデータ量の削減を図ることができ、ソフトウェアの更新に伴うランニングコストの増大を抑制することができる。
【0079】
また、実施形態の稼働管理システム1は、情報処理装置2において、ユーザの操作により識別情報IDSMに対応するサンプリング周期(図4に示すサンプリング周期)の追加、削除、または更新が行われる構成である。
【0080】
これにより、ユーザの操作によりサンプリング周期の追加、削除、または更新を容易に行うことができる。
【0081】
また、実施形態の稼働管理システム1では、識別情報IDfc、識別情報IDsp、及び稼働データが互いに対応付けられて燃料電池モジュールFCMから情報処理装置2に送信され、情報処理装置2が、識別情報IDspに対応する解析パターンに基づいて、識別情報IDfcに対応する稼働データを解析する構成である。
【0082】
これにより、燃料電池モジュールFCM毎に運転制御内容または構成内容が異なっていても、解析対象の燃料電池モジュールFCMの運転制御内容または構成内容に応じた適切な解析パターンにより、解析対象の燃料電池モジュールFCMに対応する稼働データを解析することができる。
【0083】
また、実施形態の稼働管理システム1は、情報処理装置2において、ユーザの操作により解析パターン(図4に示す解析パターン)の追加、削除、または更新が行われる構成である。
【0084】
これにより、ユーザの操作により解析パターンの追加、削除、または更新を容易に行うことができる。
【0085】
また、実施形態の稼働管理システム1は、情報処理装置2において、解析対象期間に対応する稼働データを解析する構成である。
【0086】
これにより、例えば、燃料電池モジュールFCM1、FCM2においてそれぞれ1日で収集された稼働データに対して解析を行うことができる。
【0087】
また、実施形態の燃料電池モジュールFCMは、既存の通信端末を用いて稼働データを情報処理装置2に送信する構成である。
【0088】
これにより、通信端末を新たに開発したり、その開発した通信端末とデータを送受信するための基地局を新たに設けたりする必要がないため、稼働管理システム1を構築するためのコストの増大を抑制することができる。
【0089】
なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【0090】
例えば、図7に示す稼働管理システム1の変形例のように、燃料電池モジュールFCM1、FCM2が、それぞれ、工業用定置式発電機、家庭用定置式発電機、または非常用定置式発電機などの定置式発電機に備えられていてもよい。なお、図7に示す負荷Loは、例えば、産業機械や家電製品などとする。
【符号の説明】
【0091】
1 稼働管理システム
2 情報処理装置
FCM1、FCM2 燃料電池モジュール
B 基地局
N ネットワーク
FCS 燃料電池スタック
Au 補機
Sfc 記憶部
Cfc 通信部
Cnt 制御部
C 通信部
S 記憶部
An 解析部
Lo 負荷
Ve 車両
Ge 定置式発電機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7