(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170970
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】油圧ユニット
(51)【国際特許分類】
F04B 49/06 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
F04B49/06 321A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087770
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】高崎 博
【テーマコード(参考)】
3H145
【Fターム(参考)】
3H145AA04
3H145AA12
3H145AA24
3H145AA33
3H145AA42
3H145BA12
3H145BA33
3H145CA03
3H145CA09
3H145DA05
3H145DA49
3H145EA13
3H145EA17
3H145GA02
3H145GA04
(57)【要約】
【課題】油圧ユニットの消費電力を抑制する。
【解決手段】油圧ユニット1は、モータ3と、油圧を吐出する可変容量型の油圧ポンプ2であり、吐出圧力が所定値以上となった場合に、吐出圧力を利用して吐出流量を減少させる油圧ポンプ2と、モータ3に流れる電流の値を検出する電流センサ5と、吐出流量が最大の場合の電流の値を上限、吐出圧力がフルカットオフ圧力である場合の電流の値を下限とした範囲内で第一閾値が設定されており、電流の値が第一閾値より低くなった場合、モータ3の回転数を低下させるコントローラ6とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータにより回転駆動されて油圧を吐出する可変容量型の油圧ポンプであり、吐出圧力が所定値以上となった場合に、前記吐出圧力を利用して吐出流量を減少させる油圧ポンプと、
前記油圧ポンプを前記回転駆動している状態において前記モータに流れる電流の値を検出する電流センサと、
前記吐出流量が最大の場合の前記電流の値を上限、前記吐出圧力がフルカットオフ圧力である場合の前記電流の値を下限とした範囲内で第一閾値が設定されており、前記電流の値が前記第一閾値より低くなった場合、前記油圧ポンプを前記回転駆動している状態から前記モータの回転数を低下させるコントローラと、
を備える油圧ユニット。
【請求項2】
前記コントローラは、前記回転数を所定の変化率で低下させる請求項1に記載の油圧ユニット。
【請求項3】
前記コントローラは、前記回転数を前記油圧ポンプの定格の下限まで低下させる請求項1又は2に記載の油圧ユニット。
【請求項4】
前記コントローラは、前記回転数を低下させた後に、前記電流の値が前記範囲内で設定された第二閾値より高くなった場合に、前記回転数を増加させる請求項1又は2に記載の油圧ユニット。
【請求項5】
前記範囲内において、前記第一閾値は、前記第二閾値よりも大きい請求項4に記載の油圧ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータ等を作動させるために、油圧ユニットが用いられる。油圧ユニットでは、油圧ポンプで作動油を昇圧してアクチュエータ等へ供給する。
【0003】
例えば、固定容量型油圧ポンプを用いるものでは、モータの回転数を制御して油圧ポンプの出力を調整している。例えば特許文献1においては、可変容量型油圧ポンプを用いて油圧ポンプの出力を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来方法における油圧ポンプを有する油圧ユニットの制御では、大きな消費電力を要する傾向にある。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、消費電力を抑制することができる油圧ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る油圧ユニットは、モータと、前記モータにより回転駆動されて油圧を吐出する可変容量型の油圧ポンプであり、吐出圧力が所定値以上となった場合に、前記吐出圧力を利用して吐出流量を減少させる油圧ポンプと、前記油圧ポンプを前記回転駆動している状態において前記モータに流れる電流の値を検出する電流センサと、前記吐出流量が最大の場合の前記電流の値を上限、前記吐出圧力がフルカットオフ圧力である場合の前記電流の値を下限とした範囲内で第一閾値が設定されており、前記電流の値が前記第一閾値より低くなった場合、前記油圧ポンプを前記回転駆動している状態から前記モータの回転数を低下させるコントローラと、を備える。
【0008】
また、前記コントローラは、前記回転数を所定の変化率で低下させる。
【0009】
また、前記コントローラは、前記回転数を前記油圧ポンプの定格の下限まで低下させる。
【0010】
また、前記コントローラは、前記回転数を低下させた後に、前記電流の値が前記範囲内で設定された第二閾値より高くなった場合に、前記回転数を増加させる。
【0011】
また、前記範囲内において、前記第一閾値は、前記第二閾値よりも大きい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る油圧ユニットによれば、消費電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る油圧ユニットの構成の一例を示す図である。
【
図2】油圧ポンプの吐出圧力に対する吐出流量及び負荷電流の特性を示す図である。
【
図3】
図2の特性において第一閾値と第二閾値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては極力同一の符号を付して、重複する説明は適宜省略する。
【0015】
===実施形態===
≪油圧ユニットの構成≫
図1は、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と記載)に係る油圧ユニット1の構成の一例を示す概略図である。
図1に示すように、油圧ユニット1は、油圧ポンプ2と、モータ3と、インバータ4と、電流センサ5と、コントローラ6とを主に備えている。例えば、インバータ4とコントローラ6は制御パネル7等に格納されている。本実施形態では、油圧ユニット1による油圧の供給先をアクチュエータとして説明するが、油圧が供給される対象装置としてはアクチュエータに限定されない。
【0016】
油圧ポンプ2は、可変容量型の油圧ポンプ2である。容量可変型とは、容量が可変な機構を有する油圧ポンプ2であり、例えば、可変容量ピストンポンプや、可変容量ベーンポンプ等である。具体的には、本実施形態では、油圧ポンプ2は、斜板式可変容量ピストンポンプを一例として説明する。
【0017】
油圧ポンプ2は、モータ3により駆動してオイルタンク8から作動油を吸い込み、昇圧して、油圧を吐出してアクチュエータ側に供給する。アクチュエータでは、供給された油圧によって負荷に対して所望の動作を行う。
【0018】
油圧ポンプ2は、調整機構9が設けられている。すなわち、油圧ポンプ2が、調整機構9の機能を有している。調整機構9とは、油圧ポンプ2の吐出圧力が所定値以上となった場合に、吐出圧力を利用して吐出流量を減少させる機械的な圧力調整機構である。所定値とはカットオフ開始圧力である。すなわち調整機構9ではカットオフ制御を行っている。例えば、斜板式可変容量型ピストンポンプでは、吐出圧力がバネ10で付勢された圧力調節ネジ11で設定された圧力、すなわちカットオフ開始圧力に達すると、吐出力(油圧の力)に基づいて吐出量可変要素である斜板の位置が機械的に制御される。そして、吐出圧力と吐出流量が機械的に制御される。なお、油圧ポンプ2が可変容量ベーンポンプである場合には、吐出量可変要素はカムリングである。
【0019】
すなわち、調整機構9では、作動油が昇圧されてカットオフ開始圧力に達すると、吐出量可変要素が吐出力によって位置が機械的に制御され、ポンプ押しのけ容量を減少させ、吐出流量を減少させつつ、吐出圧力を調整する。このように、油圧ポンプ2に調整機構9が設けられていることで、カットオフ開始圧力以上の領域では、調整機構9の機械的な動作により、吐出流量は減少する。そして、吐出圧力がフルカットオフ圧力で吐出流量が零となる。
【0020】
モータ3は、可変速モータであり、油圧ポンプ2を回転駆動する。モータ3は、インバータ4により回転数(周波数)が制御される。
【0021】
インバータ4は、モータ3を回転駆動する。モータ3はインバータ4の出力周波数に基づいて回転し、これに連動して油圧ポンプ2が回転する。
【0022】
電流センサ5は、負荷電流としてモータ3に流れる電流の値(電流値)を検出する。具体的には、電流センサ5は、モータ3が油圧ポンプ2を回転駆動している状態において、インバータ4からモータ3へ流れる電流を負荷電流として検出している。検出した負荷電流の電流値は、コントローラ6へ出力される。
【0023】
コントローラ6は、インバータ4を制御する。具体的には、コントローラ6は、インバータ4へ回転数指令を出力し、これによりモータ3及び油圧ポンプ2を制御している。
【0024】
特に、コントローラ6は、カットオフ開始圧力以上の領域において、電流センサ5で検出した電流値に基づくモータ3の回転数制御を行う。具体的には、電流センサ5で検出した電流値を参照して、電流値が閾値より低くなった場合に、モータ3の回転数を低下させる制御を実行する。この閾値は、第一閾値ともいう。
【0025】
図2を用いて、コントローラ6による制御の詳細を説明する。
図2は、油圧ポンプ2の圧力変化に対する負荷電流の特性を示す図である。
図2では、横軸を吐出圧力、縦軸を吐出流量及び負荷電流としている。
図2において、吐出流量の特性をL1として示し、負荷電流の電流値の特性をL2として示している。また、カットオフ開始圧力をP1とし、フルカットオフ圧力をP2として示している。すなわち、P1は油圧ポンプ2が備える調整機構9の作動点となる。なお、
図2の流量特性と負荷電流特性は、回転数が一定(最大)の場合の特性を示している。
【0026】
L1として示すように、吐出流量は、吐出圧力が低い領域においては、吐出圧力の増加と共に、徐々に減少する。そして、吐出圧力がカットオフ開始圧力であるP1に達すると、調整機構9が作動して、P1以上の領域においては、吐出流量が減少していく。そして、吐出流量が零となり、フルカットオフ圧力に至る。
【0027】
吐出流量に対応して、負荷電流も変動する。具体的には、P1としてのカットオフ開始圧力未満の領域においては、吐出圧力の増加と共に負荷電流も増加する。そして、吐出圧力がカットオフ開始圧力であるP1に達すると、調整機構9が動作して、負荷電流が減少していく。
【0028】
すなわち、吐出圧力がカットオフ開始圧力以上となり調整機構9が動作すると、吐出流量と負荷電流の両方が減少する。特に、P2として示すフルカットオフ圧力においては、負荷電流は、ILまで低下することとなる。コントローラ6では、この特性を利用して、負荷電流の電流値に基づいて、吐出圧力がフルカットオフ圧力に近いことを検知する。
【0029】
ここで、L2として示す負荷電流の特性において、IHとILで示す範囲がフルカットオフ圧力に近いこととなる。このため、IHとILの間を所定範囲Rとする。なお、所定範囲Rでは、IHとILの値を含む。所定範囲Rは、フルカットオフ圧力に達する直前の圧力状態に対応する負荷電流の値と言える。
【0030】
このため、この所定範囲Rの中で、閾値A1を設定する。閾値A1は、前述の第一閾値である。すなわち、コントローラ6では、電流センサ5で検出した負荷電流の電流値が閾値A1より低くなった場合に、モータ3の回転数を低下させる制御を実行する。閾値A1より低くなった場合とは、閾値A1より大きかった負荷電流が、閾値A1以下となった場合や、閾値A1未満となった場合である。例えば、コントローラ6は、所定の低速用回転数まで、回転数を低下させる。低速用回転数は、例えば、油圧ポンプ2の定格の下限の回転数である。一例としては、油圧ポンプ2が定格の上限の回転数で運転されている場合には、油圧ポンプ2の定格の下限の回転数へ回転数を低下させる。油圧ポンプ2の定格の上限の回転数(周波数)は、例えば60Hzである。
【0031】
所定範囲Rの上限であるIHは、吐出流量が最大の場合の負荷電流の電流値である。すなわち、IHは、油圧ポンプ2による油圧の供給先の対象装置としてのアクチュエータが無負荷状態であり、油圧ポンプ2の吐出流量が最大のときの負荷電流の電流値となる。無負荷状態のため、吐出流量は最大となる。換言すると、IHは、カットオフ開始圧力未満の領域において、負荷電流が最小となる値とも言える。なお、負荷電流はカットオフ開始圧力で最大となる。
【0032】
所定範囲Rの下限であるILは、吐出圧力がフルカットオフ圧力である場合の負荷電流の電流値である。すなわち、ILは、吐出流量が零であり、油圧ポンプ2の吐出圧力が設定圧力に達してフルカットオフ状態である場合の負荷電流の電流値となる。換言すると、ILは、カットオフ開始圧力以上の領域において、負荷電流が最小となる値とも言える。
【0033】
このように、所定範囲Rの上限及び下限を設定してこの範囲内で閾値を設定することで、フルカットオフ圧力の近くまで吐出圧力が低下したことを検知することができる。そして、検知した場合には、回転数を低下させることで、消費電力を抑制することが可能となる。なお、吐出圧力を直接センサで検出する場合と比較して、圧力センサを不要とすることも可能であり、システムの簡略化を図ることも可能である。
【0034】
図3は、
図2の所定範囲Rの周りを拡大した図である。
図3に示すように、所定範囲R内で第二閾値として閾値A2を設定してもよい。すなわち、コントローラ6では、上記の回転数を低下させる処理を行った後に、電流センサ5で検出した負荷電流の電流値が閾値A2より高くなった場合に、モータ3の回転数を増加させる制御を実行することとしてもよい。閾値A2より高くなった場合とは、閾値A2より小さかった負荷電流が、閾値A2以上となった場合や、閾値A2より大きくなった場合である。例えば、コントローラ6は、所定の増加用回転数まで、回転数を増加させる。増加用回転数は、例えば、油圧ポンプ2の定格の上限の回転数である。例えば、回転数を増加させる処理を行うと、回転数を低下させる処理を行う前の回転数へ戻る。
【0035】
なお、所定範囲R内において、第一閾値である閾値A1は、第二閾値である閾値A2よりも大きいことが好ましい。特に、所定範囲R内において、所定範囲Rの中間よりも上限側に閾値A1が設定され、中間よりも下限側に閾値A2が設定されることが好ましい。このように閾値設定をするとシステムが安定化し易くなる。なお、閾値A1と閾値A2を等しく設定してもよいし、閾値A1は閾値A2よりも小さいこととしてもよい。
【0036】
図4は、油圧ユニット1の動作の一例を示す図である。
図4では、横軸を時間として、縦軸を、吐出圧力、吐出流量、負荷電流、回転数(周波数)のそれぞれとしている。
【0037】
T1から立ち上がりが開始し、インバータ4により回転数が増加される。これにより、吐出圧力、吐出流量、負荷電流は増加し、吐出圧力は作動圧であるフルフロー圧力へ上昇する。そしてT2ではR1として示す所定の回転数(60Hz)として一定とし、吐出圧力はフルフロー圧力、負荷電流はフルフロー流量となる。ここで、動作状況により、T3でカットオフ開始圧力となり、調整機構9が動作し、吐出流量が減少する。
【0038】
調整機構9が動作した後、負荷電流も減少していき、T4で閾値A1より低くなる。コントローラ6では電流センサ5により負荷電流を監視しており、T4で負荷電流が閾値A1より低くなったことを検知する。すなわち、吐出圧力が増加してフルカットオフ圧力に近づいていることを検知する。これに伴って、回転数を低下させる制御を実行する。このため、T4以降では、回転数が減少する。この回転数の低下は、所定の変化率で低下させる。すなわち、T4からT5の時間(T5-T4)をかけて、回転数を低速用回転数であるR2へ低下させる。T5で回転数がR2に達すると、回転数は維持される。
【0039】
ここで、運転状況により、T6において負荷電流が閾値A2より高くなったとする。運転状況により吐出圧力が低下してこれに伴って負荷電流が増加する。コントローラ6は負荷電流が閾値A2より高くなったことを検知して、回転数を増加させる処理を行う。これにより、T6以降は、回転数が所定の変化率で増加する。すなわち、T6からT7の時間(T7-T6)をかけて、回転数を増加用回転数として例えば60Hzへ増加させる。T4からT5のように回転数を低下させる場合の変化率は、T6からT7のように回転数を増加させる場合の変化率よりも小さいこととしてもよい。すなわち、回転数を低下させる場合の方が回転数の変化がなだらかとなる。
【0040】
≪作用効果≫
以上、本実施形態において、油圧ユニット1は、モータ3と、モータ3により回転駆動されて油圧を吐出する可変容量型の油圧ポンプ2であり、吐出圧力が所定値以上となった場合に、吐出圧力を利用して吐出流量を減少させる油圧ポンプ2と、油圧ポンプ2を回転駆動している状態においてモータ3に流れる電流の値を検出する電流センサ5と、吐出流量が最大の場合の電流の値を上限、吐出圧力がフルカットオフ圧力である場合の電流の値を下限とした所定範囲R内で第一閾値である閾値A1が設定されており、電流の値が閾値A1より低くなった場合、油圧ポンプ2を回転駆動している状態からモータ3の回転数を低下させるコントローラ6と、を備える。
【0041】
この構成によれば、モータ3に流れる電流が閾値A1より低くなった場合にモータ3の回転数を低下させることで、電流により吐出圧力がフルカットオフ圧力に近づいていることを検知して回転数を低下させる。このため、フルカットオフ圧力の付近で余分に回転数が高い状態を回避することができ、消費電力を抑制することができる。特に、所定範囲Rは、吐出流量が最大の場合の電流の値を上限、吐出圧力がフルカットオフ圧力である場合の電流の値を下限とすることで、吐出圧力がフルカットオフ圧力に近いことを検出することができる。
【0042】
また、本実施形態では、コントローラ6は、回転数を所定の変化率で低下させる。
【0043】
この構成によれば、所定の変化率で回転数を低下させることで、安定性を保ちつつ回転率変更をすることができる。
【0044】
また、本実施形態では、コントローラ6は、回転数を油圧ポンプ2の定格の下限まで低下させる。
【0045】
この構成によれば、油圧ポンプ2の定格の下限まで低下させることで、消費電力の抑制効果を高めることができる。
【0046】
また、本実施形態では、コントローラ6は、回転数を低下させた後に、電流の値が所定範囲R内で設定された第二閾値である閾値A2より高くなった場合に、回転数を増加させる。
【0047】
この構成によれば、回転数を低下した後に吐出圧力の低下を検知し、再度油圧ポンプの2出力を増加させてアクチュエータへ油圧を供給することができる。
【0048】
また、本実施形態では、所定範囲R内において、第一閾値である閾値A1は、第二閾値である閾値A2よりも大きい。
【0049】
この構成によれば、油圧ポンプ2の動作安定性を向上させることができる。
【0050】
===変形例===
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、上述した具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び下記変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0051】
上記実施形態では、油圧ポンプ2として斜板式可変容量ピストンポンプを一例として説明したが、調整機構9を有している油圧ポンプであれば、斜板式可変容量ピストンポンプに限定されない。
【符号の説明】
【0052】
1:油圧ユニット、2:油圧ポンプ、3:モータ、5:電流センサ、6:コントローラ、9:調整機構、A1:閾値(第一閾値)、IH:上限、IL:下限、R:所定範囲、P1:所定値(カットオフ開始圧力)、P2:フルカットオフ圧力