IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 冨士電線株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-収容箱および収容ケーブル 図1
  • 特開-収容箱および収容ケーブル 図2
  • 特開-収容箱および収容ケーブル 図3
  • 特開-収容箱および収容ケーブル 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170976
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】収容箱および収容ケーブル
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/02 20060101AFI20241204BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
B65D85/02
B65D5/42 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087779
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000238049
【氏名又は名称】冨士電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小田 晴大
(72)【発明者】
【氏名】河田 正義
(72)【発明者】
【氏名】湯舟 裕史
(72)【発明者】
【氏名】草ヶ谷 喬介
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】小川 宏
【テーマコード(参考)】
3E060
3E068
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC02
3E060CC18
3E060CC52
3E060DA04
3E060EA08
3E060EA16
3E068AA40
3E068AB09
3E068AC02
3E068BB07
3E068CC04
3E068CE02
3E068CE03
3E068DD04
3E068DE05
3E068EE01
3E068EE31
3E068EE32
(57)【要約】
【課題】ケーブル残量が少なくなった場合でも、ケーブルの移動を抑制できる収容箱を提供すること。
【解決手段】収容箱は、開口を有する箱本体と、箱本体に接続され、箱本体の開口の少なくとも一部を塞ぐように開閉可能に構成された内フラップと、箱本体に接続され、内フラップを覆うとともに、開口を塞ぐように開閉可能に構成された外フラップと、を有する。内フラップは、ケーブルの一方の端部を固定するための1個または2個以上の固定部を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを収容するための収容箱であって
開口を有する箱本体と、
前記箱本体に接続され、前記箱本体の開口の少なくとも一部を塞ぐように開閉可能に構成された内フラップと、
前記箱本体に接続され、前記内フラップを覆うとともに、前記開口を塞ぐように開閉可能に構成された外フラップと、
を有し、
前記内フラップは、前記ケーブルの一方の端部を固定するための1個または2個以上の固定部を有する、
収容箱。
【請求項2】
請求項1に記載の収容箱において、
前記固定部は、切り欠きまたは貫通孔であることを特徴とする収容箱。
【請求項3】
請求項1に記載の収容箱において、
前記開口は、矩形であり、
前記開口の4つの角には、それぞれ前記固定部が配置されていることを特徴とする収容箱。
【請求項4】
請求項1に記載の収容箱において、
前記内フラップは、前記固定部を囲うように配置されたマークをさらに有することを特徴とする収容箱。
【請求項5】
請求項1に記載の収容箱において、
前記ケーブルの他方の端部を引き出すための引出部をさらに有することを特徴とする収容箱。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の収容箱と、
前記収容箱の内部に収容されたケーブルと、
を有し、
前記ケーブルの一方の端部は、前記固定部に固定されている、
収容ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容箱および収容ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ケーブルなど長尺部材は、コイル状に巻回した状態で梱包箱に収容され、保管および搬送される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、コイル状に巻回したケーブルを収容するためのケーブル梱包箱が記載されている。特許文献1に記載のケーブル梱包箱は、箱本体と、上蓋とを有する。箱本体の前面には、ケーブルを引き出すための前穴が配置されている。上蓋は、その背面で箱本体に接続されており、その前面には箱本体に収容される突起が配置されている。特許文献1に記載のケーブル梱包箱では、前穴からケーブルの一方の端部を引き出すことで、適宜ケーブルを使用する。このとき、ケーブルの他方の端部は、固定されていない状態でケーブル梱包箱に収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-055626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のケーブル梱包箱に梱包されたケーブルは、その他方の端部が固定されていないため、残量が少なくなると残りのケーブル全体が移動し、ケーブルの外被が傷ついたり、ケーブルが絡まったりすることがあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ケーブル残量が少なくなった場合でも、ケーブルの移動を抑制できる収容箱および収容ケーブルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
ケーブルを収容するための収容箱であって
開口を有する箱本体と、
前記箱本体に接続され、前記箱本体の開口の少なくとも一部を塞ぐように開閉可能に構成された内フラップと、
前記箱本体に接続され、前記内フラップを覆うとともに、前記開口を塞ぐように開閉可能に構成された外フラップと、
を有し、
前記内フラップは、前記ケーブルの一方の端部を固定するための1個または2個以上の固定部を有する、
収容箱が提供される。
【0008】
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
本実施の形態の収容箱と、
前記収容箱の内部に収容されたケーブルと、
を有し、
前記ケーブルの一方の端部は、前記固定部に固定されている、
収容ケーブルが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の収容箱によれば、ケーブル残量が少なくなった場合でもケーブルの移動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1の収容ケーブルの斜視図である。
図2図2A、Bは、実施の形態1の収容ケーブルの構成を示す図である。
図3図3A、Bは、ケーブルの端部の固定方法を説明するための斜視図である。
図4図4A、Bは、実施の形態2におけるケーブルの端部の固定方法を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態に係る収容ケーブルについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[実施の形態1]
(収容ケーブルの構成)
図1は、本発明の一実施の形態に係る収容ケーブル10の斜視図である。図2Aは、外フラップ33を開いた状態の収容ケーブル10の平面図であり、図2Bは、正面図である。図3Aは、ケーブル20の固定方法を説明するための斜視図であり、図3Bは、ケーブル20の他の固定方法を説明するための斜視図である。また、以下の説明では、引出部37が配置された側を正面側とし、箱本体31側を下側とし、内フラップ32(外フラップ33)側を上側として説明する。
【0013】
図1および図2A、Bに示されるように、収容ケーブル10は、ケーブル20と、収容箱30とを有する。収容箱30は、箱本体31と、内フラップ32と、外フラップ33とを有する。収容箱30は、紙製の段ボールやプラスチック製の段ボールなどにより一体成形されており、適宜折り曲げることにより箱となるように構成されている。収容箱30は、保管、搬送などのために、その内部にケーブル20が収容されるとともに、ケーブル20の使用時には、ケースとして機能する。
【0014】
ケーブル20は、収容箱30に収容される長尺部材である。ケーブル20の種類は、特に限定されない。ケーブル20は、例えば、金属線と、金属線を覆う絶縁層とを有する。ケーブル20は、渦巻状に巻かれた状態で収容されていてもよいし、8字巻された状態で収容されていてもよい。本実施の形態では、ケーブル20は、8字巻された状態で収容されている。
【0015】
箱本体31は、上部に開口を有し、その内部にケーブル20が収容される。箱本体31の形状は、その内部にケーブル20を収容できれば、特に限定されない。箱本体31の平面視形状(底板34の形状)は、多角形であることが好ましい。本実施の形態では、箱本体31の平面視形状は、矩形(長方形)である。すなわち、本実施の形態では、箱本体31は、1つの底板34と、2つの第1側面35と、2つの第2側面36とを有する。底板34の4つの辺には、2つの第1側面35と、2つの第2側面36とがそれぞれ対向するように接続されている。
【0016】
第1側面35の高さと、第2側面36の高さとは、同じである。第1側面35の幅と、第2側面36の幅とは、同じでもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態では、第1側面35の幅と、第2側面36の幅とは、同じである。
【0017】
2つの第1側面35は、互いに対向するように底板34に接続されている。2つの第1側面35は、正面側および背面側に配置されていてもよいし、右面側および左面側に配置されていてもよい。本実施の形態では、2つの第1側面35は、正面側および背面側に配置されている。第1側面35には、箱本体31の内部に収容されたケーブル20を引き出すための引出部37が配置されている。
【0018】
引出部37は、ケーブル20の搬送時には、塞がれていてもよい。例えば、引出部37は、ケーブル20の使用前には円形のミシン目として形成されていてもよい。この場合、ケーブル20の使用時には、ミシン目に囲まれた部分を切り離して引出部37を開口させ、箱本体31の内部から引出部37を介してケーブル20を取り出せるようにする。引出部37となる貫通孔の大きさは、巻回されたケーブル20の外径よりも小さいことが好ましい。これにより、引出部37を開口させた状態で収容箱30を逆さまにしても、ケーブル20が収容箱30の外に落ちにくくなる。引出部37の位置は、ケーブル20を引き出すことができれば特に限定されない。引出部37は、第1側面35の中央に配置されていてもよいし、第1側面35の外周部に配置されていてもよい。引出部37は、正面側の第1側面35に配置されていてもよいし、背面側の第1側面35に配置されていてもよい。本実施の形態では、引出部37は、正面側の第1側面35の中央に配置されている。
【0019】
2つの第2側面36は、互いに対向するように配置されている。2つの第2側面36は、正面側および背面側に配置されていてもよいし、右側面側および左側面側に配置されていてもよい。本実施の形態では、2つの第2側面36は、右側面側および左側面側に配置されていている。
【0020】
内フラップ32は、箱本体31に接続され、箱本体31の開口の少なくとも一部を塞ぐように開閉可能に構成されている。内フラップ32は、箱本体31の開口の一部を塞ぐように構成されていてもよいし、箱本体31の開口の全部を塞ぐように構成されていてもよい。本実施の形態では、内フラップ32は、箱本体31の開口の一部を塞ぐように構成されていている。内フラップ32の数は、特に限定されない。内フラップ32の数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。本実施の形態では、内フラップ32の数は、2つである。内フラップ32は、第1側面35に接続されていてもよいし、第2側面36に接続されていてもよい。本実施の形態では、2つの内フラップ32は、第1側面35にそれぞれ接続されている。内フラップ32は、固定部38を有する。
【0021】
固定部38は、ケーブル20の端部を固定するための部分である。固定部38の構成は、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。固定部38は、切り欠き(図3A参照)でもよいし、貫通孔(図3B参照)でもよい。本実施の形態では、固定部38は、切り欠きである。固定部38は、ケーブル20の端部を折り曲げて引っ掛ける。固定部38の数は、限定されない。固定部38の数は、1個でもよいし、2個以上でもよい。本実施の形態では、固定部38は、4個である。本実施の形態では、収容箱30には、1本のケーブル20が収容されるため、4個の固定部38のうち、いずれか1個の固定部38を使用する。使用する固定部38は、収容されるケーブル20の一方の端部から一番近い固定部38である。固定部38の位置は、特に限定されない。本実施の形態では、固定部(切り欠き)38は、箱本体31の開口の4つの角にそれぞれ配置されている。ここで「4つの角」とは、開口の四隅と、四隅の近傍の領域とを含む。
【0022】
外フラップ33は、箱本体31に接続され、内フラップ32を覆うとともに、開口を塞ぐように開閉可能に構成されている。外フラップ33の数は、特に限定されない。外フラップ33の数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。本実施の形態では、外フラップ33の数は、2つである。外フラップ33は、内フラップ32が接続されていない第1側面35または第2側面36に接続されている。本実施の形態では、内フラップ32が第1側面に接続されているため、2つの外フラップ33は、第2側面36にそれぞれ配置されている。外フラップ33は、閉じた状態において、固定部38に固定されたケーブル20の端部を内フラップ32に向けて押さえつける。これにより、ケーブル20の端部が固定部38から外れてしまうことを防止できる。
【0023】
(収容ケーブルの使用方法)
ここで、収容ケーブル10の使用方法について説明する。収容箱30の外フラップ33および内フラップ32を開けた状態で、箱本体31の内部に巻かれた状態のケーブル20を収容する。
【0024】
次いで、内フラップ32を閉じる。このとき、固定部38にケーブル20の一方の端部を係止する。具体的には、図3Aまたは図3Bに示されるように、ケーブル20の一方の端部を固定部38を介して箱本体31から出す。そして、ケーブル20の一方の端部を折り曲げることでケーブル20を固定部38に固定する。
【0025】
次いで、外フラップ33を閉じて、ガムテープなどで固定する。このとき、箱本体31から出たケーブル20の一方の端部は、内フラップ32の外面と、外フラップ33の内面とにより挟まれる。これにより、ケーブル20の一方の端部が固定部38から外れることがない。この状態で、ケーブル20を搬送および保管できる。
【0026】
ケーブル20を使用するときは、ミシン目に沿って引出部37を開口させ、引出部37からケーブル20を引き出して使用する。このとき、ケーブル20の一方の端部は、固定部38に固定されたままであるため、ケーブル20が短くなった場合でも、ケーブル20が移動して、ケーブル20の外被が傷付いたり、ケーブル20が絡まったりすることがない。また、ケーブル20を最後まで使用する場合、引っ張るだけで容易にケーブル20の一方の端部を固定部38から外すことができる。
【0027】
(効果)
以上のように、本実施の形態によれば、収容ケーブル10は、ケーブル20の一方の端部が固定部38に固定されているため、ケーブル20が短くなった場合でも、ケーブル20が移動して、ケーブル20の外被が傷付いたり、ケーブル20が絡まったりすることがない。
【0028】
[実施の形態2]
(収容ケーブルの構成)
次に、実施の形態2の収容ケーブル50について説明する。本実施の形態の収容ケーブル50は、内フラップ72がマーク79を有する点において、実施の形態1の収容ケーブル10と異なる。そこで、実施の形態1と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0029】
図4Aは、本実施の形態におけるケーブル20の固定方法を説明するための斜視図であり、図4Bは、本実施の形態におけるケーブル20の他の固定方法を説明するための斜視図である。
【0030】
図4A、Bに示されるように、本実施の形態の収容ケーブル50は、ケーブル20と、収容箱70とを有する。収容箱70は、箱本体31と、内フラップ72と、外フラップ33とを有する。
【0031】
本実施の形態の内フラップ72は、固定部38と、マーク79とを有する。マーク79は、固定するケーブル20の先端位置の目安として機能する。マーク79は、固定部38を囲うように配置されている。ここで、「固定部38を囲うように配置されている」とは、固定部38を部分的に囲うことと、固定部38の全周を囲うこととを含む。例えば、図4Aに示されるように、固定部38が切り欠きの場合、マーク79は、固定部38を部分的に囲うように配置される。また、図4Bに示されるように、固定部38が貫通孔の場合には、マーク79は、固定部の全周を囲うように配置される。マーク79の構成は、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。マーク79は、内フラップ32に印刷されてもよいし、内フラップ72に貼り付けられてもよいし、内フラップ32に切り込みまたは凹部を付けることで形成されてもよい。本実施の形態では、マーク79は、内フラップ72に印刷されている。
【0032】
(収容ケーブルの使用方法)
ここで、収容ケーブル50の使用方法について説明する。収容箱70の外フラップ33および内フラップ72を開けた状態で、箱本体31の内部に巻かれた状態のケーブル20を収容する。
【0033】
次いで、内フラップ72を閉じて、ガムテープなどで固定する。このとき、固定部38にケーブル20の一方の端部を係止する。具体的には、図4Aまたは図4Bに示されるように、ケーブル20の一方の端部を固定部38を介して箱本体31から出す。そして、ケーブル20の一方の端部がマーク79近傍に位置するように折り曲げることでケーブル20を固定部38に固定する。
【0034】
次いで、外フラップ33を閉じる。このとき、箱本体31から出たケーブル20の一方の端部は、内フラップ72の外面と、外フラップ33の内面とにより挟まれる。これにより、ケーブル20の一方の端部が固定部38から外れることがない。この状態で、ケーブル20を搬送および保管できる。
【0035】
ケーブル20を使用するときは、ミシン目に沿って引出部37を開口させ、引出部37からケーブル20を引き出して使用する。このとき、ケーブル20の一方の端部は、固定部38に固定された状態であるため、ケーブル20が短くなった場合でも、ケーブル20が移動して、ケーブル20の外被が傷付いたり、ケーブル20が絡まったりすることがない。
【0036】
(効果)
以上のように、本実施の形態の収容ケーブル50は、実施の形態1と同様の効果に加え、適切な長さでケーブル20の端部が折り曲げられるため、ケーブル20の使用途中でケーブル20の一方の端部が固定部38から外れることをより確実に防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の収容箱および収容ケーブルは、コイル状に巻回されたケーブルを梱包、搬送するのに有用である。
【符号の説明】
【0038】
10、50 収容ケーブル
20 ケーブル
30、70 収容箱
31 箱本体
32、72 内フラップ
33 外フラップ
34 底板
35 第1側面
36 第2側面
37 引出部
38 固定部
79 マーク
図1
図2
図3
図4