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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170982
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】組み立て装置、組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/04 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
B23P19/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087791
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100207192
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 健一
(72)【発明者】
【氏名】杷野 満
(72)【発明者】
【氏名】大関 有一朗
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030BC10
3C030BC16
(57)【要約】
【課題】性能特性の低下を来さずに、電力変換ユニットの組み立て作業を自動化可能な組み立て装置、組み立て方法を提供する。
【解決手段】実施形態の組み立て装置は、ロボットアームと、部品置き場と、ハンドと、ハンド置き場と、を有し、平型圧接素子を積層した電力変換ユニットを組み立てる。多関節のロボットアームは、異なる形状を有する複数種類の部品を芯出しして積み上げる組み立て位置の近傍に立設される。部品置き場は、複数種類の部品をそれぞれ載置し、ロボットアームの旋回範囲に複数配置される。異なる複数種類のハンドは、ロボットアームに装着され、複数種類の部品を把持可能なように複数種類の部品の形状にそれぞれ対応する。ハンド置き場は、部品置き場の近傍に配置され、部品置き場から組み立て位置へと部品を移送する際に、複数種類の部品に対応するハンドを着脱可能に並べる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平型圧接素子を積層した電力変換ユニットを組み立てる装置であって、
異なる形状を有する複数種類の部品を芯出しして積み上げる組み立て位置の近傍に立設された多関節のロボットアームと、
前記ロボットアームの旋回範囲に配置されて複数種類の前記部品をそれぞれ載置する複数の部品置き場と、
前記ロボットアームに装着されて複数種類の前記部品を把持可能なように複数種類の前記部品の形状にそれぞれ対応した複数種類の異なるハンドと、
前記部品置き場の近傍に配置されて前記部品置き場から前記組み立て位置へと複数種類の前記部品を移送する際に、前記ロボットアームの旋回範囲に配置されて、複数種類の前記部品に対応する個別の前記ハンドを前記ロボットアームに着脱可能に並べたハンド置き場と、
を有する、
組み立て装置。
【請求項2】
前記ハンド置き場は、前記部品置き場よりも高い位置に設けられる、
請求項1記載の組み立て装置。
【請求項3】
前記ハンド置き場は、前記ロボットアームに対する前記ハンドの装着軸線が前記ロボットアームの旋回中心に向かって複数種類の前記ハンドを配置する、
請求項2記載の組み立て装置。
【請求項4】
前記ハンド置き場は、前記ロボットアームに対する前記ハンドの装着軸線が互いに略平行に複数種類の前記ハンドを配置する、
請求項2記載の組み立て装置。
【請求項5】
平型圧接素子を積層した電力変換ユニットを組み立てる方法であって、
異なる形状を有する複数種類の部品を芯出しして組み立て位置に積み上げる際に、複数種類の前記部品の形状にそれぞれ対応した複数種類の異なるハンドをロボットアームに装着するとともに、複数種類の前記部品にそれぞれ対応した前記ハンドに交換する、
組み立て方法。
【請求項6】
複数種類の前記部品を芯出しして組み立て位置に積み上げる際に、複数種類の前記部品の積み上げが終了した後、前記組み立て位置から移動させる、
請求項5記載の組み立て方法。
【請求項7】
前記ロボットアームの旋回範囲に配置されて前記部品をそれぞれ載置する部品置き場から前記組み立て位置へと複数種類の前記部品を移送する際に、
前記ロボットアームには、複数種類の前記部品に対応する個別の前記ハンドを前記ロボットアームに着脱可能に並べたハンド置き場において交換する、
請求項5記載の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組み立て装置、組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、電力変換装置として平型圧接素子を採用した電力変換ユニットがある。電力変換ユニットは、半導体スタック装置として知られる。電力変換ユニットは、用品(部品)として、交互に重ねて配置した複数の平型半導体素子および放熱体と、平型半導体素子および放熱体を重ね方向に加圧する加圧手段と、これらを固定するスタッド等を用いたフレームと、を有する構成を有する。
【0003】
電力変換ユニットは、複数種類の用品を積み重ねて組み立てられる。電力変換ユニットは、軸心を合わせて(芯出しして)複数種類の用品を積み重ねる。
電力変換ユニットでは、素子の接触部に電気抵抗の上昇を抑止するため、軸心を合わせて複数種類の用品を積み重ねることが要求される。電力変換ユニットの組み立てでは、製造自動化設備の導入可能性があった。
【0004】
電力変換ユニットは、複数種類の用品の軸心がずれた場合に、性能特性の低下が懸念される。電力変換ユニットの組み立て作業を自動化したいという要求があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-237096号公報
【特許文献2】特開2009-131908号公報
【特許文献3】特開平08-155756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、性能特性の低下を来さずに、電力変換ユニットの組み立て作業を自動化可能な組み立て装置、組み立て方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の組み立て装置は、平型圧接素子を積層した電力変換ユニットを組み立てる装置である。ロボットアームと、部品置き場と、ハンドと、ハンド置き場と、を有する。
前記ロボットアームは、異なる形状を有する複数種類の部品を芯出しして積み上げる組み立て位置の近傍に立設される。前記ロボットアームは、多関節である。
前記部品置き場は、前記ロボットアームの旋回範囲に配置される。前記部品置き場は、複数種類の前記部品をそれぞれ載置する。前記部品置き場は、複数配置される。
前記ハンドは、前記ロボットアームに装着される。前記ハンドは、複数種類の前記部品を把持可能なように複数種類の前記部品の形状にそれぞれ対応する。前記ハンドは、異なる複数種類を備える。
前記ハンド置き場は、前記ロボットアームの旋回範囲に配置される。前記部品置き場の近傍に配置される。前記ハンド置き場は、前記部品置き場から前記組み立て位置へと複数種類の前記部品を移送する際に、複数種類の前記部品に対応する個別の前記ハンドを前記ロボットアームに着脱可能に並べる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の組み立て装置、組み立て方法で組み立てる電力変換ユニットを示す正面図。
図2】実施形態における電力変換ユニットの用品(半導体素子)を示す斜視図。
図3】実施形態の組み立て装置を示す模式正面図。
図4】実施形態の組み立て装置を示す模式上面図。
図5】実施形態の組み立て装置におけるハンドおよび把持した用品(半導体素子)を示す斜視図。
図6】実施形態の組み立て装置におけるハンドおよび把持した用品(接続端子板)を示す斜視図。
図7】実施形態の組み立て装置におけるハンドおよび把持した用品(放熱体)を示す斜視図。
図8】実施形態の組み立て装置におけるハンドおよび把持した用品(絶縁スペーサ)を示す斜視図。
図9】実施形態の組み立て装置におけるハンドおよび把持した用品(接続端子板)を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る組み立て装置、組み立て方法を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における組み立て装置、組み立て方法で組み立てる電力変換ユニットを示す斜視図である。図2は、実施形態における電力変換ユニットの半導体素子を示す斜視図である。図において、符号10は、電力変換ユニットである。
【0010】
実施形態の組み立て装置、組み立て方法の説明には、XYZ直交座標系を用いる。Z軸方向は鉛直方向に対応し、+Z方向を上方と定義し、-Z方向を下方と定義する。X軸方向およびY軸方向は、水平面内において互いに直交する。水平面内において、後述する組み立て装置100のロボットアーム110から組み立て位置へと向かう方向をY軸方向と定義する。水平面内において、Y軸方向と直交する方向をX軸方向と定義する。また、以下の説明では、必要に応じて、X軸方向において、+X方向を右方と定義し、-X方向を左方と定義する。
【0011】
本実施形態に係る電力変換ユニット10は、図1に示すように、平型半導体素子(平型圧接素子)11と、電極端子板(接続端子板)12と、電極端子板(接続端子板)12Bと、放熱体13と、絶縁スペーサ14と、球面座15と、加圧機構と、加圧支持板16aと、加圧支持板16bと、スタッドボルト17と、固定ナット18aと、固定ナット18bと、絶縁物スペーサ19と、を有する。
【0012】
電力変換ユニット10は、複数の平型半導体素子11が積層される。電力変換ユニット10は、複数の平型半導体素子11が積み上げられて組み立てられる。電力変換ユニット10は、平型半導体素子11のスタック装置である。電力変換ユニット10は、図1に示す例において、平型半導体素子11が4つ積層される。電力変換ユニット10は、平型半導体素子11の積層数は適宜設定できる。
複数の平型半導体素子11は、それぞれの主面が平行に積層される。複数の平型半導体素子11は、直列に接続される。
【0013】
平型半導体素子11は、円盤状または短円筒状である。平型半導体素子11は、円形輪郭の外囲器を有する。平型半導体素子11は、軸方向の一方の端面が電極11aである(図2参照)。平型半導体素子11は、軸方向の他方の端面が電極11aである(図2参照)。電極11aは、いずれも平型半導体素子11の軸方向に突出している。
【0014】
平型半導体素子11は、その主面に直交する軸線F0に沿った方向(積層方向)に放熱体13が積層される。平型半導体素子11と放熱体13とは、交互に重ね合わせるように配置される。平型半導体素子11と放熱体13とは、中心位置が軸線F0と一致して配置される。平型半導体素子11と放熱体13とは、互いに軸心が軸線F0と一致するように位置合わせされる。
【0015】
放熱体13は、矩形輪郭を有する。放熱体13は、略方形である。放熱体13は、厚板状である。放熱体13は、伝熱性に優れた導電性材料から形成される。放熱体13は、例えば銅やアルミニウム、あるいはこれらを含む合金等から形成される。放熱体13は、内部に図示しない冷媒流路が設けられている。冷媒流路は、図示しない配管に接続される。
【0016】
放熱体13は、配管を通じて水や油、空気、ガス等の冷媒が冷媒流路に流れる。放熱体13は、冷媒流路に流れる冷媒により放熱を促進する。放熱体13は、冷媒流路の導入口および排出口を有する。導入口および排出口は、配管に接続される。導入口は、冷媒を冷媒流路に導入する。排出口は、冷媒を冷媒流路から排出する。導入口および排出口は、軸線F0と交差する位置に設けられる。導入口および排出口は、軸線F0と直交する側面に設けられる。
【0017】
放熱体13は、平型半導体素子11が熱的に接触する。放熱体13は、平型半導体素子11から伝わる熱を放出する。あるいは、放熱体13は、平型半導体素子11に接触する。放熱体13は、平型半導体素子11を冷却する。平型半導体素子11は、放熱体13との接触面の中心位置が軸線F0と一致する。放熱体13は、平型半導体素子11との端面の中心位置が軸線F0と一致する。平型半導体素子11の接触面の中心位置と、放熱体13の端面の中心位置とが一致する。平型半導体素子11と放熱体13とは芯出しされている。
【0018】
放熱体13は、軸線F0に沿った積層数が平型半導体素子11の積層数と同じでもよい。なお、放熱体13は、平型半導体素子11と積層数が異なっていてもよい。放熱体13は、平型半導体素子11よりも積層数が大きくてもよい。放熱体13は、平型半導体素子11よりも積層数が小さくてもよい。
【0019】
電極端子板(接続端子板)12は、図示しない外部回路との接続をおこなう。電極端子板12は、導電性材料で形成される。電極端子板12は、薄い板体である。電極端子板12は、電極11aに接触する。電極端子板12は、平型半導体素子11に接触しない位置で折れ曲がっていてもよい。電極端子板12は、平型半導体素子11と放熱体13との間に配置される。なお、電極端子板12は、平型半導体素子11と放熱体13との間に配置されないこともできる。
【0020】
電極端子板12は、上面視して平型半導体素子11からはみ出す部分を有していてもよい。電極端子板12は、上面視して放熱体13からはみ出す部分を有していてもよい。電極端子板12は、電極11aに接触する部分が平板とされる。電極端子板12は、電極11aに接触しない部分が、電極11aに接触する部分に対して上下方向に立体となるように形成されてもよい。
【0021】
電極端子板(接続端子板)12Bは、図示しない外部回路との接続をおこなう。電極端子板12Bは、導電性材料で形成される。電極端子板12Bは、電極端子板12よりも厚い板体である。電極端子板12Bは、平型半導体素子11の電極11aとは逆の面に接触する。電極端子板12Bは、平型半導体素子11に接触しない位置で折れ曲がっていてもよい。電極端子板12Bは、平型半導体素子11と放熱体13との間に配置される。なお、電極端子板12Bは、平型半導体素子11と放熱体13との間に配置されないこともできる。
【0022】
電極端子板12Bは、上面視して平型半導体素子11からはみ出す部分を有していてもよい。電極端子板12Bは、上面視して放熱体13からはみ出す部分を有していてもよい。電極端子板12Bは、電極11aとは逆の面に接触する部分が平板とされる。電極端子板12Bは、電極11aに接触しない部分が、電極11aに接触する部分に対して上下方向に立体となるように形成されてもよい。
【0023】
球面座15は、軸線F0に沿った方向における積層された平型半導体素子11と放熱体13との両端となる位置にそれぞれ配置される。球面座15は、平型半導体素子11および放熱体13と位置あわせされる。球面座15は、平型半導体素子11および放熱体13と芯出しされる。
絶縁スペーサ14は、軸線F0に沿った方向において平型半導体素子11および放熱体13の積層体と球面座15との間に配置される。球面座15は、球面部分が絶縁スペーサ14に当接するように配置される。球面座15は、球面部分の中心が軸線F0と一致する。
【0024】
球面座15は、軸線F0に沿った方向における積層体の外側で加圧支持板16aと加圧支持板16bと接触する。加圧支持板16aまと球面座15の間には、加圧機構が配置される。加圧支持板16bと球面座15の間には、加圧機構が配置される。
加圧機構は、複数の皿ばねで構成される。加圧機構は、複数の皿ばねの積層方向に付勢可能に構成される。加圧機構は、中心位置が軸線F0と一致する。
【0025】
加圧支持板16aは、2つのボルト孔が穿設される。加圧支持板16bは、2つのボルト孔が穿設される。加圧支持板16aと加圧支持板16bとは、平行に配置される。加圧支持板16aと加圧支持板16bとは、ボルト穴が対向する。加圧支持板16aと加圧支持板16bとの対向するボルト穴には、いずれもスタッドボルト17が立設される。
【0026】
スタッドボルト17は、軸線F0に平行に立設される。スタッドボルト17は、軸線F0に沿って立設される。スタッドボルト17は、複数本が立設される。スタッドボルト17は、軸線F0を中心とする同一円周上に立設される。スタッドボルト17は、軸線F0を中心とする円周上で等距離離間して立設される。スタッドボルト17の両端は、それぞれ固定ナット18aと、固定ナット18bとが螺着される。加圧支持板16aと加圧支持板16bとは、スタッドボルト17と固定ナット18aと固定ナット18Bとにより、平型半導体素子11および放熱体13の積層体を挟持する。加圧支持板16aと加圧支持板16bとは、軸線F0に沿った方向に交互に重ね合わされた複数の平型半導体素子11と放熱体13とを挟持する。
【0027】
固定ナット18aと固定ナット18Bとは、スタッドボルト17に対する締込み量を調節する。加圧機構は、固定ナット18aと固定ナット18Bとは、スタッドボルト17に対する締込み量により皿ばねの撓み量が調節される。これにより、加圧支持板16aと加圧支持板16bとの間に加わる重ね方向の圧力が、適正に調節される。加圧支持板16aと加圧支持板16bとの間の圧力調節により、挟持された複数の平型半導体素子11と放熱体13とに加わる重ね方向の圧力が適正に調節される。
平型半導体素子11と放熱体13とに加わる重ね方向の圧力は、平型半導体素子11が大型化した場合には、例えば数十kNという高い圧力になることがある。
【0028】
絶縁物スペーサ19は、絶縁スペーサ14と同じスペーサとされる。絶縁物スペーサ19は、軸線F0に沿った方向視において略円形の輪郭を有する。
【0029】
電力変換ユニット10は、複数の平型半導体素子11と、電極端子板12と、電極端子板12Bと、放熱体13と、絶縁スペーサ14と、球面座15と、加圧機構と、加圧支持板16aと、加圧支持板16bと、絶縁物スペーサ19とが、いずれも中心位置を軸線F0に合わせて積層される。
平型半導体素子11と電極端子板12とは、互いに接触する。平型半導体素子11と電極端子板12とは、互いに密着する。電極端子板12は、平型半導体素子11の電極11aの全面に接触する。平型半導体素子11と電極端子板12Bとは、互いに接触する。平型半導体素子11と電極端子板12Bとは、互いに密着する。電極端子板12Bは、平型半導体素子11の電極11aと逆の全面に接触する。
【0030】
図3は、実施形態における電力変換ユニットの組み立てに用いる組み立て装置を示す模式正面図である。図4は、実施形態における電力変換ユニットの組み立てに用いる組み立て装置を示す模式上面図である。
電力変換ユニット10は、組み立て装置100によって組み立てられる。
【0031】
実施形態の組み立て装置100は、平型圧接素子11を積層した電力変換ユニット10を組み立てる装置である。
組み立て装置100は、図3図4に示すように、ロボットアーム110と、部品置き場120と、ハンド130と、ハンド置き場140と、組み立て位置部150と、を有する。
【0032】
ロボットアーム110は、多関節である。ロボットアーム110は、Y軸方向において、組み立て位置部150と隣接している。
ロボットアーム110は、上面視して,略中央位置にある台部111に立設される。ロボットアーム110は、基部112と、第1回転部113と、第1アーム114と、第2回転部115と、第2アーム116と、第3回転アーム117と、ハンド取付部118と、を有する。
【0033】
基部112は、台部111の上面位置に配置される。基部112は、その-Z軸方向端部が台部111に接続される。基部112の+Z軸方向端部には、第1回転部113が接続される。第1回転部113は、基部112に対して、Z軸方向に沿った回転軸線F13まわりに回転できる。第1回転部113には、第1アーム114の基端が接続される。第1アーム114は、第1回転部113に対して、水平方向に沿った回転軸線F14まわりに回転できる。第1アーム114は、第1回転部113の側部に接続される。回転軸線F14と回転軸線F13とは、互いに直交する。
【0034】
第1アーム114の先端には、第2回転部115が接続される。第2回転部115は、第1アーム114に対して、水平方向に沿った回転軸線F15まわりに回転できる。回転軸線F14と回転軸線F15とは、互いに平行である。第2回転部115は、第1アーム114の先端側部に接続される。第2回転部115は、回転軸線F15に対する周縁位置に、第2アーム116の基端が接続される。第2アーム116は、第2回転部115に対して、回転軸線F15と直交する回転軸線F16まわりに回転できる。第2アーム116は、第2回転部115において回転軸線F15に対する側周位置に接続される。
【0035】
第2アーム116の先端には、第3回転アーム117が接続される。第3回転アーム117は、第2アーム116に対して、回転軸線F16と直交する回転軸線F17まわりに回転できる。第3回転アーム117の先端には、ハンド取付部118が接続される。ハンド取付部118は、第3回転アーム117に対して回転軸線F17と直交する回転軸線F18まわりに回転できる。
【0036】
ロボットアーム110は、各パーツの接続部分に図示しない駆動機構が設けられている。駆動機構により、ロボットアーム110は、各パーツを相対的に駆動し、ハンド取付部118が所定の動きが可能となる。
【0037】
ロボットアーム110は、多関節で所望の動作が可能であれば上記の構成に限定されない。
【0038】
部品置き場120は、ロボットアーム110の旋回範囲内に位置する。部品置き場120は、ロボットアーム110の旋回範囲内に複数設けられる。
部品置き場120は、X軸方向において、ロボットアーム110の両側にそれぞれ配置される。部品置き場120は、X軸方向において、ロボットアーム110の右方位置と左方位置とにそれぞれ配置される。部品置き場120は、複数配置される。部品置き場120は、電力変換ユニット10を構成する複数種類の部品をそれぞれ載置する。部品置き場120には、その上面に形状の異なる複数種類の部品がそれぞれ載置される。
【0039】
部品をそれぞれ載置する部品置き場120のZ軸方向における高さは、後述する組み立て位置とほぼ等しい。部品置き場120のZ軸方向における高さは、後述する組み立てよりやや高い位置であることができる。部品置き場120は、平面状の載置面を有していてもよい。さらに、部品置き場120は、載置面の周縁を囲むように立設された周壁部を有していてもよい。
【0040】
例えば、図3図4において、ロボットアーム110の左側に位置する部品置き場120には、例えば、上面視して円形輪郭を有する部品を載置する。ロボットアーム110の左側に位置する部品置き場120には、平型半導体素子11、絶縁スペーサ14と、絶縁物スペーサ19、などが載置される。
例えば、ロボットアーム110の右側に位置する部品置き場120には、例えば、上面視して略矩形輪郭を有する部品を載置する。あるいは、ロボットアーム110の右側に位置する部品置き場120には、例えば、略平板である部品を載置する。ロボットアーム110の右側に位置する部品置き場120には、例えば、電極端子板(接続端子板)12、放熱体13などが載置される。
部品置き場120に載置する部品の種類および配置は、上記に限定されない。電力変換ユニット10の組み立てにとって好ましい配置であればよい。
【0041】
部品置き場120は、台車部121の上面が載置面とされる。台車部121は、車輪125によって移動可能とされる。車輪125は、台車部121の下端隅部に配置される。車輪125の走行により台車部121を移動する。台車部121は、ロボットアーム110の旋回範囲である部品積み重ね時のける部品供給位置と、載置面へと部品を載せる部品載置位置との間を移動可能である。これにより、複数台の台車部121を用いて、部品供給を途切れさせることなく、ロボットアーム110に部品供給可能とすることができる。
【0042】
図5は、実施形態の組み立て装置100におけるハンド130および把持した平型半導体素子(用品)11を示す斜視図である。図6は、実施形態の組み立て装置100におけるハンド130および把持した接続端子板12を示す斜視図である。図7は、実施形態の組み立て装置100におけるハンド130および把持した放熱体13を示す斜視図である。図8は、実施形態の組み立て装置100におけるハンド130および把持した絶縁スペーサ14を示す斜視図である。図9は、実施形態の組み立て装置100におけるハンド130および把持した接続端子板12Bを示す斜視図である。
ハンド130は、ロボットアーム110に装着される。
【0043】
ハンド130は、ロボットアーム110に装着される。ハンド130は、複数種類の部品を把持可能なように、複数種類が備えられる。ハンド130は、ロボットアーム110が部品置き場120から組み立て位置部150へと部品を移送する際に用いられる。ハンド130は、移送する部品に対応して、後述するハンド置き場140に複数種類が備えられる。
ハンド130は、電力変換ユニット10の組み立てにおいて把持する部品に対応して、ロボットアーム110に取り付けられる。同時に、ハンド130は、電力変換ユニット10の組み立てにおいて把持する部品に対応して、ロボットアーム110のハンド取付部118に装着され、次に把持する部品に対応して交換される。
【0044】
ハンド130は、複数種類から、移送する部品に対応して所定の1つが選択される。ハンド130は、選択された1つが、ロボットアーム110のハンド取付部118に装着される。ハンド130は、後述するように、ハンド置き場140においてハンド取付部118に装着される。ハンド130が装着されたロボットアーム110は、部品置き場120から組み立て位置部150へと対応部品を移送する。芯出しをして部品の積み重ねが終了し、部品の把持を解除したハンド130は、次に積層する部品に対応して脱離される。
ハンド130は、ハンド置き場140においてハンド取付部118から脱離される。このとき、ハンド置き場140において、ハンド130は、ハンド取付部118から脱離されると同時に、ハンド置き場140において所定の位置に載置される。
異なる部品に対応して、ハンド130は、交換される。
【0045】
ハンド130は、図5図9に示すように、少なくとも、部品把持部131と、取付チャック部132と、を有する。
部品把持部131は、異なる部品に対応して、異なる把持方法で部品を把持可能とすることができる。例えば、部品把持部131は、複数本の爪で部品の周囲から挟んで把持することができる。あるいは、部品把持部131は、部品の上面形状に沿わせて吸着して把持することができる。これらは、部品の形状および、その剛性に対応して選択することができる。複数種類の部品把持部131における構成については、後述する。
また、部品把持部131は、それぞれ把持駆動を可能とする駆動部を有することができる。
【0046】
取付チャック部132は、ハンド取付部118に着脱可能となっている。取付チャック部132は、取付軸線(装着軸線)F30に沿ってハンド取付部118に対して近接および離間することで、着脱可能である。取付チャック部132とハンド取付部118とが互いに接続された状態で、取付軸線F30は、回転軸線F18と一致することができる。取付チャック部132は、ハンド取付部118に対してハンド130を支持するために、所定のチャック機構を有する。また、取付チャック部132とハンド取付部118とは、ハンド130の着脱において、部品を把持するための駆動信号を部品把持部131へと伝達可能に接続および切断可能な構成を有する。
取付チャック部132は、ロボットアーム110によるハンド取付部118の移動制御および移動方向の制御によって、ハンド130の着脱が可能になっている。
【0047】
ハンド130の一例として、図5に示すように、半導体素子(用品)11に対応する構成を示す。
このハンド130は、厚みのある円盤状の形状を有する半導体素子(用品)11を、その周囲から挟持して把持する。このため、部品把持部131としては、複数本の爪が、半導体素子(用品)11の径方向に移動することで、半導体素子(用品)11の側周面に接触して把持する構成を有する。部品把持部131としては、複数本の爪が、半導体素子(用品)11の周方向に均等に配置される。図示した例のハンド130では、3本の爪を有する。部品把持部131は、3本の爪を半導体素子(用品)11の径方向に移動する駆動機構を有している。
このハンド130では、複数本の爪が動く半導体素子(用品)11の径方向が、取付軸線F30を含む平面に沿っていることができる。
【0048】
このハンド130は、駆動機構によって駆動されて、部品把持部131における3本の爪が、半導体素子(用品)11の径方向で内側に向かって移動する。これにより、3本の爪が、半導体素子(用品)11の側周面に接触する。これにより、ハンド130は半導体素子(用品)11を把持した状態となる。この状態で、ロボットアーム110は部品置き場140から組み立て位置部150まで半導体素子(用品)11を移送し、芯出しをおこないつつ積み重ねることができる。
【0049】
このハンド130は、駆動機構によって駆動されて、部品把持部131における3本の爪が、半導体素子(用品)11の径方向で外側に向かって移動する。これにより、3本の爪が、半導体素子(用品)11の側周面から離間する。これにより、ハンド130は半導体素子(用品)11の把持を解除した状態となる。
【0050】
ハンド130の一例として、図6に示すように、接続端子板(用品)12に対応する構成を示す。
このハンド130は、半導体素子11などに比べて薄い接続端子板(用品)12を、その上面から吸着して把持する。このため、部品把持部131としては、真空吸着あるいは、磁気吸着可能な平板状の吸着部を有する。部品把持部131は、吸着部の吸着面が、部品置き場140に載置された接続端子板(用品)12に対して、上方から下降して接続端子板(用品)12の上面に接触可能に配置される。図示した例のハンド130では、矩形の吸着面を有する吸着部が例示される。部品把持部131は、駆動機構により吸着部の吸着状態および吸着解除状態を切り替え可能に構成されている。
このハンド130では、吸着部の吸着面が、取付軸線F30を含む平面に沿っていることができる。
【0051】
このハンド130は、ロボットアーム110によって、吸着面を接続端子板(用品)12の上面に接触する。この状態で、駆動機構によって駆動されることで、部品把持部131の吸着部が把持した状態となる。この状態で、ロボットアーム110は部品置き場140から組み立て位置部150まで接続端子板(用品)12を移送し、芯出しをおこないつつ積み重ねることができる。
【0052】
このハンド130は、駆動機構によって駆動されて、部品把持部131における吸着状態を解除する。これにより、吸着部が、接続端子板(用品)12の上面から離間する。これにより、ハンド130は接続端子板(用品)12の把持を解除した状態となる。
【0053】
ハンド130の一例として、図7に示すように、放熱体(用品)13に対応する構成を示す。
このハンド130は、半導体素子11とほぼ同等かやや厚い放熱体(用品)13を、その周囲から挟持して把持する。このため、部品把持部131としては、複数本の爪が、略矩形の放熱体(用品)13の径方向に移動することで、放熱体(用品)13の側周面に接触して把持する構成を有する。部品把持部131としては、複数本の爪が、放熱体(用品)13の周面に配置される。部品把持部131は、複数本の爪が、放熱体(用品)13を挟むように、少なくとも一対の対抗する周面にそれぞれ配置される。図示した例のハンド130では、部品把持部131として3本の爪を有する。部品把持部131は、3本の爪を放熱体(用品)13の径方向に移動する駆動機構を有している。ここで、放熱体(用品)13の径方向とは、矩形輪郭の放熱体(用品)13の側面の法線方向である。このハンド130では、複数本の爪が動く放熱体(用品)13の径方向が、取付軸線F30を含む平面に沿っていることができる。
【0054】
このハンド130では、放熱体(用品)13の上面が、取付軸線F30を含む平面に沿っていることができる。
このハンド130は、放熱体(用品)13の吸着位置を規制する把持位置規制部133を有する。把持位置規制部133は、放熱体(用品)13を吸着した際に、ハンド130に対する放熱体(用品)13の位置を規制する。把持位置規制部133は、放熱体(用品)13を吸着した際に、放熱体(用品)13の上面に当接する。
【0055】
このハンド130は、ロボットアーム110によって、吸着面を放熱体(用品)13の上面に接触する。このとき、把持位置規制部133を吸着面を放熱体(用品)13の側面に当接することで、ハンド130に対する放熱体(用品)13の位置を規制する。この状態で、駆動機構によって駆動されることで、部品把持部131の吸着部が把持した状態となる。この状態で、ロボットアーム110は部品置き場140から組み立て位置部150まで放熱体(用品)13を移送し、芯出しをおこないつつ積み重ねることができる。
【0056】
このハンド130は、駆動機構によって駆動されて、部品把持部131における吸着状態を解除する。これにより、吸着部が、放熱体(用品)13の上面から離間する。これにより、ハンド130は放熱体(用品)13の把持を解除した状態となる。
【0057】
ハンド130の一例として、図8に示すように、絶縁スペーサ(用品)14に対応する構成を示す。
このハンド130は、厚みのある円盤状の形状を有する絶縁スペーサ(用品)14を、その周囲から挟持して把持する。このため、部品把持部131としては、複数本の爪が、絶縁スペーサ(用品)14の径方向に移動することで、絶縁スペーサ(用品)14の側周面に接触して把持する構成を有する。部品把持部131としては、複数本の爪が、絶縁スペーサ(用品)14の周方向に均等に配置される。図示した例のハンド130では、3本の爪を有する。部品把持部131は、3本の爪を絶縁スペーサ(用品)14の径方向に移動する駆動機構を有している。
このハンド130では、複数本の爪が動く絶縁スペーサ(用品)14の径方向が、取付軸線F30を含む平面に沿っていることができる。
【0058】
このハンド130は、駆動機構によって駆動されて、部品把持部131における3本の爪が、絶縁スペーサ(用品)14の径方向で内側に向かって移動する。これにより、3本の爪が、絶縁スペーサ(用品)14の側周面に接触する。これにより、ハンド130は絶縁スペーサ(用品)14を把持した状態となる。この状態で、ロボットアーム110は部品置き場140から組み立て位置部150まで絶縁スペーサ(用品)14を移送し、芯出しをおこないつつ積み重ねることができる。
【0059】
このハンド130は、駆動機構によって駆動されて、部品把持部131における3本の爪が、絶縁スペーサ(用品)14の径方向で外側に向かって移動する。これにより、3本の爪が、絶縁スペーサ(用品)14の側周面から離間する。これにより、ハンド130は絶縁スペーサ(用品)14把持を解除した状態となる。
【0060】
ハンド130の一例として、図9に示すように、接続端子板(用品)12Bに対応する構成を示す。
このハンド130は、接続端子板(用品)12に比べて厚みのある略矩形輪郭を有する接続端子板(用品)12Bを、その周囲から挟持して把持する。このため、部品把持部131としては、複数本の爪が、接続端子板(用品)12B半導体素子(用品)11の径方向に移動することで、接続端子板(用品)12Bの側周面に接触して把持する構成を有する。部品把持部131としては、複数本の爪が、接続端子板(用品)12Bの矩形輪郭における3辺に配置される。図示した例のハンド130では、接続端子板(用品)12Bの3辺にそれぞれ当接する3本の爪を有する。部品把持部131は、3本の爪を接続端子板(用品)12Bの径方向に移動する駆動機構を有している。ここで、接続端子板(用品)12Bの径方向とは、接続端子板(用品)12Bの矩形輪郭の辺において、辺から離間する方向、あるいは、辺に近接する方向である。
このハンド130では、複数本の爪が動く接続端子板(用品)12Bの径方向が、取付軸線F30を含む平面に沿っていることができる。
【0061】
このハンド130は、駆動機構によって駆動されて、部品把持部131における3本の爪が、接続端子板(用品)12Bの径方向で内側に向かって移動する。これにより、3本の爪が、接続端子板(用品)12Bの側面に接触する。これにより、ハンド130は接続端子板(用品)12Bを把持した状態となる。この状態で、ロボットアーム110は部品置き場140から組み立て位置部150まで接続端子板(用品)12Bを移送し、芯出しをおこないつつ積み重ねることができる。
【0062】
このハンド130は、駆動機構によって駆動されて、部品把持部131における3本の爪が、接続端子板(用品)12Bの径方向で外側に向かって移動する。これにより、3本の爪が、接続端子板(用品)12Bの側周面から離間する。これにより、ハンド130は接続端子板(用品)12Bの把持を解除した状態となる。
【0063】
複数種類のハンド130は、ハンド置き場140に収納される。
ハンド置き場140は、ロボットアーム110の旋回範囲に配置される。ハンド置き場140は、部品置き場120の近傍に配置される。ハンド置き場140は、上面視して、部品置き場の近傍に配置される。
ハンド置き場140は、部品置き場120から組み立て位置部150へと複数種類の部品を移送する際に、複数種類の部品のそれぞれに対応する個別のハンド130をロボットアーム110に着脱可能な状態で並べる。
【0064】
ハンド置き場140は、部品置き場120よりも高い位置に設けられる。すなわち、ハンド置き場140は、部品置き場120の載置面よりもハンド置き場140に並んだハンド130の下端が高い位置となるように構成されている。ハンド置き場140は、部品置き場120の載置面に載置された用品よりも、ハンド置き場140に並んだハンド130の装着軸線F30が高い位置となるように構成されている。
【0065】
ハンド置き場140は、複数並んだハンド130の装着軸線F30が、いずれも同じ高さ位置となるように構成されていることができる。
ハンド置き場140は、複数並んだハンド130が互いに離間して配置される。なお、ハンド130の離間距離は、個別のハンド130を1つずつ装着軸線F30方向に移動して、用品積み重ねに使用できる程度の間隔であれば特に限定されない。
【0066】
ハンド置き場140は、ハンド130の装着軸線F30が、ロボットアーム110の旋回中心に向かうように、複数種類のハンド130を配置することができる。これにより、ハンド130をロボットアーム110に装着する際に、ロボットアーム110の動作を小さくすることができる。また、装着したハンド130をロボットアーム110から離脱して、別のハンド130へと交換する際に、ロボットアーム110の動作を小さくすることができる。
【0067】
ハンド置き場140は、ハンド130の装着軸線F30が互いに略平行に、複数種類のハンド130を配置することができる。これにより、ハンド130をロボットアーム110に装着する際に、ロボットアーム110の動作を小さくすることができる。また、装着したハンド130をロボットアーム110から離脱して、別のハンド130へと交換する際に、ロボットアーム110の動作を小さくすることができる。
【0068】
組み立て位置部150は、用品を積み上げる組み立て位置151を有する。組み立て位置151は、ロボットアーム110の旋回範囲に配置される。組み立て位置151は、部品置き場120の載置面よりも低いZ軸線方向位置とされることができる。
組み立て位置部150は、最下位置となる加圧支持板16bが配置される。組み立て位置部150は、この加圧支持板16bに、複数種類の用品を積み重ねていく。全ての用品を積層した後、加圧支持板16bから加圧支持板16aを移動する。組み立て位置部150は、加圧支持板16bを移動する移動部155を有することができる。
【0069】
移動部155は、水平方向に加圧支持板16bを移動する。あるいは、移動部155は、加圧支持板16bを載置する載置台を水平方向に移動する。移動部155は、例えば、ベルココンベアのような構成を有することができる。移動部155は、台車として走行する構成とすることもできる。移動部155は、用品を積層していくに連れて、下方に移動する構成とすることもできる。移動部155は、用品を積層する際に、ロボットアーム110の芯出し動作に連動して微調整可能な構成とすることもできる。
【0070】
本実施形態の組み立て装置100は、電力変換ユニット10を組み立てる。組み立て装置100は、平型半導体素子11と、電極端子板(接続端子板)12と、電極端子板(接続端子板)12Bと、放熱体13と、絶縁スペーサ14と、球面座15と、加圧支持板16aと、加圧支持板16bと、絶縁物スペーサ19と、を所定の順番で芯出しして積み重ねる。
【0071】
電力変換ユニット10を組み立てる方法においては、あらかじめ、平型半導体素子11と、電極端子板(接続端子板)12と、電極端子板(接続端子板)12Bと、放熱体13と、絶縁スペーサ14と、球面座15と、加圧支持板16aとされる各用品を、部品置き場120の所定の場所に載置しておく。このとき、各用品を載置面に載置した台車部121を、車輪125によって所定位置まで走行させることができる。
【0072】
まず、組み立て位置部150において、移動部155が、最下層の加圧支持板16bを組み立て位置151に移送する。次いで、セットされた加圧支持板16bに、用品を所定の順番で積み重ねる。
【0073】
まず、加圧支持板16bに、球面座15を積み重ねる。このとき、球面座15は、あらかじめ加圧支持板16bに、セットしておくこともできる。
次いで、絶縁スペーサ14を積層する。
【0074】
まず、ロボットアーム110を駆動して、ハンド置き場140に並べられたハンド130のうち、図8に示すものを選択してハンド取付部118に装着する。ハンド取付部118は、装着軸線F30に沿ってハンド130に近接するように移動して、ハンド置き場140のハンド130をハンド取付部118に装着する。
【0075】
次いで、ロボットアーム110を駆動して、ハンド130を部品置き場120の絶縁スペーサ14に近接させる。さらに、駆動機構を駆動して、部品把持部131における3本の爪を、絶縁スペーサ(用品)14の径方向で内側に向かって移動させる。3本の爪が絶縁スペーサ(用品)14の側周面に接触することにより、ハンド130は絶縁スペーサ(用品)14を把持した状態となる。ロボットアーム110は部品置き場140から組み立て位置151まで絶縁スペーサ(用品)14を移送し、芯出しをおこないつつ積み重ねる。
【0076】
次いで、駆動機構を駆動して、部品把持部131における3本の爪を、絶縁スペーサ(用品)14の径方向で外側に向かって移動させる。3本の爪が絶縁スペーサ(用品)14の側周面から離間することにより、ハンド130は絶縁スペーサ(用品)14の把持を解除した状態となる。
【0077】
次いで、ロボットアーム110を駆動して、ハンド130をハンド置き場140に移動する。さらに、ハンド130をハンド置き場140の所定位置において、ハンド取付部118から離脱する。
次いで、電極端子板(接続端子板)12Bを積層する。この工程に備えて、まず、ハンド130を交換する。
【0078】
ロボットアーム110を駆動して、ハンド置き場140に並べられたハンド130のうち、図9に示すものを選択してハンド取付部118に装着する。ハンド取付部118は、装着軸線F30に沿ってハンド130に近接するように移動して、ハンド置き場140のハンド130をハンド取付部118に装着する。
【0079】
次いで、ロボットアーム110を駆動して、ハンド130を部品置き場120の電極端子板(接続端子板)12に近接させる。さらに、駆動機構を駆動して、部品把持部131における3本の爪を、電極端子板(接続端子板)12Bの外縁に向かって移動させる。3本の爪が電極端子板(接続端子板)12Bの側部に接触することにより、ハンド130は電極端子板(接続端子板)12Bを把持した状態となる。ロボットアーム110は部品置き場140から組み立て位置151まで電極端子板(接続端子板)12Bを移送し、芯出しをおこないつつ積み重ねる。
【0080】
次いで、駆動機構を駆動して、部品把持部131における3本の爪を、電極端子板(接続端子板)12Bの外縁から離間する方向に移動させる。3本の爪が電極端子板(接続端子板)12Bの側部から離間することにより、ハンド130は電極端子板(接続端子板)12Bの把持を解除した状態となる。
【0081】
次いで、ロボットアーム110を駆動して、ハンド130をハンド置き場140に移動する。さらに、ハンド130をハンド置き場140の所定位置において、ハンド取付部118から離脱する。
次いで、放熱体(用品)13を積層する。この工程に備えて、まず、ハンド130を交換する。
【0082】
ロボットアーム110を駆動して、ハンド置き場140に並べられたハンド130のうち、図7に示すものを選択してハンド取付部118に装着する。ハンド取付部118は、装着軸線F30に沿ってハンド130に近接するように移動して、ハンド置き場140のハンド130をハンド取付部118に装着する。
【0083】
次いで、ロボットアーム110を駆動して、ハンド130を部品置き場120の放熱体(用品)13に近接させる。さらに、駆動機構を駆動して、部品把持部131における吸着部を、放熱体(用品)13の上面に向かって移動させる。吸着部が放熱体(用品)13の上面に接触した状態で吸着することにより、ハンド130は放熱体(用品)13を把持した状態となる。ロボットアーム110は部品置き場140から組み立て位置151まで放熱体(用品)13を移送し、芯出しをおこないつつ積み重ねる。
【0084】
次いで、駆動機構を駆動して、部品把持部131における吸着部の吸着を解除する。これにより、ハンド130は放熱体(用品)13の把持を解除した状態となる。
【0085】
次いで、ロボットアーム110を駆動して、ハンド130をハンド置き場140に移動する。さらに、ハンド130をハンド置き場140の所定位置において、ハンド取付部118から離脱する。
次いで、平型半導体素子11を積層する。この工程に備えて、まず、ハンド130を交換する。
【0086】
まず、ロボットアーム110を駆動して、ハンド置き場140に並べられたハンド130のうち、図5に示すものを選択してハンド取付部118に装着する。ハンド取付部118は、装着軸線F30に沿ってハンド130に近接するように移動して、ハンド置き場140のハンド130をハンド取付部118に装着する。
【0087】
次いで、ロボットアーム110を駆動して、ハンド130を部品置き場120の平型半導体素子11に近接させる。さらに、駆動機構を駆動して、部品把持部131における3本の爪を、平型半導体素子11の径方向で内側に向かって移動させる。3本の爪が平型半導体素子11の側周面に接触することにより、ハンド130は平型半導体素子11を把持した状態となる。ロボットアーム110は部品置き場140から組み立て位置151まで平型半導体素子(用品)11を移送し、芯出しをおこないつつ積み重ねる。
【0088】
次いで、駆動機構を駆動して、部品把持部131における3本の爪を、平型半導体素子(用品)11の径方向で外側に向かって移動させる。3本の爪が平型半導体素子(用品)11の側周面から離間することにより、ハンド130は平型半導体素子(用品)11の把持を解除した状態となる。
【0089】
次いで、ロボットアーム110を駆動して、ハンド130をハンド置き場140に移動する。さらに、ハンド130をハンド置き場140の所定位置において、ハンド取付部118から離脱する。
次いで、電極端子板(接続端子板)12を積層する。この工程に備えて、まず、ハンド130を交換する。
【0090】
ロボットアーム110を駆動して、ハンド置き場140に並べられたハンド130のうち、図6に示すものを選択してハンド取付部118に装着する。ハンド取付部118は、装着軸線F30に沿ってハンド130に近接するように移動して、ハンド置き場140のハンド130をハンド取付部118に装着する。
【0091】
次いで、ロボットアーム110を駆動して、ハンド130を部品置き場120の電極端子板(接続端子板)12に近接させる。さらに、駆動機構を駆動して、部品把持部131における吸着部を、電極端子板(接続端子板)12の上面に向かって移動させる。吸着部が電極端子板(接続端子板)12の上面に接触した状態で吸着することにより、ハンド130は電極端子板(接続端子板)12を把持した状態となる。ロボットアーム110は部品置き場140から組み立て位置151まで電極端子板(接続端子板)12を移送し、芯出しをおこないつつ積み重ねる。
【0092】
次いで、駆動機構を駆動して、部品把持部131における吸着部の吸着を解除する。これにより、ハンド130は電極端子板(接続端子板)12の把持を解除した状態となる。
【0093】
次いで、ロボットアーム110を駆動して、ハンド130をハンド置き場140に移動する。さらに、ハンド130をハンド置き場140の所定位置において、ハンド取付部118から離脱する。
【0094】
以下、図1に示すように、所定の順番で用品を順次積層していく。同時に、積層する用品に対応するように、毎回ハンド130を交換する。
この際、複数の平型半導体素子11と、電極端子板12と、放熱体13と、絶縁スペーサ14と、球面座15と、加圧機構と、加圧支持板16aと、加圧支持板16bとの軸心を合わせる。
最後に、スタッドボルト17と、固定ナット18aと、固定ナット18bと、によって、各用品を加圧状態とする。
【0095】
本実施形態の組み立て方法は、
平型圧接素子を積層した電力変換ユニットを組み立てる方法であって、
異なる形状を有する複数種類の部品を芯出しして組み立て位置に積み上げる際に、複数種類の前記部品の形状にそれぞれ対応した複数種類の異なるハンドをロボットアームに装着するとともに、複数種類の前記部品にそれぞれ対応した前記ハンドに交換することができる。
このとき、複数種類の前記部品を芯出しして組み立て位置に積み上げる際に、複数種類の前記部品の積み上げが終了した後、前記組み立て位置から移動させることができる。
さらに、前記ロボットアームの旋回範囲に配置されて前記部品をそれぞれ載置する部品置き場から前記組み立て位置へと複数種類の前記部品を移送する際に、
前記ロボットアームには、複数種類の前記部品に対応する個別の前記ハンドを前記ロボットアームに着脱可能に並べたハンド置き場において交換することができる。
【0096】
本実施形態によれば、1台のロボットアーム110によって構成可能である。このため、設備の省スペース化が可能となる。複数種類の用品の形状にそれぞれ対応するハンド130として、異なる複数種類のハンド130を備え、ハンド130を交換可能としたことで、外形の異なる用品をそれぞれ把持することが可能となる。
また、用品の積み上げ中に電力変換ユニット10を移動させる必要がないため、積層する用品の間で軸ずれが発生することがない。したがって、積層される用品において、芯出しの精度を向上して積み上げをおこなうことが可能となる。
組み立て位置部150や部品置き場120を走行可能にすることで、組み立てた電力変換ユニット10の運搬や、用品の供給を容易にすることができる。
【0097】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、(複数種類の用品の形状にそれぞれ対応するハンド130として、異なる複数種類のハンド130を備え、ハンド130を交換可能としたことにより、性能特性の低下を来さずに、電力変換ユニットの組み立て作業を自動化可能な組み立て装置、組み立て方法を提供することができる。
【0098】
以上、本実施形態を説明したが、実施形態におけるいくつかの構成は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0099】
10…電力変換ユニット
11…平型圧接素子(平型半導体素子、用品)
12,12B…電極端子板(接続端子板、用品)
13…放熱体(用品)
14…絶縁スペーサ(用品)
16a…加圧支持板
16b…加圧支持板
100…電力変換ユニット製造装置(組み立て装置)
110…ロボットアーム
120…部品置き場
130…ハンド
140…ハンド置き場
150…組み立て位置部
151…組み立て位置
F0…軸線
F13~F18…回転軸線
F30…取付軸線(装着軸線)
図1
図2
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図8
図9