(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170988
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
A63F7/02 323
A63F7/02 336
A63F7/02 301C
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087802
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲平
(72)【発明者】
【氏名】大秋 善幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 健弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 輝彦
(72)【発明者】
【氏名】吉川 真史
(72)【発明者】
【氏名】大内 章史
(72)【発明者】
【氏名】竹市 秀之助
(72)【発明者】
【氏名】盛 准一
(72)【発明者】
【氏名】林 敬祐
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA66
2C088BA15
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】台から離れた位置にいる者に対しても出玉を分かりやすくアピールすることが可能となり、遊技者に出玉感と優越感を与えることを可能にした遊技機を提供する。
【解決手段】遊技者や周囲にいる者から視認可能な前枠に可動部材を設け、遊技結果に基づいて遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数する一方で、計数された遊技媒体の数が例えば一定の閾値に到達した段階で可動部材を動作させることにより、遊技者か獲得した出玉を周囲に報知するように構成する。
【選択図】
図29
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動する遊技領域を備えた遊技盤と、
前記遊技盤の前面に配置され、前記遊技領域を遊技者側から視認可能とする透過領域を備えた前枠と、
前記前枠に設けられた可動部材と、
遊技結果に基づいて遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された遊技媒体の数に応じて前記可動部材を動作させる動作制御手段と、を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記動作制御手段は、前記計数手段により計数された遊技媒体の数が予め設定された閾値以上となったタイミングで前記可動部材の位置を初期位置から動作位置へと移動させ、
前記可動部材が初期位置から動作位置へと移動することによって前記前枠の外観形状が変化することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記計数手段は、遊技結果に基づいて賞球として払い出された遊技媒体の数から遊技者が遊技に消費した遊技球の数を引いた差分を、遊技者が獲得した遊技媒体の数として計数し、
前記動作制御手段は、遊技者が遊技球を消費することによって前記計数手段により計数された遊技媒体の数が前記閾値以上から前記閾値未満となった場合に、前記可動部材の位置を動作位置から初期位置へと戻すことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記計数手段は、遊技結果に基づいて賞球として払い出された遊技媒体の数から遊技者が遊技に消費した遊技球の数を引いた差分を、遊技者が獲得した遊技媒体の数として計数し、
前記動作制御手段は、遊技者が遊技球を消費することによって前記計数手段により計数された遊技媒体の数が前記閾値以上から前記閾値未満となったとしても前記可動部材の位置は動作位置を維持することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記可動部材は前記前枠に対して複数種類設けられており、
前記計数手段により計数された遊技媒体の数が増加するほど、初期位置から動作位置へと移動する前記可動部材の数を段階的に増加させることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項6】
前記計数手段は当日の営業開始時刻から現在までに遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
始動条件が成立したことに基づいて遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、
前記遊技情報に基づいて遊技者に有利な遊技状態へと移行する遊技状態移行手段と、を有し、
前記計数手段は、遊技者に有利な遊技状態にある場合に、遊技者に有利な遊技状態へと移行してから現在までに遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機としては例えば、遊技球(パチンコ球)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機が知られている。このパチンコ遊技機は、機内部に配置されている遊技盤の前面側に遊技領域が形成されており、遊技領域には複数種類の入球口が点在している。またパチンコ遊技機は、遊技球が入球口に入球した場合に、その入球口の種類に応じた賞球を付与するように構成されている。
【0003】
従来は上記のようにして遊技者が獲得した遊技球は専用のケースに収納されて遊技者の足下周辺に積み上げることが行われていたが、近年では利便性を向上させるために遊技台毎に計数機を設置して遊技球をケースに収納することなくその場で計数するパーソナルシステムを搭載したパチンコ機や、遊技球を外部に払い出すことなく内部で循環させるスマートパチンコ等が出現している。これらのパチンコ遊技機は、遊技球をケースに詰めたり計数機までケースを運ぶ必要がなくなり、利便性が向上する一方で遊技者にとっては大量の出玉を獲得した場合であっても出玉感に欠ける問題があった。そこで例えば特開2012-34980号公報には、遊技者が獲得した遊技球の量に応じて発光部を発光させることで出玉感を演出する技術について提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年のパチンコ遊技機は大サイズの液晶画面を中央に備え、更に液晶画面以外にもLEDランプ等の多数の発光体を多く設置しており、遊技中においてはそれらを様々な色やパターンで発光させている。その結果、上記特許文献1のように遊技者が獲得した遊技球の量に応じて発光部を発光させたとしてもそれらの中に埋もれてしまい、十分な効果を得られない問題があった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、遊技者が獲得した遊技媒体の数に応じて前枠に設けられた可動部材を可動させることで、台から離れた位置にいる者に対しても出玉を分かりやすくアピールすることが可能となり、遊技者に出玉感と優越感を与えることを可能にした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技球が転動する遊技領域を備えた遊技盤と、前記遊技盤の前面に配置され、前記遊技領域を遊技者側から視認可能とする透過領域を備えた前枠と、前記前枠に設けられた可動部材と、遊技結果に基づいて遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された遊技媒体の数に応じて前記可動部材を動作させる動作制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、遊技者が獲得した遊技媒体の数に応じて前枠に設けられた可動部材を可動させることで、台から離れた位置にいる者に対しても出玉を分かりやすくアピールすることが可能となり、遊技者に出玉感と優越感を与えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【
図2】
図1に示すパチンコ遊技機の操作台を上方から示した図である。
【
図3】
図1に示すパチンコ遊技機に設けられた表示器類を拡大して示す説明図である。
【
図4】パチンコ遊技機の内枠について示した図である。
【
図5】球循環機構において循環する遊技球の流れを示した図である。
【
図6】
図1に示すパチンコ遊技機に設けられた主制御基板、枠制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図7】
図1に示すパチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図11】特図変動パターン選択テーブルの説明図である。
【
図12】第1特図保留記憶部の記憶内容を示す説明図である。
【
図13】第2特図保留記憶部の記憶内容を示す説明図である。
【
図16】遊技制御用マイコンが実行するメイン側主制御処理のフローチャートである。
【
図17】遊技制御用マイコンが
図16に示すメイン側主制御処理において実行するメイン側タイマ割込処理のフローチャートである。
【
図18】遊技制御用マイコンが
図17に示すメイン側タイマ割込処理において実行する始動口センサ検出処理のフローチャートである。
【
図19】遊技制御用マイコンが
図17に示すメイン側タイマ割込処理において実行するV入賞検出処理のフローチャートである。
【
図20】遊技制御用マイコンが
図17に示すメイン側タイマ割込処理において実行する特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図21】遊技制御用マイコンが
図20に示す特別図柄待機処理において実行する第2特図大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図22】遊技制御用マイコンが
図20に示す特別図柄待機処理において実行する第2特図変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図23】
図22のフローチャートの続きのフローチャートである。
【
図24】遊技制御用マイコンが
図17に示すメイン側タイマ割込処理において実行する特別図柄変動処理のフローチャートである。
【
図25】遊技制御用マイコンが
図17に示すメイン側タイマ割込処理において実行する差玉関連処理のフローチャートである。
【
図26】枠制御用マイコンが実行する制御処理のフローチャートである。
【
図27】枠制御用マイコンが
図26に示す制御処理において実行する割込処理のフローチャートである。
【
図28】枠制御用マイコンが
図27に示す割込処理において実行する持ち球数管理処理のフローチャートである。
【
図29】枠制御用マイコンが
図27に示す割込処理において実行する獲得出玉報知処理のフローチャートである。
【
図30】前面枠に設置される上部可動部材の動作パターンを示した図である。
【
図31】前面枠に設置される左部可動部材及び右部可動部材の動作パターンを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の実施形態に係る遊技機としてパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向および上下方向は、遊技者から見た左右方向および上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0011】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠(扉枠)18、内枠27(内枠については
図4参照)、外枠(図示せず)によって構成される。また、パチンコ遊技機1の左側方には記憶媒体であるプリペイドカードや会員カード(以下、2つを合わせて単に遊技カードという)等のICカードが挿入されるとともに、挿入された遊技カードに記憶された情報の読み出し及び書き込みを行うとともにパチンコ遊技機1や遊技店に設置されたホールコンピュータ(図示せず)との間で通信可能な外部ユニットであるカードユニット28が配置されている。
【0012】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、機内部に封入された所定個数(例えば45個とする)の遊技球を内部の球循環機構(
図4、
図5参照)により循環させて使用する、所謂「管理遊技機」である(「スマートパチンコ」とも言う)。このタイプの遊技機では、遊技者による「持ち球数(遊技者が有する遊技媒体の数)」等を電磁的に記憶・管理するようになっており、遊技球の物理的な払い出しを行わない。例えばパチンコ遊技機1では、遊技者による球貸し操作や再プレイ操作が行われると、その遊技者に所定数分の遊技球数をデータ上で持ち球数に加算し、更新する。具体的に球貸し操作や再プレイ操作は、カードユニット28に挿入された遊技カードに残高或いは持ち球がある状態でカードユニット28にある球貸ボタン281或いは再プレイボタン284が押下される操作である。また、パチンコ遊技機1において現在の持ち球数は後述の枠制御基板150の備える記憶領域に対して記憶される。
【0013】
一方、パチンコ遊技機1は遊技球が遊技に使われる(発射される)と、その分の遊技球数を記憶領域に記憶された持ち球数から減算し、更新する。また、遊技者による遊技に伴って賞球が付与される場合も同様に、その賞球分の遊技球数を記憶領域に記憶された持ち球数に加算し、更新する。この持ち球数のカウント値(記憶値)が0個の場合は、遊技者が遊技に用いる遊技球を所有していない状態であり、遊技者は遊技を行うことができない。このようにパチンコ遊技機1は、遊技者が直接的に遊技球を取り扱う必要がないため、後述のように遊技球を出し入れ可能に貯留する球受け皿を備えておらず、その代わりに、操作台25(
図1)が前面枠18の下部に位置するように配置されている。
【0014】
ここで、操作台25は、前面枠18の下部から前方に張り出した形状で、つまり遊技者側に接近するように設けられている。この操作台25には、ハンドル4と、演出ボタン9と、演出レバー6と、計数ボタン251と、十字キー252と、遊技球数表示器26と、が設けられている。
【0015】
ハンドル4は、操作台25の右側部(前面枠18のうち右下)、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(
図6)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、後述の発射装置90(
図5参照)による遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0016】
演出ボタン9は、操作台25の上面に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、遊技者が右手または左手で押下操作可能な位置であり、かつ、ハンドル4を右手で操作している遊技者が左手を使って押下操作可能な位置に設けられている。本実施形態では、演出ボタン9はプッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(
図7)と、演出ボタン振動モータ9b(
図7)とが内蔵されている。演出ボタンランプ9cは、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときに点灯または点滅する。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネなどの弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、上記弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0017】
演出レバー6は、操作台25の左下部、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りに設けられている。換言すると、演出レバー6は、ハンドル4または演出ボタン9を右手で操作している遊技者が左手を使って押下操作可能な位置に設けられている。
演出レバー6は、左手で掴むことができる棒状に形成されており、右回転または左回転の回転操作の他、後方への押し込み操作が可能である。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6d(
図7)が設けられている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0018】
また、十字キー252は、前面枠18のうち操作台25の上面左側に設けられている。十字キー252では上下左右の各方向を指定する操作が可能であり、例えば遊技中に加えて非遊技中に各種設定を行う為のメニュー画面などが演出表示装置7に表示された状態でも操作される。
【0019】
一方、計数ボタン251は、前面枠18のうち操作台25の上面右側に設けられている。この計数ボタン251は、パチンコ遊技機1(後述する枠制御基板150)で記憶する遊技者の持ち球(データ)を、遊技カード等の記憶媒体に記憶させて持ち出す際、遊技者によって操作される。尚、現時点でパチンコ遊技機1(枠制御基板150)で記憶する具体的な遊技者の持ち球の数については遊技球数表示器26に表示される。また、遊技カードは、カードユニット28の内部に保持されている。パチンコ遊技機1(枠制御基板150)は、この計数ボタン251が操作されると、その時点で記憶している持ち球(データ)から、操作態様に応じた分を減算する。この場合に、持ち球の減算分がカードユニット28によってカウント(計数)され、計数された分の持ち球が遊技カードに記憶(加算)される。このように、計数ボタン251を操作することにより、パチンコ遊技機1(枠制御基板150)からカードユニット28の遊技カードへと遊技者の持ち球(データ)が移動する。但し、持ち球数については遊技カードに直接記憶するのではなく、遊技カードの識別情報と紐づけて管理会社の外部のサーバに記憶しても良い。
【0020】
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、計数ボタン251の短押し操作(例えば1000ms未満の押下操作)が検出されたことに応じて、1個の持ち球(データ)を記憶媒体に向けて移動させる。一方、計数ボタン251の長押し(例えば1000msの押下操作)が検出された場合には、250個の持ち球(データ)を記憶媒体に向けて移動させる。
【0021】
ここで、前述したように遊技店において、パチンコ遊技機1の側方(左側)には縦長のカードユニット28が配置されており、このカードユニット28はパチンコ遊技機1と電気的に接続されている。具体的な構造については図示省略するが、紙幣を投入する投入口や、遊技カードを挿脱する挿脱口283を備えていると共に、遊技者が操作可能な球貸ボタン281、返却ボタン282及び再プレイボタン284を備えている(
図1参照)。このカードユニット28の内部には、貸出基板(SC基板、貸出制御基板、図示せず)が配置されている。貸出基板は、パチンコ遊技機1(枠制御基板150)と電気的に接続されており、遊技者の金額情報を管理して、パチンコ遊技機1への貸球信号の出力(遊技者への遊技球の貸出)を行ったり、上述したように計数ボタン251の操作に応じてパチンコ遊技機1から通知された持ち球(データ)を遊技カードに記憶(持ち球の計数)したり、遊技状況に関する各種の情報をパチンコ遊技機1から取得して遊技店の管理装置(ホールコンピュータ)に出力したりする制御を実行する。
【0022】
また、カードユニット28は、投入口に投入された紙幣に相当する金額情報を遊技カードに記憶し、その記憶される金額情報(または記憶媒体に記憶される金額情報)に応じた個数まで遊技球の貸し出しを受け付ける。例えば、金額情報が1000円である場合、その1000円に対応する遊技球数(例えば250個)の範囲で遊技球の貸し出しが許容される。この場合、遊技者が球貸ボタン281を操作(球貸し操作)して500円分の遊技球の貸し出しを要求すると、その500円分に相当する数の遊技球(例えば125個)を貸球情報(データ)としてパチンコ遊技機1(枠制御基板150)に送信することで、当該パチンコ遊技機1で記憶される遊技者の持ち球数を、貸球分だけ増加させる。一方で、持ち球が遊技カードに記憶された状態で遊技者が再プレイボタン284を操作すると、所定数の遊技球(例えば125個)を再プレイ情報(データ)としてパチンコ遊技機1(枠制御基板150)に送信することで、当該パチンコ遊技機1で記憶される遊技者の持ち球数を、上記所定数分だけ増加させる。また、遊技者が返却ボタン282を操作すると、その操作の際に遊技カードが持ち球(データ)や金額情報を記憶していれば、その持ち球(データ)や金額情報を記憶している遊技カードの一部が、挿脱口から持ち出し可能に露出される。そして、排出された遊技カードを他のパチンコ遊技機のカードユニットに挿入することで持ち球を複数の遊技機間で移動して遊技を行うことも可能となる(但し台移動が許可された店舗に限る)。
【0023】
一方、遊技球数表示器26は、操作台25の上面(演出ボタン9の右方)に、表示面が水平またはやや前下がりの角度となるように設けられている。つまり、遊技球数表示器26の表示面は、遊技者の顔が位置する側を向いており、遊技者が視線を下げた際に見易くなっている。この遊技球数表示器26には、パチンコ遊技機1(枠制御基板150)に記憶されている遊技者が所有する遊技球数に相当する前述した『持ち球数』が表示される。一方で、パチンコ遊技機1での遊技による獲得球数および消費球数の差分の遊技球数に相当する『差玉数』についても計数され、更に当日の『差玉数』の推移において最低値と最高値の差分である『最大差玉数』についても計数される。また、『最大差玉数』に基づいて後述の遊技不能状態への移行が行われる。尚、『差玉数』や『最大差玉数』についても遊技球数表示器26に表示するようにしても良い。
【0024】
ここで、『持ち球数』は、球貸し操作或いは再プレイ操作に応じて貸し出された遊技球数である貸球数と、遊技に応じた賞球として付与された遊技球数である獲得球数と、消費球数との関係で、「貸球数+獲得球数-消費球数」の計算式により算出される球数である。この持ち球数は前述したように、遊技者が遊技を終える際、すなわち計数ボタン251が操作されたことに応じて持ち球数のデータはカードユニット28へと出力されて最終的に記憶媒体である遊技カードに移行する。現在の『持ち球数』は例えば枠制御基板150のRAM(RWM)に記憶される。
一方で、『差玉数』は、パチンコ遊技機1における稼働開始から稼働終了までの間に行われる遊技による獲得球数の総数および消費球数の総数の関係で、「獲得球数-消費球数」の計算式により算出される球数である。現時点の『差玉数』を含む現在までの『差玉数』の推移(履歴)は例えば主制御基板60のRAM(RWM)に記憶される。この差玉数の推移は、前述した持ち球数と異なり、遊技者が遊技を終える際にはリセットされず、遊技店の従業員が行う予め定められた操作に基づいてリセットされる。カードユニット28への出力(記憶媒体への移行)も行われない。即ち『差玉数』の推移は、遊技者単位で計数されて記憶されるものではなく、所定の計数開始タイミング(具体的には前回のリセット時)から同じ遊技台で遊技した複数の遊技者の遊技結果に基づく差玉数の推移が計数されて記憶される。本実施形態では、例えばパチンコ遊技機1の電源をオンすることにより、差玉数の推移をリセットするように構成する。但し、電源がオフされた場合、或いは電源のオンに加えて特殊な操作が行われた場合にのみ差玉数の推移をリセットするようにしても良い。
【0025】
更に、本実施形態のパチンコ遊技機1は、獲得球数の増加により最大差玉数(計数開始タイミングからの差玉数の推移において最低値と最高値の差分)が予め定めた「基準値」に達した場合に、遊技者が遊技を行うことが不可能な遊技不能状態(その日の遊技を終了した状態)に移行するように構成されている。例えば9万5千を基準値とするが、基準値については適宜変更可能である。また、「基準値に到達」は、基本的に差玉数が増加することによって最大差玉数が基準値に到達すること(最高値=現在の差玉数)を前提とするが、差玉数が減少することによって最大差玉数が基準値に到達する場合(最低値=現在の差玉数)を含めても良い。その場合には、消費球数の増加により最大差玉数が予め定めた「基準数」に達した場合に遊技不能状態に移行することとなる。尚、パチンコ遊技機1が遊技不能状態に移行した後は、遊技を行っていた遊技者だけではなくその台では新たな遊技者も遊技を行うことができず、遊技店の従業員による特別な操作、例えば枠制御基板150が備えるRAMクリアスイッチ185が押下された状態で起動する(ラムクリする)ことにより、遊技不能状態が解除されるように構成する。但し、遊技不能状態へ移行させる目的(射幸性の抑制)を考慮すれば、遊技不能状態へと移行した当日は営業時間が終了するまで遊技不能状態を解除するのは避けるのが望ましい。基本的には営業時間の終了後であって次の営業時間が開始されるまでの間に遊技不能状態を解除するようにする。
【0026】
尚、最大差玉数の計数は基本的に営業日単位で行うこととし、日付を跨いだ最大差玉数の計数は行わない(但しオールナイト営業等の特殊な営業形態で営業を行う際については例外とする)。即ち、遊技店の営業日毎(稼働毎)での差玉数の推移の結果に応じてパチンコ遊技機1で行われるその日の遊技を終了させる。従って、その為には、遊技店の従業員が過去の差玉数の推移をリセットする場合、その操作は通常、営業日毎に営業時間(パチンコ遊技機1の稼働時間)の終了後であって次の営業時間が開始されるまでの間に行う必要がある。
【0027】
また、前面枠18のうち、左側には左サイドランプ23aが設けられており、右側には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音および報知音などの音を演出内容に応じて出力する。
【0028】
また、前面枠18の右側部には、内枠27および前面枠18を施錠する施錠装置(不図示)を操作するための鍵挿入部29が設けられている。この鍵挿入部29に所定の鍵を挿入して所定方向、例えば、右方向に回せば、施錠装置のロック状態が解除されて前面枠18のみが開く。一方、鍵挿入部29に鍵を挿入して所定方向に対して反対側方向、例えば、左方向に回せば、施錠装置のロック状態が解除されて内枠27および前面枠18が一体的に開くようになっている。尚、後述の発射装置や揚上装置の球抜き作業を行う場合については前面枠18のみを開閉して行い、球抜きモードへ移行するための球抜きスイッチや持ち球をクリアするための計数クリアスイッチや電源スイッチ等の操作を行う場合については内枠27および前面枠18を一体的に開いて行う。
【0029】
一方、前面枠(前枠)18の上部、左部、右部にはそれぞれ上部可動部材161、左部可動部材162、右部可動部材163が設けられている。ここで、各可動部材は例えばキャラクタの頭部、左腕、右腕を模した形状を有しており、通常時は収納部内に収納され遊技者からは視認できない状態となっている。この可動部材は、基本的には特別図柄の変動に伴ってパチンコ遊技機1で実行される大当たり(或いは小当たり)当選結果を報知する為の予告演出やリーチ演出において動作する。尚、予告演出やリーチ演出以外に大当たり後や大当たり遊技中に行われる昇格演出において動作させても良い。
【0030】
例えば、キャラクタの頭部を模した上部可動部材161を例に挙げると、特に大当たりの期待度の高い予告演出やリーチ演出が行われる場合において、予め決められた特定のタイミングで内部の駆動モータにより前方側へ回転駆動させる。その結果、内部に隠れていたキャラクタの顔を模した部材が出現し、それによって今回の変動が特に大当たりの期待度の高い変動であることを遊技者に示唆する。但し、本実施形態では後述のように上記予告演出時やリーチ演出時に加えて、遊技者がこれまでに獲得した遊技球の数(基本的には遊技による獲得球数と消費球数の差分である『差玉数』とするが、貸球数も含めた『持ち球数』或いは消費球数は考慮しない『獲得球数』であっても良い)によっても各可動部材が動作するように構成されている。詳細については後述する。
【0031】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置(画像表示装置)7についても備える。遊技盤2は、遊技盤2の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。演出表示装置7は、遊技盤2の後側に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。遊技盤2は、固定入賞装置10と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置(Vアタッカー)33と、ゲート12と、普通可変入賞装置(普通電動役物、電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、センター装飾体14と、レール部材17とを備える。
【0032】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。また、
図1には示さないが、遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられている。それら各LEDを総称して盤ランプ(
図7において符号2aで示す)という。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。つまり、パチンコ遊技機1は、遊技制御中に演出内容に応じて左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aを点灯または点滅させ、各スピーカ8から音を出力する。
【0033】
固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3bに配置されており、右遊技領域3bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。
尚、
図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右側に配置されているが、遊技領域3の下側に配置しても良い。
【0034】
第1大入賞装置30は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の右方に配置されており、第2大入賞装置33は、第1大入賞装置30の上側に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口32を開閉する第1開閉部材31を備えており、第2大入賞装置33は、第2大入賞口35を開閉する第2開閉部材34を備える。第1大入賞口32および第2大入賞口35は、それぞれ同時に複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。本実施形態では、第1開閉部材31および第2開閉部材34は、それぞれ左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。以下、第1大入賞口32および第2大入賞口35に共通の事項を説明する場合は、単に大入賞口という。
第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口35に入賞した遊技球が通過可能な領域である特定領域(V入賞領域ともいう、図示せず)および非特定領域(図示せず)が形成されている。また、第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口35に入賞した遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材(図示せず)と、この振分部材を駆動する振分部材ソレノイド35d(
図6)とが設けられている。
【0035】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって第1大入賞装置30の下方に設けられている。
図3に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0036】
本実施形態では、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52は、それぞれ8個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)がそれぞれ特別図柄を表しており、LEDの点灯箇所が所定方向(たとえば、左から右)へ流れる状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、本実施形態では、普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)が普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開閉し、第2始動口22が開閉する。
【0037】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。また、後述のように小当たりに当選した場合には第2大入賞装置33が作動して第2開閉部材34が開閉し、第2大入賞口35が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0038】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。また、後述のように小当たりに当選した場合には第2大入賞装置33が作動して第2開閉部材34が開閉し、第2大入賞口35が開閉する。更に、第2大入賞口35が開放されるのに合わせて振分部材ソレノイド35dが作動し、所定期間のみ特定領域(V入賞領域)に遊技球が通過可能な状態とする。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数および第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
【0039】
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。また、大入賞口が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間をラウンドという。また、最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。また、大当たり判定において大当たりと判定された場合は、大当たりの種類が抽選により決定される。大当たりの種類によって、大入賞口の開口期間、実行可能な最大ラウンド数などが異なる。更に、パチンコ遊技機1には大当たり以外に小当たりと呼ばれる当たりも存在する。小当たりに当選した場合には、大当たり遊技は行われないが大入賞口が所定期間のみ開放される。特に本実施形態では、大当たり遊技では第1大入賞口32が開放され、小当たりに当選した場合には第2大入賞口35が開放される。
【0040】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、通常の大当たり判定において大当たりと判定された場合に加えて、遊技中に第2大入賞口35に入賞した遊技球が、前述した特定領域を通過(V入賞)した場合にも大当たり遊技が開始される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。また、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)は基本的に固定であり、大当たり確率が通常よりも高い状態となる高確率状態は本機種では存在しない。
【0041】
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方に配置されている。レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、後述の発射装置90(
図5)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。センター装飾体14は、遊技盤2のうち上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
また、パチンコ遊技機1は、可動体15を備える。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。
図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
【0042】
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像および静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施形態では、演出図柄は、1~9の算用数字を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタなど、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。本実施形態では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄9Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄9Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄9Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域および右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0043】
本実施形態では、各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式などを用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。たとえば、背景画像は、テレビドラマや映画などの動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像などである。本実施形態では、演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。
演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0044】
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄を大当たり演出図柄といい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄をハズレ演出図柄という。本実施形態では、大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。たとえば、
図1に示すように、確定表示された左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。たとえば、確定表示された左演出図柄9Lが「7」、中演出図柄9Cが「6」、右演出図柄9Rが「7」の状態である。
以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄を演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像または動画像である。
【0045】
演出図柄変動パターンは、特図変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。尚、第1特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数、及び第2特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、保留画像によって演出表示装置7に表示される。従って、遊技者は、演出表示装置7に表示される保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数や第2特図保留数を知ることができるとともに、第1特図保留数や第2特図保留数に起因する演出表示装置7の作動保留数を知ることができる。尚、演出表示装置7の作動保留数については演出表示装置7に表示せずに演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知しても良い。
【0046】
また、パチンコ遊技機1では、上記演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯、役物の動作等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
【0047】
更に、本実施形態のパチンコ遊技機1では、演出表示装置7に対して現時点での最大差玉数の基準値への到達状況が表示される。前述したようにパチンコ遊技機1は最大差玉数が設定された基準値に到達したことを契機として遊技機での遊技を行うことができない遊技不能状態に移行するので、遊技者は演出表示装置7に表示された最大差玉数の基準値への到達状況を視認することにより、事前に遊技不能状態への移行が行われることを予測することが可能となる。尚、最大差玉数の基準値への到達状況については遊技者の遊技中において常に演出表示装置7に表示するようにしても良いし、特定のタイミングでのみ表示するようにしても良い。
【0048】
(球循環機構)
次に、内枠27の内、特に遊技盤2を保持する範囲よりも下側範囲に備えられる球循環機構130の概略構成について、
図4及び
図5を参照しつつ説明する。ここで、
図4は遊技盤2や演出表示装置7を取り外した状態の内枠27の正面図である。
図5は球循環機構130において循環する遊技球の流れを示した図である。
【0049】
球循環機構130は、パチンコ遊技機1の内部で所定個数(例えば45個)の遊技球(循環球)を循環させるための機構であり、
図5に示すように、集合部131と、回収部132と、揚上装置134と、発射装置90と、返戻部138と、循環球受け皿139とを備えている。また、回収部132には回収センサ132a、発射装置90から打ち出される通路には実射センサ143b、返戻部138にはファール球センサ138aが配置されている。
【0050】
ここで、集合部131は、上方(遊技盤2の後面)から落下してくる遊技球を受け入れるよう、上方に開口する凹溝状に形成されている。集合部131の底面は、左右方向の両端側から中央側に向けて下方傾斜しており、その下流端となる中央側が下方に向けて開口している。集合部131は、遊技領域3に設けられる複数の入賞口(前述)の何れかに入球して遊技領域3外(遊技盤2の後面側)に排出された遊技球と、アウト口19を介して遊技領域3外(遊技盤2の後面側)に排出された遊技球とを底面上で集合させ、その底面の開口から落下させることで、回収部132へと導く。
【0051】
回収部132は、遊技球が一列で流下可能な回収通路R1を内部に形成しており、この回収通路R1の上流端部は前述した集合部131の底面の開口に接続している。回収通路R1の途中には回収センサ132aが配置されており、回収通路R1を通過する遊技球が回収センサ132aによって1個ずつ検出されるようになっている。すなわち、遊技領域3を流下する遊技球は、入賞口(前述)に入球するかアウト口19から排出されるかに関わらず、集合部131で集合し、回収部132の回収通路R1に流入して一列となり、回収センサ132aによって1個ずつ検出される。なお、球循環機構130で遊技球が正常に循環されている場合、遊技者によるハンドル4の操作に伴う遊技球の発射回数(実射回数、後述する実射センサ143bによる検出数)が、その後に回収センサ132aで検出される遊技球数と一致することになる。この回収部132の下流端部は、縦長箱状の揚上装置134の下部に接続している。これにより、回収通路R1を通過した遊技球は、揚上装置134の下部に流入する。
【0052】
揚上装置134は、上下方向に延在する揚送通路R2を内部に形成しており、この揚送通路R2の下端部は前述した回収部132の回収通路R1に接続している。また、揚上装置134には、揚送通路R2に沿うように、上下に延在する円柱状の揚送軸134aが回転可能に収容されている。揚送軸134aは、外周面に螺旋状の球保持片134bが形成され、揚送モータ134cの正逆回転に応じて正逆回転する。ここで、揚送モータ134cの正回転に伴い、揚送軸134aの下端側で球保持片134bに保持された遊技球が揚送通路R2を上昇移動するように構成されている。この揚上装置134は、上記揚送軸134aに沿って上昇移動した遊技球を発射装置90の遊技球の入口へと導くため、右端部から左端部に向けて下方傾斜する発射待機通路R3を内側に形成しており、揚送通路R2の上端部が発射待機通路R3に連通している。つまり、揚送軸134aの正回転によって揚送通路R2内を上昇移動した遊技球は、発射待機通路R3の内部に導かれる。一方、後述の球循環機構130からの球抜きを行う場合には、遊技店員等が後述する所定の操作を行って揚送モータ134cを逆回転させることで、揚送通路R2内の遊技球が下降移動し、排球口134dから後述する循環球受け皿139に排出される。
【0053】
また、発射待機通路R3の下流側は前方に向けて開口しており、この開口に、後述する発射装置90の内部通路R4の上流端部が更に接続している。
【0054】
ここで発射装置90は、正面側(遊技者側)に位置する球送り部136と、後面側に位置するとともに球送り部により発射位置に送られた遊技球に発射槌90aを衝突させる発射部137と、が前後方向に組み合わされて固定されることからなる箱状のユニットである。先ず球送り部136について説明すると、球送り部136は、その内部に内部通路R4が形成されていると共に、球送り部材136c及び球送りソレノイド136bが取り付けられている。内部通路R4は、遊技球が一列で通過する通路幅で形成されており、その上流端部(右端部)が前述した発射待機通路R3に連通していると共に、下流端部(左端部)に対向して球送り部材136cが配置されている。また、この内部通路R4の下流端部の下方に、前後方向に貫通する(球送り部136からの遊技球の)出口136aが形成されている。球送り部材136cは、
図5に示すように、正面視での左端部を軸として、遊技球を1個保持可能な右端側(コ字状の部分)が上下に揺動可能に構成されている。この球送り部材136cは、揺動上端位置にある時に、内部通路R4の下流端部からの遊技球を受け取ることが可能であり、その受け取った遊技球を、揺動下端位置への移動によって球送り部136の出口136aに送り出すことが可能である。
【0055】
また、内部通路R4には、発射装置90内に貯留されている遊技球を発射装置90の外部に排出するための排出口140に導くための落下口136dを備えている。落下口136dは通常時においては開閉部材136eによって閉鎖されているが、パチンコ遊技機1内を循環する遊技球をパチンコ遊技機1から抜く為の球抜き操作を行う際に、作業者(メンテナンス業者や遊技店の従業員などが該当する、以下同じ)の操作によって開閉部材136eを開動作させて落下口136dを開口状態とすることが可能である。また、落下口136dと排出口140とは排出通路140aによってつながっている。球送り部136の前面側の壁面には球抜きレバー141が配置されている。この球抜きレバー141は前面枠18が開放されて発射装置90が露出することによって初めて操作可能となる。即ち前面枠18が閉鎖した状態では操作困難である一方、前面枠18が開放されることによって操作可能となり、基本的に球抜き操作を行う作業者のみが操作可能な操作手段となる。また、球抜きレバー141はバネによって左側(開閉部材136eが閉鎖する方向)に常に付勢されている。そして、内部通路(遊技球通路)R4に遊技球が貯留されている状態でレバー141が右方向に操作されると、開閉部材136eが開動作して落下口136dが開口状態となり、排出通路140aを通って発射装置90内に貯留されている遊技球を排出口140から外へ排出することが可能となる。尚、発射装置90の排出口140から排出された遊技球は揚上装置134の排球口134dから排出された遊技球と同じく後述する循環球受け皿139に排出される。
【0056】
ここで、循環球受け皿139は、パチンコ遊技機1の内部における揚上装置134及び発射装置90の下方にある空間に配置され、球抜き操作によって揚上装置134の排球口134d及び発射装置90の排出口140から排出される各遊技球(循環球)を全て収容可能に構成されている。この循環球受け皿139は、前面枠18を開いた状態で球循環機構130に対して容易に着脱可能となっているので、球抜きされた遊技球を一度に持ち運ぶのに便利である。なお、球循環機構130内に遊技球を戻す場合は、必要数の遊技球を収容した循環球受け皿139の先細り状の端部(注ぎ口)を遊技領域3下端部のアウト口19に近づけて遊技球を流し込むようにする。
【0057】
一方、球送り部136とともに発射装置90を構成するもう一方の部材である発射部137について説明すると、発射部137には、発射槌90aや発射レール143が設けられている。発射槌90aは、発射モータ91の駆動に伴う発射動作により、球送り部136の球送り部材136cが打球位置143aに1個ずつ供給する遊技球を遊技領域3に向けて発射するように構成されている。なお、打球位置143aは、発射槌90aによる打撃対象となる遊技球の停止位置であり、左上がりに設けられた発射レール143上の右下端部(下流端部)に設けられている。打球位置143aの遊技球は、発射槌90aによる打撃を受けて発射レール143上を摺動し、その延長方向(左上方)へと飛翔して遊技盤2の発射球誘導通路17aへと進入し、その先で遊技領域3へと流入する。
【0058】
上記構成により、揚上装置134の発射待機通路R3を流れた遊技球は一列で発射装置内の内部通路R4に流入し、球送りソレノイド136bの駆動に伴う球送り部材136cの動作により、球送り部136の出口136aから1個ずつ打球位置143aに供給され、発射モータ91の駆動に伴う発射槌90aの動作により、発射レール143から発射球誘導通路17aを介して遊技領域3へと移動する。
【0059】
また、発射レール143からの遊技球の移動先側(本実施形態では、発射球誘導通路17aの入口近傍)に、実射センサ143bが配置されている。この実射センサ143bは、打球位置から遊技領域3に向けて移動する遊技球(すなわち、実際に発射された遊技球)を検出するように設けられている。ここで、パチンコ遊技機1では、実射センサ143bによる1回の検出を1個の消費球数の発生に相当するものとして判断するように制御を行う。つまり、実射センサ143bによる1回の検出が発生すると、パチンコ遊技機1(後述する枠制御基板150)において記憶する持ち球数のカウント値が1個分減算される。
【0060】
また、
図5に示すように、発射レール143と遊技盤2(発射球誘導通路17a)とは離間しており、そのスペースの下側に返戻部138が設けられている。この返戻部138は、発射槌90aに発射され飛翔したものの遊技領域3まで到達できなかった遊技球を揚上装置134に誘導するためのファール球通路R5を形成している。ファール球通路R5は、発射レール143及び遊技盤2(発射球誘導通路17a)の間から下方に向けて延び、そこから僅かに後方へ延びて、更に右下方に向けて延びた先で、揚送通路R2に接続している。このファール球通路R5の途中位置には、ファール球通路R5を通過する遊技球(ファール球)を検出するファール球センサ138aが設けられている。なお、ファール球(ファール球センサ138aによる検出)が発生すると、パチンコ遊技機1(後述する枠制御基板150)において記憶する持ち球数のカウント値が1個分加算される(持ち球が1個戻される)。
【0061】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について
図6および
図7を参照しつつ説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(
図6)と、枠制御基板150(
図7)と、サブ制御基板100(
図7)と、画像制御基板200(
図7)と、ランプ制御基板79(
図7)と、音声制御基板78(
図7)とを備えている。
【0062】
図6に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブルTa1(
図8)、普図当たり判定テーブルTa2、大当たり種別判定テーブルTa3(
図9)、リーチ判定テーブルTa4(
図10)、特図変動パターン選択テーブルTa5(
図11)などの各種のテーブルが記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。
【0063】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリなどとして使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
図12に示すように、第1特図保留記憶部64aは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11(
図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51(
図3)が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11(
図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第1特図保留記憶部64aに記憶される。
【0064】
一方、
図13に示すように、第2特図保留記憶部64bは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22(
図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52(
図3)が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22(
図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第2特図保留記憶部64bに記憶される。
【0065】
大当たり乱数などは作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数などが第1ないし第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数などは、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。たとえば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数などは第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などに基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
【0066】
普図保留記憶部64c(
図6)は、遊技球がゲート12(
図1)を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。本実施形態では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0067】
差玉数記憶部64d(
図6)は、現時点の差玉数を含む現在までの差玉数の推移(履歴)を記憶する記憶部である。差玉数は、前述したように「獲得球数-消費球数」の計算式により算出される球数であり、実射センサ143bによる検出(消費球数の発生)に応じて、差玉数記憶部64dに記憶されている差玉数を減算する。また、特定の入賞口に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口に対応する賞球数だけ差玉数を加算する。例えば、第1始動口11に遊技球が入賞すると3球の遊技球(賞球)が与えられることになり、その結果、差玉数が「3」増加する。また、一般入賞口13に遊技球が入賞すると5球の遊技球(賞球)が与えられることになり、その結果、差玉数が「5」増加する。また、第2始動口22に遊技球が入賞すると3球の遊技球(賞球)が与えられることになり、その結果、差玉数が「3」増加する。また第1大入賞口32に遊技球が入賞すると15球の遊技球(賞球)が与えられることになり、その結果、差玉数が「15」増加する。また第2大入賞口35に遊技球が入賞すると1球の遊技球(賞球)が与えられることになり、その結果、差玉数が「1」増加する。なお、ここで説明した球数は、あくまで一例であり、適宜変更可能である。また、更新後の差玉数に基づく最大差玉数が予め定めた基準値に到達すると、遊技者が遊技を行うことが不可能な遊技不能状態に移行する。尚、差玉数記憶部64dは主制御基板60でなく後述の枠制御基板150に記憶するようにしても良い。
【0068】
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ35aと、特定領域センサ35bと、非特定領域センサ35cと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド33aと、振分部材ソレノイド35dと、が電気的に接続されている。
【0069】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(
図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22(
図1)の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(
図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞口32(
図1)の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35(
図1)の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口35に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ35bは、第2大入賞口35(
図1)の内部の特定領域内に設けられており、遊技球が特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサ35cは、第2大入賞口35(
図1)の内部の非特定領域に設けられており、遊技球が非特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(
図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0070】
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21(
図1)を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材31(
図1)を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド33aは、第2大入賞装置33の第2開閉部材34(
図1)を開閉駆動する。振分部材ソレノイド35dは、第2大入賞装置33の内部に設けられた振分部材を駆動する。特に小当たりに当選した場合において第2大入賞装置33が開放状態になるのに合わせて振分部材ソレノイド35dが作動し、所定期間のみ特定領域(V入賞領域)に遊技球が通過可能な状態となる。所定期間が経過すると特定領域に遊技球が通過不可な状態へと戻る。
【0071】
更に、主制御基板60には、発射制御回路75(
図6参照)が枠制御基板150を介して電気的に接続されている。主制御基板60は、遊技を行うことが可能な遊技可能状態である場合に、枠制御基板150を介して発射制御回路75に発射許可信号を出力する。なお、発射制御回路75には、前述の発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、遊技球を打撃して発射する発射槌90a(
図5)を駆動する発射モータ91と、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するタッチスイッチ92と、発射レバー4aの回転に伴う変位量に応じて発射槌90aが遊技球を打撃する強度を調節する発射ボリューム93と、
図5に示すように内部通路R4にある遊技球を打球位置143aに送る球送り部材136cを揺動させる為の球送りソレノイド136bと、を備えている。発射制御回路75は、発射許可信号と、遊技者のハンドル4への接触を示すタッチスイッチ92からの信号とを入力する状態で、球送りソレノイド136bを駆動させて内部通路R4にある遊技球を1球ずつ打球位置143aに送り、更に発射ボリューム93の変位量に応じた打撃強度で発射槌90aを駆動するように発射モータ91を制御して、定期的に(例えば0.6秒間隔で)遊技球を発射させる。一方で、発射制御回路75は、発射許可信号を入力していない状態(後述する遊技不能状態)では発射モータ91の駆動を停止する。
【0072】
一方、
図6に示すように、枠制御基板150には、前述した発射制御回路75の他、カードユニット28、計数ボタン251、十字キー252、遊技球数表示器26、揚送モータ134c、回収センサ132a、実射センサ143b、ファール球センサ138a、上部可動部材駆動モータ161a、左部可動部材駆動モータ162a、右部可動部材駆動モータ163a等が電気的に接続されている。枠制御基板150には、枠制御用ワンチップマイコン(以下、枠制御用マイコンという)151が実装されている。
【0073】
枠制御用マイコン151は、CPU152と、ROM153と、RAM154と、入出力回路155とを備えている。枠制御用マイコン151のCPU152は、カードユニット28との間での情報の送受信(信号の入出力)、遊技球数表示器26の表示制御等を実行する。ROM153には、CPU152が実行するコンピュータプログラムが記憶されている。RAM154は、CPU152がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM154には、持ち球数を記憶するための持ち球数記憶部154aが設けられている。
【0074】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、枠制御基板150とサブ制御基板100とが接続され、枠制御基板150は、サブ制御基板100に対し持ち球数に関する情報や、球循環機構の異常状態に関する情報等を出力可能に構成されている。一方で、サブ制御基板100に実装されている後述するRTC(リアルタイムクロック)124からの時刻情報について枠制御基板150へと入力可能となっている。但し、RTC124については枠制御基板150が備えるようにしても良い。また、枠制御基板150とサブ制御基板100との間の情報の入出力は、主制御基板60を経由して行うようにしてもよい。
【0075】
この他、枠制御基板150には、前面枠18の開放状態を検出する扉開放センサ18c、球循環機構130を構成する電気部品(揚送モータ134c、回収センサ132a、実射センサ143b、ファール球センサ138a)、上部可動部材161、左部可動部材162、右部可動部材163を動作する為の駆動手段(上部可動部材駆動モータ161a、左部可動部材駆動モータ162a、右部可動部材駆動モータ163a)等が電気的に接続されていると共に、接続端子盤等を介してカードユニット28の貸出基板が電気的に接続されている。
【0076】
カードユニット28は、投入口に投入された紙幣を識別し、あるいは挿入口に挿入された遊技カードなどの記憶媒体を読み込むことで、金額(残高)を特定し、その金額情報をパチンコ遊技機1に向けて出力する。この金額情報は、枠制御基板150の枠制御用マイコン151に入力される。枠制御用マイコン151は、カードユニット28からの金額情報から金額(残高)を特定し、その金額に対応する遊技球数の範囲で、遊技者による球貸ボタン281(
図1)の操作に応じた貸球の付与(遊技球の貸し出し)を制御する。この貸球付与の場合に、枠制御用マイコン151は、持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数に貸球数を加算することで、遊技者に対して遊技球を貸し出すようにする。また、持ち球が遊技カードに記憶された状態で遊技者による再プレイボタン284(
図1)の操作に応じた持ち球の遊技機への移動(持ち球遊技)についても制御する。この持ち球の移動の場合に、枠制御用マイコン151は、持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数に所定数の遊技球(例えば125個)を加算することで、遊技者に対して持ち球による再プレイを可能にする。この他、枠制御用マイコン151は、遊技者による計数ボタン251の操作に応じて、持ち球数記憶部154aに記憶している持ち球(データ)から、操作態様に応じた分を減算する。また、枠制御用マイコン151は、持ち球数を減算する一方で、減算した持ち球数(データ)についてカードユニット28に出力する。そして、持ち球の減算分がカードユニット28によってカウント(計数)され、計数された分の持ち球が遊技カードに記憶(加算)される。このように、計数ボタン251を操作することにより、パチンコ遊技機1(枠制御基板150)からカードユニット28の遊技カードへと遊技者の持ち球(データ)が移動する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、計数ボタン251の短押し操作(例えば1000ms未満の押下操作)が検出されたことに応じて、1個の持ち球(データ)を記憶媒体に向けて移動させる。一方、計数ボタン251の長押し(例えば1000msの押下操作)が検出された場合には、250個の持ち球(データ)を記憶媒体に向けて移動させる。
【0077】
更に、本実施形態の枠制御基板150上には、計数クリアスイッチ183、球抜きスイッチ184、RAMクリアスイッチ185等が配置されている。
【0078】
計数クリアスイッチ183は、枠制御基板150上に操作可能に設けられている。パチンコ遊技機1は、計数クリアスイッチ183が押下された状態で起動(電源スイッチ72をON)すると、枠制御用マイコン151(CPU152)に対して計数クリア信号を出力し、RAM154の持ち球数記憶部154aに記憶される持ち球数をクリアして初期値「0」に戻すようにする。
【0079】
球抜きスイッチ184は、同じく枠制御基板150上に操作可能に設けられている。枠制御用マイコン151は、球抜きスイッチ184が押下された状態で起動(電源スイッチ72をON)すると、枠制御用マイコン151(CPU152)に対して球抜きモード移行信号を出力し、前述の球循環機構130(
図5)の駆動制御モードを通常モードから球抜きモードに移行させる。この球抜きモードでは、球循環機構130の揚送モータ134cが逆回転を行うことで、揚送軸134aが循環球を排球口134dへと移動させて循環球受け皿139へと排出(球抜き)することが可能となる。
【0080】
但し、上記球抜きモードへの移行は基本的に持ち球数記憶部154aに記憶される持ち球数が初期値(即ち0)である場合にのみ移行する。即ち、持ち球数記憶部154aに1以上の持ち球数が記憶された状態では、仮に球抜きスイッチ184が押下された状態で起動(電源スイッチ72をON)したとしても球抜きモードへは移行しない。
【0081】
RAMクリアスイッチ185は、同じく枠制御基板150上に操作可能に設けられている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ185が押下された状態で起動すると、主制御基板60のRAM64およびサブ制御基板100のRAM120(
図7)を初期化する。また、最大差玉数が基準値に到達して遊技不能状態に移行した状態では、RAMクリアスイッチ185が押下された状態で起動すると遊技不能状態を解除することも可能である。尚、RAMクリアスイッチ185は主制御基板60に設けても良い。
【0082】
なお、枠制御基板150は、サブ制御基板100への情報出力を、主制御基板60を経由して実行可能に構成されている。例えば、枠制御基板150は、遊技球数に関する情報(持ち球数)や、RAMクリアスイッチ185の操作情報、球循環機構130の球抜きモードへの移行、球循環機構130の異常状態に関する情報等をサブ制御基板100に出力可能である。この他、枠制御基板150とサブ制御基板100とを直接的に配線接続し、枠制御基板150からサブ制御基板100に直接情報を出力してもよい。
【0083】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60および枠制御基板150に電力を供給する。また、電源基板70は、枠制御基板150に電気的に接続された各装置に対して、枠制御基板150を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサおよびソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0084】
主制御基板60は、サブ制御基板100(
図7)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0085】
図7に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、演出選択テーブルTa6(図示せず)などの各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123と、が設けられている。なお、演出制御用マイコン101が、本発明の制御手段の一例である。
【0086】
図14に示すように、第1特図保留演出記憶部121は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンドなどを記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、
図15に示すように、第2特図保留演出記憶部122は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンドなどを記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドを記憶する。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信または受信を行う。
【0087】
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、画像制御用CPU202と、VDP201(Video Display Processor)と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、レバー演出画像および予告画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。CGROM205が本発明の演出記憶手段の一例である。
【0088】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。なお、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、盤ランプ2a、演出ボタンランプおよびランプ制御基板79が、本発明の演出手段の一例である。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して上記可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
【0089】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0090】
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー押込検出スイッチ6gと、演出レバー回転検出スイッチ6hと、演出ボタン振動モータ9bと、演出レバー振動モータ6dとが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6gは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6gから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6hは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6hから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
【0091】
演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6dの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6dを駆動制御する。
【0092】
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときにはその電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。
【0093】
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1の普通図柄表示器53には、確率変動機能は無く、変動時間短縮機能のみ備わっている。一方、特別図柄表示器についても、確率変動機能は無く、変動時間短縮機能のみ備わっている。
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。
【0094】
普通図柄表示器53の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。たとえば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。
【0095】
また、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率は非時短状態と変わらないが、当たりと判定された場合に時短状態と非時短状態とでは前述したように普通可変入賞装置20の可動部材21の動作パターンが大きく異なっている。非時短状態では第2始動口22への遊技球の入球が実質不可能なごく短い時間のみ可動部材21が第2始動口22を開口する開口状態となり、一方で時短状態では普通可変入賞装置20の可動部材21が開口状態となるのが非時短状態に比べて長くなっており、第2始動口22への遊技球の入球が非常に容易な状態となっている。つまり、時短状態では普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。
【0096】
普通図柄表示器53の変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。
【0097】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄及び第2特別図柄による抽選で大当たりした場合(V入賞による大当たりも含む)において大当たり遊技終了後に、一定割合で電サポ制御が行われるとともに時短状態(以下、この状態を時短遊技状態という)へと移行する。この時短遊技状態(a時短ともいう)は、大当たりの種別に基づいて設定された時短回数(例えば40回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、或いは、時短回数以内に大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。本実施形態のパチンコ遊技機1は1種2種混合機なので確変状態は存在しないが、第2特別図柄の抽選は第1特別図柄の抽選に比べて小当たりの確率が高く設定されており、且つ時短遊技状態中の小当たりの当選はその後に遊技者が操作を間違わなければ実質的に100%大当たりとなる。即ち、本実施形態では時短遊技状態が、遊技者が大当たりを獲得することが通常遊技状態より容易な状態であるラッシュ状態に相当する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、電サポ制御は行わないとともに非時短状態である。
【0098】
[大当たり判定テーブル]
図8に示す大当たり判定テーブルTa1は、遊技制御用マイコン61(
図6)が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルTa1は、抽選の種類(特
図1の抽選か特
図2の抽選か)と大当たり乱数とを対応付けて構成されている。大当たり乱数は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタICなどの乱数生成回路を利用したものでも良い。本実施形態では、大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。本実施形態では、大当たり判定テーブルTa1には、第1特別図柄の抽選(特
図1の抽選)のときの大当たりに対応する乱数として、0~204の計205個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~204のいずれかであった場合は、大当たり判定において大当たりと判定し、0~65535のうち0~204以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
【0099】
一方、大当たり判定テーブルTa1には、第2特別図柄の抽選(特
図2の抽選)のときの大当たりに対応する乱数として、0~204の計205個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~204のいずれかであった場合は、大当たり判定において大当たりと判定し、0~65535のうち0~204以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。また、ハズレと判定される場合であって、特に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が205~2216のいずれかであった場合は、小当たりと判定される。つまり、特
図1の抽選と特
図2の抽選とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、特
図2の抽選の方が特
図1の抽選よりも小当たりと判定される確率が高くなっている。また、特
図2の抽選では小当たりの当選確率は約1/30であり、大当たりに比べて当選確率が非常に高く設定されている。尚、特に特
図2の小当たりは、第2大入賞装置33が特定領域(V入賞領域)への遊技球の通過が可能な開放パターンで、第2大入賞装置33を作動させる当たりとなる。
【0100】
[大当たり種別判定テーブル]
図9に示す大当たり種別判定テーブルTa3は、大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61(
図6)が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルTa3は、抽選の種類(特
図1の抽選か特
図2の抽選かV入賞による大当たりか)と大当たり種別乱数とを対応付けて構成されている。大当たり種別乱数は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタICなどの乱数生成回路を利用したものでも良い。本実施形態では、大当たり種別乱数カウンタは、0~9の計10個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~9の計10個の大当たり種別乱数を発生する。本実施形態のパチンコ遊技機1では,大当たりの種別として、「5R大当たり(時短なし)」と、「5R大当たり(大当たり遊技後に40回変動まで時短)」と、「10R大当たり(大当たり遊技後に40回変動まで時短)」がある。そして、パチンコ遊技機1では、
図6に示すように第1特別図柄の抽選(特
図1の抽選)では、大当たり種別乱数が0~4の範囲内の値であれば、「5R大当たり(時短なし)」に当選したと判定し、大当たり種別乱数が5~9であれば、「5R大当たり(大当たり遊技後に40回変動まで時短)」に当選したと判定する。一方、第2特別図柄の抽選(V入賞による大当たりも含まれる)では、大当たり種別乱数に関わらず「10R大当たり(大当たり遊技後に40回変動まで時短)」に当選したと判定する。
【0101】
尚、大当たり種別判定テーブルTa3は、特図の種類に加えて大当たり当選時(V入賞による大当たりについてはV入賞時)の時短状態の有無によって大当たり種別の振り分けを変えることも可能である。また、大当たりラウンド数はV入賞による大当たりである場合については大当たり遊技開始前のV入賞させるための大入賞口の開放(小当たり遊技)についてもランド数に含まれる。
【0102】
上記のように大当たりの種別毎に大当たり遊技後のa時短の時短回数が設定されている。a時短の時短回数は、大当たり遊技が終了した後に移行する電サポ制御が行われるとともに時短状態となる時短遊技状態(ラッシュ状態)が維持される上限を示したものである。例えば時短回数が40回であれば、特別図柄の変動表示が40回行われることを上限として時短遊技状態が維持される。但し、時短回数が40回行われて時短遊技状態が終了した後も残保留については第2特別図柄による抽選が行われる。時短遊技状態が終了した後の残保留を消化する間については時短遊技状態ではないが、遊技者が大当たりを獲得することが通常遊技状態より容易な状態ではあるのでラッシュ状態に含めても良い。尚、a時短の時短回数の上限回数に到達する前に大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)した場合については、その大当たり遊技が実行されることによりa時短は一旦終了する。
【0103】
[リーチ判定テーブル]
図10に示すリーチ判定テーブルTa4は、遊技制御用マイコン61(
図6)が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
たとえば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄9Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄9Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄9Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄9Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態などが含まれる。
【0104】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルTa4は、遊技状態とリーチ乱数とを対応付けて構成されている。リーチ乱数は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27のいずれかであった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
【0105】
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11のいずれかであった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。
【0106】
尚、
図10は基本的に第1特別図柄に対応するリーチ判定テーブルを示す。第2特別図柄に対応するリーチ判定テーブルは、第1特別図柄と同一内容にしても良いし、異なるテーブルとしても良い。
【0107】
[特図変動パターン選択テーブル]
図11に示す特図変動パターン選択テーブルTa5は、遊技制御用マイコン61(
図6)が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルTa5は、遊技状態と、判定(大当たり判定およびリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数と、特図変動パターンと、変動時間と、停止時間とを対応付けて構成されている。尚、大当たり種別について対応付けても良い。
【0108】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が開発側の意図に沿った遊技を行った場合に非時短状態では主に第1特別図柄の変動が行われ、時短状態では第2特別図柄の変動が行われるので、
図8に示す例では特に非時短状態の第1特別図柄に対応する特図変動パターン選択テーブルと、時短状態の第2特別図柄に対応する特図変動パターン選択テーブルを例に挙げて説明する。
【0109】
特図変動パターン選択テーブルTa5における変動演出パターンは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7が変動表示する変動演出パターンであり、参考のために記載してある。変動パターン乱数は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
【0110】
遊技状態が非時短状態のときに第1特別図柄の大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP1が選択される。つまり、特図変動パターンP1が選択される確率は95%である。また、変動パターン乱数が95~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP2が選択される。つまり、特図変動パターンP2が選択される確率は5%である。特図変動パターンP1の変動時間は400,000msであり、特別図柄の停止時間、つまり、特別図柄を確定表示している時間は500msである。特図変動パターンP2の変動時間は150,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP1が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてリーチ状態から発展したSP(スーパー)リーチを表示する。また、特図変動パターンP2が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてノーマルリーチを表示する。
【0111】
また、遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~9のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP3が選択される。つまり、特図変動パターンP3が選択される確率は10%である。また、変動パターン乱数が10~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP4が選択される。つまり、特図変動パターンP4が選択される確率は90%である。特図変動パターンP3の変動時間は400,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP4の変動時間は150,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP3が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてリーチ状態から発展したSPリーチを表示する。また、特図変動パターンP4が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてノーマルリーチを表示する。
【0112】
また、遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、特図保留数が0~2個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP5が選択される。つまり、特図変動パターンP5が選択される確率は100%である。また、特図保留数が3~4個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP6が選択される。つまり、特図変動パターンP6が選択される確率は100%である。特図変動パターンP5の変動時間は10,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP6の変動時間は5,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP5または特図変動パターンP6が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとして通常変動を表示する。
【0113】
遊技状態が時短状態のときに第2特別図柄の大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP11が選択される。尚、第2特別図柄で小当たりに当選した場合についてはその後に遊技者が操作を誤らなければ大当たりとなるので、小当たりに当選した場合も大当たりと判定された場合と同じ特図変動パターンを選択することとする。
【0114】
また、遊技状態が時短状態のときにハズレ且つ小当たりでもないと判定され、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP12が選択される。
【0115】
また、遊技状態が時短状態のときにハズレ且つ小当たりでもないと判定され、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、第2特図保留数が0個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP13が選択される。更に、遊技状態が時短状態のときにハズレ且つ小当たりでもないと判定され、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、第2特図保留数が1~4個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP14が選択される。特図変動パターンP11、特図変動パターンP12の変動時間はそれぞれ30,000msであり、特別図柄の停止時間はそれぞれ500msである。特図変動パターンP13の変動時間はそれぞれ10,000msであり、特別図柄の停止時間はそれぞれ500msである。特図変動パターンP14の変動時間はそれぞれ3,000msであり、特別図柄の停止時間はそれぞれ500msである。また、特図変動パターンP11、P12が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてラッシュ状態専用のリーチを表示する。また、特図変動パターンP13、P14が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとして通常変動を表示する。
【0116】
上述したように、非時短状態のときにSPリーチまで発展が選択される確率は、大当たり判定において大当たりと判定された場合は95%であるが、大当たり判定においてハズレと判定され、かつ、リーチ有りと判定された場合は10%である。また、非時短状態のときにノーマルリーチ止まりが選択される確率は、大当たり判定において大当たりと判定された場合は5%であるが、大当たり判定においてハズレと判定され、かつ、リーチ有りと判定された場合は90%である。
つまり、演出表示装置7が変動演出パターンとしてSPリーチまで発展した場合は、大当たりが発生する可能性が高い。換言すると、SPリーチは、大当たりの発生に対する期待度がノーマルリーチ止まりの場合よりも高い変動演出パターンである。
【0117】
尚、第1特別図柄の時短状態に対応する特図変動パターン選択テーブルや第2特別図柄の非時短状態に対応する特図変動パターン選択テーブルについては省略するが、それぞれ第1特別図柄の非時短状態に対応する特図変動パターン選択テーブルや第2特別図柄の時短状態に対応する特図変動パターン選択テーブルと同様にしても良いし、異なるテーブルとしても良い。
【0118】
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61(
図6)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側主制御処理の内容についてそれを示す
図16を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63(
図6)から
図16に示すメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う。但し、RAMクリアスイッチ185が押下された状態で電源がオンされた場合(S1:YES)については、RAM(RWM)64の初期化(記憶内容の消去)についても行われる。更にサブ制御基板100に対してもコマンドが送信され、サブ制御基板100のRAM(RWM)120についても初期化される。一方、RAMクリアスイッチ185が押下されていない状態で遊技機の電源がオンされた場合(S1:NO)については、RAM64やRAM120の初期化はされない(即ち、RAM64に記憶されている保留情報、時短や確変などの遊技状態、変動回数のカウントは電源がオフされる前の状態が維持される)。但し、RAM64の差玉数記憶部64dに記憶される現在までの差玉数の推移(履歴)については、RAMクリアスイッチ185の操作の有無にかかわらず電源がオンされた場合にリセット(初期化)する。尚、差玉数の推移がリセットされることによって差玉数の推移において最低値と最高値の差分である最大差玉数についてもリセットされることとなる。但し、電源のオンに加えて特殊な操作が行われた場合にのみ差玉数の推移をリセットするようにしても良い。尚、差玉数記憶部64dを主制御基板60でなく枠制御基板150のRAM154に記憶させることも可能であり、その場合には電源がオンされたタイミングで枠制御用マイコン151に対して現在までの差玉数の推移のリセットを要求するための差玉数リセットコマンドを送信するようにする。
【0119】
ここで差玉数の推移は、前述したように所定の計数開始タイミング(具体的には前回のリセット時)から現時点までに遊技により獲得した遊技球の合計である獲得球数と遊技に消費した遊技球の合計である消費球数との差分の推移を示したものであり、後述の差玉関連処理(S20)において各種センサの検出結果を用いてリアルタイムで更新される。また、差玉数の推移は遊技者単位で計数されるものではなく、計数開始タイミングから同じ遊技台で遊技した複数の遊技者の遊技結果に基づく差玉数の推移が記録計数される。
【0120】
この初期設定(S2、S3)では、上記RAM64やRAM120の初期化以外に例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定などを行う。
【0121】
更に、RAMクリアスイッチ185が押下された状態で電源がオンされた場合(S1:YES)であって、後述の差玉関連処理(
図25)において遊技不能状態へと移行していた場合については、遊技不能状態から遊技可能状態へと復帰する(S4)ように構成されている。具体的には、複数の入賞検出センサの検出を全て有効とし、第1大入賞口ソレノイド30aや電チューソレノイド20a等の駆動手段が駆動可能となり、発射装置90(発射槌90a)による遊技球の発射動作を可能とする。また、表示器類50の全てのLED(特別図柄表示器51,52や普通図柄表示器53等)が点灯状態に復帰する。そして、特図の変動表示および実行中の普図の変動表示が可能な状態に復帰する。また、遊技制御用マイコン61は、サブ制御基板100に対して遊技可能状態へ復帰したことを示す遊技可能報知コマンドについても送信する。
【0122】
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S5)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S6)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタICなどから成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S6)は必要ない。
【0123】
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S7)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S8)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S8)は、たとえば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S8)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S8)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S6)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S8)は直ぐには開始されず、割込許可(S7)が実行されてから開始される。
【0124】
(メイン側タイマ割込処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側タイマ割込処理(
図16のS8)の内容についてそれを示す
図17を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64(
図6)に設けられた出力バッファにセットされたコマンドなどをサブ制御基板100(
図7)や枠制御基板150(
図6)などに出力する。特に本実施形態では普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、第1大入賞口センサ32a、第2大入賞口センサ35a、ゲートセンサ12aなど(
図6))が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、枠制御基板150に対して出力されるコマンドである。但し、本実施形態のパチンコ遊技機1は、所謂「管理遊技機」であるので、遊技球の物理的な払い出しを行わずに賞球分の遊技球数をデータ上で持ち球数に加算し、記憶することにより払い出しを行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、
図16のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S6)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S8)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S8)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S8)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0125】
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する始動口センサ検出処理(S15)、V入賞検出処理(S16)、普通動作処理(S17)、特別図柄待機処理(S18)、特別図柄変動処理(S19)、差玉関連処理(S20)、その他の処理(S21)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S8)を終了する。その他の処理(S21)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18(
図1)や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理などである。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS5~S7の処理が繰り返し実行され(
図16)、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S8)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S8)の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S8)にてRAM64(
図6)の出力バッファにセットされたコマンドなどが所定の基板へ出力される。
【0126】
(始動口センサ検出処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する始動口センサ検出処理(
図17のS15)の内容についてそれを示す
図18を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12(
図1)を通過したか否かを判定し(S30)、通過したと判定した場合は(S30:Yes)、ゲート通過処理を実行する(S31)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
【0127】
また、S30において、遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合は(S30:No)、遊技球が第2始動口22(
図1)に入賞したか否かを判定する(S32)。ここで、遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合は(S32:Yes)、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S33)。ここで、第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合は(S33:Yes)、S38に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合は(S33:No)、第2特図保留数U2に1を加算する(S34)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S35)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64b(
図13)のうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。たとえば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0128】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S36)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S35において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口に入賞したことを示すデータ、S35において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータなどにより構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S36において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S37)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(
図15のS10)においてサブ制御基板100(
図7)に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0129】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11(
図1)に入賞したか否かを判定する(S38)。ここで、遊技球が第1始動口11に入賞したと判定した場合は(S38:Yes)、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S39)。ここで、第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合は(S39:Yes)、この始動口センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合は(S39:No)、第1特図保留数U1に1を加算する(S40)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S41)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。たとえば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0130】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S42)。この第1始動入賞コマンド特定処理では、S41において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S41において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータなどにより構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S42において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S43)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(
図15のS10)においてサブ制御基板100(
図13)に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0131】
(V入賞検出処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行するV入賞検出処理(
図15のS16)の内容についてそれを示す
図17を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2大入賞口35内に設けられた特定領域を通過したか否かを判定し(S50)、通過したと判定した場合は(S50:Yes)、S51へと移行する。尚、遊技球が第2大入賞口35内に設けられた特定領域を通過したことは特定領域センサ35bによって検出される。遊技球が第2大入賞口35内に設けられた特定領域を通過していないと判定された場合は(S50:No)は、V入賞検出処理を終了する。
【0132】
遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2大入賞口35内に設けられた特定領域を通過したと判定した場合、即ち大当たりと判定した場合には、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、大当たりの種類が設定された大当たり種別判定テーブルTa3(
図9)を参照し、大当たりの種類を判定する(S51)。大当たりの種類によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数および大当たり演出図柄などが異なる。また、大当たりの種類によって大当たり遊技終了後のa時短の有無や時短回数についても決定される。ここで、振分率とは、大当たり種別判定テーブルに設定されている複数種類の大当たりのうち、所定の大当たりが選択される確率のことである。また、最大ラウンド数とは、大当たり遊技における実行可能な最大ラウンド数のことである。但し、大当たり種別の判定については第2大入賞口35を開放する契機となった直前の小当たりの当選時(即ち特別図柄の当選時)に行っても良い。
【0133】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONし(S52)、このV入賞検出処理を終える。
【0134】
(普通動作処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する普通動作処理(
図17のS17)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作などの処理を行う。
【0135】
(特別図柄待機処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特別図柄待機処理(
図17のS18)の内容についてそれを示す
図20を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定し(S60)、「0」ではないと判定した場合は(S60:No)、後述する第2特図大当たり判定処理(
図19)を実行する(S61)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(
図22,
図23)を実行する(S62)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S63)、第2特図保留記憶部64b(
図13)の各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S64)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S65)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64b(
図13)に記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第2特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(
図21)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(
図22,
図23)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。
【0136】
また、遊技制御用マイコン61は、S40において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合は(S60:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定し(S66)、「0」ではないと判定した場合は(S66:No)、後述する第1特図大当たり判定処理(
図21)を実行する(S67)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(
図22,
図23)を実行する(S68)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S69)、第1特図保留記憶部64a(
図12)の各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S70)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S71)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64a(
図12)に記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第1特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(
図21)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(
図22,
図23)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。
【0137】
また、遊技制御用マイコン61は、S46において、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合は(S66:Yes)、演出表示装置7が待機画面(客待ち用のデモ画面)を表示しているか否かを判定する(S72)。ここで、待機画面を表示していると判定した場合(S72:Yes)は、この特別図柄待機処理を終了し、待機画面を表示していないと判定した場合は(S72:No)、待機画面設定処理を実行する(S73)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。
また、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留数U2が「0」の場合(S60:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
但し、いずれかの特図が変動中である場合にはS60以降の処理は行わずに、特別図柄待機処理を終了する。
【0138】
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、遊技制御用マイコン61が実行する第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理):
図20のS61)の内容についてそれを示す
図21を参照しつつ説明する。なお、第2特図大当たり判定処理(
図20のS61)と第1特図大当たり判定処理(
図20のS67)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0139】
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読出し(S80)、大当たり判定テーブルTa1を参照する(S81)。続いて、大当たり判定テーブルTa1の大当たり乱数を参照し、S80において読出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。たとえば、第2特図の大当たり判定処理でS80において読出した大当たり乱数が「7」であった場合は、大当たり判定テーブルTa1のうち、大当たり乱数0~204の中に「7」が存在するため、大当たりと判定する(S82:Yes)。
【0140】
遊技制御用マイコン61は、S82において大当たりと判定した場合は(S82:Yes)、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種類が設定された大当たり種別判定テーブルTa3を参照し、大当たりの種類を判定する(S83)。大当たりの種類によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数および大当たり演出図柄などが異なる。また、大当たりの種類によって大当たり遊技終了後のa時短の変動回数についても決定される。ここで、振分率とは、大当たり種別判定テーブルに設定されている複数種類の大当たりのうち、所定の大当たりが選択される確率のことである。また、最大ラウンド数とは、大当たり遊技における実行可能な最大ラウンド数のことである。
【0141】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONし(S84)、S83において判定した大当たりの種類に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64(
図6)に設けた特図バッファにセットし(S85)、この第2特図大当たり判定処理を終える。また、S82において、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合は(S82:No)、更に大当たり判定テーブルTa1の小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80において読出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、小当たりか否かの当否判定を行う(S86)。たとえば、第2特図の大当たり判定処理でS60において読出した大当たり乱数が「1234」であった場合は、大当たり判定テーブルTa1のうち、小当たりに対応する乱数範囲205~2216の中に「1234」が存在するため、小当たりと判定する(S86:Yes)。
【0142】
遊技制御用マイコン61は、S86において小当たりと判定した場合は(S86:Yes)、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをON(S87)する。また、1種2種混合機では小当たりの場合も実質的に大当たりとなるので、小当たりと判定された時点において大当たりと同様に大当たりの種別の判定するようにしても良い。
【0143】
一方、S86において小当たりでもないと判定した場合は(S86:No)、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S85)、この第2特図大当たり判定処理を終える。
【0144】
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、遊技制御用マイコン61が実行する第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理):
図20のS62,S68)の内容についてそれを示す
図22および
図23を参照しつつ説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理(
図20のS62)と第1特図変動パターン選択処理(
図20のS68)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0145】
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定し(S90)、時短状態中ではないと判定した場合は(S90:No)、大当たりフラグがONしているか否かを判定する(S91)。ここで、大当たりフラグがONしていると判定した場合は(S91:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa5(
図11)を参照して特図変動パターンを選択する(S92)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域(
図12、
図13)に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図6)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0146】
また、遊技制御用マイコン61は、S91において大当たりフラグがONしていない、つまり、ハズレと判定した場合は(S91:No)、特図保留記憶部の第1記憶領域(
図12、
図13)に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S93)。つまり、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルTa4(
図10)のうち、非時短状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。たとえば、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が「20」であった場合は、リーチ乱数「20」は、非時短状態に設定されているリーチ乱数0~27に存在するため、リーチ成立乱数であると判定する(S93:Yes)。ここで、遊技制御用マイコン61は、リーチ乱数がリーチ成立乱数であると判定した場合は(S93:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa5(
図11)を参照して特図変動パターンを選択する(S94)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、非時短状態でリーチ有りハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図6)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0147】
また、遊技制御用マイコン61は、S93においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合は(S93:No)、特図変動パターン選択テーブルTa5(
図11)を参照して特図変動パターンを選択する(S95)。
続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図6)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0148】
また、遊技制御用マイコン61は、S70において時短状態中であると判定した場合は(S90:Yes)、大当たりフラグがONしているか否かを判定する(
図21のS97)。ここで、大当たりフラグがONしていると判定した場合は(S97:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa5(
図11)を参照して特図変動パターンを選択する(S98)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図6)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(
図22のS96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0149】
また、遊技制御用マイコン61は、S97において大当たりフラグがONしていない、つまり、ハズレと判定した場合は(S97:No)、特図保留記憶部の第1記憶領域(
図12、
図13)に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S99)。つまり、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルTa4(
図10)のうち、時短状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。たとえば、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が「8」であった場合は、リーチ乱数「8」は、時短状態に設定されているリーチ乱数0~11に存在するため、リーチ成立乱数であると判定する(S99:Yes)。ここで、遊技制御用マイコン61は、リーチ乱数がリーチ成立乱数であると判定した場合は(S99:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTa5(
図11)を参照して特図変動パターンを選択する(S100)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、時短状態でリーチ有りハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図6)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(
図22のS96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0150】
また、遊技制御用マイコン61は、S99においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合は(S99:No)、特図変動パターン選択テーブルTa5(
図11)を参照して特図変動パターンを選択する(S101)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTa5のうち、時短状態でリーチ無しハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域(
図12、
図13)に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(
図6)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(
図22のS96)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0151】
S96において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS65(
図20)においてセットされる変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(
図17のS10)により、サブ制御基板100(
図7)へ出力される。また、第1特図変動パターン選択処理も第2特図変動パターン選択処理と同じ流れで実行され、S96において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS71(
図20)においてセットされる変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(
図17のS10)により、サブ制御基板100(
図7)へ出力される。
【0152】
尚、説明は省略するが小当たりの場合においても特図変動パターン選択テーブルTa5を参照して小当たりに対応した特図変動パターンの選択が行われる。特に1種2種混合機では第2特別図柄で小当たりに当選した場合も実質的に大当たりとなるので、大当たりした場合と同様の演出が選択されることとなる。
【0153】
(特別図柄変動処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特別図柄変動処理(
図17のS19)の内容についてそれを示す
図24を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(
図20のS62またはS68において選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間、
図11参照)が終了したか否かを判定する(S110)。ここで、終了していないと判定した場合は(S110:No)、この特別図柄変動処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。一方、終了したと判定した場合は(S110:Yes)、特別図柄の変動表示を停止させるための変動停止コマンドをRAM64(
図6)に設けたコマンドバッファにセットする(S111)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を、第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理)のS85(
図21)においてセットした特図停止図柄データに応じた図柄(特図の大当たり図柄または特図のハズレ図柄)で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S112)。それによって、特別図柄が確定する。尚、特図変動パターン選択テーブルTa5にて選択された変動パターンに対応する停止時間(例えば500ms)だけ特別図柄は停止した状態を継続(特別図柄の確定状態を継続)し、その後に次回の特別図柄の変動が開始される。
【0154】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技状態管理処理を実行する。この遊技状態管理処理では、例えば時短フラグがONになっているか否か判定し、ONになっている、即ち時短状態にあると判定した場合は、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1減算する。尚、時短カウンタは特定の大当たり遊技の終了時に予め決められた値(本実施形態では大当たり遊技の終了時は“0(時短なし)”又は“1”)がセットされる。尚、時短フラグがONで且つ時短カウンタの値が“0”となった場合には、大当たり遊技終了後の大当たりの種別によって決められた時短回数の変動(即ち、時短遊技状態の最終変動)が終了したことを示すので、今回の変動の終了とともに時短フラグをOFFにする。
【0155】
遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、遊技状態管理処理を終える。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(
図15のS10)においてサブ制御基板100に出力される。
【0156】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONになっているか否かを判定し(S114)、ONになっていると判定した場合は(S114:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S115)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONになっているか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S116)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S117)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たり遊技のオープニングの実行時間を所定のタイマにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、特別電役作動有効カウンタの値をセットし(S118)、この特別図柄変動処理を終える。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド数の残回数をカウントするカウンタである。また、S114において大当たりフラグがONになっていないと判定した場合は(S114:No)、この特別図柄変動処理を終える。
【0157】
上記の本実施形態のパチンコ機では通常状態から第1特別図柄の抽選で時短ありの大当たりに当選し、大当たり遊技が終了した後には時短状態(a時短)へと移行する。a時短状態は電サポ制御が行われるので、第2始動口22へ入球し易くなり、遊技者は第2始動口22を狙って遊技を行うこととなる。a時短の回数は大当たりの種類によって異なっており、例えば0回(時短なし)、40回の内から抽選により選択される。例えば40回が選択された場合には最大で特別図柄が40回変動するまで時短状態(ラッシュ状態)は継続する。その40回の変動において大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)すれば、大当たり遊技後に再度時短状態となる(但し、第1特別図柄による抽選で当選した場合については必ずしも時短状態に移行するとは限らない)。
【0158】
一方、40回の内に大当たりに当選しなかった場合については、一旦時短状態は終了し、第2特別図柄の残保留による抽選が行われる。そして、第2特別図柄の残保留の変動において大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)すれば、大当たり遊技後に再度時短状態となる。
【0159】
(差玉関連処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する差玉関連処理(
図17のS20)の内容についてそれを示す
図25を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、差玉関連処理において先ず、発射レール143に設けられた実射センサ143b(
図5)又は遊技領域3に設けられた各入賞口に対応するセンサ(例えば、第1始動口センサ11a、一般入賞口センサ13a、第2始動口センサ22a、第1大入賞口センサ32a、第2大入賞口センサ35a)において遊技球を検出したか否かを判定する。尚、実射センサ143bは、発射レール143を通過して遊技領域3へと発射された遊技球、即ち遊技に消費した遊技球を検出する。一方、遊技領域3に設けられた各入賞口に対応するセンサは各入賞口に遊技球が入賞したことを検出する。
【0160】
そして、発射レール143に設けられた実射センサ143b又は遊技領域3に設けられた各入賞口に対応するセンサにおいて遊技球を検出したと判定された場合(S120:Yes)にはS121へと移行し、RAM64の差玉数記憶部64dに記憶された差玉数の推移(履歴)を更新する。より具体的には、入賞口への入賞によって遊技者が獲得した遊技球の数と、遊技者が遊技により消費した遊技球の数を夫々カウントし、カウント結果に基づいて現在の差玉数を更新する。例えば、実射センサ143bにより検出した遊技球の数に応じて、差玉数を減算する。また、第1始動口11に遊技球が入賞すると3球の遊技球(賞球)が与えられるので、第1始動口センサ11aにおいて検出した1の遊技球当たり差玉数を「3」増加する。また、一般入賞口13に遊技球が入賞すると5球の遊技球(賞球)が与えられるので、一般入賞口センサ13aにおいて検出した1の遊技球当たり差玉数を「5」増加する。また、第2始動口22に遊技球が入賞すると3球の遊技球(賞球)が与えられるので、第2始動口センサ22aにおいて検出した1の遊技球当たり差玉数を「3」増加する。また、第1大入賞口32に遊技球が入賞すると15球の遊技球(賞球)が与えられるので、第1大入賞口センサ32aにおいて検出した1の遊技球当たり差玉数を「15」増加する。また、第2大入賞口35に遊技球が入賞すると1球の遊技球(賞球)が与えられるので、第2大入賞口センサ35aにおいて検出した1の遊技球当たり差玉数を「1」増加する。
【0161】
その後、遊技制御用マイコン61は、RAM64の差玉数記憶部64dに記憶された差玉数の推移(履歴)を読み出し、その最低値と最高値との差分である最大差玉数が「基準値」に達したか否かを判定する(S122)。基準値は例えば9万5千とするが、基準値については適宜変更可能である。また、「基準値に到達」は、基本的に差玉数が増加することによって最大差玉数が基準値に到達することを前提とするが、差玉数が減少することによって最大差玉数が基準値に到達する場合を含めても良い。
【0162】
遊技制御用マイコン61は、S122において最大差玉数が「基準値」に達したと判定された場合(S122:YES)には、更に現時点においてパチンコ遊技機1で大当たり遊技が実行中であるか否かを判定する(S123)。そして、S122において最大差玉数が「基準値」に達していないと判定された場合(S122:No)及び基準値に到達していても大当たり遊技中であると判定された場合(S123:YES)については、遊技不能状態へと移行することなく処理を終了する。尚、基準値に到達していても大当たり遊技中であると判定された場合(S123:YES)については、その後に大当たり遊技が終了したタイミングでS124へと移行することとなる。即ち、最大差玉数が基準値に到達する前に開始した大当たり遊技については仮に大当たり遊技中に最大差玉数が基準値に到達したとしても大当たり遊技中に強制的に遊技を終わらせることなく、少なくとも大当たり遊技が終了するまでは遊技を継続して実行可能とする。
【0163】
一方、最大差玉数が「基準値」に達し且つ大当たり遊技中でないと判定された場合(S123:No)については、遊技可能状態から遊技不能状態へと移行させるための処理を実行する。具体的には先ず、遊技停止処理を実行する(S124)。この遊技停止処理では、遊技盤2の各入賞口への入賞を検出する全ての入賞検出センサの検出を無効にすると共に、前述したメイン側タイマ割込処理(
図17)におけるS15~S19等の処理の実行を停止させる。これにより、各入賞口の入賞検出が不可能な状態となり、大入賞口や第2始動口22が閉鎖を維持する状態となり、表示器類50のLED(特別図柄表示器51,52や普通図柄表示器53等)が消灯状態(特図や普図の変動表示が非表示)となり、実行中であった特図や普図の変動表示については変動時間の計測が中止(または中断)される。この遊技停止処理(S124)が終了すると、遊技制御用マイコン61は次に、発射停止処理を実行する(S125)。この発射停止処理では、平常状態(遊技可能状態)において常に出力している発射許可信号を停止させる。これにより、発射制御回路75による発射装置90の駆動制御が停止され、遊技球の発射動作が不可能な状態になる。このように、遊技制御用マイコン61による遊技停止処理(S124)および発射停止処理(S125)が実行されることで、遊技可能状態から遊技不能状態に移行する。なお、遊技不能状態への移行は、遊技停止処理および発射停止処理の一方のみにより実行されてもよい。
【0164】
尚、遊技可能状態から一旦遊技不能状態に移行すると、その後に単に電源をオンしただけでは最大差玉数はリセットされても遊技不能状態は継続する。遊技不能状態はその後にRAMクリアスイッチ185が押下された状態で電源がオンされる(ラムクリ)まで継続する(S4)。
【0165】
S125を終了すると、遊技制御用マイコン61は、遊技不能状態に関する報知を演出制御用マイコン101の制御により実行させるための遊技不能報知コマンドをセットする(S126)。この遊技不能報知コマンドは、前述したメイン側タイマ割込処理(
図17)の出力処理(S10)においてサブ制御基板100(演出制御用マイコン101)や枠制御基板150に送信される。
【0166】
そして、上記遊技不能報知コマンドを受信したサブ制御基板100では、当該遊技機が遊技不能状態にあることを案内する画像を表示する。尚、枠制御基板150は遊技不能状態に移行した場合に、RAM154に記憶された持ち球数の計数(カードユニット28への移動)を自動で行うようにしても良い。
【0167】
(枠制御基板の制御処理)
次に、枠制御用マイコン151(
図6)が実行する制御処理についてそれを示す
図26を参照しつつ説明する。
【0168】
パチンコ遊技機1の電源がオンされ、枠制御用マイコン151に電力が供給されると、各種の初期設定処理(S150)を行う。例えば枠制御用マイコン151は先ずRAM154へのアクセスを許可し、RAM154に対する情報の書き込みや読み出しを可能とする。
【0169】
その後、計数クリアスイッチ183がONの状態で電源投入が行われたか否かを判定する(S151)。そして、計数クリアスイッチ183がONの状態で電源投入が行われたと判定した場合(S151:Yes)は、RAM154の持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数をクリアする(S152)。即ち、持ち球数は初期値である「0」となる。
【0170】
続いて枠制御用マイコン151は、S1535において、球抜きスイッチ184がONの状態で電源投入が行われたか否かを判定する(S153)。そして、球抜きスイッチ184がONの状態で電源投入が行われたと判定した場合(S153:Yes)は、更にRAM154の持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数を読み出し、持ち球数が初期値である「0」か否か判定する(S154)。
【0171】
そして、持ち球数が初期値である「0」であると判定された場合(S154:Yes)には、パチンコ遊技機1のモードを遊技機内に封入された遊技球を取り出す為の球抜き動作が行われる球抜きモードへと移行する(S155)。尚、球抜きモードは例えば球循環機構130のメンテナンスを行う場合や遊技台の入れ替えを行う場合、即ち遊技機内に封入された遊技球を取り出す必要がある状況において利用される。球抜きモードへと移行すると、遊技機内に封入された遊技球を取り出す為の球抜き操作の方法や注意点を案内するガイダンスが演出表示装置7やスピーカから出力され、基本的にはガイダンスに従って作業者が球抜きの作業を行うこととなる。
【0172】
前記S155において球抜きモードへの移行する場合には、球抜きモードへ移行することを示すコマンドを、遊技制御用マイコン61や演出制御用マイコン101に向けて送信する。尚、球抜きモード中にある間はこれまで説明したパチンコに係る遊技は行われず(例えば特図や普図の抽選、図柄の変動、賞球の払い出し等を行わない)、球抜きモードに移行してから所定時間経過した場合、或いは作業者の操作によって終了する。球抜きモードが終了した後はパチンコに係る遊技を行うことが可能な遊技モードへと移行する。
【0173】
一方で球抜きスイッチ184がONの状態で電源投入が行われた場合であっても、持ち球数が初期値である「0」でない場合(S154:No)については、球抜きモードへ移行することなく通常の遊技モードに制御される。従って、基本的には持ち球数が初期値である「0」でない場合に球抜きモードへと移行するためには、先ず計数クリアスイッチ183がONの状態で電源投入を行うことで持ち球数をクリアし、電源をオフしたうえで球抜きスイッチ184がONの状態で再度電源投入を行う必要がある。
【0174】
枠制御用マイコン151は、前記S150~S155の処理の終了後、ループし、一定の間隔毎(例えば、300ms毎)に発生する割込み処理(枠制御側割込処理)を実行する(S156)状態へと移行する。
【0175】
(枠制御側割込処理)
次に、枠制御用マイコン151が実行する枠制御側割込処理(
図26のS156)について
図27を用いて説明する。
枠制御用マイコン151は、枠制御側割込処理において先ず、遊技情報取得処理を実行する(S170)。この遊技情報取得処理において枠制御用マイコン151は、遊技制御用マイコン61からのコマンドに基づいて、各種の遊技情報を取得する。この場合に取得可能な遊技情報としては例えば、付与された賞球数に関する情報や、現在の差球数に関する情報や、遊技制御が停止されたことに関する情報や、現在の遊技状態に関する情報や、特図変動表示または普図変動表示が行われたことに関する情報や、大当たり遊技状態または小当たり状態の発生回数に関する情報や、遊技制御用マイコン61が判定した異常状態に関する情報等がある。枠制御用マイコン151は、取得した遊技情報をRAM154に記憶して、この遊技情報取得処理(S170)を終了する。
【0176】
続いて、枠制御用マイコン151は、後述の持ち球数管理処理(S171)を行い、更に獲得した遊技球の数に応じて可動部材を動作させる後述の獲得出玉報知処理(S172)を行う。その後に、球循環駆動処理(S173)、遊技球数表示器26の制御(S174)、その他の処理(S175)、の順に実行する。そして、枠制御側割込処理を終了する。
【0177】
尚、球循環駆動処理(S173)では、枠制御用マイコン151は揚送モータ134cの駆動制御(正回転)を行う。また、発射許可信号と、遊技者のハンドル4への接触を示すタッチスイッチ92からの信号とを入力する状態で、球送りソレノイド136bを駆動させて内部通路R4にある遊技球を1球ずつ打球位置143aに送り、更に発射ボリューム93の変位量に応じた打撃強度で発射槌90aを駆動するように発射モータ91を制御して、定期的に(例えば0.6秒間隔で)遊技球を発射させる。それによって球循環機構130における遊技球の循環が行われる。但し、RAM154の持ち球数記憶部154aに記憶された持ち球数が0の場合については、仮にハンドルが操作されていたとしても上記球送りソレノイド136b及び発射モータ91の駆動は行わない(遊技球の発射を行わない)ように制御される。尚、球循環機構130の詳細については
図5を用いて既に説明したので省略する。
【0178】
また、揚送モータ134cについては前面枠18が開いた状態で駆動させると不具合が発生する虞があるので、前面枠18が開いた状態では揚送モータ134cの駆動を行わないように制御される。即ち、前面枠18が開いた状態では揚上装置134のところで遊技球の流れが止まり、球循環機構130の遊技球の循環は行われない。但し、上述した球抜きモード中では例外的に前面枠18が開いた状態であっても揚送モータ134cが逆回転方向に駆動制御される場合はある。尚、前面枠18の開閉状態については扉開放センサ18cによって検出可能である。また、この仕様に伴って前面枠18が開いた状態及び閉鎖されてから一定期間については遊技球の循環に関するエラー報知は行わないようにする。その他の処理(S175)では例えばこのような遊技球の循環に関するエラー報知などを行う。
【0179】
(持ち球数管理処理)
次に、枠制御用マイコン151が実行する持ち球数管理処理(
図27のS171)について
図28を用いて説明する。
枠制御用マイコン151は、遊技球数管理処理において先ず、遊技者による球貸し操作(球貸ボタン281の操作)或いは再プレイ操作(再プレイボタン284の操作)に応じたカードユニット28(貸出基板)からの貸出信号又は再プレイ信号を入力しているか否かを判定する(S180)。そして、貸出信号又は再プレイ信号を入力していると判定した場合は(S180:Yes)、その貸出信号又は再プレイ信号に応じた貸球数(例えば125個)を、RAM154の持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数に加算して(S181)、S182に進む。一方、S180において貸出信号及び再プレイ信号を入力していないと判定した場合には(S181:No)、そのままS182に移行する。
【0180】
S182において、枠制御用マイコン151は、遊技者による計数操作(計数ボタン251の操作)に応じた計数信号を入力しているか否かを判定する。そして、計数信号を入力していると判定した場合は(S182:Yes)、その計数信号に応じた球数を、RAM154の持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数から減算する(S183)。尚、遊技者による計数操作は、計数ボタン251の短押し操作の場合は1個の持ち球を計数し、長押し操作では250個の持ち球をまとめて計数する。この場合に、計数分の持ち球数が持ち球数記憶部154aに記憶された持ち球数から減算され、更にその減算分の持ち球数データがカードユニット28に向けて出力される(S184)。それによって、持ち球の減算分がカードユニット28によってカウント(計数)され、計数された分の持ち球が遊技カードに記憶(加算)される。その結果、計数ボタン251を操作することにより、パチンコ遊技機1(枠制御基板150)からカードユニット28の遊技カードへと遊技者の持ち球(データ)が移動することとなる。但し、持ち球数については遊技カードに直接記憶するのではなく、遊技カードの識別情報と紐づけて管理会社の外部のサーバに記憶しても良い。
【0181】
続いてS185において、枠制御用マイコン151は、賞球が発生したか否か(遊技制御用マイコン61からの賞球コマンドを受信したか否か)を判定する。そして、賞球が発生したと判定した場合は(S185:Yes)、その賞球数を、RAM154の持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数に加算する(S186)。
【0182】
S186において、枠制御用マイコン151は、遊技者による発射操作(ハンドル4の操作)に応じて発射した遊技球を実射センサ143bが検出したか否かを判定する。そして、実射センサ143bによる検出があったと判定した場合は(S187:Yes)、その実射センサ143bによる検出分の球数(1個)を、RAM154の持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数から減算する(S188)。
【0183】
続いてS188において、枠制御用マイコン151は、遊技者による発射操作(ハンドル4の操作)に応じて発射した遊技球をファール球センサ138aが検出したか否かを判定する。そして、ファール球センサ138aによる検出があったと判定した場合は(S189:Yes)、そのファール球センサ138aによる検出分の球数(1個)を、RAM154の持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数に加算する(S190)。その後にその他の処理(S191)を行う。
【0184】
(獲得出玉報知処理)
次に、枠制御用マイコン151が実行する獲得出玉報知処理(
図27のS172)について
図29を用いて説明する。
枠制御用マイコン151は、獲得出玉報知処理において先ず、これまでの遊技結果に基づいて遊技者が獲得した遊技球の数を取得する(S200)。尚、前記S200で取得するのは基本的には遊技による獲得球数と消費球数の差分である『差玉数』とする。尚、差球数については主制御基板60から取得しても良いし、枠制御基板150が演算することにより算出しても良い。また、『差球数』については当日の営業開始時刻から現在までの遊技(遊技者の変化は問わず)による獲得球数と消費球数の差分としても良いし、現在の遊技者が遊技を開始してから現在までの遊技による獲得球数と消費球数の差分としても良いし、直近に通常状態から時短遊技状態(ラッシュ状態)に移行してから現在までの遊技による獲得球数と消費球数の差分としても良い。但し、直近に通常状態から時短遊技状態(ラッシュ状態)に移行してから現在までの遊技による獲得球数と消費球数の差分を取得する場合については、現在の遊技状態が時短遊技状態であることを前提とし、現在の遊技状態が時短遊技状態でない場合には差球数は0とする(即ち、時短遊技状態が終了した時点で差球数をリセットする)のが望ましい。また、遊技する遊技者が変更になったか否かの検出については、例えば遊技球の打ち出し操作について一定以上の間隔が空いたことで検出しても良いし、カードユニット28におけるICカードの排出や挿入で検出しても良い。
【0185】
また、上記例ではこれまでの遊技結果に基づいて遊技者が獲得した遊技球の数として、遊技による獲得球数と消費球数の差分である『差玉数』を取得しているが、貸球数も含めた『持ち球数』、或いは消費球数は考慮しない『獲得球数(賞球として払い出された遊技球数の合計)』を代わりに取得しても良い。ここで、『持ち球数』は、球貸し操作或いは再プレイ操作に応じて貸し出された遊技球数である貸球数と、遊技に応じた賞球として付与された遊技球数である獲得球数と、消費球数との関係で、「貸球数+獲得球数-消費球数」の計算式により算出される球数である。尚、現在の持ち球数については持ち球数記憶部154aに記憶される。尚、持ち球数については基本的に遊技者が変更となった時点でリセットされるので、前記S200では現在遊技を行う遊技者の持ち球数を取得することとなる。但し、遊技者が当該遊技台で遊技を開始する前から所持していた持ち球については対象外とし、あくまで当該遊技台で遊技した結果の持ち球数を取得することとする。一方で、遊技者が当該遊技台で遊技を開始する前から所持していた持ち球も対象に含めても良い。
【0186】
その後、S201において枠制御用マイコン151は、前記S200で取得した差球数が第1閾値(例えば1万発)以上となったか否かを判定する。そして、前記S200で取得した差球数が第1閾値(例えば1万発)以上となったと判定された場合(S201:Yes)については、S202へと移行する。それに対して、前記S200で取得した差球数が第1閾値(例えば1万発)以上となっていないと判定された場合(S201:No)については、S203へと移行する。
【0187】
S202において枠制御用マイコン151は、上部可動部材駆動モータ161aを駆動し、
図30に示すように前面枠18の上部に設けられた上部可動部材161を前方側へ回転駆動させる。その結果、上部可動部材161の奥側に隠れていたキャラクタの顔を模した人形261が新たに出現する。尚、上部可動部材161については人形261が隠れた状態(
図30の上図)が初期位置であり、人形261が出現した状態(
図30の下図)が動作位置となる。そして、上部可動部材161が初期位置から動作位置へと移動することによって前面枠18の外観形状が変化することになる。尚、一旦動作位置まで移動させて出現させた人形261については、例えば遊技者が遊技を終了したり、電源がオフされたりラムクリされる等の特別な条件を満たすまで継続的に出現させても良いし、出現させてから一定時間経過した後に上部可動部材駆動モータ161aを再度駆動させ、逆方向に回転駆動させて出現前の元の状態(初期位置)に戻すようにしても良い。また、上部可動部材161については例えば特に大当たりの期待度の高い予告演出やリーチ演出が行われる場合においても動作するので、そのような動作タイミングの前には一旦元に戻すようにしても良い。
【0188】
また、例えば前記S202の上部可動部材161の動作を行い、人形261が出現した後に、遊技者が遊技球を消費することによって差球数が第1閾値以上から第1閾値未満となった場合については、人形261を出現させた状態を維持しても良いし、逆方向に回転駆動させて出現前の元の状態に戻すようにしても良い。尚、出現前の元の状態に戻した場合については、その後に賞球が払い出され、差球数が第1閾値以上となった場合に再び人形261が出現することとなる。
【0189】
その後、S203において枠制御用マイコン151は、前記S200で取得した差球数が第2閾値(例えば2万発)以上となったか否かを判定する。そして、前記S200で取得した差球数が第2閾値(例えば2万発)以上となったと判定された場合(S203:Yes)については、S204へと移行する。それに対して、前記S200で取得した差球数が第2閾値(例えば2万発)以上となっていないと判定された場合(S203:No)については、S205へと移行する。
【0190】
S204において枠制御用マイコン151は、左部可動部材駆動モータ162aを駆動し、
図31に示すように前面枠18の左部に設けられた左部可動部材162を前方側へ回転駆動させる。その結果、左部可動部材162の奥側に隠れていたキャラクタの右腕を模した人形262が新たに出現する。尚、左部可動部材162については人形262が隠れた状態(
図31の上図)が初期位置であり、人形262が出現した状態(
図31の下図)が動作位置となる。そして、左部可動部材162が初期位置から動作位置へと移動することによって前面枠18の外観形状が変化することになる。前記S204の段階では前記S202において出現したキャラクタの顔を模した人形261と、新たなキャラクタの右腕を模した人形262の両方が出現した状態となる。尚、S204の処理を行うタイミングで前記S202において出現させたキャラクタの顔を模した人形261が出現前の状態(初期位置)に戻っていた場合については、キャラクタの顔を模した人形261についても同時に出現させるようにする。尚、一旦動作位置まで移動させて出現させた人形262については、例えば遊技者が遊技を終了したり、電源がオフされたりラムクリされる等の特別な条件を満たすまで継続的に出現させても良いし、出現させてから一定時間経過した後に左部可動部材駆動モータ162aを再度駆動させ、逆方向に回転駆動させて出現前の元の状態(初期位置)に戻すようにしても良い。また、左部可動部材162については例えば特に大当たりの期待度の高い予告演出やリーチ演出が行われる場合においても動作するので、そのような動作タイミングの前には一旦元に戻すようにしても良い。
【0191】
また、例えば前記S204の左部可動部材162の動作を行い、人形262が出現した後に、遊技者が遊技球を消費することによって差球数が第2閾値以上から第2閾値未満となった場合については、人形262を出現させた状態を維持しても良いし、逆方向に回転駆動させて出現前の元の状態に戻すようにしても良い。尚、出現前の元の状態に戻した場合については、その後に賞球が払い出され、差球数が第2閾値以上となった場合に再び人形262が出現することとなる。
【0192】
その後、S205において枠制御用マイコン151は、前記S200で取得した差球数が第3閾値(例えば3万発)以上となったか否かを判定する。そして、前記S200で取得した差球数が第3閾値(例えば3万発)以上となったと判定された場合(S205:Yes)については、S206へと移行する。それに対して、前記S200で取得した差球数が第3閾値(例えば3万発)以上となっていないと判定された場合(S205:No)については、S207へと移行する。
【0193】
S206において枠制御用マイコン151は、右部可動部材駆動モータ163aを駆動し、
図31に示すように前面枠18の右部に設けられた右部可動部材163を前方側へ回転駆動させる。その結果、右部可動部材163の奥側に隠れていたキャラクタの左腕を模した人形263が新たに出現する。尚、右部可動部材163については人形263が隠れた状態(
図31の上図)が初期位置であり、人形263が出現した状態(
図31の下図)が動作位置となる。そして、右部可動部材163が初期位置から動作位置へと移動することによって前面枠18の外観形状が変化することになる。前記S206の段階では前記S202において出現したキャラクタの顔を模した人形261と前記S204において出現したキャラクタの右腕を模した人形262と、新たなキャラクタの左腕を模した人形263の全てが出現した状態となる。尚、S206の処理を行うタイミングで前記S202において出現させたキャラクタの顔を模した人形261や前記S204において出現させたキャラクタの右腕を模した人形262が出現前の状態(初期位置)に戻っていた場合については、キャラクタの顔を模した人形261やキャラクタの右腕を模した人形262についても同時に出現させるようにする。尚、一旦動作位置まで出現させた人形263については、例えば遊技者が遊技を終了したり、電源がオフされたりラムクリされる等の特別な条件を満たすまで継続的に出現させても良いし、出現させてから一定時間経過した後に右部可動部材駆動モータ163aを再度駆動させ、逆方向に回転駆動させて出現前の元の状態(初期位置)に戻すようにしても良い。また、右部可動部材163については例えば特に大当たりの期待度の高い予告演出やリーチ演出が行われる場合においても動作するので、そのような動作タイミングの前には一旦元に戻すようにしても良い。
【0194】
また、例えば前記S206の右部可動部材163の動作を行い、人形263が出現した後に、遊技者が遊技球を消費することによって差球数が第3閾値以上から第3閾値未満となった場合については、人形263を出現させた状態を維持しても良いし、逆方向に回転駆動させて出現前の元の状態に戻すようにしても良い。尚、出現前の元の状態に戻した場合については、その後に賞球が払い出され、差球数が第3閾値以上となった場合に再び人形263が出現することとなる。
【0195】
その後、S207において枠制御用マイコン151は、前記S200で取得した差球数が第4閾値(例えば5万発)以上となったか否かを判定する。そして、前記S200で取得した差球数が第4閾値(例えば5万発)以上となったと判定された場合(S207:Yes)については、S208へと移行する。それに対して、前記S200で取得した差球数が第4閾値(例えば5万発)以上となっていないと判定された場合(S207:No)については、当該獲得出玉報知処理を終了してS173へと移行する。
【0196】
S208において枠制御用マイコン151は、上部可動部材駆動モータ161aを駆動し、前記S202において出現したキャラクタの顔を模した人形261の口を開閉させる(初期状態は人形261の口は閉じた状態とする)。それによって前面枠18の外観形状が変化することになる。尚、S208の処理を行うタイミングで前記S202において出現させたキャラクタの顔を模した人形261が出現前の状態に戻っていた場合については、キャラクタの顔を模した人形261を出現させた上で口の開閉を行う。更に、口の開閉に伴って人や動物が吠えるような効果音をスピーカ8から出力する。その結果、キャラクタの顔を模した人形261が吠える演出を行うことが可能となる。尚、吠える演出を行った後の人形261については、例えば遊技者が遊技を終了したり、電源がオフされたりラムクリされる等の特別な条件を満たすまで口が開いた状態としても良いし、吠える演出を行った後は初期状態である口を閉じた状態に戻しても良い。また、上記の人形261の吠える演出については例えば特に大当たりの期待度の高い予告演出やリーチ演出が行われる場合においても動作する。
【0197】
また、例えば前記S208のキャラクタの顔を模した人形261が吠える演出が行われた後に、遊技者が遊技球を消費することによって差球数が第4閾値以上から第4閾値未満となり、更にその後に賞球が払い出され差球数が第4閾値以上となった場合については再び人形261が吠える演出を行うようにしても良いし、2度目以降は吠える演出は行わないようにしても良い。
【0198】
ここで、上記S202、S204、S206、S208で各可動部材を動作させることによって出現した人形261~263については、パチンコ遊技機1で遊技を行う遊技者は無論のこと、台から離れた位置にいる者に対しても容易に視認できる。本実施形態のようなスマートパチンコからなるパチンコ遊技機1では、仮に大量の賞球の払い出しがあったとしても賞球はデータ上で処理され、遊技球が実際に遊技者の手元に払い出されることがないため、出玉感が得られない或いは周囲の者に出玉をアピールできない問題があったが、人形261~263を出現させたり人形261を吠えさせるなどの分かりやすい演出により出玉を分かりやすくアピールすることが可能となる。また、差球数が増加するほど、出現する人形の数が段階的に増加するので出玉量がどの程度であるかについてもアピールすることが可能となる。
【0199】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、遊技球が転動する遊技領域を備えた遊技盤と、前記遊技盤の前面に配置され、前記遊技領域を遊技者側から視認可能とする透過領域を備えた前枠と、前記前枠に設けられた可動部材と、遊技結果に基づいて遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された遊技媒体の数に応じて前記可動部材を動作させる動作制御手段と、を有する。その結果、遊技者が獲得した遊技媒体の数に応じて前枠に設けられた可動部材を可動させることで、台から離れた位置にいる者に対しても出玉を分かりやすくアピールすることが可能となり、遊技者に出玉感と優越感を与えることが可能となる。
(2)また、前記動作制御手段は、前記計数手段により計数された遊技媒体の数が予め設定された閾値以上となったタイミングで前記可動部材の位置を初期位置から動作位置へと移動させ、前記可動部材が初期位置から動作位置へと移動することによって前記前枠の外観形状が変化することを特徴とする。その結果、前枠の外観形状を変化させることで、台から離れた位置にいる者に対しても出玉を分かりやすくアピールすることが可能となる。
(3)また、前記計数手段は、遊技結果に基づいて賞球として払い出された遊技媒体の数から遊技者が遊技に消費した遊技球の数を引いた差分を、遊技者が獲得した遊技媒体の数として計数し、前記動作制御手段は、遊技者が遊技球を消費することによって前記計数手段により計数された遊技媒体の数が前記閾値以上から前記閾値未満となった場合に、前記可動部材の位置を動作位置から初期位置へと戻す。その結果、遊技者が消費した遊技球についても考慮し、遊技者が獲得した遊技媒体の正確な数を用いて可動部材の動作が可能となる。
(4)また、前記計数手段は、遊技結果に基づいて賞球として払い出された遊技媒体の数から遊技者が遊技に消費した遊技球の数を引いた差分を、遊技者が獲得した遊技媒体の数として計数し、前記動作制御手段は、遊技者が遊技球を消費することによって前記計数手段により計数された遊技媒体の数が前記閾値以上から前記閾値未満となったとしても前記可動部材の位置は動作位置を維持することを特徴とする。その結果、可動部材の動作が繰り返し行われることを防止することが可能となる。
(5)また、前記可動部材は前記前枠に対して複数種類設けられており、前記計数手段により計数された遊技媒体の数が増加するほど、初期位置から動作位置へと移動する前記可動部材の数を段階的に増加させることを特徴とする。その結果、初期位置から動作位置へと移動する可動部材の数によって、出玉を分かりやすくアピールすることが可能となる。
(6)また、前記計数手段は当日の営業開始時刻から現在までに遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数することを特徴とする。その結果、該当する台において当日中に各遊技者が獲得した遊技媒体の数に応じて前枠に設けられた可動部材を可動させることで、台から離れた位置にいる者に対してもその台の当日中の出玉を分かりやすくアピールすることが可能となる。
(7)また、始動条件が成立したことに基づいて遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、前記遊技情報に基づいて遊技者に有利な遊技状態へと移行する遊技状態移行手段と、を有し、前記計数手段は、遊技者に有利な遊技状態にある場合に、遊技者に有利な遊技状態へと移行してから現在までに遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数することを特徴とする。その結果、遊技者に有利な遊技状態に移行してから獲得した遊技媒体の数に応じて前枠に設けられた可動部材を可動させることで、台から離れた位置にいる者に対しても連荘中の出玉を分かりやすくアピールすることが可能となる。
【0200】
〈他の実施形態〉
(1)前述した実施形態では、前面枠18に設けられた上部可動部材161、左部可動部材162、右部可動部材163を動作させることにより、遊技者が獲得した遊技媒体の数を報知している(S200~S208)が、動作させる対象となる可動部材の数については2以下或いは4以上としても良い。また、可動部材としては例えば演出ボタン9であっても良い。また、可動部材の動作としては可動部材の位置を変えることに加えて、可動部材の形状を変えることや、可動部材を回転させることなどを含む。
(2)また、本実施形態では遊技者に有利な遊技状態である時短遊技状態に移行してから獲得した遊技媒体の数に応じて前面枠18に設けられた上部可動部材161、左部可動部材162、右部可動部材163を動作させる例を挙げているが、例えば確変機に適用した場合には確変状態に移行してから獲得した遊技媒体の数に応じて前面枠18に設けられた上部可動部材161、左部可動部材162、右部可動部材163を動作させるようにしても良い。
(3)また、本実施形態では遊技者に有利な遊技状態に移行してから獲得した遊技媒体の数に応じて前面枠18に設けられた上部可動部材161、左部可動部材162、右部可動部材163を動作させる例を挙げているが、遊技者に有利な遊技状態に移行してから現在までに獲得した大当たりの数(連荘数)に応じて前面枠18に設けられた上部可動部材161、左部可動部材162、右部可動部材163を動作させるようにしても良い。その場合には、例えばS201の第1閾値を5回、S203の第2閾値を10回、S205の第3閾値を20回、S207の第4閾値を30回とする。
(4)また、前述した実施形態では、スマートパチンコに本願発明を適用した例について説明したが、スマートパチンコ以外、例えば賞球として遊技者の手元に遊技球の払い出しを行う機種においても適用することが可能である。
(5)本発明は、パチンコ遊技機以外の遊技機、たとえば、回胴式遊技機(スロットマシンまたはパチスロともいう)にも適用することができる。本発明を回胴式遊技機に適用した場合には、遊技媒体は遊技球ではなく遊技メダルとなる。
【符号の説明】
【0201】
1 パチンコ遊技機
7 演出表示装置
8 スピーカ
25 操作台
26 遊技球数表示器
28 カードユニット
90 発射装置
130 球循環機構
134 揚上装置
136d 落下口
136e 開閉部材
139 循環球受け皿
140 排出口
141 球抜きレバー
150 枠制御基板
151 枠制御用マイコン
154 RAM
161 上部可動部材
162 左部可動部材
163 右部可動部材
183 計数クリアスイッチ
184 球抜きスイッチ
261~263 人形