(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171006
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】建築現場用の給電装置及び建築現場用の給電システム
(51)【国際特許分類】
E04G 5/00 20060101AFI20241204BHJP
H02S 20/30 20140101ALI20241204BHJP
H02S 10/40 20140101ALI20241204BHJP
H02S 20/20 20140101ALI20241204BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20241204BHJP
E04H 15/32 20060101ALN20241204BHJP
【FI】
E04G5/00
H02S20/30 B
H02S10/40
H02S20/20 200
E04H1/12 301
E04H15/32 Z ETD
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087829
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】吉田 夏季
【テーマコード(参考)】
2E025
2E141
5F251
【Fターム(参考)】
2E025BA02
2E025BA05
2E025BB05
2E141AA01
2E141BB01
2E141CC04
2E141DD02
2E141GG00
5F251BA05
(57)【要約】
【課題】太陽光発電装置を用いて給電を行う建築現場用の給電装置及び給電システムにおいて、使い回しをし易くしながら、電源確保を好適に図ること。
【解決手段】足場用給電装置21は、建築現場に設けられる足場13に取り付けられるものである。足場用給電装置21は、足場13において互いに平行に延びる2つの横管32A,32Bに着脱可能に取り付けられ、互いに平行に配置される一対の足場用桟36と、一対の足場用桟36に架け渡されて設けられ、それら各足場用桟36に着脱可能に取り付けられる一対のパネル固定用桟37と、一対のパネル固定用桟37に架け渡されて設けられ、それら各パネル固定用桟37に着脱可能に取り付けられる太陽光パネル38と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築現場に設けられる仮設資材に取り付けられる給電装置であって、
前記仮設資材に着脱可能に取り付けられ、互いに平行に配置される一対の第1桟と、
前記一対の第1桟に架け渡されて設けられ、それら各第1桟に着脱可能に取り付けられる一対の第2桟と、
前記一対の第2桟に架け渡されて設けられ、それら各第2桟に着脱可能に取り付けられる太陽光パネルと、
を備える、建築現場用の給電装置。
【請求項2】
前記仮設資材は、複数の骨組材が組まれた骨組構造を有しており、
前記複数の骨組材には、互いに平行に延びる2つの骨組材が含まれており、
前記各第1桟は、前記2つの骨組材に架け渡されて設けられ、それら2つの骨組材に着脱可能に取り付けられる、請求項1に記載の建築現場用の給電装置。
【請求項3】
前記各第1桟は、両端部に前記2つの骨組材にそれぞれ引っ掛け可能な引っ掛け部を有しており、
前記各引っ掛け部が前記2つの骨組材に引っ掛けられることにより、前記第1桟が前記2つの骨組材に着脱可能に取り付けられる、請求項2に記載の建築現場用の給電装置。
【請求項4】
前記仮設資材は、前記骨組構造を有する足場であり、
前記2つの骨組材は、横方向に延び、上下に並んで配置された2つの横材であり、
前記各第1桟は、前記2つの横材に架け渡されて、前記2つの横材に取り付けられ、
前記太陽光パネルは、前記各第1桟に前記各第2桟を介して取り付けられることで、上下方向に延びる向きで配置される、請求項2又は3に記載の建築現場用の給電装置。
【請求項5】
前記仮設資材は、ボックス状の本体部を有し、
前記本体部の上に載せられた状態で設けられるベース体を備え、
前記一対の第1桟は、前記ベース体を介して前記本体部に取り付けられ、
前記ベース体は、
前記本体部上に載置される載置部と、
前記本体部を挟んだ両側方に配置され、前記本体部を挟持することで前記ベース体を前記本体部に着脱可能に取り付ける複数の挟持部と、
前記載置部よりも上方に延び、前記第1桟ごとに互いに離間させた状態で複数ずつ設けられた支柱部と、を有し、
前記第1桟は、前記複数の支柱部の上端部に架け渡されて設けられ、それら各支柱部にそれぞれ着脱可能に取り付けられる、請求項1に記載の建築現場用の給電装置。
【請求項6】
前記各支柱部は、前記上端部の高さ位置を調整可能となっている、請求項5に記載の建築現場用の給電装置。
【請求項7】
前記仮設資材は、前記本体部を有する仮設トイレであり、
前記ベース体は、前記仮設トイレの前記本体部の上に載せられた状態で設けられる、請求項5又は6に記載の建築現場用の給電装置。
【請求項8】
請求項1に記載の建築現場用の給電装置を複数備える給電システムであって、
前記建築現場には、前記仮設資材として、異なる種類からなる第1仮設資材及び第2仮設資材が設けられ、
前記複数の給電装置には、前記第1仮設資材に取り付けられる第1給電装置と、前記第2仮設資材に取り付けられる第2給電装置とが含まれており、
前記第1給電装置の前記太陽光パネルにより発電される発電電力と、前記第2給電装置の前記太陽光パネルにより発電される発電電力とがそれぞれ供給される電源ボックスを備え、
前記電源ボックスには、前記建築現場で用いられる電気負荷を接続可能な接続部が設けられている、建築現場用の給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場用の給電装置、及び、その給電装置を複数備えた建築現場用の給電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物等の建築現場では、電源確保のために仮設電源や発電機が設置される場合がある。また、省エネルギを図るために、建築現場に太陽光発電装置を設置し、その太陽光発電装置により電源確保を図ることも行われている。例えば特許文献1には、建築現場に設けられたパネル状の工事用仮囲いに太陽光フィルムを接着により貼り付け、その太陽光フィルムにより電源確保を図るようにした給電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の給電装置では、太陽光フィルムが工事用仮囲いに接着により貼り付けられるため、建築工事が終了して太陽光フィルムを工事用仮囲いから取り外す際、その取り外し作業が大変になることが想定される。そのため、取り外した太陽光フィルムを別の建築現場で使用する、いわゆる使い回しを行うのが難しいと考えられる。
【0005】
また、太陽光フィルムは、パネル状の工事用仮囲いに貼り付けて設置されるものであるため、工事用仮囲いの設置状況等により太陽光フィルムの設置範囲が制限されるおそれがある。その場合、電源確保を十分に図れないおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、太陽光発電装置を用いて給電を行う建築現場用の給電装置及び給電システムにおいて、使い回しをし易くしながら、電源確保を好適に図ることを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明の建築現場用の給電装置は、建築現場に設けられる仮設資材に取り付けられる給電装置であって、前記仮設資材に着脱可能に取り付けられ、互いに平行に配置される一対の第1桟と、前記一対の第1桟に架け渡されて設けられ、それら各第1桟に着脱可能に取り付けられる一対の第2桟と、前記一対の第2桟に架け渡されて設けられ、それら各第2桟に着脱可能に取り付けられる太陽光パネルと、を備える。
【0008】
第1の発明によれば、建築現場に設けられる仮設資材に一対の第1桟が取り付けられる。それら各第1桟には一対の第2桟が架け渡され、それら各第2桟が各第1桟に取り付けられる。そして、各第2桟には太陽光パネルが架け渡され、その太陽光パネルが各第2桟に取り付けられる。これにより、建築現場において太陽光パネルを比較的簡単に設置することができ、電源確保を図ることが可能となる。
【0009】
また、各第1桟、各第2桟及び太陽光パネルはいずれも着脱可能となっているため、使い回しがし易い。また、建築現場の仮設資材に各桟を介して太陽光パネルが取り付けられるようになっているため、建築現場に設けられる種々の仮設資材に太陽光パネルを取り付けることが可能となる。そのため、使い回しをし易くしながら、電源確保を好適に図ることが可能となる。
【0010】
第2の発明の建築現場用の給電装置は、第1の発明において、前記仮設資材は、複数の骨組材が組まれた骨組構造を有しており、前記複数の骨組材には、互いに平行に延びる2つの骨組材が含まれており、前記各第1桟は、前記2つの骨組材に架け渡されて設けられ、それら2つの骨組材に着脱可能に取り付けられる。
【0011】
仮設資材としては、足場や資材テント等、複数の骨組材が組まれた骨組構造を有しているものがある。従来技術(特許文献1)の太陽光フィルムは、パネル状の部材(例えば面材)に貼り付けられて取り付けられるため、骨組構造を有する仮設資材に対しては取り付けるのが難しい。その点、第2の発明によれば、こうした骨組構造を有する仮設資材において、各第1桟が互いに平行に延びる2つの骨組材に架け渡されて設けられ、それら2つの骨組材に着脱可能に取り付けられるようになっている。そして、各第1桟に各第2桟を介して太陽光パネルが取り付けられるようになっている。これにより、骨組構造を有する仮設資材に対しても給電装置を好適に取り付けることができる。建築現場には、こうした仮設資材が設置されることが多いため、かかる構成は、建築現場において電源確保を図る上で好適な構成といえる。
【0012】
第3の発明の建築現場用の給電装置は、第2の発明において、前記各第1桟は、両端部に前記2つの骨組材にそれぞれ引っ掛け可能な引っ掛け部を有しており、前記各引っ掛け部が前記2つの骨組材に引っ掛けられることにより、前記第1桟が前記2つの骨組材に着脱可能に取り付けられる。
【0013】
第3の発明によれば、第1桟の両端部に設けられた各引っ掛け部が2つの骨組材にそれぞれ引っ掛けられることにより、第1桟がそれら2つの骨組材に着脱可能に取り付けられるようになっている。この場合、各第1桟を2つの骨組材に容易に取り付け、及び取り外しすることができる。そのため、給電装置を使い回しする上で、好適な構成とすることができる。
【0014】
第4の発明の建築現場用の給電装置は、第2又は第3の発明において、前記仮設資材は、前記骨組構造を有する足場であり、前記2つの骨組材は、横方向に延び、上下に並んで配置された2つの横材であり、前記各第1桟は、前記2つの横材に架け渡されて、前記2つの横材に取り付けられ、前記太陽光パネルは、前記各第1桟に前記各第2桟を介して取り付けられることで、上下方向に延びる向きで配置される。
【0015】
第4の発明によれば、各第1桟が、足場における上下2つの横材に架け渡され、それら2つの横材に取り付けられる。この場合、各第1桟に各第2桟を介して取り付けられる太陽光パネルは、足場の側面において上下方向に延びる向き(換言すると縦向き)で配置される。そのため、太陽光パネルが足場で作業する作業者の邪魔になるのを抑制することができる。これにより、足場に対して太陽光パネルを好適に取り付けることができる。
【0016】
第5の発明の建築現場用の給電装置は、第1の発明において、前記仮設資材は、ボックス状の本体部を有し、前記本体部の上に載せられた状態で設けられるベース体を備え、前記一対の第1桟は、前記ベース体を介して前記本体部に取り付けられ、前記ベース体は、前記本体部上に載置される載置部と、前記本体部を挟んだ両側方に配置され、前記本体部を挟持することで前記ベース体を前記本体部に着脱可能に取り付ける複数の挟持部と、前記載置部よりも上方に延び、前記第1桟ごとに互いに離間させた状態で複数ずつ設けられた支柱部と、を有し、前記第1桟は、前記複数の支柱部の上端部に架け渡されて設けられ、それら各支柱部にそれぞれ着脱可能に取り付けられる。
【0017】
仮設資材としては、仮設トイレ等、ボックス状の本体部を有しているものがある。その点、第5の発明では、こうした仮設資材の本体部上に載せられるベース体を備え、そのベース体が、本体部上に載置される載置部と、本体部を挟持可能な複数の挟持部と、第1桟ごとに互いに離間させて複数ずつ設けられた支柱部とを有している。ベース体は、各挟持部により本体部を挟持することで、本体部に着脱可能に取り付けられるようになっている。また、第1桟は、複数の支柱部の上端部に架け渡され、それら各支柱部に着脱可能に取り付けられるようになっている。かかる構成によれば、ボックス状の仮設資材にベース体を介して第1桟を取り付けることができ、ひいてはベース体と各桟とを介して太陽光パネルを取り付けることができる。これにより、ボックス状の仮設資材に太陽光パネルを好適に取り付けることができる。
【0018】
第6の発明の建築現場用の給電装置は、第5の発明において、前記各支柱部は、前記上端部の高さ位置を調整可能となっている。
【0019】
第6の発明によれば、各支柱部が上端部の高さ位置を調整可能となっている。この場合、各支柱部の上端部の高さ位置を互いに異ならせることにより、それら支柱部により支持される第1桟を傾斜した状態で配置することができる。そのため、各第1桟に各第2桟を介して取り付けられる太陽光パネルについても傾斜した状態で配置することができる。これにより、太陽光の向きに合わせて太陽光パネルの傾斜向きを設定することで、太陽光パネルの発電効率を高めることができる。
【0020】
第7の発明の建築現場用の給電装置は、第5又は第6の発明において、前記仮設資材は、前記本体部を有する仮設トイレであり、前記ベース体は、前記仮設トイレの前記本体部の上に載せられた状態で設けられる。
【0021】
第7の発明では、第5又は第6の発明の給電装置を仮設トイレに適用している。建設現場では、仮設資材として、仮設トイレが設置されることが多い。そのため、かかる構成によれば、建築現場において電源確保を図り易い。
【0022】
第8の発明の建築現場用の給電システムは、第1の発明の建築現場用の給電装置を複数備える給電システムであって、前記建築現場には、前記仮設資材として、異なる種類からなる第1仮設資材及び第2仮設資材が設けられ、前記複数の給電装置には、前記第1仮設資材に取り付けられる第1給電装置と、前記第2仮設資材に取り付けられる第2給電装置とが含まれており、前記第1給電装置の前記太陽光パネルにより発電される発電電力と、前記第2給電装置の前記太陽光パネルにより発電される発電電力とがそれぞれ供給される電源ボックスを備え、前記電源ボックスには、前記建築現場で用いられる電気負荷を接続可能な接続部が設けられている。
【0023】
一般に、建築現場には、足場や仮設トイレ、資材テントといった複数の種類の仮設資材が設けられる。その点、第8の発明の建築現場用の給電システムは、給電装置として、異なる種類からなる第1仮設資材及び第2仮設資材にそれぞれ取り付けられる第1給電装置及び第2給電装置を備えたものとなっている。これにより、建築現場において電源確保を十分に図ることが可能となる。
【0024】
また、本発明の給電システムは、各給電装置の太陽光パネルにより発電された発電電力が供給される電源ボックスを備えている。電源ボックスには、建築現場で用いられる電気負荷を接続可能な接続部が設けられている。かかる構成によれば、各給電装置の太陽光パネルによる発電電力が電源ボックスを介して電気負荷に供給される。そのため、複数の給電装置を備える構成において、電気負荷への給電を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】建築現場に設けられた建築現場用の給電システムの概略を示す平面図。
【
図2】足場用給電装置が足場に取り付けられた状態を示す正面図。
【
図4】仮設トイレ用給電装置が仮設トイレの天井部に取り付けられた状態を示す正面図。
【
図5】仮設トイレ用給電装置の構成を示す分解斜視図。
【
図6】資材テント用給電装置の構成を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、
図1は、建築現場に設けられた建築現場用の給電システムの概略を示す平面図である。
【0027】
図1に示すように、建物11の建築現場12には、仮設資材として、足場13と、仮設トイレ14と、資材テント15とが設けられている。建築現場用の給電システム20(以下、略して給電システム20という)は、これら各仮設資材13~15を利用して設置されるものとなっている。給電システム20は、足場13に取り付けられる足場用給電装置21と、仮設トイレ14に取り付けられる仮設トイレ用給電装置22と、資材テント15に取り付けられる資材テント用給電装置23と、電源ボックス24とを備える。なお、
図1では便宜上、各仮設資材13~15にドットハッチを付している。
【0028】
各給電装置21~23はいずれも、後述するように、太陽光パネル38,48,68を有して構成されている。各給電装置21~23は、電気配線26を介して電源ボックス24に接続されている。電源ボックス24には、各給電装置21~23の太陽光パネル38,48,68により発電される発電電力が電気配線26を介して供給される。
【0029】
電源ボックス24は、パワーコンディショナ27と、蓄電池28とを有している。電源ボックス24に各給電装置21~23(太陽光パネル38,48,68)から供給される発電電力(直流電力)は、パワーコンディショナ27により直流電力から交流電力に変換される。また、電源ボックス24には、建築現場12で使用される複数の電気負荷Eが電気配線29を介して接続されている。パワーコンディショナ27において交流電力に変換された発電電力は、電気配線29を介して各電気負荷Eに供給される。これにより、建築現場12においいて各電気負荷Eを駆動させることが可能となっている。なお、各電気負荷Eは、例えば照明機器や電気工具等である。
【0030】
また、各給電装置21~23から電源ボックス24に供給される発電電力の一部(余剰分)は、蓄電池28に蓄えられる。蓄電池28に蓄えられた蓄電電力は、電源ボックス24から電気配線29を介して各電気負荷Eに供給される。詳しくは、蓄電池28には、蓄電電力を直流電力から交流電力に変換するコンバータ(図示略)が内蔵され、そのコンバータにより変換された交流電力が各電気負荷Eに供給される。
【0031】
続いて、各仮設資材13~15に設けられた給電装置21~23の構成について順に説明する。まず、足場13に設けられた足場用給電装置21の構成について
図2及び
図3に基づき説明する。
図2は、足場用給電装置21が足場13に取り付けられた状態を示す正面図である。
図3は、足場用給電装置21の構成を示す分解斜視図であり、足場13を併せて示している。
【0032】
図2及び
図3に示すように、足場13は、複数の単管31,32が組み合わされた骨組構造を有する。単管31は金属製のパイプであり、骨組材に相当する。複数の単管31,32には、縦方向(上下方向)に延びる複数の縦管31と、横方向(水平方向)に延びる複数の横管32とが含まれている。これら複数の縦管31と複数の横管32とが互いに連結されることにより足場13の骨組構造が構築されている。
【0033】
足場13には、足場用給電装置21が取り付けられている。足場用給電装置21は、足場13において上下に並んで配置された2つの横管32(以下、2つの横管32A,32Bという)に架け渡されて設けられた一対の足場用桟36と、一対の足場用桟36に架け渡されて設けられた一対のパネル固定用桟37と、一対のパネル固定用桟37に架け渡されて設けられた太陽光パネル38とを有している。なお、2つの横管32A,32Bが「2つの横材」及び「2つの骨組材」に相当する。
【0034】
一対の足場用桟36は、鋼製の長尺材からなる。各足場用桟36は、上下方向に延びる向きで各横管32A,32Bに架け渡され、それら各横管32A,32Bに取り付けられている。この場合、各足場用桟36は、互いに離間した位置で平行に配置されている。なお、各足場用桟36が第1桟に相当する。また、以下では、各足場用桟36を仮設資材用桟36ともいう。
【0035】
各足場用桟36は、長手方向の両端部にそれぞれ横管32A,32Bに引っ掛け可能な引っ掛け部36aを有している。各引っ掛け部36aはフック形状を有しており、横管32A,32Bに引っ掛けて嵌め込むことが可能となっている。各足場用桟36は、各引っ掛け部36aがそれぞれ横管32A,32Bに引っ掛けられることで、各横管32A,32Bに着脱可能に取り付けられている。
【0036】
一対のパネル固定用桟37は、鋼製の長尺材からなる。一対のパネル固定用桟37は、横方向に延びる向きで各足場用桟36に架け渡され、それら各足場用桟36に着脱可能に取り付けられている。例えば、一対のパネル固定用桟37は、各足場用桟36にボルトやナット等の締結具を用いて着脱可能に取り付けられている。また、一対のパネル固定用桟37は複数組(具体的には二組)設けられており、それら複数組の一対のパネル固定用桟37が上下方向(換言すると、足場用桟36の長手方向)に並んで配置されている。なお、各パネル固定用桟37が第2桟に相当する。また、この場合、一対の足場用桟36と各パネル固定用桟37とにより架台が構成されている。
【0037】
太陽光パネル38は、太陽光が照射されることにより発電を行うものである。太陽光パネル38は、一対のパネル固定用桟37に架け渡された状態で、それら各パネル固定用桟37に着脱可能に取り付けられている。例えば、太陽光パネル38は、各パネル固定用桟37にボルトやナット等の締結具を用いて着脱可能に取り付けられている。太陽光パネル38は、かかる取付状態で足場13の側面において上下方向に延びる向き(換言すると縦向き)で配置されている。また、太陽光パネル38は、一対のパネル固定用桟37に対して複数(具体的には2つ)設けられており、それら複数の太陽光パネル38はがパネル固定用桟37の長手方向に並んで配置されている。
【0038】
続いて、仮設トイレ14に設けられた仮設トイレ用給電装置22の構成について
図4及び
図5に基づき説明する。
図4は、仮設トイレ用給電装置22が仮設トイレ14の天井部44に取り付けられた状態を示す正面図である。
図5は、仮設トイレ用給電装置22の構成を示す分解斜視図である。
【0039】
図4に示すように、仮設トイレ14は、縦長ボックス状のトイレ本体41を有している。トイレ本体41は、上下方向に延びる四角筒状の筒状部42と、筒状部42の下端部に設けられた床部43と、筒状部42の上端部に設けられた天井部44とを有する。トイレ本体41の内部に便器等が設置されている。なお、トイレ本体41が本体部に相当する。
【0040】
トイレ本体41の天井部44には、仮設トイレ用給電装置22が取り付けられている。仮設トイレ用給電装置22は、
図4及び
図5に示すように、トイレ本体41の天井部44上に載せられた状態で設けられたベース体45と、ベース体45に取り付けられた一対の仮設トイレ用桟46と、一対の仮設トイレ用桟46に架け渡されて設けられた一対のパネル固定用桟47と、一対のパネル固定用桟47に架け渡されて設けられた太陽光パネル48とを有している。
【0041】
ベース体45は、トイレ本体41の天井部44上に載置された載置部51と、載置部51に設けられた一対のボルト52と、載置部51に設けられた複数の支柱部53とを有する。載置部51は、下方に開放された扁平箱状に形成されている。載置部51は、天井部44上に載置された載置板部51aと、載置板部51aの各辺部から下方に延びる複数の側板部51bとを有している。各側板部51bは、天井部44を囲むように配置されている。
【0042】
複数の側板部51bのうち、互いに対向する一対の側板部51bには、ボルト52が挿通されるボルト孔56が形成されている。ボルト孔56は、側板部51bごとに複数(具体的には2つ)形成されている。ボルト孔56の内周面にはめねじ部が形成されている。各ボルト孔56にはそれぞれボルト52が挿通され、それらのボルト52がめねじ部に螺合されている。各ボルト52は、天井部44を挟んだ両側方に配置されている。
【0043】
載置部51が天井部44上に載置された状態で、各ボルト52が締め込まれることにより、各ボルト52の先端部は天井部44の側面に突き当てられている。この場合、各ボルト52により天井部44が挟持された状態となっており、それにより、ベース体45が天井部44に着脱可能に取り付けられている。なお、各ボルト52が挟持部に相当する。
【0044】
支柱部53は、仮設トイレ用桟46を下方から支持するものであり、載置部51の載置板部51aから上方に延びている。支柱部53は、一対の仮設トイレ用桟46ごとに互いに離間させて複数ずつ(具体的には2つずつ)設けられている。各支柱部53は、上下方向に延びる筒状体53aと、筒状体53aの内側に挿入された棒状体53bとを有している。筒状体53aと棒状体53bとはいずれも鋼製である。
【0045】
筒状体53aは、その下端部が載置板部51aに固定されている。棒状体53bは、筒状体53aに挿入された状態で筒状体53aに対して上下方向にスライド可能となっている。そして、その棒状体53bのスライドにより支柱部53の長さを調整可能となっており、換言すると、支柱部53の上端部の高さ位置を調整可能となっている。
図4,
図5の例では、仮設トイレ用桟46に対して複数設けられた各支柱部53の上端部の高さ位置が互いに異なる位置に設定されている。
【0046】
一対の仮設トイレ用桟46は、鋼製の長尺材からなる。一対の仮設トイレ用桟46はそれぞれ複数の支柱部53の上端部に架け渡されて設けられ、それら複数の支柱部53に着脱可能に取り付けられている。例えば、各仮設トイレ用桟46は、支柱部53にボルトやナット等の締結具を用いて着脱可能に取り付けられている。この場合、各支柱部53の上端部の高さ位置が異なっているため、仮設トイレ用桟46は傾斜した状態で配置されている。また、この場合、仮設トイレ用桟46は、ベース体45を介して仮設トイレ14の天井部44に取り付けられている。なお、各仮設トイレ用桟46が第1桟に相当する。また、以下では、仮設トイレ用桟46を仮設資材用桟46ともいう。
【0047】
一対のパネル固定用桟47は、鋼製の長尺材からなる。一対のパネル固定用桟47は、各仮設トイレ用桟46に架け渡され、それら各仮設トイレ用桟46に着脱可能に取り付けられている。例えば、一対のパネル固定用桟47は、各仮設トイレ用桟46にボルトやナット等の締結具を用いて着脱可能に取り付けられている。なお、各パネル固定用桟47が第2桟に相当する。
【0048】
太陽光パネル48は、各パネル固定用桟47に架け渡された状態で、各パネル固定用桟47に着脱可能に取り付けられている。例えば、太陽光パネル48は、各パネル固定用桟47にボルトやナット等の締結具を用いて着脱可能に取り付けられている。この場合、太陽光パネル48は、傾斜した状態で配置されている。
【0049】
続いて、資材テント15に設けられた資材テント用給電装置23の構成について
図6に基づき説明する。
図6は、資材テント用給電装置23の構成を示す分解斜視図であり、資材テント15を併せて示している。
【0050】
図6に示すように、資材テント15は、複数の単管61が組み合わされてなる骨組体62と、骨組体62に取り付けられたテントシート63とを有する。単管61は、金属製のパイプ材であり、骨組材に相当する。資材テント15は、切り妻状の屋根部65を有している。複数の単管61には、屋根部65の傾斜に沿って延びる傾斜管61aが含まれている。
【0051】
資材テント15の屋根部65上には、資材テント用給電装置23が取り付けられている。資材テント用給電装置23は、互いに平行に延びる2つの傾斜管61aに架け渡されて設けられた一対の資材テント用桟66と、一対の資材テント用桟66に架け渡されて設けられた一対のパネル固定用桟67と、一対のパネル固定用桟67に架け渡されて設けられた太陽光パネル68とを有している。なお、2つの傾斜管61aが「2つの骨組材」に相当する。
【0052】
一対の資材テント用桟66は、鋼製の長尺材からなる。各資材テント用桟66は、各傾斜管61aに架け渡され、それら各傾斜管61aに着脱可能に取り付けられている。各資材テント用桟66は、長手方向の両端部に傾斜管61aに引っ掛け可能な引っ掛け部66aを有している。各引っ掛け部66aはフック形状を有しており、傾斜管61aに引っ掛けて嵌め込むことが可能となっている。各資材テント用桟66は、各引っ掛け部66aが傾斜管61aに引っ掛けられることで、各傾斜管61aに着脱可能に取り付けられている。なお、各資材テント用桟66が第1桟に相当する。また、以下では、資材テント用桟66を仮設資材用桟66ともいう。
【0053】
一対のパネル固定用桟67は、鋼製の長尺材からなる。一対のパネル固定用桟67は、各資材テント用桟66に架け渡され、それら各資材テント用桟66に着脱可能に取り付けられている。例えば、パネル固定用桟67は、各資材テント用桟66にボルトやナット等の締結具を用いて着脱可能に取り付けられている。また、一対のパネル固定用桟67は、二組設けられている。なお、各パネル固定用桟67が各第2桟に相当する。
【0054】
太陽光パネル68は、一対のパネル固定用桟67に架け渡され、それら各パネル固定用桟67に着脱可能に取り付けられている。例えば、太陽光パネル68は、各パネル固定用桟67にボルトやナット等の締結具を用いて着脱可能に取り付けられている。この場合、太陽光パネル68は、資材テント15の屋根部65上において屋根部65の傾斜に沿って配置されている。
【0055】
続いて、電源ボックス24の構成について
図7に基づき説明する。
図7は、電源ボックス24及びその周辺の構成を示す図である。
【0056】
図7に示すように、電源ボックス24は、箱状に形成されたボックス本体71と、ボックス本体71の内部空間74に設けられたパワーコンディショナ27及び蓄電池28とを有している。ボックス本体71は前面側が開口され、その開口部がカバー72により覆われている。カバー72は、ボックス本体71に着脱可能に取り付けられている。
【0057】
ボックス本体71には、その内部空間74を前後方向(奥行き方向)に仕切る中間壁75が設けられている。中間壁75は、例えば木製板材により形成されている。内部空間74のうち、中間壁75よりも前方の領域はパワーコンディショナ27及び蓄電池28が配置される機器領域74aとなっており、中間壁75よりも後方の領域は電気配線26,26を通す配線領域74bとなっている。パワーコンディショナ27及び蓄電池28は中間壁75に固定され、パワーコンディショナ27が上側、蓄電池28が下側に配置されている。
【0058】
中間壁75には、パワーコンディショナ27の裏側(後方)に開口部77が形成されている。パワーコンディショナ27の背面部には、電気負荷Eの電気配線29を接続可能な接続部79が設けられている。この接続部79には、電気負荷Eの電気配線29が開口部77を通じて接続されている。これにより、電気負荷Eは、電気配線29を介してパワーコンディショナ27に接続されている。また、パワーコンディショナ27には、各給電装置21~23が電気配線26を介して接続されている。これにより、各給電装置21~23から、太陽光パネル38,48,68による発電電力が電気配線26を介してパワーコンディショナ27に供給される。そして、上述したように、その供給された発電電力がパワーコンディショナ27において交流電力に変換され、その変換された交流電力がパワーコンディショナ27から電気配線29を介して電気負荷Eに供給される。
【0059】
電源ボックス24の付近には仮柱81が立設され、その仮柱81には仮設電源82が取り付けられている。仮設電源82には、引き込み線83を介して商用電力が供給される。仮設電源82は、電源ボックス24と電気配線85を介して接続されている。電源ボックス24には、仮設電源82より電気配線85を介して商用電力が供給される。これにより、雨天時等、各給電装置21~23からの給電を十分に行えない場合には、電源ボックス24から商用電力を電気負荷Eに供給可能となっている。
【0060】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0061】
本実施形態の給電装置21,22,23では、建築現場12に設けられる仮設資材13,14,15に一対の仮設資材用桟36,46,66(第1桟に相当)が取り付けられる。それら一対の仮設資材用桟36,46,66には一対のパネル固定用桟37,47,67(第2桟に相当)が架け渡され、それら各パネル固定用桟37,47,67が各仮設資材用桟36,46,66に取り付けられる。そして、各パネル固定用桟37,47,67には太陽光パネル38,48,68が架け渡され、その太陽光パネル38,48,68が各パネル固定用桟37,47,67に取り付けられる。これにより、建築現場12において太陽光パネル38,48,68を比較的簡単に設置することができ、電源確保を図ることが可能となる。
【0062】
また、各仮設資材用桟36,46,66、各パネル固定用桟37,47,67及び太陽光パネル38,48,68はいずれも着脱可能となっているため、使い回しがし易い。また、建築現場12の仮設資材13,14,15に各仮設資材用桟36,46,66及び各パネル固定用桟37,47,67を介して太陽光パネル38,48,68が取り付けられる構成となっているため、建築現場12に設けられる種々の仮設資材に太陽光パネルを取り付けることが可能となる。すなわち、太陽光フィルムをパネル状の仮設資材に貼り付けて取り付ける従来技術の場合には、太陽光フィルムの設置範囲が制限されるおそれがあったが、上記の取付構成によれば種々の仮設資材に太陽光パネルを取り付けることが可能となる。そのため、給電装置21,22,23の使い回しをし易くしながら、建築現場12において電源確保を好適に図ることが可能となる。
【0063】
従来技術の太陽光フィルムは、パネル状の部材(例えば面材)に貼り付けられて取り付けられるため、骨組構造を有する仮設資材に対しては取り付けるのが難しい。その点、各給電装置21,23(足場用給電装置21、資材テント用給電装置23)では、こうした骨組構造を有する仮設資材(具体的には足場13、資材テント15)において、各仮設資材用桟36,66が互いに平行に延びる2つの骨組材(具体的には、2つの横管32A,32B,2つの傾斜管61a)に架け渡されて設けられ、それら2つの骨組材に着脱可能に取り付けられるようになっている。そして、各仮設資材用桟36,66に各パネル固定用桟37,67を介して太陽光パネル38,68が取り付けられるようになっている。これにより、骨組構造を有する仮設資材13,15に対しても給電装置21,23を好適に取り付けることができる。建築現場12には、こうした仮設資材が設置されることが多いため、かかる構成は、建築現場12において電源確保を図る上で好適な構成といえる。
【0064】
各給電装置21,23では、仮設資材用桟36,66の両端部に設けられた各引っ掛け部36a,66aが2つの骨組材(具体的には、2つの横管32A,32B,2つの傾斜管61a)にそれぞれ引っ掛けられることにより、仮設資材用桟36,66がそれら2つの骨組材に着脱可能に取り付けられるようになっている。この場合、仮設資材用桟36,66を2つの骨組材に容易に取り付け及び取り外しすることができる。そのため、給電装置21,23を使い回しする上で、好適な構成とすることができる。
【0065】
足場用給電装置21では、各足場用桟36が、足場13における上下2つの横管32A,32Bに架け渡され、それら2つの横管32A,32Bに取り付けられる。この場合、各足場用桟36に各パネル固定用桟37を介して取り付けられる太陽光パネル38は、足場13の側面において上下方向に延びる向き(換言すると縦向き)で配置される。そのため、太陽光パネル38が足場13で作業する作業者の邪魔になるのを抑制することができる。これにより、足場13に対して太陽光パネル38を好適に取り付けることができる。
【0066】
仮設トイレ用給電装置22は、仮設トイレ14においてボックス状をなすトイレ本体41(詳しくは天井部44)上に載せられるベース体45を備え、そのベース体45が、トイレ本体41上に載置される載置部51と、トイレ本体41を挟持可能な複数のボルト52と、仮設トイレ用桟46ごとに互いに離間させて複数ずつ設けられた支柱部53とを有している。ベース体45は、各ボルト52によりトイレ本体41を挟持することで、トイレ本体41に着脱可能に取り付けられるようになっている。また、仮設トイレ用桟46は、複数の支柱部53の上端部に架け渡され、それら各支柱部53に着脱可能に取り付けられるようになっている。かかる構成によれば、ボックス状のトイレ本体41にベース体45を介して仮設トイレ用桟46を取り付けることができ、ひいてはベース体45と各仮設トイレ用桟46及び各パネル固定用桟47とを介して太陽光パネル48を取り付けることができる。これにより、ボックス状の仮設トイレ14に対しても太陽光パネル48を好適に取り付けることができる。
【0067】
仮設トイレ用給電装置22では、各支柱部53が上端部の高さ位置を調整可能となっている。この場合、各支柱部53の上端部の高さ位置を互いに異ならせることにより、それら支柱部53により支持される仮設トイレ用桟46を傾斜した状態で配置することができる。そのため、各仮設トイレ用桟46に各パネル固定用桟47を介して取り付けられる太陽光パネル48についても傾斜した状態で配置することができる。これにより、太陽光の向きに合わせて太陽光パネル48の傾斜向きを設定することで、太陽光パネル48の発電効率を高めることができる。
【0068】
給電システム20は、異なる種類からなる複数の仮設資材13~15にそれぞれ取り付けられる複数の給電装置21~23を備えたものとなっている。これにより、建築現場12において電源確保を十分に図ることが可能となる。この場合、例えば足場13が第1仮設資材に相当し、仮設トイレ14が第2仮設資材に相当し、資材テント15が第3仮設資材に相当する。また、足場用給電装置21が第1給電装置に相当し、仮設トイレ用給電装置22が第2給電装置に相当し、資材テント用給電装置23が第3給電装置に相当する。
【0069】
また、給電システム20は、各給電装置21~23の太陽光パネル38,48,68により発電された発電電力が供給される電源ボックス24を備えている。電源ボックス24には、建築現場12で用いられる電気負荷Eを接続可能な接続部79が設けられている。かかる構成によれば、各太陽光パネル38,48,68による発電電力が電源ボックス24を介して電気負荷Eに供給される。そのため、複数の給電装置21~23を備える給電システム20において、電気負荷Eへの給電を好適に行うことができる。
【0070】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0071】
(1)上記実施形態では、足場用給電装置21において、足場用桟36の両端部に引っ掛け部36aを設け、それら各引っ掛け部36aを足場13における2つの横管32A,32Bに引っ掛けることにより、足場用桟36を各横管32A,32Bに着脱可能に取り付けるようにしたが、これを変更してもよい。例えば、足場用桟36の両端部にそれぞれ各横管32A,32Bを挟持可能な一対の挟持部を設け、それら各挟持部により各横管32A,32Bを挟持することで、足場用桟36を各横管32A,32Bに着脱可能に取り付けるようにしてもよい。
【0072】
また、資材テント用給電装置23においても同様に、資材テント用桟66の両端部に設けられた引っ掛け部66aに代え、挟持部を設けてもよい。
【0073】
(2)上記実施形態では、パネル固定用桟37,47,67を仮設資材用桟36,46,66に締結具(例えばボルト、ナット)を用いて着脱可能に取り付けたが、着脱可能に取り付けるために必ずしも締結具を用いる必要はない。例えば、パネル固定用桟37,47,67と仮設資材用桟36,46,66とをまとめて挟持する挟持部を用いて、パネル固定用桟37,47,67を仮設資材用桟36,46,66に着脱可能に取り付けるようにてもよい。
【0074】
(3)上記実施形態では、給電装置として、足場13に取り付けられる足場用給電装置21と、仮設トイレ14に取り付けられる仮設トイレ用給電装置22と、資材テント15に取り付けられる資材テント用給電装置23とを設けたが、足場13、仮設トイレ14及び資材テント15以外の仮設資材に取り付けられる給電装置を設けてもよい。例えば、建築現場12に設けられるガードフェンスに取付可能なガードフェンス用の給電装置を設けることが考えられる。ガードフェンスは、複数の単管が組まれた骨組構造を有する。そこで、この場合、ガードフェンス用の給電装置を、足場用給電装置21と同様の構成からなるものとすることが考えられる。
【符号の説明】
【0075】
13…仮設資材としての足場、14…仮設資材としての仮設トイレ、15…仮設資材としての資材テント、20…給電システム、21…足場用給電装置、22…仮設トイレ用給電装置、23…資材テント用給電装置、24…電源ボックス、36…第1桟としての足場用桟、36a…引っ掛け部、37…第2桟としてのパネル固定用桟、38…太陽光パネル、41…本体部としてのトイレ本体、45…ベース体、46…第1桟としての仮設トイレ用桟、47…第2桟としてのパネル固定用桟、48…太陽光パネル、51…載置部、52…挟持部としてのボルト、53…支柱部、66…第1桟としての資材テント用桟、66a…引っ掛け部、67…第2桟としてのパネル固定用桟、68…太陽光パネル、79…接続部。