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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171009
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】プログラム及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241204BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241204BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241204BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241204BHJP
   H04L 67/14 20220101ALI20241204BHJP
【FI】
G06F3/12 338
G06F3/12 303
G06F3/12 339
G06F3/12 392
B41J29/00 E
B41J29/38 203
H04N1/00 127B
H04L67/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087836
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美由紀
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061CG02
2C061CG15
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2C061HP00
2C061HP06
2C061HQ06
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA37
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC42
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF02
5C062AF06
(57)【要約】
【課題】 効率的に代理印刷を行うことができるプログラムを提供する。
【解決手段】 本発明のプログラムは、画像形成装置と通信可能な第1携帯端末に搭載されるコンピュータを、複数の情報に基づいて前記画像形成装置で代理印刷する印刷データを識別する識別子を作成する識別子生成手段と、作成された前記識別子を前記画像形成装置に送信する識別子設定手段と、前記第1携帯端末とは異なる第2携帯端末に印刷依頼を送信し、前記第2携帯端末から受諾の応答があった場合、前記第2携帯端末へ前記識別子を送信する代理印刷依頼手段として機能させることを特徴とする。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と通信可能な第1携帯端末に搭載されるコンピュータを、
複数の情報に基づいて前記画像形成装置で代理印刷する印刷データを識別する識別子を作成する識別子生成手段と、
作成された前記識別子を前記画像形成装置に送信する識別子設定手段と、
前記第1携帯端末とは異なる第2携帯端末に印刷依頼を送信し、前記第2携帯端末から受諾の応答があった場合、前記第2携帯端末へ前記識別子を送信する代理印刷依頼手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記代理印刷依頼手段は、前記第1携帯端末とは異なる第2携帯端末及び第3携帯端末に印刷依頼を行い、前記第2携帯端末及から受諾の応答があったのち前記第3携帯端末から受託の応答があった場合、受諾の応答が早い前記第2携帯端末へ前記識別子を送信することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
印刷依頼を行ったのち一定時間内に応答がない場合、前記第2携帯端末に対して前記印刷依頼に関する通知を行う通知手段としてさらに機能させることを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
画像形成装置、第1携帯端末及び第2携帯端末を有する画像形成システムであって、
前記第1携帯端末は、
複数の情報に基づいて前記画像形成装置で代理印刷する印刷データを識別する識別子を作成する識別子生成部と、
前記識別子を前記画像形成装置及び前記第2携帯端末に送信する識別子設定部とを備え、
前記第2携帯端末は、
前記識別子を記憶する記憶部と、
前記画像形成装置へ前記識別子の送信を行う近距離無線通信部と
を備え、
前記画像形成装置は、
前記印刷データ及び前記印刷データに関連付けられた前記識別子を記憶する記憶部と、
前記第2携帯端末から前記識別子の受信を行う近距離無線通信部と、
前記第2携帯端末から前記識別子を受信した場合、関連付けられた前記印刷データの印刷を行う制御部とを備える
ことを特徴とする画像形成システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザー認証を行っているプリンター等の画像形成装置で、自身の印刷データの印刷の権利を他人に与えて、印刷物を他人にとってきてもらう代理印刷の技術が知られている。この技術は、プリンターに印刷データを投入したユーザー(依頼者)が予め代理人(被依頼者)を指定しておくことで、ユーザー本人の認証情報(パスワード)を他人に知らせることなく、被依頼者が印刷できる権利を受けられる技術である。この技術により、自身から離れた場所にあるプリンターによる印刷を可能としている。
【0003】
例えば、特許文献1では、印刷データに所属情報を付加することで、依頼者と同じ所属の被依頼者に代理印刷を依頼する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-123496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では同じ所属の被依頼者が印刷できない場合、別の所属に依頼する必要があるため、再度印刷データを送信し直す必要があった。
【0006】
そのため、効率的に代理印刷を行うことができるプログラム及び画像形成システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明のプログラムは、画像形成装置と通信可能な第1携帯端末に搭載されるコンピュータを、(1)複数の情報に基づいて前記画像形成装置で代理印刷する印刷データを識別する識別子を作成する識別子生成手段と、(2)作成された前記識別子を前記画像形成装置に送信する識別子設定手段と、(3)前記第1携帯端末とは異なる第2携帯端末に印刷依頼を送信し、前記第2携帯端末から受諾の応答があった場合、前記第2携帯端末へ前記識別子を送信する代理印刷依頼手段として機能させることを特徴とする。
【0008】
第2の本発明の画像形成システムは、画像形成装置、第1携帯端末及び第2携帯端末を有する画像形成システムであって、(1)前記第1携帯端末は、(1-1)複数の情報に基づいて前記画像形成装置で代理印刷する印刷データを識別する識別子を作成する識別子生成部と、(1-2)前記識別子を前記画像形成装置及び前記第2携帯端末に送信する識別子設定部とを備え、(2)前記第2携帯端末は、(2-1)前記識別子を記憶する記憶部と、(2-2)前記画像形成装置へ前記識別子の送信を行う近距離無線通信部とを備え、(3)前記画像形成装置は、(3-1)前記印刷データ及び前記印刷データに関連付けられた前記識別子を記憶する記憶部と、(3-2)前記第2携帯端末から前記識別子の受信を行う近距離無線通信部と、(3-3)前記第2携帯端末から前記識別子を受信した場合、関連付けられた前記印刷データの印刷を行う制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効率的に代理印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る代理印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係るアプリケーションの内部構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係るキー作成時の画面の一例を示す説明図である。
図4】第1の実施形態に係る代理印刷依頼時の画面の一例を示す説明図である。
図5】第1の実施形態に係る代理印刷要求時の画面の一例を示す説明図である。
図6】第1の実施形態に係るアプリケーションの特徴動作(キー作成時の動作)を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係るアプリケーションの特徴動作(代理印刷依頼時の動作)を示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態に係るアプリケーションの特徴動作(代理印刷要求を受けた時の動作)を示すフローチャート(その1)である。
図9】第1の実施形態に係るアプリケーションの特徴動作(代理印刷要求を受けた時の動作)を示すフローチャート(その2)である。
図10】第2の実施形態に係る代理印刷依頼時の画面の一例を示す説明図である。
図11】第2の実施形態に係るアプリケーションの特徴動作(代理印刷依頼時の動作)を示すフローチャート(その1)である。
図12】第2の実施形態に係るアプリケーションの特徴動作(代理印刷依頼時の動作)を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(A)第1の実施形態
以下、本開示によるプログラム及び画像形成システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第1の実施形態では、本開示の画像形成システムを代理印刷システムに適用した例について説明する。
【0012】
(A-1)第1の実施形態の構成
<全体構成>
図1は、第1の実施形態に係る代理印刷システムの全体構成を示すブロック図である。図1において、代理印刷システム1は、PC2と、プリンター3と、携帯端末4(4-1~4-3)を有する。なお、図1において、各装置の数は限定されないものである。また、各装置は、ネットワークL(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)及びネットワークW(例えば、インターネット等の広域ネットワーク)を介して相互に接続可能である。
【0013】
PC2は、プリンター3を使用するための情報端末である。例えば、PC2は、データの印刷処理や印刷設定等を行い、ネットワークLを通じて、印刷データをプリンター3に出力する。この実施形態では、PC2は、代理印刷の依頼者が使用することを前提として説明するが、依頼者も携帯端末4を用いて印刷データをプリンター3に出力しても良い。
【0014】
プリンター3は、ネットワークLを通じて取得した印刷データに基づいて、用紙などの媒体に画像を印刷するものである。この実施形態のプリンター3は、代理印刷対象の印刷データを、当該印刷データを識別するキーと関連付けて内部に記憶し、携帯端末4から対応するキー情報が近距離無線通信を介して受信した場合のみ代理印刷対象の印刷データの印刷を可能とする。一度印刷を行った印刷データは、キーと共に内部から削除される。
【0015】
携帯端末4は、代理印刷可能なアプリケーション(プログラムともいう)が搭載された通信端末であって、この実施形態では、代理印刷の依頼者と代理人(被依頼者)のそれぞれが保持するものとする。また、携帯端末4は、社内LANなどのローカルなネットワークであるネットワークLに直接接続して図1の各装置と接続しても良いし、遠隔地から広域ネットワークであるネットワークWを介してネットワークLに接続して、各装置と接続してもよい。以下、各装置の詳細構成について述べるものとする。
【0016】
<PC>
PC2は、制御部21と、通信部22と、入力部23と、表示部24を有する。
【0017】
制御部21は、PC2の各部を制御してPC2を統括的に制御する機能部であって、例えば、デバイスドライバー210を介して印刷データをプリンター3に送信する。
【0018】
通信部22は、ネットワークLを経由しプリンター3と、ネットワークL(及びネットワークW)を経由し携帯端末4と通信する機能部である。
【0019】
入力部23は、情報の入力を行う機能部であって、例えば、キーボードやマウス等である。
【0020】
表示部24は、表示を行う機能部であって、例えば、液晶ディスプレイ等である。
【0021】
<プリンター>
プリンター3は、制御部31と、通信部32と、近距離無線通信部33と、記憶部34を有する。
【0022】
制御部31は、プリンター3の各部を制御してPC2を統括的に制御する機能部であって、例えば、PC2から送信された印刷データを記憶部34に保持したり、記憶部34の印刷データを印刷する制御等を行う。
【0023】
通信部32は、ネットワークLを経由しPC2と、ネットワークL(及びネットワークW)を経由し携帯端末4と通信する機能部である。
【0024】
近距離無線通信部33は、近距離無線通信を行う機能部であって、例えば、NFC(Near Field Communication)により携帯端末4と通信を行うことができる。
【0025】
記憶部34は、印刷データや、近距離無線通信で送付する情報などを記憶する機能部である。
【0026】
<携帯端末>
携帯端末4は、制御部41(コンピュータともいう)と、通信部42と、近距離無線通信部43と、記憶部44と、表示部45を有する。
【0027】
第1の実施形態に係る携帯端末は、図1に示す各構成部を搭載した専用のICチップ等のハードウェアとして構成しても良いし、又は、CPUと、CPUが実行するプログラムを中心としてソフトウェア的に構成して良いが、機能的には、図1で表すことができる。
【0028】
制御部41は、携帯端末4の各部を制御して携帯端末4を統括的に制御する機能部であって、例えば、後述するアプリケーション46を介して代理印刷を実現する。
【0029】
通信部42は、ネットワークLを経由しPC2及びプリンター3と、ネットワークL(及びネットワークW)を経由し他の携帯端末4と通信する機能部である。
【0030】
近距離無線通信部43は、近距離無線通信を行う機能部であって、例えば、NFCによりプリンター3と通信を行うことができる。
【0031】
記憶部44は、アプリケーション46や近距離無線通信に必要な情報等を記憶する機能部である。
【0032】
表示部45は、表示を行う機能部であって、例えば、液晶ディスプレイである。
【0033】
<アプリケーション>
図2は、第1の実施形態に係るアプリケーションの内部構成を示すブロック図である。
【0034】
アプリケーション46は、キー設定部47と、代理印刷依頼部48と、代理印刷要求部49と、キー管理部50と、代理人管理部51とを有する。
【0035】
キー設定部47は、識別子生成手段としてのキー作成部52及び識別子設定手段としてのプリンター情報取得部53を備え、印刷データに紐づけるキーを作成する機能部である。
【0036】
キー作成部52は、複数の情報(例えば、代理印刷の依頼を行う依頼者のユーザー名、プリンター3で認証印刷を行うために依頼者(ユーザー)がログインに必要なパスワード、識別子を作成した日付)を所定のアルゴリズムで合成して、プリンター3から代理印刷の対象となる印刷データを識別するキー(識別子ともいう)を作成するものである。作成されたキーは後述するキー管理部50で保持される。
【0037】
なお、作成されたキーはプリンター情報取得部53を介してプリンター3に蓄積されている印刷データを取得し、印刷データに対してキーを設定してもよいし、デバイスドライバー210で印刷する際に作成したキーを設定してもよい。
【0038】
代理印刷依頼手段としての代理印刷依頼部48は、依頼設定部54、依頼管理部55、及び依頼送受信部56を備え、キーに紐づいた印刷データの印刷を、代理人の携帯端末4に依頼する機能部である。
【0039】
依頼設定部54は、印刷データに設定する(紐づける)キーと依頼する代理人の携帯端末4を設定する機能である。設定するキーはキー管理部50から取得し、依頼する代理人は代理人管理部51から取得する。依頼する代理人は複数設定することが可能である。
【0040】
依頼管理部55は、依頼設定部54で設定した内容を代理人の携帯端末4に通知して依頼するための制御部である。また、依頼送受信部56は、代理人(代理人の保持する携帯端末4)に通知による依頼を送信または代理人からの応答を受信する機能部である。
【0041】
依頼管理部55は、代理人設定後に依頼送受信部56を介して代理人の携帯端末4に対して通知による依頼を送信し、応答を待つ。代理人の携帯端末4より「印刷受諾」の応答があった場合、依頼者の携帯端末4の依頼管理部55は、代理人の携帯端末4にキーを送付し印刷完了を待つ。代理人の携帯端末4より「印刷拒否」の応答があった場合は、依頼者の携帯端末4の依頼管理部55は依頼を中止する。
【0042】
代理印刷要求部49は、要求設定部57、要求管理部58、及び要求送受信部59を備え、代理印刷の要求を受信した場合に応答を処理する機能部である。
【0043】
要求設定部57は、代理印刷要求に対して「印刷受諾」または「印刷拒否」を設定する機能部である。
【0044】
要求管理部58は、代理印刷の要求に対して制御する機能部である。要求送受信部59は要求元に応答を送信する機能部である。
【0045】
要求管理部58は、「印刷受諾」を送信後、キー送付の依頼を待つ。依頼要求元の携帯端末4よりキーを受信した場合、キー管理部50に受信したキーを保存する。また要求管理部58は、キー管理部50にキーを保存後にも「印刷拒否」を設定することが可能であり、「印刷拒否」を依頼要求元に送信した場合には、保存したキーを削除する。
【0046】
なお、印刷受諾した後、実際にプリンター3にて印刷する際には、キー管理部50より印刷するキーを選択し、携帯端末4の記憶部44に書き込み、プリンター3の近距離無線通信部33に通信してキーを送信して印刷を行うことになる。
【0047】
キー管理部50は、上述のキー作成部52で作成されたキーや代理印刷要求があったキーを管理(保持)するものである。なお、管理するキーの数は特に限定されるものではない。
【0048】
代理人管理部51では、印刷を依頼可能な代理人情報を所持しており、依頼した代理人の情報を管理している。代理人情報はあらかじめ設定しておいてよいし、同じアプリケーション46を所持しているユーザーを検索して登録してもよい。
【0049】
次に、アプリケーション46を使用する際に、表示部45に表示するインターフェース(画面)について説明を行う。
【0050】
<キー作成時の画面>
図3は、第1の実施形態に係るキー作成時の画面の一例を示す説明図である。
【0051】
図3(A)において、キー作成画面301は、依頼者がプリンタ―3にログイン(ユーザー認証)するときに用いているパスワード(文字、数字、記号等の組み合わせ)の入力を受け付けるパスワード入力欄302と、パスワードと、ユーザー名と、作成日時からキーの作成を実行する作成ボタン303と、キーの作成を中断するキャンセルボタン304とを備える。
【0052】
図3(B)において、キー設定画面310は、プリンター3のIPアドレスの入力を受け付けるプリンターIPアドレス欄311と、入力されたIPアドレスに対応するプリンター3の印刷データを検索する検索ボタン312と、検索した依頼者の印刷データの一覧を表示すると共に、代理印刷する印刷データを選択可能な印刷データ一覧313と、代理印刷する印刷データに設定するキーを選択するキー設定欄314と、設定された内容を確定させるOKボタン315とを有する。
【0053】
プリンター情報取得部53は、印刷データ一覧313で代理印刷する印刷データがチェックされ、さらに代理印刷する印刷データで設定するキーが選択された状態でOKボタン315の押下を受け付けると、プリンター3にネットワークLを経由してキー情報を送信する。
【0054】
<代理印刷依頼時の画面>
図4は、第1の実施形態に係る代理印刷依頼時の画面の一例を示す説明図である。
【0055】
図4(A)において、代理印刷依頼画面401は、依頼するキーを選択するキー選択欄402と、依頼する代理人の携帯端末4を選択(複数選択可)する代理人選択欄403と、代理人選択欄403で選択された代理人の携帯端末4へ通知の依頼を確定する依頼ボタン404とを有する。
【0056】
依頼管理部55は、依頼ボタン404の押下を受け付けると、代理人選択欄403で選択された代理人の携帯端末4に対して依頼送受信部56を介して代理印刷依頼通知を行う。
【0057】
図4(B)において、依頼状態確認画面405は、代理印刷依頼画面401で依頼した状態を確認することができる画面であって、キーごとに依頼した代理人の携帯端末4の応答状態(ステータス)を表示するステータス一覧406を有する。
【0058】
依頼人は、依頼状態確認画面405を確認することで、代理印刷要求の応答がない場合など、状況に応じて代理印刷依頼画面401で別の代理人の携帯端末4への依頼を追加することもできる。
【0059】
<代理印刷要求時の画面>
図5は、第1の実施形態に係る代理印刷要求時の画面の一例を示す説明図である。
【0060】
図5(A)において、代理印刷通知画面501は、代理印刷の要求があった場合の通知画面であって、依頼要求元のユーザー名が表示される共に、代理印刷の要求を受諾する受諾ボタン502と、代理印刷の要求を拒否する拒否ボタン503とを有する。
【0061】
図5(B)において、依頼要求確認画面504は、現在要求がある代理印刷の一覧を表示するステータス一覧505を有する。
【0062】
代理人の携帯端末4のステータス一覧505では、依頼要求元であるユーザー名と、要求に対しての応答状態が表示されており、また、要求に対して「確認」「受諾」「拒否」「印刷」を操作することができる。ステータスが「未応答」はまだ要求元に「受諾」または「拒否」の応答を返していない状態である。この場合は「受諾」と「拒否」を押下することはできるが、「印刷」は押下できない。押下できないボタンは、例えば、グレーアウト等で表現してもよい。
【0063】
ステータスが「受諾」は依頼要求元に印刷受諾を返した状態である。この場合は印刷の取り消しを行う「拒否」と、印刷するために携帯端末4の記憶部44にキーを書き込む「印刷」を押下することができる。ステータスが「拒否」は依頼要求元に印刷拒否を返した状態である。この場合は、印刷できる状態に変更になった際に「受諾」を押下することができ、それ以外はグレーアウトになっている。「確認」は要求に対して、他の代理人で受諾しているユーザーがいるかを確認することができる。
【0064】
(A-2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態に係る代理印刷システム1の動作を説明する。
【0065】
<キー作成時の処理>
図6は、第1の実施形態に係るアプリケーションの特徴動作(キー作成時の動作)を示すフローチャートである。なお、図6の処理は、依頼人となるユーザーの携帯端末4でアプリケーション46が起動され、表示部45に上述のキー作成画面301が予め表示されていることを前提とする。
【0066】
キー作成部52は、ユーザーからパスワード入力欄302にプリンタ-3にログインするときに用いているパスワードの入力と、作成ボタン303の押下を受け付ける(S101)。
【0067】
キー作成部52は、上述のステップS101で入力されたパスワードと、キー作成を実行している携帯端末4のユーザー名と、現在の日付を取得し、これらの情報を所定のアルゴリズムで合成したキーを作成する(S102)。
【0068】
プリンター情報取得部53は、ユーザーからプリンター情報を取得する操作があったか否かを判定する(S103)。以下では、プリンター情報を取得する操作として、上述のキー設定画面310を起動する操作が行われたことを前提とする。なお、取得操作がない場合は一連の処理は終了する。
【0069】
プリンター情報取得部53は、ユーザーからプリンターIPアドレス欄311にプリンター3のIPアドレスの入力と、入力されたIPアドレスに対応するプリンター3を検索する検索ボタン312の押下を受け付ける(S104)。
【0070】
プリンター情報取得部53は、検索したプリンター3から印刷データ情報を取得し、取得した情報を印刷データ一覧313に表示する(S105)。なお、印刷データ情報はキー作成を実行している携帯端末4のユーザーの印刷データ情報のみ取得するものとする。
【0071】
プリンター情報取得部53は、ユーザーから印刷データ一覧313で代理印刷する印刷データの選択と、印刷データに設定するキーの選択を受け付ける(S106)。
【0072】
プリンター情報取得部53は、OKボタン315の押下を受け付けると、上述のステップS106で選択したキー及び印刷データ情報をプリンター3に送信する(S107)。
【0073】
<代理印刷依頼時の処理>
図7は、第1の実施形態に係るアプリケーションの特徴動作(代理印刷依頼時の動作)を示すフローチャートである。なお、図7の処理は、依頼人となるユーザーの携帯端末4-1(第1携帯端末ともいう)でアプリケーション46が起動され、表示部45に上述の代理印刷依頼画面401が予め表示されていることを前提とする。
【0074】
依頼設定部54は、ユーザーの携帯端末4-1からキー選択欄402を介して代理印刷を依頼するためのキーの選択を受け付ける(S201)。
【0075】
依頼設定部54は、ユーザーの携帯端末4-1から代理人選択欄403を介して代理印刷を依頼する代理人の選択(1又は2以上の選択)を受け付ける(S202)。
【0076】
依頼管理部55は、ユーザーの携帯端末4-1から依頼ボタン404の押下を受け付けると(S203)、依頼送受信部56を介して上述のステップS202で選択した代理人の携帯端末4-2(第2携帯端末ともいう)に対して、代理印刷依頼を送信する(S204)。
【0077】
ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、依頼した代理人の依頼状態を「依頼中」に変更し、ステータス一覧406を更新する(S205)。
【0078】
ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、依頼した代理人からの応答を待つ(S206)。
【0079】
ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、依頼送受信部56を介して依頼した代理人の携帯端末4から応答(「受諾」、「印刷完了」、「拒否」)があったか否か判定を行う(S207)。依頼管理部55は、「受諾」の応答があった場合には後述するステップS208へ、「印刷完了」の応答があった場合には後述するステップS214へ、「拒否」の応答があった場合には後述するステップS212へ処理を移行する。なお、「印刷完了」は代理人の携帯端末4-2から「受諾」の応答があり、キーを送付した後に発生するものである。
【0080】
依頼管理部55は、上述のステップS207で「受諾」の応答があった場合、応答があった代理人の依頼状態を「受諾」に変更し、ステータス一覧406を更新する(S208)。
【0081】
ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、上述のステップS208で応答があった代理人の携帯端末4-2に対して依頼送受信部56を介してキーを送信する(S209)。
【0082】
ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、他の応答待ちの依頼した代理人の携帯端末4-3が存在する否かを確認する(S210)。
【0083】
ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、他にも代理人の携帯端末4-3が存在する場合には受諾した代理人の携帯端末4-2のユーザー情報を、他の代理人の携帯端末4-3へ送信する(受諾情報を共有化する)(S211)。ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、送信後、又は他の代理人の携帯端末4-3がない場合には、再び上述のステップS206へ戻り代理人の携帯端末4-2からの応答を待つ。
【0084】
一方、ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、上述のステップS207で「拒否」の応答があった場合、応答があった代理人の依頼状態を「拒否」に変更し、ステータス一覧406を更新する(S212)。
【0085】
ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、他にも応答待ちの依頼した代理人の携帯端末4-3が存在するか否かを確認する(S213)。応答待ちの代理人の携帯端末4-3が存在しない場合には一連の処理を終了する。この場合は代理印刷が失敗したケースであるため、他の代理人の携帯端末4-3に依頼する場合には再度ステップS201から依頼することができる。応答待ちの代理人の携帯端末4-3が存在する場合には、再びステップS206へ移行し代理人の携帯端末4-2からの応答を待つ。
【0086】
一方、ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、上述のステップS207で「印刷完了」の応答があった場合、応答があった代理人の依頼状態を「依頼完了」に変更し、ステータス一覧406を更新する(S214)。
【0087】
ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、他にも応答待ちの依頼した代理人の携帯端末4-3が存在するか否かを確認する(S215)。応答待ちの代理人の携帯端末4-3が存在しない場合には一連の処理を終了する。この場合は代理印刷が成功したケースである。応答待ちの代理人の携帯端末4-2がいる場合には、次のステップS216へ移行する。
【0088】
ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、応答待ちの代理人の携帯端末4-2に対して依頼終了を送信し、一連の処理を終了する(S216)。
【0089】
<代理印刷要求を受けた時の処理>
図8図9は、第1の実施形態に係るアプリケーションの特徴動作(代理印刷要求を受けた時の動作)を示すフローチャートである。なお、図8図9の処理は、代理人となるユーザーの携帯端末4-2でアプリケーション46が起動されていることを前提とする。
【0090】
ユーザーの携帯端末4-1の要求管理部58は、依頼要求元から代理印刷要求がくるのを待つか、又は、代理人の携帯端末4-2によるアプリケーション46の操作があるのを待つ(S301)。
【0091】
要求管理部58は、上述のステップS301で要求又は操作があった場合、その内容を確認する(S302)。
【0092】
ユーザーの携帯端末4-1の要求管理部58は、要求元が代理印刷依頼元なのか代理人の携帯端末4-2のアプリケーション46なのかを確認する(S303)。要求管理部58は、代理印刷依頼元の場合には次のステップS304へ移行し、一方、代理人の携帯端末4-2のアプリケーション46の場合はステップS316へ移行する。
【0093】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、上述のステップS303で要求元が「代理印刷依頼元」と確認された場合、要求内容(「代理印刷依頼」、「キー送付」、「依頼終了」、「受諾ユーザーの更新」)の判定を行う(S304)。要求管理部58は、「代理印刷依頼」の要求(通知)があった場合には後述するステップS305へ、依頼受諾後の「キー送付」の通知があった場合には後述するステップS312へ、依頼のキャンセルである「依頼終了」の通知があった場合には後述するステップS313へ、「受諾ユーザーの更新」の通知があった場合には後述するステップS326へ処理を移行する。なお、「印刷完了」は代理人から「受諾」の応答があり、キーを送付した後に発生するものである。
【0094】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、上述のステップS304で「代理印刷依頼」の要求があったと判定した場合、依頼要求元の要求状態を「未応答」に変更し、ステータス一覧505を更新する(S305)。
【0095】
ユーザーの携帯端末4-1の要求設定部57は、代理印刷通知画面501を介して、代理人の携帯端末4-2による要求の応答を設定する(S306、S307)。要求設定部57は、ユーザー(代理人)から拒否ボタン503の押下を受け付けた場合、ステップS308へ移行し、一方、受諾ボタン502の押下を受け付けた場合、ステップS310へ移行する。
【0096】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、上述のステップS307で拒否ボタン503の押下を受け付けたと判定した場合、要求送受信部59を介して依頼要求元に「拒否」を送信する(S308)。
【0097】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、依頼要求元の要求状態を「拒否」に変更し、ステータス一覧505を更新する(S309)。その後、要求管理部58は、再度ステップS301へ戻り要求や操作を待つ。
【0098】
一方、代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、上述のステップS307で受諾ボタン502の押下を受け付けたと判定した場合、要求送受信部59を介して依頼要求元に「受諾」を送信する(S310)。
【0099】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、依頼要求元の要求状態を「受諾」に変更し、ステータス一覧505を更新する(S310)。その後、要求管理部58は、再度ステップS301へ戻り「キー送付」の要求やアプリケーションの操作を待つ。
【0100】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、上述のステップS304で「キー送付」の通知があったと判定した場合、キー管理部50に通知されたキー情報を保存する(S312)。その後、要求管理部58は、再度ステップS301へ戻り代理人によりアプリケーション46での印刷操作されるのを待つ。
【0101】
また、代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、上述のステップS304で「依頼終了」の通知があったと判定した場合、アプリケーション46のキー管理部50や携帯端末4の記憶部44に送付されたキーを保持しているか否かを確認する(S313)。要求管理部58は、キーを保持している場合には削除するためステップS314へ、一方、キーを保持していない場合にはステップS315へ移行する。
【0102】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、上述のステップS313でキーを保持していると判定した場合、キー管理部50及び記憶部44から該当するキーを削除する(S314)。
【0103】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、依頼要求元の要求状態を「依頼終了」に変更し、ステータス一覧505を更新した後、一連の処理を終了する(S315)。
【0104】
一方、代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、上述のステップS304で「受諾ユーザーの更新」の通知があったと判定した場合、受諾ユーザー情報を表示部45に表示されている画面に追加し、再度ステップS301へ戻る。代理人は受諾ユーザーを確認することで、他に誰が印刷しようとしているのかを確認することができ、プリンター3で印刷を行う際にバッティングすることを防ぐことができる。
【0105】
次に、上述のステップS303で要求元が「代理人のアプリケーション」の場合の処理(図9)を説明する。
【0106】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、アプリケーション46で代理人が行った操作内容を判定する(S316)。要求管理部58は、代理人が依頼要求元の要求状態が「受諾」の場合に「拒否」に応答を変更した場合にはステップS317へ、依頼要求元の要求状態が「拒否」の場合に「受諾」に応答を変更した場合にはステップS320に、依頼要求元の要求状態が「受諾」の場合に「印刷」を行う場合にはステップS322へ移行する。
【0107】
一方、代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、上述のステップS316で「拒否」に応答を変更したと判定した場合、要求送受信部59を介して依頼要求元に「拒否」を送信する(S317)。
【0108】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、依頼要求元の要求状態を「拒否」に変更し、ステータス一覧505を更新する(S318)。
【0109】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、キー管理部50及び記憶部44から保持しているキーを削除する(S319)。キーを削除することで、拒否した代理人による印刷は実施できないようになる。その後、再度ステップS301に戻り依頼要求元からの「依頼終了」の要求やアプリケーションの操作を待つ。
【0110】
一方、上述のステップS316で「拒否」から「受諾」に応答を変更したと判定した場合、要求送受信部59を介して依頼要求元に「受諾」を送信する(S320)。
【0111】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、依頼要求元の要求状態を「受諾」に変更し、ステータス一覧505を更新する(S321)。その後、要求管理部58は、再度ステップS301へ戻り、依頼要求元からの「キー送付」の要求やアプリケーションの操作を待つ。
【0112】
一方、上述のステップS316で「印刷」を行うと判定した場合、代理人が印刷するキーを選択した際の処理を実行する(S322)。具体的に、代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、選択したキーを携帯端末4-2の記憶部44に保存する。
【0113】
次に、代理人がプリンターに向かい、携帯端末4-2をプリンター3の近距離無線通信部33にタッチした場合、携帯端末4-2とプリンター3間でNFC通信を実施する(キーの送受信を行う)。プリンター3は、携帯端末4-2から受信したキーと一致するキーを、記憶部34に保存されているキーの中から検索し、一致したキーに紐づいている印刷データを印刷する(S323)。
【0114】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、印刷完了後、要求送受信部59を介して依頼要求元に「印刷完了」を送信する(S324)。
【0115】
代理人の携帯端末4-2の要求管理部58は、依頼要求元の要求状態を「依頼終了」に変更し、ステータス一覧505を更新し、一連の処理を終了する(S325)。
【0116】
(A-3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、依頼者が代理人に代理印刷を依頼した場合、代理人が印刷できなくなった場合に、代理人の携帯端末4-2のアプリケーション46からキーを削除することで、拒否した代理人による印刷を防ぐ効果が得られる。
【0117】
また、依頼者が代理人に代理印刷を依頼した場合、代理人が印刷できなくなった場合に、別の代理人(他の代理人の携帯端末4-3)にはキーを送付することで、印刷データの再送信をする手間が少なくなるという効果が得られる。
【0118】
また、代理人は携帯端末4-2(又は他の代理人の携帯端末4-3)をプリンター3にかざすだけで(キーをNFCでプリンター3に送信することにより)、印刷データをプリンター3のパネルから選択することなく印刷ができるため、操作の手間が少なくなるという効果が得られる。
【0119】
(B)第2の実施形態
以下、本開示による画像形成システム及びプログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第2の実施形態では、本開示の画像形成システムを代理印刷システムに適用した例について説明する。
【0120】
(B-1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態の画像形成システム及び各装置の構成については、第1の実施形態と同様に上述の図1図2を用いて説明することができる。以下では、第2の実施形態について第1の実施形態との差異を説明する。
【0121】
第2の実施形態のアプリケーション46では、代理印刷要元の依頼人が複数の代理人から印刷受諾の応答を貰った場合に、応答がなかった場合の処理が追加されている。
【0122】
図10は、第2の実施形態に係る代理印刷依頼時の画面の一例を示す説明図である。
【0123】
印刷依頼状態確認画面401Aは、第1の実施形態の印刷依頼状態確認画面と同様の機能を有する共に、ステータス一覧406Aに優先度が追加されている。ステータス一覧406Aの優先度には、複数の代理人から「受諾」の応答があった場合、受諾した順が付与されるものである。
【0124】
第2の実施形態の依頼管理部55は、受諾後に一定時間経過しても「印刷完了」の応答が来ない場合、優先度の順に代理人に再度印刷の確認要求を行う。これ以上の詳細は動作の項で述べるものとする。
【0125】
(B-2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態に係る代理印刷システム1の動作を説明する。
【0126】
図11図12は、第2の実施形態に係るアプリケーションの特徴動作(代理印刷依頼時の動作)を示すフローチャートである。なお、図11の処理の内、上述の図7のフローチャートと同一符号に係る処理は、基本的に同一又は類似する処理のため、詳しい説明を省略する。
【0127】
第2の実施形態では、上述のステップS207において、ユーザーの携帯端末4-1の依頼管理部55は、依頼送受信部56を介して依頼した代理人の携帯端末4(以下では、携帯端末4-2及び携帯端末4-3を保持する2人の依頼人に代理印刷の依頼をした例も示すが、依頼する人数は特に限定されるものではない)から何らかの応答(「受諾」、「印刷完了」、「拒否」)がなかった場合(応答なし)も判定する。依頼管理部55は、一定時間内に応答がない場合、応答なしと判定してもよい。ここでの一定時間は固定でもよいし、アプリケーション46内で設定することができてもよい。
【0128】
上述のステップS207で応答なしと判定した場合、依頼管理部55は、代理印刷の依頼を「受諾」した代理人の携帯端末4(この例では、携帯端末4-2及び携帯端末4-3が判定対象)が存在するかを確認する(S401)。依頼管理部55は、「受諾」した代理人の携帯端末4が存在しない場合(即ち、携帯端末4-2及び携帯端末4-3の代理人がいずれも受諾していない場合)には後述するステップS406へ移行し、一方、「受諾」した代理人の携帯端末4が存在する場合(即ち、携帯端末4-2及び又は携帯端末4-3の代理人が受諾していた場合)には次のステップS402へ移行する。
【0129】
依頼管理部55は、代理印刷の依頼を「受諾」した代理人の携帯端末4が存在する場合は、さらに再確認中の代理人の携帯端末4が存在するかどうかを確認する(S402)。依頼管理部55は、再確認中の代理人の携帯端末4が存在する場合(例えば、携帯端末4-2と携帯端末4-3を保持する代理人が「受諾」している状態で、優先度の高い代理人の携帯端末4-3に後述するステップS403の再確認の通知を既に行っていた場合には、携帯端末4-3が再確認中の代理人の携帯端末4に該当する)には後述するステップS404へ移行し、一方、再確認中の代理人の携帯端末4が存在しない場合(例えば、携帯端末4-2と携帯端末4-3を保持する代理人が「受諾」しているだけで、後述するステップS403の再確認の通知を行っていない場合)には次のステップS403へ移行する。
【0130】
依頼管理部55は、上述のステップS402で再確認中の代理人の携帯端末4が存在しないと判定した場合には、現在優先度が最も高い代理人の携帯端末4(携帯端末4-2と携帯端末4-3のいずれか優先度の高い携帯端末4)へ依頼送受信部56を介して再確認の通知を送信する(S403)。送信後、再度応答を待つため上述のS206へ戻る。
【0131】
一方、依頼管理部55は、上述のステップS402で再確認中の代理人の携帯端末4が存在すると判定した場合(例えば、優先度の高い代理人の携帯端末4-3に既に再確認の通知を行っていた場合には、携帯端末4-3がこれに該当する)には、再確認中の代理人の携帯帯端末4から応答がないと判断し、優先度を最下位に変更し、応答がない再確認中の代理人の携帯端末4への再確認を完了する(S404)。
【0132】
依頼管理部55は、次に優先度が最も高い代理人の携帯端末4(例えば、携帯端末4-3に再確認の通知を行って携帯端末4-3から応答がなかった場合には、次に優先度の高い代理人の携帯端末4-2)へ依頼送受信部56を介して再確認の通知を送信する(S405)。送信後、再度応答を待つため上述のS206へ戻る。上述のステップS403及び当該ステップS405の依頼管理部55の処理は通知手段の一例である。
【0133】
また、依頼管理部55は、上述のステップS401で代理印刷の依頼を「受諾」した代理人の携帯端末4(携帯端末4-2及び携帯端末4-3)が存在しないと判定した場合には、代理印刷の依頼をキャンセルするか否かを依頼人に選択させる(S406)。依頼管理部55は、依頼人の携帯端末4-1からキャンセルを受け付けた場合には次のステップS407へ移行し、一方、キャンセルを受け付けなかった場合は上述のステップS206へ戻り応答を待つ。
【0134】
依頼管理部55は、代理人の携帯端末4(携帯端末4-2及び携帯端末4-3)に「依頼終了」を送信し、一連の処理を終了する(S407)。
【0135】
一方、依頼管理部55は、上述のステップS207で、「受諾」の応答があったと判定した場合、再確認中の代理人の携帯端末4(例えば、携帯端末4-3に再確認の通知を行っていた場合には携帯端末4-3)からの応答か否かを確認する(S408)。再確認中の代理人の携帯端末4からの応答の場合には、キー送信は不要のため、上述のS206へ戻り再び「印刷完了」を待つ。
【0136】
また、依頼管理部55は、上述のステップS207で、「拒否」の応答があったと判定した場合、再確認中の場合でも同様に、上述のステップS215を実行する。
【0137】
依頼管理部55は、上述のステップS216で応答待ちの代理人の携帯端末4が存在すると判定した場合には、「拒否」した代理人の携帯端末4の優先度が変更になるため、優先度を更新し、再度ステップS206へ戻る。なお、「拒否」した代理人の携帯端末4については、優先度を最下位にするのではなく、優先度の対象から除外してもよい。
【0138】
(B-3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、第1の実施形態で述べた効果に加えて、代理印刷依頼の受諾をしたにも関わらず、実際に印刷が施行されない場合に、応答順に応じて印刷を促すことができるため、印刷忘れ防止の効果が得られる。
【0139】
(C)他の実施形態
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0140】
(C-1)第1の実施形態では、上述のステップS204で代理人に代理印刷を依頼する例を示したが、変形例として、この際、任意のメッセージを追加できるようにし、代理人のアプリケーション46上に当該メッセージを表示させてもよい。
【0141】
(C-2)第2の実施形態では、代理印刷の再確認は応答がない場合を示したが、変形例として、依頼者が自発的に再確認できるユーザインターフェースを設けてもよい。
【0142】
(C-3)第2の実施形態では、代理印刷の再確認は応答がない場合を示したが、変形例として、ユーザーの携帯端末4-1からの代理印刷に対して携帯端末4-2及び携帯端末4-3から「受諾」の応答があった場合、携帯端末4-2及び携帯端末4-3の各表示部に45に、依頼状態確認画面405に代理人同士で「受諾」の応答をした旨を通知しても良い。
【0143】
このとき、ユーザーの携帯端末4-1のアプリケーション46から携帯端末4-2及び携帯端末4-3のアプリケーション46に対して、「受諾」した旨の情報を通知しても良い。具体的には、携帯端末4-2に対しては携帯端末4-3が「受諾」した旨の情報を通知し、携帯端末4-3に対しては携帯端末4-2が「受諾」した旨の情報を通知することで、代理人同士でコミュニケーションを取ることも出来るため、効率的に代理印刷をすることが出来る効果が得られる。
【符号の説明】
【0144】
1…代理印刷システム、3…プリンター、4…携帯端末、21…制御部、22…通信部、23…入力部、24…表示部、31…制御部、32…通信部、33…近距離無線通信部、34…記憶部、41…制御部、42…通信部、43…近距離無線通信部、44…記憶部、45…表示部、46…アプリケーション、47…キー設定部、48…代理印刷依頼部、49…代理印刷要求部、50…キー管理部、51…代理人管理部、52…キー作成部、53…プリンター情報取得部、54…依頼設定部、55…依頼管理部、56…依頼送受信部、57…要求設定部、58…要求管理部、59…要求送受信部、210…デバイスドライバー、301…キー作成画面、310…キー設定画面、401…代理印刷依頼画面、401A…印刷依頼状態確認画面、405…依頼状態確認画面、501…代理印刷通知画面、504…依頼要求確認画面、L…ネットワーク、W…ネットワーク。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12