(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171015
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241204BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20241204BHJP
H01L 21/027 20060101ALN20241204BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
H01L21/304 643C
H01L21/304 651B
H01L21/304 643Z
H01L21/304 647Z
H01L21/306 R
H01L21/30 572B
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087850
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 圭将
(72)【発明者】
【氏名】東 克栄
(72)【発明者】
【氏名】竹松 佑介
【テーマコード(参考)】
5F043
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F043CC16
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE09
5F043EE27
5F146MA06
5F157AB02
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5F157AB45
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5F157BB33
5F157BB45
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5F157BE43
5F157CC11
5F157CE07
5F157CE23
5F157CF16
5F157CF22
5F157CF62
5F157CF70
5F157CF92
5F157DB02
5F157DB37
5F157DB41
(57)【要約】
【課題】処理液の消費量を低減できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置(100)は、基板保持部(2)と、処理液供給部(4)と、液膜保持部(71)と、移動部(8)と、制御部(102)とを備える。基板保持部(2)は、基板(W)を保持する。処理液供給部(4)は、基板保持部(2)に保持された基板(W)に処理液を供給する。液膜保持部(71)は、基板保持部(2)に保持された基板(W)の上方に位置して基板(W)に対向し、基板(W)上に形成された処理液の液膜(LM1、LM2)を囲み、処理液の液膜(LM1、LM2)を保持する。移動部(8)は、基板(W)の上方において液膜保持部(71)を上下方向に移動させる。制御部(102)は、移動部(8)を制御して液膜保持部(71)の上下方向の位置を変化させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置であって、
前記基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部に保持された前記基板に処理液を供給する処理液供給部と、
前記基板保持部に保持された前記基板の上方に位置して前記基板に対向し、前記基板上に形成された前記処理液の液膜を囲み、前記処理液の液膜を保持する液膜保持部と、
前記基板の上方において前記液膜保持部を上下方向に移動させる移動部と、
前記移動部を制御して前記液膜保持部の上下方向の位置を変化させる制御部と
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記液膜保持部は、前記処理液に接する接液面を有し、
前記接液面は、前記処理液に対して撥水性を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記基板保持部に保持された前記基板を回転させる基板回転部を更に備え、
前記処理液は、薬液を含み
前記制御部は、前記液膜保持部により前記薬液の液膜が保持されている際に、前記基板回転部を制御して、前記基板の回転を停止させるパドル処理、又は、前記薬液が前記基板の外部へ排出されない回転速度で前記基板を回転させるパドル処理を実行する、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記薬液は、第1薬液と、第2薬液とを含み、
前記制御部は、
前記パドル処理時に、前記処理液供給部を制御して、前記第1薬液と前記第2薬液との混合液を前記基板上に生成させ、
前記パドル処理後に、前記移動部を制御して、前記混合液の液膜を保持するパドル位置から、前記パドル位置より上方の位置であって前記混合液の液膜を囲まない退避位置へ前記液膜保持部を移動させ、
前記液膜保持部を前記退避位置へ移動させた後、前記処理液供給部を制御して、前記基板に前記第2薬液を供給し、前記混合液を前記基板から排出させて、前記基板上に前記第2薬液の液膜を形成する、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記液膜保持部を前記退避位置へ移動させた後、前記基板回転部を制御して、前記基板上の前記混合液の量を減少させる回転速度で前記基板を回転させる、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第2薬液は、前記第1薬液より温度が低い、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記処理液供給部は、前記基板に向けて前記第2薬液をシャワー状に吐出するシャワーノズルを含む、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記処理液供給部は、前記シャワーノズルから前記第1薬液を吐出させる、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記処理液供給部は、
前記基板に向けて前記第2薬液を吐出する吐出ノズルと、
前記基板保持部に保持された前記基板の上方で前記吐出ノズルを移動させるノズル移動部と
を含み
前記制御部は、前記パドル処理時に、前記ノズル移動部を制御して、前記吐出ノズルを移動させつつ、前記処理液供給部を制御して、前記吐出ノズルから前記第2薬液を吐出させる、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記処理液供給部は、前記吐出ノズルから前記第1薬液を吐出させる、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記基板保持部は、前記基板を支持する支持部材を含み、
前記制御部は、前記パドル処理の実行時に、前記支持部材に前記基板を支持させる、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記基板保持部は、前記基板を支持する支持部材を含み、
前記制御部は、前記基板から前記混合液を排出させる際に、前記支持部材に前記基板を支持させる、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記処理液供給部は、前記基板保持部に保持された前記基板にリンス液を更に供給し、
前記制御部は、前記移動部を制御して、前記退避位置から、前記退避位置より下方の位置である洗浄位置へ前記液膜保持部を移動させ、
前記液膜保持部は、前記リンス液の供給時に前記洗浄位置に位置し、
前記洗浄位置は、前記パドル位置よりも上方の位置であって、前記リンス液の液膜を囲む位置である、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記液膜保持部を乾燥させる乾燥部を更に備え、
前記制御部は、前記移動部を制御して、前記洗浄位置から、前記洗浄位置より上方の乾燥位置へ前記液膜保持部を移動させた後、前記乾燥部を制御して、前記液膜保持部を乾燥させる、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記処理液供給部は、前記基板保持部に保持された前記基板にリンス液を更に供給し、
前記制御部は、前記移動部を制御して、前記薬液の液膜を保持するパドル位置から、前記パドル位置より上方の位置である洗浄位置へ前記液膜保持部を移動させ、
前記液膜保持部は、前記リンス液の供給時に前記洗浄位置に位置し、
前記洗浄位置は、前記リンス液の液膜を囲む位置である、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記処理液供給部は、前記基板保持部に保持された前記基板にリンス液を更に供給し、
前記制御部は、
前記移動部を制御して、前記薬液の液膜を保持するパドル位置から、前記パドル位置より上方の位置であって前記薬液の液膜を囲まない退避位置へ前記液膜保持部を移動させた後、前記処理液供給部を制御して前記基板に前記リンス液を供給させ、
前記リンス液の供給中に、前記移動部を制御して、前記退避位置から、前記パドル位置より上方の位置である洗浄位置へ前記液膜保持部を移動させ、
前記洗浄位置は、前記リンス液の液膜を囲む位置である、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記基板保持部は、前記基板を支持する支持部材を含み、
前記制御部は、前記リンス液の供給時に、前記支持部材に前記基板を支持させる、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記リンス液は、前記処理液より温度が低い、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記基板保持部に保持された前記基板の上方を遮断する遮断部材を更に備え、
前記遮断部材は、前記液膜保持部を含み、
前記移動部は、前記遮断部材を移動させる、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記基板保持部に保持された前記基板の上方を遮断する遮断部材を更に備え、
前記遮断部材は、前記液膜保持部と、前記液膜保持部を支持する支持部とを含み、
前記支持部は、前記基板に対向して、前記基板の上方を遮断し、
前記移動部は、前記遮断部材を移動させ、
前記処理液供給部は、前記支持部に設けられたシャワーノズルを含み、
前記シャワーノズルは、前記基板に向けて前記第2薬液をシャワー状に吐出する、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記基板保持部に保持された前記基板を囲み、前記基板から排出される前記第1薬液及び前記第2薬液を受け止めるカップ部と、
前記基板保持部に保持された前記基板の上方を遮断する遮断部材と
を更に備え、
前記遮断部材は、前記液膜保持部を含み、
前記移動部は、前記遮断部材を移動させ、
前記退避位置は、前記カップ部の内側の位置である、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項22】
前記遮断部材と前記基板との間の空間から気体を排気させる排気部を更に備える、請求項19に記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記基板保持部に保持された前記基板の上方を遮断する遮断部材を更に備え、
前記移動部は、前記遮断部材を移動させ、
前記遮断部材は、前記液膜保持部と、前記液膜保持部を支持する支持部とを含み、
前記支持部は、前記基板に対向して、前記基板の上方を遮断し、
前記支持部は、ノズル挿入穴を有し、
前記処理液供給部は、前記ノズル挿入穴に挿入される挿入ノズルを含み、
前記挿入ノズルは、前記ノズル挿入穴に挿入された状態で、前記基板に向けて前記第1薬液及び前記第2薬液の少なくとも一方を吐出する、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項24】
前記遮断部材と前記基板との間の空間から気体を排気させる排気部を更に備え、
前記排気部は、前記ノズル挿入穴に挿入される吸引ノズルを含み、
前記吸引ノズルは、前記ノズル挿入穴に挿入された状態で、前記遮断部材と前記基板との間の空間から気体を吸引する、請求項23に記載の基板処理装置。
【請求項25】
前記基板保持部に保持された前記基板を囲み、前記基板から排出される前記第1薬液及び前記第2薬液を受け止めるカップ部と、
前記カップ部と共に、前記基板保持部に保持された前記基板の周囲の空間を形成する空間形成部と、
前記基板保持部に保持された前記基板の上方を遮断する遮断部材と
を更に備え、
前記遮断部材は、前記液膜保持部を含み、
前記液膜保持部は、前記空間形成部の内側において上下方向に移動する、請求項4に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
処理液により基板を処理する枚葉式の基板処理装置が知られている。この種の基板処理装置は、スピンチャックと、ノズルとを備える(例えば、特許文献1参照。)。基板は、スピンチャックによって水平な姿勢で保持される。スピンチャックは、基板の中心を回転中心として、基板を回転させる。ノズルは、回転している基板の中央部に向けて処理液を吐出する。この結果、処理液が遠心力により基板の上面に沿って拡がり、基板の上面に処理液の液膜が形成されて、基板が処理される。
【0003】
しかしながら、基板の表面が疎水性である場合、基板の上面周縁部の一部が液膜で覆われないことがある。これに対し、特許文献1の基板処理装置は、基板の上面周縁部に環状部材を対向させて、基板の上面全面が液膜で覆われるようにしている。詳しくは、環状部材の下面は、親水性である。この結果、基板の表面が疎水性であっても、環状部材の親水性の下面によって基板の上面周縁部を液膜で覆うことができる。よって、基板の上面全面を液膜で覆うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の基板処理装置では、処理液により基板を処理している際に、基板の上面周縁部と環状部材の下面との間を処理液が通過して、処理液が基板の外部に排出される。そのため、処理液の消費量を削減し難い。よって、処理液の消費量を考慮すると、更なる改善の余地がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理液の消費量を低減できる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、基板を処理する。当該基板処理装置は、基板保持部と、処理液供給部と、液膜保持部と、移動部と、制御部とを備える。前記基板保持部は、前記基板を保持する。前記処理液供給部は、前記基板保持部に保持された前記基板に処理液を供給する。前記液膜保持部は、前記基板保持部に保持された前記基板の上方に位置して前記基板に対向し、前記基板上に形成された前記処理液の液膜を囲み、前記処理液の液膜を保持する。前記移動部は、前記基板の上方において前記液膜保持部を上下方向に移動させる。前記制御部は、前記移動部を制御して前記液膜保持部の上下方向の位置を変化させる。
【0008】
ある実施形態において、前記液膜保持部は、前記処理液に接する接液面を有する。前記接液面は、前記処理液に対して撥水性を有する。
【0009】
ある実施形態において、上記基板処理装置は、前記基板保持部に保持された前記基板を回転させる基板回転部を更に備える。前記処理液は、薬液を含む。前記制御部は、前記液膜保持部により前記薬液の液膜が保持されている際に、前記基板回転部を制御して、前記基板の回転を停止させるパドル処理、又は、前記薬液が前記基板の外部へ排出されない回転速度で前記基板を回転させるパドル処理を実行する。
【0010】
ある実施形態において、前記薬液は、第1薬液と、第2薬液とを含む。前記制御部は、前記パドル処理時に、前記処理液供給部を制御して、前記第1薬液と前記第2薬液との混合液を前記基板上に生成させる。前記制御部は、前記パドル処理後に、前記移動部を制御して、前記混合液の液膜を保持するパドル位置から、前記パドル位置より上方の位置であって前記混合液の液膜を囲まない退避位置へ前記液膜保持部を移動させる。前記制御部は、前記液膜保持部を前記退避位置へ移動させた後、前記処理液供給部を制御して、前記基板に前記第2薬液を供給し、前記混合液を前記基板から排出させて、前記基板上に前記第2薬液の液膜を形成する。
【0011】
ある実施形態において、前記制御部は、前記液膜保持部を前記退避位置へ移動させた後、前記基板回転部を制御して、前記基板上の前記混合液の量を減少させる回転速度で前記基板を回転させる。
【0012】
ある実施形態において、前記第2薬液は、前記第1薬液より温度が低い。
【0013】
ある実施形態において、前記処理液供給部は、前記基板に向けて前記第2薬液をシャワー状に吐出するシャワーノズルを含む。
【0014】
ある実施形態において、前記処理液供給部は、前記シャワーノズルから前記第1薬液を吐出させる。
【0015】
ある実施形態において、前記処理液供給部は、吐出ノズルと、ノズル移動部とを含む。前記吐出ノズルは、前記基板に向けて前記第2薬液を吐出する。前記ノズル移動部は、前記基板保持部に保持された前記基板の上方で前記吐出ノズルを移動させる。前記制御部は、前記パドル処理時に、前記ノズル移動部を制御して、前記吐出ノズルを移動させつつ、前記処理液供給部を制御して、前記吐出ノズルから前記第2薬液を吐出させる。
【0016】
ある実施形態において、前記処理液供給部は、前記吐出ノズルから前記第1薬液を吐出させる。
【0017】
ある実施形態において、前記基板保持部は、前記基板を支持する支持部材を含む。前記制御部は、前記パドル処理の実行時に、前記支持部材に前記基板を支持させる。
【0018】
ある実施形態において、前記基板保持部は、前記基板を支持する支持部材を含む。前記制御部は、前記基板から前記混合液を排出させる際に、前記支持部材に前記基板を支持させる。
【0019】
ある実施形態において、前記処理液供給部は、前記基板保持部に保持された前記基板にリンス液を更に供給する。前記制御部は、前記移動部を制御して、前記退避位置から、前記退避位置より下方の位置である洗浄位置へ前記液膜保持部を移動させる。前記液膜保持部は、前記リンス液の供給時に前記洗浄位置に位置する。前記洗浄位置は、前記パドル位置よりも上方の位置であって、前記リンス液の液膜を囲む位置である。
【0020】
ある実施形態において、上記基板処理装置は、前記液膜保持部を乾燥させる乾燥部を更に備える。前記制御部は、前記移動部を制御して、前記洗浄位置から、前記洗浄位置より上方の乾燥位置へ前記液膜保持部を移動させた後、前記乾燥部を制御して、前記液膜保持部を乾燥させる。
【0021】
ある実施形態において、前記処理液供給部は、前記基板保持部に保持された前記基板にリンス液を更に供給する。前記制御部は、前記移動部を制御して、前記薬液の液膜を保持するパドル位置から、前記パドル位置より上方の位置である洗浄位置へ前記液膜保持部を移動させる。前記液膜保持部は、前記リンス液の供給時に前記洗浄位置に位置する。前記洗浄位置は、前記リンス液の液膜を囲む位置である。
【0022】
ある実施形態において、前記処理液供給部は、前記基板保持部に保持された前記基板にリンス液を更に供給する。前記制御部は、前記移動部を制御して、前記薬液の液膜を保持するパドル位置から、前記パドル位置より上方の位置であって前記薬液の液膜を囲まない退避位置へ前記液膜保持部を移動させた後、前記処理液供給部を制御して前記基板に前記リンス液を供給させる。前記制御部は、前記リンス液の供給中に、前記移動部を制御して、前記退避位置から、前記パドル位置より上方の位置である洗浄位置へ前記液膜保持部を移動させる。前記洗浄位置は、前記リンス液の液膜を囲む位置である。
【0023】
ある実施形態において、前記基板保持部は、前記基板を支持する支持部材を含む。前記制御部は、前記リンス液の供給時に、前記支持部材に前記基板を支持させる。
【0024】
ある実施形態において、前記リンス液は、前記処理液より温度が低い。
【0025】
ある実施形態において、上記基板処理装置は、前記基板保持部に保持された前記基板の上方を遮断する遮断部材を更に備える。前記遮断部材は、前記液膜保持部を含む。前記移動部は、前記遮断部材を移動させる。
【0026】
ある実施形態において、上記基板処理装置は、前記基板保持部に保持された前記基板の上方を遮断する遮断部材を更に備える。前記遮断部材は、前記液膜保持部と、前記液膜保持部を支持する支持部とを含む。前記支持部は、前記基板に対向して、前記基板の上方を遮断する。前記移動部は、前記遮断部材を移動させる。前記処理液供給部は、前記支持部に設けられたシャワーノズルを含む。前記シャワーノズルは、前記基板に向けて前記第2薬液をシャワー状に吐出する。
【0027】
ある実施形態において、上記基板処理装置は、カップ部と、遮断部材とを更に備える。前記カップ部は、前記基板保持部に保持された前記基板を囲み、前記基板から排出される前記第1薬液及び前記第2薬液を受け止める。前記遮断部材は、前記基板保持部に保持された前記基板の上方を遮断する。前記遮断部材は、前記液膜保持部を含む。前記移動部は、前記遮断部材を移動させる。前記退避位置は、前記カップ部の内側の位置である。
【0028】
ある実施形態において、上記基板処理装置は、前記遮断部材と前記基板との間の空間から気体を排気させる排気部を更に備える。
【0029】
ある実施形態において、上記基板処理装置は、前記基板保持部に保持された前記基板の上方を遮断する遮断部材を更に備える。前記移動部は、前記遮断部材を移動させる。前記遮断部材は、前記液膜保持部と、前記液膜保持部を支持する支持部とを含む。前記支持部は、前記基板に対向して、前記基板の上方を遮断する。前記支持部は、ノズル挿入穴を有する。前記処理液供給部は、前記ノズル挿入穴に挿入される挿入ノズルを含む。前記挿入ノズルは、前記ノズル挿入穴に挿入された状態で、前記基板に向けて前記第1薬液及び前記第2薬液の少なくとも一方を吐出する。
【0030】
ある実施形態において、上記基板処理装置は、前記遮断部材と前記基板との間の空間から気体を排気させる排気部を更に備える。前記排気部は、前記ノズル挿入穴に挿入される吸引ノズルを含む。前記吸引ノズルは、前記ノズル挿入穴に挿入された状態で、前記遮断部材と前記基板との間の空間から気体を吸引する。
【0031】
ある実施形態において、上記基板処理装置は、カップ部と、空間形成部と、遮断部材とを更に備える。前記カップ部は、前記基板保持部に保持された前記基板を囲み、前記基板から排出される前記第1薬液及び前記第2薬液を受け止める。前記空間形成部は、前記カップ部と共に、前記基板保持部に保持された前記基板の周囲の空間を形成する。前記遮断部材は、前記基板保持部に保持された前記基板の上方を遮断する。前記遮断部材は、前記液膜保持部を含む。前記液膜保持部は、前記空間形成部の内側において上下方向に移動する。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る基板処理装置によれば、処理液の消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施形態1に係る基板処理装置の模式的な平面図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す図である。
【
図3】(a)は、パドル位置に位置するリング部材を示す図である。(b)は、本発明の実施形態1に係る基板処理装置に含まれる吐出ノズルの移動軌跡を示す図である。
【
図4】(a)は、パドル位置に位置するリング部材を拡大して示す模式図である。(b)は、退避位置に位置するリング部材を拡大して示す模式図である。(c)は、洗浄位置に位置するリング部材を拡大して示す模式図である。
【
図5】(a)は、本発明の実施形態1に係る基板処理装置に含まれる基板保持部の第1状態を示す図である。(b)は、本発明の実施形態1に係る基板処理装置に含まれる基板保持部の第2状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係る基板処理装置に含まれる基板保持部の動作を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態1に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態1に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態1に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態1に係る基板処理装置の動作の他例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態1に係る基板処理装置の動作の他例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施形態2に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す図である。
【
図13】本発明の実施形態3に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す図である。
【
図14】本発明の実施形態3に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の実施形態3に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の実施形態4に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す図である。
【
図17】本発明の実施形態4に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す図である。
【
図18】(a)は、パドル位置に位置する遮断部を拡大して示す模式図である。(b)は、遮断部の底面図である。
【
図19】(a)は、退避位置に位置する遮断部を拡大して示す模式図である。(b)は、洗浄位置に位置する遮断部を拡大して示す模式図である。
【
図20】本発明の実施形態4に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図21】本発明の実施形態4に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図22】本発明の実施形態4に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図24】本発明の実施形態5に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す図である。
【
図25】本発明の実施形態5に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の構成を示す図である。
【
図26】本発明の実施形態5に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図27】本発明の実施形態5に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図28】本発明の実施形態5に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図29】本発明の実施形態5に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図30】本発明の実施形態5に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の他例1の内部の構成を模式的に示す図である。
【
図31】本発明の実施形態5に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の他例2の内部の構成を模式的に示す図である。
【
図32】本発明の実施形態6に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面(
図1~
図32)を参照して本発明の基板処理装置に係る実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0035】
本発明に係る基板処理装置において基板処理の対象となる「基板」には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、及び光磁気ディスク用基板などの各種の基板を適用可能である。以下では主として、円盤状の半導体ウエハを基板処理の対象とする場合を例に本発明の実施形態を説明するが、本発明に係る基板処理装置は、上記した半導体ウエハ以外の各種の基板に対しても同様に適用可能である。また、基板の形状についても、円盤状に限定されず、本発明に係る基板処理装置は、各種の形状の基板に対して適用可能である。
【0036】
[実施形態1]
まず、
図1~
図11を参照して、本発明の実施形態1を説明する。
図1は、本実施形態の基板処理装置100の模式的な平面図である。基板処理装置100は、基板Wを処理する。より具体的には、基板処理装置100は、枚葉式の装置であり、処理液を用いて1枚ずつ基板Wを処理する。以下、処理液による基板Wの処理を「基板処理」と記載する場合がある。
【0037】
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の基板処理部200と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。
【0038】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理部200との間で基板Wを搬送する。なお、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間に、基板Wを一時的に載置する載置台(パス)を設けて、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間で載置台を介して間接的に基板Wを受け渡しする装置構成としてもよい。
【0039】
複数の基板処理部200は、複数のタワーTW(
図1では4つのタワーTW)を形成している。複数のタワーTWは、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置される。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理部200(
図1では3つの基板処理部200)によって形成される。
【0040】
基板処理部200の各々は、処理液を基板Wの上面に供給する。この結果、基板Wが処理される。処理液は、薬液と、リンス液とを含む。本実施形態では、処理液は、硫酸(H2SO4)と、過酸化水素水(H2O2)とを含む。リンス液は、例えば、純水(例えば、脱イオン水(DIW:Deionzied Water))、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、アンモニア水、又は希釈された塩酸水(例えば、濃度が10ppm~100ppm程度の塩酸水)を含む。より具体的には、基板処理部200は、パドル処理と、SPM処理と、液膜置換処理と、リンス処理と、基板乾燥処理と、リング乾燥処理とを実行する。
【0041】
本実施形態において、パドル処理は、硫酸の液膜LM1が基板Wの上面に支持されたパドル状態を形成する処理を示す。パドル処理により、パドル状態の硫酸の液膜LM1が基板W上で維持される。より具体的には、基板処理部200は、
図2に示すリング部材71を用いて、パドル状態の硫酸の液膜LM1を保持する。
【0042】
SPM処理は、基板Wの上面において硫酸過酸化水素混合液(SPM:Sulfuric Acid Hydrogen Peroxide Mixture)を生成して、基板Wの上面に付着しているレジスト膜を除去する処理を示す。SPM処理により、基板Wの上面にSPMの液膜LM2が形成される。SPMは、硫酸と過酸化水素水とを混合した混合液である。SPM処理は、パドル処理中に実行される。
【0043】
液膜置換処理は、基板Wの上面に形成されている処理液の液膜を、SPMの液膜LM2から過酸化水素水の液膜LM3に置換する処理を示す。
【0044】
リンス処理は、基板Wの上面から薬液を洗い流す処理を示す。リンス処理により、基板Wの上面にリンス液の液膜LM4が形成される。更に、リンス処理により、
図2に示すリング部材71が洗浄される。
【0045】
基板乾燥処理は、基板Wを乾燥させる処理を示す。具体的には、基板乾燥処理により、基板Wの上面からリンス液を排出させて、基板Wを乾燥させる。リング乾燥処理は、
図2に示すリング部材71を乾燥させる処理を示す。
【0046】
制御装置101は、基板処理装置100の各部の動作を制御する。例えば、制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、及び基板処理部200を制御する。制御装置101は、制御部102と、記憶部103とを含む。
【0047】
制御部102は、記憶部103に記憶されている各種情報に基づいて基板処理装置100の各部の動作を制御する。制御部102は、例えば、プロセッサを有する。制御部102は、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、又は、MPU(Micro Processing Unit)を含む。あるいは、制御部102は、汎用演算機又は専用演算器を有してもよい。
【0048】
記憶部103は、基板処理装置100の動作を制御するための各種情報を記憶する。例えば、記憶部103は、データ及びコンピュータプログラムを記憶する。データは、種々のレシピデータを含む。レシピデータは、プロセスレシピを含む。プロセスレシピは、基板処理の手順を規定するデータである。
【0049】
記憶部103は、主記憶装置を有する。主記憶装置は、例えば、半導体メモリを含む。記憶部103は、補助記憶装置を更に有してもよい。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリ及びハードディスクドライブの少なくも一方を含む。記憶部103はリムーバブルメディアを含んでもよい。
【0050】
続いて、
図1、
図2、
図3(a)及び
図3(b)を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図2は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す図である。
【0051】
図2に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、ノズル移動部5と、カップ部6と、パドル形成部7と、リング移動部8と、排気部201とを有する。基板処理装置100は、処理液供給部4と、乾燥部9とを更に備える。
【0052】
基板Wは、処理室200a内に搬入されて、処理室200a内で処理される。処理室200aは、略箱形状を有する。処理室200aは、基板保持部2と、基板回転部3と、ノズル移動部5と、カップ部6と、パドル形成部7と、リング移動部8と、排気部201の一部と、処理液供給部4の一部と、乾燥部9の一部とを収容する。処理室200aは、例えば、チャンバーである。
【0053】
基板保持部2は、基板Wを保持する。基板保持部2の動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。より具体的には、基板保持部2は、基板Wを水平な姿勢で保持する。本実施形態において、基板保持部2は、スピンチャックである。基板保持部2は、複数の把持部材21と、スピンベース22とを有する。
【0054】
スピンベース22は、略円板状であり、水平な姿勢で複数の把持部材21を支持する。複数の把持部材21は、スピンベース22の周縁部に配置される。複数の把持部材21は、基板Wを把持する。より具体的には、複数の把持部材21は、基板Wの周縁部を挟持する。複数の把持部材21により、基板Wが水平な姿勢で保持される。複数の把持部材21は、基板Wの中心がスピンベース22の中心と一致するように配置されている。
【0055】
基板回転部3は、基板保持部2を回転させることにより、基板保持部2に保持されている基板Wを回転させる。具体的には、基板回転部3は、鉛直方向に延びる第1回転軸線AX1を中心として、基板Wと基板保持部2とを一体に回転させる。基板回転部3の動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0056】
詳しくは、第1回転軸線AX1は、スピンベース22の中心を通る。したがって、スピンベース22は、スピンベース22の中心を回転中心として回転する。また、既に説明したように、基板保持部2は、基板Wの中心がスピンベース22の中心と一致するように基板Wを保持する。したがって、基板Wは、基板Wの中心を回転中心として回転する。
【0057】
基板回転部3は、例えば、シャフト31と、モータ本体32とを有する。シャフト31はスピンベース22に結合される。モータ本体32は、シャフト31を回転させる。その結果、スピンベース22が回転する。モータ本体32の動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。モータ本体32は、例えば、電動モータである。
【0058】
処理液供給部4は、基板保持部2に保持された基板Wの上面に処理液を供給する。本実施形態では、処理液供給部4は、第1処理液供給部41と、第2処理液供給部42とを含む。第1処理液供給部41は、基板保持部2に保持された基板Wの上面に、硫酸と過酸化水素とを排他的に供給する。第2処理液供給部42は、基板保持部2に保持された基板Wの上面にリンス液を供給する。本実施形態において、硫酸は「第1薬液」の一例であり、過酸化水素水は「第2薬液」の一例である。
【0059】
詳しくは、第1処理液供給部41は、吐出ノズル41aと、第1供給配管411と、第2供給配管412と、第1開閉弁413と、第2開閉弁414と、流量調整弁415とを有する。吐出ノズル41aは、処理室200aに収容される。したがって、基板処理部200は、吐出ノズル41aを有する。第1供給配管411の一部は、処理室200aに収容される。第1供給配管411の残りの部分は、処理室200aの外部に配置される。第2供給配管412、第1開閉弁413、第2開閉弁414、及び流量調整弁415は、処理室200aの外部に配置される。
【0060】
第1供給配管411及び第2供給配管412は、処理液が流通する管状の部材である。第1供給配管411の下流端は、吐出ノズル41aに接続している。第1開閉弁413は、第1供給配管411に設けられる。第2供給配管412の下流端は、第1開閉弁413の下流側において第1供給配管411に接続する。第2開閉弁414は、第2供給配管412に設けられる。第1開閉弁413及び第2開閉弁414は開閉可能である。第1開閉弁413及び第2開閉弁414の開閉動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0061】
第1供給配管411の上流端には、硫酸が供給される。第2供給配管412の上流端には、過酸化水素水が供給される。吐出ノズル41aは、基板Wの上面に向けて硫酸及び過酸化水素水を排他的に吐出する。
【0062】
詳しくは、制御装置101(制御部102)は、吐出ノズル41aから硫酸を吐出させる際に、第1開閉弁413を開状態にし、第2開閉弁414を閉状態にして、第1供給配管411を介して硫酸を流通させる。この結果、吐出ノズル41aに硫酸が供給されて、吐出ノズル41aから硫酸が吐出される。
【0063】
制御装置101(制御部102)は、吐出ノズル41aから過酸化水素水を吐出させる際に、第1開閉弁413を閉状態にし、第2開閉弁414を開状態にして、第2供給配管412から第1供給配管411へ過酸化水素水を流入させる。この結果、過酸化水素水が第1供給配管411を流通して、吐出ノズル41aに過酸化水素水が供給され、吐出ノズル41aから過酸化水素水が吐出される。
【0064】
制御装置101(制御部102)は、吐出ノズル41aからの処理液(硫酸及び過酸化水素)の吐出を停止させる際に、第1開閉弁413及び第2開閉弁414を閉状態にする。
【0065】
流量調整弁415は、第2供給配管412に設けられて、第2供給配管412を流通する過酸化水素水の流量を調整する。具体的には、流量調整弁415は、開度の制御が可能であり、第2供給配管412を流通する過酸化水素水の流量は、流量調整弁415の開度に応じた大きさになる。流量調整弁415は、例えば、モーターニードルバルブを含む。流量調整弁415の開度は、制御装置101(制御部102)によって制御される。制御装置101(制御部102)は、流量調整弁415の開度を制御して、吐出ノズル41aから基板Wに吐出される過酸化水素水の流量を制御する。
【0066】
例えば、制御装置101(制御部102)は、SPM処理から液膜置換処理に移行する際に、過酸化水素水の流量を増加させる。液膜置換処理時における過酸化水素水の流量を増加させることで、SPM処理と液膜置換処理との間で過酸化水素水の流量が一定である場合と比べて、液膜置換処理に要する時間を短縮させることができる。
【0067】
ノズル移動部5は、基板Wの上方において、鉛直方向及び水平方向に吐出ノズル41aを移動させる。具体的には、ノズル移動部5は、ノズルアーム51と、ノズル基台52と、ノズル移動機構53とを有する。
【0068】
ノズルアーム51は、ノズル基台52に結合されて、ノズル基台52から水平方向に延びる。ノズルアーム51は吐出ノズル41aを支持する。例えば、吐出ノズル41aは、ノズルアーム51の先端部に結合される。ノズル基台52は、鉛直方向に延びる。
【0069】
ノズル移動機構53は、鉛直方向及び水平方向にノズルアーム51を移動させる。この結果、吐出ノズル41aが鉛直方向及び水平方向に移動する。ノズル移動機構53は、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0070】
詳しくは、ノズル移動機構53は、鉛直方向に延びる第2回転軸線AX2を中心にノズル基台52を揺動させて、ノズルアーム51を水平面に沿って揺動させる。この結果、吐出ノズル41aが水平面に沿って移動する。また、ノズル移動機構53は、ノズル基台52を鉛直方向に昇降させて、ノズルアーム51を昇降させる。この結果、吐出ノズル41aが鉛直方向に移動する。ノズル移動機構53は、例えば、ボールねじ機構と、正逆回転可能な電動モータとを含む。電動モータは、ボールねじ機構を駆動する。
【0071】
第2処理液供給部42は、リンスノズル42aと、リンス供給配管421と、リンス開閉弁422とを有する。リンスノズル42aは、処理室200aに収容される。したがって、基板処理部200は、リンスノズル42aを有する。リンス供給配管421の一部は、処理室200aに収容される。リンス供給配管421の残りの部分は、処理室200aの外部に配置される。リンス開閉弁422は、処理室200aの外部に配置される。
【0072】
リンス供給配管421は、処理液が流通する管状の部材である。リンス供給配管421の下流端は、リンスノズル42aに接続している。リンス開閉弁422は、リンス供給配管421に設けられる。リンス開閉弁422は開閉可能である。リンス開閉弁422の開閉動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0073】
リンス供給配管421の上流端には、リンス液が供給される。リンスノズル42aは、基板Wの上面に向けてリンス液を吐出する。本実施形態において、リンスノズル42aは、固定ノズルであり、一定の位置からリンス液を吐出する。詳しくは、制御装置101(制御部102)は、リンスノズル42aからリンス液を吐出させる際に、リンス開閉弁422を開状態にして、リンス供給配管421を介してリンス液を流通させる。この結果、リンスノズル42aにリンス液が供給されて、リンスノズル42aからリンス液が吐出される。
【0074】
カップ部6は、基板保持部2に保持された基板Wを囲み、基板Wから排出される処理液(硫酸、過酸化水素水、及びリンス液)を受け止める。具体的には、カップ部6は、基板保持部2に保持されている基板Wよりも外方に配置される。カップ部6は略筒形状を有する。カップ部6は、鉛直方向に移動可能である。
【0075】
詳しくは、基板処理部200は、図示しないカップ移動部を有する。カップ移動部は、カップ部6を昇降させる。カップ移動部は、制御装置101(制御部102)によって制御される。例えば、カップ部6は、基板Wが処理室200a内に搬入される際に、下位置に位置する。このとき、カップ部6の上端6aはスピンベース22の上面より下方に位置する。制御装置101(制御部102)は、基板保持部2によって基板Wが保持されると、カップ移動部を制御して、カップ部6を上位置に移動させる。この結果、カップ部6の上端6aが基板Wの上面よりも上方へ移動する。このように、カップ部6の上端6aを基板Wの上面よりも上方へ移動させることにより、基板Wから排出される処理液(硫酸、過酸化水素水、及びリンス液)をカップ部6によって受け止めることが可能になる。制御装置101(制御部102)は、処理室200aから基板Wが搬出される際に、カップ移動部を制御して、カップ部6を上位置から下位置へ移動させる。
【0076】
パドル形成部7は、基板W上に形成された処理液の液膜を保持する。具体的には、パドル形成部7は、リング部材71と、2つのリング支持部72と、接続部73とを有する。
【0077】
リング部材71は、環状の部材である。リング部材71は、基板保持部2に保持された基板Wの上方に位置し、基板Wに対向する。リング支持部72はそれぞれ、リング部材71を支持する。リング支持部72は、棒状の部材である。リング部材71は、リング支持部72の下端部に接続する。リング支持部72はそれぞれ、リング部材71から上方向へ延びる。接続部73は、2つのリング支持部72に接続する棒状の部材である。例えば、接続部73は、2つのリング支持部72の上端部に接続してもよい。
【0078】
リング移動部8は、基板Wの上方においてパドル形成部7を上下方向に移動させる。具体的には、リング移動部8は、制御装置101(制御部102)によって制御されて、パドル形成部7を昇降させる。制御装置101(制御部102)は、リング移動部8を制御して、リング部材71の上下方向の位置を変化させる。リング移動部8は、リングアーム81と、リング基台82と、リング移動機構83とを有する。
【0079】
リングアーム81は、リング基台82に結合されて、リング基台82から水平方向に延びる。リングアーム81はパドル形成部7を支持する。例えば、リングアーム81の先端部がパドル形成部7の接続部73に結合される。リング基台82は、鉛直方向に延びる。
【0080】
リング移動機構83は、鉛直方向にリングアーム81を移動させる。この結果、パドル形成部7が鉛直方向に移動する。つまり、パドル形成部7が昇降する。リング移動機構83は、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0081】
詳しくは、リング移動機構83は、リング基台82を鉛直方向に昇降させて、リングアーム81を昇降させる。この結果、パドル形成部7が鉛直方向に移動する。リング移動機構83は、例えば、ボールねじ機構と、正逆回転可能な電動モータとを含む。電動モータは、ボールねじ機構を駆動する。
【0082】
リング部材71は、例えば、処理室200a内に基板Wが搬入される際に待機位置P1に位置する。
図2は、待機位置P1に位置するリング部材71を示す。待機位置P1は、基板保持部2の上方の位置である。制御装置101(制御部102)は、パドル処理を実行する前に、リング移動部8を制御して、リング部材71を待機位置P1からパドル位置P2まで移動させる。パドル位置P2は、待機位置P1よりも下方の位置である。パドル位置P2については、
図3(a)及び
図4(a)を参照して後述する。また、制御装置101(制御部102)は、リング移動部8を制御して、リング部材71を、退避位置P3及び洗浄位置P4へ移動させる。退避位置P3については、
図4(b)を参照して後述する。洗浄位置P4については、
図4(c)を参照して後述する。
【0083】
乾燥部9は、リング部材71を乾燥させる。本実施形態では、乾燥部9は、リング部材71に気体を吹き付けてリング部材71を乾燥させる。気体は、例えば、窒素ガスのような不活性ガスを含む。
【0084】
具体的には、乾燥部9は、リング部材71が乾燥位置に位置する際にリング部材71を乾燥させる。乾燥位置は、パドル位置P2よりも上方の位置である。本実施形態では、乾燥位置は、待機位置P1と同じ位置である。但し、乾燥位置は、待機位置P1と異なる位置であってもよい。
【0085】
詳しくは、乾燥部9は、乾燥ノズル9aと、ガス供給配管9bと、ガス開閉弁9cとを有する。乾燥ノズル9aは、処理室200aに収容される。したがって、基板処理部200は、乾燥ノズル9aを有する。ガス供給配管9bの一部は、処理室200aに収容される。ガス供給配管9bの残りの部分は、処理室200aの外部に配置される。ガス開閉弁9cは、処理室200aの外部に配置される。
【0086】
ガス供給配管9bは、気体が流通する管状の部材である。ガス供給配管9bの下流端は、乾燥ノズル9aに接続している。ガス開閉弁9cは、ガス供給配管9bに設けられる。ガス開閉弁9cは開閉可能である。ガス開閉弁9cの開閉動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0087】
ガス供給配管9bの上流端には、気体が供給される。乾燥ノズル9aは、リング部材71に向けて気体を吐出して、リング部材71を乾燥させる。具体的には、制御装置101(制御部102)は、リング部材71を乾燥させる際に、ガス開閉弁9cを開状態にして、ガス供給配管9bを介して気体を流通させる。この結果、乾燥ノズル9aに気体が供給されて、乾燥ノズル9aから気体が吐出される。
【0088】
排気部201は、処理室200aの下部に配置される。排気部201は、処理室200a内の気体を排気する。排気部201は、排気ダクト202と、排気ファン203とを有する。排気ファン203は、排気ダクト202に配置される。排気ファン203は、処理室200aから気体を排気する。具体的には、排気ファン203が駆動することにより、処理室200a内の気体が排気ダクト202に流入する。この結果、処理室200aから排気される気体が排気ダクト202を流れる。
【0089】
排気ダクト202は、基板処理装置100が設置される工場に設けられた排気設備に気体を案内する。したがって、排気ファン203が駆動することにより、処理室200a内の気体が排気ダクト202を介して排気設備に案内される。
【0090】
図3(a)は、パドル位置P2に位置するリング部材71を示す図である。
図3(a)に示すように、リング部材71は、パドル位置P2に位置するとき、基板保持部2に保持された基板Wの上面に近接する。詳しくは、パドル位置P2は、基板W上に形成された処理液の液膜をリング部材71が囲む位置である。リング部材71は、パドル位置P2へ移動することで、基板Wの上面に形成された処理液の液膜を囲み、処理液の液膜を保持する。本実施形態において、リング部材71は、パドル処理の実行時にパドル位置P2に位置して、硫酸の液膜LM1を囲む。また、リング部材71は、SPM処理の実行時にパドル位置P2に位置して、SPMの液膜LM2を囲む。リング部材71は「液膜保持部」の一例である。
【0091】
図3(b)は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる吐出ノズル41aの移動軌跡TJを示す図である。
図3(b)に示すように、ノズル移動部5は、基板Wの中心位置CTに対向する位置を通る円弧状の移動軌跡TJに沿って吐出ノズル41aを水平に移動させる。
【0092】
制御装置101(制御部102)は、吐出ノズル41aから硫酸を吐出させる際に、ノズル移動部5を制御して、基板保持部2に保持された基板Wの中心位置CTに対向する位置へ吐出ノズル41aを移動させる。そして、制御装置101(制御部102)は、第1処理液供給部41を制御して、吐出ノズル41aから硫酸を吐出させる。この結果、吐出ノズル41aが基板Wの中心位置CTに対向する位置から基板Wの中央部に向けて硫酸を吐出する。
【0093】
制御装置101(制御部102)は、吐出ノズル41aから過酸化水素水を吐出させる際に、ノズル移動部5を制御して、基板保持部2に保持された基板Wの上方で吐出ノズル41aで移動させつつ、第1処理液供給部41を制御して、吐出ノズル41aから過酸化水素水を吐出させる。その結果、吐出ノズル41aは、基板Wの上方を水平方向に移動しながら過酸化水素水を吐出する。
【0094】
詳しくは、吐出ノズル41aは、SPM処理時に、基板Wの上方を水平方向に移動しながら過酸化水素水を連続流で吐出する。具体的には、移動軌跡TJは、基板Wの端部EGに対向する位置のうちの2か所通過する。以下、基板Wの端部EGに対向する位置を、「端部対向位置」と記載する場合がある。制御装置101(制御部102)は、2か所の端部対向位置の間で吐出ノズル41aを移動させながら、吐出ノズル41aから過酸化水素水を吐出させてもよい。つまり、制御装置101(制御部102)は、吐出ノズル41aをフルスキャンさせてもよい。あるいは、制御装置101(制御部102)は、2か所の端部対向位置のうちの一方と、基板Wの中心位置CTに対向する位置との間で吐出ノズル41aを移動させながら、吐出ノズル41aから過酸化水素水を吐出させてもよい。つまり、制御装置101(制御部102)は、吐出ノズル41aをハーフスキャンさせてもよい。
【0095】
吐出ノズル41aは、液膜置換処理時に、基板Wの中心位置CTに対向する位置から過酸化水素水を連続流で吐出する。具体的には、制御装置101(制御部102)が、ノズル移動部5を制御して、基板保持部2に保持された基板Wの中心位置CTに対向する位置へ吐出ノズル41aを移動させた後、第1処理液供給部41を制御して、吐出ノズル41aから過酸化水素水を連続流で吐出させる。なお、制御装置101(制御部102)は、液膜置換処理の実行時に、吐出ノズル41aをフルスキャン又はハーフスキャンさせてもよい。
【0096】
続いて、
図3(a)及び
図3(b)を参照して、パドル形成部7を説明する。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、リング部材71は、基板Wの周縁部に対向する。詳しくは、リング部材71の直径は、基板Wの直径より小さい。より詳しくは、リング部材71がパドル位置P2へ移動したとき、リング部材71は、
図2を参照して説明した複数の把持部材21の内側に位置する。
【0097】
2つのリング支持部72は、移動軌跡TJに沿って移動する吐出ノズル41aと干渉しない位置に配置される。本実施形態では、リングアーム81は、接続部73の中央部に結合する。接続部73の中央部は、基板Wの中心位置CTに対向する。
【0098】
続いて、
図4(a)を参照して、パドル位置P2を説明する。
図4(a)は、パドル位置P2に位置するリング部材71を拡大して示す模式図である。なお、
図4(a)~
図4(c)は、リング部材71の断面を示している。
【0099】
図4(a)に示すように、パドル位置P2は、基板Wの上方の位置であって、リング部材71が基板Wに接触しない位置であるとともに、処理液がリング部材71の下面71bと基板Wの上面との隙間から漏れ出さない位置である。
【0100】
制御装置101(制御部102)は、パドル処理を実行する際に、リング移動部8を制御して、リング部材71をパドル位置P2へ移動させた後、第1処理液供給部41を制御して、基板Wの上面を覆う量の硫酸を吐出ノズル41aから吐出させる。この結果、リング部材71により硫酸の液膜LM1が保持される。詳しくは、リング部材71によって硫酸が堰き止められる。したがって、硫酸は基板Wから排出されない。
【0101】
制御装置101(制御部102)は、パドル処理の実行中に、第1処理液供給部41を制御して、基板Wに過酸化水素水を供給させる。この結果、パドル処理中にSPM処理が実行される。制御装置101(制御部102)は、SPM処理の終了時までリング部材71をパドル位置P2に位置させる。この結果、リング部材71によりSPMの液膜LM2が保持される。
【0102】
続いて、
図4(b)を参照して、退避位置P3を説明する。
図4(b)は、退避位置P3に位置するリング部材71を拡大して示す模式図である。
図4(b)に示すように、退避位置P3は、
図4(a)に示すパドル位置P2より上方の位置であって、SPMの液膜LM2を囲まない位置を示す。より詳しくは、退避位置P3は、
図2に示す待機位置P1よりも下方の位置を示す。SPMは、「混合液」の一例である。
【0103】
制御装置101(制御部102)は、リング移動部8を制御して、パドル位置P2と退避位置P3との間でリング部材71を移動させる。具体的には、制御装置101(制御部102)は、SPM処理後に、リング移動部8を制御して、リング部材71をパドル位置P2から退避位置P3へ移動させる。この結果、SPMの液膜LM2が基板Wの上面に支持されたパドル状態が解除される。
【0104】
制御装置101(制御部102)は、リング部材71を退避位置P3へ移動させた後、液膜置換処理を実行する。具体的には、制御装置101(制御部102)は、第1処理液供給部41を制御して、過酸化水素水を基板Wに供給させる。この結果、基板WからSPMが排出されて、基板W上の処理液の液膜が、SPMの液膜LM2から過酸化水素水の液膜LM3へ置換される。
【0105】
なお、液膜置換処理時に、過酸化水素水は基板Wから排出される。制御装置101(制御部102)は、第1処理液供給部41を制御して、基板Wから過酸化水素水を排出させつつ、基板W上に過酸化水素水の液膜LM3を形成する。
【0106】
続いて、
図4(c)を参照して、洗浄位置P4を説明する。
図4(c)は、洗浄位置P4に位置するリング部材71を拡大して示す模式図である。
図4(c)に示すように、洗浄位置P4は、リンス液の液膜LM4を囲む位置である。詳しくは、洗浄位置P4は、
図4(b)に示す退避位置P3より下方の位置であるとともに、
図4(a)に示すパドル位置P2よりも上方の位置である。より詳しくは、洗浄位置P4は、リング部材71の下面71bと基板Wの上面との隙間から処理液が漏れ出る位置である。
【0107】
制御装置101(制御部102)は、液膜置換処理の後にリンス処理を実行する。具体的には、制御装置101(制御部102)は、液膜置換処理の実行後、第2処理液供給部42を制御して、基板Wの上面にリンス液を供給させる。この結果、基板Wの上面にリンス液の液膜LM4が形成される。詳しくは、基板W上の処理液の液膜が、過酸化水素水の液膜LM3からリンス液の液膜LM4に置換される。
【0108】
リング部材71は、リンス処理時に洗浄位置P4に位置する。つまり、リング部材71は、基板Wにリンス液が供給される際に洗浄位置P4に位置する。リング部材71は、リンス液の供給開始前に退避位置P3から洗浄位置P4へ移動してもよい。あるいは、リング部材71は、リンス液の供給開始後に退避位置P3から洗浄位置P4へ移動してもよい。つまり、リング部材71は、基板W上にリンス液の液膜LM4が形成された後に退避位置P3から洗浄位置P4へ移動してもよい。例えば、制御装置101(制御部102)は、リング移動部8を制御して、リング部材71を退避位置P3から洗浄位置P4へ移動させた後、第2処理液供給部42を制御して、基板Wの上面にリンス液を供給させてもよい。
【0109】
本実施形態によれば、リンス処理時にリング部材71が洗浄位置P4に位置することにより、リング部材71をリンス液によって洗浄することができる。具体的には、リング部材71に付着した薬液をリンス液によって洗い流すことができる。
【0110】
なお、
図4(c)に示すリンス液の液膜LM4の液面位置は、リング部材71の上面71cを越えていないが、リンス液の液膜LM4の液面位置は、リング部材71の上面71cを越えてもよい。この場合、リンス液は、リング部材71の下面71bと基板Wの上面との隙間を流れて基板Wから排出されるとともに、リング部材71の上面71cを越えて基板Wから排出される。その結果、リンス液により、リング部材71の内周面71a、下面71b、上面71c、及び外周面71dが洗浄される。
【0111】
続いて、
図4(a)及び
図4(c)を参照して、リング部材71を説明する。
図4(a)及び
図4(c)に示すように、リング部材71の内周面71a及び下面71bは、処理液に接する接液面である。本実施形態において、リング部材71の内周面71a及び下面71bは、疎水面を含む。疎水面は、処理液に対して撥水性を有する。
【0112】
本実施形態によれば、リング部材71の接液面が疎水面であるため、リング部材71の接液面が親水性である場合と比べて、リング部材71を乾燥させる処理に要する時間を短縮できる。また、リング部材71の接液面が疎水面であるため、リング部材71の接液面が親水性である場合と比べて、リング部材71の接液面に処理液が付着し難い。この結果、
図2に示す待機位置P1に位置するリング部材71から基板Wに処理液が落ちる不具合が発生する可能性を低減できる。なお、リング部材71の表面の全部分(内周面71a、下面71b、上面71c、及び外周面71d)が疎水面であってもよい。
【0113】
続いて、
図5(a)、
図5(b)及び
図6を参照して、基板保持部2を説明する。
図5(a)は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板保持部2の第1状態を示す図である。
図5(b)は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板保持部2の第2状態を示す図である。
図6は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板保持部2の動作を示す図である。
【0114】
図5(a)に示すように、基板保持部2は、複数の把持部材21と、スピンベース22とに加えて、複数の支持部材23と、複数の台座25と、把持部回転機構27とを更に有する。
【0115】
複数の台座25は、スピンベース22の周縁部に配置される。台座25はそれぞれ、複数の把持部材21のうちの1つと、複数の支持部材23のうちの1つとを支持する。支持部材23はそれぞれ、対応する台座25から上方向に突出する。
【0116】
基板保持部2は、支持位置と把持位置との2つの位置で基板Wを水平に保持する。支持位置は、把持位置より下方の位置である。具体的には、複数の支持部材23が基板Wの周縁部を支持する。複数の支持部材23が基板Wを支持することにより、基板Wが支持位置で保持される。既に説明したように、複数の把持部材21は、基板Wの周縁部を把持する。複数の把持部材21が基板Wの把持することにより、基板Wが把持位置で保持される。
図5(a)に示すように、第1状態の基板保持部2は、支持位置で基板Wを保持する。
図5(b)に示すように、第2状態の基板保持部2は、把持位置で基板Wを保持する。
【0117】
把持部材21はそれぞれ、水平方向に開いたV字状の保持溝26を有している。保持溝26はそれぞれ、内方(基板Wの中心位置CT側)に向けられている。把持部材21はそれぞれ、台座25に対して、対応する第3回転軸線AX3を中心に回転自在である。支持部材23はそれぞれ、対応する第3回転軸線AX3より内方(基板Wの中心位置CT側)に配置される。なお、第3回転軸線AX3はそれぞれ鉛直方向に延びる。
【0118】
把持部回転機構27は、制御装置101(制御部102)によって制御されて、各第3回転軸線AX3を中心に各把持部材21を同期させて回転させる。把持部回転機構27は、例えばスピンベース22内に収容される。把持部回転機構27は、各把持部材21が基板Wの周端面に接触する把持接触位置と、各把持部材21が基板Wの周端面から離れる把持退避位置との間で、各把持部材21を同期させて回転させる。
【0119】
具体的には、
図6に示すように、把持部回転機構27は、各把持部材21を第1回転方向R1及び第2回転方向R2に回転させる。第1回転方向R1は、第2回転方向R2とは反対の回転方向である。第1回転方向R1及び第2回転方向R2は、対応する第3回転軸線AX3を回転中心とする回転方向を示す。複数の支持部材23が基板Wを支持している状態で、各把持部材21が第1回転方向R1へ回転すると、各把持部材21が基板Wの周端面に接触する。その結果、複数の把持部材21によって基板Wが把持される。すなわち、基板保持部2の状態が第1状態から第2状態へ遷移する。複数の把持部材21が基板Wを把持している状態で、各把持部材21が第2回転方向R2へ回転すると、各把持部材21が基板Wの周端面から離れる。その結果、複数の支持部材23によって基板Wが支持される。すなわち、基板保持部2の状態が第2状態から第1状態へ遷移する。
【0120】
例えば、処理室200a内に基板Wが搬入される際の基板保持部2の状態は第1状態であり、
図1に示すセンターロボットCRは、基板Wを複数の支持部材23に載置する。この結果、各支持部材23の上端部が基板Wの下面の周縁部に点接触し、基板Wが支持位置で水平に保持される。
【0121】
基板Wが支持位置で水平に保持された状態で、把持部回転機構27が複数の把持部材21を把持退避位置から把持接触位置へ第1回転方向R1に回転させることにより、基板Wの周縁部が各保持溝26内に入り込むとともに、各保持溝26の傾斜によって基板Wが上方に持ち上げられる。この結果、基板Wの下面が複数の支持部材23から離れて、基板Wが把持位置で水平に保持される。
【0122】
続いて、
図1~
図9を参照して、本実施形態の基板処理装置100の動作を説明する。
図7~
図9は、本実施形態の基板処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。詳しくは、
図7~
図9は、制御装置101(制御部102)が実行する処理の流れの一例を示す。
図7~
図9に示す処理は、ステップS1~ステップS23を含む。
【0123】
図7に示すように、制御装置101(制御部102)は、基板Wを処理する際に、まず、センターロボットCRを制御して、処理室200a内へ基板Wを搬入させる(ステップS1)。詳しくは、センターロボットCRは、基板保持部2の複数の支持部材23に基板Wを載置する。この結果、基板Wが支持位置で保持される。
【0124】
制御装置101(制御部102)は、基板Wが支持位置で支持されると、把持部回転機構27を制御して、把持部材21をそれぞれ把持退避位置から把持接触位置へ第1回転方向R1に回転させる。この結果、複数の把持部材21によって基板Wが把持されて、基板Wが把持位置で保持される(ステップS2)。
【0125】
複数の把持部材21によって基板Wが把持されると、制御装置101(制御部102)は、基板回転部3を制御して、第1回転速度で基板を回転させる(ステップS3)。第1回転速度は、基板Wの中央部に吐出された処理液を、遠心力によって基板Wの周縁部まで拡げる回転速度を示す。第1回転速度は、例えば、50rpmである。
【0126】
基板Wの回転速度が第1回転速度に達すると、制御装置101(制御部102)は、リング移動部8を制御して、リング部材71を待機位置P1からパドル位置P2まで下降させる(ステップS4)。
【0127】
リング部材71がパドル位置P2に移動すると、制御装置101(制御部102)は、吐出ノズル41aから硫酸を吐出させる(ステップS5)。詳しくは、制御装置101(制御部102)は、ノズル移動部5を制御して、基板Wの中心位置CTに対向する位置へ吐出ノズル41aを移動させる。なお、吐出ノズル41aは、移動する前にノズル待機位置に位置する。ノズル待機位置は、例えば、カップ部6の外側の位置であってもよい。基板Wの中心位置CTに対向する位置に吐出ノズル41aが移動すると、制御装置101(制御部102)は、第1処理液供給部41を制御して、吐出ノズル41aから硫酸を吐出させる。この結果、基板Wの上面に硫酸の液膜LM1が形成される。また、リング部材71により、硫酸の液膜LM1が基板W上で保持される。
【0128】
制御装置101(制御部102)は、リング部材71によって硫酸の液膜LM1が保持されている際に、基板回転部3を制御して、パドル処理を実行する。換言すると、制御装置101(制御部102)は、基板Wの上面に硫酸の液膜LM1が形成された後にパドル処理を実行する。本実施形態では、制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転を停止させる(ステップS6)。この結果、硫酸の液膜LM1がパドル状態となる。
【0129】
制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転を停止させた後、SPM処理を実行する。詳しくは、制御装置101(制御部102)は、ノズル移動部5を制御して、吐出ノズル41aを移動させつつ、第1処理液供給部41を制御して、吐出ノズル41aから過酸化水素水を吐出させる(ステップS7)。具体的には、吐出ノズル41aは、ハーフスキャン又はフルスキャンしながら過酸化水素水を基板Wの上面に向けて吐出する。この結果、基板Wの上面にSPMの液膜LM2が形成されて、基板Wが処理される。
【0130】
なお、制御装置101(制御部102)は、SPM処理時に流量調整弁415を制御して、硫酸と過酸化水素水との混合比が所定の範囲内に収まるように、過酸化水素水の流量を調整する。
【0131】
SPM処理は、吐出ノズル41aがハーフスキャン又はフルスキャンを既定回数実行することによって終了する。具体的には、制御装置101(制御部102)は、吐出ノズル41aがハーフスキャン又はフルスキャンを実行した回数が既定回数に達すると、第1処理液供給部41を制御して、基板Wへの過酸化水素水の吐出を停止させる。この結果、SPM処理が終了する。制御装置101(制御部102)は、SPM処理を終了させた後、ノズル移動部5を制御して、基板Wの中心位置CTに対向する位置へ吐出ノズル41aを移動させる。なお、既定回数は、記憶部103に予め記憶されている。
【0132】
制御装置101(制御部102)は、SPM処理の終了後、リング移動部8を制御して、リング部材71をパドル位置P2から退避位置P3へ上昇させる(ステップS8)。この結果、SPMの液膜LM2のパドル状態が解除される。
【0133】
制御装置101(制御部102)は、リング部材71をパドル位置P2から退避位置P3へ移動させた後、SPM減少処理を実行する。具体的には、
図8に示すように、制御装置101(制御部102)は、基板回転部3を制御して、基板Wを第2回転速度で回転させる(ステップS9)。第2回転速度は、基板W上のSPMの量を減少させる回転速度を示す。詳しくは、第2回転速度は、基板W上のSPMを基板Wの周縁部から基板Wの外部に排出させる回転速度を示す。第2回転速度は、例えば、200rpmである。
【0134】
制御装置101(制御部102)は、SPM減少処理を開始してから経過した時間が第1既定時間に達すると、基板Wの回転を停止させる(ステップS10)。第1既定時間は、記憶部103に予め記憶されている。第1既定時間は、基板W上のSPMのうちの一部のみを基板Wから排出させる時間の長さを示す。換言すると、第1既定時間は、基板W上のSPMの全部が排出されないようにする時間の長さに設定される。SPM減少処理により、基板W上のSPMの量が減少する。詳しくは、SPMの液膜LM2の厚みが薄くなる。
【0135】
制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転を停止させた後、複数の把持部材21による基板Wの把持を解除する(ステップS11)。具体的には、制御装置101(制御部102)は、把持部回転機構27を制御して、把持部材21をそれぞれ把持接触位置から把持退避位置へ第2回転方向R2に回転させる。この結果、複数の支持部材23によって基板Wが支持されて、基板Wが支持位置で保持される。
【0136】
基板Wが支持位置で保持された後、制御装置101(制御部102)は、液膜置換処理を実行する。具体的には、制御装置101(制御部102)は、まず、基板回転部3を制御して、基板Wを第3回転速度で回転させる(ステップS12)。制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転速度が第3回転速度に達すると、第1処理液供給部41を制御して、吐出ノズル41aから過酸化水素水を連続流で吐出させる(ステップS13)。この結果、基板W上の処理液の液膜が、SPMの液膜LM2から過酸化水素水の液膜LM3に置換される。
【0137】
詳しくは、第3回転速度は、基板Wの中央部に吐出された処理液を遠心力によって基板Wの周縁部まで拡げる回転速度であって、複数の支持部材23によって支持された基板Wの位置がずれない回転速度を示す。第3回転速度は、例えば、300rpmである。
【0138】
制御装置101(制御部102)は、基板Wを第3回転速度で回転させつつ、過酸化水素水を連続流で基板Wに供給させる。この結果、基板W上で過酸化水素水の液膜LM3が拡がるとともに、SPMの液膜LM2が過酸化水素水の液膜LM3によって押し流されて、基板WからSPMが排出され、基板W上の処理液の液膜が、SPMの液膜LM2から過酸化水素水の液膜LM3に置換される。
【0139】
なお、液膜置換処理では、過酸化水素水の液膜LM3によってSPMの液膜LM2を基板Wの外部に押し出す必要があるため、SPM処理と比べて大量の過酸化水素水が必要となる。したがって、制御装置101(制御部102)は、液膜置換処理時に流量調整弁415を制御して、SPM処理時よりも過酸化水素水の流量を増加させる。
【0140】
本実施形態によれば、制御装置101(制御部102)は、液膜置換処理時に複数の支持部材23に基板Wを支持させる。したがって、液膜置換処理時に、基板Wは複数の把持部材21によって把持されていない。その結果、液膜処理時に、応力に起因する不具合が基板Wに発生することを回避できる。
【0141】
詳しくは、SPM処理で使用する硫酸の温度は100℃以上である。例えば、硫酸の温度は120℃又は170℃である。更に、SPM処理時には、硫酸と過酸化水素水とが反応して、反応熱が発生する。このため、SPM処理により基板Wは高温となる。一方、過酸化水素の温度は、硫酸の温度より低い。例えば、過酸化水素の温度は室温に略等しい。したがって、液膜置換処理時には、高温の基板Wの上面に、基板Wより低温の過酸化水素が供給される。その結果、基板Wに反りが発生するおそれがある。液膜置換処理時に複数の把持部材21によって基板Wの周縁部を把持している状態で基板Wに反りが発生すると、基板Wの内部に応力が発生して、応力に起因する不具合が基板Wに発生する可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、液膜置換処理時に基板Wを把持しないため、応力に起因する不具合が基板Wに発生することを回避できる。
【0142】
また、本実施形態によれば、液膜置換処理時にリング部材71が退避位置P3に退避している。したがって、基板Wに反りが発生して基板Wの周縁部が持ち上がったとしても、リング部材71は基板Wと干渉しない。よって、リング部材71が基板Wと干渉することに起因する不具合が基板Wに発生することを回避できる。
【0143】
更に、液膜置換処理時には、SPM処理時と比べて大量の過酸化水素水を基板Wに供給するため、基板Wから大量のヒューム(煙のような気体)が発生する。ヒュームは、硫酸と過酸化水素水とが反応することに起因して発生する。本実施形態によれば、液膜置換処理の前に基板W上のSPMの量を減らすことができる。換言すると、液膜置換処理の前に基板W上の硫酸の量を減らすことができる。したがって、基板Wから発生するヒュームの量を減らすことができる。また、液膜置換処理の前に基板W上のSPMの量を減らすことにより、液膜置換処理に要する時間を短くすることができる。
【0144】
なお、液膜置換処理時に、吐出ノズル41aは、ハーフスキャン又はフルスキャンしながら過酸化水素水を基板Wの上面に向けて吐出してもよい。
【0145】
制御装置101(制御部102)は、液膜置換処理を開始してから経過した時間が第2既定時間に達すると、第1処理液供給部41を制御して、過酸化水素の吐出を停止させる。この結果、液膜置換処理が終了する。制御装置101(制御部102)は、過酸化水素の吐出を停止させた後、ノズル移動部5を制御して、吐出ノズル41aをノズル待機位置へ移動させる。更に、制御装置101(制御部102)は、第2既定時間が経過した後、基板回転部3を制御して、基板Wの回転を停止させる(ステップS14)。基板Wの回転が停止すると、制御装置101(制御部102)は、ステップS2と同様に、複数の把持部材21に基板Wを把持させる(ステップS15)。なお、第2既定時間は、記憶部103に予め既定されている。第2既定時間は、例えば、基板Wの温度が室温に略等しい温度に戻って基板Wの反りが解消されるのに要する時間の長さに基づいて設定してもよい。
【0146】
図9に示すように、制御装置101(制御部102)は、複数の把持部材21に基板Wを把持させた後、リンス処理を実行する(ステップS16)。具体的には、制御装置101(制御部102)は、複数の把持部材21に基板Wを把持させた後、基板回転部3を制御して、基板Wを第4回転速度で回転させる。基板Wの回転速度が第4回転速度に達すると、制御装置101(制御部102)は、第2処理液供給部42を制御して、リンスノズル42aから基板Wの中央部に向けてリンス液を連続流で吐出させる。この結果、リンス液により基板W上の薬液(過酸化水素水)が洗い流されて、基板W上にリンス液の液膜LM4が形成される。
【0147】
なお、第4回転速度は、基板Wの中央部に吐出された処理液を、遠心力によって基板Wの外周部から基板Wの外部へ排出させる回転速度を示す。詳しくは、第4回転速度は、第3回転速度より速い回転速度を示す。例えば、第4回転速度は、500rpmである。
【0148】
制御装置101(制御部102)は、リンス処理中に、リング移動部8を制御して、リング部材71を退避位置P3から洗浄位置P4へ下降させる(ステップS17)。この結果、リンス液によってリング部材71が洗浄される。
【0149】
本実施形態によれば、リンス処理時にリング部材71を洗浄位置P4へ移動させて、リンス液によってリング部材71を洗浄することができる。更に、本実施形態によれば、リンス処理時に基板Wを第4回転速度で回転させることにより、リンス処理に要する時間を短くすることができる。
【0150】
なお、制御装置101(制御部102)は、リング部材71を退避位置P3から洗浄位置P4へ下降させる前に、基板回転部3を制御して、基板Wを第5回転速度で回転させてもよい。この場合、基板Wの回転速度が第5回転速度に達すると、制御装置101(制御部102)は、リング移動部8を制御して、リング部材71を退避位置P3から洗浄位置P4へ下降させる。第5回転速度は、第4回転速度より遅い回転速度を示す。より詳しくは、第5回転速度は、第1回転速度より遅い回転速度を示す。例えば、第5回転速度は、10rpmである。
【0151】
具体的には、リング部材71を洗浄する際に基板Wを第4回転速度で回転させた場合、リンス液がリング部材71によって液跳ねする可能性がある。また、リング部材71を洗浄する際に基板Wを第4回転速度で回転させた場合、リング部材71の外周面71dが十分に洗浄されない可能性がある。本実施形態によれば、リング部材71の洗浄時に基板Wを第5回転速度で回転させることにより、リンス液の液跳ねを抑制することができる。また、リング部材71の洗浄時に基板Wを第5回転速度で回転させることにより、リング部材71の外周面71dを十分に洗浄することができる。
【0152】
なお、リング部材71の洗浄時における基板Wの回転速度(第5回転速度)は、可変であってもよい。具体的には、制御装置101(制御部102)は、リング部材71の洗浄中に基板回転部3を制御して、基板Wの回転速度(第5回転速度)を変化させてもよい。
【0153】
制御装置101(制御部102)は、リンス液の吐出を開始してから経過した時間が第3既定時間に達すると、第2処理液供給部42を制御して、リンス液の吐出を停止させる。この結果、リンス処理が終了する。制御装置101(制御部102)は、リンス処理の終了後、リング移動部8を制御して、リング部材71を乾燥位置へ上昇させる(ステップS18)。第3既定時間は、記憶部103に予め記憶されている。なお、
図2を参照して説明したように、本実施形態では、乾燥位置は待機位置P1と等しい。
【0154】
制御装置101(制御部102)は、リング部材71を乾燥位置(待機位置P1)へ移動させた後、リング乾燥処理を実行する(ステップS19)。具体的には、制御装置101(制御部102)は、乾燥部9を制御して、リング部材71を乾燥させる。制御装置101(制御部102)は、例えば、リング乾燥処理を開始してから経過した時間が第4既定時間に達すると、乾燥部9を制御して、乾燥ノズル9aからの気体の吐出を停止させてもよい。第4既定時間は、記憶部103に予め記憶されている。
【0155】
また、制御装置101(制御部102)は、リング部材71を乾燥位置(待機位置P1)へ移動させた後、基板乾燥処理を実行する(ステップS20)。具体的には、制御装置101(制御部102)は、基板回転部3を制御して、基板Wの回転速度をリンス処理時の回転速度よりも増大させる。この結果、基板W上のリンス液に大きな遠心力が付与され、基板Wに付着しているリンス液が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wからリンス液を除去し、基板Wを乾燥させる。
【0156】
制御装置101(制御部102)は、基板乾燥処理を開始してから経過した時間が第5既定時間に達すると、基板回転部3を制御して、基板Wの回転を停止させる(ステップS21)。第5既定時間は、記憶部103に予め記憶されている。
【0157】
制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転を停止させた後、ステップS11と同様に、複数の把持部材21による基板Wの把持を解除する(ステップS22)。この結果、複数の支持部材23によって基板Wが支持される。
【0158】
制御装置101(制御部102)は、複数の支持部材23によって基板Wが支持された後、センターロボットCRを制御して、処理室200aから基板Wを搬出させる(ステップS23)。
【0159】
リング乾燥処理と、基板Wの搬出とが終了することにより、
図7~
図9に示す処理が終了する。なお、
図7~
図9に示す処理において、ステップS9(SPM減少処理)及びステップS10の各処理は省略されてもよい。
【0160】
続いて、
図10及び
図11を参照して、本実施形態の基板処理装置100の動作の他例を説明する。
図10及び
図11は、本実施形態の基板処理装置100の動作の他例を示すフローチャートである。詳しくは、
図10及び
図11は、制御装置101(制御部102)が実行する処理の流れの他例の一部を示す。
【0161】
図10に示すように、
図7に示すステップS2の処理は省略されてもよい。つまり、制御装置101(制御部102)は、センターロボットCRが基板Wを処理室200a内に搬入した後、複数の把持部材21に基板Wを把持させなくてもよい。また、
図11に示すように、SPM減少処理は省略されてもよい。つまり、
図8に示すステップS9~ステップS11は省略されてもよい。この結果、複数の支持部材23によって基板Wが支持された状態で、ステップS3~ステップS8及びステップS12~ステップS14の各処理が行われる。つまり、リンス処理の実行前まで、複数の支持部材23によって基板Wが支持される。換言すると、リンス処理の実行前まで、複数の把持部材21が基板Wを把持しない。
【0162】
図10及び
図11に示す処理によれば、制御装置101(制御部102)は、パドル処理時に複数の支持部材23に基板Wを支持させる。したがって、パドル処理時に複数の把持部材21が基板Wを把持しないため、薬液(硫酸)が把持部材21に付着し難い。したがって、把持部材21に残った薬液(硫酸)により、次に処理される基板Wが汚染される可能性を低減することがきる。よって、基板処理後の基板Wの品質を向上させることができる。
【0163】
以上、
図1~
図11を参照して、本発明の実施形態1を説明した。本実施形態によれば、処理液の消費量を低減することができる。詳しくは、硫酸の液膜LM1及びSPMの液膜LM2を形成する際に、基板Wの上面周縁部とリング部材71の下面71bとの間を硫酸及びSPMが通過しない。したがって、硫酸の液膜LM1が基板Wの上面全面を覆う量の硫酸を使用すればよく、硫酸を基板Wから排出させつつ、硫酸の液膜LM1を基板W上に形成する構成と比べて、硫酸の消費量を削減することができる。
【0164】
また、本実施形態によれば、硫酸をリング部材71の内周面71aによって堰き止めることができるため、リング部材71の上面を越えない量である限り、吐出ノズル41aから吐出させる硫酸の量を増加させることができる。したがって、基板Wの上面の一部が硫酸の液膜LM1で覆われない不具合が発生する可能性を低減することができる。
【0165】
更に、本実施形態によれば、硫酸の液膜LM1及びSPMの液膜LM2をリング部材71によって囲むため、排気部201による気体の排気処理に起因してカップ部6の内側に乱流が発生しても、硫酸の液膜LM1及びSPMの液膜LM2が乱流に晒され難いため、乱流に起因する硫酸及びSPMの温度低下を抑制することができる。
【0166】
なお、本実施形態では、吐出ノズル41aが硫酸と過酸化水素水とを排他的に吐出したが、基板処理部200は、硫酸を吐出する吐出ノズルと、過酸化水素水を吐出する吐出ノズルとを有してもよい。
【0167】
また、本実施形態において、リンスノズル42aは固定ノズルであったが、リンスノズル42aは、吐出ノズル41aと同様に、水平方向及び鉛直方向に移動可能なノズルであってもよい。
【0168】
[実施形態2]
続いて
図12を参照して本発明の実施形態2について説明する。但し、実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態2は、実施形態1と異なり、過酸化水素水がシャワーノズル44aにより基板Wに供給される。
【0169】
図12は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す図である。
図12に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、第1ノズル移動部5Aと、第2ノズル移動部5Bと、カップ部6と、パドル形成部7と、リング移動部8と、排気部201とを有する。基板処理装置100は、処理液供給部4と、乾燥部9とを備える。
【0170】
本実施形態において、処理液供給部4は、第2処理液供給部42と、第3処理液供給部43と、第4処理液供給部44とを含む。第3処理液供給部43は、基板保持部2に保持された基板Wの上面に硫酸を供給する。第4処理液供給部44は、基板保持部2に保持された基板Wの上面に過酸化水素水を供給する。
【0171】
詳しくは、第3処理液供給部43は、吐出ノズル43aと、第1供給配管411と、第1開閉弁413とを有する。第4処理液供給部44は、シャワーノズル44aと、第2供給配管412と、第2開閉弁414と、流量調整弁415とを有する。吐出ノズル43a及びシャワーノズル44aは、処理室200aに収容される。したがって、基板処理部200は、吐出ノズル43aと、シャワーノズル44aとを有する。
【0172】
本実施形態において、第1供給配管411の下流端は、吐出ノズル43aに接続している。吐出ノズル43aは、基板Wの上面に向けて硫酸を吐出する。第2供給配管412の下流端は、シャワーノズル44aに接続している。シャワーノズル44aは、基板Wの上面に向けてシャワー状に過酸化水素水を吐出する。第2供給配管412の一部は、処理室200aに収容される。第2供給配管412の残りの部分は、処理室200aの外部に配置される。
【0173】
第1ノズル移動部5Aは、基板Wの上方において、鉛直方向及び水平方向に吐出ノズル43aを移動させる。具体的には、第1ノズル移動部5Aは、第1ノズルアーム51Aと、第1ノズル基台52Aと、第1ノズル移動機構53Aとを有する。第1ノズル移動部5Aは、吐出ノズル43aから硫酸を吐出させる際に、第1ノズル待機位置から、基板Wの中心位置CTに対向する位置に吐出ノズル43aを移動させる。第1ノズル移動部5Aの構成は、
図2を参照して説明したノズル移動部5と同様であるため、その説明は割愛する。
【0174】
第2ノズル移動部5Bは、基板Wの上方において、鉛直方向及び水平方向にシャワーノズル44aを移動させる。具体的には、第2ノズル移動部5Bは、第2ノズルアーム51Bと、第2ノズル基台52Bと、第2ノズル移動機構53Bとを有する。
【0175】
第2ノズルアーム51Bは、第2ノズル基台52Bに結合されて、第2ノズル基台52Bから水平方向に延びる。第2ノズルアーム51Bはシャワーノズル44aを支持する。例えば、シャワーノズル44aは、第2ノズルアーム51Bの先端部に結合される。第2ノズル基台52Bは、鉛直方向に延びる。
【0176】
第2ノズル移動機構53Bは、鉛直方向及び水平方向に第2ノズルアーム51Bを移動させる。この結果、シャワーノズル44aが鉛直方向及び水平方向に移動する。第2ノズル移動機構53Bは、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0177】
詳しくは、第2ノズル移動機構53Bは、鉛直方向に延びる第4回転軸線AX4を中心として第2ノズル基台52Bを揺動させて、第2ノズルアーム51Bを水平面に沿って揺動させる。この結果、シャワーノズル44aが水平面に沿って移動する。また、第2ノズル移動機構53Bは、第2ノズル基台52Bを鉛直方向に昇降させて、第2ノズルアーム51Bを昇降させる。この結果、シャワーノズル44aが鉛直方向に移動する。第2ノズル移動機構53Bは、例えば、ボールねじ機構と、正逆回転可能な電動モータとを含む。電動モータは、ボールねじ機構を駆動する。
【0178】
シャワーノズル44aは、過酸化水素水を吐出する際に、第2ノズル待機位置から基板Wの上方へ移動する。具体的には、第2ノズル移動部5Bは、SPM処理時に、シャワーノズル44aをフルスキャン又はハーフスキャンさせる。第2ノズル移動部5Bは、液膜置換処理時に、基板Wの中心位置CTに対向する位置へシャワーノズル44aを移動させる。なお、第2ノズル移動部5Bは、液膜置換処理時に、シャワーノズル44aをフルスキャン又はハーフスキャンさせてもよい。
【0179】
以上、
図12を参照して、本発明の実施形態2を説明した。実施形態2によれば、実施形態1と同様に、処理液の消費量を低減することができる。更に、実施形態2によれば、過酸化水素水をシャワーノズル44aから供給するため、SPM処理時に、より確実に基板Wの上面の略全面に過酸化水素水を供給することができる。
【0180】
なお、本実施形態において、基板処理装置100は硫酸を吐出ノズル43aから吐出させたが、基板処理装置100はシャワーノズル44aから硫酸と過酸化水素水とを排他的に吐出させてもよい。
【0181】
[実施形態3]
続いて
図13~
図15を参照して本発明の実施形態3について説明する。但し、実施形態1、2と異なる事項を説明し、実施形態1、2と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態3は、実施形態1、2と異なり、基板Wに薬液を供給した後にリンス処理を実行する。薬液は、例えば、フッ酸(HF)又はリン酸である。
【0182】
図13は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す図である。本実施形態において、基板処理部200は、パドル処理と、リンス処理と、基板乾燥処理と、リング乾燥処理とを実行する。ここで、パドル処理は、薬液の液膜が基板Wの上面に支持されたパドル状態を形成する処理を示す。パドル処理により、パドル状態の薬液の液膜が基板W上で維持される。より具体的には、基板処理部200は、リング部材71を用いて、パドル状態の薬液の液膜を保持する。
【0183】
図13に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、ノズル移動部5と、カップ部6と、パドル形成部7と、リング移動部8と、排気部201とを有する。基板処理装置100は、処理液供給部4と、乾燥部9とを備える。
【0184】
本実施形態において、処理液供給部4は、第2処理液供給部42と、第5処理液供給部45とを含む。第5処理液供給部45は、基板保持部2に保持された基板Wの上面に薬液を供給する。詳しくは、第5処理液供給部45は、薬液吐出ノズル45aと、薬液供給配管451と、薬液開閉弁452とを有する。薬液吐出ノズル45aは、処理室200aに収容される。したがって、基板処理部200は、薬液吐出ノズル45aを有する。薬液供給配管451の一部は、処理室200aに収容される。薬液供給配管451の残りの部分は、処理室200aの外部に配置される。薬液開閉弁452は、処理室200aの外部に配置される。
【0185】
薬液供給配管451は、薬液が流通する管状の部材である。薬液供給配管451の下流端は、薬液吐出ノズル45aに接続している。薬液開閉弁452は、薬液供給配管451に設けられる。薬液開閉弁452は開閉可能である。薬液開閉弁452の開閉動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。薬液供給配管451の上流端には、薬液が供給される。薬液開閉弁452が開くと、薬液が薬液供給配管451を介して薬液吐出ノズル45aまで流通する。この結果、薬液吐出ノズル45aに薬液が供給されて、薬液吐出ノズル45aから薬液吐出される。薬液開閉弁452が閉じると、薬液供給配管451を介した薬液の流通が停止する。
【0186】
ノズル移動部5は、基板Wの上方において、鉛直方向及び水平方向に薬液吐出ノズル45aを移動させる。ノズル移動部5は、薬液吐出ノズル45aから薬液を吐出させる際に、基板Wの中心位置CTに対向する位置に薬液吐出ノズル45aを移動させる。
【0187】
続いて、
図13~
図15を参照して、本実施形態の基板処理装置100の動作を説明する。
図14及び
図15は、本実施形態の基板処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。詳しくは、
図14及び
図15は、制御装置101(制御部102)が実行する処理の流れの一例を示す。
図14及び
図15に示す処理は、ステップS31~ステップS43を含む。
【0188】
図14に示すように、制御装置101(制御部102)は、基板Wを処理する際に、まず、センターロボットCRを制御して、処理室200a内へ基板Wを搬入させる(ステップS31)。詳しくは、センターロボットCRは、基板保持部2の複数の支持部材23に基板Wを載置する。この結果、基板Wが支持位置で保持される。
【0189】
本実施形態では、
図10及び
図11を参照して説明した処理と同様に、制御装置101(制御部102)は、センターロボットCRが基板Wを処理室200a内に搬入した後に、複数の把持部材21に基板Wを把持させない。
【0190】
制御装置101(制御部102)は、複数の支持部材23によって基板Wが支持されると、基板回転部3を制御して、第3回転速度で基板Wを回転させる(ステップS32)。既に説明したように、第3回転速度は、基板Wの中央部に吐出された処理液を、遠心力によって基板Wの周縁部まで拡げる回転速度であって、複数の支持部材23によって支持された基板Wの位置がずれない回転速度を示す。
【0191】
基板Wの回転速度が第3回転速度に達すると、制御装置101(制御部102)は、リング移動部8を制御して、リング部材71を待機位置P1からパドル位置P2まで下降させる(ステップS33)。
【0192】
リング部材71がパドル位置P2に移動すると、制御装置101(制御部102)は、
図7を参照して説明したステップS5と同様に、薬液吐出ノズル45aから薬液を吐出させる(ステップS34)。この結果、基板Wの上面に薬液の液膜が形成される。また、リング部材71により、薬液の液膜が基板W上で保持される。
【0193】
制御装置101(制御部102)は、リング部材71によって薬液の液膜が保持されている際に、基板回転部3を制御して、パドル処理を実行する。換言すると、制御装置101(制御部102)は、基板Wの上面に薬液の液膜が形成された後にパドル処理を実行する。本実施形態では、制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転を停止させる(ステップS35)。この結果、薬液の液膜がパドル状態となる。なお、制御装置101(制御部102)は、基板W上に薬液の液膜が形成された後、ノズル移動部5を制御して、薬液吐出ノズル45aをノズル待機位置へ移動させる。
【0194】
制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転を停止させてから経過した時間が第6既定時間に達すると、リング移動部8を制御して、リング部材71をパドル位置P2から洗浄位置P4へ上昇させる(ステップS36)。第6既定時間は、記憶部103に予め記憶されている。
【0195】
図15に示すように、制御装置101(制御部102)は、リング部材71をパドル位置P2から洗浄位置P4へ移動させた後、リンス処理を実行する(ステップS37)。具体的には、制御装置101(制御部102)は、基板回転部3を制御して、基板Wを第3回転速度で回転させる。基板Wの回転速度が第3回転速度に達すると、制御装置101(制御部102)は、第2処理液供給部42を制御して、リンスノズル42aから基板Wの中央部に向けてリンス液を連続流で吐出させる。この結果、リンス液により基板W上の薬液が洗い流されて、基板W上にリンス液の液膜LM4が形成される。
【0196】
本実施形態によれば、リンス処理時にリング部材71を洗浄位置P4へ移動させて、リンス液によってリング部材71を洗浄することができる。
【0197】
また、本実施形態によれば、リンス処理時に基板Wが把持されていない。その結果、リンス処理時に、応力に起因する不具合が基板Wに発生することを回避できる。詳しくは、基板処理で使用するフッ酸又はリン酸の温度は100℃以上である。このため、パドル処理により基板Wは高温となる。一方、リンス液の温度は、フッ酸及びリン酸の温度より低い。例えば、リンス液の温度は室温に略等しい。したがって、リンス処理時には、高温の基板Wの上面に、基板Wより低温のリンス液が供給される。その結果、基板Wに反りが発生するおそれがある。リンス処理時に複数の把持部材21によって基板Wの周縁部を把持している状態で基板Wに反りが発生すると、基板Wの内部に応力が発生して、応力に起因する不具合が基板Wに発生する可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、リンス処理時に基板Wを把持しないため、応力に起因する不具合が基板Wに発生することを回避できる。
【0198】
また、本実施形態によれば、リンス処理時にリング部材71が洗浄位置P4に位置している。したがって、基板Wに反りが発生して基板Wの周縁部が持ち上がったとしても、リング部材71は基板Wと干渉しない。よって、リング部材71が基板Wと干渉することに起因する不具合が基板Wに発生することを回避できる。
【0199】
リンス処理後の各処理(ステップS38~S43)は、
図9を参照して説明したステップS18~ステップS23と同様であるため、それらの説明は割愛する。但し、本実施形態では、リンス処理の終了後、把持部材21をそれぞれ把持退避位置から把持接触位置へ第1回転方向R1に回転させて、複数の把持部材21に基板Wを把持させる。そして、複数の把持部材21によって基板Wを把持した状態で、基板乾燥処理を実行する(ステップS40)。
【0200】
以上、
図13~
図15を参照して、本発明の実施形態3を説明した。実施形態3によれば、実施形態1、2と同様に、処理液の消費量を低減することができる。更に、本実施形態によれば、パドル処理時に複数の把持部材21が基板Wを把持しないため、薬液が把持部材21に付着し難い。したがって、把持部材21に残った薬液により、次に処理される基板Wが汚染される可能性を低減することがきる。よって、基板処理後の基板Wの品質を向上させることができる。但し、
図7~
図9を参照して説明した処理と同様に、パドル処理の実行時に、複数の把持部材21に基板Wを把持させてもよい。
【0201】
なお、本実施形態では、リンス処理の開始前にリング部材71をパドル位置P2から洗浄位置P4へ移動させたが、リンス処理の開始前にリング部材71をパドル位置P2から退避位置P3へ移動させてもよい。この場合、制御装置101(制御部102)は、リンス処理の実行中にリング部材71を退避位置P3から洗浄位置P4へ移動させる。具体的には、制御装置101(制御部102)は、リンス液により基板Wの温度が低下して基板Wの反りが解消した後に、リング部材71を退避位置P3から洗浄位置P4へ移動させる。このように、基板Wの反りが解消した後に、リング部材71を洗浄位置P4へ移動させることで、リング部材71が基板Wと干渉することに起因する不具合が基板Wに発生することを回避できる。
【0202】
また、本実施形態では、リンス液によってリング部材71を洗浄する際に基板Wが第3回転速度で回転したが、上記したようにリンス処理の実行中にリング部材71を退避位置P3から洗浄位置P4へ移動させる場合、制御装置101(制御部102)は、リング部材71を退避位置P3から洗浄位置P4へ移動させる前に、基板回転部3を制御して、基板Wの回転速度を第3回転速度から第5回転速度へ変化させてもよい。つまり、リング部材71の洗浄時における基板Wの回転速度は、第5回転速度であってもよい。
【0203】
[実施形態4]
続いて
図16~
図23を参照して本発明の実施形態4について説明する。但し、実施形態1~3と異なる事項を説明し、実施形態1~3と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態4は、実施形態1~3と異なり、基板処理部200が遮断部10Aを有する。本実施形態では、遮断部10Aに含まれる側壁部112が「液膜保持部」に相当する。
【0204】
図16及び
図17は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す図である。詳しくは、
図16は、待機位置P1に位置する側壁部112を示す。
図17は、パドル位置P2に位置する側壁部112を示す。なお、
図16及び
図17は、遮断部10Aの断面を示している。
【0205】
基板処理部200は、実施形態1の基板処理装置100に含まれる基板処理部200と同様に、パドル処理と、SPM処理と、液膜置換処理と、リンス処理と、基板乾燥処理と、リング乾燥処理とを実行する。
図16に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、カップ部6と、遮断部10Aと、移動部16と、第1排気部201Aとを有する。基板処理装置100は、処理液供給部4と、乾燥部9とを備える。
【0206】
遮断部10Aは、基板保持部2に保持された基板Wの上方を遮断する(
図17参照)。具体的には、遮断部10Aは、トッププレート11を有する。トッププレート11は、基板保持部2に保持された基板Wに対向して、基板Wの上方を遮断する(
図17参照)。換言すると、トッププレート11は、基板Wの上方に位置して、基板Wを覆う。トッププレート11は、「遮断部材」の一例である。トッププレート11は、天蓋部111と、側壁部112とを有する。
【0207】
天蓋部111は、略円形状である。天蓋部111の下面は、基板保持部2に保持された基板Wの上面に対向する。側壁部112は、略円筒状である。側壁部112は、天蓋部111の外周部から下方に突出する。したがって、側壁部112は、天蓋部111により支持される。天蓋部111は「支持部」の一例である。
【0208】
詳しくは、側壁部112は、基板保持部2に保持された基板Wの上方に位置し、基板Wに対向する。側壁部112の直径は、基板Wの直径より小さい。より具体的には、側壁部112がパドル位置P2へ移動したとき、側壁部112は、複数の把持部材21の内側に位置する(
図17参照)。
【0209】
遮断部10Aは、第1流路121と、第2流路122とを有する。第1流路121及び第2流路122は処理液を流通させる。第1流路121の下端は、天蓋部111の下面111aに開口する。同様に、第2流路122の下端は、天蓋部111の下面111aに開口する。第1流路121の下端は、処理液を吐出する吐出口121a(
図18(b)参照)を構成する。第2流路122の下端は、処理液が吐出する吐出口122a(
図18(b)参照)を構成する。
【0210】
移動部16は、基板Wの上方において遮断部10Aを上下方向に移動させる。具体的には、移動部16は、制御装置101(制御部102)によって制御されて、遮断部10Aを昇降させる。制御装置101(制御部102)は、移動部16を制御して、遮断部10Aに含まれる側壁部112の上下方向の位置を変化させる。詳しくは、移動部16は、トッププレート11の側壁部112が、待機位置P1、パドル位置P2、退避位置P3、及び洗浄位置P4の間で移動するように、遮断部10Aを昇降させる。移動部16は、支持アーム161と、基台162と、移動機構163とを含む。移動部16の構成は、
図2を参照して説明したリング移動部8と略同様であるため、その説明は割愛する。
【0211】
本実施形態では、処理液供給部4は、第4処理液供給部44と、第6処理液供給部46とを含む。第6処理液供給部46は、基板保持部2に保持された基板Wの上面に、硫酸とリンス液とを排他的に供給する。
【0212】
具体的には、第6処理液供給部46は、第1供給配管411と、第1開閉弁413と、リンス供給配管421と、リンス開閉弁422とを有する。第1供給配管411の下流端は、遮断部10Aの第1流路121に接続している。リンス供給配管421の下流端は、遮断部10Aの第2流路122に接続している。したがって、第6処理液供給部46は、遮断部10Aの第1流路121に硫酸を供給し、遮断部10Aの第2流路122にリンス液を供給する。
【0213】
詳しくは、第1開閉弁413が開くと、第1供給配管411から第1流路121に硫酸が流入する。その結果、硫酸が第1流路121を流通して、第1流路121の下端(吐出口121a)から硫酸が吐出される。同様に、リンス開閉弁422が開くと、リンス供給配管421から第2流路122にリンス液が流入する。その結果、リンス液が第2流路122を流通して、第2流路122の下端(吐出口122a)からリンス液が吐出される。
【0214】
第4処理液供給部44は、基板保持部2に保持された基板Wの上面に過酸化水素水を供給する。詳しくは、第4処理液供給部44は、第2供給配管412と、第2開閉弁414と、流量調整弁415とを有する。第2供給配管412は、
図18(a)を参照して後述するように、遮断部10Aに含まれるシャワー流路416に過酸化水素水を供給する。
【0215】
本実施形態において、乾燥部9は、遮断部10Aに含まれる側壁部112を乾燥させる。具体的には、乾燥部9は、乾燥ノズル9aから側壁部112に向けて気体を吐出して、側壁部112を乾燥させる。
【0216】
第1排気部201Aは、処理室200a内の気体を排気する。第1排気部201Aの構成は、
図2を参照して説明した排気部201と同様であるため、その説明は割愛する。
【0217】
続いて、
図18(a)及び
図18(b)を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図18(a)は、パドル位置P2に位置する遮断部10Aを拡大して示す模式図である。
図18(b)は、遮断部10Aの底面図である。なお、
図18(a)は、遮断部10Aの断面を示している。
【0218】
図18(a)に示すように、第4処理液供給部44は、遮断部10Aに設けられたシャワー流路416を更に含む。シャワー流路416は、例えば、天蓋部111の内部に設けられる。第2供給配管412は、シャワー流路416まで過酸化水素水を流通させる。したがって、第2供給配管412は、シャワー流路416に過酸化水素水を供給する。シャワー流路416は、過酸化水素水を流通させる。
【0219】
図18(b)に示すように、第4処理液供給部44は、複数のシャワー吐出口44cを更に含む。複数のシャワー吐出口44cは、天蓋部111の下面111aに設けられる。詳しくは、複数のシャワー吐出口44cは、天蓋部111の下面111aの略全面に設けられる。複数のシャワー吐出口44cは、シャワー状に過酸化水素水を吐出する。したがって、第4処理液供給部44は、天蓋部111に設けられたシャワーノズルを更に含む。
【0220】
具体的には、
図18(a)に示すシャワー流路416は、複数のシャワー吐出口44cに連通する。したがって、過酸化水素水がシャワー流路416を流通することにより、複数のシャワー吐出口44cから過酸化水素水がシャワー状に吐出される。
【0221】
なお、
図18(b)に示すように、第1流路121の吐出口121a、及び第2流路122の吐出口122aは、天蓋部111の下面111aの中央部に開口する。詳しくは、吐出口121a及び吐出口122aは、基板保持部2に保持された基板Wの中央部に対向する。したがって、吐出口121aから基板Wの中央部に向けて硫酸が吐出される。また、吐出口122aから基板Wの中央部に向けてリンス液が吐出される。
【0222】
続いて、
図18(a)を参照して、パドル位置P2を説明する。
図18(a)に示すように、パドル位置P2は、基板Wの上方の位置であって、トッププレート11の側壁部112が基板Wに接触しない位置であるとともに、処理液がトッププレート11の側壁部112の下面112bと基板Wの上面との隙間から漏れ出さない位置である。したがって、
図2を参照して説明したリング部材71と同様に、トッププレート11の側壁部112により硫酸の液膜LM1及びSPMの液膜LM2を保持することができる。
【0223】
続いて、
図19(a)を参照して、退避位置P3を説明する。
図19(a)は、退避位置P3に位置する遮断部10Aを拡大して示す模式図である。なお、
図19(a)は、遮断部10Aの断面を示している。
【0224】
図19(a)に示すように、退避位置P3は、パドル位置P2より上方の位置であって、SPMの液膜LM2及び過酸化水素の液膜LM3を囲まない位置であり、
図16に示す待機位置P1よりも下方の位置を示す。より詳しくは、退避位置P3は、カップ部6の内側の位置である。具体的には、退避位置P3は、トッププレート11の側壁部112の下面112bがカップ部6の上端6aよりも下方となる位置である。
【0225】
本実施形態によれば、液膜置換処理時にトッププレート11の側壁部112の下面112bがカップ部6の内側に位置するため、基板Wから発生したヒュームが、第1排気部201Aによる排気処理によってカップ部6の内側を流れる。その結果、処理室200a内にヒュームが拡散し難くなる。
【0226】
続いて、
図19(a)を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図19(a)に示すように、基板処理装置100は、第2排気部201Bを更に備える。
【0227】
図19(a)に示すように、第2排気部201Bは、吸引機構211と、吸引配管212と、吸引流路214とを含む。第2排気部201Bは、基板保持部2に保持されている基板Wの上方の空間から気体を吸引する。詳しくは、第2排気部201Bは、トッププレート11と基板Wとの間の空間から気体を吸引して、トッププレート11と基板Wとの間の空間に存在する気体を排気する。
【0228】
吸引流路214は、遮断部10Aに設けられる。例えば、吸引流路214は、天蓋部111の内部に設けられる。吸引流路214は、気体を流通させる。吸引流路214の上流端は、例えば、天蓋部111の下面111aに開口する。
【0229】
吸引配管212の上流端は、吸引流路214の下流端に接続する。吸引配管212の一部は処理室200aに収容される。吸引配管212の他の一部は処理室200aの外部に配置される。吸引配管212は、気体を流通させる。
【0230】
吸引機構211は、処理室200aの外部に配置される。吸引機構211は、吸引配管212の下流端に接続する。吸引機構211を、制御装置101(制御部102)によって制御されて、気体を吸引する吸引動作を実行する。
【0231】
吸引機構211が吸引動作を実行すると、吸引流路214の上流端から気体が吸い込まれる。具体的には、基板Wの上方の空間から吸引流路214の上流端に気体が吸い込まれる。吸引流路214に吸い込まれた気体は、吸引流路214及び吸引配管212を介して、吸引機構211に吸引される。吸引機構211に吸引された気体は、例えば、基板処理装置100が設置される工場に設けられた排気設備に案内される。
【0232】
本実施形態によれば、例えば液膜置換処理時に基板Wから発生したヒュームを第2排気部201Bによって吸引して、処理室200aの外部に排気させることができる。よって、処理室200a内にヒュームが拡散し難くなる。
【0233】
続いて、
図19(b)を参照して、洗浄位置P4を説明する。
図19(b)は、洗浄位置P4に位置する遮断部10Aを拡大して示す模式図である。
図19(b)に示すように、洗浄位置P4は、リンス液の液膜LM4を囲む位置である。詳しくは、洗浄位置P4は、退避位置P3より下方の位置であるとともに、パドル位置P2よりも上方の位置である。より詳しくは、洗浄位置P4は、遮断部10Aに含まれる側壁部112の下面112bと基板Wの上面との隙間から処理液が漏れ出る位置である。
【0234】
続いて、
図18(a)、
図19(a)及び
図19(b)を参照して、遮断部10Aを説明する。
図18(a)、
図19(a)及び
図19(b)に示すように、トッププレート11の側壁部112の内周面112a及び下面112bは、処理液に接する接液面である。本実施形態において、トッププレート11の側壁部112の内周面112a及び下面112bは、リング部材71と同様に、疎水面を含む。
【0235】
本実施形態によれば、側壁部112の接液面が疎水面であるため、側壁部112の接液面が親水性である場合と比べて、側壁部112を乾燥させる処理に要する時間を短縮できる。また、側壁部112の接液面が疎水面であるため、側壁部112の接液面が親水性である場合と比べて、側壁部112の接液面に処理液が付着し難い。この結果、
図16に示す待機位置P1に位置する側壁部112から基板Wに処理液が落ちる不具合が発生する可能性を低減できる。
【0236】
続いて、
図16~
図22を参照して、本実施形態の基板処理装置100の動作を説明する。
図20~
図22は、本実施形態の基板処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。詳しくは、
図20~
図22は、制御装置101(制御部102)が実行する処理の流れの一例を示す。
図20~
図22に示す処理は、ステップS51~ステップS73を含む。
【0237】
図20に示すステップS51~ステップS53の各処理は、
図7を参照して説明したステップS1~ステップS3と同様であるため、それらの説明は割愛する。
図20に示すように、制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転速度が第1回転速度に達すると、移動部16を制御して、トッププレート11の側壁部112を待機位置P1からパドル位置P2まで下降させる(ステップS54)。
【0238】
側壁部112がパドル位置P2に移動すると、制御装置101(制御部102)は、遮断部10Aから硫酸を吐出させる(ステップS55)。詳しくは、制御装置101(制御部102)は、第6処理液供給部46を制御して、天蓋部111の吐出口121aから硫酸を吐出させる。この結果、基板Wの上面に硫酸の液膜LM1が形成される。また、トッププレート11の側壁部112により、硫酸の液膜LM1が基板W上で保持される。
【0239】
ステップS56の処理は、
図7を参照して説明したステップS6と同様であるため、その説明は割愛する。制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転を停止させた後、SPM処理を実行する。詳しくは、制御装置101(制御部102)は、第4処理液供給部44を制御して、複数のシャワー吐出口44cからシャワー状に過酸化水素水を吐出させる(ステップS57)。この結果、基板Wの上面にSPMの液膜LM2が形成されて、基板Wが処理される。なお、制御装置101(制御部102)は、
図7を参照して説明したステップS7と同様に、SPM処理時に流量調整弁415を制御して、硫酸と過酸化水素水との混合比が所定の範囲内に収まるように、過酸化水素水の流量を調整する。
【0240】
制御装置101(制御部102)は、過酸化水素水の吐出を開始してから第7既定時間が経過すると、第4処理液供給部44を制御して、過酸化水素の吐出を停止させる。この結果、SPM処理が終了する。なお、第7既定時間は、記憶部103に予め記憶されている。制御装置101(制御部102)は、SPM処理の終了後、移動部16を制御して、トッププレート11の側壁部112をパドル位置P2から退避位置P3へ上昇させる(ステップS58)。この結果、SPMの液膜LM2のパドル状態が解除される。
【0241】
図21に示すステップS59~ステップS62の各処理は、
図8を参照して説明したステップS9~ステップS12と同様であるため、それらの説明は割愛する。
図21に示すように、制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転速度が第3回転速度に達すると、第4処理液供給部44を制御して、複数のシャワー吐出口44cからシャワー状に過酸化水素水を吐出させる(ステップS63)。この結果、基板W上の処理液の液膜が、SPMの液膜LM2から過酸化水素水の液膜LM3に置換される。なお、制御装置101(制御部102)は、
図8を参照して説明したステップS13と同様に、液膜置換処理時に流量調整弁415を制御して、SPM処理時よりも過酸化水素水の流量を増加させる。
【0242】
図21に示すステップS64及びステップS65の各処理は、
図8を参照して説明したステップS14及びステップS15と同様であるため、それらの説明は割愛する。制御装置101(制御部102)は、複数の把持部材21に基板Wを把持させた後、
図22に示すように、リンス処理を実行する(ステップS66)。具体的には、制御装置101(制御部102)は、複数の把持部材21に基板Wを把持させた後、基板回転部3を制御して、基板Wを第4回転速度で回転させる。基板Wの回転速度が第4回転速度に達すると、制御装置101(制御部102)は、第6処理液供給部46を制御して、遮断部10Aからリンス液を連続流で吐出させる。詳しくは、制御装置101(制御部102)は、第6処理液供給部46を制御して、天蓋部111の吐出口122aからリンス液を連続流で吐出させる。この結果、リンス液により基板W上の薬液(過酸化水素水)が洗い流されて、基板W上にリンス液の液膜LM4が形成される。
【0243】
制御装置101(制御部102)は、リンス処理中に、移動部16を制御して、トッププレート11の側壁部112を退避位置P3から洗浄位置P4へ下降させる(ステップS67)。この結果、リンス液によってトッププレート11の側壁部112が洗浄される。なお、制御装置101(制御部102)は、トッププレート11の側壁部112を退避位置P3から洗浄位置P4へ下降させる前に、基板回転部3を制御して、基板Wの回転速度を第4回転速度から第5回転速度へ変化させてもよい。つまり、トッププレート11の側壁部112を洗浄する際の基板Wの回転速度は、第5回転速度であってもよい。
【0244】
制御装置101(制御部102)は、リンス処理の終了後、移動部16を制御して、トッププレート11の側壁部112を乾燥位置へ上昇させる(ステップS68)。なお、
図2を参照して説明したように、本実施形態では、乾燥位置は待機位置P1と等しい。
【0245】
制御装置101(制御部102)は、トッププレート11の側壁部112を乾燥位置(待機位置P1)へ移動させた後、遮断部乾燥処理を実行する(ステップS69)。具体的には、制御装置101(制御部102)は、乾燥部9を制御して、トッププレート11の側壁部112を乾燥させる。
【0246】
図22に示すステップS70~ステップS73の各処理は、
図9を参照して説明したステップS20~ステップS23と同様であるため、それらの説明は割愛する。
【0247】
続いて、
図23を参照して、遮断部10Aの他例を説明する。
図23は、遮断部10Aの他例を示す図である。
図23に示すように、過酸化水素水は、硫酸及びリンス液と同様に、トッププレート11(天蓋部111)の中央部から吐出されてもよい。
【0248】
具体的には、
図23に示す遮断部10Aは、第3流路123を更に有する。第3流路123の下端は、天蓋部111の下面111aに開口して、吐出口123aを構成する。吐出口123aは、天蓋部111の下面111aの中央部に開口する。詳しくは、吐出口123aは、基板保持部2に保持された基板Wの中央部に対向する。
【0249】
図23に示す例において、第2供給配管412の下流端は、第3流路123に接続する。したがって、過酸化水素水が第2供給配管412を介して第3流路123に供給される。詳しくは、第2開閉弁414が開くと、第2供給配管412から第3流路123に過酸化水素水が流入する。第3流路123は、過酸化水素水を吐出口123aに向けて流通させる。その結果、吐出口123aから過酸化水素水が吐出される。具体的には、吐出口123aから基板Wの中央部に向けて過酸化水素水が吐出される。
【0250】
以上、
図16~
図23を参照して本発明の実施形態4を説明した。実施形態4によれば、実施形態1~3と同様に、処理液の消費量を低減することができる。更に、実施形態4によれば、基板処理時に遮断部10Aが基板Wの上方を遮断するため、処理室200a内にヒュームが拡散し難い。
【0251】
なお、本実施形態において、基板処理装置100は硫酸を吐出口121aから吐出させたが、基板処理装置100は複数のシャワー吐出口44cから硫酸と過酸化水素水とを排他的に吐出させてもよい。
【0252】
[実施形態5]
続いて
図24~
図31を参照して本発明の実施形態5について説明する。但し、実施形態1~4と異なる事項を説明し、実施形態1~4と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態5は、実施形態1~4と異なり、基板処理部200が、遮断部10Bと、第1挿入ノズル43bと、第2挿入ノズル42bとを有する。本実施形態では、遮断部10Bに含まれる側壁部172が「液膜保持部」に相当する。
【0253】
図24は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す図である。詳しくは、
図24は、パドル位置P2に位置する側壁部172を示す。なお、
図24は、遮断部10Bの断面を示している。
【0254】
基板処理部200は、実施形態4の基板処理装置100に含まれる基板処理部200と同様に、パドル処理と、SPM処理と、液膜置換処理と、リンス処理と、基板乾燥処理と、リング乾燥処理とを実行する。
図24に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、カップ部6と、遮断部10Bと、移動部18と、第1排気部201Aと、第2排気部201Bとを有する。基板処理装置100は、処理液供給部4と、乾燥部9とを備える。
【0255】
遮断部10Bは、基板保持部2に保持された基板Wの上方を遮断する。具体的には、遮断部10Bは、トッププレート17を有する。トッププレート17は、基板保持部2に保持された基板Wに対向して、基板Wの上方を遮断する。換言すると、トッププレート17は、基板Wの上方に位置して、基板Wを覆う。トッププレート17は、「遮断部材」の一例である。トッププレート17は、天蓋部171と、側壁部172とを有する。
【0256】
天蓋部171は、略円環板状である。具体的には、天蓋部171は、ノズル挿入穴173を有する。ノズル挿入穴173は、天蓋部171の中央部に設けられて、天蓋部171を鉛直方向に貫通する。天蓋部171の下面は、基板保持部2に保持された基板Wの上面に対向する。側壁部172は、略円筒状である。側壁部172は、天蓋部171の外周部から下方に突出する。したがって、側壁部172は、天蓋部171により支持される。天蓋部171は「支持部」の一例である。
【0257】
詳しくは、側壁部172は、基板保持部2に保持された基板Wの上方に位置し、基板Wに対向する。側壁部172の直径は、基板Wの直径より小さい。より具体的には、側壁部172がパドル位置P2へ移動したとき、側壁部172は、複数の把持部材21の内側に位置する。
【0258】
トッププレート17は、
図18(a)及び
図18(b)に示すトッププレート11と同様に、シャワー流路416と、複数のシャワー吐出口44cとを有する。更に、トッププレート17は、
図19(a)を参照して説明したトッププレート11と同様に、吸引流路214を有する。
【0259】
移動部18は、基板Wの上方において遮断部10Bを上下方向に移動させる。具体的には、移動部18は、制御装置101(制御部102)によって制御されて、遮断部10Bを昇降させる。制御装置101(制御部102)は、移動部18を制御して、遮断部10Bに含まれる側壁部172の上下方向の位置を変化させる。詳しくは、移動部18は、トッププレート17の側壁部172が、待機位置P1、パドル位置P2、退避位置P3、及び洗浄位置P4の間で移動するように、遮断部10Bを昇降させる。
【0260】
移動部18は、接続部181と、支持アーム182と、基台183と、移動機構184とを含む。接続部181は、支持アーム182とトッププレート17(遮断部10B)とを接続して、支持アーム182とトッププレート17(遮断部10B)とを連結する。接続部181は、例えば、支持アーム182の先端部に結合して、支持アーム182の先端部から鉛直下方に延びてもよい。トッププレート17(遮断部10B)は、接続部181の先端部に結合してもよい。支持アーム182は、接続部181を介してトッププレート17(遮断部10B)を支持する。支持アーム182、基台183、及び移動機構184の構成は、
図2を参照して説明したノズル移動部5のノズルアーム51、ノズル基台52及びノズル移動機構53と同様であるため、それらの詳しい説明は割愛する。
【0261】
本実施形態では、処理液供給部4は、第2処理液供給部42と、第3処理液供給部43と、第4処理液供給部44とを含む。第3処理液供給部43は、第1供給配管411と、第1開閉弁413と、第1挿入ノズル43bとを含む。第4処理液供給部44は、
図18(a)及び
図18(b)を参照して説明した第4処理液供給部44と同様に、第2供給配管412と、第2開閉弁414と、流量調整弁415と、シャワー流路416と、複数のシャワー吐出口44cとを含む。第2処理液供給部42は、リンス供給配管421と、リンス開閉弁422と、第2挿入ノズル42bとを含む。第1挿入ノズル43b及び第2挿入ノズル42bは、処理室200aに収容される。したがって、基板処理部200は、第1挿入ノズル43b及び第2挿入ノズル42bを有する。
【0262】
第3処理液供給部43は、第1供給配管411を介して、第1挿入ノズル43bに硫酸を供給する。第1挿入ノズル43bは、第1供給配管411を介して硫酸が供給されることにより、硫酸を吐出する。第2処理液供給部42は、リンス供給配管421を介して、第2挿入ノズル42bにリンス液を供給する。第2挿入ノズル42bは、リンス供給配管421を介してリンス液が供給されることにより、リンス液を吐出する。第4処理液供給部44の構成は、
図18(a)及び
図18(b)を参照して説明した第4処理液供給部44と同様であるため、その説明は割愛する。
【0263】
本実施形態において、乾燥部9は、遮断部10Bに含まれる側壁部172を乾燥させる。具体的には、乾燥部9は、乾燥ノズル9aから側壁部172に向けて気体を吐出して、側壁部172を乾燥させる。
【0264】
第1排気部201Aは、処理室200a内の気体を排気する。第1排気部201Aの構成は、
図2を参照して説明した排気部201と同様であるため、その説明は割愛する。
【0265】
第2排気部201Bは、トッププレート17と基板Wとの間の空間から気体を吸引して、トッププレート17と基板Wとの間の空間に存在する気体を排気する。第2排気部201Bの構成は、
図19(a)を参照して説明した第2排気部201Bと同様であるため、その説明は割愛する。
【0266】
続いて、
図25を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図25は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の構成を示す図である。
図25に示すように、基板処理部200は、第3ノズル移動部5Cと、第4ノズル移動部5Dとを更に有する。
【0267】
第3ノズル移動部5Cは、鉛直方向及び水平方向に第1挿入ノズル43bを移動させる。具体的には、第3ノズル移動部5Cは、第3ノズル待機位置から、遮断部10B(トッププレート17)のノズル挿入穴173へ第1挿入ノズル43bを移動させて、ノズル挿入穴173に第1挿入ノズル43bを挿入させる。第1挿入ノズル43bは、ノズル挿入穴173に挿入された状態で、基板Wの上面に向けて硫酸を吐出する。詳しくは、第1挿入ノズル43bは、ノズル挿入穴173に挿入されると、基板Wの中心位置CTに対向する。したがって、第1挿入ノズル43bは、基板Wの中央部に向けて硫酸を吐出する。
【0268】
第3ノズル移動部5Cは、接続部51Cと、第3ノズルアーム52Cと、第3ノズル基台53Cと、第3ノズル移動機構54Cとを有する。接続部51Cは、第3ノズルアーム52Cと第1挿入ノズル43bとに接続して、第3ノズルアーム52Cと第1挿入ノズル43bとを連結する。接続部51Cは、例えば、第3ノズルアーム52Cの先端部に結合して、第3ノズルアーム52Cの先端部から鉛直下方に延びてもよい。第1挿入ノズル43bは、接続部51Cの先端部に結合してもよい。第3ノズルアーム52Cは、接続部51Cを介して第1挿入ノズル43bを支持する。
【0269】
第3ノズル移動機構54Cは、鉛直方向に延びる第5回転軸線AX5を回転中心として第3ノズル基台53Cを揺動させて、第3ノズルアーム52Cを水平面に沿って揺動させる。また、第3ノズル移動機構54Cは、第3ノズル基台53Cを鉛直方向に昇降させて、第3ノズルアーム52Cを昇降させる。第3ノズルアーム52C、第3ノズル基台53C、及び第3ノズル移動機構54Cの構成は、
図2を参照して説明したノズル移動部5のノズルアーム51、ノズル基台52及びノズル移動機構53と同様であるため、それらの詳しい説明は割愛する。
【0270】
第4ノズル移動部5Dは、第3ノズル移動部5Cと同様に、第4ノズル待機位置からノズル挿入穴173へ第2挿入ノズル42bを移動させて、ノズル挿入穴173に第2挿入ノズル42bを挿入させる。第2挿入ノズル42bは、第1挿入ノズル43bと同様に、ノズル挿入穴173に挿入されると、基板Wの中心位置CTに対向する。したがって、第2挿入ノズル42bは、基板Wの中央部に向けてリンス液を吐出する。
【0271】
第4ノズル移動部5Dは、第3ノズル移動部5Cと同様に、接続部51Dと、第4ノズルアーム52Dと、第4ノズル基台53Dと、第4ノズル移動機構54Dとを有する。第4ノズル移動機構54Dは、鉛直方向に延びる第6回転軸線AX6を回転中心として第4ノズル基台53Dを揺動させて、第4ノズルアーム52Dを水平面に沿って揺動させる。また、第4ノズル移動機構54Dは、第4ノズル基台53Dを鉛直方向に昇降させて、第4ノズルアーム52Dを昇降させる。第4ノズル移動部5Dの構成は、第3ノズル移動部5Cと同様であるため、その詳しい説明は割愛する。
【0272】
続いて、
図24~
図29を参照して、本実施形態の基板処理装置100の動作を説明する。
図26~
図29は、本実施形態の基板処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。詳しくは、
図26~
図29は、制御装置101(制御部102)が実行する処理の流れの一例を示す。
図26~
図29に示す処理は、ステップS111~ステップS137を含む。
【0273】
図26に示すステップS111~ステップS113の各処理は、
図7を参照して説明したステップS1~3と同様であるため、その説明は割愛する。
図26に示すように、制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転速度が第1回転速度に達すると、移動部18を制御して、トッププレート17の側壁部172を待機位置P1からパドル位置P2まで下降させる(ステップS114)。
【0274】
制御装置101(制御部102)は、トッププレート17の側壁部172を待機位置P1からパドル位置P2まで移動させた後、
図25を参照して説明したように、第3ノズル移動部5Cを制御して、第1挿入ノズル43bをトッププレート17のノズル挿入穴173に挿入させる(ステップS115)。
【0275】
第1挿入ノズル43bをトッププレート17のノズル挿入穴173に挿入させた後、制御装置101(制御部102)は、第3処理液供給部43を制御して、第1挿入ノズル43bから硫酸を吐出させる(ステップS116)。この結果、基板Wの上面に硫酸の液膜LM1が形成される。また、トッププレート17の側壁部172により、硫酸の液膜LM1が基板W上で保持される。
【0276】
ステップS117の処理は、
図7を参照して説明したステップS6と同様であるため、その説明は割愛する。
図27に示すように、制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転を停止させた後、
図20を参照して説明したステップS57と同様に、第4処理液供給部44を制御して、複数のシャワー吐出口44cからシャワー状に過酸化水素水を吐出させる(ステップS118)。この結果、基板Wの上面にSPMの液膜LM2が形成されて、基板Wが処理される。
【0277】
制御装置101(制御部102)は、SPM処理の終了後、移動部18及び第4ノズル移動部5Dを制御して、トッププレート17の側壁部172がパドル位置P2から退避位置P3へ上昇するように、トッププレート17及び第2挿入ノズル42bを上昇させる(ステップS119)。この結果、SPMの液膜LM2のパドル状態が解除される。
【0278】
ステップS120~ステップS123の各処理は、
図8を参照して説明したステップS9~ステップS12と同様であるため、それらの説明は割愛する。制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転速度が第3回転速度に達すると、
図21を参照して説明したステップS63と同様に、第4処理液供給部44を制御して、複数のシャワー吐出口44cからシャワー状に過酸化水素水を吐出させる(ステップS124)。この結果、基板W上の処理液の液膜が、SPMの液膜LM2から過酸化水素水の液膜LM3に置換される。
【0279】
図27に示すステップS125及び
図28に示すステップS126の各処理は、
図8を参照して説明したステップS14及びステップS15と同様であるため、それらの説明は割愛する。
図28に示すように、制御装置101(制御部102)は、複数の把持部材21に基板Wを把持させた後、第3ノズル移動部5Cを制御して、第1挿入ノズル43bをノズル挿入穴173から第3ノズル待機位置へ退避させる(ステップS127)。制御装置101(制御部102)は、第1挿入ノズル43bを第3ノズル待機位置へ移動させた後、
図25を参照して説明したように、第4ノズル移動部5Dを制御して、第2挿入ノズル42bをノズル挿入穴173に挿入させる(ステップS128)。
【0280】
第2挿入ノズル42bをノズル挿入穴173に挿入した後、制御装置101は、リンス処理を実行する(ステップS129)。具体的には、制御装置101(制御部102)は、基板回転部3を制御して、基板Wを第4回転速度で回転させる。基板Wの回転速度が第4回転速度に達すると、制御装置101(制御部102)は、第2処理液供給部42を制御して、第2挿入ノズル42bからリンス液を連続流で吐出させる。この結果、リンス液により基板W上の薬液(過酸化水素水)が洗い流されて、基板W上にリンス液の液膜LM4が形成される。
【0281】
制御装置101(制御部102)は、リンス処理中に、移動部18を制御して、トッププレート17の側壁部172を退避位置P3から洗浄位置P4へ下降させる(ステップS130)。この結果、リンス液によってトッププレート17の側壁部172が洗浄される。なお、制御装置101(制御部102)は、トッププレート17の側壁部172を退避位置P3から洗浄位置P4へ下降させる前に、基板回転部3を制御して、基板Wの回転速度を第4回転速度から第5回転速度へ変化させてもよい。つまり、トッププレート17の側壁部172を洗浄する際の基板Wの回転速度は、第5回転速度であってもよい。
【0282】
制御装置101(制御部102)は、リンス処理の終了後、第4ノズル移動部5Dを制御して、第2挿入ノズル42bをノズル挿入穴173から第4ノズル待機位置へ退避させる(ステップS131)。制御装置101(制御部102)は、第2挿入ノズル42bを第4ノズル待機位置へ移動させた後、移動部18を制御して、トッププレート11の側壁部112を乾燥位置へ上昇させる(ステップS132)。なお、
図2を参照して説明したように、本実施形態では、乾燥位置は待機位置P1と等しい。
【0283】
図29に示すように、制御装置101(制御部102)は、トッププレート17の側壁部172を乾燥位置(待機位置P1)へ移動させた後、遮断部乾燥処理を実行する(ステップS133)。具体的には、制御装置101(制御部102)は、乾燥部9を制御して、トッププレート17の側壁部172を乾燥させる。
【0284】
図29に示すステップS134~ステップS137の各処理は、
図9を参照して説明したステップS20~ステップS23と同様であるため、それらの説明は割愛する。
【0285】
続いて、
図30を参照して、本実施形態の基板処理装置100の他例1を説明する。
図30は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の他例1の内部の構成を模式的に示す図である。
【0286】
図30に示す構成において、第2排気部201Bは、吸引機構211と、吸引配管212と、第3挿入ノズル215とを含む。第3挿入ノズル215は、処理室200aに収容される。したがって、基板処理部200は、第3挿入ノズル215を有する。
【0287】
第3挿入ノズル215は、第1挿入ノズル43b及び第2挿入ノズル42bと同様に、第5ノズル待機位置とノズル挿入穴173との間で移動可能である。詳しくは、基板処理部200は、図示しない第5ノズル移動部を更に有する。第5ノズル移動部は、制御装置101(制御部102)によって制御されて、第3ノズル移動部5C及び第4ノズル移動部5Dと同様に、第3挿入ノズル215を移動させる。
【0288】
吸引配管212の上流端は第3挿入ノズル215に接続する。制御装置101(制御部102)は、第5ノズル移動部を制御して、第3挿入ノズル215をノズル挿入穴173に挿入させた後、吸引機構211を駆動させる。この結果、トッププレート17と基板Wとの間の空間から第3挿入ノズル215に気体が吸引されて、トッププレート17と基板Wとの間の空間に存在する気体が排気される。
【0289】
詳しくは、制御装置101(制御部102)は、液膜置換処理後に第3挿入ノズル215をノズル挿入穴173に挿入させ、吸引機構211を駆動させる。この結果、液膜置換処理によって基板Wから発生したヒュームが第2排気部201Bによって吸引されて、処理室200aの外部に排気される。第3挿入ノズル215は、「吸引ノズル」の一例である。
【0290】
続いて、
図31を参照して、本実施形態の基板処理装置100の他例2を説明する。
図31は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の他例2の内部の構成を模式的に示す図である。
【0291】
図31に示す構成において、トッププレート17は、第1ノズル挿入穴173aと、第2ノズル挿入穴173bとを有する。第4処理液供給部44は、第2供給配管412と、第2開閉弁414と、流量調整弁415と、第4挿入ノズル44dを含む。第2排気部201Bは、
図30に示す第2排気部201Bと同様に、吸引機構211と、吸引配管212と、第3挿入ノズル215とを含む。第3挿入ノズル215及び第4挿入ノズル44dは、処理室200aに収容される。したがって、基板処理部200は、第3挿入ノズル215及び第4挿入ノズル44dを有する。
【0292】
第1ノズル挿入穴173aは、
図24及び
図25を参照して説明したノズル挿入穴173と同様に、トッププレート17の中央部を鉛直方向に貫通する。第2ノズル挿入穴173bは、第1ノズル挿入穴173aと異なる位置で、トッププレート17を鉛直方向に貫通する。
【0293】
第1挿入ノズル43bは、第3待機位置と第1ノズル挿入穴173aとの間で移動可能である。第2挿入ノズル42bは、第4待機位置と第1ノズル挿入穴173aとの間で移動可能である。
図25を参照して説明した第3ノズル移動部5Cは、第1挿入ノズル43bを第3待機位置と第1ノズル挿入穴173aとの間で移動させる。
図25を参照して説明した第4ノズル移動部5Dは、第2挿入ノズル42bを第4待機位置と第1ノズル挿入穴173aとの間で移動させる。
【0294】
第3挿入ノズル215は、第5ノズル待機位置と第2ノズル挿入穴173bとの間で移動可能である。詳しくは、基板処理部200は、図示しない第5ノズル移動部を更に有する。第5ノズル移動部は、制御装置101(制御部102)によって制御されて、第5ノズル待機位置と第2ノズル挿入穴173bとの間で第3挿入ノズル215を移動させる。
【0295】
第4挿入ノズル44dは、第6ノズル待機位置と第1ノズル挿入穴173aとの間で移動可能である。詳しくは、基板処理部200は、図示しない第6ノズル移動部を更に有する。第6ノズル移動部は、制御装置101(制御部102)によって制御されて、第6ノズル待機位置と第1ノズル挿入穴173aとの間で第4挿入ノズル44dを移動させる。
【0296】
第2供給配管412の上流端は第4挿入ノズル44dに接続する。制御装置101(制御部102)は、第6ノズル移動部を制御して、第4挿入ノズル44dを第1ノズル挿入穴173aに挿入させた後、第4処理液供給部44を制御して、第4挿入ノズル44dに過酸化水素水を供給する。この結果、第4挿入ノズル44dから基板Wの中央部に向けて過酸化水素水が吐出される。
【0297】
制御装置101(制御部102)は、第5ノズル移動部を制御して、第3挿入ノズル215を第2ノズル挿入穴173bに挿入させた後、吸引機構211を駆動させる。この結果、基板Wの上方の空間から吸引流路214の上流端に気体が吸い込まれる。
【0298】
詳しくは、制御装置101(制御部102)は、基板Wに過酸化水素水を供給する際に、吸引機構211を駆動させる。この結果、基板Wから発生したヒュームが第2排気部201Bによって吸引されて、処理室200aの外部に排気される。
【0299】
以上、
図24~
図31を参照して本発明の実施形態5を説明した。実施形態5によれば、実施形態1~4と同様に、処理液の消費量を低減させることができる。更に、実施形態5によれば、基板処理時に遮断部10Bが基板Wの上方を遮断するため、処理室200a内にヒュームが拡散し難い。
【0300】
[実施形態6]
続いて
図32を参照して本発明の実施形態6について説明する。但し、実施形態1~5と異なる事項を説明し、実施形態1~5と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態6は、実施形態1~5と異なり、基板処理部200が、遮断部10Dを有する。本実施形態では、遮断部10Dに含まれるトッププレート19の側壁部192が「液膜保持部」に相当する。
【0301】
図32は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す図である。詳しくは、
図32は、パドル位置P2に位置する側壁部192を示す。なお、
図32は、遮断部10Dの断面を示している。
【0302】
基板処理部200は、実施形態4の基板処理装置100に含まれる基板処理部200と同様に、パドル処理と、SPM処理と、液膜置換処理と、リンス処理と、基板乾燥処理と、リング乾燥処理とを実行する。
図32に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、カップ部6と、遮断部10Dと、第1移動部92と、第2移動部194と、排気部201とを有する。基板処理装置100は、処理液供給部4と、乾燥部9とを備える。
【0303】
処理液供給部4は、第7処理液供給部47を含む。第7処理液供給部47は、基板保持部2に保持された基板Wに、硫酸と、過酸化水素水と、リンス液とを排他的に供給する。具体的には、第7処理液供給部47は、吐出ノズル47aと、第1供給配管411と、第2供給配管412と、第1開閉弁413と、第2開閉弁414と、流量調整弁415と、リンス供給配管421と、リンス開閉弁422とを含む。
【0304】
吐出ノズル47aは、鉛直方向に延びる。吐出ノズル47aは、鉛直方向に移動可能である。詳しくは、吐出ノズル47aは、遮断部10Dの中央部を貫通する。吐出ノズル47aの下端面(吐出面)は、基板保持部2に保持された基板Wに対向する。更に、吐出ノズル47aは、処理室200aの上壁を貫通して、処理室200aの内部から外部へ延出している。処理室200aの上壁には、吐出ノズル47aが挿通される貫通穴が形成されている。
【0305】
吐出ノズル47aは、基板保持部2に保持された基板Wに向けて硫酸、過酸化水素水、及びリンス液を排他的に吐出する。詳しくは、吐出ノズル47aに、第1供給配管411の下流端、及びリンス供給配管421の下流端が接続している。第2供給配管412の下流端は、
図2を参照して説明した第2供給配管412と同様に、第1供給配管411に接続している。
【0306】
例えば、第1開閉弁413、第2開閉弁414、及びリンス開閉弁422が閉じた状態から、第1開閉弁413のみが開いた状態へ変化すると、第1供給配管411から吐出ノズル47aまで硫酸が流通する。その結果、吐出ノズル47aに第1供給配管411を介して硫酸が供給されて、吐出ノズル47aから硫酸が吐出される。
【0307】
また、第1開閉弁413、第2開閉弁414、及びリンス開閉弁422が閉じた状態から、第2開閉弁414のみが開いた状態へ変化すると、過酸化水素水が第2供給配管412から第1供給配管411へ流入する。第1供給配管411は、第2供給配管412から流入した過酸化水素水を吐出ノズル47aまで流通させる。その結果、吐出ノズル47aに第1供給配管411を介して過酸化水素水が供給されて、吐出ノズル47aから過酸化水素水が吐出される。
【0308】
同様に、第1開閉弁413、第2開閉弁414、及びリンス開閉弁422が閉じた状態から、リンス開閉弁422のみが開いた状態へ変化すると、リンス供給配管421から吐出ノズル47aまでリンス液が流通する。その結果、吐出ノズル47aにリンス供給配管421を介してリンス液が供給されて、吐出ノズル47aからリンス液が吐出される。
【0309】
遮断部10Dは、基板保持部2に保持された基板Wの上方を遮断する。具体的には、遮断部10Dは、トッププレート19と、空間形成部91と、第1伸縮部材93と、第2伸縮部材94と、連結部193とを有する。
【0310】
空間形成部91は、遮断部10Dが下位置に位置するとき、カップ部6と共に、基板保持部2に保持された基板Wの周囲の空間を形成する。具体的には、空間形成部91は、カップ部6と共に、基板Wの周囲に略密閉空間を形成する。略密閉空間は、空間形成部91とカップ部6との内側の空間を示す。
図32は、下位置に位置する遮断部10Dを示す。
【0311】
ここで、略密閉空間とは、空間形成部91とカップ部6とにより形成される空間が外部と連通していることを示す。例えば、略密閉空間は、空間形成部91とカップ部6との間の隙間、及び、カップ部6の隙間を介して外部と連通する。
【0312】
具体的には、空間形成部91は、天蓋部911と、側壁部912とを有する。天蓋部911は、略円環板状である。具体的には、天蓋部911は、貫通穴を有する。貫通穴は、天蓋部911の中央部に設けられて、天蓋部911を鉛直方向に貫通する。側壁部912は、略筒状であり、天蓋部911の外周部から下方に突出する。側壁部912の直径はスピンベース22の直径より大きく、側壁部912は、カップ部6の上端6aに対向する。
【0313】
トッププレート19は、空間形成部91の内側に配置される。トッププレート19は、遮断部10Dが下位置に位置するとき、略密閉空間内に位置する。トッププレート19は、基板保持部2に保持された基板Wに対向して、基板Wの上方を遮断する。換言すると、トッププレート19は、基板Wの上方に位置して、基板Wを覆う。トッププレート19は、「遮断部材」の一例である。トッププレート19は、天蓋部191と、側壁部192とを有する。
【0314】
天蓋部191は、略円環板状である。具体的には、天蓋部191は、貫通穴を有する。貫通穴は、天蓋部191の中央部に設けられて、天蓋部191を鉛直方向に貫通する。天蓋部191の貫通穴には、吐出ノズル47aの下部が挿通される。天蓋部191は、天蓋部191の貫通穴に挿通された吐出ノズル47aに固定される。
【0315】
天蓋部191の下面は、基板保持部2に保持された基板Wの上面に対向する。側壁部192は、略円筒状である。側壁部192は、天蓋部191の外周部から下方に突出する。したがって、側壁部192は、天蓋部191により支持される。天蓋部191は「支持部」の一例である。
【0316】
詳しくは、側壁部192は、基板保持部2に保持された基板Wの上方に位置し、基板Wに対向する。側壁部192の直径は、基板Wの直径より小さい。より具体的には、側壁部192がパドル位置P2へ移動したとき、側壁部192は、複数の把持部材21の内側に位置する。
【0317】
連結部193は、略円環板状である。具体的には、連結部193は、貫通穴を有する。貫通穴は、連結部193の中央部に設けられて、連結部193を鉛直方向に貫通する。連結部193の直径は、空間形成部91の天蓋部911に設けられた貫通穴の直径より小さい。連結部193は、吐出ノズル47aに固定される。具体的には、連結部193は、連結部193の貫通穴に挿通された吐出ノズル47aに固定される。連結部193は、吐出ノズル47aが上下動する際に、空間形成部91の天蓋部911に設けられた貫通穴を通過する。
【0318】
第1伸縮部材93は、上下方向に伸縮自在である。第1伸縮部材93は、例えば、ベローズである。第1伸縮部材93は、上下方向に延びる円筒状である。第1伸縮部材93の下端部は、空間形成部91の天蓋部911に設けられた貫通穴の縁部に接続される。第1伸縮部材93は、空間形成部91の天蓋部911から上方向に延びる。第1伸縮部材93の上端部は、処理室200aの上壁に接続している。
【0319】
第2伸縮部材94は、上下方向に伸縮自在である。第2伸縮部材94は、例えば、ベローズである。第2伸縮部材94は、上下方向に延びる円筒状である。第2伸縮部材94の下端部は、連結部193の周縁部に接続される。第2伸縮部材94は、連結部193から上方向に延びる。第2伸縮部材94の上端部は、処理室200aの上壁に接続している。
【0320】
第1移動部92は、遮断部10Dを上位置と下位置との間で昇降させる。上位置は、下位置よりも上方の位置を示す。具体的には、第1移動部92は、制御装置101(制御部102)によって制御されて、空間形成部91を上位置と下位置との間で移動させる。制御装置101(制御部102)は、第1移動部92を制御して、遮断部10D(空間形成部91)の上下方向の位置を変化させる。詳しくは、第1移動部92は、支持アーム921と、基台922と、移動機構923とを有する。第1移動部92の構成は、
図2を参照して説明したリング移動部8と略同様であるため、その説明は割愛する。
【0321】
第2移動部194は、例えば、処理室200aの外部に配置される。第2移動部194は、遮断部10A(空間形成部91)が下位置に位置するとき、吐出ノズル47aを上下方向に移動させる。この結果、基板Wの上方においてトッププレート19が上下方向に移動する。
【0322】
具体的には、第2移動部194は、制御装置101(制御部102)によって制御されて、トッププレート19を昇降させる。制御装置101(制御部102)は、第2移動部194を制御して、トッププレート19の側壁部192の上下方向の位置を変化させる。詳しくは、第2移動部194は、遮断部10A(空間形成部91)が下位置に位置するとき、トッププレート19の側壁部192がパドル位置P2、退避位置P3、及び洗浄位置P4の間で移動するようにトッププレート19を昇降させる。例えば、第2移動部194は、第1移動部92と同様に、支持アームと、基台と、移動機構とを含んでもよい。
【0323】
また、制御装置101(制御部102)は、遮断部10A(空間形成部91)が上位置に位置するとき、第2移動部194を制御して、トッププレート19の側壁部192を待機位置P1に位置させる。
【0324】
以上、
図32を参照して本発明の実施形態6を説明した。実施形態6によれば、実施形態1~5と同様に、処理液の消費量を低減することができる。更に、実施形態6によれば、基板Wの周囲に略密閉された空間を形成した状態を保ちつつ、トッププレート19の側壁部112の位置をパドル位置P2、退避位置P3、及び洗浄位置P4の間で変化させることができる。したがって、処理室200a内にヒュームが拡散し難い。
【0325】
以上、図面(
図1~
図32)を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0326】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0327】
例えば、
図1~
図32を参照して説明した実施形態では、パドル処理時に基板Wの回転を停止させたが、パドル処理時に、基板Wの外部へ処理液が排出されない回転速度で基板Wを回転させてもよい。例えば、パドル処理時に、基板Wを10rpmで回転させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0328】
本発明は、基板を処理する装置に有用である。
【符号の説明】
【0329】
2 :基板保持部
3 :基板回転部
4 :処理液供給部
5 :ノズル移動部
5A :第1ノズル移動部
5B :第2ノズル移動部
5C :第3ノズル移動部
5D :第4ノズル移動部
6 :カップ部
6a :上端
8 :リング移動部
9 :乾燥部
10A :遮断部
10B :遮断部
10D :遮断部
11 :トッププレート
16 :移動部
17 :トッププレート
18 :移動部
19 :トッププレート
21 :把持部材
23 :支持部材
41 :第1処理液供給部
41a :吐出ノズル
42 :第2処理液供給部
42a :リンスノズル
42b :第2挿入ノズル
43 :第3処理液供給部
43a :吐出ノズル
43b :第1挿入ノズル
44 :第4処理液供給部
44a :シャワーノズル
44c :シャワー吐出口
44d :第4挿入ノズル
45 :第5処理液供給部
45a :薬液吐出ノズル
46 :第6処理液供給部
47 :第7処理液供給部
47a :吐出ノズル
71 :リング部材
71a :内周面
71b :下面
71c :上面
71d :外周面
91 :空間形成部
92 :第1移動部
100 :基板処理装置
101 :制御装置
102 :制御部
111 :天蓋部
112 :側壁部
112a :内周面
112b :下面
171 :天蓋部
172 :側壁部
173 :ノズル挿入穴
173a :第1ノズル挿入穴
173b :第2ノズル挿入穴
191 :天蓋部
192 :側壁部
194 :第2移動部
200 :基板処理部
201 :排気部
201A :第1排気部
201B :第2排気部
215 :第3挿入ノズル
LM1 :液膜
LM2 :液膜
LM3 :液膜
LM4 :液膜
P1 :待機位置
P2 :パドル位置
P3 :退避位置
P4 :洗浄位置
W :基板