(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171041
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】無線通信装置、無線通信方法、無線通信プログラム及び無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 64/00 20090101AFI20241204BHJP
G01S 5/08 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
H04W64/00 130
H04W64/00 140
G01S5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087897
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】524066085
【氏名又は名称】FCNT合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古瀬 陽太
(72)【発明者】
【氏名】吉川 学
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062BB01
5J062CC14
5K067JJ52
5K067KK02
(57)【要約】
【課題】UWBタグを使用しなくとも高精度に無線装置の位置を測定する。
【解決手段】本無線通信装置は、所定の位置に配置された第1の無線装置の位置を記憶する記憶部と、第1の無線装置からの第1の無線信号に対する第1の応答信号を送信する応答部と、第1の応答信号の第1の無線装置への第1の到来角度を第1の無線装置から取得する第1の取得部と、第2の無線信号を送信するとともに、第2の無線信号を受信した第2の無線装置からの第2の応答信号を受信し、第2の無線信号及び第2の応答信号を基に、第2の無線装置までの距離と第2の無線装置との相対角度とを測定する探索部と、第2の無線装置が送信した第3の無線信号の第1の無線装置への第2の到来角度を第1の無線装置から取得する第2の取得部と、第1の無線装置の位置、第1の到来角度、距離、相対角度及び第2の到来角度を基に、第2の無線装置の位置を測定する測定部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の位置に配置された第1の無線装置の位置を記憶する記憶部と、
前記第1の無線装置からの第1の無線信号に対する第1の応答信号を送信する応答部と、
前記第1の応答信号の前記第1の無線装置への第1の到来角度を前記第1の無線装置から取得する第1の取得部と、
第2の無線信号を送信するとともに、前記第2の無線信号受信した第2の無線装置からの第2の応答信号を受信し、前記第2の無線信号及び前記第2の応答信号を基に、前記第2の無線装置までの距離と前記第2の無線装置との相対角度とを測定する探索部と、
前記第2の無線装置が送信した第3の無線信号の前記第1の無線装置への第2の到来角度を前記第1の無線装置から取得する第2の取得部と、
前記第1の無線装置の前記位置、前記第1の到来角度、前記距離、前記相対角度及び前記第2の到来角度を基に、前記第2の無線装置の位置を測定する測定部と、を備える、
無線通信装置。
【請求項2】
前記探索部は、前記第2の無線信号を送信してから前記第2の応答信号を受信するまでの経過時間を基に前記距離を測定する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記無線通信装置は、所定の領域内を移動する第1の移動装置に取り付けられ、
前記第2の無線装置は、前記所定の領域内を移動する第2の移動装置に取り付けられる、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記第1の無線装置は、前記第1の無線信号をミリ波帯の電波によって送信し、
前記応答部は、前記第1の応答信号をミリ波帯の電波によって送信し、
前記探索部は、前記第2の無線信号をUWBの電波によって送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
所定の位置に配置された第1の無線装置からの第1の無線信号に対する第1の応答信号を送信する応答処理と、
前記第1の応答信号の前記第1の無線装置への第1の到来角度を前記第1の無線装置から取得する第1の取得処理と、
第2の無線信号を送信するとともに、前記第2の無線信号を受信した第2の無線装置からの第2の応答信号を受信し、前記第2の無線信号及び前記第2の応答信号を基に、前記第2の無線装置までの距離と前記第2の無線装置との相対角度とを測定する探索処理と、
前記第2の無線装置が送信した第3の無線信号の前記第1の無線装置への第2の到来角度を前記第1の無線装置から取得する第2の取得処理と、
記憶部に記憶された前記第1の無線装置の位置、前記第1の到来角度、前記距離、前記相対角度及び前記第2の到来角度を基に、前記第2の無線装置の位置を測定する測定処理と、をコンピュータが実行する、
無線通信方法。
【請求項6】
所定の位置に配置された第1の無線装置からの第1の無線信号に対する第1の応答信号を送信する応答処理と、
前記第1の応答信号の前記第1の無線装置への第1の到来角度を前記第1の無線装置から取得する第1の取得処理と、
第2の無線信号を送信するとともに、前記第2の無線信号を受信した第2の無線装置からの第2の応答信号を受信し、前記第2の無線信号及び前記第2の応答信号を基に、前記
第2の無線装置までの距離と前記第2の無線装置との相対角度とを測定する探索処理と、
前記第2の無線装置が送信した第3の無線信号の前記第1の無線装置への第2の到来角度を前記第1の無線装置から取得する第2の取得処理と、
記憶部に記憶された前記第1の無線装置の位置、前記第1の到来角度、前記距離、前記相対角度及び前記第2の到来角度を基に、前記第2の無線装置の位置を測定する測定処理と、をコンピュータに実行させる、
無線通信プログラム。
【請求項7】
第1の無線装置と、第2の無線装置と、第3の無線装置及び無線通信装置を備える無線通信システムであって、
前記第1の無線装置は、
所定の位置に配置されており、
第1の無線信号を送信するとともに、前記第1の無線信号に対する応答信号を受信すると、前記応答信号の到来角度を測定する第1の測定部と、
第1の問い合わせ信号に応じて、前記応答信号の前記到来角度を前記第1の問い合わせ信号の送信元装置に通知する第1の通知部と、
通知された前記第2の無線装置から前記第3の無線装置までの第1の距離と、前記第2の無線装置と前記第3の無線装置との第1の相対角度とを受信し、第2の問い合わせ信号を受信すると前記第2の問い合わせ信号の送信元装置に前記第1の距離と前記第1の相対角度を通知する第2の通知部と、を有し、
前記第2の無線装置は、
前記第1の無線装置からの前記第1の無線信号に対する第1の応答信号を送信する第1の応答部と、
第2の無線信号を送信するとともに、前記第2の無線信号を受信した前記第3の無線装置からの第2の応答信号を受信し、前記第2の無線信号及び前記第2の応答信号を基に、前記第1の距離と前記第1の相対角度とを測定する第1の探索部と、
前記第1の距離と前記第1の相対角度とを前記第1の無線装置に通知する第3の通知部と、を有し、
前記無線通信装置は、
前記第1の無線装置の位置を記憶する記憶部と、
前記第1の無線装置からの前記第1の無線信号に対する第3の応答信号を送信する第2の応答部と、
前記第1の問い合わせ信号を送信して、前記無線通信装置が送信した前記第3の応答信号の前記第1の無線装置への第1の到来角度を前記第1の無線装置から取得する第1の取得部と、
前記第1の問い合わせ信号を送信して、前記第2の無線装置が送信した前記第1の応答信号の前記第1の無線装置への第2の到来角度を前記第1の無線装置から取得する第2の取得部と、
第3の無線信号を送信するとともに、前記第3の無線信号を受信した前記第3の無線装置からの第4の応答信号を受信し、前記第3の無線信号及び前記第4の応答信号を基に、前記第3の無線装置までの第2の距離と前記第3の無線装置との第2の相対角度とを測定する第2の探索部と、
前記第2の問い合わせ信号を送信して、前記第1の距離と前記第1の相対角度とを前記第1の無線装置から取得する第3の取得部と、
前記第1の距離、前記第2の距離、前記第1の相対角度、前記第2の相対角度、前記第1の到来角度及び前記第2の到来角度を用いて、前記第2の無線装置の位置を測定する第2の測定部と、を有する、
無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信方法、無線通信プログラム及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信によって無線通信端末の位置を測定することが行われている。このような位置の測定では、例えば、電波の受信品質や受信強度が利用される(例えば、特許文献1-3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-136180号公報
【特許文献2】特開2003-274441号公報
【特許文献3】特開平10-260243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Global Positioning System(GPS)の使用できない環境において高精度に無線通信端末の位置を測定する場合、所望のエリア内に複数のUltra Wide Band(UWB)タグを配置することが考えられる。しかしながら、配置したUWBタグの電池交換を含む維持管理の手間が生じるとともに、UWBタグの設置が認められない場合も考えられる。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、UWBタグを使用しなくとも高精度に無線装置の位置を測定できる無線通信装置、無線通信方法、無線通信プログラム及び無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のような無線通信装置によって例示される。本無線通信装置は、所定の位置に配置された第1の無線装置の位置を記憶する記憶部と、上記第1の無線装置からの第1の無線信号に対する第1の応答信号を送信する応答部と、上記第1の応答信号の上記第1の無線装置への第1の到来角度を上記第1の無線装置から取得する第1の取得部と、第2の無線信号を送信するとともに、上記第2の無線信号を受信した第2の無線装置からの第2の応答信号を受信し、上記第2の無線信号及び上記第2の応答信号を基に、上記第2の無線装置までの距離と上記第2の無線装置との相対角度とを測定する探索部と、上記第2の無線装置が送信した第3の無線信号の上記第1の無線装置への第2の到来角度を上記第1の無線装置から取得する第2の取得部と、上記第1の無線装置の上記位置、上記第1の到来角度、上記距離、上記相対角度及び上記第2の到来角度を基に、上記第2の無線装置の位置を測定する測定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、UWBタグを使用しなくとも高精度に無線装置の位置を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る無線通信システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る無線通信端末のハードウェア構成の一例を示す第1の図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る無線通信端末のハードウェア構成の一例を示す第2の図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る基地局の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る無線通信端末の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る無線通信端末の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態における測定部による無線通信端末の位置測定を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る基地局の処理フローの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る無線通信端末の処理フローの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る無線通信システムにおける情報のやり取りを模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、第1変形例に係る無線通信システムの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第1変形例に係る無線通信端末の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第1変形例に係る無線通信端末の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第1変形例における測定部による無線通信端末の位置測定を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る無線通信システム100の一例を示す図である。無線通信システム100は、工場500内で使用されるシステムである。無線通信システム100は、基地局1、無線通信端末2、3及びロボット4、5を備える。
【0010】
基地局1は、工場500内の所定の位置に設置される基地局である。基地局1は、例えば、工場500内で運用されるローカル5Gで使用される基地局である。基地局1は、無線通信端末2及び無線通信端末3とミリ波帯の電波を使用した無線通信を行う。基地局1は、例えば、工場500内を通信範囲としてカバーする。基地局1は、「第1の無線装置」の一例である。
【0011】
無線通信端末2は、ロボット4に設けられる端末である。無線通信端末2は、基地局1とミリ波帯の電波を使用した無線通信を行う。また、無線通信端末2は、無線通信端末3とミリ波帯の電波及びUWBの電波を使用した無線通信を行う。無線通信端末3は、ロボット5に設けられる端末である。無線通信端末3は、基地局1とミリ波帯の電波を使用した無線通信を行う。また、無線通信端末3は、無線通信端末2とミリ波帯の電波及びUWBの電波を使用した無線通信を行う。無線通信端末2、3は、UWBの電波を利用して互いの相対的な位置を測定する。無線通信端末2は、「無線通信装置」の一例である。無線通信端末3は、「第2の無線装置」の一例である。
【0012】
ロボット4、5は、工場500内で所定の作業を実行するロボットである。ロボット4、5は、例えば、車輪を備えており、当該車輪を駆動して工場500内を移動する。ロボット4、5は、無線通信端末2、3から互いの位置を取得することで互いの衝突等を回避して、工場500内を移動する。ロボット4、5は、「第1の移動装置」、「第2の移動
装置」の一例である。工場500は、「所定の領域」の一例である。
【0013】
<基地局1のハードウェア構成>
図2は、実施形態に係る基地局1のハードウェア構成の一例を示す図である。基地局1は、Central Processing Unit(CPU)101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104、アンテナ111、接続バスB1及び接続バスB2備える。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103及び通信部104は、接続バスB1によって相互に接続される。通信部104及びアンテナ111は、接続バスB2によって相互に接続される。
【0014】
CPU101は、マイクロプロセッサーユニット(MPU)、プロセッサーとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサーに限定される訳ではなく、マルチプロセッサー構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU101がマルチコア構成を有していてもよい。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサー、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサー、ベクトルプロセッサー、画像処理プロセッサー等の専用プロセッサーで行われてもよい。また、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU101の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。CPU101は、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラーユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。基地局1では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、基地局1は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102及び補助記憶部103は、基地局1が読み取り可能な記録媒体である。
【0015】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0016】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。
【0017】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。また、補助記憶部103は、例えば、Compact Disc(CD)ドライブ装置、Digital Versatile Disc(DVD)ドライブ装置、Blu-ray(登録商標) Disc(BD)ドライブ装置等である。
【0018】
アンテナ111は、ミリ波帯の電波の送受信に用いられる。通信部104は、アンテナ111を介して無線信号の送受信を行う。通信部104は、変調回路及び復調回路を含む
。通信部104は、例えば、アンテナ111を介してミリ波による無線信号の送受信を行う。通信部104は、アンテナ111を介して送信する無線信号の主放射方向を切り替えることができる。切り替えられる主放射方向の夫々は、ビームIDによって特定される。換言すれば、通信部104は、ビームIDが設定されると、設定されたビームIDの方向に主放射方向を向けた無線信号を送信できる。
【0019】
<無線通信端末2のハードウェア構成>
図3は、実施形態に係る無線通信端末2のハードウェア構成の一例を示す図である。無線通信端末2は、CPU201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204、アンテナ211、接続バスB3及び接続バスB4を備える。無線通信端末2は、CPU201、主記憶部202、補助記憶部203、接続バスB3及び接続バスB4は、基地局1のCPU101、主記憶部102、補助記憶部103、接続バスB1及び接続バスB2と同様であるため、その説明を省略する。
【0020】
アンテナ211は、ミリ波帯の電波の送受信に用いられるアンテナとUWBの電波の送受信に用いられるアンテナを含む。通信部204は、アンテナ211を介して無線信号の送受信を行う。通信部204は、変調回路及び復調回路を含む。通信部204は、例えば、アンテナ211を介してミリ波及びUWBによる無線信号の送受信を行う。通信部204は、アンテナ211を介して送信する無線信号の主放射方向を切り替えることができる。切り替えられる主放射方向の夫々は、ビームIDによって特定される。換言すれば、通信部204は、ビームIDが設定されると、設定されたビームIDの方向に主放射方向を向けた無線信号を送信できる。
【0021】
<無線通信端末3のハードウェア構成>
図4は、実施形態に係る無線通信端末3のハードウェア構成の一例を示す図である。無線通信端末3は、CPU301、主記憶部302、補助記憶部303、通信部304、アンテナ311、接続バスB5及び接続バスB6を備える。CPU301、主記憶部302、補助記憶部303、接続バスB5及び接続バスB6は、基地局1のCPU101、主記憶部102、補助記憶部103、接続バスB1及び接続バスB2と同様であるため、その説明を省略する。通信部304は、無線通信端末2の通信部204と同様であるため、その説明を省略する。アンテナ311は、無線通信端末2のアンテナ211と同様であるため、その説明を省略する。
【0022】
<基地局1の処理ブロック>
図5は、実施形態に係る基地局1の処理ブロックの一例を示す図である。基地局1は、サーチ部11、測定部12及び通知部13を備える。基地局1は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記基地局1の、サーチ部11、測定部12及び通知部13等の各部としての処理を実行する。
【0023】
サーチ部11は、基地局1の周囲に存在する無線通信端末をサーチするサーチ信号を無線送信する。サーチ信号は、例えば、特定の方向に送信されるのではなく、基地局1の周囲の全方向に対して送信される。
【0024】
測定部12は、サーチ部11によって送信されたサーチ信号に対する無線通信端末2、3からの応答信号を受信すると、受信した応答信号の到来角度を測定する。
【0025】
通知部13は、無線通信端末2、3からの角度問い合わせ信号に対して、測定部12によって測定された応答信号の到来角度を通知する。通知部13は、例えば、無線通信端末2から、無線通信端末2によって送信された応答信号の到来角度を問い合わせる角度問い合わせ信号を受信すると、無線通信端末2からの応答信号の到来角度(以下、「第1の到
来角度」とも称する)を無線通信端末2に通知する。通知部13は、また、無線通信端末2から、無線通信端末3によって送信された応答信号の到来角度を問い合わせる角度問い合わせ信号を受信すると、無線通信端末3からの応答信号の到来角度(以下、「第2の到来角度」とも称する)を無線通信端末2に通知する。通知部13は、無線通信端末3からの問い合わせに対しても同様に通知を行う。通知部13による通知には、例えば、報知情報や到来角度の通知用に規定されたプロトコルメッセージを採用できる。
【0026】
<無線通信端末2の処理ブロック>
図6は、実施形態に係る無線通信端末2の処理ブロックの一例を示す図である。無線通信端末2は、応答部21、第1取得部22、探索部23、第2取得部24、測定部25、記憶部26、第3取得部27及び通知部28備える。無線通信端末2は、主記憶部202に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU201が実行することで、上記無線通信端末2の、応答部21、第1取得部22、探索部23、第2取得部24、測定部25及び記憶部26等の各部としての処理を実行する。
【0027】
記憶部26は、基地局1の位置が記憶される。基地局1の位置は、例えば、工場500内において仮想的に設定されるXYZ座標空間における座標として表される。記憶部26は、例えば、補助記憶部203上に構築される。記憶部26は、「記憶部」の一例である。
【0028】
応答部21は、基地局1からのサーチ信号をアンテナ211を用いて受信すると、サーチ信号の到来角度を測定する。応答部21は、応答信号の到来角度に向くように、通信部204に送信させる無線信号のビームIDを設定する。応答部21は、設定したビームIDの方向に、当該サーチ信号に応答して応答信号を無線送信する。応答部21は、「応答部」の一例である。
【0029】
第1取得部22は、応答部21によって送信された応答信号の基地局1に対する第1の到来角度を基地局1から取得する。第1取得部22は、例えば、第1の到来角度を問い合わせる角度問い合わせ信号を無線送信する。角度問い合わせを受信した基地局1は、第1の到来角度を含む角度回答信号を送信する。応答部21は、基地局1から角度回答信号を受信すると、受信した角度回答信号から第1の到来角度を取得する。第1取得部22は、「第1の取得部」の一例である。
【0030】
探索部23は、無線通信端末2の周囲に探索信号を送信する。探索部23は、無線通信端末3からの探索信号に対する探索応答信号を受信し、探索信号及び探索応答信号を基に、無線通信端末2から無線通信端末3までの端末間距離と無線通信端末2から無線通信端末3との端末間相対角度とを測定する。また、探索部23は、無線通信端末3から探索信号を受信すると、受信した探索信号に対する探索応答信号を送信する。探索応答信号には、例えば、当該探索応答信号を送信した送信元装置を示す情報が含まれてもよい。
【0031】
探索部23は、例えば、探索信号としてパルス信号を送信する。パルス信号を受信した無線通信端末3は受信した探索信号に対する探索応答信号を送信し、探索応答信号は探索部23によって受信される。探索部23は、パルス信号を送信した時刻から探索応答信号を受信した時刻までの経過時間に光速を乗算することで、無線通信端末2から無線通信端末3までの端末間距離を測定する。また、探索部23は、探索応答信号の到来角度を基に、基地局1から無線通信端末3への端末間相対角度を測定する。探索部23は、「探索部」の一例である。
【0032】
第2取得部24は、無線通信端末3から基地局1に送信された応答信号の第2の到来角度を基地局1から取得する。第2取得部24は、例えば、第2の到来角度を問い合わせす
る他端末問い合わせ信号を無線送信する。他端末問い合わせ信号を受信した基地局1は、第2の到来角度を含む他端末回答信号を送信する。第2取得部24は、他端末回答信号を受信すると、受信した他端末回答信号から第2の到来角度を取得する。第2取得部24は、「第2の取得部」の一例である。
【0033】
測定部25は、第1の到来角度、第2の到来角度、端末間距離、端末間相対角度及び記憶部26に記憶された基地局1の位置を基に、無線通信端末3の位置を測定する。無線通信端末3の位置は、例えば、工場500内において仮想的に設定されたXYZ座標空間における座標として表される。測定部25による無線通信端末3の位置の測定の詳細については後述する。測定部25は、「測定部」の一例である。
【0034】
<無線通信端末3の処理ブロック>
図7は、実施形態に係る無線通信端末3の処理ブロックの一例を示す図である。無線通信端末3は、応答部31、第1取得部32、探索部33、第2取得部34、測定部35及び記憶部36を備える。無線通信端末3は、主記憶部302に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU301が実行することで、上記無線通信端末3の、応答部31、第1取得部32、探索部33、第2取得部34、測定部35及び記憶部36等の各部としての処理を実行する。応答部31、第1取得部32、探索部33、第2取得部34、測定部35及び記憶部36は、無線通信端末2の応答部21、第1取得部22、探索部23、第2取得部24、測定部25及び記憶部26と同様であるため、その説明を省略する。
【0035】
<無線通信端末2、3の位置の測定方法>
無線通信端末2、3の位置の測定方法について、図面を参照して説明する。
図8は、実施形態における測定部25による無線通信端末3の位置測定を模式的に示す図である。
図8において、法線H1は基地局1の筐体表面の法線を例示し、法線H2は無線通信端末2の筐体表面の法線を例示し、法線H3は無線通信端末3の筐体表面の法線を例示する。
【0036】
角度θ1は第1の到来角度を例示し、角度θ2は第2の到来角度を例示する。ビームBM1は第1の到来角度を基に設定された基地局1から無線通信端末2に向けたビームIDの方向を例示し、ビームBM2は第2の到来角度を基に設定された基地局1から無線通信端末2に向けたビームIDの方向を例示する。
【0037】
角度θM1は応答部21によって測定されるサーチ信号の到来角度を例示し、角度θM2は第1取得部22によって測定されるサーチ信号の到来角度を例示する。線分Lは、無線通信端末2と無線通信端末3との間の距離を例示する。角度φU1は法線H2と線分Lとの角度を例示し、角度φU2は法線H3と線分Lとの角度を例示する。
【0038】
第1取得部22は、基地局1から第1の到来角度である角度θ1を取得する。無線通信端末2は、角度θ1によって、基地局1からビームBM1の方向に無線通信端末2が位置することを把握できる。また、第2取得部24は、基地局1から第2の到来角度である角度θ2を取得する。無線通信端末2は、角度θ2によって、基地局1からビームBM2の方向に無線通信端末3が位置することを把握できる。また、探索部23は、送信したパルス信号と、パルス信号を受信した無線通信端末3によって送信された探索応答信号とを基に、無線通信端末2と無線通信端末3との距離(線分Lの長さ、以下、「端末間距離L」とも称する)と、無線通信端末2と無線通信端末3との端末間相対角度である角度φU1を測定する。
【0039】
基地局1からビームBM1の方向に無線通信端末2が存在し、基地局1からビームBM2の方向に無線通信端末3が存在し、線分Lの長さ及び端末間相対角度であるφU1が決
定されることで、基地局1、無線通信端末2及び無線通信端末3を結ぶ三角形が一意に決定される。測定部25は、第1の到来角度である角度θ1、第2の到来角度である角度θ2、無線通信端末2と無線通信端末3との距離、無線通信端末2と無線通信端末3との端末間相対角度である角度φU1及び記憶部26に記憶された基地局1の位置用いて、幾何的に無線通信端末3の位置を測定できる。なお、無線通信端末3が無線通信端末2の位置を測定する場合も同様である。
【0040】
<基地局1の処理フロー>
図9は、実施形態に係る基地局1の処理フローの一例を示す図である。以下、
図9を参照して、基地局1の処理フローの一例について説明する。
【0041】
T1では、サーチ部11は、サーチ信号を送信する。T2では、測定部12は、無線通信端末2、3からの応答信号を受信すると、受信した応答信号の到来角度を測定する。T3では、T2で測定した到来角度に対応する方向のビームIDを通信部104に設定する。
図8の例では、無線通信端末2と通信する際はビームB
M1の方向にビームIDが設定され、無線通信端末3と通信する際はビームB
M2の方向にビームIDが設定される。T4では、通知部13は、無線通信端末2、3から角度問い合わせ信号を受信すると、T2で測定した到来角度を無線通信端末2、3に通知する。
【0042】
<無線通信端末2、3の処理フロー>
図10は、実施形態に係る無線通信端末2、3の処理フローの一例を示す図である。
図10では無線通信端末2の処理として説明されるが、無線通信端末3の処理も同様である。以下、
図10を参照して、無線通信端末2、3の処理フローの一例について説明する。
【0043】
T11では、応答部21は、基地局1からのサーチ信号を受信すると、受信したサーチ信号に応答して応答信号を送信する。また、応答部21は、受信したサーチ信号の到来角度を測定する。T12では、応答部21は、T11で測定した到来角度に対応する方向のビームIDを通信部204に設定する。
【0044】
T13では、第1取得部22は、T11で送信された応答信号の基地局1に対する第1の到来角度を取得する。T14では、探索部23は、無線通信端末2の周囲に探索信号を送信し、探索信号を受信した無線通信端末3によって送信された探索応答信号を受信する。探索部23は、探索信号及び探索応答信号を基に、無線通信端末2から無線通信端末3までの端末間距離と無線通信端末2から無線通信端末3との端末間相対角度とを測定する。
【0045】
T14では、第2取得部24は、無線通信端末3から基地局1に送信された応答信号の第2の到来角度を基地局1から取得する。T15では、測定部25は、第1の到来角度、第2の到来角度、端末間距離、端末間相対角度及び記憶部26に記憶された基地局1の位置を基に、無線通信端末3の位置を測定する。
【0046】
T1からT15の処理が繰り返し実行されることで、無線通信端末2及び無線通信端末3が工場500内を移動しても、無線通信端末2は移動後の無線通信端末3の位置を測定でき、また、無線通信端末3は移動後の無線通信端末2の位置を測定できる。
【0047】
図11は、実施形態に係る無線通信システム100における情報のやり取りを模式的に示す図である。T21では、測定部12によって測定された第1の到来角度θ
1が基地局1から無線通信端末2に通知される。T22では、測定部12によって測定された第2の到来角度θ
2が基地局1から無線通信端末3に通知される。
【0048】
T23では、無線通信端末2は、応答部21によって測定されたサーチ信号の到来角度θM1を基地局1に通知する。T24では、基地局1は、無線通信端末3からの角度問い合わせ信号に応じて、第1の到来角度θ1及び無線通信端末2から受信したサーチ信号の到来角度θM1を無線通信端末2に通知する。
【0049】
T25では、無線通信端末3は、応答部31によって測定されたサーチ信号の到来角度θM2を基地局1に通知する。T26では、基地局1は、無線通信端末2からの角度問い合わせ信号に応じて、第2の到来角度θ2及び無線通信端末3から受信したサーチ信号の到来角度θM2を基地局1に通知する。
【0050】
T27では、無線通信端末2は、探索部23によって測定された無線通信端末2と無線通信端末3との端末間距離Lと、端末間相対角度φU1を基地局1に通知する。T28では、基地局1は、無線通信端末2から受信した端末間距離Lと、端末間相対角度φU1を無線通信端末3に通知する。
【0051】
T29では、無線通信端末3は、探索部33によって測定された無線通信端末2と無線通信端末3との端末間距離Lと、端末間相対角度φU2を基地局1に通知する。T30では、基地局1は、無線通信端末3から受信した端末間距離Lと、端末間相対角度φU2を無線通信端末2に通知する。
【0052】
<実施形態の作用効果>
無線通信端末2が無線通信端末3の位置を測定する方法として受信電力を用いることも考えられるが、受信電力は周囲の環境によって変動するため、測定精度が低くなる。また、UWBによる通信が可能なタグを工場500内に複数配置し、当該タグを用いて位置を測定することも考えられるが、タグのメンテナンスの工数が発生する上に、タグの配置が許可されない場合もある。
【0053】
本実施形態では、タグを用いることなく、基地局1、無線通信端末2及び無線通信端末3というシンプルな構成で高精度の位置測定が実現できる。そのため、工場500内における無線通信端末2、3の位置測定におけるタグの設置、維持等の工数を削減できる。なお、本実施形態による位置の測定精度は±1m以下であった。
【0054】
<第1変形例>
以上説明した実施形態では、無線通信端末2と無線通信端末3との間に障害物が存在しない場合について説明された。しかしながら、工場500内では他のロボットや機材等が障害物として無線通信端末2と無線通信端末3との間に存在する場合も考えられる。そこで、第1変形例では、無線通信端末2と無線通信端末3との間に障害物が存在する場合における位置の測定について説明する。実施形態と共通の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略される。以下、図面を参照して、第1変形例について説明する。
【0055】
図12は、第1変形例に係る無線通信システム100Aの一例を示す図である。無線通信システム100Aは、無線通信端末2Aと無線通信端末3Aとの間に障害物501が配置される。また、第1変形例に係る無線通信システム100Aは、工場500内に配置されたアンカー端末6を備える。障害物501は、無線通信端末2Aと無線通信端末3Aとの間の無線通信を遮る物体である。障害物501は、例えば、工場500内に配置された壁、柱、機材、ロボット4、5とは異なるロボット等である。
【0056】
アンカー端末6は、UWBによる無線通信を行う無線通信端末である。アンカー端末6は、例えば、無線通信端末2、3と同様のハードウェア構成を備える情報処理装置でもある。アンカー端末6は、無線通信端末2A、3Aからの探索信号を受信すると、探索応答
信号を送信する。探索応答信号には、例えば、アンカー端末6を示す情報が含まれてもよい。
【0057】
図13は、第1変形例に係る無線通信端末2Aの処理ブロックの一例を示す図である。無線通信端末2Aは、応答部21、第1取得部22、探索部23A、第2取得部24、測定部25A及び記憶部26Aを備える。
【0058】
探索部23Aは、無線通信端末2Aの周囲に探索信号を送信する。探索部23Aは、探索信号を受信したアンカー端末6によって送信された探索応答信号を受信し、探索信号及び探索応答信号を基に、無線通信端末2Aからアンカー端末6までのアンカー距離及び無線通信端末2Aとアンカー端末6との相対角度を測定する。
【0059】
測定部25Aは、第1の到来角度、第2の到来角度、無線通信端末2Aからアンカー端末6までのアンカー距離、無線通信端末2Aとアンカー端末6との相対角度、無線通信端末3Aからアンカー端末6までのアンカー距離、無線通信端末3Aとアンカー端末6との相対角度及び記憶部26に記憶された基地局1の位置を基に、無線通信端末3Aの位置を測定する。測定部25Aによる無線通信端末3Aの位置の測定の詳細については後述する。
【0060】
第3取得部27は、探索部33Aによって測定された無線通信端末3Aからアンカー端末6までのアンカー距離及び無線通信端末3Aとアンカー端末6との相対角度を基地局1から取得する。第3取得部27は、例えば、無線通信端末3Aからアンカー端末6までのアンカー距離及び無線通信端末3Aとアンカー端末6との相対角度を問い合わせるアンカー問い合わせ信号を基地局1に送信し、その応答として、無線通信端末3Aからアンカー端末6までのアンカー距離及び無線通信端末3Aとアンカー端末6との相対角度を基地局1から取得する。
【0061】
通知部28は、探索部23Aによって測定された無線通信端末2Aからアンカー端末6までのアンカー距離及び無線通信端末2Aとアンカー端末6との相対角度を基地局1に送信する。
【0062】
図14は、第1変形例に係る無線通信端末3Aの処理ブロックの一例を示す図である。無線通信端末3Aは、応答部31、第1取得部32、探索部33A、第2取得部34、測定部35A、記憶部36、第3取得部37及び通知部38を備える。応答部31、第1取得部32、探索部33A、第2取得部34、測定部35A、記憶部36、第3取得部37及び通知部38、無線通信端末2Aの応答部21、第1取得部22、探索部23A、第2取得部24、測定部25A、記憶部26、第3取得部27及び通知部28と同様であるため、その説明を省略する。
【0063】
<無線通信端末2A、3Aの位置の測定方法>
無線通信端末2A、3Aの位置の測定方法について、図面を参照して説明する。
図15は、第1変形例における測定部25Aによる無線通信端末3Aの位置測定を模式的に示す図である。
図15において、線分L1は無線通信端末2Aとアンカー端末6とを結ぶ線分である。線分L1の長さは無線通信端末2Aとアンカー端末6との距離に相当し、探索部23Aによって測定される。線分L2は無線通信端末3Aとアンカー端末6とを結ぶ線分である。線分L2の長さは無線通信端末3Aとアンカー端末6との距離に相当し、探索部33Aによって測定される。直線BM
11は、アンカー端末6を通るようにビームBM
1を平行移動した直線である。直線BM
12は、アンカー端末6を通るようにビームBM
2を平行移動した直線である。
【0064】
角度θ3は、線分L1と線分L2とがなす角である。角度θ4は、線分L2と線分L3とがなす角である。角度θ5は、線分L1と線分L3とがなす角である。角度θ6は、線分L3とビームBM2とがなす角である。角度θ7は、線分L3とビームBM1とがなす角である。角度φU11は、線分L1と法線H2とがなす角である。角度φU11は無線通信端末2Aとアンカー端末6との相対角度であり、探索部23Aによって測定される。角度φU12は、線分L2と法線H3とがなす角である。φU12は無線通信端末3Aとアンカー端末6との相対角度であり、探索部33Aによって測定される。基地局1から無線通信端末2Aまでの距離をXとし、基地局1から無線通信端末3Aまでの距離をYとする。
【0065】
ビームB
M1とビームB
M11とが平行であり、ビームB
M2とビームB
M12とが平行であることから、角度θ3は、以下の式(1)で表すことができる。
【数1】
【0066】
L1、L2、L3の三辺がなす三角形において、余弦定理により以下の式(2)、(3)、(4)が成立する。
【数2】
【0067】
また、L1、L2、L3の三辺がなす三角形において、正弦定理により以下の式(5)、(6)、(7)が成立する。
【数3】
【0068】
さらに、θ
6及びθ
7は、以下の式(8)、(9)として表すことができる。
【数4】
【0069】
そのため、θ
6及びθ
7について、以下の式(10)、(11)が成り立つ。
【数5】
【0070】
X、Y、L3の三辺がなす三角形において、正弦定理より以下の式(12)が成り立つ。
【数6】
【0071】
式(10)、(11)、(12)より、X、Yは以下の式(13)、(14)によって表すことができる。
【数7】
【0072】
基地局1の位置は記憶部26、36に記憶されており、無線通信端末2AはビームBM1上に位置し、無線通信端末3AはビームBM2上に位置することから、上記式(13)、(14)によって決定されるX、Yを用いることで、無線通信端末2、3の位置を測定できる。
【0073】
第1変形例によれば、無線通信端末2Aと無線通信端末3Aとの間に障害物501が存在する場合であっても、アンカー端末6を配置することで、無線通信端末2Aは無線通信端末3Aの位置を測定でき、また、無線通信端末3Aは無線通信端末2Aの位置を測定できる。
【0074】
<その他の変形>
以上説明した実施形態及び第1変形例では、基地局1は基地局であったが、基地局1は基地局でなくともよい。基地局1は、位置が固定された無線装置であってもよい。
【0075】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0076】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0077】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリ、外付け型のハードディスクドライブやSolid State Drive(SSD)等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体として内蔵型のハードディスクドライブ、SSDやROM等がある。
【符号の説明】
【0078】
1・・基地局
2・・無線通信端末
2A・・無線通信端末
3・・無線通信端末
3A・・無線通信端末
4・・ロボット
5・・ロボット
6・・アンカー端末
11・・サーチ部
12・・測定部
13・・通知部
21・・応答部
22・・第1取得部
23・・探索部
23A・・探索部
24・・第2取得部
25・・測定部
25A・・測定部
26・・記憶部
26A・・記憶部
27・・第3取得部
28・・通知部
31・・応答部
32・・第1取得部
33・・探索部
34・・第2取得部
35・・測定部
36・・記憶部
37・・第3取得部
38・・通知部
100・・無線通信システム
100A・・無線通信システム
101・・CPU
102・・主記憶部
103・・補助記憶部
104・・通信部
111・・アンテナ
201・・CPU
202・・主記憶部
203・・補助記憶部
204・・通信部
211・・アンテナ
301・・CPU
302・・主記憶部
303・・補助記憶部
304・・通信部
311・・アンテナ
B1・・接続バス
B2・・接続バス
B3・・接続バス
B4・・接続バス
B5・・接続バス
B6・・接続バス
500・・工場
501・・障害物