(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171054
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】処理システム、処理方法、処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20241204BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20241204BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241204BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241204BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G16Y40/20
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087917
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】横田 忠至
(72)【発明者】
【氏名】木村 禎祐
(72)【発明者】
【氏名】中野 圭
(72)【発明者】
【氏名】神田 祐子
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA21
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181EE13
5H181EE14
5H181EE18
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF39
5H181LL09
5H181MA41
5H181MB01
5H181MB11
(57)【要約】
【課題】ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを提供する自律走行装置の、探索効率を高めること。
【解決手段】処理システムのプロセッサは、ユーザが希望するユーザサービスの希望コンテンツCdを取得することと、ユーザが装着するウェアラブル端末を通してユーザにより視認される視界エリアAv内に待機する自律走行装置に紐付けて、ユーザサービスの提供能力Pcを表すサービス能力情報を取得することと、視界エリアAv内における自律走行装置別にサービス能力情報が表す提供能力Pcの中から、希望コンテンツCdにマッチングする提供能力Pcの自律走行装置を探索して強調したXR強調画像Ipeを、視界エリアAvに対して重畳表示することと、XR強調画像Ipeの重畳表示に応答してユーザにより選択された自律走行装置を視界エリアAv内において駆動することで、ユーザサービスを提供することとを、実行するように構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ(24)を有し、ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行する処理システムであって、
前記プロセッサは、
前記ユーザが希望する前記ユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
前記ユーザが装着するウェアラブル端末(Wt)を通して前記ユーザにより視認される視界エリア(Av)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、前記ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
前記視界エリア内における前記自律走行装置別に前記サービス能力情報が表す前記提供能力の中から、前記希望コンテンツにマッチングする前記提供能力の前記自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、前記視界エリアに対して重畳表示することと、
前記XR強調画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を前記視界エリア内において駆動することにより、前記ユーザサービスを提供することとを、実行するように構成される処理システム。
【請求項2】
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記希望コンテンツに対応する前記提供能力を前記視界エリア内の前記自律走行装置別に通知するように、前記視界エリアに対して前記自律走行装置別に位置合わせして重畳表示されるXR能力画像(Ip)のうち、前記希望コンテンツに対する前記提供能力のマッチング度(R)が推奨範囲内にある前記自律走行装置を強調した当該XR能力画像を、前記XR強調画像に設定することを、含む請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記マッチング度を前記提供能力と共に通知するように、前記XR能力画像を前記視界エリアに対して重畳表示することを、含む請求項2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記サービス能力情報を取得することは、
前記視界エリア内の前記自律走行装置に対して前記ユーザによる選択が拒絶されたと判断されると、前記視界エリア外において待機する前記自律走行装置の前記サービス能力情報を、追加能力情報として取得することを、含み、
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記追加能力情報が表す前記提供能力を通知する追加能力画像(Ia)を、前記視界エリアに対して重畳表示することと、
前記追加能力画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を、前記ユーザサービスを提供するために前記視界エリア内へ駆動することとを、含む請求項2又は3に記載の処理システム。
【請求項5】
プロセッサ(24)を有し、ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行する処理システムであって、
前記プロセッサは、
前記ユーザが希望する前記ユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
前記ユーザが携帯するモバイル端末(Mt)から前記ユーザへの表示背景となる背景エリア(Ab)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、前記ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
前記背景エリア内における前記自律走行装置別に前記サービス能力情報が表す前記提供能力の中から、前記希望コンテンツにマッチングする前記提供能力の前記自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、前記背景エリアの映る背景動画(Ib)に対して重畳表示することと、
前記XR強調画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を前記背景エリア内において駆動することにより、前記ユーザサービスを提供することとを、実行するように構成される処理システム。
【請求項6】
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記希望コンテンツに対応する前記提供能力を前記背景エリア内の前記自律走行装置別に通知するように、前記背景動画に対して前記自律走行装置別に位置合わせして重畳表示されるXR能力画像(Ip)のうち、前記希望コンテンツに対する前記提供能力のマッチング度(R)が推奨範囲内にある前記自律走行装置を強調した当該XR能力画像を、前記XR強調画像に設定することを、含む請求項5に記載の処理システム。
【請求項7】
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記マッチング度を前記提供能力と共に通知するように、前記XR能力画像を前記背景動画に対して重畳表示することを、含む請求項6に記載の処理システム。
【請求項8】
前記サービス能力情報を取得することは、
前記背景エリア内の前記自律走行装置に対して前記ユーザによる選択が拒絶されたと判断されると、前記背景エリア外において待機する前記自律走行装置の前記サービス能力情報を、追加能力情報として取得することを、含み、
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記追加能力情報が表す前記提供能力を通知する追加能力画像(Ia)を、前記背景動画に対して重畳表示することと、
前記追加能力画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を、前記ユーザサービスを提供するために前記背景エリア内へ駆動することとを、含む請求項6又は7に記載の処理システム。
【請求項9】
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記希望コンテンツが表す種別に前記ユーザサービスを提供する前記提供能力に関して、前記希望コンテンツに含まれる当該種別以外の項目毎に評点化された適合率に、相関する前記マッチング度を取得することを、含む請求項2,3,6,7のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項10】
ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行するために、プロセッサ(24)により実行される処理方法であって、
前記ユーザが希望する前記ユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
前記ユーザが装着するウェアラブル端末(Wt)を通して前記ユーザにより視認される視界エリア(Av)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、前記ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
前記視界エリア内における前記自律走行装置別に前記サービス能力情報が表す前記提供能力の中から、前記希望コンテンツにマッチングする前記提供能力の前記自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、前記視界エリアに対して重畳表示することと、
前記XR強調画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を前記視界エリア内において駆動することにより、前記ユーザサービスを提供することとを、含む処理方法。
【請求項11】
ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行するために記憶媒体(22)に記憶され、プロセッサ(24)により実行される命令を含む処理プログラムであって、
前記ユーザが希望する前記ユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
前記ユーザが装着するウェアラブル端末(Wt)を通して前記ユーザにより視認される視界エリア(Av)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、前記ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
前記視界エリア内における前記自律走行装置別に前記サービス能力情報が表す前記提供能力の中から、前記希望コンテンツにマッチングする前記提供能力の前記自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、前記視界エリアに対して重畳表示することと、
前記XR強調画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を前記視界エリア内において駆動することにより、前記ユーザサービスを提供することとを、実行させる前記命令を含む処理プログラム。
【請求項12】
ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行するために、プロセッサ(24)により実行される処理方法であって、
前記ユーザが希望する前記ユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
前記ユーザが携帯するモバイル端末(Mt)から前記ユーザへの表示背景となる背景エリア(Ab)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、前記ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
前記背景エリア内における前記自律走行装置別に前記サービス能力情報が表す前記提供能力の中から、前記希望コンテンツにマッチングする前記提供能力の前記自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、前記背景エリアの映る背景動画(Ib)に対して重畳表示することと、
前記XR強調画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を前記背景エリア内において駆動することにより、前記ユーザサービスを提供することとを、含む処理方法。
【請求項13】
ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行するために記憶媒体(22)に記憶され、プロセッサ(24)により実行される命令を含む処理プログラムであって、
前記ユーザが希望する前記ユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
前記ユーザが携帯するモバイル端末(Mt)から前記ユーザへの表示背景となる背景エリア(Ab)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、前記ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
前記背景エリア内における前記自律走行装置別に前記サービス能力情報が表す前記提供能力の中から、前記希望コンテンツにマッチングする前記提供能力の前記自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、前記背景エリアの映る背景動画(Ib)に対して重畳表示することと、
前記XR強調画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を前記背景エリア内において駆動することにより、前記ユーザサービスを提供することとを、実行させる前記命令を含む処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行する処理技術に、関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の開示技術は、ユーザへ案内サービスを自律走行装置により提供する経路を分割したサービス範囲の複数に対して、サービス提供可能範囲が該当する自律走行装置を予約することで、ユーザの適切な案内を目指している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の開示技術では、分割されたサービス範囲にサービス提供可能範囲の該当する自律走行装置が自動的に予約されるため、当該予約にユーザの嗜好を反映させることが困難である。但し、ユーザ嗜好の反映は案内サービスに限らず、多様化したコンテンツのユーザサービスを自律走行装置によって提供するに当たって、特に重要なファクターとなるものの、ユーザ自身による自律走行装置の探索を煩雑にしてしまう。
【0005】
本開示の課題は、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを提供可能な自律走行装置の、探索効率を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の第一態様は、
プロセッサ(24)を有し、ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行する処理システムであって、
プロセッサは、
ユーザが希望するユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
ユーザが装着するウェアラブル端末(Wt)を通してユーザにより視認される視界エリア(Av)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
視界エリア内における自律走行装置別にサービス能力情報が表す提供能力の中から、希望コンテンツにマッチングする提供能力の自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、視界エリアに対して重畳表示することと、
XR強調画像の重畳表示に応答してユーザにより選択された自律走行装置を視界エリア内において駆動することにより、ユーザサービスを提供することとを、実行するように構成される。
【0008】
本開示の第二態様は、
ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行するために、プロセッサ(24)により実行される処理方法であって、
ユーザが希望するユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
ユーザが装着するウェアラブル端末(Wt)を通してユーザにより視認される視界エリア(Av)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
視界エリア内における自律走行装置別にサービス能力情報が表す提供能力の中から、希望コンテンツにマッチングする提供能力の自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、視界エリアに対して重畳表示することと、
XR強調画像の重畳表示に応答してユーザにより選択された自律走行装置を視界エリア内において駆動することにより、ユーザサービスを提供することとを、含む。
【0009】
本開示の第三態様は、
ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行するために記憶媒体(22)に記憶され、プロセッサ(24)により実行される命令を含む処理プログラムであって、
ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行するために記憶媒体(22)に記憶され、プロセッサ(24)により実行される命令を含む処理プログラムであって、
ユーザが希望するユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
ユーザが装着するウェアラブル端末(Wt)を通してユーザにより視認される視界エリア(Av)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
視界エリア内における自律走行装置別にサービス能力情報が表す提供能力の中から、希望コンテンツにマッチングする提供能力の自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、視界エリアに対して重畳表示することと、
XR強調画像の重畳表示に応答してユーザにより選択された自律走行装置を視界エリア内において駆動することにより、ユーザサービスを提供することとを、実行させる命令を含む。
【0010】
このように第一~第三態様によると、ユーザが装着するウェアラブル端末を通してユーザにより視認される視界エリア内に待機の自律走行装置に紐付けて、ユーザサービスの提供能力を表すサービス能力情報が取得される。そこで、ユーザが希望するユーザサービスの希望コンテンツが取得されることで、視界エリア内における自律走行装置別にサービス能力情報が表す提供能力の中から、当該希望コンテンツにマッチングする提供能力の自律走行装置が着目される。これによれば、希望コンテンツにマッチングする能力の自律走行装置を探索して強調したXR強調画像が、ユーザによる当該装置の選択に向けて視界エリアに重畳表示されることとなる。故に、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを視界エリア内での駆動によって提供可能な自律走行装置の、探索効率を高めることができる。
【0011】
本開示の第四態様は、
プロセッサ(24)を有し、ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行する処理システムであって、
プロセッサは、
ユーザが希望するユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
ユーザが携帯するモバイル端末(Mt)からユーザへの表示背景となる背景エリア(Ab)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
背景エリア内における自律走行装置別にサービス能力情報が表す提供能力の中から、希望コンテンツにマッチングする提供能力の自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、背景エリアの映る背景動画(Ib)に対して重畳表示することと、
XR強調画像の重畳表示に応答してユーザにより選択された自律走行装置を背景エリア内において駆動することにより、ユーザサービスを提供することとを、実行するように構成される。
【0012】
本開示の第五態様は、
ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行するために、プロセッサ(24)により実行される処理方法であって、
ユーザが希望するユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
ユーザが携帯するモバイル端末(Mt)からユーザへの表示背景となる背景エリア(Ab)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
背景エリア内における自律走行装置別にサービス能力情報が表す提供能力の中から、希望コンテンツにマッチングする提供能力の自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、背景エリアの映る背景動画(Ib)に対して重畳表示することと、
XR強調画像の重畳表示に応答してユーザにより選択された自律走行装置を背景エリア内において駆動することにより、ユーザサービスを提供することとを、含む。
【0013】
本開示の第六態様は、
ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行するために記憶媒体(22)に記憶され、プロセッサ(24)により実行される命令を含む処理プログラムであって、
ユーザが希望するユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
ユーザが携帯するモバイル端末(Mt)からユーザへの表示背景となる背景エリア(Ab)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
背景エリア内における自律走行装置別にサービス能力情報が表す提供能力の中から、希望コンテンツにマッチングする提供能力の自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、背景エリアの映る背景動画(Ib)に対して重畳表示することと、
XR強調画像の重畳表示に応答してユーザにより選択された自律走行装置を背景エリア内において駆動することにより、ユーザサービスを提供することとを、実行させる命令を含む。
【0014】
このように第四~第六態様によると、ユーザが携帯するモバイル端末からユーザへの表示背景となる背景エリア内に待機の自律走行装置に紐付けて、ユーザサービスの提供能力を表すサービス能力情報が取得される。そこで、ユーザが希望するユーザサービスの希望コンテンツが取得されることで、背景エリア内における自律走行装置別にサービス能力情報が表す提供能力の中から、当該希望コンテンツにマッチングする提供能力の自律走行装置が着目される。これによれば、希望コンテンツにマッチングする能力の自律走行装置を探索して強調したXR強調画像が、ユーザによる当該装置の選択に向けて、背景エリアの映る背景動画に重畳表示されることとなる。故に、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを背景エリア内での駆動によって提供可能な自律走行装置の、探索効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第一実施形態による処理システムのネットワーク接続環境を示す全体構成図である。
【
図2】第一実施形態によるウェアラブル端末を示す模式図である。
【
図3】第一実施形態によるインフラシステムにおいて想定される三次元ボクセルを説明するための模式図である。
【
図4】第一実施形態による処理システムを示すブロック図である。
【
図5】第一実施形態による処理フローを示すフローチャートである。
【
図6】第一実施形態による処理フローを示すフローチャートである。
【
図7】第一実施形態によるウェアラブル端末の表示状態を示す模式図である。
【
図8】第一実施形態によるウェアラブル端末の表示状態を示す模式図である。
【
図9】第一実施形態によるウェアラブル端末の表示状態を示す模式図である。
【
図10】第二実施形態による処理システムのネットワーク接続環境を示す全体構成図である。
【
図11】第二実施形態によるモバイル端末を示す模式図である。
【
図12】第二実施形態による処理システムを示すブロック図である。
【
図13】第二実施形態による処理フローを示すフローチャートである。
【
図14】第二実施形態による処理フローを示すフローチャートである。
【
図15】第二実施形態によるモバイル端末の表示状態を示す模式図である。
【
図16】第二実施形態によるモバイル端末の表示状態を示す模式図である。
【
図17】第一実施形態の変形例によるウェアラブル端末の表示状態を示す模式図である。
【
図18】第一実施形態の変形例によるウェアラブル端末の表示状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態を図面に基づき複数説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する場合がある。また、各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。さらに、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
【0017】
(第一実施形態)
図1に示す第一実施形態の処理システム1は、ユーザUsへ提供されるユーザサービスに関連した、サービス関連処理を遂行する。そのために処理システム1は、事前登録されたユーザUsの装着するウェアラブル端末Wtと、自律走行装置Maと、インフラシステム6とに、通信ネットワークNcを介して接続される。ここで、処理システム1に接続されるウェアラブル端末Wt及び自律走行装置Maとしては、それぞれ複数ずつが想定される。処理システム1に接続されるインフラシステム6としては、少なくとも一システムが想定される。
【0018】
ウェアラブル端末Wtは、少なくとも処理システム1への接続時には、同システム1のユーザUsが顔に装着且つハンズフリーでの操作可能に、構成されている。
図2に示すようにウェアラブル端末Wtは、表示ユニット2及びセンサユニット3を備えた光学シースルー型電子デバイスであって、例えばHMD又はスマートグラス等である。尚、ウェアラブル端末Wtに関して
図2は、ユーザUsの両眼のうち片眼に対応する部分での、同ユーザUs側からの視界エリアAvの見え方を模式的なイメージ図面で表している。
【0019】
ウェアラブル端末Wtは、
図1の如く通信ネットワークNcを介したデータの送受信を、通信ユニットによって制御する。ウェアラブル端末Wtは、処理システム1と共同してサービス関連処理を遂行するように、通信ネットワークNcを介した同システム1からの制御指令に従って制御ユニットにより作動制御される。
【0020】
ウェアラブル端末Wtの制御ユニットによる作動制御下、例えば虚像投影型若しくは網膜投影型等の
図2に示す表示ユニット2は、グラス又はレンズを通してユーザUsにより視認される視界エリアAvの実像に対して、サービス関連処理に必要な表示(後述の
図7~9参照)を重畳して同ユーザUsに視認させる。それと共に、ウェアラブル端末Wtの作動制御下において
図2に示すセンサユニット3は、サービス関連処理に応じたセンシング処理により、センシング情報を取得する。センサユニット3としては、例えばカメラ、慣性センサ、GNSSセンサ、眼電位センサ、視線センサ、赤外センサ、地磁気センサ、モーションセンサ、タッチセンサ、及びマイク等のうち、少なくとも一種類が採用される。こうした構成によりセンサユニット3は、ユーザUsの意図を表す入力を、センシング情報として取得可能となっている。
【0021】
図1に示す自律走行装置Maは、センサユニット4によるセンシング情報に基づいて車輪5を電動駆動することで前後左右の任意方向へ自律走行可能な、自動走行車両又は自動走行ロボットである。自律走行装置Maは、通信ネットワークNcを介したデータの送受信を、通信ユニットにより制御する。自律走行装置Maは、処理システム1と共同してサービス関連処理を遂行するように、通信ネットワークNcを介した同システム1からの制御指令に従って制御ユニットにより駆動制御される。この駆動制御下においてセンサユニット4は、サービス関連処理に応じたセンシング処理により、センシング情報を取得する。センサユニット4としては、例えばカメラ、慣性センサ、GNSSセンサ、LiDAR(Light Detection and Ranging / Laser Imaging Detection and Ranging)、及びソナー等のうち、少なくとも一種類が採用される。
【0022】
インフラシステム6は、分散型アーキテクチャの共通基盤として、インフラデータベースDiに蓄積される三次元空間情報Tiを共有する、基盤システムである。インフラシステム6は、通信ネットワークNcを介したデータの送受信を、通信ユニットにより制御する。インフラシステム6は、分散型アーキテクチャを構成する処理システム1等の個別分散システムへと提供する三次元空間情報Tiを、制御ユニットにより随時収集してインフラデータベースDiの蓄積情報を最新情報に更新する。
【0023】
ここで特にインフラシステム6は、情報の蓄積対象とする三次元空間を、
図3に示すように三次元配列状に想定される複数の三次元ボクセルVi(即ち、三次元グリッド)に仮想分割して、情報管理する。インフラシステム6は、各ボクセルViに個別に付与される空間ID毎にメタデータによって紐付けられたデータセットを三次元空間情報Tiとして、
図1の如くインフラデータベースDiに蓄積する。ここで三次元空間情報Tiは、三次元配列のうち地面に沿った二次元配列の最下層を構成するボクセルViの、例えば下面にのみ紐付けられた二次元グリッド情報を含んでいても、勿論よい。
【0024】
三次元空間情報Tiを構築するデータは、処理システム1と共同するウェアラブル端末Wt、及びそれ以外のウェアラブル端末、並びに例えばスマートフォン又はタブレット端末等のモバイル端末のうち、少なくとも一種類から収集されてもよい。三次元空間情報Tiを構築するデータは、処理システム1と共同する自律走行装置Ma、及びそれ以外の移動体のうち、少なくとも一種類から収集されてもよい。
【0025】
三次元空間情報Tiを構築するデータは、カメラ及び/又はLiDARといったインフラセンサを備えた、例えば通信基地局、スマートポール、及びスマート街路灯等のうち、少なくとも一種類から収集されてもよい。三次元空間情報Tiを構築するデータは、例えば地図サービス、気象サービス、通信サービス、交通管理サービス、地物管理サービス、及び航空管理サービス、並びに処理システム1が扱う後述のユーザサービス等のうち、少なくとも一種類を提供するサービサーから収集されてもよい。
【0026】
このように収集されて三次元空間情報Tiを構築する構築データは、例えば動画、静止画、及び画像等のうち、少なくとも一種類の画像データであってもよい。三次元空間情報Tiの構築データは、そうした画像データの画像処理により情報蓄積の対象空間内において処理システム1のユーザUsを含む人間に関して生成された、例えば位置データ、運動データ、姿勢データ、視線データ、行動データ、及び人流データ、並びに後述するユーザUsの意図を表す意図データ等のうち、情報セキュリティが担保される少なくとも一種類の二次データであってもよい。
【0027】
三次元空間情報Tiの構築データは、情報蓄積対象空間内においてユーザUsのウェアラブル端末Wtを含む、人間の携行品に関して画像データの画像処理により生成された、例えば位置データ、運動データ、及び姿勢データ等のうち、少なくとも一種類の二次データであってもよい。三次元空間情報Tiの構築データは、情報蓄積対象空間内において自律走行装置Maを含む移動体に関して画像データの画像処理により生成された、例えば位置データ、運動データ、及び姿勢データ等のうち、少なくとも一種類の二次データであってもよい。
【0028】
三次元空間情報Tiの構築データは、情報蓄積対象空間内において処理システム1のユーザUsを含む人間の音声を収集した、音声データであってもよい。三次元空間情報Tiの構築データは、そうした音声データの音声認識処理によりユーザUsを含む人間に関して分析された、例えば位置データ、運動データ、行動データ、人流データ、及び会話データ、並びに後述するユーザUsの意図を表す意図データ等のうち、情報セキュリティが担保される少なくとも一種類の二次データであってもよい。
【0029】
三次元空間情報Tiの構築データは、例えば二次元及び/又は三次元地図データ、GIS(Geographic Information System)データ、道路ネットワークデータ、気象データ、通信データ、回線データ、交通データ、地物管理データ、BIM(Building Information Modelling)データ、POI(Point of Interest)データ、航空管理データ、並びに時間データ等のうち、少なくとも一種類であってもよい。三次元空間情報Tiの構築データは、処理システム1の扱うユーザサービスとして後述する、例えば誘導サービス、搬送サービス、及び撮影サービス等のうち、少なくとも一種類に関連するサービスデータであってもよい。
【0030】
図1に示すように処理システム1は、通信系10及び制御系20を備えた、例えばクラウドサーバ、並びにエッジサーバ等のうち、少なくとも一種類を含んで構築される分散コンピュータシステムである。処理システム1における各系10,20の少なくとも一部ずつは、それぞれウェアラブル端末Wtの通信ユニット及び制御ユニットにより構成されてもよい。処理システム1における各系10,20の少なくとも一部ずつは、それぞれ自律走行装置Maの通信ユニット及び制御ユニットにより構成されてもよい。処理システム1における各系10,20の少なくとも一部ずつは、それぞれインフラシステム6の通信ユニット及び制御ユニットにより構成されてもよい。
【0031】
通信系10は、通信ネットワークNcを構築するための、通信機器を主体に構成されている。制御系20は、有線通信回線及び無線通信回線のうち少なくとも一種類を介して、通信系10に接続される。制御系20は、少なくとも一つの専用コンピュータを含んで構築されている。制御系20を構築する専用コンピュータは、メモリ22及びプロセッサ24を、少なくとも一つずつ有している。
【0032】
こうした処理システム1において制御系20は、メモリ22に記憶された処理プログラムの複数命令を、プロセッサ24により実行する。これにより制御系20は、ユーザUsへ提供されるユーザサービスに関連した、サービス関連処理を遂行するための機能ブロックが、複数構築される。構築される機能ブロックには、
図4に示すように認識ブロック200、探索ブロック210、及び駆動制御ブロック220が含まれている。
【0033】
これらのブロック200,210,220の共同により処理システム1がサービス関連処理を遂行する処理方法は、
図5,6に示す処理フローに従って実行される。本処理フローは、ユーザUsがユーザサービス提供を要請する意図となる、サービス要請入力をウェアラブル端末Wtのセンサユニット3がセンシング情報として取得するのに応じて、実行される。尚、本処理フローにおける各「S」は、第一実施形態の処理プログラムに含まれた複数命令により実行される複数ステップを、それぞれ意味している。
【0034】
処理フローのS100において認識ブロック200(
図4参照)は、ウェアラブル端末Wtを通してユーザUsにより視認される視界エリアAvを、認識する。このとき視界エリアAvは、インフラシステム6の情報蓄積対象空間のうち、例えば駅、ターミナル、施設エントランス、又はランドマーク等において、
図2の如く複数台の自律走行装置Maが待機可能な待機エリアAwと重なるように、認識される。
【0035】
そこでS100では、視界エリアAvと重なった待機エリアAwに自律走行装置Maが存在しない場合、処理フローの今回実行が終了する。この場合、利用可能な自律走行装置Ma自体が存在しないことによる探索の不調結果を通知するように、XR通知画像が視界エリアAvに重畳表示されるとよい。
【0036】
S100における視界エリアAvの認識処理は、ウェアラブル端末Wtのセンサユニット3による例えばカメラ情報、及び慣性情報等のうち、少なくとも一方のセンシング情報に基づく。その結果として視界エリアAvは、ユーザUsの顔若しくは視線の向く方位、又はウェアラブル端末Wtの向く方位に、広がるエリアとして認識される。
【0037】
図5に示すS110において認識ブロック200は、ユーザUsが希望するユーザサービスの希望コンテンツCd(
図7参照)を、取得する。このとき希望コンテンツCdは、ユーザUsが顔に装着するウェアラブル端末Wtによる、当該顔に関してのセンシング情報に基づくことで、認識される。そこで、希望コンテンツCdを認識するためのセンシング情報は、ユーザUsの意図データとしてセンサユニット3へと入力されたタイミングに、ウェアラブル端末Wtを通じて取得される。
【0038】
S110における希望コンテンツCdの入力としては、ユーザUsによるジェスチャー入力、視線入力、表情入力、又は音声入力が、センサユニット3によりセンシングされてもよい。このとき、ウェアラブル端末Wtの表示ユニット2においては、希望コンテンツCdの入力をセンサユニット3によりユーザUsから受け付けるためのXR受付画像Irが、
図7に例示の如く視界エリアAvに対して重畳表示されてもよい。尚、希望コンテンツCdの認識は、通信系10を通じてインフラデータベースDiから入手の三次元空間情報Tiに基づくことで、実現されてもよい。
【0039】
S110において認識される希望コンテンツCdの項目には、処理システム1のユーザUsへ提供可能なユーザサービスの種別が、
図7の如く少なくとも含まれる。希望コンテンツCdに応じたユーザサービスの種別としては、例えば誘導サービス、搬送サービス、及び撮影サービス等のうち、少なくとも一種類が用意される。
【0040】
S110では、認識される希望コンテンツCdの種別がいずれのサービスの場合でも、例えば音声出力の要否、音声認識機能の要否、及び対話機能の要否等のうち少なくとも一種類の音声関連項目が、同コンテンツCdに含まれていてもよい。希望コンテンツCdの種別が誘導サービス及び搬送サービスのいずれかである場合には、例えば目的地を含む経路、移動ペース、到着時刻、及びサービス提供時間(即ち、誘導時間又は搬送時間)等のうち少なくとも一種類の経路関連項目が、同コンテンツCdに含まれていてもよい。
【0041】
希望コンテンツCdの種別が誘導サービスである場合には、観光地の如き目的地に関して、例えば許容可能な混雑度、利用希望施設の有無、及び自然の有無等のうち少なくとも一種類の観光関連項目が、同コンテンツCdに含まれていてもよい。希望コンテンツCdの種別が誘導サービスである場合には、オプション機能として他種別サービスの併用希望を表すオプション項目が、同コンテンツCdに含まれていてもよい。
【0042】
ここで希望コンテンツCdのうち、誘導サービスにおける搬送機能として搬送サービスの併用希望を表すオプション項目には、例えば荷物の個数、サイズ、重量、種類、及び温度管理の要否等のうち少なくとも一種類の荷物関連項目が、含まれていてもよい。これは、誘導サービスとは独立した搬送サービスに関する場合にも、同様である。
【0043】
希望コンテンツCdのうち、誘導サービスにおける撮影機能として撮影サービスの併用希望を表すオプション項目には、例えば撮影スケジュール、撮影タイミング、撮影場所、画像又はデータ送信の要否、及び写真プリントの要否等のうち少なくとも一種類の撮影関連項目が、含まれていてもよい。これは、誘導サービスとは独立した撮影サービスに関する場合にも、同様である。
【0044】
図5に示すS120において探索ブロック210(
図4参照)は、S100により認識された視界エリアAv内の待機エリアAwに待機する自律走行装置Maに紐付けて、ユーザサービスの提供能力Pc(
図8参照)を表すサービス能力情報を、取得する。このときサービス能力情報は、処理システム1に用意された種別のユーザサービス提供に必要な提供能力Pcとして、視界エリアAv内の待機エリアAwに待機する自律走行装置Ma別の保有能力を、識別可能な情報であるとよい。
【0045】
ここで各種サービス向けの提供能力Pcには、例えばバッテリ残量、航続可能距離、走行可能な最大速度、走行可能な最小走行路幅、走行可能な路面状態、及び混雑度に応じた障害物回避レベル等のうち少なくとも一種類の走行関連能力が、含まれていてもよい。各種サービス向けの提供能力Pcには、例えば音声出力の可否、音声認識機能の有無、及び対話機能の有無等のうち少なくとも一種類の音声関連能力が、含まれていてもよい。
【0046】
誘導サービスにおける搬送機能として提供される搬送サービス向けの提供能力Pcには、例えば積載室の有無、積載可能なサイズ、積載可能な総荷物重量、積載可能な荷物種類、冷蔵機能の有無、及び冷凍機能の有無等のうち少なくとも一種類の搬送関連能力が、含まれていてもよい。これは、誘導サービスとは独立した搬送サービス向け提供能力Pcの場合にも、同様である。
【0047】
誘導サービスにおける撮影機能として提供される撮影サービス向けの提供能力Pcには、例えばカメラ機能の有無、画像又は動画データ送信機能の有無、及び写真プリント機能の有無等のうち少なくとも一種類の撮影関連能力が、含まれていてもよい。これは、誘導サービスとは独立した再映サービス向け提供能力Pcの場合にも、同様である。
【0048】
S120において、こうした提供能力Pcに関するサービス能力情報は、視界エリアAv内の待機エリアAwに待機する自律走行装置Maの通信ユニットから、通信系10を通じて取得されてもよい。サービス能力情報は、インフラデータベースDiから通信系10を通じて入手の三次元空間情報Tiに基づき、取得されてもよい。サービス能力情報は、視界エリアAv内の待機エリアAwに待機する自律走行装置Maの表示ユニットに表示されたQRコード(登録商標)を、ウェアラブル端末Wtにおける例えばカメラ等のセンサユニット3が撮影することで、取得されてもよい。
【0049】
図5に示すS130において探索ブロック210は、S120により視界エリアAv内における自律走行装置Ma別に取得のサービス能力情報が表す提供能力Pcの中から、S110により取得の希望コンテンツCdにマッチングする提供能力Pcの自律走行装置Maを探索する。このとき、希望コンテンツCdに対する提供能力Pcのマッチング度R(
図8参照)が、取得される。
【0050】
S130においてマッチング度Rは、希望コンテンツCdが表す種別のユーザサービスを提供する提供能力Pcに関して、同コンテンツCdに含まれる種別以外の項目毎に評点化される適合率に、相関する指標として取得される。例えば次の数1に示すように、インデックスがiの項目毎に評点化された適合率r
iの積算値が、各項目の最大適合率rm
iの積算値によって正規化演算されることで、マッチング度Rが取得されるとよい。尚、マッチング度Rは、項目毎適合率r
iの積算値が標準化演算されることで取得されてもよいし、機械学習モデルへの項目毎適合率r
iの入力により取得されてもよい。
【数1】
【0051】
S130では、こうして取得されたマッチング度Rが推奨範囲内にある自律走行装置Maが、希望コンテンツCdにマッチングした提供能力Pcを保有するマッチング装置Mamの探索結果として、抽出される。このときの推奨範囲は、希望コンテンツCdに対するマッチング度RがユーザUsに推奨可能な範囲となるように、適合率が閾値以上又は閾値超過、且つ最大値以下の範囲に、規定される。ここで推奨範囲の下限を決める閾値は、例えばマッチング度Rが上述の正規化によって取得される場合、例えば50~80%のうちの特定値(最大値が100%に正規化の場合)、又は0.5~0.8のうちの特定値(最大値が1に正規化の場合)に、設定されるとよい。
【0052】
図5に示すS140において探索ブロック210は、S130により探索のマッチング装置Mamを
図8に示すように強調するXR強調画像Ipeを、視界エリアAvに対してウェアラブル端末Wtの表示ユニット2により重畳表示させる。そのためにS140では、S120により自律走行装置Ma別に取得されたサービス能力情報が表す提供能力Pcのうち、S110により取得の希望コンテンツCdに対応するユーザサービス向けの提供能力Pcが、抽出される。
【0053】
S140では、
図8の如くXR強調画像Ipeの候補となるXR能力画像Ipが、希望コンテンツCdに対応したユーザサービス向けの提供能力Pcを自律走行装置Ma別に通知するように、視界エリアAvに対して表示ユニット2により重畳表示される。特にXR能力画像Ipは、S130により取得のマッチング度Rを、提供能力Pcと共に通知するように、視界エリアAv内において対応する自律走行装置Ma別に位置合わせして重畳表示される。そこでXR能力画像Ipの重畳表示位置は、例えばセンサユニット3,4のうち少なくとも一方によるセンシング情報、及び/又はインフラデータベースDiから入手の三次元空間情報Ti等に基づき、自律走行装置Maの周囲位置に視認されるように調整される。このとき、XR能力画像Ipの重畳表示される視界エリアAvは、S100により認識されたエリアに固定、又はユーザUsの視点移動によりS100に準じて更新されるとよい。
【0054】
S140では、視界エリアAvに重畳表示されるXR能力画像Ipのうち、希望コンテンツCdに対する提供能力Pcのマッチング度Rが推奨範囲内にあるマッチング装置Mamを強調した当該画像Ipが、XR強調画像Ipeに設定される。そこで、XR強調画像Ipeに設定のXR能力画像Ipは、XR強調画像Ipeの設定外となるXR能力画像Ipに対しては、文字表示及び/又はその背景となるウィンドウ表示に関しての例えば色、サイズ、並びに線幅等のうち、少なくとも一種類の違いにより強調される。
【0055】
このようなS140では、視界エリアAv内に存在する自律走行装置Maよりも少ないマッチング装置Mamが、S130によって探索されている場合、XR強調画像Ipeに設定及び設定外の各XR能力画像Ipが重畳表示されることになる。一方でS140では、視界エリアAv内に存在する自律走行装置Maと同数のマッチング装置Mamが、S130によって探索されている場合、XR強調画像Ipeに設定のXR能力画像Ipのみが重畳表示されることになる。さらに、S130によってマッチング装置Mamが探索されなかった場合のS140では、XR強調画像Ipeには設定外のXR能力画像Ipのみが重畳表示されることになる。
【0056】
図5に示すS150において探索ブロック210は、S140による重畳表示に応答して、視界エリアAv内におけるいずれかの自律走行装置MaがユーザUsにより選択されたか否かを、判定する。このときユーザUsによる選択の有無は、ウェアラブル端末Wtによる顔に関してのセンシング情報に基づくことで、認識される。そこで、ユーザUsによる選択の有無を認識するためのセンシング情報は、ユーザUsの意図データとしてセンサユニット3へと入力されることで、ウェアラブル端末Wtを通じて取得される。
【0057】
S150における自律走行装置Maの選択入力としては、ユーザUsによるジェスチャー入力、視線入力、表情入力、又は音声入力が、センサユニット3によりセンシングされてもよい。このときの選択入力は、自律走行装置Maの存在位置を選択する入力であってもよいし、自律走行装置Maに対応する画像Ip,Ipeを選択する入力であってもよい。ここでいずれの選択入力も、例えばセンサユニット3,4のうち少なくとも一方によるセンシング情報、及び/又はインフラデータベースDiから入手の三次元空間情報Ti等に基づき、選択位置が認識されるとよい。尚、ユーザUsによる選択有無及び選択位置の認識は、インフラデータベースDiから通信系10を通じて入手の三次元空間情報Tiに基づくことで、実現されてもよい。
【0058】
S150においてユーザUsによる選択が認識されることで、肯定判定が下される場合には、
図5に示すようにS160が実行される。S160において駆動制御ブロック220(
図4参照)は、S150により選択された自律走行装置Maの視界エリアAv内での駆動を制御することで、希望コンテンツCdに応じた種別のユーザサービスを提供する。このときユーザサービスは、希望コンテンツCdに合わせた自律走行装置Maの駆動制御パターンがメモリ22から読み出されることで、当該駆動制御パターンに従って提供される。
【0059】
ここでS160による誘導サービスは、自律走行装置Maを待機位置からユーザUs又は登録済家族といった誘導対象者の目前位置まで駆動して、誘導対象者を目的地へと先導する経路誘導を実行後、待機エリアAwに戻る駆動制御パターンによって提供される。このとき誘導サービスでは、ウェアラブル端末Wtにおける視界エリアAvへのXR提示画像の重畳表示により、又は自律走行装置Maの保有する表示ユニットからの表示出力により、誘導対象者を誘導する経路が提示されてもよい。誘導サービスでは、ウェアラブル端末Wt又は自律走行装置Maの保有する、音声ユニットからの音声出力により、誘導対象者を誘導する経路が提示されてもよい。
【0060】
S160による搬送サービスは、積載室を保有する自律走行装置Maを待機位置からユーザUsの目前位置まで駆動して、ユーザUsから荷物の積載室への積載を受け付けた後、荷物を目的地へ搬送してから、待機エリアAwに戻る駆動制御パターンによって提供される。このとき搬送サービスでは、ウェアラブル端末Wtにおける視界エリアAvへのXR提示画像の重畳表示により、又は自律走行装置Maの保有する表示ユニットからの表示出力により、積載室への荷物の積載方法がユーザUsへ提示されてもよい。搬送サービスでは、ウェアラブル端末Wt又は自律走行装置Maの保有する、音声ユニットからの音声出力により、積載室への荷物の積載がユーザUsへ提示されてもよい。こうした搬送サービスは、希望コンテンツCdに含まれる場合における誘導サービスの搬送機能として、提供されてもよい。
【0061】
S160による撮影サービスは、撮像ユニットを保有する自律走行装置Maを待機位置からユーザUsの目前位置又はユーザUs周辺のランドマークまで駆動して、ユーザUsを周囲から撮影後、待機エリアAwに戻る駆動制御パターンによって提供される。このとき撮影サービスでは、ウェアラブル端末Wtにおける視界エリアAvへのXR提示画像の重畳表示により、又は自律走行装置Maの保有する表示ユニットからの表示出力により、撮影スケジュール若しくは撮影タイミングがユーザUsへ提示されてもよい。撮影サービスでは、ウェアラブル端末Wt又は自律走行装置Maの保有する、音声ユニットからの音声出力により、撮影スケジュール若しくは撮影タイミングがユーザUsへ提示されてもよい。
【0062】
S160による撮影サービスでは、ユーザUsの周りを駆動される自律走行装置Maにより、二次元若しくは三次元の静止画又は動画が、当該ユーザUsを含むように撮影されてもよい。撮影サービスでは、自律走行装置Maにおける例えばLiDAR等のセンサユニット4によりセンシングされる、ユーザUsまでの距離に基づくことで、撮影時のフォーカスが調整されてもよい。
【0063】
S160による撮影サービスでは、インフラデータベースDiから入手の三次元空間情報Ti、又は自律走行装置Maにおける例えばカメラ等のセンサユニット4からのセンシング情報に基づくことで、撮影時の外光入射方位が調整されてもよい。撮影サービスでは、ユーザUsを撮影した画像データが、制御系20のメモリ22又はウェアラブル端末Wt内の記憶媒体に保存されてもよい。以上の撮影サービスは、希望コンテンツCdに含まれる場合における誘導サービスの撮影機能として、提供されてもよい。
【0064】
このような自律走行装置Maの駆動制御によるユーザサービスの進行に応じて、ユーザUsの視点は随時移動する。そこでS160では、S100に準じて視界エリアAvが更新されることで、ユーザサービスを提供する自律走行装置Maの駆動が、当該更新後の視界エリアAv内にて随時実現されるとよい。
【0065】
さて、上述のS150では、例えば実行開始から設定時間の経過までの間にユーザUsによる選択入力が実行されない場合、又はユーザUsにより選択希望の自律走行装置Maはなしとの意図が入力される場合等に、否定判定が下される。この場合、ユーザUsによる選択が視界エリアAv内の自律走行装置Maに対して拒絶されたと判断されることで、
図5,6に示すようにS170が実行される。
【0066】
図6に示すS170において探索ブロック210は、認識された視界エリアAvの外部のうち、ユーザUsから設定距離内に待機する自律走行装置Maが存在しているか否かを、判定する。このとき視界エリアAv外の設定距離内における自律走行装置Maの存在有無は、インフラデータベースDiから通信系10を通じて入手の三次元空間情報Tiに基づくことで、認識されるとよい。
【0067】
S170において肯定判定が下された場合には、
図6に示すようにS180が実行される。S180において探索ブロック210は、S170により存在の認識された、視界エリアAv外に待機する自律走行装置Maと紐付けて、ユーザサービスの提供能力Pcを表すサービス能力情報を、追加能力情報として取得する。このとき追加能力情報の取得は、S120に準じて実現される。
【0068】
図6に示すS190において探索ブロック210は、S180により視界エリアAv外の自律走行装置Ma別に取得された追加能力情報の提供能力Pcが、S110により取得された希望コンテンツCdにマッチングするマッチング装置Mamを、探索する。このときの探索も、S130に準じて取得されるマッチング度Rに基づくことで、実現される。
【0069】
図6に示すS200において探索ブロック210は、S180により視界エリアAv外の自律走行装置Ma別に取得された追加能力情報が表す提供能力Pcを、通知する。S200では、そうした通知をXR能力画像Ipに準じて実現するように、
図9に示す追加能力画像Iaが、視界エリアAvに対してウェアラブル端末Wtの表示ユニット2により重畳表示される。
【0070】
S200において特に追加能力画像Iaは、S190により取得されたマッチング度Rを、提供能力Pcと共に通知するように、視界エリアAvにおける例えば空中エリア又は地面エリア等に対して重畳表示される。ここで追加能力画像Iaは、対応する自律走行装置Maの存在位置に関して、例えばユーザUsからの方向、ユーザUsからの距離、及び呼び寄せによるユーザUsまでの到達時間等のうち、少なくとも一種類を通知してもよい。追加能力画像Iaは、S190により探索されたマッチング装置Mam(
図9の例では上記存在位置が「右側距離3m ロボ」と表示される自律走行装置Ma)に対しては、XR強調画像Ipeに準じて当該装置Mamを強調する追加強調画像Iaeに設定されてもよい。こうした追加能力画像Iaは、視界エリアAv内のうち表示ユニット2のグラス又はレンズに対して固定の相対位置に重畳表示されてもよいし、視界エリアAv内のうち自律走行装置Maに対して固定の相対位置にXR能力画像Ip(マッチング装置Mamに対するXR強調画像Ipeを含む)として重畳表示されてもよい。これらいずれの場合でも、追加能力画像Iaの重畳表示される視界エリアAvは、S100により認識されたエリアに固定、又はユーザUsの視点移動によりS100に準じて更新されるとよい。
【0071】
図6に示すS210において探索ブロック210は、S200による重畳表示に応答して、視界エリアAv外におけるいずれかの自律走行装置MaがユーザUsにより選択されたか否かを、S150に準じて判定する。その結果、ユーザUsによる選択が認識されることで、肯定判定が下される場合には、S220が実行される。S220において駆動制御ブロック220は、希望コンテンツCdに応じたユーザサービスをS160に準じて提供するために、S210により選択された自律走行装置Maを視界エリアAv内へと駆動するように制御する。換言すればS220では、選択された自律走行装置Maの視界エリアAv内への駆動制御により、希望コンテンツCdのサービス提供が可能となる。
【0072】
以上の
図5,6に示す処理フローは、希望コンテンツCdに応じたユーザサービスの提供がS160,S220のうちいずれかにより終了すると、今回実行の完了となる。一方、S170,S210のうちいずれかにおいて否定判定が下される場合には、探索の不調結果を通知するXR通知画像が視界エリアAvに重畳表示されてから、処理フローの今回実行が完了するとよい。これらいずれの場合でも今回実行の完了後には、次のサービス要請入力がウェアラブル端末Wtのセンサユニット3を通じて取得されることで、処理フローの次回実行が開始されることとなる。
【0073】
(作用効果)
ここまで説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
【0074】
第一実施形態によると、ユーザUsが装着するウェアラブル端末Wtを通してユーザUsにより視認される視界エリアAv内に待機の自律走行装置Maに紐付けて、ユーザサービスの提供能力Pcを表すサービス能力情報が取得される。そこで、ユーザUsが希望するユーザサービスの希望コンテンツCdが取得されることで、視界エリアAv内における自律走行装置Ma別にサービス能力情報が表す提供能力Pcの中から、当該希望コンテンツCdにマッチングする提供能力Pcの自律走行装置Maが着目される。これによれば、希望コンテンツCdにマッチングする能力Pcの自律走行装置Ma(具体的にはマッチング装置Mam)を探索して強調したXR強調画像Ipeが、ユーザUsによる当該装置Maの選択に向けて視界エリアAvに重畳表示されることとなる。故に、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを視界エリアAv内での駆動によって提供可能な自律走行装置Maの、探索効率を高めることができる。
【0075】
また第一実施形態によると、希望コンテンツCdに対応する提供能力Pcを視界エリアAv内の自律走行装置Ma別に通知するように、XR能力画像Ipが視界エリアAvに対して自律走行装置Ma別に位置合わせして重畳表示される。そこで、自律走行装置Ma別のXR能力画像Ipのうち、希望コンテンツCdに対する提供能力Pcのマッチング度Rが推奨範囲内にある自律走行装置Ma(具体的にはマッチング装置Mam)を強調する当該XR能力画像Ipが、XR強調画像Ipeとして設定されることになる。これによりユーザUsは、提供能力Pcが通知される視界エリアAv内の自律走行装置Maの中でも、希望コンテンツCdと当該提供能力Pcとのマッチング度Rに基づき自動探索された自律走行装置Maを、例えば事前予約等なく適正に選択することができる。故に、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを提供可能な自律走行装置Maの探索効率だけでなく、希望コンテンツCdと提供能力Pcとのギャップ抑制によって探索精度も高めることができる。
【0076】
ここで第一実施形態によると、マッチング度Rを提供能力Pcと共に通知するように、XR能力画像Ipが視界エリアAvに対して重畳表示される。これによりユーザUsは、視界エリアAv内において提供能力Pcが通知される自律走行装置Maの中でも、希望コンテンツCdに対しての当該提供能力Pcのマッチング度通知と共に強調された自律走行装置Maを、直感的に選択することができる。故に、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを提供可能な自律走行装置Maの高効率探索に、信頼性が与えられ得る。
【0077】
さらに第一実施形態によると、視界エリアAv内における自律走行装置Maの中からユーザUsによる選択が拒絶されたと判断されると、視界エリアAv外において待機する自律走行装置Maのサービス能力情報が、追加能力情報として取得される。そこで、追加能力情報が表す提供能力Pcを通知する追加能力画像Iaが、視界エリアAvに対して重畳表示されることとなる。これによれば、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを提供可能な自律走行装置Maが視界エリアAv内では発見されなかった場合でも、視界エリアAv外に拡張されての当該装置Maの探索結果が、ユーザUsへと通知され得る。故に、自律走行装置Maの高効率探索におけるフェイルセーフ性を確保して、ユーザUsに安心感を与えることができる。
【0078】
しかも第一実施形態によると、追加能力画像Iaの重畳表示に応答してユーザUsにより選択された自律走行装置Maは、ユーザサービスを提供するために視界エリアAv内へと駆動される。これによりユーザUsは、視界エリアAv外での高効率探索により通知された自律走行装置Maを選択することで、自身の嗜好を満足するユーザサービスを、視界エリアAv内へと自動的に呼び寄せられた当該装置Maにより提供され得ることとなる。
【0079】
(第二実施形態)
第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0080】
図10に示すように第二実施形態の処理システム2001は、事前登録されたユーザUsの携帯するモバイル端末Mtと、自律走行する自律走行装置Maと、インフラ情報を提供するインフラシステム6とに、通信ネットワークNcを介して接続される。ここで、処理システム1に接続されるモバイル端末Mtとしては、複数端末が想定される。
【0081】
モバイル端末Mtは、少なくとも処理システム2001への接続時には、同システム2001のユーザUsが手指で把持且つ操作可能に、構成されている。
図11に示すようにモバイル端末Mtは、表示ユニット2002及びセンサユニット2003を備えた小型電子デバイスであって、例えばスマートフォン又はタブレット端末等である。モバイル端末Mtは、
図10の如く通信ネットワークNcを介したデータの送受信を、通信ユニットによって制御する。モバイル端末Mtは、処理システム2001と共同してサービス関連処理を遂行するように、通信ネットワークNcを介した同システム2001からの制御指令に従って制御ユニットにより作動制御される。
【0082】
モバイル端末Mtの制御ユニットによる作動制御下、例えば液晶パネル又は有機ELパネル等の
図11に示す表示ユニット2002は、サービス関連処理に必要な画面表示(後述の
図15,16参照)を実現する。それと共に、モバイル端末Mtの作動制御下において
図11に示すセンサユニット2003は、サービス関連処理に応じたセンシング処理により、センシング情報を取得する。センサユニット2003としては、例えばカメラ、慣性センサ、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ、タッチセンサ、及びマイク等のうち、少なくとも一種類が採用される。こうした構成によりセンサユニット2003は、ユーザUsの意図を表す入力を、センシング情報として取得可能となっている。
【0083】
図10に示す自律走行装置Maは、処理システム2001と共同してサービス関連処理を遂行するように、通信ネットワークNcを介した同システム2001からの制御指令に従って制御ユニットにより駆動制御される点を除き、第一実施形態の処理システム1と同様に構成される。処理システム2001の制御系2020は、その少なくとも一部がモバイル端末Mtの制御ユニットにより構成されてもよい点、並びに後述するモバイル端末Mt利用式の処理フローを実行する点を除き、第一実施形態の制御系20と同様に構成される。
【0084】
制御系2020においてサービス関連処理を遂行するために、
図12に示すように構築されるブロック200,210,220の共同により、処理システム2001がサービス関連処理を遂行する処理方法は、
図13,14に示す処理フローに従って実行される。
【0085】
処理フローのS2100において認識ブロック200(
図12参照)は、ユーザUsが携帯するモバイル端末Mtを向けることで、表示ユニット2002からユーザUsへの表示背景となる背景エリアAbを、認識する。このとき背景エリアAbは、モバイル端末Mtのセンサユニット2003による例えばカメラ情報、及び慣性情報等のうち、少なくとも一方のセンシング情報に基づくことで、モバイル端末Mtの向く方位に広がるエリアAbとして認識される。ここで特に背景エリアAbは、第一実施形態のS100により認識される視界エリアAvに準じて、
図11の如く複数台の自律走行装置Maが待機可能な待機エリアAwと重なるように、認識されるとよい。背景エリアAbと重なった待機エリアAwに自律走行装置Maが存在しない場合の処理は、第一実施形態のS100に準ずる。
【0086】
図13に示すS2110において認識ブロック200は、ユーザUsの携帯するモバイル端末Mtでのセンシング情報に基づくことで、同ユーザUsの希望する希望コンテンツCdを取得する。このときのセンシング情報は、ユーザUsの意図データとしてセンサユニット2003へと入力されたタイミングに、モバイル端末Mtを通じて取得されることで、希望コンテンツCdの認識に利用される。希望コンテンツCdの項目及びその入力は、第一実施形態のS110に準ずる。
【0087】
図13に示すS2120において探索ブロック210(
図12参照)は、S2100により認識された背景エリアAb内の待機エリアAwに待機する自律走行装置Maに紐付けて、ユーザサービスの提供能力Pc(
図15参照)を表すサービス能力情報を、取得する。提供能力Pcの詳細は、第一実施形態のS120に準ずる。
【0088】
図13に示すS2130において探索ブロック210は、S2120により背景エリアAb内における自律走行装置Ma別に取得のサービス能力情報が表す提供能力Pcの中から、S2110により取得の希望コンテンツCdにマッチングする提供能力Pcの自律走行装置Maを探索する。マッチング度R(
図15参照)の取得及びそれに基づくマッチング装置Mamの抽出は、第一実施形態のS130に準ずる。
【0089】
図13に示すS2140において探索ブロック210は、S2130により探索のマッチング装置Mamを
図15に示すように強調するXR強調画像Ipeを、モバイル端末Mtの表示ユニット2002に表示させる。このときXR強調画像Ipeは、背景エリアAbの映る背景動画Ibに対して、重畳表示される。ここで背景動画Ibは、例えばカメラ等のセンサユニット4によるセンシング情報、又はインフラデータベースDiから入手の三次元空間情報Tiに基づき、取得される。背景動画Ibには、背景エリアAbを撮影した一次動画データが用いられてもよいし、当該一次データに加工を施した二次動画データが用いられてもよい。
【0090】
S2140では、
図15の如くXR強調画像Ipeの候補となるXR能力画像Ipが、希望コンテンツCdに対応したユーザサービス向けの提供能力Pcを自律走行装置Ma別に通知するように、背景動画Ibに対して表示ユニット2002により重畳表示される。特にXR能力画像Ipは、S2130により取得のマッチング度Rを、提供能力Pcと共に通知するように、背景動画Ibにおいて対応する自律走行装置Ma別に位置合わせして重畳表示される。
【0091】
S2140におけるXR能力画像Ipの重畳表示位置は、例えばセンサユニット2003,4のうち少なくとも一方によるセンシング情報、及び/又はインフラデータベースDiから入手の三次元空間情報Ti等に基づき、背景動画Ibにおいて自律走行装置Maの映る位置の周囲位置に調整される。このとき、XR能力画像Ipの重畳表示される背景動画Ibに映る背景エリアAbは、S2100により認識されたエリアに固定、又はユーザUsの視点移動によりS2100に準じて更新されるとよい。以上のS2140において、希望コンテンツCdに対応する提供能力Pcの抽出、並びに画像Ip,Ipeの設定及び表示は、第一実施形態のS140に準ずる。
【0092】
図13に示すS2150において探索ブロック210は、S2140による重畳表示に応答して、背景エリアAb内におけるいずれかの自律走行装置MaがユーザUsにより選択されたか否かを、判定する。このときユーザUsによる選択の有無は、モバイル端末Mtによるセンシング情報に基づくことで、認識される。そこで、ユーザUsによる選択の有無を認識するためのセンシング情報は、ユーザUsの意図データとしてセンサユニット2003へと入力されることで、モバイル端末Mtを通じて取得される。自律走行装置Maの選択入力の詳細は、第一実施形態のS150に準ずる。
【0093】
S2150においてユーザUsによる選択が認識されることで、肯定判定が下される場合には、
図13に示すようにS2160が実行される。S2160において駆動制御ブロック220(
図12参照)は、S2150により選択された自律走行装置Maの背景エリアAb内での駆動を制御することで、希望コンテンツCdに応じた種別のユーザサービスを提供する。提供されるユーザサービス及び駆動の詳細は、第一実施形態のS160に準ずる。
【0094】
さて、上述のS2150では、例えば実行開始から設定時間の経過までの間にユーザUsによる選択入力が実行されない場合、又はユーザUsにより選択希望の自律走行装置Maはなしとの意図が入力される場合等に、否定判定が下される。この場合、ユーザUsによる選択が背景エリアAb内の自律走行装置Maに対しては拒絶されたと判断されることで、
図13,14に示すようにS2170が実行される。
【0095】
図14に示すS2170において探索ブロック210は、認識された背景エリアAbの外部のうち、ユーザUsから設定距離内に待機する自律走行装置Maが存在しているか否かを、判定する。このとき存在有無の認識は、第一実施形態のS170に準ずる。
【0096】
S2170において肯定判定が下された場合には、
図14に示すようにS2180が実行される。S2180において探索ブロック210は、S2170により存在の認識された、背景エリアAb外に待機する自律走行装置Maと紐付けて、ユーザサービスの提供能力Pcを表す追加能力情報を、第一実施形態のS120,S180に準じて取得する。
【0097】
図14に示すS2190において探索ブロック210は、S2180により背景エリアAb外の自律走行装置Ma別に取得された追加能力情報の提供能力Pcが、S2110により取得された希望コンテンツCdにマッチングするマッチング装置Mamを、探索する。このときの探索は、マッチング度Rに基づく第一実施形態のS190に、準ずる。
【0098】
図14に示すS2200において探索ブロック210は、S2180により背景エリアAb外の自律走行装置Ma別に取得された追加能力情報が表す提供能力Pcを、通知する。S2200では、そうした通知をXR能力画像Ipに準じて実現するように、
図16に示す追加能力画像Iaが、背景エリアAbの背景動画Ibに対してモバイル端末Mtの表示ユニット2002により重畳表示される。
【0099】
S2200において特に追加能力画像Iaは、S2190により取得されたマッチング度Rを、提供能力Pcと共に通知するように、背景動画Ibに映る例えば空中エリア又は地面エリア等に対して重畳表示される。ここで追加能力画像Iaは、対応する自律走行装置Maの存在位置に関して、例えばユーザUsからの方向、ユーザUsからの距離、及び呼び寄せによるユーザUsまでの到達時間等のうち、少なくとも一種類を通知してもよい。追加能力画像Iaは、S2190により探索されたマッチング装置Mam(
図16の例では上記存在位置が「右側距離3m ロボ」と表示される自律走行装置Ma)に対しては、XR強調画像Ipeに準じて当該装置Mamを強調する追加強調画像Iaeに設定されてもよい。こうした追加能力画像Iaは、背景エリアAbの背景動画Ibを映す表示ユニット2002の画面に対して固定の相対位置に重畳表示されてもよいし、背景エリアAbの背景動画Ibに映る自律走行装置Maに対して固定の相対位置にXR能力画像Ip(マッチング装置Mamに対するXR強調画像Ipeを含む)として重畳表示されてもよい。これらいずれの場合でも、追加能力画像Iaの重畳表示される背景動画Ibに映る背景エリアAbは、S2100により認識されたエリアに固定、又はユーザUsの視点移動によりS2100に準じて更新されるとよい。
【0100】
図14に示すS2210において探索ブロック210は、S2200による重畳表示に応答して、背景エリアAb外におけるいずれかの自律走行装置MaがユーザUsにより選択されたか否かを、S2150に準じて判定する。その結果、ユーザUsによる選択が認識されることで、肯定判定が下される場合には、S2220が実行される。S2220において駆動制御ブロック220は、希望コンテンツCdに応じたユーザサービスをS2160に準じて提供するために、S2210により選択された自律走行装置Maを背景エリアAb内へと駆動するように制御する。換言すればS2220では、選択された自律走行装置Maの背景エリアAb内への駆動制御により、希望コンテンツCdのサービス提供が可能となる。
【0101】
以上の
図13,14に示す処理フローは、希望コンテンツCdに応じたユーザサービスの提供がS2160,S2220のうちいずれかにより終了すると、今回実行の完了となる。一方、S2170,S2210のうちいずれかにおいて否定判定が下される場合には、探索の不調結果を通知するXR通知画像が背景エリアAbの背景動画Ibに重畳表示されてから、処理フローの今回実行が完了するとよい。これらいずれの場合でも今回実行の完了後には、次のサービス要請入力がモバイル端末Mtのセンサユニット2003を通じて取得されることで、処理フローの次回実行が開始されることとなる。
【0102】
(作用効果)
ここまで説明した第二実施形態の作用効果を、以下に説明する。
【0103】
第二実施形態によると、ユーザUsが携帯するモバイル端末MtからユーザUsへの表示背景となる背景エリアAb内に待機の自律走行装置Maに紐付けて、ユーザサービスの提供能力Pcを表すサービス能力情報が取得される。そこで、ユーザUsが希望するユーザサービスの希望コンテンツCdが取得されることで、背景エリアAb内における自律走行装置Ma別にサービス能力情報が表す提供能力Pcの中から、当該希望コンテンツCdにマッチングする提供能力Pcの自律走行装置Maが着目される。これによれば、希望コンテンツCdにマッチングする能力Pcの自律走行装置Ma(具体的にはマッチング装置Mam)を探索して強調したXR強調画像Ipeが、ユーザUsによる当該装置Maの選択に向けて、背景エリアAbの映る背景動画Ibに重畳表示されることとなる。故に、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを背景エリアAb内での駆動によって提供可能な自律走行装置Maの、探索効率を高めることができる。
【0104】
また第二実施形態によると、希望コンテンツCdに対応する提供能力Pcを背景エリアAb内の自律走行装置Ma別に通知するように、XR能力画像Ipが同エリアAbの背景動画Ibに対して自律走行装置Ma別に位置合わせして重畳表示される。そこで、自律走行装置Ma別のXR能力画像Ipのうち、希望コンテンツCdに対する提供能力Pcのマッチング度Rが推奨範囲内にある自律走行装置Ma(具体的にはマッチング装置Mam)を強調する当該XR能力画像Ipが、XR強調画像Ipeとして設定されることになる。これによりユーザUsは、提供能力Pcが通知される背景エリアAb内の自律走行装置Maの中でも、希望コンテンツCdと当該提供能力Pcとのマッチング度Rに基づき自動探索された自律走行装置Maを、例えば事前予約等なく適正に選択することができる。故に、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを提供可能な自律走行装置Maの探索効率だけでなく、希望コンテンツCdと提供能力Pcとのギャップ抑制によって探索精度も高めることができる。
【0105】
ここで第二実施形態によると、マッチング度Rを提供能力Pcと共に通知するように、XR能力画像Ipが背景エリアAbの背景動画Ibに対して重畳表示される。これによりユーザUsは、背景エリアAb内において提供能力Pcが通知される自律走行装置Maの中でも、希望コンテンツCdに対しての当該提供能力Pcのマッチング度通知と共に強調された自律走行装置Maを、直感的に選択することができる。故に、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを提供可能な自律走行装置Maの高効率探索に、信頼性が与えられ得る。
【0106】
さらに第二実施形態によると、背景エリアAb内における自律走行装置Maの中からユーザUsによる選択が拒絶されたと判断されると、背景エリアAb外において待機する自律走行装置Maのサービス能力情報が、追加能力情報として取得される。そこで、追加能力情報が表す提供能力Pcを通知する追加能力画像Iaが、背景エリアAbの背景動画Ibに対して重畳表示されることとなる。これによれば、ユーザ嗜好を満足するユーザサービスを提供可能な自律走行装置Maが背景エリアAb内では発見されなかった場合でも、背景エリアAb外に拡張されての当該装置Maの探索結果が、ユーザUsへと通知され得る。故に、自律走行装置Maの高効率探索におけるフェイルセーフ性を確保して、ユーザUsに安心感を与えることができる。
【0107】
しかも第二実施形態によると、追加能力画像Iaの重畳表示に応答してユーザUsにより選択された自律走行装置Maは、ユーザサービスを提供するために背景エリアAb内へと駆動される。これによりユーザUsは、背景エリアAb外での高効率探索により通知された自律走行装置Maを選択することで、自身の嗜好を満足するユーザサービスを、背景エリアAb内へと自動的に呼び寄せられた当該装置Maにより提供され得ることとなる。
【0108】
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0109】
第一及び第二実施形態の変形例では、処理システム1,2001の制御系20,2020を構成する専用コンピュータは、デジタル回路及びアナログ回路のうち、少なくとも一方をプロセッサとして有していてもよい。ここでデジタル回路とは、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SOC(System on a Chip)、PGA(Programmable Gate Array)、及びCPLD(Complex Programmable Logic Device)等のうち、少なくとも一種類である。またこうしたデジタル回路は、プログラムを記憶したメモリを、有していてもよい。
【0110】
第一及び第二実施形態の変形例では、処理システム1,2001がインフラシステム6とは非接続であってもよい。この変形例では、インフラデータベースDiから入手の三次元空間情報Tiに代えて、処理システム1,2001との接続要素Wt,Ma,Mtによるセンシング情報が、利用されるとよい。
【0111】
第一及び第二実施形態の変形例では、ボクセルViとは紐付けのない三次元空間情報Tiが、インフラデータベースDiから処理システム1,2001に取得されてもよい。第一及び第二実施形態の変形例では、三次元空間情報Tiに代えて二次元グリッド情報が、インフラデータベースDiから処理システム1,2001に取得されてもよい。
【0112】
第一実施形態の変形例では、第二実施形態の如きモバイル端末Mtが処理システム1と接続されてウェアラブル端末Wtの一部として機能している場合、当該一部を構成するセンサユニット2003がサービス要請入力をセンシング情報として取得するのに応じて、処理フローが実行されてもよい。第一実施形態の変形例では、第二実施形態の如きモバイル端末Mtが処理システム1と接続されてウェアラブル端末Wtの一部として機能している場合、処理フローのS110において希望コンテンツCdは、当該一部を構成するセンサユニット2003のセンシング情報に基づき取得されてもよい。
【0113】
第二実施形態の変形例では、スマートウォッチ、又はビデオシースルー型若しくは非透過型のウェアラブル端末が、モバイル端末Mtとして用いられてもよい。第二実施形態の変形例では、第一実施形態の如きウェアラブル端末Wtが処理システム2001と接続されてモバイル端末Mtの一部として機能している場合、当該一部を構成するセンサユニット3がサービス要請入力をセンシング情報として取得するのに応じて、処理フローが実行されてもよい。第二実施形態の変形例では、第一実施形態の如きウェアラブル端末Wtが処理システム2001と接続されてモバイル端末Mtの一部として機能している場合、処理フローのS2110において希望コンテンツCdは、当該一部を構成するセンサユニット3のセンシング情報に基づき取得されてもよい。
【0114】
第一及び第二実施形態の変形例では、S170~S220,S2170~2220がスキップされることで、S150,S2150での否定判定の場合には処理フローの今回実行が終了してもよい。第一及び第二実施形態の変形例によるS140,S2140では、XR能力画像Ipによる通知対象から、マッチング度Rが外されてもよい。
【0115】
第一及び第二実施形態の変形例によるS140,S2140では、
図17(同図は第一実施形態の変形例)に示すようにマッチング装置Mamの提供能力Pcを通知するXR能力画像Ipのみ、即ちXR強調画像Ipeに設定されるXR能力画像Ipのみが、表示されてもよい。但し、こうした変形例の表示に対して、S130,2130によりマッチング装置Mamが探索されなかった場合には、S140~S160,S2140~S2160がスキップされて、S170,S2170が実行されるとよい。
【0116】
第一及び第二実施形態の変形例によるS200,S2200では、
図18(同図は第一実施形態の変形例)に示すように、マッチング装置Mamの提供能力Pcを通知する追加能力画像Iaのみ、即ち追加強調画像Iaeに設定される追加能力画像Iaのみが、表示されてもよい。但し、こうした変形例の表示に対して、S190,2190によりマッチング装置Mamが探索されなかった場合には、S200~S220,S2200~S2220がスキップされて、処理フローの今回実行が完了するとよい。
【0117】
ここまでの説明形態の他に上述の実施形態及び変形例は、制御系20,2020においてプロセッサ24及びメモリ22を少なくとも一つずつ有する処理システム1,2001として、半導体装置(例えば半導体チップ等)の形態で実施されてもよい。
【0118】
(付言)
本明細書には、以下に列挙する複数の技術的思想と、それらの複数の組み合わせが開示されている。
【0119】
(技術的思想1)
プロセッサ(24)を有し、ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行する処理システムであって、
前記プロセッサは、
前記ユーザが希望する前記ユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
前記ユーザが装着するウェアラブル端末(Wt)を通して前記ユーザにより視認される視界エリア(Av)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、前記ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
前記視界エリア内における前記自律走行装置別に前記サービス能力情報が表す前記提供能力の中から、前記希望コンテンツにマッチングする前記提供能力の前記自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、前記視界エリアに対して重畳表示することと、
前記XR強調画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を前記視界エリア内において駆動することにより、前記ユーザサービスを提供することとを、実行するように構成される処理システム。
【0120】
(技術的思想2)
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記希望コンテンツに対応する前記提供能力を前記視界エリア内の前記自律走行装置別に通知するように、前記視界エリアに対して前記自律走行装置別に位置合わせして重畳表示されるXR能力画像(Ip)のうち、前記希望コンテンツに対する前記提供能力のマッチング度(R)が推奨範囲内にある前記自律走行装置を強調した当該XR能力画像を、前記XR強調画像に設定することを、含む技術的思想1に記載の処理システム。
【0121】
(技術的思想3)
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記マッチング度を前記提供能力と共に通知するように、前記XR能力画像を前記視界エリアに対して重畳表示することを、含む技術的思想2に記載の処理システム。
【0122】
(技術的思想4)
前記サービス能力情報を取得することは、
前記視界エリア内の前記自律走行装置に対して前記ユーザによる選択が拒絶されたと判断されると、前記視界エリア外において待機する前記自律走行装置の前記サービス能力情報を、追加能力情報として取得することを、含み、
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記追加能力情報が表す前記提供能力を通知する追加能力画像(Ia)を、前記視界エリアに対して重畳表示することと、
前記追加能力画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を、前記ユーザサービスを提供するために前記視界エリア内へ駆動することとを、含む技術的思想2又は3に記載の処理システム。
【0123】
(技術的思想5)
プロセッサ(24)を有し、ユーザへ提供されるユーザサービスに関連したサービス関連処理を遂行する処理システムであって、
前記プロセッサは、
前記ユーザが希望する前記ユーザサービスの希望コンテンツ(Cd)を、取得することと、
前記ユーザが携帯するモバイル端末(Mt)から前記ユーザへの表示背景となる背景エリア(Ab)内に待機する自律走行装置(Ma)に紐付けて、前記ユーザサービスの提供能力(Pc)を表すサービス能力情報を、取得することと、
前記背景エリア内における前記自律走行装置別に前記サービス能力情報が表す前記提供能力の中から、前記希望コンテンツにマッチングする前記提供能力の前記自律走行装置を探索して強調したXR強調画像(Ipe)を、前記背景エリアの映る背景動画(Ib)に対して重畳表示することと、
前記XR強調画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を前記背景エリア内において駆動することにより、前記ユーザサービスを提供することとを、実行するように構成される処理システム。
【0124】
(技術的思想6)
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記希望コンテンツに対応する前記提供能力を前記背景エリア内の前記自律走行装置別に通知するように、前記背景動画に対して前記自律走行装置別に位置合わせして重畳表示されるXR能力画像(Ip)のうち、前記希望コンテンツに対する前記提供能力のマッチング度(R)が推奨範囲内にある前記自律走行装置を強調した当該XR能力画像を、前記XR強調画像に設定することを、含む技術的思想5に記載の処理システム。
【0125】
(技術的思想7)
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記マッチング度を前記提供能力と共に通知するように、前記XR能力画像を前記背景動画に対して重畳表示することを、含む技術的思想6に記載の処理システム。
【0126】
(技術的思想8)
前記サービス能力情報を取得することは、
前記背景エリア内の前記自律走行装置に対して前記ユーザによる選択が拒絶されたと判断されると、前記背景エリア外において待機する前記自律走行装置の前記サービス能力情報を、追加能力情報として取得することを、含み、
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記追加能力情報が表す前記提供能力を通知する追加能力画像(Ia)を、前記背景動画に対して重畳表示することと、
前記追加能力画像の重畳表示に応答して前記ユーザにより選択された前記自律走行装置を、前記ユーザサービスを提供するために前記背景エリア内へ駆動することとを、含む技術的思想6又は7に記載の処理システム。
【0127】
(技術的思想9)
前記XR強調画像を重畳表示することは、
前記希望コンテンツが表す種別に前記ユーザサービスを提供する前記提供能力に関して、前記希望コンテンツに含まれる当該種別以外の項目毎に評点化された適合率に、相関する前記マッチング度を取得することを、含む技術的思想2~4,6~8のいずれか一項に記載の処理システム。
【0128】
尚、上述した技術的思想1~9は、方法及びプログラムの各技術的思想で把握されてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1,2001:処理システム、22:メモリ、24:プロセッサ、Ab:背景エリア、Av:視界エリア、Cd:希望コンテンツ、Ia:追加能力画像、Ib:背景動画、Ip:XR能力画像、Ipe:XR強調画像、Ma:自律走行装置、Mt:モバイル端末、R:マッチング度、Wt:ウェアラブル端末