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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171055
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】蓄熱システム及び蓄熱方法
(51)【国際特許分類】
   F28D 20/00 20060101AFI20241204BHJP
   F28F 27/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
F28D20/00 A
F28F27/00 511Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087920
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100125151
【弁理士】
【氏名又は名称】新畠 弘之
(72)【発明者】
【氏名】後藤 功一
(57)【要約】
【課題】放熱運転必要温度以上である放熱運転可能時間の減少を抑制可能な蓄熱システム、及び蓄熱方法を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る蓄熱システムは、蓄熱運転時に蓄熱用温度以上の熱媒体を流通させ固体顕熱蓄熱材に蓄熱し、放熱運転時に蓄熱用温度よりも低温の熱媒体を流通させ固体顕熱蓄熱材から放熱させる蓄熱システムであって、蓄熱槽と、配管と、を備える。蓄熱槽は、固体顕熱蓄熱材を有し、1つ以上の蓄熱槽を含む第1群と、第1群と分割された1つ以上の蓄熱槽を含む第2群とを有する。配管は、蓄熱運転時においての、熱媒体を第1群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に第2群の第1端、内部、第2端の順に流通させる流路と、放熱運転時においての、熱媒体を第2群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に第1群の第2端、内部、第1端の順に流通させる流路と、を切替可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄熱運転時に蓄熱用温度以上の熱媒体を流通させ固体顕熱蓄熱材に蓄熱し、放熱運転時に前記蓄熱用温度よりも低温の前記熱媒体を流通させ前記固体顕熱蓄熱材から放熱させる蓄熱システムであって、
前記固体顕熱蓄熱材を有し、1つ以上の蓄熱槽を含む第1群と、前記第1群と分割された1つ以上の蓄熱槽を含む第2群とを有する蓄熱槽と、
前記蓄熱運転時においての、前記熱媒体を前記第1群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に前記第2群の第1端、内部、第2端の順に流通させる流路と、
前記放熱運転時においての、前記熱媒体を前記第2群の前記第1端、前記内部、前記第2端の順に流通させた後に前記第1群の前記第2端、前記内部、前記第1端の順に流通させる流路と、を切替可能な配管と、
を備える、蓄熱システム。
【請求項2】
蓄熱運転時に蓄熱用温度以上の熱媒体を流通させ固体顕熱蓄熱材に蓄熱し、放熱運転時に前記蓄熱用温度よりも低温の前記熱媒体を流通させ前記固体顕熱蓄熱材から放熱させる蓄熱システムであって、
前記固体顕熱蓄熱材を有し、1つ以上の蓄熱槽を含む第3群と、前記第3群と分割された1つ以上の蓄熱槽を含む第4群とを有する蓄熱槽と、
前記蓄熱運転時においての、前記熱媒体を2つ以上に分岐し、分岐したそれぞれの前記熱媒体を前記第3群及び前記第4群それぞれに第1端、内部、第2端の順に流通させる流路と、
前記放熱運転時においての、前記熱媒体を前記第3群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に前記第4群の第2端、内部、第1端の順に流通させる流路と、を切替可能な配管と、
を備える、蓄熱システム。
【請求項3】
前記配管は、
前記蓄熱運転時に、前記熱媒体を前記第1群の第1端、内部、第2群の順に流通させた後に前記第2群をバイパスするように流路の切替が可能である、請求項1に記載の蓄熱システム。
【請求項4】
前記配管は、
前記放熱運転時に、前記熱媒体を前記第2群をバイパスさせた後に前記第1群の第2端、内部、第1端の順に流通させるように流路の切替が可能である、請求項1に記載の蓄熱システム。
【請求項5】
前記配管は、
前記放熱運転時に、前記熱媒体を前記第3群をバイパスさせた後に前記第4群の第2端、内部、第1端の順に流通させるように流路の切替が可能である、請求項2に記載の蓄熱システム。
【請求項6】
前記配管は、
前記第1群の前記第1端に接続される第1配管と、
前記第1群の前記第2端と前記第2群の前記第1端に第1弁を介して接続される第2配管と、
前記第2群の前記第2端に第2弁を介して接続される第3配管と、
一端が、前記第1弁の前記第2群側で第3弁を介して前記第2配管に接続され、他端が前記第2弁の前記第2群よりも遠方側で第4弁を介して第2配管に接続される第4配管と、
一端が、前記第1弁の前記第1群側で第5弁を介して前記第2配管に接続され、他端が前記第2弁の前記第2群で第6弁を介して前記第3配管に接続される第5配管と、
を有する、請求項1に記載の蓄熱システム。
【請求項7】
前記配管は、
前記第4群の前記第1端に接続される第6配管と、
前記第3群の前記第2端に第7弁を介して接続される第7配管と、
一端が前記第3群の前記第1端に第8弁を介して接続され、他端が前記第7弁の遠方側に第9弁を介して接続される第8配管と、
一端が前記第6配管に接続され、他端が前記第8弁の前記第3群側に第10弁を介して接続される第9配管と、
一端が前記第4群の前記第2端に接続され、他端が前記第7弁の前記第3群側に接続される第10配管と、
を有する、請求項2に記載の蓄熱システム。
【請求項8】
前記第1群、及び前記第2群の少なくとも一方は、直列、又は並列に流路が接続可能である
複数の蓄熱槽を有する、請求項6に記載の蓄熱システム。
【請求項9】
前記第3群、及び前記第4群の少なくとも一方は、直列、又は並列に流路が接続可能である
複数の蓄熱槽を有する、請求項7に記載の蓄熱システム。
【請求項10】
前記第1群、及び前記第2群の有する蓄熱槽それぞれの第1端、及び第2端に関する温度に基づき、前記第1乃至6弁の少なくともいずれかの開閉制御により、前記流路を切り替える制御を実行可能である制御装置を、更に備える、請求項6に記載の蓄熱システム。
【請求項11】
前記第3群、及び前記第4群の有する蓄熱槽それぞれの第1端、及び第2端に関する温度に基づき、前記第7乃至10弁の少なくともいずれかの開閉制御により、前記流路を切り替える制御を実行可能である制御装置を、更に備える、請求項7に記載の蓄熱システム。
【請求項12】
固体顕熱蓄熱材を有し、1つ以上の蓄熱槽を含む第1群と、前記第1群と分割された1つ以上の蓄熱槽を含む第2群とを有する蓄熱槽を備える蓄熱システムの蓄熱方法であって、
蓄熱運転時は、蓄熱用温度以上の熱媒体を前記第1群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に前記第2群の第1端、内部、第2端の順に流通させる流路を生成して、前記固体顕熱蓄熱材に蓄熱し、
放熱運転時は、前記蓄熱用温度よりも低温の前記熱媒体を前記第2群の前記第1端、前記内部、前記第2端の順に流通させた後に前記第1群の前記第2端、前記内部、前記第1端の順に流通させる流路を生成して、前記固体顕熱蓄熱材から放熱する、蓄熱システムの蓄熱方法。
【請求項13】
固体顕熱蓄熱材を有し、1つ以上の蓄熱槽を含む第3群と、前記第1群と分割された1つ以上の蓄熱槽を含む第4群とを有する蓄熱槽を備える蓄熱システムの蓄熱方法であって、
蓄熱運転時は、蓄熱用温度以上の熱媒体を2つ以上に分岐し、分岐したそれぞれの前記熱媒体を前記第3群及び前記第4群それぞれに第1端、内部、第2端の順に流通させる流路を生成して、前記固体顕熱蓄熱材に蓄熱し、
放熱運転時は、前記蓄熱用温度よりも低温の前記熱媒体を前記第3群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に前記第4群の第2端、内部、第1端の順に流通させる流路を生成して、前記固体顕熱蓄熱材から放熱する、蓄熱システムの蓄熱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蓄熱システム、及び蓄熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電や風力発電といった自然エネルギによる発電が増加しており、季節や時間帯によっては、発電量が電力需要より大きくなる地域が発生している。また、季節や時間帯によっては電力需要が大きくなり、発電量が電力需要より小さく電力不足となる時もある。そこで、蓄熱を用いて電力調整を実施する従来技術(特許文献1参照)があり、それについて図18~21を用いて説明する。
【0003】
図18は全体システム構成例を示す図である。電力が余剰である時、復水ポンプ46、蒸気タービン47、発電機47a、および第2送風機41を停止する。そして、弁49、50を開き弁51、52を閉じて、余剰電力を用いて電気ヒータ39と第1送風機40を稼働させる。このとき、第1送風機40により空気42を電気ヒータ39と蓄熱槽380の間を循環させる。空気42は、電気ヒータ39が発生した熱により加熱され、その熱を蓄熱槽380まで輸送し、蓄熱槽38内の蓄熱物質を加熱する。蓄熱物質は固体顕熱蓄熱材であり、例えば岩石である。これにより蓄熱物質に蓄熱される。
【0004】
電力が余剰でない時、電気ヒータ39と第1送風機40を停止し、弁49、50を閉じて弁51、52を開いて、復水ポンプ45と第2送風機41を稼働させる。第2送風機41により空気42を蓄熱槽380とボイラ48の間を循環させる。空気42は、蓄熱槽380の蓄熱物質から加熱され、その熱をボイラ48まで輸送する。ボイラ48では、復水ポンプ46により搬入された水43を、空気42からの熱により加熱し蒸気44を製造し、空気42は温度低下して流出する。このように放熱運転が実施される。蒸気は、蒸気タービン47内を低温低圧になりながら流通する事で、羽根車である蒸気タービン47を回転駆動させ、蒸気タービン47に機械的に接続させた発電機47aが発電する。蒸気タービン47から排出された蒸気は、復水器46にて冷却水例えば海水により冷却され水43に変化し、循環する。これにより蓄熱槽380内の蓄熱物質に蓄熱されていた熱により、蒸気44を発生し発電する。このように、電力余剰である時は電力を使い、電力余剰でない時は発電する事で、電力調整が実施される。
【0005】
図19は、従来の蓄熱槽380内の状態を示す図である。詳細説明は後述するが、蓄熱運転時、蓄熱槽380内部に流れ方向に急な温度傾斜を示す温度躍層55を形成し、それが上流側から下流側へ移動していき、蓄熱槽380から流出する空気42の温度が、第2送風機41の耐熱温度まで上昇する時までで、蓄熱運転は終了する。その時の蓄熱槽380の温度分布を図19(a)に示す。蓄熱運転時の空気42は、左から右へ流れる。蓄熱槽380内に描かれている線は温度を表している。さて、蓄熱運転終了から放熱運転開始まで蓄熱槽380を長時間放置するのだが、時間経過に伴い温度分布が変化し図19(b)のようになる。
【0006】
図19(b)に示すよう、温度は蓄熱物質や蓄熱物質付近の空気の伝熱により平均化され、温度躍層55はよりなだらかになる。これにより、高温一定部分53の領域が減る。一方で、放熱運転時の空気42は右から左へ流れるのだが、この時、よりなだらかになった温度躍層55が時間の経過に従い右から左へ移動していく。放熱運転は放熱された利用先の利用下限温度54まで下がった時までしかできないために、高温一定部分53の領域が減ると、放熱運転可能時間が減ってしまう。
【0007】
上記について、本願と比較しやすいように図20を用いて説明する。図20は、(a)~(e)の順で、蓄熱槽380の内部状態の時系列な変化例を示す図である。従来技術における蓄熱槽380を、空気流れ方向に直列に分割する。何分割でもよいが図20では、蓄熱運転時の空気流れに関して、第1蓄熱槽1と、第2蓄熱槽2の2分割とする。
【0008】
図20(a)、(b)は蓄熱槽380の蓄熱運転時であり、空気は左から右へ流れている。高温の空気7は第1蓄熱槽1の第1端3から流入し、内部を流通し、第2端4から流出し、空気8となる。空気8は第2蓄熱槽2の第1端5から流入し、内部を流通し、第2端6から流出し空気9となる。第1蓄熱槽1a、第2蓄熱槽2aの内部に描かれた線は、固定顕熱蓄熱材やその付近の空気の温度を示しており、温度躍層10が第1蓄熱槽1a内に存在しており、第2蓄熱槽2a内は全てまだ低温である。蓄熱運転が進むと、温度躍層10は第2蓄熱槽2a内に移動し、第1蓄熱槽1a内は全て高温になっている。
【0009】
図20(b)は第2蓄熱槽2aの第2端6が高温になる直前であり、この時、蓄熱運転を終了する。蓄熱運転終了から放熱運転開始まで、例えば数時間の長期保管を実施する。図20(c)のように、急峻だった温度躍層10は、熱の移動によって温度が平均化していき、よりなだらかになる。
【0010】
図20(d)、(e)は放熱運転時であり、空気は蓄熱運転時と逆方向に、即ち右から左へ流れており、温度躍槽10は右から左へ移動していく。図20(d)では、温度躍層10は第2蓄熱槽2の内部に存在しており、第1蓄熱槽1内は全てまだ高温である。放熱運転が進むと、温度躍層10は第1蓄熱槽1a内に移動し、第2蓄熱槽2a内は全て低温になっている。図20(e)では、第1蓄熱槽1aの第1端3が、放熱された利用先の利用下限温度54(図19参照)、即ち放熱運転必要温度まで下がる直前であり、この時、放熱運転を終了する。なお、従来技術では、蓄熱システムから放熱した熱を、蒸気タービンの熱源として使用している構成だが、空調などの用途に使用してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開2016/150461号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図20(e)に示すように、仮に温度躍層10が急峻であれば、利用下限温度54(図19参照)に達するのが遅くなるが、よりなだらかになっているため、より早く達しており、放熱運転時間がより短くなってしまう。これにより、発電量が減少してしまう。このように、放熱運転必要温度以上である放熱運転可能時間が減るので、放熱運転可能時間をより増やしたいという課題がある。
【0013】
本発明が解決しようする課題は、放熱運転必要温度以上である放熱運転可能時間の減少を抑制可能な蓄熱システム、及び蓄熱方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本実施形態に係る蓄熱システムは、蓄熱運転時に蓄熱用温度以上の熱媒体を流通させ固体顕熱蓄熱材に蓄熱し、放熱運転時に蓄熱用温度よりも低温の熱媒体を流通させ固体顕熱蓄熱材から放熱させる蓄熱システムであって、蓄熱槽と、配管と、を備える。蓄熱槽は、固体顕熱蓄熱材を有し、1つ以上の蓄熱槽を含む第1群と、第1群と分割された1つ以上の蓄熱槽を含む第2群とを有する。配管は、蓄熱運転時においての、熱媒体を第1群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に第2群の第1端、内部、第2端の順に流通させる流路と、放熱運転時においての、熱媒体を第2群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に第1群の第2端、内部、第1端の順に流通させる流路と、を切替可能である。
【発明の効果】
【0015】
本実施形態によれば、放熱運転必要温度以上である放熱運転可能時間の減少を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る蓄熱システムの構成例を示す図。
図2】第1実施形態に係る蓄熱槽の構成例を示す図。
図3】蓄熱運転及び長期保管中の状態を示す図。
図4】放熱運転時の状態を示す図。
図5】第2蓄熱槽2に空気7を流通させない例を示す図。
図6】第2実施形態に係る蓄熱運転及び長期保管中の状態を示す図。
図7】第2実施形態に係る放熱運転時を示す図。
図8】第3実施形態に係る蓄熱槽の構成例を示す図。
図9】第3実施形態に係る蓄熱運転及び保温状態を示す図。
図10】放熱運転時の時間経過の前側を示す図。
図11】放熱運転時の時間経過の後側を示す図。
図12】第4蓄熱槽に空気を流通させない状態を示す図。
図13】蓄熱槽を直列に接続した複数の蓄熱槽で構成した例を示す図。
図14】蓄熱槽を直列に接続した複数の蓄熱槽で構成した例を示す図。
図15】第6実施形態に係る蓄熱システムの動作例を示す図。
図16】第11蓄熱槽70の通風を停止した状態を示す図。
図17】第7実施形態に係るに係る蓄熱システムの構成例を示す図。
図18】全体システム構成例を示す図。
図19】従来の蓄熱槽内の状態を示す図。
図20】従来の蓄熱槽の内部状態の時系列な変化例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。下記の実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る蓄熱システム100の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る蓄熱システム100は、蓄熱槽38、電気ヒータ39、第1送風機40、第2送風機41、ポンプ45、復水ポンプ46、蒸気タービン47、発電機47a、ボイラ48、及び弁49~52を備える。なお、従来技術と同じである部分の説明は、同一の番号を付して説明を省略する場合がある。また、これ以降、弁は、開状態を白抜きで、閉状態を黒塗りで図示する。
【0019】
図1に示すように、配管L1には、ポンプ45、復水ポンプ46、蒸気タービン47、ボイラ48が構成される。接合部n1、n2間には、配管L2、L3が接合される。また、接合部n1と、蓄熱槽38との間には、配管L4が接合される。さらにまた、接合部n1と、蓄熱槽38との間には、配管L5が接合される。
【0020】
上述のように、電力が余剰である時、復水ポンプ46、蒸気タービン47、発電機47a、および第2送風機41を停止する。そして、弁49、50を開き、弁51、52を閉じて、余剰電力を用いて電気ヒータ39と第1送風機40を稼働させる。このとき、第1送風機40により空気42を電気ヒータ39と蓄熱槽38aの間を配管L3、L4、L5を介して循環させる。空気42は、電気ヒータ39が発生した熱により加熱され、その熱を蓄熱槽38aまで輸送し、蓄熱槽38内の蓄熱物質を加熱する。蓄熱物質は固体顕熱蓄熱材であり、例えば岩石である。これにより蓄熱物質に蓄熱される。
【0021】
一方で、電力が余剰でない時、上述のように、電気ヒータ39と第1送風機40を停止し、弁49、50を閉じて弁51、52を開いて、復水ポンプ45と第2送風機41を稼働させる。第2送風機41により空気42を配管L2、L5、L4を介して蓄熱槽38とボイラ48の間を循環させる。空気42は、蓄熱槽38の蓄熱物質から加熱され、その熱を配管L2、L5を介してボイラ48まで輸送する。ボイラ48では、復水ポンプ46により搬入された水43を、空気42からの熱により加熱し蒸気44を製造し、空気42は温度低下して流出する。このように放熱運転が実施される。蒸気は、蒸気タービン47内を低温低圧になりながら流通する事で、羽根車である蒸気タービン47を回転駆動させ、蒸気タービン47に機械的に接続させた発電機47aが発電する。
【0022】
図2は、第1実施形態に係る蓄熱槽38の構成例を示す図である。図2に示すように、第1実施形態に係る蓄熱槽38は、第1蓄熱槽1、第2蓄熱槽2、弁11~16、及び配管L10~L13を有する。弁11~16、及び配管L10~L13は、熱媒体である空気の流路を切替可能に構成する。
【0023】
第1蓄熱槽1と、第2蓄熱槽2との間には、配管L10が構成される。図2では、蓄熱槽38を第1蓄熱槽1と、第2蓄熱槽2との2分割した例で説明するが、これに限定されない。例えば、分割数は、2以上の任意の分割数でもよい。
【0024】
合流部n10と、合流部n12との間には、配管L12が接合される。また、配管L12の端部には弁11と12が配置される。同様に、合流部n11と、合流部n13との間には、配管L13が接合される。また、配管L13の端部には弁13と14が配置される。さらに、合流部n10と、合流部n11との間には、弁15が配置され、合流部n12と、合流部n13との間には、弁16が配置される。そして、合流部n13には、配管L5の一端が接合される。なお、本実施形態に係る第1蓄熱槽1が、第1群に対応し、第2蓄熱槽2が第2群に対応する。
【0025】
図2に示すように、第1実施形態に係る蓄熱槽38は、配管L12、L13を有し、配管L12の端部には弁11と12が配置され、配管L13の端部には弁13と14が配置される点で、従来技術と相違する。
【0026】
以下の説明において、第1蓄熱槽1と第2蓄熱槽2内に描いた矢印は空気流れ方向を示している。図3は、蓄熱運転及び長期保管中の状態を示す図である。
【0027】
図2及び図3を参照すると、熱媒体である空気の流れ方向、すなわち流路を切替可能に、配管は構成される。上述のように、この配管は配管L4(第1配管)と、配管L10(第2配管)と、配管L5、及びL11(第3配管)と、配管L13(第4配管)と、配管L12(第5配管)とを接続して構成される。すなわち、配管L4は、第1蓄熱槽1の第1端3に接続される。配管L10は、第1蓄熱槽1の第2端4と第2蓄熱槽2の第1端5に弁15(第1弁)を介して接続される。配管L5、及びL11は、第2蓄熱槽2の第2端6に弁16(第2弁)を介して接続される。
【0028】
配管L13は、一端が、弁15の第2蓄熱槽2側で弁13(第3弁)を介して配管L10(第2配管)に接続され、他端が弁16(第2弁)の第2蓄熱槽2よりも遠方側で弁14(第4弁)を介して配管L5、及びL11(第3配管)に接続される。配管L12は、一端が、弁15(第1弁)の第1蓄熱槽1側で弁11(第5弁)を介して配管L10(第2配管に接続され、他端が弁16(第2弁)の第2蓄熱槽2側で弁12(第6弁)を介して配管L5、及びL11(第3配管)に接続される。なお、本実施形態では、第1端、及び第2端を端部と称する場合がある。
【0029】
以下に第1実施形態に係る蓄熱システム100の駆動状態例を説明する。蓄熱システム100の駆動状態は、弁11~16の開閉による流路の切替により変更される。第1蓄熱槽1と第2蓄熱槽2内に描いた矢印は空気の流れ方向を示している。
【0030】
(蓄熱及び保温)
図3(a)、(b)は蓄熱槽38の蓄熱運転時であり、弁11~14は開き、弁15、16は閉じる。空気7が第1蓄熱槽1に第1端3から流入し、内部を流通し、第2端4から流出し空気8となる。空気8は第2蓄熱槽2に第2端6から流入し、内部を流通し、第1端5から流出し空気9となる。空気は第1蓄熱槽1内では左から右へ、第2蓄熱槽2内では右から左へ流れ、第1蓄熱槽1と第2蓄熱槽2とで流れ方向が逆になる。
【0031】
図3(a)では、温度躍層10は第1蓄熱槽1内に存在しており、空気流れの下流へと移動していく。蓄熱運転が進むと、温度躍層10は第2蓄熱槽2内に移動し、第1蓄熱槽1内は全て高温になっている。図3(b)では、第2蓄熱槽2の第1端5が高温になる直前であり、この時、蓄熱運転を終了する。なお、図3(a)では第2蓄熱槽2に空気7を流通させているが、これに限定されない。例えば、後述する図5(a’)のように、第2蓄熱槽2に空気が流通することを停止することも可能である。
【0032】
図3(d)は、長期保管中の状態である。図3(d)に示すように、蓄熱運転終了から放熱運転開始まで、例えば数時間の長期保管を実施する。このように全ての弁11~16を閉じる。図3(b)の状態では、急峻だった温度躍層10は、熱の移動によって温度が平均化していき、よりなだらかになる。
【0033】
(放熱)
図4は、放熱運転時の状態を示す図である。図4(d)~(g)は放熱運転時であり、弁11~14を閉じ、弁15、16を開いた状態である。
【0034】
図4(d)に示すように、空気17が第2蓄熱槽2の第2端6から流入し、内部を流通し、第1端5から流出し空気18となる。空気18は第1蓄熱槽1の第2端4から流入し、内部を流通し、第1端3から流出し空気19となる。放熱運転時の空気は、蓄熱運転時と異なり、第1蓄熱槽1と第2蓄熱槽2とで流れ方向は同じである。図4(d)は放熱運転が開始されてしばらく経過した状態である。温度躍層10の上流側は高温なので、そこで加熱された空気により、第2蓄熱槽2の第1端5付近は加熱される。温度躍層10が存在していた場所では温度上昇し、温度躍層10は下流側に移動する。温度躍層10を通過した空気は、岩石に熱を与えた分、温度低下しながら下流へ流れる。そのため、第1蓄熱槽1の第1端4付近では、より低温の空気が流入するので、冷却されて温度低下し、温度躍層20が形成される。また、第2蓄熱槽2の第2端6付近には、低温である空気17が流入するので、急峻な温度躍層21が形成され、温度躍層21は下流側へ移動していく。
【0035】
放熱運転が進むと図4(e)のようになる。温度躍層10と温度躍層20はどちらも下流側から流れてきた高温空気で加熱され高温になるため、高くなっている。温度躍層21はより下流側へ進んでいる。このように、図4(d)で形成されていた温度躍層20、及び温度躍層10が、高温空気で加熱され消失する。
【0036】
さらに放熱運転が進むと、図4(f)のようになる。温度躍層21は第2蓄熱槽2から第1蓄熱槽1に移動している。さらに放熱運転が進むと図4(g)のようになる。温度躍層21は第1蓄熱槽1の第1端3に到達し、その場所が、放熱された利用先の利用下限温度54即ち放熱運転必要温度まで下がる直前であり、この時、放熱運転を終了する。図4(f)、(g)では第2蓄熱槽2に空気17を流通させているが、これに限定されない。例えば、後述する図5(f’)、(g‘)のように、第2蓄熱槽2に空気が流通することを停止することも可能である。
【0037】
図5は、第2蓄熱槽2に空気7を流通させない例を示す図である。例えば、図5(a’)に示すように、図3(a)では第2蓄熱槽2が加熱されていない状態なので、空気の流通を停止させてもよい。この場合、弁13~15を閉じ、弁11、12、16を空ける。第2蓄熱槽2に空気が流通することを停止することにより、空気7の圧損を抑制でき、蓄熱運転時の送風機40の負荷を低減することができる。また、図5(f’)、(g’)に示すように、図4(f)、(g)では第2蓄熱槽2は放熱し終わっている状態なので、空気の流通を停止させてもよい。この場合、弁13~15を開け、弁11、12、16を閉じる。これにより、空気17の圧損を抑制可能となり、放熱運転時の送風機41の負荷を低減することができる。
【0038】
再び図20(c)~(f)を参照すると、温度躍層10は、保温時間の経過によりなだらかとなる。このため、上述のように、従来技術1では、放熱を開始した時点の温度躍層10の傾きがなだらかになっており、放熱運転必要温度以上である放熱運転可能時間がより短くなる。
【0039】
これに対して、本実施形態では放熱運転終了を決定するのは温度躍層10ではなく、新たに形成された温度躍層21である。これにより、例えば図4(e)に示すように、高温一定部分の長さが図20(d)と同等の長さになったときの、新たに形成された温度躍層21は、温度躍層10(図20(d)参照)よりも急峻となる。よって、従来技術1より放熱運転終了が遅くなり、放熱運転可能時間がより長くできる。なお、蓄熱システム100から放熱した熱は、実施例1では蒸気タービン48の熱源として使用しているが、本願の技術としては、蒸気タービン48の熱源として使用してもよいし、空調などの他の用途に使用してもよい。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、放熱時において第2蓄熱槽2の空気の流れを温度躍層10が生成された端部5と逆側の端部6から送風して、第1蓄熱槽1に熱を供給することとした。これにより、蓄熱時に第2蓄熱槽2において形成された温度躍層10が消失し、新たに形成された温度躍層21は、温度躍層10よりも急峻となるため、利用下限温度54(図19参照)に達するのが遅くなり、放熱運転必要温度以上である放熱運転可能時間がより長くなる。
【0041】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る蓄熱システム100は、蓄熱時と放熱時で、第1蓄熱槽1に熱を供給する第2蓄熱槽2の空気の流れを第1実施形態に係る蓄熱システム100と逆にする点で相違する。以下では第2実施形態に係る蓄熱システム100と相違する点を説明する。
【0042】
以下に第2実施形態に係る蓄熱システム100の駆動状態例を説明する。第1蓄熱槽1と第2蓄熱槽2内に描いた矢印は空気の流れ方向を示している。
(蓄熱及び保温)
図6は、第2実施形態に係る蓄熱運転及び長期保管中の状態を示す図である。図6(a)、(b)は蓄熱槽38の蓄熱運転時であり、弁11~14は閉じ、弁15、16は開いた状態である。空気7が第1蓄熱槽1に第1端3から流入し、内部を流通し、第2端4から流出し空気18となる。空気18は第2蓄熱槽2に第1端5から流入し、内部を流通し、第2端6から流出し空気19となる。第1蓄熱槽1と第2蓄熱槽2とで流れ方向は同じである点で第1実施形態に係る蓄熱システム100と相違する。
【0043】
図6(a)では温度躍層10は第1蓄熱槽1内に存在しており、空気流れの下流へと移動していく。蓄熱運転が進むと、温度躍層10は第2蓄熱槽2内に移動し、第1蓄熱槽1内は全て高温になっている。図6(b)では、第2蓄熱槽2の第2端6が高温になる直前であり、この時、蓄熱運転を終了する。図6(a)では、第2蓄熱槽2に空気7を流通させているが、これに限定されない。例えば上述の図5(a’)と同様に、第2蓄熱槽2が加熱されていない状態の時は、第2蓄熱槽2に空気7を流通させないフローとなるように弁の開閉を設定してもよい。これにより、空気7の圧損を抑制できる。圧損抑制により、蓄熱運転時の送風機40の負荷を低減することができる。
【0044】
蓄熱運転終了から放熱運転開始まで、例えば数時間の長期保管を実施する。図6(c)に示すように、全ての弁11~16を閉じる。これにより、急峻だった温度躍層10は、熱の移動によって温度が平均化していき、よりなだらかになる。
【0045】
(放熱)
図7は放熱運転時を示す図である。弁11~14は開き、弁15、16は閉じる。図7(d)に示すように、空気17が第2蓄熱槽2の第1端5から流入し、内部を流通し、第2端6から流出し空気18となる。空気18は第1蓄熱槽1の第2端4から流入し、内部を流通し、第1端3から流出し空気19となる。放熱運転時の空気は、蓄熱運転時と異なり、空気は第1蓄熱槽1内では右から左へ、第2蓄熱槽2内では左から右へ流れ、第1蓄熱槽1と第2蓄熱槽2とで流れ方向が逆になる。
【0046】
図7(d)は、放熱運転が開始されてしばらく経過した状態である。温度躍層10の上流側は高温なので、そこで加熱された空気により、第2蓄熱槽2の第1端5付近は加熱される。温度躍層10が存在していた場所では温度上昇し、温度躍層10は下流側に移動する。温度躍層10を通過した空気は、岩石に熱を与えた分、温度低下しながら下流へ流れる。そのため、第1蓄熱槽1の第1端4付近では、より低温の空気が流入するので、冷却されて温度低下し、温度躍層20が形成される。また、第2蓄熱槽2の第1端5付近には、低温である空気9が流入するので、急峻な温度躍層21が形成され、温度躍層21は下流側へ移動していく。
【0047】
さらに放熱運転が進むと、図7(e)のようになる。温度躍層10と温度躍層20はどちらも下流側から流れてきた高温空気で加熱され高温になるため、なくなっている。温度躍層21はより下流側へ進んでいる。
【0048】
さらに放熱運転が進むと、図7(f)のようになる。温度躍層21は第2蓄熱槽2から第1蓄熱槽1に移動している。さらに放熱運転が進むと図7(g)のようになる。温度躍層21は第1蓄熱槽1の第1端3に到達し、その場所が、放熱された利用先の利用下限温度54(図19参照)、即ち放熱運転必要温度まで下がる直前であり、この時、放熱運転を終了する。図7(f)、(g)では第2蓄熱槽2に空気17を流通させているが、これに限定されない。例えば図5(f’)、(g’)に示すように、第2蓄熱槽2は放熱し終わっている状態なので空気17を流通させないでよい。これにより、空気17の圧損を抑制できる。圧損抑制により、放熱運転時の送風機41の負荷を低減することができる。
【0049】
第1実施形態に係る蓄熱システム100と同様に、本実施形態では放熱運転終了を決定するのは温度躍層10ではなく、新たに形成された温度躍層21である。これにより、例えば図7(e)に示すように、高温部の長さが図20(d)と同等の長さになったときの、新たに形成された温度躍層21は、温度躍層10(図20(d)参照)よりも急峻となる。よって、従来技術1より放熱運転終了が遅くなり、放熱運転可能時間がより長くできる。なお、蓄熱システム100から放熱した熱は、実施例2では蒸気タービン48の熱源として使用しているが、本願の技術としては、蒸気タービン48の熱源として使用してもよいし、空調などの他の用途に使用してもよい。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、蓄熱時と放熱時の弁13~16の開閉状態を第1実施形態に係る蓄熱システム100と逆にした。これにより、放熱時において第2蓄熱槽2の空気の流れを温度躍層10が生成された端部6と逆側の端部5から送風して、第1蓄熱槽1に熱を供給することとした。この場合にも、蓄熱時に第2蓄熱槽2において形成された温度躍層10が消失し、新たに形成された温度躍層21は、温度躍層10よりも急峻となるため、利用下限温度54(図19参照)に達するのが遅くなり、放熱運転必要温度以上である放熱運転可能時間がより長くなる。
【0051】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る蓄熱システム100は、蓄熱時と放熱時で、第3蓄熱槽22と第4蓄熱槽23とを流れに関して並列可能に接続する点で第1、2実施形態に係る蓄熱システム100と相違する。以下では第1実施形態に係る蓄熱システム100と相違する点を説明する。
【0052】
図8は、第3実施形態に係る蓄熱槽38の構成例を示す図である。図8に示すように、第3実施形態に係る蓄熱槽38は、第3蓄熱槽22、第4蓄熱槽23、弁32~35、及び配管L21~L23を有する。図8では、第3蓄熱槽22と第4蓄熱槽23との2分割した例で説明するが、これに限定されない。例えば、分割数は、2以上の任意の分割数でよい。
【0053】
第3蓄熱槽22の第1端側の合流部n20は、配管L4が接合される。また、合流部n20と、第4蓄熱槽23の第1端側の合流部n21との間には、配管L20が接合される。さらにまた、合流部n20と第3蓄熱槽22の第1端との間、合流部n22と第3蓄熱槽22の第2端との間には、配管L21が接合される。また、合流部n21と第4蓄熱槽23の第1端との間、第4蓄熱槽23の第2端と合流部n22との間には、配管L22が接合される。また、合流部n21と、合流部n23との間には、配管L23が接合され、合流部n23には、配管L5が接合される。
【0054】
弁32は、配管L20に配置され、弁33は、配管L2の合流部n22とn23との間に配置される。また、弁34は、配管L23の合流部n21側に配置され、弁35は、配管L23の合流部n23側に配置される。
【0055】
以下に第3実施形態に係る蓄熱システム100の駆動状態例を説明する。蓄熱システム100の駆動状態は、弁32~35の開閉による流路の切替により変更される。図9は、蓄熱運転及び保温状態を示す図である。なお、本実施形態に係る第3蓄熱槽22が第4群に対応し、第4蓄熱槽23が第3群に対応する。
【0056】
図8及び図9を参照すると熱媒体である空気の流れ方向、すなわち流路を切替可能に、配管は構成される。上述のように、この配管は配管L4(第6配管)と、配管L22、及びL5(第7配管)と、配管L23(第8配管)と、配管L20(第9配管)と、配管L21(第10配管)とを接続して構成される。すなわち、配管L4は、第3蓄熱槽22の第1端28に接続される。配管L22、及びL5は、第4蓄熱槽23の第2端31に弁33(第7弁)を介して接続される。
【0057】
配管L23は、一端が第4蓄熱槽23の第1端29に弁34(第8弁)を介して接続され、他端が弁33(第7弁)の遠方側の配管L22、及びL5(第7配管)に弁35(第9弁)を介して接続される。配管L20は、一端が配管L4(第6配管)に接続され、他端が弁34(第8弁)の第4蓄熱槽23側に弁32(第10弁)を介して接続される。配管L21は、一端が第3蓄熱槽22の第2端30に接続され接続され、他端が弁33(第7弁)の第4蓄熱槽23側に接続される。すなわち、第3実施形態に係る蓄熱システム100では、蓄熱槽38を第3蓄熱槽22と第4蓄熱槽23に分け、蓄熱運転と放熱運転で空気流れに関する流路を切り替える。第3蓄熱槽22と第4蓄熱槽23の内部に描いた矢印は空気流れ方向を示している。
【0058】
(蓄熱及び保温)
図9(a)、(b)は蓄熱運転時であり、弁32、33は開き、弁34、35は閉じる。空気7が空気24と空気25に分岐する。図9(a)に示すように、空気24が第3蓄熱槽22に第1端28から流入し、内部を流通し、第2端30から流出し空気26となる。空気25は第4蓄熱槽23に第1端29から流入し、内部を流通し、第2端31から流出し空気27となる。空気26と空気27は合流し空気9となる。第3蓄熱槽22と第4蓄熱槽23は流れに関して並列である。図9(a)では温度躍層36は第3蓄熱槽22内と第4蓄熱槽23内に存在しており、それぞれ空気流れの下流へと移動していく。蓄熱運転が進むと図9(b)のようになる。図9(b)は第3蓄熱槽22の第2端30と第4蓄熱槽23の第2端31がそれぞれ高温になる直前であり、この時、蓄熱運転を終了する。
【0059】
蓄熱運転終了から放熱運転開始まで、例えば数時間の長期保管を実施する。図9(c)のように全ての弁を閉じる。図9(c)のように、急峻だった温度躍層36は、熱の移動によって温度が平均化していき、よりなだらかになる。
【0060】
(放熱)
図10は放熱運転時の時間経過の前側を示す図であり、図11は放熱運転時の時間経過の後側を示す図である。放熱運転時では、弁32、33は閉じ、弁34、35は開く状態にする。図10(d)に示すよう、空気17が第4蓄熱槽23の第1端29から流入し、内部を流通し、第2端31から流出し空気18となる。空気18は第3蓄熱槽22の第1端30から流入し、内部を流通し、第2端28から流出し空気19となる。放熱運転時は蓄熱運転時と異なり、第3蓄熱槽22と第4蓄熱槽23は流れに関して直列である。
【0061】
図10(d)は放熱運転が開始されてしばらく経過した状態である。温度躍層36の上流側は高温なので、そこで加熱された空気により、第4蓄熱槽23の第1端31と第3蓄熱槽22の第1端30付近は加熱される。温度躍層36が存在していた場所では温度上昇し、温度躍層36は下流側に移動する。
【0062】
第3蓄熱槽22の温度躍層37は、第1実施形態、及び第2実施形態における温度躍層20に相当する。第4蓄熱槽23の温度躍層36を通過した空気は、岩石に熱を与えた分、温度低下しながら下流へ流れる。そのため、第3蓄熱槽22の第2端30付近では、岩石より空気が高温であれば温度上昇し、低温であれば温度低下する、温度躍層37はよりなだらかになる。また、第4蓄熱槽23の第1端29付近には、低温である空気17が流入するので、急峻な温度躍層21が形成され、温度躍層21は下流側へ移動していく。
【0063】
放熱運転が進むと図10(e)のようになる。温度躍層36と温度躍層37はどちらも下流側から流れてきた高温空気で加熱され高温になるため、なくなっている。温度躍層21はより下流側へ進んでいる。さらに放熱運転が進むと図10(f)のようになる。温度躍層21は第4蓄熱槽23から第3蓄熱槽22へ移動している。さらに放熱運転が進むと図10(g)のようになる。温度躍層21は第4蓄熱槽23の第1端28に到達し、その場所が、放熱された利用先の利用下限温度54即ち放熱運転必要温度まで下がる直前であり、この時、放熱運転を終了する。
【0064】
図11(f)、(g)では第4蓄熱槽23に空気17を流通させているが、これに限定されない。図12は、4蓄熱槽23に空気17を流通させない状態を示す図である。例えば、図12(f’)、(g’)に示すように、弁32、34、35、を閉じ、弁33を開けた状態にしてもよい。このように、第4蓄熱槽23は放熱し終わっている状態なので流通を停止できる。これにより、流通させると空気17の圧損を抑制し、送風機41の負荷を抑制できる。
【0065】
従来技術1(図20参照)では放熱運転終了を決定する温度躍層10がなだらかになっており、利用下限温度54(図19参照)に達するのがより早くなる。これに対して本実施形態に係る温度躍層21は冷風を受けることにより、より急峻となる。これにより、利用下限温度54(図19参照)に達するのが遅くなり、放熱運転必要温度以上である放熱運転可能時間がより長くなる。なお、蓄熱システムから放熱した熱は、蒸気タービンの熱源として使用してもよいし、空調などの用途に使用してもよい。
【0066】
第1実施形態に係る蓄熱システム100と同様に、本実施系値では放熱運転終了を決定するのは温度躍層10ではなく、新たに形成された温度躍層21である。これにより、例えば図10(e)に示すように、高温部の長さが図20(d)と同等の長さになったときの、新たに形成された温度躍層21は、温度躍層10(図20(d)参照)よりも急峻となる。よって、従来技術1より放熱運転終了が遅くなり、放熱運転可能時間がより長くできる。なお、第1、2実施形態と同様に、蓄熱システム100から放熱した熱は、蒸気タービン48の熱源として使用してもよいし、空調などの他の用途に使用してもよい。
【0067】
以上説明したように、本実施形態によれば、蓄熱時に、第3蓄熱槽22と第4蓄熱槽23は空気7の流れに関して並列とし、放熱時に、第3蓄熱槽22と第4蓄熱槽23温度躍層36の生成された端部30、31側を接続し、空気17の流れに関して直列として、端部31側と反対の端部29側から空気を送風することとした。これにより、第1、2実施形態に係る蓄熱システム100と同様に、蓄熱時に第3蓄熱槽22と第4蓄熱槽2において形成された温度躍層36が消失し、新たに形成された温度躍層21は、温度躍層36よりも急峻となるため、利用下限温度54(図19参照)に達するのが遅くなり、放熱運転必要温度以上である放熱運転可能時間がより長くなる。
【0068】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る蓄熱システム100は、第1蓄熱槽1を直列に接続した第5蓄熱槽56と第6蓄熱槽57との2つの蓄熱槽で構成し、第2蓄熱槽2を直列に接続した第7蓄熱槽58と第8蓄熱槽59との2つの蓄熱槽で構成した点で第1実施形態に係る蓄熱システム100と相違する。以下では第1実施形態に係る蓄熱システム100と相違する点を説明する。
【0069】
図13は、第1蓄熱槽1、及び第2蓄熱槽2のそれぞれを直列に接続した複数の蓄熱槽で構成した例を示す図である。すなわち、第1蓄熱槽1を直列に接続した第5蓄熱槽56と第6蓄熱槽57との2つの蓄熱槽で構成し、第2蓄熱槽2を直列に接続した第7蓄熱槽58と第8蓄熱槽59との2つの蓄熱槽で構成する。なお、第1蓄熱槽1、及び第2蓄熱槽2のいずれか一方のみを複数の蓄熱槽で構成してもよい。2つでなく3つ以上の蓄熱槽で構成してもよい。或いは、第5蓄熱槽56と第6蓄熱槽57とを空気流れに関して並列に構成してもよい。同様に、第7蓄熱槽58と第8蓄熱槽59とを空気流れに関して並列に構成してもよい。
【0070】
図13(a)は、蓄熱時の動作例であり、第1実施形態に係る蓄熱システム100と同様に挙動する。図13(b)は、放熱時の動作例であり、第1実施形態に係る蓄熱システム100と同様に挙動する。即ち、第5蓄熱槽56と第6蓄熱槽57とを合わせて、第1実施形態における第1蓄熱槽1と同様に動作する。同様に、第7蓄熱槽58と第8蓄熱槽59を合わせて、第1実施形態における第2蓄熱槽2と同様に動作する。これにより、第1実施形態に係る蓄熱システム100と同様に、放熱運転可能時間がより長くなるという効果がある。
【0071】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る蓄熱システム100は、第1蓄熱槽1を直列に接続した第5蓄熱槽56と第6蓄熱槽57との2つの蓄熱槽で構成し、第2蓄熱槽2を直列に接続した第7蓄熱槽58と第8蓄熱槽59との2つの蓄熱槽で構成した点で第2実施形態に係る蓄熱システム100と相違する。以下では第2実施形態に係る蓄熱システム100と相違する点を説明する。
【0072】
図14は、第1蓄熱槽1、及び第2蓄熱槽2のそれぞれを直列に接続した複数の蓄熱槽で構成した例を示す図である。すなわち、第1蓄熱槽1を直列に接続した第5蓄熱槽56と第6蓄熱槽57との2つの蓄熱槽で構成し、第2蓄熱槽2を直列に接続した第7蓄熱槽58と第8蓄熱槽59との2つの蓄熱槽で構成する。なお、第1蓄熱槽1、及び第2蓄熱槽2のいずれか一方のみを複数の蓄熱槽で構成してもよい。2つでなく3つ以上の蓄熱槽に置き換えてもよい。或いは、第5蓄熱槽56と第6蓄熱槽57とを空気流れに関して並列に構成してもよい。同様に、第7蓄熱槽58と第8蓄熱槽59とを空気流れに関して並列に構成してもよい。
【0073】
図14(a)は、蓄熱時の動作例であり、第2実施形態に係る蓄熱システム100と同様に挙動する。図14(b)は、放熱時の動作例であり、第2実施形態に係る蓄熱システム100と同様に挙動する。即ち、第5蓄熱槽56と第6蓄熱槽57とを合わせて、第2実施形態における第1蓄熱槽1と同様に動作する。同様に、第7蓄熱槽58と第8蓄熱槽59を合わせて、第2実施形態における第2蓄熱槽2と同様に動作する。これにより、第2実施形態に係る蓄熱システム100と同様に、放熱運転可能時間がより長くなるという効果がある。
【0074】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る蓄熱システム100は、第3蓄熱槽22を空気流れに関して複数の並列な蓄熱で構成した点で第3実施形態に係る蓄熱システム100と相違する。以下では第3実施形態に係る蓄熱システム100と相違する点を説明する。
【0075】
図15は、第6実施形態に係る蓄熱システム100の動作例を示す図である。図15(a)は、蓄熱時の動作例を示す図である。図15(b)は、放熱時の動作例を示す図である。図15に示すように、蓄熱槽38を、第9蓄熱槽68と第10蓄熱槽69と第11蓄熱槽70に分け、蓄熱運転と放熱運転で空気流れに関する接続を切り替える。第9蓄熱槽68と第10蓄熱槽69と第11蓄熱槽70の内部に描いた矢印は空気流れ方向を示している。例えば第9蓄熱槽68と第10蓄熱槽69とが、第3蓄熱槽22に対応し、第11蓄熱槽70が第4蓄熱槽23に対応する。
【0076】
図15(a)に示すように、蓄熱時は、弁32、33は開き、弁34、35は閉じる。空気7が空気24と空気65と空気25に分岐する。空気24が第9蓄熱槽68に第1端28から流入し、内部を流通し、第2端30から流出し空気26となる。空気65は第10蓄熱槽63に第1端32から流入し、内部を流通し、第2端64から流出し空気60 となる。空気25は第4蓄熱槽23に第1端29から流入し、内部を流通し、第2端31から流出し空気27となる。空気26と空気60と空気27は合流し空気9となる。第9蓄熱槽68と第10蓄熱槽69と第11蓄熱槽70は流れに関して並列である。図15(a)では温度躍層36(図9参照)は第9蓄熱槽68と第10蓄熱槽69と第11蓄熱槽70それぞれの内部に存在しており、それぞれ空気流れの下流へと移動していく。蓄熱運転が進み、第9蓄熱槽68の第2端30と第10蓄熱槽69の第2端64と第11蓄熱槽70の第2端31がそれぞれ高温になる直前となった時、蓄熱運転を終了する。蓄熱運転終了から放熱運転開始まで、例えば数時間の長期保管を実施する。全ての弁を閉じ、急峻だった温度躍層36は、熱の移動によって温度が平均化していき、よりなだらかになる。
【0077】
図15(b)に示すように、放熱運転時には、弁32、33は閉じ、弁34、35は開く。空気17が第11蓄熱槽70の第1端29から流入し、内部を流通し、第2端31から流出し空気18となる。空気18は第9蓄熱槽68の第1端64と第10蓄熱槽69の第1端30から流入し、それぞれの内部を流通し、第9蓄熱槽68の第2端28と第10蓄熱槽69の第2端63から流出し空気19となる。放熱運転時は蓄熱運転時と異なり、第9蓄熱槽68と第10蓄熱槽69とは流れに関して並列で、並列になっている第9蓄熱槽68と第10蓄熱槽69の組合せと第11蓄熱槽70が直列である。放熱運転が進むと第3実施形態に係る蓄熱システム100と同様になる。すなわち、温度躍層36と温度躍層37はどちらも下流側から流れてきた高温空気で加熱され高温になるため、なくなり、温度躍層21はより下流側へ進む(図10参照)。図15(b)では第4蓄熱槽23に空気17を流通させているが、これに限定されない。
【0078】
図16は、第11蓄熱槽70の通風を停止した状態を示す図である。例えば図16に示すように、第11蓄熱槽70が放熱し終わった状態の時は、第11蓄熱槽70の通風を停止してもよい。これにより、空気17の圧損を抑制し、放熱運転時の送風機の負荷を抑制できる。
【0079】
さらに放熱運転が進むと、温度躍層21は第11蓄熱槽70から、第9蓄熱槽68と第10蓄熱槽69へ移動し、さらに放熱運転が進むと、温度躍層21は第9蓄熱槽68の第1端28と第10蓄熱槽69の第1端63に到達し、その場所が、放熱された利用先の利用下限温度54即ち放熱運転必要温度まで下がる直前であり、この時、放熱運転を終了する(図10、12参照)。第3実施形態に係る蓄熱システム100と同様に、放熱運転可能時間がより長くなるという効果がある。
【0080】
なお、本実施形態では、蓄熱槽38を3つに分割し、蓄熱運転時は3つを並列に、放熱運転時は2つを並列にし、並列にした1組と1つを直列にしているが、蓄熱槽38を4以上の任意の数に分割してもよい。蓄熱運転時に、全て直列にする必要はなく、例えば第9蓄熱槽68と第10蓄熱槽69を放熱運転時と同様に並列にしてもよい。また、放熱運転時に、並列になっている第9蓄熱槽68と第10蓄熱槽69の組合せの部分が、3個以上の並列の組合せに入れ替わってもよいし、第11蓄熱層70が、複数の蓄熱槽の並列の組合せに入れ替わってもよい。また、第9蓄熱槽68、第10蓄熱槽69、第11蓄熱層70がそれぞれ、複数の蓄熱槽の直列したものや並列にしたものに入れ替てもよい。また、第1~5実施形態と同様に、蓄熱システムから放熱した熱は、蒸気タービンの熱源として使用してもよいし、空調などの用途に使用してもよい。
【0081】
(第7実施形態)
第7実施形態に係る蓄熱システム100は、蓄熱槽38の弁11~16、32~35、の開閉を自動制御可能である点で第1乃至第6実施形態に係る蓄熱システム100と相違する。
【0082】
図17は、第7実施形態に係るに係る蓄熱システム100の構成例を示す図である。図17に示すように、第1実施形態の変形例1に係る蓄熱システム100は、制御装置500と、温度測定計502とを、さらに有する。温度測定計502はまとめて表示している。温度測定計502は、蓄熱槽38内における各蓄熱槽の入出力端部の温度を測定する。制御装置500は、温度測定計502の測定結果に応じて、例えば図3乃至7、図13、14のように、弁11~16の開閉を制御する。同様に、制御装置500は、温度測定計502の測定結果に応じて、例えば図9乃至12、図15、16のように、弁32~35の開閉を制御する。
【0083】
温度測定計502からの温度データを用いないで、経験的に把握しているタイムスケジュールで、弁の開閉を操作する事もできるが、温度データを用いた操作がより適切な運転ができる。また、温度計測計からの温度データを用いて、弁の開閉を手動操作する事もできるが、自動制御による操作がより確実で迅速で効率的であり、かつ省力化できる。さらに、弁11~16、弁32~35の開閉だけでなく、蓄熱運転時の送風機40、41の発停や放熱運転時の送風機40、41の発停についても、温度測定計502からの温度データを用いた自動制御を実施してもよい。同様に、弁49~52の開閉についても、温度測定計502からの温度データを用いた自動制御を実施してもよい。
【0084】
このように、本実施形態に係る蓄熱システム100では、各蓄熱槽の入出力端部の測定温度を用いることにより、より効率的に、自動制御が可能となる。
【符号の説明】
【0085】
1:第1蓄熱槽、1a:第1蓄熱槽、2:第2蓄熱槽、2a:第2蓄熱槽、3:第1蓄熱槽の第1端、4:第1蓄熱槽の第2端、5:第2蓄熱槽の第1端、6:第2蓄熱槽の第2端、7~9:空気、10:温度躍層、11~16:弁、17~19:空気、20:温度躍層、21:温度躍層、22:第3蓄熱槽、23:第4蓄熱槽、24~27:空気、28:第3蓄熱槽の第1端、29:第4蓄熱槽の第1端、30:第3蓄熱槽の第2端、31:第4蓄熱槽の第2端、32~35:弁、36:温度躍層、37:温度躍層、38:蓄熱槽、39:電気ヒータ、40:第1送風機、41:第2送風機、42:空気、43:水、44:上記、45:ポンプ、46:復水器、47:蒸気タービン、48:ボイラ、49~52:弁、53:高温一定部分、54:利用下限温度、55:温度躍層、56:第5蓄熱槽、57:第6蓄熱槽、58:第7蓄熱槽、59:第8蓄熱槽、60:第9蓄熱槽、61:第10蓄熱槽、62:第11蓄熱槽、63:槽端、64:槽端、65:空気、66:空気、100:蓄熱システム、380:蓄熱槽、500:制御装置、502:温度測定計。
図1
図2
図3
図4
図5
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