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特開2024-171058端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、端末装置を制御するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171058
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、端末装置を制御するための方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241204BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241204BHJP
   B41J 29/38 20060101ALN20241204BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 304
G06F3/12 329
G06F3/12 324
G06F3/12 385
H04N1/00 002C
H04N1/00 127B
B41J29/38 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087925
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘和
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061BB10
2C061CG02
2C061HH03
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HP06
2C061HP08
2C061HQ01
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB22
5C062AB38
5C062AC04
5C062AC38
5C062AC56
5C062AE16
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】特定の装置識別情報を端末装置に記憶する新規な技術を提供する。
【解決手段】端末装置は、検索信号を送信することに応じて、複数個の印刷装置のそれぞれから、当該印刷装置を識別する装置識別情報を含む応答信号を受信する。端末装置は、複数個の印刷装置のそれぞれから応答信号が受信され、かつ、複数個の印刷装置のうちのM個の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが端末装置にインストール済みである場合に、M個の印刷装置のうちの特定の印刷装置を識別する特定の装置識別情報を対象情報として端末装置に記憶する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
検索信号を送信する検索信号送信部と、
前記検索信号が送信されることに応じて、複数個の印刷装置のそれぞれから、当該印刷装置を識別する装置識別情報を含む応答信号を受信する応答信号受信部と、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のうちのM個(前記Mは1以上の整数)の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである場合に、前記M個の印刷装置のうちの特定の印刷装置を識別する特定の装置識別情報を対象情報として前記端末装置に記憶させる記憶制御部であって、前記対象情報は、前記コンピュータプログラムが、印刷実行指示を取得する場合に、前記対象情報として記憶されている装置識別情報によって識別される印刷装置に対応する印刷プログラムを印刷実行要求の供給先として特定するための情報である、前記記憶制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記記憶制御部は、前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記M個の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである場合に、装置識別情報を前記対象情報として前記端末装置に記憶させるための操作をユーザから受け付けることなく、前記特定の装置識別情報を前記対象情報として前記端末装置に記憶させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記記憶制御部は、前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記M個の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みであり、かつ、前記特定の印刷装置がデフォルトの印刷装置として前記端末装置に設定されている場合に、前記特定の装置識別情報を前記対象情報として前記端末装置に記憶させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記特定の装置識別情報が前記対象情報として前記端末装置に記憶される場合に、前記特定の装置識別情報が前記対象情報として記憶されたことを示す第1のメッセージを前記端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部として機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記M個の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みであり、かつ、前記M個の印刷装置のいずれもがデフォルトの印刷装置として前記端末装置に設定されていない場合に、前記デフォルトの印刷装置が見つからなかったことを示す第2のメッセージを前記端末装置の表示部に表示させる第2の表示制御部として機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のいずれに対応する印刷プログラムも前記端末装置にインストール済みでない場合に、対応する印刷プログラムがインストール済みである印刷装置が見つからなかったことを示す第3のメッセージを前記端末装置の表示部に表示させる第3の表示制御部として機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記第3の表示制御部は、1個以上の印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである状態において、前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のいずれに対応する印刷プログラムも前記端末装置にインストール済みでない場合に、前記第3のメッセージを前記表示部に表示させ、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
1個の印刷プログラムも前記端末装置にインストール済みでない状態において、前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信される場合に、印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みでないことを示す第4のメッセージを前記表示部に表示させる第4の表示制御部として機能させる、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記端末装置は、LAN(Local Area Networkの略)を介した通信を実行するためのLANインターフェースを備え、
前記検索信号送信部は、前記LANインターフェースを介して、前記検索信号を前記LANに送信し、
前記応答信号受信部は、前記LANインターフェースを介して、前記LANに所属する前記複数個の印刷装置のそれぞれから、当該印刷装置のIPアドレスである装置識別情報を含む前記応答信号を受信し、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信される場合に、複数個の前記応答信号のそれぞれについて、当該応答信号に含まれる装置識別情報であるIPアドレスに関連付けて印刷プログラムが前記端末装置に記憶されているのか否かを判断することによって、当該印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みであるのか否かを判断する判断部として機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記検索信号送信部は、装置識別情報が前記対象情報として前記端末装置に記憶されていない状態において、前記コンピュータプログラムが起動される場合に、前記検索信号を送信する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
端末装置であって、
検索信号を送信する検索信号送信部と、
前記検索信号が送信されることに応じて、複数個の印刷装置のそれぞれから、当該印刷装置を識別する装置識別情報を含む応答信号を受信する応答信号受信部と、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のうちのM個(前記Mは1以上の整数)の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである場合に、前記M個の印刷装置のうちの特定の印刷装置を識別する特定の装置識別情報を対象情報として前記端末装置に記憶させる記憶制御部であって、前記対象情報は、前記端末装置が、印刷実行指示を取得する場合に、前記対象情報として記憶されている装置識別情報によって識別される印刷装置に対応する印刷プログラムを印刷実行要求の供給先として特定するための情報である、前記記憶制御部と、
を備える、端末装置。
【請求項11】
端末装置を制御するための方法であって、
検索信号を送信する検索信号送信ステップと、
前記検索信号が送信されることに応じて、複数個の印刷装置のそれぞれから、当該印刷装置を識別する装置識別情報を含む応答信号を受信する応答信号受信ステップと、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のうちのM個(前記Mは1以上の整数)の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである場合に、前記M個の印刷装置のうちの特定の印刷装置を識別する特定の装置識別情報を対象情報として前記端末装置に記憶させる記憶制御ステップであって、前記対象情報は、前記端末装置が、印刷実行指示を取得する場合に、前記対象情報として記憶されている装置識別情報によって識別される印刷装置に対応する印刷プログラムを印刷実行要求の供給先として特定するための情報である、前記記憶制御ステップと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、装置識別情報を端末装置に記憶する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、端末装置と複数個の複合機とを備える通信システムが開示されている。端末装置は、ホーム画面上の選択ボタンが選択される場合に、複数個の複合機のそれぞれのモデル名、IPアドレスを示すデバイスリストを表示する。ユーザによってデバイスリスト内のモデル名が選択されることに応じて、当該モデル名に対応する複合機が端末装置に登録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-87291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、特定の装置識別情報を端末装置に記憶する新規な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、端末装置のためのコンピュータプログラムを開示する。前記コンピュータプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、検索信号を送信する検索信号送信部と、前記検索信号が送信されることに応じて、複数個の印刷装置のそれぞれから、当該印刷装置を識別する装置識別情報を含む応答信号を受信する応答信号受信部と、前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のうちのM個(前記Mは1以上の整数)の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである場合に、前記M個の印刷装置のうちの特定の印刷装置を識別する特定の装置識別情報を対象情報として前記端末装置に記憶させる記憶制御部であって、前記対象情報は、前記コンピュータプログラムが、印刷実行指示を取得する場合に、前記対象情報として記憶されている装置識別情報によって識別される印刷装置に対応する印刷プログラムを印刷実行要求の供給先として特定するための情報である、前記記憶制御部と、として機能させてもよい。
【0006】
上記の構成によると、端末装置は、複数個の印刷装置のそれぞれから応答信号を受信し、かつ、M個の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが端末装置にインストール済みである場合に、特定の装置識別情報を対象情報として端末装置に記憶する。従って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0007】
上記のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体、上記のコンピュータプログラムによって実現される端末装置、及び、端末装置を制御するための方法も、新規で有用である。また、端末装置と複数個の印刷装置とを含む通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】PCによって実行されるホーム画面表示処理のフローチャートである。
図3】ケースAにおいて、PCに表示される第1のホーム画面の一例である。
図4】ケースBにおいて、PCに表示される第2のホーム画面の一例である。
図5】ケースCにおいて、PCに表示される第3のホーム画面の一例である。
図6】PCによって実行される未登録処理の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例)
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、PC10を備える。PC10は、Local Area Network(LAN)4に接続されている。PC10は、LAN4を介して、LAN4に所属している他のデバイスと通信可能である。LAN4には、MFP100、MFP110、及び、プリンタ120が所属し得る。以下では、MFP100、110、プリンタ120のことを、「印刷装置」と記載することがある。
【0010】
(PC10の構成)
PC10は、デスクトップPCであってもよいし、ノートPCであってもよい。PC10は、操作部12と、表示部14と、通信インターフェース16と、USBインターフェース18と、制御部30と、を備える。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0011】
操作部12は、様々な情報をPC10に入力するためのインターフェースであり、マウス、キーボード等を備える。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイ又はパネルである。パネルは、タッチパネルであってもよいし、タッチパネルでなくてもよい。また、パネルは、例えば、液晶パネル又は有機ELパネルである。通信I/F16は、LAN4に接続されている。通信I/F16は、有線I/Fであってもよいし、無線I/Fであってもよい。
【0012】
制御部30は、CPU32と、揮発性メモリ34と、不揮発性メモリ36と、を備える。揮発性メモリ34は、RAMを含む。不揮発性メモリ36は、Hard Disk Drive(HDD)及びROMを含む。不揮発性メモリ36は、Solid State Drive(SSD)又はフラッシュメモリを含んでもよい。不揮発性メモリ36は、Operating System(OS)プログラム40と、アプリケーションプログラム42と、キューテーブル44と、を記憶する。以下では、OSプログラム40、アプリケーションプログラム42を、それぞれ、「OS40」、「アプリ42」と記載する。OS40は、PC10の基本的な動作を制御する。アプリ42は、MFP100等に印刷機能又はスキャン機能を実行させる。不揮発性メモリ36に記憶されたプログラム40、42が揮発性メモリ34にロードされ、実行されることによって、様々な処理が実行される。
【0013】
キューテーブル44は、プリンタドライバに対応するプリンタキューを管理するためのテーブルである。キューテーブル44では、キュー名と、IPアドレスと、プリンタドライバ情報と、モデル名と、デフォルト情報と、が関連付けて記憶されている。キュー名、IPアドレス、プリンタドライバ情報、モデル名、及び、デフォルト情報が、プリンタキューである。プリンタドライバ情報は、プリンタドライバを識別するための情報である。デフォルト情報は、当該情報が関連付けられているプリンタドライバに対応する印刷装置が、デフォルトの印刷装置としてPC10に設定されていることを示す「ON」と、当該印刷装置がデフォルトの印刷装置としてPC10に設定されていないことを示す「OFF」と、のいずれかを示す。デフォルトの印刷装置とは、OS40においてデフォルト(換言すると「既定」)として設定されている印刷装置である。
【0014】
不揮発性メモリ36は、プリンタドライバ46A、46B、46Cを記憶し得る。プリンタドライバ46A、46B、46Cは、それぞれ、モデル名「MNA」、「MNB」、「MNC」を有する印刷装置に印刷機能を実行させる。即ち、プリンタドライバ46A、46B、46Cは、それぞれ、モデル名「MNA」、「MNB」、「MNC」を有する印刷装置に対応する印刷プログラムである。プリンタドライバ46A、46B、46Cは、PC10が出荷された後に、PC10にダウンロードされてインストールされる。プリンタドライバ46A、46B、46Cは、MFP100、110、プリンタ120と共に出荷されるメディアからPC10にダウンロードされてもよいし、MFP100、110、プリンタ120等のベンダによって設置される図示省略のサーバからPC10にダウンロードされてもよい。アプリ42は、プリンタドライバとしての機能を有していない。このため、アプリ42は、プリンタドライバを介することなく、印刷装置に印刷機能を実行させることができない。従って、アプリ42を利用して印刷装置に印刷機能を実行させるためには、当該印刷装置に対応するプリンタドライバがPC10にインストール済みである必要がある。ここで、印刷装置に対応するプリンタドライバとは、例えば、当該プリンタドライバを利用して、当該プリンタドライバに対応するモデル名を有する印刷装置に印刷機能を実行させることはできるが、当該プリンタドライバを利用して、当該プリンタドライバに対応するモデル名を有さない印刷装置に印刷機能を実行させることができないプリンタドライバのことをいう。なお、印刷装置に対応するプリンタドライバは、当該プリンタドライバに対応するモデル名を有する印刷装置だけではなく、当該印刷装置に構造が類似する印刷装置に印刷機能を実行させることが可能であってもよい。
【0015】
(MFP100、110の構成)
MFP100は、印刷機能及びスキャン機能を実行可能な周辺装置である。MFP100は、さらに、FAX機能等を実行可能であってもよい。MFP100は、電子写真方式、インクジェット方式、又は、サーマル方式の印刷エンジンを有する印刷実行部と、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ又はCIS(Contact Image Sensor)等のイメージセンサを有するスキャナエンジンを有するスキャン実行部と、を備える。電子写真方式の印刷エンジンは、感光体及び光を射出して感光体を露光する露光装置等を備える。インクジェット方式の印刷エンジンは、インク液滴を吐出する印刷ヘッドを備える。サーマル方式の印刷エンジンは、ヒータにより熱を発する印刷ヘッドを備える。MFP100は、モデル名「MNA」を有する。MFP100は、さらに、LAN4に所属する場合に、IPアドレス「IPA」を有する。MFP100には、機能情報「プリント、スキャン」が記憶されている。機能情報は、MFP100が実行可能な機能を示す情報である。機能情報「プリント」は、MFP100が印刷機能を実行可能であることを示し、機能情報「スキャン」は、MFP100がスキャン機能を実行可能であることを示す。
【0016】
MFP110は、モデル名「MNB」と、MFP110が所属するLAN4のIPアドレス「IPB」と、を有する点を除いて、MFP100と同様の構成を有している。
【0017】
(プリンタ120の構成)
プリンタ120は、印刷機能を実行可能な周辺装置である。プリンタ120は、電子写真方式、インクジェット方式、又は、サーマル方式の印刷エンジンを有する印刷実行部を備える。プリンタ120は、モデル名「MNC」を有する。プリンタ120は、さらに、LAN4に所属する場合に、IPアドレス「IPC」を有する。プリンタ120には、機能情報「プリント」が記憶されている。
【0018】
(ホーム画面表示処理;図2
図2を参照して、PC10のアプリ42によって実行されるホーム画面表示処理について説明する。アプリ42は、対象情報が不揮発性メモリ36に記憶されていない状態、即ち、印刷装置がPC10に登録されていない状態において、アプリ42が起動される場合に、図2の処理を実行する。対象情報は、アプリ42が印刷実行指示を取得する場合に、対象情報として記憶されているIPアドレスによって識別される印刷装置に対応するプリンタドライバを印刷実行要求の供給先として特定するための情報である。なお、アプリ42は、OS36を介して、表示部14、揮発性メモリ34、不揮発性メモリ36、通信I/F16等の各ハードウェアにアクセスして、各種処理を実行する。以下では、アプリ42がOS40を介して処理を実行することを適宜省略して説明する。
【0019】
S10において、アプリ42は、LAN4に所属している印刷装置を検索するための検索処理を実行する。まず、アプリ42は、通信I/F16を介して、検索信号をLAN4に送信する。検索信号は、LAN4に所属する印刷装置を検索するための信号である。アプリ42は、検索信号をLAN4に送信することに応じて、LAN4に所属する複数個の印刷のそれぞれから、通信I/F16を介して、IPアドレスとモデル名と機能情報と残量情報とを含む応答信号を受信する。残量情報は、印刷装置に装着されている消耗品(例えばインクカートリッジ)の残量を示す情報である。
【0020】
S12において、アプリ42は、OS40からプリンタキューを取得できるのか否かを判断する。具体的には、アプリ42は、プリンタキューの取得を要求する取得要求をOS40に供給する。OS40は、キューテーブル44が不揮発性メモリ36に記憶されている場合に、キューテーブル44をアプリ42に供給し、キューテーブル44が不揮発性メモリ36に記憶されていない場合に、キューテーブル44をアプリ42に供給しない。なお、キューテーブル44が不揮発性メモリ36に記憶されていない場合とは、1個のプリンタドライバもPC10にインストール済でない状態である。アプリ42は、OS40からキューテーブル44を取得する場合(S12でYES)に、S20に進み、OS40からキューテーブル44を取得しない場合(S12でNO)に、S50に進む。なお、アプリ42は、OS40から、1個のプリンタドライバもPC10にインストール済みでないことを示す情報を取得することによって、S12でNOと判断してもよい。
【0021】
S20において、アプリ42は、S10で受信された複数個の応答信号と、S12で取得されたキューテーブル44と、を利用して、対応するプリンタドライバがPC10にインストール済みである印刷装置(以下では、「インストール済みの印刷装置」と記載する)がLAN4に所属しているのか否かを判断する。アプリ42は、複数個の応答信号のそれぞれについて、当該応答信号に含まれるIPアドレスを特定し、特定済みのIPアドレスがキューテーブル44に含まれている場合に、当該IPアドレスによって識別される印刷装置に対応するプリンタドライバがPC10にインストール済みであると判断する。アプリ42は、複数個の応答信号のそれぞれに含まれるIPアドレスのうちの少なくとも1個のIPアドレスがキューテーブル44に含まれている場合に、インストール済みの印刷装置がLAN4に所属していると判断し(S20でYES)、S22に進む。一方、アプリ42は、複数個のIPアドレスの全てがキューテーブル44に含まれていない場合に、インストール済みの印刷装置がLAN4に所属していないと判断し(S20でNO)、S50に進む。
【0022】
S22において、アプリ42は、デフォルトの印刷装置がLAN4に所属しているのか否かを判断する。アプリ42は、複数個の応答信号のそれぞれに含まれるIPアドレスのうち、キューテーブル44に含まれている1個以上のIPアドレス(以下では、「1個以上の対象IPアドレス」と記載する)を特定する。アプリ42は、デフォルト情報「ON」が1個以上の対象IPアドレスに関連付けてキューテーブル44に記憶されているのか否を判断する。アプリ42は、デフォルト情報「ON」が1個以上の対象IPアドレスに関連付けてキューテーブル44に記憶されている場合に、デフォルトの印刷装置がLAN4に所属していると判断し(S22でYES)、S24に進む。一方、アプリ42は、デフォルト情報「ON」が1個以上の対象IPアドレスのいずれにも関連付けてキューテーブル44に記憶されていない場合に、デフォルトの印刷装置がLAN4に所属していないと判断し(S22でNO)、S30に進む。
【0023】
S24において、アプリ42は、デフォルト情報「ON」に関連付けてキューテーブル44に記憶されているIPアドレスを特定し、当該IPアドレスを対象情報として不揮発性メモリ36に記憶させる。これにより、対応するプリンタドライバがPC10にインストール済みであり、LAN4に所属しており、かつ、デフォルトの印刷装置としてPC10に設定されている印刷装置がPC10に登録される。このように、アプリ42は、IPアドレスを対象情報としてPC10に記憶させるための操作をユーザから受け付けることなく、IPアドレスを対象情報としてPC10に記憶させる。従って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0024】
S26において、アプリ42は、第1のホーム画面を表示部14に表示させる。
【0025】
図3に、ケースAの場合に表示される第1のホーム画面200を示す。ケースAでは、MFP100、110、及び、プリンタ120がLAN4に所属しており、プリンタドライバ46A~46CがPC10にインストール済みであり、かつ、MFP100がデフォルトの印刷装置としてPC10に設定されている。この場合、キューテーブル44には、キュー名「QN1」、IPアドレス「IPA」、プリンタドライバ情報「PD1」、モデル名「MNA」、及び、デフォルト情報「ON」を含むプリンタキューと、キュー名「QN2」、IPアドレス「IPB」、プリンタドライバ情報「PD2」、モデル名「MNB」、及び、デフォルト情報「OFF」を含むプリンタキューと、キュー名「QN3」、IPアドレス「IPC」、プリンタドライバ情報「PD3」、モデル名「MNC」、及び、デフォルト情報「OFF」を含むプリンタキューと、が記憶されている。
【0026】
本ケースでは、アプリ42は、対応するプリンタドライバがインストール済みであるMFP100、110、プリンタ120がLAN4に所属していると判断し(S20でYES)、デフォルトの印刷装置としてPC10に設定されているMFP100がLAN4に所属していると判断する(S22でYES)。そして、アプリ42は、MFP100のIPアドレス「IPA」を対象情報として不揮発性メモリ36に記憶させ(S24)、第1のホーム画面200を表示部14に表示させる(S26)。第1のホーム画面200は、プリントアイコン202と、スキャンアイコン204と、デバイス欄206と、検索ボタン208と、第1の登録画面210と、を含む。デバイス欄206は、不揮発性メモリ36に対象情報として記憶されているIPアドレスによって識別される印刷装置に関する情報(即ち、モデル名、IPアドレス、残量情報)を示す欄である。本ケースでは、MFP100に関する情報がデバイス欄206に表示される。なお、不揮発性メモリ36に対象情報が記憶されていない場合、デバイス欄206には、文字列「未選択」が表示される(図6参照)。検索ボタン208は、LAN4に所属している印刷装置を検索するためのボタンである。第1の登録画面210は、モデル名「MNA」及びIPアドレス「IPA」を有する印刷装置がPC10に登録されたことを示す第1の登録メッセージと、OKボタンと、を含む。第1の登録メッセージは、当該メッセージ内のIPアドレス「IPA」が対象情報としてPC10に記憶されたことを示すメッセージでもある。また、第1の登録メッセージは、デフォルトの印刷装置がPC10に登録されたことを示す。ユーザは、第1の登録メッセージを見ることで、PC10に登録された印刷装置を認識することができる。従って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0027】
上述のように、アプリ42は、デフォルトの印刷装置としてPC10に設定されている印刷装置のIPアドレスを対象情報としてPC10に記憶させる。また、アプリ42は、2個以上の印刷装置のそれぞれに対応するプリンタドライバがPC10にインストール済みである場合に、デフォルトの印刷装置のIPアドレスを、デフォルトの印刷装置とは異なる印刷装置のIPアドレスよりも優先的に対象情報としてPC10に記憶させる。ユーザは、デフォルトの印刷装置のIPアドレスを対象情報としてPC10に記憶させることを所望している可能性が高い。従って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0028】
アプリ42は、図2のS26が終了すると、図2の処理を終了する。
【0029】
また、S30において、アプリ42は、スキャン機能を有する印刷装置がLAN4に所属しているのか否かを判断する。アプリ42は、1個以上の対象IPアドレスを含む1個以上の応答信号を特定し、特定済みの1個以上の応答信号のうちの少なくとも1個の応答信号が、機能情報「スキャン」を含むのか否かを判断する。アプリ42は、特定済みの1個以上の応答信号のうちの少なくとも1個の応答信号が機能情報「スキャン」を含む場合に、スキャン機能を有する印刷装置がLAN4に所属していると判断し(S30でYES)、S32に進む。一方、アプリ42は、特定済みの1個以上の応答信号のいずれもが機能情報「スキャン」を含まない場合に、スキャン機能を有する印刷装置がLAN4に所属していないと判断し(S30でNO)、S40に進む。
【0030】
S32において、アプリ42は、S30で機能情報「スキャン」を含むと判断された応答信号を特定し、当該応答信号に含まれるIPアドレスを対象情報として不揮発性メモリ36に記憶させる。これにより、対応するプリンタドライバがPC10にインストール済みであり、LAN4に所属しており、かつ、スキャン機能を有する印刷装置がPC10に登録される。
【0031】
S34において、アプリ42は、第2のホーム画面を表示部14に表示させる。
【0032】
図4に、ケースBの場合に表示される第2のホーム画面220を示す。ケースBは、MFP100、110、プリンタ120とは異なる印刷装置がデフォルトの印刷装置としてPC10に設定されている点を除いて、図3のケースAと同様である。本ケースにおけるキューテーブル44の内容は、キュー名「QN1」に関連付けて記憶されているデフォルト情報が「OFF」である点を除いて、図3のケースAにおけるキューテーブル44の内容と同じである。
【0033】
本ケースでは、アプリ42は、対応するプリンタドライバがインストール済みであるMFP100、110、プリンタ120がLAN4に所属していると判断し(S20でYES)、デフォルトの印刷装置としてPC10に設定されている印刷装置がLAN4に所属していないと判断する(S22でNO)。そして、アプリ42は、スキャン機能を有しているMFP100、110がLAN4に所属していると判断し(S30でYES)、MFP100のIPアドレス「IPA」を対象情報として不揮発性メモリ36に記憶させ(S32)、第2のホーム画面220を表示部14に表示させる(S34)。なお、アプリ42は、MFP110のIPアドレス「IPB」を対象情報として不揮発性メモリ36に記憶させてもよい。第2のホーム画面220は、第1の登録画面210(図3参照)に代えて、第2の登録画面230が表示されている点を除いて、第1のホーム画面200(図3参照)と同様である。第2の登録画面230は、モデル名「MNA」及びIPアドレス「IPA」を有する印刷装置が登録されたことを示す第2の登録メッセージと、デフォルトの印刷装置が見つからなかったことを示す第1の未発見メッセージと、OKボタンと、を含む。第1の未発見メッセージは、デフォルトの印刷装置がLAN4に所属していないことを示すメッセージでもある。ユーザは、第1の未発見メッセージを見ることで、デフォルトの印刷装置がLAN4に所属していないことを知ることができる。これにより、ユーザは、デフォルトの印刷装置をPC10に登録するためには、デフォルトの印刷装置をLAN4に所属させる必要があることを認識することができる。
【0034】
アプリ42は、図2のS34が終了すると、図2の処理を終了する。
【0035】
また、S40において、アプリ42は、複数個の応答信号とキューテーブル44との両方に含まれるIPアドレスを特定し、当該IPアドレスを対象情報として不揮発性メモリ36に記憶させる。これにより、対応するプリンタドライバがPC10にインストール済みであり、かつ、LAN4に所属している印刷装置(即ちインストール済みの印刷装置)がPC10に登録される。
【0036】
S42において、アプリ42は、第3のホーム画面を表示部14に表示させる。
【0037】
図5に、ケースCの場合に表示される第3のホーム画面240を示す。ケースCでは、MFP100、110がLAN4に所属しておらず、プリンタ120がLAN4に所属しており、プリンタドライバ46CがPC10にインストール済みであり、かつ、プリンタ120とは異なる印刷装置がデフォルトの印刷装置としてPC10に設定されている。本ケースにおけるキューテーブル44には、キュー名「QN3」、IPアドレス「IPC」、プリンタドライバ情報「PD3」、モデル名「MNC」、及び、デフォルト情報「OFF」を含むプリンタキューが記憶されている。
【0038】
本ケースでは、アプリ42は、対応するプリンタドライバがインストール済みであるプリンタ120がLAN4に所属していると判断し(S20でYES)、デフォルトの印刷装置としてPC10に設定されている印刷装置がLAN4に所属していないと判断する(S22でNO)。そして、アプリ42は、スキャン機能を有している印刷装置がLAN4に所属していないと判断し(S30でNO)、プリンタ120のIPアドレス「IPC」を対象情報として不揮発性メモリ36に記憶させ(S40)、第3のホーム画面240を表示部14に表示させる(S42)。第3のホーム画面240は、デバイス欄206に表示される情報がプリンタ120に関する情報である点、及び、第1の登録画面210(図3参照)に代えて、第3の登録画面250が表示されている点を除いて、第1のホーム画面200(図3参照)と同様である。第3の登録画面250は、モデル名「MNC」及びIPアドレス「IPC」を有する印刷装置が登録されたことを示す第3の登録メッセージと、デフォルトの印刷装置が見つからなかったことを示す第1の未発見メッセージと、OKボタンと、を含む。
【0039】
アプリ42は、図2のS42が終了すると、図2の処理を終了する。
【0040】
また、アプリ42は、S20でNOと判断される場合に、S50において、未登録処理(図6参照)を実行する。未登録処理は、印刷装置をPC10に登録することなく、ホーム画面を表示部14に表示させるための処理である。アプリ42は、S50が終了すると、図2の処理を終了する。
【0041】
上述のように、アプリ42は、IPアドレスが対象情報としてPC10に記憶されていない状態において、アプリ42が起動される場合に、ホーム画面表示処理を実行する。IPアドレスが対象情報として記憶されている場合、ユーザは、当該IPアドレスによって識別される印刷装置を利用することを所望している可能性が高い。この場合に、対象情報としてPC10に記憶されているIPアドレスが変更されることは望ましくない。上記の構成によると、アプリ42を介して利用する印刷装置が既にPC10に登録されている状態において、アプリ42を介して利用する印刷装置が変更されることを抑制することができる。
【0042】
(未登録処理;図6
図6を参照して、図2のS50で実行される未登録処理について説明する。S70において、アプリ42は、1個以上のプリンタドライバがPC10にインストール済みであるのか否かを判断する。アプリ42は、OS40からキューテーブル44が取得済みである場合(図2のS12参照)に、1個以上のプリンタドライバがPC10にインストール済みであると判断し(S70でYES)、S72に進む。一方、アプリ42は、OS40からキューテーブル44を取得していない場合に、1個のプリンタドライバもPC10にインストール済みでないと判断し(S70でNO)、S74に進む。
【0043】
S72において、アプリ42は、IPアドレスを対象情報としてPC10に記憶することなく、第4のホーム画面を表示部14に表示させる。
【0044】
ケースDの場合に表示される第4のホーム画面260について説明する。ケースDでは、MFP100、110、及び、プリンタ120がLAN4に所属しておらず、プリンタドライバ46AがPC10にインストール済みであり、かつ、MFP100がデフォルトの印刷装置としてPC10に設定されている。図示省略しているが、ケースDのキューテーブル44には、プリンタドライバ46Aに対応するプリンタキューが記憶されている。
【0045】
本ケースでは、アプリ42は、インストール済みの印刷装置がLAN4に所属していないと判断し(S20でYES)、プリンタドライバ46AがPC10にインストール済みであると判断し(S70でYES)、第4のホーム画面260を表示部14に表示させる(S72)。第4のホーム画面260は、デバイス欄206に文字列「未選択」が表示される点、及び、第1の登録画面210(図3参照)に代えて、第4の登録画面270が表示される点を除いて、第1のホーム画面200(図3参照)と同様である。第4の登録画面270は、インストール済みの印刷装置が見つからなかったことを示す第2の未発見メッセージと、デフォルトの印刷装置が見つからなかったことを示す第1の未発見メッセージと、OKボタンと、を含む。ユーザは、第2の未発見メッセージを見ることで、インストール済みの印刷装置が見つからなかったことを知ることができる。これにより、ユーザは、インストール済みの印刷装置をPC10に登録するためには、デフォルトの印刷装置をLAN4に所属させる必要があることを認識することができる。
【0046】
アプリ42は、S72が終了すると、図6の処理を終了する。
【0047】
また、S74において、アプリ42は、IPアドレスを対象情報としてPC10に記憶することなく、第5のホーム画面を表示部14に表示させる。
【0048】
ケースDの場合に表示される第5のホーム画面280について説明する。ケースEでは、MFP100、110、及び、プリンタ120がLAN4に所属しておらず、1個のプリンタドライバもPC10にインストール済みでない。ケースEのキューテーブル44は、空の状態である。
【0049】
本ケースでは、アプリ42は、OS40からキューテーブル44が取得されないと判断し(S12でNO)、1個のプリンタドライバもPC10にインストール済みでないと判断し(S70でNO)、第5のホーム画面280を表示部14に表示させる(S74)。第5のホーム画面280は、第4の登録画面270に代えて、第5の登録画面290が表示されている点を除いて、第4のホーム画面260と同様である。第5の登録画面290は、1個のプリンタドライバもPC10にインストール済みでないことを示す未インストールメッセージと、OKボタンと、を含む。ユーザは、未インストールメッセージを見ることで、1個のプリンタドライバもPC10にインストール済みでないことを知ることができる。これにより、ユーザは、アプリ42を使用して印刷装置に印刷機能を実行させるためには、プリンタドライバをPC10にインストールする必要があることを認識することができる。
【0050】
アプリ42は、S74が終了すると、図6の処理を終了する。
【0051】
(本実施例の効果)
上記の構成によると、PC10は、複数個の印刷装置のそれぞれから応答信号を受信し(図2のS10)、かつ、M(Mは1以上の整数)個の印刷装置のそれぞれに対応するプリンタドライバがPC10にインストール済みである場合(S20でYES)に、M個の印刷装置のうちの特定の印刷装置(例えばMFP100)を識別するIPアドレスを対象情報としてPC10に記憶する(S24、S32、S40)。従って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0052】
(対応関係)
PC10が、「端末装置」の一例である。IPアドレスが、「装置識別情報」の一例である。プリンタドライバが、「印刷プログラム」の一例である。図3のケースAにおけるMFP100が、「M個の印刷装置」の一例である。図3のケースAにおけるMFP110、IPアドレス「IPA」が、それぞれ、「特定の印刷装置」、「特定の装置識別情報」の一例である。図3のケースAにおける第1の登録メッセージが、「第1のメッセージ」の一例である。図4のケースBにおける第1の未発見メッセージが、「第2のメッセージ」の一例である。図6の第2の未発見メッセージが、「第3のメッセージ」の一例である。図6の未インストールメッセージが、「第4のメッセージ」の一例である。通信I/F16が、「LANインターフェース」の一例である。
【0053】
図2のS10が、「検索信号送信部」によって実行される処理の一例である。図2のS10が、「検索信号受信部」によって実行される処理の一例である。図2のS24、S32、S40で実行される処理が、「記憶制御部」によって実行される処理の一例である。
【0054】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0055】
(第1変形例)「装置識別情報」は、IPアドレスに限定されず、モデル名、シリアル番号、MACアドレス等であってもよい。
【0056】
(第2変形例)「端末装置」は、PC10に限定されず、携帯電話、スマートフォン、PDA等の可搬型の端末装置であってもよい。本変形例では、「印刷プログラム」は、端末装置にインストールされているアプリケーションプログラムと連携して印刷装置に印刷機能を実行させるプリントプラグインである。
【0057】
(第3変形例)アプリ42は、図2のS22の後に、デフォルトの印刷装置としてPC10に設定されている印刷装置をPC10に登録するのか否かをユーザに問合わせるための問合画面を表示部14に表示させてもよい。本変形例では、アプリ42は、ユーザによって、当該登録を許可するための操作を受け付ける場合に、S24の処理を実行する。一方、アプリ42は、ユーザによって、当該登録を禁止するための操作を受け付ける場合に、S24、S26を実行することなく、第6のホーム画面を表示部14に表示させる。第6のホーム画面は、例えば、第4の登録画面270を含まない点を除いて、図6の第4のホーム画面260と同様であってもよい。また、アプリ42は、S30でYESと判断された後、及び、S30でNOと判断された後にも、問合画面を表示部14に表示させてもよい。
【0058】
(第4変形例)図2のS22~S26を省略可能である。
【0059】
(第5変形例)第1のホーム画面200(図3参照)、第2のホーム画面220(図4参照)、第3のホーム画面240(図5参照)のそれぞれにおいて、第1の登録メッセージ、第2の登録メッセージ、第3のメッセージを省略可能である。本変形例では、「第1の表示制御部」を省略可能である。
【0060】
(第6変形例)第2のホーム画面220(図4参照)、第3のホーム画面240(図5参照)のそれぞれにおいて、第1の未発見メッセージを省略可能である。本変形例では、「第2の表示制御部」を省略可能である。
【0061】
(第7変形例)第4のホーム画面260(図6参照)において、第2の未発見メッセージを省略可能である。本変形例では、「第3の表示制御部」を省略可能である。
【0062】
(第8変形例)第5のホーム画面280(図6参照)において、未インストールメッセージを省略可能である。本変形例では、「第3の表示制御部」を省略可能である。
【0063】
(第9変形例)図2のS20において、アプリ42は、応答信号内のモデル名を利用して、当該モデル名によって識別される印刷装置に対応するプリンタドライバがPC10にインストール済みであるのか否かを判断してもよい。
【0064】
(第10変形例)図2のS10において、アプリ42は、USBI/F18を介して、検索信号を送信してもよい。これにより、USBI/F18を介してPC10に接続されている複数個の印刷装置に検索信号が送信される。そして、アプリ42は、USBI/F18を介して、複数個の印刷装置のそれぞれから応答信号を受信する。その後、図2のS12~S50、及び、図5のS70~S74と同様の処理が実行される。
【0065】
(第11変形例)PC10は、BluetoothI/F(以下では、「BTI/F」と記載する。)を備えてもよい。BTI/Fは、Bluetooth規格に従った信号を送受信するためのI/Fである。なお、Bluetoothは、Bluetooth SIGの登録商標である。本変形例では、アプリ42は、図2のS10において、BTI/Fを介して、検索信号を送信する。そして、アプリ42は、BTI/Fを介して、複数個の印刷装置のそれぞれから応答信号を受信する。その後、図2のS12~S50、及び、図5のS70~S74と同様の処理が実行される。
【0066】
(第12変形例)アプリ42は、IPアドレスが対象情報としてPC10に記憶されている状態において、ホーム画面表示処理をアプリ42に実行させるための操作を受け付ける場合に、ホーム画面表示処理を実行してもよい。本変形例では、例えば、ホーム画面表示処理をアプリ42に実行させるためのボタンがホーム画面に表示される。
【0067】
(第13変形例)図2のS30~S34を省略可能である。本変形例では、アプリ42は、複数個のインストール済みの印刷装置がLAN4に所属している場合、S10の検索処理において、応答信号を最初に受信したインストール済みの印刷装置に対応するIPアドレスを対象情報として不揮発性メモリ36に記憶させる。また、別の変形例では、アプリ42は、モデル名のアルファベット等を利用して、対象情報として不揮発性メモリ36に記憶させるIPアドレスを決定してもよい。
【0068】
(第14変形例)実施例では、PC10にインストールされるいわゆるネイティブアプリとしてアプリ42を記載したが、アプリ42は、ウェブアプリであってもよいし、クラウドアプリでもよい。また、アプリ42は、ネイティブアプリとウェブアプリとクラウドアプリとのうちの少なくとも2個の組合せによって実現されるアプリであってもよい。上記の組合せとしては、例えば、ネイティブアプリとウェブアプリとの組合せ(いわゆるハイブリッドアプリ)、ネイティブアプリとクラウドアプリとの組合せ、ウェブアプリとクラウドアプリとの組合せ、又は、ネイティブアプリとウェブアプリとクラウドアプリとの組合せがある。
【0069】
(第15変形例)上記の実施例では、図2図6の処理が、ソフトウェア(例えば、プログラム40、42)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0070】
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0071】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
検索信号を送信する検索信号送信部と、
前記検索信号が送信されることに応じて、複数個の印刷装置のそれぞれから、当該印刷装置を識別する装置識別情報を含む応答信号を受信する応答信号受信部と、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のうちのM個(前記Mは1以上の整数)の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである場合に、前記M個の印刷装置のうちの特定の印刷装置を識別する特定の装置識別情報を対象情報として前記端末装置に記憶させる記憶制御部であって、前記対象情報は、前記コンピュータプログラムが、印刷実行指示を取得する場合に、前記対象情報として記憶されている装置識別情報によって識別される印刷装置に対応する印刷プログラムを印刷実行要求の供給先として特定するための情報である、前記記憶制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目2)
前記記憶制御部は、前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記M個の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである場合に、装置識別情報を前記対象情報として前記端末装置に記憶させるための操作をユーザから受け付けることなく、前記特定の装置識別情報を前記対象情報として前記端末装置に記憶させる、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記記憶制御部は、前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記M個の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みであり、かつ、前記特定の印刷装置がデフォルトの印刷装置として前記端末装置に設定されている場合に、前記特定の装置識別情報を前記対象情報として前記端末装置に記憶させる、項目1又は2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記特定の装置識別情報が前記対象情報として前記端末装置に記憶される場合に、前記特定の装置識別情報が前記対象情報として記憶されたことを示す第1のメッセージを前記端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部として機能させる、項目1から3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記M個の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みであり、かつ、前記M個の印刷装置のいずれもがデフォルトの印刷装置として前記端末装置に設定されていない場合に、前記デフォルトの印刷装置が見つからなかったことを示す第2のメッセージを前記端末装置の表示部に表示させる第2の表示制御部として機能させる、項目1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のいずれに対応する印刷プログラムも前記端末装置にインストール済みでない場合に、対応する印刷プログラムがインストール済みである印刷装置が見つからなかったことを示す第3のメッセージを前記端末装置の表示部に表示させる第3の表示制御部として機能させる、項目1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
前記第3の表示制御部は、1個以上の印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである状態において、前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のいずれに対応する印刷プログラムも前記端末装置にインストール済みでない場合に、前記第3のメッセージを前記表示部に表示させ、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
1個の印刷プログラムも前記端末装置にインストール済みでない状態において、前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信される場合に、印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みでないことを示す第4のメッセージを前記表示部に表示させる第4の表示制御部として機能させる、項目6に記載のコンピュータプログラム。
(項目8)
前記端末装置は、LAN(Local Area Networkの略)を介した通信を実行するためのLANインターフェースを備え、
前記検索信号送信部は、前記LANインターフェースを介して、前記検索信号を前記LANに送信し、
前記応答信号受信部は、前記LANインターフェースを介して、前記LANに所属する前記複数個の印刷装置のそれぞれから、当該印刷装置のIPアドレスである装置識別情報を含む前記応答信号を受信し、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信される場合に、複数個の前記応答信号のそれぞれについて、当該応答信号に含まれる装置識別情報であるIPアドレスに関連付けて印刷プログラムが前記端末装置に記憶されているのか否かを判断することによって、当該印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みであるのか否かを判断する判断部として機能させる、項目1から7のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目9)
前記検索信号送信部は、装置識別情報が前記対象情報として前記端末装置に記憶されていない状態において、前記コンピュータプログラムが起動される場合に、前記検索信号を送信する、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目10)
端末装置であって、
検索信号を送信する検索信号送信部と、
前記検索信号が送信されることに応じて、複数個の印刷装置のそれぞれから、当該印刷装置を識別する装置識別情報を含む応答信号を受信する応答信号受信部と、
前記複数個の印刷装置からのそれぞれ前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のうちのM個(前記Mは1以上の整数)の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである場合に、前記M個の印刷装置のうちの特定の印刷装置を識別する特定の装置識別情報を対象情報として前記端末装置に記憶させる記憶制御部であって、前記対象情報は、前記端末装置が、印刷実行指示を取得する場合に、前記対象情報として記憶されている装置識別情報によって識別される印刷装置に対応する印刷プログラムを印刷実行要求の供給先として特定するための情報である、前記記憶制御部と、
を備える、端末装置。
(項目11)
端末装置を制御するための方法であって、
検索信号を送信する検索信号送信ステップと、
前記検索信号が送信されることに応じて、複数個の印刷装置のそれぞれから、当該印刷装置を識別する装置識別情報を含む応答信号を受信する応答信号受信ステップと、
前記複数個の印刷装置のそれぞれから前記応答信号が受信され、かつ、前記複数個の印刷装置のうちのM個(前記Mは1以上の整数)の印刷装置のそれぞれに対応する印刷プログラムが前記端末装置にインストール済みである場合に、前記M個の印刷装置のうちの特定の印刷装置を識別する特定の装置識別情報を対象情報として前記端末装置に記憶させる記憶制御ステップであって、前記対象情報は、前記端末装置が、印刷実行指示を取得する場合に、前記対象情報として記憶されている装置識別情報によって識別される印刷装置に対応する印刷プログラムを印刷実行要求の供給先として特定するための情報である、前記記憶制御ステップと、
を備える、方法。
【符号の説明】
【0072】
2:通信システム、4:LAN、10:PC、12:操作部、14:表示部、16:通信I/F、18:USBI/F、30:制御部、32:CPU、34:揮発性メモリ、36:不揮発性メモリ、40:OSプログラム、42:アプリケーションプログラム、44:キューテーブル、46A:プリンタドライバ、46B:プリンタドライバ、46C:プリンタドライバ、100:MFP、110:MFP、120:プリンタ、200:第1のホーム画面、202:プリントアイコン、204:スキャンアイコン、206:デバイス欄、208:検索ボタン、210:第1の登録画面、220:第2のホーム画面、230:第2の登録画面、240:第3のホーム画面、250:第3の登録画面、260:第4のホーム画面、270:第4の登録画面、280:第5のホーム画面、290:第5の登録画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6