(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171066
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】土壌改良材、土壌改良材の製造方法、及び土壌改良方法
(51)【国際特許分類】
C09K 17/32 20060101AFI20241204BHJP
C09K 17/14 20060101ALI20241204BHJP
C12N 1/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
C09K17/32 H
C09K17/14 H
C12N1/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087938
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000185411
【氏名又は名称】小津産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100226023
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 崇仁
(72)【発明者】
【氏名】竹内 久治
(72)【発明者】
【氏名】谷江 英昭
(72)【発明者】
【氏名】増田 晃弘
【テーマコード(参考)】
4B065
4H026
【Fターム(参考)】
4B065BB14
4B065BB22
4B065BB26
4B065BB27
4B065CA60
4H026AA09
4H026AA10
4H026AB03
4H026AB04
(57)【要約】
【課題】
適用された土壌の生物性を向上することができる土壌改良材を提供すること。
【解決手段】
セルロース系繊維を含む繊維材料と、発酵性材料と、を含む、土壌改良材。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース系繊維を含む繊維材料と、発酵性材料と、を含む、土壌改良材。
【請求項2】
前記土壌改良材における前記セルロース系繊維と前記発酵性材料との質量比が、9.5:0.5~7:3である、請求項1に記載の土壌改良材。
【請求項3】
前記セルロース系繊維が再生セルロース系繊維を含む、請求項1又は2に記載の土壌改良材。
【請求項4】
前記セルロース系繊維がコットン、パルプ、レーヨン繊維、キュプラ繊維、リヨセル繊維及びテンセル繊維からなる群から選択される少なくとも1種以上のセルロース系繊維を含む、請求項1又は2に記載の土壌改良材。
【請求項5】
前記セルロース系繊維が銅アンモニアセルロース系再生繊維を含む、請求項1又は2に記載の土壌改良材。
【請求項6】
前記繊維材料の含有量が、前記土壌改良材の総量に対して50質量%以上である、請求項1又は2に記載の土壌改良材。
【請求項7】
更に未滅菌の土を含む、請求項1又は2に記載の土壌改良材。
【請求項8】
前記発酵性材料が、米ぬか、麦ぬか、糖蜜、おから、及び竹粉からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の土壌改良材。
【請求項9】
前記発酵性材料が、米ぬかを含む、請求項1又は2に記載の土壌改良材。
【請求項10】
土壌改良材の製造方法であって、
セルロース系繊維を含む繊維材料と、発酵性材料と、を含む原料を混合する混合工程を備える、製造方法。
【請求項11】
前記混合工程が15~35℃で行われる、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記混合工程において原料における水分量が35~55質量%である、請求項10又は11に記載の製造方法。
【請求項13】
セルロース系繊維を含む繊維材料と、発酵性材料と、を含む土壌改良材により、土壌を改良する方法であって、
前記土壌改良材を土壌へ適用する工程を含む、方法。
【請求項14】
前記土壌改良材が、100~2000g/m2の量で土壌に適用される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は土壌改良材、土壌改良材の製造方法、及び土壌改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近大農業は、安価な農産物を安定供給するために、大規模化、連作が重要視されてきた。それに伴い、農薬や化学肥料といった化学物質を大量に使用し、土壌消毒によって土壌病害の原因となる微生物を排除してきた。大量の化学物質を含む環境は、土壌を住みかとする生き物にとっては居心地の悪い環境である。とりわけ土壌消毒(例えば、クロルピクリン等)は、病原菌だけでなく、圧倒的多数の植物に悪影響のない圧倒的多数の微生物を抹殺してしまい、本来土が持っている素晴らしい機能を失うこととなる。
【0003】
土は、鉱物と有機物と腐植、さらには微生物と空気の混合物であり団粒構造によってなりたっている。土の性質は、化学性、物理性、及び生物性の3つの要素で示される。生物性は土壌微生物、ミミズ、昆虫などの生物の量とその活動の活発さのことである。なお、土壌微生物は細菌、放射菌、糸状菌、藻類、原生動物、線虫などの生き物の総称である。一般に、土1gに数億~数兆個の土壌微生物が存在すると言われている。
【0004】
土の中の多様な土壌微生物を増やすことにより、土壌の物理性の改善(団粒構造でふかふかの土になる)、土壌病害の抑制(特定の病原菌の爆発的増加を防ぐ)、農作物の品質向上(糖度の向上)が図れるという研究成果が知られている。
【0005】
圃場等の土壌を改良するための材料として、土壌改良材が知られている(特許文献1及び2)。土壌改良材は、基材と微生物の栄養源となる物質を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-72581号公報
【特許文献2】特開2022-75426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の土壌改良材は、依然として、土壌の生物性を向上させる性能に改善の余地があった。
【0008】
本開示は、上記事情に鑑みなされたものであり、適用された土壌の生物性を向上することができる土壌改良材を提供することを目的とする。また、本開示は、そのような土壌改良材の製造方法、及び土壌改良方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]
セルロース系繊維を含む繊維材料と、発酵性材料と、を含む、土壌改良材。
[2]
前記土壌改良材における前記セルロース系繊維と前記発酵性材料との質量比が、9.5:0.5~7:3である、[1]の土壌改良材。
[3]
前記セルロース系繊維が再生セルロース系繊維を含む、[1]又は[2]の土壌改良材。
[4]
前記セルロース系繊維がコットン、パルプ、レーヨン繊維、キュプラ繊維、リヨセル繊維及びテンセル繊維からなる群から選択される少なくとも1種以上のセルロース系繊維を含む、[1]~[3]のいずれか一つの土壌改良材。
[5]
前記セルロース系繊維が銅アンモニアセルロース系再生繊維を含む、[1]~[4]のいずれか一つの土壌改良材。
[6]
前記繊維材料の含有量が、前記土壌改良材の総量に対して50質量%以上である、[1]~[5]のいずれか一つの土壌改良材。
[7]
更に未滅菌の土を含む、[1]~[6]のいずれか一つの土壌改良材。
[8]
前記発酵性材料が、米ぬか、麦ぬか、糖蜜、おから、及び竹粉からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]~[7]のいずれか一つの土壌改良材。
[9]
前記発酵性材料が、米ぬかを含む、[1]~[8]のいずれか一つの土壌改良材。
[10]
土壌改良材の製造方法であって、
セルロース系繊維を含む繊維材料と、発酵性材料と、を含む原料を混合する混合工程を備える、製造方法。
[11]
前記混合工程が15~35℃で行われる、[10]の製造方法。
[12]
前記混合工程において原料における水分量が35~55質量%である、[10]又は[11]の製造方法。
[13]
セルロース系繊維を含む繊維材料と、発酵性材料と、を含む土壌改良材により、土壌を改良する方法であって、
前記土壌改良材を土壌へ適用する工程を含む、方法。
[14]
前記土壌改良材が、100~2000g/m2の量で土壌に適用される、[13]の方法。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、適用された土壌の生物性を向上することができる土壌改良材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態に係る土壌改良材は、セルロース系繊維を含む繊維材料と、発酵性材料と、を含む。このような土壌改良材は、適用された土壌の生物性を向上することができる。本実施形態に係る土壌改良材は比較的安価であるセルロース系繊維と発酵性材料を必須成分として含むため、経済的でもある。
【0012】
土壌の生物性の指標としては、「土壌微生物多様性・活性値」を使用することができる。「土壌微生物多様性・活性値」は、例えば、国際公開2011/092860号、特開2010-046020号公報等に記載の方法により測定することができる。
【0013】
セルロース系繊維としては、特に限定されず、天然のセルロース系繊維であってもよく、再生セルロース系繊維であってもよい。再生セルロース系繊維は、木質パルプやコットンリンター等のセルロース含有物質を溶媒に溶解し、その後、紡口より押し出し・凝固させて繊維状に成形したものであってよい。再生セルロース系繊維としては、銅アンモニアセルロース系再生繊維(銅アンモニアレーヨン等)が挙げられる。セルロース系繊維に含まれるセルロースは化学修飾されたものであってもよい。化学修飾されたセルロースとしては、セルロースを硫酸エステル化したものや酢酸でエステル化したものなどが挙げられる。セルロース系繊維は1種のみ又は2種以上を使用することができる。
【0014】
セルロース系繊維としては、コットン、パルプ、ビスコースレーヨン繊維(レーヨン)、銅アンモニアレーヨン繊維(キュプラ(登録商標))、精製セルロース繊維(リヨセル(登録商標)及びテンセル(登録商標))からなる群から選択される少なくとも1種以上のセルロース系繊維であってよい。繊維材料は、レーヨン繊維、及びリヨセル繊維の少なくとも一方を含んでいてよく、銅アンモニアレーヨン繊維、及びリヨセル繊維の少なくとも一方を含んでいてよい。
【0015】
繊維材料は、布帛の形態であってもよいし、布帛化前の繊維形状のままであってもよい。布帛は、織編物、不織布形状等であってよく、不織布であってよい。土壌改良材は、不織布及び織編布の少なくとも一方を含んでいてよく、不織布を含んでいてよい。布帛の目付や厚みは特に限定されるものではないが、例えば、布帛の目付は、30~200g/m2であってよく、50~150g/m2であってよく、60~120g/m2であってよい。目付は、単位面積当たりの風乾重量であってよい。例えば、複数個の試料(例えば、200mm×500mmの試験片を8点)を用意し、各試料の風乾重量を測定し、平均値をとることにより布帛の目付とすることもできる。布帛の厚みは、0.1~2.0mmであってよく、0.2~1.5mmであってよく、0.25~1.0mmであってよく、0.3~0.8mmであってよい。
【0016】
布帛や布帛化前の繊維形状の材料の大きさは特に限定されるものではないが、繊維材料の大きさは、発酵性材料との均一混合のしやすさや、繊維材料の表面積増大の観点から長尺方向の長さが1mm以上のものが好ましく用いられる。1mm以上であれば粉砕にコストがかからない傾向にある。好ましい繊維材料の長尺方向の長さは3~100mm材料の範囲である。布帛の場合、布帛の形状は特に限定されず、正方形、長方形の多角形、円形等であってよい。例えば、矩形の場合、1辺が3~20mm、他方の辺が10~25mmであってよく、1辺が3~10mm、他方の辺が10~15mmのサイズであってよい。繊維材料は、衣類等の繊維製品を製造した際に生じる耳反等の端材であってもよく、衣類等の繊維製品の廃棄物を使用してもよい。本実施形態の土壌改良材は、端材、廃棄物等の本来処分すべきものを材料として使用できるため、コスト面で有利であり、環境に対する負荷を減らすことも可能である。
【0017】
繊維材料の繊度は、特に限定されるものではなく、工業的規模で汎用的に生産可能な繊度範囲であればよく0.7~3.0dtexであってよく、1.0~2.5dtexであってよい。
【0018】
セルロース系繊維は、長繊維及び短繊維のいずれであってもよく、両方を含んでいてもよい。又これらの繊維を用いた布帛形状であってもよい。土壌改良材は、セルロース系長繊維を含んでいてもよい。短繊維の平均の長さは特に制限はないが、1~100mmであってよく、2~80mmであってよく、3~70mmであってよい。セルロース系繊維の平均繊維長は、1mm以上であってよく、3mm以上であってよく、10mm以上であってよく、20mm以上であってよく、30mm以上であってもよい。
【0019】
繊維材料は、セルロース系繊維以外の繊維を含んでいてよい。そのような繊維としては有機繊維が挙げられる。有機繊維としては、アラミド繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等のポリオレフィン繊維、アクリル系繊維などが挙げられる。セルロース系繊維以外の繊維は、短繊維及び長繊維のいずれであってもよく、両方を含んでいてもよい。
【0020】
発酵性材料とは、好気性微生物による分解が容易な有機物であって具体的には、米ぬか、麦ぬか、糖蜜、おから、竹粉等が挙げられる。発酵性材料は1種又は2種以上を使用してよい。米ぬかは、玄米を精米して得られる粉体である。米ぬかとしては特に限定されない。発酵性材料は、米ぬか等の本来廃棄される成分を材料として使用できるため、原料のコスト及び環境負荷の低減の観点から有利である。
【0021】
土壌改良材における繊維材料と発酵性材料との質量比は、9.5:0.5~7:3であってよく、9.5:0.5~7.5:2.5であってよい。土壌改良材における繊維材料の含有量は、土壌改良材の全量に対して50質量%以上であってよく、60質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、75質量%以上であってよく、80~99質量%であってよい。土壌改良材における発酵性材料の含有量は、土壌改良材の全量に対して40質量%以下であってよく、1~35質量%であってよく、3~30質量%であってよく、5~30質量%であってよく、5~25質量%であってよい。繊維材料及び発酵性材料の質量は、乾燥等をせずに水分を含む質量(例えば、20℃、65RH%)であってよい。
【0022】
土壌改良材におけるセルロース系繊維と米ぬかとの質量比は、9.5:0.5~7:3であってよく、9.5:0.5~7.5:2.5であってよい。土壌改良材におけるセルロース繊維の含有量は、土壌改良材の全量に対して60質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、75質量%以上であってよく、80~99質量%であってよい。
【0023】
土壌改良材におけるセルロース系繊維及び発酵性材料の合計の含有量は、土壌改良材の全量に対して70質量%以上であってよく、80質量%以上であってよく、90質量%以上であってよく、95質量%以上であってよく、実質的に100質量%であってよい。
【0024】
土壌改良材における繊維材料及び発酵性材料以外の成分の含有量は、土壌改良材の全量に対して30質量%以下であってよく、20質量%以下であってよく、10質量%以下であってよく、5質量%以下であってよく、実質的に0質量%であってよい。
【0025】
土壌改良材は、未滅菌の土を含んでいてよい。土壌改良材は当該土壌改良材が適用される圃場等の土壌の土を含んでいてもよい。また、土壌改良材は、腐葉土、稲わら堆肥等の植物性堆肥、家畜ふん堆肥堆肥等の動物性堆肥などの堆肥(種堆肥)を含んでいてもよい。土壌改良が予め土を含むことにより、適用前に土壌改良材中で微生物を増殖させることができる。
【0026】
本実施形態に係る土壌改良材を適用する土壌としては、特に制限はないが、水田、圃場等の農用地、果樹園、山林、公園、花壇等の土壌が挙げられる。土壌改良材を適用された土壌では、大根、ジャガイモ等の根菜類、コマツナ、キャベツ、ホウレンソウ等の葉菜類、果実等の野菜、コメ、麦、トウモロコシ等の穀類、リンゴ、ミカン等の果物、花卉、桜等の花木などを栽培することが可能である。
【0027】
本実施形態の土壌改良材の製造方法は、特に限定されないが、セルロース系繊維を含む繊維材料と、発酵性材料と、を含む原料を混合する混合工程を備えるものであってよい。土壌改良材に土等の繊維材料及び発酵性材料以外の成分を配合する場合、繊維材料及び発酵性材料と共に混合してよく、繊維材料及び発酵性材料の混合後に配合してもよい。
【0028】
原料を混合する工程における温度は、特に限定されないが、15℃~35℃であってよく、20℃~30℃であってよい。原料を混合する工程における原料の水分率(原料の全量に対する水分の割合)は、35~55質量%であってよく、40~50質量%であってよい。
【0029】
原料を混合して得られた土壌改良材は、土壌改良材中の土着菌の増殖、発酵性材料の発酵を促すため、使用前に一定期間放置(熟成)してもよい。熟成する期間は、7~60日間であってよく、15~40日間であってよい。熟成する際の温度は、10~35℃であってよく、20~30℃であってよい。また、熟成する際の雰囲気の湿度は、35~55RH%であってよい。湿度は、上記範囲が保たれるよう、適宜土壌改良材に水を添加してよく、水(湯)の入ったビニール袋を配置する等してもよい。熟成は、空気など、酸素を含む雰囲気中で行われる。土壌改良材が予め土又は堆肥を含む場合、熟成中に土壌改良材が置かれる床又は台の材質は特に限定されず、木材、金属、ガラス、プラスチック、セメント系材料、土のいずれであってもよいが、土壌改良材が予め土又は堆肥を含まない場合、土着菌が土壌改良材に移動するように土の上に静置してもよい。熟成中、土壌改良材が置かれる部屋は、木材を含む建材により建造されたものであってよく、例えば、壁、床、天井等に、木材が露出した個所を有していてよい。熟成中、土壌改良材の温湿度を出来るだけ一定に保つように、又は埃等の異物が混入しないよう、表面を被覆材で覆ってよいが、酸素を遮断しないよう、被覆材は毛布、不織布等の繊維製のものであってよい。また、土壌改良材の積層高さ(積層された土壌改良材の接地面から上面までの高さ)は、土壌改良材に酸素が入りやすく、また、自重により過度に圧縮されないよう70cm以下としてよい。
【0030】
本実施形態の土壌を改良する方法は、特に限定されず、セルロース系繊維を含む繊維材料と、発酵性材料と、を含む上記土壌改良材を土壌に適用する工程を含んでいれば特に問題はない。適用する方法の具体例としては、土壌に埋設する、土壌に混合する等の方法が挙げられる。
【0031】
土壌改良材の適用量としては、特に制限はないが、50~5000g/m2であってよく、100~2000g/m2であってよく、300~1500g/m2であってよく、700~1300g/m2であってよい。土壌改良材の適用量は、適用する土壌の全体に対する平均値であってもよい。
【実施例0032】
表1に示す原料を混合した。土壌改良材は、以下の方法により製造された。
まず、バケツ等の容器に計量したセルロース系繊維と米ぬかを入れ、手で混ぜながら均一に混合した。次に土着菌を含んだ土の上に置き、ネット状布帛や不織布等で土壌改良材を被覆しそのまま自然放置した。土壌改良材中を放置した室内の湿度を35~55RH%に維持されるよう、適宜土壌改良材に水分を添加した。3~4日に1回程度の頻度で被覆物を剥がしエアーレーションを実施した。原料を混合してから約29日後に土壌改良材が製造された。
【0033】
なお、原料として以下のものを用いた。
セルロース系繊維1:ベンリーゼSE803G(旭化成株式会社製、銅アンモニアレーヨン製不織布)
セルロース系繊維2:レーヨン(登録商標)(ダイワボウレーヨン株式会社製)、繊維径1.7dtex、繊維長5mm。レーヨン短繊維。レーヨン繊維は湿潤状態だったので含水率50%として投入した。
セルロース系繊維3:リヨセル(登録商標)(レンチングファイバー社製、繊維径1.25dtex、繊維長38mm、リヨセル短繊維。)
米ぬか:精米機より排出された米ぬかをそのまま使用した。
なお、セルロース系繊維1は、原反をシュレッダーで幅3-10mm、長さ10-15mm程度に裁断したものを使用した。また、セルロース系繊維1は、繊維製品を製造した際に生じた端材である耳反をシュレッダーで裁断して使用した。
【0034】
製造した各土壌改良材を、表1の適用量で圃場の土壌に適用した後、6月~7月にかけて29日間経過した後、圃場の土をサンプル土壌として回収し、「土壌微生物多様性・活性値」を分析した。「土壌微生物多様性・活性値」は、各ウェルに95種類の異なる有機物が入った試験用プレートにサンプル土壌を入れ、専用の装置で、15分間隔で48時間連続して各有機物が分解される速度を測定することにより行った。
【0035】
【0036】
表2に示すとおり、原料を混合し、土壌改良材を得た。
【0037】
製造した各土壌改良材を、表2の適用量で圃場の土壌に適用した後、10月~12月にかけて57日間経過した後、圃場の土をサンプル土壌として回収し、上記と同様に「土壌微生物多様性・活性値」を分析した。
【0038】