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特開2024-171091画像処理装置、撮像装置、画像処理装置の制御方法、およびプログラム、記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171091
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】画像処理装置、撮像装置、画像処理装置の制御方法、およびプログラム、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20241204BHJP
   H04N 23/698 20230101ALI20241204BHJP
   H04N 23/741 20230101ALI20241204BHJP
   G03B 37/00 20210101ALI20241204BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241204BHJP
   G03B 7/091 20210101ALI20241204BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N23/698
H04N23/741
G03B37/00
G03B15/00 H
G03B7/091
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087973
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美咲
【テーマコード(参考)】
2H002
2H059
5C122
【Fターム(参考)】
2H002DB25
2H002GA02
2H002GA04
2H002HA05
2H059BA11
5C122EA21
5C122EA68
5C122FA03
5C122FH18
5C122FH24
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB06
(57)【要約】
【課題】 パノラマ撮影をしながらHDR撮影を行うとき、不要な撮影・合成を行わないことで処理時間を短縮可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】 1以上の撮影画像を合成し、1枚の画像を生成する第1の合成処理と、前記第1の合成処理とは異なる処理であって、前記1以上の撮影画像に対応する露出の異なる画像を用いた第2の合成処理とを行うことが可能な画像処理手段と、前記撮影画像から評価値を算出する算出手段と、前記画像処理手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記画像処理手段が前記第1の合成処理を実行する場合、前記算出手段が算出した前記評価値に基づいて前記第2の合成を制御することを特徴とする画像処理装置。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の撮影画像を合成し、1枚の画像を生成する第1の合成処理と、前記第1の合成処理とは異なる処理であって、前記1以上の撮影画像に対応する露出の異なる画像を用いた第2の合成処理とを行うことが可能な画像処理手段と、
前記撮影画像から評価値を算出する算出手段と、
前記画像処理手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記画像処理手段が前記第1の合成処理を実行する場合、前記算出手段が算出した前記評価値に基づいて前記第2の合成を制御することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の合成処理はパノラマ画像を生成する処理であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の合成処理は、前記撮影画像および異なる複数の露出で撮影された画像を合成する処理であって、ハイダイナミックレンジ(HDR)画像を生成する処理であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置
【請求項4】
前記制御手段は、前記算出手段が算出した前記評価値に基づいて前記第2の合成に用いる画像の枚数を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記算出手段は、前記撮影画像に評価領域を設定し、前記評価領域の一部あるいはすべての領域に基づいて輝度ヒストグラムを評価値として算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記評価領域のダイナミックレンジが所定の条件を満たす場合に、前記画像処理手段が前記第2の合成処理を行わないように制御することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
撮像手段と、
請求項1乃至6のいずれか1項の画像処理装置と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
1以上の撮影画像を合成し、1枚の画像を生成する第1の合成処理と、前記第1の合成処理とは異なる処理であって、前記1以上の撮影画像に対応する露出の異なる画像を用いた第2の合成処理とを行うことが可能な画像処理ステップと、
前記撮影画像から評価値を算出する算出ステップと、
前記画像処理ステップにて前記第1の合成処理が実行される場合、前記算出ステップにて算出された前記評価値に基づいて前記第2の合成を制御する制御ステップと、を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させる、コンピュータによる実行が可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関し、特に複数枚の画像を合成して一枚の画像を生成する処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複数枚の画像を合成することで、通常の撮影画像よりも特別な効果が得られる画像処理方法が増えてきている。
【0003】
例えば特許文献1には、パノラマモードとしてパンニングしながら静止画を連続撮影し、連続撮影した静止画を合成することでパノラマ画像を生成する手法が提案されている。一般的にこのような手法をパンニングパノラマ合成と呼ぶ。
【0004】
また特許文献2には、HDRモードとして同一画角において露出が異なる画像を複数枚撮影し、ダイナミックレンジが広い画像を生成する手法が提案されている。このような合成手法をHDR合成と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-28764号公報
【特許文献2】特開2011-15380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したようなパンニングパノラマ合成とHDR合成を同時に行う場合、すなわちパノラマモードとHDRモードを組み合わせる場合においては、撮影時間および合成時間が非常に長くなることがある。
【0007】
たとえば、パノラマモードでは、シャッターボタンを押してパンニングする間に数秒間隔で撮影を行う。このときパノラマモードとしてはパンニング中に合成用として10枚の撮影をするとする。一方でHDRモードでは露出が異なる画像を複数枚撮影する。このときHDRモードとしては3枚を撮影するものとする。パノラマモードおよびHDRモードの両者を組み合わせて撮影および合成する場合、パノラマモード撮影10枚分×HDRモード3枚分=30枚分の処理が発生するため、単体でパノラマモードやHDRモードを実施するよりも処理時間が長くなってしまう。
【0008】
そこで本発明では、パノラマモードおよびHDRモードを組み合わせた場合において、両者の画質的なメリットを生かししつつ、処理時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像処理装置は、1以上の撮影画像を合成し、1枚の画像を生成する第1の合成処理と、前記第1の合成処理とは異なる処理であって、前記1以上の撮影画像に対応する露出の異なる画像を用いた第2の合成処理とを行うことが可能な画像処理手段と、前記撮影画像から評価値を算出する算出手段と、前記画像処理手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記画像処理手段が前記第1の合成処理を実行する場合、前記算出手段が算出した前記評価値に基づいて前記第2の合成を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パノラマモードによる広い画角と、HDRモードによるダイナミックレンジの拡大を両立しつつ、処理時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態における撮像装置の背面外観を示す外観図
図2】本発明の実施形態における機能構成を模式的に示すブロック図
図3】本発明の実施の形態に関するパノラマモードの合成方法を示す図
図4】本発明の実施の形態に関するHDRモードの合成方法を示す図
図5】本発明の実施の形態におけるHDRパノラマモードの流れを示すフローチャート
図6】本発明の実施の形態におけるHDRパノラマモードの画像合成の流れを示すフローチャート
図7】本発明の実施の形態における評価領域および評価領域のヒストグラムの例を示す図
図8】本発明の実施の形態における評価領域のヒストグラム例を示す図
図9】本発明の実施の形態におけるHDR合成のため各露出のガンマ例を示す図
図10】本発明の実施の形態における合成処理時間を短縮且つダイナミックレンジを十分に表現する場合におけるHDRパノラマモードの流れを示すフローチャート
図11】本発明の実施の形態における撮影時間および合成時間を短縮するHDRパノラマモードの流れを示すフローチャート
図12】右方向にパンニングしながら撮影する場合における、切り出し領域および評価領域の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に本発明の撮像装置の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。表示部28は画像や各種情報を表示する表示部である。シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ112は接続ケーブル111とデジタルカメラ100とのコネクタである。操作部70はユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材より成る操作部である。コントローラホイール73は操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材である。72は電源スイッチであり、電源オン、電源オフを切り替える。記録媒体200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット201は記録媒体200を格納するためのスロットである。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルカメラ100との通信が可能となる。蓋202は記録媒体スロット201の蓋である。
【0013】
<実施例1>
図2は、本発明の第1の実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
【0014】
図2において、撮影レンズ103はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。シャッター101はフォーカルプレーンシャッタである。撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。バリア102は、デジタルカメラ100の、撮影レンズ103を含む撮像系を覆うことにより、撮影レンズ103、シャッター101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
【0015】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてAWB(オートホワイトバランス)処理、ガンマ処理なども行う。また、画像処理部24では、複数枚の画像を合成して、広角な合成画像を生成するパノラマ画像合成、およびハイダイナミックレンジな合成画像を生成するHDR合成を行う。本実施例におけるパノラマ画像合成、HDR画像合成の詳細は後述する。
【0016】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0017】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示を行える。
【0018】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0019】
システム制御部50は、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。52はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部はメモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0020】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0021】
モード切替スイッチ60、第1シャッタースイッチ62、第2シャッタースイッチ63、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0022】
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、HDRモード、パノラマモード、HDRパノラマ合成モード、カスタムモード等がある。モード切り替えスイッチ60で、静止画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切り替えスイッチ60で静止画撮影モードに一旦切り換えた後に、静止画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0023】
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理等の動作を開始する。
【0024】
第2シャッタースイッチ63は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。第2シャッタースイッチ信号SW2を検知して撮影開始するが、設定に応じてシャッター101を動作させるか切り替えても良い。
【0025】
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。
【0026】
機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0027】
コントローラホイール73は、操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する際などに使用される。コントローラホイール73を回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部50はデジタルカメラ100の各部を制御する。このパルス信号によって、コントローラホイール73が回転操作された角度や、何回転したかなどを判定することができる。なお、コントローラホイール73は回転操作が検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール73自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、タッチセンサよりなる操作部材で、コントローラホイール73自体は回転せず、コントローラホイール73上でのユーザの指の回転動作などを検出するものであってもよい(いわゆる、タッチホイール)。
【0028】
電源制御部31は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部31は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
【0029】
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0030】
検出部80は、ジャイロセンサや加速度センサ等から構成される。システム制御部50は、検出部80の検出結果からデジタルカメラ100の角度と移動量を算出する。
【0031】
例えば、検出部80の検出結果が角速度の場合、システム制御部50は、それぞれ積分することで角度と位置を算出する。ジャイロセンサから得られる角速度はセンサの出力が安定せずオフセットが加算された状態で出力されることがあるため、高域通過フィルタを適応し、オフセットを除去した値を使用する。
【0032】
次に本実施形態に係るパノラマモードの概要を説明する。図3に示す画像1はパノラマモードで使用される画像の一例であり、301に示す切り出し領域が合成に使用する領域である。図3に点線で示す領域302はパノラモードで合成されたパノラマ画像の画角である。パノラマモードは、デジタルカメラ100の撮影範囲を動かしながら連続撮影し、画像処理部24が得られた複数の合成領域を重ね合わせて合成することで、1枚で撮影した場合と比較して広い画角の画像を合成するモードである。
【0033】
さらに、本実施形態に係るHDRモードの概要を説明する。図4にHDRモードで使用・生成される画像の例を示している。401は、明暗差の大きいシーンを、複数の異なる露出で撮影した画像群である。適正露出の画像データが401の(2)、露出がアンダーの画像データが401の(1)、露出がオーバーの画像データが401の(3)に対応しているものとする。画像処理部24がこれらの画像を加重合成することで、402のような合成画像を生成する。例えば所定数の画素単位など所定の領域毎に、予め定めた合成割合に従って輝度別合成処理を行うことで402のようなHDR合成画像を生成することができる。このように、HDRモードの合成では1枚で撮影した場合と比較して、高いダイナミックレンジを持つ画像を合成できる。
【0034】
本実施形態では、パノラマモードおよびHDRモードを組み合わせたモードである、HDRパノラマモードについて説明する。HDRパノラマモードは両機能の特徴を備え、パノラマモードで撮影する1画角あたり、HDRモードの合成のため異なる露出で複数枚画像を撮影する。これらの画像を画像処理部24がHDR合成し、パノラマモードで撮影された画角の分だけ重ね合わせて合成する。これにより、パノラマモードのメリットである広い画角と、HDRモードのメリットである高いダイナミックレンジとを持つ画像を提供することができる。
【0035】
上記構成を有する撮像装置100において実行される、本実施の形態における撮影および合成の流れについて説明する。
【0036】
図5は、HDRパノラマモードで合成処理時間を短縮する場合における、処理の流れを示すフローチャートである。モード切り替えスイッチ60で、HDRパノラマモードが選択された場合に図5の処理を実行する。本実施形態において主眼となるのは、ステップS508であり、詳細については”画像合成の流れ”で説明する。本フローチャートはシステム制御部50が所定のプログラムを実行し、撮像装置100の各部を制御することによって実行される。
【0037】
まずステップS501では、システム制御部50は、操作部70の撮影条件設定ボタン(以下、「設定ボタン」)が押されたか否かの判定を行う。設定ボタンが押されたと判定された場合、ステップS502の処理に移り、HDRパノラマモードの撮影条件についての設定を行う。一方、設定ボタンが押されなかったと判定された場合、S503の処理に移る。
【0038】
S502における撮影条件の設定については、まずHDR合成のためのダイナミックレンジ等の設定を変更する。ダイナミックレンジは±1段、±2段、±3段などと設定することができる。ダイナミックレンジ±3段と設定した場合には、適正露出-3段、適正露出、適正露出+3段の3パターンの画像を撮影する。図4の401であれば、(1)が適正露出-3段、(2)が適正露出、(3)が適正露出+3段を示している。さらにパノラマ合成のための撮影方向等の設定を変更する。撮影方向は、どの方向にパンニング撮影するかをあらかじめ定めるものであり、たとえば上下左右を設定することができる。また、HDRパノラマモードを初めて動作させる場合は初期設定値を使用する。
【0039】
ステップS503では、システム制御部50は、第1シャッタースイッチが押されたか否かの判定を行う。第1シャッタースイッチが押されたと判定された場合、S504の処理に移る。第1シャッタースイッチが押されなかったと判定された場合、S501の処理に戻る。
【0040】
ステップS504では、システム制御部50は、AE処理とAF処理を行う。
【0041】
ステップS505では、システム制御部50は、S504のAE処理結果に基づき撮影感度、絞り量、シャッタースピードなどの露出条件を決定する。
【0042】
ステップS506では、システム制御部50は、第2シャッタースイッチが押されたか否かの判定を行う。第2シャッタースイッチが押されたと判定された場合、S507に遷移する。第2シャッタースイッチが押されなかったと判定された場合、システム制御部50は、第1シャッタースイッチが押されたままか否か(いわゆる半押しのままか否か)をステップS503で判定する。
【0043】
ステップS507では、S506で決定した撮影条件で撮像装置100がHDR撮影を実行する。撮影は、S502で求めた撮影条件、およびS505で求めた露出条件に基づいて行う。たとえばS502で、ダイナミックレンジ±3段と設定した場合、適正露出-3段、適正露出、適正露出+3段と3パターンの露出を振ってカメラ内で撮影が行われる。さらに、設定した撮影方向が右の場合、ユーザ自身がカメラを右に振るように撮影をする。すなわちこのHDR撮影中には併せてパンニング撮影が行われている。
【0044】
ステップS508では、画像処理部24がS507で撮影された画像を用いてHDR合成およびパノラマ合成を行う。詳細については後述する。S508の画像合成が終了している場合、S509の処理へ遷移する。
【0045】
ステップS509では、パノラマ撮影が継続中であることをシステム制御部50で判定する。パノラマ撮影が継続中かどうかはS502で設定した撮影条件に基づき、規定の画角まで画像が合成された、もしくは規定された撮影枚数に達したかを計測することで判定を行う。終了したと判定した場合は処理を終了する。
【0046】
続いて図5のステップS508の画像合成の詳細を図6のフローチャートにて説明する。
【0047】
ステップS601では、画像処理部24が評価領域を決定する。評価領域とは、S507で撮影した画像のうち、HDR合成にはどの露出で撮影した画像の合成が必要かを判断するための領域である。前述の通り、パノラマ合成処理には図3で示したような切り出し領域を使用する。したがって評価領域はパノラマ合成処理を見越し、切り出し領域と一致させることが好ましい。しかしながら、評価にかかる処理時間を短縮させるため、評価領域を切り出し領域の内側80%とやや内側等に設定しても良い。
【0048】
なお、切り出し領域はできるだけ撮像画像の中央に設定するとよい。これは、撮像画像の中央は、一般的に歪が少なく、切り出し領域を画像の中央に設定すれば、より自然な合成画像が生成できるからである。また、切り出し領域は後述のHDRパノラマ合成のためにメモリ209に保存するが、切り出して保存することにより、メモリ209の記憶容量を節約することができる。
【0049】
ステップS602では、画像処理部24が撮影された画像に対する評価値を取得する。画像処理部24が評価する評価画像としてはHDR撮影中の露出値が中間付近で撮影された画像を用いると良い。理由としては、後述のS603におけるHDR合成の枚数決定にてダイナミックレンジが足りていないと判断された場合、ダイナミックレンジを補うことができる露出の画像を用いてHDR合成することができるからである。
【0050】
例えばS507で撮影した画像が、適正露出-3段、適正露出、適正露出+3段のとき、適正露出の画像を用いる。画像処理部24は評価画像に対し、ステップS601で決定した評価領域における輝度ヒストグラムを求める。このヒストグラムが評価値となる。
【0051】
ヒストグラムの求め方の例を図7に示す。図7(a)-1は撮影シーンの一例を示している。黒枠が撮影領域、斜線が評価領域兼切り出し領域である。評価領域には木1を含んでおり、このとき評価領域のみを表した例が図7(a)-2となる。そして図7(a)-2の評価領域におけるヒストグラムを8ビットで示した例が図7(a)-3となる。この例ではヒストグラムの最低輝度~最高輝度が0~255(8ビット)の輝度域内に収まっていることがわかる。すなわちダイナミックレンジが適正の範囲内であると考えられる。
【0052】
図7(b)-1は図7(a)-1と撮影シーンは同じだが、黒枠の撮影領域および斜線の評価領域が、パンニングによって右側にシフトしている例である。評価領域には雲を含んでおり、評価領域のみを表した例が図7(b)-2となる。この評価領域におけるヒストグラムを8ビットで示した例が図7(b)-3となるが、高輝度な被写体である雲を含んでおり、ヒストグラムがやや高輝度側に寄っている。すなわち高輝度側に画像全体が偏っており、ダイナミックレンジが狭い。
【0053】
ステップS603では、S602で得られたヒストグラムをもとに画像処理部24がHDR合成枚数を決定する。
【0054】
ヒストグラムの最低輝度~最高輝度が0~255(8ビット)の輝度域内に収まっていれば、評価画像の輝度域で足りていると判断ができる。よって評価画像の露出の画像のみで良い、つまりHDR合成は不要と判断ができる。輝度域内に収まっているかどうかの判定には、0~255ではなく、10~245などやや狭めた輝度域を指定しても良い。なお、判断方法は上述したものに限らず、既存の手法を用いて良い。
【0055】
一方で、ヒストグラムの最低輝度~最高輝度が0~255(8ビット)の輝度域内に収まっていない場合は、輝度域が足りていないため、他露出の画像もHDR合成に用いる必要がある。
【0056】
輝度域が足りていて階調が出ているかどうかを判断する具体的な方法を示すため、図8のヒストグラムを用いて説明する。この図は図7(b)-3に対応するヒストグラムである。このヒストグラムでは高輝度側に輝度値が寄った明るい画像となっており、高輝度側の階調が出せていない可能性がある。よって、ヒストグラムの高輝度側から一定割合の累積画素数が、閾値範囲内に収まっているかを画像処理部24は判断する。図8では、ヒストグラムの高輝度側から累積画素数が画像の15%となる部分を斜線部で示している。斜線部の最低輝度は240となることを示しており、閾値245を下回っているため、高輝度側の階調が十分でないと判定できる。よって図8の場合は、画像処理部24は高輝度側の階調を得るべく、評価画像よりも露出がアンダーで撮影された画像をHDR合成する必要があると判断できる。例えば、評価画像が適正露出の画像であれば、適正露出よりもアンダーで撮影された画像を合成することが好ましいと判断できる。
【0057】
前述の方法は、ヒストグラムが低輝度側に寄っていて暗い画像となっており、低輝度側の階調が出せていない場合にも用いることができる。低輝度側の階調が十分でないと判定された場合は、評価画像よりも露出がオーバーで撮影された画像をHDR合成する必要があると判断する。
【0058】
ステップS604では、S507で撮影した画像のHDR合成を行う。HDR合成は、S603で求めた1以上のHDR合成枚数に応じて合成を行う。しかしながら、S507で撮影した画像はそれぞれ撮影された露出が異なるため、違和感なくHDR合成するためにそれぞれの露出に応じたガンマ補正を行う必要がある。また、隣接する切り出し領域とダイナミックレンジを合わせる目的もある。
【0059】
図9は各露出におけるガンマの例を示している。S507で撮影した画像を、露出が高い順からオーバー、適正露出、アンダーとする。図9(a)はオーバー画像、図9(b)は適正露出画像、図9(c)はアンダー画像にあてるガンマである。図9(a)~(c)のガンマは画像同士をHDR合成したことを判別しにくくするため、つなぎ目が分かりにくくしつつ滑らかにつながるように設計する。図9(d)は図9(a)~(c)の合成用のガンマと、通常ガンマとを表したものである。通常ガンマと比べて合成用のガンマほうが、低輝度部をより明るく且つ高輝度部をより暗くできているため、階調が表現できていることが分かる。また、撮影中はカメラをパンニングさせているため、この3枚の画像は厳密には画角が変わってしまっている。よって画像内の特徴点などを用いて位置合わせを行う必要もある。
【0060】
ステップS605では、S604で合成された1以上のHDR画像をもとに、パノラマ合成を行う。
【0061】
システム制御部210は、撮像時に保存された切り出し領域をメモリ209から読み出し、読み出した画像データに対応する画像間の位置ずれを検出する。一例としては、システム制御部210は、切り出し領域を任意のサイズの小ブロックに分割し、小ブロック毎に輝度のSAD(Sum of Absolute Difference)が最小となる対応点を算出する。システム制御部210は、算出したSADが最小となる対応点より、動きベクトルを算出することができる。なお、システム制御部210は、動きベクトルの算出において、検出部215が検出した角速度情報や姿勢情報等を用いて行ってもよい。続いて、システム制御部210は、隣り合う切り出し領域の画像間で求めた動きベクトルに基づいて、切り出し領域の画像間の位置ずれを補正し、切り出し領域の画像間の重複部を加重加算などにより合成する。
【0062】
なお、パノラマ撮影で複数画角の撮影が行われなかった場合、つまり1画角しか撮影されなかった場合は、パノラマ合成は行わず処理を終了する。
【0063】
以上が画像合成の流れである。次に本実施の形態と異なる合成方法について説明する。
【0064】
<合成方法1>
前述のステップS604のHDR合成では、S507で撮影した画像はそれぞれ撮影された露出が異なるため、それぞれの露出に応じたガンマを用いている。しかしながら、これらのガンマは違和感なくHDR合成することを優先させているがために、単体だと通常のガンマよりダイナミックレンジは狭まっている。図9(b)は適正露出画像に適用する合成用ガンマだが、図9(d)の通常ガンマと比べると、表現できる縦軸の信号値が狭まっており、ダイナミックレンジが狭まっていることが分かる。そのため、結果としてHDR合成が不要な、中間露出の画像のみを用いるパノラマ合成となった場合、HDR合成しない単体のパノラマモードと比べてダイナミックレンジが狭い、つまり画質として不利になるという課題がある。
【0065】
ゆえに本実施形態では、全撮影完了後にHDR合成判定および適用するガンマを決定する。これにより、HDR合成有無を考慮した、十分なダイナミックレンジを表現することができる。
【0066】
図10はHDRパノラマモードにおいて合成処理時間を短縮、且つダイナミックレンジを十分に表現する場合における、処理の流れを示すフローチャートである。図10(a)のS501~S507およびS509は、図5のS501~S507およびS509と同様の処理であるので、説明は割愛する。図10において図5と異なるのはS1000の画像合成で、S508とは処理の順番と処理内容が異なる。
【0067】
S1000の画像合成について、詳細を図10(b)のフローチャートに示す。
【0068】
図10(b)のS1001およびS1007は、図4のS601及びS605と同様の処理となるため、説明は割愛する。
【0069】
S1002は画像処理部24が評価値の取得を行う。S602では直前に撮影した画像のうち1枚に対して評価値の取得を行っていた。一方、S1002はパノラマ撮影した全画角の画像のうち特定の露出、たとえば中間の露出の画像を抜き出し、それらの画像に対してそれぞれ評価値取得を行う。
【0070】
S1003では画像処理部24がHDR合成枚数の決定を行う。S1002で全画角の画像のうち特定の露出のものに対して評価値が取得できているため、それらの評価値をもとにHDR合成枚数を決定する。合成枚数の決定方法はS603同じである。たとえば1画角目は3枚、2画角目は2枚というように、各画角に対して何枚HDR合成が必要か、あるいは不要かを画像処理部24は決定する。
【0071】
S1004では、S1003で決定した合成枚数に基づいて画像処理部24はHDR合成が必要かを判断する。HDR合成が必要な画角が1つでも含まれている場合は、S1005へ遷移し、一方でいずれの画角においても合成枚数は1枚のみと判断された場合、つまりいずれの画角でも合成が不要と判断された場合には、S1006へ遷移する。
【0072】
S1005では画像処理部24が合成用のガンマを用いて補正およびHDR合成する。
【0073】
S1006では、画像処理部24が各画角の画像に対して、通常のガンマを用いて補正する。
【0074】
以上述べた通り、全撮影完了後にHDR合成判定を行いHDR合成有無に応じてガンマを適用することで、ダイナミックレンジを十分に活かした画像を提供することができる。
【0075】
<合成方法2>
前述のした「画像合成の流れ」では、HDR合成に必要となる画像はすべて撮影し、その上で不要な画像は除いて合成する方法を示していた。しかしながら、撮影の時点で合成に不要な撮影を行わないようにすることで、合成処理時間だけではなく撮影処理時間の短縮も期待できる。
【0076】
本実施形態では、撮影の時点でHDR合成が必要かどうかを判断し、撮影した画像に基づいて合成を行う例を示す。
【0077】
図11はHDRパノラマモードにおいて、撮影時間および合成時間を短縮する場合における、処理の流れを示すフローチャートである。図11(a)のS501~S506およびS509は、図3のS501~S506およびS509と同様の処理である。図3と異なるのは、S1101のHDR撮影枚数決定、S1102の撮影、S1103の画像合成の方法である。
【0078】
まず、S1101のHDR撮影枚数決定について、詳細を図11(b)のフローチャートに示す。
【0079】
ステップS1104では、画像処理部24が評価領域を決定する。パノラマ撮影では一定方向にカメラをパンニングさせるが、前述の通り合成時に使用するのは一部の切り出し領域のみである。また、ある画角で撮影された画像について、切り出し領域のパンニングする方向側の領域については、次の画角における切り出し領域の一部あるいはすべてを含んでいる。よって、この部分を評価領域として定めることができる。
【0080】
図12は、右方向にパンニングしながら撮影する場合における、切り出し領域および評価領域の例を示している。切り出し領域は斜線部で示している。評価領域は切り出し領域のパンニングする方向側、つまり右側に設けており、格子部で示している。
【0081】
評価領域は次画角の切り出し領域と一致できれば最も良いが、パンニング速度によっては実現できない可能性がある、よって、切り出し領域および評価領域は、パンニング速度によって可変としても良い。
【0082】
また、パンニングの速度が速い場合、画像を滑らかにつなげるためには切り出し領域を広くする必要がある。よってその場合はパンニングする方向側の残りの領域を評価領域と定める。その場合、評価領域は切り出し領域よりも狭まってしまうものの、たとえば次の切り出し領域と予想される80%などと一定以上の割合が含まれていると判断すれば、次画角の撮影枚数の判断に用いることができる。
【0083】
ステップS1105では、画像処理部24が評価値を取得する。ここでは1つ前の画角の評価画像に対して、S1104で求めた評価領域を設定する。この評価領域に基づき評価値を取得する。評価画像および評価値の求め方はS602と同じである。
【0084】
ステップS1106では、ステップS1105にて得られたヒストグラムをもとに、撮影枚数を決定する。判定方法はステップS603と同じであり、ヒストグラムの形状を見て決定する。
【0085】
S1102では、S1101で決定した撮影枚数に基づき撮影を行う。例えば適正露出と適正露出+3段の撮影が必要とS1101で決定した場合、それに基づいて2枚撮影を行う。
【0086】
S1103における画像合成について、詳細を図11(c)のフローチャートに示す。図11(c)のS604~S605は、図6のS604~S605と同じ処理となるため、説明は割愛する。
【0087】
以上述べた通り、撮影の時点で合成に不要な撮影を行わないようにすることで、合成処理時間および撮影処理時間の短縮をすることが可能となる。
【0088】
<その他の実施形態>
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0089】
13 D/A変換器
15 メモリ制御部
18 記録媒体I/F
22 撮像部
23 A/D変換器
24 画像処理部
28 表示部
30 電源部
31 電源制御部
32 メモリ
50 システム制御部
52 システムメモリ
53 システムタイマー
56 不揮発性メモリ
60 モード切り替えスイッチ
61 シャッターボタン
62 第1シャッタースイッチ
63 第2シャッタースイッチ
70 操作部
72 電源スイッチ
73 コントローラホイール
80 検出部
100 デジタルカメラ
101 シャッター
102 バリア
103 撮影レンズ
111 接続ケーブル
112 コネクタ
200 記録媒体
201 記録媒体スロット
112 コネクタ
200 記録媒体
201 記録媒体スロット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12