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特開2024-171093通信装置、通信装置の制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171093
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】通信装置、通信装置の制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/91 20060101AFI20241204BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20241204BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20241204BHJP
   H04N 21/433 20110101ALI20241204BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20241204BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20241204BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20241204BHJP
【FI】
H04N5/91
H04N5/77
H04N5/93
H04N21/433
H04N21/436
H04N23/60 300
H04N23/63 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087975
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】吉田 伊吹
【テーマコード(参考)】
5C122
5C164
【Fターム(参考)】
5C122EA42
5C122EA61
5C122FK28
5C122FK35
5C122FK37
5C122FK38
5C122FK39
5C122FK40
5C122FK41
5C122GA18
5C122GC14
5C122GC52
5C122HA01
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
5C164MB44S
5C164UA04S
5C164UA42S
5C164UB36P
5C164UB71P
(57)【要約】
【課題】 チャンクファイルの管理が煩雑になる場合があった。
【解決手段】 通信装置であって、撮像装置と通信をおこなう通信手段と、前記通信手段を用いて、前記撮像装置からファイルを取得して前記通信装置に表示する表示手段と、前記撮像装置から取得したファイルを記憶する記憶手段と、前記表示手段に表示されている前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置の前記記憶手段に保存する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置の記憶手段に保存する場合に、前記ファイルがチャンク記録ファイルかを判断し、保存しようとするファイルがチャンク記録ファイルであれば、そのファイル記録を制限することを特徴とする。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
撮像装置と通信をおこなう通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記撮像装置からファイルを取得して前記通信装置に表示する表示手段と、
前記撮像装置から取得したファイルを記憶する記憶手段と、
前記表示手段に表示されている前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置の前記記憶手段に保存する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置の記憶手段に保存する場合に、
前記ファイルがチャンク記録ファイルかを判断し、
保存しようとするファイルがチャンク記録ファイルであれば、そのファイルの保存を制限する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置の記憶手段に保存する場合に、
前記ファイルがチャンク記録ファイルかを判断し、
保存しようとするファイルがチャンク記録ファイルであれば、そのファイルを保存させない
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置の記憶手段に保存する場合に、
前記ファイルがチャンク記録ファイルかを判断し、
保存しようとするファイルがチャンク記録ファイルであれば、
そのファイルを含む一連のチャンク記録ファイルを結合したファイルを保存する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記撮像装置から取得したチャンク記録ファイルを前記通信装置の記憶手段に保存する場合に、
そのファイルを含む一連のチャンク記録ファイルを結合したファイルを保存するか、各ファイルをそのまま保存するかを選択可能に制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、
前記通信手段を用いて前記撮像装置から取得したファイルを、選択できる選択手段を更に備え、
前記制御手段は、前記撮像装置から取得したファイルがチャンク記録だった場合に、前記表示手段でそのファイルを選択不可能な表示にすることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記通信手段を用いて、前記撮像装置から取得したファイルがチャンク記録だった場合に、
前記表示手段にチャンク記録ファイルを表示させない
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記撮像装置から取得したファイルを選択不可能な表示は前記表示手段で非表示にすることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記撮像装置から取得したファイルを選択不可能な表示は前記表示手段で無効に表示することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
通信装置であって、
撮像装置と通信をおこなう通信手段と、
前記通信手段を用いて、撮像装置から記録が完了した動画ファイルを受信する受信手段と、
記憶手段と、
を備え、
受信した動画ファイルがチャンク記録ファイルかどうかを判断し、
そのファイルがチャンク記録ファイルであれば、
そのファイルを一時的に記憶し、
以降に受信する動画ファイルを、前記一時的に記憶された動画ファイルと結合して一時的に記憶することを撮影の終了まで繰り返し、
その結合されたファイルを前記記憶手段に保存することを特徴とする通信装置。
【請求項10】
前記制御手段において、
前記撮像装置から取得したファイルがチャンク記録ファイルかどうかを
そのファイルのファイル名から判断すること
を特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記制御手段において、
前記撮像装置から取得したファイルがチャンク記録ファイルかどうかを
そのファイルに含まれるメタデータ情報から判断すること
を特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項12】
撮像装置と通信をおこなう通信手段を有する通信装置の制御方法であって、
前記通信手段を用いて前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置に表示する表示ステップと、
前記撮像装置から取得したファイルを記憶する記憶ステップと、
前記表示手段に表示されている前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置の前記記憶手段に保存する制御ステップと、
を備え、
前記制御ステップでは、
前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置の記憶手段に保存する場合に、
前記ファイルがチャンク記録ファイルかを判断し、
保存しようとするファイルがチャンク記録ファイルであれば、そのファイルの保存を制限する
ことを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項13】
撮像装置と通信をおこなう通信手段、記憶手段を有する通信装置の制御方法であって、
前記通信手段を用いて、撮像装置から記録が完了した動画ファイルを受信する受信ステップと、
受信した動画ファイルがチャンク記録ファイルかどうかを判断し、
そのファイルがチャンク記録ファイルであれば、
そのファイルを一時的に記憶し、
以降に受信する動画ファイルを、前記一時的に記憶された動画ファイルと結合して一時的に記憶することを撮影の終了まで繰り返し、
その結合されたファイルを前記記憶手段に保存するステップを有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至9の通信装置の各手段として機能させるための、コンピュータが読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置と無線通信によって接続することができる通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画の送信のリアルタイム性を確保するために、複数のファイルに分割して記録する技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、撮像装置にアクセスして保存されているコンテンツを取得し閲覧する携帯端末も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-96304号公報
【特許文献2】特開2013-142751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1のような動画データの分割は送信の効率化のために行われるのであり、特許文献2のように閲覧を目的とするケースには適さない。例えば、ユーザが誤って分割ファイルを受信してしまうことで、不完全な動画データが携帯端末に溜まることになり、削除の手間やほかのファイルを閲覧する際の邪魔になるなど、ユーザの利便性を損なう虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の通信装置は、撮像装置と通信をおこなう通信手段と、前記通信手段を用いて、前記撮像装置からファイルを取得して前記通信装置に表示する表示手段と、前記撮像装置から取得したファイルを記憶する記憶手段と、前記表示手段に表示されている前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置の前記記憶手段に保存する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記撮像装置から取得したファイルを前記通信装置の記憶手段に保存する場合に、前記ファイルがチャンク記録ファイルかを判断し、保存しようとするファイルがチャンク記録ファイルであれば、そのファイル記録を制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの利便性が損なわれる可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態におけるシステム構成を示す概念図である。
図2】第1の実施形態における撮像装置100の構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態における通信装置200の構成を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態における撮像装置100の記録媒体110内部のファイル構成を示す概念図である。
図5】第1の実施形態における通信装置200の転送アプリケーションの画面UIを示す図である。
図6】第1の実施形態における通信装置200がファイル取得実行指示を受信した際の通信装置200の処理フローである。
図7】第2の実施形態における撮像装置100が生成した動画ファイルの自動保存に関する通信装置200の処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態について、添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されてもよい。また、各実施の形態を適宜組み合せることも可能である。
【0011】
[第1の実施形態]
<システムの構成>
図1は本発明のシステム構成を説明するための模式図である。
【0012】
図1において、100はデジタルカメラなどの撮像装置である。200はモバイル端末としての通信装置であり、スマートフォンやコンピュータに代表されるような通信機能を備えた情報処理装置である。300はサーバであり、インターネットなどの通信網を経た接続先に設置される画像蓄積装置である。
【0013】
図1において、撮像装置100と通信装置200とは、有線ケーブルまたはWi-Fiなどの接続手段を経て有線通信または無線通信で接続されていて、撮像装置100で生成された動画ファイルや音声ファイルを通信装置200に転送することが可能である。通信装置200とサーバ300は、モバイルデータ通信などの通信手段を介して接続されていて、通信装置200に保存された情報をサーバ300にFTPなどの通信で転送することが可能である。
【0014】
なお、システムの構成はこれに限ったものではなく、例えば、モバイルデータ通信を利用せずに、撮像装置100と通信装置200とサーバ300とを、アクセスポイントを介して同一のネットワークに接続し、各装置間のファイルの転送処理を実現しても良い。
【0015】
<撮像装置100の構成>
図2(a)は、本実施形態の撮像装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、ここでは撮像装置の一例としてデジタルカメラについて述べるが、撮像装置はこれに限られない。例えば撮像装置は携帯型のメディアプレーヤや、いわゆるタブレットデバイス、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。
【0016】
制御部101は、入力された信号や、後述のプログラムに従って撮像装置100の各部を制御する一つ以上のプロセッサーである。なお、制御部101が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0017】
撮像部102は、例えば、光学レンズユニットと絞り・ズーム・フォーカスなど制御する光学系と、光学レンズユニットを経て導入された光(映像)を電気的な映像信号に変換するための撮像素子などで構成される。撮像素子としては、一般的には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)が利用される。撮像部102は、制御部101に制御されることにより、撮像部102に含まれるレンズで結像された被写体光を、撮像素子により電気信号に変換し、ノイズ低減処理などを行い、デジタルデータを動画データとして出力する。本実施形態の撮像装置100では、動画データは、記録媒体110に記録される。
【0018】
不揮発性メモリ103は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリであり、制御部101で実行される後述のプログラムやメタテンプレート情報等が格納される。
【0019】
作業用メモリ104は、撮像部102で撮像された動画データを一時的に保持するバッファメモリや、表示部106の動画表示用メモリ、制御部101の作業領域等として使用される。
【0020】
操作部105は、ユーザが撮像装置100に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部105は例えば、ユーザが撮像装置100の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、撮影開始/停止を指示するためのレリーズスイッチ、動画データの再生を指示するための再生ボタンを含む。さらに、後述の通信部111を介して外部機器との通信を開始するための専用の接続ボタンなどの操作部材を含む。また、後述する表示部106に形成されるタッチパネルも操作部105に含まれる。
【0021】
表示部106は、撮影の際のビューファインダー画像の表示、撮影した動画データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。なお、表示部106は必ずしも撮像装置100が内蔵する必要はない。撮像装置100は内部又は外部の表示部106と接続することができ、表示部106の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
【0022】
音声入力部107は、音声情報を入力するための装置であり、音声入力部107により音声情報から変換された音声データは音声ファイル形式で記録媒体110に記録される。
【0023】
記録媒体110は、撮像部102から出力された動画データおよび音声入力部107から出力された音声データを記録することができる。記録媒体110は、撮像装置100に着脱可能なよう構成してもよいし、撮像装置100に内蔵されていてもよい。すなわち、撮像装置100は少なくとも記録媒体110にアクセスする手段を有していればよい。
【0024】
通信部111は、外部装置と接続するためのインターフェイスである。本実施形態の撮像装置100は、通信部111を介して、外部装置とデータのやりとりを行うことができる。例えば、撮像部102で生成した動画データや音声入力部107で生成した音声データを、通信部111を介して外部装置に送信することができる。なお、本実施形態では、通信部111は外部装置とIEEE802.11の規格に従った、いわゆる無線LANで通信するためのインターフェイスを含む。また、通信部111は外部装置とUSB(Universal Serial Bus)ケーブルによるUSBインターフェイスも含む。制御部101は、通信部311を制御することで外部装置との無線通信および有線通信を実現する。
【0025】
なお、本実施形態における撮像装置100の通信部111は、インフラストラクチャモードにおけるアクセスポイントとして動作するアクセスポイントモード(以下、APモード)を有する。更に通信部111は、インフラストラクチャモードにおけるクライアントとして動作するクライアンドモード(以下、CLモード)を有している。そして、通信部111をCLモードで動作させることにより、本実施形態における撮像装置100は、インフラストラクチャモードにおけるCL機器として動作することが可能である。撮像装置100がCL機器として動作する場合、周辺のAP機器に接続することで、AP機器が形成するネットワークに参加することが可能である。また、通信部111をAPモードで動作させることにより、本実施形態における撮像装置100は、APの一種ではあるが、より機能が限定された簡易的なAP(以下、簡易AP)として動作することも可能である。撮像装置100が簡易APとして動作すると、撮像装置100は自身でネットワークを形成する。撮像装置100の周辺の装置は、撮像装置100をAP機器と認識し、撮像装置100が形成したネットワークに参加することが可能となる。上記のように撮像装置100を動作させるためのプログラムは不揮発性メモリ103に保持されているものとする。
【0026】
なお、本実施形態における撮像装置100はAPの一種であるものの、CL機器から受信したデータをインターネットプロバイダなどに転送するゲートウェイ機能は有していない簡易APである。したがって、自機が形成したネットワークに参加している他の装置からデータを受信しても、それをインターネットなどのネットワークに転送することはできない。
【0027】
次に、撮像装置100の外観について説明する。図2(b)、図2(c)は撮像装置100の外観の一例を示す図である。レリーズスイッチ105aや再生ボタン105b、方向キー105c、タッチパネル105dは、前述の操作部105に含まれる操作部材である。また、表示部106には、撮像部102による撮像の結果得られた動画が表示される。
【0028】
以上が撮像装置100の説明である。
【0029】
<通信装置200の構成>
図3は、本実施形態の通信装置200のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、ここでは通信装置200の一例として携帯モバイル端末について述べるが、通信装置200はこれに限られない。例えば通信装置200は、無線機能付きのデジタルカメラ、タブレットデバイス、あるいはパーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0030】
制御部201は、入力された信号や、後述のプログラムに従って通信装置200の各部を制御する。なお、制御部201が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0031】
撮像部202は、撮像部202に含まれるレンズで結像された被写体光を電気信号に変換し、ノイズ低減処理などを行い、デジタルデータを動画データとして出力する。撮像した動画データはバッファメモリに蓄えられた後、制御部201にて所定の演算を行い、記録媒体210に記録される。
【0032】
不揮発性メモリ203は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリである。不揮発性メモリ203には、制御部201が実行する基本的なソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)や、このOSと協働して応用的な機能を実現するアプリケーションが記録されている。
【0033】
また、本実施形態では、不揮発性メモリ203には、撮像装置100およびサーバ300と通信するための転送アプリケーション(以下転送アプリ)が格納されている。
【0034】
作業用メモリ204は、表示部206の画像表示用メモリや、制御部201の作業領域等として使用される。
【0035】
操作部205は、通信装置200に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部205は例えば、ユーザが通信装置200の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、表示部206に形成されるタッチパネルなどの操作部材を含む。
【0036】
表示部206は、動画データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。なお、表示部206は必ずしも通信装置200が備える必要はない。通信装置200は表示部206と接続することができ、表示部206の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
【0037】
記録媒体210は、撮像部202から出力された動画データを記録することができる。記録媒体210は、通信装置200に着脱可能なよう構成してもよいし、通信装置200に内蔵されていてもよい。すなわち、通信装置200は少なくとも記録媒体210にアクセスする手段を有していればよい。
【0038】
通信部211は、外部装置と通信するためのインターフェイスである。本実施形態の通信装置200は、通信部211を介して、撮像装置100およびサーバ300とデータのやりとりを行うことができる。本実施形態では、通信部211はアンテナであり、制御部101は、アンテナを介して、撮像装置100と接続することができる。なお、撮像装置100およびサーバ300との接続では、直接接続してもよいしアクセスポイントを介して接続してもよい。データを通信するためのプロトコルとしては、例えば無線LANを通じたPTP/IP(Picture Transfer Protocol over Internet Protocol)を用いることができる。
【0039】
また、通信部211は外部装置とUSB(Universal Serial Bus)ケーブルによるUSBインターフェイスも含む。なお、外部装置との通信はこれに限られるものではない。例えば、通信部211は、赤外線通信モジュール、Bluewtooth(登録商標)通信モジュール、WirelessUSB等の無線通信モジュールを含むことができる。
【0040】
公衆網接続部213は、公衆無線通信を行う際に用いられるインターフェイスである。通信装置200は、公衆網接続部213を介して、他の機器と通話することができる。この際、制御部201はマイク214およびスピーカ215を介して音声信号の入力と出力を行うことで、通話を実現する。
【0041】
本実施形態の通信装置200は、公衆網接続部213を介しても、サーバ300とデータのやりとりを行うことができる。公衆網接続部213はアンテナであり、制御部101は、アンテナを介して、公衆網に接続することができる。なお、通信部211および公衆網接続部213は、一つのアンテナで兼用することも可能である。また、一般に、公衆網を介した通信よりも、通信部211を介した通信のほうが、通信速度が速い。そのため、本実施形態の通信装置200では、通話していない状態ならば、通信部211を介した通信を優先する。
【0042】
以上が通信装置200の説明である。
【0043】
以降の記載において、撮像装置100が処理の主体であるかのように記載している場合があるが、制御部101が不揮発性メモリ103に格納されたプログラムを読み込み、各種処理を実現するものである。
【0044】
また、通信装置200が処理の主体であるかのように記載する場合があるが、実際には制御部201が不揮発性メモリ203に格納されたプログラムを読み込み、各種処理を実現するものである。
【0045】
<撮像装置で記録する動画ファイル>
撮像装置100では、前述した操作部105のレリーズスイッチへの操作が行われると、動画データが生成され、記録媒体110に記録される。撮像装置100は、操作部105により撮影開始を指示されたことに応じて、制御部101は、記録媒体110内に動画データの記録を開始し、撮影停止の指示があるまでの間、動画データを継続して記録する。ここで、撮影開始の指示から撮影停止の指示までの間に生成された動画データは、記録媒体110に1つの動画ファイルとして記録される。このように、一度の撮影開始の指示に対し、1つの動画ファイルが記録媒体110に記録されることが多い。
【0046】
一方で、一度の撮影開始の指示に対し、CPU101が記録媒体110に複数の動画ファイルを記録することがある。以下その例について説明する。
【0047】
例えば、動画データの記録方法において、動画の分割記録の設定がオンに設定されている場合には、制御部101は、撮影開始から撮影停止までの間、既定時間ごとにチャンク記録ファイルを1つ生成して記録媒体110に記録する。本実施形態においては、動画ファイルの分割の既定時間を30秒とする。すなわち、制御部101は、撮影開始の指示に従い、記録媒体110に1つめの動画ファイルを生成して記録を開始し、30秒が経過するか、または撮影停止の指示があるまで、1つめの動画ファイルを更新しながら記録を継続する。30秒経過時点で撮影停止の指示がない場合は、制御部101は、記録媒体110に2つめの動画ファイルを生成して記録を開始し、さらに30秒が経過するか、または撮影停止の指示があるまで、2つめの動画ファイルを更新しながら記録を継続する。このように、制御部101は、撮影停止の指示があるまで、撮影開始の指示から30秒ごとに動画ファイルを1つ生成し、記録媒体110内に記録することを繰り返す。このように、動画を記録中に、短期間ごとに分割して動画ファイルを作成しておくことで、記録が完了した動画ファイルから順次、通信部111を介して通信装置200に送信してサーバ300に転送させることができる。すなわち、撮影停止を待ってから動画ファイルの送信を開始するよりも早く、動画データをサーバ300に送信完了できる。このように、短期間で順次生成される一連の動画ファイルは、送信の高速化が目的で使用されるものであり、一般的には、サーバ300に一連の動画ファイルが受信された後、1つの動画ファイルに結合して使用される。
【0048】
<記録媒体110のファイル構成>
次に、図4を用いて、記録媒体110内部のファイル構成について説明する。
【0049】
図4(a)は、記録媒体110内部に記録された動画ファイルおよびメタデータ情報ファイルのディレクトリ構成を表した図である。
【0050】
記録媒体110の内部は、各種OS(Operating System)から参照可能なexFAT(Extended File Allocation Table)等のファイルシステムでフォーマットされているものとする。
【0051】
制御部101は、撮像部102で生成した動画データを、”DCIM”ディレクトリ以下の”100_0420”(下4文字は現在日付とする)ディレクトリ以下に、MP4ファイル形式で記録する。また、本実施形態の撮像装置100は、通常、動画ファイルには“MVI_”の接頭辞を使用し、接頭辞の後に4桁の数値と拡張子を付与した動画ファイル名として動画ファイルを記録する。4桁の数値は、動画ファイルごとにインクリメントされる。ただし、以降説明する例では、上記に従わないファイル命名規則を使用し、一度の撮影開始指示に応じて撮影された動画ファイル群を識別可能に記録する場合がある。また、制御部101は、不揮発性メモリ103から読み出したメタテンプレート情報を基に、動画データのメタデータ情報を、XML(Extensible Markup Language)ファイル形式で記録する。
【0052】
メタデータ情報とは、動画データを送付する納品先でのデータ管理用に利用する情報であり、動画データのカテゴリや、表題、コメント等の情報をXMLファイル内の関連するタグに入力する。
【0053】
図4(b)は、撮像装置100において、動画の分割記録の設定がオンの状態で記録された場合の動画ファイルおよび動画データのメタデータ情報ファイルを模式的に示した図である。図4(b)において、401の列は動画ファイルのファイル名を示している。ファイル名には拡張子が含まれており、拡張子により動画ファイルであるか動画データのメタデータ情報ファイルであるかの識別が可能である。撮像装置100は、ファイル命名規則により、一度の撮影指示で記録された一連のチャンク記録ファイル(以後、チャンク記録ファイル群)を識別可能に記憶する。具体的には、撮像装置100で複数のチャンク記録ファイルを記録する場合、最初に記録する動画ファイルは、ファイル名の接頭辞を”MVIB”とし、その後に4桁の数値を振って記録する。この”MVIB”は、映像ファイルであることを示す“MVI”に記録開始を表す“Begin”の頭文字を追加したものである。また、“MVI”は、映像ファイルのファイル名に使用される文字列であり、記録形式(MP4、MXF)などの記録モードに応じて決定するようにしてもよい。分割しない映像ファイル、ファイルサイズで分割する映像ファイルには、この文字列に“_”を追加した文字列がプリフィックスとして用いられる。撮像装置100は、続く動画ファイルは接頭辞を”MVID”とし、数値部分は直前に記録が完了した動画ファイルの連番として記録する。この”MVID”は、映像ファイルであることを示す“MVI”に記録中(記録途中)を表す“Duration”の頭文字を追加したものである。そして、一連のチャンク記録ファイル群の中で最後に記録される動画ファイルについて、撮像装置100は、接頭辞を”MVIE”として動画ファイルを記録する。この”MVIE”は、映像ファイルであることを示す“MVI”に終端を表す “End”の頭文字を追加したものである。
図4(b)に示す例では、撮像装置100は、撮影開始指示を受けたのち、最初の30秒で動画ファイル”MVIB0001.MP4”を記録する。その後、撮像装置100は撮影処理を続け、30秒経過ごとに”MVID0002.MP4”、”MVID0003.MP4”を記録する。そして、撮影継続中に撮影停止指示を受け、撮像装置100は、一連のチャンク記録ファイルの最後となる動画ファイルに対し”MVIE0004.MP4”のファイル名を付与して記録する。さらに、制御部101は、不揮発性メモリ103から読み出したメタテンプレート情報を基に、動画データのメタデータ情報を、XMLファイル形式で記録する。また、動画データのメタデータ情報ファイルのファイル名は、最初に記録する動画ファイルで命名した”MVIB0001”と同じファイル名で記録する。ここで記録する動画データのメタデータ情報ファイル(MVIB0001.XML)は、一連のチャンク記録ファイル群に対応したものである。402の列は撮影日時を示しており、撮像装置100において、動画ファイルの生成が開始された時間が記録される。ここで、撮影日時情報は、動画ファイル内の既定の領域にメタデータとして記録される。403の列は動画の記録時間を示しており、ファイルが動画ファイルの場合に、動画ファイルの既定の領域にメタデータとして記録される。一方で、動画データのメタデータ情報ファイルは、動画ファイルではないため、撮影日時および動画の記録時間は記録しない。
【0054】
図4(c)は、撮像装置100において、動画の分割記録の設定がオフの状態で記録された動画ファイルの情報を模式的に示した図である。本実施形態では、動画の分割記録の設定がオフの状態で記録された動画ファイルは、プロキシファイルである。プロキシファイルとは、通常の記録ファイルと比べてビットレートや解像度を落とすことで軽量化したファイルを示している。撮像装置100は、ファイル命名規則により、プロキシファイルを識別可能に記憶する。具体的には、撮像装置100でプロキシファイルを記録する場合、接頭辞を”MVIP”とし、その後に4桁の数値を振って記録する。図4(c)に示す例では、撮像装置100は、一回目に撮影開始指示を受けてから撮影停止指示を受けるまでの間に撮影された動画ファイルに対して”MVIP0001.MP4”を付与して記録する。さらに、制御部101は、不揮発性メモリ103から読み出したメタテンプレート情報を基に、対応する動画データのメタデータ情報を、XMLファイル形式で記録する。また、動画データのメタデータ情報ファイルのファイル名は、記録されたプロキシファイルで命名した”MVIP0001”と同じファイル名で記録する(”MVIP0001.XML”)。二回目に撮影をおこなった場合は、動画ファイルに対して”MVIP0002.MP4”を付与して記録し、その動画ファイルに対応する動画データのメタデータ情報ファイル”MVIP0002.XML”を記録する。なお、上述の説明では30秒という例を挙げて説明しているがこれに限られるものではない。十分に通信速度が速い場合にはもっと長い時間にしてもよい。また、使用する通信回線の性能に応じて変更できるよう、ユーザがメニュー操作によって任意の時間を設定できるようにしてもよい。
【0055】
また、ファイルシステムがFAT32である場合、システムが認識可能なファイルサイズの上限が4GByteと規定されている。そのため、ファイルシステムがFAT32である場合、メイン動画ファイルの記録中にファイルサイズが4GByteを超える前に分割し、新たに動画ファイルを生成して記録を継続する。この機能は、チャンク記録による動画の分割とは別の機能として、一つの装置に同時に搭載され得る。なお、このファイルシステムが認識可能なファイルサイズに基づく分割の場合は、チャンク記録による動画の分割におけるファイルネームの生成ルールとは異なり、新たに動画ファイルが生成されたときと同じ生成ルールによってファイルネームが生成される。すなわち、動画ファイルであることを示す“MVI”までが同じで、区別のためにそれに続く番号をインクリメントする。
【0056】
また、メイン動画ファイルの記録は、チャンク記録およびプロキシ動画記録と並行して実行され得る。
【0057】
<(図5)転送アプリの画面説明>
次に、図5を用いて、本実施形態に係る転送アプリの態様について説明する。転送アプリは、通信装置200上で動作するアプリケーションである。撮像装置100と通信装置200が接続された状態で、制御部201により転送アプリが動作されると、ユーザは撮像装置100内の画像を通信装置200上で表示したり、サーバ300へ撮像装置100の画像を転送したりすることができる。図5は、転送アプリ内での操作画面の表示例を示している。ここで、制御部201によって転送アプリが動作されることにより、制御部201は、図5に示す画面を表示部206に表示する。
【0058】
図5(a)は、本実施形態に係る転送アプリの機能一覧画面であり、転送アプリが起動され、撮像装置100と接続されている状態でまず表示される。転送アプリは、ボタン502とボタン503によって構成されている。502は、撮像装置100に記録されたファイルを表示する機能を選択するボタンである。503は、撮像装置100が動画の記録を開始すると、ファイルの生成後に自動で通信装置200の記録媒体210に保存する機能を選択するボタンである。
【0059】
図5(b)において、504は通信装置200と接続している撮像装置100に記録されているファイルの一覧表示画面であり、画面501にてボタン502をタップすると遷移する。505は前回の画面に戻るボタンである。図5(b)の506~511の部品は、接続された撮像装置100に記録されたファイルの一覧情報および各ファイルのファイル情報を基に生成される。506は動画ファイルが、撮像装置100において動画の分割記録の設定がオンの状態で記録されたチャンク記録ファイル群であることを示すアイコンである。先に説明した通り、チャンク記録ファイル群は、送信を素早く完了させるために一時的に使用される分割ファイルであり、最終的には1つの動画ファイルとして結合されて使われるものである。チャンク記録ファイル群について、各動画ファイルがばらばらに表示されていても、ユーザにとっては閲覧や選択がしづらく煩わしいと感じる可能性がある。このため、チャンク記録ファイル群は、1つにまとめて表示され、選択可能である表示態様が適していると考えられる。一方で、アイコン506が表示されていない動画ファイルは、プロキシファイルを示す。507はファイルのサムネイル画像を表示する部品であり、動画ファイル内に記録されたサムネイル画像を表示する。
【0060】
508はファイルの名称を示す文字列であり、509はファイルの撮影日時を示す文字列であり、510はファイルの動画撮影時間を示す文字列である。
【0061】
511は動画ファイルのメタデータ情報を示すメタデータファイルが、同じ記録媒体に存在するかどうかを示すアイコンである。
【0062】
512、513は、ファイルの選択/非選択の状態を示すアイコンであり、サムネイル画像507に重畳して表示される。アイコン512は選択状態を示すアイコンであり、513は非選択状態を示すアイコンである。各ファイルのサムネイル画像507をタップすると、ファイルの選択/非選択が切り替わり、表示されるアイコンも切り替わる。
【0063】
514は撮像装置100から通信装置200の記録媒体210へのファイルの保存を開始するボタンであり、保存の対象となるファイルは、先述した選択状態のファイルである。
【0064】
本実施形態における転送アプリは、撮像装置100内に記録されているファイルの一覧から画像を選択して、通信装置200の記録媒体210へファイルの保存をすることができる。また、撮像装置100内に記録されているファイルの一覧にチャンク記録ファイル群があった場合は、そのファイルが、チャンク記録ファイル群であることを示すアイコン506を付与して表示される。チャンク記録ファイル群は、送信を素早く完了させるために一時的に使用される分割ファイルであり、最終的には1つの動画ファイルとして結合されて使われるものである。この各チャンク記録ファイルが通信装置200にばらばらに保存されてしまと、通信装置内でのチャンク記録ファイルの選択や検索などの操作が煩わしく、ファイル管理が大変になるという問題があった。
【0065】
以下、記録媒体210に保存するファイルがチャンク記録ファイルであった場合において、各チャンク記録ファイルがばらばらに保存されてしまうのを防止する手段について説明する。
【0066】
<カメラ内の動画ファイル保存に関する通信装置200の処理フロー>
図6は、本実施形態において、通信部111および通信部211を介して撮像装置100と通信装置200が接続された状態で、撮像装置100内に記録されたファイルを記録媒体210に保存する際の、通信装置200の動作を示すフローチャートである。
【0067】
本フローチャートの処理は、制御部201が入力信号やプログラムに従い、通信装置200の各部を制御することにより実現される。なお、図6の処理を開始する際には、通信装置200において転送アプリが起動されているものとする。
【0068】
本フローチャートは、転送アプリにおいて、図5(b)の画面504表示中に、操作部205にて、ファイル一覧からファイルが選択されている状態で、ボタン514のタップを検出したことをトリガーに実行される処理である。
【0069】
なお、画面504に表示されるファイル一覧から、ファイルを複数選択してボタン514をタップすることで複数ファイルを保存することもできるが、説明を簡単にするため、ここでは1つのファイルを選択してボタン514をタップするものとする。
【0070】
図6(a)のS601において、制御部201は、ファイル一覧から選択された保存対象ファイルがチャンク記録ファイル群であるかどうかを判断する。チャンク記録ファイル群でなかった場合は、通信装置200の記録媒体210に保存対象ファイルを保存する(S603)。チャンク記録ファイル群であった場合は、表示部206にエラーメッセージを表示し(S602)、記録媒体210に保存せず、処理を終了する。S602で表示されるエラーメッセージの表示例を、図5(c)に示す。図5(c)のダイアログ515で、エラーメッセージが表示される。
【0071】
以上の処理によって、記録媒体210に保存するファイルがチャンク記録ファイルであった場合において、各チャンク記録ファイルがばらばらに保存されてしまうのを防止することができる。
【0072】
なお、チャンク記録ファイル群を選択した状態でボタン514をタップした際に、チャンク記録ファイル群を構成する各チャンク記録ファイルを結合したファイルを記録媒体210に保存する機能を備えても良い。図6(b)で、その際の処理フローを示す。
【0073】
なお、図6(b)において、図6(a)と同様のステップを示した処理に関しては、説明を割愛する。
【0074】
図6(b)のS601において、制御部201は、保存対象ファイルがチャンク記録ファイル群であった場合に、そのチャンク記録ファイル群の一部が不足していないかを判断する(S604)。もし、チャンク記録ファイル群の一部が不足していない場合は、記録媒体110に連続的なチャンク記録ファイルが記録できていると判断し、チャンク記録ファイル群を結合する(S605)。なお、チャンク記録ファイル群の一部が不足していないかどうかは、チャンク記録ファイル群に含まれる各チャンク記録ファイル名で判断できる。例えば、図4(b)で示した記録媒体110に記録されているチャンク記録ファイル群において、記録媒体110に”MVID0003.MP4”が不足している場合、連続的なチャンク記録ファイルが記録できていないと判断する。この場合、記録媒体210に保存せず、処理を終了する。
【0075】
図6(b)のS606において、制御部201は、チャンク記録ファイル群を構成する各チャンク記録ファイルを結合したファイルを通信装置200の記録媒体210に保存する。
【0076】
以上の処理によって、記録媒体210に保存するファイルがチャンク記録ファイルであった場合において、各チャンク記録ファイルを結合したファイルを記録媒体210に保存することができる。
【0077】
なお、チャンク記録ファイル群を選択した状態でボタン514をタップした際に、チャンク記録ファイル群を構成する各チャンク記録ファイルを結合したファイルを保存するか、各チャンク記録ファイルをそのまま保存するかを選択できる設定を備えてもよい。図6(c)で、その際の処理フローを示す。
【0078】
なお、図6(c)において、図6(a)と同様のステップを示した処理に関しては、説明を割愛する。
【0079】
図6(c)のS601において、制御部201は、保存対象ファイルがチャンク記録ファイル群であった場合に、チャンク記録ファイルの保存方法をユーザに選択させるためのボタン部材を表示する(S607)。S607で表示されるボタン部材を、図5(d)で示す。図5(d)のボタン部材において、516は、チャンク記録ファイル群を構成する各チャンク記録ファイルを結合して保存することをユーザが選択するためのボタンである。517は、チャンク記録ファイル群を構成する各チャンク記録ファイルをそのまま保存することをユーザが選択するためのボタンである。
【0080】
図6(c)のS608において、制御部201は、チャンク記録ファイル群の結合保存指示を検知したかどうかを判断する。ここで、結合保存指示を検知した状態というのは、図5(d)において、ボタン516のタップを制御部201が検知したときである。また、結合保存指示を検知していない状態というのは、ボタン517のタップを制御部201が検知したときである。
【0081】
図6(c)のS608において、チャンク記録ファイル群の結合保存指示を検知した場合には、図6(b)で説明したS604~S606に示す処理を実行する。一方で、S608において、結合保存指示を検知していない場合は、チャンク記録ファイル群を構成している全てのチャンク記録ファイルに対して、S603に示す処理を実行する。
【0082】
以上の処理によって、通信装置200は、画面504に表示されるファイル一覧から選択された保存対象ファイルを、それぞれの処理フローに応じて適切に通信装置200の記録媒体210への保存をおこなうことができる。
【0083】
上述の第1の実施形態では、転送アプリで表示されるファイルの一覧表示画面において、チャンク記録ファイル群を選択した状態でボタン514をタップすると、エラーメッセージを表示して記録媒体210に保存させないとしていた。しかしチャンク記録ファイルの保存を制限する方法は、これに限るものではない。
【0084】
例えば、転送アプリで表示されるファイルの一覧表示画面において、チャンク記録ファイル群が選択状態にあった場合には、ボタン514を非表示にしてもよい。
【0085】
また、転送アプリで表示されるファイルの一覧表示画面において、チャンク記録ファイル群が選択状態にあった場合には、ボタン514を操作しても反応しないようにしてもよい。この場合、ボタン514を、実行不可能な状態を示す表示態様に変更してもよい。例えば暗い色で表示する。
【0086】
また、転送アプリで表示されるファイルの一覧表示画面において、チャンク記録ファイル群であれば、ファイルの選択状態を示すアイコン512およびファイルの非選択状態を示すアイコン513を非表示にしても良い。これにより、チャンク記録ファイルを受信する対象として選択させないようにすることができる。
【0087】
また、転送アプリで表示されるファイルの一覧表示画面において、チャンク記録ファイル群であれば、ファイルの選択状態を示すアイコン512およびファイルの非選択状態を示すアイコン513を反応しないようにしてもよい。この場合、選択不可能な状態を示す、暗い色で無効であることを表示しても良い。
【0088】
また、転送アプリで表示されるファイルの一覧表示画面において、チャンク記録ファイル群であれば、ファイルの非選択状態を示すアイコン513をタップすると、選択不可能な旨を示すエラーメッセージを表示しても良い。
【0089】
また、転送アプリで表示されるファイルの一覧表示画面において、チャンク記録ファイル群であればファイルの一覧表示画面に表示させないように制御しても良い。
【0090】
また、上述の第1の実施形態では、保存時にチャンク記録ファイル群を構成する各チャンク記録ファイルを結合したファイルを保存するか、そのまま保存するかを選択できるとしていたが、これに限らない。
【0091】
例えば、転送アプリにおいて、チャンク記録ファイル群を構成する各チャンク記録ファイルを結合したファイルを保存するか、各チャンク記録ファイルをそのまま保存できるかをあらかじめ設定できても良い。
【0092】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について説明する。
【0093】
前述した第1の実施形態では、転送アプリにおいて、通信装置200と接続している撮像装置100に記録されているファイルの一覧表示画面からファイルを選択してボタン514をタップすると、通信装置200の記録媒体210に保存処理が開始される。
【0094】
第2の実施形態では、撮像装置100が動画の分割記録の機能を用いて動画を記録中に、記録が完了した動画ファイルを通信装置200が受信し、ファイルの種類に応じた保存処理をおこなうことで、すぐに記録媒体210に自動保存する手段について説明する。
【0095】
なお、本実施形態において、撮像装置100、通信装置200、サーバ300、およびシステム構成は、第1の実施形態と同様であるため説明を割愛する。
【0096】
<(図7)撮像装置100が生成した動画ファイルの自動保存に関する通信装置200の処理フロー>
図7は、本実施形態において、撮像装置100と通信装置200が接続された状態で、撮像装置100が記録して生成した動画ファイルを受信し、記録媒体210に自動保存する際の通信装置200の動作を示すフローチャートである。
【0097】
転送アプリにおいて、図5(a)のボタン503をタップすると、通信装置200は撮像装置100の撮影開始指示を受けて、ファイルの生成後に自動で通信装置200が備える記録媒体210に保存する機能を備える画面に遷移する。以後、この画面をファイル自動保存画面とする。
【0098】
本フローチャートの処理は、制御部201が入力信号やプログラムに従い、通信装置200の各部を制御することにより実現される。なお、図7の処理を開始する際には、通信装置200において転送アプリのファイル自動保存画面が表示されているものとする。
【0099】
本フローチャートは、転送アプリのファイル自動保存画面を表示中に、制御部201が、撮像装置100からの撮影開始指示を受信したことをトリガーに実行される処理である。
【0100】
図7のS701において、制御部201は、撮像装置100からの動画ファイル生成通知を受信したかを判断する。通知を受信していなければ、受信するまで待ち受ける。通知を受信した場合は、動画ファイル生成通知に含まれるイベントデータセットから動画ファイルの情報を取得する(S702)。なお、制御部201は、動画ファイルの情報を動画ファイル生成通知に含まれるイベントデータセットから取得したが、これに限らない。例えば、動画ファイルの情報を別途、撮像装置100に要求して取得しても良い。
【0101】
図7のS703において、制御部201は、撮像装置100から動画ファイルを受信し、S704において、受信した動画ファイルがチャンク記録ファイルかどうかを判断する。先述した通り、動画ファイルがチャンク記録ファイルであるかどうかは、ファイル命名規則によって識別可能である。受信した動画ファイルがチャンク記録ファイルでなければ、作業用メモリ204に動画ファイルを格納する(S712)。一方、受信した動画ファイルがチャンク記録ファイルであれば、その動画ファイルが始端のチャンク記録ファイルであるかどうかを判断する(S705)。始端のチャンク記録ファイルであるかどうかは、動画ファイル名の接頭辞”MVI”に続く文字が“B”であるかどうかによって判断できる。
【0102】
図7のS705において、受信した動画ファイルが始端のチャンク記録ファイルであれば、S706に示す処理を実行する。例えば、受信した動画ファイルが始端のチャンク記録ファイルであれば、作業用メモリ204に”MVIB0001.MP4”を一時的に保存する。受信した動画ファイルが始端のチャンク記録ファイルでなければ、S707~S709に示す処理を実行する。
【0103】
図7のS707において、制御部201は、作業用メモリ204に格納している動画ファイルを読み込み、S708で制御部201は、作業用メモリ204から読み込んだ動画ファイルと、S703で受信した動画ファイルを結合する。例えば、作業用メモリ204に一時的に保存していた”MVIB0001.MP4”とS703で受信した動画ファイル”MVID0002.MP4”を結合する。
【0104】
図7のS709において、制御部201は、S708で結合した動画ファイルを作業用メモリ204に格納する。S707~S709に示す処理を繰り返すことによって、逐次的にチャンク記録ファイルを結合し、作業用メモリ204に結合したファイルを格納する。
【0105】
図7のS710において、制御部201は、S703で受信した動画ファイルが終端のチャンク記録ファイルであるかどうかを判断する。終端のチャンク記録ファイルであるかどうかは、動画ファイル名の接頭辞”MVI”に続く文字が“E”であるかどうかによって判断できる。S703で受信した動画ファイルが終端のチャンク記録ファイルでなければ、引き続きS701へ進み、制御部201は撮像装置100からの動画ファイル生成通知を待ち受ける。S703で受信した動画ファイルが終端のチャンク記録ファイルであれば、作業用メモリ204に格納していた動画ファイルを通信装置200の記録媒体210に保存する(S711)。
【0106】
以上の処理によって、通信装置200は、接続中の撮像装置100が記録して生成したチャンク記録ファイルを逐次的に結合することで、記録媒体210へのファイルの自動保存をおこなうことができる。
【0107】
上述の第2の実施形態では、通信装置200は、撮像装置100の撮影開始時に受信する始端のチャンク記録ファイルから撮影停止時に受信する終端のチャンク記録ファイルまでを逐次的に結合したファイルを記録媒体210に保存するとしていた。しかし、これに限られるものではない。例えば、ファイル自動保存機能にチャンク記録ファイル群を構成する各チャンク記録ファイルをそのまま保存する設定を備え、通信装置200が撮像装置100からチャンク記録ファイルを受信したタイミングで、記録媒体210に保存しても良い。
【0108】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0109】
また、上述の実施形態では、チャンク記録ファイルかどうかをファイルの命名規則を用いて判断したが、これに限らない。
【0110】
例えば、チャンク記録ファイルかどうかを動画データのメタデータ情報ファイルに含まれる情報から判断しても良い。
【0111】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7